JP2000144600A - 化粧用脂取紙の製造方法 - Google Patents

化粧用脂取紙の製造方法

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JP2000144600A
JP2000144600A JP10331997A JP33199798A JP2000144600A JP 2000144600 A JP2000144600 A JP 2000144600A JP 10331997 A JP10331997 A JP 10331997A JP 33199798 A JP33199798 A JP 33199798A JP 2000144600 A JP2000144600 A JP 2000144600A
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JP
Japan
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wet paper
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fat
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JP10331997A
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English (en)
Inventor
Takehiko Kakiuchi
健彦 垣内
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ISOGAWA SEISHI KOJO KK
Original Assignee
ISOGAWA SEISHI KOJO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透かし模様入りの化粧用脂取紙の製造が容易
であって、製造コストが低く、また、化粧用脂取紙の模
様の変更等も簡便に行うことのできる方法を提供する。 【解決手段】 第1抄紙機によって抄紙された湿紙に線
径0.1〜0.5mm、30〜80メッシュの下網に線
径0.1〜0.5mm、10〜20メッシュの上網が被
覆されてなる透かし模様ロールを圧接させて透かしを形
成させた湿紙とし、これに第2抄紙機によって抄紙され
た湿紙を抄合わせして透かし模様の入った化粧用脂取紙
を製造するか、または、第1抄紙機によって抄紙された
湿紙に第2抄紙機によって抄紙された湿紙を抄合わせし
て得られた湿紙に線径0.1〜0.5mm、30〜80
メッシュの下網に線径0.1〜0.5mm、10〜20
メッシュの上網が被覆されてなる透かし模様ロールを圧
接させて透かしを形成させ透かし模様の入った化粧用脂
取紙を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、化粧用脂取紙の
製造方法に関するものである。さらに詳しくは、この発
明は、古来より高級化粧用脂取紙として用いられてきた
透かし模様を有する箔打ち紙と類似した透かし模様をは
じめ、各種の透かし模様を有する化粧用脂取紙の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】化粧用脂取紙が一般に普及したのは、金
沢の金箔の箔打ちにおいて使用した箔打ち紙を、京都の
舞妓が化粧等に際し顔面の脂分を取るために使用したこ
とがきっかけとなっているといわれている。箔打ち紙と
しては、主に、西宮市名塩紙が使用されている。名塩紙
はミツマタとガンピを原料とし、西宮で産出される粘土
を抄きこんだものである。箔打ち紙は、15回ほど使用
すると金箔を打ち延ばす機能が低下して箔打ちには適さ
なくなり、化粧用脂取紙として利用する。使用済みの箔
打ち紙を使用した化粧用脂取紙は、供給が限られている
ことから、需要の増大には対応しきれず、高価なものと
なっている。化粧用脂取紙の需要の増大に応じ、これを
安価に供給するため、近年、円網ヤンキー抄紙機や短網
抄紙機で抄紙した坪量10〜30g/m2 の薄葉紙をそ
のまま、或いは、特殊液を表面塗工した後、スーパーカ
レンダー掛けして箔打ち紙の密度0.94g/cm3
度にし、脂分の浸透を向上させるとともに吸脂の効果を
見た目においても満足させるようにした化粧用脂取紙が
製造販売されるに至っている。
【0003】箔打ち紙は一般に手抄きで、金箔を均一に
