JP2012226876A - 電池材料の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】稠密度の高いリチウムイオン伝導体で本体の表面が被覆された電池材料を提供する。
【解決手段】
電池材料の製造方法及び製造装置は、本体の表面がリチウムイオン伝導体で被覆された電池材料の製造をする製造装置及び製造方法であって、リチウムイオン伝導体の前駆体ゾルゲル溶液を準備し、前駆体ゾルゲル溶液の前駆体の二次粒子径に対応する指標値を測定する。そして、前駆体の二次粒子径に対応する指標値に基づいて被覆を行うことの可否を判定し、被覆が可の場合は原材料に前駆体ゾルゲル溶液を塗布し乾燥させることにより原材料の表面をリチウムイオン伝導体で被覆する。
【選択図】図1
【解決手段】
電池材料の製造方法及び製造装置は、本体の表面がリチウムイオン伝導体で被覆された電池材料の製造をする製造装置及び製造方法であって、リチウムイオン伝導体の前駆体ゾルゲル溶液を準備し、前駆体ゾルゲル溶液の前駆体の二次粒子径に対応する指標値を測定する。そして、前駆体の二次粒子径に対応する指標値に基づいて被覆を行うことの可否を判定し、被覆が可の場合は原材料に前駆体ゾルゲル溶液を塗布し乾燥させることにより原材料の表面をリチウムイオン伝導体で被覆する。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば、リチウム二次電池等における、本体の表面がリチウムイオン伝導体で被覆された電池材料の製造方法及び製造装置の技術分野に関する。
現在市販されているリチウムイオン二次電池は、正極層と負極層との間に可燃性の電解液を使用している。したがって、安全性を確保するための構造や材料選択等の対策が必要になる。一方、固体電解質は不燃性であるため、上記対策を簡素化することができる。そのため、正極層と負極層との間に固体電解質層を備える形態のリチウムイオン二次電池が提案されている。この様な形態のリチウムイオン二次電池は全固体電池と呼ばれる。
しかし、全固体電池では、正極層に含まれる正極活物質粒子と固体電解質粒子との界面をリチウムイオンが移動する際の抵抗が増大しやすい。これは正極活物質と固体電解質とが反応をすることにより、正極活物質粒子の表面に高抵抗部位ができるためであると言われている(非特許文献1)。このため、正極活物質粒子の表面に反応を抑制する層を設けることにより、高抵抗部位の発生を抑制する技術が開示されている。例えば、特許文献1には、反応を抑制する層として作用する固体電解質膜で正極活物質粒子の表面を被覆した電池材料の製造方法が開示されている。
この種の電池材料の製造方法では、固体電解質の前駆体溶液を活物質粒子の表面にスプレーコートした後、スプレーコートされた活物質粒子を熱処理して、活物質粒子の表面が固体電解質膜で被覆された電池材料を得る。
しかしながら、この種の電池材料の製造方法では、問題点として活物質粒子の表面の固体電解質膜にひび割れが発生する恐れがある。そして、ひび割れにより高抵抗部位が発生することが考えられる。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、稠密度の高いリチウムイオン伝導体で本体の表面が被覆された電池材料を提供することができる。
上述した課題を解決するため、本発明に係る電池材料の製造方法は、本体の表面がリチウムイオン伝導体で被覆をされた電池材料の製造方法であって、上記電池材料の本体の原材料を準備する、原材料準備工程と、上記リチウムイオン伝導体の前駆体ゾルゲル溶液を準備する、前駆体準備工程と、上記前駆体ゾルゲル溶液の前駆体の二次粒子径に対応する指標値を測定する、測定工程と、上記前駆体の二次粒子径に対応する指標値に基づいて被覆を行うことの可否を判定する、判定工程と、上記判定工程において、被覆が可の場合は上記原材料に上記前駆体ゾルゲル溶液を塗布し乾燥させることにより上記原材料の表面をリチウムイオン伝導体で被覆する、被覆工程と、上記判定工程において、被覆が否の場合は被覆を停止する、停止工程と、を備える。
ここで、電池材料とは、広義には電池に用いられる材料を意味し、狭義には、正極層、電解質層、負極層のうち少なくともいずれか1つの層に用いられる材料を意味する。本体とは、電池材料の中心となる部分のことを意味する。リチウムイオン伝導体とは、リチウムイオンを伝導させることができる物質、又はその物質を有する材料を意味する。被覆とは、電池材料の本体の表面をリチウムイオン伝導体で覆うことを意味し、電池材料の本体の少なくとも一部の表面にリチウムイオン伝導体が存在していればよい。
原材料とは、電池材料の本体の原料又は材料を意味する。なお、原材料は電池材料の本体そのものであってもよい。原材料は、電池材料の本体となるものであれば特に限定されるものではない。例えば、原材料は、リチウムイオン伝導体を被覆する前後で化学的な組成が変化してもよいし、被覆する前後で化学的な組成が同様であってもよい。
前駆体とは、広義には、リチウムイオン伝導体に変化することのできる原料を意味し、狭義には、縮合重合によりリチウムイオン伝導体になる中間原料を意味する。前駆体ゾルゲル溶液とは、前駆体を含んだゾルゲル法に用いられる溶液を意味する。
二次粒子とは、前駆体である一次粒子が凝集している集合体を意味する。二次粒子径とは、二次粒子の直径を意味する。二次粒子径は、例えば、TEM写真、及びSEM写真等によって求めることができる。二次粒子径に対応する指標値は、例えば、二次粒子径そのもの、レーザー光線の散乱度、及びUV吸収度等を挙げることができる。
