JP5180361B1 - 容器詰麦茶飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】いずれの温度で飲用しても、香味のバランスに優れ、さらには、収斂味があり間食などとともに飲用することにも適した容器詰麦茶飲料を提供する。
【解決手段】容器詰麦茶飲料は、デンプン量とβグルカン量とを合わせた多糖類量(mg/100mL)が40〜145であり、マルトース量(mg/L)が0.50〜3.00であり、麦由来可溶性固形分(%)が0.15〜0.65であり、マルトース量(mg/L)に対するカテキン8種量(mg/L)の比(カテキン/マルトース)が0.02〜1.0であることを特徴とし、さらに、マルトース量(mg/L)に対するガレート型カテキン量(mg/L)の比(ガレート型カテキン/マルトース)が0.01〜0.67であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、原料麦から抽出された抽出液を主成分とする麦茶を含む飲料であって、これをプラスチックボトルや缶などの密閉容器に充填した容器詰麦茶飲料に関する
水分を補給することは、身体機能維持の観点から重要である。特に夏場の暑熱時期や冬場の乾燥時期等には、食事中だけでなく食間にも、こまめに水分を補給することは推奨される。
そのような中、麦茶飲料は、焙煎香を有し、麦由来の甘味によるまろやかさを有していることから、万人に好まれ、こまめな水分の補給には適したものである。
このような麦茶飲料に関する発明としては、例えば、特許文献1には、浸出液中のカリウム、ナトリウム、カルシウム及びマグネシウムイオンの濃度が、カリウムイオンの濃度を1としたとき、ナトリウムイオン0.1〜30、カルシウムイオン0.05〜1及びマグネシウムイオン0.02〜0.5の範囲内になるようにこれらのイオンを含む可食性塩類又はこれらの塩類を含む食品が添加されていることを特徴とした茶飲料が開示されている。
特許文献2には、塩分を取り除いた海洋深層水を麦茶飲料に混合及び攪拌して、マグネシウムを麦茶飲料1リットルあたり2.5mg〜20mg、カリウムを麦茶飲料1リットルあたり100mg〜350mgになるように調整した、呈味を改善させた血流改善作用を有する麦茶飲料が開示されている。
特開昭62−83847号公報 特開2005−151981号公報
しかし、麦茶飲料は、さっぱりし過ぎているため味のアクセントがなく、食間に菓子などの間食とともに飲用する場合は、収斂味がなく間食の甘味等を払拭しきれず、間食とともに飲用することには適してなかった。また、食間に飲む場合は、少量ずつ長時間かけて飲用することが多く、液温がぬるくなってしまい、香味のバランスが崩れてしまうことがあった。
これに対し、緑茶やコーヒーは、間食とともに飲用されることが多く、渋みや苦みが強く、味のアクセントを有し、甘味等を払拭することには適するものである。しかし、これらは、特に女性や若年者などには刺激が強いと感じられ、敬遠されることもある。また、これらは渋みや苦みが強いため、一日に大量に摂取することは不適であり、水分補給の観点からは適したものではない。
そこで、本発明の目的は、いずれの温度で飲用しても、香味のバランスに優れ、さらには、収斂味があり間食などとともに飲用することにも適した、新しい容器詰麦茶飲料を提供することにある。
本発明の容器詰麦茶飲料は、デンプン量とβグルカン量とを合わせた多糖類量(mg/100mL)が40〜145であり、マルトース量(mg/L)が0.50〜3.00であり、麦由来可溶性固形分(%)が0.15〜0.65であり、マルトース量(mg/L)に対するカテキン8種量(mg/100mL換算)の比(カテキン/マルトース)が0.02〜1.0であることを特徴とする。
本発明は、多糖類の量により香味の余韻などを調整し、マルトースの量によりまろやかさなどを調整し、麦由来可溶性固形分の調整により重量感などを調整し、マルトースとカテキン8種の比によりさわやかさなどを調整した結果、いずれの温度で飲用しても、香味のバランスに優れ、さらには、収斂味があり間食などとともに飲用することにも適した、新しい容器詰麦茶飲料を提供することができた。
以下、本発明の容器詰麦茶飲料の実施形態を説明する。但し、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態の一例に係る容器詰麦茶飲料(以下「本容器詰麦茶飲料」と称する)は、少なくとも、デンプンとβグルカンとを合わせた多糖類、マルトース、麦由来可溶性固形分、カテキン8種を含む飲料である。
本容器詰麦茶飲料は、デンプン量とβグルカン量とを合わせた多糖類量(mg/100mL)が40〜145である。
この範囲であることにより、香味の余韻などを調整することができる。
かかる観点から、多糖類量(mg/100mL)は、好ましくは80以上或いは131以下、特に好ましくは89以上或いは131以下である。
本容器詰麦茶飲料は、デンプン量(mg/100mL)が37〜142であるのが好ましい。
この範囲であることにより、デンプン由来の飲料の香味に対し厚みが付与することなどができる。
