JP2012218681A - 軸受用回転輪、これを備えた車輪用軸受装置、及び軸受用回転輪の製造方法 - Google Patents

軸受用回転輪、これを備えた車輪用軸受装置、及び軸受用回転輪の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】車輪側のナットが締め付けられた際のセレーション付きボルトのボルト挿通孔に対する取付強度の余裕度を高めることができる軸受用回転輪、これを備えた車輪用軸受装置、及び軸受用回転輪の製造方法を提供する。
【解決手段】車輪用軸受装置1は、転動体4,5を転動させる外側軌道部60cを有する冷間鍛造部品からなる軸状の胴部6a〜6cと、胴部6aに一体に設けられ、セレーション付きボルト8を圧入して挿通させるボルト挿通孔600aを有する車輪取付用フランジ60aとを備え、車輪取付用フランジ60aは、少なくともボルト挿通孔600aの内面であって、セレーション付きボルト8のセレーション8aに対応する部位に車輪取付用フランジ60aの胴部6a〜6cの表面硬さよりも低い硬度をもつ軟化部9を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、軸受用回転輪、これを備えた車輪用軸受装置、及び軸受用回転輪の製造方法に関する。
従来の車輪用軸受装置には、中心軸線の回りに回転可能な内方部材と、この内方部材の外周囲に配置された外輪と、この外輪と内方部材との間に介在する複列の転動体とを備えたものがある(例えば特許文献1)。
内方部材は、ハブ輪及び内輪からなり、中心軸線上に回転可能に配置されている。ハブ輪は、車輪取付用フランジ及び外側軌道部を外周面に有している。ハブ輪の製造には熱間鍛造加工が通常用いられる。車輪取付用フランジには、車輪取付用ボルトとしてのセレーション付きボルトを圧入して挿通させるボルト挿通孔が設けられている。内輪は、外側軌道部を外周面に有し、ハブ輪における車両インナ側端部の外周面に取り付けられている。
外輪は、ハブ輪の外側軌道部との間に車両アウタ側の転動体を転動させる第1の内側軌道部、及び内輪の外側軌道部との間に車両インナ側の転動体を転動させる第2の内側軌道部を有し、車両インナ側に懸架装置のナックルを介して取り付けられている。
複列の転動体は、軸受用ボールからなり、各列の転動体が保持器によって転動可能に保持されている。
一方側列(車両アウタ側列)の転動体は、車両アウタ側にハブ輪の外側軌道部と第1の内側軌道部との間に介在して配置されている。一方側列の転動体の車両アウタ側には、ハブ輪のシール面と外輪の内周面との間に介在するシール部材が配置されている。
他方側列(車両インナ側列)の転動体は、車両インナ側に内輪の外側軌道部と第2の内側軌道部との間に介在して配置されている。他方側列の転動体の車両インナ側には、車輪の回転速度を検出するための磁気エンコーダが内輪の外周面と外輪の内周面との間に介在して配置されている。
以上の構成により、車輪が回転すると、この回転がハブ輪及び内輪に伝達され、ハブ輪が内輪と共に回転する。
ところで、近年の車輪用軸受装置におけるハブ輪の製造には、仕上げ処理が簡単であること、及び寸法精度がすぐれていること等の利点をもつことから、熱間鍛造加工に替えて冷間鍛造加工が用いられている。
特開2011−5963号公報
しかし、上記した車輪用軸受装置におけるハブ輪の製造によると、その素材としてのハブ輪形成用部材全体の表面硬さが加工硬化によって高くなる。この結果、例えば規定値以上のトルクで車輪側のナットが締め付けられた際のセレーション付きボルトのボルト挿通孔に対する取付強度の余裕度が熱間鍛造加工でハブ輪を製造した場合と比較して低下するという問題があった。
従って、本発明の目的は、車輪側のナットが締め付けられた際のセレーション付きボルトのボルト挿通孔に対する取付強度の余裕度を高めることができる軸受用回転輪、これを備えた車輪用軸受装置、及び軸受用回転輪の製造方法を提供することにある。
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、(1)〜(4)の軸受用回転輪、これを備えた車輪用軸受装置、及び軸受用回転輪の製造方法を提供する。
(1)転動体を転動させる軌道部を有する冷間鍛造部品からなる軸状の胴部と、前記胴部に一体に設けられ、車輪取付用ボルトとしてのセレーション付きボルトを圧入して挿通させるボルト挿通孔を有する車輪取付用フランジとを備え、前記車輪取付用フランジは、少なくとも前記ボルト挿通孔の内面であって、前記セレーション付きボルトのセレーションに対応する部位に前記胴部の表面硬さよりも低い硬度をもつ軟化部を有する軸受用回転輪。