判定工程では、上記前駆体の二次粒子径に対応する指標値に基づいて被覆を覆うことの可否を判定する。例えば、判定工程では、測定工程で測定した前駆体の二次粒子径に対応する指標値と基準となる指標値とを比較することにより、被覆を行うことの可否を判定する。
以上により、本発明に係る電池材料の製造方法は、原材料に塗布をした前駆体ゾルゲル溶液の前駆体が原材料の表面を稠密に被覆することができ、この状態の前駆体ゾルゲル溶液を乾燥させることにより、稠密度の高いリチウムイオン伝導体で本体の表面が被覆された電池材料を提供することができる。
本発明に係る電池材料の製造方法の一態様では、上記測定工程における上記二次粒子径に対応する指標値は上記前駆体ゾルゲル溶液のUV吸収度であることを特徴とする。
ここで、UV吸収度とは紫外線が吸収される度合いを意味する。
この態様によれば、UV吸収度を測定することにより、簡単に前駆体の二次粒子径に対応する指標値を求めることができる。
本発明に係る電池材料の製造方法の他の態様では、上記リチウムイオン伝導体は、LiNbO3、Li2Ti2O5、及びLi4Ti5O12からなる群から選択される少なくとも1種類以上の固体電解質を有する。
本発明に係る電池材料の製造方法の他の態様では、上記固体電解質は、LiNbO3である。
本発明に係る電池材料の製造方法の他の態様では、上記原材料は、LiNiCoMnO2、LiCoO2、及びLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2からなる群から選択される少なくとも1種類以上の活物質を有する活物質粒子である。
本発明に係る電池材料の製造方法の他の態様では、上記活物質粒子は、LiNiCoMnO2である。
上述した課題を解決するため、本発明に係る電池材料の製造装置は、電池材料の本体の表面をリチウムイオン伝導体で被覆する電池材料用コート装置であって、上記電池材料の本体の原材料の表面を上記リチウム伝導体で被覆する処理を行う処理室と、上記処理に用いる上記リチウムイオン伝導体の前駆体ゾルゲル溶液を保存する保存容器と、上記保存容器から上記前駆体ゾルゲル溶液を上記処理室に導入する導入路と、上記前駆体ゾルゲル溶液の前駆体の二次粒子径に対応する指標値を測定する測定手段と、を備える。
ここで、電池材料とは、広義には電池に用いられる材料を意味し、狭義には、正極層、電解質層、負極層のうち少なくともいずれか1つの層に用いられる材料を意味する。本体とは、電池材料の中心となる部分のことを意味する。リチウムイオン伝導体とは、リチウムイオンを伝導させることができる物質、又はその物質を有する材料を意味する。被覆とは、電池材料の本体の表面をリチウムイオン伝導体で覆うことを意味し、電池材料の本体の少なくとも一部の表面にリチウムイオン伝導体が存在していればよい。
原材料とは、電池材料の本体の原料又は材料を意味する。なお、原材料は電池材料の本体そのものであってもよい。原材料は、電池材料の本体となるものであれば特に限定されるものではない。例えば、原材料は、リチウムイオン伝導体を被覆する前後で化学的な組成が変化してもよいし、被覆する前後で化学的な組成が同様であってもよい。
前駆体とは、広義には、リチウムイオン伝導体に変化することのできる原料を意味し、狭義には、縮合重合によりリチウムイオン伝導体になる中間原料を意味する。前駆体ゾルゲル溶液とは、前駆体を含んだゾルゲル法に用いられる溶液を意味する。
二次粒子とは、前駆体である一次粒子が凝集している集合体を意味する。二次粒子径とは、二次粒子の直径を意味する。二次粒子径は、例えば、TEM写真、及びSEM写真等によって求めることができる。二次粒子径に対応する指標値は、例えば、二次粒子径そのもの、レーザー光線の散乱度、及びUV吸収度等を挙げることができる。
処理室では、電池材料の本体となる原材料の表面をリチウム伝導体で被覆する処理を行う。言い換えると、処理室では、電池材料の原材料に前駆体ゾルゲル溶液を塗布し乾燥させることにより原材料の表面をリチウムイオン伝導体で被覆する。例えば、処理室には、原材料に前駆体ゾルゲル溶液を塗布する塗布手段、及び塗布した前駆体ゾルゲル溶液の乾燥を行う乾燥手段が備えられていてもよい。塗布手段は、例えば、噴霧器等を挙げることができる。乾燥手段は、例えば、送風機、脱水機、及び乾燥機等を挙げることができる。なお、処理室は、塗布を行う第1の処理室と乾燥を行う第2の処理室とに分かれていてもよい。
保存容器では、前駆体ゾルゲル溶液の保存をする。保存容器は前駆体ゾルゲル溶液を保存することができるものであれば特に限定されない。保存容器は、前駆体ゾルゲル溶液の攪拌をするための攪拌手段を備えてもよい。
導入路は、保存容器から前駆体ゾルゲル溶液を処理室に導入する。なお、導入路が噴霧器を兼ねていてもよい。
測定手段は、保存容器の前駆体ゾルゲル溶液の前駆体の二次粒子径に対応する指標値を測定する。測定手段は、例えば、プロセッサやメモリ等を含んで構成される装置である。例えば、測定手段は、保存容器から測定のために前駆体ゾルゲル溶液を導入する測定導入路を備えていていてもよい。また、例えば、測定手段は、導入路に測定端子を配置して、前駆体ゾルゲル溶液の前駆体の二次粒子径に対応する指標値を測定してもよい。
