JP2012229354A - 両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂及びその製造方法、それを用いた樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂。一般式(1)で表される構造を含む前記の両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂。一般式(2)で表される構造のジチオカーボネート化合物を連鎖移動剤として用い、メタクリレートモノマを重合した後に、グリシジルメタクリレートを重合して得られる両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂。
【選択図】図1
Description
アクリル樹脂は、モノマ種の選択により透明性、接着性、低弾性、高硬度などの特徴を発現でき光学分野、電子材料分野、構造材料分野などに展開されている。グリシジルメタクリレートを共重合することによりさらに熱硬化反応を組み込んだり、光反応性基を導入して、光反応性を組み込んだりすることが可能であり、例えば接着剤の耐熱性を高めたり、感光性を付与することが可能である。
近年、アクリル樹脂の高性能化、高機能化を実現するためブロックポリマやグラフトポリマ、星型ポリマなどの構造制御を可能とするリビングラジカル重合が種々、開発されている。アクリル樹脂の合成法として可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT:Reversible Addition−Fragmentation Chain Transfer)重合が、リビングラジカル重合方法として開発されている。RAFT重合はチオカーボネート構造を有する連鎖移動剤を用いることでポリマ成長末端が可逆的な付加開裂を起こしモノマへの連鎖移動を起こすことでリビング重合の挙動をとる(特許文献1、2を参照)。さらに、チオカーボネート構造を中心にポリマ鎖を成長させる連鎖移動剤やこれを用いた両末端に水酸基を有するアクリル樹脂が開発されている。例えば、特許文献3を参照。
また、本発明は、[2] 一般式(1)で表される構造を含む上記[1]に記載の両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂に関する。
また、本発明は、[4] 一般式(3)で表される構造のジチオカーボネート化合物を連鎖移動剤として用い、メタクリレートモノマを重合した後に、グリシジルメタクリレートを重合して得られることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載の両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂に関する。
また、本発明は、[6]一般式(5)で表される構造のジチオカーボネート化合物を連鎖移動剤として用い、グリシジルメタクリレートを重合した後に、メタクリレートモノマを重合し、さらに、グリシジルメタクリレートを重合して得られることを特徴とする上記[1]または上記[2]に記載の両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂に関する。
また、本発明は、[8] 一般式(3)で表される構造のジチオカーボネート化合物を連鎖移動剤として用い、メタクリレートモノマを重合した後に、グリシジルメタクリレートを重合して得られる上記[7]に記載の両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂の製造方法に関する。
また、本発明は、[10] 一般式(5)で表される構造のジチオカーボネート化合物を連鎖移動剤として用い、グリシジルメタクリレートを重合した後に、メタクリレートモノマを重合し、さらに、グリシジルメタクリレートを重合して得られる上記[9]に記載の両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂の製造方法に関する。
(1)両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂及び該アクリル樹脂を含む樹脂組成物。
(2)一般式(1)で表される構造を含む上記項(1)に記載の両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂及び該アクリル樹脂を含む樹脂組成物。
(4)一般式(3)で表される構造のチオカーボネート化合物を連鎖移動剤として用い、メタクリレートモノマを重合した後に、グリシジルメタクリレートを重合して得られることを特徴とする項(1)または(2)に記載の両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂及び該アクリル樹脂を含む樹脂組成物の製造方法。
(6)一般式(5)で表される構造のチオカーボネート化合物を連鎖移動剤として用い、グリシジルメタクリレートを重合した後に、メタクリレートモノマを重合し、さらに、グリシジルメタクリレートを重合して得られることを特徴とする項(1)または(2)に記載の両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂及び該アクリル樹脂を含む樹脂組成物の製造方法。
連鎖移動剤としては一般式(3)で表されるチオカーボネート化合物を用いることでより単分散でポリメタクリレート鎖長やポリグリシジルブロック鎖長の制御されたアクリル樹脂を製造することが可能であり好ましい。一般式(3)で表される化合物として、1,4−ビス(チオベンゾイルチオメチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−(チオベンゾイルチオ)プロパン−2−イル)ベンゼン等が挙げられる。
例えば、具体的に一般式(4)を例示すると、2−フェニルプロパン−2−イルジチオベンゾエート、2−(エトキシカルボニル)プロパン−2−イルジチオベンゾエート、2−シアノプロパンー2−イルジチオベンゾエート、2−フェニルプロパン−2−イルージチオナフタレート、2−フェニルプロパン−2−イルジチオアセテート、2−(エトキシカルボニル)プロパン−2−イルジチオアセテートなどが挙げられる。
