JP2012233666A - 冷却貯蔵庫の扉下シール構造 - Google Patents

冷却貯蔵庫の扉下シール構造 Download PDF

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Abstract

【課題】パッキン取付体を断熱扉に取り付ける作業を簡略化し、また取付強度も向上させる。
【解決手段】断熱扉20の下縁部38Aの裏面には掛止溝33Aが水平方向に沿って形成されている。断熱扉20の裏面の掛止溝33Aと対向する垂直部52と、断熱扉20の下面と対向した水平部55とからなるL字形のパッキン取付体51が設けられ、このパッキン取付体51の水平部55の下面には垂れ下がりパッキン80の取付部57が設けられる一方、垂直部52の内面には掛止溝33Aに掛止する掛止爪54が設けられている。パッキン取付体51は、垂直部52の掛止爪54を掛止溝33Aに掛止する一方、水平部55の庫外側端部に設けられた取付板65をねじ66で止めすることにより断熱扉20の下部に取り付けられる。
【選択図】図6

Description

本発明は、プレハブ冷蔵庫等の冷却貯蔵庫における扉下のシール構造に関する。
プレハブ冷蔵庫は一般的に、床面上に断熱パネルを組み付けた貯蔵庫本体を設置してその前面に出入口が形成される一方、同出入口に断熱扉が揺動開閉可能に装着された構造であるが、特にウォークイン形式と称されるものは、貯蔵物は台車等に載せられて出入口から貯蔵庫本体内に出し入れできるようになっている。そのため出入口の下縁は床面に対して開放された形態とされているが、そうすると出入口を外気からシールする場合において、断熱扉の裏面における周縁の全周にわたってパッキンを装着する構造を採用することができない。そのためこの種のウォークイン形式のプレハブ冷蔵庫では、断熱扉の上縁から左右の側縁に亘っては出入口の口縁に当接する面シール式のパッキンを配設する一方、断熱扉の下面には、床面に対して密着する垂れ下がり式のパッキンを設けた構造が採られている。
従来このような扉下シール構造としては、下記特許文献1に記載されたように、断熱扉の裏面下縁部から下面に亘って当てられるL字形をなすパッキン取付体を備えて、同取付体の水平部の下面から垂れ下がりパッキンを垂設することでユニットを構成し、パッキン取付体の水平部と垂直部とをそれぞれ複数箇所に亘ってねじで止めることにより、ユニットを断熱扉の下部に取り付けるものが知られている。
特開2011−1793号公報
しかしながら上記従来のものは、パッキン取付体を取り付けるに当たって水平部と垂直部の両方をねじ止めする構造であって、端的にはねじ止めする箇所が多くて取付作業に手間が掛かる。また断熱扉の構造上、ねじ止めされる対象は、外装板と内装板とを繋ぐ合成樹脂製の化粧板となる可能性が高く、すなわちねじを合成樹脂材にねじ込むことになるために、経年劣化によって割れ等が発生し、ねじの外れに繋がるという問題があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、パッキン取付体を断熱扉に取り付ける作業を簡略化し、また取付強度も向上させるところにある。
本発明の冷却貯蔵庫の扉下シール構造は、床面上に設置された断熱箱体からなる貯蔵庫本体と、この貯蔵庫本体の一側面に形成され下縁が床面に対して開放された開口部と、この開口部に開閉可能に装着された断熱扉とが設けられ、この断熱扉の裏面における上縁及び左右の側縁には、前記開口部における対応した口縁に密着する面シールパッキンが嵌着される一方、前記断熱扉の下面には、床面に接触する垂れ下がりパッキンが垂設された冷却貯蔵庫において、前記断熱扉の裏面の下縁部には掛止溝が水平方向に沿って形成されているとともに、前記断熱扉の裏面の前記掛止溝と対向する垂直部と、前記断熱扉の下面と対向した水平部とからなるL字形のパッキン取付体が設けられ、このパッキン取付体の前記水平部の下面には前記垂れ下がりパッキンの取付部が設けられる一方、前記垂直部の内面には前記掛止溝に掛止する掛止爪が設けられており、前記パッキン取付体は、前記垂直部の前記掛止爪を前記掛止溝に掛止する一方、前記水平部における庫外側の端部をねじ止めすることで前記断熱扉の下部に取り付けられているところに特徴を有する。
