JP2012224613A - ラクトバシルス属微生物で発酵させた菊芋発酵抽出物を有効成分として含む糖尿病の予防及び治療用薬学的組成物(CompositioncontainingextractofJerusalemartichokefermentedbyLactobacillussp.forpreventingandtreatingdiabetesmellitus) - Google Patents

ラクトバシルス属微生物で発酵させた菊芋発酵抽出物を有効成分として含む糖尿病の予防及び治療用薬学的組成物(CompositioncontainingextractofJerusalemartichokefermentedbyLactobacillussp.forpreventingandtreatingdiabetesmellitus) Download PDF

Info

Publication number
JP2012224613A
JP2012224613A JP2011281339A JP2011281339A JP2012224613A JP 2012224613 A JP2012224613 A JP 2012224613A JP 2011281339 A JP2011281339 A JP 2011281339A JP 2011281339 A JP2011281339 A JP 2011281339A JP 2012224613 A JP2012224613 A JP 2012224613A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lactobacillus
fermented
chrysanthemum
diabetes
extract
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011281339A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5421348B2 (ja
Inventor
Sang Kyu Nam
サンギュ ナム
Jae Kwan Hwang
ゼグァン ファン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Publication of JP2012224613A publication Critical patent/JP2012224613A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5421348B2 publication Critical patent/JP5421348B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K36/00Medicinal preparations of undetermined constitution containing material from algae, lichens, fungi or plants, or derivatives thereof, e.g. traditional herbal medicines
    • A61K36/18Magnoliophyta (angiosperms)
    • A61K36/185Magnoliopsida (dicotyledons)
    • A61K36/28Asteraceae or Compositae (Aster or Sunflower family), e.g. chamomile, feverfew, yarrow or echinacea
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L33/00Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof
    • A23L33/10Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof using additives
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K35/00Medicinal preparations containing materials or reaction products thereof with undetermined constitution
    • A61K35/66Microorganisms or materials therefrom
    • A61K35/74Bacteria
    • A61K35/741Probiotics
    • A61K35/744Lactic acid bacteria, e.g. enterococci, pediococci, lactococci, streptococci or leuconostocs
    • A61K35/747Lactobacilli, e.g. L. acidophilus or L. brevis
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12RINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES C12C - C12Q, RELATING TO MICROORGANISMS
    • C12R2001/00Microorganisms ; Processes using microorganisms
    • C12R2001/01Bacteria or Actinomycetales ; using bacteria or Actinomycetales
    • C12R2001/225Lactobacillus
    • C12R2001/23Lactobacillus acidophilus
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12RINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES C12C - C12Q, RELATING TO MICROORGANISMS
    • C12R2001/00Microorganisms ; Processes using microorganisms
    • C12R2001/01Bacteria or Actinomycetales ; using bacteria or Actinomycetales
    • C12R2001/225Lactobacillus
    • C12R2001/25Lactobacillus plantarum

Abstract

【課題】糖尿病の予防、改善及び/または治療効果を有する組成物の提供。
【解決手段】ラクトバシルス属微生物で発酵させた菊芋発酵抽出物を有効成分として含む糖尿病の予防及び治療用薬学組成物および健康食品組成物。該組成物は発酵させていない菊芋抽出物よりも抗糖尿効果がはるかに優れている。
【選択図】図6

