JP2012219320A - 太陽電池用透明導電膜の形成方法およびその形成装置 - Google Patents

太陽電池用透明導電膜の形成方法およびその形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低抵抗、高透過率および適切な表面凹凸を有する透明導電膜を、低温でより少ないプロセスで得られる太陽電池用透明導電膜の形成方法、それによって形成された透明導電膜、およびその透明導電膜を形成するための形成装置を提供する。
【解決手段】一つの真空チャンバー1内で、スパッタリング法により基板7の表面に透明導電膜を形成する方法であって、基板7の表面上に、拡散板16を通してレーザー光Lを照射しながら成膜する。
【選択図】 図1

Description

太陽電池に用いる透明導電膜の形成方法およびその形成装置に関する。
近年、太陽光発電を行うための太陽電池としては、結晶Si系太陽電池、薄膜Si系太陽電池、CIGS(Cu‐In‐Ga‐Se四元系合金)膜などを利用した化合物半導体系太陽電池、有機薄膜を利用した有機太陽電池などがある。その中で薄膜Si系太陽電池は、材料が安価で、光電変換効率も比較的高いことから利用範囲が急速に拡大している。
この薄膜Si系太陽電池は、基板(ガラスなど)、金属電極層、p型Si層、n型Si層、透明電極層を基本の構成要素とする。各層は、主にCVDやスパッタリングなどの真空成膜法で形成する。この中で、透明電極層としてはSnO系(FTO:F添加SnOなど)、In系(ITO:SnO添加Inなど)、ZnO系(AZO:Al添加ZnOなど)等の透明導電膜が用いられる。
光電変換効率を上げるには、発電層であるSiのp/n接合部に多くの光が到達するように透明導電膜の透過率を高めると同時に、発生した電荷(電子またはホール)をロスなく集電できるよう、透明導電膜の抵抗を低くすることが必要となる。それに加えて、入射した光を逃がさずに閉じ込めて効率良く発電に利用するために、透明導電膜の表面に凹凸を形成することも求められる。
そのような高透過率、低抵抗であり、かつ、適切な表面凹凸を持つ膜として、これまでに、特許文献1〜5に示すような透明導電膜が知られている。
特許文献1には、ハロゲン(Clなど)をドープしたSnO膜であって所定の凹凸組織面を有するものを透光性電気接触とし、光電変換効率を向上した光検知器が記載されている。
特許文献2には、基体上に、複数の山部と複数の平坦部の表面にミクロの多数の凸部を連続して有するFTO膜(FをドープしたSnO膜)を設け、光電変換効率を向上した光電変換素子が記載されている。
特許文献3には、200℃以下でのMOCVD法(有機金属気相法)により、基板上に表面凹凸構造の制御されたZnO透明電極を形成し、シリコン系薄膜光電変換装置の効率を改善する方法が記載されている。
透明導電膜の抵抗を下げるためには、ZnO系やIn系の透明導電膜をスパッタリング法で形成すれば良いが、通常、スパッタリング法は300℃以下の低温プロセスで行う。そのため、透明導電膜における結晶の成長が十分ではなく、表面の凹凸が大きくならないという問題がある。その問題を解決するために、種々の方法で、表面凹凸を大きくする工夫がなされている。
例えば、特許文献4には、スパッタリングで酸化亜鉛からなる透明導電膜を形成した後に、酸又はアルカリ溶液でのエッチングを行って透明電極の表面に凹凸を形成する方法が記載されている。特許文献5には、ガラス基板の表面に0.1〜1μmの絶縁性微粒子を形成した後に、その上に透明導電膜を形成して、凹凸のある透明電極を得る方法が記載されている。
特公平6−12840号公報 国際公開第2003/036657号 特開2000−252501号公報 特開平11−233800号公報 特開2003−243676号公報
ところが、特許文献1に記載のようなSnO系の透明導電膜は、ZnO系やIn系の透明導電膜と比べると抵抗率(シート抵抗と膜厚をかけた値)が大きい。このため、ZnO系等の透明導電膜と同程度のシート抵抗を得るためには、膜を厚くしなければならず、光の吸収が大きくなり透過率が下がってしまう。一方、ZnO系等の透明導電膜と同程度の膜厚にすれば、好ましい光の吸収率、透過率が得られるが、シート抵抗は上がってしまう。
また、特許文献2に記載のようなFTO膜も、ZnO系やIn系の透明導電膜と比べると抵抗率が高く、SnO系の透明導電膜と同様の問題がある。
さらに、特許文献1、2とも、透明導電膜の形成にCVD法を用いるが、CVD法は、通常500℃程度の温度で実施されるため、それより低温で実施されるスパッタリング法などと比べると、加熱・冷却に時間がかかり、生産コストが高くなる。また、CVD法では、成膜チャンバーや真空装置以外に、成膜ガスの処理などに付加的な設備が必要なため、全体の設備費がスパッタリング法等と比べて高価になる。さらに、CVD法では、十分に抵抗の低い膜を得られない。
