JP2012215874A - 感光性樹脂組成物、感光性フィルム、パターン形成方法、中空構造の形成方法、及び電子部品 - Google Patents

感光性樹脂組成物、感光性フィルム、パターン形成方法、中空構造の形成方法、及び電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】耐湿熱性に優れ、硬化物が高温で高い弾性率を有し、中空構造保持性にも優れる感光性樹脂組成物、それを用いた感光性フィルム、パターン形成方法、中空構造の形成方法、及び電子部品を提供する。
【解決手段】(A)少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(B)光重合開始剤、及び(C)熱重合開始剤を含有し、(C)熱重合開始剤として、熱ラジカル発生剤を含む、感光性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、それを用いた感光性フィルム、パターン形成方法、中空構造の形成方法、及び電子部品に関する。
近年、半導体素子の高集積化、小型化が進むことで、急速な大容量化、低コスト化を実現している。表面弾性波(SAW)フィルタに代表される、単結晶ウエハ表面に電極パターンや微細構造を形成して特定の電気的機能を発揮する素子のパッケージは、機能部表面を樹脂等で覆うと特性が変化するため、素子表面の特に機能的に重要な部分に他の物体が接触しないように、中空構造を有することが必要とされる。また、CMOS、CCDセンサーに代表されるイメージセンサーは、撮像の妨げとなる湿気や埃から素子を守り、且つ外部からの光を遮蔽しないために、ガラス蓋にて受光部を覆った中空構造を有している。その他にも、ジャイロセンサーやミリ波レーダー等の高周波用途のMEMS(Micro Electro Mechanical System)においても、可動部分の保護のため、中空構造を有する。
これらの中空構造を有することが必要とされる素子においては、従来、無機材料の加工・接合により中空構造体を形成していた。しかしながら、部品点数や工数の低減によるコスト低減及び構造の小型化・低背化の要求のために、樹脂によって形成された枠部及び/又は蓋部を有する中空構造の形成法が検討されるようになってきた。特に、感光性樹脂材料を用いることで、フォトリソグラフィ技術によって、中空構造の形状及び電極部形成のための穴の形成が容易となり、非常に大きなコスト低減の効果が得られる。
特許文献1〜3には、中空構造を有する電子部品において、中空部を形成するための外囲壁部(枠部)及び/又は天井部(蓋部)の感光性樹脂材料として、感光性ポリイミドや感光性エポキシ樹脂、又はそれらの樹脂フィルムを用いることが記載されている。
一方、表面弾性波装置(SAWデバイス)等の中空構造を有する電子部品は、搭載基板への実装を行うために、圧電基板の配線電極と電気的接続を行った外部端子や外部電極を有するパッケージ構造として製造される。その際、中空部を形成する枠部及び蓋部の周りは、素子の保護と共に取扱い性を向上させるために、例えばトランスファモールド法等によって樹脂封止される場合が多い(例えば、特許文献4〜7を参照)。
また、表面弾性波装置は、携帯端末電話装置等に搭載される電子装置として、IC等の複数の素子と共に同一基板に実装して、モジュール化された電子部品として採用される場合がある。このモジュール化された電子部品は、同一基板に実装された各素子を保護するために、半導体用封止材料を用いるトランスファモールド法又は感光性エポキシ樹脂を用いる真空ラミネート法や真空プレス法によって、素子を樹脂封止している(例えば、特許文献8〜9)。
トランスファモールド法による樹脂封止は、通常は高温高圧(150〜200℃、50〜150kg/cm2)でモールド成形が行われるため、基板上に実装された素子に高い圧力が加わる。それによって、中空部を形成する枠部及び蓋部が変形して、圧電基板の配線電極への接触や振動空間の大きな歪みを発生させるという問題が発生する。前記の特許文献4〜8には、このような中空構造の変形の問題を解決するための様々な方法が提案されている。
また、前記の特許文献9には、空洞(中空)を形成する第1封止部に対して、第1封止部の周囲に設けられる第2封止部の弾性率を低くする方法が開示されている。
さらに、感光性樹脂を用いて中空構造の枠部及び/又は蓋部を形成する構造は、表面弾性波装置等の電子部品を一枚の基板を用いて一括製造するウエハレベルパッケージに近い方法で製造できることが知られている(前記の特許文献2、6〜8を参照)。この基板一括で製造するパッケージは製造コストを大幅に低減することが可能であり、特許文献10〜12にも、その構造と製造方法が開示されている。
特開2010−10812号公報 特表2003−523082号公報 特開2008−250200号公報 特開2007−142770号公報 特開2001−185976号公報 特開2009−200996号公報 特開2009−212760号公報 国際公開第2009/057699号 特開2007−208665号公報 特開2009−117730号公報 国際公開第2008/018452号 国際公開第2010/061821号
しかしながら、前記の特許文献1〜12に感光性樹脂として開示されているエポキシ樹脂又はポリイミド樹脂は、従来からフォトリソグラフィ技術の分野において使用されている汎用の材料であるものの、微細で強固な中空構造を形成できる材料なのかどうか、並びに、高温のおける中空構造の形状保持性と電子部品としての各種の信頼性を樹脂単独で十分に確保できる材料なのかどうか、については具体的に報告されておらず、それらの検討はほとんど行われていなかった。
一般的に、感光性樹脂は、加熱だけで硬化する熱硬化性樹脂と比べて、材料の選択幅が限られるため、耐熱耐湿性や基板への接着性に優れる組成とすることが、熱硬化性樹脂に比べて難しい。つまり、感光性エポキシ樹脂の場合、熱硬化エポキシ樹脂よりも吸湿率や透湿率が高くなる傾向にあり、十分な耐湿熱性が得られず、中空構造デバイスとしての所望の信頼性を確保することができないという問題がある。
また、上記特許文献では、光硬化後の高温における感光性エポキシ樹脂の弾性率についても具体的な検討がされていない。そのため、それらの特許文献に記載の感光性エポキシ樹脂を用いた場合、製造中や使用中に樹脂の変形、ダレ又は凹み等が発生して、中空構造保持性が損なわれて特性的に大きなダメージを被ることが考えられる。特に、信頼性の確保や他のデバイスとのモジュール化のために、中空構造デバイスを後の工程の封止樹脂によるモールドを行う際に、高温高圧条件において中空構造に圧力がかかった場合、中空構造が潰れる恐れが高いために、形状及び電気特性の維持に不安な点があり大きな問題となる。
さらに、これらの感光性エポキシ樹脂は、基板上に搭載する際に実施されるはんだリフロー時の高温繰り返しプロセスにおいて、変形だけではなく、クラックや剥離が発生する可能性が高くなるという製造上の問題を有していた。加えて、感光性エポキシ樹脂を用いたフォトリソグラフィにおいて、開口径100μm以上の大きさでパターン形成することが一般的である。上記の特許文献には、それ以下の微細なパターン形成性に関しては開示されておらず、感光性エポキシ樹脂によって、微細なパターンが形成できるか否かは不明である。
一方、上記特許文献において、高耐熱性及び高信頼性を有する感光性樹脂として挙げられる感光性ポリイミド樹脂は、一般的に、10μm以上の厚さの膜を形成することが難しいという問題がある。そのため、感光性ポリイミド樹脂を用いた場合、中空構造のリブ形成に必要とされる十分な厚さを形成することが困難である。中空構造デバイスの小型化や高精密化においては、厚膜で、且つ、微細なパターンを有するリブ形成が不可欠であるが、感光ポリイミド樹脂では適用できる材料の選択幅が小さく、この要求に十分に答えることが難しい。
また、感光性ポリイミド樹脂は、上述のとおり厚膜形成が困難であるため、当該樹脂を中空構造の蓋部の形成材料として適用した場合、厚みが十分な蓋部の形成が困難であり、薄いフィルム状となるため、高温高圧条件での耐久性に劣る。補強材として剛性の高い材料と併用することも可能であるが、コストや作成工数が増えるという新たな問題が発生する。
加えて、感光性ポリイミド樹脂は、所望の物性や特性を実現するために、250℃以上で硬化する必要がある。そのような高温で加熱する場合、発生する応力の増大や基板破損の恐れがあるSAWデバイス等への適用が困難である。
このように、従来の感光性ポリイミド樹脂は、中空構造のリブ部と蓋部を形成するには適用範囲が狭められると共に、材料そのものの構造、及び物性や特性を大幅に改良する必要がある。
なお、特許文献8及び12には、感光性エポキシ樹脂や感光性ポリイミド樹脂以外の感光性アクリレート系樹脂が例示されている。この例示された感光性アクリレート系樹脂は、様々な材料の組み合わせに応じて、物性や特性が変化することはよく知られている。しかしながら、上記の感光性エポキシ樹脂や感光性ポリイミド樹脂と同様に、中空構造の変形防止と耐湿熱性等の信頼性向上については十分な検討が行われていなかった。
そのため、上記の特許文献には、これらの特性を同時に満足できる樹脂組成物の組成(樹脂の種類及び構造、光重合開始剤、並びにそれ以外の添加剤)については具体的な開示がされておらず不明であり、最適な材料設計を行うことが求められている。
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであって、微細なパターン形成性に優れると共に、高温で高い弾性率を有し、耐湿熱性に優れ、且つ、中空構造保持性にも優れる硬化物となり得る、感光性樹脂組成物、それを用いた感光性フィルム、該感光性樹脂組成物又は該感光性フィルムを用いたパターン形成方法、中空構造の形成方法、及び電子部品を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために、中空構造を構成するリブ部及び蓋部の形成材料として適用し得る感光性樹脂組成物の組成について、信頼性向上、高弾性率、厚膜形成性及びパターン形成性を総合的に鋭意検討した。
その結果、少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、光重合開始剤、及び熱重合開始剤として熱ラジカル発生剤を含有する感光性樹脂組成物が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下〔1〕〜〔14〕に関する。
〔1〕(A)少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(B)光重合開始剤、及び(C)熱重合開始剤を含有し、(C)熱重合開始剤として、熱ラジカル発生剤を含む、感光性樹脂組成物。
〔2〕前記熱ラジカル発生剤が、有機過酸化物である、上記〔1〕に記載の感光性樹脂組成物。
〔3〕(C)熱重合発生剤が、10時間半減期温度が90〜150℃の有機過酸化物である、上記1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
〔4〕(A)光重合性化合物は、少なくともアミド基を有するアクリレート化合物又はメタクリレート化合物を含有する、上記1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
〔5〕(A)光重合性化合物は、少なくともアクリロイル基又はメタクリロイル基を有するウレタン系化合物を含有する、上記1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
〔6〕更に(D)無機フィラーを含有する、上記1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
〔7〕前記感光性樹脂組成物の硬化物の150℃における弾性率が、0.5GPa以上である、上記1〜6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
〔8〕中空構造を有する電子部品において前記中空構造を構成するリブ部及び蓋部の一方又は両方の形成材料として用いられる、上記1〜7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
〔9〕上記1〜8のいずれかに記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を有する、感光性フィルム。
〔10〕基板上に、上記1〜8のいずれかに記載の感光性樹脂組成物又は上記9に記載の感光性フィルムを積層して、感光性樹脂層を形成する積層工程と、前記感光性樹脂層の所定部分にマスクを通して活性光線を照射して露光部を光硬化せしめる露光工程と、前記感光性樹脂層の前記露光部以外の部分を、現像液を用いて除去する現像工程と、前記感光性樹脂層の前記露光部を熱硬化させて樹脂硬化物を形成する熱硬化工程とを有する、パターン形成方法。
〔11〕基板上に中空構造を形成するためにリブパターンを設け、該リブパターン上に、上記9に記載の感光性樹脂層を有する感光性フィルムを積層する積層工程と、前記感光性樹脂層の所定部分に活性光線を照射して露光部を光硬化せしめる露光工程と、前記感光性樹脂層の前記露光部を熱硬化させて樹脂硬化物を形成する熱硬化工程とを有する、中空構造の形成方法。
〔12〕前記リブパターンが、上記10に記載のパターン形成方法によって形成されたものである、上記11に記載の中空構造の形成方法。
〔13〕上記1〜8のいずれかに記載の感光性樹脂組成物又は上記9に記載の感光性フィルムを用いて中空構造のリブ部及び/又は蓋部が形成されてなる中空構造を有する、電子部品。
