JP2012231738A - 容器詰混合茶飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】洋食や中華料理など脂肪分の多い食事の食中飲料として適し、後味(しつこさ)を払拭することができるとともに適度な渋味を有した容器詰混合茶飲料を提供する。
【解決手段】本発明の容器詰混合茶飲料は、デンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)が50〜200であり、ポリフェノール量(mg/L)が190以下であり、デンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)に対するポリフェノール量(mg/L)の比が0.179〜2.710であり、マルトース量(mg/L)が0.40〜4.00であることを特徴とする。さらに、マルトース量(mg/L)に対する没食子酸量(mg/L)の比が2.40〜41.50であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、穀物抽出液や茶葉抽出液などを混合した飲料をプラスチックボトルや缶などの密閉容器に充填した容器詰混合茶飲料に関する。
近年では、飲料業界において、様々な茶をブレンドした混合茶が開発されており、従来にない風味豊かな飲料が作製されている。
例えば、特許文献1には、(A)カメリア・シネンシス種の茎葉;(B)カメリア・シネンシス種以外の植物の茎葉;(C)穀物の種子;(D)茎葉及び穀物の種子以外の植物由来の原料;及び(E)菌類由来原料;の5つの群のうち、2つ以上の群からそれぞれ1種以上選択した原料の抽出液を含む混合茶飲料が開発されており、この混合茶飲料は、色調(特に茶褐色色調)が濃く、かつ、苦渋味が無くすっきり感を保ちながら、長期保存時の沈殿を抑制したものである。
特許文献2には、(1)非重合体カテキン類濃度が0.05〜0.6質量%、デンプン濃度が0.008〜0.12質量%となるように、茶抽出物と穀物抽出物を混合する工程、(2)ヒドロキシカルボン酸を、飲料総量に対して0.008〜0.09質量%の範囲になるように添加する工程、を含む非重合体カテキン類及びでんぷんを含有する容器詰飲料の製造方法が開発されており、この容器詰飲料は、長期保存時における濁りを有効に防止できるだけでなく、香味豊かで嗜好性に優れるものである。
特開2008−237066号公報 特開2011−4606号公報
従来では、洋食や中華料理など脂肪分の多い食事をする場合には、脂肪由来の後味(しつこさ)を払拭するため、紅茶や烏龍茶などのポリフェノールを豊富に含む渋味・収斂味の強い加工茶や発酵茶飲料が好まれてきた。
しかし、渋味・収斂味は嗜好上好き嫌いが顕著に表れるため、これら茶飲料が敬遠される場合があった。また、食中の口の渇きを解消するためには、これら茶飲料は収斂味が強く、食中飲料としては改善の余地があった。
一方、口の渇きを解消するには麦茶に代表される穀物茶等が適しているが、脂肪分の多い食事において後味(しつこさ)を払拭するには収斂味が乏しく不適であり、麦茶なども食中飲料としては改善の余地があった。
そこで、本発明の目的は、洋食や中華料理など脂肪分の多い食事の食中飲料として適し、後味(しつこさ)を払拭することができるとともに適度な渋味・収斂味を有した容器詰混合茶飲料を提供せんとするものである。
本発明の容器詰混合茶飲料は、デンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)が50〜200であり、ポリフェノール量(mg/L)が190以下であり、デンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)に対するポリフェノール量(mg/L)の比が0.179〜2.710であり、マルトース量(mg/L)が0.40〜4.00であることを特徴とする。
本発明は、デンプン量やβグルカン量などの多糖類量、マルトース量やポリフェノール量を調整することにより、洋食や中華料理など脂肪分の多い食事の食中飲料として適し、後味(しつこさ)を払拭することができるとともに適度な渋味・収斂味を有した容器詰混合茶飲料を得ることができる。
以下、本発明の容器詰混合茶飲料の実施形態を説明する。但し、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。
本発明の容器詰混合茶飲料は、デンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)が50〜200であり、ポリフェノール量(mg/L)が190以下であり、デンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)に対するポリフェノール量(mg/L)の比が0.179〜2.710であり、マルトース量(mg/L)が0.40〜4.00であることを特徴とする。
混合茶飲料は、原料穀物から抽出した穀物抽出液及び原料茶葉から抽出した茶葉抽出液を少なくとも含む飲料である。例えば、茶葉抽出液及び穀物抽出液のみからなる飲料、或いは当該抽出液を希釈した飲料、或いは、前記何れかの液体に添加物を加えた飲料、或いはこれら前記何れかの液体を乾燥したものを分散させてなる飲料などを包含するものである。
穀物抽出液の原料穀物としては、大麦、ハト麦、小麦、玄米、大豆、とうもろこし、黒豆、そば、ハブ茶、麦芽などを挙げることができ、原料穀物から抽出される穀物抽出液としては、麦茶、ハトムギ茶、玄米茶などを挙げることができる。
