JP2012213481A - 脂取り紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造時の操業性に悪影響を及ぼすことがなく、所定の配合を有する木材パルプのみで構成され、麻配合品と同等の、使用前の柔らかさ、使用時の強さと柔らかさ、脂吸収性を併せ持つ脂取り紙を提供すること。
【解決手段】針葉樹クラフトパルプと、広葉樹クラフトパルプとを主原料とし、紙力増強剤を含有する脂取り紙であって、上記針葉樹クラフトパルプと上記広葉樹クラフトパルプとの配合比が、80:20〜50:50であり、坪量が10〜25g/m2、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.51(2000)に準拠した吸収時間20msでの液体転移量が11ml/m2以上であることを特徴とする脂取り紙。
【選択図】なし

Description

本発明は、脂取り紙に関する。さらに詳しくは、所定の配合を有する木材パルプのみで構成され、麻配合品と同等の柔らかさと使用時の強さを併せ持つ脂取り紙に関する。
従来、脂取り紙に柔軟性を付与する目的で、麻(麻混抄を含む)などの原料を配合することが検討されている。麻を原料として配合することにより、脂取り紙に柔軟性を付与し、かつ、肌触りも向上させることが可能である。しかしながら、麻を使用すると麻自体の原料コストが高いため、製造コストが高くなるという問題がある。また、麻は、繊維長が長いため、繊維結束の欠陥が増加して、製造時の操業性に悪影響を与えるという問題がある。
ここで、単純に麻に代わる原料として安価な木材パルプを採用することが検討されている。しかしながら、木材パルプのみを原料とする脂取り紙では、得られる脂取り紙の紙質が硬く、肌触りもよくない、という問題がある。
そこで、特許文献1には、木材パルプを主原料とし、その中で、針葉樹クラフトパルプ(以下、NBKPという場合がある)と広葉樹クラフトパルプ(以下、LBKPという場合がある)との配合比を40:60〜0:100とした脂取り紙が開示されている。かかる脂取り紙によれば、脂の吸収性に優れ、かつ、吸脂状態の確認が容易な脂取り紙が得られるとのことである。
また、特許文献2には、繊維原料と、填料と、柔軟剤とを含む脂取り紙が開示されている。かかる脂取り紙によれば、脂の吸収性と、適度な柔軟性を有する脂取り紙が得られるとのことである。
さらに、特許文献3には、原紙として所定のフリーネスを有する紙料を用いた脂取り紙が開示されている。かかる脂取り紙によれば、使用時に自由な長さにカットでき、かつ、充分な強度を有する脂取り紙が得られるとのことである。
しかしながら、特許文献1に記載の脂取り紙は、LBKPが多く配合されているため、引張強度が低下し、使用時に破れるという問題がある。また、フリーネスが低いため、柔らかさが充分でないという問題がある。特許文献2に記載の脂取り紙は、填料が含まれるため、引張強度が低下し、使用時に破れるという問題がある。さらに、特許文献3に記載の脂取り紙は、充分な強度を有する代わりに柔らかさが満足できるものではないという問題がある。そのため、麻と代替されるような柔軟性、強度を併せ持つ脂取り紙は得られていない。
特許第3647909号公報 特開2002−330820号公報 特開2005−152536号公報
本発明は、かかる従来の問題に鑑みてなされたものであり、製造時の操業性に悪影響を及ぼすことがなく、所定の配合を有する木材パルプのみで構成され、麻配合品と同等の、使用前の柔らかさ、使用時の強さと柔らかさ、脂吸収性を併せ持つ脂取り紙を提供することを目的とする。
本発明の脂取り紙は、NBKPと、LBKPとを主原料とし、紙力増強剤を含有する脂取り紙であって、上記NBKPと上記LBKPとの配合比が、80:20〜50:50であり、坪量が10〜25g/m2、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.51(2000)に準拠した吸収時間20msでの液体転移量が11ml/m2以上であることを特徴とする。本発明は、かかる構成を有することにより、製造時の操業性に悪影響を及ぼすことがなく、所定の配合を有する木材パルプのみで構成され、麻配合品と同等の、使用前の柔らかさ、使用時の強さと柔らかさ、脂吸収性を併せ持つ脂取り紙を提供することができる。
