JP2012229263A - 筋肉損傷の処置方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】損傷筋肉を処置する。
【解決手段】ボツリヌス毒素のような神経毒の局所投与によって、損傷筋肉の回復を促進し、および/または損傷筋肉に関連した痛みを軽減する損傷筋肉の処置方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、筋肉損傷の処置方法に関する。本発明は特に、損傷した筋肉への神経毒の投与によって、損傷した筋肉を処置する方法に関する。
筋肉の損傷は、挫傷(打撲傷)、裂傷、虚血、捻挫および完全裂傷のような骨格筋の急性損傷を包含する。これらの損傷は、激しい痛みを生じる場合があり、患者を無能力化し、仕事に行けなくしたり、通常の日常活動さえできなくしうる。骨格筋の急性損傷のうち、捻挫(伸長誘発損傷としても既知)が最も一般的である。例えば、捻挫は、職業またはスポーツ医学の専門家によって治療される全ての傷害の30%までを占める。Garrettら、Am J Sports Med.24(6):S2−S8,1996。
筋肉捻挫損傷は、筋肉−腱単位体の分裂を特徴とする。筋肉−腱単位体の分裂は、筋肉のどこでも起こりうる。この種の損傷は、大腿直筋、半腱様筋および腓腹筋のような2つの関節を横切って動く浅筋の筋腱接合部(MTJ)の近くで最も一般的に起こる。
筋肉捻挫は、離心性の運動、または筋肉の通常でない使用によって生じる。例えば、離心性収縮は、より少ない能動運動単位を使用して、より強い力を生じる。そのような場合、過伸展筋肉単位は、伸びる際に、過度の緊張を受ける。過度の緊張は、筋肉の収縮要素に微視的損傷を生じる場合があり、Z線のランダム分裂(random disruptions)と考えられるものに集中する。筋肉が損傷された場合、患者は、痛み、虚弱および限定された運動範囲(limited range of motion)を特徴とする遅延開始筋肉痛を経験する。痛みは、筋肉損傷から約1〜2日後に最も激しく、虚弱および限定された運動範囲は1週間またはそれ以上にわたって持続しうる。骨格筋の軽い捻挫を不適切に処置した場合、重大な損傷が生じる可能性がある。
傷害の重症度および血腫の性質に基づいて、3つの等級の筋肉捻挫がある:(1)軽度(第一等級)捻挫;数本の筋線維の断裂;強度の喪失および運動の制限を伴わないかまたは極僅かに伴う腫脹および不快;(2)中等度(第二等級)捻挫;明らかな強度の喪失を伴う、より重度の筋線維損傷;および(3)重度(第三等級)捻挫;筋腹全体に断裂が伸び、その結果、筋肉機能の全体的喪失を生じる。
筋肉捻挫の際の筋肉内血管の断裂は、大きい血腫を生じる場合が多い。損傷筋肉において、2種類の血腫が生じる:筋肉内および筋肉間血腫。第一のタイプ、筋肉内血腫は、非損傷筋膜によって大きさが限定される。その場合、溢血が筋肉内圧を増加させ、血腫を圧迫し、大きさを限定する。そのようなタイプの血腫は、痛み、および筋肉の機能の喪失を生じる。第二のタイプ、筋肉間血腫は、筋膜が断裂した場合に生じ、筋肉内の圧力を有意に増加させずに、溢血が筋肉間の空間に広がる。このタイプの血腫は、筋肉内の圧力が増加しなければ有意な痛みを生じない。
捻挫傷害の治療において、損傷直後の損傷筋肉の可動化は原損傷部位における再断裂を生じる場合が多いので、特に損傷してから最初の2、3日間は損傷筋肉を不動化することが重要である。再断裂は、より重度の損傷を生じ、治癒を遅らせ、組織の瘢痕を残す場合がある。Jarvinenら、Curr Opin Rheumatol、第12版;155−161(2000)。
損傷部位の再断裂は、損傷筋肉を、好ましくは損傷直後に、不動化することによって避けられる。不動化は、新たに形成される肉芽組織が、筋肉の収縮によって生じる力に耐えるのに充分な抗張力に到達しうるようにする。
損傷/捻挫筋肉を不動化する既知の方法は、身体拘束またはギプス包帯の使用を必要とする。例えば、頚部固定器具を使用して、損傷した頚屈筋または頚伸筋を不動化することができる。しかし、拘束器具の使用は、煩わしく不快である場合が多い。さらに、ある種の筋肉群の損傷において、身体拘束器具を使用するのは実際的でなく、不可能である。例えば、捻挫した上僧帽筋または大殿筋を拘束器具で不動化するのは極めて困難である。
ボツリヌス毒素
嫌気性グラム陽性細菌であるクロストリジウム・ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)は、ボツリヌス中毒と呼ばれる神経麻痺性障害をヒトおよび動物において引き起こす強力なポリペプチド神経毒であるボツリヌス毒素を産生する。ボツリヌス菌の胞子は、土壌中に見出され、滅菌と密閉が不適切な零細缶詰工場の食品容器内で増殖する可能性があり、これが多くのボツリヌス中毒症例の原因である。ボツリヌス中毒の影響は、通例、ボツリヌス菌の培養物または胞子で汚染された食品を飲食した18〜36時間後に現れる。ボツリヌス毒素は、消化管内を弱毒化されないで通過することができ、そして末梢運動ニューロンを攻撃することができるようである。ボツリヌス毒素中毒の症状は、歩行困難、嚥下困難および会話困難から、呼吸筋の麻痺および死にまで進行し得る。
A型ボツリヌス毒素(BoNT/A)は、人類に知られている最も致死性の天然の生物学的物質である。ボツリヌス毒素(精製された神経毒複合体)の約50ピコグラム(約56アトモル)がマウスにおけるLD50である。7種類の血清学的に異なるボツリヌス神経毒が特徴付けられており、これらは、血清型特異的抗体による中和によってそのそれぞれが識別されるボツリヌス神経毒血清型A、B、C1、D、E、FおよびGである。ボツリヌス毒素のこれらの異なる血清型は、それらが冒す動物種、ならびにそれらが惹起する麻痺の重篤度および継続時間が異なる。例えば、BoNT/Aは、ラットにおいて生じる麻痺率により評価された場合、BoNT/Bよりも500倍強力であることが確認されている。また、BoNT/Bは、霊長類では480U/kgの投与量で非毒性であることが確認されている。この投与量は、BoNT/Aの霊長類LD50の約12倍である。ボツリヌス毒素は、コリン作動性の運動ニューロンに大きな親和性で結合して、ニューロンに移動し、シナプス前のアセチルコリン放出を阻止するようである。
ボツリヌス毒素は、活動過多な骨格筋によって特徴付けられる神経筋障害を処置するために臨床的状況において使用されている。BoNT/A複合体は、本態性眼瞼痙攣、斜視および片側顔面痙攣の処置のために米国食品医薬品局によって承認された。非A型ボツリヌス毒素は、BoNT/Aに比べ、明らかに、低い効力および/または短い活性の持続性を有している。末梢筋肉内のBoNT/Aのようなボツリヌス毒素の臨床的効果は、通常、時間の単位で認められる。従って、全部でなくとも大部分のボツリヌス毒素は、筋肉注射した際に、例えばマウス指外転評価法(DAS)によって測定される注射後1日以内の有意な筋肉麻痺を生じることを認識することは重要である。Aoki,K.R.,Preclinical Update on BOTOX (Botulinum Toxin Type A)−Purified Neurotoxin Compplex Relative to Other Botulinum Toxin Preparations,Eur J.Neur 1999,6(suppl 4):S3−S10。BoNT/Aの単一筋肉注射による症状軽減の一般的な時間は、平均で約3ヶ月である。減少した時間の生体内生物学的活性を有するA型ボツリヌス毒素を包含するボツリヌス毒素は、米国特許出願第09/620840号に開示され、該出願に開示されている内容は全て本発明の開示の一部を構成するものとする。
すべてのボツリヌス毒素血清型が神経筋接合部における神経伝達物質アセチルコリンの放出を明らかに阻害するようであるが、そのような阻害は、種々の神経分泌タンパク質に作用し、かつ/またはこれらのタンパク質を異なる部位で切断することによって行われる。例えば、A型およびE型ボツリヌス毒素は共に25キロダルトン(kD)のシナプトソーム会合タンパク質(SNAP-25)を切断するが、タンパク質内の異なるアミノ酸配列を標的とする。BoNT/B、D、FおよびGは小胞会合タンパク質(VAMP、これはまたシナプトブレビンとも呼ばれる)に作用し、それぞれの血清型によってこのタンパク質は異なる部位で切断される。最後に、C1型ボツリヌス毒素(BoNT/C1)は、シンタキシンおよびSNAP-25の両者を切断することが明らかにされている。作用機序におけるこれらの相違が、様々なボツリヌス毒素血清型の相対的な効力および/または作用の継続時間に影響していると考えられる。
