JP2012213254A - 電源電圧位相の検出装置及び電源電圧位相の検出方法 - Google Patents

電源電圧位相の検出装置及び電源電圧位相の検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成で逐次的に電源電圧位相を高精度に検出することが可能な電源電圧位相の検出装置及び電源電圧位相の検出方法を提供すること。
【解決手段】
多相電源電圧の位相を検出する電源電圧位相の検出装置であって、前記多相電源電圧の相電圧又は線間電圧を直交固定座標系に変換した後、前記直交固定座標系から、前記多相のうち任意の相のピーク電圧を示す電圧軸と、同電圧軸に直交する電圧軸とを持つ直交回転座標系に変換する座標系変換手段と、前記直交する電圧軸の軸上の電圧値が0になるように、前記直交回転座標系に変換するための位相を調整する位相調整手段と、を備え、前記直交回転座標系に変換するための位相を、前記任意の相の電圧の位相として推定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電源電圧位相の検出装置及び電源電圧位相の検出方法に関する。
商用電源電圧位相に同期した信号は、コンバータ等の電力変換装置を制御する場合に多く使用される。商用電源電圧位相の検出方法として、一般的に、電圧波形(の分圧値)と0Vを比較器で比較して、0クロスポイントで反転する矩形波パルスを生成する方法が使用されている。かかる方法によれば、矩形波パルスのエッジ間の時間を計測することにより、商用電源電圧の半周期時間が分かり、さらに、この半周期時間を等分割することにより、各ポイントの位相を知ることができる。
しかしながら、かかる方法では、比較的安価に電源電圧位相を検出することができるが、比較器にノイズなどが混入した場合に、電源電圧位相を誤検出するおそれがある。また、このノイズを除去するためにフィルタを挿入することが考えられるが、遅延時間などを考慮してフィルタ設計をしなくてはならない。また、0クロス間の時間を測定するため、得られる周期情報は少なくとも半周期前のものとなり、逐次的に電源電圧位相を検出することができない。このように、0クロス点による電源電圧位相の検出方法は、使用するノイズ環境を勘案したフィルタ設計と、その効果と相反する遅延時間の配慮など、設計が難しくなる上、信頼性も低下するという問題がある。
上記のノイズ対策や逐次的な位相出力を行うものとして、特許文献1が公知である。かかる特許文献1の双方向コンバータでは、電圧フィードバック検出器が、AC電源電圧信号を入力して相間電圧を生成し、電気角演算手段は、相間電圧を用いてAC電源の電圧ベクトルを生成して、位相角(電気角)θを演算し、3相−2相電流フィードバック演算器は、この演算された位相角θを用いて電流フィードバックの座標変換を行い、2相−3相電圧指令演算器は、当該位相角θを用いて電圧指令の座標変換を行う。また、特許文献1の双方向コンバータでは、ノイズ除去動作を、固定座標系において2相変換して求めた位相角θを微分器に通じて各周波数に戻してフィルタリングすることによって実現している。
特開2006−187082号公報
しかしながら、特許文献1では、電気角θを微分器に通すことはノイズ成分を増加させる働きがあり、急峻な変化は後段の電気角モデル演算器による積分動作でも取り切れない可能性がある。このノイズは電気角差分周波数制御器の出力に影響して位相角の誤差を招くおそれがある。また、商用周波数の違いによって回路チューニングが異なることも考慮する必要がある。さらに、制御のフローが、位相→角周波数→位相→差分角周波数→位相と状態が何度も変化するため、全体の回路調整が複雑となり、設計が難しくなるという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡単な構成で逐次的に電源電圧位相を高精度に検出することが可能な電源電圧位相の検出装置及び電源電圧位相の検出方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、多相電源電圧の位相を検出する電源電圧位相の検出装置であって、前記多相電源電圧の相電圧又は線間電圧を直交固定座標系に変換した後、前記直交固定座標系から、前記多相のうち任意の相のピーク電圧を示す電圧軸と、同電圧軸に直交する電圧軸とを持つ直交回転座標系に変換する座標系変換手段と、前記直交する電圧軸の軸上の電圧値が0になるように、前記直交回転座標系に変換するための位相を調整する位相調整手段と、を備え、前記直交回転座標系に変換するための位相を、前記任意の相の電圧の位相として推定することを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記多相電源電圧は、3相電源電圧であって、
