JP2012237035A - 高成形性Al−Mg系合金板およびその製造方法 - Google Patents

高成形性Al−Mg系合金板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】異周速圧延を適用して集合組織制御を行なってAl−Mg系合金の平均r値を向上させ、深絞り性を向上させるプロセスとして、工業的な量産規模での製造により確実かつ安定して深絞り性に優れた成形加工用Al合金板を得る方法を提供する。
【解決手段】Mg2.0〜6.0%を含有し、必要に応じてCu、Mn、Cr、Zr、Vの1種以上を更に含有し、残部がAlと不可避的不純物からなる板材で集合組織を適切に制御する。鋳塊に150℃以上でしかも非再結晶温度域内の温度で50%を越える圧下率で粗圧延を行ない、更に150℃以上でしかも非再結晶温度域内の温度でロール周速比1.2〜4.0の異周速圧延を50%を越える圧下率で行なって最終板厚とし、その後焼鈍処理を行ない平均ランクフォード値が0.9以上のアルミニウム合金板を得る。
【選択図】なし

Description

この発明は、自動車のボディシート、その他各種車両用部品や、電子・電気機器のシャーシやパネルなどの各種電子・電気機器部品等に使用される成形加工用のアルミニウム合金板の製造方法に関し、特に強度のみならず優れた成形性を有する高成形性Al−Mg系合金板およびその製造方法に関するものである。
自動車のボディシートには、従来は冷延鋼板を使用することが多かったが、最近では地球温暖化抑制やエネルギーコスト低減などのために、自動車を軽量化して燃費を向上させる要望が強まっている。そのため従来の冷延鋼板に代えて、冷延鋼板とほぼ同等の強度で比重が約1/3であるアルミニウム合金板を、自動車のボディシートに使用する傾向が増大しつつある。また自動車以外の電子・電気機器等のパネル、シャーシの如き成形加工部品についても、最近ではアルミニウム合金板を用いることが多くなっている。
ところでこのような成形加工用素材としてのアルミニウム合金板としては、従来はAl−Mg系のJIS 5052合金やJIS 5182合金のO材等が最も広く使用されている。
このようなAl−Mg系アルミニウム合金からなる成形加工用素材の製造方法としては、一般には、DC鋳造法によって鋳造して均質化処理を施し、続いて熱間圧延してからさらに冷間圧延を行ない、その後に再結晶熱処理を行なう方法が適用されている。しかしながら上述のような従来の一般的な方法により製造されたAl−Mg系の成形加工用アルミニウム合金板は、強度は冷延鋼板とほぼ同等ではあるものの、成形加工性、とりわけ深絞り性が冷延鋼板と比較して劣っているのが実情である。
ところで冷延鋼板においては、成形加工性、とりわけ深絞り性の指標としてランクフォード値(r値)が従来から広く使用されており、このランクフォード値が高く、特に平均ランクフォード値(平均r値)が高いほど、深絞り性が優れると判断される。ここで平均r値とは、圧延方向に対して0°、45°、90°の各方向で測定したr値(それぞれr0、r45、r90とする。)の平均値であり、平均r値=(r0+2×r45+r90)/4で表わされる値である。
一方、一般に成形加工用素材では、深絞り性が集合組織によって大きな影響を受けることが良く知られている。そして体心立方格子構造を有する冷延鋼板では、圧延集合組織の板面に平行な主方位面が{111}面となり、その{111}面の方位集積密度を高めることによって、平均r値が上がり、深絞り性が向上することが知られている。そして冷延鋼板では、冷間圧延・再結晶熱処理によって得られる結晶方位が前述のように{111}面であることから、{111}面の方位集積密度を高めて深絞り性を向上させることが容易であり、そのための方法も既に十分に確立している。
これに対して面心立方格子構造を有するアルミニウム合金の場合は、従来の一般的な方法により製造すれば、成形性向上に有効な{111}面が形成されないばかりでなく、むしろ成形性を阻害する{100}面の方位密度が主方位となってしまって、平均r値を十分に上げることができず、成形性、特に深絞り性を向上させることが困難であった。
そこで最近に至り、アルミニウム合金に剪断変形を与えることにより{111}集合組織を形成させて、平均r値および深絞り性を向上させる技術が、例えば非特許文献1において提唱されている。この非特許文献1には、{111}集合組織の材料でr値が高くなるとの理論解析が開示されており、さらに{111}集合組織を形成するための具体的手法として、熱間圧延と冷間圧延の中間的な温度で圧延する温間圧延や、圧延時における上下の圧延ロールの周速を異ならしめる異周速圧延を適用して、剪断変形を導入する方法が提案されている。
