JP2012217971A - Co2回収装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率よくCO2を回収すると共に、CO2吸収液の消費量を低減し、運転コストの削減を図ったCO2回収装置を提供する。
【解決手段】本実施形態に係るCO2回収装置10は、CO2を含む排ガス14Aを水15と接触させて排ガス14Aを冷却する冷却部11を含む冷却塔16と、排ガス14BとCO2吸収液(リーン溶液)17とを接触させて排ガス14BからCO2を除去するCO2吸収部12と、リッチ溶液18からCO2を放出させてCO2吸収液17を再生する吸収液再生部13を含む再生塔21とを有する。CO2吸収部12は、並流式CO2吸収塔22内に設けられ、排ガス14BをCO2吸収液17と並流状態で接触させて排ガス14BからCO2を除去する並流式CO2吸収部19と、CO2吸収塔23内に設けられ、排ガス14CをCO2吸収液17と向流状態で接触させて排ガス14CからCO2を除去する向流式CO2吸収部20とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、排ガス中のCO2を吸収するCO2回収装置に関する。
大量の化石燃料を使用する火力発電所などでは、ボイラにおいて化石燃料を燃焼させることで発生する排ガスはCO2を含んでいる。CO2を含む排ガスはCO2吸収塔内でアミン系のCO2吸収液と気液接触させてCO2吸収液中にCO2を吸収させることで、排ガス中のCO2を除去、回収する方法及び回収されたCO2を大気へ放出することなく貯蔵する方法が精力的に研究されている。
例えば、CO2吸収液は排ガス中のCO2をCO2吸収塔で吸収し、排ガスからCO2を除去した後、再生塔でCO2吸収液に吸収されたCO2を放散してCO2吸収液を再生して再びCO2吸収塔に循環して排ガスからCO2を除去するために再利用する方法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。このとき、CO2を吸収したCO2吸収液は、再生塔において蒸気で加熱されることにより、CO2を放散し、高純度のCO2が回収される。
特開2008−62165号公報
CO2吸収液を用いて燃焼排ガスのようなCO2含有ガスからCO2を吸収除去し、回収する方法を用いるCO2回収装置は、燃焼設備に付加して設置されるため、その運転コストをできるだけ低減させなければならない。特にCO2回収装置のうち、再生塔ではCO2の放散に多量の熱エネルギーを消費する。また、CO2吸収液の消費量が多いと、CO2吸収液を追加する供給量が増加するため、運転コストの増加につながる。
そのため、排ガスからCO2を回収するにあたり、CO2の回収効率を向上させると共に、CO2吸収液の消費量を低減し、運転コストの削減を図ったCO2回収装置がもとめられている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、効率よくCO2を回収すると共に、CO2吸収液の消費量を低減し、運転コストの削減を図ったCO2回収装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するための本発明に係る第1の発明は、CO2を含む排ガスを水と接触させて前記排ガスを冷却する冷却部と、前記排ガスとCO2を吸収するCO2吸収液とを接触させて前記排ガスからCO2を除去するCO2吸収部と、CO2を吸収したCO2吸収液からCO2を放出させてCO2吸収液を再生する吸収液再生部と、を有し、前記CO2吸収部は、前記排ガスを前記CO2吸収液と向流状態で接触させて前記排ガスからCO2を除去する少なくとも1つの向流式CO2吸収部と、前記排ガスを前記CO2吸収液と並流状態で接触させて前記排ガスからCO2を除去する少なくとも1つの並流式CO2吸収部とを有することを特徴とするCO2回収装置である。
第2の発明は、第1の発明において、前記CO2吸収部においてCO2を吸収したCO2吸収液を冷却し、前記CO2吸収部に再度供給することを特徴とするCO2回収装置である。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記並流式CO2吸収部は、前記排ガスの流れ方向の最も前流側に設けられることを特徴とするCO2回収装置である。
第4の発明は、第1乃至第3の何れか1つの発明において、前記向流式CO2吸収部は、前記排ガスの流れ方向の最も前流側に設けられることを特徴とするCO2回収装置である。
第5の発明は、第1乃至第4の何れか1つの発明において、前記CO2吸収部に含まれる前記向流式CO2吸収部と前記並流式CO2吸収部との少なくとも1つが、前記排ガスと前記CO2吸収液とを接触させて前記排ガスからCO2を除去するCO2吸収塔内に設けられ、前記並流式CO2吸収部が、前記冷却部と前記CO2吸収塔との間に設けられることを特徴とするCO2回収装置である。
第6の発明は、第1乃至第5の何れか1つの発明において、前記CO2吸収部に含まれる前記向流式CO2吸収部と前記並流式CO2吸収部との少なくとも1つが、前記排ガスと前記CO2吸収液とを接触させて前記排ガスからCO2を除去するCO2吸収塔内に設けられ、前記向流式CO2吸収部が、前記冷却部と前記CO2吸収塔との間に設けられることを特徴とするCO2回収装置である。
第7の発明は、第1乃至第6の何れか1つの発明において、前記冷却部が、前記排ガスを水と接触させて前記排ガスを冷却する冷却塔内に設けられ、前記向流式CO2吸収塔が、前記冷却塔の内部に設けられることを特徴とするCO2回収装置である。