なかでも、麦茶が好ましく、麦茶は、大麦(二条、四条、六条の各皮麦、裸麦などの原料麦)や、水浸漬や酵素加工による加工麦、あるいはβグルカン高含有麦やアミロースフリー麦、低ポリフェノール麦のような改良種大麦などの原料麦を、熱風焙煎、砂炒焙煎、遠赤外線焙煎、開放釜焙煎、回転ドラム式焙煎、媒体焙煎などの焙煎処理した焙煎麦から抽出、加工して得ることができる。
なお、βグルカン高含有麦は、βグルカンを多く含む麦であり、例えば、CDC Fiber,CDC Alamo、Pronghorn、Salute、BG006、BG012、ビューファイバーなどの品種を挙げることができ、商標名としては「BGバーレイ」などを挙げることができる。
また、原料麦としては、水に浸漬させて乾燥させた後、焙煎したもの、例えば麦芽などを適宜用いることもできる。これは、マルトース、スクロースなどの二糖類を多く含むものである。
麦茶を調製する際の原料麦の抽出条件は、麦の種類、抽出機の種類、最終製品の形態等により適宜選択されるものであるが、例えば、抽出液温は、50〜100℃が好ましく、80〜99℃がより好ましい。また、抽出時間は、1〜120分が好ましく、5〜100分がより好ましい。加水倍率は3〜50倍が好ましく、5〜40倍がより好ましい。抽出水は、例えば、天然水、水道水、蒸留水、海洋深層水などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
また、抽出時の原料麦の形態は、特に限定するものではなく、例えば、ホール(丸粒)、碾き割などの形態を挙げることができる。また抽出に際しては、種類、形態、焙煎法や処理法等、異なる原料麦を各々単独で抽出した抽出液を混合して製造するほか、あらかじめ目的に資する混合量で原料麦を混ぜた状態で抽出して抽出液としてもよい。
茶葉抽出液の原料茶葉としては、茶樹(Camellia sinensis var. sinensisやCamellia sinensis var. assamica、またはこれらの雑種)等の葉や茎を摘採後、荒茶工程を経て製造される不発酵茶や、酸化発酵工程あるいは焙煎等の処理を実施して得られる茶類を挙げることができる。原料茶葉から抽出される抽出液としては、不発酵茶の緑茶、半発酵茶の烏龍茶、発酵茶の紅茶、後発酵茶のプーアル茶、焙煎加工を経た茶(ほうじ茶)などが挙げられる。
これらの種類は、特に制限するものではなく、例えば、緑茶としては蒸し茶、煎茶、玉露、抹茶、番茶、玉緑茶、釜炒り茶、中国緑茶などを挙げることができ、烏龍茶としては鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶、水仙などを用いることができ、紅茶としてはダージリン、アッサム、ウバ、ディンブラなどを挙げることができる。またほうじ茶としては、茎ほうじ茶、加賀棒茶、京番茶等の種類があげられる。
原料茶葉には、やぶきた、ゆたかみどり、さやまかおり、かなやみどり、おくみどり、さえみどり、つゆひかり、べにふうき、ふうしゅん等の品種を用いることができる。これらの茶葉等を、荒茶加工、つまり蒸し処理、揉み込み処理、乾燥処理(火入処理)、焙煎処理等を行った茶葉から抽出、加工して得ることができる。たとえば乾燥処理は、常法で行えばよいが、例えば100〜200℃で5〜20分行うのが好ましい。また焙煎を行う場合は、常法で行えばよいが、例えば150〜300℃で2〜20分行うのが好ましい。さらには、限定するものではないが、乾燥処理を行った後、焙煎を行ってもよい。これらの乾燥ならびに焙煎工程では、茶葉用の棚式乾燥機、回転式乾燥火入機等を用いることができる。一方、烏龍茶、紅茶等の発酵茶葉を用いる場合は、各品種の茶葉をそのまま用いることができる他、あらかじめ目的の香味に各茶葉をブレンドしたものを用いることができる。また、粉砕や火入れ等の後処理を経たものを用いることもできる。さらに摘採後の原料緑茶茶葉に発酵工程を施し加工茶葉としたものを用いることもできる。
茶葉抽出液を単独調製する際の茶葉の抽出条件は、茶葉の種類、抽出機の種類、最終製品の形態等により適宜選択されるものであるが、例えば、抽出液温は、70〜99℃が好ましく、75〜95℃がより好ましい。また、抽出時間は、1〜30分が好ましく、2〜20分がより好ましい。加水倍率は3〜150倍が好ましく、5〜100倍がより好ましい。抽出に際しては、攪拌等、抽出促進のための操作を加えることができる。抽出水は、例えば、天然水、水道水、蒸留水、海洋深層水などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。また抽出時のpHを適切なpH調整剤、たとえばアスコルビン酸や重曹等を用いて調整した後に、抽出操作を行ってもよい。
また、抽出に際しては、種類、形態、火入法や処理法等、異なる茶葉を各々単独で抽出した抽出液を混合して製造するほか、あらかじめ目的に資する混合量で茶葉を混ぜた状態で抽出して抽出液としてもよい。
また、原料穀物と原料茶葉とを混ぜた状態で抽出することもできるが、その場合の抽出条件としては、原料穀物の抽出条件に準じて行えばよい。
混合茶飲料は、アマランサス、キヌア、ナンバンキビ、モズク、甘草、ハス、シソ、マツ、オオバコ、ローズマリー、桑、ギムネマ、昆布、霊芝、熊笹、柿、ゴマ、紅花、アシタバ、陳皮、グァバ、アロエ、ギムネマ、杜仲、ドクダミ、チコリー、月見草、ビワ等の各種植物の葉、茎、根等から得られる抽出液乃至抽出物を包含してもよい。