以上により、本発明に係る電池材料の製造装置は、原材料に塗布をした前駆体ゾルゲル溶液の前駆体が原材料の表面を稠密に被覆することができ、この状態の前駆体ゾルゲル溶液を乾燥させることにより、稠密度の高いリチウムイオン伝導体で本体の表面が被覆された電池材料を提供することができる。
本発明に係る電池材料の製造装置の一態様では、上記電池材料用コート装置であって、上記前駆体の二次粒子径に対応する指標値に基づいて被覆を行うことの可否を判定する、判定手段を更に備える。
判定手段は、例えば、プロセッサやメモリ等を含んで構成される装置である。なお、測定手段に用いるプロセッサやメモリ等と判定手段が用いるプロセッサやメモリ等を共通させてもよい。例えば、判定手段は、測定手段で測定した前駆体の二次粒子径に対応する指標値と基準となる指標値とを比較することにより、被覆を行うことの可否を判定する。
本発明に係る電池材料の製造装置の他の態様では、上記前駆体の二次粒子径に対応する指標値は上記前駆体ゾルゲル溶液のUV吸収度である。
ここで、UV吸収度とは紫外線が吸収される度合いを意味する。
この態様によれば、UV吸収度を測定することにより、簡単に前駆体の二次粒子径に対応する指標値を求めることができる。
本発明に係る電池材料の製造装置の他の態様では、上記電池材料用コート装置であって、
上記原材料を流動させる流動用の気体を上記処理室に導入する気体導入路と、上記流動用の気体を上記処理室から排出する気体排出路と、上記気体導入路と上記気体排出路のうち少なくとも一方に配置され上記気体を吸引する吸引装置と、を更に備える。
上記原材料を流動させる流動用の気体を上記処理室に導入する気体導入路と、上記流動用の気体を上記処理室から排出する気体排出路と、上記気体導入路と上記気体排出路のうち少なくとも一方に配置され上記気体を吸引する吸引装置と、を更に備える。
ここで、気体導入路とは、原材料を流動させる流動用の気体を処理室に導入する通路を意味し、気体排出路とは、流動用の気体を処理室から排出する通路を意味する。吸引装置は、流動用の気体を吸引する装置を意味する。なお、気体導入路と気体排出路とが接続し、気体導入路、気体排出路、及び処理室を含んだ1つの系が構成されてもよい。
この態様によれば、原材料を処理室の中で流動させることができる。
本発明に係る電池材料の製造装置の他の態様では、上記電池材料用コート装置であって、上記処理室内の底部に設けられて回転する回転部材と、上記回転部材を回転駆動する回転駆動装置と、を更に備える。
ここで、回転部材とは処理室内の底部に設けられて回転する部材を意味する。回転部材は、例えば、回転盤、及び回転羽等を挙げることができる。回転駆動装置は回転部材を回転駆動する装置を意味する。回転駆動装置は、例えば、電気モータ、圧力モータ、及びエンジン等を挙げることができる。
この態様によれば、原材料が処理室の底部に堆積することを抑制することができる。
本発明に係る電池材料の製造装置の他の態様では、上記リチウムイオン伝導体は、LiNbO3、Li2Ti2O5、及びLi4Ti5O12からなる群から選択される少なくとも1種類以上の固体電解質を有する。
本発明に係る電池材料の製造装置の他の態様では、上記固体電解質は、LiNbO3である。
本発明に係る電池材料の製造装置の他の態様では、上記原材料は、LiNiCoMnO2、LiCoO2、及びLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2からなる群から選択される少なくとも1種類以上の活物質を有する活物質粒子である。
本発明に係る電池材料の製造装置の他の態様では、上記活物質粒子は、LiNiCoMnO2である。
本発明においては、稠密度の高いリチウムイオン伝導体で本体の表面が被覆された電池材料を提供することができる。
以下、本発明の電池材料用コート装置及び電池材料の製造方法について、詳細に説明する。
図1及び図2を参照して、実施形態に係る電池材料用コート装置及び電池材料の製造方法について説明する。図1は電池材料用コート装置を表す概略図である。図2は電池材料の製造方法を概念的に表すフローチャートである。
図1において、流動層装置100は、処理室10、保存容器15、導入路20、及び測定装置25を備えた、本発明に係る電池材料用コート装置の一例である。
具体的には、流動層装置100は、判定装置30、回転盤35、モータ40、気体導入路45、気体排出路50、吸引装置55、噴霧器60、制御部65、攪拌機70、測定導入路75、及び測定排出路80を更に備える。
処理室10は、例えば、アクリル樹脂やABS樹脂等の樹脂製、あるいはステンレスやアルミ等の金属製であり、円筒状の装置を使用することができる。
保存容器15では、リチウムイオン伝導体の前駆体ゾルゲル溶液の保存をする。保存容器15は前駆体ゾルゲル溶液を保存することができるものであれば特に限定されない。保存容器15の材料は、例えば、ガラス、金属、及び樹脂等を挙げることができる。保存容器15には攪拌機70が備えられており、前駆体ゾルゲル溶液を攪拌しながら被覆処理をすることができる。攪拌機70は、必要に応じて、攪拌羽根や攪拌子等を有する。
導入路20により保存容器15から前駆体ゾルゲル溶液を処理室10に導入する。導入路20は、例えば、チューブ及びパイプ等を挙げることができる。保存容器15から処理室19に前駆体ゾルゲル溶液を導入するには、例えば、液送ポンプ等を用いることができ、導入路20は、図示しない液送ポンプを備えていてもよい。