かかる観点から、デンプン量(mg/100mL)は、より好ましくは82以上或いは133以下、特に好ましくは91以上或いは133以下である。
デンプン量は、原料麦の焙煎条件や抽出条件等を適宜調整して、上記範囲に調整することができる。例えば、デンプン量は、これらの含量が多い原料麦、例えば、二条大麦や焙煎の浅い麦を用いることにより高めることができる。
本容器詰麦茶飲料は、βグルカン量(mg/100mL)が0.79〜3.35であるのが好ましい。
この範囲であることにより、コクや香りなどを調整することができる。
かかる観点から、βグルカン量(mg/100mL)は、より好ましくは1.47以上或いは2.74以下、特に好ましくは1.77以上或いは2.74以下である。
βグルカン量は、原料麦の焙煎条件や抽出条件等を適宜調整して、上記範囲に調整することができる。例えば、βグルカン量は、これらの含量が多い原料麦、例えばβグルカン高含有品種を用いることにより高めることができる。
本容器詰麦茶飲料は、マルトース量(mg/L)が0.50〜3.00である。
この範囲であることにより、まろやかさなどを調整することができる。
かかる観点から、マルトース量(mg/L)は、好ましくは0.68以上或いは2.24以下、特に好ましくは0.94以上或いは1.44以下である。
マルトース量は、原料麦の焙煎条件や抽出条件等を適宜調整して、上記範囲に調整することができる。例えば、マルトース量は、これらの含量が多い原料麦、例えば麦芽や酵素処理麦を用いることにより高めることができる。
本容器詰麦茶飲料は、麦由来可溶性固形分(%)が0.15〜0.65である。
この範囲であることにより、重量感などを調整することができる。
かかる観点から、麦由来可溶性固形分(%)は、好ましくは0.21以上或いは0.52以下、特に好ましくは0.27以上或いは0.44以下である。
なお、麦由来可溶性固形分とは、原料麦から抽出して得られた抽出液の可溶性固形分をショ糖換算したときの値をいう。
麦由来可溶性固形分は、原料麦の焙煎条件や抽出条件等を適宜調整して、上記範囲に調整することができる。例えば、麦由来可溶性固形分は、抽出液を高温にすることにより高めることができる。
本容器詰麦茶飲料は、マルトース量(mg/L)に対するカテキン8種量(mg/100mL換算)の比(カテキン/マルトース)が0.02〜1.0である。
この範囲であることにより、さわやかさなどを調整することができる。
かかる観点から、カテキン/マルトースは、好ましくは0.02以上或いは0.42以下、特に好ましくは0.02以上或いは0.22以下である。
なお、本発明におけるカテキン8種とは、カテキン(C)、ガロカテキン(GC)、カテキンガレート(Cg)、ガロカテキンガレート(GCg)、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECg)及びエピガロカテキンガレート(EGCg)を示す。
カテキン/マルトースの比は、例えば、不醗酵茶や半醗酵茶、発酵茶、後醗酵茶などのカテキン8種を含む茶葉を抽出条件及び、原料麦茶の品種や抽出条件により調整することができる。
本容器詰麦茶飲料は、カテキン8種量(mg/100mL)が0.035〜1.90あるのが好ましい。
この範囲であることにより、まろやかさに対する後味などを調整することができる。
かかる観点から、カテキン8種量は、より好ましくは0.035以上或いは0.50以下、特に好ましくは0.035以上或いは0.25以下である。
カテキン8種量は、例えば、不醗酵茶や半醗酵茶、発酵茶、後醗酵茶などのカテキン8種を含む茶葉からの抽出条件やカテキン製剤により調整することができる。
本容器詰麦茶飲料は、マルトース量(mg/L)に対するガレート型カテキン量(mg/100mL)の比(ガレート/マルトース)が0.01〜0.67である。
この範囲であることにより、ひきしめ感などを調整することができる。
かかる観点から、ガレート/マルトースは、好ましくは0.01以上或いは0.34以下、特に好ましくは0.01以上或いは0.18以下である。
なお、本発明におけるガレート型カテキンとは、エピガロカテキンガレート(EGCg)、エピカテキンガレート(ECg)、ガロカテキンガレート(GCg)、カテキンガレート(Cg)を示す。
ガレート/マルトースは、例えば、茶葉の抽出液に酵素処理を施すこと、カテキン製剤の添加、及び原料麦茶の品種や抽出条件により調整することができる。
本容器詰麦茶飲料は、ガレート型カテキン量(mg/100mL)が0.01〜1.8であるのが好ましい。
この範囲であることにより、まろやかさに対する清涼感などを調整することができる。
かかる観点から、ガレート型カテキン量は、より好ましくは0.01以上或いは0.37以下、特に好ましくは0.015以上或いは0.23以下である。
ガレート型カテキン量は、茶葉の品種や茶葉の抽出液に酵素処理を施すこと、カテキン製剤の添加により調整することができる。
本容器詰麦茶飲料は、pHが20℃で4.5〜8であることが好ましく、4.75以上或いは7.75以下であるのがより好ましく、5以上或いは7.5以下であるのがさらに好ましい。