本発明に係るCO2回収装置によれば、効率よくCO2を回収すると共に、CO2吸収液の消費量を低減し、運転コストの削減を図ることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るCO2回収装置の構成を簡略に示す図である。 図2は、本発明の第1の実施形態に係るCO2回収装置の他の構成を簡略に示す図である。 図3は、本発明の第2の実施形態に係るCO2回収装置の構成の一部を簡略に示す図である。 図4は、並流式CO2吸収塔のCO2回収部の充填高さとリボイラで消費する蒸気量の削減率との関係を示す図である。 図5は、セミリッチ溶液を並流式CO2吸収塔に再度循環させるセミリッチ溶液の還流比とリボイラで消費する蒸気量の削減率との関係を示す図である。 図6は、並流式CO2吸収塔の断面積比とリボイラで消費する蒸気量の削減率との関係を示す図である。 図7は、CO2回収部の断面積比(S1/S2)とCO2回収部の充填高さを変化させた場合とリボイラで消費する蒸気量の削減率との関係を示す図である。 図8は、並流式CO2吸収塔のCO2回収部の充填高さとリボイラで消費する蒸気量の削減率との関係を示す図である。 図9は、向流式CO2回収部の充填高さとリボイラで消費する蒸気量の削減率との関係を示す図である。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
[第1の実施形態]
本発明による第1の実施形態に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るCO2回収装置の構成を簡略に示す図である。図1に示すように、本実施形態に係るCO2回収装置10は、冷却部11と、CO2吸収部12と、吸収液再生部13とを有する。冷却部11は、CO2を含む排ガス14Aを水15と接触させて排ガス14Aを冷却するものであり、冷却塔16の内部に設けられている。また、CO2吸収部12は、排ガス14BとCO2を吸収するCO2吸収液(リーン溶液)17とを接触させて排ガス14BからCO2を除去するものである。本実施形態においては、CO2吸収部12は、排ガス14BをCO2を吸収したCO2吸収液(セミリッチ溶液)24と並流状態で接触させて排ガス14BからCO2を除去する並流式CO2吸収部19と、排ガス14CをCO2吸収液17と向流状態で接触させて排ガス14CからCO2を除去する向流式CO2吸収部20とを有する。また、吸収液再生部13は、リッチ溶液18からCO2を放出させてCO2吸収液17を再生するものであり、吸収液再生塔(以下、再生塔という)21の内部に設けられている。
本実施形態では、並流式CO2吸収部19は、並流式CO2吸収塔22の内部に設けられ、向流式CO2吸収部20は、CO2吸収塔23の内部に設けられている。
本実施形態では、CO2吸収部12は、並流式CO2吸収部19および向流式CO2吸収部20を各々1つずつ有するようにしているが、並流式CO2吸収部19と向流式CO2吸収部20との何れか一方又は両方を複数有するようにしてもよい。
CO2回収装置10では、排ガス14A中のCO2を吸収するCO2吸収液17が、並流式CO2吸収塔22とCO2吸収塔23と再生塔21との間(以下、系内という。)を循環している。本実施形態では、並流式CO2吸収塔22から再生塔21には、排ガス14B中のCO2を吸収したリッチ溶液18が送給される。再生塔21からCO2吸収塔23にはリッチ溶液18から再生塔21でほぼ全てのCO2が除去され再生されたCO2吸収液(リーン溶液)17が送給されている。CO2吸収塔23から並流式CO2吸収塔22には、排ガス14C中に残留するCO2を吸収したCO2吸収液(セミリッチ溶液)24が送給される。
排ガス14Aは、ボイラやガスタービン等の産業設備から排出されるCO2を含有するガスである。排ガス14Aは、排ガス送風機などにより昇圧された後、冷却塔16に送られる。
冷却塔16は、排ガス14Aを水15によって冷却する塔である。冷却塔16は、塔内に水15を噴霧する噴霧ノズル26と、冷却部11とを有する。排ガス14Aは冷却塔16内の冷却部11で噴霧ノズル26から噴霧された水15と向流接触することにより冷却される。
排ガス14Aと熱交換して高温となった水15は冷却塔16の塔底部に貯留される。塔底部の水15は塔底部から抜き出され、冷却器27で冷却水28と熱交換することにより冷却された後、冷却塔16に送給される。これにより、水15は排ガス14Aの冷却用として循環して使用される。
冷却された排ガス14Bは、冷却塔16とCO2吸収塔23とを連結する煙道29を介して冷却塔16から排出され、CO2吸収部12に送給される。
CO2吸収部12は、上述の通り、並流式CO2吸収部19と向流式CO2吸収部20とを有する。排ガス14Bは、並流式CO2吸収部19を含む並流式CO2吸収塔22と向流式CO2吸収部20を含むCO2吸収塔23とに、この順に送給される。
並流式CO2吸収塔22は、冷却部11を含む冷却塔16とCO2吸収塔23との間に設けられている。本実施形態においては、並流式CO2吸収部19を含む並流式CO2吸収塔22は、CO2吸収部12の中で排ガス14Bの流れ方向の最も前流側に設けられている。冷却塔16から排出される排ガス14Bは煙道29を通り、並流式CO2吸収塔22に送給される。
並流式CO2吸収塔22は、排ガス14BをCO2吸収塔23から排出されるセミリッチ溶液24と並流状態で接触させて排ガス14BからCO2を除去する塔である。並流式CO2吸収塔22は、塔内に噴霧ノズル31と、並流式CO2吸収部19とを有する。噴霧ノズル31は、セミリッチ溶液24を下向きに噴霧している。このセミリッチ溶液24は、CO2吸収塔23からセミリッチ溶液抜き出しライン32を介して排出され、冷却器33で冷却水34と熱交換し、冷却された後、並流式CO2吸収塔22に送給されている。また、排ガス14Bは並流式CO2吸収塔22の塔頂部側から供給され、塔内を塔底部側に向かって流れている。
よって、セミリッチ溶液24は並流式CO2吸収塔22内に供給される前に冷却されているため、並流式CO2吸収塔22内で、セミリッチ溶液24は更に排ガス14B中のCO2を吸収することができ、並流式CO2吸収塔22の塔底部に貯留されるリッチ溶液18中のCO2濃度を高くすることができる。
