JP2001335918A - Ito透明導電膜の形成方法 - Google Patents

Ito透明導電膜の形成方法

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JP2001335918A
JP2001335918A JP2001078577A JP2001078577A JP2001335918A JP 2001335918 A JP2001335918 A JP 2001335918A JP 2001078577 A JP2001078577 A JP 2001078577A JP 2001078577 A JP2001078577 A JP 2001078577A JP 2001335918 A JP2001335918 A JP 2001335918A
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transparent conductive
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forming
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Tsuguo Ishihara
嗣生 石原
Hideki Yoshioka
秀樹 吉岡
Frederick Adurodija
アドゥロディジャ フレデリック
Hirokazu Izumi
宏和 泉
Muneyuki Motoyama
宗之 元山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に有機樹脂基板への適用を考慮し、約10
0℃以下の基板温度でも透明度が高く抵抗率が低いIT
O透明導電膜の形成方法の提供を目的とするものであ
る。 【解決手段】 スパッタリング法により基板14表面に
ITO透明導電膜を形成する方法であって、アシスト用
紫外光線を照射する光線照射工程を含むことを特徴とす
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば液晶表示装
置の電極に好適な、透明でかつ低抵抗なITO透明導電
膜の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上述のITO(酸化インジウム・スズ)
透明導電膜の形成方法としては、従来から、真空蒸着法
とスパッタリング法が主流である。これらの方法では、
膜の透明度と抵抗率は成膜中の被処理基板の保持温度
(以下基板温度とする)に強く依存しており、基板温度
が低くなると抵抗率が増大し、膜質が低下する。例え
ば、基板温度が300℃で成膜すると、ITO透明導電
膜の抵抗率が1.3×10-4Ωcm程度であり、比較的
透明度の高い低抵抗の膜質が得られるが、基板温度が1
50℃では抵抗率が3.1×10-4Ωcm程度まで増加
し、膜の透明度や密着性、エッチング特性等の低下が認
められる。
【0003】また、透明導電膜の電気伝導度は、電荷の
キャリアーである電子の濃度と移動度の積に比例する。
ITO透明導電膜ではキャリアー濃度を増加させる目的
で酸化インジウムに酸化錫を添加しているが、ITOの
結晶化温度である180℃以下の基板温度で従来の真空
蒸着法やスパッタリング法によって作製した膜はアモル
ファス状態であり、アモルファス状態では酸化錫の添加
によるキャリアー濃度の増加効果は生じないと考えられ
ている。
【0004】一方、近年、有機樹脂基板のような耐熱性
の低い基板上に透明導電膜を作製することが要求されて
いる。有機樹脂基板では基板温度を180℃以上にあげ
ることはできないため、膜はアモルファス状態であり、
従来の技術では低抵抗な透明導電膜を形成することは困
難である。
【0005】そこで、成膜後の透明導電膜にレーザー光
を照射して抵抗率を下げる方法が開発されている(例え
ば特開平10−12060号公報参照)。しかし、この
方法では成膜と照射の2段階の処理が必要である。ま
た、最適条件で処理した場合でも照射後の抵抗率は1.