前記座標変換手段は、前記直交固定座標系のうち、前記任意の相の軸と同じ向きの軸をα軸、同α軸に直交する軸をβ軸としたとき、前記3相電源電圧を前記直交固定座標系に変換した場合の前記α軸上の電圧をVα、前記β軸上の電圧をVβとし、前記直交回転座標系のうち、前記任意の相のピーク電圧を示す電圧軸をP軸、同P軸に直交する電圧軸をZ軸としたとき、前記直交固定座標系上の電圧VαとVβを前記直交回転座標系に変換した場合の、前記P軸上の電圧をVP、前記Z軸上の電圧をV、前記α軸から前記Z軸までの前記位相をθとした場合、前記直交固定座標系から前記直交回転座標系への変換は、
下式(3)で行うことが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記位相調整手段は、PI制御により、前記直交する電圧軸の電圧値が0になるように、前記直交回転座標系に変換するための位相を演算して、前記座標回転手段にフィードバックして位相を推定することが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記推定された位相は、AC−DCコンバータで使用されることが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記任意の相の電圧の電圧値をA/D変換して、変換後の数値データを用いて位相を推定することが望ましい。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、多相電源電圧の位相を検出する電源電圧位相の検出方法であって、前記複多相電源電圧の相電圧又は線間電圧を直交固定座標系に変換した後、前記直交固定座標系から、前記多相のうち任意の相のピーク電圧を示す電圧軸と、前記軸に直交する電圧軸を持つ直交回転座標系に変換する工程と、前記直交する電圧軸の軸上の電圧値が0になるように、前記直交回転座標系に変換するための位相を調整する工程と、を含み、前記直交回転座標系に変換するための位相を、前記任意の相の電圧の位相として推定することを特徴とする。
本発明によれば、簡単な構成で逐次的に電源電圧位相を高精度に検出することが可能な複相電源電圧位相の検出装置を提供することが可能になるという効果を奏する。
図1は、本発明の電源電圧位相の検出装置を適用したコンバータ装置の概略を示すブロック図である。 図2は、位相推定器の構成を示すブロック図である。 図3は、位相推定器内の座標定義(R−S−T座標系、α−β座標系、P−Z座標系)を説明するための図である。 図4は、R相電圧VRの位相0度(電圧0V)近傍を拡大した図である。 図5は、推定位相角θがR相電圧VRの実際の電圧波形よりも遅れている状態を座標上で示した図である。 図6は、推定位相角θがR相電圧VRの実際の電圧波形よりも進んでいる状態を座標上で示した図である。 図7は、電力変換装置のシミュレーション結果の一例を示す図である。
以下に、本発明に係る電源電圧位相の検出装置及びその方法の実施形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの又は実質的に同一のものが含まれる。
本実施の形態の電源電圧位相の検出装置では、多相(例えば、3相)電源の相電圧又は線間電圧を、直交固定座標系に変換した後、直交固定座標系から、多相中の任意(例えば、R相)のピーク電圧を指す電圧軸と、この電圧軸に直交する電圧軸とを持つ直交回転座標系に変換し、直交する変換軸の電圧値が0になるように、直交回転座標変換するための位相角を制御し、直交回転座標系に変換するための位相を、任意の相の電圧の位相として推定することにより、簡単な構成で逐次的(瞬時的)に電源電圧位相を高精度に検出する。