また、セミリッチ溶液24は並流式CO2吸収塔22内に供給される前に冷却されているため、セミリッチ溶液24が排ガス14Bと接触することによりCO2吸収塔23に送給される排ガス14Cのガス温度を下げることができる。このため、後述するように、CO2吸収塔23においても排ガス14C中に含まれるCO2の吸収量を増加させることができ、CO2の吸収効率を向上させることができる。更に、CO2吸収塔23に送給される排ガス14Cのガス温度を下げることで、リーン溶液17の吸収液の蒸気圧は小さくなり、吸収液の消費量を低減することができる。また、CO2を吸収した時に発生する反応熱により、吸収液の温度は上昇するが、CO2吸収塔23の前流側において排ガス14Cは冷却されているため、吸収液の温度上昇も抑制され、吸収液の劣化を低減できる。
また、従来のCO2回収装置では、冷却塔16とCO2吸収塔23とは煙道29により連結されていた。これに対し、本実施形態に係るCO2回収装置10は、煙道29に並流式CO2吸収塔22を設けるようにしたものである。よって、本実施形態に係るCO2回収装置10によれば、従来の既設のCO2回収装置の煙道29に並流式CO2吸収塔22を設けるようにしたものであるため、設置面積を有効に利用することができる。
並流式CO2吸収部19の断面積S1とし、向流式CO2吸収部20の断面積S2としたとき、並流式CO2吸収部19の断面積比(S1/S2)は、1.0以下が好ましく、より好ましくは、0.8以下であり、更に好ましくは、0.5以下である。これにより、並流式CO2吸収塔22内でセミリッチ溶液24と排ガス14Bとの接触割合を好適に保つことができるため、排ガス14B中のCO2の吸収効率を維持することができる。この結果、再生塔21の再生過熱器(リボイラ)36で消費する蒸気量を削減することができる。また、並流式CO2吸収部19の断面積比(S1/S2)が小さくても並流式CO2吸収部19の充填高さをその分高くすることで、並流式CO2吸収塔22内でセミリッチ溶液24と排ガス14Bとの接触割合を好適に保つことができるため、排ガス14B中のCO2の吸収効率を維持することができる。
また、セミリッチ溶液24は並流式CO2吸収塔22に供給する前に、予め冷却器33で冷却するようにしているが、セミリッチ溶液24を冷却する必要が無い場合には冷却器33で冷却しなくてもよい。
並流式CO2吸収塔22でセミリッチ溶液24と気液接触した排ガス14Cは、CO2吸収塔23の塔底部の側壁からCO2吸収塔23に送られる。
また、並流式CO2吸収部19において排ガス14B中のCO2を吸収したリッチ溶液18は、並流式CO2吸収塔22の底部に貯留される。並流式CO2吸収塔22の底部に貯留されたリッチ溶液18は、リッチ溶液送給ライン37から抜き出され、並流式CO2吸収塔22の塔底部から外部に設けられたリッチソルベントポンプ38により圧送され、リッチ・リーン溶液熱交換器39において再生塔21で再生されたCO2吸収液17と熱交換された後、再生塔21の塔側面側から塔内に供給される。
並流式CO2吸収塔22の塔底部のリッチ溶液18の一部は、リッチ溶液抜き出し分岐ライン41から抜き出し、セミリッチ溶液24と混合し、並流式CO2吸収塔22に循環して使用するようにしてもよい。これにより、リッチ溶液18は排ガス14B中に含まれるCO2を並流式CO2吸収塔22で更に吸収し、排ガス14BからCO2を除去することができるため、リッチ溶液18中のCO2濃度を更に高くすることができる。この結果、リボイラ36で消費する蒸気量を削減することができる。
また、CO2吸収塔23から並流式CO2吸収塔22に供給されるセミリッチ溶液24の流量A1とし、並流式CO2吸収塔22内のリッチ溶液18をリッチ溶液抜き出し分岐ライン41を介して並流式CO2吸収塔22に供給するリッチ溶液18の流量A2としたとき、リッチ溶液18の還流比(A2/A1)は、0以上3以下が好ましく、より好ましくは0以上2以下である。これにより、再生塔21に送給し、再生するリッチ溶液18を好適に維持しつつ、排ガス14B中のCO2を効率良く吸収することができる。
CO2吸収塔23は、排ガス14CとCO2吸収液17とを接触させて排ガス14CからCO2を除去する塔である。CO2吸収塔23は、向流式CO2吸収部20と、噴霧ノズル43と、水洗部44と、デミスタ45とを有する。塔内に送給された排ガス14Cは塔内の塔底部側から塔頂側に向けて流れる。噴霧ノズル43は、CO2吸収液17を下向きに噴霧させるノズルである。本実施形態では、向流式CO2吸収部20は、CO2吸収塔23の塔下側に設けられている。
塔内を上昇する排ガス14Cは、向流式CO2吸収部20において、例えば塩基性アミン化合物をベースとするCO2吸収液17と向流状態接触し、排ガス14C中のCO2がCO2吸収液17に吸収される。
向流式CO2吸収部20において排ガス14C中のCO2を吸収したセミリッチ溶液24は、CO2吸収塔23の底部に貯留される。CO2吸収塔23の底部に貯留されたセミリッチ溶液24は、上述のように、セミリッチ溶液抜き出しライン32より抜き出され、並流式CO2吸収塔22に送給され、排ガス14Bと並流接触させ、排ガス14Bに含まれるCO2を吸収する。
セミリッチ溶液24は、並流式CO2吸収塔22に送給する場合に限定されるものではなく、噴霧ノズル43に送給されるCO2吸収液17に混合し、向流式CO2吸収部20において排ガス14C中のCO2を吸収するために用いてもよい。また、セミリッチ溶液24は、並流式CO2吸収塔22と向流式CO2吸収部20との両方に供給してもよい。