Description

本発明はラクトバシルス属微生物を利用した菊芋発酵抽出物を含む糖尿病の予防及び治療用組成物に関する。具体的にラクトバシルス属微生物(Lactobacillus sp.)で発酵させた菊芋発酵抽出物を含む糖尿病の予防、改善及び/又は治療効果を有する組成物に関する。
最近急速な生活水準の向上により、高カロリー飲食の過多摂取、運動不足及び産業社会の高度化に伴うストレスにより、疾病の様相も漸次西欧化しつつある。成人病の発病率が増加している趨勢であり、代表的に高血圧、糖尿病、肥満、高脂血症等がこれに属し、特に、糖尿病の場合、全ての慢性疾患の原因になっている。
糖尿(diabetes mellitus)は膵臓のベータ細胞から分泌されるインシュリンが不足したり、その機能を十分発揮できず体内でブドウ糖がエネルギー源として利用できず、血液内に残り小便で排泄される疾患である。しかしながら、このような現象等は糖尿病発生初期に現れる急性症状に過ぎず、慢性になる場合、これにより血液循環障碍、慢性疲労、高血圧、心筋梗塞、糖尿病性神経病症、網膜病症(視力障害、失明、網膜出血)、白内障等の合併症を誘発して人体全般の代謝機能及び感覚機能低下を招き致命的な結果をもたらす。現在広く使用されている糖尿病治療剤は、経口投与用血糖降下剤とインシュリンとに大別される。一般的に体内でインシュリン分泌がないインシュリン依存型糖尿病患者や妊娠性糖尿病患者、経口用血糖降下剤で血糖調節がなされないインシュリン非依存性糖尿病患者には、食餌療法と運動療法を並行するにもかかわらず適切な血糖調節ができなかった。従って、インシュリン非依存性糖尿病患者は血糖降下剤を服用させるのが通説である。
菊芋(Jerusalem artichoke)は北米が原産地で、菊科の多年草植物にして、野生植物であるので肥料を与えなくても良く育ち、病虫害にも強く不調な気候条件でも良く育つ。古くから漢方の重要薬剤として活用されるほどに人体に有益な球根作物として知られ、多量のイヌリン(inulin)成分が含まれており、体内で分解されないので摂取後血糖を上昇させず、逆に低下させて膵臓を強化することにより、インシュリン分泌を促すとして知られている。菊芋のような天然植物素材は多様な生理活性物質と、抗酸化物質を含有していて、抗糖尿、抗老化、抗癌、抗炎、免疫機能改善等の多様な効果を示すが、抽出以降には不安定でたまには刺激的であるので人体に毒性を示す場合もたまたまある。従って、最近では天然抽出物を安定化させるか又は毒性を減らすか、安定した誘導体に転換させて効果を高めようとする試みが進められている。その一環として微生物や酵素を利用した生物学的転換方法が開発されており、代表的な方法として発酵を例に挙げられる。発酵は微生物が有している酵素を利用して有機物を分解させ、人間生活に有用に使用できる物質を製造する過程である。人体に有用な物質を作り出す代表的な発酵微生物には、乳酸菌、酵母等があって、多様な食品等が発酵過程により生成される。乳酸菌及び酵母などの微生物発酵により天然植物素材の効能を極大化させるか又は安全性問題を解決するための試みは、多様な食品、薬品等の開発において重要な意味を有する。
菊芋が糖尿病に効果があるとの事実については既に公知されたものであるが、乳酸菌で発酵させた菊芋の糖尿病治療効果については未だに報告されていない。
本発明者等は新たな糖尿病の予防、改善及び/又は治療用組成物について研究を進めていく中で、菊芋をラクトバシルス属微生物を利用して発酵した際、アルファグルコシダーゼの抑制活性が一層増加し、糖尿病に対する予防及び治療効果が優れた発酵物が製造されることを確認して本発明を完成した。
本発明の目的はラクトバシルス属微生物で発酵させた菊芋発酵抽出物を有効成分として含む糖尿病の予防及び治療用組成物を提供することである。
本発明の他の目的はラクトバシルス属微生物で発酵させた菊芋発酵抽出物を有効成分として含む糖尿病の予防及び改善用健康食品組成物を提供することである。
前記目的を達成するために、本発明はラクトバシルス属微生物で発酵させた菊芋発酵抽出物を有効成分として含む糖尿病の予防及び治療用薬学的組成物を提供することである。
本発明の他の目的を達成するために、本発明はラクトバシルス属微生物で発酵させた菊芋発酵抽出物を有効成分として含む糖尿病の予防及び改善用機能性食品組成物を提供する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明はラクトバシルス属微生物で発酵させた菊芋発酵抽出物を有効成分として含む糖尿病の予防及び治療用薬学的組成物に関する。
菊芋は天然インシュリン食品として評価されており、菊芋はイヌリン成分が15乃至20%含有されているが、これは澱粉を含まずヒトの消化酵素で分解できない成分であって、血中に吸収されずにそのまま排出される。さらに、一緒に摂取した食品が小腸で糖質吸収を遅らせる作用をして血糖上昇を抑制する。
発酵(fermentation)とは、微生物そのものが有する酵素を利用して有機物を分解させる過程であって、薬用成分を有する人参等の漢方薬剤の場合、発酵を経ると体内吸収効率が増加するとして知られている。本発明で前記ラクトバシルス属微生物はこれに限定はされないが、ラクトバシルスラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバシルスアシドフィルス(Lactobacillus acidophlus)、ラクトバシルスプランタルーム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバシルスブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバシルスカセイ(Lactobacillus casei)、ラクトバシルスラクチス(Lactobacillus lactis)、ラクトコークスコンフサス(Lactococcus confusus)、ラクトバシルスルトリ(Lactobacillus reutri)、ラクトバシルスブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバシルスデルブルキー(Lactobacillus delbruekii)、ラクトバシルスジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバシルスラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバシルスサケイ(Lactobacillus sakei)又はラクトバシルスブチネリ(Lactobacillus buchneri)でもある。望ましくは、ラクトバシルスアシドフィルース(Lactobacillus acidophlus)、又はラクトバシルスプランタルーム(Lactobacillus plantarum)でもある。
本発明の一実施例では発酵により有効成分の変化が生じ、薬用成分の効果が向上するか否かを確認するため、発酵させていない菊芋と、菊芋をアスファジラースオリザエ、バシルスリケニホミス、ラクトバシルスプランタルーム、ラクトバシルスアシドフィルース、及びバシルスサブチリスで発酵させた菊芋発酵物であるアルファーグルコシターゼ抑制効果を測定した結果、ラクトバシルス属微生物で発酵させた菊芋発酵物が、発酵していない菊芋または他の微生物で発酵させた菊芋発酵物より効果がはるかに優れていることを確認した。
本発明の他の実施例では発酵により有効成分の変化が起こり、薬用成分の効果が向上するか否かを確認するため、発酵させていない菊芋と発酵させた菊芋の発酵物の成分を比べて薄膜クロマトグラフィー及びフラクタン(fructan)含量を比較する実験を行った結果、菊芋ラクトバシルスプランタルーム発酵物の場合、高流動性成分が増加され、このような結果からラクトバシルスプランタルームで菊芋を発酵した際、一部成分の変化が起ることが分った。