(2)上記(1)に記載の軸受用回転輪において、前記車輪取付用フランジは、前記軟化部の硬度がロックウェル硬さ15〜25の硬度に設定されている。
(3)上記(1)又は(2)に記載の軸受用回転輪と、前記軸受用回転輪の周囲に配置され、前記軌道部との間に前記転動体を転動させる軌道部を有する軸受用固定輪とを備えた車輪用軸受装置。
(4)回転輪形成用部材に冷間鍛造加工を施すことにより形成された鍔部付き軸を用い、車輪取付用ボルトとしてのセレーション付きボルトを圧入して挿通させるボルト挿通孔となる貫通孔を前記鍔部付き軸の鍔部に形成した後、前記鍔部付き軸に表面処理を施して軸受用回転輪を製造する方法において、前記表面処理を施すにあたり、少なくとも前記貫通孔の内面であって、前記セレーション付きボルトのセレーションに対応する部位に熱処理を施すことにより、前記鍔部付き軸の表面硬さよりも低い硬度をもつ軟化部を形成する軸受用回転輪の製造方法。
本発明によると、車輪側のナットが締め付けられた際のセレーション付きボルトのボルト挿通孔に対する取付強度の余裕度を高めることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る軸受用回転輪が適用された車輪用軸受装置の全体を説明するために示す断面図。 本発明の第1の実施の形態に係る軸受用回転輪が適用された車輪用軸受装置の要部を説明するために示す断面図。 (a)〜(e)は、本発明の第1の実施の形態に係る軸受用回転輪の製造方法を説明するために示す断面図。(a)は第1の鍔部付き丸軸の形成工程を、(b)は第2の鍔部付き丸軸の形成工程を、(c)は孔明け工程を、(d)は軌道部の形成工程を、(e)はボルト挿通孔の形成工程をそれぞれ示す。 本発明の第2の実施の形態に係る軸受用回転輪が適用された車輪用軸受装置を説明するために示す断面図。
[第1の実施の形態]
(車輪用軸受装置の全体構成)
図1は車輪用軸受装置の全体を示す。図2は車輪用軸受装置の要部を示す。図1及び図2に示すように、車輪用軸受装置1は、例えば従動輪用軸受装置からなり、中心軸線Oの回りに回転可能な内方部材2と、この内方部材2の外周囲に配置された外方部材(外輪)3と、この外輪3と内方部材2との間に介在する複列の転動体4,5とを備え、車体(図示せず)と車輪(図示せず)との間に配置されている。
(内方部材2の構成)
内方部材2は、ハブ輪6及び内輪7からなり、中心軸線O上に回転可能に配置されている。
ハブ輪6は、各外径が互いに異なる大小2つの胴部6a,6b(大径の胴部6a,小径の胴部6b)、及びこれら両胴部6a,6b間に介在する中間径(胴部6aの外径よりも小さく、胴部6bの外径よりも大きい外径)の胴部としての段部6cを有し、内輪7を挿通して外輪3の内周囲に配置され、全体が例えば機械構造用炭素鋼からなる丸軸状の成形体によって形成されている。本実施の形態では、ハブ輪6の材料としてJISS55Cが用いられる。ハブ輪6には、車両アウタ側に開口する第1の凹部6d、及び車両インナ側に開口する第2の凹部6eが形成されている。ハブ輪6(図3(a)に示す第1の鍔部付き丸軸6B)の形成は、ハブ輪形成用部材6A(図3(a)に示す)に冷間鍛造加工を施すことにより行われる。ハブ輪6の表面硬さは、約25〜35HRC(ロックウェル硬さ25〜35)の硬度に設定されている。
大径の胴部6aは、ハブ輪6の車両アウタ側(図1の左側)に配置されている。大径の胴部6aには、その外周面に車両アウタ側で突出し、車輪(図示せず)を取り付けるための複数(本実施の形態では例えば4個)の車輪取付用フランジ60aが一体に設けられている。複数の車輪取付用フランジ60aには、車輪取付用ボルトとしてのセレーション付きボルト8を圧入して挿通させるボルト挿通孔600aが設けられている。
ボルト挿通孔600aは、その内面であって、セレーション付きボルト8のセレーション8aに対応する部位に胴部6a〜6c及び車輪取付用フランジ60aのフランジ端面601aの表面硬さ(約25〜35HRC)よりも低い硬度をもつ軟化部9を有している。軟化部9の形成は、ハブ輪6の製造時にハブ輪6となる第2の鍔部付き丸軸6C(図3(c)に示す)における貫通孔600C(図3(d)に示す)の内面に表面処理としての高周波焼きなましによる熱処理を施すことにより行われる。軟化部9の硬度は、約15〜25HRC(ロックウェル硬さ15〜25)の硬度に設定されている。これにより、セレーション付きボルト8のセレーション8aとボルト挿通孔600aの内面との良好な噛み合いが得られる。セレーション付きボルト8としては、表面硬さが約32〜39HRC(ロックウェル硬さ32〜39)の硬度に設定された鋼材からなるボルトが用いられる。