血清型に関係なく、毒素中毒の分子機構は同様であり、少なくとも3つのステップまたは段階を含むと考えられる。過程の第一ステップにおいて、毒素は、H鎖と細胞表面受容体の間の特異的相互作用によって、標的ニューロンのシナプス前膜に高親和力によって結合し;受容体は、ボツリヌス毒素の各血清型および破傷風毒素に関して異なると考えられる。H鎖のカルボキシル末端セグメント、Hcは、毒素を細胞表面に向けるのに重要であると考えられる。
第二ステップにおいて、毒素は中毒細胞の形質膜を通過する。毒素は先ず、受容体媒介エンドサイトーシスによって細胞で包み込まれ、毒素を含有するエンドソームが形成される。次に、毒素は、エンドソームを出て、細胞形質に入る。この最後の段階は、約5.5またはそれ以下のpHに応答して毒素のコンフォメーション変化を誘発するH鎖のアミノ末端セグメント、HN、によって媒介されると考えられる。エンドソームは、エンドソーム内pHを減少させるプロトンポンプを有することが既知である。コンフォメーションシフトは、毒素における疎水残基を露出させ、毒素がエンドソーム膜に埋め込まれるのを可能にする。次に、毒素は、エンドソーム膜から細胞質ゾルに転位する。
ボツリヌス毒素活性の機構の最後の段階は、L鎖による、重要な細胞内エキソサイトーシスタンパク質の開裂を含むと考えられる。ボツリヌスおよび破傷風毒素の全中毒活性は、ホロトキシンのL鎖に含有され;L鎖は、亜鉛(Zn++)エンドペプチダーゼであり、神経伝達物質含有小胞の認識および形質膜の細胞質表面とのドッキング、ならびに小胞と形質膜との融合に重要なタンパク質を選択的に開裂する。破傷風毒素、ボツリヌス毒素B、D、FおよびG型は、シナプトブレビン(小胞関連膜タンパク質(VAMP)とも称される)、シナプトソーム膜タンパク質の分解を生じる。シナプス小胞の細胞質ゾル表面に存在する大部分のVAMPは、これらの開裂事象のいずれか1つの結果として除去される。各毒素は、異なる結合を特異的に開裂する。
ボツリヌス毒素タンパク質分子の分子量は、既知のボツリヌス毒素血清型の7つのすべてについて約150kDである。興味深いことに、これらのボツリヌス毒素は、会合する非毒素タンパク質とともに150kDのボツリヌス毒素タンパク質分子を含む複合体としてクロストリジウム属細菌によって放出される。例えば、BoNT/A複合体は、900kD、500kDおよび300kDの形態としてクロストリジウム属細菌によって産生され得る。BoNT/BおよびC1は500kDの複合体としてのみ産生されるようである。BoNT/Dは300kDおよび500kDの両方の複合体として産生される。最後に、BoNT/EおよびFは約300kDの複合体としてのみ産生される。これらの複合体(すなわち、約150kDよりも大きな分子量)は、非毒素のヘマグルチニンタンパク質と、非毒素かつ非毒性の非ヘマグルチニンタンパク質とを含むと考えられる。これらの2つの非毒素タンパク質(これらは、ボツリヌス毒素分子とともに、関連する神経毒複合体を構成する)は、変性に対する安定性をボツリヌス毒素分子に与え、そして毒素が摂取されたときに消化酸からの保護を与えるように作用すると考えられる。また、より大きい(分子量が約150kDよりも大きい)ボツリヌス毒素複合体は、ボツリヌス毒素複合体の筋肉内注射部位からのボツリヌス毒素の拡散速度を低下させ得ると考えられる。
生体外試験によって、ボツリヌス毒素は、脳幹組織の一次細胞培養物からの、アセチルコリンおよびノルエピネフィリンの両方のカリウムカチオン誘発放出を阻害することが示されている。さらに、ボツリヌス毒素は、脊髄ニューロンの一次培養物において、グリシンおよびグルタミン酸塩の両方の誘発放出を阻害し、脳シナプトソーム試料において、ボツリヌス毒素は、神経伝達物質アセチルコリン、ドーパミン、ノルエピネフィリン、CGRPおよびグルタミン酸塩のそれぞれの放出を阻害することも報告されている。
BoNT/Aは、発酵槽においてクロストリジウムボツリヌスの培地を定着させ増殖させ、次に、既知の方法によって発酵混合物を採取し精製することによって得ることができる。すべてのボツリヌス毒素血清型は、まずボツリヌス菌によって不活性な単鎖タンパク質として産生され、神経活性となるためにはプロテアーゼによって切断またはニッキングされなければならない。A型およびG型のボツリヌス毒素血清型を産生する細菌株は内因性プロテアーゼを有するので、A型およびG型の血清型は細菌培養物から主にその活性型で回収することができる。これに対して、C1型、D型およびE型のボツリヌス毒素血清型は非タンパク質分解性菌株によって合成されるので、培養から回収されたときには、典型的には不活性型である。B型およびF型の血清型はタンパク質分解性菌株および非タンパク質分解性菌株の両方によって産生されるので、活性型または不活性型のいずれでも回収することができる。しかし、例えば、BoNT/Bを産生するタンパク質分解性菌株でさえも、産生された毒素の一部を切断するだけである。切断型分子と非切断型分子との正確な比率は培養時間の長さおよび培養温度に依存する。したがって、例えばB型ボツリヌス毒素の製剤はいずれも一定割合が不活性であると考えられ、このことが、BoNT/Aと比較したBoNT/Bの知られている著しく低い効力の原因であると考えられる。臨床製剤中に存在する不活性なボツリヌス毒素分子は、その製剤の総タンパク質量の一部を占めることになるが、このことはその臨床的効力に寄与せず、抗原性の増大に関連づけられている。また、BoNT/Bは、筋肉内注射された場合、同じ用量レベルのBoNT/Aよりも、活性の継続期間が短く、そしてまた効力が低いことも知られている。
BoNT/Aは下記のような臨床的状況において使用されていることが報告されている:
(1)頸部ジストニーを処置するための筋肉内注射(多数の筋肉)あたり約75単位〜125単位のBOTOX(登録商標)(Allergan,Inc.,(Irvine、California)から販売);
(2)眉間のしわを処置するための筋肉内注射あたり約5単位〜10単位のBOTOX(登録商標)(5単位が鼻根筋に筋肉内注射され、10単位がそれぞれの皺眉筋に筋肉内注射される);
(3)恥骨直腸筋の括約筋内注射による便秘を処置するための約30単位〜80単位のBOTOX(登録商標);
(4)上瞼の外側瞼板前部眼輪筋および下瞼の外側瞼板前部眼輪筋に注射することによって眼瞼痙攣を処置するために筋肉あたり約1単位〜5単位の筋肉内注射されるBOTOX(登録商標);
(5)斜視を処置するために、外眼筋に、約1単位〜5単位のBOTOX(登録商標)が筋肉内注射されている。この場合、注射量は、注射される筋肉のサイズと所望する筋肉麻痺の程度(すなわち、所望するジオプター矯正量)との両方に基づいて変化する。
(6)卒中後の上肢痙性を処置するために、下記のように5つの異なる上肢屈筋にBOTOX(登録商標)が筋肉内注射される:
(a)深指屈筋:7.5U〜30U
(b)浅指屈筋:7.5U〜30U
(c)尺側手根屈筋:10U〜40U
(d)橈側手根屈筋:15U〜60U
(e)上腕二頭筋:50U〜200U。5つの示された筋肉のそれぞれには同じ処置時に注射されるので、患者には、それぞれの処置毎に筋肉内注射によって90U〜360Uの上肢屈筋BOTOX(登録商標)が投与される。
様々な臨床的状態を処置するためにA型ボツリヌス毒素が成功していることにより、他のボツリヌス毒素血清型が注目されている。2つの市販のBoNT/A製剤(BOTOX(登録商標)およびDysport(登録商標))ならびにB型およびF型のボツリヌス毒素の製剤(ともにWako Chemicals(日本)から得られる)の研究が、局所的な筋肉弱化効能、安全性および抗原性を明らかにするために行われた。ボツリヌス毒素製剤が右腓腹筋の頭部に注射(0.5単位/kg〜200.0単位/kg)され、筋肉の弱さが、マウスの指外転評価アッセイ(DAS)を使用して評価された。ED50値を用量応答曲線から計算した。さらなるマウスには、LD50量を決定するために筋肉内注射が行われた。治療指数をLD50/ED50として計算した。別のマウス群には、BOTOX(登録商標)(5.0単位/kg〜10.0単位/kg)またはBoNT/B(50.0単位/kg〜400.0単位/kg)が後肢に注射され、そして筋肉の弱さおよび増大した水の消費が調べられた。後者は、口渇の推定的なモデルである。抗原性は、ウサギに毎月筋肉内注射することによって評価された(BoNT/Bについては2.0U/kgまたは8.7U/kg、あるいはBOTOX(登録商標)については3.0U/kg)。