本発明の菊芋のラクトバシルスプランタルーム発酵抽出物の動物モデルでの糖尿病治療効果を確認するため、本発明の一実施例では糖尿病を誘発したねずみに、本発明の菊芋ラクトバシルスプランタルーム発酵抽出物を含有した食餌を投与して、血中グルコースの量、体重変化量、食後血糖変化量、小腸内グルコシダーゼ活性及び血液分析等を行った。前記実験の結果から菊芋ラクトバシルスプランタルーム発酵抽出物は糖尿病の治療効果を有する事実を確認した。
本発明はラクトバシルス属微生物で発酵させた菊芋発酵抽出物を有効成分として含む糖尿病の予防及び治療用薬学的組成物を提供する。
本発明の菊芋ラクトバシルス属微生物で発酵物させた菊芋発酵物は、それ自体または薬学的に許容可能な塩の形態で使用できる。前記薬学的に許容されるとは、生理学的に許容されヒトに投与された時、通常的にアレルギー反応またはこれと類似した反応を起こさないことを意味し、前記塩では薬学的に許容可能な遊離酸(free acid)により、形成された酸付加塩が好ましい。前記遊離酸は有機酸と無機酸を使用できる。前記有機酸はこれに制限はされないが、クエン酸、酢酸、乳酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、ギ酸、プロピオン酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、ベンゾ酸、グルコン酸、メタスルホン酸、グリコール酸、琥珀酸、4-トルエンスルホン酸、グルタミン酸及びアスパラギン酸を含む。前記無機酸はこれに制限はされないが、塩酸、臭素酸、硫酸及びリン酸を含む。
前記薬学的組成物の場合には、前記ラクトバシルス属微生物で発酵させた菊芋発酵物を単独で含むか、または一つ以上の薬学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤を追加して含むことができる。前記の“薬学的に許容される”とは、生物学的に許容されてヒトに投与された時、通常的にアレルギー反応またはこれと類似した反応を起こさない組成物を意味する。
薬学的に許容される担体には、例えば、経口投与用担体または非経口投与用担体を追加して含むことができる。経口投与用担体はラクトース、澱粉、セルロース誘導体、マグネシウムステアレート、ステアリン酸等を含むことができる。さらに、非経口投与用担体は水、適切なオイル、食塩水、水性グルコース及びグリコール等を含むことができ、安定化剤を追加して含むことができる。適切な安定剤には亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸のような硫酸化剤がある。適切な保存剤にはベンズアルコニウムクロライド、メチルまたはプロピルパラベン及びクロロブタノールがある。その他の薬学的に許容される担体には、下記文献の記載を参考にすることができる(Remington's Pharmaceutical Sciences,19th ed., Mack Publishing Company, Easton, PA,1995)。
本発明の糖尿病予防又は治療用薬学的組成物は、ヒトを含む哺乳動物にどのような方法でも投与することができる。例えば、経口または非経口で投与できる。非経口投与方法にはこれに限定はされないが、静脈内、筋肉内、動脈内、骨髄内、境膜内、心臓内、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸管、局所、舌下または直腸内に投与することもできる。本発明の薬学的組成物は経皮投与することができる。前記の“経皮投与”とは、本発明の薬学的組成物を細胞または皮膚に投与して糖尿病の予防又は治療用薬学組成物に含まれた活性成分が皮膚内に伝達されることを意味する。例えば、本発明の薬学組成物を注射型製剤に製造してこれを30ゲージの細い注射針で皮膚を軽く刺す(prick)方法、または皮膚に直接塗布する方法で投与することもできる。
前記薬学組成物は上述したように投与経路によって経口投与用または非経口投与用製剤に剤形化することができる。
経口投与用製剤の場合に、本発明の組成物は粉末、顆粒、錠剤、丸剤、糖衣錠剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁液などで当業界に広く知られた方法を利用して剤形化することができる。例えば、経口用製剤は活性成分を固体賦形剤と配合してこれを粉砕し、適切な補助剤を添加して顆粒混合物に加工することにより、錠剤または糖衣錠剤を得ることができる。適切な賦形剤の例にはラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール及びマルチトールなどを含む糖類と、トウモロコシ澱粉、小麦澱粉、お米澱粉及ぼすジャガ芋澱粉などを含む澱粉類、セルロース、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースなどを含むセルロース類、ゼラチン、ポリビニルピロリドンなどのような充填剤を含むことができる。場合によっては、架橋結合ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸またはナトリウムアルギネートなどを崩解剤として添加することができる。本発明の薬学組成物は抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤などを含むことができる。
非経口投与用製剤の場合には、注射剤、クリーム剤、ローション剤、外用軟膏剤、オイル剤、保湿剤、ゲル剤、エアロゾル及び鼻腔吸込み剤の形態で当業界に広く知られた方法で製剤化することができる。これら製剤は全ての製薬化学に一般的に公知の処方書である文献(Remington’s Pharmaceutical Science, 15th Edition,1975. Mack Publishing Company, Easton, Pennsylvania 18042, Chapter 87:Blaug, Seymour)に記載されている。
本発明の菊芋ラクトバシルスプラタルーム発酵物の全有効量は単一投与量(single dose)で患者に投与することができ、多重投与量(multiple dose)で長期間投与される分割治療方法(fractionated treatment protocol)により投与することができる。本発明の薬学組成物は疾患の程度により有効成分の含量を異にすることができる。本発明のラクトバシラス属微生物で発酵させた菊芋発酵物の全用量は1日当り患者の体重1kg当り約0.01乃至1,000mg、望ましくは、0.1乃至100mgである。前記菊芋ラクトバシルスプラタルーム発酵物の用量は薬学組成物の投与経路及び治療回数だけでなく、患者の年令、体重、健康状態、性別、疾患の重症度、食餌及び排泄率など多様な要因などを考慮して、患者に対する有効投与量が決まるので、このような点を考える時、当分野の通常の知識を有する者であれば、前記ラクトバシラス属微生物で発酵させた菊芋発酵物を糖尿病の予防又は治療剤としての特定の使用に伴う適切な有効投与量を決めることができる。本発明に伴う薬学組成物は本発明の効果を示す限りその剤形、投与経路及び投与方法に制限はされない。
前記薬学組成物は、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤及び防腐剤などを追加して含むことができる。
非経口投与用製剤の場合には、注射剤の形態で当業界に広く知られた方法で剤形化することができる。これらの剤形は全ての製薬化学に一般的に公知の処方書の文献( Remington’s Pharmaceutical Science, 15th Edition,1975. Mack Publishing Company, Easton, Pennsylvania 18042, Chapter 87:Blaug, Seymour)に記載されている。