小径の胴部6bは、内輪7を取り付けるための円環状の凹部60bを外周面に有し、ハブ輪6の車両インナ側(図1の右側)に配置されている。凹部60bの形成は、ハブ輪6となる円筒状の軸部材の車両インナ側開口端部(図2に二点鎖線で示す部位)をかしめる(塑性変形させる)ことにより行われる。
段部6cには、複列の転動体4,5のうち車両アウタ側列の転動体4を転動させる外側軌道部60c、及びこの外側軌道部60cと車輪取付用フランジ60aとの間に介在して車両アウタ側のシール部材10を受ける受面としてのシール面61cが設けられている。
外側軌道部60cは、第2の鍔部付き丸軸6C(図3(d)に示す)の外周面に表面処理としての高周波焼入れによる熱処理を施すことにより形成されている。外側軌道部60cの硬度が約58〜64HRC(ロックウェル硬さ58〜64)の硬度に設定されている。
一方、内輪7は、複列の転動体4,5の車両インナ側列の転動体5を転動させる外側軌道部7a、及び車両インナ側のシール部材11を受ける受面としてのシール面7bを有し、ハブ輪6の凹部60b内に固定され、全体が例えば高炭素クロム軸受鋼からなる円筒状の成形体によって形成されている。本実施の形態では、内輪7の材料としてJISSUJ2が用いられる。
外側軌道部7aは、ハブ輪6の外側軌道部60cと同様に、ハブ輪6の製造時に第2の鍔部付き丸軸6Cの外周面に高周波焼入れによる熱処理を施すことにより形成されている。外側軌道部60cの硬度が約58〜64HRC(ロックウェル硬さ58〜64)の硬度に設定されている。
(外輪3の構成)
外輪3は、複列の転動体4,5の一方側列(車両アウタ側列)の転動体4を転動させる第1の内側軌道部3a、及び他方側列(車両インナ側列)の転動体5を転動させる第2の内側軌道部3bを有し、車両インナ側に懸架装置(図示せず)の構成部品としてのナックル(図示せず)を介して固定され、全体が例えば機械構造用炭素鋼からなる円筒状の成形体によって形成されている。本実施の形態では、外輪3の材料としてJISS55Cが用いられる。
外輪3には、その外周面に突出する複数(本実施の形態では例えば4個)の軸受取付用フランジ(図示せず)が一体に設けられている。複数の軸受取付用フランジには、軸受取付用ボルト(図示せず)を挿通させるボルト挿通孔(図示せず)が設けられている。
(複列の転動体4,5の構成)
一方側列の転動体4は、軸受用ボールからなり、ハブ輪6の外側軌道部60cと第1の内側軌道部3aとの間に介在して配置され、かつ保持器12によって転動可能に保持されている。一方側列の転動体4の車両アウタ側には、ハブ輪6のシール面61cと外輪3の車両アウタ側の開口内周面との間に介在するシール部材10が配置されている。
他方側列の転動体5は、軸受用ボールからなり、内輪7の外側軌道部7aと第2の内側軌道部3bとの間に介在して配置され、かつ保持器13によって転動可能に保持されている。他方側列の転動体5の車両インナ側には、内輪7のシール面7bと外輪3の車両インナ側の開口内周面との間に介在するシール部材11が配置されている。
(車輪用軸受装置1の動作)
本実施の形態に示す車輪用軸受装置1の動作は、車輪が回転すると、この回転がハブ輪6及び内輪7に伝達され、ハブ輪6が内輪7と共に回転することにより行われる。この場合、ハブ輪6の回転によってシール部材10がハブ輪6のシール面61cを摺動するとともに、車両アウタ側列の転動体4がハブ輪6の外側軌道部60cと第1の内側軌道部3aとの間を転動する。また、内輪7の回転によってシール部材11が内輪7のシール面7bを摺動するとともに、車両インナ側列の転動体5が内輪7の外側軌道部7aと第2の内側軌道部3bとの間を転動する。
(軸受用回転輪の製造方法)
次に、本実施の形態に示すハブ輪(軸受用回転輪)6を製造する方法につき、図3(a)〜(e)を参照して説明する。図3(a)〜(e)は軸受用回転輪の製造手順を示す。
本実施の形態に示す軸受用回転輪の製造方法は、「第1の鍔部付き丸軸の形成」,「第2の鍔部付き丸軸の形成」,「孔明け」,「軌道部の形成」及び「ボルト挿通孔の形成」の各工程が順次実施されるため、これら各工程を順次説明する。
「第1の鍔部付き丸軸の形成」
