JP5800719B2 - 水素製造用触媒およびそれを用いた水素製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は水素製造用触媒に関するものである。詳しくはアンモニア(NH)と酸素(O)とから水素(H)を得るに際して、アンモニアの一部を酸素により燃焼し、燃焼から得られる燃焼熱を用いてアンモニアを分解し水素を得る方法(オートサーマルリフォーミング:ATR)に用いる触媒である。
近年、地球温暖化防止を目的として二酸化炭素の排出の少ない技術が求められている。水素は燃焼により水を生成するのみで、二酸化炭素を全く排出しないため、次世代クリーン燃料として注目されている。水素を得る手段としては、化学反応における副生水素、製鋼時に副生する水素等を有効利用する手段等がある。しかし、これらの技術は副生水素を利用するものであるので、常時安定して水素を得ることは困難である。
水素を得る手段として、アンモニアの分解反応がある。反応式は NH → 0.5N + 1.5Hで表される。この反応は10.9kcal/molの大きな吸熱反応であり、系外からの反応熱の供給が問題となる。この反応熱の供給方法として、アンモニアやアンモニア分解で生成した水素を一部燃焼しその燃焼熱を吸熱反応であるアンモニア分解の反応熱として用いるオートサーマルリフォーマー(ATR)があり(特許文献1,非特許文献1)、燃焼反応はNH + 0.75O → 0.5N + 1.5HO、H + 0.5O → HO である。ATRに用いる触媒としては、Ruをアルミナに担持した触媒(特許文献1、特許文献2)がある。
これらに用いる触媒として、マンガン系の触媒(特許文献2)、ニッケル等系の触媒(特許文献3)が提案されている。
しかし、これらの触媒を反応に用いるとき触媒組成によっては制御が難しく定常的に一定の濃度の水素を得ることは容易ではないことがある。また触媒層の温度が変化することでアンモニア改質器に損傷、触媒の劣化を招くことがある。一方、アンモニアの改質が充分でないときは水素を燃料として用いるとき質の良くない燃料を提供することになる。
国際公開 WO 01/87770 特開2010−24064号 国際公開 WO 10/107065
従来公知のアンモニア分解触媒は、ATR用触媒に必要とされるアンモニア燃焼活性が不足しているために、アンモニアを水素源としたATR方式による水素製造用触媒にそのまま適用することが難しく、さらにATR反応条件下で発生する高温酸化雰囲気下における耐久性が不十分なものが少なくなかった。
本発明は、上記課題を解決するために鋭意検討の結果、以下の技術を見出し、発明を完成するに至ったものである。本発明は、アンモニアを酸素で燃焼して得られる熱を用いて、アンモニアを分解し水素を得るために用いかつ、アンモニア燃焼活性成分(A)とアンモニア分解成分(B)とを含み更に水素により550℃以下で還元されることを特徴とする水素製造用触媒である。更に当該水素製造用触媒を用いてアンモニアと酸素から水素を得る方法である。
アンモニアを原料としてATR方式により水素を得るときに用いるアンモニア分解活性とアンモニア燃焼活性の強い成分であって、かつ当該アンモニア分解活性を有する触媒の活性金属種が難還元性の化合物に変化することを防止することができる成分を組み合わせることで、長時間アンモニアを分解し水素を得ることができるものである。特に低温域から高温域に渡る広範な温度領域において定常的にアンモニアから水素を得ることができる触媒およびその方法を提供するものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明にかかる水素製造用触媒はアンモニア燃焼活性成分(A)とアンモニア分解成分(B)を基本成分として構成される。
−アンモニア燃焼活性成分−
アンモニア燃焼活性成分(A)は、基本的にはアンモニア燃焼することができる成分であれば良いが、好ましくは下記条件でアンモニアを燃焼する活性を有する成分である。
(アンモニア燃焼活性成分の条件)
アンモニア58容量%、空気42容量%、空間速度(SV)が20,000hr−1で、室温から5℃/分の速度で温度を上昇させたときアンモニアの転化率が50%となる温度(NH燃焼温度)が200℃以下であることが、本発明における好ましいアンモニア分解活性成分である。200℃を超える場合、低温よりATRを開始できず、ATR起動時のアンモニア燃焼のために外部からの熱供給を多く必要とするので、好ましくない。
