JP2013159866A - クラフト紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】強度及び通気性が高く、積み上げた際に荷崩れが生じにくい袋を得ることができるクラフト紙を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、パルプ繊維を主成分として含むクラフト紙であって、上記クラフト紙を離解して得られたパルプ繊維のフィブリル化率が2.0%以上4.0%以下であることを特徴とする。上記パルプ繊維のカッパー価が40を超え60以下であることが好ましい。当該クラフト紙は、重包装用に好適に用いることができる。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、パルプ繊維を主成分として含むクラフト紙であって、上記クラフト紙を離解して得られたパルプ繊維のフィブリル化率が2.0%以上4.0%以下であることを特徴とする。上記パルプ繊維のカッパー価が40を超え60以下であることが好ましい。当該クラフト紙は、重包装用に好適に用いることができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、クラフト紙に関する。
クラフト紙は、製袋工場で印刷及び製袋され、米や麦、粉体、飼料用等の重包装用の袋材などに使用される。このようなクラフト紙には、破袋の防止のため、引張強さ等の高い強度が要求される。クラフト紙の強度を高めるためには、主成分であるパルプ繊維の叩解を進めて繊維同士の絡みを強くすることで対応することができる。しかし、単に叩解度の高いパルプ繊維を用いると、得られる袋の通気性が下がり、粉体を充填する際に時間を要したり、粉体が飛散しやすくなるという不都合が生じる。
このような中、通気性を高めるべく、カチオン交換能を有する無機系填料と高分子凝集剤とが添加されたクラフト紙が提案されている(特許第3024452号公報参照)。しかし、この方法では、紙表面の凹凸に上記添加剤が埋まることで表面が平滑化され、このため内容物が充填された袋を積み上げて搬送する際に荷崩れが生じやすくなる。また、パルプ繊維以外の添加剤の添加により、繊維の絡み合いが弱まり、紙の強度が低下するという不都合もある。特に、クラフト紙は未晒パルプを主体としており樹脂分を含むため、樹脂分が抄紙薬品と結合して異物化し、引張強度が低下して破袋しやすいという不都合がある。
一方、上述のような搬送の際の荷崩れを防止することを目的として、一定範囲の粒子径を有する製紙用水和珪酸塩からなる填料が内添されたクラフト紙も提案されている(特許第2739799号公報参照)。しかし、このクラフト紙においては、上記填料がパルプ繊維間に入り込むことで通気性が低下し、また、上記と同様に填料の添加により紙の強度が低下するという不都合がある。
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、強度及び通気性が高く、積み上げた際に荷崩れが生じにくい袋を得ることができるクラフト紙を提供することを目的とする。さらには、抄紙薬品の含有量を最小限に抑え、あるいは無配合にしたとしても良好な地合いを得ることができ、強度及び通気性が高く、積み上げた際に荷崩れが生じにくい袋を得ることができるクラフト紙を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、
パルプ繊維を主成分として含むクラフト紙であって、
上記クラフト紙を離解して得られたフィブリル化率が2.0%以上4.0%以下であることを特徴とする。
パルプ繊維を主成分として含むクラフト紙であって、
上記クラフト紙を離解して得られたフィブリル化率が2.0%以上4.0%以下であることを特徴とする。
当該クラフト紙は、このようにフィブリル化率が所定範囲であるパルプ繊維を用いているため、繊維同士の絡み合いと繊維間の空隙の大きさとの度合いのバランスがとれ、強度及び通気性を共に高めることができる。従って、強度が強く、粉体の充填が容易である袋を得ることができる。また、当該クラフト紙によれば、このようにパルプ繊維の調整により強度及び通気性を高めているため、添加剤を多量に用いることを必要とせず、そのためパルプ繊維以外の添加剤を添加することにより生じる防滑性や強度の低下等を抑えることができる。従って、当該クラフト紙を用いることで積み上げた際に荷崩れが生じにくい袋を得ることができる。さらには、フィブリル化率が所定範囲であるパルプ繊維を用いるため、凝集剤や凝結剤等の歩留り剤の含有量を最小限に、あるいは無配合にしたとしても良好な地合いを得ることができ、強度及び通気性が高く、積み上げた際に荷崩れが生じにくい袋を得ることができるクラフト紙を得ることができる。