一方特許文献としては、例えば特許文献1では、通常の熱間圧延後に、熱間、温間もしくは冷間で異周速圧延を適用することによる集合組織{111}方位の集積とそれによる深絞り性の改善が提案されているが、異周速圧延条件を施す以前の製造工程条件および異周速圧延の条件が必ずしも明確ではない。また特許文献2〜4では、温間異周速圧延を適用することにより、それぞれ{111}集合組織を形成して深絞り性を向上させる技術が提案されている。
これらのうち、特許文献1では、一般的な製造工程にしたがって熱間圧延まで行なった板に対し、異周速圧延を行なうことが示されており、異周速圧延自体は熱間、温間、冷間のいずれでも良いとされている。また特許文献2には、鋳塊に対して再結晶を伴なう熱間圧延を行なって、得られた熱間圧延板(再結晶板)に対して温間で異周速圧延を行なうことが示されている。そしてまた特許文献3には、熱間圧延板、もしくは連続鋳造板などの鋳塊に対して、85%以上の高圧下率で温間異周速圧延を施すことが示されている。さらに特許文献4においては、温間異周速圧延の前工程として、通常の圧延により、βファイバーと称されるアルミニウム合金圧延集合組織として一般的な集合組織を安定的に形成し、その後に50%以下の圧下率での温間異周速圧延を適用することにより、目的とする成形性に有利な集合組織を形成することとされている。
特開2003−305503号公報 特開2005−139494号公報 特開2008−006483号公報 特開2008−063623号公報
軽金属学会第50回シンポジウムテキスト、「再結晶・集合組織の解析と制御」(1996)、P18
前述のように、従来の提案でも異周速圧延により剪断変形を与えることがアルミニウム合金における成形性向上のための集合組織制御に有効であることが示されている。従来の提案方法では、板面{111}方位の結晶粒を作り出し、かつ{100}方位結晶粒の形成を抑制して高r値を達成するというのが考え方の基本となっている。
しかしながら、異周速圧延したAl−Mg系合金板において同じように{111}に近い方位の集積があっても、平均r値が高い場合と低い場合があることが、本発明者らの検討により判明した。更に、同様の異周速圧延した合金板で{111}方位が集合組織上の最大集積を示す方位ではないことも、本発明者らの検討によって判明した。そこで、{111}方位結晶粒と{100}方位結晶粒を制御するという従来の考え方だけでは、安定して高r値を得られないことが判明したのである。
また、異周速圧延は、未だ工業的なアルミニウム合金製造のための一般的圧延方法としては確立されていないのが実情であり、特許文献1〜4の提案の技術も、少なくとも工業的な量産規模での製造に関しては、健全な板材を得るための技術として完成しているとは言えず、これらの文献を参照しても、工業的な量産規模の製造において、確実かつ安定して集合組織を制御し、深絞り性が安定して優れたアルミニウム合金板を得ることは困難であった。
この発明は以上の事情を背景としてなされたもので、異周速圧延を適用して集合組織制御を行なって、Al−Mg系合金のr値、特に平均r値を向上させ、深絞り性を向上させるための製造プロセスとして、工業的な量産規模での製造により、確実かつ安定して深絞り性に優れた高強度成形加工用アルミニウム合金板を得る方法を提供することを課題とするものである。
本発明者らは鋭意検討の結果、板面{111}以外の方位の結晶粒でも平均r値の向上にかなりの効果を示し、適切な製造条件を設定することによって板材組織中にその方位の結晶粒を大きな面積率で存在させることが可能なことを見出した。具体的には、板面と結晶の{432}面が平行である方位がそれにあたる。{111}、{100}方位の結晶粒の制御だけでなく、この{432}方位の結晶粒をある面積率以上で存在させることで、Al−Mg合金板において安定した高r値を達成できるものである。
本発明者らは、通常の圧延では形成できない特異な集合組織状態を形成するための工程に関しても検討を加えた。すなわち、アルミニウム合金の中でも高強度材として多く実用されているAl−Mg系合金を素材とし、異周速圧延の特徴を活かして十分な剪断変形を与え、確実かつ安定して成形性向上に適した集合組織を形成する方法および条件について検討した。これにより、工業的に実現性が高い本発明に係る高成形性Al−Mg系合金板の製造方法を完成したものである。