具体的には、マンガン、鉄、コバルト、金、銀、銅、Pt、Pd、Rh、Ruなどである。
当該アンモニア燃焼活性成分の調製方法は、(1)一種又は2種以上の成分の水溶液同士を混合しpH調製し水酸化物等の沈殿物を得た後、乾燥、焼成し得る共沈法、(2)一種又は二種以上の前駆体である化合物を混合し、焼成し得られる混合法、(3)一種の成分に他の成分の水溶液を含浸し乾燥、焼成し得られる含浸法などあり、好ましくは、共沈法、含浸法である。
−アンモニア分解活性成分−
当該アンモニア分解活性成分(B)は、基本的にはアンモニア分解することができる成分であれば良いが、好ましくは下記条件でアンモニアを分解する活性を有する成分である。
アンモニア分解活性を有する活性成分は、具体的には、鉄、ニッケル、コバルト、Pt、Rh、Ruなどである。
当該アンモニア分解活性成分(B)における金属表面積が5(m/g)以上であることが好ましく、更に好ましくは8(m/g)以上であり、最も好ましくは13(m/g)以上である。当該金属表面積の測定方法としては、CO吸着量測定を用いた。
当該アンモニア分解活性成分(B)が二酸化ケイ素を含むことも好ましく、当該二酸化ケイ素の含有量はアンモニア分解活性を有する活性成分(金属質量)に対して二酸化ケイ素(SiO質量)で40〜95%、更に好ましくは50〜80(質量%)である。
(アンモニア分解活性成分の条件)
上記アンモニア分解活性を有する活性成分、当該活性成分を含む化合物更には二酸化ケイ素を含んだ成分が、アンモニア50容量%、窒素30容量%、HO20容量%、空間速度(SV)が20,000hr−1,500℃でアンモニアの転化率が15%以上の活性を有するものである。
当該アンモニア分解活性成分の調製方法は、(1)一種又は2種以上の成分の水溶液同士を混合しpH調製し水酸化物等の沈殿物を得た後、乾燥、焼成し得る共沈法、(2)一種又は二種以上の前駆体である化合物を混合し、焼成し得られる混合法、(3)一種の成分に他の成分の水溶液を含浸し乾燥、焼成し得られる含浸法などあり、好ましくは、共沈法、含浸法である。
なお、アンモニア燃焼活性成分とアンモニア分解活性成分とは、別個に調製し得ることもできるが、同時に各成分の前駆体を混合し同時に得ることもできる。
(被還元性能)
本発明にかかるアンモニア分解活性成分(B)は、難還元性複合酸化物を形成しないものであることが特徴の一つである。なお、当該難還元性複合酸化物が形成しないとは、当該難還元性複合酸化物が形成されたとしても、本発明にかかる触媒の機能を阻害しないものであれば、形成しないものの範囲に属するものである。当該難還元性複合酸化物が形成されているか否かの判断として、以下に条件に示す、被還元性能を満たさないときは、当該当該難還元性複合酸化物が形成されていると考えられる。
本発明にかかるアンモニア分解活性成分は水素により550℃以下で還元されるものであることを要する。例えば以下の条件を満たすものである。
(1)当該アンモニア分解活性成分(B)をX線回折測定すること。
(2)(1)の後、当該アンモニア分解活性成分(B)を空気雰囲気下、850℃で2時間保持。
(3)(2)の後、(1)と同条件でX線回折測定すること。
(4)(1)と(3)におけるX線回折ピークにおいて、(3)により新たに生じたアンモニア分解活性成分以外に帰属されるピーク(難還元性複合酸化物ピーク:(Ib))を認識すること。
(5)アンモニア分解活性成分に帰属する主ピーク強度(Ia)に対する難還元性複合酸化物ピーク強度(Ib)が、20%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下、更に好ましくは1%以下であること。20%を超える触媒はアンモニア分解活性が低く好ましくはないからである。
(水素製造用触媒)
