JP2009171712A - 速度センサレスベクトル制御装置 - Google Patents

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Noriyuki Kobayashi
宣之 小林
Takashi Kuroda
岳志 黒田
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Abstract

【課題】誘導機を駆動するPWMインバータの起動時に、誘導機の回転速度を従来よりも正確に推定可能とした速度センサレスベクトル制御装置を提供する。
【解決手段】誘導電動機の1次電流及び1次電圧を、磁束ベクトルと平行な磁束軸成分とこれに直交するトルク軸成分とに分離し、PWMインバータにより電動機を可変速制御する速度センサレスベクトル制御装置であり、電動機の空転状態でPWMインバータを起動する際に、電動機の回転速度を推定する速度初期推定モードを経て可変速制御による通常運転モードに移行する制御装置に関する。前記速度初期推定モードにおいて、PWMインバータ2から誘導電動機1にステップ状の電流を供給する手段と、このステップ状の電流供給時に発生する電動機1の誘起電圧を演算する演算部15と、電動機1の回転速度を推定する初期推定部31と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、速度センサを用いることなく、誘導電動機(以下、誘導機という)の可変速制御を行うPWMインバータの速度センサレスベクトル制御装置に関し、特に、誘導機が惰性で回転している状態でPWMインバータを起動(再起動)させるための制御装置に関するものである。
図9は、特許文献1に従来技術として記載されているものと実質的に同一の速度センサレスベクトル制御装置である。
図9において、1は誘導機、2はPWMインバータ、3は速度センサレスベクトル制御を行う制御装置、4a,4b,4cは電流検出器、5a,5b,5cは電圧検出器である。
制御装置3は、速度調節部10、磁束調節部11、トルク軸電流調節部12、磁束軸電流調節部13、すべり角周波数演算部14、誘起電圧演算部15、磁束推定部16、1次角周波数指令演算部17、積分器18、減算器19、固定座標変換部20、回転座標変換部21a,21b、2相/3相変換部22、3相/2相変換部23a,23b、遅延処理部24、及び切替スイッチ25,26によって構成されている。
次に、制御装置3の動作について以下に説明する。
電流検出器4a,4b,4cにより検出された誘導機1の電流i,i,iは、3相/2相変換部23aにより、固定座標上の2相量iα,iβに変換され、更に回転座標変換部21aにより、磁束軸を基準とする回転座標上のi(磁束軸電流成分)と、これに直交するi(トルク軸電流成分)とに変換される。同様に、電圧検出器5a,5b,5cにより検出されたPWMインバータ2の出力電圧v,v,vは、3相/2相変換部23bにより、固定座標上の2相量vα,vβに変換され、更に回転座標変換部21bにより、磁束軸を基準とする回転座標上のv(磁束軸電圧成分)と、これに直交するv(トルク軸電圧成分)とに変換される。ここで、固定座標軸から回転座標軸への変換は、インバータ2の出力位相角θに基づいて行われ、この出力位相角θは、積分器18によりインバータ1次角周波数指令ω を積分することで得られる。
誘起電圧演算部15では、磁束軸電流i、トルク軸電流i、磁束軸電圧v、トルク軸電圧v、及び、1次角周波数指令演算部17により演算される1次角周波数指令ω より、数式1に基づいて磁束軸とトルク軸とに発生する誘起電圧e,eを演算する。
Figure 2009171712
数式1におけるRは誘導機1の1次抵抗、Lσは漏れインダクタンス、jは虚数単位である。そして、1次角周波数指令演算部17は、誘起電圧演算部15により演算されたe及び磁束推定値φより、数式2に基づいて1次角周波数指令ω を演算する。
Figure 2009171712
数式2におけるh(s)はフィルタの伝達特性であり、磁束推定値φは、磁束推定部16により次の数式3に基づいて演算される。なお、数式3におけるh(s)はフィルタの伝達特性を表している。
Figure 2009171712
すべり角周波数演算部14は、トルク軸電流i及び磁束推定値φからすべり角周波数ωを演算する。そして、減算器19にて、1次角周波数指令ω からすべり角周波数ωを減算することにより、誘導機1の回転角周波数推定値ωを演算している。
速度調節部10は、回転角周波数指令値(速度指令値)ω と回転角周波数推定値ωとを一致させる調節演算を行い、その結果として、トルク軸電流指令i を出力する。そして、トルク軸電流調節部12は、トルク軸電流指令i とトルク軸電流iとを一致させる調節演算を行い、その結果として、回転座標軸上のトルク軸電圧指令v を出力する。