本容器詰麦茶飲料は、L値が60〜98であることが好ましく、65以上或いは97以下であるのがより好ましく、70以上或いは96以下であるのがさらに好ましい。
本容器詰麦茶飲料は、液中の溶存酸素量(mg/L)が、0.05〜18であることが好ましく、0.1以上或いは15以下であるのがより好ましく、0.5以上或いは12以下であるのがさらに好ましい。これにより、保管中に飲料と酸素が反応し、甘みを出すことができる。
なお溶存酸素量は、「Doメーター」と呼ばれる溶存酸素計等を用いて測定することができる。
<本容器詰麦茶飲料の製造方法>
本容器詰麦茶飲料は、デンプン量とβグルカン量とを合わせた多糖類量(mg/100mL)を40〜145に調整し、マルトース量(mg/L)を0.50〜3.00に調整し、麦由来可溶性固形分(%)を0.15〜0.65に調整し、マルトース量(mg/L)に対するカテキン8種量(mg/100mL換算)の比(カテキン/マルトース)を0.02〜1.0に調整して製造することができる。
本発明の容器詰麦茶飲料は、例えば、焙煎麦を抽出して得られた抽出液乃至抽出物を主成分とする液体に、茶葉抽出液乃至抽出物を混合して作製することができる。カテキン製剤を混合してもよい。
ここで「主成分」とは、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含する。この際、当該主成分の含有割合を特定するものではないが、焙煎麦を抽出して得られた抽出液乃至抽出物が、固形分濃度として、飲料中の50質量%以上、特に70質量%以上、中でも特に80質量%以上(100%含む)を占めるのが好ましい。
上記の「焙煎麦を抽出して得られた抽出液乃至抽出物を主成分とする液体」としては、例えば、焙煎麦を抽出して得られた抽出液のみからなる液体、或いは当該抽出液を希釈した液体、或いは抽出液どうしを混合した液体、或いはこれら前記何れかの液体に添加物を加えた液体、或いはこれら前記何れかの液体を乾燥したものを分散させてなる液体などを挙げることができる。
(原料)
焙煎麦は、原料麦を焙煎処理して得ることができる。
原料麦としては、二条・四条・六条等の各皮麦・裸麦などの大麦、水浸漬や酵素加工による加工麦、βグルカン高含有麦、アミロースフリー麦、低ポリフェノール麦などの改良種大麦を挙げることができる。
なお、βグルカン高含有麦とは、βグルカンを多く含む麦であり、例えば、“CDC Fiber”,“CDC Alamo”,“Pronghorn”,“Salute”,“BG006”,“BG012”,“ビューファイバー”などの品種を挙げることができ、具体的な商品としては“BGバーレイ”などを挙げることができる。
焙煎処理は、熱風焙煎、砂炒焙煎、遠赤外線焙煎、開放釜焙煎、回転ドラム式焙煎、媒体焙煎などにより行うことができる。
抽出は、特に限定するものではないが、カラム式抽出、バッチ式抽出などで行うことができる。
抽出の際の原料麦の形態は、ホール(丸粒)、引き割、粉砕などにすることができる。
また、原料麦に、茶樹(Camellia sinensis var. sinensisやCamellia sinensis var. assamica、またはこれらの雑種)の葉や茎から製造された茶葉、玄米、ハト麦、とうもろこし、アマランサス、キヌア、ナンバンキビ、モズク、甘草、ハス、シソ、マツ、オオバコ、ローズマリー、桑、ギムネマ、ケツメイシ、大豆、昆布、霊芝、熊笹、柿、ゴマ、紅花、アシタバ、陳皮、グァバ、アロエ、ギムネマ、杜仲、ドクダミ、チコリー、月見草、ビワ等の各種植物の葉、茎、根等を混合してもよい。
好ましい一例としては、原料麦として六条麦茶を用い、熱風焙煎あるいは媒体焙煎をして粉砕L値を55〜25程度に調整し得られた焙煎麦を使用するのがよい。
(抽出)
焙煎麦を60〜105℃の抽出液で抽出するのが好ましい。
(茶葉抽出液乃至抽出物)
原料茶葉から抽出される抽出液としては、不発酵茶の緑茶、半発酵茶の烏龍茶、発酵茶の紅茶、後発酵茶のプーアル茶、焙煎加工を経た茶(ほうじ茶)などが挙げられる。
これらの種類は、特に制限するものではなく、例えば、緑茶としては蒸し茶、煎茶、玉露、抹茶、番茶、玉緑茶、釜炒り茶、中国緑茶などを挙げることができ、烏龍茶としては鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶、水仙などを用いることができ、紅茶としてはダージリン、アッサム、ウバ、ディンブラなどを挙げることができる。またほうじ茶としては、茎ほうじ茶、加賀棒茶、京番茶等の種類があげられる。
(調合)
原料麦の種類、焙煎条件、焙煎麦の抽出条件などを調整して得られた焙煎麦を抽出して得られた抽出液乃至抽出物を主成分とする液体に、茶葉抽出液乃至抽出物を混合して上記組成に調整することができる。
また、原料麦の種類、焙煎条件、焙煎麦の抽出条件などの異なる2種類或いは3種類以上の抽出液を混合することで、上記組成に調整してもよい。
各成分量を上記範囲に調整するために市販の麦抽出物、茶葉抽出物などを添加してもよいが、麦本来の香りの余韻の感じを失わないようにするために、これらの使用は極力控えるべきであり、可能であれば使用しないのが好ましい。