本発明にかかる水素製造用触媒はアンモニア燃焼活性成分(A)とアンモニア分解活性成分(B)を基本成分として構成され、それらは当該アンモニア分解活性成分(B)に対して1:10〜1:1(質量基準)であり、好ましくは1:7〜1:2であり、更に好ましくは1:5〜1:2である。1:10よりも(A)が少ないときは、水素製造用触媒におけるアンモニア燃焼活性成分(A)の含有量が少なく、低温よりATRを開始できないので、好ましくない。1:1よりも(A)が多いときは水素製造用触媒におけるアンモニア分解活性成分(B)の含有量が少なくなってアンモニア分解活性が低下する。
当該水素製造用触媒は、(A)と(B)で構成されるが、構成手段としては(A)と(B)とを物理的に双方を混合すること、(A)に(B)を担持すること、(B)を(A)に担持することもできる。また、(A)、(B)の前駆体を同士を混合した後、焼成等の手段により当該水素製造用触媒とすることもできる他、一方の前駆体を他方の成分に被覆又は混合した後、焼成等の手段により当該水素製造用触媒とすることもできる。
また、(A)と(B)以外の構成成分については、当該水素製造用触媒の機能を阻害しない限り、更に加えることができ、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属から成る群から選ばれる少なくとも1種以上の元素を加えることができる。
(水素製造方法)
上記手順で得られた水素製造用触媒を用いて、以下に示す反応ガスから水素を得ることができる。アンモニア45〜90容量%、好ましくは50〜85容量%、更に好ましくは55〜80容量%である。酸素は、アンモニアに対するモル比(酸素/アンモニア)で、0.1〜0.24、好ましくは0.19〜0.21、更に好ましくは0.13〜0.19である。他のガス成分は不活性ガス、例えば窒素、アルゴン、ヘリウムである。また水蒸気、水素、一酸化炭素、二酸化炭素等は、当該反応に支障の無い程度であれば含んでいても良い。
反応温度は300〜900℃、好ましくは350〜800℃、更に好ましくは400〜700℃である。
空間速度は、1000hr−1〜500000hr−1、好ましくは2000hr−1〜400000hr−1、更に好ましくは5000hr−1〜200000hr−1である。
反応圧力は、0.002MPa〜2MPaである。
以下に実施例に基づき本発明の構成、効果を詳細に説明するが本発明の効果を奏するものである限り、以下の実施例に限定されるものではない。
−アンモニア燃焼触媒の調製−
(触媒調製例1)
硝酸マンガン六水和物22.3gと硝酸銀1.1gを溶解した混合水溶液を粉末状の炭酸セリウム14.7 gに加え、撹拌しながら温浴槽上で乾燥させた。当該乾固物を120℃で一晩乾燥し、次いで、500℃で1時間焼成した後、メノウ乳鉢で粉砕して触媒Aを得た。蛍光X線分析より得た触媒Aの組成は、二酸化マンガン45質量%、酸化銀5質量%、酸化セリウム50質量%であった。
(触媒調製例2)
ジニトロジアンミン白金硝酸酸性溶液(白金含有量 8.19質量%)6.41gとジニトロジアンミンパラジウム硝酸酸性溶液(パラジウム含有量 14.0質量%)1.6gを純水に加え、混合水溶液とした。上記混合水溶液を14.25gのγアルミナ粉体に加え、撹拌しながら温浴槽上で乾燥させた。当該乾固物を120℃で一晩乾燥し、次いで、500℃で1時間焼成した後、メノウ乳鉢で粉砕して触媒Bを得た。蛍光X線分析より得た触媒Bの組成は、白金3.5質量%、パラジウム1.5質量%、アルミナ95質量%であった。
(触媒調製例3)
触媒調製例1における硝酸銀1.1gを硝酸銅三水和物2.3gに変更した以外は、触媒調製例1と同様にして触媒Cを得た。蛍光X線分析より得た触媒Cの組成は、二酸化マンガン45質量%、酸化銅5質量%、酸化セリウム50質量%であった。
(アンモニア分解触媒の調製)
(触媒調製例4)
5リットルのビーカーに15gのシリカを入れ、100mLの純水を加えた。次いで、硝酸ニッケル六水和物80gを溶解した水溶液、尿素50gを溶解した水溶液を投入した。さらに、1モル/L硝酸水溶液40mLを追加した後、全液量が2Lとなるように純水を加え、十分に撹拌しながら加温し、90℃で2時間保持した。その後、固形物をろ過、水洗後、120℃で一晩乾燥し、次いで、500℃で1時間焼成した後、メノウ乳鉢で粉砕して触媒aを得た。蛍光X線分析より得た触媒aの組成は、ニッケル20質量%、シリカ80質量%であった。また、COパルス法で測定した触媒aのニッケル表面積は、8.3m2/gであった。