また、水洗部44及びデミスタ45は、CO2吸収塔23の排ガス14Cの流れ方向の後流側に設けられている。本実施形態では、水洗部44及びデミスタ45は、塔内の向流式CO2吸収部20の上方に設けられている。向流式CO2吸収部20でCO2が除去されたCO2除去排ガス47は、水洗部44及びデミスタ45にてCO2除去排ガス47に同伴されたCO2吸収液17が除去された後、塔頂部から系外へ放出される。
水洗部44には、外部から供給される水48を噴霧ノズル49から噴霧して水洗部44でCO2除去排ガス47中に含まれる不純物を除去する。噴霧ノズル49から噴霧した水48は受け部50で回収され、ポンプ51で塔外部に送給し、冷却器52で冷却水53により冷却された後、噴霧ノズル49に送給され、循環使用される。
本実施形態においては、CO2吸収部12は、並流式CO2吸収部19と向流式CO2吸収部20とを各々1つずつ有しているが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、並流式CO2吸収部19と向流式CO2吸収部20との何れか一方又は両方を複数有するようにしてもよい。
本実施形態においては、CO2吸収塔23は塔内に向流式CO2吸収部20を一つ設けるようにしているが、塔内に並流式CO2吸収部19と向流式CO2吸収部20との何れか一方又は両方を複数有するようにしてもよい。
図2は、本実施形態に係るCO2回収装置の他の構成を簡略に示す図である。図2に示すように、CO2吸収塔23は向流式CO2吸収部20−1、20−2の2段設けるようにしてもよいし、3段以上設けるようにしてもよい。CO2吸収塔23が向流式CO2吸収部20−1、20−2を設ける場合、噴霧ノズル43−2からリーン溶液17を噴霧して向流式CO2吸収部20−2を通過した後、排ガス14Cに残留しているCO2を吸収したセミリッチ溶液24Bが受け部55で貯留される。その後、受け部55に溜まったセミリッチ溶液24Bは、冷却器56で冷却水57で冷却された後、噴霧ノズル43−1からセミリッチ溶液24Bを噴霧して向流式CO2吸収部20−1を通過し、セミリッチ溶液24Aとなって塔底部に貯留される。
このとき、向流式CO2吸収部20−2でCO2を吸収したセミリッチ溶液24Bは向流式CO2吸収部20−1に供給し、向流式CO2吸収部20−1でCO2を吸収したセミリッチ溶液24Aは並流式CO2吸収部19に供給する場合に限定されるものではない。並流式CO2吸収部19でCO2を吸収したリッチ溶液18と、向流式CO2吸収部20−1、20−2の各々でCO2を吸収したセミリッチ溶液24A、24Bは、冷却した後、並流式CO2吸収部19、向流式CO2吸収部20−1、20−2の何れか一方又は両方に再度供給するようにしてもよい。
また、図1に示すように、並流式CO2吸収塔22の底部に貯留されたリッチ溶液18は、上述の通り、再生塔21に供給される。再生塔21は、吸収液再生部13を含み、リッチ溶液18からCOを放出してリーン溶液17として再生する塔である。再生塔21の塔頂部から再生塔21の塔内に放出されたリッチ溶液18は、再生塔21の塔底部から供給される蒸気(スチーム)61により加熱される。スチーム61は、リーン溶液17を再生過熱器(リボイラ)36で飽和スチーム62と熱交換することにより発生する。リッチ溶液18はスチーム61により加熱されることにより、吸熱され、リッチ溶液18中に含まれる大部分のCO2を放出し、再生塔21の塔底部に至る頃には、ほぼ全てのCO2が除去されたCO2吸収液(リーン溶液)17となる。
再生塔21の底部に貯留されるリーン溶液17はCO2吸収液としてリーンソルベントポンプ63により送給され、リーンソルベントクーラ64で冷却水65と熱交換して冷却された後、CO2吸収塔23に送給される。
一方、再生塔21の塔頂部からは水蒸気を伴ったCO2ガス71が放出される。水蒸気を伴ったCO2ガス71は再生塔21の塔頂部から導出され、コンデンサ72で冷却水73によりCO2ガス71に含まれる水蒸気が凝縮され、分離ドラム74にて水75が分離された後、CO2ガス76は系外に放出されて回収される。また、分離ドラム74にて分離された水75は凝縮水循環ポンプ77にて再生塔21の上部に供給される。
このように、本実施形態に係るCO2回収装置10は、冷却塔16とCO2吸収塔23との間に並流式CO2吸収部19を含む並流式CO2吸収塔22を設け、CO2吸収塔23で排ガス14C中のCO2を吸収したセミリッチ溶液24を用いて並流式CO2吸収塔22で更に排ガス14B中のCO2を吸収するための吸収液として用いている。これにより、並流式CO2吸収塔22の塔底部に貯留されるリッチ溶液18中のCO2濃度を高くすることができる。また、セミリッチ溶液24は並流式CO2吸収塔22内に供給される前に予め冷却しているため、CO2吸収塔23に送給される排ガス14Cのガス温度を下げることができる。このため、CO2吸収塔23において排ガス14C中に含まれるCO2の吸収量も増加させることができると共に、吸収液の消費量を低減することができる。さらに、既設のCO2回収装置の煙道に並流式CO2吸収塔22を設けることができるため、設置面積を有効に利用することができる。
これにより、再生塔21でCO2吸収液17に含まれるCO2を放出するために要するスチームを無駄なく効率よく利用することができるため、CO2回収装置10の運転効率を上昇させることができる。
なお、本実施形態に係るCO2回収装置10は、向流式CO2吸収部20をCO2吸収塔23の塔内に設けるようにしているが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、向流式CO2吸収部20は、冷却部11とCO2吸収塔23との間に設けるようにしてもよい。