噴霧器60は、処理室10の下部に位置し、電池材料の原材料に前駆体ゾルゲル溶液をスプレーする。噴霧器60の位置は上記の位置に限定されず、例えば、処理室10の上部であってもよい。噴霧器60には、前駆体ゾルゲル溶液を微細化するために図示しないアトマイズ用気体導入路が設けられていてもよい。アトマイズ用気体としては、例えば、窒素、及び酸素等を挙げることができる。噴霧器60の方式は、例えば、2流体式、及び超音波方式等を挙げることができる。
回転盤35は、処理室10の底部に設けられて水平に回転する。回転盤35の中心部には円錐状の隆起部材を設けてもよい。隆起部材は滑らかな曲面を有しており、原材料は隆起部材を滑り落ちながら運動方向の径方向に変化することができ、原材料が処理室10の底部に堆積することを抑制することができる。
モータ40は、処理室10の下部に位置し、回転盤35を回転駆動する。
気体導入路45により原材料を流動させる流動用の気体を処理室10に導入し、気体排出路50により流動用の気体を処理室10から排出する。
吸引装置55は、気体排出路50に設けられ、流動用の気体を吸引する。吸引装置55は、例えば、循環用のファンを挙げることができる。なお、吸引装置55の位置は上記の位置に限定されず、流動用の気体を吸引できる位置であれば流動層装置100のいずれかの位置に配置することができる。
測定導入路75により、前駆体ゾルゲル溶液を測定装置25に導入し、測定排出路80により前駆体ゾルゲル溶液を測定装置25から保存容器15に排出する。なお、測定導入路75と測定排出路のうち少なくとも一方はバルブを備えていてもよい。バルブによって前駆体ゾルゲル溶液の流動を抑制することができる。バルブは各種既存のバルブを用いることができる。バルブは、例えば、ゲートバルブ、グローブバルブ、ボールバルブ、及びバタフライバルブ等を挙げることができる。
測定装置25は、保存容器15に保存された前駆体ゾルゲル溶液の前駆体のUV吸収度を測定する。測定装置25は、例えば、プロセッサやメモリ等を含んで構成される装置である。UV吸収度は前駆体ゾルゲル溶液の前駆体の二次粒子径の大きさに対応する。したがって、測定装置25は、UV吸収度を測定することにより前駆体ゾルゲル溶液の前駆体の二次粒子径の大きさに応じた値を得ることができる。
判定装置30は、プロセッサやメモリ等を含んで構成される装置である。なお、測定装置25に用いるプロセッサやメモリ等と判定装置30が用いるプロセッサやメモリ等を共通させてもよい。判定装置30は、測定装置25で測定した前駆体のUV吸収度と基準となるUV吸収度とを比較することにより、被覆を行うことの可否を判定する。なお、基準となるUV吸収度は、例えば、予め実験を行って決定する。実験では、二次粒子径の異なる前駆体を複数準備し、原材料に被覆を行った場合のリチウムイオン伝導体の良否から基準となるUV吸収度を決定することが考えられる。
制御部65は、判定装置30が判定した被覆を行うことの可否に応じて、処理室10に導入をされる前駆体ゾルゲル溶液の制御をする。即ち、被覆を行うことは可であると判定した場合は原材料の表面をリチウムイオン伝導体で被覆する処理を行い、被覆を行うことは不可であると判定した場合は導入を停止する。制御は、例えば、バルブ等を用いることによって行うことができる。バルブは各種既存のバルブを用いることができる。バルブは、例えば、ゲートバルブ、グローブバルブ、ボールバルブ、及びバタフライバルブ等を挙げることができる。制御部65はプロセッサやメモリ等を含んで構成される装置であってもよい。この場合は、制御を自動で行うことができる。なお、制御部65に用いるプロセッサやメモリ等と判定装置30が用いるプロセッサやメモリ等を共通させてもよい。
以下、図1に示す流動層装置100の動作の一部について、活物質粒子の表面がリチウムイオン伝導体で被覆された電池材料の製造を例に挙げて説明する。
まず、処理室10に収容された活物質粒子85は、気体導入路45によって導入される流動用に気体によって浮遊流動する。
次に、活物質粒子85の流動層に向けて噴霧器60からリチウムイオン伝導体の前駆体ゾルゲル溶液90がスプレーされる。
ここで、噴霧器60からスプレーされる前駆体ゾルゲル溶液90の液体の成分によって、活物質粒子85が湿潤を受けると同時に、前駆体ゾルゲル溶液85の前駆体、即ち固体の成分が活物質粒子85の表面に付着する。言い換えると、活物質粒子85に前駆体ゾルゲル溶液90が塗布をされる。
そして、前駆体ゾルゲル溶液90の乾燥をさせることにより活物質粒子85の表面にリチウムイオン伝導体の被覆層が形成される。上述の塗布及び乾燥によって、活物質粒子85の表面はリチウムイオン伝導体で被覆をされる。
最後に、活物質粒子85を浮遊流動させた、流動用に気体は吸引装置55によって吸引され気体排出路50から排出される。
以上のように構成される流動層装置100による電池材料の製造方法について、図2を参照して、活物質粒子の表面がリチウムイオン伝導体で被覆された電池材料を例に挙げ、工程ごとに説明する。
まず、原材料としての活物質粒子とリチウムイオン伝導体の前駆体ゾルゲル溶液とを準備し、開始する。
次に、測定工程では、前駆体ゾルゲル溶液のUV吸収度を測定する(ステップS10)。
UV吸収度は前駆体ゾルゲル溶液の前駆体の二次粒子径の大きさに対応する。したがって、測定工程でUV吸収度を測定することにより前駆体の二次粒子径の大きさに応じた値を得ることができる。