43×10-4Ωcm程度であり、用途によっては必ずし
も十分とは言えない場合があり、さらに抵抗率を下げる
ことが好ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの不都
合に鑑みてなされたものであり、特に有機樹脂基板への
適用を考慮し、約100℃以下の基板温度でも透明度が
高く抵抗率が低いITO透明導電膜の形成方法の提供を
目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた発明は、スパッタリング法により基板表面に
ITO透明導電膜を形成する方法であって、アシスト用
紫外光線を照射する光線照射工程を含むことを特徴とす
るITO透明導電膜の形成方法である。
【0008】ITOは紫外光領域の吸収係数が極めて高
いため、照射した紫外光線のエネルギーを効率よく吸収
する。従って、当該ITO透明導電膜の形成方法によれ
ば、高速粒子をターゲットにあて蒸発させるとともに、
アシスト用紫外光線を照射することにより、次々に基板
表面に到達するITO粒子がアシスト用紫外光線から効
率よくエネルギーを得ながら基板上に堆積し、ITO膜
全体にわたって結晶化を促進すると考えられる。これに
より、基板を高温に加熱しなくても結晶性の膜を作製す
ることができ、透明度が高く低抵抗率でさらに密着性と
エッチング特性の優れたITO透明導電膜を形成するこ
とができる。
【0009】上記作用を効果的に奏させるためには、上
記光線照射工程における紫外光線の照射対象を成膜過程
の基板にするとよい。また上記スパッタリング法として
はレーザービームスパッタリング法が好ましい。レーザ
ービームスパッタリング法によれば、(a)膜の組成が
均一になる、(b)高い真空度で成膜でき、成膜条件が
任意に設定できる等の作用を奏することができる。
【0010】上記アシスト用紫外光線のエネルギー密度
としては、40mJcm-2以上120mJcm-2以下が
好ましい。これは、アシスト用紫外光線のエネルギー密
度が上記範囲より小さいと、上述の膜の結晶化を促進す
る作用が小さく、逆に、当該エネルギー密度が上記範囲
を超えると、基板表面での再スパッタリングが生じて電
気特性や密着性がかえって低下することからである。
【0011】上記アシスト用紫外光線としてはパルス紫
外レーザー光が好適である。かかるパルス紫外レーザー
光によれば、スパッタリング粒子のエネルギーを高める
作用が大きい。
【0012】かかるパルス紫外レーザー光は、上記レー
ザービームスパッタリング法用のレーザー光からビーム
スプリッターを用いて分けられたものを用いるとよい。
かかる手段によれば、(a)当該ITO透明導電膜の形
成方法において光線照射工程を備えても消費エネルギー
の増大を招来しない、(b)光線照射工程のために別個
のレーザー光源を備える必要がなく、余分な設備が不要
になる等の作用を奏することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面を参照しつつ本発
明の実施の形態を詳説する。図1は本発明の一実施形態
に係るITO透明導電膜の形成方法を実施するためのI
TO透明導電膜の形成装置を示す概略構成図で、図2は
図1の形成装置とは異なる形態のITO透明導電膜の形
成装置を示す概略構成図である。
【0014】図1のITO透明導電膜の形成装置は、タ
ーボ分子ポンプ、ロータリーポンプ等からなる真空排気
系2に接続された真空容器1を装備し、この真空容器1
には酸素ガスを導入するための導入口3と、真空計4と
が取り付けられ、さらにレーザー光を導入するための2
つの透過窓5、6が設けられている。
【0015】真空容器1内にはターゲット13と基板1
4とが対向状態で保持されている。このターゲット13
は、ITOの焼結体またはIn/Sn合金であり、回転
構造を有するターゲットホルダー12に固定されてお
り、レーザースパッタによってターゲットの表面に生じ
る穴の位置を変え、堆積速度を一定に保つことができる
ようになっている。また基板14は基板ホルダー15に
固定されており、この基板ホルダー15内には図示して
いないが温度調節器に接続した基板加熱機構(ヒーター
と熱電対)が配設され、基板14を設定温度に調節可能
にされている。
【0016】上記真空容器1外にはレーザー光源7が配
設されており、このレーザー光源7より射出されたレー