本容器詰混合茶飲料は、例えば、原料茶葉から抽出される茶葉抽出液(例えば、緑茶、ウーロン茶、ほうじ茶)及び原料穀物から抽出される穀類抽出液(例えば、麦茶)を適宜割合で混合し、これを容器に充填して容器詰混合茶飲料として製造することができ、デンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)を50〜200に調整し、ポリフェノール量(mg/L)が190以下に調整し、デンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)に対するポリフェノール量(mg/L)を0.179〜2.710に調整し、マルトース量(mg/L)を0.40〜4.00に調整して製造することができる。
茶葉抽出液及び穀物抽出液の混合割合は、特に限定はされないが、1:99〜60:40、特に5:95〜50:50、さらに9:91〜40:60が好ましい。
本容器詰混合茶飲料は、pHが20℃で5.0〜8.0、特に5.5〜7.5、さらに6.0〜7.5が好ましく、また、L値が70〜98、特に70〜95、さらに70〜90が好ましい。
この際、本容器詰混合茶飲料には、長期保存しても沈殿物が発生しない限りにおいて、必要に応じて、アスコルビン酸やアスコルビン酸ナトリウム等の酸化防止剤、香料、炭酸水素ナトリウム等のpH調整剤、乳化剤、保存料、甘味料、着色料、増粘安定剤、調味料、強化剤等の添加剤を単独又は組み合わせて配合することもできる。
また、本発明において「容器詰」とは、金属、ガラス、プラスチック、金属やプラスチックフィルムと複合された紙容器等に対象物が充填、密封されてなる状態を意味する。上記のようにして調製された混合茶飲料を充填、密封するための容器として、透明なガラス瓶、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、多層成形容器等の透明プラスチック容器を使用することができる。
本容器詰混合茶飲料は、必要に応じて製造工程のいずれかの段階で殺菌を行って製造される。殺菌の条件は食品衛生法に定められた条件と同等の効果が得られる方法を選択すればよいが、例えば、容器として耐熱容器を使用する場合にはレトルト殺菌を行えばよい。また、容器として非耐熱性容器を用いる場合、本容器詰混合茶飲料は、例えば、茶調合液を予めプレート式熱交換機等で高温短時間殺菌後、所定温度まで冷却し、熱時充填するか低温、たとえば10〜50℃で無菌充填を行うことで製造することができる。
より詳細に説明すると、本容器詰混合茶飲料は、水溶性多糖類、すなわちデンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)が50〜200である。
この範囲であることにより、多糖類由来の濃度感が付与される結果、爽快感と好適なコクを兼ね備えた混合茶飲料になる。
かかる観点から、デンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)は、好ましくは65〜175、さらに好ましくは70〜175、特に好ましくは88〜158である。
本容器詰混合茶飲料は、デンプン量(mg/100mL)が50〜185であるのが好ましい。
この範囲であることにより、すっきりした味わいの混合茶飲料になる。
かかる観点から、デンプン量(mg/100mL)は、より好ましくは65〜170、特に好ましくは80〜150である。
本容器詰混合茶飲料は、βグルカン量(mg/100mL)が0.5〜5.0であるのが好ましい。
この範囲であることにより、止渇に適度なコクが感じられる好適な混合茶飲料になる。
かかる観点から、βグルカン量(mg/100mL)は、より好ましくは0.9〜4.3、特に好ましくは0.9〜3.4である。
本容器詰混合茶飲料は、ポリフェノール量(mg/L)が190以下であるのが好ましい。
この範囲であることにより、適度な収斂味のある混合茶飲料になる。
かかる観点から、ポリフェノール量(mg/L)は、特に好ましくは165以下、さらに好ましくは135以下である。また、ポリフェノール量(mg/L)は、特に限定するものではないが、23以上が好ましく、63以上が特に好ましい。
なお、ポリフェノールとは、カテキン類などのフラボノイド類、タンニン、クロロゲン酸、没食子酸、エラグ酸、フェノール酸など、更には、植物色素であるアントシアニン、ルチン、ヘスペリジン、ナリンジンなどを含む一群の物質の総称であり、植物界には8000種を越える物質が存在するといわれている。なおカテキン類は、カテキン(C)、ガロカテキン(GC)、カテキンガレート(Cg)、ガロカテキンガレート(GCg)、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECg)及びエピガロカテキンガレート(EGCg)の合計8種の意味である。
特に本発明においてはポリフェノールとは、含量が後述の酒石酸鉄比色定量法により没食子酸相当量で示されるものを指す。本発明におけるポリフェノールは、例えば茶葉抽出液に含まれるポリフェノール(重合カテキン類等の烏龍茶ポリフェノールなど)を好適に用いることができる。
本容器詰混合茶飲料は、デンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)に対するポリフェノール量(mg/L)の比が、0.179〜2.710である。
この範囲であることにより、適度なコクを有しながらも渋味や収斂味を有する混合茶飲料になる。
