JP2012207150A - ポリエチレン系樹脂組成物および容器 - Google Patents

ポリエチレン系樹脂組成物および容器 Download PDF

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Abstract

【課題】ドローダウン性に優れ、耐ピンホール性や耐衝撃性に優れる容器の原料となるポリエチレン系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記要件(A1)〜(A4)の全てを充足するエチレン−α−オレフィン共重合体(A)55〜90重量%と、
下記要件(B1)〜(B4)の全てを充足するエチレン−α−オレフィン共重合体(B)45〜10重量%と
を含むポリエチレン系樹脂組成物。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)
(A1)メルトフローレートが0.1〜1.8g/10分
(A2)密度が900〜918kg/m
(A3)分子量分布が6〜20
(A4)流動の活性化エネルギーが50〜90kJ/mol
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)
(B1)メルトフローレートが0.1〜1.8g/10分
(B2)密度が880〜920kg/m
(B3)分子量分布が3〜9
(B4)流動の活性化エネルギーが25〜45kJ/mol
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエチレン系樹脂組成物および該樹脂組成物を成形してなる容器に関するものである。
酒やジュースなどの液体飲料、油や醤油などの食品、現像液や試薬などの工業製品など液体を収納する容器として、樹脂製の容器が多く用いられている。例えば、特許文献1には、収納された液体の振動によってピンホールが生じない、いわゆる耐ピンホール性を改良することを目的として、特定のエチレン−α−オレフィン共重合体と他のエチレン系(共)重合体からなる樹脂組成物を用いたフィルムを重ね合わせ、周囲をヒートシールして袋としたバッグインボックス内袋が提案されている。また、特許文献2には、二種類のエチレン−α−オレフィン共重合体を含む樹脂組成物からなるバッグインボックス内装容器が提案されている。
特開平09―240731号公報 特開2006−274162号公報
しかしながら、前記特許文献に記載された容器においても、耐ピンホール性や耐衝撃性のさらなる改良が求められていた。また、これらの容器を中空成形や熱成形で成形する場合、成形時に溶融樹脂が垂れるという現象が発生し、いわゆる樹脂組成物のドローダウン性が悪いために、容器を成形しにくくなることがあり、前記容器の原料である樹脂組成物のドローダウン性についても、改良が望まれていた。
かかる状況の下、本発明が解決しようとする課題は、ドローダウン性に優れ、耐ピンホール性や耐衝撃性に優れる容器の原料となるポリエチレン系樹脂組成物および耐ピンホール性や耐衝撃性に優れる容器を提供することにある。
本発明の第一は、エチレンに基づく単量体単位と炭素数6〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを含み、下記要件(A1)、(A2)、(A3)および(A4)の全てを充足するエチレン−α−オレフィン共重合体(A)55〜90重量%と、
エチレンに基づく単量体単位と炭素数4〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを含み、下記要件(B1)、(B2)、(B3)および(B4)の全てを充足するエチレン−α−オレフィン共重合体(B)45〜10重量%と
を含む(ただし、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)とエチレン−α−オレフィン共重合体(B)の合計量を100重量%とする)ポリエチレン系樹脂組成物にかかるものである。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)
(A1)メルトフローレートが0.1〜1.8g/10分であること。
(A2)密度が900〜918kg/mであること。
(A3)分子量分布が6〜20であること。
(A4)流動の活性化エネルギーが50〜90kJ/molであること。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)
(B1)メルトフローレートが0.1〜1.8g/10分であること。
(B2)密度が880〜920kg/mであること。
(B3)分子量分布が3〜9であること。
(B4)流動の活性化エネルギーが25〜45kJ/molであること。
本発明の第二は、上記樹脂組成物を成形してなる容器にかかるものである。
本発明によれば、ドローダウン性に優れ、耐ピンホール性や耐衝撃性に優れる容器の原料となるポリエチレン系樹脂組成物および耐ピンホール性や耐衝撃性に優れる容器を提供することができる。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、エチレンに基づく単量体単位と炭素数6〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを含むエチレン−α−オレフィン共重合体である。炭素数6〜20のα−オレフィンとしては、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン等があげられ、これらは単独で用いられていてもよく、2種以上を併用されていてもよい。α−オレフィンとしては、好ましくは、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンであり、より好ましくは、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンであり、さらに好ましくは、1−ヘキセンである。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)のエチレンに基づく単量体単位の含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の全重量(100重量%)に対して、通常50〜99.5重量%である。