ザー光はビームスプリッター8によって2本のレーザー
光(スパッタリング用レーザー光9とアシスト用パルス
紫外レーザー光10)に分けられる。この際、ビームス
プリッター8を時計回りに回転させることによって、ス
パッタリング用レーザー光9の強度を増加し、逆にアシ
スト用パルス紫外レーザー光10の強度を減少すること
ができ、一方、ビームスプリッター8を反時計回りに回
転させることによって、スパッタリング用レーザー光9
の強度を減少し、逆にアシスト用パルス紫外レーザー光
10の強度を増加することができる。このように、ビー
ムスプリッター8の角度を変えることによってスパッタ
リング用レーザー光9とアシスト用パルス紫外レーザー
光10の強度比を調整することができる。
【0017】スパッタリング用レーザー光9は、集光レ
ンズ11を介して透過窓5を通り、ターゲット13に照
射される。一方、アシスト用パルス紫外レーザー光10
は、2つの平面鏡16、17によって反射され、シャッ
ター18を開けると透過窓6を通り、真空容器1内の基
板14を照射するようになっている。
【0018】レーザー光源7としては、強力なパルス型
の紫外線レーザーであるArFエキシマレーザー、Kr
FエキシマレーザーまたはYAGレーザーが用いられ
る。
【0019】次に、上記図1のITO透明導電膜の形成
装置によってITO透明導電膜を形成する方法について
説明する。まず、真空容器1内を真空排気系2によって
排気した後、酸素ガス導入口3から酸素ガスを流入させ
所定の圧力を保持するように流入量を調整する。また基
板14を加熱機構により所定の温度に加熱する。次にレ
ーザー光源7から強力なパルス型の紫外線レーザー光9
を射出させ、ターゲット13表面の物質をスパッタリン
グによって蒸発させると同時に、シャッター18を開
け、ビームスプリッター8によって分割されたアシスト
用パルス紫外レーザー光10で基板14表面を照射す
る。スパッタリング用レーザー光9によりターゲット1
3の表面物質がスパッタされ、スパッタリング粒子は真
空容器1内にターゲット13と対向して保持された基板
14の表面に到達し、基板上14にITOの膜を堆積さ
せる。また、アシスト用パルス紫外レーザー光10の照
射によって、基板14上に堆積されつつあるITO膜に
エネルギーを供給し、当該ITO膜の結晶性と電気的性
質を向上させることができる。
【0020】図2のITO透明導電膜の形成装置は、上
記図1のITO透明導電膜の形成装置とほぼ同様の装置
であるので同一個所に同一番号を付して説明を省略す
る。当該図2のITO透明導電膜の形成装置は、アシス
ト用パルス紫外レーザー光10の光路中のシャッター1
8を取り外し、その位置に集光レンズ19を取り付けた
点で、上記図1の形成装置と異なる。この集光レンズ1
9により、アシスト用レーザー光10のエネルギー密度
を増加させることができる。
【0021】なお、本発明のITO透明導電膜の形成方
法は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、
アシスト用光としてはスパッタリング用の光源とは別の
光源を用いてもよく、パルス紫外レーザー光ではなく単
なる紫外光線をアシスト用光として利用することもでき
る。
【0022】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、
この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈され
るべきものではないことはもちろんである。
【0023】[実施例1]図1のITO透明導電膜の形
成装置と同様の装置を用い、レーザー光源7はKrFエ
キシマレーザーとし、射出されるレーザー光の波長は2
48nm、パルスの周波数は20Hz、エネルギーは約
300mJで作動させた。またレーザー光はビームスプ
リッターによって1:1のエネルギーに分割され、その
うちスパッタ用レーザー光はレンズによって絞られ、タ
ーゲット上でのエネルギー密度は照射面積から約3Jc
-2であると計算され、アシスト用レーザー光は基板表
面での実測から約40mJcm-2のエネルギー密度であ
った。またターゲット物質には5wt%の酸化錫を添加
した酸化インジウム(ITO)焼結体を用いた。
【0024】上記装置を用い、真空容器内を10-4Pa
台まで排気し、酸素ガスを流入させ1.3Paを保持す