ここで貯蔵庫本体が、下面開放ではなく、断熱性の底面も備えた断熱箱体から構成されていて、この底壁を床面上に載せて設置する形式のものである場合には、この底壁が、上記構成における「床面」に相当する。
パッキン取付体は、垂直部に設けられた掛止爪を断熱扉の下縁部の裏面に形成された掛止溝に掛止するとともに、水平部の庫外側の端部をねじ止めすることで断熱扉の下部に取り付けられる。垂直部と水平部とを共にねじ止めする場合と比べると、ねじ止め箇所が半減できるから、パッキン取付体の取付作業が簡単となる。
水平部の庫外側の端部をねじ止めするに当たっては、ねじがねじ込まれる対象は断熱扉の下縁における表面側角部となり、この部位は断熱扉を構成する金属製の外装板となる可能性が高いから、合成樹脂とは違って割れ等の損傷を受け難くすなわちねじが外れ難く、垂直部の取付手段が相手に損傷を与えるおそれのない掛止構造であることと相俟って、取付強度を高めることができる。
また、以下のような構成としてもよい。
(1)前記断熱扉の下縁には、他の前記3周縁ともども前記面シールパッキンが嵌着可能なパッキン溝が形成されており、その下縁に形成されたパッキン溝が前記掛止溝となっている。
断熱扉は、4周縁の裏面側に、面シールパッキンが装着されるパッキン溝が形成された構造であって、そのうちの下パッキン溝をパッキン取付体の掛止溝として利用している。すなわち本発明の扉下シール構造は、4周縁とも閉じた開口部を有するいわゆるステップイン形式の冷却貯蔵庫に適用する断熱扉をそのまま利用して対応することができる。
(2)前記垂れ下がりパッキンは、前記パッキン取付体の前記水平部における庫内側端部から垂設された庫内側スカートパッキンと、前記水平部における庫外側端部から垂設された庫外側スカートパッキンとを有し、前記庫外側スカートパッキンの横幅方向の両端部が延出されて、各延出部が庫内側に回曲されたのち前記庫内側スカートパッキンの横幅方向の両端部に重ねられて結合されることで、横長の筒状に形成されている。
垂れ下がりパッキンが筒形に形成されて内部に密閉された断熱空間が形成されているから、扉下のシールを行う上で有効となる。
(3)前記断熱扉が一方の縦縁を中心とした揺動開閉可能となっているものにおいて、前記パッキン取付体の前記水平部の下面における前記庫外側スカートパッキンの取付部と前記庫内側スカートパッキンの取付部の間の位置においてヒータが長さ方向に沿って配設され、そのヒータの下面に放熱板が当接して配設されており、かつ前記放熱板における前記断熱扉の揺動端側の端部に立ち上がり部が形成されて、この立ち上がり部が、前記断熱扉における揺動端側の側面下部に沿って張設されている。
断熱扉の装着状態によっては閉扉姿勢にばらつきが出て、特に断熱扉の揺動端側では、同揺動端側の面シールパッキンの潰し代がばらつき、シールが甘くなると、断熱扉における揺動端側の側面が冷却されて結露が生じるおそれがある。それに対して本構成では、ヒータの下面に密着して配される放熱板の一端に立ち上がり部が設けられて、この立ち上がり部が、断熱扉における揺動端側の側面の下部に張設されているから、同立ち上がり部からの熱を受けて揺動端側の側面の下部付近の温度上昇が見込まれ、同箇所において結露することが防止される。
(4)前記パッキン取付体は、前記水平部の庫外側端部から前記断熱扉の表面の下縁と対向する取付部が立ち上がり形成され、この取付部が前記断熱扉にねじ止めされる構造であるとともに、前記掛止爪を前記掛止溝に掛止した状態から同掛止爪を中心として回動させることにより、前記断熱扉における下端部に嵌められるようになっているものであって、前記パッキン取付体の前記水平部の上面には、前記パッキン取付体の取付動作の間に前記断熱扉との干渉を避けるべく逃がしとなる凹部が形成されている。
パッキン取付体は、断熱扉の下縁部に嵌められつつ掛止爪が掛止溝に掛止され、そののち掛止爪を中心として回動させることにより、断熱扉の下縁部に緊密に嵌められる。その間、断熱扉の下縁部の裏側角部等が水平部の上面に干渉しようとするが、干渉部分が水平部の上面に設けられた凹部に嵌って逃がされつつ、取付動作がスムーズに行われる。パッキン取付体が装着された後は、凹部により断熱扉の下面との間で断熱空間が構成される。そのため、水平部の下面に結露防止用のヒータが配設されている場合に、同ヒータからの発熱が断熱扉側にリークすることが防がれる。