本実施形態に係るCO2回収装置10は、排ガス14A中に含まれるCO2を回収するのに適用する場合に限定されるものではなく、例えば、排煙脱硫装置など排ガス中に含まれる成分を水など液体と気液接触させる装置であれば好適に用いることができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。本実施形態に係るCO2回収装置の構成は、上述の図1に示すCO2回収装置の構成と同様であるため、CO2回収装置の構成を示す図は省略し、冷却塔とCO2吸収塔との構成を示す図のみを用いて説明する。なお、図1、図2のCO2回収装置と同一の部材には同一の符号を付してその説明は省略する。また、本実施形態においては、図2に示すように、向流式CO2吸収部20を2つ設けた場合について説明する。
図3は、本発明の第2の実施形態に係るCO2回収装置の構成の一部を簡略に示す図である。図3に示すように、本実施形態に係るCO2回収装置は、図2に示す第1の実施形態に係るCO2回収装置に、更に排ガス14Bの流れ方向の最も前流側に向流式CO2吸収部81を設けるようにしたものである。すなわち、本実施形態に係るCO2回収装置は、CO2吸収塔23内に向流式CO2吸収部20−1、20−2を設け、冷却塔16とCO2吸収塔23との間に並流式CO2吸収塔22を設けると共に、冷却塔16の内部の冷却部11のガス流れ方向の下流側(塔内の上方側)に、向流式CO2吸収部81を有するものである。
冷却塔16は、塔内に噴霧ノズル82と、向流式CO2吸収部81とを有する。向流式CO2吸収部81は、冷却後の排ガス14Bを並流式CO2吸収塔22から排出されるリッチ溶液18Aと向流状態で接触させて排ガス14BからCO2を除去するものである。
噴霧ノズル82は、リッチ溶液18Aを下向きに噴霧している。このリッチ溶液18Aは、並流式CO2吸収塔22からセミリッチ溶液抜き出しライン83を介して排出され、冷却器84で冷却水85と熱交換し、冷却された後、並流式CO2吸収塔22に送給されている。
向流式CO2吸収部81は、冷却部11のガス流れ方向の後流側に設けられている。本実施形態では、向流式CO2吸収部81は、冷却塔16の冷却部11より上側に設けられている。そのため、冷却塔16の冷却部11で冷却された排ガス14Bは、向流式CO2吸収部81に向かう。
リッチ溶液18Aは向流式CO2吸収部81で冷却後の排ガス14Bと接触した後、受け部86で貯留される。
向流式CO2吸収部81に供給された排ガス14Bは、向流式CO2吸収部81内でリッチ溶液18Aと向流接触する。並流式CO2吸収塔22内で、リッチ溶液18Aは排ガス14Bと向流接触することで、排ガス14B中に含まれるCO2を吸収し、排ガス14BからCO2を除去することができる。
リッチ溶液18Aは向流式CO2吸収部81で冷却後の排ガス14Bと接触した後、受け部86に貯留されるが、この受け部86に貯留されたリッチ溶液18は、リッチ溶液送給ライン87から抜き出され、再生塔14に供給される。
本実施形態に係るCO2回収装置は、CO2吸収塔23から排出されるセミリッチ溶液24Aを用いて並流式CO2吸収塔22内で排ガス14C−1中のCO2を吸収するための吸収液として用いている。そして、並流式CO2吸収塔22から排出されるリッチ溶液18Aを用いて冷却塔16内で更に排ガス14B中のCO2を吸収するための吸収液として用いている。すなわち、リッチ溶液18Aは、並流式CO2吸収塔22で排ガス14C−1中のCO2を吸収し、CO2吸収塔23で排ガス14C−2中のCO2を吸収した吸収液である。このため、リッチ溶液18Aを向流式CO2吸収部81で更に排ガス14B中のCO2を吸収するための吸収液として用いることにより、冷却塔16の受け部86に貯留されるリッチ溶液18B中のCO2濃度を更に高くすることができる。
受け部86に貯留されたリッチ溶液18Bの一部は、リッチ溶液抜き出し分岐ライン83から抜き出し、リッチ溶液18Aと混合し、向流式CO2吸収部81に循環して使用するようにしてもよい。これにより、リッチ溶液18Aは排ガス14B中に含まれるCO2を向流式CO2吸収部81で更に吸収し、排ガス14BからCO2を除去することができるため、リッチ溶液18B中のCO2濃度を更に高くすることができる。
また、並流式CO2吸収塔22から冷却塔16に供給されるリッチ溶液18Aの流量A3と、冷却塔16内のリッチ溶液18Bをリッチ溶液抜き出し分岐ライン83を介して冷却塔16に供給するリッチ溶液18Bの流量A4とについて、リッチ溶液18Bの還流比(A4/A3)は、0以上3以下が好ましく、より好ましくは0以上2以下である。これにより、再生塔21に送給し、再生するリッチ溶液18Bを好適に維持しつつ、排ガス14B中のCO2を吸収することができる。
また、リッチ溶液18Aは冷却塔16内に供給される前に冷却されているため、リッチ溶液18Aが排ガス14Bと接触することによりCO2吸収塔23に送給される排ガス14C−1のガス温度を下げることができる。また、セミリッチ溶液24Aは並流式CO2吸収塔22内に供給される前にも冷却しているため、CO2吸収塔23に送給される排ガス14C−2のガス温度も下げることができる。このため、CO2吸収塔23において排ガス14C中に含まれるCO2の吸収量を増加させることができる、CO2の吸収効率を向上させることができると共に、吸収液の消費量を低減することができる。
さらに、本実施形態に係るCO2回収装置は、既設のCO2回収装置の煙道29に並流式CO2吸収塔22を設け、冷却塔16の内部のガス流れ方向の下流側(塔内の上方側)に向流式CO2吸収部81を設けるようにしたものであるため、設置面積を有効に利用することができる。
このように、本実施形態に係るCO2回収装置によれば、CO2吸収液17への排ガス14A中に含まれるCO2の吸収効率を向上させることができると共に、CO2吸収液17に含まれる吸収液の消費量を低減することができるため、CO2吸収液17を効率良く利用することができる。これにより、再生塔21でCO2吸収液17に含まれるCO2を放出するために要するスチームを更に無駄なく効率よく利用することができるため、CO2回収装置の運転効率を更に上昇させることができる。また、既設の装置に対しても更に有効に適用することができる。
