JP2012213682A - アンモニア分解触媒および当該触媒を用いたアンモニア分解方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、アンモニアのオートサーマルリフォーマー(ATR)において、触媒層の温度上昇を制御し、改質器の損傷・触媒の熱劣化を防止することができるATR用アンモニア分解触媒および当該触媒を用いたアンモニア分解方法を提供するものである。
【解決手段】アンモニアおよび酸素を含むガス中のアンモニアを水素と窒素に分解するに際し、反応温度600℃におけるr/rが0.01〜2であり、r/rが0.1以下であるアンモニア分解用触媒を用いる。(なお、アンモニア、酸素および水素の分圧をそれぞれ40kPa、4kPa、4kPaとした場合、アンモニアを窒素と水素に分解する反応のアンモニア消費速度をr 、酸素によるアンモニア燃焼反応によるアンモニア消費速度をr 、水素を燃焼して水を生成する反応の水素消費速度をr で示す。)
【選択図】図1

Description

本発明は、アンモニアおよび酸素を含むガス中のアンモニアを水素と窒素に分解するためのアンモニア分解触媒および当該触媒を用いたアンモニア分解方法に関するものである。
近年、地球温暖化防止を目的として二酸化炭素の排出の少ない技術が求められている。水素は燃料として用いられたとき、二酸化炭素の排出がなく、次世代燃料として注目されている。水素を得る手段としては、化学反応プロセスで副生する水素や、製鋼時に副生する水素を分離・回収する等の手段がある。しかし、これらの技術は副生する水素を利用するものであり安定して水素を得ることは困難である。
一方、安定的に水素を得る手段として、アンモニアの分解反応を利用する方法があり、反応としては NH → 0.5N + 1.5Hである。この反応は10.9kcal/molの大きな吸熱反応であり、反応熱の供給が問題となる。この反応熱の供給方法として、アンモニアやアンモニア分解で生成した水素を一部燃焼し、その燃焼熱を用いるオートサーマルリフォーマー(ATR)が考えられる(特許文献1,非特許文献1)、当該アンモニアおよび水素の燃焼反応はNH + 0.75O → 0.5N + 1.5HO、H + 0.5O → HO である。ATRに用いる触媒としては、Ruをアルミナに担持した触媒(特許文献1)、Pt、Rhをアルミナに担持した触媒(非特許文献1)がある。
しかし、これらの触媒を反応に用いるとき、触媒組成によっては制御が難しく定常的に一定濃度の水素を得ることが容易ではないことがある。また、燃焼反応速度が大きすぎると触媒層の温度が局部的に上がりすぎてアンモニア改質器が損傷したり、触媒の熱劣化を招くことがあり、結果として安定的にアンモニア改質による水素製造が行なえない場合がある。このようにアンモニア改質が安定して行なえないときは水素を燃料として用いるとき質の良くない燃料を提供することになる。
国際公開特許 WO 01/87770 A1
室井高城著「工業貴金属触媒」幸書房、2003年5月26日、p297
本発明は、アンモニアのオートサーマルリフォーマー(ATR)において、触媒層の温度上昇を制御し、改質器の損傷・触媒の熱劣化を防止することができるATR用アンモニア分解触媒および当該触媒を用いたアンモニア分解方法を提供する。
本発明者らは鋭意検討の結果、上記課題を解決する方法として、アンモニアおよび酸素を含むガス中のアンモニアを水素と窒素に分解すると同時にアンモニア燃焼活性を有し、かつ、アンモニア存在下において水素の燃焼を著しく抑制できる触媒を用いることによって、触媒層の過度の温度上昇を抑え改質器の損傷・触媒の熱劣化を防止すると共に生成した水素が消費されず有効に用いることが可能となることを見出し発明の完成に至ったものである。
本発明により、アンモニアのオートサーマルリフォーマー(ATR)において、触媒層の温度上昇を制御し、改質器の損傷・触媒の熱劣化を防止することができ、安定的にアンモニア改質による水素製造が行なうことが可能となる。
図1は実施例1における反応器内の温度分布を示したものである。 図1は比較例1における反応器内の温度分布を示したものである。
図の縦軸は触媒層温度を示し、横軸は触媒層位置(0mmの位置が触媒層入口)を示すものである。
本発明に用いるガスは、アンモニア、酸素を含むガス(以下「反応ガス」とも称する)であれば良く、好ましくはアンモニアの分圧が10〜1,000kPa、更に好ましくは20〜500kPaであり、好ましくは酸素の分圧が1〜300kPa、更に好ましくは2〜200kPaであり、好ましくはアンモニア1に対する酸素のモル比が0.05〜0.4、更に好ましくは0.1〜0.2である。当該反応ガスは水素、窒素を含むことができる。
反応ガスは触媒に対し空間速度で1,000〜300,000h−1、好ましくは3,000〜200,000h−1である。
反応温度は、400〜700℃、好ましくは450〜650℃である。なお、反応温度とは、触媒層ガス流れ方向全域に渡り測定した触媒層温度分布における最高温度と最低温度の相加平均温度とする。
(アンモニア分解触媒)
当該アンモニア分解触媒は、(1)アンモニアを水素と窒素に分解できること(アンモニア分解作用)、(2)アンモニアを酸素により燃焼し水を生成し熱を生じること(アンモニア燃焼作用)、(3)水素を酸素により燃焼し水を生成し熱を生じること(水素燃焼作用)ができるものが前提条件となる。
アンモニア分解作用は吸熱反応であり熱を必要とするが、アンモニア燃焼作用および水素燃焼作用は発熱反応であるため、これらの発熱反応を利用してアンモニア分解作用に必要な熱を供給することができる。また、アンモニア燃焼作用は水素製造の原料であるアンモニアを消費するため水素収率を低下させること、同様に水素燃焼作用は発熱反応であると同時に目的物である水素を消費することとなるため、かかる作用は一利一害の作用を有するものである。かかる作用は別個独立した作用であるためコントロールが非常に困難なものである。これら作用をコントロールする有効な手段を提供することが本発明の特徴の一つである。
なお、こられの作用を全て有するものであれば単一触媒成分を当該触媒として用いても良いし、各作用を別個に有する触媒成分を混合し、当該触媒として使用することもできる。これらの作用は以下に詳述する。
具体的には、当該触媒は、アンモニア分解作用、アンモニア燃焼作用および水素燃焼作用について、反応速度が下記の条件を有するものである。(1)反応温度600℃、アンモニア、酸素および水素の分圧をそれぞれ40kPa、4kPa、4kPaとした場合、r/rが0.01〜2、好ましくは0.02〜1であり、r/rが0.1以下、好ましくは0.05以下であること、また(2)反応温度200℃におけるrが、1×10−6mol・g−1・s−1以上であることが好ましいものである。
なお、酸素によるアンモニア燃焼反応によるアンモニア消費速度をr mol・g−1・s−1、アンモニアを窒素と水素に分解する反応におけるアンモニア消費速度をr mol・g−1・s−1、水素を燃焼して水を生成する反応における水素消費速度をr mol・g−1・s−1で表す。
(アンモニア分解作用と当該作用によるアンモニア消費速度r
アンモニア分解作用とは、アンモニアを水素と窒素に分解できる作用であり、本発明の目的である水素を得るための作用である。当該アンモニア分解作用は吸熱反応であるので、反応系外から熱供給を必要とする。
当該作用はアンモニア消費速度により、好ましい状態を特定されるものである。
「アンモニアを窒素と水素に分解する反応のアンモニア消費速度(以下、「r」と称する)」とは、触媒1g当たり、1秒間に窒素と水素への分解反応によって消費されるアンモニアのモル数により定義されるものである。
の測定方法としては、酸素を加えずにアンモニアの分解反応だけを行い、アンモニアの分解率から求めることができる。その際、高SV条件下かつアンモニア消費率を10%未満で測定することが好ましい。また、触媒を石英砂等の不活性物質で希釈するなどして吸熱反応による触媒層温度低下を分散・平均化し、触媒層温度を均一化することが好ましい。
(アンモニア燃焼作用と当該作用によるアンモニア消費速度r
アンモニア燃焼作用とは、アンモニアを酸素により燃焼し、熱を生じさせる作用であり、当該反応熱を吸熱反応であるアンモニア分解作用に供給するために必要な作用である。発熱が少ないと当該アンモニア分解作用が促進されず、一方、過剰な発熱が生じると触媒層温度が過度に上昇し、アンモニア改質器が損傷したり、熱劣化により触媒性能を劣化させる原因になる。加えて、水素の原料であるアンモニアを過剰に消費することとなり、水素収率を低下させることになるので、当該燃焼作用が適正にコントロールされた組成を有する触媒であることが必要である。
「アンモニア燃焼反応によるアンモニア消費速度(以下、「r」と称する)」とは、触媒1g当たり、1秒間に燃焼反応によって消費されるアンモニアのモル数により定義されるものである。rの測定方法としては、アンモニアと酸素を混合して触媒に供給した場合のアンモニアの消費率から求めることができる。その際、高SVかつアンモニア消費率10%未満の条件下で測定することが好ましい。また触媒を石英砂等の不活性物質で希釈するなどして反応による触媒層温度の上昇を分散・平均化し、触媒層温度を均一化することが好ましい。
この方法で求めたアンモニアの消費速度には、分解によるアンモニア消費が含まれているのでそれを差し引きする必要がある。すなわち、アンモニアと酸素を混合して触媒に供給した場合のアンモニアの消費率から、アンモニアの分解と燃焼を合わせたアンモニアの消費速度rDAを求め、別に測定したアンモニアの分解速度rを用いて r=rDA−r としてrを求めることができる。
(水素燃焼作用と当該作用による水素消費速度r
水素燃焼作用とは、水素を酸素により燃焼し、熱を生じさせる作用である。本発明の目的物が水素であり、水素を消費する当該燃焼作用は好ましくない作用である反面、水素燃焼により生じた反応熱を、吸熱反応であるアンモニア分解作用に供給することができる。したがって、当該作用をコントロールすることは前記アンモニア燃焼作用を適正にコントロールのと同様に重要な要素である。
当該水素燃焼作用の指標となる「水素を燃焼して水を生成する反応の水素消費速度(以下、「r」と称する。)」とは、触媒1g当たり、1秒間に消費される水素のモル数により定義されるものであり、rの測定方法としては、酸素とアンモニアと水素を混合して反応を行い、水素の消費率から求めることができる。その際、高SVかつ水素消費率10%未満の条件下で測定することが好ましい。また、触媒を石英砂等の不活性物質で希釈するなどして発熱反応による触媒層温度の上昇を分散・平均化し、触媒層温度を均一化することが好ましい。この方法で求めた水素の消費速度にはアンモニア分解による水素発生によって見かけ小さくなっているのでそれを補正する必要がある。すなわち、アンモニアと水素と酸素を混合して触媒に供給した場合の水素の消費率から、アンモニアの分解による水素発生と燃焼を合わせた水素の消費速度rDHを求め、別に測定したアンモニアの分解速度rを用いて r=rDH+1.5×r としてrを求めることができる。 また、当該アンモニア分解触媒は触媒組成が同一であっても触媒調製方法により物理的な差異が生じれば、異なる反応速度を示すものであるので、下記反応速度を有することが前提条件となる。
当該前提条件は、反応温度600℃、アンモニア、酸素および水素の分圧をそれぞれ40kPa、4kPa、4kPaにおけるr/rが0.01〜2であり、好ましくは0.02〜1であり、r/rが0.1以下、好ましくは0.05以下である。
本水素燃焼作用により、アンモニアの分解によって生成した水素も酸素によって触媒上で燃焼するが、生成した水素を燃焼で消費することは好ましくなく、r/rが0.1以下好ましくは0.05以下である。なお、600℃においては燃焼速度が大きく触媒層の温度上昇によって正確な反応速度を測定することは困難であるため、300℃以下の低温で反応速度を測定して、そのアレニウス式で表される温度依存性から600℃におけるr、r、rを求める。
また、低温でアンモニアのオートサーマルリフォーマー(ATR)を作動させるためには、低温でもある程度のアンモニア燃焼活性があることが好ましく、反応温度200℃におけるrは1×10−6mol・g−1・s−1以上であり、好ましくは2×10−6mol・g−1・s−1以上である。また、触媒層最高温度を抑制するためには、高温ほど相対的にアンモニア分解がアンモニア燃焼より速くなる必要がある。そのために反応温度600℃におけるr/rが0.01〜2、好ましくは0.02〜1であり、r/rが0.1以下、好ましくは0.05以下となるアンモニア分解用触媒を用いることが好ましい。
(アンモニア分解触媒の組成等)
アンモニア分解触媒の組成としては、Fe、Co、Ni、Moの遷移金属系、Ru、Rh、Irの貴金属系を用いることができる。遷移金属系は合金、窒化物、炭化物、酸化物、複合酸化物として用いることができ、希土類系は酸化物として用いることができ、遷移金属系および希土類系とも、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリア/ジルコニア、チタニア/シリカ、アルミナ/セリア/ジルコニア等の高比表面積の担体に担持して用いることができる。Ru、Rh、Irなどの貴金属は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア等の高比表面積の担体に担持して用いることができる。また遷移金属系や希土類系に少量の貴金属を含有させることもできる。
例えば、Fe、CoおよびNiからなる群から選ばれる少なくとも一種の遷移金属を含有するアンモニア分解触媒上では、金属状態のFe、Co、Niが、アンモニア分解作用を示し、一方、反応ガス中の酸素により、一部が酸化状態となったFe、Co、Niは、水素およびアンモニア燃焼作用を有する触媒成分として機能する。このように単一の成分が、アンモニア分解作用、水素およびアンモニア燃焼作用の全ての作用を併せ持つ触媒を用いる場合、反応器への負荷が大きく変動してもそれに応じて触媒の酸化状態が変動して適切な触媒活性分布が達成されるのでより好ましい。
触媒調製例としては、一般的な調製方法を用いることができ、例えば、水溶性の触媒成分前駆体を水に溶解し、アンモニア等で水酸化物とし沈殿させた後、乾燥・焼成して触媒とする方法(沈殿法)、触媒成分に用いる元素の酸化物を混合して用いる方法(混合法)、触媒成分前駆体を水溶液として高比表面積の担体に担持する方法(担持法)、触媒成分の前駆体を窒素処理して窒化物を得る方法(窒化物法)などがある。
なお、触媒を調製するに際して、r、rが上記範囲内となるように制御するものである。制御方法としては、(1)触媒原料を硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、水酸化物等適宜選定すること、(2)調製時の乾燥又は焼成の温度・時間を触媒組成に応じて適宜変更すること、(3)触媒調製時の焼成を還元ガス、不活性ガスを用いること、(4)上記触媒用成分の合金、窒化物、酸化物、複合酸化物を適宜混合すること、などの手段である。これらの手段により得られた触媒を上記のr、rの測定方法により、r、rを測定し、本発明の範囲内となるものを本発明に係る触媒として用いるものである。
ATRの触媒層最高温度は400〜800℃、好ましくは500〜750℃である。触媒層最高温度が800℃を超えるときは、アンモニア分解反応器が損傷したり、触媒の熱劣化を招く恐れがあり、好ましくはないからである。
以下に、実施例・比較例を用いて本発明を詳細に説明するが本発明の趣旨に反しない限り実施例に限定されるものではない。
実施例中アンモニア転化率・水素収率は以下の式で定義される。
Figure 2012213682
(実施例1)
所定量の塩基性炭酸コバルト、硝酸セリウムおよびオキシ硝酸ジルコニウムをニーダーに投入した。純水を少しずつ加えながら、ニーダーで十分に撹拌、混合した。得られた混合物をニーダーから取り出し、空気雰囲気下、450℃で3時間焼成し、酸化コバルト、酸化セリウム、酸化ジルコニウムからなる粉体(CoO−CeZrO)を得た。当該粉体の組成は、四三酸化コバルトとして73質量%、二酸化セリウムとして16質量%、二酸化ジルコニウムとして11質量%であった。当該粉体と当該粉体に対してCsとして5質量%に相当する炭酸セシウムをボールミルに加えて湿式粉砕し、水溶性スラリーを得た。当該スラリーにコージェライトハニカムを浸漬した後、余剰スラリーを圧縮空気により吹き飛ばした。次いで、120℃で5時間乾燥し、空気雰囲気下、500℃で2時間焼成し、5質量%のCsが添加されたCoO−CeZrO粉体が、コージェライトハニカムの容積1Lあたり、290gコートされた触媒を得た。コージェライトハニカムとしては、900CPSI(セル/平方インチ)、セル厚み50μm、ハニカム径24mm、長さ40mmのものを用いた。