最大筋肉弱さおよび継続期間はすべての血清型について用量に関連していた。DASのED50値(単位/kg)は下記の通りであった:BOTOX(登録商標):6.7、Dysport(登録商標):24.7、BoNT/B:27.0〜244.0、BoNT/F:4.3。BOTOX(登録商標)は、BoNT/BまたはBoNT/Fよりも長い作用継続時間を有した。治療指数値は下記の通りであった:BOTOX(登録商標):10.5、Dysport(登録商標):6.3、BoNT/B:3.2。水の消費は、BoNT/Bが注射されたマウスが、BOTOX(登録商標)の場合よりも大きかったが、BoNT/Bは、筋肉を弱くさせることにおいては効果が低かった。注射した4ヶ月後、4羽のうち2羽(1.5ng/kgで処置された場合)および4羽のうち4羽(6.5ng/kgで処置された場合)のウサギがBoNT/Bに対する抗体を生じた。別の研究において、BOTOX(登録商標)で処置された9羽のウサギはどれも、BoNT/Aに対する抗体を示さなかった。
DASの結果は、BoNT/Aの相対的な最大効力がBoNT/Fと同等で、BoNT/Fの効力はBoNT/Bよりも大きいことを示している。効果の継続期間については、BoNT/AはBoNT/Bよりも大きく、BoNT/Bの効果継続期間はBoNT/Fよりも大きかった。治療指数値により示されるように、BoNT/Aの2つの市販製剤(BOTOX(登録商標)およびDysport(登録商標))は異なる。BoNT/Bを後肢に注射した後に認められる増大した水消費の挙動は、この血清型の臨床的に有意な量がネズミの全身循環に入ったことを示している。これらの結果はまた、BoNT/Aと匹敵し得る効力を達成するためには、それ以外の調べられた血清型の量を増大する必要があることを示している。投薬量の増大は安全性を損なう可能性がある。さらに、ウサギにおいて、B型はBOTOX(登録商標)よりも抗原性が大きかった。これは、おそらくは、BoNT/Bの効果的な用量を達成するために、より多量のタンパク質が注射されたためである。
破傷風神経毒は主として中枢神経系で作用し、ボツリヌス神経毒は神経筋接合部で作用し;両方とも、冒されたニューロンの軸索からシナプスへのアセチルコリンの放出を阻害することによって作用し、その結果、麻痺を生じる。冒されたニューロンにおける中毒の作用は持続性であり、最近まで不可逆性であると考えられていた。破傷風神経毒は、1つの免疫学的に明確な血清型に存在することが既知である。
アセチルコリン
典型的には、単一タイプの小分子の神経伝達物質のみが、哺乳動物の神経系において各タイプのニューロンによって放出される。神経伝達物質アセチルコリンが脳の多くの領域においてニューロンによって分泌されているが、具体的には運動皮質の大錐体細胞によって、基底核におけるいくつかの異なるニューロンによって、骨格筋を神経支配する運動ニューロンによって、自律神経系(交感神経系および副交感神経系の両方)の節前ニューロンによって、副交感神経系の節後ニューロンによって、そして交感神経系の一部の節後ニューロンによって分泌されている。本質的には、汗腺、立毛筋および少数の血管に至る節後交感神経線維のみがコリン作動性であり、交感神経系の節後ニューロンの大部分は神経伝達物質のエピネフリンを分泌する。ほとんどの場合、アセチルコリンは興奮作用を有する。しかし、アセチルコリンは、迷走神経による心臓の抑制のように、抑制作用を一部の末梢副交感神経終末において有することが知られている。
自律神経系の遠心性シグナルは交感神経系または副交感神経系のいずれかを介して身体に伝えられる。交感神経系の節前ニューロンは、脊髄の中間外側角に存在する節前交感神経ニューロン細胞体から伸びている。細胞体から伸びる節前交感神経線維は、脊椎傍交感神経節または脊椎前神経節のいずれかに存在する節後ニューロンとシナプスを形成する。交感神経系および副交感神経系の両方の節前ニューロンはコリン作動性であるので、神経節にアセチルコリンを適用することにより、交感神経および副交感神経の両方の節後ニューロンが興奮し得る。
アセチルコリンは、2種類の受容体、ムスカリン性受容体およびニコチン性受容体を活性化する。ムスカリン性受容体は、副交感神経系の節後ニューロンによって刺激される全ての効果器細胞、ならびに交換神経系の節後コリン作用性ニューロンによって刺激される効果器細胞に見られる。ニコチン性受容体は、交換神経系および副交感神経系の両方の節前ニューロンと節後ニューロンの間のシナプスにおいて節後ニューロンの細胞表面に存在する自律神経節内に見られる。ニコチン性受容体も、神経筋接合部における骨格筋線維の膜の多くに存在する。
アセチルコリンは、小さい透明な細胞内小胞がシナプス前のニューロン細胞膜と融合したときにコリン作動性ニューロンから放出される。非常に様々な非ニューロン分泌細胞、例えば副腎髄質(PC12細胞株と同様に)および膵臓の島細胞が、それぞれカテコールアミン類およびインスリンを大きな高密度コア小胞から放出する。PC12細胞株は、交感神経副腎発達の研究のために組織培養モデルとして広範囲に使用されているラットのクロム親和性細胞腫細胞のクローンである。ボツリヌス毒素は、(エレクトロポレーションによるように)透過性にされた場合、または脱神経支配細胞に毒素を直接注射することによって、両タイプの細胞からの両タイプの化合物の放出をインビトロで阻害する。ボツリヌス毒素はまた、皮質シナプトソーム細胞培養物からの神経伝達物質グルタメートの放出を阻止することが知られている。
神経筋接合部は、筋肉細胞への軸索の近接によって、骨格筋において形成される。神経系を通って伝達される信号は、終末軸索において活動電位を生じ、イオンチャンネルを活性化し、例えば神経筋接合部の運動終板において、ニューロン内シナプス小胞から神経伝達物質アセチルコリンを放出させる。アセチルコリンは細胞外空間を通過して、筋肉終板の表面において、アセチルコリン受容体タンパク質と結合する。一旦、充分な結合が生じると、筋肉細胞の活動電位は、特異的膜イオンチャンネル変化を生じ、その結果、筋肉細胞収縮が生じる。次に、アセチルコリンが筋肉細胞から放出され、細胞外空間においてコリンエステラーゼによって代謝される。代謝物は、さらにアセチルコリンに再処理するために終末軸索に戻される。
前記のように、損傷筋肉を処置する現在の方法はまだ不充分である。損傷筋肉を処置する改善された方法が必要とされている。
(概要)
本発明によれば、損傷筋肉を処置する有効な方法は、損傷筋肉の中または近くに処置有効量の神経毒を生体内局所投与する段階を含む。神経毒は、損傷筋肉の一時的化学脱神経を生じて、筋肉収縮を減少させる作用をする。本発明の目的は、損傷筋肉の修復および迅速な機能回復を促進することである。損傷筋肉は、例えば、捻挫した筋肉である。1つの態様において、神経毒は、筋肉内または皮下投与される。他の態様において、神経毒を投与する段階は、理学療法および/または手術の、前および/または後に行われる。
さらに、本発明によれば、神経毒を投与する段階は、筋肉が損傷した直後に、または実質的に直ぐ後に、行われる。1つの態様において、神経毒は、損傷筋肉の修復過程の少なくとも段階1および/または段階2の間に、損傷筋肉を不動化するかまたは実質的に不動化するのに有効である。
本発明によれば、神経毒は、ターゲッティング成分、治療成分および転位成分を含有しうる。ターゲッティング成分は、シナプス前運動ニューロンに結合しうる。1つの態様において、ターゲッティング成分は、酪酸毒素、破傷風毒素またはボツリヌス毒素A、B、C1、D、E、F、G型またはそれらの変種の重鎖のカルボキシル末端フラグメントを含んで成ることができる。治療成分は、ニューロンまたはその突起からの神経伝達物質の放出を阻害するかまたは調節することができる。1つの態様において、治療成分は、酪酸毒素、破傷風毒素またはボツリヌス毒素A、B、C1、D、E、F、G型またはそれらの変種の軽鎖を含んで成る。転位成分は、神経毒の少なくとも一部、例えば治療成分の、標的細胞の細胞形質への転位を促進する。1つの態様において、転位成分は、酪酸毒素、破傷風毒素またはボツリヌス毒素A、B、C1、D、E、F、G型またはそれらの変種の重鎖のアミノ末端フラグメントを含んで成ることができる。