また、本容器詰麦茶飲料には、長期保存しても沈殿物が発生しない限りにおいて、必要に応じ、アスコルビン酸やアスコルビン酸ナトリウム等の酸化防止剤、香料、炭酸水素ナトリウム等のpH調整剤、乳化剤、保存料、甘味料、着色料、増粘安定剤、調味料、強化剤等の添加剤を単独又は組み合わせて配合することもできる。また、海洋深層水を混合してもよい。
(容器充填)
本容器詰麦茶飲料に用いることができる容器としては、例えば、ガラス瓶、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、多層成形容器等のプラスチック容器、紙容器、金属容器等がある。
容器としてプラスチック容器を用いた場合は、25℃、湿度55%RHにおける容器の酸素透過量(cc/Day/500mLボトル)が、0.01〜0.1であるのが好ましく、0.015〜0.08がより好ましく、0.02〜0.06がさらに好ましい。これにより、保管中に飲料と酸素が反応し、甘みを出すことができる。
本容器詰麦茶飲料の容器の口部と容器内の飲料の液面との間の空間(「ヘッドスペース」とも言う。)の酸素量(mL)が、内容液1mLに対して、0.0008〜0.008があるのが好ましく、0.0028〜0.0068であるのがより好ましく、0.004〜0.006であるのがさらに好ましい。
本容器詰麦茶飲料は、麦茶飲料を容器に充填する際、常温で充填するのが好ましい。また、窒素を充填しない方が好ましい。
(殺菌)
本容器詰麦茶飲料は、必要に応じ、製造工程のいずれかの段階で殺菌を行って製造される。殺菌の条件は食品衛生法に定められた条件と同等の効果が得られる方法を選択すればよいが、例えば、容器として耐熱容器を使用する場合にはレトルト殺菌を行えばよい。また、容器として非耐熱性容器を用いる場合、本容器詰麦茶飲料は、例えば、麦茶飲料を予めプレート式熱交換機等で高温短時間殺菌後、所定温度まで冷却し、熱時充填するか低温、たとえば10〜50℃で無菌充填を行うことで製造することができる。
なお、上記各成分量、麦由来可溶性固形分の測定は、例えば、後述の実施例で示す測定方法により測定することができる。
<用語の説明>
本発明における「容器詰」とは、金属、ガラス、プラスチック、金属やプラスチックフィルムと複合された紙容器等に対象物が充填、密封されてなる状態を意味する。
本発明において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
また、本発明において、「X以上」(Xは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
以下、本発明の実施例を説明する。但し、本発明は、この実施例に限定されるものではない。
≪評価試験≫
以下の実施例及び比較例の容器詰麦茶飲料を作製し、以下に示す評価試験を行った。
<抽出液の作製>
まず、以下の抽出液1〜13を作製した。
抽出液1〜7は、焙煎麦から抽出した抽出液であり、抽出液8〜13は、茶葉から抽出した抽出液である。
(抽出液1)
六条大麦に蒸気噴霧処理を施して含有水分量が約25重量%になるように調整し、回転ドラム式媒体焙煎窯に投入し、焙煎温度255℃で90秒間の一次焙煎を行った。その後、焙煎温度を280℃で90秒間の二次焙煎を行った後、冷却装置のコンベアに移し、麦の品温が80〜140℃の温度域に50秒間滞留するように冷却ファン及びコンベアの速度を調整して緩慢冷却をし、原料麦1を製造した。
原料麦1(200g)を、ステンレス製ドリップ抽出容器(内径150mm×高さ150mm、容積約3120cm)に高さが均一になるように投入した。なお、該抽出容器には、内容液を排出可能なコックと、内容液を濾過する80メッシュの金網が備えられている。この容器内に、98℃の熱水2Lを注ぎ、20分保持後、コックを開き、内容液を排出した。この内容液を、25℃に冷却し、ステンレスメッシュ(235メッシュ)で濾過し、さらにネルで濾過した。この濾液にイオン交換水を加えて4Lに定容し、抽出液1とした。
(抽出液2)
六条大麦150gを排気温度183℃にて小型熱風焙煎機に投入し、20分後品温194℃にて排出し、原料麦2を製造した。
また、六条大麦150gを排気温度196℃にて小型熱風焙煎機に投入し、14分後品温185℃にて排出し、原料麦3を製造した。
原料麦2及び3を、1Lあたり各25g用いて、バッチ抽出を行った。この際、98℃の熱水を用い、加水倍率は15倍とし、40分間行った。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で粗濾過した後、25℃に冷却し、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、さらに、ネルで濾過した。この濾液にイオン交換水を加えて4Lに定容し、抽出液2とした。
(抽出液3)
六条大麦150gを排気温度182℃にて小型熱風焙煎機に投入し、19分後品温194℃にて排出し、原料麦4を製造した。