本発明によれば、パッキン取付体を断熱扉に取り付ける作業が簡略化でき、また取付強度も向上させることができる。
本発明の一実施形態に係るプレハブ冷蔵庫の外観斜視図 閉扉状態の出入口を庫外から視た斜視図 断熱扉の背面から視た斜視図 断熱扉の側縁部におけるパッキン装着構造を示す断面図 パッキン取付体の取付動作を示す断面図 扉下シール構造を示す断面図 同斜視断面図 垂れ下がりパッキンの形成動作を示す底面図 垂れ下がりパッキンの端部構造を示す底面図 その斜視図 断熱扉の揺動端下部の構造を示す斜視図 扉下シール構造の庫外から視た斜視図
<実施形態>
以下、本発明の一実施形態を図1ないし図12に基づいて説明する。この実施形態では、ウォークイン形式のプレハブ冷蔵庫を例示している。
プレハブ冷蔵庫10は、図1に示すように、複数枚の断熱パネルを組み付けて形成した下面開放の箱形をなす貯蔵庫本体11を備え、床面F(図6参照)上に設置されている。貯蔵庫本体11の前壁12には、出入口13がその下縁を床面Fに開放した形態で形成され、この出入口13に断熱扉20が右側縁を中心とした揺動開閉可能に装着され、ロック部材15により閉鎖状態にロックされるようになっている。そして貯蔵物は、例えば台車Dに載せられて、台車Dごと出入口13から貯蔵庫本体11内に出し入れされるようになっている。
続いて、出入口13のシール構造について説明する。
出入口13は詳細には、図2に示すように、貯蔵庫本体11の前壁12に形成された下面開放の開口に対して、門形の枠14が嵌められることで形成されており、この出入口13の上面と左右の側面には、その奥側の領域において内方に張り出した張出部(図示せず)が形成されている。この張出部が、本発明における出入口13の口縁に相当する。
断熱扉20は、図4に示すように、金属板製の外装板21と内装板25とが間隔を開けて配されて、両板21,25の外周縁の間が合成樹脂製の化粧板30で連結されることで外殻35が形成されている。
より詳細には、外装板21は縦長の長方形をなす表面板22の4側縁に裏側に直角曲げした側面板23が形成され、さらに各側面板23の突出端に内向きに直角曲げした差込板24が形成された形状である。内装板25は、外装板21の表面板22よりも一回り小さい長方形をなす裏面板26の4側縁に、表側に直角曲げした差込板27が形成されている。
化粧板30は合成樹脂材を押し出し成形したものを所定長さに切断することで形成されており、全体としてL字形断面をなし、両端に被差込溝31,32が形成されているとともに、一面には面シールパッキン40を装着するパッキン溝33が形成されている。パッキン溝33の両開口縁には、内向きの掛止部34が形成されている。
一部既述したように、外装板21の背面側に内装板25が間隔を開けて配され、図4に示すように、外装板21の差込板24と内装板25の差込板27とがそれぞれ化粧板30の対応する被差込溝31,32に差し込まれることで外殻35が形成され、同外殻35内に発泡樹脂からなる断熱材36が発泡充填されることで、断熱扉20が形成されている。このように形成された断熱扉20の裏面側は、上下左右の4周縁を除いた中央部分が厚肉状(厚肉部37)に形成され、4周縁部38の裏面側に、パッキン溝33が形成された形状となる。
面シールパッキン40は、ゴム等の弾性素材を押し出し成形したものを所定長さに切断して形成されており、3個の空気室42を並べたパッキン本体41の裏面から中空の矢尻状をなす装着部43が突設された形状である。面シールパッキン40は、装着部43をパッキン溝33に差し込んで掛止することによって取り付けられ、パッキン本体41が断熱扉20の周縁部38の裏面に沿って配された形態となる。