延ばすために格子状の透かし模様が入れられており、こ
の透かし模様が箔打ち紙を用いた化粧用脂取紙に高級感
を与えている。機械抄きによる化粧用脂取紙の吸脂の機
能は、格子状の透かし模様のあるものであっても、格子
状の透かし模様のないフラットなものであっても特に差
異は認められないが、透かし模様により透明度が増し、
吸脂の効果が見た目においても明瞭であること、およ
び、機械抄きによる化粧用脂取紙においても格子状の透
かし模様を入れることで、箔打ち後の紙に類似させ紙の
商品価値を上げることが行われる。格子透かし模様の抄
き入れは、基本的に古くから行われてきた手抄きによる
生産処方を機械抄きに取り入れることで行われており、
具体的には、以下のような透かし模様の抄き入れ方法が
主に利用されている。 円網抄紙機のシリンダーワイヤーの網目を模様に沿っ
て目止めし、この部分への抄紙原料の乗りを少なくして
透かしを入れる。 逆に、必要とする模様の周辺を目止めし、濾水のある
模様部分に抄紙原料を乗せ、周辺より厚くし模様を浮か
び上がらせる。これは、円網シリンダーによって2層抄
きで行われる。 抄紙機のフェルトの密度を変え、透かし模様を入れ
る。、の方法は、シリンダーワイヤーの網目を目止
めする作業が必要であって、大径のシリンダーワイヤー
の網目を正確に目止めするには熟練を要するとともに長
時間を要し、製造コストがアップする。また、仕様変
更、すなわち、模様の必要のない紙を抄紙したり、模様
を変更したりする場合には、シリンダーワイヤーをもと
の状態に戻したり、必要に応じて、再度、目止め作業を
する必要があり、抄紙機の稼働率が低下することにもな
る。の方法では、模様に応じたフェルトを揃えること
が必要となり、フェルトの装着、調整等に多大な時間を
要することになり、製造コストがアップし、抄紙機の稼
働時間を低下させる。また、仕様変更、すなわち、模様
の必要のない紙を抄紙したり、模様を変更したりする場
合には、フェルトの交換、調整等により抄紙機の稼働率
が低下する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記のよ
うな実情に鑑み鋭意研究の結果創案されたものであり、
透かし模様入りの化粧用脂取紙の製造が容易であって、
製造コストが低く、化粧用脂取紙の模様の変更等も簡便
に行うことのできる方法を提供することを目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明は、化粧用脂取紙の製造方法として、第1
抄紙機によって抄紙されフェルトにピックアップされて
移送される湿紙に、透かし模様ロールを圧接することで
透かし模様を形成させ、該湿紙に第2抄紙機によって抄
紙された湿紙を抄合わせすることで2層抄合わせされた
湿紙に透かし模様を形成させることを特徴とする(請求
項1)。また、少なくとも2機以上の抄紙機を連設し、
先頭の抄紙機によって抄紙されフェルトにピックアップ
されて移送される湿紙に後続の抄紙機によって抄紙され
た湿紙が重ねられ多層抄合わせされた湿紙に、透かし模
様ロールを圧接することで透かし模様を形成させること
を特徴とするものであってもよい(請求項2)。請求項
1記載の発明によれば、第1抄紙機によって抄紙されフ
ェルトにピックアップされて移送される湿紙に透かし模
様ロールが圧接し、透かし模様ロールによって湿紙に透
かし模様が形成され、該湿紙に第2抄紙機により抄紙さ
れた湿紙が抄合わせされ、第1抄紙機によって抄紙され
た湿紙に形成された透かし模様により第2抄紙機により
抄紙された湿紙にも透かし模様が形成されることにな
り、透かし模様が明瞭となる。請求項2記載の発明によ
れば、多層抄合わせされた湿紙に透かし模様ロールが圧
接し、透かし模様ロールによって湿紙に透かし模様が形
成されることになる。これらの製造方法によって得られ
る化粧用脂取紙はいずれも箔打ち紙と同様に透かし模様
が入っていることから、吸脂の効果を見た目においても
満足させることができる。そして、請求項1または請求
項2記載の発明によれば、透かし模様ロールを使用する
ことで、従来のように透かし模様を形成するためにシリ
ンダーワイヤーの網目を目止めする作業等が必要なく、
透かし模様の入った化粧用脂取紙の製品コストを抑える
ことができる。透かし模様を変更するには、別途用意し
た異なった透かし模様を有する透かし模様ロールと交換
すればよいことから、簡便であり、抄紙機の稼働率を低
下させることがない。
【0006】前記透かし模様ロールによる湿紙への圧接