かかる観点から、デンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)に対するポリフェノール量(mg/L)の比は、好ましくは0.372〜2.710、さらに好ましくは0.372〜1.591、特に好ましくは0.485〜1.591である。
本容器詰混合茶飲料は、マルトース量(mg/L)が0.40〜4.00である。
この範囲であることにより、後味がすっきりとした混合茶飲料になる。
かかる観点から、マルトース量(mg/L)は、好ましくは0.40〜3.40、より好ましくは0.40〜3.00、さらに好ましくは0.48〜2.30、特に好ましくは0.70〜2.00である。
本容器詰混合茶飲料は、マルトース量(mg/L)に対する没食子酸量(mg/L)の比が2.40〜41.50であるのが好ましい。
この範囲であることにより、過度な苦渋味が抑えられ、食事の呈味を邪魔せずに食中のアクセントとしてさらに好適な香味を有する混合茶飲料になる。
かかる観点から、マルトース量(mg/L)に対する没食子酸量(mg/L)の比は、特に好ましくは2.40〜27.70、さらに好ましくは2.40〜12.10である。
なお、没食子酸とは、3,4,5−トリヒドロキシベンゼンカルボン酸の慣用名である。
本容器詰混合茶飲料は、没食子酸量(mg/L)が1.0〜20.0であるのが好ましい。
この範囲であることにより、かすかな苦みが付与され、食事の際に呈味に対し好影響を与える混合茶飲料になる。
かかる観点から、没食子酸量(mg/L)は、1.5〜18.0が特に好ましく、1.5〜10.0がさらに好ましい。
本容器詰混合茶飲料は、Brix(%)が0.18〜0.84である。
この範囲であることにより、飲料中の成分の総和由来の濃度感が好適な混合茶飲料になる。
かかる観点から、Brix(%)は、好ましくは0.18〜0.72、特に好ましくは0.23〜0.72である。
なお、本発明において、Brixとは、原料穀物及び原料茶葉から抽出して得られた可溶性固形分をショ糖換算したときの値をいう。
本容器詰混合茶飲料は、Brix(%)に対するカテキン類量(mg/L)の比が15〜450であるのが好ましい。
この範囲であることにより、飲料中の成分の総和由来の濃度感に対する苦渋味が好適な混合茶飲料になる。
かかる観点から、Brix(%)に対するカテキン類量(mg/L)の比は、特に好ましくは24〜390、さらに好ましくは34〜390である。
本容器詰混合茶飲料は、Brix(%)に対するガレート型カテキン類量(mg/L)の比が8〜210であるのが好ましい。
この範囲であることにより、飲料中の成分の総和由来の濃度感に対する渋味が好適な混合茶飲料になる。
かかる観点から、Brix(%)に対するガレート型カテキン量(mg/L)の比は、特に好ましくは12〜175、さらに好ましくは18〜175である。
なお、ガレート型カテキンは、エピガロカテキンガレート(EGCg)、エピカテキンガレート(ECg)、ガロカテキンガレート(GCg)、カテキンガレート(Cg)の合計4種を示す。
本容器詰混合茶飲料は、上記したように、複数の茶葉抽出液や穀物抽出液を作製し、これらを適宜ブレンドして上記各成分量を所定の値にし、容器に充填して製造することができる。また、原料穀物や原料茶葉を予め混合しておき、これを抽出して製造することもできる。
この際、デンプン、βグルカン、マルトースの含量は、穀物抽出液、特に麦茶を用いて調整するのが好ましい。穀物抽出液中のデンプン、βグルカン、マルトースの含量は、例えば、原料穀物の焙煎条件、抽出条件の調整や、穀粒の加工条件(浸漬、蒸熱)および形状等を適宜選択することにより調整することができる。
ポリフェノール、没食子酸の含量は、茶葉抽出液、特にほうじ茶、烏龍茶を用いて調整するのが好ましい。茶葉抽出液中のポリフェノール、没食子酸の含量は、原料茶葉の焙煎条件、抽出条件の調製や、品種や茶葉摘採時期の選択、萎凋の加減等により調整することができる。
容器詰混合茶飲料中の各成分を調整する際、各成分を添加、例えば、ポリフェノールであれば、ポリフェノール製剤である「テアフラン30A」、「テアフラン30F」、「テアフラン90S」(株式会社伊藤園製)などを添加して調整してもよいが、茶葉や穀物の本来の香りを失わないようにするためには、このような添加は極力控えるべきであり、可能であれば添加しないのが好ましい。
なお、上記各成分量の測定は、後述の実施例で示す方法により測定することができる。
以下、本発明の実施例を説明する。但し、本発明は、この実施例に限定されるものではない。
≪官能評価試験1≫
以下の実施例1〜17及び比較例1〜10の容器詰混合茶飲料を作製し、官能評価試験を行った。
各容器詰混合茶飲料は、麦茶をベースに茶葉抽出液を混合して作製した。
<抽出液の作製>
以下の抽出液1〜15を作製した。
抽出液1〜8は、焙煎麦から抽出した穀物抽出液(麦茶)であり、抽出液9〜15は茶葉から抽出した茶葉抽出液である。
(抽出液1)
六条大麦に蒸気噴霧処理を施して含有水分量が約25重量%になるように調整し、回転ドラム式媒体焙煎窯に投入し、焙煎温度255℃で90秒間の一次焙煎を行った。その後、焙煎温度を280℃で90秒間の二次焙煎を行った後、冷却装置のコンベアに移し、麦の品温が80〜140℃の温度域に47秒間滞留するように冷却ファン及びコンベアの速度を調整して緩慢冷却をし、原料麦を製造した。