また、特許文献3に開示された発明では、MOCVD法を用いているので、200℃以下の低温で膜の形成を行うことができるが、MOCVD法はCVD法の一種であるから、特許文献1、2と同様の欠点があった。
特許文献4、5に開示された方法を用いれば、低抵抗で表面凹凸が大きな透明導電膜が得られるが、化学エッチングや絶縁性微粒子形成のプロセスをスパッタリングの前後に追加するため、生産コストが高い。
以上のように、従来の技術では、低抵抗、高透過率で適切な表面凹凸をもつ透明導電膜を、低温で工程数の少ないプロセスで得ることができなかった。

本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであって、低抵抗、高透過率および適切な表面凹凸を有する透明導電膜を、低温でより少ないプロセスで得られる太陽電池用透明導電膜の形成方法、それによって形成された透明導電膜、およびその透明導電膜を形成するための形成装置を提供する。
本発明の透明導電膜の形成方法は、一つの真空チャンバー内で、スパッタリング法により基板の表面に透明導電膜を形成する方法であって、前記基板の表面上に、拡散板を通してレーザー光を照射しながら成膜するレーザーアシスト成膜工程とを有することを特徴とする。
この透明導電膜の形成方法では、スパッタリングによりスパッタ粒子が飛来して薄膜が形成される際に、その表面にレーザー光が連続的に照射されながら薄膜の成長が起こるので、レーザー光の照射によって薄膜の温度が上昇し、基板が加熱されなくても薄膜を形成する粒子の結晶化が促進されて、結晶性が良好でサイズが大きい結晶粒が形成される。結晶性が向上すると、光の吸収が減少して透過率が増加するのと同時に、電子移動度が向上し抵抗率が低下する。また、結晶サイズが大きくなると、表面の凹凸も大きくなり、最大高低差が膜厚の半分程度となる凹凸を形成することも可能である(例えば、1μmの膜厚で0.5μm程度の高低差のある凹凸)。
また、レーザー光を薄膜に照射すると、レーザー光の強度に応じて膜のアブレーション(蒸発)が起こるので、拡散板を通過したレーザー光を形成中の膜に照射するとその強度分布を反映して直径1〜100μm程度のクレーター状の窪みが一様に形成され、それらの分布に対応した凹凸構造を一様に持つ膜が形成される。これによって、結晶サイズに対応した細かな凹凸に加えて、クレーター状の窪みに対応する大きな凹凸が形成された二重の表面凹凸構造を構成することができる。例えば、形成される膜の厚さを0.5μm〜3μm程度とすれば、高低差が0.5μm〜3μm程度のクレーター状の窪みに対応した凹凸形状の表面に、0.05μm〜0.5μm程度の細かな結晶粒に対応した凹凸が連続的に分布した膜が形成される。このように、表面が大小の凹凸で形成された二重の表面凹凸構造の透明導電膜を形成することにより、その凹凸面での光散乱効果を増大させることができ、閉じ込めることができる光の波長を数十nm〜数十μmに広げることができる。
以上のように、基板を加熱することなく、低抵抗で透過率が高く、適切な表面凹凸を有する透明導電膜を形成することができるので、この透明導電膜を用いて形成した太陽電池の光電変換効率も向上させることができる。
また、本発明の透明導電膜の形成方法は、一つの真空チャンバー内で、スパッタリング法により基板の表面に薄膜を形成する成膜工程と、前記薄膜の表面に拡散板を通してレーザー光を照射しながら成膜するレーザーアシスト成膜工程を有することを特徴とする。
また、前記成膜工程と前記レーザーアシスト成膜工程とを繰り返すことにより透明導電膜を形成することを特徴とする。
この透明導電膜の形成方法では、レーザー光が照射されずに形成される部分が生じるが、その部分は、その後すぐに膜の形成と同時に照射されるレーザー光によって温度が上昇するので、全体として結晶性が良好で結晶サイズの大きい結晶粒の透明導電膜を形成することができる。そのため、成膜と同時にレーザー光の照射を行う場合と同様に、抵抗率が低くて透過率が高い透明導電膜となる。
また、拡散板を通したレーザー光の照射により適度な膜のアブレーションが起き、クレーター状の窪みが形成される。これによって、膜の表面に、結晶サイズに対応した細かな凹凸に加えて、クレーター状の窪みに対応した大きな凹凸が形成された二重の表面凹凸構造を構成することができるので、閉じ込められる光の波長域を広げることができる。
また、本発明の透明導電膜の形成方法は、一つの真空チャンバー内で、スパッタリング法により基板の表面に薄膜を形成する成膜工程と、前記薄膜に拡散板を通してレーザー光を照射するレーザーアシスト工程とを有することを特徴とする。