具体的には、請求項1の発明の高成形性Al−Mg系合金板は、Mg2.0〜6.0%(mass%、以下同じ)を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなる組成を有し焼鈍処理されたAl−Mg系合金板であって、すべての結晶方位の結晶粒総面積に対して{432}面が板面と平行から9.0°以内の範囲にある結晶粒の面積比が0.15以上であり、{111}<112>、{332}<113>、{221}<114>および{221}<122>からなる方位の方位分布関数のうち最も高いものをαとし、{001}<100>および{001}<110>の方位分布関数の高い方をβとした時にα/βが2.0以上であり、平均ランクフォード値が0.9以上であることを特徴とするものである
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のAl−Mg系合金板において、前記Al−Mg系合金が、Mg2.0〜6.0%を含有し、さらにCu0.05〜1.0%、Mn0.01〜0.8%、Cr0.01〜0.3%、Zr0.01〜0.2%、V0.01〜0.2%のうちの1種または2種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなることを特徴とするものである。
更に、請求項3の発明の高成形性Al−Mg系合金板の製造方法は、Mg2.0〜6.0%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなる鋳塊に、150℃以上でしかも非再結晶温度域内にある温度において、50%を越える圧下率で粗圧延を行ない、さらに150℃以上でしかも非再結晶温度域内にある温度において、ロール周速比が1.2〜4.0の範囲内の異周速圧延を、50%を越える圧下率で行なって最終板厚とし、その後焼鈍処理を行ない、平均ランクフォード値が0.9以上のアルミニウム合金板を得ることを特徴とするものである。
また請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のAl−Mg系合金板の製造方法において、前記鋳塊がMg2.0〜6.0%を含有し、さらにCu0.05〜1.0%、Mn0.01〜0.8%、Cr0.01〜0.3%、Zr0.01〜0.2%、V0.01〜0.2%のうちの1種または2種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるAl−Mg系アルミニウム合金の鋳塊を用いることを特徴とするものである。
この発明の成形加工用アルミニウム合金板は、高い強度を有し、かつ平均r値が高くて成形性、特に深絞り性に優れた健全なAl−Mg系合金板であり、また本発明に係る製造方法により工業的に量産的規模で確実かつ安定して製造することができる。そのため、工業上顕著な効果を奏することができる。
先ず、この発明で対象とするAl−Mg系合金の成分およびその限定理由について説明する。
Mg:
Mgはこの発明で対象とするアルミニウム合金における基本となる成分元素であって、強度および成形性、特に伸び、深絞り性の向上に寄与する。Mg量が2.0%未満では十分な強度が得られないだけでなく、伸び、深絞り性、張出性が劣る。一方、Mg量が6.0%を越えれば、熱間脆性が大きくなって圧延が困難となる。そのため、Mg量は、2.0〜6.0%の範囲内とした。
この発明では、Al−Mg系合金として、前記Mgのほか、さらにCu0.05〜1.0%、Mn0.01〜0.8%、Cr0.01〜0.3%、Zr0.01〜0.2%およびV0.01〜0.2%のうちから選ばれた1種または2種以上を選択的に含有する合金を用いることもできる。これらの選択元素の限定理由を以下に説明する。
Cu:
Cuは、強度の向上に寄与する。Cu量が0.05%未満では、強度向上の効果が得られず、一方Cu量が1.0%を越えれば、成形性や耐食性が低下する。そこでCu量は0.05〜1.0%の範囲内とした。
Mn:
Mnも強度向上に効果があり、また熱処理時の再結晶粒微細化に効果がある。Mn量が0.01%未満では、強度向上と再結晶粒微細化の効果が得られず、一方Mn量が0.8%を越えれば、組織中に粗大な金属間化合物が形成され、成形性に悪影響を与える。そこでMn量は0.01〜0.8%の範囲内とした。
Cr:
Crも強度向上と熱処理時の再結晶粒微細化に効果がある。Cr量が0.01%未満では、強度向上と再結晶粒微細化の効果が得られず、一方Cr量が0.3%を越えれば、組織中に粗大な金属間化合物が形成され、成形性に悪影響を与える。そこでCr量は0.01〜0.3%の範囲内とした。
Zr:
Zrも熱処理時の再結晶粒微細化に効果がある。Zrが0.01%未満では、再結晶粒微細化の効果が得られず、一方Zr量が0.2%を越えれば、組織中に粗大な金属間化合物が形成され、成形性を低下させるおそれがある。そこでZr量は0.01〜0.2%の範囲内とした。
V:
Vも熱処理時の再結晶粒微細化に効果がある。V量が0.01%未満では、再結晶粒微細化の効果が得られず、一方V量が0.2%を越えれば、組織中に粗大な金属間化合物が形成され、成形性を低下させるおそれがある。そこでV量は0.01〜0.2%の範囲内とした。
なお一般的なアルミニウム合金の鋳造時には、結晶粒微細化剤としてTiが添加されることが多く、またTiは強度の向上にも寄与する。そこでこの発明においても、0.15%以下のTiを添加することは許容される。また鋳塊結晶粒微細化の目的でTiを添加する場合、500ppm以下のBまたはCを、Tiと合せて添加することも差し支えない。さらに、Mgを含有する合金については、鋳造時の溶湯酸化防止のためにBeを添加することも一般的であり、この発明の場合も、500ppm以下であればBeを添加しても差し支えない。
そのほか通常のアルミニウム合金の不可避的不純物としてはFeおよびSiが挙げられる。これらが過剰に存在すれば延性や成形性が低下してしまうから、いずれも0.25%以下に規制することが望ましい。
本発明に係るAl−Mg系合金板の集合組織の規定について説明する。本発明に規定するところの特定方位の結晶粒の面積比や方位分布関数は、EBSP法(後方散乱電子線回折像法)により測定算出することができる。ここで、方位分布関数(ODF)が高い程、方位の集積が大きいことを示しており、ODFが1となる場合はあらゆる方位が同程度に存在するランダム状態に相当する。
合金板の板厚全体の性質を測定するために、EBSP測定は板断面において板厚全体が入る視野について実施し、通常の圧延板の板面基準の方位表示に変換するものとする。
本発明に係るAl−Mg系合金板は、焼鈍処理の加熱により再結晶組織が形成されているものである。その組織中で、{432}面が板面と平行から9.0°以内のずれ角度範囲にある方位の結晶粒の面積比が0.15以上となるように組織制御されることを必要とする。好ましい面積比は、0.25以上である。面積比が0.15未満では、十分に高い平均r値が得られないため不適当である。面積比の上限は特に規定されるものではないが、0.7以上とすることは技術的に困難である。
これまでの本発明者らの検討において、異周速圧延したAl−Mg系合金板で高r値が達成されたものでは、集合組織中の集積の最も高い方位、すなわち主方位が{432}<125>面付近となる場合が多かった。この方位には、(432)[−1−25]:Bungeの3次元方位表示でφ1=79.5°、Φ=68.2°、φ2=53.1°や、(324)[2−51]:φ1=15.8°、Φ=42.0、φ2=56.3°が含まれる。但し、これらの方位から若干ずれた方位が主方位となる場合も、同様に高r値が達成される。要するに、板面が{432}と平行か、そこから9.0°以内ずれた範囲の方位の結晶粒であれば、それら結晶粒が多く存在することで平均r値を向上させる効果が発揮される。このため、本発明ではこれらの方位範囲の結晶粒の面積率を規定するものである。
{111}<112>方位は{111}方位の代表的なものであり、{332}<113>、{221}<114>および{221}<122>は{111}方位に近い方位で、いずれも平均r値を上げる効果が著しい方位である。逆に{001}<100>および{001}<110>は、平均r値を下げる作用の著しい方位といえる。現に、冷間圧延を経て製造された通常のAl−Mg系合金板では、特にO調質状態での再結晶集合組織の主方位は、多くの場合{100}<100>であり、このことがr値を低下させる原因となっている。
本発明では、{111}<112>、{332}<113>、{221}<114>および{221}<122>の各方位の方位分布関数のうち最も高いものをαとし、{001}<100>および{001}<110>の方位分布関数の高い方をβとした時に、α/βが2.0以上であることを規定するものである。これは平均r値を向上させる効果の大きい方位を、平均r値を低下させる方位に比して十分に高い集積度とすることで、高r値を実現することを可能とするものである。α/βの比が2.0未満では高いr値が実現できないため不適当である。なお、{001}<100>および{001}<110>の方位分布関数が相対的に低ければ低いほど平均r値の向上には有利となり、α/βの上限は特に限定されるものではない。
本発明で規定される集合組織状態を実現するために好適なAl−Mg系合金の製造方法は、所定の組成を有する鋳塊に、150℃以上でしかも非再結晶温度域内にある温度において、50%を越える圧下率で粗圧延を行ない、さらに150℃以上でしかも非再結晶温度域内にある温度において、ロール周速比が1.2〜4.0の範囲内の異周速圧延を、50%を越える圧下率で行なって最終板厚とし、その後焼鈍処理を行ない、平均ランクフォード値が0.9以上のアルミニウム合金板を製造するものである。