この原料麦を、ホールの状態で用い、加水倍率20倍及び温度95℃の熱水を投入し、95℃、1時間でニーダー抽出(一定時間保持)を行った。得られた抽出原液をステンレスメッシュ(20メッシュ、80メッシュ、235メッシュ)で濾過した後、25℃に冷却して抽出液1を作製した。
(抽出液2)
六条大麦200gを排気温度184℃にて小型熱風焙煎機に投入し、20分後品温194℃にて排出し、原料麦を製造した。
この原料麦を、ホールの状態で用い、加水倍率20倍及び温度98℃の熱水を投入し、96℃、1時間でニーダー抽出(一定時間保持)を行った。得られた抽出原液をステンレスメッシュ(20メッシュ、80メッシュ、235メッシュ)で濾過した後、25℃に冷却して抽出液2を作製した。
(抽出液3)
六条大麦200gを排気温度181℃にて小型熱風焙煎機に投入し、16分後品温185.5℃にて排出し、原料麦を製造した。
この原料麦を、ホールの状態で用い、加水倍率20倍及び温度98℃の熱水を投入し、96℃、1時間でニーダー抽出(一定時間保持)を行った。得られた抽出原液をステンレスメッシュ(20メッシュ、80メッシュ、235メッシュ)で濾過した後、25℃に冷却して抽出液3を作製した。
(抽出液4)
アメリカ産六条大麦(βグルカン高含有品種)を、蒸気噴霧処理を施して含有水分量が約20重量%になるように調整し、回転ドラム式媒体焙煎窯に投入し、焙煎温度255℃で90秒間の一次焙煎を行った。その後、焙煎温度を280℃で90秒間の二次焙煎を行った後、冷却装置のコンベアに移し、麦の品温が80〜140℃の温度域に120秒間滞留するように冷却ファン及びコンベアの速度を調整して緩慢冷却をし、原料麦を製造した。
この原料麦を、ホールの状態で用い、加水倍率20倍及び温度95℃の熱水を投入し、95℃、1時間でニーダー抽出(一定時間保持)を行った。得られた抽出原液をステンレスメッシュ(20メッシュ、80メッシュ、235メッシュ)で濾過した後、25℃に冷却して抽出液4を作製した。
(抽出液5)
六条大麦200gを排気温度264℃にて小型熱風焙煎機に投入し、7分後品温195.5℃にて排出し、原料麦を製造した。
この原料麦を、ホールの状態で用い、加水倍率20倍及び温度90℃の熱水を投入し、90℃、0.75時間でニーダー抽出(一定時間保持)を行った。得られた抽出原液をステンレスメッシュ(20メッシュ、80メッシュ、235メッシュ)で濾過した後、25℃に冷却して抽出液5を作製した。
(抽出液6)
六条大麦200gを排気温度263℃にて小型熱風焙煎機に投入し、9分後品温201.5℃にて排出し、原料麦を製造した。
この原料麦を、ホールの状態で用い、加水倍率20倍及び温度90℃の熱水を投入し、90℃、0.75時間でニーダー抽出(一定時間保持)を行った。得られた抽出原液をステンレスメッシュ(20メッシュ、80メッシュ、235メッシュ)で濾過した後、25℃に冷却して抽出液6を作製した。
(抽出液7)
二条大麦を約24時間、室温にて水浸漬後、さらに24時間程度湿潤環境下において十分に吸水させた後、約75℃の弱熱条件にて乾燥した。これを再び室温にて12時間水浸漬し、余剰水分を除去後、引き続き蒸気雰囲気下にて90℃以下で45分加熱した。これを乾燥後、排気温度250℃にて160kgを回転式熱風焙煎機に投入し、5分後品温164℃にて排出し、原料麦を製造した。
この原料麦を、ホールの状態で用い、加水倍率10倍及び温度90℃の熱水を投入し、90℃、0.5時間でニーダー抽出(一定時間保持)を行った。得られた抽出原液をステンレスメッシュ(20メッシュ、80メッシュ、235メッシュ)で濾過した後、25℃に冷却して抽出液7を作製した。
(抽出液8)
六条大麦200gを排気温度180℃にて小型熱風焙煎機に投入し、13分後品温195℃にて排出し、原料麦を製造した。
容器下部に流量制御が可能なコックを備えたステンレス製ドリップ抽出容器(内径150mm、円筒部高150mm、容積約3120cm)に80メッシュの金網(直径40mm)を設置した。熱湯を入れてあらかじめ全体を高温にした同容器に、ホール状態の麦を200g投入し、高さを均一とした。これに98℃に加温した熱水2Lを注ぎ、15分保持後、内容液を引き抜いて抽出原液とした。これを235メッシュのステンレスメッシュで濾過し、25℃に冷却後、イオン交換水にて4Lに定容し抽出液8を作製した。
(抽出液9)
摘採後の茶葉(やぶきた種、静岡県産一番茶)を、荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度150℃、乾燥時間15分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、さらに220℃10分にて同機を用いて追加焙煎を行い原料茶葉を得た。その茶葉を、茶葉90g、90℃の熱水2.2L、抽出時間7分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、8Lに定容して抽出液9を得た。
(抽出液10)
抽出液9に用いた茶葉を用い、茶葉90g、80℃の熱水2.25L、抽出時間4分条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、抽出液10を得た。
(抽出液11)
摘採後の茶葉(やぶきた種、鹿児島県産秋冬番茶)を、荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度140℃、乾燥時間15分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、さらに220℃5分にて同機を用いて追加焙煎を行い原料茶葉を得た。その茶葉を、茶葉85g、90℃の熱水1.7L、抽出時間4分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、抽出液11を得た。