また、前記成膜工程と前記レーザーアシスト工程とを繰り返すことを特徴とする。
この透明導電膜の形成方法では、スパッタリング法により基板の表面に透明導電膜が形成された後にレーザー光が照射されることになるが、レーザー光の照射により膜の温度を上昇させることができるので、結晶性が良好でサイズが大きい結晶粒からなる透明導電膜を形成することができる。そのため、成膜と同時にレーザー光の照射を行う場合と同様に、抵抗率が低く透過率が高い透明導電膜となる。また、拡散板を通したレーザー光の照射により適度な膜のアブレーションが起き、クレーター状の窪みが形成される。これによって、透明導電膜の表面に、結晶サイズに対応した細かな凹凸に加えて、クレーター状の窪みに対応した大きな凹凸が形成された二重の表面凹凸構造とすることができるので、閉じ込められる光の波長域を広げることができる。
また、本発明の透明導電膜の形成方法において、スパッタリング成膜及びレーザー光照射をともに行わない休止工程を有してもよい。
レーザー光の照射による膜の温度上昇は瞬時に起こり、その一瞬の時間で結晶粒の成長や膜のアブレーションなどの効果は得られるので、休止工程が加わっても、抵抗率が低く透過率が高い透明導電膜となるのと同時に、その表面を二重の表面凹凸構造とすることができる。
この形成方法により、多くの基板を真空チャンバー内に投入して基板を移動させながら工程を繰り返すことができ、低抵抗で透過率が高く、適切な表面凹凸を有する透明導電膜付きの基板を短時間で大量に製造することができる。
本発明の透明導電膜は、前記透明導電膜の形成方法で作製した透明導電膜であって、表面に直径が1μm以上100μm以下のクレーター状の窪みが一様に形成されるとともに、その表面に沿って高低差が0.05μm以上1μm未満の細かな凹凸が形成されており、抵抗率が1×10−3Ω・cm以下に形成されていることを特徴とする。
このような表面形状を有する透明導電膜を形成することで、閉じ込められる光の波長領域を広げることができる。また、抵抗率を1×10−3Ω・cm以下に形成することで、より低抵抗で透過率の高い透明導電膜とすることができる。
本発明の透明導電膜の膜厚は、500nm以上に形成されるとよい。
膜厚が500nm以下であると、高抵抗となり、表面の凹凸を十分に大きくすることができない。膜厚を500nm以上とすることで、低抵抗で、表面の凹凸が大きな透明導電膜を形成することができる。
本発明の透明導電膜の形成装置は、真空チャンバーと、基板を前記真空チャンバー内でスパッタ領域を通過して移動させる基板移動機構と、前記スパッタ領域又は該スパッタ領域以外の前記基板の移動軌跡上に拡散板を通じてレーザー光を照射可能に設けられるレーザー光照射機構とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、結晶性が良好で粒径が大きい結晶粒からなり、比較的大きな凹凸形状の表面に沿って、細かな凹凸形状が形成された二重の表面凹凸構造を有する透明導電膜を、基板を加熱することなく形成することができるので、透明導電膜の抵抗率を減少させて透過率を高くできるとともに、閉じ込められる光の波長域を広くすることができる。また、加熱を必要としない低温プロセスで成膜を実施できることから、量産に適しており、このような透明導電膜が形成された基板およびその基板を用いた太陽電池の製造コストも低下させることができる。
本発明の一実施形態に係る透明導電膜の形成方法を実施するための形成装置の横断面を示す概略構成図である。 図1の形成装置の縦断面を示す概略構成図である。 図1,2とは異なる形態の透明導電膜の形成装置の横断面を示す概略構成図である。 図3の形成装置の縦断面を示す概略構成図である。 形成される透明導電膜を説明する図であり、(a)が平面図、(b)が断面図である。
本発明の一実施形態の透明導電膜の形成方法は以下のとおりである。
本実施形態の形成装置100は、図1〜4に示すように、基板7へのスパッタ成膜とレーザー光照射とが同時に行える構成とされている。
形成装置100のスパッタ成膜を行う部分は、成膜用真空チャンバー1、真空ポンプ2、電源4、基板ホルダー5、ターゲット6、などから構成されている。形成装置100は、図2及び図4にP1〜P4で示したように、四つの工程に基板7を配置できるように回転機構やインターバック機構等の基板移動機構と、真空チャンバー1の窓15から拡散板16を介して、基板7にレーザー光Lを照射するレーザー光照射機構とが備えられている。