るように流入量を調整し、基板を加熱しない(室温)で
20分間成膜することで約100nmのITO透明導電
膜を形成した。
【0025】[実施例2]基板温度を100℃に保持し
た以外は上記実施例1と同様にしてITO透明導電膜を
形成した。
【0026】[実施例3]基板温度を200℃に保持し
た以外は上記実施例1と同様にしてITO透明導電膜を
形成した。
【0027】[実施例4]図2のITO透明導電膜の形
成装置と同様の装置を用い、集光レンズによりアシスト
用レーザー光のエネルギー密度を約70mJcm-2に増
加させた以外は上記実施例1と同様の条件でITO透明
導電膜を形成した。
【0028】[実施例5]基板温度を200℃に保持し
た以外は上記実施例4と同様にしてITO透明導電膜を
形成した。
【0029】[比較例1]シャッターを閉じアシスト用
レーザー光を基板に照射しない状態にした以外は上記実
施例1と同様にしてITO透明導電膜を形成した。
【0030】[比較例2]シャッターを閉じアシスト用
レーザー光を基板に照射しない状態にし、かつ、基板温
度を100℃に保持した以外は上記実施例1と同様にし
てITO透明導電膜を形成した。
【0031】[比較例3]シャッターを閉じアシスト用
レーザー光を基板に照射しない状態にし、かつ、基板温
度を200℃に保持した以外は上記実施例1と同様にし
てITO透明導電膜を形成した。
【0032】[特性の評価]上記実施例1〜5及び比較
例1、2で形成したITO透明導電膜の面抵抗を測定
し、触針膜厚計で測定した膜厚から抵抗率を計算した。
その結果を下記表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】上記表1に示すように、本発明の実施例1
〜5によれば基板温度が室温から200℃において比較
例1、2に比べて低い抵抗率のITO透明導電膜を形成
することができる。
【0035】また、膜のX線回折測定結果から、実施例
1、比較例1および比較例2のITO透明導電膜はアモ
ルファス状態であった。しかし、基板温度が室温(20
℃)である実施例1のITO透明導電膜は、アシスト照
射の効果により、アシスト照射がなくて基板温度が10
0℃である比較例2と同程度の抵抗率を示しており、ス
パッタリング時にアシスト用レーザー光を基板に照射す
ることによって、基板を加熱せずに低抵抗率のITO透
明導電膜の形成が可能であることを如実に示している。
【0036】これらに対して、実施例2〜5および比較
例3のITO透明導電膜は結晶状態であった。特に、実
施例4のように、基板温度が室温でも、アシスト用レー
ザー光のエネルギー密度を70mJcm-2程度に増加さ
せることによって、アシスト照射がなくて基板温度が2
00℃である比較例3より低抵抗のITO透明導電膜を
形成することができる。
【0037】さらに、実施例1〜3のITO透明導電膜
の透過率は可視光領域で85%以上あり、実施例4及び
5のITO透明導電膜の透過率は可視光領域で90%以
上あり、透明度は良好であった。
【0038】そこで、本発明者は、アシスト照射による
ITO透明導電膜の低抵抗化の原因を以下のような方法
で調査した。 (1)結晶格子の歪みに及ぼす真空容器内の酸素分圧の
影響 上述の各実施例および各比較例においては、真空容器1
内の酸素分圧は、すべて1.3Paで実験を行ったが、
真空容器1内の真空度は基板上に形成されるITO透明
導電膜の性状に影響を与えると考えられるため、「シャ
ッター18を閉じて、アシスト用レーザー光を基板14
に照射しない状態にしたこと」と、「基板温度を200
℃に保持したこと」と、「酸素分圧を0.13Pa、
0.67Pa、1.3Pa、2.7Paと変化させたこ
と」以外は、上記実施例1と同様にしてITO導電膜を
形成した。そして、そのITO導電膜を形成する結晶の
格子間距離(Å)と格子体積(Å3) を斜入射X線回折
法により測定したので、その結果を図3に示す。
【0039】図3において、記号「○」は、その結晶の
水平面内(H−モード)の格子間距離(Å)であり、記
号「□」は、その結晶の垂直面内(V−モード)の格子
間距離(Å)であり、記号「△」は、格子体積(Å3
を示す。図3に明らかなように、酸素分圧が1.3Pa
の場合には、水平面内と垂直面内の格子間距離に差は見
られず、しかも、酸素分圧が0.13から2.7Paへ