また、磁束調節部11は、磁束指令値φと磁束推定値φとを一致させる調節演算を行い、その結果として、磁束軸電流指令i を出力する。そして、磁束軸電流調節部13は、磁束軸電流指令i と磁束軸電流iとを一致させる調節演算を行い、その結果として、回転座標軸上の磁束軸電圧指令v を出力する。
回転座標上の磁束軸電圧指令v 及びトルク軸電圧指令v を固定座標変換部20に入力して固定座標軸上の2相の電圧指令vα ,vβ に変換し、更に2相/3相変換部22により、3相電圧指令v ,v ,v に変換してPWMインバータ2に出力する。
PWMインバータ2では、3相電圧指令v ,v ,v に応じた駆動信号によって内部のスイッチング素子をオンオフ制御することにより、上記3相電圧指令通りの電圧を誘導機1に供給する。
ここで、PWMインバータ2は、起動信号invonに基づいて起動され、切替スイッチ26は、起動信号invonが「1」になると、その出力である磁束指令値φをゼロから指令値φrefに切り替える。また、遅延処理部24は、起動信号invonが「1」になると、一定時間後に指令切替信号invon1を「0」から「1」に変化させる。切替スイッチ25は、指令切替信号invon1が「1」になると、その出力である速度指令値ω をゼロから指令値ωrrefに切り替える。
起動信号invonが「0」である場合、磁束指令値φ、速度指令値ω ともにゼロとなり、PWMインバータ2は停止状態となる。
上述のように、図9に示した制御装置3では、起動信号によりPWMインバータ2を起動・停止させ、回転座標軸上のトルク軸誘起電圧eに基づいて誘導機1の磁束及び回転速度を推定することにより、速度センサレスベクトル制御を行っている。
なお、永久磁石モータの速度センサレスベクトル制御装置としては、例えば、特許文献2に記載されたものが知られている。
この制御装置は、永久磁石モータが高速回転している状態でインバータを再起動するに当たり、インバータの運転を開始してから一定時間はセンサレスベクトル制御を行わず、インバータから永久磁石モータへ流れ込む電流が零を含む所望の値となるように電流フィードバック制御を行い、その結果として求められる電圧指令ベクトルの回転角度変化から回転子の回転速度を推定すると共に、この推定した回転速度を回転子位置推定演算における初期値としたセンサレスベクトル制御を、前記一定時間の経過後に実施するものである。
特開平8−130882号公報(段落[0002]〜[0016]、図14等) 特開2005−65410号公報(段落[0017]〜[0035]、図1,図2等)
特許文献1に記載された速度センサレスベクトル制御装置では、PWMインバータ2の再起動時に、まず、磁束指令値φに基づいて磁束軸電流iを流しているが、誘導機1の回転角周波数と等しい角周波数の回転磁界が発生しない場合には誘導機1の回転速度を正確に推定することができず、PWMインバータ2が過負荷となって非常停止する恐れがある。
また、特許文献2に記載された速度センサレスベクトル制御装置は、誘導機を対象としたものではないと共に、再起動後の一定時間における回転速度を、モータの端子電圧ベクトルの直交する二成分の除算結果から求めた位相を時間微分することにより初期推定しているので、回転速度の推定誤差が生じやすいという問題がある。
そこで、本発明の解決課題は、誘導機を駆動するPWMインバータの起動時に、誘導機の回転速度を従来よりも正確に推定可能とした速度センサレスベクトル制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、誘導電動機の1次電流及び1次電圧を、磁束ベクトルと平行な磁束軸成分とこれに直交するトルク軸成分とに分離し、PWMインバータにより誘導電動機を可変速制御する速度センサレスベクトル制御装置であり、誘導電動機が空転している状態でPWMインバータを起動する際に、誘導電動機の回転速度を推定する速度初期推定モードを経て可変速制御による通常運転モードに移行するようにした速度センサレスベクトル制御装置であって、
前記速度初期推定モードにおいて、PWMインバータから誘導電動機にステップ状の電流を供給する手段と、このステップ状の電流供給時に発生する誘導電動機の誘起電圧を演算する手段と、前記誘起電圧に含まれる交流成分の周期を用いて誘導電動機の回転速度を推定する手段と、を備えたものである。