次にこの発明の方法における各工程およびプロセス条件について説明する。
先ず前述のような成分組成を有する合金の溶湯を、常法にしたがって溶製し、続いて鋳造する。この鋳造手段は特に限定されるものではないが、例えばDC鋳造法(半連続鋳造法)などの通常の鋳造法によりスラブ状鋳塊に鋳造したり、あるいは連続鋳造圧延法により帯板状の連続鋳造板に鋳造したりしても良い。
鋳造により得られた鋳塊に対して均質化処理を行なうことが好ましい。この均質化処理は、鋳塊組織を均一化し、最終板の成形性を向上させるとともに、最終焼鈍時における再結晶粒の安定化を図るための工程である。この場合の均質化処理の条件は特に限定しないが、処理温度が450℃未満では十分な均質化の効果が得られず、一方570℃を越えれば共晶融解のおそれがあり、また処理時間が0.5時間未満では十分な効果が得られず、24時間を越えれば効果が飽和して経済性を損なうだけであり、したがって均質化処理は450〜570℃において0.5〜24時間の条件とすることが望ましい。
一方、前述のように連続鋳造圧延法により得られる帯板状の鋳塊(連続鋳造板)を素材とすることも可能である。この場合の連続鋳造圧延法としては、双ロール式連続鋳造、あるいはベルト式もしくはブロック式の連続鋳造などが適用可能である。双ロール式による連続鋳造板としては板厚5〜10mmのものが好適で、ベルト式もしくはブロック式による連続鋳造板としては、板厚15〜60mmのものが好適である。これらの連続鋳造板の場合も、鋳造後に450〜570℃において0.5〜24hの均質化処理を行なっても良い。
前述のようにして得られた鋳塊(スラブ状鋳塊もしくは連続鋳造板)に対しては、150℃以上でしかも非再結晶温度域内となる温度で、50%を越える圧下率で粗圧延を行なう。ここで、非再結晶温度域とは、Al−Mg系合金が再結晶しない温度域のことであり、通常は350℃以下の温度域を意味する。したがって150〜350℃の範囲内の温度で粗圧延を行なうことになる。この粗圧延時の温度が150℃より低ければ、材料の変形抵抗が大きくなるため、高圧下での圧延を行なう際に割れが起こりやすくなり、生産性の上から支障を招く。一方、粗圧延時の温度が非再結晶温度域を越え、例えば350℃を越えれば、圧延中に再結晶が生じて、次工程である温間異周速圧延において、目的とする集合組織制御が不可能となる。
また粗圧延における全体の圧下率は、50%以上とする。50%より低い圧下率では、半連続鋳造、または連続鋳造圧延で生じた鋳造組織が残り、次工程の異周速圧延で目的とする集合組織制御を行なうことができなくなる。そのため、粗圧延における圧下率は、50%以上とする必要がある。この粗圧延は、その後の異周速圧延とは異なり、材料を挟む一対の圧延ロールの周速比を1とする、通常の等周速圧延で行なう。
上述のような粗圧延終了後は、150℃以上でかつ非再結晶温度域内の温度で、50%を越える圧下率で異周速圧延を行なう。ここで異周速圧延とは、材料を挟んで回転する一対の圧延ロールにおける材料に接する面(ロール外周面)の周速が異なるように圧延する方式を意味し、一対の圧延ロールの外径(ロール径)自体は同径として、一対のロールを異なる回転数で回転させる場合と、一対の圧延ロールの径を異ならしめて、これらを等しい回転数で回転させる場合とがあり、いずれを適用しても良いことはもちろんである。
上述のような異周速圧延時の材料温度が150℃より低ければ、材料内に均質に剪断変形を導入することが困難となる。一方、異周速圧延時の温度が350℃を越えれば、圧延中に再結晶が生じて、剪断変形を十分に導入することができなくなり、そのため目的とする集合組織制御が不可能となる。また、異周速圧延における全体の圧下率が50%以下では、ロールと材料との間にスリップが生じてしまって、異周速圧延によっても剪断変形が与えられなくなり、目的とする集合組織制御が不可能となってしまう。異周速圧延の圧下率が50%を越えれば、ロールと材料との間のスリップが著しく生じ難くなり、目的とする集合組織制御を行ないやすくなる。なお、60%を越える圧下率で異周速圧延することが好ましい。ここで、異周速圧延における圧下率の上限については特に限定しないが、割れの無い健全な板材を得るためには、通常は90%以下とすることが望ましい。
さらにこの発明の方法においては、異周速圧延におけるロール周速比、すなわち一対の圧延ロールの周速比(周速が小さい側のロールの周速に対する、周速が大きい側の周速の比)は、1.2〜4.0の範囲内とする。ここで、周速比が1.2未満であれば、十分な剪断変形の付与が困難となる。一方、周速比が4.0を越えれば、ロールと材料との間のスリップが生じたり、また材料の局部的な変形が生じて正常な板が得られなくなったりする。ロールと材料との間のスリップを生じさせず、確実に剪断変形を付与するためにより好ましい周速比は、1.5〜3.0の範囲内である。