上記紙力増強剤は、乾燥紙力増強剤および/または湿潤紙力増強剤を含有し、JIS P8121により測定された、上記NBKPと上記LBKPとを混合した原料のフリーネスが、400〜600mlであることが好ましい。かかる構成を有することにより、適度に脂取り紙が締まり、柔らかさを維持しつつ、充分な引張強度を保持することができる。また、脂の取れ感をさらに向上させることができる。
上記乾燥紙力増強剤が、脂取り紙中に固形分換算で0.02〜0.1質量%含有され、上記湿潤紙力増強剤が、脂取り紙中に固形分換算で0.2〜2.0質量%含有され、上記脂取り紙の離解後の重さ荷重平均繊維長が、1.5〜2.5mmであることが好ましい。かかる構成を有することにより、さらに、充分な引張強度を付与でき、かつ、使用前後において肌触りのよい柔らかい脂取り紙を提供することができる。
上記乾燥紙力増強剤が、カルボキシメチルセルロースであり、上記湿潤紙力増強剤が、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂であることが好ましい。かかる構成を有することにより、脂取り紙に適度な空隙を設けることができ、さらに、脂の取れ感を向上させることができる。また、さらに、充分な引張強度を付与でき、かつ、使用前後において肌触りのよい柔らかい脂取り紙を提供することができる。
本発明によれば、製造時の操業性に悪影響を及ぼすことがなく、所定の配合を有する木材パルプのみで構成され、麻配合品と同等の、使用前の柔らかさ、使用時の強さと柔らかさ、脂吸収性を併せ持つ脂取り紙を提供することができる。
本発明の脂取り紙は、NBKPと、LBKPとを主原料とし、紙力増強剤を含有する脂取り紙であって、上記NBKPと上記LBKPとの配合比が、80:20〜50:50であり、坪量が10〜25g/m2、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.51(2000)に準拠した吸収時間20msでの液体転移量が11ml/m2以上であることを特徴とする。以下に本発明の構成について順を追って説明する。
<原料パルプ>
本発明に使用するNBKPとしては、樹種、産地ともに特に限定されず、たとえば、アカマツ、クロマツ、トウヒ、エゾマツ、トドマツ、モミ、カラマツ、ツガ、スギ、ダグラスファー等を使用することができる。一方、LBKPとしては、樹種、産地ともに特に限定されず、たとえば、カバ、ハンノキ、ナラ、ブナ、シイノキ、ポプラ、ユーカリ等を使用することができる。
NBKPとLBKPとの配合比(質量)は、80:20〜50:50が好ましく、75:25〜60:40がより好ましい。NBKPの割合が80質量%を超える場合、緻密性が悪くなり、脂の取れ感が悪くなる傾向がある。一方、NBKPの割合が50質量%未満の場合、引張強度が不足し、使用時に破れが発生する傾向がある。
NBKPとLBKPとの混合した原料のフリーネスは、JIS P8121により測定した場合に400〜600mlであることが好ましく、450〜550mlがより好ましく、460〜530mlがさらに好ましい。フリーネスが400ml未満の場合、脂取り紙が締まり過ぎることとなり、硬くなる傾向がある。一方、フリーネスが600mlを超える場合、引張強度が不足し、使用時に破れが発生する傾向がある。NBKPとLBKPとの配合比(質量)を80:20〜50:50とし、更にNBKPとLBKPとの混合した原料のフリーネスを400〜600mlとすることで、製造時の操業性に悪影響を及ぼすことがなく、使用前の柔らかさ、使用時の強さと柔らかさ、脂吸収性を併せ持つ脂取り紙となり好ましい。
<紙力増強剤>
紙力増強剤としては、乾燥紙力増強剤および/または湿潤紙力増強剤を含有することが好ましい。