本発明はラクトバシラス属微生物で発酵させた菊芋発酵抽出物を有効成分として含む糖尿病の予防及び改善用健康食品組成物に関する。
本発明の食品組成物は機能性食品(functional food)、栄養補助剤(nutritional supplement)、健康食品(health food)及び食品添加剤(food additives)などを全て含む。
前記類型の食品組成物は当業界に広く知られた一般的な方法により多様な形態に製造することができる。これに限定はされないが、例えば、健康食品にはラクトバシルス属微生物で発酵させた菊芋発酵物をお茶、ジュース及びドリンクの形態に製造して飲用できるように液状化、顆粒化、カプセル化及び粉末化して摂取することができる。さらに、ラクトバシルス属微生物で発酵させた菊芋発酵物と糖尿病に効果があるとして知られた公知の活性成分とともに、混合して組成物の形態に製造することができる。また機能性食品にはこれに限定はされないが飲料(アルコール性飲料を含む)、果実及びその加工食品(例:果実缶詰、瓶詰、ジャム、ママレートなど)、魚類、肉類及びその加工食品(例:ハム、ソーセージ、コーンビーフなど)、パン類及び麺類(例:うどん、そば、ラーメン、スパゲティー、マカロニなど)、果汁、各種ドリンク、クッキー、飴、乳製品(例:バーター、チーズなど)、食用植物油脂、マーガリン、植物性蛋白質、レトルト食品、冷凍食品、各種調味料(例:味噌、醤油、ソースなど)などにラクトバシルス属微生物で発酵させた菊芋発酵物を添加して製造することができる。さらに、ラクトバシルス属微生物で発酵させた菊芋発酵物を食品添加剤の形態で使用するためには、粉末または濃縮液状に製造して使用することができる。
本発明の食品組成物の内、ラクトバシルス属微生物で発酵させた菊芋発酵物の含有量ではこれに限定はされないが、望ましくは最終的に製造された食品中に0.1乃至90重量%である。より望ましくは本発明のラクトバシルス属微生物で発酵させた菊芋発酵物を有効成分として含有する食品組成物は、特に糖尿病に効果があるとして知られた活性成分とともに混合して健康食品の形態に製造することができる。
本発明のラクトバシルス属微生物で発酵させた菊芋発酵物は、菊芋粉末に蒸留水及びラクトバシルス属微生物を添加して20℃乃至40℃で1乃至60時間発酵して製造する。これに限定はされないが、前記発酵抽出は物菊芋粉末に蒸留水及びラクトバシルス属微生物、具体的にラクトバシルスプランタルームを添加して35℃乃至40℃で12乃至60時間発酵する段階;前記発酵された菊芋を 100乃至150℃で10乃至20分間殺菌して凍結乾燥する段階;前記殺菌処理した発酵菊芋に水を加え、ソニケータで抽出して遠心分離する段階;及び前記遠心分離後上澄液を採って乾燥する段階を含む過程により製造される。
本発明では菊芋の乳酸菌発酵物の中でも、アルファグルコシターゼ活性が最も高く示された菌株であるラクトバシルス属微生物、特に、ラクトバシルスプランタルームまたはラクトバシルスアシドフィルースを利用して発酵物を製造した。望ましくはラクトバシルスプランタルーム、より望ましくはラクトバシルスプランタルームはKCTC3103を利用した。
ラクトバシルスプランタルームはかん菌であって、グラム陽性菌である乳酸菌の一種である。牛乳、チーズ、バーター、穀物、パンなどの食品発酵に広く使用され、特に、キムチの発酵に重要な役割をする菌株である。
前記ラクトバシルス属微生物で発酵させた菊芋発酵抽出物はソニケーターを利用して抽出する。菊芋をラクトバシルス属微生物で発酵させて発酵物を凍結乾燥し、前記乾燥された発酵物に蒸留水を添加してソニケーターで抽出する。前記抽出はこれに限定はされないが、40℃乃至50℃で30乃至90分間抽出するのが望ましく、本発明の一実施例では45℃で1時間抽出した。
前記抽出物を分離して菊芋発酵物の水溶性成分のみを採り、これを凍結乾燥する過程を経る。水溶性成分のみを採るために遠心分離する過程を含み、これに限定はされないが、前記遠心分離は2℃乃至5℃で10乃至20分間が望ましい。本発明の一実施例では4℃で15分間分離した。凍結乾燥過程は一般的な凍結乾燥過程により行い、前記菊芋のラクトバシルス属微生物発酵物の凍結乾燥と同一な方法で行える。
上述したとおり、本発明はラクトバシルス属微生物で発酵させた菊芋発酵抽出物を含む糖尿病の予防、改善及び/又は治療効果を有する組成物に関する。本発明の組成物は発酵していない菊芋抽出物よりも抗糖尿効果が優れていて、新たな糖尿病の予防、改善及び/又は治療用組成物を提供する目的に有用に使用することができる。
図1は発酵前の菊芋抽出物及びラクトバシルスプランタルームで発酵した菊芋抽出物の薄膜クロマトグラフィーの結果を示した図。 図2は正常群(Lean)と糖尿病誘発群(C)、アカボス(acarbose)投与群(AB)、菊芋ラクトバシルスプランタルーム発酵抽出物投与群(LJA1,LJA2)の空腹血糖量を測定した結果を示し、各処理群は下記の通りである。Lean:無処理群、C:糖尿病群、AB:糖尿+acarbose 0.5g/kgを含む食餌、LJA1:糖尿+LJA 1.5g/kgを含む食餌、LJA2:糖尿+LJP 3g/kgを含む食餌群。 図3は正常群(Lean)と糖尿病誘発群(C)、アカボス(acarbose)投与群(AB)、菊芋ラクトバシルスプランタルーム発酵抽出物投与群(LJA1,LJA2)の7週間の体重変化量を示したもので、各処理群は下記の通りである。Lean:無処理群、C:糖尿病群、AB:糖尿+acarbose 0.5g/kgを含む食餌、LJA1:糖尿+LJA 1.5g/kgを含む食餌、LJA2:糖尿+LJP 3g/kgを含む食餌群。 図4は正常群(Lean)と糖尿病誘発群(C)、アカボス(acarbose)投与群(AB)、菊芋ラクトバシルスプランタルーム発酵抽出物投与群(LJA1,LJA2)の食後血糖量を食後30分、60分、90分及び120分にそれぞれ測定した結果を示したもので、各処理群は下記の通りである。Lean:無処理群、C:糖尿病群、AB:糖尿+acarbose 0.5g/kgを含む食餌、LJA1:糖尿+LJA 1.5g/kgを含む食餌、LJA2:糖尿+LJP 3g/kgを含む食餌群。 図5は前記図4の各処理群別曲線下面積(AUC)を比較して示した図。 図6は小腸のProximal,middle,distal部分のグリコシダーゼ(マルターゼ(maltase)、ラクターゼ(lactase)、スクラーゼ(sucrase))活性を測定した結果をそれぞれ示した図。
以下、本発明を実施例により詳しく説明する。
ただし、下記実施例は本発明を例示するのみで本発明の内容が下記実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
菊芋発酵物の製造
(1)各乳酸菌種類別発酵物の製造
実験材料は紫色の菊芋粉末10乃至20g、または15kgに蒸留水90乃至180mLまたは、150Lを添加し、アスペルギルスオリザ(Aspergillus oryzae)、バシルスリチェニフォミス(Bacillus licheniformis)、ラクトバシルスプランタルーム(Lactobacillus Plantarum,KCTC3130)、バシルスサブチリス(Bacillus subtillis,KCTC1666)を2乃至3%添加して12乃至60時間発酵した。発酵後80℃乃至 125℃で10乃至20分間殺菌、凍結乾燥して粉末を得た。
発酵して得た粉末と発酵しない原材料5%に蒸留水500mLを加えて45℃で1時間ソニケーター(Sonicator)を利用して抽出した後、4℃、10,000rpmで15分間遠心分離して得た上澄液を凍結乾燥して下記表1のような粉末試料を得た。発酵していない菊芋抽出物と発酵物の抽出物間の収率には殆ど差がなかった。