(抽出液12)
抽出液9に用いた茶葉を用い、その茶葉を、茶葉90g、93℃の熱水2.4L、抽出時間3分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(80メッシュ)およびネルで濾過し、抽出液12を得た。
(抽出液13)
烏龍茶(水仙)を篩別し、20号篩下・30号篩上に粒度調整し烏龍茶Aとした。また、細粉を除いた同烏龍茶茶葉を烏龍茶Bとした。烏龍茶A50gと烏龍茶B180gを、90℃の熱水5L、抽出時間7分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(150メッシュ)で濾過し、8Lに定容し抽出液13を得た。
(抽出液14)
烏龍茶(黄金桂)を、茶葉85g、93℃の熱水2.0L、抽出時間4分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(150メッシュ)で濾過し、8Lに定容し抽出液14を得た。
(抽出液15)
烏龍茶(色種)を、茶葉160g、重曹4gを加えた90℃の熱水5.0L、抽出時間6.5分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(150メッシュ)およびネルで濾過し、18Lに定容し抽出液15を得た。
<混合茶飲料の作製>
抽出液1〜15を、調合後の総容量1部に対し、以下の表1に示す割合で配合し、アスコルビン酸を300ppm添加した後、重曹を添加してpH6.3に調整した。この液を135℃、30秒のUHT殺菌の後、25℃に冷却し、ペットボトルに無菌環境で充填し、プラスチックキャップにて巻き締め、密封を行い、実施例1〜17及び比較例1〜10の容器詰混合茶飲料を作製した。なお、水としてはイオン交換水を用いた。
Figure 2012231738
(分析)
実施例1〜17及び比較例1〜10の容器詰混合茶飲料の成分を測定し、各値を算出した。その結果を下記記表2に示す。なお、各成分の測定は以下のように行った。
Figure 2012231738
<デンプン>
試料溶液10gに対し、エタノールを10g加え、遠心分離(8000g〜10000g、20分)処理を行い、上澄を廃棄する。残渣に再び蒸留水を適宜加え、3分間加熱糊化を行う。
これに、グルコアミラーゼ(「AMYLOGLUCOSIDASE、Megazyme」日本バイオコン株式会社製)を加えて37℃にて2時間保温後、20mLに定容し、濾紙(「ADVANTEC No.5B」東洋濾紙株式会社製)にて濾過する。
この濾液について、市販のグルコース定量用キット(例えば、「グルコースCII−テストワコー」和光純薬株式会社製)を用いてグルコース量を求める。グルコース量から次の式により、試料に含まれるデンプン量が算出することができる。
(式) デンプン(g/100g)=グルコース量(g/100g)×0.9
<βグルカン>
βグルカン量は、βグルカン定量用キット(例えば、Megazyme社製「分析用キット」など)を用いて求めることができる。試料溶液5mLに2.5gの硫酸アンモニウムを加え、泡立たないように注意深く混和し、4℃で20時間静置する。この溶液を遠心分離(1000g、10分)し、上澄を除去する。残渣に1.0mLの50%エタノールを加えて激しく攪拌し、さらに10mLの50%エタノールを加えて混合し、これを遠心分離(1000g、5分)し、上澄を除去する。得られた残渣に対し再度同様の操作を繰り返し行ったのち、20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH 6.5)4.8mLに溶解し、リケナーゼ(10U)を0.2mL加えて40℃で5分静置する。これを遠心分離(1000g、10分)し、得られた上澄を0.1mLずつ3本の試験管に移す。うち1本の試験管には50mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH4.0)0.1mLを加える(ブランク用サンプル)。残りの2本にはβ−グルコシダーゼ・50mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH4.0)溶液(0.2U)0.1mLを加える(反応用サンプル)。それぞれ40℃、15分間静置し、これにグルコース定量用試薬(GOPOD Reagent)をそれぞれ3.0mLずつ加えたのち、40℃,20分静置する。これらの溶液について、510nmにおける吸光度Aを測定し、次式により吸光度差ΔAを求める。
(式) ΔA=A(反応用サンプル)−A(ブランク)
さらに吸光度差ΔAより、次式により試料溶液に含まれるβグルカン量を算出することができる。
(式) βグルカン量(mg/L)=ΔA × F × 9
但し、F=100/A(グルコース標準液)
ここで、グルコース標準液は、50mM酢酸ナトリウム緩衝液(0.1mL)、1.0mg/mLグルコース水溶液(0.1mL)、グルコース定量用試薬GOPOD(3.0mL)を混合することにより得られる。サンプルは2本以上測定し、その平均値を以てβグルカン量とした。
<マルトース>