また、最終板厚(異周速圧延上がり板厚)も特に限定しないが、成形用としては、0.3〜2mm程度が適当である。
なお異周速圧延で使用する圧延機として、一対の圧延ロールの外径(ロール径)が等しいものを用いる場合、一対の圧延ロールを異なる周速度で駆動させ得る機構を備えた圧延機を用いる必要がある。その具体的方式は特に問わないが、一対のロールが速度可変モーターにより別駆動されるもの、あるいはギアなどの機械的機構で周速の比を変化させ得るものが好適である。また異周速圧延を安定的に行なうためには、ロールの加熱機構を有する圧延機を使用することが望ましい。この場合、ロール内にヒーターを内蔵させるか、あるいはロール加熱用のヒーターをロールに近接した外部に設置するかのいずれでも差し支えない。
以上のようにして異周速圧延を行なって所定の板厚としたAl−Mg系合金板に対しては、最終的に再結晶させて成形性を向上させるために、焼鈍処理としての再結晶熱処理を施す。この焼鈍処理としての再結晶熱処理の条件は、バッチ式の焼鈍の場合には250〜450℃で0.5〜24時間の加熱保持とすることが望ましく、連続焼鈍方式の場合には、350〜580℃で0〜5分間の保持とすることが好ましい。ここで、0分間の保持とは、所望の温度に到達したら直ちに冷却することを意味する。
バッチ式の焼鈍処理の場合、焼鈍温度が250℃未満では完全には再結晶しないため、良好な成形性が得られないおそれがある。一方、450℃を越えれば再結晶粒が粗大化して、成形後に肌荒れが発生し外観不良を招くおそれがあり、さらに表面の酸化層の厚さが増大して化成処理性が低下するおそれがある。なお、ここで再結晶粒の粗大化の目安としては、再結晶粒径が100μm以上となった場合に粗大化ということができ、これは後述する連続焼鈍方式による焼鈍処理の場合も同じである。またバッチ式の焼鈍処理の保持時間が0.5時間未満では十分に再結晶が進行せず、一方24時間を越えれば経済性を損なうばかりでなく、表面の酸化層の厚さが増大して、化成処理性が低下するおそれがある。
一方、連続焼鈍方式の焼鈍処理の場合、温度が350℃未満では十分に再結晶しないため良好な成形性が得られないおそれがある。一方、580℃を越えれば共晶融解が発生するおそれがある。また、共晶融解が発生しない場合でも再結晶粒が粗大化し、成形後に肌荒れが発生して外観不良を生じるおそれがあり、さらに表面の酸化層の厚さが増大して、化成処理性が低下するおそれがある。
本発明のAl−Mg系合金に、溶体化処理後、室温時効後、あるいは予備時効処理後のいずれかで板の平坦度を向上させるレベリングを施すことができる。このように再結晶させることにより、高いr値と良好な深絞り性を示す集合組織状態を得ることが可能となる。この点について次に詳細に説明する。
本工程では、非再結晶温度域で等速での粗圧延を行なうことにより、回復が進みながら加工されることで、圧延時に{432}に近い方位の亜結晶粒が形成されやすい。この後、非再結晶温度で異周速圧延することで剪断変形が導入され、{332}{221}を含め{111}に近い方位の亜結晶粒が更に形成される。異周速圧延後、{001}方位として{001}<110>方位の亜結晶粒は形成されているが、{001}<100>方位の方位密度は非常に小さい。最終的に溶体化処理で再結晶するが、{001}方位より優先して{432}に近い方位、あるいは{332}{221}など{111}に近い方位の亜結晶粒が成長して結晶粒となる。このようにして、本発明の集合組織状態が実現されr値向上につながる。
以下にこの発明の実施例を比較例とともに示す。なお以下の実施例は、この発明の作用・効果を具体的に示すためのものであり、実施例の条件がこの発明の技術範囲を制限するものではないことはもちろんである。
表1の合金符号A〜Kに示す各成分組成のAl−Mg系合金を常法に従って溶解し、DC鋳造法によって厚さ80mm、幅200mmの断面を有するスラブ状鋳塊とした。これらの各合金A〜Kの鋳塊について、500℃×10hの均質化処理を施した後、鋳塊を表2、3に記載の厚さ(6〜72mm)に面削加工し、元板とした。一部、元厚150mmとした鋳塊を同様に均質化処理し、130mmまで面削したものも元材として用いた。そのほか、双ロール法で連続鋳造した厚さ4.5〜10mmの連続鋳造板も元板として用いたが、これには予め460℃で10hの均質化処理を施しておいた。
