JP2013055263A - 太陽光パネル架台 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量化を達成できる太陽光パネル架台を提供することを課題とする。
【解決手段】太陽光パネル2を固定するための太陽光パネル架台1において、縦方向に傾斜して延在する一対の垂木10,10と、垂木10に対して直交する2本以上の横根太30,30・・・と、垂木10を支持する支柱50とを備え、支柱50は、一本の垂木10につき2本ずつ設けられ、垂木10は、ガセットプレート55を介して各支柱50に連結されており、ガセットプレート55は、垂木10の全長Mに対して0.075〜0.150倍の範囲の長さLであることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、太陽光パネルを固定するための太陽光パネル架台に関する。
従来、太陽光パネル(太陽電池パネルや太陽熱温水器など)を固定する太陽光パネル架台は、例えば特許文献1に示すように、フレーム材を格子状に組み付けたものが一般的であった。この太陽光パネル架台は、載置用桟を矩形形状に組み合わせて支持フレームを形成して、支柱で支持する構成となっていた。この太陽光パネル架台においては、支持フレームを形成することで、架台全体の簡略化および施工の簡素化が達成されている。
特開2009−290107号公報
しかしながら、前記太陽光パネル架台では、支持フレームと各支柱はそれぞれ一のボルトで連結されているため、載置用桟にかかる曲げ応力が大きく、各載置用桟の板厚が大きくなり、支持フレーム、ひいては架台全体の重量化を招くといった問題があった。
このような観点から、本発明は、軽量化を達成できる太陽光パネル架台を提供することを課題とする。
このような課題を解決するための請求項1に係る発明は、太陽光パネルを固定するための太陽光パネル架台において、縦方向に傾斜して延在する一対の垂木と、前記垂木に対して直交する2本以上の横根太と、前記垂木を支持する支柱とを備え、前記支柱は、一本の前記垂木につき2本ずつ設けられ、前記垂木は、ガセットプレートを介して前記各支柱に連結されており、前記ガセットプレートは、前記垂木の全長に対して0.075〜0.150倍の範囲の長さであることを特徴とする。
このような構成によれば、ガセットプレートを介して垂木を支柱に連結することで、ガセットプレートが配置された区間において垂木が補強され、スパン中央での撓みが小さくなる。すなわち、垂木の実質的な支点間距離を短くできるので、垂木にかかる曲げモーメントを低減できる。これによって、垂木の軽量化が図れる。ガセットプレートが垂木の全長に対して0.075倍より短いと、十分に曲げモーメントを低減することができず、また0.150倍より長いと、ガセットプレートの重量が増加し架台全体の軽量化の効果が小さくなってしまう。
請求項2に係る発明は、前記垂木の下端から下端部側の前記ガセットプレートまでの距離をA、前記垂木の下端部側の前記ガセットプレートから上端部側の前記ガセットプレートまでの距離をB、上端部側の前記ガセットプレートから前記垂木の上端までの距離をCとしたとき、2.5C≦A≦8.0C、および2.5C≦B≦8.0Cの二式を同時に満たす位置に前記ガセットプレートを配置することを特徴とする。
このような構成によれば、垂木の固定位置を限定して、垂木の両端部を支柱との支点位置から張り出させたことによって、垂木の支点付近にかかる曲げ応力が分散されるので、垂木にかかる曲げ応力を低減できる。これによって、垂木のより一層の軽量化が図れる。
請求項3に係る発明は、前記ガセットプレートには、凸条または凹溝が設けられ、前記垂木には、前記ガセットプレートに設けられた凸条または凹溝と噛み合う凹溝または凸条が設けられていることを特徴とする。
このような構成によれば、ガセットプレートと垂木の取合い位置の位置決めを容易にできるとともに、補強効果を得られる。
請求項4に係る発明は、一方の前記垂木の上側を支持する前記支柱と、他方の前記垂木の上側を支持する前記支柱との間には、ブレースが設けられていることを特徴とする。