さらに本発明によれば、神経毒は、ボツリヌス毒素A、B、Eおよび/またはF型である。好ましい態様において、損傷筋肉の処置に使用される神経毒は、A型ボツリヌス毒素である。実際に、A型ボツリヌス毒素の使用は、ここに開示されているように商業的入手性、既知の臨床使用、本発明による筋肉損傷の処置における成功した適用の故に、好ましい。約0.1U/kg〜約30U/kgのA型ボツリヌス毒素、および約1U/kg〜約150U/kgのB型ボツリヌス毒素の使用は、本発明によって実際される方法の範囲である。他のボツリヌス毒素血清型(毒素型EおよびFを包含する)に関しては、使用されるU/kg用量は、前記のように約0.1U/kg〜約150U/kgである。
さらに本発明によれば、神経毒を組換え的に産生することができる。
本発明の詳しい態様は、処置有効量のボツリヌス毒素を損傷筋肉に生体内局所投与し、それによって損傷筋肉を処置する(損傷筋肉の修復を促進することによる)方法である。ボツリヌス毒素はA型ボツリヌス毒素であってよい。重要なことに、本発明は、処置有効量のボツリヌス毒素を損傷筋肉に生体内局所投与し、それによって損傷筋肉に関連した痛みを減少させる、損傷筋肉に関連した痛みを処置する方法も包含する。
本明細書に記載したいずれの特徴も、およびそのような特徴の2つまたはそれ以上のいずれの組み合わせも、そのような組み合わせに含まれる特徴が相互に矛盾しないことを条件として、本発明の範囲に含まれる。
定義
下記の定義を示し、本明細書において適用する。
「約」は、「およそ」または「ほぼ」を意味し、本明細書に記載されている数値または範囲に関しては、記載または請求されている数値または範囲の±10%を意味する。
「重鎖」は、クロストリジウム神経毒の重鎖を意味する。それは好ましくは約100kDaの分子量を有し、本明細書においてH鎖またはHと称される場合もある。
「HN」は、H鎖のアミノ末端セグメントにほぼ等しいクロストリジウム神経毒のH鎖から誘導されるフラグメント(好ましくは約50kDaの分子量を有する)、または完全(intact)H鎖のそのフラグメントに対応する部分を意味する。それは、細胞内エンドソーム膜を横切るL鎖の転位に関与する天然または野生型のクロストリジウム神経毒の一部を含有すると考えられる。
「Hc」は、H鎖のカルボキシル末端セグメントにほぼ等しいクロストリジウム神経毒のH鎖から誘導されるフラグメント(約50kDa)、または完全H鎖のそのフラグメントに対応する部分を意味する。それは、免疫原性であり、運動ニューロンへの高親和性シナプス前結合に関与する天然または野生型クロストリジウム神経毒の部分を含有すると考えられる。
「損傷筋肉」は、捻挫した、断裂した、または引っ張って痛めた筋肉、ならびに挫傷(打撲傷)、裂傷、虚血または断裂を有する筋肉を意味する。
「軽鎖」は、クロストリジウム神経毒の軽鎖を意味する。それは、好ましくは約50kDaの分子量を有し、クロストリジウム神経毒のL鎖、L、またはタンパク分解性ドメイン(アミノ酸配列)と称される。軽鎖は、標的細胞の細胞形質に放出された際に、神経伝達物質の放出の阻害剤として有効であると考えられる。
「局所投与」は、薬剤の生物学的作用を必要とする動物の体の部位かまたはその付近、またはその体内への、薬剤の直接投与を意味する。局所投与は、静脈内または経口投与のような全身性の投与経路を除外する。
「神経毒」は、ニューロンの少なくとも1つの機能を阻害するかまたは調節することができる化学的存在物を意味する。「神経毒」は、天然かまたは合成であってよい。さらに、「神経毒」は、小分子、大分子、ポリペプチド、複合ポリペプチド(conjugated-polypeptide)またはそれらの混合物であってよい。
「変種」は、親化学種と僅かに異なるが、それにもかかわらず生物学的作用を有する化学種を意味する。変種の生物学的作用は、親の生物学的作用と実質的に同じか、またはそれより高くてもよい。例えば、少なくとも1個のアミノ酸が置換、修飾、欠失または付加されたボツリヌス毒素の変種軽鎖は、神経伝達物質小胞の放出を妨げる同じかまたはより高い能力を有しうる。さらに、変種の生物学的作用は減少していてもよい。例えば、ロイシンに基づくモティーフ(motif)を除去されたA型ボツリヌス毒素の変種軽鎖は、親(または天然)A型ボツリヌス毒素軽鎖より短い生物学的存続を有しうる。
(説明)
広い態様において、損傷筋肉を処置する本発明の有効な方法は、処置有効量の神経毒を損傷筋肉に局所投与する段階を含む。好ましくは、損傷筋肉は、捻挫した筋肉である。
骨格筋の捻挫損傷は、剪断損傷として分類しうる。剪断損傷において、筋線維だけでなく、ミシアル(mysial)鞘も断裂する。筋肉の損傷のほぼ直後に、筋肉の修復過程が開始される。剪断損傷の修復過程は、3つの段階に分けられる。
段階1は破壊段階であり、血腫の形成、筋線維壊死、および炎症性細胞反応を特徴とする。他の点では健康な筋肉の断裂部位は、捻挫後にその遠位筋腱接合部(MTJ)の近くに存在する場合が多い。断裂した筋線維は収縮し、断端の間に裂孔が形成される。骨格筋は豊富に血管化されているので、断裂した血管からの出血は避けられず、裂孔は、血腫で満たされ、後に瘢痕組織で置き換えられる。剪断損傷において、機械的な力が全筋線維を断裂し、筋線維形質膜を損傷させ、断端の末端において筋形質を開いた状態にする。筋線維は極めて長い、ひも状細胞である故に、この部位で起こった壊死は断裂した筋線維の全長に沿って伸びる。剪断損傷において、血管も断裂し、従って、血液によって運ばれる炎症性細胞は、損傷部位に直ぐに到達して、炎症を誘発する。段階1は、損傷してから約2〜3日間にわたって持続する。
段階2は修復段階であり、壊死組織の食作用、筋線維の再生、連結組織瘢痕の産生、および毛細管内方成長から成る。損傷筋肉組織の再生の重要なステップは、損傷領域の血管新生である。血管供給の回復は、損傷筋肉の再生に必要である。新しい毛細管が、血管の残存幹から発生し、損傷領域の中心を通る。これらの新しい毛細管は、再生領域に充分な酸素供給を与えるのを助ける。
段階3は再構築段階であり、再生された筋線維の成熟、瘢痕組織の収縮および再構築、および修復筋肉の機能回復から成る。段階2(修復)および段階3(再構築)は、同時に起こる場合が多く、段階1の次に約2日〜約6週間にわたって続く。
本発明の1つの態様において、好ましくは筋肉内に神経毒を局所投与して、損傷筋肉を不動化して回復を促進する。本発明の神経毒の局所投与は、筋肉損傷による痛みも減少しうる。好ましくは、神経毒の投与は、損傷時に即座に、または損傷してから間近に、投与される。1つの好ましい態様において、神経毒は、破壊段階(段階1)の間に損傷筋肉を不動化して、筋肉の再断裂を防止するのに有効である。
操作メカニズムのいかなる特定の理論にも本発明を限定するものではないが、修復および/または再構築段階の間の可動化は、そのような可動化が、損傷領域へのより迅速かつ集中的な毛細管内方成長ならびにより良好な筋肉線維再生および配置を誘発するので有利であると考えられる。従って、1つの態様において、神経毒の不動化作用は、修復段階(段階2)および/または再構築段階(段階3)の間に存在しない。より好ましい態様においては、神経毒が投与され、段階1の間に損傷筋肉を不動化するのに有効であるが、修復過程の段階2および3の間には有効でない。例えば、損傷してから直ぐに神経毒を好ましくは筋肉内に注射する場合、神経毒は、投与後約3日間にわたって損傷筋肉を不動化するのが好ましい。または、神経毒は、基本的運動における損傷筋肉の使用において患者が痛みをほとんど感じないかまたは感じない時点までだけ、不動化作用を有しうる。この臨界点に達した際に、患者は、活動的、漸進的な可動化を開始するよう勧められるべきである。
本発明の他の態様において、神経毒は、段階1〜3の全期間にわたって、およびその後の筋肉損傷回復期間にわたって、損傷筋肉を不動化するのに有効である。
有意な臨床的筋肉麻痺作用を示すのに約1日未満〜約7日間を要し、および/または筋肉麻痺作用が注射後に数ヶ月間にわたって持続する神経毒、例えば特定のボツリヌス毒素は、そのような神経毒を使用して比較的重大かまたは長時間持続性の筋肉損傷を処置することができるか、または適切な治癒のために長期間の筋肉不動化が指示されるので、本発明の範囲に含まれる。
広い態様において、神経毒は神経筋遮断薬である。表1は、神経筋遮断薬の非制限的な例、およびそれらの潜在的作用部位を示す。ある態様において、筋肉、好ましくは損傷筋肉を、少なくとも5日間、好ましくは少なくとも約3日間にわたって不動化する能力を有する神経筋遮断薬を投与して、損傷筋肉を処置する。本発明の好ましい態様において、筋痙攣のような筋肉傷害の処置におけるE型ボツリヌス毒素のようなボツリヌス毒素の既知の使用および臨床的安全性の故に、神経毒はボツリヌス毒素である。本発明の特に好ましい態様において、特に、重症または第三等級の筋肉傷害に関して、局所投与されるボツリヌス毒素は、E型ボツリヌス毒素である。A型ボツリヌス毒素もこれらの両態様に使用できる。