UV吸収度は前駆体ゾルゲル溶液の前駆体の二次粒子径の大きさに対応する。したがって、測定工程でUV吸収度を測定することにより前駆体の二次粒子径の大きさに応じた値を得ることができる。
続けて、判定工程では、測定工程で測定した前駆体ゾルゲル溶液のUV吸収度と基準となるUV吸収度とを比較することにより被覆を行うことの可否を判定する(ステップS20)。判定工程は、例えば、測定した前駆体ゾルゲル溶液のUV吸収度が定められた規格内であれば、被覆を行うことは可であると判定し、規格外であれば被覆を行うことは不可であると判定する。なお、基準となるUV吸収度は、例えば、予め実験を行って決定する。実験では、前駆体の二次粒子径が異なる前駆体ゾルゲル溶液を複数準備し、原材料に被覆を行った場合のリチウムイオン伝導体の良否から基準となるUV吸収度を決定する。
ここで、判定工程で被覆を行うことは可であると判定した場合には(ステップS20:Yes)、被覆工程で、活物質粒子に前駆体ゾルゲル溶液を塗布し乾燥させることにより活物質粒子の表面をリチウムイオン伝導体で被覆する(ステップS30)。
他方、判定工程で被覆を行うことは不可であると判定した場合には(ステップS20:No)、前駆体ゾルゲル溶液の導入が停止される。そして、溶液交換工程で、リチウムイオン伝導体の前駆体ゾルゲル溶液の交換を行う(ステップS40)。交換方法は、例えば、溶液交換用のバルブ、及びカートリッジ等を用いることを挙げることができる。溶液交換工程で、交換された新たに被覆に用いる前駆体ゾルゲル溶液は、測定工程でUV吸収度を測定される。
また、スプレー量判定工程では、スプレーした前駆体ゾルゲル溶液の量が目標値に達しているか判定する(ステップS50)。スプレーした前駆体ゾルゲル溶液の量が目標値に達している場合には(ステップS50:Yes)、処理を終了する。スプレーした前駆体ゾルゲル溶液の量が目標値に達していない場合には(ステップS50:No)、測定工程で前駆体ゾルゲル溶液のUV吸収度を測定し、処理を続ける。
以上により、本発明に係る電池材料の製造装置及び製造方法は、活物質粒子に塗布をした前駆体ゾルゲル溶液の前駆体が活物質粒子の表面を稠密に被覆することができ、この状態の前駆体ゾルゲル溶液を乾燥させることにより、稠密度の高いリチウムイオン伝導体で本体の表面が被覆された電池材料を提供することができる。
前駆体ゾルゲル溶液の前駆体の二次粒子径は、保存する時間が長いほど大きくなることが考えられる。ここで、もし仮に長時間保存したことによって前駆体の二次粒子径が大きくなった前駆体ゾルゲル溶液を被覆に用いる場合、前駆体の二次粒子径が大きい前駆体ゾルゲル溶液を塗布し乾燥させることになるので、リチウムイオン伝導体の稠密度が低下する恐れがある。
しかるに本実施形態によれば、前駆体の二次粒子径に対応する指標値に基づいて被覆を行うことができるので、リチウムイオン伝導体の稠密度を高くすることのできる範囲で前駆体ゾルゲル溶液を被覆に用いることができる。即ち、前駆体の二次粒子径が小さい前駆体ゾルゲル溶液を塗布し乾燥させることができるので、稠密度の高いリチウムイオン伝導体で本体の表面が被覆された電池材料を提供することができる。
例えば、本体の表面が反応抑制層としてのリチウムイオン伝導体で被覆された正極活物質粒子を正極層に用いる場合、正極層は、正極活物質粒子、固体電解質粒子、導電化材料、及び結着材料等が含有された合剤層を用いることができる。したがって、もし仮に正極活物質粒子の本体表面のリチウムイオン伝導体に割れがある場合、正極活物質と固体電解質とが反応し高抵抗部位が発生する恐れがある。
しかるに本実施形態によれば、稠密度の高いリチウムイオン伝導体で本体の表面が被覆された正極活物質粒子を提供することができる。そのため、高抵抗部位の発生を抑制することができ、正極活物質粒子と固体電解質粒子との界面をリチウムイオンが移動する際の抵抗を抑制することができる。そのため、性能の高い正極層を提供することができる。
リチウムイオン伝導体は、ゾルゲル法を用いて合成することができるものであれば特に限定されない、リチウムイオン伝導体の材料は、例えば、硫化物固体電解質、酸化物固体電解質、及び窒化物固体電解質等を挙げることができる。硫化物系固体電解質としては、硫黄成分を含有し、イオン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではない。例えば、Li2S−P2S5、70Li2S−30P2S5、80Li2S−20P2S5、Li2S−SiS2、及びLiGe0.25P0.75S4等を挙げることができる。酸化物系固体電解質としては、例えば、LiPON、Li1+XAlXTi2−X(PO4)3、Li1+XAlXGe2−X(PO4)3、Li7La3Zr2O12、Li5La3Nb2O12、Li2Ti2O5、Li4Ti5O12及びLiNbO3を挙げることができる。リチウムイオン伝導体の材料は1種類を単独で用いる、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
電池材料の本体は、例えば、シート状の電極体、シート状の固体電解質層、正極活物質粒子、負極活物質粒子、固体電解質粒子、及び固体電解質層の補強に用いる機械的強度が高い粒子等を挙げることができる。上述した電池材料の本体に含まれる材料は、例えば、固体電解質、正極活物質、及び負極活物質等を挙げることができる。
固体電解質としては、上述のリチウムイオン伝導体と同様の材料を用いることができる。