請求項2に係る発明は、誘導電動機の1次電流及び1次電圧を、磁束ベクトルと平行な磁束軸成分とこれに直交するトルク軸成分とに分離し、PWMインバータにより誘導電動機を可変速制御する速度センサレスベクトル制御装置であり、誘導電動機が空転している状態でPWMインバータを起動する際に、誘導電動機の回転速度を推定する速度初期推定モードを経て可変速制御による通常運転モードに移行するようにした速度センサレスベクトル制御装置であって、
前記速度初期推定モードにおいて、PWMインバータから誘導電動機にステップ状の電流を供給する手段と、このステップ状の電流供給時におけるPWMインバータの電圧指令に含まれる交流成分の周期を用いて誘導電動機の回転速度を推定する手段と、を備えたものである。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載した速度センサレスベクトル制御装置において、前記速度初期推定モードにおける回転速度推定の演算周期を、前記通常運転モードにおける可変速制御の演算周期よりも短い値に設定する手段を備えたものである。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載した速度センサレスベクトル制御装置において、前記速度初期推定モードにおけるPWMインバータのキャリア周期を、前記通常運転モードにおけるPWMインバータのキャリア周期よりも短い値に設定する手段を備えたものである。
請求項1または請求項2に係る発明においては、惰性で回転している誘導機にステップ状の電流を供給することにより、誘導機の回転角周波数と等しい角周波数の誘起電圧を発生させ、この誘起電圧に含まれる交流成分の周期、または、誘起電圧に起因したPWMインバータのトルク軸電圧指令に含まれる交流成分の周期を検出することにより、誘導機の回転速度を正確に推定して再起動し、可変速制御へと移行することができる。なお、誘導機の回転速度の推定は、前記交流成分の周期から簡単な演算処理によって実現可能である。
特に、請求項3または請求項4に係る発明によれば、誘導機が高速で回転している場合でも、回転速度推定時の演算周期、またはこれに同期したPWMインバータのキャリア周期を通常運転時よりも短くすることにより、誘導機の回転速度を高精度に推定することができる。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の第1実施形態を示すブロック図であり、図9の従来技術と同一の構成要素については同一の符号を付してある。以下では、異なる部分を中心に説明する。
図1に示す制御装置30が図9の制御装置3と異なる点は、トルク軸誘起電圧eから回転角周波数を推定して1次角周波数指令演算部37に出力する回転角周波数初期推定部31と、起動信号invonに基づいて速度初期推定モード信号Smodeを出力する速度初期推定モード切替処理部32と、起動信号invon及び速度初期推定モード信号Smodeから指令切替信号invon2を出力する指令切替処理部33と、速度初期推定モード信号Smodeにより切り替え動作する切替スイッチ34,35,36と、を追加した点である。
図1の制御装置30は、PWMインバータ2を再起動する際に、惰性で回転している誘導機1の回転角周波数を回転角周波数初期推定部31により推定する。この推定原理について、以下に説明する。
一般に、角周波数ωで回転している誘導機の基礎方程式を固定座標軸(α,β)上で表現すると、数式4のようになる。
Figure 2009171712
数式4において、eα,eβは誘導機の誘起電圧のα,β軸成分、iα,iβは1次側電流のα,β軸成分、φα,φβは磁束のα,β軸成分である。また、Rは2次抵抗の1次側換算値、Tは2次時定数、sはラプラス変換の微分演算子である。
数式4を磁束φα,φβについて整理すると、数式5のようになる。
Figure 2009171712
数式5より、通常運転時では(1/T≪(ωが成立するため、角周波数ωで回転している誘導機の磁束の共振周波数はωである。すなわち、角周波数ωで回転している誘導機にωの周波数成分を含む電流を供給すれば、角周波数がωである回転磁界を発生させることができる。ここでは、ステップ信号が任意の周波数成分を有することから、誘導機にステップ状に変化する電流を供給することにより、角周波数がωの回転磁界を発生させる。
角周波数がωの回転磁界が発生すると、前述した数式(4−1),(4−2)に示すように、角周波数がωの誘起電圧eαが生じ、この誘起電圧eα,eβの周期から誘導機の回転角周波数を求めることができる。
次に、上記制御装置30の動作を、図2,図3を参照しつつ説明する。
まず、誘導機1が惰性で回転している状態において、図2に示すように、PWMインバータ2ひいては誘導機1を再起動するために時刻tで起動信号invonが「1」になると、速度初期推定モード切替処理部32は、ある一定期間Tstartにわたって速度初期推定モード信号Smodeを「1」にセットし、制御装置30を速度初期推定モードとして動作させる。
また、指令切替処理部33は、起動信号invonが「1」であり、かつ速度初期推定モード信号Smodeが「0」のとき、その出力である指令切替信号invon2を「1」とし、それ以外のときは「0」として、速度指令値ω 及び磁束指令値φの切替えを行う。
速度初期推定モード信号Smodeが「1」である間、切替スイッチ34は、その出力として0を選択してインバータ出力位相角θを0°に維持し、切替スイッチ35は、トルク軸電流指令i として0を、切替スイッチ36は、磁束軸電流指令i として磁束軸の定格電流値idrateをそれぞれ選択する。これにより、回転座標軸と固定座標軸とが一致した状態(i=iα,i=iβ)で、図2に示す如く磁束軸電流指令i はステップ状に変化する。
その結果、固定座標軸上のα軸電流iαはステップ状に変化し、前述した数式(5−1),(5−2)により誘導機1に回転磁界が発生し、数式(4−1),4−2により誘起電圧eα,eβが発生する。
これらの誘起電圧eα,eβは、交流量であって誘導機1の回転角周波数ωと同じ角周波数をもつ。また、回転座標軸と固定座標軸とが一致しているため、誘起電圧eα,eβは誘起電圧e,eとそれぞれ等しく、誘起電圧e,eは前述の数式1により誘起電圧演算部15によって演算される。
ここで、図1における回転角周波数初期推定部31は、図3に示すようにゼロクロス検出部40、周期演算部41、及び角周波数演算部42から構成されている。
ゼロクロス検出部40は、誘起電圧演算部15により演算された誘起電圧eの負から正へのゼロクロスタイミングを検出し、ゼロクロスが発生した場合、周期演算部41に対してゼロクロス信号zcsを「1」として出力し、ゼロクロスが発生しない場合は、ゼロクロス信号zcsを「0」として出力する。周期演算部41は、ゼロクロス信号zcsが「1」となる間隔、すなわち、誘起電圧eの周期Teqを計測し、その結果を角周波数演算部42に出力する。角周波数演算部42は、以下の数式6に基づき、惰性で回転している誘導機1の回転角周波数推定値ωr0を演算する。
Figure 2009171712
図2の時刻tにおいて速度初期推定モード信号Smodeが「0」になると、制御装置30は速度初期推定モードから通常運転モードに移行する。
磁束推定部16、1次角周波数指令演算部37は、回転角周波数初期推定部31から出力される回転角周波数推定値ωr0を1次角周波数指令ω の初期値として、前述した数式2、数式3の演算を開始する。
また、切替スイッチ25,26は、「1」となった指令切替信号invon2によって切り替えられ、それぞれ、速度指令値ω として指令値ωrrefを、磁束指令値φとして指令値φrefを選択する。更に、切替スイッチ35,36は、「0」となった速度初期推定モード信号Smodeによって切り替えられ、それぞれ、トルク軸電流指令値i として速度調節部10の演算結果を、磁束軸電流指令値i として磁束調節部11の演算結果を選択し、通常の速度センサレスベクトル制御による可変速制御を開始する。
上記のように、この実施形態によれば、PWMインバータ2を再起動する際に、誘導機1にステップ状のα軸電流iαを供給し、その時に発生するトルク軸誘起電圧eの周期Teqに基づいて、数式6に示す簡単な演算により誘導機1の回転速度を推定することができ、PWMインバータ2を適切な1次角周波数により安定に再起動することができる。
次に、本発明の第2実施形態を図4に基づいて説明する。
図4に示す制御装置50において、図1の制御装置30と異なる点は、回転角周波数初期推定部31がトルク軸電圧指令v に基づいて、惰性で回転している誘導機1の回転角周波数推定値ωr0を演算する点である。この場合、図3に示した回転角周波数初期推定部31の入力がトルク軸電圧指令v となる点を除いて、制御装置50の構成は図1と同じであるため、説明を省略する。
第1実施形態において説明したように、速度初期推定モードにおいて、惰性で回転している誘導機1にステップ状に変化する電流を供給すると、誘導機1の回転角周波数ωと同じ角周波数を持つ誘起電圧e,eが発生する。このとき、トルク軸電流調節部12は、トルク軸誘起電圧eに対抗してトルク軸電流iが0となるように調節演算を行うので、その結果として得られるトルク軸電圧指令v も回転角周波数ωの交流成分を含む。
よって、第1実施形態におけるトルク軸誘起電圧eの代わりにトルク軸電圧指令v を回転角周波数初期推定部31に入力し、その交流成分の周期を前記同様の方法で計測することにより、惰性で回転している誘導機1の回転角周波数ωを正確に推定することができる。