(2)発酵物内フラクタン含量測定
この実験は、Megazyme Fructan assay procedure kitを利用した。Sample Blankは溶媒200μlに0.1Mアセト酸ナトリウムバッファ(pH4.5)100μlを混合し、PAHBAH Working Reagentを5ml混合し、80℃で6分間反応後、18乃至20℃ので5分間冷まし、410nmで測定した。D−プラクトーススタンダード測定はD−プラクトーススタンダード(1.5mg/ml)200μlと、0.1Mアセト酸ナトリウムバッファ(pH 4.5)900μlを混合した。混合した試料の一部200μlに、0.1Mアセト酸ナトリウム(pH 4.5)100μlを混合した後、PAHBAH Working Reagent5mlを混合して80℃で6分間反応後18乃至20℃で5分間冷まし、410nmで測定した。4個の試料処理は200μlにスクラーゼ200μlを入れて40℃で30分間反応させ、水素化ホウ素ナトリウムバッファ(10mg/mL)200μlを入れて40℃で30分間反応させた。この反応中に生じた還元糖を糖アルコールに転換する。反応後0.2Mアセト酸を500μl添加し、この溶液200μlにフルクタナーゼ(Fructanase)100μlを入れ、0.1Mアセト酸ナトリウムバッファ(pH4.5)100μlを入れ、40℃で20分間反応すれば試料そのものの中に含まれているフラクタン(fructan)がD−プラクトースとD−グルコースで加水分解される。反応後前記物質にPAHBAH Working Reagentを5mlを混合して80℃で6分間反応後18乃至20℃で5分間冷まし、410nmで吸光度を測定した。
計算法(fructan % w/w as is)=ΔA×F×V/VW×2.48
ΔA=サンプル吸光度ーサンプルブランク吸光度
F =D−Fructoseの吸光度変化因子(μg)
=(54.5μg D-Fructose)/(absorbance for 54.5μg D-Fructose)
V =使用した溶媒の嵩(mL)(50or100mL)
W =サンプル抽出物の重さ(mg)
その結果、下記表1に示した通り、フラクタンの含量は乳酸菌発酵をしない菊芋と比べて、ラクトバシルスプランタルームで発酵した場合、フラクタンの量が少し減少し、アスペルギルスオリザ、バシルスリチェニフォミス及びバシルスサブチリス発酵物の場合、殆ど変化がないことを確認した。
(3)グルコシターゼ阻害活性測定
動物の小腸粘膜から分泌される炭水化物消化酵素の一種であるアルファグルコシダーゼ(α-glucosidase)は基質としてp-ニトロフェニール−α−D−グルコピラノシド(p-nitrophenyl−α−D−glucopyranoside)を使用する。アルファグルコシダーゼを利用して溶媒のみを入れた対照群と一定濃度の試料抽出液を入れて反応させた処理区の吸光度変化を観察して試料の酵素阻害活性度を評価した。つまり、PBSに0,4mg/ml BSA(bovine serum albumin)、0.04mg/ml NaN3の濃度で溶解し、0.5U/mlのアルファグルコシダーゼ酵素を溶解させて酵素溶液を作り、p-ニトロフェニール−α−D−グルコピラノシドをPBSに2mM濃度で溶解して基質溶液を作って使用した。酵素液 300μlに試料50μlを入れ、水650μlを添加して405nmで試料の吸光度を測定した後、酵素液と試料を同量に、水500μlを添加して基質150μlを加えて室温で3分間反応させ、405nmで吸光度を測定した。酵素活性の阻害程度は下記の式により算出した。
酵素活性阻害度(%)=(1-(S/C))×100
S:試料添加後吸光度変化
C:試料を添加しない対照群の吸光度変化
その結果、下記表1に示した通り、ラクトバシルスプランタルームで発酵させた菊芋発酵物の場合、アルファグルコシダーゼ抑制活性が他の菌株に比べて増加したのを確認した。特に、発酵時間が短いほど抑制効果が増加することが分った。しかしながら、他の菌株の場合、発酵の際、ラクトバシルスプランタルームで発酵した場合に比べてアルファグルコシダーゼ抑制活性が増加せず、その活性度において差が表れ、菊芋を乳酸菌で発酵させた場合であっても全てアルファグルコシダーゼ抑制活性が高くなるものではない事実を分った。
(4)薄膜クロマトグラフィー確認
菊芋発酵の際、成分を比較分析するため、発酵前及び乳酸菌発酵物それぞれの試料を対象にクロマトグラフィー(Thin Layer Chromatography)分析をした。乳酸菌未処理群、ラクトバシルスプランタルーム発酵群、バシルスサブチリスKCTC-1666発酵群及びバシルスサブチリスKFCC11492P発酵群の試料を10mg/mL濃度に10μlをTLCした。展開溶媒はAcetonitrileとH2 Oを9:1の比で混合した溶媒を利用した。発色試薬にはsolution A(0.2g each of aniline and diphenylamine per 20ml of 96% ethanol)20mlとsolution B(85% phosphoric acid)2mLを混合したものを利用した。硫酸発色には硫酸10%濃度のメタノールを噴射して高温で炭化させた。
その結果、図1に示した通り、発酵の際、構成成分の分解により果糖(fructose)を含む高流動性物質(high-mobility materials)が生成されたことを確認することができた。
<実施例2>
発酵時間に伴う菊芋発酵物の製造
前記実施例1でアルファグルコシダーゼ抑制活性が優れたラクトバシルスプランタルームを利用して、菊芋を発酵時間に伴うアルファグルコシダーゼ抑制活性の変化を測定してその結果を下記表2に示した。
前記表2に示した通り、ラクトバシルスプランタルームで発酵物させた菊芋発酵抽出物は、発酵時間によってアルファグルコシダーゼ抑制効果が変化するが、12乃至60時間まではアルファグルコシダーゼ抑制効果が優れて糖尿病治療効果も優れた結果をもたらした。
<実験例1>
菊芋発酵物の糖尿病治療効果
<1−1>実験動物及び飼料管理
糖尿実験動物は(株)中央実験動物から6週令の雄C57BLKS/J-db/db mouse(30〜35g)19匹と、正常対照群C57BLKS/J-db/m+mouse5匹を分譲してもらい1週間適応させて実験に利用した。
動物実験の飼育環境は温度23℃、湿度60%、騒音60phone以下、臭気20ppm以下、照明150-300lux、照明時間12時間light/dark cycleを維持した。飼料(ピュリナー、韓国)と水を自由給与した。動物実験飼育管理はfor the Care and Use ofLaboratory Animals基準にして実験は翰林大学校実験動物倫理委員会の承認を得て行われた。
<1−2>実験設計
実験動物は16時間絶食後、血糖測定器(Accucheck,Germany)で尻尾静脈から血糖を測定した。空腹血糖250mg/dL以上を示す動物を糖尿病が誘発されたものと見做して実験に使用した。試料の抗糖尿活性を調べるため試料を飼料に添加して給与した。糖尿が誘発された動物を無作為で4群の試験群に分けてC(diabetic control)3匹、ABアカボス(Acarbose)200mg/kg)6匹、LJA1(ラクトバシルスプランタルーム(KCTC3103))発酵菊芋1.5g/kgを含む食餌)7匹、LJA2(ラクトバシルスプランタルーム(KCTC3103))発酵菊芋3g/kgを含む食餌)7匹などに処理し、正常対照群にC57BLKS/J-db/m+mouse5匹(lean)を使用して10週間空腹血糖及び体重変化を測定した。ラクトバシルスプランタルーム発酵菊芋は前記実施例1でラクトバシルスプランタルームで36時間発酵させた菊芋発酵抽出物を使用した。