工程P1は、図2及び図4に示すように、基板7がターゲット6上のスパッタリング領域内に配置されるが、レーザー光Lは照射されずにスパッタ成膜のみを実施する工程(成膜工程)である。また、工程P2は、図4に示すように、基板7にレーザー光Lの照射のみを実施する工程(レーザーアシスト工程)である。そして、工程P3は、工程P1と工程P2を組み合わせたものであり、基板7へのスパッタ成膜及びレーザー光Lの照射を同時に実施する工程(レーザーアシスト成膜工程)である。工程P4は、スパッタ成膜及びレーザー光Lの照射のいずれも実施しない休止工程を有する基板7の移動だけを実施する工程である。
基板移動機構は、基板7を、ターゲット6の直上を通る円周上に水平旋回させるように構成されており、基板ホルダー5に取り付けられた基板7が回転軸11によって回転移動される。
レーザー光照射機構は、レーザー装置12および光学系より構成される。利用可能なレーザー光Lの波長範囲は、近赤外域から紫外域で、レーザー装置12の種類としては、エキシマレーザー、Nd−YAGレーザー、半導体レーザーなどを用いることができる。好ましくは、多くの透明導電膜において吸収が大きい紫外域の光を放出できるエキシマレーザー、Nd−YAGレーザーなどを用いるのがよい。
光学系は、図1,2に示すターゲット6の直上の基板7、又は図3,4に示すスパッタ粒子の飛来がなくなってすぐの位置にある基板7にレーザー光Lが照射されるように、反射ミラー14等を用いて構成され、基板7の移動軌跡上にレーザー光を照射可能に設けられる。反射ミラー14は、前後左右、上下に動くと同時に水平方向および垂直方向で角度を調整できようになっている。レーザー光Lの照射位置の切り替え、調整はこの反射ミラー14を動かすことにより行なう。
また、光学系にはレーザー光Lの照射面積が調整できるよう、ピームエキスパンダー13が備わっている。
レーザー光Lを取り込むための窓15は、図1及び図2に示すように、成膜に用いるターゲット6の上に基板7が来た時にレーザー光Lが基板7に照射されるように、また、図3及び図4に示すように、基板7へのレーザー光Lの照射のみの工程もできるように、真空チャンバー1の下部などに取り付けられる。ターゲット6が複数個付いているスパッタ装置であれば、そのうちの一つをはずして、その部分に窓15を取り付けてもよい。窓15の材質は、赤外域から紫外域の光が透過できるよう石英などにするとよい。
拡散板16は、図1〜図4に示すように、真空チャンバー1の外部に、例えば窓15の手前に取り付けられる。拡散板16の種類としては、基板ガラスの片面をスリガラス(砂面)に処理したフロスト型拡散板、スリガラス面の表面をフッ化水素により腐食させ滑らかにした腐食型拡散板、基板ガラスの表面に乳白色膜を設けたオパール型拡散板などを用いることができる。好ましくは、短波長の紫外光等でも十分な拡散効果が得られるシリカガラスを用いたフロスト型拡散板や腐食型拡散板を用いるのがよい。
図中の8はカソード、9はガス導入口を示す。
以上のような構成の形成装置100を用いて、透明導電膜の成膜を行う。
スパッタリングターゲット6としては、ZnOにAlを加えたAZO焼結ターゲット、ZnOにGaを加えたGZO焼結ターゲット、InにSnOを加えたITO焼結ターゲット、SnOにSbを加えたATO焼結ターゲット、ZnにAlを加えたZnAl合金ターゲット、ZnにGaを加えたZnGa合金ターゲット、InにSnを加えたInSn合金ターゲットなどを用いる。好ましくは、AZO焼結ターゲット、GZO焼結ターゲットなどのZnO系の焼結ターゲットを用いるのがよい。その場合、Alの濃度は0.2〜3.0重量%、Gaの濃度は0.5〜6.0重量%がよい。
スパッタリング方式は、DCスパッタリング法、RFスパッタリング法、またはこれらを組みあわせたDC+RFスパッタリング法などが使用可能である。
スパッタリングガスとしては、不活性ガスの例えばArを使用する。必要に応じて、酸化性ガスや還元性ガスを導入してもよい。
成膜時の温度は可能な限り低くする。好ましくは、加熱せずに成膜を行うのがよい。
ターゲット6と基板7の間の距離は、放電が安定し、且つレーザー光Lがスパッタ中でも基板7に照射できる50〜300mm程度にする。好ましくは、抵抗が低下する50〜100mmである。
基板7としてはガラス、樹脂などを使用し、基板ホルダー5に取り付けて回転させるなど、動かしながらスパッタ成膜を行うことにより、上述した四つの工程P1〜P4を別個に行うことができる。
形成される薄膜の全体の厚さは、厚さが500nm以下であると、結晶粒の成長が十分に進まずに表面の凹凸が低下してしまうため、500nm以上であることが好ましい。
レーザー光の照射条件は、膜の温度が上昇し結晶化が促進され、適度なアブレーションが起こる程度のレーザーパワーとなるように、拡散板16を用いて、レーザー装置12の発振レーザーパワー、ビームエキスパンダー13の拡大率を調整して設定される。