このような構成によれば、2本の支柱間にブレースを設けたことによって、横倒れしにくい構造となる。
請求項5に係る発明は、前記垂木、前記横根太、前記支柱および前記ガセットプレートは、いずれもアルミニウム合金製の押出形材からなることを特徴とする。
このような構成によれば、太陽光パネル架台の軽量化を図れるとともに、精度の高い架台とすることができ、優れた耐候性と美観を得られる。
本発明に係る太陽光パネル架台によれば、軽量化を達成することができる。
本発明の実施形態に係る太陽光パネル架台を示した斜視図である。 本発明の実施形態に係る太陽光パネル架台を示した側面図である。 本発明の実施形態に係る太陽光パネル架台に太陽光パネルを設置した状態を示した図2のS線矢視図である。 本発明の実施形態に係る太陽光パネル架台のガセットプレートの使用状態を示した図であって、(a)は側面図、(b)は(a)のT−T線断面図である。 ガセットプレートを示した斜視図である。 (a)は垂木を示した断面図、(b)は垂木とガセットプレートの固定状態を示した部分拡大断面図である。 垂木と横根太と太陽光パネルの固定状態を示した図であって、(a)は最下部の固定状態を示した側面図、(b)は中間部の固定状態を示した側面図である。 支柱と土台の固定状態を示した図であって、(a)は側面図、(b)は正面図である。 横根太の変形状態を示した太陽光パネル架台の全体斜視図である。
本発明の実施形態に係る太陽光パネル架台について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態に係る太陽光パネル架台1は、図1および図2に示すように、縦方向に延在する一対の垂木10,10と、垂木10に対して直交する二本以上(本実施形態では5本)の横根太30,30…とを備えている。各垂木10は、2本の支柱50,50にそれぞれ支持されている。支柱50と垂木10は土台51に支持されている。なお、本実施形態では、太陽光パネル架台1を正面から見て、前後方向を縦方向とし、左右方向を横方向とする。図3に示すように、太陽光パネル架台1上には、複数の太陽光パネル2が設置される。本実施形態では、太陽光パネル2は、縦方向に4枚、横方向に3枚がそれぞれ配列されて、合計12枚の太陽光パネル2が太陽光パネル架台1上に載置される。なお、太陽光パネル2の枚数や、横根太30の本数は一例であって、本実施形態の構成に限定する趣旨ではない。
図1および図2に示すように、一対の垂木10,10は、間隔をあけて互いに平行に配置されている。また、一対の垂木10,10は、横根太30の長手方向中間部を中心とする左右対称位置にそれぞれ配置されている。各垂木10は、縦方向(水平方向)に対して傾斜して配置されており、正面から見て、前方が低く、後方が高くなっている。横根太30は、垂木10,10上に架け渡されている。横根太30の両端部は、一対の垂木10,10からそれぞれ外側に張り出している。垂木10は、太陽光パネル2の傾斜方向に沿って配置されており、垂木10の傾斜角度は、太陽光パネル2の傾斜角度と一致している。
垂木10は、アルミニウム合金製の押出形材からなる。図4の(b)に示すように、垂木10は、断面矩形形状を呈しており、上面、下面および両側面を備えている。上面および両側面には、ボルトBの頭部が収容される収容溝11がそれぞれ形成されている。垂木10の上面に形成された収容溝11には、垂木10と横根太30とを固定するためのボルトBの頭部が挿入される(図7参照)。垂木10の両側面に形成された収容溝11には、垂木10と支柱50とを固定するためのボルトBの頭部が挿入される。ボルトBは、例えば六角ボルトが用いられている。収容溝11の幅寸法は、ボルトBの頭部の二面幅の寸法より大きく、対角距離より小さくなっている。これによって、ボルトBは、収容溝11内を長手方向に移動可能でありながらも、回転が阻止された状態となる。両側面に形成された収容溝11,11は、ともに同じ高さ位置に形成されている。そして、互いに対向する収容溝11,11の溝壁(底面壁)同士間には、これらを繋ぐ補強リブ13が形成されている。