(触媒調製例5)
硝酸ニッケル六水和物14.9gを溶解した水溶液を、12gのシリカに加え、撹拌しながら温浴槽上で乾燥させた。当該乾固物を120℃で一晩乾燥し、次いで、500℃で1時間焼成した後、メノウ乳鉢で粉砕して触媒bを得た。蛍光X線分析より得た触媒bの組成は、ニッケル20質量%、シリカ80質量%であった。また、COパルス法で測定した触媒bのニッケル表面積は、1.5m2/gであった。
(触媒調製例6)
触媒調製例5におけるシリカをγアルミナに変更した以外は、触媒調製例5と同様にして触媒cを得た。蛍光X線分析より得た触媒cの組成は、ニッケル20質量%、アルミナ80質量%であった。また、COパルス法で測定した触媒cのニッケル表面積は、4.7m2/gであった。
−アンモニア燃焼活性およびアンモニア分解活性の評価−
(2−1.アンモニア燃焼活性の評価条件)
SUS316製の反応管に触媒を0.8cc充填し、アンモニアと空気をそれぞれ、140mL/min.、100mL/min.で流しながら、反応管を電気ヒーターにより外部から加熱した。触媒層温度を温度計により計測し、アンモニア燃焼反応が開始することにより急激に触媒層温度が上昇する温度をアンモニア燃焼開始温度として記録した。結果は表1に示した。
Figure 0005800719
触媒A、B、Cでは、本条件下では150℃以下でアンモニア燃焼反応の開始が確認され、アンモニア燃焼触媒としての有効性が確認できた。一方、触媒a、b、cでは、いずれも300℃アンモニア燃焼に300℃以上を要し、低温域でのアンモニア燃焼開始が求められるアンモニアATR用触媒としては不適であった。
(2−2.アンモニア分解活性の評価条件)
SUS316製の反応管に触媒を0.8cc充填し、反応管を電気ヒーターにより外部から加熱しながら10体積%水素ガス(窒素希釈)を用いて600℃で1時間還元した。次いで、500℃に降温後、反応管に供給するガスをアンモニア、水蒸気および窒素を140mL/min.、50mL/min.、100mL/min.に変更し、常圧0.101325MPaで1時間反応を継続した後、アンモニア分解率を測定した。アンモニア分解率は、反応管出口ガス中の未反応アンモニアおよび水蒸気をトラップした後のガス流速を測定し、下記式により算出し、表2に示した。
Figure 0005800719
Figure 0005800719
触媒A、B、Cでは、本条件下ではアンモニア分解反応は進行しなかった。一方、触媒a、b、cでは、いずれの触媒上でのアンモニア分解が進行し、アンモニア分解触媒として機能することが確認できた。
−ATR方式によるアンモニアからの水素製造実験−
(実施例1)
触媒Aと触媒aの粉体を1:2の割合で物理的に混合して触媒1とした。当該触媒1を石英製の反応管に1.5cc充填し、アンモニアと空気をそれぞれ、800mL/min.、600mL/min.供給しながら、反応管を電気ヒーターにより外部から加熱し、室温から昇温を開始した。このとき、触媒層温度を温度計により計測し、アンモニア燃焼反応が開始することにより急激に触媒層温度が上昇するアンモニア燃焼開始温度を記録した。
アンモニア燃焼開始後は、電気ヒーターによる外部加熱を止め、自立的に反応を1時間継続させた後、アンモニア分解により発生した水素収率を測定した。水素収率は、以下の式で求めた。
Figure 0005800719
(簡易耐久試験後の性能測定)
初期性能の測定後、アンモニア、空気を窒素ガスに切替えて反応を停止することで室温まで冷却し、その後、1体積%酸素ガス(窒素希釈)を流通して徐々に触媒を酸化した後、ガスを空気に切替え、850℃まで昇温して1時間保持した。次いで、室温まで冷却し、初期性能の測定と同様の手順で簡易耐久試験後の水素収率を測定した。結果は表3に示した。
(実施例2)
実施例1において、触媒Bと触媒bの粉体を重量比1:2で物理的に混合して触媒2とした以外は、実施例1における触媒1を前記触媒2とした以外は、実施例1と同様にして触媒性能を測定した。結果は表3に示した。
(実施例3)
実施例1において、触媒Cと触媒aの粉体を重量比1:1で物理的に混合して触媒3とした以外は、実施例1における触媒1を前記触媒3とした以外は、実施例1と同様にして触媒性能を測定した。結果は表3に示した。
(実施例4)