以上のような各合金からなる元板について、表2および表3に示す圧延加工(粗圧延および異周速圧延)を行ない、焼鈍処理としての再結晶熱処理を施した後、性能を評価した。なお圧延加工前には、各元材をそれぞれ所定の圧延温度で1時間保持する予備加熱を行なった。粗圧延に用いた圧延機および異周速圧延の圧延機は、ロール内にヒーターを内包したものであり、圧延時には、このヒーターによりロールを所定の圧延温度に対して−15℃〜0℃の範囲内となるように温度制御を行なった。なお異周速圧延では、一対のロールとして同径のものを用い、一方のロールの周速を20m/minに固定し、他方のロールの周速を変化させて所定の周速比とした。圧延の潤滑剤としてはシリコーン油(ジメチルシリコーンオイル)を用いた。異周速圧延後には、再結晶熱処理を行なった。この再結晶熱処理は、ソルトバスを用いて、500℃に加熱して30sec保持した後、強制空冷する条件で実施した。
以上のようにして粗圧延−異周速圧延−再結晶熱処理を施して得られた各圧延板(板厚0.9〜1.5mm)について、その健全性を調べるとともに、平均r値と深絞り性を調査し、その結果を表2、表3中に示した。これらの評価方法、試験方法は次の通りである。
圧延板の健全性は外観により評価した。すなわち、圧延あるいはその後の熱処理で割れや形状不良、膨れなどを生じ、その後の特性評価が不可能な場合は×とし、一方これらが認められない場合は良好と判断して○とした。平均r値は、引張試験によりJIS5号試験片を圧延方向に対して0°、45°および95°方向に引張り、15%ひずみでの各方向r値から算出した。さらに深絞り性は、限界絞り比(LDR)を測定して評価した。
集合組織の評価は、板厚全体を含む圧延方向断面でのSEM−EBSP測定によって行なった。この測定では、観察総面積を1〜3mmとなるようにした。EBSP測定結果により、{432}方位からずれ角9.0°以内の結晶粒の面積比と、規定される方位分布関数の比α/βを算出した。これらの測定および解析は、TSL社製のEBSPシステムおよび解析ソフトにより実施した。
Figure 2012237035
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表2に示すように、本発明例1〜20のいずれの場合も、異周速圧延の前に等周速で粗圧延を適正な条件で施しておくことにより、問題となる割れや形状不良が生じることなく、所定の板厚まで圧延が可能であった。すなわち、仕上げ圧延である異周速圧延後の板に形状不良は認められず、圧延板の健全性(以下、単に「健全性」と記す)が良好であった。また本発明例1〜20では、{432}方位からずれ角9.0°以内の方位の結晶粒の面積比(以下、単に「面積比」と記す)、ならびに、方位分布関数の比α/β(以下、単に「α/β」と記す)を満たしており、いずれも平均r値が0.9以上となり、LDRで表わされる深絞り性も2.03以上の良好な値となることが判明した。
なお、上記規定を満たす本発明材では{432}と平行か、そこから9.0°以内ずれた方位範囲の中に、{111}が板面に平行な方位の方位分布関数値より高い方位分布関数値を持つ方位が存在することが確認された。すなわち、純粋な{111}方位よりも、上記方位範囲に方位集積の強い、より主要な方位があることになり、このような方位がr値向上に効果を持つことで本発明品の高いr値が実現されている。
一方、表2の比較例21〜34の場合は、いずれかの性能が本発明例より劣っていた。
すなわち比較例21、23は、粗圧延の圧延温度が低い例であり、健全性が不良であり、α/β及び平均r値も満たされていなかった。LDRも本発明材より低いレベルであった。
比較例22も、粗圧延の圧延温度が低い例であり、健全性が不良であり、面積比、α/β及び平均r値も満たされていなかった。LDRも本発明材より低いレベルであった。
比較例24、25は、粗圧延の圧延温度が高い例であり、面積比、α/β及び平均r値が満たされなかった。LDRも本発明材より低いレベルであった。
比較例26は、粗圧延の圧下率が低い例であり、健全性が不良であり、平均r値も満たされなかった。LDRも本発明材より低いレベルであった。
比較例27、28、31は、異周速圧延の温度が低い例であり、健全性が不良であり、面積比、α/β及び平均r値も満たされなかった。LDRも本発明材より低いレベルであった。
比較例29、30、34は、異周速圧延の温度が高い例であり、面積比、α/β及び平均r値が満たされなかった。LDRも本発明材より低いレベルであった。
比較例32は、粗圧延の圧下率が低い例であり、健全性が不良であり、平均r値も満たされなかった。LDRも本発明材より低いレベルであった。
比較例33も、粗圧延の圧下率が低い例であり、健全性が不良であり、面積比及び平均r値も満たされなかった。LDRも本発明材より低いレベルであった。