図3(a)に示すように、鍛造型装置(図示せず)を用い、単一のハブ輪6(図3(e)に示す)となる素材としてのハブ輪形成用部材6Aに冷間鍛造加工を施すことにより、表面硬さを約25〜35HRCとする第1の鍔部付き丸軸6Bを形成する。
「第2の鍔部付き丸軸の形成」
図3(b)に示すように、第1の鍔部付き丸軸6B(図3(a)に示す)を研削して第2の鍔部付き丸軸6C形成する。
「孔明け」
図3(c)に示すように、専用の孔明け機(図示せず)を用いて車輪取付用フランジ60aのボルト挿通孔600a(図3(e)に示す)となる貫通孔600Cを第2の鍔部付き丸軸6Cの鍔部60Cに形成する。
「軌道部の形成」
図3(d)に示すように、第2の鍔部付き丸軸6Cの外周面であって、ハブ輪6(図3(e)に示す)の内側軌道部60cとなる部位に高周波焼入れによる第1の熱処理を施すことにより、表面硬さを約58〜64HRCとする外側軌道部60cを形成する。
「ボルト挿通孔の形成」
図3(e)に示すように、第2の鍔部付き丸軸6Cにおける貫通孔600Cの内面であって、セレーション付きボルト8のセレーション8aに対応する部位に高周波焼きなましによる第2の熱処理を施すことにより、表面硬さを約15〜25HRCとする軟化部9を形成する。この場合、貫通孔600Cの内面に対する軟化部9の形成によりボルト挿通孔600aが形成される。
このようにして、表面硬さを約15〜25HRCとする表面処理が内面に施されたボルト挿通孔600aを、すなわち貫通孔600Cの内面に軟化部9が形成されたボルト挿通孔600aを車輪取付用フランジ60aに有するハブ輪6を製造することができる。
この後、ハブ輪6のボルト挿通孔600aに軟化部9を挟んでセレーション付きボルト8を圧入すると、セレーション付きボルト8がセレーション8aを軟化部9に食い込ませて取り付けられる。
従って、本実施の形態においては、ハブ輪6のボルト挿通孔600aに対するセレーション付きボルト8の取付時にセレーション付きボルト8のセレーション8aとボルト挿通孔600aの内面との良好な噛み合いが得られる。
[第1の実施の形態の効果]
以上説明した第1の実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
車輪側のナットが締め付けられた際のセレーション付きボルト8のボルト挿通孔600aに対する取付強度の余裕度を高めることができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る車輪用軸受装置につき、図4を用いて説明する。図4は車輪用軸受装置の全体を示す。図4において、図1と同一又は同等の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図4に示すように、本発明の第2実施の形態に係る車輪用軸受装置31は、回転用の外輪32及び固定用の内方部材33を備えた点に特徴がある。
このため、外輪32は、胴部32a及び車輪取付用フランジ32bを有し、中心軸線O上に回転可能に配置されている。胴部32aには、車両アウタ側の内側軌道部320a及び車両インナ側の内側軌道部321aが設けられている。車輪取付用フランジ32bには、セレーション付きボルト8を圧入して挿通させるボルト挿通孔320bが設けられている。
ボルト挿通孔320bは、その内面であって、セレーション付きボルト8のセレーション8aに対応する部位に胴部32a及び車輪取付用フランジ32bのフランジ端面321bの表面硬さ(約25〜35HRC)よりも低い硬度をもつ軟化部34を有している。軟化部34の形成は、外輪32の製造時に外輪32となる鍔部付き丸軸(図示せず)における貫通孔(図示せず)の内周面に表面処理としての高周波焼きなましによる熱処理を施すことにより行われる。軟化部34の硬度は、約15〜25HRC(ロックウェル硬さ15〜25)の硬度に設定されている。これにより、セレーション付きボルト8のセレーション8aとボルト挿通孔320bの内面との良好な噛み合いが得られる。
一方、内方部材33は、第1の内輪35及び第2の内輪36を有し、外輪32の内周囲に配置されている。第1の内輪35には、車両アウタ側の内側軌道部320aとの間に転動体4を転動させる外側軌道部35aが設けられている。第2の内輪36には、車両インナ側の内側軌道部321aとの間に転動体5を転動させる外側軌道部36aが設けられている。
このように構成された車輪用軸受装置31において、外輪3のボルト挿通孔320bに軟化部9を挟んでセレーション付きボルト8を圧入すると、セレーション付きボルト8がセレーション8aを軟化部34に食い込ませてボルト挿通孔320bに取り付けられる。