当該断熱扉20は、4周縁部38の裏面側に面シールパッキン40が装着され得る構造であるから、例えば貯蔵庫本体の前壁に、下縁が開放されていないすなわち4周縁とも閉じた出入口が開口されたいわゆるステップイン形式のプレハブ冷蔵庫において、同出入口を開閉する断熱扉20にも適用することができる。言い換えると本実施形態では、ステップイン形式の出入口に装着される断熱扉20をそのまま利用したものであるとも言える。
この実施形態では、断熱扉20の上縁部38から左右の側縁部38に亘って、面シールパッキン40が嵌着されている。詳細には、上縁部38に配される面シールパッキン40の両端部と、左右の側縁部38に配される面シールパッキン40の上端部とが45°に切断されて、切断面を合わせることで直角の角部が形成されているとともに、左右の側縁部に配される面シールパッキン40は、床面Fに接近する程度まで下端部が延出されている。ただし、左右のパッキン溝33の下端からはみ出る部分については、装着部43が切除されてパッキン本体41のみが延出している。
断熱扉20の閉鎖時には、裏面の上縁部38から左右の側縁部38に亘って門形に装着された面シールパッキン40が、出入口13の上並びに左右の口縁に当接して密着し、かつ、左右の面シールパッキン40の下端部が床面F付近まで垂下した状態となる。
一方、断熱扉20の下縁側には、垂れ下がりパッキン80が装着されたパッキンユニット50が取り付けられるようになっている。
パッキンユニット50は、ユニット本体としてのパッキン取付体51を有している。パッキン取付体51は、合成樹脂材の押し出し成形により形成され、全体としては、図6に示すように、断熱扉20の下側の周縁部38A(以下、下縁部38Aという)の裏面と対向する垂直部52と、同下縁部38Aの下面と対向した水平部55とからなるL字形に形成されている。図8に示すように、パッキン取付体51の水平部55については、断熱扉20の全幅に匹敵する全長を有している一方、垂直部52については長さ方向の両端部が切除されて、下縁部38Aの裏面に形成された下パッキン溝33Aの長さに匹敵する全長を有している。
垂直部52は、全体としては中空の厚板状に形成され、内部には複数の仕切壁53が形成されて補強されている。
水平部55には、垂れ下がりパッキン80を構成する3枚のスカートパッキン70が垂下した形態で取り付けられるようになっている。スカートパッキン70は合成ゴム等を素材として形成され、T字形をなす被取付部71の下端からシール帯72が垂設された形状であって、全体としては水平方向に細長い形状に形成されている。
このようなスカートパッキン70が、パッキン取付体51の水平部55における庫内側端部(垂直部52の外面側と対応する位置)と、庫外側端部と、垂直部52の内面側と対応する位置の3箇所から垂設されるようになっている。以降、上記の各スカートパッキン70をそれぞれ、庫内パッキン70A、庫外パッキン70B及び中間パッキン70Cと称して区別する場合がある。
水平部55の下面における上記した3箇所の取付位置には、パッキン取付部57が下方に向けて膨出形成されており、各パッキン取付部57には、スカートパッキン70の被取付部71をスライドさせて嵌合可能なT字形をなす取付溝58が全長に亘って形成されている。
ここで、図8に示すように、庫外パッキン70Bは、パッキン取付体51の水平部55の全長よりも大きい横幅寸法を有し、言い換えると横幅方向の両端部に所定長さの延長部73が形成されている。逆に庫内パッキン70Aは、垂直部52の全長よりもさらに小さい横幅寸法に留められている。なお、中間パッキン70Cは、垂直部52の全長に匹敵する横幅寸法を有している。
水平部55の下面における庫外パッキン70Bと中間パッキン70Cの各パッキン取付部57の間には、一対のヒータ取付部60が突出形成されている。各ヒータ取付部60には、それぞれコードヒータ75を下面側から圧入して装着可能な圧入溝61が全長に亘って形成されている。
また、上記したコードヒータ75の下面側には、熱伝導性に優れた金属板からなる帯状をなす放熱板77が、コードヒータ75に当接した形態で配設されるようになっている。そのため上記した両パッキン取付部60には、放熱板77の両側縁をそれぞれ嵌めてスライドさせつつ挿通可能とした挿通溝63が、互いに対向した形態で形成されている。