図1は、本発明の電源電圧位相の検出装置を適用した電力変換装置1の概略を示すブロック図である。同図において、電源電圧位相の検出に関する部分については詳細に説明し、それ以外の部分については図示及び説明を簡略化する。図1に示すように、電力変換装置1は、商用電源である三相交流電源10と、A/D変換器20と、位相推定器30と、コンバータ40と、インバータ50と、モータ60とを備えている。
三相交流電源10から出力される3相(R相、S相、T相)の各電圧がコンバータ40に出力される。コンバータ40は、三相交流電源10から入力される3相(R相、S相、T相)の各電圧をDC電圧に変換してインバータ50に出力する。コンバータ40は、双方向スイッチ制御回路41と、双方向スイッチ42と、全波整流回路43とを備えている。
双方向スイッチ制御回路41は、電流指令値(不図示)、電流検出値(不図示)、及び三相交流電源10のR相電圧の推定位相角θに基づき、双方向スイッチ42のスイッチングパターン(PWM信号)を生成し、生成したスイッチングパターンに基づいて、双方向スイッチ42のスイッチング素子をスイッチング制御する。双方向スイッチ42は、三相交流電源10からの全波整流回路43への各相電圧の入力をON/OFFする。全波整流回路43は、三相交流電源10から入力される3相(R相、S相、T相)の各電圧を直流電圧に変換して、インバータ50に出力する。
インバータ50は、コンバータ40から入力される直流電圧を交流電圧に変換してモータ50を駆動する。
A/D変換器20は、三相交流電源10から出力されるR相,S相,T相の各電圧を所定のサンプリング周期でA/D変換して、位相推定器30に出力する。位相推定器30は、3相交流電源10のR相電圧VRの推定位相θを算出して、コンバータ40の双方向スイッチ制御回路41に出力する。
図2〜図7を参照して、位相推定器30の構成及び動作原理を詳細に説明する。図2は、位相推定器30の構成を示すブロック図である。図3は、位相推定器30内の座標定義(R−S−T座標系、α−β座標系、P−Z座標系)を説明するための図である。位相推定器30内の座標は、図3に示す座標に対応している。
位相推定器30は、例えば、マイコンで構成することができ、図2に示すように、3相−2相座標変換器31と、推定座標変換器32と、角周波数推定器33と、積分器34とを備えている。
3相−2相座標変換器31は、A/D変換器20から入力される3相の電圧VR、VS、VTを2相固定直交座標系(α−β座標系)の2相の電圧Vα、Vβに変換して、推定座標変換器202に出力する。図3において、2相固定直交座標系(α−β座標系)のα軸はR相の軸と同じ向きであり、β軸はその軸に直交する。3相固定座標系(R−S−T座標系)と、2相固定直交座標系(α−β座標系)の変換は、例えば、一般的な変換式である下式(1)により行うことができる。
Figure 2012213254
3相の電圧VR、VS、VTを使用して上式(1)により2相の電圧Vα、Vβを演算してもよいが、本実施の形態では、3相の電圧振幅が等しく、互いに120°の位相差があるとして、R相とT相の2相を用いて下式(2)により演算する。
Figure 2012213254
推定座標変換器32は、2相の電圧Vα、VβからZ軸電圧Vzを演算して、角周波数推定器33に出力する。具体的には、推定座標変換器32で使用する座標系は、図3に示す直交回転座標系(P−Z座標系)であり、R相電圧VRのピーク電圧位相を追尾するP軸と、この電圧軸に直交してR相電圧VRの0電圧位相を示すZ軸からなる。直交回転座標系(P−Z座標系)は、R相の0電圧を基点とし、α軸からZ軸までの位相角をθと定義する。この直交回転座標系(P−Z座標系)は、α軸(R相)からの位相角θで随時座標変換され、電源電圧の回転ベクトルと共に回転する。0電圧を基点としているので、振幅を考慮する必要がなく、Z軸電圧Vzを直接、PI制御器である角周波数推定器33に入力することができる。他方、例えば、P軸を基準とした場合には、電源電圧の振幅、すなわちピーク電圧値を知る必要がある。これを知るためには、少なくとも半周期前のピーク電圧値を測定する必要があり、逐次的な制御ができず、正確な位相が求められない。また、ピーク電圧値が変動した場合にも、正確な位相が求められない。なお、ここでは、R相の0電圧を基点としているが、他の相(S相,T相)の0電圧を基点としてもよい。