上記離解パルプ繊維のカッパー価が40を超え60以下であることが好ましい。当該クラフト紙によれば、このようにカッパー価が比較的高いパルプ繊維を用いても、強度の高さを維持することができる。従って、当該クラフト紙は、カッパー価の高いパルプ繊維を用いることで、パルプ製造で発生する廃棄物量を低減することができ、環境に配慮して製造することができる。また、このように高いカッパー価を有するパルプ繊維を用いることで、パルプ繊維に含まれる樹脂分が歩留まり向上剤や紙力増強剤と同様の機能を発揮でき、その結果、添加剤の使用量を低減させることができる。特に、カッパー価が40を超え60以下にすることで、フィブリル化率を2.0〜4.0%に調整することができるため、樹脂分と結合して異物化しやすい凝集剤や凝結剤等の歩留り剤の含有量を最小限に、あるいは無配合にしたとしても良好な地合いを得ることができる。
一般に樹脂分含有率が高い(カッパー価が大きい)ほど、得られる紙の引張強度が向上する。このため、引張強度向上のためにカッパー価を増加させる技術は公知であるが、樹脂分は抄紙薬品と結合して異物化しやすく、引張強度が低下して破袋しやすい問題があった。このためクラフト紙、特に重包装用のクラフト紙はカッパー価を40以下に抑え破袋を防止するのが一般的であり、カッパー価を向上させようとする動機はない。しかしながら、問題にならないレベルではあるが、カッパー価が40以下の場合でも抄紙薬品と樹脂分とが結合して異物が発生しており、破袋が発生しやすい傾向はある。
このため発明者らは、より破袋しにくいクラフト紙を開発すべく鋭意検討した結果、抄紙薬品の中でも凝集剤や凝結剤などの歩留り剤が樹脂分、特にリグニンと結合して異物化し強度が低下しやすいことを見出した。さらに、歩留り剤を最小限度に抑えること、特に歩留り剤を含有しなければ、樹脂分を多く含有させても異物が発生しないことを見出した。そして、カッパー価が40を超え60以下にすることで、フィブリル化率を2.0〜4.0%とすることができ、凝集剤や凝結剤などの歩留り剤がなくとも良好な地合いを得ることができるため、強度及び通気性が高く、積み上げた際に荷崩れが生じにくい袋を得ることができるクラフト紙が得られることを見出し、本発明を完成させたものである。
このように、当該クラフト紙は重包装用として好適に用いることができる。
ここで、パルプ繊維の「フィブリル化率」とは、クラフト紙をJIS−P8220:1998「パルプ−離解方法」で離解して得られたパルプ繊維について、FiberLab.(Kajaani社)を用いて測定した値をいう。「カッパー価」とは、クラフト紙をJIS−P8220:1998「パルプ−離解方法」で離解して得られたパルプ繊維について、JIS−P8211に準じて測定した値をいう。「質量加重平均繊維長」とは、クラフト紙をJIS−P8220:1998「パルプ−離解方法」で離解して得られたパルプ繊維について、JIS−P8226−2:2011「パルプ−光学的自動分析法による繊維長測定方法−第2部:非偏光法」で測定した値をいう。「透気度」とは、JIS−P8117:1998「紙及び板紙−透気度及び透気抵抗度試験方法(中間領域)−ガーレー法」に準じて測定した値をいう。「滑り角度」とは、JIS−P8147:「紙及び板紙―静及び動摩擦係数の測定方法」に準じて傾斜法にて測定した値をいう。「引張強さ(縦・横)」とは、JIS−P8113:「紙及び板紙―引張特性の試験方法」に準じて測定した値をいう。「引張伸張率(縦・横)」とは、JIS−P8113:「紙及び板紙―引張特性の試験方法―第2部定速伸張法」に準じて測定した値をいう。
以上説明したように、本発明のクラフト用紙は、強度及び通気性が高く、積み上げた際に荷崩れが生じにくい袋を得ることができ、重包装用として好適に用いることができる。さらには、凝集剤や凝結剤等の歩留り剤の含有量を最小限に、あるいは無配合にしたとしても良好な地合いを得ることができ、強度及び通気性が高く、積み上げた際に荷崩れが生じにくい袋を得ることができるクラフト紙を得ることができる。
以下、本発明のクラフト用紙の実施の形態を詳説する。
<パルプ繊維>
本発明のクラフト紙は、パルプ繊維を主成分として含む。
本発明のクラフト紙は、パルプ繊維を主成分として含む。
繊維同士の絡み合いは繊維のフィブリル化が進むことで向上し、そのフィブリル化の程度は、例えばFiberLab.(Kajaani社)を用いて測定したフィブリル化率(Fibrillation)により評価することができる。上記パルプ繊維のフィブリル化率は、2.0%以上4.0%以下であり、2.2%以上3.8%以下が好ましく、2.5%以上3.5%以下がより好ましい。フィブリル化率が2.0%未満の場合は、フィブリル化が進んでいないため、繊維同士の絡みが少なくなり、強度や防滑性が低下する。逆に、フィブリル化率が4.0%を超える場合は、繊維同士の絡みが強くなりすぎ、紙層の空隙が減少し、通気性が悪くなる。