膜に照射されるレーザー光の単位時間、単位面積当たりのエネルギー密度は、10mJ/(s・cm)以上100J/(s・cm)以下であることが好ましい。
ビームエキスパンダー13の拡大率は、拡散板16の目の粗さ、拡散角度を考慮して、目的のレーザー照射面積となるよう調整する。
レーザー光Lを照射しながらスパッタ成膜を行う工程P3のみでスパッタ成膜する場合は、例えば、図1及び図2に示すように、ターゲット6の中心頂上部にある基板7にレーザー光Lが照射されるように反射ミラー14を調整した後、基板7を固定したまま、スパッタ成膜とレーザー照射とを同時に行う。
この工程P3のみで透明導電膜を形成する方法では、課題を解決するための手段で述べたように、レーザー光Lの照射によって膜の温度上昇と適度なアブレーションが起き、膜の温度上昇からは結晶性の向上と結晶粒の拡大の効果により抵抗率が低く透過率が高い透明導電膜が得られ、また、膜の適度なアブレーションによって、膜の表面に結晶サイズに対応した細かな凹凸21に加えて、クレーター状の窪みに対応した大きな凹凸20が形成された二重の表面凹凸構造を構成することができる。
スパッタ成膜のみの工程P1と、レーザー光Lを照射しながらスパッタ成膜を行う工程P3とを組み合わせてスパッタ成膜する場合は、例えば、図1及び図2に示すように、ターゲット6の中心頂上部にある基板7にレーザー光Lが照射されるように反射ミラー14を調整した後、ターゲット6の面積より小さい基板7を用いて、レーザー光Lの照射面積を基板面積と同程度に調整し、基板7へのスパッタ粒子の飛来が途切れないように、ターゲット6の中心直上を中心として、基板ホルダー5の1/4円周程度の範囲で基板7を往復移動させながら、レーザー光Lの照射とスパッタ成膜とを繰り返し行う。
この場合、レーザー光Lが照射されずに形成される部分が生じるが、その部分には、その後すぐに膜の形成と同時にレーザーが光照射されるので、膜全体として温度が上昇し適度なアブレーションが起こる。それによって、前記工程P3のみを用いる方法と同様に、抵抗率が低く透過率が高い透明導電膜が得られるのと同時に、膜の表面に結晶サイズに対応した細かな凹凸21に加えて、クレーター状の窪みに対応した大きな凹凸20が形成された二重の表面凹凸構造を構成することができる。
スパッタ成膜のみの工程P1と、レーザー光Lの照射のみの工程P2とを組み合わせて行う場合は、例えば、図3及び図4に示すように、スパッタ粒子の飛来がなくなってすぐの位置にある基板7にレーザー光Lが照射されるように反射ミラー14を調整した後、そのレーザー光Lの照射位置とターゲット6上の適当な位置(スパッタ粒子の飛来がある位置、例えばターゲット6の中心上)との間で、基板7を複数回往復移動させながら、レーザー光Lの照射とスパッタ成膜とを繰り返し行う。スパッタ粒子の飛来がある位置かどうかは、各位置において基板7を固定してスパッタ成膜を行い、膜厚計を用いて膜が付いているかどうかを確認することにより行う。
この場合、膜が形成された後にレーザー光が照射されることになるが、膜の温度の上昇と適度なアブレーションは起こるので、前記工程P3のみを用いる方法と同様に、抵抗率が低く透過率が高い透明導電膜の表面に結晶サイズに対応した細かな凹凸21に加えて、クレーター状の窪みに対応した大きな凹凸20が形成された二重の表面凹凸構造を構成することができる。
スパッタ成膜のみの工程P1と、レーザー光Lを照射しながらスパッタ成膜を行う工程P3と、スパッタ成膜及びレーザー光Lの照射のいずれも実施せずに基板7の移動だけを行う工程P4とを組み合わせてスパッタ成膜する場合は、例えば、図1及び図2に示すように、反射ミラー14を調整した後、基板ホルダー5を連続的に回転させながら、レーザー光Lの照射とスパッタ成膜とを繰り返し行なう。基板7がスパッタを行なっているターゲット6から基板ホルダー5の3/4円周程度離れた基板ホルダー5の位置にある時は、膜の堆積は起こらず、回転しているのみである。
レーザー光Lの照射による薄膜の温度上昇と適度なアブレーションは瞬時に起こるので、スパッタ成膜のみの工程P1および休止の工程P4が加わっても、前記工程P3のみを用いる方法と同様に、抵抗率が低く透過率が高い透明導電膜の表面に、結晶サイズに対応した細かな凹凸21に加えて、クレーター状の窪みに対応した大きな凹凸20が形成された二重の表面凹凸構造を構成することができる。
この方法では、多くの基板7を基板ホルダー5に取り付けて、連続的に回転させながら工程を繰り返すことができるので、低抵抗で透過率が高く、適切な表面凹凸を持つ透明導電膜を有する基板を短時間で大量に製造することが可能である。