正極活物質としては、例えば、硫化物系活物質、及び酸化物系活物質等を挙げることができる。硫化物系活物質は、例えば、TiS2、MoS2、FeS、FeS2、CuS、及びNiS2等を挙げることができる。酸化物系活物質は、例えば、Bi2O3、Bi2Pb2O5、CuO、V6O13、LiCoO2、LiCrO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn2O4、Li2NiMn3O8、LiNiCoMnO2、Li3NiCoMnO6、LiMgMn3O8、LiNiGe3O8、LiNiVO2、LiCoVO2、LiFePO4、及びLiCoPO4等を挙げることができる。正極活物質は、1種類を単独で用いる、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
負極活物質としては、例えば、炭素系材料、Li金属、Li合金、酸化物材料、窒化物材料等を挙げることができる。炭素系材料は、例えば、黒鉛、カーボンナノチューブ、メソカーボンマイクロビーズ、高配向性グラファイト、ハードカーボン、及びソフトカーボン等を挙げることができる。Li合金は、例えば、Mg、Ca、Al、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Ag、Au、Zn、Cd、及びHg等とLiとの合金を挙げることができる。酸化物材料としては、例えば、Nb2O5、TiO2、Li4Ti5O12、WO2、及びFe2O3等を挙げることができる。窒化物材料としては、例えば、Li3−XCoXN、Li3−XNiXN、Li3−XCuXN等を挙げることができる。負極活物質は、1種類を単独で用いる、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[合成例]
まず、等モルのLiOC2H5(高純度科学製)及びNb(OC2H5)5(高純度科学製)を用意した。次に、C2H5OH溶液と準備したLiOC2H5とを混合し、LiOC2H5が完全に溶解するまで約1時間攪拌した。そして、LiOC2H5が溶解した溶液と準備したNb(OC2H5)5とを混合し、約1時間攪拌して加水分解によりリチウムイオン伝導体の前駆体ゾルゲル溶液を生成した。なお、前駆体の組成式はLiNb(OH)6である。
[実験例1]
合成例で得られた前駆体ゾルゲル溶液を生成直後にスポイトを用いて石英基板上に塗布し、乾燥させることにより固体電解質膜を成形した。この過程で前駆体ゾルゲル溶液中のLiNb(OH)6は縮合重合によりLiNbO3となる。固体電解質膜はLiNbO3を含んで構成される。ここで固体電解質膜はリチウムイオン伝導体である。
[実験例2]
合成例で得られた前駆体ゾルゲル溶液を更に攪拌し続け、合計24時間攪拌した。24時間攪拌した前駆体ゾルゲル溶液の一部を取り出し、実験例1と同様にして石英基板上に塗布し、乾燥させることにより固体電解質膜を成形した。この過程で前駆体ゾルゲル溶液中のLiNb(OH)6は縮合重合によりLiNbO3となる。固体電解質膜はLiNbO3を含んで構成される。ここで固体電解質膜はリチウムイオン伝導体である。
[実験例3]
実験例2で使用した前駆体ゾルゲル溶液を更に攪拌し続け、合計168時間攪拌した。169時間攪拌した前駆体ゾルゲル溶液を取り出し、実験例1と同様にして石英基板上に塗布し、乾燥させることにより固体電解質膜を成形した。この過程で前駆体ゾルゲル溶液中のLiNb(OH)6は縮合重合によりLiNbO3となる。固体電解質膜はLiNbO3を含んで構成される。ここで固体電解質膜はリチウムイオン伝導体である。
[評価]
実験例1〜3で得られた石英基板上のLiNbO3表面の光学顕微鏡写真をそれぞれ取り、LiNbO3表面のひび割れ状態の確認を行った。光学顕微鏡写真の撮影にはキーエンス社製のVHX−1000を用いた。その結果を表1に示す。また、実験例1〜3で使用した前駆体ゾルゲル溶液のUV吸収度をそれぞれ測定した。UV吸収度は、島津製作所製のUV3600を用いて測定した。
[合成例]
まず、等モルのLiOC2H5(高純度科学製)及びNb(OC2H5)5(高純度科学製)を用意した。次に、C2H5OH溶液と準備したLiOC2H5とを混合し、LiOC2H5が完全に溶解するまで約1時間攪拌した。そして、LiOC2H5が溶解した溶液と準備したNb(OC2H5)5とを混合し、約1時間攪拌して加水分解によりリチウムイオン伝導体の前駆体ゾルゲル溶液を生成した。なお、前駆体の組成式はLiNb(OH)6である。
[実験例1]
合成例で得られた前駆体ゾルゲル溶液を生成直後にスポイトを用いて石英基板上に塗布し、乾燥させることにより固体電解質膜を成形した。この過程で前駆体ゾルゲル溶液中のLiNb(OH)6は縮合重合によりLiNbO3となる。固体電解質膜はLiNbO3を含んで構成される。ここで固体電解質膜はリチウムイオン伝導体である。
[実験例2]
合成例で得られた前駆体ゾルゲル溶液を更に攪拌し続け、合計24時間攪拌した。24時間攪拌した前駆体ゾルゲル溶液の一部を取り出し、実験例1と同様にして石英基板上に塗布し、乾燥させることにより固体電解質膜を成形した。この過程で前駆体ゾルゲル溶液中のLiNb(OH)6は縮合重合によりLiNbO3となる。固体電解質膜はLiNbO3を含んで構成される。ここで固体電解質膜はリチウムイオン伝導体である。
[実験例3]