が、一対に配設された透かし模様ロールと圧接ロールと
によってなされることが好ましい(請求項3)。これに
よれば、透かし模様ロールと圧接ロールとが回転し、両
ロール間でフェルトにピックアップされた湿紙が挟持さ
れ所定の圧力が付与されて移送され、湿紙に透かし模様
が付与される。透かし模様ロールと圧接ロールとの回転
によりフェルトと湿紙の移送が行われることから、その
移送は円滑となる。また、透かし模様ロールと圧接ロー
ルとによる湿紙に与える圧力を調整することで、湿紙へ
の透かし模様の濃淡および深みのコントロールを容易に
行うことができる。なお、湿紙への透かし模様ロールの
圧接は、請求項3記載の方法に限られるものではなく、
後述するように各種の態様が可能である。
【0007】そして、前記透かし模様ロールは、線径
0.1〜0.5mm、30〜80メッシュの下網に線径
0.1〜0.5mm、10〜20メッシュの上網が被覆
されてなるものを使用することが好ましい(請求項
4)。下網は湿紙中のパルプ繊維等の透かし模様ロール
内部への侵入や、透かし模様ロールからの脱落を防止す
る機能を果たし、上網は湿紙に所定の透かし模様を付与
する機能を果たすものであり、湿紙中の余分な水分は上
網および下網の網目を通過し、脱水されることになる。
格子状の透かし模様の場合は、上網そのままでよく、マ
ーク、文字、図柄等の各種の透かし模様の場合には、上
網に必要な目止めを行う。
【0008】下網の線径が0.1mm未満では、網の強
度が弱くなり、上網を支持したり、上網による湿紙への
透かし模様の形成時の透かし模様凸部の支持が不十分と
なり好ましくなく、0.5mmを超えると、上網による
湿紙への透かし模様の形成時に下網の線径の影響がでる
ことから好ましくない。また、下網が30メッシュ未満
では、パルプ繊維の歩留まりが悪くなり、80メッシュ
を超えると、脱水が悪くなることから好ましくない。上
網の線径が0.1mm未満では、透かし模様の筋が不十
分となり好ましくなく、0.5mmを超えると、透かし
模様の筋が太くなり好ましくない。また、上網が10メ
ッシュ未満では、透かし模様が荒くなり過ぎて好ましく
なく、20メッシュを超えると、透かし模様が細くなり
過ぎて、透かし模様がはっきりしなくなることから好ま
しくない。より好ましい範囲は、下網が、線径0.2〜
0.3mm、35〜60メッシュ、上網が、線径0.2
〜0.3mm、14〜16メッシュである。上網と下網
とを、この範囲とすると、手漉きに類似した感触が得ら
れるとともに、透かし模様の輪郭が十分明瞭である。下
網が線径0.2mm、40メッシュ、上網が線径0.2
mm、16メッシュとする場合が、手漉き箔打ち紙に酷
似することになる点から望ましい。
【0009】なお、透かし模様ロールは、請求項4記載
のものに限られるものではなく、例えば、請求項4に記
載した透かし模様ロールと同様な機能を果たすものであ
ればよく、例えば、スクリーンプレートであってもよ
い。下網、上網には、金網、プラスチック製網が使用で
きる。
【0010】使用する抄紙機としては、円網抄紙機が好
ましいが、これに限られず、短網抄紙機や長網抄紙機で
あってもよく、円網抄紙機、短網抄紙機、長網抄紙機を
適宜組合せるようにしてもよい。
【0011】紙料中のパルプ材としては、N−BKP、
L−BKP、マニラ麻パルプからなる群から選択された
少なくとも1種であればよい。上記パルプ材以外のパル
プ材が全く使用できない訳ではなく、例えば、合成パル
プ、化学繊維を上記パルプ材に若干配合するようにして
もよい。パルプ材がマニラ麻パルプとL−BKPとから
なる場合は、マニラ麻パルプの下限が70重量部、L−
BKPの上限が30重量部とする範囲で適宜決定すれば
よい。N−BKPは単独であってもよい。
【0012】該パルプ材を所定の叩解度に調整し、これ
に、クレー、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、酸化
チタン等の無機質填料を添加して抄紙原料を調整する。
なかでもタルクを用いると肌にソフトで脂分の吸収を向
上させることができる。また、必要に応じ、ロジン、A
KDのようなサイズ剤、ポリアクリルアマイドのような
紙力増強剤、硫酸バンドのような定着剤、ポリアミドエ
ピクロルヒドリンのような湿潤紙力増強剤を適宜使用す
ることができる。
【0013】化粧用脂取紙の密度としては、脂分の浸透
を向上させるとともに、吸脂したときの紙の透明性を確
保し見た目の満足度を向上させるため、0.75〜1.