上記パルプ繊維の質量加重平均繊維長は、2.0mm以上3.5mm以下が好ましく、2.2mm以上3.3mm以下がより好ましく、2.4mm以上3.0mm以下が最も好ましい。この加重平均繊維長が2.0mm未満の場合は、繊維が短かすぎて強度が低下したり、紙層の空隙が減少し、その結果、通気性が低下しやすく、紙表面が平坦になることで滑りやすい紙となる。逆に、質量加重平均繊維長が3.5mmより大きい場合は、紙層の空隙が大きくなりすぎ、袋として用いた場合に粉体を封入する際、空隙に粉体が入り込んで破袋が生じやすくなったり、紙層から粉体が抜け出る可能性がある。
本発明においては、このようにフィブリル化率を特定範囲内に調整することで、より高い通気性と強度との両方を有するクラフト紙が得られる。従って、強度が強く、粉体の充填が容易である袋を得ることができる。また、当該クラフト紙によれば、このようにパルプ繊維の調整により強度及び通気性を高めているため、添加剤を多量に用いることを必要とせず、そのためパルプ繊維以外の添加剤を添加することにより生じる防滑性や強度の低下等を抑えることができる。従って、当該クラフト紙を用いることで積み上げた際に荷崩れが生じにくい袋を得ることができる。
上記パルプ繊維のフィブリル化率については、例えば、叩解の方式が粘状叩解に決まってしまえば、叩解に関する他の条件がどのようなものであれ、フィブリル化率の値が一義的に決まってしまうというような単純なものではない。つまり、パルプ繊維のフィブリル化率は、叩解の方式(粘状叩解かカッティング叩解かの選択等)以外の様々な条件によって大きく変動する。例えば、叩解に用いる刃の大きさ、形状や角度、ビッカース硬度、クリアランスのような装置特性に関する項目、あるいは叩解を行う際の濃度、温度やpHといった工程変数に関する項目によっても、得られるフィブリル化率が大きく変動する。これらを調整することで、上記所定範囲のフィブリル化率を有するパルプ繊維を得ることができる。
例えば、パルプ繊維は、叩解機として公知のダブルディスクリファイナー、シングルディスクリファイナー、コニカルリファイナー1台以上を使い叩解することができる。好ましくは、叩解機を2台以上直列に繋ぎ、2回以上の叩解を行うとよい。この際、1台目の叩解機には刃の角度が小さいプレートを入れ、パルプ繊維をカッティングするように叩解し、繊維長の調整を行う。2台目の叩解機には刃の角度が大きいプレートを入れ、パルプ繊維を毛羽立たせるように叩解する。このように2台の叩解機を用いることで、1台の叩解機で1回のみ叩解するより、平均繊維長やフィブリル化率を調整しやすくなる。1台目の叩解機は、いわゆるカッティグ叩解を行うものであり、ディスクプレートの刃の角度は0°以上10°未満が好ましい。2台目の叩解機は、いわゆる粘状叩解を行うものであり、刃の角度は10°以上20°未満が好ましい。
叩解の際の濃度(叩解濃度)は、3.0%以上5.0%以下とすることが好ましい。3.0%未満の場合は、十分にフィブリル化した繊維を得られにくく、繊維同士の絡みが少なくなり、強度が低下する場合がある。逆に、叩解濃度が5.0%を超える場合は、繊維同士の絡みが強くなりすぎ、紙層の空隙が減少し、通気性が悪くなる場合がある。
離解パルプ繊維のカッパー価は、40を超え60以下であることが好ましく、45以上55以下であることがより好ましい。カッパー価はパルプ中の樹脂分量、特にリグニン量を示す指標であり、この値が高いほど樹脂分量が多い。すなわち、樹脂分は抄紙工程において添加剤と結合し異物化するとパルプ繊維のセルロース部分に比べて硬く大きくなり、繊維間結合を阻害して紙の強度を低下させやすい。従って、通常、クラフト紙においてはカッパー価を40以下に抑えることで、JIS−P3401「クラフト紙」に規定する引張強さ及び伸びを達成している。通常のクラフト紙においては、カッパー価が40超と高くなると、樹脂分が異物化し繊維間結合を阻害してクラフト紙としての強度が得られなくなる。しかしながら、本発明においては、前述のとおりフィブリル化率を特定範囲内に調整しているため、パルプ繊維のセルロース部分が樹脂分と絡みやすく強度低下が発生せず、カッパー価が高いパルプ繊維を用いることができる。なお、カッパー価が高くなるほどパルプ製造で発生する廃棄物量が低減できるため、このようにカッパー価が高いパルプ繊維を用いることで、環境により配慮したクラフト紙を得ることができる。また、このように高いカッパー価を有するパルプ繊維を用いることで、パルプ繊維に含まれる樹脂分が歩留まり向上剤や紙力増強剤と同様の機能を発揮でき、その結果、添加剤の使用量を低減させることができる。なお、上記パルプ繊維のカッパー価が60を超えると、当該クラフト紙の強度が低下するおそれがある。