上記触媒の600℃における触媒成分質量基準のr=3.5×10−2mol・g−1・s−1、r=4.8×10−3mol・g−1・s−1、r=1.6×10−4mol・g−1・s−1、r/r=0.14、r/r=4.6×10−3であるものを得た。また、200℃でのrはr=3.0×10−5mol・g−1・s−1であった。当該アンモニア分解触媒を直径30mm長さ150mmの石英製反応管にハニカムの外部に断熱材を巻いて反応ガスが漏れないように反応管にセットし、アンモニアを58mol%、酸素を9mol%、窒素を33mol%を含む反応ガスを、予熱器で200℃に加熱して、常圧でSV35,000h―1で導入し反応した。反応を開始し安定した後は予熱器での加熱を停止し、ガスは室温で導入した。反応器は十分に保温し、断熱状態とした。酸素はすべて消費され、アンモニアの転化率は82.9%、反応ガス中の水素濃度は41.6mol%であった。触媒層の最高温度は620℃であった。
触媒層の温度分布を図1に示す。
(比較例1)
γ−アルミナ粉体に所定量のジニトロジアンミン白金の硝酸水溶液を加え、撹拌しながら乾燥させてγ−アルミナにジニトロジアンミン白金を担持させた。得られた粉体を120℃で5時間乾燥後、空気雰囲気下、500℃で2時間焼成し、γ−アルミナに5質量%のPtが担持された粉体を得た。次いで、当該粉体をボールミルにより湿式粉砕し、水溶性スラリーを得た。当該スラリーにコージェライトハニカム(実施例1と同じセル数、ハニカム径)を浸漬した後、余剰スラリーを圧縮空気により吹き飛ばした。次いで、120℃で5時間乾燥し、空気雰囲気下、500℃で2時間焼成し、5質量%Pt担持γ−アルミナ粉体が、コージェライトハニカムの容積1Lあたり、100gコートされた触媒Aを得た。
γ−アルミナ粉体に所定量の硝酸ルテニウム水溶液を加え、ホットスターラー上で加熱・撹拌してγ−アルミナに硝酸ルテニウムを担持させた。得られた粉体を120℃で5時間乾燥後、空気雰囲気下、300℃で2時間焼成し、γ−アルミナに15質量%のRuが担持された粉体を得た。次いで、当該粉体をボールミルにより湿式粉砕し、水溶性スラリーを得た。当該スラリーにコージェライトハニカム(実施例1と同じセル数、ハニカム径)を浸漬した後、余剰スラリーを圧縮空気により吹き飛ばした。次いで、120℃で5時間乾燥し、空気雰囲気下、300℃で2時間焼成し、15質量%Ru担持γ−アルミナ粉体が、コージェライトハニカムの容積1Lあたり、100gコートされた触媒Bを得た。
次いで、長さ5mmに切り出した触媒Aと長さ35mmに切り出した触媒Bを連結し、触媒Aがガス入口側となるように配置し、実施例1と同様に反応器にセットし400℃で2時間水素で還元して触媒とした。
触媒Aの600℃における触媒成分質量基準のr=2.25×10−3mol・g−1・s−1、r=5.3×10−3mol・g−1・s−1、r=2.74×10−2mol・g−1・s−1、r/r=2.4、r/r=1.2×10であるものを得た。なお、触媒Bのr=7.8×10−3mol・g−1・s−1であった。SVを21,000h―1にした以外は実施例1と同様に反応を行った。アンモニアの転化率は79.8%、反応ガス中の水素濃度は40mol%であった。触媒層の最高温度は950℃であった。
触媒層の温度分布を図2に示す。
本発明は、反応器および触媒自体への熱負荷を軽減し、長期間に渡って安定してアンモニア含有ガスから水素を得ることができる。

Claims (5)

  1. アンモニアおよび酸素を含むガス中のアンモニアを水素と窒素に分解する触媒であって、反応温度600℃におけるr/rが0.01〜2であり、r/rが0.1以下であることを特徴とするアンモニア分解用触媒。
    (なお、アンモニア、酸素および水素の分圧をそれぞれ40kPa、4kPa、4kPaとした場合、アンモニアを窒素と水素に分解する反応のアンモニア消費速度をr 、酸素によるアンモニア燃焼反応によるアンモニア消費速度をr 、水素を燃焼して水を生成する反応の水素消費速度をr で示す。)
  2. 反応温度200℃におけるrが1×10−6mol・g−1・s−1以上であることを特徴とする請求項1記載の触媒
  3. Fe、CoおよびNiからなる群から選ばれる少なくとも一種の遷移金属元素を含有することを特徴とする請求項1〜2記載のアンモニア分解用触媒。
  4. 請求項1〜3記載の触媒を用いてアンモニアおよび酸素を含むガス中のアンモニアを分解し水素を得ることを特徴とするアンモニア分解方法。
  5. 請求項4記載の方法において、触媒層最高温度が800℃未満であることを特徴とするアンモニア分解方法。
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