放熱板77は、パッキン取付体51の全長よりも所定寸法長く形成されており、同放熱板77の一端側において延ばされた部分が上方に直角曲げされて立ち上がり部78が形成されている。立ち上がり部78は、図11に示すように、断熱扉20の揺動端側の側面20A(外装板21の側面板23)における下端部に当てられるようになっており、同立ち上がり部78にはねじの挿通孔79が開口されている。
パッキン取付体51の断熱扉20に対しての取付構造としては、垂直部52の内面における下パッキン溝33Aと対向した高さ位置には、下パッキン溝33Aに掛止可能、詳細には同下パッキン溝33Aの開口縁に形成された下側の掛止部34に掛止可能な下向きの鈎形をなす掛止爪54が全長に亘って形成されている。
一方、水平部55の庫外側端部からは、断熱扉20の表面の下縁と対向する取付板65が立ち上がり形成されている。この取付板65には、4個のねじ66の挿通孔66Aが長さ方向に適宜の間隔を開けて形成されているとともに、この取付板65が対向する断熱扉20の表面、すなわち外装板21の表面板22の下縁部における上記の各挿通孔66Aと整合する位置にねじ孔22Aが形成されている。
また、パッキン取付体51の水平部55の上面には、2本の凹溝67,68が全長に亘って形成されている。内側の凹溝67は、庫内側のコードヒータ75の配線位置から中間パッキン70Cのパッキン取付部57にまで達する幅広に形成されている。この内側の凹溝67はまた、後記するように、当該パッキン取付体51を取り付けるに際して、断熱扉20における下縁部38Aの裏側角部を嵌めて逃がす逃がし溝として機能するようになっている。外側の凹溝68は、庫外側のコードヒータ75の配線位置の直上位置において小幅に形成されている。
続いて、断熱扉20のシール構造部分の組み付け動作について説明する。
初めに、断熱扉20の上縁部38並びに左右の側縁部38の裏面に形成されたパッキン溝33に対して、面シールパッキン40が全体として門形の形状をなして装着され、かつ左右の面シールパッキン40の下端部は、断熱扉20の下縁部38Aの下面から若干突出した形態となる。
次に、断熱扉20の下縁部38Aにパッキンユニット50が装着される。まずパッキン取付体51が取り付けられ、それには図5に示すように、パッキン取付体51を取付板65側が下がった斜め姿勢として、同取付板65と垂直部52との間に断熱扉20の下縁部38Aを表裏から挟むようにして嵌める。そののち、垂直部52を断熱扉20の下縁部38Aの裏面に沿って上方に押し上げて、掛止爪54を下パッキン溝33Aの開口縁に形成された上下の掛止部34の間の位置に対応させる。そのとき、水平部55の上面における庫内側の端部に、断熱扉20の下縁部38Aの裏側角部が干渉しようとするが、同裏側角部は凹溝67に嵌って逃がされつつ垂直部52の押し上げが許容される。
そののち、垂直部52を下縁部38Aの裏面に向けて押圧して掛止爪54を両掛止部34の間に差し込み、垂直部52を少し下げることで掛止爪54を下側の掛止部34に掛止する。続いて、掛止爪54の掛止部34を中心として、パッキン取付体51を図5の時計回り方向に回動させる。パッキン取付体51は、取付板65さらには水平部55を弾性変形させつつ同方向に回動され、水平部55が断熱扉20の下縁部38Aの下面に当たったところで回動が停止され、そのとき取付板65は垂直姿勢を取って、下縁部38Aの表面と対向する。言い換えると、パッキン取付体51は、図6に示すように、断熱扉20の下縁部38Aの表面、下面及び裏面に亘って密着して嵌められた状態となる。
このようにパッキン取付体51が嵌められたら、必要に応じて長さ方向に摺動させて、取付板65の挿通孔66Aと下縁部38Aの表面のねじ孔22Aとを整合させ、各挿通孔66Aに通したねじ66をねじ孔22Aにねじ込むことで取付板65が固定される。これによりパッキン取付体51の取り付けが完了する。
次に、パッキン取付体51の水平部55の下面に形成された2本の圧入溝61の全長に亘り、コードヒータ75が例えばヘアピン状に回曲された形態で圧入されて配線される。続いて放熱板77が、立ち上がり部78を後端側に配した向きとして、水平部55の下面の挿通溝63に対して当該断熱扉20の揺動端側からスライド挿通される。図11に示すように、立ち上がり部78が、断熱扉20の揺動端側の側面20Aの下端部に当たったところで押し込みが停止される。立ち上がり部78は、挿通孔79にねじ(図示せず)を通して側面20Aにねじ込むことで固定される。これにより、コードヒータ75の全長に亘る下面に、放熱板77が当接した形態で配設される。