<パルプの平均繊維断面積>
上記パルプの平均繊維断面積は、当該クラフト紙を離解した後の離解パルプにおいて、200μm2以上600μm2以下が好ましく、220μm2以上500μm2以下がより好ましい。上記断面積を上記範囲とすることで、クラフト紙の引張強さと透気度とを共に高めることができる。
上記パルプの平均繊維断面積は、当該クラフト紙を離解した後の離解パルプにおいて、200μm2以上600μm2以下が好ましく、220μm2以上500μm2以下がより好ましい。上記断面積を上記範囲とすることで、クラフト紙の引張強さと透気度とを共に高めることができる。
上記断面積が200μm2を下回ると、繊維が細すぎるため繊維同士が絡みやすく引張強さは向上しやすいが、原紙が密に詰まり過ぎて透気度が低下しやすく、防滑性も低下しやすい。逆に、上記断面積が600μm2を超えると、透気性には優れるものの、繊維同士の絡み合いが少なくなり引張強さが低下しやすくなる。
このような平均繊維断面積を有するパルプを用いるためには、上記平均繊維断面積を有するパルプ繊維を多く含む樹種をパルプ原料として使用することが好ましい。このような樹種としては、針葉樹であればモミ、エゾマツ、ヒメコマツ、スギ、ヒノキ、ヒバなどが好ましく、スギが更に好ましい。カラマツ、アカマツ、クロマツなどは平均繊維断面積が大きくなりやすく、繊維同士の絡み合いが少なくなり引張強さが低下しやすい。また、ツガは平均繊維断面積が小さくなりやすく、原紙が密になり透気性が低下しやすい。また、広葉樹であれば、ドロノキ、ミズナラ、アカガシ、シイノキ、ケヤキ、カツラ、シナノキ、ハリギリ、ヤチダモなどが好ましく、ケヤキが更に好ましい。マカンバやキリは平均繊維断面積が大きくなりやすく、ブナは平均繊維断面積か小さくなりやすい。
上記平均繊維断面積を上記範囲内とする方法は、上述のように樹種を選定することに限定されるものではなく、例えばパルプ製造工程における蒸解条件や、調成工程における叩解条件を適宜変更することで平均繊維断面積を調整することも可能である。
なお、平均繊維断面積は、クラフト紙をJIS−P8220:1998「パルプ−離解方法」に準じて離解し、FiberLab.(Kajaani社)を用いて測定することができる。
<ルンケル比>
ルンケル比は、細胞壁の2倍を繊維内腔径の直径で割った値であり、ルンケル比が小さいほど細胞壁が薄く繊維内腔径が大きいため、柔軟性に優れ繊維同士の絡み合いが良好となる。しかし、過度に小さい場合はパルプ繊維そのものの強度が低下するだけでなく、繊維が潰れて透気度が増加し、かつ防滑性が低下する傾向がある。一方、ルンケル比が大きいほど細胞壁が厚く繊維内腔径が小さいため、強度が向上でき、紙表面が粗く防滑性に優れる。しかし、過度に大きい場合は引張伸長率が悪化しやすい傾向がある。
ルンケル比は、細胞壁の2倍を繊維内腔径の直径で割った値であり、ルンケル比が小さいほど細胞壁が薄く繊維内腔径が大きいため、柔軟性に優れ繊維同士の絡み合いが良好となる。しかし、過度に小さい場合はパルプ繊維そのものの強度が低下するだけでなく、繊維が潰れて透気度が増加し、かつ防滑性が低下する傾向がある。一方、ルンケル比が大きいほど細胞壁が厚く繊維内腔径が小さいため、強度が向上でき、紙表面が粗く防滑性に優れる。しかし、過度に大きい場合は引張伸長率が悪化しやすい傾向がある。
本発明においては、上述のとおり平均繊維断面積を200μm2以上600μm2以下、好ましくは220μm2以上500μm2以下にすることに加えて、パルプ繊維のルンケル比を0.5以上3.0以下、好ましくは0.6以上2.8以下にすることで、より繊維同士の絡み合いが良好であり引張強さを強くでき、透気度も低減できるのみならず、防滑性も向上させることができる。
平均繊維断面積を200μm2以上600μm2以下、好ましくは220μm2以上500μm2以下に調整したとしても、ルンケル比が上記の好適な範囲を下回ると引張強さ、透気度、防滑性のいずれも悪化しやすくなり、ルンケル比が上記の好適な範囲を超過すると引張伸長率が低下しやすく破袋しやすくなる場合がある。
なお、ルンケル比は、クラフト紙をJIS−P8220:1998「パルプ−離解方法」で離解して得られたパルプ繊維について、FiberLab.(Kajaani社)を用いて、次の式に従って算出することができる。
(ルンケル比)=(繊維壁厚の2倍)/(繊維内腔径)
(繊維内腔径)=繊維幅−(繊維壁厚の2倍)
(ルンケル比)=(繊維壁厚の2倍)/(繊維内腔径)
(繊維内腔径)=繊維幅−(繊維壁厚の2倍)