その結果、図2に示した通り、給与1週目に一般飼料のみを給与したcontrol群が急激な血糖上昇が起こったが、菊芋発酵抽出物及びアカボス(Acarbose)を給与した群では、緩慢な上昇を示した。全給与期間中菊芋発酵抽出物を給与した群がcontrol群に比べて血糖が低い傾向を示し、最終7週目にはLJA1群の血糖がさらに低くなり、他の群では見られなかった。
体重変化について、図3に示した通り、7週間の実験期間中の体重変化は正常ねずみと肥満糖尿ねずみとの体重の差があるのみ、各処理区間の体重には大きな差がなかった。
下記表3は各群間の日々の飼料摂取量と飼料効率を計算した結果を示したものである。図3に示した結果と同様に表4に示した通り、正常群と肥満糖尿誘発ねずみとの間の差があるのみで群間の差はなかった。
AB :糖尿+Acarbose 0.5g/kgを含む食餌
LJA1:糖尿+LJA1.5g/kgを含む食餌
LJA2:糖尿+LJP 3g/kgを含む食餌
a、b、は同一な行に含まれた互いに異なる文字は明らかに異なるものであることを意味する。(P<0.05);それぞれの数値±S.D、FER、food efficiency ratio =body weight gain(g)/food intake(g)
<1−3>食後血糖変化測定
試料の食後血糖降下効果を測定するため、実験8週目に6時間空腹後C群とLean群は可溶性澱粉(2g/kg、Sigma Co.,USA)を、アカボス投与群は可溶性澱粉とアカボス(20mg/kgを経口投与し、菊芋発酵物は低濃度(LJA1,200mg/kg)、高濃度(LJA2,400mg/kg)を経口投与した。投与前0分と投与後30,60,120分にそれぞれ尻尾静脈から血糖を測定した。
その結果、図4に示した通り、糖尿病群では正常群に比べて食後30分の血糖量が増加したことが分り、何も投与していない糖尿病群に比べて菊芋発酵抽出物投与群では、濃度依存的に血糖の上昇率が減少したことを確認した。具体的に図5では、図3のグラフの曲線下面積(AUC)を比較して表した。その結果、糖尿病群のCではその面積が15000以上に大きく増加したが、菊芋投与群であるLJA1及び LJA2は15000を越えず、10000に近い値を有するものとして示された。前記結果からLJA投与群では食後血糖上昇率が比較的少ないことが分った。
<1−4> 小腸のアルファグルコシダーゼ活性検索
前記実験対象マウスの小腸を摘出し、氷の上で生理食塩水で洗滌して十二指腸部分を同じ長さに3等分してそれぞれをproximal, middle, distalに区分して生理食塩水で洗滌した後、均質化緩衝液(0.5M NaCl,0.5 M KCl,5mM EDTA,pH7.0)を添加して均質化後20000gで30分間遠心分離して得た沈殿物に生理食塩水を加え、3000rpmで40分間遠心分離して上澄液を酵素液として使用した。
基質(10mmsucrose,2mM maltose,1%starch in 0.1M phosphate buffer, pH7)0.1mlに各部分別に分離した酵素液0,1mlと0.1Mリン酸バッファ(pH7)0.2mlと混合して37℃でスクロースは180分、マルトースは40分、澱粉は120分間反応させ、100℃で5分間処理して反応を停止させた。それぞれの試料を3000rpmで5分間5遠心分離して得た上澄液0.1mlをグルコース試薬0.75mlと37℃で30分間反応させ、1N HCl 0.5mlで反応停止後492nmで吸光度値を測定した。
その結果、図6に示した通り、菊芋発酵抽出物の給与により、マルターゼの活性がcontrolに比べてproximalでやや低く表われ、他の部位では差がなかった。反面ラクターゼの抑制活性は小腸全部位で表われた。特にmiddle,distalで特定的に表われ、菊芋発酵抽出物の濃度増加に伴い、抑制活性が増加した。本発明の発酵物はスクラーゼの活性には影響は及ばなかったが、distal部位でLJA1,LJA2処理群全てcontrolより有意的に低い活性を示した。
<1−5>血液分析
実験終了後対象マウスの眼窩より採血した。血液から長期間維持血糖水準を確認するために、糖化血色素(HLCr-723GHbC7,Tosoh,Denmark)を利用してHbAlcを測定した。血中グルコース濃度を血液から4℃で3,000rpmで15分間遠心分離して得た血漿を血液生化学測定器(Thermo,USA)で測定した。血中インシュリン及びアジポネクチン(adiponectin)含量はそれぞれmouse insulin ELISA Kit(Shibay,Japan),mouse adiponectin/Acrp30 kit (R&D system,UK)を利用して測定した。
その結果、表4に示した通り、血液内グルコース量はそれぞれの処理群とcontrol間に差はなかったが、HbAlcの場合には、菊芋発酵抽出物を給与した群であるLJA1及びLJA2で全て有意的に低い水準を維持したことを確認した。さらに、血漿内インシュリンの含量においても、菊芋発酵物(LJA1、LJA2)を給与した群がcontrolより特徴的に高く表われながら、インシュリン分泌促進またはインシュリン分泌器官の損傷が抑制されたことが分った。
AB :糖尿+acarbose 0.5g/kgを含む食餌
LJA1:糖尿+LJA1.5g/kgを含む食餌
LJA2:糖尿+LJP 3g/kgを含む食餌
a、b、c、dは一つの行に含まれた互いに異なる文字は明らかに異なるものであることを意味する。
(P<0.05);それぞれの数値
さらに、血漿内 Triglyceride(TG)、T-CHOLの量は血液から4℃で3,000rpmで15分間遠心分離して得た血漿を血液生化学測定器(Thermo,USA)で測定した。HDL-CHOと血清内遊離脂肪酸(Nonesterified fatty acid,NEFA)はそれぞれHDL-Cholesterel Kit,NEFA-HR2 kit(Asan,Korea)で測定した。HTRはHDL-CHO-CHOとT-CHOLの比率HDL-CHO/T-CHOLで表わし、全体のコレステロールの内でHDLコレステロールの比率を把握することができるように表示してくれた。
その結果、図5に示した通り、血液内トリグリセリド(Toriglyceride)の量はLJA1及びLJA2を投与した群がcontrolに比べて顕著に減少したことが分り、LJA1とLJA2間の有意的な差はないものと確認することができた。NEFAの血清内水準も、controlと比べてLJA1及びLJA2投与群でそれぞれ14%、16%減少したことが分った。さらに、血液内総コレステロール量は各群別に殆ど差はなかったが、HDL総コレステロール比率(HTR)はcontrolに比べてLJA投与群においてさらに高く示された。特に、kg当たり3gの菊芋発酵物を投与したLJA2群において最もHTRが高く確認され、controlのHDLコレステロール水準の138.9%に測定された。
Lean,C:糖尿病群
AB :糖尿+Acarbose 0.5g/kgを含む食餌
LJA1:糖尿+LJA1.5g/kgを含む食餌
LJA2:糖尿+LJP 3g/kgを含む食餌
a、b、c、dは一つの行に含まれた互いに異なる文字は明らかに異なるものであることを意味する。
(P<0.05);それぞれの数値;HTR(%)=(HDL-Choresterol/totalcholestew)100
本発明はラクトバシルス属微生物を利用した菊芋発酵抽出物を含む糖尿病の予防、改善及び/又は治療効果を有する組成物に関する。より詳しくはラクトバシルス属微生物で発酵させた菊芋発酵抽出物を含む糖尿病の予防、改善及び/又は治療効果を有する組成物に関する。本発明の組成物は発酵していない菊芋抽出物よりも抗糖尿効果が格段と優れていて、新たな糖尿病の予防、改善及び/又は治療用組成物を提供する目的で有用に使用することができる。