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広い態様において、神経毒は、ターゲッティング成分、治療成分および転位成分を含んで成ることができる。ターゲッティング成分は、シナプス前運動ニューロンに結合することができる。1つの態様において、ターゲッティング成分は、酪酸毒素、破傷風毒素、ボツリヌス毒素A、B、C1、D、E、F、G型またはそれらの変種の重鎖のカルボキシル末端フラグメントを含んで成ることができる。好ましい態様において、ターゲッティング成分は、A型ボツリヌス毒素のカルボキシル末端フラグメントを含有しうる。
治療成分は、細胞またはその突起からの神経伝達物質の放出を、実質的に妨げるかまたは調節することができる。1つの態様において、治療成分は、酪酸毒素、破傷風毒素またはボツリヌス毒素A、B、C1、D、E、F、G型またはそれらの変種の軽鎖を含んで成る。好ましい態様において、治療成分は、例えば約5日未満、好ましくは約3日未満の短い生物学的存続を有するボツリヌス毒素型の軽鎖を含有しうる。好ましくは、そのような軽鎖は、ボツリヌス毒素EまたはF型の軽鎖である。または、軽鎖は、A型ボツリヌス毒素の軽鎖であってよい。
転位成分は、神経毒の少なくとも一部、例えば治療成分の、標的細胞の細胞形質への転位を促進することができる。1つの態様において、転位成分は、酪酸毒素、破傷風毒素またはボツリヌス毒素A、B、C1、D、E、F、G型またはそれらの変種の重鎖のアミノ末端フラグメントを含んで成る。好ましい態様において、転位成分は、A型ボツリヌス毒素の重鎖のアミノ末端フラグメントを含んで成る。
1つの態様において、ターゲッティング成分は、ボツリヌス毒素EまたはF型の重鎖のカルボキシル末端フラングメントを含んで成り、治療成分は、ボツリヌス毒素EまたはF型の軽鎖を含んで成り、転位成分は、ボツリヌス毒素EまたはF型の重鎖のアミン末端フラグメントを含んで成る。好ましい態様において、神経毒は、E型ボツリヌス毒素を含んで成る。他の好ましい態様において、神経毒は、F型ボツリヌス毒素を含んで成る。さらに他の態様において、神経毒は、ボツリヌス毒素EおよびF型の混合物を含んで成る。
1つの態様において、ターゲッティング成分は、A型ボツリヌス毒素の重鎖のカルボキシル末端フラグメントを含んで成り、治療成分は、A型ボツリヌス毒素の軽鎖を含んで成り、転位成分は、A型ボツリヌス毒素の重鎖のアミン末端フラグメントを含んで成る。好ましい態様において、本発明の神経毒は、A型ボツリヌス毒素を含んで成る。本発明に使用するのに好適なA型ボツリヌス毒素は、BOTOX(登録商標)(Allergan,Inc.,Irvine、California)である。
本発明の神経毒は、損傷筋肉を不動化することによって損傷筋肉を処置するが、1つの態様において、損傷筋肉に神経毒を投与して痛みおよび/または痙攣を減少させることもできる。他の態様において、神経毒は、損傷筋肉を不動化し、その損傷筋肉に関連した痛みを減少させることができる。好ましい態様において、神経毒、例えばE型ボツリヌス毒素、最も好ましくはA型を、捻挫した筋肉に投与して、筋肉を不動化し、および/またはその筋肉に関連した痛みを減少させる。
当然、一般的な医療提供者は、至適臨床結果を得るのに適した投与量および投与頻度を決めることができる。即ち、当業者は、損傷筋肉を効果的に不動化するのに適した時機において適量の神経筋遮断薬を投与しうる。投与される神経毒の用量は、筋肉の大きさ、筋肉傷害の重症度を包含する種々の要因に依存する。好ましい態様において、投与される神経毒の用量は、修復過程の段階1の期間より短い期間にわたって、損傷筋肉を不動化する。本発明の種々の方法において、約0.1U/kg〜約15U/kgのA型ボツリヌス毒素を損傷筋肉に投与することができる。好ましくは、約1U/kg〜約20U/kgのA型ボツリヌス毒素を損傷筋肉に用途する。約0.1U/kg〜約30U/kgのA型ボツリヌス毒素、および約1U/kg〜約150U/kgのB型ボツリヌス毒素の使用は、本発明の方法の範囲に含まれる。他のボツリヌス毒素血清型(毒素EおよびF型を包含する)に関して、使用されるU/kg用量は、ここに記載したように約0.1U/kg〜約150U/kgである。
筋肉注射は好ましい投与経路であるが、皮下投与のような他の局所投与経路も使用できる。
他の広い態様において、本発明の損傷筋肉の処置方法は、下記の他の段階も含む。これらの他の段階は、好ましくは損傷筋肉に、神経毒を投与する段階の前に、一緒に、または後に、行ってよい。例えば、捻挫した筋肉について現在推奨されている処置は、安静、冷やす、圧迫および持ち上げを含む。これらの4つの段階(または処置)は同じ目的を持つ。それらは、断裂した血管から断裂部位への出血を最少限にする。これは、再生の最後における瘢痕組織の大きさに直接的影響を有する大きい血腫の形成を防止する。小さい血腫、および断裂部位における間質性浮腫蓄積の制限は、肉芽組織における虚血期間も短くし、次に、再生を促進する。
他の付加段階も、損傷筋肉の処置に使用しうる。1つの態様において、付加段階は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の投与、治療用超音波、高圧酸素を含み、重症の損傷においては手術も使用しうる。NSAIDは、早期処置の一部であるべきであり、損傷後直ぐに開始すべきである。治癒の早期段階におけるNSAIDの短期使用は、炎症性細胞反応を減少させ、損傷筋肉の伸張性または収縮性に悪影響を及ぼさない。
他の態様において、付加ステップは、治療用超音波の使用を含む。治療用超音波は、広く推奨されており、筋肉捻挫の処置に使用されている。治療用超音波は、筋再生の増殖段階を促進すると考えられる。
他の態様において、付加ステップは、高圧酸素の使用を含む。修復の早期段階の間のウサギにおける高圧酸素療法は、最終結果を実質的に向上させることが知られている。他の哺乳動物、例えばヒトにおける、そのような高圧酸素療法は、例えば筋再生を加速することによって、有効であると考えられる。
他の態様において、付加ステップは、外科的介入を含む。ほとんどの場合、保存療法は良好な結果を生じるので、筋肉傷害の外科療法は最も重症の損傷のために残しておくべきである。外科療法は、(1)大きい筋肉内血腫、(2)激痛のある筋肉がほとんどないかまたはない筋肉の第三等級の捻挫または裂傷、および(3)筋腹の半分以上が断裂している場合の第二等級の捻挫、の場合にのみ指示される。
本発明の他の広い局面において、組換え法を使用して、神経毒の少なくとも1つの成分を産生する。該方法は、成分、例えば、治療成分、転位成分および/またはターゲティング成分の1つの暗号を有する、天然源からクローン化したDNA、または合成オリゴヌクレオチド配列から、遺伝物質を得る段階を含む。遺伝構造物は、先ず遺伝構造物とファージまたはプラスミドのようなクローニングベクターとを融合することによって、増幅のために宿主細胞に組み込まれる。次に、クローニングベクターを宿主、好ましくは大腸菌に挿入する。宿主細胞における組換え遺伝子の発現後に、得られたタンパク質を従来法を使用して単離する。発現されたタンパク質は、神経毒の3つの全ての成分を含んで成る場合もある。例えば、発現されたタンパク質は、E型ボツリヌス毒素(治療成分)の軽鎖、B型ボツリヌス毒素の重鎖、好ましくはHN(転位成分)、および運動ニューロンに選択的に結合するA型ボツリヌス毒素のHcを含みうる。1つの態様において、発現されたタンパク質は、神経毒の3つの全ての成分より少ない成分を含みうる。そのような場合、成分は、当分野において既知の方法を使用して化学的に結合しうる。
これらの神経毒を組換え的に産生することは、多くの利点を有する。例えば、嫌気性クロストリジウム属細菌培養物からの神経毒の産生は、いくつかのタンパク質沈降段階および毒素の長時間の反復結晶化または数段階のカラムクロマトグラフィーを必要とする多段階精製プロトコルを含む面倒なかつ時間を要する方法である。重要なことに、生成物の高毒性は、厳しい抑制下に処置を行うことを必要とする(BL−3)。発酵工程の間に、折り畳まれた一本鎖神経毒は、ニッキング(nicking)と称される方法によって内因性クロストリジウムプロテアーゼによって活性化される。これは、一本鎖から約10個のアミノ酸残基を除去して、2本の鎖が鎖内ジスルフィド結合を介して共有結合した状態を維持している二本鎖形態(dichain form)を形成することを含む。