乾燥紙力増強剤としては、特に限定されず、澱粉、酸化澱粉、カルボキシメチル化澱粉等の澱粉;アニオン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド等のポリアクリルアミド(PAM)系紙力増強剤;植物ガム;ポリビニルアルコール;カルボキシメチルセルロース(CMC)等およびそれらの塩を使用することができる。これらの中でも、CMC−Naは保湿性に優れており、紙力増強効果だけでなく脂取り紙に効果的に柔軟性を付与できる観点から好ましい。
乾燥紙力増強剤は、脂取り紙中に固形分換算で0.02〜0.1質量%含有されることが好ましい。含有量が0.02質量%未満の場合、引張強度が不足し、使用時に破れが発生する傾向がある。一方、含有量が0.1質量%を超える場合、脂取り紙に適度な空隙を設けることが困難となり、脂の取れ感が悪くなる傾向がある。
湿潤紙力増強剤としては、特に限定されず、たとえば、尿素ホルモアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド・エピクロロヒドリン樹脂、ポリアミド・ポリアミン・エピクロロヒドリン樹脂、ポリアミド・エポキシ樹脂、エポキシ変性ポリアミド等を使用することができる。これらの中でも、紙力増強効果だけでなく、CMCと併用した際に、脂取り紙に適度な空隙を持たせることができ、脂の取れ感を向上させることができる観点から、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂が好ましい。
湿潤紙力増強剤は、脂取り紙中に固形分換算で0.2〜2.0質量%含有されることが好ましい。含有量が0.2質量%未満の場合、引張強度が不足し、使用時に破れが発生する傾向がある。一方、含有量が2.0質量%を超える場合、使用前後において紙が硬くなる傾向がある。NBKPとLBKPとの配合比(質量)を80:20〜50:50とし、NBKPとLBKPとの混合した原料のフリーネスを400〜600mlとし、乾燥紙力増強剤を0.02〜0.1質量%、湿潤紙力増強剤を0.2〜2.0質量%含有することで、木材パルプのみで構成されていても脂取り紙中に適度な空隙を設けることができ、さらに使用前の柔らかさ、使用時の強さと柔らかさ、脂吸収性を併せ持つ脂取り紙となり好ましい。加えて乾燥紙力増強剤が、カルボキシメチルセルロースであり、湿潤紙力増強剤がポリアミドエピクロロヒドリン樹脂であることにより、脂取り紙中に使用前の柔らかさ、使用時の強さと柔らかさ、脂吸収性がより向上するため好ましい。
<その他の添加剤>
本発明の脂取り紙は、必要に応じて、上記したもの以外の添加剤を含有させることができる。添加し得るその他の添加剤としては、柔軟剤、染料、消泡剤、を含有させることができる。
柔軟剤としては、特に限定されず、たとえばジ長鎖アルキル型4級アンモニウム塩に代表されるカチオン性柔軟剤や、ポリアルキレンアルキルエーテルなどの非イオン性活性剤などの公知の柔軟剤を使用することができる。柔軟剤は、脂取り紙中に固形分換算で0.5〜10.0質量%含有されることが好ましい。含有量が0.5質量%未満の場合、得られる脂取り紙の柔軟性が充分でない傾向がある。一方、含有量が10.0質量%を超える場合、引張強度が不足し、使用時に破れが発生する傾向がある。
染料としては、塩基性染料、酸性染料、直接染料、酸性媒染染料、または媒染染料から選択された1種以上を適量使用することができる。染料の分類は様々であり、化学構造による分類としては、アゾ染料、アントラキノン染料、トリフェニルメタン染料、ピラゾロン染料、スチルべン染料、ジフェニルメタン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、アリザリン染料、アクリジン染料、キノンイミン染料(アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料)、シアニン染料、キノリン染料、チアゾール染料、メチン染料、ニトロ染料等がある。染料と顔料を混合して使用してもよい。