この中でも、連鎖移動剤としては一般式(5)で表されるチオカーボネート化合物を用いることでより単分散でポリメタクリレート鎖長やポリグリシジルブロック鎖長の制御されたアクリル樹脂を製造することが可能であり好ましい。
メタクリレートモノマとして、炭素数1〜18のアルコールとメタクリル酸とのエステル、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル等のメタクリル酸アルキルエステル、そして、メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ノルボルニル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸トリシクロデシル等のメタクリル酸シクロアルキルエステル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸ナフチル等のメタクリル酸芳香族エステル、メタクリル酸トリフルオロエチル、メタクリル酸パーフルオロt−ブチル、メタクリル酸ペンタフルオロフェニル、メタクリル酸ペンタクロルフェニル、メタクリル酸ペンタブロムフェニル等のメタクリル酸ハロゲン化エステル、メタクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−8−イル等のメタクリル酸シクロアルキルエステル、メタクリル酸2−シアノエチル、メタクリル酸シアノノルボルニル、メタクリル酸−2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
また、他にスチレン、クロルスチレン、ブロムスチレン、メチルスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、N−ビニルカルバゾール等の芳香族ビニル化合物、α−クロルアクリル酸メチル、α−フルオロアクリル酸メチル等のα−ハロゲン化アクリル酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、塩化ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−i−プロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソボルニルマレイミド、N−アダマンチルマレイミド、N−メンチルマレイミド、N−ノルボルニルマレイミド、N−トリシクロデシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−クロルフェニルマレイミド、N−メトキシフェニルマレイミド、N−カルボキシフェニルマレイミド等のN−置換マレイミド、アクリル酸、メタクリル酸などがある。これらは、単独でも2種以上に組み合わして用いてもよい。
溶液重合で使用する溶剤は、メタクリレートモノマ、グリシジルメタクリレート、及び他のアクリルモノマと連鎖移動剤としてジチオカーボネート化合物とラジカル開始剤及び生成する樹脂を溶解可能であれば特に制限されないが、重合を行う温度以上の沸点を有することが好ましい。重合を行う温度が、使用する溶剤の沸点よりも高い場合には、加圧下での反応により行う。
用いる有機溶媒としては、例えば、メトキシエタノール、エトキシエタノール、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノール、酢酸ブチル、クロルベンゼン、ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどが用いられる。
RAFT重合では、一般的にアクリル成長末端からメタクリレートモノマへの連鎖移動は起こらない。このため複数のモノマを共重合するときのモノマの配合手順や組合せは重要である。複数のモノマを同時に仕込む場合にはアクリルモノマのみの組合せ、又はメタクリレートモノマのみの組合せで行うのが好ましい。またブロック重合で段階的にポリマを成長させるには、アクリルモノマのみの組合せ、又はメタクリレートモノマのみの組合せで混在させるには、メタクリレートモノマを重合させた後にアクリレートモノマを重合することが好ましい。
また、両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂のエポキシ基と反応する、水酸基、フェノール性水酸基、チオール基、イソシアネート基、アミノ基、カルボキシル基、酸無水物基等を2個以上有する化合物を配合することもできる。ポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂の溶剤溶液や、他の化合物を配合し接着剤や光硬化性樹脂とすることができる。
たとえば、フェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、チオジフェノール、アミノフェノール、α−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のフェノール類とホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂、フェノール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂、フェノールノボラック構造とフェノール・アラルキル構造がランダム、ブロック又は交互に繰り返された共重合型フェノール・アラルキル樹脂、パラキシリレン及び/又はメタキシリレン変性フェノール樹脂、メラミン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、シクロペンタジエン変性フェノール樹脂、多環芳香環変性フェノール樹脂などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組合せて用いてもよい。
必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤を用いる。