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
前述した第1,第2実施形態においては、速度初期推定モードで誘導機1の回転速度を事前に推定する手段として、誘導機1にステップ状に変化する電流を供給した時に発生する誘起電圧またはPWMインバータ2のトルク軸電圧指令に含まれる交流成分の周期を計測している。
しかしながら、再起動時に誘導機1が高速で回転しているほど前記交流成分の周期が短くなるので、所定の演算周期で前記交流成分の周期を計測した場合、分解能の制約により高速域における回転速度の推定誤差が相対的に大きくなり、その結果、誘導機1を安定に再起動できないという問題がある。
以下の第3,第4実施形態は上記の点に鑑みてなされたものである。
まず、図5は本発明の第3実施形態を示すブロック図である。図5に示す制御装置60において、図1の制御装置30と異なる点は、速度初期推定モード信号Smodeにより切り替わる演算周期切替スイッチ61と、このスイッチ61により選択された演算周期TまたはTが設定される演算周期設定部62とを追加した点である。ここで、Tは可変速制御を行う時の制御装置の演算周期、TはPWMインバータ2の再起動時に事前に回転速度を推定する時の制御装置の演算周期であり、T<Tに設定されている。
次いで、この実施形態において、PWMインバータ2を再起動する際の動作を説明する。
図6は、この実施形態の動作を示すタイミングチャートであり、前述した図2に制御装置60の演算周期を付加して示してある。
速度初期推定モード及び通常運転モードにおける各信号または指令の変化は図2と同一であるため、説明を省略するが、本実施形態では、速度初期推定モード信号Smodeが「1」となる速度初期推定モードにおいて、切替スイッチ61により演算周期としてTを選択し、演算周期設定部62に入力する。これにより、制御装置60の演算周期は回転速度を事前に推定する時の演算周期T(T<T)に設定される。
速度初期推定モード信号Smodeが「0」になると、切替スイッチ61により演算周期としてTを選択し、演算周期設定部62に入力する。これにより、制御装置60の演算周期は、通常運転である可変速制御を行うときの演算周期Tに設定される。
これにより、速度初期推定モードにおいて、交流成分の周期を計測する際の分解能が高くなり、誘導機1の高速回転時にもその回転速度を高精度に推定することができる。
なお、この第3実施形態において、第2実施形態と同様に、回転角周波数初期推定部31への入力を、トルク軸誘起電圧eからトルク軸電圧指令v に置き換えても良い。
次に、図7は本発明の第4実施形態を示すブロック図である。
図7に示す制御装置70において、図5の制御装置60と異なる点は、速度初期推定モード信号Smodeにより切り替わるキャリア周期切替スイッチ71と、このスイッチ71により選択されたPWMインバータ2のキャリア周期TcnまたはTcsが設定されるキャリア周期設定部72と、その出力(キャリア周期)が入力される演算周期設定部73と、を追加した点である。なお、キャリア周期設定部72から出力されるキャリア周期は、PWMインバータ2にも入力されている。
ここで、Tcnは通常運転モードで可変速制御を行うときのキャリア周期、Tcsは速度初期推定モードで回転速度を推定する時のキャリア周期であり、Tcs<Tcnに設定されている。
この実施形態において、PWMインバータ2を再起動する際の動作を説明する。
図8は、本実施形態の動作を示すタイミングチャートであり、第3実施形態における図6に、PWMインバータ2のキャリア周期を付加して示してある。
本実施形態では、速度初期推定モード信号Smodeが「1」となる速度初期推定モードにおいて、切替スイッチ71によりキャリア周期としてTcsを選択し、キャリア周期設定部72に入力する。これにより、PWMインバータ2のキャリア周期はTcs(Tcs<Tcn)に設定される。
同時に、上記キャリア周期Tcsが入力されている演算周期設定部73では、このキャリア周期Tcsに合わせて制御装置70の演算周期が設定される。
速度初期推定モード信号Smodeが「0」になると、切替スイッチ61によりキャリア周期としてTcnを選択し、キャリア周期設定部72に入力する。これにより、PWMインバータ2のキャリア周期はTcnに設定される。
同時に、上記キャリア周期Tcnを演算周期設定部73に入力することにより、このキャリア周期Tcnに合わせて、通常運転時に可変速制御を行うための制御装置70の演算周期が設定される。
この実施形態においても、速度初期推定モードにおいて、交流成分の周期を計測する際の分解能が高くなり、誘導機1の高速回転時にもその回転速度を高精度に推定することができる。