次に、本実施形態に係るCO2回収装置を用いた場合におけるリボイラで消費する蒸気量の削減率の試験結果を説明する。
<冷却塔とCO2吸収塔との間に並流式CO2吸収塔を設けた場合>
図1に示す本発明の第1の実施形態に係るCO2回収装置10のように、冷却塔16とCO2吸収塔23との間に並流式CO2吸収塔22を設けた場合に、リボイラ36で消費する蒸気量の削減率について、並流式CO2吸収塔22の並流式CO2吸収部19の高さを変えた場合、並流式CO2吸収塔22を循環させるセミリッチ溶液24の還流比(A2/A1)を変えた場合、並流式CO2吸収塔22とCO2吸収塔23との断面積比(S1/S2)を変えた場合の各々について検討した。以下、図1に示す本発明の第1の実施形態に係るCO2回収装置10を参照にしつつ説明する。
[並流式CO2吸収塔22の向流式CO2吸収部20の充填高さとリボイラ36で消費する蒸気量の削減率との関係]
図4は、並流式CO2吸収塔22の並流式CO2吸収部19の充填高さとリボイラ36で消費する蒸気量の削減率との関係を示す図である。なお、比較例1は、並流式CO2吸収塔22を設けていない従来のCO2回収装置においてCO2吸収塔23の向流式CO2吸収部20の充填高さを100%とした試験例である。比較例1において、リボイラ36が消費する蒸気量を基準値(0%)とした。実施例1−1は、CO2吸収塔23の向流式CO2吸収部20の充填高さを100%とした時に並流式CO2吸収塔22の並流式CO2吸収部19の充填高さを14%とした試験例である。実施例1−2は、CO2吸収塔23の向流式CO2吸収部20の高さを100%とした時に並流式CO2吸収塔22の並流式CO2吸収部19の高さを28%とした試験例である。実施例1−3は、CO2吸収塔23の向流式CO2吸収部20の高さを100%とした時に並流式CO2吸収塔の並流式CO2吸収部19の高さを43%とした試験例である。実施例1−1〜1−3は、いずれも、CO2吸収塔23から並流式CO2吸収塔22に供給されるセミリッチ溶液24の流量A1と並流式CO2吸収塔22内のリッチ溶液18をリッチ溶液抜き出し分岐ライン41を介して並流式CO2吸収塔22に供給するリッチ溶液18の流量A2とのリッチ溶液18の還流比(A2/A1)を0とし、並流式CO2吸収部19の断面積S1と向流式CO2吸収部20の断面積S2との並流式CO2吸収部19の断面積比(S1/S2)を1とした。
図4に示すように、並流式CO2吸収塔22の並流式CO2吸収部19の充填高さが大きくなるほど、リボイラ36で消費する蒸気量の削減率は大きくなった。よって、並流式CO2吸収塔22を煙道29に設ける場合、並流式CO2吸収塔22の並流式CO2吸収部19の充填高さが高いほど、リボイラ36で消費する蒸気量の削減率を大きくすることができる。
[セミリッチ溶液24を並流式CO2吸収塔22に再度循環させるセミリッチ溶液24の還流比(A2/A1)とリボイラ36で消費する蒸気量の削減率との関係]
図5は、セミリッチ溶液24を並流式CO2吸収塔22に再度循環させるセミリッチ溶液24の還流比(A2/A1)とリボイラ36で消費する蒸気量の削減率との関係を示す図である。なお、比較例2は、比較例1と同様、並流式CO2吸収塔22を設けていない従来のCO2回収装置においてCO2吸収塔23の向流式CO2吸収部20の充填高さを100%とした試験例である。比較例2において、リボイラ36が消費する蒸気量を基準値(0%)とした。実施例2−1〜2−3は、いずれもCO2吸収塔23の向流式CO2吸収部20の高さを100%とした時に並流式CO2吸収塔22の並流式CO2吸収部19の高さを28%とし、断面積比(S1/S2)を1とした試験例である。実施例2−1は、セミリッチ溶液24の還流比を0とした。実施例2−2は、セミリッチ溶液24の還流比を1とした。実施例2−3は、セミリッチ溶液24の還流比を2とした。
図5に示すように、並流式CO2吸収塔22に循環させるリッチ溶液18の還流比(A2/A1)が大きくなるほど、リボイラ36で消費する蒸気量の削減率が大きくなった。よって、並流式CO2吸収塔22を煙道29に設ける場合、並流式CO2吸収塔22に循環させるリッチ溶液18の還流比が大きくなるほど、リボイラ36で消費する蒸気量の削減率を大きくすることができる。
[並流式CO2吸収塔22の断面積比とリボイラ36で消費する蒸気量の削減率との関係]
図6は、並流式CO2吸収塔22の断面積比とリボイラ36で消費する蒸気量の削減率との関係を示す図である。なお、比較例3は、比較例1、2と同様、並流式CO2吸収塔22を設けていない従来のCO2回収装置においてCO2吸収塔23の向流式CO2吸収部20の充填高さを100%とした試験例である。実施例3−1〜3−3は、いずれもCO2吸収塔23の向流式CO2吸収部20の充填高さを100%とした時の並流式CO2吸収塔22の並流式CO2吸収部19の高さを28%とし、リッチ溶液18の還流比(A2/A1)を0とした試験例である。実施例3−1は、並流式CO2吸収部19の断面積比(S1/S2)を1とした。実施例3−2は、並流式CO2吸収部19の断面積比(S1/S2)を0.75とした。実施例3−3は、並流式CO2吸収部19の断面積比(S1/S2)を0.5とした。
図6に示すように、並流式CO2吸収部19の断面積比(S1/S2)が0.5の場合よりも並流式CO2吸収部19の断面積比(S1/S2)が0.75や1の場合の方がリボイラ36で消費する蒸気量の削減率が大きかった。並流式CO2吸収部19の断面積比(S1/S2)が0.75の場合と、並流式CO2吸収部19の断面積比(S1/S2)が1.0の場合とでは、リボイラ36で消費する蒸気量の削減率はほぼ同等であった。よって、並流式CO2吸収塔22を煙道29に設ける場合、並流式CO2吸収部19の断面積比(S1/S2)は、0.5以上よりも大きくすることで、リボイラ36で消費する蒸気量の削減率を大きくすることができる。