Claims (5)

  1. ラクトバシルス属微生物で発酵させた菊芋発酵抽出物を有効成分として含む糖尿病の予防及び治療用薬学組成物。
  2. ラクトバシルス属微生物で発酵させた菊芋発酵抽出物を有効成分として含む糖尿病の予防及び改善用健康食品組成物。
  3. 前記ラクトバシルス属微生物はラクトバシルスラムノース(Lactobacillus rhamnosus、)、ラクトバシルスアシドフィルース(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバシルスプランタルーム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバシルスブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバシルスカセイ(Lactobacillus casei)、ラクトバシルスラクチス(Lactobacillus lactis)、ラクトバシルスンコンヒュース(Lactobacillus confusus)、ラクトバシルスルトリ(Lactobacillus reutri)、ラクトバシルスブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバシルスデルブルキー(Lactobacillus delbruekii)、ラクトバシルスジョンスニー(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバシルスラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバシルスサケイ(Lactobacillus sakei)及びラクトバシルスブチネリ(Lactobacillus buchneri)からなる群より選ばれたことを特徴とする第1項記載の組成物。
  4. 前記ラクトバシルス属微生物はラクトバシラスプランタルームまたはラクトバシルスアシドフイルースであることを特徴とする第2項記載の組成物。
  5. 前記菊芋発酵抽出物は菊芋粉末に蒸留水及びラクトバシルス属微生物を添加して20℃乃至40℃で1乃至60時間発酵して製造することを特徴とする第2項記載の組成物。
JP2011281339A 2011-04-14 2011-12-22 ラクトバシルス属微生物で発酵させた菊芋発酵抽出物を有効成分として含む糖尿病の予防及び治療用薬学的組成物(CompositioncontainingextractofJerusalemartichokefermentedbyLactobacillussp.forpreventingandtreatingdiabetesmellitus) Expired - Fee Related JP5421348B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR10-2011-0034782 2011-04-14
KR1020110034782A KR101061219B1 (ko) 2011-04-14 2011-04-14 락토바실러스속 미생물로 발효시킨 돼지감자 발효 추출물을 유효 성분으로 포함하는 당뇨병의 예방 및 치료용 약학적 조성물