実験例2で使用した前駆体ゾルゲル溶液を更に攪拌し続け、合計168時間攪拌した。169時間攪拌した前駆体ゾルゲル溶液を取り出し、実験例1と同様にして石英基板上に塗布し、乾燥させることにより固体電解質膜を成形した。この過程で前駆体ゾルゲル溶液中のLiNb(OH)6は縮合重合によりLiNbO3となる。固体電解質膜はLiNbO3を含んで構成される。ここで固体電解質膜はリチウムイオン伝導体である。
[評価]
実験例1〜3で得られた石英基板上のLiNbO3表面の光学顕微鏡写真をそれぞれ取り、LiNbO3表面のひび割れ状態の確認を行った。光学顕微鏡写真の撮影にはキーエンス社製のVHX−1000を用いた。その結果を表1に示す。また、実験例1〜3で使用した前駆体ゾルゲル溶液のUV吸収度をそれぞれ測定した。UV吸収度は、島津製作所製のUV3600を用いて測定した。
表1に示されるように、生成直後と1日間保存した前駆体ゾルゲル溶液を石英基板に塗布し、乾燥させた場合に成形される固体電解質膜には、ひび割れがない、即ち稠密度が高いことが示された。
ここで、ひび割れとは、ひび割れの幅が0.1μm〜20.0μmの範囲にあるものを意味し、より限定的にはひび割れの幅が0.2μm〜2.0μmの範囲にあるものを意味する。ひび割れの幅は、各種既存の測定装置により測定することができる。例えば、光学顕微鏡写真により測定することができる。
稠密度とは、イオン伝導体(固体電解質膜)表面の単位面積に対するひび割れがない面積の割合ことをいう。イオン伝導体の表面の面積をS0イオン伝導体の表面においてひび割れが存在する面積をS1とすると、稠密度=(S0−S1)/S0である。稠密度は、好ましくは60%〜100%であり、より好ましくは70%〜100%であり、更に好ましくは90%〜100%である。
図3は、実験例1により得られた石英基s板上のLiNbO3表面の光学顕微鏡写真である。図4は、実験例2により得られた石英基板上のLiNbO3表面の光学顕微鏡写真である。図5は、実験例3により得られた石英基板上のLiNbO3表面の光学顕微鏡写真である。図3及び図4から、実験例1及び実験例2により得られたLiNbO3には、ひび割れがない、即ち稠密度が高いことを確認することができた。図5から、実験例3により得られたLiNbO3には、幅が約1μm〜15μmのひび割れが存在する、即ち稠密度が低いことを確認することができた。
稠密度が高いLiNbO3を成形することができるメカニズムを推定すると、その成形時において、石英基板に塗布をした前駆体ゾルゲル溶液のLiNb(OH)6の二次粒子径が小さいため、LiNb(OH)6石英基板の表面を稠密に被覆することができ、この状態の前駆体ゾルゲル溶液を乾燥させることにより、石英基板表面のLiNbO3の稠密度が高くなるためであると考えられる。なお、石英基板の濡れ性と電池材料の原材料、例えば、LiNiCoMnO2の濡れ性とは等しいため、石英基板で実験を行った結果は、電池材料の原材料に対応すると考えられる。
図6は、実験例1〜3で使用した前駆体ゾルゲル溶液のUV吸収度を島津製作所製のUV3600を用いて測定した結果である。UV吸収度は前駆体ゾルゲル溶液のLiNb(OH)6の二次粒子径の大きさに対応し、UV吸収度が大きいほどLiNb(OH)6の二次粒子径も大きくなる。そのメカニズムとしては、LiNb(OH)6の二次粒子径が大きいほどUVが吸収されることが考えられる。LiNbO3の稠密度を高するために、UV吸収度は、500nm〜1000nmの波長領域の平均値が0.0〜2.0であることが好ましく、より好ましくは0.0〜1.5であり、更に好ましくは0.0〜0.5である。また、図6からLiNb(OH)6の二次粒子径は攪拌時間が長いほど大きくなることが示された。
本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更もまた本発明の技術思想に含まれる。
10…処理室
15…保存容器
20…導入路
25…測定装置
30…判定装置
35…回転盤
40…モータ
45…気体導入路
50…気体排出路
55…吸引装置
60…噴霧器
65…制御部
70…攪拌機
75…測定導入路
80…測定排出路
85…活物質粒子
90…前駆体ゾルゲル溶液
100…流動層装置
15…保存容器
20…導入路
25…測定装置
30…判定装置
35…回転盤
40…モータ
45…気体導入路
50…気体排出路
55…吸引装置
60…噴霧器
65…制御部
70…攪拌機
75…測定導入路
80…測定排出路
85…活物質粒子
90…前駆体ゾルゲル溶液
100…流動層装置
Claims (15)
- 本体の表面がリチウムイオン伝導体で被覆をされた電池材料の製造方法であって、
前記電池材料の本体の原材料を準備する、原材料準備工程と、
前記リチウムイオン伝導体の前駆体ゾルゲル溶液を準備する、前駆体準備工程と、
前記前駆体ゾルゲル溶液の前駆体の二次粒子径に対応する指標値を測定する、測定工程と、
前記前駆体の二次粒子径に対応する指標値に基づいて被覆を行うことの可否を判定する、判定工程と、
前記判定工程において、被覆が可の場合は前記原材料に前記前駆体ゾルゲル溶液を塗布し乾燥させることにより前記原材料の表面をリチウムイオン伝導体で被覆する、被覆工程と、
前記判定工程において、被覆が否の場合は被覆を停止する、停止工程と、
を備えることを特徴とする、電池材料の製造方法。 - 前記測定工程における前記二次粒子径に対応する指標値は前記前駆体ゾルゲル溶液のUV吸収度であることを特徴とする、請求項1に記載の電池材料の製造方法。