試料溶液100μLに、100ppmのラクト−ス水溶液を100μL、蒸留水を800μL加え分析用原液とした。分析用原液を、1mLのメタノールおよび蒸留水で洗浄した固層担体(「BOND Elut−SAX、1mL」VARIAN社製)に通液した。最初の100μLは廃棄し、次いで得られる300μLを分析用検体とした。検量線用検体には、マルトースおよびラクト−スの混合液を、各10ppmから1/2ずつの希釈で6点検量線となるように調整した原液を同様に処理したものを用いた。校正用検体にはラクトース10ppmとなるように調整した溶液を同様に処理したものを用いた。各検体はそれぞれ0.45μmカートリッジフィルターに通液した後、後述の機器・条件を用いてHPLC分析に供した。得られた結果は、校正用検体のラクト−ス値(L’)を各分析用検体のラクトース値(L)で除した補正係数k=(L’)/(L)を、各分析検体のマルトース分析値に乗じて分析用原液の濃度を求め、さらに希釈率を乗じて試料溶液中の含量とした。
(分析条件)
サンプル注入量:25μL
流量:1.0mL/min
溶離液A:0.2M水酸化ナトリウム水溶液
溶離液B:1M酢酸ナトリウム水溶液
溶離液C:蒸留水
カラム温度30℃。
(分析機器)
HPLC装置の構成ユニットの型番は次の通り(全て日本ダイオネクス社製)。
ディテクター:統合アンペロメトリ検出器EC50A
オーブン:TCC−100
ポンプ:GP50
オートサンプラー:AS50
解析用ソフトウェア:CHROMELEON
カラム:CarboPac PA1(ガードカラム:径φ4×長さ50mm,分離用カラム:径φ4×長さ250mm)
(濃度勾配条件)
時間(溶離液A/溶離液B/溶離液C 各%)
0〜5分(5/0/95)
20分(60/0/40)
30分(80/0/20)
31〜40分(0/100/0)
41〜55分(5/0/95)
<ポリフェノール>
「茶業研究報告,Vol.71,p.43〜74,1990年」の記載に従い、酒石酸鉄比色定量法に準拠して、標準品として没食子酸エチルを用いて没食子酸の換算量として、試料の総ポリフェノール含有量を算出した。具体的には、以下1)〜5)の条件で総ポリフェノールの含有量を定量した。
1)酒石酸鉄試薬の調製:硫酸第一鉄・七水和物100mg及び酒石酸カリウム・ナトリウム500mgを蒸留水に溶解して容積を100mlに調整した。
2)りん酸緩衝液の調製:1/15Mりん酸水素二ナトリウム水溶液及び1/15Mりん酸二水素カリウム水溶液を混合してpH7.5に調整した。
3)標準液の調製:50ppm,100ppm,150ppm,200ppm及び250ppm(質量/容積比)の各濃度に調整した没食子酸エチルの水溶液を調製した。
4)試料溶液の調製:試料を原液で、また濃度によってはイオン交換水で希釈したものを分析に供した。
5)測定方法:標準液或いは試料溶液5mlに酒石酸鉄試薬5mlを加え、りん酸緩衝液を用いて25mlに定容して混和した後に、UV540nmでの吸光度を測定した。標準液の測定値から検量線を作成し、それを用いて試料中の没食子酸エチル相当量を求め、1.5倍量を総ポリフェノール含有量とした。
<没食子酸>
没食子酸量は、高速液体クロマトグラム(HPLC)を以下の条件で操作し、検量線法により定量して測定した。
カラム:waters社製Xbridge shield RP18 φ3.5×150mm
カラム温度:40℃
移動相:A相 水
:B相 アセトニトリル
:C相 1%リン酸
流速:0.5mL/min
注入量:5μL
検出:waters社製UV検出器 UV230nm
<Brix>
Brix(%)は、アタゴ社製の測定機(DD-7)で測定した。
(評価試験)
実施例1〜17および比較例1〜10の容器詰混合茶飲料を、保管室(25℃)に6週間静置した。評価に際しては、25℃の恒温槽にて飲用直前から2時間以上静置したものを用いた。
この各容器詰混合茶飲料を、5人の熟練した男性審査官に、コロッケ(ジャガイモ、タマネギ等からなる市販品を170℃の油で揚げたもの)10gとともに、開栓直後の飲料30mLを試飲してもらい、後切れ感、コク、厚みバランス、収斂バランスについて官能評価をしてもらった。なおここで、「後切れ感」「コク」は、飲料自体から感じられる後切れ、コクを指し、「厚みバランス」「収斂バランス」は、食物の呈味に対する飲料のボリューム感とのバランス、および食物の後味に対するさっぱり感とのバランスを指す。
(評価基準)
官能評価は、各審査官に合議にて、下記に示す基準で点数化してもらった。この結果を下記表3に示す。
<後切れ感>
後切れ感は、ない場合を「0」点、強い場合を「10」点として11段階で評価した。
<コク>
コクは、薄い場合を「0」点、厚い場合を「10」点として11段階で評価した。
<厚みバランス>
厚みバランスは、悪い場合を「0」点、よい場合を「5」点として6段階で評価した。
<収斂バランス>
収斂バランスは、悪い場合を「0」点、よい場合を「5」点として6段階で評価した。
(総合評価)
総合点は、まず、後切れ感、コクの点数を合計し、この合計点に厚みバランスの点数を乗じ、さらに、これに収斂バランスの点数を乗じて算出し、この点数を総合点とした。
総合点が135点以上を「◎」、81〜134点を「○」、1〜80点を「△」、0点を「×」として判定した。
この結果を下記表3に示す。
Figure 2012231738
(結果)
実施例1〜4は「◎」の判定であり、実施例7〜8及び14は「○」の判定であり、良好な結果であった。
実施例5〜6、9〜13、15〜17は「△」の判定であり、厚みバランス又は収斂バランスが他の実施例と比べてやや好ましくない結果であったが、飲料としては市販できるものであった。