〔14〕前記電子部品が、表面弾性波フィルタである、上記13に記載の電子部品。
本発明の感光性樹脂組成物は、優れた光硬化性と光解像度を有するため、厚膜で微細パターン形成ができるばかりでなく、該樹脂組成物の硬化物は、高温での高弾性率化や、基板との高接着性を発現させることができる。そのため、本発明の感光性樹脂組成物を適用した中空構造を有する電子デバイスは、高温の高弾性率化と剛直性及び耐湿熱性を有し、中空構造保持性にも優れる。また、光硬化性の向上は樹脂硬化物の高耐熱化と基板との高接着化に対しても寄与することから、厚膜における耐リフロークラック性を向上することができると共に、優れた耐湿熱性が得られ、例えば、PCT(プレッシャークッカー)試験のような過酷な高温高湿度雰囲気においても高い接着性を保持し、中空構造デバイスの信頼性を確保できる。
本発明の電子部品の一つであるSAWフィルタ及びその製造方法の好適な一実施形態を示す図である。 本発明の別の実施形態である金属ボールが搭載されたSAWフィルタを示す図である。 本発明の金属ボールが搭載されたSAWフィルタの製造方法を示す図である。 本発明の電子部品の一つである2層配線層を有するSAWフィルタの配線形成方法を示す図である。 本発明の別の実施形態である封止材で封止されたSAWフィルタを示す図である。 本発明の別の実施形態である封止材で封止されたSAWフィルタの製造方法を示す図である。 本発明の感光性樹脂組成物について、解像度の評価基準を示す図である。
以下、場合により図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
また、本明細書の以下の記載において、例えば、「(メタ)アクリレート化合物」との標記は、「アクリレート化合物」、「メタクリレート化合物」の一方もしくは双方を意味する用語として、「(メタ)アクリロイル基」との標記は、「アクリロイル基」、「メタクリロイル基」の一方もしくは双方を意味する用語として使用する。また、他の類似用語についても、同様である。
さらに、本明細書において、リブ部とは、中空構造の側周壁を構成可能な枠体のことをいう。この枠体は、中空構造の側周壁を構成可能な形状であれば特に制限はなく、平面視の外形が、三角形、四角形、及び五角形以上の多角形であってもよく、真円、楕円等の円形であってもよい。また、上記枠体は、その一部が欠けているような枠体であってもよい。一部が欠けているような枠体としては、例えば、コの字型の形状、アルファベットのC型の形状等が挙げられる。また、リブパターンとは、フォトリソグラフィにより形成されたリブ部のパターンのことをいう。
中空構造のリブ部と蓋部の材料となる感光性樹脂には、光露光によってパターン形成するため、厚膜でも光透過性と微細パターン性に優れると共に、耐熱耐湿性の向上のために、樹脂硬化物の耐熱性が高く、低吸湿性及び低透湿性を有することが好ましい。上記で述べたように、従来からリソグラフィ技術で使用されていたような感光性エポキシ樹脂又は感光性ポリイミド樹脂では、この要求に応えることは難しい。
本発明者らは、まず、(A)少なくとも1つのエチレン性不飽和を有する光重合性化合物(以下、「(A)成分」又は「(A)光重合性化合物」ともいう)が、光重合反応性が高い点に着目し、(A)光重合性化合物を含む感光性樹脂組成物が、厚膜形成性と微細パターン形成性の感光特性に優れるだけではなく、樹脂硬化物の耐熱性を向上させることができることを見出した。
具体的には、(A)光重合性化合物を用いることで、ガラス転移温度を向上させ、低吸湿率化を図ることが容易となる。また、低粘度の材料として選択幅が広くなるため、リブ部又は蓋部を形成する際に基板上に塗布する感光性樹脂組成物の粘度を任意に調整することが容易である。塗布する感光性樹脂組成物の低粘度化は溶剤を用いても可能であるが、少なくともこの(A)光重合性化合物を用いることで、樹脂組成物の硬化物の特性や信頼性に悪影響を与える溶剤の量を低減することができる。加えて、感光性樹脂組成物に無機フィラー等を多めに含有した場合でも、得られる感光性樹脂組成物の塗布性やフィルム形成性を維持することができる。
しかしながら、中空構造のリブ部と蓋部の形成材料となる感光性樹脂組成物には、厚膜形成性、中空構造の保持性及び高信頼性の向上の観点から、従来よりも光硬化性と光解像度を大幅に向上しうる特性が要求される。
それに対し、本発明者らは、(A)光重合性化合物、(B)光重合開始剤、(C)熱重合開始剤を含有し、(C)成分として、熱ラジカル発生剤を含む感光性樹脂組成物が、高信頼性と中空保持性を向上でき、該組成物から得られる硬化物の物性や特性を中空構造形成用の材料として求められるレベルにまで向上できるということを見出した。
つまり、本発明の感光性樹脂組成物は、厚膜塗布性及び光硬化性と光解像度等の感光特性はほとんど影響を受けずに、耐湿熱性及び中空保持性を大幅に向上させることができる。
そのため、本発明の感光性樹脂組成物は、中空構造を有する電子部品において、該中空構造を構成するリブ部及び蓋部の一方又は両方の形成材料として好適に用いることができる。以下、本発明の感光性樹脂組成物について説明する。
[感光性樹脂組成物]
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)少なくとも1つのエチレン性不飽和を有する光重合性化合物、(B)光重合開始剤、及び(C)熱重合開始剤を含有し、(C)熱重合開始剤として、熱ラジカル発生剤を含む。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、さらに(D)無機フィラーを含むことが好ましく、(E)増感剤、(F)耐熱性高分子、(G)熱架橋剤、(H)熱酸発生剤、及び接着助剤等のその他の成分を配合することもできる。
以下、本発明の感光性樹脂組成物に含まれる各成分について説明する。
<(A)少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物>
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)成分として、少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物((A)光重合性化合物)を含有する。
(A)光重合性化合物としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、アミド結合を有する(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリロイル基を有するウレタン系化合物、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体に対してエチレン性不飽和基が導入された化合物等が挙げられる。
これらの(A)光重合性化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、基板との接着性を高めると共に、その接着性を高温でも保持し、耐リフロークラック性を向上させる観点、及び解像度を向上させる観点から、アミド基を有する(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
また、光重合反応性が高いため、厚膜形成性とパターン形成性を向上することができる観点、並びに、得られる感光性樹脂組成物の硬化物の高耐熱化と高接着化を両立できる観点から、(メタ)アクリロイル基を有するウレタン系化合物が好ましい。
アミド基を有する(メタ)アクリレート化合物及び/又は(メタ)アクリロイル基を有するウレタン系化合物を用いた感光性樹脂組成物は、例えば、中空構造を有する電子部品に適用することで、電子部品の信頼性を大幅に向上させることができる。
以上の観点から、(A)成分は、アミド基を有する(メタ)アクリレート化合物及び/又は(メタ)アクリロイル基を有するウレタン系化合物を含むことが好ましく、アミド基を有する(メタ)アクリレート化合物及び(メタ)アクリロイル基を有するウレタン系化合物を併用して含むことがより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物における、アミド基を有する(メタ)アクリレート化合物の含有量は、解像度の向上の観点から、(A)成分の全量に対して、好ましくは30質量%以上であり、さらに密着性の向上の観点から、好ましくは35質量%以上、より好ましくは50質量%以上である。
本発明の感光性樹脂組成物における、(メタ)アクリロイル基を有するウレタン系化合物の含有量は、塗布性、厚膜形成性、及びパターン形成性の向上の観点から、(A)成分の全量に対して、好ましくは50質量%以上、より好ましくは55質量%以上、更に好ましくは65質量%以上である。
本発明の感光性樹脂組成物において、(A)成分として、上記のアミド基を有する(メタ)アクリレート化合物と、上記の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン系化合物とを併用する場合は、両者を合わせた含有量としては、(A)成分の全量に対して、好ましくは50質量%以上、より好ましくは65質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上である。当該含有量が50質量%以上であれば、感光特性に優れるだけではなく、中空構造保持性と信頼性向上を同時に実現できる感光性樹脂組成物を得ることができる。
また、本発明の感光性樹脂組成物において、(A)成分として、上記のアミド基を有する(メタ)アクリレート化合物と、上記の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン系化合物とを併用する場合、アミド基を有する(メタ)アクリレート化合物と(メタ)アクリロイル基を有するウレタン系化合物の含有割合〔アミド基を有する(メタ)アクリレート化合物/ウレタン系化合物〕(質量比)は、好ましくは20/80〜70/30、より好ましくは30/70〜60/40、更に好ましくは32/68〜50/50である。
(アミド結合を有する(メタ)アクリレート化合物)
上記アミド結合を有する(メタ)アクリレート化合物としては、解像度と接着性の観点から、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
上記式(1)中、R31、R32及びR33は、各々独立に、2価の有機基を示し、R34は水素原子又はメチル基を示し、R35及びR36は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を示す。
2価の有機基としては、フェニレン基、ピリジレン基、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、炭素数1〜10の脂環構造含有基等が挙げられる。また、これらの基は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、アリール基等の置換基で置換されていてもよい。
上記一般式(1)で表される化合物は、オキサゾリン基含有化合物と、カルボキシ基含有化合物及び/又はフェノール性水酸基含有化合物とを反応させて得られる、アミド結合を有するジ(メタ)アクリレートであることが好ましい。この化合物を用いることにより、高弾性で、且つ高耐熱性の樹脂硬化物が得やすくなる。
かかる上記一般式(1)で表される化合物は、例えば、下記一般式(2)で表されるビスオキサゾリンと、1分子中にフェノール性水酸基を2つ有する化合物と、(メタ)アクリル酸とを反応させることにより得ることができる。
一般式(2)中、Y4は2価の有機基を示すが、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいピリジレン基、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の脂環構造含有基であることが好ましく、耐熱性向上の観点から、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいピリジレン基がより好ましく、耐湿性向上の観点から、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の脂環構造含有基がより好ましい。
また、R45及びR46は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又はフェニル基を示す。
上記一般式(2)で表されるビスオキサゾリンとしては、例えば、2,2’−(1,3−フェニレン)ビス−2−オキサゾリン、2,6−ビス(4−イソプロピル−2−オキサゾリン−2−イル)ピリジン、2−2’−イソプロピリデンビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2−2’−イソプロピリデンビス(4−ターシャリーブチル−2−オキサゾリン)等が挙げられる。
これらの化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
1分子中にフェノール性水酸基を2つ有する化合物としては、例えば、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシメチルナフタレン、ジヒドロキシジメチルナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)エーテル、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)フルオレン等が挙げられる。