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012224613A true JP2012224613A (ja) 2012-11-15
JP5421348B2 JP5421348B2 (ja) 2014-02-19

Family

ID=44956781

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011281339A Expired - Fee Related JP5421348B2 (ja) 2011-04-14 2011-12-22 ラクトバシルス属微生物で発酵させた菊芋発酵抽出物を有効成分として含む糖尿病の予防及び治療用薬学的組成物(CompositioncontainingextractofJerusalemartichokefermentedbyLactobacillussp.forpreventingandtreatingdiabetesmellitus)

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5421348B2 (ja)
KR (1) KR101061219B1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014172902A (ja) * 2013-03-05 2014-09-22 Shonan Institute For Medical & Preventive Science Lactobacillusplantarumを用いたアカモク発酵物の糖尿病態改善剤
CN105381242A (zh) * 2015-12-08 2016-03-09 鹿哲维 一种治疗阴阳两虚型糖尿病的中药组合物

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017204374A1 (ko) 2016-05-24 2017-11-30 경희대학교 산학협력단 혈당 조절 효능을 갖는 신규 유산균 및 이의 용도

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008231002A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Ina Food Ind Co Ltd 抗酸化剤及びラジカル消去活性化剤、並びにそれらいずれかが含まれた食品
JP2010193841A (ja) * 2009-02-27 2010-09-09 Fuji Sangyo Kk フルクタン含有食品からの免疫賦活発酵食品

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003259835A (ja) * 2001-12-28 2003-09-16 Oubiken:Kk 発酵製品の製造とその利用

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008231002A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Ina Food Ind Co Ltd 抗酸化剤及びラジカル消去活性化剤、並びにそれらいずれかが含まれた食品
JP2010193841A (ja) * 2009-02-27 2010-09-09 Fuji Sangyo Kk フルクタン含有食品からの免疫賦活発酵食品

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6013032019; Functional Food 第2巻,第1号, 2008, p.12-16 *
JPN6013032021; 綜合臨牀 第57巻,第7号, 2008, p.1887-1890 *

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014172902A (ja) * 2013-03-05 2014-09-22 Shonan Institute For Medical & Preventive Science Lactobacillusplantarumを用いたアカモク発酵物の糖尿病態改善剤
CN105381242A (zh) * 2015-12-08 2016-03-09 鹿哲维 一种治疗阴阳两虚型糖尿病的中药组合物

Also Published As

Publication number Publication date
KR101061219B1 (ko) 2011-09-01
JP5421348B2 (ja) 2014-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5408872B2 (ja) 栗由来の糖質分解酵素阻害物質、及びその用途
CN109718255B (zh) 一种消除宿醉酶粉末的制备方法和含有该成分的消除宿醉用组合物
KR100966613B1 (ko) 혈당상승억제 효능을 나타내는 아르기닌 유도체 또는 이의 염을 포함하는 조성물의 제조방법
KR101992537B1 (ko) 신규한 락토바실러스 사케이 및 이를 포함하는 조성물
JP6759337B2 (ja) 酵素生産能が優秀である伝統発酵食品由来の新たな菌株及びこれを用いた穀物発酵酵素食品の製造方法
KR101825836B1 (ko) 신규한 락토바실러스 플란타룸 Lb41 균주 및 이를 포함하는 당뇨 또는 인슐린 저항성 증후군의 예방 및 치료용 약학적 조성물
KR102153080B1 (ko) 신규한 락토바실러스 살리바리우스 hem 1047 균주, 및 상기 균주 또는 이의 배양물을 포함하는 장내 환경 개선용 조성물
JP2018531036A6 (ja) 酵素生産能が優秀である伝統発酵食品由来の新たな菌株及びこれを用いた穀物発酵酵素食品の製造方法
CN114072161A (zh) 用于抑制非荧光晚期糖基化终末产物的组合物及其用途
KR102174095B1 (ko) 신규한 엔테로코커스 패시움 hem 200 균주, 및 상기 균주 또는 이의 배양물을 포함하는 장내 환경 개선용 조성물
BR112019021036A2 (pt) Nova cepa com atividade de reduzir produtos finais de gicação avançada, composição, produto fermentado, método para inibir produtos finais de glicação avançada
EP3970511A1 (en) Strain showing liver function improving activity, and use thereof
KR102201517B1 (ko) 신규한 락토바실러스 아시도필루스 hem 960 균주, 및 상기 균주 또는 이의 배양물을 포함하는 장내 환경 개선용 조성물
KR101825837B1 (ko) 신규한 락토바실러스 플란타룸 Ln4 균주 및 이를 포함하는 당뇨 또는 인슐린 저항성 증후군의 예방 및 치료용 약학적 조성물
JP6228250B2 (ja) 多糖消化阻害剤
JP5421348B2 (ja) ラクトバシルス属微生物で発酵させた菊芋発酵抽出物を有効成分として含む糖尿病の予防及び治療用薬学的組成物(CompositioncontainingextractofJerusalemartichokefermentedbyLactobacillussp.forpreventingandtreatingdiabetesmellitus)
KR102163993B1 (ko) 혼합곡물 발효효소물을 유효성분으로 하는 체중 감소 특화 대사증후군 예방 또는 치료용 조성물
Wang et al. Glucose metabolic effects of oat noodles with different processing in type 2 diabetic mice
WO2018207741A1 (ja) PGC-1α生合成促進剤および遅筋速筋化抑制剤
KR102215596B1 (ko) 신규한 스트렙토코커스 써모필러스 hem 14 균주, 및 상기 균주 또는 이의 배양물을 포함하는 장내 환경 개선용 조성물
KR102215592B1 (ko) 신규한 락토바실러스 퍼멘텀 hem 1036 균주, 및 상기 균주 또는 이의 배양물을 포함하는 장내 환경 개선용 조성물
KR102227383B1 (ko) 신규한 락토바실러스 파라카제이 hem 272 균주, 및 상기 균주 또는 이의 배양물을 포함하는 장내 환경 개선용 조성물
KR20140017933A (ko) 당뇨병 개선 효과능이 있는 탱자 발효 조성물
KR101213069B1 (ko) 발효두유의 추출물을 유효성분으로 함유하는 당뇨병 또는 당뇨병성 질환의 예방 및 혈당강하용 건강보조식품
KR102619375B1 (ko) 병풀 발효 추출물을 포함하는 비만 및 당뇨의 개선, 예방 또는 치료용 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130702

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20130930

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20131003

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131010

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131029

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131121

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5421348

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees