JP2012215067A - 太陽光パネル架台 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】太陽光パネル10を所定の角度で設置する傾斜したパネル受材2と、パネル受材2を支持する傾斜上部側の支柱3及び傾斜下部側の支柱4とで鉛直な面状フレーム5を構成し、一対の前記面状フレーム5を間隔をあけて互いに平行に配置する。前記一対の面状フレーム5間は、上部側及び下部側の支柱3、4の位置で左右の支柱間に対角線状に取り付けられた交差する2つのブレース7a、7bのみで連結される。上部側の支柱と下部側の支柱間の長さL0が0.387Lから0.714Lの範囲内にあり、かつ、それぞれ先端側からほぼ対称的な位置にある。各部材が効率的に荷重を負担して、架台の強度及び剛性を確保しつつ鋼材使用量を極力少なくできる。パネル受材の断面を効率よく小さくできる。
【選択図】図2
Description
特許文献1の太陽電池モジュール用架台は、対向する2辺をなす第1保持部材20及び第2保持部材30と、これと直交する方向の2辺をなす左右の側板34、35とからなる矩形のフレームの四隅に支柱14、15を設けた構造である。片側の支柱14を短くして太陽光パネル(太陽電池モジュール11)を傾斜させる(図1、図4など)。
特許文献2の太陽電池取付架台装置は、対向する2辺をなす縦方向角形鋼管6(6a)と、これと直交する方向の2辺をなす横方向溝形鋼7(7a)とからなる矩形の取付フレーム2の四隅に支柱4、5を設けた構造である。
特許文献3の太陽電池パネル設置構造における架台10は、矩形の鉄骨枠13の四隅にアングル12による支柱を設けた構造である(図1)。なお、特許文献3は、太陽電池モジュール21のアルミ枠22と架台10の鉄骨枠13とが締結具30a、30bにより締結された状態でのみ所定の強度基準を満たすように設計するというものである。
例えば、特許文献4の太陽電池パネルの据え付け構造では、太陽電池パネル1が載置固定される平板状の台部7とその台部7から下方に延びる脚部4とからなる架台3における傾斜上部側の脚部4は、傾斜した縦部材(台部4の傾斜した辺の部材を指す)の端部でなく中央側に寄った位置に取り付けられている(図2)。この場合、この中央側に寄った位置に取り付けられる脚部4は、鉛直ではなく傾斜した台部7に対して概ね直角をなすように傾斜している。
なお、特許文献3は、“使用材料の薄肉化を図ることができ、太陽電池パネル設置構造全体として軽量化ができると共に、低コスト化ができる”、という効果が得られるとしているが、太陽電池パネルのアルミ枠と架台の鉄骨枠とを締結具で締結した状態で所定の強度基準を満たすように設計するというもので、架台自体でコスト低減を図ることができず、汎用性に欠ける。
一対の前記面状フレームをその面と直交する左右方向に間隔をあけて互いに平行に配し、前記一対の面状フレーム間は、上部側及び下部側のそれぞれにおける左右の支柱間に対角線状に取り付けられた交差する2つのブレースのみで連結され、
前記上部側の支柱及び下部側の支柱は、パネル受材の長手方向両端からそれぞれ中央側に寄った位置においてパネル受材に取り付けられるとともに、その取り付け位置は、上部側の支柱と下部側の支柱間の長さが0.387Lから0.714Lの範囲内にあり、かつ、それぞれ先端側から、ほぼ対称的な位置にあることを特徴とする。
したがって、この太陽光パネル架台は、面状フレームの鉛直面内で作用する荷重は面状フレームの剛性が負担し、地震等による面状フレームの面と直交する水平方向の荷重は交差する2つのブレースで負担する構造であるが、左右の面状フレームのパネル受材を連結する水平な連結部材を省いても、各部材が効率的に荷重を負担して、架台の強度及び剛性を確保しつつ鋼材使用量を極力少なく済ませることが可能である。
また、上部側及び下部側の支柱が、パネル受材の長手方向両端からそれぞれ中央側に寄った位置においてパネル受材に取り付けられるとともに、その取り付け位置は、上部側の支柱と下部側の支柱間の長さが0.387Lから0.714Lの範囲内にあり、かつ、それぞれ先端側から、ほぼ対称的な位置にあることで、太陽光パネル架台に作用する荷重に耐えるパネル受材の断面を効率よく小さくすることが可能となっている。
上記の通り、太陽光パネル架台を一対の面状フレームで構成することと、上部側及び下部側の支柱の位置を上記のような位置に設定することとが相俟って、鋼材使用量を極力少なく済ませることが可能となり経済性に優れた太陽光パネル架台が得られる。
これらの図に示すように、この太陽光パネル架台1は、太陽光パネル10を所定の角度θで設置する傾斜したパネル受材2と、傾斜した前記パネル受材2の傾斜上部側を支持する鉛直な上部側の支柱3と、前記パネル受材2の傾斜下部側を支持する鉛直な下部側の支柱4とで構成された鉛直な面状フレーム5を有する。
前記一対の面状フレーム5はその面と直交する左右方向に間隔をあけて互いに平行に配し各支柱3、4を基礎6に固定している。
そして、前記一対の面状フレーム5間は、上部側及び下部側のそれぞれにおける左右の支柱間に対角線状に取り付けられた交差する2つのブレース7a、7bのみで連結されている。左右のパネル受材2間を直接連結する水平な連結部材は有さない。
前記パネル受材2、支柱3、4及びブレース7a、7bはいずれも鋼材である。図示例では、パネル受材2及びブレース7a、7bはL字形の軽量形鋼である。L字型軽量形鋼のパネル受材2は、図1、図2(ハ)、(ニ)に示すように、その横断面における上面が水平になる逆L字形に配されている。
そして、前記上部側の支柱3及び下部側の支柱4は、パネル受材2の長手方向両端からそれぞれ中央側に寄った位置においてパネル受材2にボルト接合により取り付けられるとともに、その取り付け位置は、上部側の支柱と下部側の支柱間の長さL0がパネル受材2の全長Lに対して0.387Lから0.714Lの範囲内にあり、かつ、それぞれ先端側から、ほぼ対称的な位置にある。すなわち、
0.387L≦L0≦0.714L・・・(1)
かつ、 L11≒L12 ・・・(2)
但し、L11、L12 はパネル受材2のオーバーハング部の長さ。
である。
なお、図2に示されたLはパネル受材2の全長の水平成分であり、L11、L12はオーバーハング部の長さの水平成分であるが、パネル受材2の長手方向の長さで表した関係とその水平成分で表した関係は同じになるので、便宜上、両者を区別しないで示した。
したがって、この太陽光パネル架台1は、面状フレーム5の鉛直面内で作用する荷重は面状フレーム5の剛性が負担し、地震等による面状フレーム5の面と直交する水平方向(図2(ロ)で上下方向、図2(ハ)、(ニ)で左右方向)の荷重はX状をなすブレース7a、7bで負担する構造であるが、左右の面状フレーム5のパネル受材を連結する水平な連結部材を省いても、各部材が効率的に荷重を負担して、架台の強度及び剛性を確保しつつ鋼材使用量を極力少なく済ませることが可能である。
また、上部側及び下部側の支柱3、4が、パネル受材2の長手方向両端からそれぞれ中央側に寄った位置においてパネル受材2に取り付けられるとともに、その取り付け位置は、上部側の支柱3と下部側の支柱4間の長さL0が0.387Lから0.714Lの範囲内にあり、かつ、それぞれ先端側から、ほぼ対称的な位置にあることで、太陽光パネル架台1に作用する荷重に耐えるパネル受材2の断面を効率よく小さくすることが可能となっている。
上記の通り、太陽光パネル架台1を一対の面状フレーム5で構成することと、上部側及び下部側の支柱3、4の位置を上記のような位置に設定することとが相俟って、鋼材使用量を極力少なく済ませることが可能となり経済性に優れた太陽光パネル架台が得られる。
しかし、上述した太陽光パネル架台1の構造と、これに水平な連結部材を設けるとともに構成部材の断面を小さくした構造とを、それぞれ同一の荷重に対する変形量が同じになる条件で設計をした場合、上述した太陽光パネル架台1の構造の方が鋼材使用量を少なくすることが可能である。
図3(イ)は上記太陽光パネル架台1に太陽光パネル重量と風圧力とを考慮した分布荷重wが作用した時のパネル受材2の撓みを説明する図である。
図3(イ)のように、分布荷重wが作用する全長Lの梁(パネル受材2)の2箇所の支点が端からそれぞれ等しい距離L1(すなわちL11=L12=L1)の位置(中間部の距離がL0)にある場合の梁の撓みは、中央での撓みをδ0、両端での撓みδ1をすると、
δ0=5wL0 4/384EI−wL1 2L0 2/16EI ・・・(4)
δ1=wL1 4/8EI−wL0/24EI(L0 2−6L1 2)L1 ・・・(5)
となる。
中間部の距離L0=αL の係数αをパラメータ(横軸)として上記(4)、(5)式を計算して得られるδ0、δ1をグラフにすれば、図3(ロ)のようになる。この梁に生じる最大撓みが最も小さいのは、同グラフから明らかな通り、δ0の曲線とδ1の曲線とが交わった時であり、δ0=δ1 の時である。その時のαは0.554である。
したがって、この条件で最もパネル受材2の断面を最も小さくすることができるが、必ずしも厳格に最小断面にする必要はない。0.387Lから0.714Lの幅があっても、一定の鋼材使用量削減の効果が得られる。すなわち、たわみδ0がL0/150を超えると、ただ単に鋼材使用量が増えるだけでなく、風圧力に対して繰り返し大きなたわみが生じることになり、鋼材だけでなく、設置された太陽光パネルにも繰り返したわみが生じ、鋼材、太陽光パネル、および、その設置部材の耐久性が劣ることになる。従って、上部側の支柱と下部側の支柱間の長さが、たわみがL0/150以下になる0.387Lから0.714Lにする必要がある。
たわみδ0がL0/150以下であることが適切であることを、図11(イ)、(ロ)を参照して説明する。図11(イ)は、パネル受け材6の中央位置に、隣接する太陽光パネル10の隣接部がくることを示している。
複数の太陽光パネルを架台に設置する場合、隣接する太陽光パネル間に若干の隙間を設けるが、パネル受け材2にたわみが生じると、隣接する太陽光パネル10の端部が互いに接近するので、太陽光パネル同士に干渉が生じないような隙間(パネル間距離)を設ける必要がある。図11(ロ)のe’は、たわみδが生じた時の隙間(パネル間距離)を示している。
以下に述べるように、たわみは隣り合うパネル同士の干渉から最適パネル間距離で決まる。そして、パネル間距離が小さいほど支持部材の材料費を抑制できる。
実施例の場合、太陽光パネルの厚みtが50mm、中間部の距離L0が3324mm、パネル受け材6の高さHが100mmであることを考慮すると、図11(ロ)において、隣接するパネルの端点P1及びP2が近似的にパネル受け材2の中心点Oを中心に回転するとすると、たわみδがL0/150であると、干渉が生じないためのパネル間距離eは、詳細計算は省略するが、パネル受け材2の中心点Oからパネル下面までの高さ(H/2)が約50mmであることから約7mmとなる。これにボルト孔等による施工公差、各部材の熱膨張等を考慮して3mm加えると、最適パネル間距離は10mmとなる。このように、たわみ変形によるパネル同士の干渉を避けることが、最適パネル間距離を決める上で重要な要素であることを示す。
この太陽光パネル架台11は、100×50×3.2mmの不等辺の軽量山形鋼によるパネル受材12と、100×50×3.2mmの軽量溝形鋼による鉛直な上部側の支柱13及び下部側の支柱14とで構成された鉛直な一対の面状フレーム15を有する。前記一対の面状フレーム15はその面と直交する左右方向に間隔をあけて互いに平行に配され、各支柱13、14の下端が70×70×4.5mmの軽量山形鋼による固定部材18で基礎16に固定されている。各部材間の接合はすべてボルト接合であり、溶接接合部はない。また、パネル受材12と支柱3、4とのボルト接合部は2本以上(実施例では2本)のボルトによる剛接合的な接合であり、ブレース7a、7bと支柱3、4とは1本のボルトによるボルト接合である。
そして、前記一対の面状フレーム15間は、上部側及び下部側のそれぞれにおける左右の支柱間(支柱13、13間、及び支柱14、14間)に対角線状に取り付けられた交差する30×30×3.2mmの軽量山形鋼による2つのブレース17a、17bのみで連結されている。左右のパネル受材12間を直接連結する水平な連結部材は有さない。前記2つのブレース17a、17bは図5などに示すように、支柱13、14の架台長手方向の両面に分けて取り付けられている。
不等辺軽量山形鋼のパネル受材12は、図6(イ)、(ロ)に示すように、その横断面における上面が水平になる逆L字形に配されている。
そして、前記上部側の支柱13及び下部側の支柱14は、パネル受材12の長手方向の端からそれぞれ中央側に寄った位置においてパネル受材12にボルト接合により取り付けられるとともに、その取り付け位置は、パネル受材12の長さLに対してそれぞれ長さ方向の端から同じく0.223Lの位置(L1=(1−0.554)L/2=0.223L)にある。
各部の寸法を示すと、太陽光パネル10の設置傾斜角に等しいパネル受材12の傾斜角θは10°、パネル受材12の全長は6000mm(水平成分(図4にLで示した長さ)は5910mm)、中間部の長さは3324mm(その水平成分(図4にL0で示した長さ)は3274mm)、オーバーハング部の長さは1338mm(その水平成分(図4にL1で示した長さ)は1318mm)である。架台11の幅寸法Wは980mmである。上部側の支柱13の長さは1170mm、下部側の支柱14の長さは583mmである。