と変わっても格子体積はほとんど変化していないことか
ら、酸素分圧1.3Paにおいて基板上にITO透明導
電膜を形成した場合には、その基板温度が200℃では
結晶格子にはほとんど歪みが発生していないことが分か
る。しかし、その他の酸素分圧の場合には、水平面内と
垂直面内の格子間距離に差が見られるので、基板を加熱
して結晶化を行った場合には、結晶格子には歪みが発生
していることが分かる。 (2)結晶格子の歪みに及ぼすアシスト用レーザー光の
影響 上記の実験で明らかなように、アシスト用レーザー光を
照射することにより、ITO透明導電膜の低抵抗化を図
りうることは明らかであるが、この低抵抗化と結晶格子
の歪みとの間の関係を調査するために、表1の実施例5
(基板温度が200℃でアシスト用レーザー光の照射あ
り)と比較例3(基板温度が200℃でアシスト用レー
ザー光の照射なし)の場合について、X線の回折角(2
θ)とその強度を測定した結果を図4に示す。図4の上
段(a)の曲線は実施例5の回折線を示し、図4の下段
(b)の曲線は比較例3の回折線を示す。H−モードは
その結晶の水平面内の回折線であり、V−モードはその
結晶の垂直面内の回折線である。水平面内の回折線と垂
直面内の回折線のずれが小さいということは、結晶の歪
みが小さい(水平面内の格子間距離と垂直面内の格子間
距離の差が小さいこと)と同義である。
【0040】すなわち、ITO透明導電膜の抵抗率と結
晶形状との間には関係があり、結晶に歪みが発生しない
ような条件、すなわち、本発明に従って、アシスト用レ
ーザー光を照射しながらITO透明導電膜の形成を行っ
た場合には、基板上に形成されるITO透明導電膜の結
晶格子の歪みは小さく、低抵抗率の導電膜を形成しうる
のである。 (3)ITO透明導電膜の抵抗率に及ぼすアシスト用レ
ーザー光の影響 「図2のITO透明導電膜の形成装置と同様の装置を用
い、集光レンズによりアシスト用レーザー光のエネルギ
ー密度を約70mJcm-2に増加させ、酸素分圧を、
0.13Pa、0.67Pa、1.3Pa、2.7Pa
と変化させた以外は上記実施例1と同様にしてITO透
明導電膜を形成した場合」と、「シャッター18を閉じ
てアシスト用レーザー光を基板14に照射しない状態に
したことと、酸素分圧を0.13Pa、0.67Pa、
1.3Pa、2.7Paと変化させた以外は上記実施例
1と同様にしてITO透明導電膜を形成した場合」につ
いて、ITO透明導電膜の面抵抗と、触針膜厚計で測定
した膜厚から求めた抵抗率の変化を図5に示す。図5に
おいて、記号「□」はアシスト用レーザー光の照射あり
の場合で、記号「○」はアシスト用レーザー光の照射な
しの場合を示す。また、図5の実際の抵抗率(Ωcm)を
下表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】図5に明らかなように、アシスト用レーザ
ー光を照射することによって、抵抗率が低下することは
明らかである。
【0043】また、図6は、「基板温度が室温である実
施例4、基板温度が200℃である実施例5、基板温度
を100℃にした以外は上記実施例4と同様にしてIT
O透明導電膜を形成した場合、および基板温度を300
℃にした以外は上記実施例4と同様にしてITO透明導
電膜を形成した場合」と、「シャッター18を閉じてア
シスト用レーザー光を基板14に照射しない状態にし、
かつ基板温度を、室温(293K)、100℃(373
K)、200℃(473K)、300℃(573K)と
変化させた以外は上記実施例1と同様にしてITO透明
導電膜を形成した場合」について、ITO透明導電膜の
面抵抗と、触針膜厚計で測定した膜厚から求めた抵抗率
の変化を図6に示す。図6において、記号「□」はアシ
スト用レーザー光の照射ありの場合で、記号「○」はア
シスト用レーザー光の照射なしの場合を示す。また、図
6の実際の抵抗率(Ωcm)を下表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】図6に明らかなように、アシスト用レーザ
ー光を照射することによって、抵抗率が低下することは
明らかである。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のITO透
明導電膜の形成方法によれば、室温や100℃程度の低
い基板温度でも透明度が高く低抵抗なITO透明導電膜