ニックが入った神経毒は、非ニック形態よりかなり活性である。ニッキングの量および正確な位置は、毒素を産生する細菌の血清型によって変化する。一本鎖神経毒素活性化、従ってニック毒素の収量の違いは、所定の菌株によって生じる蛋白分解活性の型および量の変化による。例えば、99%より大のクロストリジウム属ボツリヌス菌A型一本鎖神経毒がHall Aクロストリジウム属ボツリヌス菌株によって活性化され、BおよびE型菌株は、より少ない量の活性化(発酵時間に依存して0〜75%)を有する毒素を産生する。このように、成熟神経毒の高毒性は、治療用神経毒としての神経毒の工業的製造において重要な役割を果たしている。
従って、工学的に製造されたクロストリジウム属毒素の活性化の程度は、これらの物質の製造において、考慮すべき重要な事柄である。ボツリヌス毒素および破傷風毒素のような神経毒を、急速増殖細菌(例えば、異種大腸菌細胞)中で、安全かつ単離が容易な、かつ完全活性形態に変換するのが簡単な比較的非毒性の一本鎖(または減少した中毒活性を有する一本鎖)として組換え的に高収量で産生できれば、極めて有利である。
安全性を主要関心事として、以前の研究は、大腸菌における発現および破傷風毒素およびボツリヌス毒素の個々のH鎖およびL鎖の精製に焦点が当てられていた;これらの単離された鎖は単独では非毒性である;本発明の開示の一部を構成するLiら、Biochemistry 33:7014−7020(1994);Zhouら、Biochemistry 34:15175−15181(1995)参照。これらのペプチド鎖の分離産生後に、厳しく管理された条件下に、HおよびLサブユニットを酸化的ジスルフィド結合によって結合させて、神経麻痺性二本鎖を形成することができる。
下記の非制限的実施例は、損傷筋肉の好ましい処置方法、および組換え神経毒、好ましくはボツリヌス毒素の製造法を示す。下記実施例4〜8に記載する組換えボツリヌス毒素の製造法は、本発明の開示の一部を構成するDollyらの国際特許出願第WO 95/32738に開示されている方法から導かれ、それに類似している。
実施例1
断裂した上腕二頭筋腱の処置
上腕二頭筋の断裂は、近位末端において一般に起こり、上腕二頭筋の長頭を含む。該筋肉は、とう骨上の遠位停止において断裂しうるが、稀である。断裂は、インピンジメント徴候に続発性の肩の痛みを長期間にわたって有する40才以上の成人に起こる場合が最も多い。徐々に腱がすり減って弱くなり、最終的に部分的または全体的に断裂する。いずれせよ、断裂は些細なことで生じる場合が多い。これらの断裂は、特に高齢者において、回旋筋腱板の断裂を一般に伴う。
45才の男性は、重い箱を持ち上げた後に下腕(lower arm)に膨らみを示す。その男性は、上腕(upper arm)に、しばしば弾撥音を伴う上腕の突然の鋭い痛みを経験したことを報告する。その男性は、断裂した上腕二頭筋腱を有すると診断され、修復過程の段階1の初期にある。断裂は、中等度第二等級捻挫に分類しうる。
約0.1U/kg〜約25U/kgの神経毒素の上腕二頭筋への筋肉内ボーラス注射によって、患者を処置する。神経毒は、好ましくはボツリヌス毒素Eおよび/またはF型、より好ましくはA型である。特定の投与量および頻度は、種々の要因に依存し、主治医によって決められる。さらに、患者は、安静にし、上腕二頭筋に氷および圧迫を適用するよう指示される。神経毒の投与から約3日以内に、患者は腕を曲げられるようになる。さらに、約3日後に、炎症が減少し、これは、患者が修復過程の段階2および3にあることを示す。痛みの有意な減少も示す。長時間(2〜4ヶ月間)の筋肉不動化および痛みの減少のために、約10単位〜約200単位のA型ボツリヌス毒素の局所投与を使用することもできる。
実施例2
伸筋機構断裂
膝の伸筋機構の断裂は、2つの方法の1つにおいて起こる:若年患者において、突然の力または強い力(例えば、跳躍、重い物の持ち上げ)の結果として;および年輩患者において、比較的僅かな力の結果として。どちらの場合も、いくらかの事前アーチ形成(prior arching)が存在しうる。この疾患は、一般に幾分すわりがちな、活動レベルを突然増加させた年輩患者、または真性糖尿病、慢性関節リウマチおよび他の全身性炎症性疾患または以前の膝手術のような何らかの先在するかまたは合併疾患を有する患者に起こる。
22才の女性サッカー選手は、膝を伸ばすことができない。該患者は、まっすぐに伸ばした脚を上げることもできないが、大腿に手を置いて、膝を伸ばした状態に維持すれば歩くことができる。単純X線写真は、膝蓋骨が通常位置より下にあることを示す。患者は、四頭筋の重度の断裂を有すると診断される。
傷害が重症(第三等級)であると診断された後、患者は修復手術を受けることに同意する。手術後に、患者は、約0.1U/kg〜約25U/kgの神経毒(例えば約10単位〜約400単位のA型ボツリヌス毒素)の四頭筋への筋肉内ボーラス注射によって処置される。好ましくは、神経毒はA型ボツリヌス毒素である。特定の投与量および投与頻度は、種々の要因に依存し、主治医によって決められる。さらに、患者は、安静にし、四頭筋に氷および圧迫を適用するよう指示される。神経毒の投与から約15日以内に、損傷筋肉の漸進的運動および活動が可能になる。次に、患者は、回復しつつある筋肉およびその周囲の筋肉を強化するために、回復しつつある筋肉をゆっくり動かすように勧められる。毒素の作用がさらに減少すると共に、患者は、理学療法プログラムに早く参加できるか、または一般的活動および/またはスポーツを再開することができる。この患者がこのスポーツで生計を立てている場合、ボツリヌス毒素療法は、この活動への早期復帰を助長する。長期間(2〜4ヶ月間)にわたる筋肉不動化のために、約10単位〜約200単位のA型ボツリヌス毒素の局所投与を使用することができる。
実施例3
前脛骨部症候群の処置
ランナーは、疼痛を生じ、この活動を制限する下肢における前脛骨部症候群に一般に罹患する。前脛骨部症候群から生じる下肢疼痛は、脚の筋肉の脛への付着点における極めて小さい裂傷によって生じる。2つのタイプが存在する:1.前前脛骨部症候群は、脛骨(tibia)の前部分に生じ;2.後前脛骨部症候群は、脛骨に沿った脚の内側(medial)部分に生じる。
前前脛骨部症候群は、筋肉の不均衡、不充分な衝撃吸収、またはつま先ランニングによる。過度の回内運動は、前および後前脛骨部症候群の両方の原因となる。
捻挫した筋肉、例えば前脛骨部症候群の処置において、5つの段階が推奨される:(1)副木、パッドおよび/または松葉づえを使用することによって、損傷筋肉がさらに損傷しないよう保護する;(2)一般に48〜72時間にわたって活動を制限して、治癒過程が開始しうるようにする;短期作用ボツリヌス毒素EもしくはF型、またはA型毒素の生体内生物学的活性の期間を減少させる(即ち、より短い期間の弛緩性筋肉麻痺)ように改質したA型ボツリヌス毒素を投与する。この場合に使用するのに好適な、減少した期間の生体内生物活性を有するA型ボツリヌス毒素を包含する好適なボツリヌス毒素は、全体として本発明の開示の一部を構成する同時係属中の米国特許出願第09/620840号に開示されている。より重症の捻挫においては、活動の制限が数週間〜数ヶ月間続きうる。より長期の活動の制限が必要な場合、より長く作用するボツリヌス毒素、例えば(非改質)B型ボツリヌス毒素、より好ましくはA型が適している。この処置を行わない場合、患者は何週間にもわたって活動を制限される。治癒過程が開始すると共に、損傷した筋肉の緩やかな動作および運動を勧められる;(3)1時間ごとに15〜20分間氷を適用する;(4)氷冷と氷冷の間に、弾性包帯のような圧迫を維持する;および(5)損傷領域を持ち上げて、腫脹を最小限にする。
実施例4
BoNT/A−L鎖遺伝子のサブクローニング
この実施例は、BoNT/A−L鎖をコード化するポリヌクレオチド配列をクローニングする方法を示す。BoNT/A−L鎖をコード化するDNA配列は、配列5’−AAAGGCCTTTTGTTAATAAACAA−3’(配列番号1)および5’−GGAATTCTTACTTATTGTATCCTTTA−3’(配列番号2)を有する合成オリゴヌクレオチドを使用するPCRプロトコルによって増幅される。これらのプライマーの使用は、それぞれ、BoNT/A−L鎖遺伝子フラグメントの5’および3’末端へのStu IおよびEcoR I制限酵素認識部位の導入を可能にする。次に、これらの制限酵素認識部位を使用して、増幅生成物の一方性サブクローニングを促進する。さらに、これらのプライマーは、L鎖コード化配列のC−末端において終止コドンを導入する。ボツリヌス菌(63A菌株)からの染色体DNAは、増幅反応におけるテンプレートとして機能する。
PCR増幅は、10mM Tris-HCl(pH8.3)、50mM KCl、1.5mM MgCl2、0.2mMの各デオキシヌクレオチドトリホスフェート(dNTP)、50pmolの各プライマー、200ngのゲノムDNAおよび2.5単位のTaq−ポリメラーゼ(Promega)を含有する100μL容量で行われる。反応混合物を、35サイクルの変性(94℃で1分間)、アニール(37℃で2分間)および重合(72℃で2分間)にかける。最後に、反応を72℃でさらに5分間延長する。
PCR増幅生成物を、Stu IおよびEcoR Iで消化し、アガロースゲル電気泳動によって精製し、Sma IおよびEcoR I消化pBluescript II SK*に連結して、プラスミドpSALを得る。このプラスミドを有する細菌形質転換体を、標準法によって単離する。クローン化したL鎖ポリヌクレオチドの同一性は、製造者の使用説明書に従ってSEQUENASE(United States Biochemicals)を使用する二本鎖プラスミド塩基配列決定法によって確認する。必要であれば、合成オリゴヌクレオチド塩基配列決定プライマーを製造して、多重塩基配列決定試験を行うことができる。クローン化した配列は、Binzら、J.Biol.Chem.265:9153(1990)、およびThomsponら、Eur.J.Biochem.189:73(1990)に開示されている配列と同一であると認められる。
BoNT/A−L鎖の酵素活性を弱めるように設計された特定部位突然変異体も形成することができる。
実施例5
ボツリヌス毒素A−L型(BoNT/A−L)鎖融合タンパク質の発現
この実施例は、pCA−Lプラスミドを有する細菌における、治療成分として機能しうる野生型L鎖の発現を実証する方法を示す。どちらかのpCALプラスミドを有する充分に単離された細菌コロニーを使用して、100μg/mLアンピシリンおよび2%(w/v)グルコースを含有するL−培養液を接種し、30℃で振りながら一晩増殖させる。一晩の培養物を、100μg/mLのアンピシリンを含有する新しいL−培養液において1:10に希釈し、2時間培養する。融合タンパク質の発現は、IPTGを最終濃度0.1mMに添加することによって誘発される。30℃でさらに4時間培養した後、6,000xgで10分間の遠心分離によって細菌を収集する。
小規模SDS−PAGE分析は、IPTG誘発細菌から得た試料中に90kDaタンパク質バンドの存在を確認した。このMrは、MBP(約40kDa)およびBoNT/A−L鎖(約50kDa)成分を有する融合タンパク質の予測サイズと一致する。さらに、対照培養物から単離された試料と比較して、IPTG誘発クローンは、かなり多い融合タンパク質を含有していた。
IPTG誘発細菌抽出物における所望融合タンパク質の存在も、Cenci di Belloら、Eur.J.Biochem.219:161(1993)に記載されているポリクローナル抗−L鎖プローブを使用するウエスタンブロッティングによって確認される。PVDF膜(Pharmacia;Milton Keynes,UK)における反応性バンドは、ホースラディッシュペルオキシダーゼに結合し抗−ウサギ免疫グロブリン(Bio−Rad;Hemel Hempstead,UK)およびECL検出システム(Amersham,UK)を使用して視覚化される。ウエスタンブロッティングの結果は、完全な大きさの融合タンパク質より低いMrのタンパク質に対応するいくつかの微弱バンドと一緒に主要融合タンパク質の存在を確認した。この観察は、細菌中かまたは単離処理の間に融合タンパク質の限られた分解が生じたことを示す。単離処理の間の1mMまたは10mMのベンズアミジン(Sigma;Poole,UK)のいずれの使用も、このタンパク質分解性の分解を除去しなかった。
前記の方法で単離した完全融合タンパク質の収量は、本明細書に開示した全ての方法について充分に適切に維持された。染色されたSDS−PAGEゲルからの推定に基づいて、IPTGで誘発した細菌クローンは、培養物1リットルにつき合計5〜10mgのMBP−野生型または変異体L鎖融合タンパク質を生じた。このように、本発明のBoNT/A−L鎖融合タンパク質製造法は、いくらかの限られたタンパク質分解が生じたにもかかわらず、極めて有効である。
pCALおよびpCLA−TyrU7発現プラスミドによってコードされたMBP−L鎖融合タンパク質を、アミロースアフィニティクロマトグラフィーによって細菌から精製する。次に、組換え野生型または変異体L鎖を、第X2因子を使用する部位特異的開裂によって、融合タンパク質の糖結合ドメインから分離する。この開裂処理は、遊離MBP、遊離L鎖および少量の非開裂融合タンパク質を生じた。そのような混合物に存在する得られたL鎖は所望活性を有することが示されたが、我々は付加的精製段階も使用した。従って、開裂生成物の混合物を、MBPおよび非開裂融合タンパク質の両方に結合する第二アミロースアフィニティカラムに適用する。遊離L鎖は、アフィニティカラムに保持されず、下記の実験に使用するために単離する。
実施例6
融合タンパク質の精製および組換えBoNT/A−L鎖の単離
この実施例は、野生型組換えBoNT/A軽鎖を製造し、細菌クローンから精製する方法を示す。野生型BoNT/A−L鎖タンパク質を発現する細菌培養物1Lからのペレットを、1mMのフェニル−メタンスルホニルフルオリド(PMSF)および10mMベンズアミジンを含有するカラム緩衝液(10mM Tris-HCl(pH8.0)、200mM NaCl、1mM EGTAおよび1mM DTT)に再懸濁し、音波破砕によって溶解する。溶解物を4℃において15,000xgで15分間遠心分離にかけて、透明にする。上澄みをアミロースアフィニティカラム(2x10cm、30mL樹脂)(New England BioLabs;Hitchin,UK)に適用する。280nmにおける安定吸光読み取りによって判断して溶出液がタンパク質を含有しなくなるまで、カラム緩衝液を使用して非結合タンパク質を樹脂から洗浄する。次に、結合MBP−L鎖融合タンパク質を、10mMのマルトースを含有するカラム緩衝液で溶離する。融合タンパク質を含有する画分をプールし、150mM NaCl、2mM CaCl2および1mM DTTを補充した20mM Tris-HCl(pH8.0)に対して4℃で72時間透析する。
150mM NaCl、2mM CaCl2および1mM DTTを補充した20mM Tris-HCl(pH8.0)の緩衝剤に対して透析しながら、第X2因子(Promega;Southampton, UK)を使用して、融合タンパク質を1:10の酵素/基質比で開裂する。透析は4℃で24時間行う。開裂段階から得られたMBPおよび野生型または変異体L鎖の混合物を、カラム緩衝液と平衡させた10mLのアミロースカラムに装填する。流出画分のアリコートを、SDS−PAGE分析用に調製して、L鎖を含有する試料を同定する。流出画分の残りの部分を−20℃で保存する。全大腸菌抽出物または精製タンパク質を、SDS試料緩衝液に溶解し、標準法によってPAGEにかける。この処置の結果は、組換え毒素フラグメントが、試料のタンパク質含有量の約90%を占めることを示した。
前記の結果は、ここに記載したMBP−L鎖融合タンパク質を形成する方法を使用して、野生型および変異体組換えBoNT/A−L鎖を効率的に製造できることを示す。さらに、その結果は、組換えL鎖を、融合タンパク質のマルトース結合ドメインから分離し、次に精製しうることを示す。
感受性抗体に基づくアッセイを行って、組換えL鎖生成物およびそれらの天然対照物の酵素活性を比較する。該アッセイは、BoNT/A開裂部位に対応するSNAP−25の完全C−末端領域に特異性を有する抗体を使用した。SNAP−25のBoNT/A開裂の反応生成物のウエスタンブロッティングは、抗体がSNAP−25サブフラグメントと結合できないことを示した。従って、下記の実施例で使用した抗体リニューロトキシン(reneurotoxin)は、完全SNAP−25だけを検出した。抗体結合の喪失は、付加されたBoNT/A軽鎖またはその組換え誘導体によって媒介されたSNAP−25タンパク質分解の指標となる。