続いて、パッキン取付体51の水平部55の下面に設けられた各パッキン取付部57に対して、3本のスカートパッキン70がそれぞれ取付溝58にスライド挿通されて装着される。上記したように、各スカートパッキン70は全長が異なっているから、装着時においては、図8に示すように、庫外パッキン70Bについてはその両端部がパッキン取付体51における水平部55の端部からさらに延出され、一方庫内パッキン70Aについては、その両端部がパッキン取付体51の垂直部52の端部よりも内側の位置に留まる。なお、中間パッキン70Cについては、その両端部が垂直部52の端部の位置に留まる。
3本のスカートパッキン70が装着されたら、庫外パッキン70Bの両端の延長部73が図8に示すように、庫内側に直角曲げされたのち、図9に示すように、左右の面シールパッキン40の下端部を覆うようにして断熱扉20の幅方向の中央部に向けてさらに直角曲げされる。そうすると、庫外パッキン70Bの延長部73の延出端が、庫内パッキン70Aの両端部に重なるから、同重なった部分が接着によって固定される。
これにより庫外パッキン70Bと庫内パッキン70Aとの間の空間の両側面が閉じられた状態となり、言い換えると、断熱扉20の下縁部38Aにおける下面の全長において、全体としては横長の角筒形をなす垂れ下がりパッキン80が垂設された状態となる。
このように、面シールパッキン40並びに垂れ下がりパッキン80が装着された断熱扉20が、図2に示すように、貯蔵庫本体11の前壁12に形成された出入口13に対し、ヒンジ17を介して右側縁を中心とした揺動開閉可能に取り付けられる。このとき、垂れ下がりパッキン80の下端部が弾性変形しつつ床面Fに対して押し付けられる。
また、パッキン取付体51における水平部55の下面に配線されたコードヒータ75は、貯蔵庫本体11に装備された電源部と接続される。
断熱扉20は、下面に設けられた垂れ下がりパッキン80の下端部が床面Fに押し付けられて同床面F上をずれつつ揺動開閉され、閉扉時には、裏面の上縁から左右の側縁に亘って門形に装着された面シールパッキン40が、出入口13の上並びに左右の口縁部に当接して密着するとともに、下面に垂設された垂れ下がりパッキン80の下端部が床面Fに弾性的に押し付けられることで、出入口13の全周縁に亘って、外気に対するシールが取られる。
ここで、垂れ下がりパッキン80が筒形に形成されて内部に密閉された断熱空間S1(図6参照)が形成されるから、扉下のシールを行う上で有効となる。また、コードヒータ75に通電することにより、その発熱が放熱板77を介して断熱空間S1内に放熱され、同断熱空間S1内ひいては庫外パッキン70Bの温度上昇が見込めて、庫外パッキン70Bの表面に結露することが防止される。
また、コードヒータ75は、パッキン取付体51における断熱扉20の下縁部38Aの下面に密着する水平部55の下面側に配設されているのであるが、同水平部55の上面におけるコードヒータ75の配線位置の直上位置には凹溝67,68が形成され、断熱扉20の下縁部38Aの下面との間に断熱空間S2が形成されることになるから、コードヒータ75の発熱が断熱扉20側にリークすることが規制され、放熱板77ひいては垂れ下がりパッキン80内の断熱空間S1を効率良く加熱することができる。
なお、断熱扉20の装着状態によっては閉扉姿勢にばらつきが出て、特に断熱扉20の揺動端側では、同揺動端側の面シールパッキン40の潰し代がばらつき、シールが甘くなると、断熱扉20における揺動端側の側面20Aが冷却されて結露が生じるおそれがある。それに対して本実施形態では、コードヒータ75の下面に密着して配される放熱板77の一端に立ち上がり部78が設けられて、この立ち上がり部78が、断熱扉20における揺動端側の側面20Aの下部に密着して取り付けられている。そのため立ち上がり部78からの熱を受けて揺動端側の側面20Aの下部付近の温度上昇が見込まれ、同箇所において結露することが防止される。