この位相角θを用いると、2相固定直交座標系(α−β座標系)から直交回転座標系(P−Z座標系)へ写像する変換は下式(3)で表すことができる。
Figure 2012213254
上式(3)に、上式(2)を代入して纏めると下式(4)となる。ここで、VはZ軸電圧で電圧誤差を示している。
Figure 2012213254
推定座標変換部32は、上記式(4)のVzを下式(5)により算出して、角周波数推定器33に出力する。下式(5)の位相角θには、後段の角周波数推定器33及び積分器34で算出される推定位相角θの値がフィードバックされて逐次代入される。
Figure 2012213254
ここで、三相交流電源10のR相電圧VRの位相角θと推定位相角θが完全に一致すれば、Z軸電圧Vは常に0Vになるはずである。しかしながら、R相電圧VRが0Vにならない場合は、実際のR相電圧VRの位相角θと推定位相角θがずれているので、Z軸電圧Vが0になるように推定位相角θを調整することで、推定位相角θは真の位相角を示すことになる。
そこで、0V近傍では、Z軸電圧Vの電圧変化量が角周波数ωの変化量に比例すると考えて、このZ軸電圧VをPI制御器で構成される角周波数推定器33にて調整し、その結果を積分器34に通じて推定座標変換器32にフィードバックし、位相をA/D変換器20のサンプリング周期精度で推定する。
ここで、図4〜図6を参照して、0V近傍でZ軸電圧Vが、R相電圧VRの実際の位相角θと推定位相角θとのズレ(Δθ)に比例することについて詳細に説明する。図4は、R相電圧VRの位相0度(電圧0V)近傍を拡大した図であり、図5は、推定位相角θがR相電圧VRの実際の電圧波形よりも遅れている状態を座標上で示す図であり、図6は、推定位相角θがR相電圧VRの実際の電圧波形よりも進んでいる状態を座標上で示す図である。図4の101は、R相電圧VRの実際の電圧波形を示している。この電圧波形101に対して、位相推定器30から出力される推定位相角θが遅れている場合、角周波数推定器33は、102に示す位相に電圧波形があると推定している。推定位相角θが実際の位相θに対してΔt’遅れているとすると、推定位相角θがゼロのときに検出されるR相電圧VRはV’Rである。このとき、推定座標変換器202が上式(5)で計算するVzは、下式(5)’のようになる。
Figure 2012213254
従って、Z軸電圧Vは0(V)でなくV’Rに比例する値となる。図4から分かるように、R相電圧VRは正弦波であるので、0V近傍では、V’RはΔt’にほぼ比例すると考えられる。ここで、位相のズレΔθ’は、R相電圧VRの角周波数をωとしたとき、Δθ’=ωΔt’と表すことができる。R相電圧VRの角周波数ωは一定であるので、位相のズレΔθ’もΔt’に比例する。
以上から、位相のズレΔθ’とZ軸電圧Vzはプラス方向に比例することが分る。ここで、図5に示すP−Z軸はR相電圧VRと同じ位相で回転する直交回転座標を表しており、P’−Z’軸は角周波数推定器33で推定される推定角周波数ωで回転する回転座標を表す。
同様に、推定位相角θが進んでいる場合は、図4の103を電圧波形と誤推定している。Vzは−V’’Rに比例する値となるので、Δt’’にほぼ比例すると考えられる。また、位相のズレΔθ’’は、Δθ’’=−ωΔt’’と表すことができる。以上から、位相のズレΔθ’’とZ軸電圧Vzはマイナス方向に比例することが分かる。
従って、推定座標変換器32が出力するZ軸電圧Vは、位相角θのズレΔθ(に比例する値)であるので、Z軸電圧Vzが0になるように、PI制御器で構成される角周波数推定器33を動作させれば、R相電圧VRの位相角θと推定位相角θとのズレも0になって、真の位相角を推定することができる。
具体的には、角周波数推定器33は、下式(6)の演算を行って、推定角周波数ωを積分器34に出力する。商用電源には、周波数が50Hzと60Hzの電源があるが、この推定角周波数ωを電源周波数の自動判別に利用することにしてもよい。例えば、電力変換装置1単体で電源周波数の自動判別ができれば、事前に電源周波数の設定が不要となる。
Figure 2012213254
