JP2012211093A - 高純度ビス(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウム及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の課題は、マンガン元素の含有量が0.9質量ppm以下、クロム元素の含有量が0.9質量ppm以下、且つシクロペンタジエニル基を有するマグネシウム化合物の含有量が5質量%以下であることを特徴とする、高純度ビス(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウムによって解決される。
【選択図】 なし
Description
これに起因して、ビス(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウムを製造するに際しては、目的物であるビス(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウムと分離が困難なマグネシウム化合物、例えば、ビス(シクロペンタジエニル)マグネシウムや(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウム等のシクロペンタジエニル基を有するマグネシウム化合物が不可避的に生成してしまうという問題があった。又、重合禁止剤のような有機化合物は蒸留精製の際に同伴してしまう可能性があるという問題もあった。
で示されるジアルキルマグネシウムと、ジアルキルマグネシウム1モルに対して、2.00モルを超えて2.20モル未満のメチルシクロペンタジエンを反応させた後、得られたビス(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウムを減圧下で蒸留精製させることを特徴とする、高純度ビス(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウムの製造方法によっても解決される。
本発明の高純度ビス(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウムは、不純物の含有量が少ない方が望ましく、特に、マンガン元素の含有量が0.9質量ppm以下、クロム元素の含有量が0.9質量ppm以下、且つシクロペンタジエニル基を有するマグネシウム化合物の含有量が5質量%以下、好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。不純物の定量値の検出限界は機器の精度にもよるが、金属元素の下限値は発光分析(ICP分析)の検出限界値である0.05質量ppmである。又、シクロペンタジエニル基を有するマグネシウム化合物の下限値はプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)の検出限界値である0.01質量ppmである。
本発明に反応において使用するジアルキルマグネシウムは、前記の一般式(1)で示される。その一般式(1)において、R1及びR2は、同一又は異なっていても良く、炭素数1〜6のアルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられるが、好ましくはエチル基、n−ブチル基である(即ち、ジアルキルマグネシウムが、n−ブチルエチルマグネシウム又はn−ジブチルマグネシウム)。なお、これらの基は、各種異性体も含む。
で示されるトリアルキルアミンで処理(含有するアルミニウム化合物を除去)したものを使用するのが望ましい。その一般式(2)において、R3は、炭素数6〜12のアルキル基であり、例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基が挙げられるが、好ましくはn−ドデシル基である(即ち、トリアルキルアミンが、トリ−n−ドデシルアミン)。なお、これらの基は、各種異性体も含む。
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積1000mlの反応器に、メチルシクロペンタジエンダイマー940g(5.9mol)を加え、常圧下、攪拌しながら180℃でクラッキング反応させた。反応終了後、得られたメチルシクロペンタジエンを15℃以下に冷却した受器に入れた。
温度計を備えた内容積1000mlの反応器に、20質量%n−ブチルエチルマグネシウムのn−ヘプタン溶液364g(n−ブチルエチルマグネシウムとして0.65mol)及びトリ−n−デシルアミン85g(0.16mol)を加え、常圧下、攪拌しながら90℃でn−ブチルエチルマグネシウムを処理した。次いで、該混合液に、参考例1で合成したメチルシクロペンタジエン112g(1.4mol、2.13当量)を、液温を50℃以下に保ちながらゆるやかに加え、同温度で2時間反応させた。反応終了後、反応液を減圧下にて濃縮(n−ヘプタンを除去)した後、得られた濃縮物(ビス(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウムを含有)を減圧下で蒸留精製(90℃、0.1kPa)した。更に、得られた留出物(ビス(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウムを含有)を減圧下で蒸留精製(135〜145℃、2.0kPa)し、白色結晶として、ビス(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウム72gを得た(単離収率;66%)。なお、得られたビス(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウムは、マンガン元素及びクロム元素が0.01質量ppm以下、シクロペンタジエニル基を有するマグネシウム化合物の含有量が1質量%以下、アルミニウム原子が0.03ppmしか混入していない高純度品であった。
実施例1において、メチルシクロペンタジエンの使用量を104g(1.3mol、2.00当量)に変えたこと以外は、実施例2と同様に反応を行い、ビス(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウム65gを得た(単離収率;60%)。
なお、得られたビス(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウムは、マンガン元素及びクロム元素が0.01質量ppm、シクロペンタジエニル基を有するマグネシウム化合物の含有量が10質量%、アルミニウム原子が0.24ppm混入している低純度品であった。
実施例2において、シクロペンタジエンの使用量を123g(1.54mol、2.20当量)に変えたこと以外は、実施例2と同様に反応を行い、ビス(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウムの合成53gを得た(単離収率;49%)。
なお、得られたビス(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウムは、マンガン元素及びクロム元素が0.46質量ppm、シクロペンタジエニル基を有するマグネシウム化合物の含有量が10質量%、アルミニウム原子が0.02ppm混入している低純度品であった。
Claims (8)
- マンガン元素の含有量が0.9質量ppm以下、クロム元素の含有量が0.9質量ppm以下、且つシクロペンタジエニル基を有するマグネシウム化合物の含有量が5質量%以下である高純度ビス(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウム。
- アルミニウム元素の含有量が0.3質量ppm未満である請求項1記載の高純度ビス(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウム。
- 高純度ビス(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウムが気相成長用マグネシウム原料である請求項1乃至2のいずれか1項に記載の高純度ビス(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウム。
- ジアルキルマグネシウムが、n−ブチルエチルマグネシウム及びn−ジブチルマグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種のジアルキルマグネシウムである請求項4記載の高純度ビス(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウムの製造方法。
- メチルシクロペンタジエンが、ジメチルジシクロペンタジエンを160〜190℃でクラッキング反応させた後に25℃以下に冷却したものである請求項4記載の高純度ビス(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウムの製造方法。
- トリアルキルアミンが、トリ−n−ドデシルアミンである請求項5記載の高純度ビス(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウムの製造方法。
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