[並流式CO2吸収部19の断面積比(S1/S2)と並流式CO2吸収部19の充填高さを変化させた場合のリボイラ36で消費する蒸気量の削減率への影響]
図7は、並流式CO2吸収部19の断面積比(S1/S2)と並流式CO2吸収部19の充填高さを変化させた場合とリボイラ36で消費する蒸気量の削減率との関係を示す図である。実施例3−4は、CO2吸収塔23の向流式CO2吸収部20の高さを100%とした時の並流式CO2吸収塔22の並流式CO2吸収部19の高さを43%とし、リッチ溶液18の還流比(A2/A1)を0とし、並流式CO2吸収部19の断面積比(S1/S2)を0.5とした試験例である。
図7に示すように、並流式CO2吸収部19の断面積比(S1/S2)が0.5の場合では、並流式CO2吸収部19の断面積比(S1/S2)が1の場合よりもリボイラ36で消費する蒸気量の削減率は小さくなったが、並流式CO2吸収部19の充填高さを高くすることで、並流式CO2吸収部19の断面積比(S1/S2)が1の場合よりもリボイラ36で消費する蒸気量の削減率が大きくなった。よって、並流式CO2吸収塔22を煙道29に設ける場合、並流式CO2吸収部19の断面積比(S1/S2)が小さい場合には、並流式CO2吸収部19の充填高さを高くすることで、リボイラ36で消費する蒸気量の削減率を大きくすることができる。
[CO2吸収塔23の向流式CO2吸収部20を2段としたときの並流式CO2吸収塔22の並流式CO2吸収部19の充填高さとリボイラ36で消費する蒸気量の削減率との関係]
図8は、並流式CO2吸収塔22の並流式CO2吸収部19の充填高さとリボイラ36で消費する蒸気量の削減率との関係を示す図である。なお、比較例4−1は、比較例1と同様、並流式CO2吸収塔22を設けていない従来のCO2回収装置においてCO2吸収塔23の向流式CO2吸収部20の充填高さを100%とした試験例である。比較例4−1において、リボイラ36が消費する蒸気量を基準値(0%)とした。比較例4−2は、並流式CO2吸収塔22を設けていない従来のCO2回収装置においてCO2吸収塔23の向流式CO2吸収部20を2段とし、向流式CO2吸収部20−1、20−2の充填高さの和を100%とした試験例である。実施例4−1は、CO2吸収塔23の向流式CO2吸収部20−1、20−2の充填高さの和を100%とした時の並流式CO2吸収部19の充填高さを14%とした試験例である。実施例4−2は、CO2吸収塔23の向流式CO2吸収部20−1、20−2の充填高さの和を100%とした時の並流式CO2吸収部19の充填高さを28%とした試験例である。実施例4−3は、CO2吸収塔23の向流式CO2吸収部20−1、20−2の充填高さの和を100%とした時の並流式CO2吸収部19の充填高さを43%とした試験例である。また、実施例4−1〜4−3、比較例4−2は、いずれも向流式CO2吸収部20−1の充填高さを29%、向流式CO2吸収部20−2の充填高さを71%とした。また、実施例4−1〜4−3、比較例4−1、4−2は、いずれもリッチ溶液18の還流比(A2/A1)を0とし、並流式CO2吸収部19の断面積比(S1/S2)を1とした。
図8に示すように、CO2吸収塔23が向流式CO2吸収部20−1、20−2を含み、CO2吸収塔23の向流式CO2吸収部20を2段とすることで、CO2吸収塔23が向流式CO2吸収部20を含み、CO2吸収塔23の向流式CO2吸収部20が1段の場合よりもリボイラで消費する蒸気量の削減率は大きくなった(比較例4−1、4−2参照)。また、実施例4−1のように、CO2吸収塔23が向流式CO2吸収部20を2段とし、煙道29に並流式CO2吸収塔22を設けることで、リボイラ36で消費する蒸気量の削減率は更に高くなった。また、実施例4−1〜4−3のように、並流式CO2吸収塔22の並流式CO2吸収部19の充填高さが高くなるほど、リボイラ36で消費する蒸気量の削減率は大きくなった。よって、CO2吸収塔23の向流式CO2吸収部20を複数段とし、煙道29に並流式CO2吸収塔22を設けることで、リボイラ36で消費する蒸気量の削減率は更に高くできる。また、並流式CO2吸収塔22の並流式CO2吸収部19の高さが高くなるほど、リボイラ36で消費する蒸気量の削減率を大きくすることができる。
<冷却塔16の内部と、冷却塔16とCO2吸収塔23との間に並流式CO2吸収塔22を設けた場合>
[CO2吸収塔23のCO2回収部を2段とし、冷却塔16の内部の向流式CO2回収部72の充填高さとリボイラ36で消費する蒸気量の削減率との関係]
図9は、向流式CO2回収部72の充填高さとリボイラ36で消費する蒸気量の削減率との関係を示す図である。なお、比較例5−1は、比較例4−1と同様、並流式CO2吸収塔22を設けていない従来のCO2回収装置においてCO2吸収塔23の向流式CO2吸収部20の充填高さを100%とした試験例である。比較例5−1において、リボイラ36が消費する蒸気量を基準値(0%)とした。比較例5−2は、比較例4−2と同様、並流式CO2吸収塔22を設けていない従来のCO2回収装置においてCO2吸収塔23の向流式CO2吸収部20を2段とし、向流式CO2吸収部20−1、20−2の充填高さの和を100%とした試験例である。比較例5−3は、並流式CO2吸収塔22を設けたCO2回収装置においてCO2吸収塔23の向流式CO2吸収部20を2段とし、向流式CO2吸収部20−1、20−2の充填高さの和を100%とした試験例である。実施例5−1は、CO2吸収塔23の向流式CO2吸収部20−1、20−2の充填高さの和を100%とした時の向流式CO2回収部72の充填高さを14%とした試験例である。実施例5−2は、CO2吸収塔23の向流式CO2吸収部20−1、20−2の充填高さの和を100%とした時の向流式CO2回収部72の充填高さを28%とした試験例である。