これらの中でも、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンが好ましい。
なお、これらの化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
オキサゾリン基含有化合物と、カルボキシ基含有化合物及び/又はフェノール性水酸基含有化合物との反応は、反応温度50〜200℃で行うことが好ましい。
反応温度が50℃以上であれば、反応を効率良く進行させることができる。一方、反応温度が200℃以下であれば、副反応を十分に抑えることができる。
また、上記反応において、必要に応じて、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の極性有機溶剤中で反応を行ってもよい。
((メタ)アクリロイル基を有するウレタン系化合物)
上記(メタ)アクリロイル基を有するウレタン系化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のβ位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーと、イソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物との付加反応物;EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート;PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート;カルボキシル基含有ウレタン(メタ)アクリレート;ジオール化合物、2官能エポキシ(メタ)アクリレート及びポリイソシアネートの反応物等が挙げられる。
上記(メタ)アクリロイル基を有するウレタン化合物の一分子中における、官能基である(メタ)アクリロイル基の数は、耐熱性、密着性、塗布性、及びパターン形成性の観点から、好ましくは2〜15個である。
当該(メタ)アクリロイル基の数が2個以上であれば、樹脂組成物から得られる硬化物の耐熱性を向上させ、剛性を高めることができる。一方、15個以下であれば、高接着性との両立を図ることができるため信頼性が向上する。
また、(メタ)アクリロイル基の数が2〜15個であれば、重量平均分子量を最適化してウレタン化合物の粘度を低く調整できるため、感光性樹脂組成物の塗布が容易となる。加えて、塗布後の感光性樹脂組成物に対して光照射を行った場合に、表面部分だけが急速に光硬化するといった現象を抑えることができるため、解像度が低下してパターン形成性が低下するという現象を抑制することができる。さらに、光硬化及び/又は熱硬化後でも未反応の(メタ)アクリロイル基が残存しやすいという問題が発生せず、樹脂の物性や特性の変動を抑制することができる。
なお、当該(メタ)アクリロイル基の数は、上記観点から、好ましくは2〜15個であるが、塗布性と解像度を向上させる共に、光硬化後の硬化物の物性や特性を安定化させる観点から、より好ましくは2〜12個、更に好ましくは2〜10個である。
上記ウレタン系化合物の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは950〜25000である。なお、当該重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法によって、テトラヒドロフランを展開溶媒として用いて測定した値を意味する。
当該重量平均分子量が950以上であれば、得られる樹脂組成物の粘度が低くなり過ぎず、基板上に塗布した際に、塗布した樹脂組成物のだれを抑制することができ、塗布性を向上させることができる。また、光硬化時にウレタン化合物の体積収縮を小さくできるため、厚膜の形成が容易となり、硬化収縮による樹脂の応力も小さくなって信頼性を向上させることができる。
一方、当該重量平均分子量が25000以下であれば、得られる感光性樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎず、塗布性を良好とすることができると共に、厚膜形成性も向上する。また、光重合反応中に官能基同士の接近が容易となるように調整された重量平均分子量であるため、光硬化性が高くなり、厚膜形成性とパターン形成性が向上する。
上記ウレタン系化合物の重量平均分子量は、好ましくは950〜25000であるが、塗布性と解像度を更に向上させると共に、光硬化後の感光性樹脂組成物の物性や特性を安定化させる観点から、より好ましくは950〜15000、更に好ましくは950〜12000である。
アクリロイル基を有するウレタン系化合物の市販品としては、例えば、UN−904(官能基数:10、Mw:4900)、UN−952(官能基数:10、Mw:6500〜11000)、UN−333(官能基数:2、Mw:5000)、UN−1255(官能基数:2、Mw:8000)、UN−2600(官能基数:2、Mw:2500)、UN−6200(官能基数:2、Mw:6500)、UN−3320HA(官能基数:6、Mw:1500)、UN−3320HC(官能基数:6、Mw:1500)、UN−9000PEP(官能基数:2、Mw:5000)、UN−9200A(官能基数:2、Mw:15000)、UN−3320HS(官能基数:15、Mw:4900)、UN−6301(官能基数:2、Mw:33000)(以上はいずれも商品名、根上工業株式会社製)、TMCH−5R(商品名、日立化成工業社製)、KRM8452(官能基数=10、Mw=1200)、EBECRYL8405(ウレタンアクリレート/1,6−ヘキサンジオールジアクリレート=80/20の付加反応物、官能基数=4、Mw=2700)(以上はいずれも商品名、ダイセル・サイテック株式会社製)等が挙げられる。
メタクリロイル基を有するウレタン系化合物としては、例えば、UN−6060PTM(官能基数:2、Mw:6000、商品名、根上工業株式会社製)、JTX−0309(商品名、日立化成工業社製)、UA−21(商品名、新中村化学工業株式会社製)等が挙げられる。
(多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物)
上記多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14でありプロピレン基の数が2〜14であるポリエチレン・ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド(EO)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド(PO)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO,PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物)
ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。
これらの化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物)
上記グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸と、を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。また、上記エポキシ(メタ)アクリレート化合物のOH基に、テトラヒドロフタル酸無水物等の酸無水物を反応させて得られる酸変性エポキシアクリレート化合物を用いることもできる。このような酸変性エポキシアクリレート化合物としては、例えば、下記一般式(3)で表されるEA−6340(新中村化学製、商品名)が商業的に入手可能である。
[式(3)中、mとnとの比は、100/0〜0/100である。]
((メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体に対してエチレン性不飽和基が導入された化合物)
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体に対してエチレン性不飽和基が導入された化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等の共重合体に対して、(メタ)アクリロイル基等のエチレン性不飽和基が導入された化合物等が挙げられる。
これらの化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
<(B)光重合開始剤>
本発明の感光性樹脂組成物に含まれる(B)光重合開始剤としては、活性光線により遊離ラジカルを生成するものであれば特に制限はなく、例えば、芳香族ケトン、アシルホスフィンオキサイド系化合物、オキシムエステル系化合物、キノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンジル誘導体、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、アクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物等が挙げられる。
芳香族ケトンとしては、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(すなわちミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン等が挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド系化合物としては、例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド等が挙げられる。
オキシムエステル系化合物としては、例えば、下記式(4)で表される1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン1−(O−アセチルオキシム)、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−[O−(エトキシカルボニル)オキシム]等が挙げられる。
キノン系化合物としては、例えば、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等が挙げられる。
ベンゾインエーテル系化合物としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等が挙げられる。
ベンジル誘導体としては、例えば、ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体としては、例えば、2−(2−クロロフェニル)−1−〔2−(2−クロロフェニル)−4,5−ジフェニル−1,3−ジアゾール−2−イル〕−4,5−ジフェニルイミダゾール等の2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等が挙げられる。
アクリジン誘導体としては、例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等が挙げられる。
これらの(B)光重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、(B)光重合開始剤は、例えば、IRGACURE−369、IRGACURE−907、IRGACURE−651、IRGACURE−819、(以上、いずれもBASF社製、商品名)等の市販品を用いてもよい。
これらの(B)光重合開始剤の中でも、光硬化性の向上や高感度化の観点から、オキシムエステル系化合物が好ましい。オキシムエステル系化合物としては、上記式(4)で表される1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)(市販品:「IRGACURE−OXE−01(商品名、BASF社社製)」)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン1−(O−アセチルオキシム)(市販品:「IRGACURE−OXE−02(商品名、BASF社社製)」)、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−[O−(エトキシカルボニル)オキシム](市販品:「Quantacure−PDO(商品名、日本化薬社製)」)等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物における、(B)光重合開始剤の含有量は、得られる樹脂組成物の感度及び光硬化性を向上させ、硬化物のパターン形状性を向上させる観点から、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜5質量%であり、(A)光重合性化合物の固形分総量100質量部に対しては、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.5〜10質量部、更に好ましくは1〜5質量部である。
<(C)熱重合開始剤>
本発明の感光性樹脂組成物において、樹脂硬化物の物性や特性を向上させる目的で、(C)熱重合開始剤として、熱ラジカル発生剤を含む。