(実施例1)
還流冷却器,窒素導入管,撹拌装置及び温度計を備えた0.3リットルのセパラブルフラスコにアクリルモノマとしてメタクリル酸メチル20g(0.20モル)、連鎖移動剤としてBTBTPB(1,4−ビス(2−チオベンジルチオ)プロプ−2−イル)ベンゼン)1.165g(0.003モル)、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.82g(0.005モル)、溶剤としてメチルエチルケトン40ml、トルエン20mlを入れ、窒素ガスを15分間バブリングした後、水浴により温度を72℃に上げた。6時間反応させたのち反応液をメタノールに投入して沈殿物を回収した。沈殿物のGPC測定から数平均分子量は10108であった。次に還流冷却器、窒素導入管、撹拌装置及び温度計を備えた0.3リットルのセパラブルフラスコに沈殿物12g(0.001モル)、グリシジルメタクリレート10g(0.070モル)、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.40g(0.002モル)、溶剤としてメチルエチルケトン20mlを入れ、窒素ガスを15分間バブリングした後、水浴により温度を72℃に上げた。6時間反応させたのち反応液をメタノールに投入して両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂を沈殿物として回収した。沈殿物のGPC測定から数平均分子量は、16853、Mw/Mnは1.89であった。ここで得られた両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂の1H-NMRチャートを図1に示した。
表1に示したように、開始剤と連鎖移動剤の比率を変えた以外は実施例1と同様にして両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂を得た。GPC測定から数平均分子量は、14077、Mw/Mnは1.32であった。ここで得られた両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂の1H-NMRチャートを図2に示した。
表1に示したように、開始剤をV−65(アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル)に変え、重合温度を65℃とした以外は実施例1と同様にして両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂を得た。GPC測定から数平均分子量は、9494、Mw/Mnは1.32であった。
還流冷却器、窒素導入管、撹拌装置及び温度計を備えた0.3リットルのセパラブルフラスコにグリシジルメタクリレート13g(0.092モル)、連鎖移動剤としてクミルジチオベンゾエート0.414g(0.002モル)、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.171g(0.001モル)、溶剤としてメチルイソブチルケトン35mlを入れ、窒素ガスを15分間バブリングした後、水浴により温度を72℃に上げた。5時間反応させた後、メタクリル酸メチル26g(0.026モル)、を加えて、さらに10時間、反応した後、反応液をメタノールに投入して沈殿物を回収した。沈殿物のGPC測定から数平均分子量は13039であった。
還流冷却器、窒素導入管、撹拌装置及び温度計を備えた0.3リットルのセパラブルフラスコに沈殿物37.4g(0.003モル)、グリシジルメタクリレート14g(0.099モル)、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.091g(0.0006モル)、溶剤としてメチルエチルケトン50mlを入れ、窒素ガスを15分間バブリングした後、水浴により温度を72℃に上げた。6時間反応させたのち反応液をメタノールに投入して両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂を沈殿物として回収した。沈殿物のGPC測定から数平均分子量は、18722、Mw/Mnは1.52であった。
表2に示したように、開始剤と連鎖移動剤の比率を変えた以外は実施例4と同様にして両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂を得た。GPC測定から数平均分子量は、14568、Mw/Mnは1.74であった。
還流冷却器、窒素導入管、撹拌装置及び温度計を備えた0.5リットルのセパラブルフラスコにアクリルモノマとしてメタクリル酸ラウリル60g(0.265モル)、メタクリル酸ジシクロペンタニル(ファンクリルFA513MS日立化成工業株式会社製商品名)30g(0.136モル)、連鎖移動剤としてBTBTPB0.472g(0.001モル)、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.451g(0.003モル)、溶剤としてメチルエチルケトン45ml、トルエン45mlを入れ,窒素ガスを15分間バブリングした後、水浴により温度を72℃に上げた。9時間反応させたのち反応液にメタノールに投入してゴム状の沈殿物を回収した。沈殿物のGPC測定から数平均分子量は64511であった。次に回収した沈殿物85gとグリシジルメタクリレート9.0g(0.063モル)、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.3g(0.0018モル)、溶剤としてメチルエチルケトン180gを加え72℃で7時間反応し、両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂を得た。沈殿物のGPC測定から数平均分子量は37366、Mw/Mnは1.82であった。
表3に示したように、一段階目の反応の後に、メタノールを投入しなかった以外は実施例6と同様にして両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂を得た。GPC測定から数平均分子量は38053、Mw/Mnは1.76であった。
還流冷却器、窒素導入管、撹拌装置及び温度計を備えた1.0リットルのセパラブルフラスコにアクリルモノマとしてメタクリル酸メチル50g(0.50モル)、グリシジルメタクリレート50g(0.352モル)、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル1.1g(0.0067モル)、溶剤としてメチルイソブチルケトン110mlを入れ、窒素ガスを30分間バブリングした後、水浴により温度を72℃に上げた。8時間反応させアクリル樹脂ワニスを得た。GPC測定から数平均分子量は18532、Mw/Mnは3.13であった。
還流冷却器、窒素導入管、撹拌装置及び温度計を備えた1.0リットルのセパラブルフラスコにアクリルモノマとしてメタクリル酸ラウリル60g(0.265モル)、メタクリル酸ジシクロペンタニル30g(0.136モル)、グリシジルメタクリレート10g(0.07モル)、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル1.3g(0.0079モル)、溶剤としてメチルイソブチルケトン300mlを入れ,窒素ガスを30分間バブリングした後、水浴により温度を72℃に上げた。12時間反応させアクリル樹脂ワニスを得た。GPC測定から数平均分子量は84770、Mw/Mnは3.21であった。
(分子量の測定)
実施例及び比較例のアクリル樹脂の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、及びMw/Mnは、アクリル樹脂の分子量分布のクロマトグラムをGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定し、25℃における標準ポリスチレンの溶離時間から換算して求めた。なお、GPCの溶離液としては、テトラヒドロフランを使用し、カラムは、TSK−gel Super HZ−3000及びHZ−2000(東ソー株式会社製、商品名)を直結したものを使用した。
上記で合成した実施例1〜5、比較例1のアクリル樹脂のエポキシ当量の理論値に対して0.2当量のテトラメチルヘキサミンを配合し、直ちに離型処理ポリエチレンテレフタレートフィルム(ピューレックスA−63、帝人株式会社製商品名)上に、乾燥後の厚みが約100ミクロン以上になるように塗布し、130℃で10分間、乾燥した後、さらに150℃で1時間加熱した。得られた樹脂板を幅5mm、長さ30mmに切り出し試料とした。レオロジー株式会社製動的粘弾性測定装置Reogel4000を用い30℃〜250℃の弾性率変化を測定し、室温弾性率(30℃)、Tg(tanδmax)、及び試料が熱溶融した温度(溶断温度)をそれぞれ求め、それらの測定結果を表4・表5に示した。
(ワニス粘度)
東京計器株式会社製E型粘度計を用いてワニスの粘度を測定した。25℃に調整した測定カップにワニス1.5mlを入れ、3分経過後の値を読み取った。
(NV)
アルミカップの重量aを精秤した後、ワニス約1gを入れたアルミカップの重量bを精秤し試料とする。試料を140℃で30分加熱したのち再度、試料の重量cを精秤し以下の式で樹脂分(NV)を求めた。
100×c/(b−a)
上記で合成した実施例6〜7、比較例2のアクリル樹脂7部に対してエポキシ樹脂(NC3000H、多官能ビフェニル骨格含有エポキシ樹脂、日本化薬株式会社製商品名)を2部、フェノール樹脂(KA1165、オルトクレゾールノボラック型フェノール樹脂、大日本インキ化学工業株式会社(DIC株式会社)製商品名)を1部、2−エチル−4−メチルイミダゾール0.03部を配合し、電解銅箔(F3−WS−18、古河サーキットフォイル株式会社製商品名)の粗化面上に、乾燥後の厚みが約100ミクロン以上になるように塗布し、130℃で15分間、乾燥した。樹脂面と別の電解銅箔(F3−WS−18)の粗化面が合わさるようにして重ね、185℃、2MPa、90分の条件で真空プレスを行い両面銅張り積層板を作製した。両面銅張り積層板の銅をエッチングして得られた樹脂板を幅5mm、長さ30mmに切り出し試料とした。レオロジー株式会社製動的粘弾性測定装置Reogel4000を用い30℃〜250℃の弾性率変化を測定した。
(アクリル樹脂と、エポキシ樹脂−フェノール樹脂との相溶性)
上記の組成物を塗布・乾燥した後、目視で組成物の表面を観察し、表面状態により、相溶性を評価した。相溶性の評価は、艶があり、白濁が認められないものを「○」、艶がほとんどなく、白濁が認められるもの「×」とした。結果を表5に示した。
上記で作製した両面銅張り積層板の銅箔を幅5mmの短冊状に引き剥がし樹脂と銅箔の間の接着強度を測定した。
本発明で得られた実施例1から5の両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂は比較例1と同程度の弾性率、Tgを有するとともに比較例1に比べ、溶断温度が高く、同じ樹脂分(NV)のワニスでは低粘度を示した。
また、実施例6、7の両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂はエポキシ樹脂、フェノール樹脂との相溶性が高く、接着剤としたときの銅箔に対する接着強度が向上した。
また、実施例6、7の両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂はエポキシ樹脂、フェノール樹脂との相溶性が高く、接着剤としたときの銅箔に対する接着強度が向上した。
Claims (11)
- 両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂、または請求項7〜10のいずれかに記載の両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂の製造方法で得られた両末端にポリグリシジルブロックを有するアクリル樹脂を必須として含む樹脂組成物。
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