ここで、KPとKIは、角周波数推定器33のPI制御器の比例係数でPI制御器が収束するように予め求めておく値である。推定位相角θがR相電圧の位相角θよりも遅れている場合(図4の102及び図5の状態)は、位相のズレΔθ、すなわち電圧値VZは、プラス方向の誤差を与えるので、上式(6)の推定角周波数ωは増加修正となり、推定位相角θは進角方向に修正される。逆に、推定位相角θが進み位相であれば(図4の103及び図6の状態)、修正値はマイナス方向なので推定角周波数ωは減速されて、推定位相角θは遅角修正となる。
積分器34は、推定角周波数ωを下式(7)のように積分して、推定位相角θを推定座標変換器32にフィードバックすると共に、コンバータ40に出力する。推定位相角θは積分器34により算出されることで、ノイズが除去される。
Figure 2012213254
このように、推定位相角θを推定座標変換器32にフィードバックすることで、Z軸圧Vzが修正されるので、フィードバックを繰り返すことによって推定位相角θは真値に等しくなる。
図7は、上記構成のコンバータ装置1のシミュレーション結果の一例を示しており、R相電圧VRの出力波形と、推定位相角θの出力波形と、推定角周波数ωを示している。推定位相角θは、2πで折り返すのこぎり波形で、エッジの部分が位相0°である。図7に示すように、推定を開始した直後は、R相電圧VRの位相角と推定位相角θとの間に位相のズレΔθが発生している。この位相のズレΔθは、R相電圧VRの1周期程度でほぼゼロになる。すなわち、推定角周波数ωが3相交流電源10の角周波数(電源角周波数)に収束する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、3相交流電源10の少なくとも2相の相電圧又は線間電圧を2相直交固定座標系に変換した後、2相直交固定座標系から、3相のうち任意の相(例えば、R相)の電圧波形のピーク電圧を示すP軸と、P軸に直交するZ軸を持つ直交回転座標系に変換する推定座標変換器32と、Z軸電圧Vzが0になるように、直交回転座標系に変換するための位相(α軸からZ軸までの位相)θを調整する各周波数推定器33と、を備えているので、簡単な構成で逐次的に電源電圧位相を高精度に検出することが可能となる。付言すると、逐次的に演算するため、そのサンプリング周期に依存した精度で、電源電圧の正確な位相を知ることができる。また、サンプリング周期は、一周期に対して高速にできるので、突発的なノイズで位相に瞬間的に誤差が生じても、すぐに正確な位相に戻すことができ、安定して位相を検出することが可能となる。さらに、PI制御器と積分器だけの簡単な構成で、電源の瞬時位相を推定することができ、ノイズ耐性に優れた検出装置を構成することができる。
また、本実施の形態によれば、推定座標変換器32は、2相直交固定座標系のうち、任意の相の軸と同じ向きの軸をα軸、同α軸に直交する軸をβ軸としたとき、3相電源電圧を2相直交固定座標系に変換した場合のα軸上の電圧をVα、β軸上の電圧をVβとし、2相直交回転座標系のうち、任意の相のピーク電圧を示す電圧軸をP軸、同P軸に直交する電圧軸をZ軸としたとき、2相直交固定座標系上の電圧VαとVβを2相直交回転座標系に変換した場合の、P軸上の電圧をVP、Z軸上の電圧をV、α軸からZ軸までの位相をθとした場合、2相直交固定座標系から2相直交回転座標系への変換は、上記式(3)で行うこととしたので、任意の相の0Vを基点とした位相を検出することができる。
また、本実施の形態によれば、角周波数推定器33は、PI制御により、Z軸上の電圧Vが0になるように、2相直交回転座標系に変換するための位相を演算して、推定座標変換器32にフィードバックして位相を推定することとしたので、PI制御によって誤差を逐次修正することで、電源電圧の正確な位相を推定できる。
また、本実施の形態によれば、推定された位相は、AC−DCコンバータで使用されることとしたので、電源電圧位相に同期したコンバータ制御ができるため、コンバータの変換性能が向上する。これにより、入力電流にリップルが乗ったり、出力電圧に変動が起きるという不具合を防止できる。
また、本実施の形態によれば、任意の相の電圧の電圧値をA/D変換して、変換後の数値データを用いて位相を推定することとしたので、位相推定器30をマイコンで構成できるため、ソフトウェアによるコスト削減が可能となる。