上記離解パルプ繊維のフリーネスとしては、400cc以上700cc以下が好ましい。このようなフリーネスのパルプ繊維を用いることで、繊維同士の絡み合い度合い及び空隙がより好ましい状態となり、当該クラフト紙の透気性及び強度をよりバランスよく発揮させることができる。ここで、フリーネスとは、JIS−P8121に規定されるカナダ標準形ろ水度試験機を用いて測定した値をいう。
上記パルプ繊維の原料となる原料パルプとしては特に限定されず、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NUKP)、古紙パルプ(DIP)、機械パルプ(TMP)等公知のものをいずれか1種類あるいは2種類以上を混合して使用することができる。
これらの中でも、NUKPとLUKPとを混合して用いるか、NUKPのみを用いることが好ましい。これらを用いることで、好ましくは重包装用のクラフト紙として必要な通気性、防滑性、引張強度、引張伸長率等を高めることができる。また、NUKPとLUKPとの質量比としては、60:40以上100:0以下が好ましく、70:30以上100:0以下が更に好ましい。NUKPが主となるこのような質量比とすることで、滑り角度、引張強度、引張伸長率等をバランスよく更に高めることができる。
当該クラフト紙は、上記パルプ繊維を含むパルプスラリーを抄紙して得られる。抄紙の方法としては、特に限定されず、クラフト紙の製造の際に用いられる公知の抄紙機を使用する方法を挙げることができる。
<添加剤>
上記パルプスラリーには、パルプ繊維以外の添加剤を含有させることができる。上記添加剤としては、硫酸バンド、紙力剤、サイズ剤、歩留まり向上剤(凝集剤、凝結剤等)など、通常のクラフト紙の製造の際に使用されるものを挙げることができる。
上記パルプスラリーには、パルプ繊維以外の添加剤を含有させることができる。上記添加剤としては、硫酸バンド、紙力剤、サイズ剤、歩留まり向上剤(凝集剤、凝結剤等)など、通常のクラフト紙の製造の際に使用されるものを挙げることができる。
上記硫酸バンドの添加量としては、パルプ繊維100質量部に対して0.2〜1.5質量部とすることができる。
上記紙力剤としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。具体的には、ポリアクリルアミド、カチオン化澱粉、カルボキシメチルセルロース等を1種又は2種以上を混合して用いることができる。上記紙力剤の添加量としては、パルプ繊維100質量部に対して0〜1.0質量部とすることができる。
この中でも置換度(グルコース単位一ユニットあたりに導入されたカチオン基の平均個数)が0.10以上0.50以下であるカチオン化澱粉を含有させることが好ましく、置換度が0.20以上0.40以下であることがより好ましい。この範囲でカチオン性基を含むカチオン化澱粉を用いた場合、カッパー価が40を超えて60以下のパルプ繊維表面のアニオン性部分に対して定着しやすいため、パルプ繊維同士の結合強度を向上でき引張強さを向上させることができる。置換度が0.10を下回ると、カチオン化澱粉がパルプ繊維に定着しにくくなり、引張強さの向上効果が得られにくい。置換度が0.50を超過すると、パルプ繊維のみならず、抄紙系内の樹脂分と結合して異物化しやすくなり、引張強さが低下しやすくなる。
上記サイズ剤としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。具体的には、ロジンサイズ剤、エマルジョンサイズ剤、アルケニルコハク酸無水物、アルキルテケンダイマー等の公知のものを1種あるいは2種以上使用できる。この中でも、酸性ロジンエマルジョンサイズ剤を用いることが好ましい。中性サイズ剤を用いると、未晒パルプ中のピッチ分が凝集し、欠陥の原因となる可能性がある。上記サイズ剤の添加量としては、パルプ繊維100質量部に対して0.05〜0.5質量部とすることができる。
上記パルプスラリーにおけるパルプ繊維以外の上記添加物の含有量が、パルプ繊維100質量部に対して2質量部以下であることが好ましく、1.5質量部以下であることがより好ましい。このようにパルプ繊維以外の添加物の含有量を少なくすることで、強度の低下や荷崩れの発生をさらに低減することができる。特に当該クラフト紙によれば、パルプ繊維の質量加重平均繊維長、フィブリル化率をはじめ、好ましくはカッパー値、平均繊維断面積、ルンケル比等を特定範囲に調整しているため、添加物の含有量を少なくしても高い強度を有し、かつ、優れた通気性や防滑性等を発揮することができる。
さらには、本発明において樹脂分量の多い(カッパー価の高い)パルプ繊維をもちいた場合、樹脂分そのものが歩留り剤や紙力増強剤のごとく作用するため、パルプに含有させる凝集剤や凝結剤などの歩留り向上剤の使用量を低減でき、特には歩留り薬品が無配合であっても、地合いが良く引張強さ及び伸びに優れたクラフト紙が得られる。同様に、各種紙力増強剤の使用量を低減でき、特には各種紙力増強剤が無配合であっても、高い強度を有するクラフト紙が得られる。これにより、各種薬品の配合量を抑えた、より環境対応型のクラフト紙を得ることができる。