25g/cm3 とすることが好ましい。密度が0.75
g/cm3 未満では、脂分を吸収しても透明性が不十分
であり、1.25g/cm3 を超えると、脂分の吸収低
下となって好ましくない。化粧用脂取紙を高密度化する
には、透かし模様の形成された湿紙を脱水、乾燥した
後、スーパーカレンダー掛けを施したり、所定の寸法に
裁断した後、箔打ちと同様な工程を施せばよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態を示し、さらに
詳しくこの発明について説明する。もちろんこの発明は
以下の実施の形態によって限定されるものではない。図
1にこの発明の化粧用脂取紙を製造するための製造装置
の一例を示す。図1の製造装置(A)は、2層抄合わせ
として構成されており、第1円網抄紙機(1)と第2円
網抄紙機(2)との間に透かし模様付け手段(3)が配
設されているものである。
【0015】第1円網抄紙機(1)において、所定の割
合に調整された紙料(4)が抄紙されて湿紙(5)とさ
れ、該湿紙(5)は、第1円網シリンダー(6)とクー
チロール(7)の間に導入されたエンドレスな長尺フェ
ルト(8)にピックアップされて導出され、透かし模様
付け手段(3)において透かし模様が付与され、第2円
網抄紙機(2)に導入されるようになっている。透かし
模様は透かし模様付け手段(3)に導入される際の湿紙
(5)の水分が多いほど透かし模様の入りが良好ではあ
るが、つぶれが出やすいので、第1円網抄紙機(1)の
クーチロール(7)によるニップ圧を調整して水分を調
節する。第2円網抄紙機(2)も第1円網抄紙機(1)
と同様な構造をしており、第2円網シリンダー(9)と
クーチロール(10)の間に透かし模様が付与された湿
紙(5)がフェルト(8)とともに導入され、第2円網
抄紙機(2)によって所定の割合に調整された紙料(1
1)が抄紙された湿紙(12)と重ねられ2層抄合わせ
され、フェルト(8)とともに導出されるようになって
いる。第1円網抄紙機(1)、第2円網抄紙機(2)に
よって抄紙される湿紙がいずれも凹凸のないフラットな
ものとなるように第1円網シリンダー(6)、第2円網
シリンダー(9)の網が選択されている。
【0016】透かし模様付け手段(3)は、フェルトを
挟んで透かし模様ロール(14)と圧接ロール(15)
が一対に配設された構造であり、該透かし模様ロール
(14)は、フェルト(8)の下方に位置して湿紙
(5)に対向しており、圧接ロール(15)によって所
定のニップ圧がフェルト(8)と湿紙(5)に付加さ
れ、湿紙(5)に透かし模様が形成されるようになって
いる。ニップ圧は圧接ロール(15)にウエイトをかけ
たり、油圧シリンダーを用いて設定でき、ニップ圧の変
更はウエイトを変えたり油圧を調整することで行えばよ
く、これによって、透かし模様の濃淡および深みが調節
できるようになっている。
【0017】透かし模様ロール(14)は、図2に示す
ように多孔フレーム(14a)に下網(14b)が被覆
され、下網(14b)に上網(14c)が被覆された構
造をしている。下網(14b)には、線径0.1〜0.
5mm、30〜80メッシュの金網又は合成樹脂製網
が、上網(14c)には、線径0.1〜0.5mm、1
0〜20メッシュの金網又は合成樹脂製網が使用され
る。下網(14b)は、湿紙(5)中のパルプ繊維等の
透かし模様ロール(14)内部への侵入や、透かし模様
ロール(14)からの脱落を防止する機能を果たし、上
網(14c)は湿紙(5)に所定の透かし模様を付与す
る機能を果たすものであり、湿紙(5)中の余分な水分
は上網(14c)および下網(14b)の網目を通過し
て脱水されるようになっている。圧接ロール(15)
は、平滑な表面を有するゴム被覆ロールが採用される。
【0018】第2円網抄紙機(2)から導出されたフェ
ルト(8)はフェルトロール(16)、(17)を経て
第1円網抄紙機(1)に循環するようになっている。
【0019】図1の製造装置(A)においては、第1円
網抄紙機(1)によって抄紙されフェルト(8)にピッ
クアップされて移送される湿紙(5)は、図3(a)の
ようにフラットな状態となっている。そして、該湿紙
(5)は透かし模様ロール(14)と圧接ロール(1
5)の間にフェルト(8)とともに導入され、図3
(b)に示されるように透かし模様ロール(14)によ
って凹凸状の透かし模様が形成される。次いで、透かし
模様が形成された湿紙(5)は、フェルト(8)ととも
に第2円網抄紙機(2)に導入され、第2円網抄紙機
(2)によって抄紙されたフラットな湿紙(12)と抄
合わせされ、該2層抄合わせられた湿紙(13)にも透
かし模様が図3(c)に示されるように形成されること
になる。図3(c)はフェルトロール(17)通過後の
断面模式図として示されており、図3(a)、(b)は
図3(c)との対応関係が理解しやすいように実際とは
反転した状態で示している。従って、図3においては、
湿紙の上側は円網シリンダーのワイヤー側、下側はフェ