以上のように本実施形態によれば、パッキン取付体51の取付構造が、垂直部52に設けられた掛止爪54を断熱扉20の下縁部38Aの裏面に形成された下パッキン溝33Aに掛止するとともに、水平部55の庫外側端部に形成した取付板65を断熱扉20の表面側の下部にねじ66で止めて取り付けられるようになっている。垂直部52と水平部55とを共にねじ止めする場合と比べると、ねじ止め箇所が半減できるから、パッキン取付体51の取付作業が簡単となる。
また、水平部55の庫外側端部に設けられた取付板65をねじ止めする対象は、金属製の外装板21であるから、合成樹脂とは違って割れ等の損傷を受け難くすなわちねじが外れ難く、垂直部52の取付手段が相手に損傷を与えるおそれのない掛止構造であることと相俟って、取付強度を高めることができる。
本実施形態の断熱扉20は、4周縁の裏面側に面シールパッキン40が装着可能なパッキン溝33が設けられた構造であり、すなわちステップイン形式のプレハブ冷蔵庫の出入口にも装着可能な断熱扉20であって、同断熱扉20の下パッキン溝33Aをパッキン取付体51の掛止用に利用している。格別の断熱扉20を備えることなく本発明に係るパッキン取付体51の取付構造が実現でき、安価に対応することができる。
パッキン取付体51は、断熱扉20の下縁部38Aに嵌められつつ掛止爪54が下パッキン溝33Aに掛止され、そののち掛止爪54を中心として回動させることにより、断熱扉20の下縁部38Aに緊密に嵌められる。その間、断熱扉20の下縁部38Aの裏側角部が水平部55の上面に干渉しようとするが、干渉部分が水平部55の上面に設けられた凹溝67に嵌って逃がされつつ、取付動作がスムーズに行われる。
パッキン取付体51が装着された後は、凹溝67,68により断熱扉20の下面との間で断熱空間S2が構成される。そのため、水平部55の下面に配設された結露防止用のコードヒータ75からの発熱が断熱扉20側にリークすることが防がれる。
断熱扉20の装着状態によっては閉扉姿勢にばらつきが出て、特に断熱扉20の揺動端側で面シールパッキン40の潰し代がばらついてシールが甘くなると、断熱扉20における揺動端側の側面20Aが冷却されて結露が生じるおそれがあるが、本実施形態では、コードヒータ75の下面に密着して配される放熱板77の一端に立ち上がり部78が設けられて、この立ち上がり部78を、断熱扉20における揺動端側の側面20Aの下部に密着固定したから、同立ち上がり部78からの熱を受けて揺動端側の側面20Aの下部付近の温度上昇が見込まれ、同箇所において結露することが防止される。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、パッキン溝が4周縁に設けられたステップイン式の断熱扉をそのまま利用したのであるが、パッキン溝を設けるのは3周縁に留めて、下縁部にはパッキン取付体を掛止する掛止溝を別途備えた専用の断熱扉を準備するようにしてもよい。
(2)上記実施形態に例示したパッキンの組付手順はあくまでも一例であって、例えばパッキン取付体を装着したのちに面シールパッキンを装着する等、適宜に変更し得るものである。
(3)上記実施形態では、断熱扉が揺動開閉される形式のものを例示したが、スライド開閉式のものにも同様に適用することが可能である。
(4)上記実施形態では、貯蔵庫本体が下面開放の箱体をなすものを例示したが、貯蔵庫本体が、ベースパネルも備えた断熱箱体から構成されていて、同ベースパネルが床面上に載せられて設置されるものであってもよい。このような貯蔵庫本体では、出入口にスロープを設けてベースパネル上に台車等を乗り入れるようになっている。また、貯蔵庫本体内に断熱性の仕切壁を設けて内部を異なった冷却温度の複数の部屋に区分し、同仕切壁に扉付きの下縁開放の出入口を設けて各部屋間で台車等を出入りさせるようにして使用する場合もある。このように、ベースパネルも備えた断熱箱体からなる貯蔵庫本体では、ベースパネルが本発明の「床面」に相当する。
(5)本発明は上記実施形態に例示したプレハブ冷蔵庫に限らず、要は、扉の下縁に垂れ下がりパッキンを備えたもの全般に広く適用することができる。