実施例5−3は、CO2吸収塔23の向流式CO2吸収部20−1、20−2の充填高さの和を100%とした時の向流式CO2回収部72の充填高さを43%とした試験例である。また、実施例5−1〜5−3、比較例5−2は、いずれも向流式CO2吸収部20−1の充填高さを29%、向流式CO2吸収部20−2の充填高さを71%とした。また、実施例5−1〜5−3、比較例5−3は、いずれも並流式CO2吸収塔22の並流式CO2吸収部19の充填高さを28%とした。また、実施例5−1〜5−3、比較例5−3は、いずれもリッチ溶液18Aの還流比(A2/A1)を0とし、並流式CO2吸収部19の断面積比(S1/S2)を1とした。また、実施例5−1〜5−3は、並流式CO2吸収塔22から冷却塔16に供給されるリッチ溶液18Aの流量A3と冷却塔16内のリッチ溶液18Bをリッチ溶液抜き出し分岐ライン83を介して並流式CO2吸収塔22に供給するリッチ溶液18の流量A4とのリッチ溶液18Bの還流比(A4/A3)を0とした。
図9に示すように、冷却塔16の内部に向流式CO2回収部72を設け、冷却塔16とCO2吸収塔23との間に並流式CO2吸収塔22を設けることで、リボイラ36で消費する蒸気量の削減率は大きくなった(実施例5−1〜5−3参照)。また、冷却塔16の内部に設ける向流式CO2回収部72の充填高さが高くなるほど、リボイラ36で消費する蒸気量の削減率は大きくなった。よって、冷却塔16の内部に向流式CO2回収部72を設け、煙道29に並流式CO2吸収塔22を設けることで、リボイラ36で消費する蒸気量の削減率は更に高くすることができる。また、冷却塔16の内部の向流式CO2回収部72の充填高さが高くなるほど、リボイラ36で消費する蒸気量の削減率を大きくすることができる。
10 CO2回収装置
11 冷却部
12 CO2吸収部
13 吸収液再生部
14A〜14C、14C−1、14C−2 排ガス
15、48、75 水
16 冷却塔
17 CO2吸収液(リーン溶液)
18、18A、18B リッチ溶液
19 並流式CO2吸収部
20、20−1、20−2、81 向流式CO2回収部
21 吸収液再生塔
22 並流式CO2吸収塔
23 CO2吸収塔
24、24A、24B セミリッチ溶液
26、31、43、43−1、43−2、49、82 噴霧ノズル
27、33、52、56、84 冷却器
28、34、53、57、65、73、85 冷却水
29 煙道
32、83 セミリッチ溶液抜き出しライン
36 再生過熱器(リボイラ)
37、87 リッチ溶液送給ライン
38 リッチソルベントポンプ
39 リッチ・リーン溶液熱交換器
41、83 リッチ溶液抜き出し分岐ライン
44 水洗部
45 デミスタ
47 CO2除去排ガス
50、55、86 受け部
51 ポンプ
61 スチーム
62 飽和スチーム
63 リーンソルベントポンプ
64 リーンソルベントクーラ
71、76 CO2ガス
72 コンデンサ
74 分離ドラム
77 凝縮水循環ポンプ

Claims (7)

  1. CO2を含む排ガスを水と接触させて前記排ガスを冷却する冷却部と、
    前記排ガスとCO2を吸収するCO2吸収液とを接触させて前記排ガスからCO2を除去するCO2吸収部と、
    CO2を吸収したCO2吸収液からCO2を放出させてCO2吸収液を再生する吸収液再生部と、
    を有し、
    前記CO2吸収部は、前記排ガスを前記CO2吸収液と向流状態で接触させて前記排ガスからCO2を除去する少なくとも1つの向流式CO2吸収部と、前記排ガスを前記CO2吸収液と並流状態で接触させて前記排ガスからCO2を除去する少なくとも1つの並流式CO2吸収部とを有することを特徴とするCO2回収装置。
  2. 請求項1において、
    前記CO2吸収部においてCO2を吸収したCO2吸収液を冷却し、前記CO2吸収部に再度供給することを特徴とするCO2回収装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記並流式CO2吸収部は、前記排ガスの流れ方向の最も前流側に設けられることを特徴とするCO2回収装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか1つにおいて、
    前記向流式CO2吸収部は、前記排ガスの流れ方向の最も前流側に設けられることを特徴とするCO2回収装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか1つにおいて、
    前記CO2吸収部に含まれる前記向流式CO2吸収部と前記並流式CO2吸収部との少なくとも1つが、前記排ガスと前記CO2吸収液とを接触させて前記排ガスからCO2を除去するCO2吸収塔内に設けられ、
    前記並流式CO2吸収部が、前記冷却部と前記CO2吸収塔との間に設けられることを特徴とするCO2回収装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか1つにおいて、
    前記CO2吸収部に含まれる前記向流式CO2吸収部と前記並流式CO2吸収部との少なくとも1つが、前記排ガスと前記CO2吸収液とを接触させて前記排ガスからCO2を除去するCO2吸収塔内に設けられ、
    前記向流式CO2吸収部が、前記冷却部と前記CO2吸収塔との間に設けられることを特徴とするCO2回収装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか1つにおいて、
    前記冷却部が、前記排ガスを水と接触させて前記排ガスを冷却する冷却塔内に設けられ、
    前記向流式CO2吸収塔が、前記冷却塔の内部に設けられることを特徴とするCO2回収装置。
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