消泡剤としては、特に限定されず、一般的に破泡剤、抑泡剤、整泡剤等として知られているものを任意に選択することができ、1種または2種以上組み合わせて用いることもできる。消泡剤の具体的な成分としては、油脂類、脂肪酸類、低級アルコール類、高級アルコール類、金属石鹸類、シリコーン類、疎水性シリカ・シリコーンコンパウンド類、脂肪酸エステル類、ポリグリコール類、ポリグリコールエステル類、ポリエーテル類、変成シリコーン類、油溶系ポリマー類、有機リン系化合物、硫酸化脂肪酸類、ポリエーテル誘導体、シリカ・変成シリコーンコンパウンド類、等が挙げられる。
上記した添加剤の添加方法としては、特に限定されず、内添してもよいし、抄紙後の原紙に塗工してもよい。
なお、本発明の脂取り紙は、既知の抄紙方法に基づいて、抄紙することが可能である。たとえば、上記添加剤を添加したパルプスラリーを既知の抄紙機によって抄紙して製造することが可能である。
その際、2段の混合叩解を実施することが好ましい。すなわち、(1)LBKPと、一部のNBKPを最初に混合離解し、叩解処理を実施する。(2)その後、叩解処理後の原料と未叩解のNBKPとを混合し、目標のフリーネスまで叩解する。かかる叩解方法を採用することにより、叩解の進んだ原料と、叩解のあまり進んでいない原料とが混ざって存在し、その結果、脂の取れ感を保ちながら、使用前後において柔らかい脂取り紙を得ることができ好ましい。
上記した製造方法により得られる本発明の脂取り紙は、離解後の重さ荷重平均繊維長(離解繊維長)が1.5〜2.5mmであることが好ましく、1.7〜2.4mmであることがより好ましく、1.8〜2.2mmであることがさらに好ましい。離解後の重さ荷重平均繊維長が1.5mm未満の場合、引張強度が不足し、使用時に破れが発生する傾向がある。一方、離解後の重さ荷重平均繊維長が2.5mmを超える場合、使用前後において脂取り紙が硬くなる傾向がある。本発明で言う重さ荷重平均繊維長は、JIS P8220に準拠して、本脂取り紙を離解した後の離解パルプについて、カヤニオートメーション社製繊維長測定機ファイバーラボを用いて測定した値である。重さ荷重平均繊維長(離解繊維長)は、例えばパルプ原料の配合質量割合や、フリーネス、叩解方法などを変化させることによって調節することができる。乾燥紙力増強剤及び/または湿潤紙力増強剤を含有し、NBKPとLBKPとの配合比(質量)を80:20〜50:50とし、NBKPとLBKPとの混合した原料のフリーネスを400〜600mlとし、さらに離解後の重さ荷重平均繊維長(離解繊維長)が1.5〜2.5mmになるようにすることで、木材パルプのみで構成した脂取り紙であっても、さらに、充分な引張強度を付与でき、かつ、使用前後において肌触りのよい柔らかい脂取り紙となり好ましい。
また、本発明の脂取り紙は、坪量が10〜25g/m2であることが好ましく、12〜22g/m2がより好ましく、14〜18g/m2がさらに好ましい。脂取り紙の坪量が10g/m2未満の場合、引張強度が不足し、使用時に破れが発生する傾向がある。一方、脂取り紙の坪量が25g/m2を超える場合、脂の取れ感が悪くなり、かつ、脂取り紙が使用前後において硬くなる傾向がある。
また、本発明の脂取り紙は、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.51(2000)に準拠した吸収時間20msでの液体転移量が11ml/m2以上であることが好ましい。吸収時間20msでの液体転移量が11ml/m2以上とすることにより、動的な液体吸収性の高い脂取り紙とすることができる。本発明者らの知見では、脂取り紙の吸液性の指標として、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.51(2000)に準拠した吸収時間20msでの液体転移量を用いることにより、静的な液体の吸収量でなく、実際に脂取り紙を使用した場合の吸液性との相関が高いことを見出している。