従って、本実施の形態においては、外輪32のボルト挿通孔320bに対するセレーション付きボルト8の取付時にセレーション付きボルト8のセレーション8aとボルト挿通孔320bの内面との良好な噛み合いが得られる。
[第2の実施の形態の効果]
以上説明した第2の実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
車輪側のナットが締め付けられた際のセレーション付きボルト8のボルト挿通孔600aに対する取付強度の余裕度を高めることができる。
以上、本発明の軸受用回転輪、これを備えた車輪用軸受装置、及び軸受用固定輪の製造方法を上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば次に示すような変形も可能である。
(1)上記実施の形態では、ボルト挿通孔600aの内面が軟化部9で、またボルト挿通孔320bの内面が軟化部34でそれぞれ形成されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば車輪取付用フランジの表面全体を表面硬さ約15〜25HRCの硬度をもつ軟化部で形成してもよい。すなわち要するに、本発明は、車輪取付用フランジが少なくともボルト挿通孔の内面であって、セレーション付きボルトのセレーションに対応する部位に胴部の表面硬さよりも低い硬度をもつ軟化部を有するものであればよい。
(2)上記実施の形態では、転動体4,5が軸受用ボールからなる場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、ローラからなる転動体であってもよい。
1…車輪用軸受装置、2…内方部材、3…外輪、3a…第1の内側軌道部、3b…第2の内側軌道部、4…車両アウタ側列の転動体、5…車両インナ側列の転動体、6…ハブ輪、6a…大径の胴部、60a…車輪取付用フランジ、600a…ボルト挿通孔、601a…フランジ端面、6b…小径の胴部、60b…凹部、6c…段部、60c…外側軌道部、61c…シール面、6d…第1の凹部、6e…第2の凹部、7…内輪、7a…外側軌道部、7b…シール面、8…セレーション付きボルト、8a…セレーション、9…軟化部、10,11…シール部材、12,13…保持器、6A…ハブ輪形成用部材、6B…第1の鍔部付き丸軸、6C…第2の鍔部付き丸軸、60C…鍔部、600C…貫通孔、31…車輪用軸受装置、32…外輪、32a…胴部、320a…車両アウタ側の内側軌道部、321a…車両インナ側の内側軌道部、32b…車輪取付用フランジ、320b…ボルト挿通孔、321b…フランジ端面、33…内方部材、34…軟化部、35…第1の内輪、35a…外側軌道部、36…第2の内輪、36a…外側軌道部、O…中心軸線

Claims (4)

  1. 転動体を転動させる軌道部を有する冷間鍛造部品からなる軸状の胴部と、
    前記胴部に一体に設けられ、車輪取付用ボルトとしてのセレーション付きボルトを圧入して挿通させるボルト挿通孔を有する車輪取付用フランジとを備え、
    前記車輪取付用フランジは、少なくとも前記ボルト挿通孔の内面であって、前記セレーション付きボルトのセレーションに対応する部位に前記胴部の表面硬さよりも低い硬度をもつ軟化部を有する
    軸受用回転輪。
  2. 前記車輪取付用フランジは、前記軟化部の硬度がロックウェル硬さ15〜25の硬度に設定されている請求項1に記載の軸受用回転輪。
  3. 請求項1又は2に記載の軸受用回転輪と、
    前記軸受用回転輪の周囲に配置され、前記軌道部との間に前記転動体を転動させる軌道部を有する軸受用固定輪と
    を備えた車輪用軸受装置。
  4. 回転輪形成用部材に冷間鍛造加工を施すことにより形成された鍔部付き軸を用い、車輪取付用ボルトとしてのセレーション付きボルトを圧入して挿通させるボルト挿通孔となる貫通孔を前記鍔部付き軸の鍔部に形成した後、前記鍔部付き軸に表面処理を施して軸受用回転輪を製造する方法において、
    前記表面処理を施すにあたり、少なくとも前記貫通孔の内面であって、前記セレーション付きボルトのセレーションに対応する部位に熱処理を施すことにより、前記鍔部付き軸の表面硬さよりも低い硬度をもつ軟化部を形成する
    軸受用回転輪の製造方法。
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