原料麦4を、1Lあたり25g用いて、バッチ抽出を行った。この際、98℃の熱水を用い、加水倍率は20倍とし、1時間行った。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で粗濾過した後、25℃に冷却し、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、さらに、ネルで濾過した。この濾液にイオン交換水を加えて4Lに定容し、抽出液3とした。
(抽出液4)
六条大麦200gを排気温度263℃にて小型熱風焙煎機に投入し、9分後品温202℃にて排出し、原料麦5を製造した。
原料麦5を、1Lあたり25g用いて、バッチ抽出を行った。この際、95℃の熱水を用い、加水倍率は15倍とし、1時間行った。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で粗濾過した後、25℃に冷却し、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、さらに、ネルで濾過した。この濾液にイオン交換水を加えて4Lに定容し、抽出液4とした。
(抽出液5)
アメリカ産六条大麦(βグルカン高含有品種)を蒸気噴霧処理を施して含有水分量が約16重量%になるように調整し、回転ドラム式媒体焙煎窯に投入し、焙煎温度262℃で90秒間の一次焙煎を行った。その後、焙煎温度を280℃で90秒間の二次焙煎を行った後、冷却装置のコンベアに移し、麦の品温が80〜140℃の温度域に120秒間滞留するように冷却ファン及びコンベアの速度を調整して緩慢冷却をし、原料麦6を製造した。
原料麦6(200g)を、上記と同じステンレス製ドリップ抽出容器に高さが均一になるように投入した。この容器内に、95℃の熱水1Lを注ぎ、25分保持後、コックを開き、内容液を排出した。この内容液を貯留しておき、該抽出容器内の残渣にさらに95℃の熱水1Lを注ぎ、15分保持後、コックを開き、内容液を排出した。この内容液と貯留しておいた内容液を混合して25℃に冷却し、ステンレスメッシュ(235メッシュ)で濾過し、さらにネルで濾過した。この濾液にイオン交換水を加えて4Lに定容し、抽出液5とした。
(抽出液6)
二条大麦を約36時間、室温にて水浸漬後、さらに24時間程度湿潤環境下において十分に吸水させた後、約75℃の弱熱条件にて乾燥した。この乾燥麦250gを排気温度282℃にて回転式熱風焙煎機に投入し、10分後品温200℃にて排出し、原料麦7を製造した。
原料麦7を、1Lあたり50g用いて、ニーダー抽出(一定時間保持)を行った。この際、90℃の熱水を投入し、加水倍率は20倍とし、1時間行った。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で粗濾過した後、25℃に冷却し、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、さらに、ネルで濾過した。この濾液にイオン交換水を加えて4Lに定容し、抽出液6とした。
(抽出液7)
二条大麦を約24時間、室温にて水浸漬後、さらに24時間程度湿潤環境下において十分に吸水させた後、約75℃の弱熱条件にて乾燥した。これを再び8℃の水に18時間浸漬させ、余剰水分を除去後、蒸気雰囲気下にて75℃、30分加熱した。これを乾燥した後、排気温度282℃の回転式熱風焙煎機に投入し、10分後品温200℃にて排出し、原料麦8を製造した。
原料麦7を、1Lあたり50g用いて、ニーダー抽出(一定時間保持)を行った。この際、90℃の熱水を投入し、加水倍率は20倍とし、1時間行った。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で粗濾過した後、25℃に冷却し、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、さらに、ネルで濾過した。この濾液にイオン交換水を加えて4Lに定容し、抽出液7とした。
(抽出液8)
摘採後の茶葉(やぶきた種、静岡県産1番茶)を、90℃の温水に60秒投入し水切りした後荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度140℃、乾燥時間15分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉を、茶葉20g、80℃の熱水1L、抽出時間5分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに25℃に冷却後、5μmのフィルター(GAF社)で濾過した。この濾液にイオン交換水を加えて1Lに定容し、抽出液8とした。
(抽出液9)
摘採後の茶葉(やぶきた種、静岡県産1番茶)を、荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度130℃、乾燥時間20分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉を、茶葉20g、90℃の熱水1L、抽出時間6分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに25℃に冷却後、5μmのGAFフィルターで濾過した。この濾液にイオン交換水を加えて1Lに定容し、抽出液9とした。