本発明の形態では、液体転移量の調整は、例えば、パルプ原料の配合質量割合、パルプ原料のフリーネス、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤の種類と添加量等で調整することができる。NBKPとLBKPとの配合比(質量)を80:20〜50:50とし、NBKPとLBKPとの混合した原料のフリーネスを400〜600mlとし、さらに乾燥紙力増強剤及び/または湿潤紙力増強剤を含有し、坪量が10〜25g/m2であり、吸収時間20msでの液体転移量が11ml/m2以上とすることで、木材パルプのみで構成した脂取り紙でありながら、脂取り紙に適度な空隙を設け、麻配合品と同等の、使用前の柔らかさ、使用時の強さと柔らかさ、脂吸収性を併せ持つ脂取り紙となり好ましい。特に、乾燥紙力増強剤としてカルボキシメチルセルロースと湿潤紙力増強剤としてポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を組み合わせて用いることとの相乗効果により、脂取り紙にさらに好適な空隙を持たせることができ、十分な引張強度を付与しつつ、使用前後において肌触り、脂取れ感が優れ、柔らかい脂取り紙となり好ましい。
また、本発明の脂取り紙は、繊維配向角が−2.0〜2.0度であることが好ましく、−1.0〜1.0度がより好ましく、−0.6〜0.5度がさらに好ましい。繊維配向角が−2.0〜2.0度から外れる場合、柔らかすぎるため、得られる脂取り紙にコシがなく、脂の取れ感が低下する傾向がある。ここで本発明にかかる繊維配向角とは、基準方向と繊維のなす角度のことをいい、具体的には、流れ方向からの角度で示される値である。この繊維配向角は、例えば株式会社東洋精機製作所製の光学式配向性試験機(FOT)によって測定することができる。具体的には、波長が685nmのレーザー光を紙表面に対して一定の角度で照射し、反射光の強さの変化から繊維配向角を測定する。このように繊維配向角は、支持体の流れ方向と巾方向における繊維原料の長さ方向の向きを定量的に測定し、割合を数値化したものである。つまり数値がゼロに近づけば、繊維が流れ方向に沿って配向しており、数値の絶対値が大きければ繊維が巾方向に沿って配向していることを意味する。本形態において、繊維配向角は例えば、円網抄紙機では抄速等、傾斜短網抄紙機では抄速や傾斜角度等、長網抄紙機ではジェットワイヤー比等を変更することで調整できる。
次に、本発明の脂取り紙を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
使用原料を以下に示す。
(原料パルプ)
NBKP、LBKP:市販の針葉樹クラフトパルプ及び広葉樹クラフトパルプを使用した。
(紙力増強剤)
CMC−Na:乾燥紙力増強剤、カルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬(株)製、品名:セロゲンF−AG、Mw:117000〜164000、エーテル化度:0.85〜0.95)
PAM:乾燥紙力増強剤、ポリアクリルアミド(ハリマ化成(株)製、品名:ハーマイドC−10)
PAE:湿潤紙力増強剤、ポリアミドエピクロロヒドリン(星光PMC(株)製、WS4024)
メラミン:湿潤紙力増強剤、田岡化学工業(株)製、品名:スミレーズレジン8%AC
(その他の添加剤)
柔軟剤:脂肪酸誘導体、(株)日新化学研究所製、品名:ネオソフターSOFT−CAT
評価方法を以下に示す。
(フリーネス)
JIS P 8121(1995)「パルプのろ水度測定方法」に準拠して測定した。
(坪量)
JIS P 8124(1998)「紙および板紙−坪量測定方法」に準拠して測定した。
(液体転移量)
JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.51(2000)「紙及び板紙−液体吸収性試験方法−ブリストー法」に準拠し、液として蒸留水を用い、吸収時間20msでの液体転移量を測定した。
(引張強度)
JIS P 8113(2006)「紙および板紙−引張特性の試験方法−第2部:定速伸張法」に準拠して測定した。
(繊維配向角)