なお、上記パルプスラリーにおけるパルプ繊維以外の上記添加物の含有量の下限としては、特に限定されず、0質量部とすることもできるが、添加剤の機能を十分に発揮させるために、0.5質量部が好ましい。
当該クラフト紙においては、抄紙機等により抄紙した後、基紙表面に塗工を行ってもよい。この塗工は、シムサイザー、ゲートロール、2ロールサイズプレスなど公知の塗工機を用いて行うことができる。塗工の塗工液としては、酸化澱粉、高分子PAM、サイズ剤など公知の薬品を1種類あるいは2種類以上混合して用いることができる。
<品質等>
当該クラフト紙のJIS−P8117に準拠した透気度は、30秒以下が好ましく、25秒以下がより好ましく、20秒以下がさらに好ましい。透気度が30秒より高いと、粉体を送風しながら封入する際、空気が素早く抜けず、封入に時間を要することとなる。また、飼料袋のように上方から内容物を落下させる場合は空気の抜けが悪く、破袋の可能性がある。なお、透気度の下限としては特に限定されないが、例えば、5秒であり、10秒が好ましい。
当該クラフト紙のJIS−P8117に準拠した透気度は、30秒以下が好ましく、25秒以下がより好ましく、20秒以下がさらに好ましい。透気度が30秒より高いと、粉体を送風しながら封入する際、空気が素早く抜けず、封入に時間を要することとなる。また、飼料袋のように上方から内容物を落下させる場合は空気の抜けが悪く、破袋の可能性がある。なお、透気度の下限としては特に限定されないが、例えば、5秒であり、10秒が好ましい。
当該クラフト紙のJIS−P8147に準拠した滑り角度は、25度以上であることが好ましい。このような滑り角度を有するクラフト紙によれば、内容物を封入した重袋を積み上げた際の荷崩れの発生を低減することができる。なお、この滑り角度の上限としては特に限定されないが、例えば、40度である。
当該クラフト紙のJIS−P8113に準拠した引張強さ縦が4.5kN/m以上、引張強さ横が2.2kN/m以上、引張伸長率縦が2.0%以上、引張伸長率横が4.0%以上であるとよい。このような引張強さ及び引張伸張率を有するクラフト紙は、強度が高く重包装用としてより好適である。
なお、クラフト紙はJIS−P3401「クラフト紙」に規定するとおり、一定以上の引張強さ及び伸びを満足することが求められ、実使用上は上述のとおり透気度と滑り角度も所定範囲内に調整する必要がある。しかしながら引張強さを向上させるためにパルプの叩解を進めると、繊維同士の絡み合いが多くなり透気度が30秒以上になりやすく、また表面平滑性が高くなり滑り角度が低下する。一方で、叩解を進めない場合は、そもそも引張強度が得られない問題がある。そのため発明者らは鋭意検討した結果、上述のように重量平均繊維長及びフィブリル化率を特定範囲内にすることで、引張強度を高く保ちながら、透気度及び滑り角度を所定範囲内に収めることを見出し、本発明を完成させたものである。
当該クラフト紙のJIS−P8113に準拠した引張強さ縦は4.5kN/m以上、引張強さ横は2.2kN/m以上であるとよい。このような引張強さを有する当該クラフト紙は、強度が強く重包装用として好適である。なお、上記引張強さ縦及び横の上限としては特に限定されないが、例えば、それぞれ8kN/m、及び4kN/mとすることができる。
当該クラフト紙の引張伸長率縦は、2.0%以上、引張伸長率横は4.0%以上であるとよい。このような引張伸張率を有するクラフト紙は、強度が高く重包装用として好適である。なお、上記引張伸張率縦及び横の上限としては特に限定されないが、例えば、それぞれ3.0%、及び6.5%とすることができる。
当該クラフト紙の坪量としては、特に限定されないが、例えば65g/m2以上85g/m2とすることができる。
当該クラフト紙は重包装用として好適に用いることができる。すなわち、当該クラフト紙は、粉体、米・麦、飼料などが充填される重袋に加工して用いることをできる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
原料パルプとして針葉樹未晒クラフトパルプ(スギ:NUKP)100質量部を用いフリーネスが580ccとなるよう叩解してパルプ繊維を得て、原料パルプスラリーを調整した。具体的な叩解条件は以下のとおりである。2台の叩解機を直列に繋いだものを用いた。一台目の叩解機の刃の角度は5°に、二台目の叩解機の刃の角度は15°に調整して用いた。なお、叩解濃度は4.0%とした。