(抽出液10)
摘採後の茶葉(やぶきた種、鹿児島県産2番茶)を、97℃の温水に120秒投入し水切りした後荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度140℃、乾燥時間15分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉を、茶葉20g、85℃の熱水1L、抽出時間7分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに25℃に冷却後、5μmのフィルター(GAF社)で濾過した。この濾液にイオン交換水を加えて1Lに定容し、抽出液10とした。
(抽出液11)
抽出液8において5μmのフィルター(GAF社)で濾過した濾液に、タンナーゼ(キッコーマン社製)を濾液に対して0.3wt%になる濃度で添加し、15時間保持した。これを90℃にて10分間加温し酵素活性を完全に失活した後、25℃まで冷却し、再度5μmのフィルター(GAF社)で濾過した。この濾液にイオン交換水を加えて1Lに定容し、抽出液11とした。
(抽出液12)
抽出液9において5μmのフィルター(GAF社)で濾過した濾液に、タンナーゼ(キッコーマン社製)を濾液に対して0.3wt%になる濃度で添加し、20時間保持した。これを90℃にて10分間加温し酵素活性を完全に失活した後、25℃まで冷却し、再度5μmのフィルター(GAF社)で濾過した。この濾液にイオン交換水を加えて1Lに定容し、抽出液12とした。
(抽出液13)
エピガロカテキン(EGCg)製剤(「テアビゴ」DSMニュートリショナル・プロダクツ社製)を、40℃の温水にEGCg含量25ppmとなるように溶解させ、抽出液13(宜上抽出液と呼ぶ)とした。
<麦茶飲料の作製>
各抽出液を、下記表1,2に示す割合で配合し、アスコルビン酸を300ppm添加した後、重曹を添加してpH6.2に調整した。この液を135℃、30秒のUHT殺菌の後、25℃に冷却し、ペットボトルに無菌環境で充填し、プラスチックキャップにて巻き締め、密封を行い、実施例1〜8及び比較例1〜11の容器詰麦茶飲料を作製した。
Figure 0005180361
Figure 0005180361
なお、上記方法で作製した麦茶飲料は、いずれも溶存酸素量2mg/Lであった。また、充填に使用したペットボトルの酸素透過量は、0.04cc/Day/ボトル500mL(25℃、55%RH)であり、ヘッドスペース中の酸素量は、麦茶飲料1mLあたり0.006mLであった。
(麦茶飲料の成分)
実施例1〜8及び比較例1〜11の容器詰麦茶飲料の成分を測定し、各値を算出した。その結果を下記表3,4に示す。
なお、各成分の測定方法は下記に示す。
Figure 0005180361
Figure 0005180361
<デンプン>
試料溶液10gに対し、エタノールを10g加え、遠心分離(8000g〜10000g、20分)処理を行い、上澄を廃棄する。残渣に再び蒸留水を適宜加え、3分間加熱糊化を行う。
これに、グルコアミラーゼ(「AMYLOGLUCOSIDASE、Megazyme」日本バイオコン株式会社製)を加えて37℃にて2時間保温後、20mLに定容し、濾紙(「ADVANTEC No.5B」東洋濾紙株式会社製)にて濾過する。
この濾液について、市販のグルコース定量用キット(例えば、「グルコースCII−テストワコー」和光純薬株式会社製)を用いてグルコース量を求める。グルコース量から次の式により、試料に含まれるデンプン量が算出することができる。
デンプン(g/100g)=グルコース量(g/100g)×0.9…式
<βグルカン>
βグルカン量は、βグルカン定量用キット(例えば、Megazyme社製「分析用キット」など)を用いて求めることができる。試料溶液5mLに2.5gの硫酸アンモニウムを加え、泡立たないように注意深く混和し、4℃で20時間静置する。この溶液を遠心分離(1000g、10分)し、上澄を除去する。残渣に1.0mLの50%エタノールを加えて激しく攪拌し、さらに10mLの50%エタノールを加えて混合し、これを遠心分離(1000g、5分)し、上澄を除去する。得られた残渣に対し再度同様の操作を繰り返し行ったのち、20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH 6.5)4.8mLに溶解
し、リケナーゼ(10U)を0.2mL加えて40℃で5分静置する。これを遠心分離(1000g、10分)し、得られた上澄を0.1mLずつ3本の試験管に移す。うち1本の試験管には50mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH4.0)0.1mLを加える(ブランク用サンプル)。残りの2本にはβ−グルコシダーゼ・50mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH4.0)溶液(0.2U)0.1mLを加える(反応用サンプル)。それぞれ40℃、15分間静置し、これにグルコース定量用試薬(GOPOD Reagent)をそれぞれ3.0mLずつ加えたのち、40℃,20分静置する。これらの溶液について、510nmにおける吸光度Aを測定し、次式により吸光度差ΔAを求める。
ΔA=A(反応用サンプル)−A(ブランク)…式
さらに吸光度差ΔAより、次式により試料溶液に含まれるβグルカン量を算出することができる。
βグルカン量(mg/L)=ΔA × F × 9…式
但し、F=100/A(グルコース標準液)
ここで、グルコース標準液は、50mM酢酸ナトリウム緩衝液(0.1mL)、1.0mg/mLグルコース水溶液(0.1mL)、グルコース定量用試薬GOPOD(3.0mL)を混合することにより得られる。サンプルは2本以上測定し、その平均値を以てβグルカン量とした。
<マルトース>
試料溶液100μLに、100ppmのラクト−ス水溶液を100μL、蒸留水を800μL加え分析用原液とした。分析用原液を、1mLのメタノールおよび蒸留水で洗浄した固層担体(「BOND Elut−SAX、1mL」VARIAN社製)に通液した。
最初の100μLは廃棄し、次いで得られる300μLを分析用検体とした。検量線用検体には、マルトースおよびラクト−スの混合液を、各10ppmから1/2ずつの希釈で6点検量線となるように調整した原液を同様に処理したものを用いた。校正用検体にはラクトース10ppmとなるように調整した溶液を同様に処理したものを用いた。各検体はそれぞれ0.45μmカートリッジフィルターに通液した後、後述の機器・条件を用いてHPLC分析に供した。得られた結果は、校正用検体のラクト−ス値(L’)を各分析用検体のラクトース値(L)で除した補正係数k=(L’)/(L)を、各分析検体のマルトース分析値に乗じて分析用原液の濃度を求め、さらに希釈率を乗じて試料溶液中の含量とした。
(分析条件)
サンプル注入量:25μL
流量:1.0mL/min
溶離液A:0.2M水酸化ナトリウム水溶液
溶離液B:1M酢酸ナトリウム水溶液
溶離液C:蒸留水
カラム温度30℃
(分析機器)
HPLC装置の構成ユニットの型番は次の通り(全て日本ダイオネクス社製)。
ディテクター:統合アンペロメトリ検出器EC50A
オーブン:TCC−100
ポンプ:GP50
オートサンプラー:AS50
解析用ソフトウェア:CHROMELEON
カラム:CarboPac PA1(ガードカラム:径φ4×長さ50mm,分離用カラム:径φ4×長さ250mm)
(濃度勾配条件)
時間(溶離液A/溶離液B/溶離液C 各%)
0〜5分(5/0/95)
20分(60/0/40)
30分(80/0/20)
31〜40分(0/100/0)
41〜55分(5/0/95)
<カテキン8種・ガレート型カテキン>
カテキン8種量及びガレート型カテキン量は、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を以下の条件で操作し、検量線法により定量して測定した。
カラム:waters社製Xbridge shield RP18 φ3.5×150mm
カラム温度:40℃
移動相:A相 水
:B相 アセトニトリル
:C相 1%リン酸
流速:0.5mL/min
注入量:5μL
検出:waters社製UV検出器 UV230nm
<麦由来可溶性固形分>
麦由来可溶性固形分(%)は、示差濃度計「DD−7」(アタゴ社製)で測定した。
<官能評価試験1>
実施例1〜8及び比較例1〜11の各容器詰麦茶飲料を用いて、下記試験を行った。
各容器詰麦茶飲料を5℃に冷やしたものを用意した。この容器詰麦茶飲料を、女性審査官5名(いずれも20代)に、バタークッキー(1枚約9g)を試食してもらった直後に約20mL試飲してもらい、まろやかさ、香りの余韻、重量感、さわやかさについて官能評価をしてもらった。また、同飲料は1回目の摂取のための開封後、再び閉栓し常温(20℃)に放置した。約3時間後、上記と同様の官能評価(2回目)を実施した。その間には水分あるいは食物の摂取を禁じた。
各項目について、以下の評価基準に従い、5名の合議で「◎」〜「×」の4段階で評価した。その結果を上記表3,4に示す。
なお、「まろやかさ」は、飲用時の口当たりの良さを示す。「香味の余韻」は、嚥下後に喉奥に感じられる香りと味を示す。「重量感」は、間食とともに摂取した際の飲みごたえを示す。「さわやかさ」は、爽快感を示す。
<評価基準>
(まろやかさ)
まろやかさは、適度の場合を「◎」、感じられない或いは嗜好上不適である場合を「×」として4段階で評価した。
(香りの余韻)
香りの余韻は、適度の場合を「◎」、感じられない或いは嗜好上不適である場合を「×」として4段階で評価した。
(重量感)
重量感は、適度の場合を「◎」、感じられない或いは非常に強く嗜好上不適である場合を「×」として4段階で評価した。
(さわやか)
さわやかは、適度の場合を「◎」、弱い、或いは苦渋みが強すぎる場合を「×」として4段階で評価した。
(総合評価)
「5℃における総合評価」を以下のように算出した。
まろやかさ、香りの余韻、重量感、さわやかさの評価について、「×」が一つでもある場合を評価「×」とした。次に、「◎」を4点、「○」を3点、「△」を2点として平均点を算出し、平均点が4点を評価「◎」、3点を評価「○」、2点を評価「△」として評価した。なお、端数がある場合は四捨五入した。