実施例7
SNAP−25基質に対する組換えL鎖のタンパク質分解活性の評価
この実施例は、天然および組換えBoNT/A−L鎖の両方がSNAP−25基質をタンパク質分解できることを実証する方法を示す。定量アッセイを使用して、野生型およびそれらの組換え類似体の、SNAP−25基質を開裂する能力を比較する。このアッセイに使用される基質は、pGEX−2Tベクターを使用して発現させ、グルタチオンアガロース上でのアフィニティクロマトグラフィーによって精製された、トロンビンの開裂部位を含有するグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)−SNAP−25融合タンパク質を調製することによって得られる。次に、150mM NaClおよび2.5mM CaCl2を含有する50mM Tris-HCl(pH7.5)中のトロンビンを使用して(Smithら、Gene 67:31(1988))、1:100の酵素:基質比で、SNAP−25を融合タンパク質から開裂する。非開裂融合タンパク質および開裂グルタチオン結合ドメインがゲルに結合している。組換えSNAP−25タンパク質を後半の(latter)緩衝液で溶離し、100mM HEPES(pH7.5)に対して4℃で24時間透析する。合計タンパク質濃度を、一般法によって測定する。
SNAP−25のC−末端領域に特異的なウサギポリクロナール抗体が、アミノ酸配列CANQRATKMLGSG(配列番号3)を有する合成ペプチドに対して生じる。シナプス形質膜タンパク質の残基195〜206およびN−末端システイン残基に対応するこのペプチドは、天然SNAP−25にみられない。マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)を架橋神経毒として使用して(Sigma;Poole, UK)、合成ペプチドをウシ血清アルブミン(BSA)(Sigma;Poole, UK)に結合させて、抗原性を向上させる(Liuら、Biochemistry 18:690(1979))。架橋剤エチル3−(3−ジメチルプロピル)カルボジイミドを使用してヨード酢酸で活性化したアミノアルキルアガロース樹脂(Bio−Rad;Hemel Hempstead, UK)に、そのN−末端システイン残基を介して結合させた抗原性ペプチドを有するカラムを使用して、抗ペプチド抗体のアフィニティ精製を行う。25mM Tris-HCl(pH7.4)および150mM NaClを含有する緩衝液を使用してカラムを連続洗浄した後に、100mM グリシン(pH2.5)および200mM NaClの溶液を使用してペプチド特異性抗体を溶離し、0.2mLの1M Tris-HCl(pH8.0)中和緩衝液を含有する試験管に収集する。
それらの酵素活性を評価する前に、野生型L鎖を含有する全ての組換え試料を、0.02%のLubrolおよび10μMの酢酸亜鉛を含有する100mM HEPES(pH7.5)中に4℃で一晩透析する。次に、37℃で30分間にわたって20mM DTTで前もって還元したBoNT/A、ならびにこれらの透析試料を、1mM DTTを補充した後半のHEPES緩衝液において種々の濃度に希釈する。
反応混合物は、5μLの組換えSNAP−25基質(最終濃度8.5μM)および20μLの還元BoNT/Aまたは組換え野生型L鎖のどちらかを含有する。全ての試料を37℃で1時間培養し、次に、25μLの2%トリフルオロ酢酸(TFA)水溶液および5mM EDTA(Foranら、Biochemistry 33:15365(1994))を使用して反応を停止する。SDS−PAGE試料緩衝剤を添加し沸騰させることによって、ポリクローナルSNAP−25抗体を使用するSDS−PAGEおよびウエスタンブロッティング用に、各試料のアリコートを調製する。抗−SNAP−25抗体反応性を、ECL検出システムを使用して監視し、デンシトメトリースキャニングによって定量する。
ウエスタンブロッティングの結果は、精製した変異体L鎖のタンパク質分解活性と、天然または組換え野生型BoNT/A−L鎖のタンパク質分解活性との明らかな違いを示している。特に、組換え野生型L鎖は、処置における正の対照である還元BoNT/A天然L鎖より幾分低い有効性であるが、SNAP−25基質を開裂する。このように、BoNT/A−L鎖の酵素的に活性な形態は、組換え手段によって産生され、次に単離される。さらに、L鎖タンパク質における1個のアミノ酸の置換は、シナプス末端タンパク質を分解する組換えタンパク質の能力を除去した。
野生型組換えBoNT/A−L鎖の生物学的活性の予備試験として、ジギトニン透過性ウシアドレノクロム親和細胞からのCa2+誘発カテコールアミン放出を減少させるMBP−L鎖融合タンパク質の能力を試験する。一貫して、完全な、または第X2因子で開裂して遊離MBPおよび組換えL鎖を含有する混合物を形成した野生型組換えL鎖融合タンパク質は、天然BoNT/Aによって生じる阻害と同等のCa2+刺激放出の用量依存性阻害を誘発した。
実施例8
精製H鎖を使用する、天然L鎖、組換え野生型L鎖の再形成
天然HおよびL鎖を、2Mの尿素を使用してBoNT/A(List Biologicals Inc.;Campbell,USA)から解離し、100mM DTTで還元し、次に、確立されたクロマトグラフィー法(Kozakiら、Japan J.Med.Sci.Biol.34:61(1981);Maiseyら、Eur.J.Biochem.177:683(1988))で精製する。精製したH鎖を、等モル量の天然L鎖または組換え野生型L鎖と結合させる。25mM Tris(pH8.0)、50μM 酢酸亜鉛および150mM NaClから成る緩衝液に対して4℃で4日間試料を透析することによって、再形成を行う。透析後に、ジスルフィド結合した150kDaの二本鎖を形成する組換えL鎖および天然H鎖の結合を、SDS−PAGEによって監視し、デンシトメトリースキャニングによって定量する。組換えL鎖を使用して形成された二本鎖分子の比率は、天然L鎖を使用した場合より低い。実際に、組換え野生型または変異体L鎖の約30%のみが再形成され、天然L鎖の>90%がH鎖と再結合する。この低い再形成率にもかかわらず、組換えL鎖を組み込む充分な物質を、次の機能試験に使用するために容易に製造することができる。
本発明を種々の特定実施例および態様に関して説明したが、本発明はそれらに限定されるものではなく、請求の範囲において様々に実施しうると理解されるものとする。本発明の範囲内の他の態様、改変および変更も可能である。例えば、約500単位〜約4,000単位のB型ボツリヌス毒素を使用して、本発明によって損傷筋肉を処置することができる。

Claims (13)

  1. 処置有効量の神経毒を損傷筋肉に局所投与し、それによって損傷筋肉を処置する段階を含んで成る損傷筋肉の処置方法。
  2. 局所投与の段階を筋肉注射によって行う請求項1に記載の方法。
  3. 神経毒が損傷筋肉を実質的に不動化する請求項1に記載の方法。
  4. 神経毒が、損傷筋肉の修復過程の段階1および段階2の間に損傷筋肉を不動化するのに有効である請求項1に記載の方法。
  5. 神経毒が、損傷筋肉の修復過程の段階1の間に損傷筋肉を不動化するのに有効である請求項1に記載の方法。
  6. 神経毒が、ボツリヌス毒素A、B、C1、D、E、FまたはG型である請求項1に記載の方法。
  7. 神経毒が、組換え的に産生された神経毒である請求項1の記載の方法。
  8. 理学療法および/または手術によって損傷筋肉を処置する段階をさらに含んで成る請求項1に記載の方法。
  9. 処置有効量のボツリヌス毒素を損傷筋肉に生体内局所投与し、それによって損傷筋肉を処置する段階を含んで成る損傷筋肉の処置方法。
  10. ボツリヌス毒素がA型ボツリヌス毒素である請求項10に記載の方法。
  11. 処置有効量のA型ボツリヌス毒素を損傷筋肉に生体内局所投与し、それによって損傷筋肉の回復を促進する段階を含んで成る、損傷筋肉の回復を促進する方法。
  12. 処置有効量のボツリヌス毒素を損傷筋肉に生体内局所投与し、それによって損傷筋肉に関連した痛みを軽減する段階を含んで成る、損傷筋肉に関連した痛みの処置方法。
  13. ボツリヌス毒素がA型ボツリヌス毒素である請求項12に記載の方法。
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