スパッタ成膜のみの工程P1と、レーザー光Lの照射のみの工程P2と、スパッタ成膜及びレーザー光Lの照射のいずれも実施せずに基板7の移動だけを行う工程P4とを組み合わせてスパッタリング成膜することもできる。例えば、図3及び図4に示すように、反射ミラー14を調整した後、基板ホルダー5を連続的に回転させながら、スパッタ成膜の工程P1、休止の工程P4、レーザー光Lを照射する工程P2、休止の工程P4を順に連続して行う。
この場合も、レーザー光Lの照射による薄膜の温度上昇と適度なアブレーションは起きるので、前記工程P3のみを用いる方法と同様に、抵抗率が低く透過率が高い透明導電膜の表面に、結晶サイズに対応した細かな凹凸21に加えて、クレーター状の窪みに対応した大きな凹凸20が形成された二重の表面凹凸構造を構成することができる。
以上説明したように、本発明の透明導電膜の形成方法によれば、基板を加熱することなく、結晶性が良好で、結晶サイズが大きく、二重の表面凹凸構造を有する透明導電膜を形成できる。それにより、透明導電膜の抵抗が減少し、透過率が高められるとともに、透明導電膜による光の閉じ込め効果が向上する。したがって、このような透明導電膜を太陽電池に用いた場合、光電変換効率を向上させることができる。また、膜の形成において加熱を必要としない低温プロセスで実施できることから、量産に適しており、このような膜付き基板およびそれを用いた太陽電池の製造コストを低減させることができる。
次に、本発明の透明導電膜の形成装置に係る実施例1〜5および比較例1〜3について説明する。
(実施例1−1および実施例1−2)
図1及び図2に示す構成の形成装置100を用いて、ターゲット6の中心直上を中心として、基板7をその中心に固定させて、レーザー光照射及びスパッタリング成膜を同時に行う工程P3による方法でAZO透明導電膜の形成を行った。スパッタリング成膜条件およびレーザー光照射条件は、以下に示すとおりである。
(スパッタリング成膜条件)
スパッタリング装置:DCマグネトロンスパッタ装置(アルバック社製CS‐200)
ターゲット:AZO(ZnO+2重量%Al)焼結ターゲット、焼結密度98.5%
使用基板:50mm×50mm×1mmt、無アルカリガラス
ターゲット−基板間距離:60mm
磁界強度:1000Gauss(ターゲット直上、垂直成分)
到達真空度:<5×10−5Pa
スパッタリングガス:Ar、ガス流量100sccm
導入ガス:O、ガス流量0〜3sccm
スパッタリング圧力:0.5Pa
DCパワー:200W
基板加熱:なし
膜の厚さ:500nm(実施例1−1)、1000nm(実施例1−2)の2種類
成膜時間:成膜速度を求めて、上記の膜厚になるようにそれぞれ設定
(レーザー光照射条件)
レーザー:Nd−YAGパルスレーザー(スペクトラフィジックス社製QR PRO‐290)
波長:266nm(第4高調波)
発振周波数:10Hz
エキスパンダー拡大率:200%
拡散板:フロスト型拡散板(ルミネット社製LSD0.5U3‐φ50)、拡散角度0.5°、直径50mm
発振エネルギー密度(単位時間、単位面積あたり):2.0J/(s・cm
基板上エネルギー密度(単位時間、単位面積あたり):0.5J/(s・cm
レーザー光の基板上でのエネルギー密度は、その部分に強度測定用のパワーメーターを設置して測定したエネルギーの値を照射面積で割って求めた。
得られたサンプルについて、SEM(日立ハイテクノロジーズ社製のSU8000)およびレーザー顕微鏡(キーエンス社製のVK‐9710)により、表面および断面の形状観察を行った。レーザー顕微鏡により、直径が1〜100μmのクレーター状の窪みが一様に分布して形成され、その窪みの凹凸の高低差が0.3μm〜0.5μmであることが確認できた。また、SEMにより、レーザー顕微鏡で見られた凹凸形状の表面に、結晶粒径に対応した0.05μm〜0.25μmの高低差をもつ細かな凹凸が連続的に分布していることが確認できた。すなわち、表面に直径が1μm〜100μmのクレーター状の窪みが一様に形成されるとともに、その表面に沿って高低差が0.05μm〜1μmの細かな凹凸が形成されており、図5に示すような膜となっていることと考えることができる。
また、得られた薄膜について、抵抗率、表面凹凸の最大高低差PV(Peak−Valley)、算術平均表面粗さRa、透過率を測定した。
抵抗率は、膜厚測定(アルバック社製の膜厚計、DEKTAKを使用)と、4探針法によるシート抵抗測定(三菱化学社製の抵抗測定器、RORESTERを使用)により求めた。最大高低差PVおよび算術平均表面粗さRaは、AFM測定(セイコーインスツル社製の原子間力顕微鏡、SPI4000を使用)により評価した。透過率(波長域400〜1000nmの平均値)は、分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製の分光光度計、U4100を使用)により求めた。