さらに表3に示すように、本発明例35〜54は、適正な条件で異周速圧延を施すことにより、問題となる割れや形状不良が生じることなく、所定の板厚まで圧延が可能であり、健全性が良好であった。また、これら本発明例35〜54では、面積比、α/β及び平均r値を満たしており、LDRで表わされる深絞り性も良好であることが判明した。なお本発明例37〜52に示す例は、異周速圧延における周速比が前述のように望ましい範囲内(1.5〜3.0)にあるものであり、このような周速比条件では、面積比、α/β及び平均r値の全てが総じて高く、深絞り性を表すLDRも2.07〜2.29と良好であることが確認された。
一方、表3の比較例55〜65の場合は、いずれかの性能が本発明例より劣っていた。
すなわち比較例55〜57は、異周速圧延の周速比が小さい例であり、α/β及び平均r値が満たされなかった。LDRも本発明材より低いレベルであった。
比較例58〜60は、異周速圧延の周速比が大きい例であり、健全性が不良であった。
比較例61は、異周速圧延の圧下率が小さい例であり、健全性が不良であり、α/βも満たされなかった。LDRも本発明材より低いレベルであった。
比較例62は、異周速圧延の圧下率が小さい例であり、健全性が不良であり、α/β及び平均r値も満たされなかった。LDRも本発明材より低いレベルであった。
比較例63は、異周速圧延の圧下率が小さい例であり、健全性が不良であり、平均r値も満たされなかった。LDRも本発明材より低いレベルであった。
比較例64は、合金成分のMg添加量が多過ぎた例であり、健全性が不良であり、圧延中に著しいエッジ割れが発生したため、平均rを測定するための引張り試験及びLDR測定に必要な板巾を確保できなかった。
比較例65は、合金成分のMg添加量が少な過ぎた例であり、健全性が不良であった。α/β及び平均r値は満たしているが、強度が低いためLDRは本発明材よりも低いレベルであった。
異周速圧延により集合組織制御を行なってAl−Mg系合金の平均r値を向上させ、深絞り性を向上させるプロセスとして、工業的な量産規模での製造により確実かつ安定して深絞り性に優れた成形加工用Al合金板を得る方法を提供する。

Claims (4)

  1. Mg2.0〜6.0%(mass%、以下同じ)を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなる組成を有し焼鈍処理されたAl−Mg系合金板であって、すべての結晶方位の結晶粒総面積に対して{432}面が板面と平行から9.0°以内の範囲にある結晶粒の面積比が0.15以上であり、{111}<112>、{332}<113>、{221}<114>および{221}<122>からなる方位の方位分布関数のうち最も高いものをαとし、{001}<100>および{001}<110>の方位分布関数の高い方をβとした時にα/βが2.0以上であり、平均ランクフォード値が0.9以上であることを特徴とする、高成形性Al−Mg系合金板。
  2. 請求項1に記載のAl−Mg系合金板において、
    前記Al−Mg系合金が、Mg2.0〜6.0%を含有し、さらにCu0.05〜1.0%、Mn0.01〜0.8%、Cr0.01〜0.3%、Zr0.01〜0.2%、V0.01〜0.2%のうちの1種または2種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなることを特徴とする、高成形性Al−Mg系合金板。
  3. Mg2.0〜6.0%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなる鋳塊に、150℃以上でしかも非再結晶温度域内にある温度において、50%を越える圧下率で粗圧延を行ない、さらに150℃以上でしかも非再結晶温度域内にある温度において、ロール周速比が1.2〜4.0の範囲内の異周速圧延を、50%を越える圧下率で行なって最終板厚とし、その後焼鈍処理を行ない、平均ランクフォード値が0.9以上のアルミニウム合金板を得ることを特徴とする、高成形性Al−Mg系合金板の製造方法。
  4. 請求項3に記載のAl−Mg系合金板の製造方法において、
    前記鋳塊がMg2.0〜6.0%を含有し、さらにCu0.05〜1.0%、Mn0.01〜0.8%、Cr0.01〜0.3%、Zr0.01〜0.2%、V0.01〜0.2%のうちの1種または2種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるAl−Mg系アルミニウム合金の鋳塊を用いることを特徴とする、高成形性Al−Mg系合金板の製造方法。
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