本発明の感光性樹脂組成物を中空構造の形成材料に用いる場合、パターンマスクを用いて光露光して現像を行った後、光露光部を熱硬化させて樹脂硬化物を形成する熱硬化工程を経て、中空構造が形成される。その際、樹脂硬化物の物性や特性は中空構造保持性及び電子部品の信頼性に大きな影響を及ぼすために、できるだけ感光性樹脂組成物の重合による硬化を進めることが好ましい。熱重合開始剤を含まない感光性樹脂組成物の場合、光露光時の厚膜形成性やパターン形成性において優れた特性を示すものの、所望の中空構造保持性や信頼性を維持するために上記の熱硬化工程において、より高温の加熱や長時間の加熱が必要となる場合が多い。高温で長時間の加熱は、樹脂硬化物の劣化や応力の発生という問題を発生しやすく、信頼性に悪影響を与える。
上記の問題点を鑑み、本発明の感光性樹脂組成物では、(C)熱重合開始剤として熱ラジカル発生剤を含有し、中空構造保持性、厚膜形成性、パターン形成性等の樹脂硬化物の物性や特性を向上させると共に、高温で長時間加熱しても、樹脂硬化物の劣化や応力の発生を抑えることができる。
熱ラジカル発生剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド(10時間半減期温度:145℃、市販品:パークミルP(商品名、日油株式会社製(以下同じ)))、クメンハイドロパーオキサイド(10時間半減期温度:158℃、市販品:パークミルH)、t−ブチルハイドロパーオキサイド(10時間半減期温度:166℃、市販品:パーブチルH)等のハイドロパーオキサイド類;α,α−ビス(t−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン(10時間半減期温度:119℃、市販品:パーブチルP)、ジクミルパーオキサイド(10時間半減期温度:116℃、市販品:パークミルD)、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(10時間半減期温度:118℃、市販品:パーヘキサ25B)、t−ブチルクミルパーオキサイド(10時間半減期温度:119℃、市販品:パーブチルC)、ジ−t−ブチルパーオキサイド(10時間半減期温度:124℃、市販品:パーブチルD)、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ビチルパーオキシ)ヘキシン−3(10時間半減期温度:128℃、市販品:パーヘキシン25B)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(10時間半減期温度:72℃、市販品:パーブチルO)等のジアルキルパーオキサシド類;ケトンパーオキサイド類;n−ブチル4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート(10時間半減期温度:104℃、市販品:パーヘキサV)等のパーオキシケタール類;ジアシルパーオキサイド類;パーオキシジカーボネート類;パーオキシエステル類等の有機過酸化物や、2,2’−アゾビスイソブチルニトリル、1,1’−(シクロヘキサンー1−1カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物等が挙げられる。
これらの熱ラジカル発生剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの熱ラジカル発生剤の中でも、光重合性を阻害しないで、且つ樹脂硬化物の物性や特性を向上する効果が大きいとの観点から、有機過酸化物が好ましく、感光性樹脂組成物のシェルフライフやポットライフ等の取り扱い性と硬化性の良好なバランスを保つ観点から、10時間半減期温度が90〜150℃である有機過酸化物がより好ましい。
ここで、有機過酸化物の10時間半減期温度は、有機過酸化物が10時間の半減期を得るための分解温度を示し、好ましくは90〜150℃であるが、より好ましくは95〜140℃、更に好ましくは98〜130℃、より更に好ましくは102〜125℃である。
なお、有機過酸化物の10時間半減期温度は、以下のようにして測定される。
ベンゼンを溶媒として使用し、0.1mol/L濃度の過酸化物溶液を調製し、窒素置換を行ったガラス管中に密封する。これを所定温度にセットした恒温槽に浸し、熱分解させる。一般的に希薄溶液中の有機過酸化物の分解は近似的に一次反応として取り扱うことができるので、分解過酸化物量をx(mol/L)、分解速度定数をk(1/h)、時間をt(h)、過酸化物初期濃度をa(mol/L)とすると、下記式(1)及び式(2)が成立する。
dx/dt=k(a−x) ・・・(1)
ln{a/(a−x)}=kt ・・・(2)
半減期は分解により過酸化物濃度が初期の半分に減ずるまでの時間であるから、半減期をt1/2で示し式(2)のxにa/2を代入すれば、下記式(3)のようになる。
kt1/2=ln2 ・・・(3)
従って、ある一定温度で熱分解させ、時間(t)とln{a/(a−x)}の関係をプロットし、得られた直線の傾きからkを求めることで、式(3)からその温度における半減期(t1/2)を求めることができる。
一方、分解速度定数kに関しては、頻度因子をA(1/h)、活性化エネルギーをE(J/mol)、気体定数をR(8.314J/mol・K)、絶対温度をT(K)とすれば、下記式(4)が成立する。
lnk=lnA−ΔE/RT ・・・(4)
式(3)及び式(4)よりkを消去すると、
ln(t1/2)=ΔE/RT−ln(A/2)・・・(5)
で表されるので、数点の温度についてt1/2を求め、ln(t1/2)と1/Tの関係をプロットし得られた直線からt1/2=10hにおける温度(10時間半減期温度)が求められる。
上記で挙げた熱ラジカル発生剤の中でも好適な有機過酸化物としては、t−ブチルクミルパーオキサイド(10時間半減期温度:119℃、市販品:パーブチルC(商品名、日油株式会社製(以下同じ)))、n−ブチル4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート(10時間半減期温度:104℃、市販品:パーヘキサV)、ジクミルパーオキサイド(10時間半減期温度:116℃、市販品:パークミルD)が挙げられる。
なお、熱ラジカル発生剤は、(A)光重合性化合物として好適な、上記のアミド基を有する(メタ)アクリレート化合物、及び(メタ)アクリロイル基を有するウレタン系化合物との組合せにおいて、さらに優れた耐熱湿性と中空構造保持性を発揮して、電子部品の信頼性を向上させることができる。
本発明の感光性樹脂組成物における(C)熱重合開始剤の含有量は、貯蔵及び塗膜形成時における感光性樹脂組成物の取り扱い性及び樹脂硬化物の物性や特性の観点から、(A)光重合性化合物の固形分総量100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部、より好ましくは0.2〜20質量部、更に好ましくは0.5〜10質量部である。
なお、本発明の感光性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、(C)熱重合開始剤として、熱ラジカル発生剤以外の熱重合開始剤を含有してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物における(C)熱重合開始剤中の熱ラジカル発生剤の含有割合は、(C)成分の総量に対して、好ましくは85〜100質量%、より好ましくは95〜100質量%、更に好ましくは実質100質量%である。
<(D)無機フィラー>
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに(D)無機フィラーを含有させることができる。
(D)無機フィラーとしては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ジルコニア、セラミック微粉、タルク、マイカ、窒化ホウ素、カオリン、又は硫酸バリウム等が挙げられる。
無機フィラーの体積平均粒径としては、10nm〜50μmが好ましい。
当該粒径が10nm以上であれば、感光性樹脂組成物中の無機フィラーの凝集を防ぐことができ、均一分散が可能となり、微細パターン形成性を向上させることができる。加えて硬化物の物性や特性のバラツキを小さくすることができる。一方、当該粒径が50μm以下であれば、無機フィラーによる照射光の散乱を抑えることができるため、厚膜形成性や微細パターン形成性が良好となる。
なお、ここでいう無機フィラーの体積平均粒径は、レーザー回折粒度分布計(例えば、日機装製、商品名:マイクロトラックMT3000)により、MV値(Mean Volume Diamete:体積平均値)として求めることができる。
無機フィラーの形状は、球状、破砕状、針状又は板状のいずれも使用することができ、粒径に応じて所望の形状を選ぶことができる。例えば、体積平均粒径が10nm〜1μmの範囲で、球状又は球形に近い形状を有する小粒径の無機フィラーは、感光性樹脂組成物の高温における弾性率を高めるだけではなく、硬化物の機械的強度を向上させることができ、加えて硬化前の感光性樹脂組成物にチクソ性を付与してその塗布性を向上させるという効果を有する。そのため、小粒径の無機フィラーは、光透過性や光吸収性に悪影響を与えないで、本発明の感光性樹脂組成物の物性や特性をわずかでも向上したいときに使用されることが好ましい。
また、体積平均粒径が1μm〜50μmの範囲にある大粒径の無機フィラーは、感光性樹脂組成物の高温における弾性率を大幅に高めることができるため、中空構造の形状維持性に対して大きな効果を発揮する。さらに、形状として板状を有する無機フィラーは、感光性樹脂組成物の硬化物の吸湿率や透湿率を大幅に低減できる。このように、中空構造のリブ部や蓋部の形成材料として適用する場合、本発明の感光性樹脂組成物においては、形状として板状を有する大粒径の無機フィラーを含有させることが好ましい。
高温高圧下における中空部保持性を向上させると共に、耐湿熱性を有する高信頼性の感光性樹脂組成物を得る観点から、無機フィラーの平均アスペクト比は、好ましくは30〜100、より好ましくは40〜90、更に好ましくは50〜80である。
本発明において、無機フィラーの平均アスペクト比が30以上であれば、感光性樹脂への吸湿や透湿の低減効果が発現されやすくなる傾向にある。加えて、高弾性率化の効果も得られ、例えば、高温での封止樹脂モールド圧力に耐えるような中空部保持性を得ることができる。一方、平均アスペクト比が100以下であれば、厚膜形成性や微細パターン形成性等の感光特性が良好となる。
無機フィラーの体積平均粒径は、好ましくは10nm〜50μmであるが、高温高圧下における中空部保持性を向上させると共に、耐湿熱性を有する高信頼性の感光性樹脂組成物を得る観点から、より好ましくは5〜50μm、更に好ましくは8〜40μm、より更に好ましくは10〜30μmである。無機フィラーの体積平均粒径が5μm以上であれば、感光性樹脂への吸湿や透湿の低減効果が発現されやすくなる傾向にある。加えて、高弾性率化の効果も得られる。
このようなアスペクト比及び体積平均粒径を有する無機フィラーを用いることにより、得られる感光性樹脂組成物は、低い吸湿性と水分透過性及び優れた剛直性を発現することができ、例えば、高温での封止樹脂モールド圧力に耐えるような中空部保持性を得ることができる。
また、感光性樹脂組成物に無機フィラーを含有させた場合、一般的に厚膜形成性と微細パターン形成性は低下する傾向にあるが、無機フィラーの形状、アスペクト比、及び体積平均粒径を上記の範囲に属する無機フィラーを用いることで、それらの低下を抑えることができる。
本発明において、アスペクト比は、無機フィラーの長径に対する厚みの比(長径/厚み)として定義するものであり、無機フィラー面内の(長径/短径)を意味するものではない。無機フィラーの形状としては、板状(平板状、円板状、扁平状及び鱗片状を含む)と呼ばれる形状が好ましく、本発明では鱗片状がより好ましい。
前記無機フィラーのアスペクト比は、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡を用いて求めることができる。すなわち、ここで、平均アスペクト比の測定は、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察で行なう。まずはSEMの試料台に無機フィラーを固着させ、一つの粒子が視野に入る最大限まで観察倍率を高くして、形状を観察し、その粒子の観察面積の最も大きな面(すなわち、比較的平滑で広がりのある面、例えばマイカ等ではその劈開面;X面とする)の方向から画像を取り込む(撮影する)。次に、試料台を回転させて、先程とは異なり、その粒子の観察面積の最も小さな面(すなわち、粒子が板状であればその板の厚みとして観察される面、例えばマイカ等では積層断面(破断面);Y面とする)の方向から画像を取り込む(撮影する)。このようにして得られた画像(写真)から、まずは前記X面の粒子画像についてはこれを内接する最小の円を設定してその直径を計測して前記粒子の「長径」と定義し、前記Y面の粒子画像については二本の平行線が最も近接して且つ粒子を挟み込むようにして引いたその平行線の間隔を「厚み」と定義し、前記長径を厚みで除して個々の粒子のアスペクト比を求める。この操作を、任意に抽出した100個の無機フィラーに対して行ない、平均値を算出することで平均アスペクト比とする。
無機フィラーは、分散剤としてホスフィン酸塩類を用いて水中に分散させて測定解析することができる。
本発明では、(D)成分として、平均アスペクト比が30〜100(好ましくは40〜90、より好ましくは50〜80)であり、且つ体積平均粒径が5〜50μm(好ましくは8〜40μm、より好ましくは10〜30μm)の無機フィラーを用いることが好ましい。このような無機フィラーを用いることで、厚膜形成性や微細パターン形成性等の感光特性と、樹脂硬化物の耐湿熱性及び高弾性率化との両立を図ることができる。