を形成することができる。このため、有機樹脂基板のよ
うな耐熱性の低い基板に対しても透明度が高く低抵抗な
ITO透明導電膜を作製することができる。この膜は結
晶状態であるため、密着性やエッチング特性も優れてい
ると考えられる。
【0047】また、200℃以上の高い基板温度で本発
明を適用した場合には、10-5Ωcm台のきわめて低抵
抗なITO透明導電膜を作製することができるため、大
型ディスプレイ用ガラス基板に対しても有効な方法であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るITO透明導電膜の
形成方法を実施するためのITO透明導電膜の形成装置
を示す概略構成図である。
【図2】図1の形成装置とは異なる形態のITO透明導
電膜の形成装置を示す概略構成図である。
【図3】格子間距離と格子体積に及ぼす酸素分圧の影響
を示す図である。
【図4】アシスト用レーザー光の照射の有無によるX線
強度の変化を示す図である。
【図5】アシスト用レーザー光の照射の有無によるIT
O透明導電膜の抵抗率の変化を示す図である。
【図6】アシスト用レーザー光の照射の有無によるIT
O透明導電膜の抵抗率の変化を示す別の図である。
【符号の説明】 1 真空容器 2 真空排気系 3 導入口 4 真空計 5 透過窓 6 透過窓 7 レーザー光源 8 ビームスプリッター 9 スパッタリング用レーザー光 10 アシスト用パルス紫外レーザー光 11 集光レンズ 12 ターゲットホルダー 13 ターゲット 14 基板 15 基板ホルダー 16 平面鏡 17 平面鏡 18 シャッター 19 集光レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 500125146 元山 宗之 兵庫県神戸市須磨区横尾7−85−304 (72)発明者 石原 嗣生 兵庫県尼崎市武庫之荘4−1−16サンルイ ス武庫之荘2−C (72)発明者 吉岡 秀樹 兵庫県神戸市中央区港島中町3−1−41− 1005 (72)発明者 フレデリック アドゥロディジャ 兵庫県神戸市兵庫区松原通4−1−6松原 チャリティー2−B (72)発明者 泉 宏和 兵庫県神戸市北区若葉台3−14−10 (72)発明者 元山 宗之 兵庫県神戸市須磨区横尾7−85−304

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スパッタリング法により基板表面にIT
    O透明導電膜を形成する方法であって、アシスト用紫外
    光線を照射する光線照射工程を含むことを特徴とするI
    TO透明導電膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 上記光線照射工程における紫外光線の照
    射対象が成膜過程の基板である請求項1に記載のITO
    透明導電膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 上記スパッタリング法がレーザービーム
    スパッタリング法である請求項1又は請求項2に記載の
    ITO透明導電膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 上記アシスト用紫外光線のエネルギー密
    度が40mJcm-2以上120mJcm-2以下である請
    求項1、請求項2又は請求項3に記載のITO透明導電
    膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 上記アシスト用紫外光線がパルス紫外レ
    ーザー光である請求項1から請求項4のいずれか1項に
    記載のITO透明導電膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 上記パルス紫外レーザー光が上記レーザ
    ービームスパッタリング法用のレーザー光からビームス
    プリッターを用いて分けられたものである請求項5に記
    載のITO透明導電膜の形成方法。
JP2001078577A 2000-03-21 2001-03-19 Ito透明導電膜の形成方法 Pending JP2001335918A (ja)

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