また、これらのサンプルと同様の透明導電膜基板を作製し、この基板を用いて簡易的に薄膜Si太陽電池セルを作製して、光電変換効率を求めた。薄膜Si太陽電池セルの作製は、透明導電膜の上にCVD装置を用いてアモルファスのp型Si(ボロン(B)ドープ)、n型Si(リン(P)ドープ)を順に形成し、さらにその上に裏面電極としてスパッタ法によりITOとAgを順に形成することにより行った。光電変換効率は、ソーラーシミュレーターおよびI−Vトレーサー(英弘精機社製の太陽電池性能評価システムを使用)を用いて測定した。
(実施例2−1および実施例2−2)
図1及び図2に示す構成の形成装置100を用いて、ターゲット6の中心直上を中心として、基板7を基板ホルダー5の1/4円程度の範囲で往復移動させて、スパッタリング成膜のみの工程P1、レーザー光照射及びスパッタリング成膜を同時に行う工程P3の二つの工程を含む方法でAZO透明導電膜の作製を行った。
スパッタリング成膜条件、レーザー光照射条件、および評価方法は実施例1と同じである。また、形成された透明導電膜基板を用いて、簡易的に薄膜Si太陽電池セルを作製し、光電変換効率を求めた。作製方法および評価方法は、実施例1と同じである。
(実施例3−1および実施例3−2)
図3及び図4に示す構成の形成装置100を用いて、基板をスパッタ粒子の飛来がなくなってすぐの位置とターゲットの中心直上部との間を往復移動させながら、スパッタ成膜のみの工程P1とレーザー光照射のみの工程P2との工程を含む方法でAZO透明導電膜の作製を行った。
スパッタリング成膜条件、レーザー光照射条件、および評価方法は実施例1と同じである。また、形成された透明導電膜基板を用いて、簡易的に薄膜Si太陽電池セルを作製し、光電変換効率を求めた。作製方法および評価方法は、実施例1と同じである。
(実施例4−1および実施例4−2)
図1及び図2に示す構成の形成装置100を用いて、基板を回転させながら、スパッタリング成膜のみの工程P1、レーサー光照射及びスパッタリング成膜を同時に行う工程P3、および膜の堆積およびレーザー光照射のいずれの工程も含まない回転だけの工程P4の三つの工程を含む方法で、AZO透明導電膜の作製を行い、膜の評価を行った。スパッタリング成膜条件、レーザー光照射条件、および評価方法は実施例1と同じである。
また、形成された透明導電膜基板を用いて、簡易的に薄膜Si太陽電池セルを作製し、光電変換効率を求めた。作製方法および評価方法は、実施例1と同じである。
(実施例5−1および実施例5−2)
図3及び図4に示す構成の形成装置100を用いて、基板を回転させながら、スパッタ成膜のみの工程P1、レーザー光照射のみの工程P2、回転だけの工程P4の三つの工程を含む方法で、AZO透明導電膜の作製を行い、膜の評価を行った。スパッタリング成膜条件、レーザー光照射条件、および評価方法は実施例1と同じである。
また、形成された透明導電膜基板を用いて、簡易的に薄膜Si太陽電池セルを作製し、光電変換効率を求めた。作製方法および評価方法は、実施例1と同じである。
(比較例1−1および比較例1−2)
図1及び図2に示す装置のスパッタリング部のみを用いて、レーザー光の照射を行わずに、通常のスパッタリング法で基板を固定してAZO透明導電膜の成膜を行い、膜の特性を評価した。スパッタリング成膜条件および評価方法は、実施例1と同じである。
また、形成された透明導電膜基板を用いて、簡易的に薄膜Si太陽電池セルを作製し、光電変換効率を求めた。作製方法および評価方法は、実施例1と同じである。
(比較例2−1および比較例2−2)
図1及び図2に示す構成の形成装置100を用いて、拡散板16を外し、拡散板16を介さずにレーザー光を照射しながらAZO透明導電膜の成膜を行い、膜の特性を評価した。スパッタリング成膜条件、レーザー光照射条件、および評価方法は、拡散板がない以外は実施例1と同じである。
また、形成された透明導電膜基板を用いて、簡易的に薄膜Si太陽電池セルを作製し、光電変換効率を求めた。作製方法および評価方法は、実施例1と同じである。
(比較例3)
CVD装置を用いて、50mm×50mm×1mmtの無アルカリガラス基板の上に、基板を500℃に加熱し、塩化第二スズ、水、メタノールとフッ化水素を導入して、膜厚1μmのFTO透明導電膜を作製した。得られた膜について、実施例1と同様の評価を行った。
また、形成された透明導電膜基板を用いて、簡易的に薄膜Si太陽電池セルを作製し、光電変換効率を求めた。作製方法および評価方法は、実施例1と同じである。
これらの評価結果を表1に示す
Figure 2012219320