また、図8では、制御装置70の演算(サンプリング)のタイミングがキャリアの山に一致するように設定しているが、これ以外にも、演算のタイミングをキャリアの谷に一致させたり、あるいは山と谷の両方、更には山と谷の間のタイミングに一致させてもよい。このようにキャリアに同期させて演算のタイミングや演算周期を決定する具体的な方法は周知であるため、ここではその説明を割愛する。
なお、この実施形態において、回転角周波数初期推定部31への入力を、トルク軸誘起電圧eからトルク軸電圧指令v に置き換えても良いのは勿論である。
本発明の第1実施形態の構成を示すブロック図である。 第1実施形態の動作を示すタイミングチャートである。 図1における回転角周波数初期推定部の構成図である。 本発明の第2実施形態の構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態の構成を示すブロック図である。 第3実施形態の動作を示すタイミングチャートである。 本発明の第4実施形態の構成を示すブロック図である。 第4実施形態の動作を示すタイミングチャートである。 従来技術の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1:誘導機
2:PWMインバータ
3:制御装置
4a,4b,4c:電流検出器
5a,5b,5c:電圧検出器
10:速度調節部
11:磁束調節部
12:トルク軸電流調節部
13:磁束軸電流調節部
14:すべり角周波数演算部
15:誘起電圧演算部
16:磁束推定部
17:1次角周波数指令演算部
18:積分器
19:減算器
20:固定座標変換部
21a,21b:回転座標変換部
22:2相/3相変換部
23a,23b:3相/2相変換部
24:遅延処理部
25,26:切替スイッチ
30,50,60,70:制御装置
31:回転角周波数初期推定部
32:1次角周波数指令演算部
33:指令切替処理部
34,35,36:切替スイッチ
37:1次角周波数指令演算部
40:ゼロクロス検出部
41:周期演算部
42:角周波数演算部
61:切替スイッチ
62,73:演算周期設定部
72:キャリア周期設定部

Claims (4)

  1. 誘導電動機の1次電流及び1次電圧を、磁束ベクトルと平行な磁束軸成分とこれに直交するトルク軸成分とに分離し、PWMインバータにより誘導電動機を可変速制御する速度センサレスベクトル制御装置であり、誘導電動機が空転している状態でPWMインバータを起動する際に、誘導電動機の回転速度を推定する速度初期推定モードを経て可変速制御による通常運転モードに移行するようにした速度センサレスベクトル制御装置であって、
    前記速度初期推定モードにおいて、PWMインバータから誘導電動機にステップ状の電流を供給する手段と、このステップ状の電流供給時に発生する誘導電動機の誘起電圧を演算する手段と、前記誘起電圧に含まれる交流成分の周期を用いて誘導電動機の回転速度を推定する手段と、
    を備えたことを特徴とする速度センサレスベクトル制御装置。
  2. 誘導電動機の1次電流及び1次電圧を、磁束ベクトルと平行な磁束軸成分とこれに直交するトルク軸成分とに分離し、PWMインバータにより誘導電動機を可変速制御する速度センサレスベクトル制御装置であり、誘導電動機が空転している状態でPWMインバータを起動する際に、誘導電動機の回転速度を推定する速度初期推定モードを経て可変速制御による通常運転モードに移行するようにした速度センサレスベクトル制御装置であって、
    前記速度初期推定モードにおいて、PWMインバータから誘導電動機にステップ状の電流を供給する手段と、このステップ状の電流供給時におけるPWMインバータの電圧指令に含まれる交流成分の周期を用いて誘導電動機の回転速度を推定する手段と、
    を備えたことを特徴とする速度センサレスベクトル制御装置。
  3. 請求項1または2に記載した速度センサレスベクトル制御装置において、
    前記速度初期推定モードにおける回転速度推定の演算周期を、前記通常運転モードにおける可変速制御の演算周期よりも短い値に設定する手段を備えたことを特徴とする速度センサレスベクトル制御装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載した速度センサレスベクトル制御装置において、
    前記速度初期推定モードにおけるPWMインバータのキャリア周期を、前記通常運転モードにおけるPWMインバータのキャリア周期よりも短い値に設定する手段を備えたことを特徴とする速度センサレスベクトル制御装置。
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