ルト側となっている。2層抄合わせされた湿紙は、脱
水、乾燥され、スーパーカレンダー掛け等されるように
なっている(図示せず)。
【0020】このようにして透かし模様が形成された2
層抄合わせされた湿紙(13)は、脱水、乾燥した後の
坪量が16〜25g/m2 の原紙となるように抄紙の段
階において調整される。そして、化粧用脂取紙とするに
は、原紙をスーパーカレンダー掛けを施したり、所定の
寸法に裁断した後、箔打ちと同様な工程を施し、密度を
0.75〜1.25g/cm3 に高密度化する。
【0021】透かし模様付け手段においては、圧接ロー
ルに代え、例えば、圧接バーであってもよい。このよう
な場合には、圧接バーの表面は低摩擦係数の素材を用い
ればよい。
【0022】図4にこの発明の化粧用脂取紙を製造する
ための製造装置の他例を示す。図4の製造装置(B)
は、2層抄合わせとして示されており、第1円網抄紙機
(1)に続き第2円網抄紙機(2)が連設され、第2円
網抄紙機(2)に続いて透かし模様付け手段(3)が配
設されているが、第2円網抄紙機(2)と透かし模様付
け手段(3)との間にさらに円網抄紙機を挿入し、多層
抄合わせするようにしてもよい。第1円網抄紙機(1)
および第2円網抄紙機(2)は図1に示したものと同一
の構造をしており、同一番号を付し詳細な説明は省略す
る。
【0023】透かし模様付け手段(3)は、フェルト
(8)が反転した後に配設されていることから、透かし
模様ロール(14)がフェルト(8)の上方に位置し、
圧接ロール(15)がフェルト(8)の下方に配置され
た構造となっている。透かし模様は透かし模様付け手段
(3)に導入される際の湿紙(22)の水分が多いほど
透かし模様の入りが良好ではあるが、つぶれが出やすい
ので、第2円網抄紙機(2)のクーチロール(10)に
よるニップ圧を調整して水分を調節する。透かし模様ロ
ール(14)と圧接ロール(15)ニップ圧の設定およ
び変更は、圧接ロール(15)に油圧シリンダーを用い
て行えばよい。圧接ロール(15)は平滑な表面を有す
るゴム被覆ロールであってよいが、透かし模様付けにお
いて湿紙から下方に脱水されることから、微細な溝を形
成したものであってもよい。
【0024】図4の製造装置(B)においては、第1円
網抄紙機(1)によって抄紙されフェルト(8)にピッ
クアップされて移送される湿紙(20)は、図5(a)
のようにフラットな状態となっている。次いで、該湿紙
(20)はフェルト(8)とともに第2円網抄紙機
(2)に導入され、第2円網抄紙機(2)によって抄紙
されたフラットな湿紙(21)が重ねられ、図5(b)
のような2層抄合わせされた湿紙(22)となる。そし
て、該湿紙(22)は透かし模様ロール(14)と圧接
ロール(15)の間にフェルト(8)とともに導入さ
れ、図5(c)に示されるように透かし模様ロール(1
4)によって凹凸状の透かし模様が湿紙(22)に形成
される。図5(c)はフェルトロール(17)通過後の
断面模式図として示されており、図5(a)、(b)は
図5(c)との対応関係が理解しやすいように実際とは
反転した状態で示している。従って、図5においては、
湿紙の上側は円網シリンダーのワイヤー側、下側はフェ
ルト側となっている。2層抄合わせされた湿紙は、脱
水、乾燥され、スーパーカレンダー掛け等されるように
なっている(図示せず)。
【0025】このようにして透かし模様が形成された2
層抄合わせされた湿紙(22)は、脱水、乾燥した後の
坪量が16〜25g/m2 の原紙となるように抄紙の段
階において調整される。そして、化粧用脂取紙とするに
は、原紙をスーパーカレンダー掛けを施したり、所定の
寸法に裁断した後、箔打ちと同様な工程を施し、密度を
0.75〜1.25g/cm3 に高密度化する。なお、
図6に示すような位置に透かし模様付け手段(3)を配
設すれば、図1に示すと同様な透かし模様付け手段を使
用することができる。
【0026】
【実施例】次に、実施例を比較例とともに示しさらに詳
しく説明する。 (実施例1)図1に示す製造装置(A)を用い化粧用脂
取紙を製造した。パルプ材としてマニラ麻パルプ80重
量部、L−BKP20重量部を配合し、フリーネス47
5mlに叩解した。サイズ剤としてロジンサイズ(商品
名;サイズパインE)を10kg/T、紙力増強剤とし
てポリアクリルアマイド(商品名;ハーマイド)を17
kg/T、定着剤として硫酸バンド20kg/T、湿潤
紙力増強剤としてポリアミドエピクロルヒドリン(商品
名;ポリフィックス)を17kg/Tを使用した。これ
らの薬品と上記パルプ材とを用いて紙料とした。第1円
網シリンダー、第2円網シリンダーにはいずれも線径
0.3mm、80メッシュのものを使用した。これは凹
凸のないフラットな湿紙を形成するためである。透かし
模様ロールの下網に線径0.2mm、40メッシュのも
のを使用し、上網に線径0.2mm、16メッシュのも
のを使用した。圧接ロールによるニップ圧は線圧で0.