次に、「20℃における総合評価」も上記と同様に算出した。
これらの結果を、上記表3,4に示す。
(結果)
官能評価試験1の結果、実施例1〜8は、いずれも総合評価「△」以上であり、いずれの温度で飲用しても好適なものであった。
一方、比較例1〜11は、いずれも総合評価「×」であり温度のより香味のバランスが失われるものであった。
比較例4〜8および11の結果から、多糖類は香味の余韻に関係すると思われる。
比較例4〜6および9,10の結果から、マルトースはまろやかさに関係すると思われる。
比較例4〜6および8,11の結果から、麦由来可溶性固形分は重量感に関係すると思われる。
比較例1〜3および11の結果から、カテキン/マルトースはさわやかさに関係すると思われる。
これら官能評価試験の結果から、デンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)が40〜145であり、マルトース量(mg/L)が0.50〜3.00であり、麦由来可溶性固分(%)が0.20〜0.65であり、カテキン/マルトース比が0.02〜1.0である容器詰麦茶茶飲料は、いずれの温度で飲用しても、香味のバランスに優れることが見出せた。
<官能評価試験2>
上記抽出液を下記表5に示す割合で配合し、上記と同様の製法により、実施例9〜19の容器詰麦茶飲料を作製した。
これらの成分を分析した結果を、下記表6に示す。
Figure 0005180361
Figure 0005180361
<評価試験>
各容器詰麦茶飲料を、60℃に暖めたものを用意した。これらを、上記女性審査官5名に、まず、バタークッキーの代わりにクリームサンドクッキー(1枚約8g)を試食してもらい、上記官能評価試験1と同様に官能評価してもらった。
次に、同飲料を、再び閉栓し微温(30℃)に放置した。約3時間後、上記と同様の官能評価(2回目)を実施した。その間には水分あるいは食物の摂取を禁じた。
その結果を上記表6に示す。
また、今回の試験では、ひきしめ感について注目して評価をしてもらった。なお、ひきしめ感とは、食事と同時摂取する際に、口中に感じられる収斂の感覚であり、高すぎると違和感として感じられ、また弱すぎると、メリハリがなくなる。そのため、適度なひきしめ感を有する飲料は、食中に同時摂取する際に、後味等に対して一定の刺激を加味するため好適なものになる。ひきしめ感の評価基準は、下記に示すとおりである。
<評価基準>
(ひきしめ感)
ひきしめ感は、適度の場合を「◎」、嗜好上やや劣るである場合を「×」として4段階で評価した。
(結果)
実施例17〜19の結果から、ガレート型カテキン/マルトースの値はひきしめ感に関係するものと思われる。
この官能評価試験の結果から、マルトース量(mg/L)に対するガレート型カテキン量(mg/100mL換算)の比(ガレート型カテキン/マルトース)が0.01〜0.67であると、収斂味があり間食などとともに飲用することにも適した容器詰麦茶飲料になることが見出せた。

Claims (6)

  1. デンプン量とβグルカン量とを合わせた多糖類量(mg/100mL)が40〜145であり、マルトース量(mg/L)が0.50〜3.00であり、麦由来可溶性固形分(%)が0.15〜0.65であり、マルトース量(mg/L)に対するカテキン8種量(mg/100mL換算)の比(カテキン/マルトース)が0.02〜1.0である容器詰麦茶飲料。
  2. マルトース量(mg/L)に対するガレート型カテキン量(mg/100mL換算)の比(ガレート型カテキン/マルトース)が0.01〜0.67である請求項1に記載の容器詰麦茶飲料。
  3. デンプン量とβグルカン量とを合わせた多糖類量(mg/100mL)を40〜145に調整し、マルトース量(mg/L)を0.50〜3.00に調整し、麦由来可溶性固形分(%)を0.15〜0.65に調整し、マルトース量(mg/L)に対するカテキン8種量(mg/100mL換算)の比(カテキン/マルトース)を0.02〜1.0に調整する容器詰麦茶飲料の製造方法。
  4. マルトース量(mg/L)に対するガレート型カテキン量(mg/100mL換算)の比(ガレート型カテキン/マルトース)を0.01〜0.67に調整した請求項3に記載の容器詰麦茶飲料の製造方法。
  5. デンプン量とβグルカン量とを合わせた多糖類量(mg/100mL)を40〜145に調整し、マルトース量(mg/L)を0.50〜3.00に調整し、麦由来可溶性固形分(%)を0.15〜0.65に調整し、マルトース量(mg/L)に対するカテキン8種量(mg/100mL換算)の比(カテキン/マルトース)を0.02〜1.0に調整する容器詰麦茶飲料の香味改善方法。
  6. マルトース量(mg/L)に対するガレート型カテキン量(mg/100mL換算)の比(ガレート型カテキン/マルトース)を0.01〜0.67に調整した請求項5に記載の容器詰麦茶飲料の香味改善方法。
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