原料パルプとして針葉樹未晒クラフトパルプ(スギ:NUKP)100質量部を用いフリーネスが580ccとなるよう叩解してパルプ繊維を得て、原料パルプスラリーを調整した。具体的な叩解条件は以下のとおりである。2台の叩解機を直列に繋いだものを用いた。一台目の叩解機の刃の角度は5°に、二台目の叩解機の刃の角度は15°に調整して用いた。なお、叩解濃度は4.0%とした。
この原料パルプスラリーに、パルプ繊維100質量部に対して、カチオン化澱粉(日本コーンスターチ社製 キャスターチM、置換度0.3)を固形分換算で0.5質量部、サイズ剤(ロジンエマルジョン、ハリマ化成社製NES555)を固形分換算で0.25質量部、硫酸バンド(大明化学工業社製 液体硫酸アルミニウム)を固形分で0.75質量部を配合し、多筒ツインワイヤー抄紙機に供給し、坪量75g/m2の実施例1のクラフト紙を得た。なお、パルプスラリーにおけるパルプ繊維以外の添加剤の合計の含有量は、パルプ繊維100質量部に対して、1.5質量部となる。
[実施例2〜5、9〜16、比較例1〜4]
原料パルプの叩解条件等を変更してパルプ繊維の品質(平均繊維長、フィブリル化率、ルンケル値及び平均繊維断面積)を表1に示すものに変えたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2〜5、9〜16及び比較例1〜4のクラフト紙を得た。
原料パルプの叩解条件等を変更してパルプ繊維の品質(平均繊維長、フィブリル化率、ルンケル値及び平均繊維断面積)を表1に示すものに変えたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2〜5、9〜16及び比較例1〜4のクラフト紙を得た。
[実施例6及び7]
蒸解条件が異なり、実施例1とはカッパー価が異なるパルプ繊維(カッパー値は表1に示す)を用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例6及び7のクラフト紙を得た。
蒸解条件が異なり、実施例1とはカッパー価が異なるパルプ繊維(カッパー値は表1に示す)を用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例6及び7のクラフト紙を得た。
[実施例8]
カチオン化澱粉の配合量を0.2質量部、サイズ剤の配合量を0.1質量部、硫酸バンドの配合量を0.2質量部としたこと以外は実施例1と同様にして実施例8のクラフト紙を得た。なお、パルプスラリーにおけるパルプ繊維以外の添加剤の合計の含有量は、パルプ繊維100質量部に対して、0.5質量部となる。
カチオン化澱粉の配合量を0.2質量部、サイズ剤の配合量を0.1質量部、硫酸バンドの配合量を0.2質量部としたこと以外は実施例1と同様にして実施例8のクラフト紙を得た。なお、パルプスラリーにおけるパルプ繊維以外の添加剤の合計の含有量は、パルプ繊維100質量部に対して、0.5質量部となる。
[評価]
得られた各クラフト紙の品質等を以下の基準にて測定した。測定結果を表1に示す。
得られた各クラフト紙の品質等を以下の基準にて測定した。測定結果を表1に示す。
<質量加重平均繊維長>
クラフト紙をJIS−P8220:1998「パルプ−離解方法」で離解して得られたパルプ繊維について、FiberLab.(Kajaani社)を用いて、JIS−P8226−2:2011「パルプ−光学的自動分析法による繊維長測定方法−第2部:非偏光法」に準じて測定した。
クラフト紙をJIS−P8220:1998「パルプ−離解方法」で離解して得られたパルプ繊維について、FiberLab.(Kajaani社)を用いて、JIS−P8226−2:2011「パルプ−光学的自動分析法による繊維長測定方法−第2部:非偏光法」に準じて測定した。
<フィブリル化率>
クラフト紙をJIS−P8220:1998「パルプ−離解方法」で離解して得られたパルプ繊維について、FiberLab.(Kajaani社)を用いて、フィブリル化率を測定した。
クラフト紙をJIS−P8220:1998「パルプ−離解方法」で離解して得られたパルプ繊維について、FiberLab.(Kajaani社)を用いて、フィブリル化率を測定した。
<ルンケル比>
ルンケル比はFiberLab(Kajaani社)により測定された繊維幅、繊維壁厚より算出される。本発明で用いるルンケル比は、R.O.H.Runkelが1940年にWachbl.Papierfabr誌上で発表したパラメータであり、(ルンケル比)=(繊維壁厚の2倍)/(繊維内腔径)で算出される。ルンケル比が大きいほど剛直な繊維であることを示している。
クラフト紙を離解した後のパルプのルンケル比は、以下の方法にて調べた。
クラフト紙をJIS−P8220:1998「パルプ−離解方法」で離解して得られたパルプ繊維について、FiberLab.(Kajaani社)を用いて、次の式に従って算出した。