これに対し、比較例1〜10は、飲料自体の味のバランスが崩れるか、もしくは食事の際の厚みのバランス、収斂バランスのどちらかが崩れる傾向がみられ、全て「×」の判定であり、高脂肪食の食中飲料として不良な結果であった。
比較例1,2の結果から、マルトース量は飲料自体の後切れ感に影響を及ぼすことが見出せた。
比較例3,4の結果から、デンプン量とβグルカン量との合計量(多糖類)は飲料自体のコクに影響を及ぼすことが見出せた。
比較例5,9の結果から、ポリフェノール量が高いと食事の際の厚みバランスに影響を及ぼすことが見出せた。
比較例6−8,10の結果から、デンプン量とβグルカン量との合計量に対するポリフェノール量は、食事の際の収斂味に影響を及ぼすことが見出せた。
これら結果から、デンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)が50〜200であり、ポリフェノール量(mg/L)が190以下であり、デンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)に対するポリフェノール量(mg/L)の比が0.179〜2.710であり、マルトース量(mg/L)が0.40〜4.00である容器詰混合茶飲料は、洋食や中華料理など脂肪分の多い食事の食中飲料として適し、後味(しつこさ)を払拭することができるとともに適度な渋味を有した容器詰混合茶飲料になることが見出せた。
≪官能評価試験2≫
穀物抽出液(麦茶)に対する茶葉抽出液の配合を変えて没食子酸量を調整し、没食子酸が混合茶飲料にどのような影響を及ぼすかを評価した。
(混合茶飲料の作製)
上記官能評価試験1で用いた実施例2,6,11及び14において、配合する茶葉抽出液を以下の表4に示すように変えて実施例2a、6a、6b、11a、11b、14a、14bの容器詰混合茶飲料を、上記官能評価試験1と同様に作製した。
(分析)
各実施例の容器詰混合茶飲料の各種成分量の測定を上記官能評価試験1と同様に行った。この結果を下記表4に示す。
Figure 2012231738
(評価試験)
各容器詰混合茶飲料を、保管室(25℃)に6週間静置保管した。評価試験に際して、飲用2時間前より、5℃の恒温槽に2時間静置した。
この各容器詰混合茶飲料を、5名の熟練した男性審査官に、コロッケ10gとともに30mLを試飲してもらい、後味に対する飲料の苦渋味の程度について官能評価をしてもらった。
(評価基準)
官能評価は、各審査官の合議にて、下記の評価基準で判断してもらった。この結果を下記表5に示す。
<苦渋み>
後味に対して苦渋みが目立つ「+++」、後味に対してやや苦渋みが勝る「++」、後味に対して心地よい苦渋みが感じられる「+」、苦渋みが感じられない「−」
Figure 2012231738
(結果)
実施例14bは食品の後味に対してやや苦渋味が強く感じられた。
実施例2a、6b、11bは苦渋味を感じられず、食事のアクセントとしてやや弱いものであった。
他の実施例については「◎」又は「○」の評価であった。
これら結果から、マルトース量(mg/L)に対する没食子酸量の比が2.40〜41.50である容器詰混合茶飲料は、適度な苦渋味の容器詰混合茶飲料になることが見出せた。

Claims (6)

  1. デンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)が50〜200であり、ポリフェノール量(mg/L)が190以下であり、デンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)に対するポリフェノール量(mg/L)の比が0.179〜2.710であり、マルトース量(mg/L)が0.40〜4.00である容器詰混合茶飲料。
  2. マルトース量(mg/L)に対する没食子酸量(mg/L)の比が2.40〜41.50である請求項1に記載の容器詰混合茶飲料。
  3. デンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)を50〜200に調整し、ポリフェノール量(mg/L)を190以下に調整し、デンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)に対するポリフェノール量(mg/L)の比を0.179〜2.710に調整し、マルトース量(mg/L)を0.40〜4.00に調整する容器詰混合茶飲料の製造方法。
  4. マルトース量(mg/L)に対する没食子酸量(mg/L)の比を2.40〜41.50に調整する請求項3に記載の容器詰混合茶飲料の製造方法。
  5. デンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)を50〜200に調整し、ポリフェノール量(mg/L)を190以下に調整し、デンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)に対するポリフェノール量(mg/L)の比を0.179〜2.710に調整し、マルトース量(mg/L)を0.40〜4.00に調整する容器詰混合茶飲料の呈味改善方法。
  6. マルトース量(mg/L)に対する没食子酸量(mg/L)の比を2.40〜41.50に調整する請求項5に記載の容器詰混合茶飲料の呈味改善方法。
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