なお、上記実施の形態では、上式(5)において、2相の相電圧を使用することにしているが、線間電圧を使用することにしてもよい。この場合は、R相電圧VRの代わりに、R−S線間電圧、T相電圧の代わりにT−R線間電圧を用いれば良い。但し、線間電圧の場合は、相電圧に対して位相が30°進相するので、R相電圧VRの0(V)を得るためには、位相角θからπ/6を引いて補正するか、上記式(5)に予め補正角を入れ込み、下式(8)を代用すればよい。
Figure 2012213254
また、本実施の形態に係る電源電圧位相の検出方法をコンバータに利用する場合を一例として示したが、本発明はこれに限られるものではなく、本実施の形態の電源電圧位相の検出方法は、PFCによる電流高調波の補正回路、リレーのON−OFF回路(電圧0Vに同期して入り切りする)、及び電源周波数に同期した電圧線シリアル通信(例えば、エアコンの室内外機の通信)等にも利用することができる。
以上のように、本発明に係る電源電圧位相の検出装置及び電源電圧位相の検出方法は、電源電圧位相と同期した制御を行う装置に有用である。
1 電力変換装置
10 三相交流電源
20 A/D変換器
30 位相推定器
31 3相−2相座標変換器
32 推定座標変換器
33 角周波数推定器
34 積分器
40 コンバータ
41 双方向スイッチ制御回路
42 双方向スイッチ
43 全波整流回路
50 インバータ
60 モータ

Claims (6)

  1. 多相電源電圧の位相を検出する電源電圧位相の検出装置であって、
    前記多相電源電圧の相電圧又は線間電圧を直交固定座標系に変換した後、前記直交固定座標系から、前記多相のうち任意の相のピーク電圧を示す電圧軸と同電圧軸に直交する電圧軸とを持つ直交回転座標系に変換する座標系変換手段と、
    前記直交する電圧軸の軸上の電圧値が0になるように、前記直交回転座標系に変換するための位相を調整する位相調整手段と、
    を備え、
    前記直交回転座標系に変換するための位相を、前記任意の相の電圧の位相として推定することを特徴とする電源電圧位相の検出装置。
  2. 前記多相電源電圧は、3相電源電圧であって、
    前記座標変換手段は、前記直交固定座標系のうち、前記任意の相の軸と同じ向きの軸をα軸、同α軸に直交する軸をβ軸としたとき、前記3相電源電圧を前記直交固定座標系に変換した場合の前記α軸上の電圧をVα、前記β軸上の電圧をVβとし、
    前記直交回転座標系のうち、前記任意の相のピーク電圧を示す電圧軸をP軸、同P軸に直交する電圧軸をZ軸としたとき、前記直交固定座標系上の電圧VαとVβを前記直交回転座標系に変換した場合の、前記P軸上の電圧をVP、前記Z軸上の電圧をV、前記α軸から前記Z軸までの前記位相をθとした場合、前記直交固定座標系から前記直交回転座標系への変換は、
    Figure 2012213254
    で行うことを特徴とする請求項1に記載の電源電圧位相の検出装置。
  3. 前記位相調整手段は、PI制御により、前記直交する電圧軸の電圧値が0になるように、前記直交回転座標系に変換するための位相を演算して、前記座標回転手段にフィードバックして位相を推定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電源電圧位相の検出装置。
  4. 前記推定された位相は、AC−DCコンバータで使用されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の電源電圧位相の検出装置。
  5. 前記任意の相の電圧の電圧値をA/D変換して、変換後の数値データを用いて位相を推定することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の電源電圧位相の検出装置。
  6. 多相電源電圧の位相を検出する電源電圧位相の検出方法であって、
    前記多相電源電圧の相電圧又は線間電圧を直交固定座標系に変換した後、前記直交固定座標系から、前記多相のうち任意の相のピーク電圧を示す電圧軸と、前記軸に直交する電圧軸を持つ直交回転座標系に変換する工程と、
    前記直交する電圧軸の軸上の電圧値が0になるように、前記直交回転座標系に変換するための位相を調整する工程と、
    を含み、
    前記直交回転座標系に変換するための位相を、前記任意の相の電圧の位相として推定することを特徴とする電源電圧位相の検出方法。
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