図4および図6に示すように、収容溝11の開口端には、溝幅方向両端から内側にそれぞれ延出する一対の係止部12,12が形成されている。係止部12は、垂木10の表面と面一に形成されている。一対の係止部12,12は、ボルトBの軸部の外径よりも僅かに広い間隔をあけて形成されている。係止部12,12間の間隔は、頭部の外径よりも狭い。ボルトBの頭部は、収容溝11の端部から挿入される。ボルトBは、軸部が係止部12,12間の隙間から突出した状態で、溝長手方向に沿って、所望の位置まで移動される。係止部12は、収容溝11に収容されたボルトBの頭部の座面を係止し、収容溝11かたのボルトBの抜け落ちを防止している。係止部12の先端には、収容溝11の底部側に突出する突条12aが形成されている(図6参照)。突条12aは、ボルトBの頭部の座面に当接するが、当接面積が小さいので接触圧が高くなり、ボルトBの溝長手方向への横ずれを抑えることができる。
図1および図2に示すように、垂木10は、その下部が土台51に固定され、中間部と上部が支柱50に固定されている。図7の(a)に示すように、土台51上には、一対のブラケット52(図7では一方のみ図示)が固定されている。垂木10の下端部は、ボルトBおよびナットNでブラケット52に固定されている。ブラケット52,52は、垂木10を両側から挟むように配置されている。ボルトBの頭部は、垂木10の両側面の収容溝11に収容されており、その収容溝11から突出したボルトBの軸部は、ブラケット52のボルト孔(図示せず)を貫通している。ナットNを締め付けることで、ボルトBの頭部とナットNで、収容溝11の係止部12とブラケット52が挟持されて、垂木10とブラケット52が固定される。
図1および図2に示すように、一対の支柱50,50は、一つの土台51に立設されており、側面視V字状を呈している。支柱50も垂木10と同様に、アルミニウム合金製の押出形材からなる。支柱50は、垂木10と同様の断面矩形形状を呈している。支柱50は、両側面と下面に収容溝53が位置するように配置されている。収容溝53には、ボルトBの頭部が収容される。
図8の(a)および(b)に示すように、一対の支柱50,50の下端部は、土台51上に固定された一対のブラケット52,52に、ボルトBおよびナットNで固定されている。ブラケット52,52は、支柱50,50を両側から挟むように配置されている。ボルトBの頭部は、支柱50の両側面の収容溝53に収容され、収容溝53から突出したボルトBの軸部がブラケット52のボルト孔(図示せず)を貫通している。ナットNを締め付けることで、ボルトBの頭部とナットNで、収容溝53の係止部54とブラケット52が挟持されて、支柱50とブラケット52が固定される。
図1、図2および図4に示すように、垂木10は、ガセットプレート55を介して支柱50の上端部に連結されている。垂木10と支柱50との連結箇所では、支柱50の上端が垂木10の下面に当接されており、垂木10および支柱50が、一対のガセットプレート55,55に挟まれている。ガセットプレート55は、一般的なガセットプレートよりも長尺に形成されている。ガセットプレート55は、アルミニウム合金製の押出形材からなる。図5に示すように、ガセットプレート55は、長手方向(押出方向)が垂木10に沿うように配置されている。ガセットプレート55の上下両縁には、補強リブ56,56がそれぞれ形成されている。補強リブ56は、ガセットプレート55の板部に対して外側(垂木10を挟んだときの外側)に屈曲している。ガセットプレート55の長手方向端部の下側は、面取りされており、太陽光パネル架台1の施工時の安全性を向上させている。ガセットプレート55にはボルト貫通孔57が適宜形成されている。ボルト貫通孔57には、ボルトBの軸部を挿通する。
以下、ガセットプレート55の長さL(図5参照)と、垂木10およびガセットプレート55の重量との関係を説明する。例えば、垂木10の長さが4000mmで、ガセットプレートを用いずに支柱50と接合したとき、垂木10の重量が14kgになったとする。ここで、長さLが200mmのガセットプレート55を用いて垂木10と支柱50を連結した場合で試算したところ、垂木10の実質的な支点間距離を短くできるので、垂木10にかかる曲げモーメントを低減でき、垂木10の断面積を小さくすることが可能になることで、垂木10の重量を約10kgにすることができた。ガセットプレート55の重量(2枚分)は、約1kgとなる。垂木10とガセットプレート55の合計重量は、約11kgとなるので、約3kgの軽量化を図ることができた。
また、ガセットプレート55の長さLを350mmとした場合で試算したところ、垂木10の重量が約7kgでガセットプレート55の重量(2枚分)が約2kgとなった。垂木10とガセットプレート55の合計重量が、約9kgとなるので、約5kgの軽量化を図ることができた。
つまり、ガセットプレート55を長尺にすると、垂木10の軽量化を図れる。しかしながら、ガセットプレート55を長くした分、ガセットプレート55の重量が増加する。そこで、ガセットプレート55の長さLの範囲は、ガセットプレート55を長尺化したことによる垂木10の軽量化効果と、ガセットプレート55の重量の増加量とのバランスを考慮して設定するのが好ましい。以上のことを踏まえると、垂木10が4000mmの場合、ガセットプレート55の長さLを300mm〜600mmとするのが好ましい。これによって、ガセットプレート55の長さLは、垂木の全長に対して0.075〜0.150倍の範囲の長さとなる。さらに好ましくは、ガセットプレート55の長さLを350mm〜500mmとするのが良い。これによれば、ガセットプレート55の長さLは、垂木の全長に対して0.088(0.0875)〜0.125倍の範囲の長さとなる。
図6に示すように、ガセットプレート55の表面のうち、垂木10と接する部分には、凸条58が設けられている。一方、垂木10の側面のうち、凸条58に対応する部分には、凹溝14が形成されている。凸条58と凹溝14は、小さい部位であるので、図4の(b)および図6の(a)および(b)のみで図示(図号は図6でのみ表示)し、他の図では図示を省略している。凸条58と凹溝14は、互いに噛み合うように構成されている。なお、本実施形態では、ガセットプレート55に凸条58を形成し、垂木10に凹溝14を形成しているが、ガセットプレート55に凹溝を形成し、垂木10に凸条を形成するようにしてもよい。
垂木10と支柱50との連結部では、図4の(a)および(b)に示すように、垂木10の収容溝11および支柱50の収容溝53にボルトBの頭部が収容されて、収容溝11,53から軸部が突出している。軸部はガセットプレート55のボルト貫通孔57(図5参照)を貫通してガセットプレート55から突出している。ガセットプレート55から突出したボルトBの軸部にナットNを締め付けると、ボルトBの頭部とナットNで、収容溝11の係止部12とガセットプレート55が挟持されるとともに、収容溝53の係止部54とガセットプレート55が挟持される。これによって、垂木10と支柱50が連結される。
以上のような構成においては、ガセットプレート55に形成されるボルト貫通孔57の位置を適宜変更することで、支柱50の角度と、垂木10との連結位置を変更することができる。
図1に示すように、一方の垂木10の上部を支持する支柱50と、他方の垂木10の上部を支持する支柱50との間には、ブレース59が設けられている。ブレース59は、プレート材(フラットバー)にて構成されており、2枚のブレース59,59が、支柱50,50の間で交差するように配置されている。一方のブレース59の一端は、一方の垂木10の上部を支持する支柱50の上部に連結され、一方のブレース59の他端は、他方の垂木10の上部を支持する支柱50の下部に連結されている。他方のブレース59の一端は、一方の垂木10の上部を支持する支柱50の下部に連結され、他方のブレース59の他端は、他方の垂木10の上部を支持する支柱50の上部に連結されている。ブレース59の両端部にはボルト貫通孔(図示せず)がそれぞれ形成されている。支柱50の下面に形成された収容溝53にボルトBの頭部が収容されて、収容溝53から軸部が突出している。軸部はブレース59のボルト貫通孔を貫通してブレース59から後方に突出している。ブレース59から突出したボルトBの軸部にナットNを締め付けると、ボルトBの頭部とナットNで、収容溝53の係止部54とブレース59が挟持される。これによって、支柱50とブレース59が連結される。
次に、垂木10に対するガセットプレート55の位置関係を説明する。図2に示すように、垂木10の下端から下端部側のガセットプレート55(長手方向中心)までの距離をA、垂木10の下端部側のガセットプレート55から上端部側のガセットプレート55(長手方向中心)までの距離をB、上端部側のガセットプレート55から垂木10の上端までの距離をCとしたとき、
2.5C≦A≦8.0C・・・(式1)
2.5C≦B≦8.0C・・・(式2)
の二式を同時に満たす位置にガセットプレート55を配置するのが好ましい。このような配置にすれば、各ガセットプレート55の位置で垂木10に発生するモーメントが小さくなるので、垂木10の必要断面係数が小さくなる。これによって、垂木10の断面積を小さくすることができ、垂木10のさらなる軽量化を図ることができる。
横根太30は、アルミニウム合金製の押出形材からなる。図1および図2に示すように、横根太30は、垂木10上端と下端に配置される端部横根太30aと、上下の端部横根太30a,30a間に配置される内側横根太30bの二種からなる。
図7の(a)に示すように、端部横根太30aは、ウエブ部31と、上下一対のフランジ部32,32とを備えてなる。フランジ部32,32は、ウエブ部31の上下両端から片方向(ウエブ部31の厚さ方向片側)に延在して設けられており、端部横根太30aは、断面コ字状を呈している。以下、上側のフランジ部を「上フランジ部32b」と称し、下側のフランジ部を「下フランジ部32a」と称する場合がある。ウエブ部31は、断面矩形で中空に形成されている。ウエブ部31の上端には溝31aが形成されている。下フランジ部32aは、ウエブ部31の下端面と面一になっている。下フランジ部32aには、ボルト貫通孔(図示せず)が形成されている。このボルト貫通孔には、収容溝11から突出したボルトBの軸部が挿通される。端部横根太30aを垂木10の上面に載置し、下フランジ部32aから突出させたボルトBの軸部にナットNを締め付けると、ボルトBの頭部とナットNで、収容溝11の係止部12と下フランジ部32aが挟持される。これによって、垂木10と横根太30が連結される。
上フランジ部32bは、ウエブ部31の上端面と面一になっている。上フランジ部32bは、下フランジ部32aと平行になっている。上フランジ部32bには、ボルト貫通孔(図示せず)が形成されている。上フランジ部32bのボルト貫通孔には、上フランジ部32bと太陽光パネル2を固定するためのボルトBの軸部が挿通される。上フランジ部32bの上面には、太陽光パネル2の下端のフランジ2aが載置される。フランジ2aにもボルト貫通孔(図示せず)が形成されており、上フランジ部32bのボルト貫通孔とフランジ2aのボルト貫通孔にボルトBを挿通させて、ナットNで締め付けることで、太陽光パネル2が横根太30に固定される。
図7の(b)に示すように、内側横根太30bは、ウエブ部31と、ウエブ部31の上下からそれぞれ両側に延在するフランジ部32,32・・とを備えてなり、断面H字状を呈している。上側のフランジ部32,32(上フランジ部32b,32b)は、ウエブ部31の上端から両方向(ウエブ部31の厚さ方向両側)にそれぞれ延在して設けられている。下側のフランジ部32,32(下フランジ部32a,32a)は、ウエブ部31の下端から両方向(ウエブ部31の厚さ方向両側)にそれぞれ延在して設けられている。ウエブ部31とフランジ部32の形状は、端部横根太30aと同様である。内側横根太30bでは、ウエブ部31の厚さ方向両側の上フランジ部32b,32bの各上面に、別個の太陽光パネル2のフランジ2aがそれぞれ載置される。上フランジ部32bのボルト貫通孔とフランジ2aのボルト貫通孔にボルトBを挿通させて、ナットNで締め付けることで、太陽光パネル2が横根太30に固定される。
図3に示すように、太陽光パネル2は、上辺部の長手方向両端部近傍の2箇所P1,P2で二点支持されるとともに、下辺部の長手方向両端部近傍の2箇所P3,P4で二点支持されている。つまり、太陽光パネル2は、4つの固定位置P1,P2,P3,P4で固定されている。固定位置P1,P2,P3,P4は、それぞれ近接する角部(太陽光パネル2の四隅)から同等の距離に位置している。太陽光パネル2を支持する四点の固定位置P1,P2,P3,P4を結んでなる長方形(図3中、中央列の太陽電池パネル2のみに二点鎖線にて示す)の各辺は、垂木10または横根太30のいずれかと平行となる。具体的には、固定位置P1,P2を結ぶ直線と、固定位置P3,P4を結ぶ直線が横根太30と平行となり、固定位置P1,P3を結ぶ直線と、固定位置P2,P4を結ぶ直線が垂木10と平行となる。そして、縦方向に並列した太陽光パネル2,2・・の固定位置P1,P3を結ぶ各直線が一直線上に並んでいる。また、縦方向に並列した太陽光パネル2,2・・の固定位置P2,P4を結ぶ各直線も一直線上に並んでいる。
各太陽光パネル2の設置位置の上下両端に位置する横根太30,30(本実施形態では全ての横根太30,30・・・)の変形量分布(たわみ曲線)が等しくなるように、横根太30の断面剛性が設定されている。端部横根太30aと内側横根太30bの変形量分布を等しくすれば、各太陽光パネル2の設置位置の上下両端に位置する横根太30,30の変形量分布が等しくなる。
以下に、端部横根太30aと内側横根太30bの曲げ剛性の関係を説明する。端部横根太30aの変形量分布と、内側横根太30bの変形量分布を等しくするためには、
2E=E・・・(式3)
:端部横根太30aのヤング係数
:内側横根太30bのヤング係数
:端部横根太30aの断面剛性
:内側横根太30bの断面剛性
を満たすように、断面剛性を設定すればよい。なお、本実施形態では、横根太30は全て同じ材質(アルミニウム合金)で形成されているので、E=Eであり、したがって(式3)は、2I=Iとなればよい。これは、端部横根太30aには、各太陽光パネル2の半分の重量が作用するのに対し、内側横根太30bには、その上側の太陽光パネル2の半分の重量と下側の太陽光パネル2の半分の重量(すなわち一枚の太陽光パネル2の重量)が作用するためである。つまり、2I=Iとすることで、全ての横根太30,30の変形量分布が等しくなる。
横根太30の両端部は、一対の垂木10,10からそれぞれ等しい距離で外側に張り出している。横根太30の張出長さXは、横根太30の全長Yに対して0.210倍である。以下に、張出長さXの数値の根拠を説明する。架台の基本設計における横根太30に生じる応力は、2本の垂木(支持点)の位置によって決められる。なお、本実施形態では、太陽光パネル2は、固定位置P1,P2,P3,P4で四点支持されているが、張出長さXの検討においては、梁(横根太)に等分布荷重が作用すると仮定して計算している。
通常、梁の全長にわたって等分布荷重wが作用したとき、梁に生じる曲げモーメントが最大になるのは、梁が両端で支持されているとき、すなわち、梁の張出長さXが0のときである。このときの横根太の中央部の曲げモーメント(最大曲げモーメント)Mは、
M=w・l/8
w:等分布荷重
l:支点間距離
となる。
一方、梁に生じる曲げモーメントが最小になるのは、梁の両端部の張出部分の曲げモーメントMと梁の中央部の曲げモーメントMが等しくなるときである。ここで
=−wX/2
=[{w(X+l)−wX}/2l]・l/2−w/2(X+l/2)
と表されるが、太陽光パネル2の当分布荷重wを、一般的な数値である9.8N(1kgf)と設定して、M=Mを満たす横根太の張出長さXを計算すると、横根太30の全長Yに対して0.210倍となる。
ところで、本発明においては、横根太30に生じる曲げモーメントを、最大曲げモーメントMの2/3(=w・l/12)以内に制限することとする。この上限を満たす横根太の張出長さXを計算すると、横根太30の全長Yに対して0.085〜0.410倍の範囲の長さとなる。
以上のような構成の太陽パネル架台によれば、下記のような作用効果を得られる。
横根太30の両端部を、垂木10から張り出させたことによって、横根太30のスパン中央付近にかかる曲げモーメントを両端支持の単純梁より低減できる。したがって、横根太の両端部を張り出させない場合に比べて、横根太30の断面2次モーメントを低減することができ、肉厚を薄くして断面積を小さくすることができるので、横根太30の軽量化を図れる。中でも横根太30の張出長さXを、横根太30の全長Yに対して0.085〜0.410倍の範囲の長さとした場合には、横根太30にかかる曲げモーメントが最大曲げモーメントの2/3以下となるので好ましい。特に、横根太30の張出長さXを、横根太30の全長Yに対して0.210倍の長さとした場合が、横根太30にかかる曲げモーメントが最小となる。
このように、横根太30に生じる曲げモーメントを制限することで、架台全体に生じる応力を減少させ、軽量かつ十分な強度を有する太陽光パネル架台1を提供することができる。また、太陽光パネル2の荷重に応じて、好適な横根太30の張出長さXを算出することができる。
また、本実施形態では、2本の支柱50,50で1本の垂木10を支持しているので安定している。さらに、一対の垂木10,10の上側をそれぞれ支持する支柱50,50間にブレース59を設けたことによって、横倒れしにくい構造となる。また、各垂木10,10は、支柱50に傾斜して支持されているので、太陽光パネル2を太陽の方向に対向させて、効率的な受光を行うことができる。
また、本実施形態では、ガセットプレート55を介して、垂木10を支柱50に連結するようになっているので、ガセットプレート55が配置された区間において垂木10が補強され、スパン中央での撓みが小さくなる。すなわち、垂木10の実質的な支点間距離を短くできるので、垂木10にかかる曲げモーメントを低減できる。これによって、垂木10の肉厚を薄くでき、断面積を小さくできので、垂木10の軽量化が図れる。
中でもガセットプレート55の長さLを、垂木10の全長Mに対して0.075〜0.150倍の範囲の長さとしたことによって、太陽光パネル架台1の軽量化の効果が大きい。つまり、ガセットプレート55が垂木10の全長Mに対して0.075倍より短いと、十分に曲げモーメントを低減することができず、一方、ガセットプレート55が垂木10の全長Mに対して0.150倍より長いと、ガセットプレート55の重量が増加し架台全体の軽量化の効果が小さくなってしまう。
また、本実施形態では、ガセットプレート55による垂木10の固定位置を前記(式1)および(式2)を同時に満たすように限定して、垂木10の両端部を支柱50との支点位置(ガセットプレート55の位置)から張り出させたことによって、垂木10の支点付近にかかる曲げ応力が分散される。したがって、垂木10にかかる曲げモーメントを低減でき、垂木10の肉厚を薄くでき、断面積を小さくすることができる。これによって、垂木10のより一層の軽量化が図れる。
さらに、ガセットプレート55には、凸条58が設けられ、垂木10には、凸条58と噛み合う凹溝14が設けられているので、ガセットプレート55と垂木10の取合い位置の位置決めを容易且つ正確に行なえる。さらには、凸条58や凹溝14が補強リブの役目を果たすので、ガセットプレート55と垂木10の補強効果を得られる。
また、垂木10や横根太30が、アルミニウム合金製の押出形材からなるので、太陽光パネル架台1全体の軽量化を図れる。さらには、各部材の精度を高めることができ、取り付け作業が容易且つ正確に行えるとともに、優れた耐候性と美観を得られる。また、アルミニウム合金は、リサイクル性に優れているため、架台の老朽化が進んだ後に、材料を再利用することができる。