5kg/cmに設定した。
【0027】第1円網抄紙機で10.0g/m2 に相当
するフラットな湿紙を抄紙してフェルトにピックアップ
させ、該湿紙をフェルトとともに透かし模様ロールと圧
接ロールの間に導入し、透かし模様を湿紙に形成させ
た。次いで、第2円網抄紙機で10.0g/m2 に相当
するフラットな湿紙を抄紙して透かし模様の形成された
湿紙と抄合わせして、透かし模様が形成されてなる2層
抄合わせされた湿紙を得、これを脱水し、乾燥した後、
スーパーカレンダー掛けをして格子状の透かし模様の入
った坪量20.0g/m2 の化粧用脂取紙を製造した。
【0028】得られた化粧用脂取紙の紙質を以下のよう
にして測定した。厚さは、JIS8118に基づき、厚
み計で測定した。なお、密度は坪量と厚さから算出した
ものである。引張強さはJIS8113に基づき、ジョ
ッパー型引張試験機で測定した。ここにおいて、縦とは
MD、横とはCDを意味する。平滑度はJIS8119
に基づき、ベッグ型平滑度試験機で測定した。ここにお
いて、表とは円網シリンダー側を意味し、裏とはフェル
ト側を意味する。吸脂量は、RI印刷試験機によりヒマ
シ油を80重量部、ベンジルアルコールを20重量部の
割合で混合した試薬の吸着量を測定した。結果は、表1
の通りである。
【0029】また、化粧用脂取紙として使用し、吸脂の
状態を目視で観察したところ、透かし模様の部分は透明
性が顕著に高かった。なおフリーネスは、JIS812
1に基づき、カナダ標準型のフリーネステスターによっ
て測定した。
【0030】
【表1】
【0031】(実施例2)図4に示す製造装置(B)を
用い、紙料は実施例1と同一の組成のものを使用した。
第1円網抄紙機、第2円網抄紙機は実施例1と同一のも
のであり、透かし模様ロールは実施例1と同一の構造の
ものである。圧接ロールによるニップ圧も実施例1と同
一となるように設定した。
【0032】第1円網抄紙機で10.0g/m2 に相当
するフラットな湿紙を抄紙してフェルトにピックアップ
させ、次いで、該湿紙に第2円網抄紙機で抄紙した1
0.0g/m2 に相当するフラットな湿紙を抄合わせし
て、2層とした湿紙をフェルトとともに透かし模様ロー
ルと圧接ロールの間に導入し、該抄合わせされた湿紙に
透かし模様を形成させた。次いで、これを脱水し、乾燥
した後、スーパーカレンダー掛けをして格子状の透かし
模様の入った坪量20.0g/m2 の化粧用脂取紙を製
造した。得られた化粧用脂取紙の紙質を実施例1と同様
にして測定した。得られた結果は表1の通りである。化
粧用脂取紙として使用し、吸脂の状態を目視で観察した
ところ、透かし模様の部分は透明性が顕著に高かった。
【0033】(比較例)図4に示す製造装置(B)を用
い、紙料は実施例1と同一の組成のものを使用した。第
1円網抄紙機で10.0g/m2 に相当するフラットな
湿紙を抄紙してフェルトにピックアップさせ、次いで、
該湿紙に第2円網抄紙機で抄紙した10.0g/m2
相当するフラットな湿紙を抄合わせして、2層とした湿
紙を得、透かし模様を形成させない他は実施例2と同様
にして坪量20.0g/m2 の化粧用脂取紙を製造し
た。得られた化粧用脂取紙の紙質を実施例1と同様にし
て測定した。得られた結果は表1の通りである。化粧用
脂取紙として使用し、吸脂の状態を目視で観察したとこ
ろ、透明性がそれ程に高くはなかった。
【0034】
【発明の効果】この発明は、以上詳しく説明したように
構成されているので、以下に記載されるような効果を奏
する。本願発明の製造方法によって得られる化粧用脂取
紙はいずれも箔打ち紙と同様に透かし模様が入っている
ことから、吸脂の効果を見た目においても満足させるこ
とができる。透かし模様ロールを使用して湿紙に透かし
模様を形成するようにしたことから、従来のようにシリ
ンダーワイヤーの網目を目止めして透かし模様を形成す
る作業等が必要なく、透かし模様の入った化粧用脂取紙
の製品コストを抑え安価に供給することができることに
なる。透かし模様を変更するには、異なった透かし模様
を有する透かし模様ロールと交換すればよいことから、