表1に示すとおり、実施例1〜5の透明導電膜を用いて作製した太陽電池の光電変換効率は、比較例1〜3の透明導電膜を用いて作製した場合よりも、大きくなることが確認できた。特に、レーザー光照射及びスパッタリング成膜を同時に行う工程P3による方法でAZO透明導電膜の形成を行った実施例1においては、実施例1〜5の中で抵抗率が最も低く、最大高低差PVおよび算術平均粗さRaの値が大きく、光電変換率が最も高くなった。
また、膜厚を異ならせた二種類のサンプルを形成した実施例1〜5および比較例1,2においては、膜厚が厚い1000nmの場合は、膜厚が薄い500nmの場合と比べて低抵抗であり、最大高低差PVの値が大きい(表面の凹凸が大きい)透明導電膜を形成できることが確認できた。
レーザー光の照射を行わずに成膜した比較例1においては、実施例1〜5と比べて抵抗率が高く、透過率も低くなっているうえに、PV値や算術平均粗さRaが小さくなっており、光電変換効率も低かった。
また、レーザー光を照射する際に、拡散板を介さずに直接照射した比較例2においては、レーザー光を照射しなかった比較例1の場合と比べて、低抵抗で透過率を高くすることができ、若干の光電変換効率の向上が確認できたが、実施例1〜5と比べるとPV値が低く、光電変換効率も低かった。
また、FTO膜を成膜した比較例3においては、同じ1000nmの膜厚でAZO透明導電膜を形成した実施例1〜5と比べて抵抗率が高いうえに、透過率が低く、光電変換効率も低かった。
以上のとおり、本発明の方法では、抵抗率が低く、透過率が高い適切な表面凹凸を有する透明導電膜を形成することができ、このような透明導電膜を太陽電池に用いた場合、光電変換効率を向上させることができる。
なお、本発明は前記実施形態の構成のものに限定されるものではなく、細部構成においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述実施例においては、ターゲットにAZO焼結ターゲットを用いて、AZO透明導電膜を形成したが、AZOの他にも、ITOやFTOの焼結ターゲット等を本発明の方法によりスパッタリング成膜することにより、基板を加熱することなく、結晶性が良好で、結晶サイズが大きく、二重の表面凹凸構造を有する透明導電膜を形成することもできる。
1 真空チャンバー
2 真空ポンプ
4 DC、RF電源
5 基板ホルダー
6 ターゲット
7 基板
8 カソード
9 ガス導入口
11 基板ホルダー回転軸
12 レーザー装置
13 ビームエキスパンダー
14 反射ミラー
15 石英窓
16 拡散板
L レーザー光

Claims (9)

  1. 一つの真空チャンバー内で、スパッタリング法により基板の表面に透明導電膜を形成する方法であって、前記基板の表面上に、拡散板を通してレーザー光を照射しながら成膜するレーザーアシスト成膜工程を有することを特徴とする透明導電膜の形成方法。
  2. 一つの真空チャンバー内で、スパッタリング法により基板の表面に薄膜を形成する成膜工程と、前記薄膜の表面に拡散板を通してレーザー光を照射しながら成膜するレーザーアシスト成膜工程とを有することを特徴とする透明導電膜の形成方法。
  3. 前記成膜工程と前記レーザーアシスト成膜工程とを繰り返すことを特徴とする請求項2に記載の透明導電膜の形成方法。
  4. 一つの真空チャンバー内で、スパッタリング法により基板の表面に薄膜を形成する成膜工程と、前記薄膜に拡散板を通してレーザー光を照射するレーザーアシスト工程とを有することを特徴とする透明導電膜の形成方法。
  5. 前記成膜工程と前記レーザーアシスト工程とを繰り返すことを特徴とする請求項4に記載の透明導電膜の形成方法。
  6. スパッタリング成膜及びレーザー光照射をともに行わない休止工程を有することを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の透明導電膜の形成方法。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の透明導電膜の形成方法で作製した透明導電膜であって、表面に直径が1μm以上100μm以下のクレーター状の窪みが一様に形成されるとともに、その表面に沿って高低差が0.05μm以上1μm未満の細かな凹凸が形成されており、抵抗率が1×10−3Ω・cm以下に形成されていることを特徴とする透明導電膜。
  8. 膜厚が500nm以上に形成されることを特徴とする請求項7に記載の透明導電膜。
  9. 真空チャンバーと、基板を前記真空チャンバー内でスパッタ領域を通過して移動させる基板移動機構と、前記スパッタ領域又は該スパッタ領域以外の前記基板の移動軌跡上に拡散板を通じてレーザー光を照射可能に設けられるレーザー光照射機構とを備えることを特徴とする透明導電膜の形成装置。
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