太陽光パネル10は、太陽電池部分10aの周囲を支持する矩形のフレーム10bの部分で例えば、図8のように取り付けられる。図示例では、不等辺軽量山形鋼のパネル受材12に上面部に、太陽光パネル10のアルミのフレーム10bに設けた取付孔10cに合せたボルト挿通孔12aをあけ、ボルト21を取付孔10c、ボルト挿通孔12aに通しナット22を螺合させ締め付けて、フレーム10bをパネル受材12に固定して、太陽光パネル10を太陽光パネル架台11に固定する。
この実施例ではパネル受材12がL字形鋼材(不等辺軽量山形鋼)であり、上面が水平になる逆L字形に配されているので、図9に示す通り、パネル受材12の下方側はオープンになり、太陽光パネル10を太陽光パネル架台11上に載せた状態で、パネル下面で太陽光パネル10のフレーム10bと架台11のパネル受材12とをボルトで結合させる作業の際、例えばインパクトレンチによってボルト締め可能なスペースを確保することができ、作業性が良好である。
図10A(イ)の部材31は、リップ31aの付いた不等辺軽量山形鋼のリップ31aの端縁部を内側に折り曲げた変形リップ付き不等辺軽量山形鋼31である。
図10A(ロ)の部材32は、軽量溝形鋼のフランジ32aの端縁部を内側に折り曲げた変形軽量溝形鋼である。
図10A(ハ)の部材33は、軽量C形鋼のリップ33aの端縁部を内側に折り曲げた変形軽量C形鋼である。
図10A(ニ)の部材34は、軽量山形鋼の2つの辺34aの端縁部をそれぞれ内側に折り曲げた変形軽量山形鋼である。
図10B(ホ)の部材35は、軽量溝形鋼のフランジ35aの端縁部を小さくかつフランジ内側面に密着するように内側に折り曲げた変形軽量溝形鋼である。
図10B(ヘ)の部材36は、リップを若干長くした軽量C形鋼の前記リップ36aの中間位置よりやや先端側位置を内側にかつリップ内側面に密着するように折り曲げた変形軽量C形鋼である。
図10B(ト)の部材37は、リップを大幅に長くした軽量C形鋼の前記長いリップ37aの中間位置よりリップ付け根寄りの位置を内側に直角に折り曲げた変形軽量C形鋼である。
図10B(チ)の部材38は、軽量山形鋼の2つの辺38aの端縁部をそれぞれ内側に辺38aの内側面に密着するように折り曲げた変形軽量山形鋼である。
上記のように、軽量形鋼の端縁部を内側に折り曲げることで、赤錆の発生し易い端面(エッジ)が外観として表れず、赤錆発生時の外観不良を避けることができる。
2、12 パネル受材
12a ボルト挿通孔
3、13 上部側の支柱
4、14 下部側の支柱
5、15 面状フレーム
6 基礎
7a、7b ブレース
17a、17b ブレース
10 太陽光パネル
10b (太陽光パネルの)フレーム
10c 取付孔
21 ボルト
22 ナット
L パネル受材の全長(又はその水平成分)
L0 パネル受材の支柱間(中間部)の距離(又はその水平成分)
L1(L11、L12) パネル受材の端から支柱までの距離(又はその水平成分)
α (L0=αL における)係数
Claims (3)
- 太陽光パネルを所定の角度で設置する傾斜したパネル受材と、傾斜した前記パネル受材の傾斜上部側を支持する鉛直な上部側の支柱と、前記パネル受材の傾斜下部側を支持する鉛直な下部側の支柱とで鉛直な面状フレームを構成し、
一対の前記面状フレームをその面と直交する左右方向に間隔をあけて互いに平行に配し、前記一対の面状フレーム間は、上部側及び下部側のそれぞれにおける左右の支柱間に対角線状に取り付けられた交差する2つのブレースのみで連結され、
前記上部側の支柱及び下部側の支柱は、パネル受材の長手方向両端からそれぞれ中央側に寄った位置においてパネル受材に取り付けられるとともに、その取り付け位置は、パネル受材の全長Lに対して上部側の支柱と下部側の支柱間の長さが0.387Lから0.714Lの範囲内にあり、かつ、それぞれ先端側から、ほぼ対称的な位置にあることを特徴とする太陽光パネル架台。 - 前記パネル受材、支柱及びブレースの3種の部材のいずれかがL字型又は溝形状等の軽量形鋼からなる場合に、その軽量形鋼の端縁部を内側に折り曲げたことを特徴とする請求項1記載の太陽光パネル架台。
- 前記パネル受材はL字型鋼材であり、その横断面における上面が水平になる逆L字形に配されていることを特徴とする請求項1又は2記載の太陽光パネル架台。
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