このような平均アスペクト比が30〜100であり、且つ体積平均粒径が5〜50μmである無機フィラーとしては、例えば、タルク、マイカ、窒化ホウ素、カオリン、硫酸バリウム等が挙げられる。これらの中でも、マイカが好ましい。
マイカは、平均アスペクト比が比較的大きく、上記範囲を満たすものが多く、且つ形状の均一性も高い。そのため、感光性樹脂組成物への水分の透過性を低減すると共に、高弾性率化によるモールド耐性を上げるだけではなく、感光特性の低下を他の無機フィラーよりも抑えるという効果を有する。
また、用いる無機フィラーは、含まれる不純物が少ないという観点から、合成物が好ましく、合成マイカがより好ましい。無機フィラーに含まれる不純物が少ないと、光硬化性に対する阻害を小さく、また、耐湿性低下を抑えることができるため、中空構造デバイスの信頼性を大幅に向上させることができる。
本発明において、(D)無機フィラーとして、市販品を用いることができ、また、複数の市販品を混合し、もしくは加工して用いてもよい。
例えば、マイカの市販品としては、例えば、A−51S(平均アスペクト比85、体積平均粒径52μm)、SYA−31RS(平均アスペクト比90、体積平均粒径40μm)、SYA−21RS(平均アスペクト比90、体積平均粒径27μm)、SJ−005(平均アスペクト比30、体積平均粒径5μm)等の株式会社山口雲母工業所製の各種マイカ等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物における(D)無機フィラーの含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、好ましくは0.5〜60質量%、より好ましくは2〜50質量%であり、(A)光重合性化合物の固形分総量100質量部に対しては、好ましくは0.5〜60質量部、より好ましくは2〜50質量部である。
ここで、本発明の感光性樹脂組成物を中空構造デバイスのリブ部の形成材料として適用する場合の(D)無機フィラーの含有量は、リブ部の形成材料として要求される微細パターン形成性を満たし、十分な樹脂強度を得る観点から、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、好ましくは0.5〜50質量%、より好ましくは2〜50質量%、更に好ましくは5〜45質量%、より更に好ましくは10〜40質量%であり、(A)光重合性化合物の固形分総量100質量部に対しては、好ましくは0.5〜50質量部、より好ましくは2〜50質量部、更に好ましくは5〜45質量部、より更に好ましくは10〜40質量部である。
一方、本発明の感光性樹脂組成物を蓋部の形成材料として適用する場合の(D)無機フィラーの含有量は、厚膜形成性及び微細パターン形成性の観点から、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、好ましくは0.5〜60質量%、より好ましくは2〜50質量%、更に好ましくは5〜40質量%であり、(A)光重合性化合物の固形分総量100質量部に対しては、好ましくは0.5〜60質量部、より好ましくは2〜50質量部、更に好ましくは5〜40質量部である。
平均アスペクト比が30〜100であり、且つ体積平均粒径が5〜50μmである無機フィラーを含有する感光性樹脂組成物を「リブ部」の形成材料として適用する場合、当該無機フィラーの含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜50質量%、更に好ましくは15〜45質量%、より更に好ましくは20〜40質量%であり、(A)光重合性化合物の固形分総量100質量部に対しては、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは10〜50質量部、更に好ましくは15〜45質量部、より更に好ましくは20〜40質量部である。
上記の無機フィラーの含有量が上記範囲に属していれば、得られる感光性樹脂組成物の厚膜形成性やパターン形成性に悪影響を与えることなく、十分な樹脂強度と高温における高弾性率化だけではなく、低吸湿性や低透湿性等の樹脂硬化物として所望の物性や特性を得ることができる。
また、平均アスペクト比が30〜100であり、且つ体積平均粒径が5〜50μmである無機フィラーを含有する感光性樹脂組成物を「蓋部」の形成材料として適用する場合、当該無機フィラーの含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは20〜50質量%、更に好ましくは20〜40質量%であり、(A)光重合性化合物の固形分総量100質量部に対しては、好ましくは5〜60質量部、より好ましくは20〜50質量部、更に好ましくは20〜40質量部である。
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに(E)増感剤、(F)耐熱性高分子、(G)熱架橋剤、(H)熱酸発生剤、及び接着助剤等のその他の成分を配合することができる。
<(E)増感剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに(E)増感剤を含有することができる。
(E)増感剤としては、例えば、ピラゾリン類、アントラセン類、クマリン類、キサントン類、オキサゾール類、ベンゾオキサゾール類、チアゾール類、ベンゾチアゾール類、トリアゾール類、スチルベン類、トリアジン類、チオフェン類、ナフタルイミド類等の化合物からなる増感剤が挙げられる。
これらの(E)増感剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(E)増感剤の含有量は、得られる感光性樹脂組成物の感度を向上させると共に、溶剤との相溶性が良好とする観点から、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、好ましくは0.1〜1質量%である。
<(F)耐熱性高分子>
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに(F)耐熱性高分子を含有することができる。
(F)耐熱性高分子としては、加工性の観点から、耐熱性の高い高分子が好ましく、具体的には、ポリイミド、ポリオキサゾール及びそれらの前駆体、フェノールノボラックやクレゾールノボラック等のノボラック樹脂、ポリアミドイミド、ポリアミド等が好ましい。これらの(F)耐熱性高分子は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(F)耐熱性高分子の含有量は、得られる感光性樹脂組成物の耐熱性及び現像性を良好にすると共に、該組成物の硬化物の樹脂硬度を良好とする観点から、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、好ましくは1〜50質量%である。
<(G)熱架橋剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに(G)熱架橋剤を含有することができる。
(G)熱架橋剤としては、樹脂硬度を向上させる観点から、例えば、エポキシ樹脂、α位がメチロール基やアルコキシメチル基で置換されたフェノール樹脂、N位がメチロール基及び/又はアルコキシメチル基で置換されたメラミン樹脂、尿素樹脂等が好ましい。
これらの(G)熱架橋剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(G)熱架橋剤の含有量は、得られる感光性樹脂組成物の耐熱性及び現像性を良好にすると共に、該組成物の硬化物の樹脂硬度を良好とする観点から、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、好ましくは1〜20質量%である。
<(H)熱酸発生剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに(H)熱酸発生剤を含有することができる。
(H)熱酸発生剤としては、例えば、オニウム塩等の強酸と塩基とから形成される塩や、イミドスルホナート等が挙げられる。
オニウム塩としては、例えば、アリールジアゾニウム塩、ジフェニルヨードニウム塩等のジアリールヨードニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、ジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩等のジ(アルキルアリール)ヨードニウム塩、トリメチルスルホニウム塩等のトリアルキルスルホニウム塩、ジメチルフェニルスルホニウム塩等のジアルキルモノアリールスルホニウム塩、ジフェニルメチルスルホニウム塩等のジアリールモノアルキルヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等が挙げられる。
これらの(H)熱酸発生剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(H)熱酸発生剤の配合量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部、より好ましくは0.2〜20質量部、更に好ましくは0.5〜10質量部である。
<接着助剤>
また、本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、感光性樹脂組成物と基板との接着性を向上させるために、接着助剤を含有することが好ましい。
接着助剤としては、例えば、γ−グリシドキシシラン、アミノシラン、γ−ウレイドシラン等のシランカップリング剤等が挙げられる。
これらの接着助剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
接着助剤の配合量は、感光性樹脂組成物と基板との接着性を向上させる観点から、(A)成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.4〜3質量部である。
<溶媒>
本発明の感光性樹脂組成物は、基材への塗布性を向上させ、作業性を良好にするため、溶媒を加えることが好ましい。
用いる溶媒としては、特に制限されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等を主成分とする極性溶媒、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(感光性樹脂組成物の硬化物の物性)
以上の組成を有する本発明の感光性樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度は、好ましくは165℃以上、より好ましくは180℃以上である。
また、本発明の感光性樹脂組成物の硬化物の150℃における弾性率は、好ましくは0.5GPa以上、より好ましくは1.0GPa以上、更に好ましくは1.5GPa以上である。なお、150℃における弾性率の上限値は、特に限定されないが、実用的な観点から、好ましくは10GPa以下である。
本発明では、上記の弾性率は、モールド耐性を上げるために規定されるだけではなく、感光性樹脂組成物から形成されるリブ部の倒れやダレの防止又は蓋部の平坦性の維持においても、要求される物性値である。また、樹脂硬化物の150℃以上の高温弾性率は、ガラス転移温度が高くなるほど高くなる傾向にあるが、ガラス転移温度だけで決まるものではない。ガラス転移温度が高くなりすぎると、熱応力発生による接着力の低下や吸湿率の増加が顕著になる場合がある。そのため、本発明では、中空構造の変形を防止するために規定する物性値としては、150℃の弾性率に着目する方が好ましい。
[感光性フィルム]
本発明の感光性フィルムは、少なくとも本発明の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を有するフィルムである。
本発明の感光性フィルムは、中空構造を有する電子部品において、該中空構造を構成するリブ部及び蓋部の一方又は両方の形成材料として好適に用いることができる。
当該感光性フィルムは、例えば、本発明の感光性樹脂組成物を、必要に応じて上記溶媒に溶解した後、ポリエチレンテレフタレート等の有機フィルムからなる支持フィルム上に、公知の種々の方法により塗布し、乾燥して溶媒を除去することにより、感光性樹脂層を形成して、2層の感光性フィルム(ドライフィルムレジスト)として製造することができる。
また、形成した感光性樹脂層上に、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等の保護フィルムを積層して、3層の感光性フィルムとしてもよい。
他に、本発明の感光性樹脂組成物から形成される感光性樹脂層に自己支持性があれば、支持フィルムを剥がして、支持フィルム無しの1層の感光性フィルムとすることも可能である。
また、本発明の感光性樹脂組成物を加熱溶融させ、押出し成型機等を用いてシート状に成型することができる。
本発明の感光性フィルムは、中空構造の蓋部の形成材料として使用する場合、後で述べるように、支持フィルムは光照射による光重合後に剥がして使用してもよいし、そのまま感光性樹脂組成物と共に蓋部の形成材料として使用することができる。