F…床面 10…プレハブ冷蔵庫(冷却貯蔵庫) 11…貯蔵庫本体 12…前壁 13…出入口(開口部) 20…断熱扉 33…パッキン溝 33A…下パッキン溝(掛止溝) 34…掛止部 38…(断熱扉20の)周縁部 38A…下縁部 40…面シールパッキン 50…パッキンユニット 51…パッキン取付体 52…垂直部 54…掛止爪 55…水平部 57…パッキン取付部 65…取付板(取付部) 66…ねじ 67…凹溝(凹部) 70…スカートパッキン 70A…庫内パッキン(庫内側スカートパッキン) 70B…庫外パッキン(庫外側スカートパッキン) 73…延長部 75…コードヒータ(ヒータ) 77…放熱板 78…立ち上がり部 80…垂れ下がりパッキン

Claims (5)

  1. 床面上に設置された断熱箱体からなる貯蔵庫本体と、この貯蔵庫本体の一側面に形成され下縁が床面に対して開放された開口部と、この開口部に開閉可能に装着された断熱扉とが設けられ、この断熱扉の裏面における上縁及び左右の側縁には、前記開口部における対応した口縁に密着する面シールパッキンが嵌着される一方、前記断熱扉の下面には、床面に接触する垂れ下がりパッキンが垂設された冷却貯蔵庫において、
    前記断熱扉の裏面の下縁部には掛止溝が水平方向に沿って形成されているとともに、
    前記断熱扉の裏面の前記掛止溝と対向する垂直部と、前記断熱扉の下面と対向した水平部とからなるL字形のパッキン取付体が設けられ、このパッキン取付体の前記水平部の下面には前記垂れ下がりパッキンの取付部が設けられる一方、前記垂直部の内面には前記掛止溝に掛止する掛止爪が設けられており、
    前記パッキン取付体は、前記垂直部の前記掛止爪を前記掛止溝に掛止する一方、前記水平部における庫外側の端部をねじ止めすることで前記断熱扉の下部に取り付けられていることを特徴とする冷却貯蔵庫の扉下シール構造。
  2. 前記断熱扉の下縁には、他の前記三側縁ともども前記面シールパッキンが嵌着可能なパッキン溝が形成されており、その下縁に形成されたパッキン溝が前記掛止溝となっていることを特徴とする請求項1記載の冷却貯蔵庫の扉下シール構造。
  3. 前記垂れ下がりパッキンは、前記パッキン取付体の前記水平部における庫内側端部から垂設された庫内側スカートパッキンと、前記水平部における庫外側端部から垂設された庫外側スカートパッキンとを有し、前記庫外側スカートパッキンの横幅方向の両端部が延出されて、各延出部が庫内側に回曲されたのち前記庫内側スカートパッキンの横幅方向の両端部に重ねられて結合されることで、横長の筒状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の冷却貯蔵庫の扉下シール構造。
  4. 前記断熱扉が一方の縦縁を中心とした揺動開閉可能となっているものにおいて、前記パッキン取付体の前記水平部の下面における前記庫外側スカートパッキンの取付部と前記庫内側スカートパッキンの取付部の間の位置においてヒータが長さ方向に沿って配設され、そのヒータの下面に放熱板が当接して配設されており、かつ前記放熱板における前記断熱扉の揺動端側の端部に立ち上がり部が形成されて、この立ち上がり部が、前記断熱扉における揺動端側の側面下部に沿って張設されていることを特徴とする請求項3記載の冷却貯蔵庫の扉下シール構造。
  5. 前記パッキン取付体は、前記水平部の庫外側端部から前記断熱扉の表面の下縁と対向する取付部が立ち上がり形成され、この取付部が前記断熱扉にねじ止めされる構造であるとともに、前記掛止爪を前記掛止溝に掛止した状態から同掛止爪を中心として回動させることにより、前記断熱扉における下端部に嵌められるようになっているものであって、
    前記パッキン取付体の前記水平部の上面には、前記パッキン取付体の取付動作の間に前記断熱扉との干渉を避けるべく逃がしとなる凹部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の冷却貯蔵庫の扉下シール構造。
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