簡便であり、抄紙機の稼働率を低下させることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の化粧用脂取紙を製造するための製造
装置の一例を示す概略図である。
【図2】この発明の化粧用脂取紙を製造するために用い
る透かし模様ロールの部分破断斜視図である。
【図3】図1に示す製造装置によって製造される湿紙の
断面模式図を示し、(a)は第1抄円網紙機によって抄
紙された段階の湿紙、(b)は透かし模様ロールによっ
て凹凸状の透かし模様が形成された段階の湿紙、(c)
は(b)の湿紙に第2円網抄紙機によって抄紙された湿
紙が抄合わせされた段階の湿紙を示す。
【図4】この発明の化粧用脂取紙を製造するための製造
装置の他例を示す概略図である。
【図5】図4に示す製造装置によって製造される湿紙の
断面模式図を示し、(a)は第1抄円網紙機によって抄
紙された段階の湿紙、(b)は(a)の湿紙に第2円網
抄紙機によって抄紙された湿紙が抄合わせされた段階の
湿紙、(c)は透かし模様ロールによって凹凸状の透か
し模様が形成された湿紙を示す。
【図6】この発明の化粧用脂取紙を製造するための製造
装置のさらに他例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 第1円網抄紙機 2 第2円網抄紙機 3 透かし模様付け手段 5、12 湿紙 6 第1円網シリンダー 7、10 クーチロール 9 第2円網シリンダー 14 透かし模様ロール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1抄紙機によって抄紙されフェルトに
    ピックアップされて移送される湿紙に、透かし模様ロー
    ルを圧接することで透かし模様を形成させ、該湿紙に第
    2抄紙機によって抄紙された湿紙を抄合わせすることで
    2層抄合わせされた湿紙に透かし模様を形成させること
    を特徴とする化粧用脂取紙の製造方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも2機以上の抄紙機を連設し、
    先頭の抄紙機によって抄紙されフェルトにピックアップ
    されて移送される湿紙に後続の抄紙機によって抄紙され
    た湿紙が重ねられ多層抄合わせされた湿紙に、透かし模
    様ロールを圧接することで透かし模様を形成させること
    を特徴とする化粧用脂取紙の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記透かし模様ロールによる湿紙への圧
    接が、一対に配設された透かし模様ロールと圧接ロール
    とによってなされることを特徴とする請求項1または2
    記載の化粧用脂取紙の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記透かし模様ロールは、線径0.1〜
    0.5mm、30〜80メッシュの下網に線径0.1〜
    0.5mm、10〜20メッシュの上網が被覆されてな
    ることを特徴とする請求項1、2または3記載の化粧用
    脂取紙の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006291370A (ja) * 2005-04-06 2006-10-26 Daifuku Paper Mfg Co Ltd 抄網構造体、抄紙用円筒シリンダ、抄網構造体を備えた抄紙機及び脂取り紙の製造方法
JP2008081892A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Daio Paper Corp 衛生薄葉用紙
JP2012213481A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Daio Paper Corp 脂取り紙

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