本発明では、前記の支持フィルムの代わりに、熱可塑性のエンジニアリングプラスチック又は3次元網目構造を有する熱硬化性樹脂等からなる透明又は半透明の耐熱性プラスチック、ガラス又はセラミック等を用いることができる。これらの耐熱性プラスチック、ガラス又はセラミックは、薄膜又は薄板状のものを使用することによって、前記の支持フィルムと同様に、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を形成したフィルム又は薄板とすることができる。また、これらの耐熱性プラスチック、ガラス又はセラミックは、蓋の形状維持性や剛性を向上させると共に補強する機能を有する。
感光性フィルムの厚みは、特に制限はなく、用途に応じて適宜設定することができる。
例えば、支持フィルム又は支持用薄板を用いる場合、支持フィルム又は支持用薄板の厚みは、好ましくは10μm〜3mmである。なお、当該厚みは、中空構造デバイスの形状と厚さ及び製造を考慮して適宜決められるため、好適範囲は広くなっている。
また、感光性樹脂層の厚みは、好ましくは1〜500μmであり、保護フィルムの厚みは、好ましくは10〜200μmである。
[パターン形成方法]
次に、本発明のパターン形成方法について説明する。
本発明のパターン形成方法は、基板上に、上述の本発明の感光性樹脂組成物又は感光性フィルムを積層して、感光性樹脂層を形成する積層工程と、前記感光性樹脂層の所定部分にマスクを通して活性光線を照射して露光部を光硬化せしめる露光工程と、前記感光性樹脂層の前記露光部以外の部分を、現像液を用いて除去する現像工程と、前記感光性樹脂層の前記露光部を熱硬化させて樹脂硬化物を形成する熱硬化工程とを有する。これらの工程を経て、例えば、中空構造を形成するためのリブパターン等の所望のパターンを形成することができる。
以下、本発明のパターン形成方法の各工程について説明する。
(積層工程)
上記積層工程においては、基板上に、上述の感光性樹脂組成物又は感光性フィルムを塗布及び乾燥、又は、積層することにより、感光性樹脂膜を形成する。
基板としては、例えば、ガラス基板、半導体、金属酸化物絶縁体(例えばTiO2、SiO2等)、窒化ケイ素、セラミック圧電基板等が挙げられる。
また、感光性樹脂組成物の塗布方法としては、特に限定されず、例えば、スピンナーを用いた回転塗布、スプレー塗布、浸漬塗布、ロールコーティング等の方法が挙げられる。感光性フィルムの積層方法としては、ラミネーター等を用いて積層することができる。
基板上に感光性樹脂組成物の塗布する場合、乾燥後の被膜(感光性樹脂層)の膜厚は、塗布手段、感光性樹脂組成物の固形分濃度及び粘度等によって適宜設定できるが、通常1〜500μmであり、解像度を良好とする観点から、好ましくは1〜300μmである。
得られる被膜の膜厚が、特に300μm以下であると、解像度が良好である。なお、感光性フィルムを使用する場合は、感光性樹脂層の膜厚を予め上記の膜厚となるように形成しておくことが好ましい。
また、このような被膜の膜厚とするためには、上述の感光性樹脂組成物を溶媒で溶解させ、該樹脂組成物の粘度を好ましくは0.5〜20Pa・s、より好ましくは1〜10Pa・sに調節することが好ましい。
また、感光性樹脂組成物の固形分濃度は、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは30〜70質量%である。
その後、ホットプレート、オーブン等を用いて、60〜120℃の温度範囲で1分〜1時間乾燥することにより、基板上に感光性樹脂層を形成することができる。
(露光工程)
次の露光工程では、基板上に積層した感光性樹脂層に対して、所望のパターンを有するネガマスクを介して所定部分に活性光線を照射し、露光部を光硬化せしめる。
ここで、露光に用いられる活性光線としては、例えば、紫外線、可視光線、電子線、X線等が挙げられる。これらの中でも、紫外線、又は可視光線が好ましい。
(現像工程)
次の現像工程では、感光性樹脂層の露光部以外の部分(未露光部)を、現像液を用いて除去する。現像液としては、有機溶剤又はアルカリ水溶液を用いることができる。
現像液として用いる有機溶剤としては、例えば、N−メチルピロリドン、エタノール、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
また、現像液として用いられるアルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアルカリ水溶液が挙げられる。
これらの中でも、現像速度の観点から、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートが好ましい。
また、現像後、必要に応じて、水や、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコールや、n−ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテルアセテート等でリンスすることが好ましい。
(熱硬化工程)
さらに、現像工程の後、感光性樹脂層の露光部を熱硬化させて樹脂硬化物を形成する熱硬化工程を行う。現像後の熱硬化(キュア)は、温度を選択して段階的に昇温しながら1〜2時間実施することが好ましい。熱硬化は、120〜240℃で行うことが好ましい。加熱温度を段階的に昇温する場合、例えば、120℃、160℃で各10〜50分(好ましくは約30分間)熱処理した後、220℃で30〜100分(好ましくは約60分間)熱処理を行うことが好ましい。
なお、本発明のパターン形成方法は、中空構造を形成するためのリブパターンを形成する方法として好適である。
[中空構造の形成方法]
次に、本発明の中空構造の形成方法について説明する。
本発明の中空構造の形成方法は、中空構造を形成するためにリブパターンを設け、該リブパターン上に、中空構造の蓋部を形成するように、本発明の感光性樹脂層を有する感光性フィルムを積層する積層工程と、前記感光性樹脂層の所定部分に活性光線を照射して露光部を光硬化せしめる露光工程と、前記感光性樹脂層の前記露光部を熱硬化させて樹脂硬化物を形成する熱硬化工程とを有する。
なお、上記リブパターンは、上述の本発明のパターン形成方法によって形成されたものであることが好ましい。
本発明の感光性フィルムは、上記の中空構造のリブ部の形成材料としてだけではなく、蓋部の形成材料として用いることができる。
本発明の感光性フィルムを蓋として適用する時は、露光工程と熱硬化工程との間に、必ずしも現像工程を経る必要はない。
しかしながら、蓋の形状を制御したい場合、複数の中空構造デバイスを同時に一括で製造したい場合、及び個片の中空デバイスの蓋に相当する大きさだけをマスクを通して露光した後、その周辺の未露光部分を現像することによって個片に分割する場合等の際には、露光工程においてはマスクを通じて活性光線を照射して露光部を光硬化せしめる露光工程を経た後、前記感光性樹脂層の前記露光部以外の部分を上述の現像液を用いて除去する現像工程を経ることが好ましい。
なお、本発明の中空構造の形成方法における、積層工程、露光工程、除去工程、及び熱硬化工程は、上述のパターン形成方法と同様に行うことが可能である。
蓋部を形成するために用いる感光性フィルムの感光性樹脂層の膜厚は、好ましくは5〜500μm、より好ましくは10〜400μmである。
硬化工程を経て形成される蓋部の最終的な膜厚(感光性樹脂層、基板となるフィルム又は薄板の厚みの合計)は、好ましくは10μm〜3mm、より好ましくは20μm〜2mmである。本発明の感光性樹脂組成物を用いれば、蓋部の厚さが10μmであっても形状を維持することができ、モールド時の高温高圧条件下での変形も抑え得る。一方、蓋部の厚みが3mm以下であれば、中空構造のデバイスが厚過ぎたり、露光時の光透過性が低下するために製造上生じうる問題を回避することができる。
なお、蓋部の厚さは、本発明の感光性樹脂組成物又は感光性フィルムの厚さだけでなく、上記で述べたように、支持用のフィルム又は薄板をそのまま蓋部として残すことによって、所望の厚さに調整することができる。
また、蓋部とリブパターンとの接着は、例えば、プレス機やロールラミネーター、真空ラミネーターを用いた熱圧着による接着等により行うことができる。なお、本発明においては、リブパターンは本発明の感光性樹脂組成物を用いないで作成し、蓋部のみを本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成することもできるが、リブパターン及び蓋部の双方が本発明の感光性樹脂組成物を用いると、その間の接着性に優れるので好ましい。特に、リブパターン及び蓋部の双方に使用する感光性樹脂組成物として、光重合性化合物の種類や無機フィラーの含有量が近くものを使用することによって接着性の向上を一層図ることができる。
なお、設けられたリブパターンが、十分な膜厚を有している場合には、セラミック基板、Si基板、ガラス基板、金属基板等を蓋部として積層することで、中空構造を形成することもできる。
以上のように、本発明の中空構造の形成方法によれば、フォトリソグラフィにより厚膜のリブパターンを一括形成でき、さらにリブパターン上からフィルム状に形成した感光性樹脂組成物の硬化物(もしくは、セラミック等の封止用基板)を蓋部として封止することにより、中空構造を形成することができる。
また、この中空構造の空間内は周囲の感光性樹脂組成物により防湿され、且つ、高温においても中空部が保持されるため、SAWフィルタ、CMOS・CCDセンサー、MEMS等の中空構造を必要とする電子部品に適用可能であり、電子部品の小型化、低背化、高機能化に有用である。本発明の感光性樹脂組成物は、特にSAWフィルタの中空構造のリブ部及び蓋部の形成材料として適しており、高信頼性を達成できるという点で、特に蓋部の形成材料として適している。
[電子部品]
本発明の電子部品は、前述の感光性樹脂組成物又は感光性フィルムを用いて、中空構造のリブ部及び/又は蓋部が形成されてなる中空構造を有するものである。
以下、本発明の電子部品の一例として、SAWフィルタ(表面弾性波フィルタ)について説明する。
<SAWフィルタ及びその製造方法>
上記SAWフィルタ及びその製造方法について説明する。図1(a)〜(c)は、本発明のSAWフィルタ100及びその製造方法の好適な一実施形態を示す工程図である。
まず、図1(a)に示すように、櫛形電極20が形成された基板10上に本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成するリブ部用感光性樹脂層32を積層する。積層方法は、前記パターン形成方法で記載した方法と同様の方法を用いることができる。
リブ部用感光性樹脂層32の膜厚が、前記パターン形成方法と同様に、通常1〜500μm、好ましくは1〜300μmとなるように、本発明の感光性樹脂組成物が塗布される。
基板10上に感光性樹脂組成物を塗布した後、被膜を乾燥して、リブ部用感光性樹脂層32が形成される。乾燥は、オーブン、ホットプレート等を使用し、60〜120℃の温度範囲で、1分〜1時間行うことが好ましい。
次に、図1(a)に示すように、必要に応じて所望のパターンを有するマスク60を介してリブ部用感光性樹脂層32の所定部分に活性光線を照射し、露光部を光硬化せしめる。ここで、露光に用いられる活性光線としては、紫外線、可視光線、電子線、X線等が挙げられる。これらの中でも特に、紫外線、可視光線が好ましい。
次に、図1(b)に示すように、リブ部用感光性樹脂層32の露光部以外の部分(未露光部)を有機溶剤系の現像液を用いて除去することによりパターンを形成した後、リブ部用感光性樹脂層32の露光部を熱硬化させ、樹脂硬化物からなるリブ部30を形成する。これらの露光工程と、除去工程と、熱硬化工程とは、前記パターン形成方法と同様の方法を用いることができる。
次に、図1(c)に示すように、リブ部30上に蓋部40を設けて中空構造を形成する。ここで、蓋部40は、例えば、予め本発明の感光性樹脂組成物を成膜してフィルム化したものや、予め感光性フィルムとして成形したものを用いて作製することができる。すなわち、これらのフィルムを、リブ30の上部に貼り付けしてから、露光、現像、熱硬化して蓋部40を形成することができる。
また、蓋部40とリブ部30との接着は、例えば、ロールラミネーターを用いた熱圧着による接着等により行うことができる。
なお、蓋部40は、本発明の感光性樹脂組成物以外の材料で構成されたものであってもよい。ただし、蓋部40は、耐湿熱性に優れ、且つ、吸水率の低い材料で構成されていることが好ましい。また、蓋部40としては、セラミック等の封止用基板を用いることもできる。この場合は少なくとも、本発明の感光性樹脂組成物により形成されたリブパターンを、SAWフィルタの中空構造形成用のリブ部として用いることができる。
一方、本発明の感光性樹脂組成物又は感光性フィルムをSAWフィルタの中空構造形成用の蓋部に用いる場合は、リブ部は本発明の感光性樹脂組成物を用いる以外の方法で形成されていてもよい。
本発明の感光性樹脂組成物又は感光性フィルムを用いてリブ部及び蓋部の形成を行った後、外部端子との電気的な接合を行うための金属ボールを搭載したSAWフィルタを図2に示す。図2に示すSAWフィルタは、本願発明の形状維持性及び耐熱性と剛性に優れる感光性樹脂組成物又は感光性フィルムを適用することによって、はんだボール搭載時の高温リフロー条件でも、中空構造デバイスの特性に影響を及ぼすような変形を十分に抑制することができる。
上記基板10としては、例えば、タンタル酸リチウム基板、ニオブ酸リチウム基板、ガリウム砒素基板等の圧電性基板が用いられる。上記櫛形電極20の材質としては、例えば、アルミニウム等が用いられる。上記基板の内部と表面に形成される配線の材質としては銅、アルミ等の金属導体やセラミック基板の場合は、金、銀、白金又はパラジウム等の金属導体が用いられる。また、上記金属ボールは、例えば、スズ−銀−銅や鉛−スズ等のはんだ材、金又は表面を金属導体で被覆した樹脂ボール等が用いられる。