FOT((株)東洋精機製作所製、光学式配向性試験機)を使用し測定した。
(繊維長)
脂取り紙をJIS P 8220(1998)「パルプ−離解方法」に準拠し離解して得られたパルプ繊維について、ファイバーラボ測定装置(カヤニオートメーション社製)にて測定した。
(脂の取れ感)
10人の被験者を対象として、脂の取れ感を1〜5点の5段階で評価させる。合計点が40点を超えるものを○、26〜40点を△、25点以下を×とした。
(使用時の破れ)
10人の被験者を対象として、全員が破れを生じないよう使用できたものを○、1人破れを生じたものを△、2人以上破れを生じたものを×とした。
(柔らかさ)
10人の被験者を対象として、柔らかさを1〜5点の5段階で評価させる。合計点が40点を超えるものを○、26〜40点を△、25点以下を×とした。
(実施例1)
NBKP:LBKP=70質量%:30質量%で配合し、表1に記載したフリーネスになるように叩解したパルプを使用し、乾燥紙力増強剤としてCMC−Naを対パルプ固形分当たりの固形分質量基準で0.05%、湿潤紙力増強剤としてPAEを対パルプ固形分当たりの固形分質量基準で0.6%、柔軟剤としてネオソフターSOFTCATを対パルプ固形分当たりの固形分質量基準で0.8%添加した。このように調成した原料を用い、円網抄紙機で1層抄きした。抄造後、熱ロール加工機にて熱カレンダー処理を行い、脂取り紙を得た。得られた脂取り紙の離解後の重さ荷重平均繊維長は2.2mmであり、坪量は16g/m2であった。得られた脂取り紙について、上記評価を行った。結果を表1および表2に示す。
(実施例2〜25、比較例1〜5)
原料および製造条件を表1のとおりとし、実施例1と同様に調製し、評価した。結果を表1および表2に示す。
Figure 2012213481
Figure 2012213481
表1および表2に示されるように、NBKPの配合量が本発明の範囲を超えるものは、脂の取れ感が悪くなり、本発明の範囲未満のものは、使用時に脂取り紙が破れた。また、坪量が本発明の範囲未満のものは、使用時に脂取り紙が破れ、本発明の範囲を超えるものは、脂の取れ感が悪く、さらに、柔らかさも充分でないことが判った。すなわち、本発明の脂取り紙は、いずれも柔らかさと使用時の強さを併せ持つことが判った。
本発明の脂取り紙は、所定の配合を有する木材パルプのみで構成され、麻配合品と同等の柔らかさと使用時の強さを併せ持つため、脂取り紙等の分野において好適に使用することができる。

Claims (4)

  1. 針葉樹クラフトパルプと、広葉樹クラフトパルプとを主原料とし、紙力増強剤を含有する脂取り紙であって、
    前記針葉樹クラフトパルプと前記広葉樹クラフトパルプとの配合比が、80:20〜50:50であり、
    坪量が10〜25g/m2、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.51(2000)に準拠した吸収時間20msでの液体転移量が11ml/m2以上であることを特徴とする脂取り紙。
  2. 前記紙力増強剤は、乾燥紙力増強剤および/または湿潤紙力増強剤を含有し、
    JIS P8121により測定された、前記針葉樹クラフトパルプと前記広葉樹クラフトパルプとを混合した原料のフリーネスが、400〜600mlであることを特徴とする請求項1記載の脂取り紙。
  3. 前記乾燥紙力増強剤が、脂取り紙中に固形分換算で0.02〜0.1質量%含有され、
    前記湿潤紙力増強剤が、脂取り紙中に固形分換算で0.2〜2.0質量%含有され、
    前記脂取り紙の離解後の重さ荷重平均繊維長が、1.5〜2.5mmであることを特徴とする請求項1または2記載の脂取り紙。
  4. 前記乾燥紙力増強剤が、カルボキシメチルセルロースであり、
    前記湿潤紙力増強剤が、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の脂取り紙。
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