さらには、本実施形態では、太陽光パネル2の設置位置の上辺部と下辺部にそれぞれ位置する横根太30,30の変形量分布が等しく、且つ太陽光パネル2を支持する四点P1,P2,P3,P4を結んでなる長方形(図3中、二点鎖線にて図示)の各辺は、垂木10または横根太30のいずれかと平行となっている。これによって、図9に示すように、固定点P1とP3における上下の各横根太30の変形量は常に等しく、且つ固定点P2とP4における上下の各横根太30の変形量は常に等しくなる。したがって、各太陽光パネル2の固定位置P1,P3を結ぶ直線と、固定位置P2,P4と結ぶ直線は、常に互いに平行な位置関係を保つことができる。したがって、太陽光パネル2は、元の設置面に対して、傾斜したとしても捩れることは殆んどなく、平面度を確保することができる。これによって、太陽光パネル2そのものに発生する変形応力を抑えることができる。また、横根太30は、ある程度の変形を許容できる(変形しても太陽光パネル2にねじれ応力が殆んど生じない)ので、その分の断面積を低減でき、さらなる軽量化が図れる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。例えば、前記実施形態では、垂木10や横根太30がアルミニウム合金製の押出形材にて構成されているが、これに限定されるものではない。例えば、ステンレス合金にて形成してもよいし、板材を屈曲加工して形成してもよい。
また、前記実施形態では、ブレース59は、一方の垂木10の上部を支持する支柱50と、他方の垂木10の上部を支持する支柱50との間に設けられているが、これに限定されるものではない。例えば、一方の垂木10の中間部を支持する支柱50と、他方の垂木10の中間部を支持する支柱50との間に設けてもよい。また、一方の垂木10の上部を支持する支柱50と、他方の垂木10の中間部を支持する支柱50との間に設けてもよい。
1 太陽光パネル架台
2 太陽光パネル
10 垂木
14 凹溝
30 横根太
50 支柱
55 ガセットプレート
58 凸条
59 ブレース
X 横根太の張出し長さ
Y 横根太の全長
L ガセットプレートの長さ
M 垂木の全長

Claims (5)

  1. 太陽光パネルを固定するための太陽光パネル架台において、
    縦方向に傾斜して延在する一対の垂木と、前記垂木に対して直交する2本以上の横根太と、前記垂木を支持する支柱とを備え、
    前記支柱は、一本の前記垂木につき2本ずつ設けられ、
    前記垂木は、ガセットプレートを介して前記各支柱に連結されており、
    前記ガセットプレートは、前記垂木の全長に対して0.075〜0.150倍の範囲の長さである
    ことを特徴とする太陽光パネル架台。
  2. 前記垂木の下端から下端部側の前記ガセットプレートまでの距離をA、前記垂木の下端部側の前記ガセットプレートから上端部側の前記ガセットプレートまでの距離をB、上端部側の前記ガセットプレートから前記垂木の上端までの距離をCとしたとき、
    2.5C≦A≦8.0C、および2.5C≦B≦8.0Cの二式を同時に満たす位置に前記ガセットプレートを配置する
    ことを特徴とする請求項1に記載の太陽光パネル架台。
  3. 前記ガセットプレートには、凸条または凹溝が設けられ、
    前記垂木には、前記ガセットプレートに設けられた凸条または凹溝と噛み合う凹溝または凸条が設けられている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の太陽光パネル架台。
  4. 一方の前記垂木の上側を支持する前記支柱と、他方の前記垂木の上側を支持する前記支柱との間には、ブレースが設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の太陽光パネル架台。
  5. 前記垂木、前記横根太、前記支柱および前記ガセットプレートは、いずれもアルミニウム合金製の押出形材からなる
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の太陽光パネル架台。
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