図2に示すSAWフィルタの製造方法を図3に示す。図3には、UU露光のみで本発明のリブ部と蓋部と形成する方法及びUV露光とレーザー穴開けの両者を用いて本発明のリブ部と蓋部と形成する方法を示している。レーザー穴開けは、蓋部の内部に導体を成形するために使用される。
図3において、まず、UV露光のみでリブ部と蓋部を形成する方法を説明する。図3(a)〜(b)の工程を経て、図1に示したものと同じ方法によって基板10上の櫛形電極20と電気的に接続している配線用導体81上に中空空間を形成するためのリブ部30を形成する。ここで、リブ部30の内部には、内部導体を形成するための穴35がUV露光後、現像工程を経ることによって形成されている。その後、支持フィルム上に積層された本発明の感光性樹脂組成物又は感光性フィルムから形成された蓋部用感光性樹脂層41を前記のリブ部30上に積層して、マスクを通してUV露光を行う(図3の(c))。前記のマスクは、内部導体を形成するための穴35の径に相当する部分だけが光を透過しないように遮蔽されているため、それ以外の箇所が光硬化した蓋部40を形成する。蓋部40の未露光部分は、先に形成された内部導体を形成するための穴35と完全に貫通させるために、現像を行った後、デスミア処理等を行う(図3の(d))。さらに、メッキ法等によって、リブ部及び蓋部の内部に形成された穴35の内部に、内部導体80を形成すると共に、蓋部の表面に配線を形成する(図3の(e))。本発明では、リブ部及び蓋部の内部に形成された穴35の内部には、メッキ法だけではなく、金属ペースト又は金属粉体を含有する樹脂ペーストを用いて導体充填法によって内部導体80を形成することができる。これらの工程を経て、基板10上の櫛形電極20に配線されている配線用導体は、蓋部の表面に形成された配線用導体81と電気的な接続が行われる。最後に、蓋部の表面にリフロー等によって金属ボール70を搭載して、本発明の中空構造を有する電子部品であるSAWフィルタを得る(図3の(f))。
次に、図3において、UV露光とレーザー穴開けの両者を用いて本発明のリブ部と蓋部と形成する方法について説明する。基本的に、リブ部と蓋部の形成方法はUV露光のみの場合と同じであるが、内部導体を形成するための穴35を前記蓋部の内部に形成する際に、UV露光ではなく、レーザーによる穴開け方法を適用する点で異なる。すなわち、図3の(c)において、感光性フィルムを用いて、蓋部用感光性樹脂層41を前記のリブ部30上に積層した後、図3の(d)の工程において、レーザーによって蓋部の内部に内部導体を形成するための穴35を形成する。レーザーによる穴開け方法は、UV露光とは異なりマスクによる露光や現像を必要としないために、任意のパターンを自由に且つ短時間で形成する場合に適用することができる。レーザーとしては、YAGレーザー、炭酸ガスレーザー、エキシマレーザー等の公知のものを使用することができる。本発明におけるSAWフィルタの製造方法は図3に示すものに限定されない。UV露光又はレーザー照射は、リブ部の厚さ、リブ部の内部に形成される内部導体の形状及び蓋部表面配線パターンの形状に応じて、どちらかを適宜選択して使用することができる。
図3においては、蓋部の表面に一層の表面配線層が形成されているSAWフィルタの製造方法を示したが、本発明では前記蓋部に相当する部分に2層以上の配線層を有することもできる。図4は、蓋部に相当する部分に2層の配線層を有するSAWフィルタの配線形成方法を示す。図3の(a)〜(e)に示すものと同じ方法でSAWフィルタの蓋部40の表面に配線用導体81を形成した後、本発明の感光性フィルムを積層し蓋部用感光性樹脂層41を形成した後(図4の(a))、外部接続用電極の径に相当する箇所が遮光されたマスク60を用いて紫外線露光を行い(図4の(b))、溶剤現像によって蓋部40の最上層に外部接続用電極用の穴を形成する(図4の(c))。次に、メッキ法によって外部接続用電極を形成し、最後に、蓋部の表面にリフロー等によって金属ボール70を搭載して、本発明の中空構造を有する電子部品であるSAWフィルタを得る(図4の(d))。その際に、金属ボールは、外部電極用電極の酸化防止金属膜(Ni、Au等)を介して直接搭載するが(図4の(d)の左図)、フォトレジスト等を用いて蓋部の表面に配線層を再度形成した後、金属ボールを搭載する方法を採用してもよい(図4の(d)の右図)。
以上の工程を経て、SAWフィルタの中空構造作製を完了する。上記のように作製されたSAWフィルタは、図5に示すように封止材により封止される場合は一般的に以下の工程で行うが、これに限定されるものではない。
(1)SAWフィルタを成形金型にセットする。
(2)成形機のポットに固形状の封止材タブレットをセットする。
(3)金型温度150〜180℃の条件で封止材を溶融し、圧力をかけて金型に流し込む(モールド)。
(4)30〜120秒間加圧して封止材が熱硬化後に金型を開き、成形品を取り出すことで、SAWフィルタの封止が完了する。
通常、封止材による封止は、金属ボールが搭載される前に行われ、封止後に、基板の封止された面の反対面に金属ボールがリフローによって搭載される。しかし、金属ボールが搭載された後に、封止材による封止が行われてもよい。図5には、封止材で封止された1個のSAWフィルタ100が示されているが、本発明のSAWフィルタは、一つの基板上に形成した多数個のAWフィルタを封止材で封止後、個片に切断することによっても得ることができる。
図6の(a)〜(j)は、一つの基板上に形成した多数個のSAWフィルタを一括で樹脂封止した後、ダイシング(切断)して個片に分離して得られるSAWフィルタの製造方法を示す。まず、一つの基板に、櫛形電極20及び配線用導体81を有する多数個のSAWフィルタを作製した後、本発明の感光性樹脂組成物又は感光性フィルムを用いてリブ部及び/又は蓋部を形成する(図6の(a)〜(e))。この製造方法では、外部接続用電極と電気的接続を行うための配線用導体81が、櫛形電極20の両外側に配置されている。次に、外部接続用電極を形成するために、フォトレジスト50を基板全面に塗布して、外部接続用電極の径に相当する箇所が遮光されたマスクを用いて紫外線露光を行い、現像を行って外部接続用電極形成のためのフォトレジスト開口部51を設ける(図6の(f))。続いて、メッキ法又は導体充填法によって外部接続用電極82を形成した後、フォトレジスト剥離液でフォトレジスト50を除去する(図6の(g))。さらに、基板や蓋部の表面に存在するフォトレジス残渣を完全に取り除く洗浄工程を採用してもよい。その後、樹脂封止材90を用いてトランンスファモールド法で中空構造部を一括に封止して(図6の(h))、リフローによって金属ボール70を搭載した後(図6の(i))、ダイシング(切断)等の方法によって個片に分けてSAWフィルタ100を得る(図6の(j))。本発明は、金属ボール70の搭載を、基板のダイシング工程後の個片パッケージの状態で行ってもよい。
この際に、蓋部40及び/又はリブ部30は、金型温度150〜180℃でのモールド耐性が要求される。すなわち、蓋部40及び/又はリブ部30を感光性樹脂組成物で作製した場合、蓋部40及び/又はリブ部30は、150〜180℃の温度で変形しないことが好ましい。そのような特性を得る観点から、蓋部40及び/又はリブ部30を形成する材料(硬化物)のガラス転移温度が、好ましくは165℃以上、より好ましくは180℃以上である。
また、当該材料(硬化物)の150℃における弾性率は、好ましくは0.5GPa以上、より好ましくは1.0GPa以上、更に好ましくは1.5GPa以上である。当該材料の150℃における弾性率の上限は特に限定されないが、実用的な観点からは10GPa以下である。
以上のように、本発明によれば、SAWフィルタ製造工程において、溶剤現像液を用いたフォトリソグラフィにより圧電基板に厚膜リブパターンを一括形成でき、さらにその上から蓋部としてフィルム状に形成した感光性樹脂組成物の硬化物(もしくは、セラミック等の封止用基板)で封止することにより、中空構造を形成することができる。また、この中空構造の空間内は周囲の樹脂組成物により防湿されるため、アルミ電極の腐食を抑制することができる。また、この樹脂組成物は高温で高い弾性率を有するため、封止樹脂モールド時の温度と圧力においても中空構造を維持できる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[合成例1]
(アミドメタクリレートの合成)
温度計、撹拌装置の付いた1リットルの反応容器に、1,3−フェニレンビスオキサゾリン380.0g(2.0mol)とビスフェノールA228.0g(1.0mol)を入れ、150℃で10時間撹拌した。その後、メトキノン500ppmと、メタクリル酸172.0g(2.0mol)を加えて100℃で6時間撹拌し、ジメチルアセトアミド190gを滴下し、さらに100℃で6時間撹拌し、酸価が1.1mgKOH/gになったところで撹拌を止めて、光重合性不飽和化合物である下記式(5)で表される化合物の溶液を得た。得られた溶液の固形分は80質量%であった。なお、下記式(5)で表される化合物としては、例えば、市販のFA−7220M(日立化成工業製)等が挙げられる。
[合成例2]
(アミドアクリレートの合成)
メタクリル酸の代わりにアクリル酸144.0g(2mol)を用いた他は、上記の合成例1のアミドメタクリレートの合成と同じ方法によって、アミドアクリレートを合成した。得られた溶液の固形分は80質量%であった。
[実施例1〜32、比較例1〜2]
(A)光重合性化合物、(B)光重合開始剤、(C)熱重合開始剤、(D)無機フィラー、及びシランカップリング剤を、それぞれ下記表1〜表3に示した配合割合(質量部)で混合し、実施例1〜32、及び比較例1〜2の感光性樹脂組成物の溶液を得た。なお、表1〜表3中の数字は固形分の質量部を示している。
表1〜表3中の各成分は、以下に示すものである。なお、ウレタン系化合物が有する(メタ)アクリロイル基の数(官能基数)及び重量平均分子量(Mw)は以下に示すとおりである。ここで、重量平均分子量(Mw)は、溶媒としてテトラヒドロフランを用いてGPC法によって求めたものであり、GPC法の詳細は次のとおりである。
装置名:HLC−8220GPC(製品名、東ソー社製)
カラム:Gelpack R−420、R−430、R−440(3本つなぎ)
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:1ml/分
標準物質:ポリスチレン
(A)成分
・「アミドアクリレート」:上記合成例2により得られたアミドアクリレート。
・「アミドメタクリレート」:上記合成例1により得られたアミドメタクリレート。
・「UN−952」:商品名、根上工業株式会社製。アクリロイル基を有するウレタン系化合物。官能基数=10、Mw=6500〜11000。
・「UN−904」:商品名、根上工業株式会社製。アクリロイル基を有するウレタン系化合物。官能基数=10、Mw=4900。
・「UN−2600」:商品名、根上工業株式会社製。アクリロイル基を有するウレタン系化合物。官能基数=2、Mw=2500。
・「UN−6060PTM」:商品名、根上工業株式会社製。メタクリロイル基を有するウレタン系化合物。官能基数=2、Mw=6000。
・「UN−3320HA」:商品名、根上工業株式会社製。アクリロイル基を有するウレタン系化合物。官能基数=6、Mw=1500。
・「UN−9200A」:商品名、根上工業株式会社製。アクリロイル基を有するウレタン系化合物。官能基数=2、Mw=15000。
・「UN−3320HS」:商品名、根上工業株式会社製。アクリロイル基を有するウレタン系化合物。官能基数=15、Mw=5000。
・「EA−6340」:商品名、中村化学工業株式会社製。テトラヒドロ無水フタル酸変性ビニル基含有フェノール型エポキシ樹脂。
・「A−DPH」:商品名、新中村化学工業株式会社製。ジペンタエリスリトール。
(B)成分
・「IRGACURE−OXE−01」:商品名、BASF社製。オキシムエステル系化合物(1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム))。
・「IRGACURE−819」:商品名、BASF社製。アシルホスフィンオキサイド系化合物(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド)。
・「IRGACURE−651」:商品名、BASF社製。アルキルフェノン系化合物(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタンー1−オン)。
(C)成分
・「パーヘキサV」:商品名、日油株式会社製。有機過酸化物、n−ブチル4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート。10時間半減期温度=104℃。
・「パークミルD」:商品名、日油株式会社製。有機過酸化物、ジクミルパーオキサイド。10時間半減期温度116℃。
・「パーブチルC」:商品名、日油株式会社製。有機過酸化物、t−ブチルクミルパーオキサイド。10時間半減期温度=119℃。
・「パークミルH」:商品名、日油株式会社製。有機過酸化物、クメンハイドロパーオキサイド。10時間半減期温度=158℃。
・「パーブチルO」:商品名、日油株式会社製。有機過酸化物、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート。10時間半減期温度=72℃。