実施例1において、触媒Cと触媒aの粉体を重量比1:3で物理的に混合して触媒4とした以外は、実施例1における触媒1を前記触媒4とした以外は、実施例1と同様にして触媒性能を測定した。結果は表3に示した。
(実施例5)
実施例1において、触媒Cと触媒aの粉体を重量比1:6で物理的に混合して触媒5とした以外は、実施例1における触媒1を前記触媒5とした以外は、実施例1と同様にして触媒性能を測定した。結果は表3に示した。
(実施例6)
実施例1において、触媒Cと触媒aの粉体を重量比1:10で物理的に混合して触媒6とした以外は、実施例1における触媒1を前記触媒6とした以外は、実施例1と同様にして触媒性能を測定した。結果は表3に示した。
(比較例1)
実施例1において、触媒Aと触媒cの粉体を重量比1:2で物理的に混合して触媒7とした以外は、実施例1における触媒1を前記触媒7とした以外は、実施例1と同様にして触媒性能を測定した。結果は表3に示した。
Figure 0005800719
実施例で用いた触媒1〜6は、初期、簡易耐久試験後も着火温度の上昇も少なく、また、水素収率の低下度合いも少なかったが、比較例の触媒7では、簡易耐久試験後に水素収率が著しく低下した。
本要因を解明するために、簡易耐久試験で大きく性能低下した触媒7のアンモニア分解触媒である触媒cのみを簡易耐久試験時と同様に850℃で時間空気中で焼成したものを作成し、本試料の粉末X線結晶回折測定を行なった。その結果、ニッケルアルミネートに帰属される回折線が検出され、ニッケル担持γアルミナ上のニッケルが、高温条件下でアルミナと反応して難還元性のニッケルアルミネートを形成していることが確認された。また、還元挙動を測定するために、本試料を10体積%水素ガス(ヘリウム希釈)による昇温還元スペクトルにより測定したところ、800℃付近に還元ピークが検出され、550℃では還元が進行せず、ニッケルアルミネート形成により難還元性に特性変化していることがわかった。
一方、実施例の触媒であるニッケル担持シリカ(触媒a、b)についても同様に、これら触媒のみを簡易耐久試験時と同様に850℃で時間空気中で焼成したものを作成し、本試料の粉末X線結晶回折測定をおこなった結果、850℃での処理前後で結晶構造に変化はなく、ニッケルシリケート形成が生じていないことがわかった。また、昇温還元スペクトル測定からは、450℃付近に還元ピークを示し、550℃でほぼニッケル種の還元が完了することが確認できた。
以上より、実施例の触媒に用いたアンモニア分解触媒(触媒a、b)は、アンモニアATR運転時において、特に触媒入口付近に発生する高温酸化雰囲気下においても、難還元性複合酸化物を形成することがないため、長期間にわたって安定して水素を製造することが可能となる。
本発明は水素製造方法、特にアンモニアを分解し水素を製造する分野に用いることができる。

Claims (5)

  1. 酸素とアンモニアを含むガス中のアンモニアの一部を酸素により燃焼させるとともに、残存アンモニアを水素と窒素に分解するオートサーマルリフォーマー(ATR)に用いられる水素製造用触媒であって、アンモニア燃焼活性成分(A)とアンモニア分解活性成分(B)とを含み、更に、アンモニア分解活性成分(B)が空気雰囲気下、850℃で2時間処理後も難還元性複合酸化物を形成しないものであることを特徴とする水素製造用触媒。
  2. 当該アンモニア燃焼活性成分(A)が、当該アンモニア分解活性成分(B)に対して1:10〜1:1(質量基準)であることを特徴とする請求項1記載の水素製造用触媒。
  3. 当該アンモニア分解活性成分(B)における活性金属成分の金属表面積が5(m2/g)以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の水素製造用触媒。
  4. 当該アンモニア分解活性成分(B)が二酸化ケイ素を含むことを特徴とする請求項1〜3記載の水素製造用触媒。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の水素製造用触媒を用いて、アンモニアと酸素から水素を得ることを特徴とする水素製造方法。
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