(ルンケル比)=(繊維壁厚の2倍)/(繊維内腔径)
(繊維内腔径)=繊維幅−(繊維壁厚の2倍)
ルンケル比はFiberLab(Kajaani社)により測定された繊維幅、繊維壁厚より算出される。本発明で用いるルンケル比は、R.O.H.Runkelが1940年にWachbl.Papierfabr誌上で発表したパラメータであり、(ルンケル比)=(繊維壁厚の2倍)/(繊維内腔径)で算出される。ルンケル比が大きいほど剛直な繊維であることを示している。
クラフト紙を離解した後のパルプのルンケル比は、以下の方法にて調べた。
クラフト紙をJIS−P8220:1998「パルプ−離解方法」で離解して得られたパルプ繊維について、FiberLab.(Kajaani社)を用いて、次の式に従って算出した。
(ルンケル比)=(繊維壁厚の2倍)/(繊維内腔径)
(繊維内腔径)=繊維幅−(繊維壁厚の2倍)
<カッパー価>
クラフト紙をJIS−P8220:1998「パルプ−離解方法」で離解して得られたパルプ繊維について、JIS−P8211に準じてカッパー価を測定した。
クラフト紙をJIS−P8220:1998「パルプ−離解方法」で離解して得られたパルプ繊維について、JIS−P8211に準じてカッパー価を測定した。
<パルプ繊維の平均繊維断面積(単位:μm2)>
クラフト紙をJIS−P8220:1998「パルプ−離解方法」に準じて離解し、FiberLab.(Kajaani社)を用いて、パルプ繊維の平均繊維断面積を測定した。
クラフト紙をJIS−P8220:1998「パルプ−離解方法」に準じて離解し、FiberLab.(Kajaani社)を用いて、パルプ繊維の平均繊維断面積を測定した。
<内容物充填時の破袋枚数>
得られたクラフト紙を袋に加工し、2層からなる630mm×495mmの縦長の重袋を製造し、微粉末状粒子として平均粒径が0.6μmの製粉を20kg充填した。充填は風送自動充填及び自動封緘工程で行った。
この充填の際の破れ枚数を以下の基準で評価した。
◎:破れが1000枚中0枚
○:破れが1000枚中1枚
△:破れが1000枚中2枚
×:破れが1000枚中3枚以上
得られたクラフト紙を袋に加工し、2層からなる630mm×495mmの縦長の重袋を製造し、微粉末状粒子として平均粒径が0.6μmの製粉を20kg充填した。充填は風送自動充填及び自動封緘工程で行った。
この充填の際の破れ枚数を以下の基準で評価した。
◎:破れが1000枚中0枚
○:破れが1000枚中1枚
△:破れが1000枚中2枚
×:破れが1000枚中3枚以上
<内容物充填時間>
上記充填の際の充填完了までの時間を以下の基準で評価した。
◎:8秒以下
○:8〜10秒
△:10〜15秒
×:16秒以上
上記充填の際の充填完了までの時間を以下の基準で評価した。
◎:8秒以下
○:8〜10秒
△:10〜15秒
×:16秒以上
<荷崩れ回数>
上記のようにして得られた袋を用い、製粉20kg袋を50袋パレットに乗せ、シュリンクを巻き、フォークリフトでの横持ちを実施し、荷崩れした回数を測定し、以下の基準で評価した。
◎:0回/1,000m横持ち
○:1回/1,000m横持ち
△:2回/1,000m横持ち
×:3回以上/1,000m横持ち
上記のようにして得られた袋を用い、製粉20kg袋を50袋パレットに乗せ、シュリンクを巻き、フォークリフトでの横持ちを実施し、荷崩れした回数を測定し、以下の基準で評価した。
◎:0回/1,000m横持ち
○:1回/1,000m横持ち
△:2回/1,000m横持ち
×:3回以上/1,000m横持ち
上記表1に示されるように、実施例のクラフト紙によれば、所定範囲の平均繊維長とフィブリル化率とを有するパルプ繊維を用いることで、破袋枚数が少なく(強度が強く)、充填時間が短く、荷崩れが生じにくい重袋を得ることができた。
以上説明したように、本発明のクラフト紙は、強度及び通気性が高く、積み上げた際に荷崩れが生じにくい袋を得ることができ、重袋の素材として好適に用いることができる。
Claims (3)
- パルプ繊維を主成分として含むクラフト紙であって、
上記クラフト紙を離解して得られた離解パルプ繊維のフィブリル化率が2.0%以上4.0%以下であることを特徴とするクラフト紙。 - 上記離解パルプ繊維のカッパー価が40を超え60以下である請求項1に記載のクラフト紙。
- 重包装用である請求項1又は請求項2に記載のクラフト紙。
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2012
- 2012-02-01 JP JP2012020275A patent/JP2013159866A/ja active Pending
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