・「AIBN」:2,2’−アゾビスイソブチルニトリル。
(D)成分
・「マイカA」:マイカ。アスペクト比90、体積平均粒径(D50)27μm。
・「マイカB」:マイカ。アスペクト比30、体積平均粒径(D50)5μm。
・「シリカA」:球状シリカ。体積平均粒径(D50)0.5μm。
シランカップリング剤
・「AY43−031」:商品名、東レダウコーニング社製。
実施例及び比較例で得られた感光性樹脂組成物の溶液を用いて、以下の評価を行った。評価結果を表4及び5に示す。
<解像度の評価>
実施例及び比較例の感光性樹脂組成物の溶液を、シリコン基板上にスピンコーターを用いて均一に塗布し、90℃のホットプレートで5分間乾燥し、乾燥後の膜厚30μmの感光性樹脂層を形成し、試験基板を作製した。この感光性樹脂層を形成した試験基板について、ホール径60μmφの開口パターンを有するネガマスクを介して、ウシオ電機社製のプロキシミティー露光機(商品名:UX−1000SM)を用いて露光量200mJ/cm2で感光性樹脂層の露光を行った。この試験基板を、有機溶剤系現像液であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに3分間浸漬して現像を行った。現像後のレジストパターンをn−ブチルアセテートで洗浄し、乾燥後に観察を行い、図7に示すように下記の基準に基づいて耐溶剤性を評価した。図7において、11はシリコン基板を示し、52は感光性樹脂組成物から形成された感光性樹脂層を示す。
・A:図7の(a)に示すように、ホール径60μmφが開口しており、開口部は矩形であり現像後の残渣もない。
・B:図7の(b)に示すように、ホール径60μmφは開口しているが、開口部がテーパー形状であり、スソ引き有り開口となっている。
・C:図7の(c)に示すように、ホール径60μmφが開口しておらず、ビア埋まりとなっている。
<中空構造保持性>
実施例及び比較例の感光性樹脂組成物の溶液を、シリコン基板上にスピンコーターを用いて均一に塗布し、90℃のホットプレートで5分間乾燥し、乾燥後の膜厚30μmの感光性樹脂層を形成し、試験基板を作製した。この感光性樹脂層を形成した試験基板について、格子サイズ1mm□の開口パターンを有するネガマスクを介して、ウシオ電機社製のプロキシミティー露光機(商品名:UX−1000SM)を用いて露光量200mJ/cm2で感光性樹脂層の露光を行った。この試験基板を現像、硬化して、格子状に開口した硬化膜パターンを得た。
また、別途、支持フィルムとして厚さ50μmのポリエチレンフタレートフィルムを用いて、その支持フィルム上に、実施例及び比較例の感光性樹脂組成物の溶液を用いて、膜厚が30μmの感光性樹脂層を形成した感光性フィルムを作製した。そして、上記の硬化膜パターンを有する試験基板上に、当該感光性フィルムを貼り付け、中空構造を形成した。
次いで、ウシオ電機社製のプロキシミティー露光機(商品名:UX−1000SM)を用いて露光量200mJ/cm2でフィルム状の感光性樹脂膜の露光を行った。この試験基板を120℃で30分、160℃で30分、200℃で60分硬化した後、上記の支持フィルムを剥離して、硬化後の格子パターンを切断した断面を顕微鏡で観察し、下記の基準に基づいて中空構造保持性を評価した。
・A:中空部が保持できており、フィルム硬化膜が全くダレ落ちていない。
・B:中空部は保持できているが、少しでもフィルムにダレが見られる。
・C:フィルムがダレ落ちてしまい、中空部が潰れている。
<弾性率の測定、ガラス転移温度の測定>
実施例及び比較例の感光性樹脂組成物の溶液を、シリコン基板上にスピンコーターを用いて均一に塗布し、90℃のホットプレートで5分間乾燥し、乾燥後の膜厚30μmの感光性樹脂層を形成し、試験基板を作製した。この感光性樹脂層を形成した試験基板について、ウシオ電機社製のプロキシミティー露光機(商品名:UX−1000SM)を用いて露光量200mJ/cm2で感光性樹脂層の露光を行い、光硬化させた。この感光性樹脂層を、120℃で30分間、160℃で30分、220℃で60分加熱して硬化させた。得られた感光性樹脂組成物の硬化膜をシリコン基板から剥離し、剥離した硬化膜の150℃における弾性率及びガラス転移温度を粘弾性試験器(TA instruments社製、商品名:RSA−III)により測定した。なお、測定は、試験モード:引張り、試験温度:室温(25℃)〜300℃、昇温速度:5℃/min、試験周波数:1Hz、チャック間距離:20mmの条件にて行った。
<耐PCT性の評価>
実施例及び比較例の感光性樹脂組成物の溶液を、シリコン基板上にスピンコーターを用いて均一に塗布し、90℃のホットプレートで5分間乾燥し、乾燥後の膜厚30μmの感光性樹脂層を形成し、試験基板を作製した。この感光性樹脂層を形成した試験基板について、ウシオ電機社製のプロキシミティー露光機(商品名:UX−1000SM)を用いて露光量200mJ/cm2で感光性樹脂層の露光を行い、光硬化させた。その後、感光性樹脂層を、120℃で30分間、160℃で30分、220℃で60分加熱して硬化させた。この試験基板を、121℃、100%RH(相対湿度)、2気圧の条件下に100時間放置した後、硬化膜の外観を目視にて観察し、下記の基準に基づいて耐PCT性を評価した。
・A:硬化膜に濁り、剥離、膨れ、クラックが見られない。
・B:硬化膜に若干の濁り、剥離、膨れ、クラックの、どれか一つでも見られる。
・C:硬化膜に濁り、剥離、膨れ、クラックの、どれか一つでも見られる。
<耐リフロークラック性>
実施例及び比較例の感光性樹脂組成物の溶液を、シリコン基板上にスピンコーターを用いて均一に塗布し、90℃のホットプレートで5分間乾燥し、乾燥後の膜厚30μmの感光性樹脂層を形成し、試験基板を作製した。この感光性樹脂層を形成した試験基板について、ウシオ電機社製のプロキシミティー露光機(商品名:UX−1000SM)を用いて露光量200mJ/cm2で感光性樹脂層の露光を行い、光硬化させた。その後、感光性樹脂層を、120℃で30分間、160℃で30分、220℃で60分加熱して硬化させた。この試験基板を、260℃の熱板上で30秒間放置した後、室温(25℃)に戻して30秒間保持する操作を1サイクルとして計5サイクル繰り返して、試験基板の外観を目視にて観察し、下記の基準に基づいて耐リフロークラック性を評価した。
・A:外観異常無し。
・B:基板の一部にクラック剥離が見られる。
・C:基板全面にクラック剥離が見られる。
表4に示された各実施例の評価結果によれば、(A)少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(B)光重合開始剤、及び(C)熱重合開始剤として、熱ラジカル発生剤を含有してなる感光性樹脂組成物は、各特性の評価がA又はB以上となり、優れた効果を奏することが分かる(実施例1〜32)。本発明において、表4に示す各特性の評価がB以上であれば、リブ部及び/又は蓋部の形成材料として好適な感光性樹脂組成物といえる。
本発明は、(A)少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物と(B)光重合開始剤及び(C)熱重合開始剤に加えて、さらに(D)無機フィラーを含有することによって、高温弾性率を向上させることができるため、中空構造保持性の大幅な向上が見られる。(D)無機フィラーを含有する感光性樹脂組成物は、樹脂硬化物のガラス転移温度や接着性の低下がほとんど見られず、逆に吸湿率が小さくなるため、耐PCT性及び耐リフロークラック性は、無機フィラーを含有しない組成物と同様か、それよりも優れる傾向にある。特に、無機フィラーとして高アスペクト比と比較的大粒径を有するマイカを含有する場合は、使用可能な程度の解像度を維持しつつ、諸特性を大幅に向上させることができる(実施例28、30)。また、(D)無機フィラーとして小粒径の球状シリカを用いても、それらの配合量に応じて中空構造保持性を向上させることができる(実施例29)。本発明の感光性樹脂組成物は、無機フィラーを含有しないでも、既に中空構造保持性、高温弾性率及び耐湿熱性が優れているが、これらの特性の一層の向上を図るために小粒径の無機フィラーを使用できる。
本発明の感光性樹脂組成物は、ほとんどが150℃の弾性率として0.5GPa以上を有しており、表4に示された実施例の結果からも、この高温弾性率が高くなるほど、中空構造保持性が向上することが分かる。また、感光性樹脂組成物のガラス転移温度が高くなるほど、中空構造保持性が向上する傾向にあることも分かる。
一方、表5に示された各比較例の評価結果によれば、比較例1及び2は、熱ラジカル発生剤を含有していないため、中空構造保持性に劣る結果となっている。熱ラジカル発生剤を含有することで、解像度を低下させずに、中空構造保持性を大幅に向上させることができることは、実施例10と比較例1、もしくは実施例19と比較例2とを対比すれば明らかである。
すなわち、表4及び5に示された結果から、(A)光重合性化合物と(B)光重合開始剤とを含む感光性樹脂組成物において、さらに(C)熱重合開始剤として、熱ラジカル発生剤を含有することで、解像度を低下させずに、中空構造保持性を向上させ、さらに耐PCT性、耐リフロークラック性を良好とすることができることがわかる。そのため、中空構造を形成するための感光性樹脂組成物として、更に材料の選択幅が大きく広がることを意味する。
以上のように、本発明の感光性樹脂組成物は、解像度が良好であり、耐湿熱性に優れ、硬化物が高温で高い弾性率を有し、中空構造保持性にも優れるため、中空構造デバイス用のリブ部及び/又は蓋部の形成材料として好適である。また、本発明の感光性樹脂組成物を用いた感光性フィルムをリブパターンの形成方法及び中空構造の形成方法に適用することによって、低コストで、且つ高信頼性の中空構造の電子部品、具体的にはSAWフィルタを作製することができる。
10 基板
11 シリコン基板
20 櫛形電極
30 リブ部
32 リブ部用感光性樹脂層
35 穴
40 蓋部
41 蓋部用感光性樹脂層
50 フォトレジスト
51 フォトレジスト開口部
52 感光性樹脂層
60 マスク
70 金属ボール
80 内部導体
81 配線用導体
82 外部接続用電極
90 封止材
100 SAWフィルタ

Claims (14)

  1. (A)少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(B)光重合開始剤、及び(C)熱重合開始剤を含有し、(C)熱重合開始剤として、熱ラジカル発生剤を含む、感光性樹脂組成物。
  2. 前記熱ラジカル発生剤が、有機過酸化物である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. (C)熱重合発生剤が、10時間半減期温度が90〜150℃の有機過酸化物である、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. (A)光重合性化合物は、少なくともアミド基を有するアクリレート化合物又はメタクリレート化合物を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  5. (A)光重合性化合物は、少なくともアクリロイル基又はメタクリロイル基を有するウレタン系化合物を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  6. 更に(D)無機フィラーを含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  7. 前記感光性樹脂組成物の硬化物の150℃における弾性率が、0.5GPa以上である、請求項1〜6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  8. 中空構造を有する電子部品において前記中空構造を構成するリブ部及び蓋部の一方又は両方の形成材料として用いられる、請求項1〜7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を有する、感光性フィルム。
  10. 基板上に、請求項1〜8のいずれかに記載の感光性樹脂組成物又は請求項9に記載の感光性フィルムを積層して、感光性樹脂層を形成する積層工程と、前記感光性樹脂層の所定部分にマスクを通して活性光線を照射して露光部を光硬化せしめる露光工程と、前記感光性樹脂層の前記露光部以外の部分を、現像液を用いて除去する現像工程と、前記感光性樹脂層の前記露光部を熱硬化させて樹脂硬化物を形成する熱硬化工程とを有する、パターン形成方法。
  11. 基板上に中空構造を形成するためにリブパターン設け、該リブパターン上に、請求項9に記載の感光性樹脂層を有する感光性フィルムを積層する積層工程と、前記感光性樹脂層の所定部分に活性光線を照射して露光部を光硬化せしめる露光工程と、前記感光性樹脂層の前記露光部を熱硬化させて樹脂硬化物を形成する熱硬化工程とを有する、中空構造の形成方法。
  12. 前記リブパターンが、請求項10に記載のパターン形成方法によって形成されたものである、請求項11に記載の中空構造の形成方法。
  13. 請求項1〜8のいずれかに記載の感光性樹脂組成物又は請求項9に記載の感光性フィルムを用いて中空構造のリブ部及び/又は蓋部が形成されてなる中空構造を有する、電子部品。
  14. 前記電子部品が、表面弾性波フィルタである、請求項13に記載の電子部品。
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