- 前記リチウムイオン伝導体は、LiNbO3、Li2Ti2O5、及びLi4Ti5O12から選択される少なくとも1種類以上の電解質を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の電池材料の製造方法。
- 前記リチウムイオン伝導体は、少なくともLiNbO3を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の電池材料の製造方法。
- 前記電池用粒子の本体は、LiNiCoMnO2、LiCoO2、及びLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2から選択される少なくとも1種類以上の活物質を有する活物質粒子であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電池材料の製造方法。
- 前記電池用粒子の本体は、少なくともLiNiCoMnO2を有する活物質粒子であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電池材料の製造方法。
- 電池材料の本体の表面をリチウムイオン伝導体で被覆する電池材料用コート装置であって、
前記電池材料の本体の原材料の表面を前記リチウム伝導体で被覆する処理を行う処理室と、
前記処理に用いる前記リチウムイオン伝導体の前駆体ゾルゲル溶液を保存する保存容器と、
前記保存容器から前記前駆体ゾルゲル溶液を前記処理室に導入する導入路と、
前記前駆体ゾルゲル溶液の前駆体の二次粒子径に対応する指標値を測定する測定手段と、
を備えることを特徴とする、電池材料用コート装置。 - 請求項7に記載の電池材料用コート装置であって、
前記前駆体の二次粒子径に対応する指標値に基づいて被覆を行うことの可否を判定する、判定手段を更に備えることを特徴とする、電池材料用コート装置。 - 前記前駆体の二次粒子径に対応する指標値は前記前駆体ゾルゲル溶液のUV吸収度であることを特徴とする、請求項7又は8に記載の電池材料用コート装置。
- 請求項7〜9のいずれか一項に記載の電池材料用コート装置であって、
前記原材料を流動させる流動用の気体を前記処理室に導入する気体導入路と、
前記流動用の気体を前記処理室から排出する気体排出路と、
前記気体導入路と前記気体排出路のうち少なくとも一方に配置され前記気体を吸引する吸引装置と、
を更に備えることを特徴とする、電池材料用コート装置。 - 請求項10に記載の電池材料用コート装置であって、
前記処理室内の底部に設けられて回転する回転部材と、
前記回転部材を回転駆動する回転駆動装置と、
を更に備えることを特徴とする、電池材料用コート装置。 - 前記リチウムイオン伝導体は、LiNbO3、Li2Ti2O5、及びLi4Ti5O12から選択される少なくとも1種類以上の電解質を有することを特徴とする、請求項7〜11のいずれか一項に記載の電池材料用コート装置。
- 前記リチウムイオン伝導体は、少なくともLiNbO3を有することを特徴とする、請求項7〜11のいずれか一項に記載の電池材料用コート装置。
- 前記電池用粒子の本体は、LiNiCoMnO2、LiCoO2、及びLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2から選択される少なくとも1種類以上の活物質を有する活物質粒子であることを特徴とする、請求項7〜13のいずれか一項に記載の電池材料用コート装置。
- 前記電池用粒子の本体は、少なくともLiNiCoMnO2を有する活物質粒子であることを特徴とする、請求項7〜13のいずれか一項に記載の電池材料用コート装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011091444A JP2012226876A (ja) | 2011-04-15 | 2011-04-15 | 電池材料の製造方法及び製造装置 |
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JP2011091444A Withdrawn JP2012226876A (ja) | 2011-04-15 | 2011-04-15 | 電池材料の製造方法及び製造装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015149275A (ja) * | 2014-02-07 | 2015-08-20 | 三星エスディアイ株式会社Samsung SDI Co.,Ltd. | 正極活物質、それを採用した正極及びリチウム電池、並びに該正極活物質の製造方法 |
JP2018067474A (ja) * | 2016-10-20 | 2018-04-26 | Dowaエレクトロニクス株式会社 | リチウム二次電池電極材料の製造方法、リチウム二次電池の製造方法、リチウム−ニオブ溶液 |
CN117133919A (zh) * | 2023-10-23 | 2023-11-28 | 宜宾锂宝新材料有限公司 | 一种改性锂离子电池正极材料及其制备方法和锂电池 |
-
2011
- 2011-04-15 JP JP2011091444A patent/JP2012226876A/ja not_active Withdrawn
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