また、α−オレフィンに基づく単量体単位の含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体の全重量(100重量%)に対して、通常0.5〜50重量%である。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)としては、例えば、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−1−オクテン共重合体等があげられ、好ましくはエチレン−1−ヘキセン共重合体である。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)の密度(以下、「d」と記載することがある。)は、900〜918kg/mである。耐ピンホール性を高め、耐衝撃性を向上させ、ヒートシール性を向上させるという観点から、好ましくは916kg/m以下であり、より好ましくは914kg/m以下である。また、容器に収納された液体が、容器へ浸透することを少なくし、容器の剛性や自立性(容器単独で立つことができること)を向上させるという観点から、好ましくは905kg/m3以上であり、より好ましくは910kg/m3以上である。該密度は、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定される。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の密度は、エチレン−α−オレフィン共重合体中のエチレンに基づく単量体単位の含有量により変更することができる。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)のメルトフローレート(以下、「MFR」と記載することがある。)は、0.1〜1.8g/10分である。該メルトフローレートは、成形加工時の押出負荷を低減するという観点から、好ましくは0.2g/10分以上であり、より好ましくは0.3g/10分以上である。該メルトフローレートは、容器の耐衝撃性、耐ピンホール性を向上させ、容器成形時のドローダウン性を向上させるという観点から、好ましくは1.2g/10分以下であり、より好ましくは0.7g/10分以下である。ここでいうドローダウン性とは、中空成形あるいは熱成形を行う際に、溶融樹脂が垂れる現象のことを言い、溶融樹脂が垂れないものがドローダウン性に優れる。ドローダウン性が良いと得られる容器の厚み分布が狭くなり好ましい。該メルトフローレートは、JIS K7210−1995に規定された方法において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で、A法により測定される値である。
エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレートは、後述する製造方法において、例えば、水素濃度または重合温度により変更することができ、水素濃度または重合温度を高くすると、エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレートが大きくなる。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体は長鎖分岐を有し、流動の活性化エネルギー(以下、「Ea」と記載することがある。)は、50〜90kJ/molである。流動の活性化エネルギーは、インフレーション成形時のバブルの安定性を向上させ、中空成形や真空成形時のドローダウン性を向上させるという観点、ならびに成形加工時の押出負荷を低減するという観点から、より好ましくは60kJ/mol以上であり、さらに好ましくは65kJ/mol以上である。また、流動の活性化エネルギーは、透明性を向上させるという観点からは、より好ましくは85kJ/mol以下であり、さらに好ましくは80kJ/mol以下であり、更に好ましくは75kJ/mol以下である。
流動の活性化エネルギー(Ea)は、温度−時間重ね合わせ原理に基づいて、190℃での溶融複素粘度(単位はPa・secである。)の角周波数(単位:rad/sec)依存性を示すマスターカーブを作成する際のシフトファクター(aT)からアレニウス型方程式により算出される数値であって、以下に示す方法で求められる値である。すなわち、130℃、150℃、170℃および190℃夫々の温度(T、単位:℃)におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の溶融複素粘度−角周波数曲線(溶融複素粘度の単位はPa・sec、角周波数の単位はrad/secである。)を、温度−時間重ね合わせ原理に基づいて、各温度(T)での溶融複素粘度−角周波数曲線毎に、190℃でのエチレン系共重合体の溶融複素粘度−角周波数曲線に重ね合わせた際に得られる各温度(T)でのシフトファクター(aT)を求め、夫々の温度(T)と、各温度(T)でのシフトファクター(aT)とから、最小自乗法により[ln(aT)]と[1/(T+273.16)]との一次近似式(下記(I)式)を算出する。次に、該一次式の傾きmと下記式(II)とからEaを求める。
ln(aT) = m(1/(T+273.16))+n (I)
Ea = |0.008314×m| (II)
T :シフトファクター
Ea:流動の活性化エネルギー(単位:kJ/mol)
T :温度(単位:℃)
上記計算は、市販の計算ソフトウェアを用いてもよく、該計算ソフトウェアとしては、Rheometrics社製 Rhios V.4.4.4などがあげられる。
なお、シフトファクター(aT)は、夫々の温度(T)における溶融複素粘度−角周波数の両対数曲線を、log(Y)=−log(X)軸方向に移動させて(但し、Y軸を溶融複素粘度、X軸を角周波数とする。)、190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線に重ね合わせた際の移動量であり、該重ね合わせでは、夫々の温度(T)における溶融複素粘度−角周波数の両対数曲線は、各曲線ごとに、角周波数をaT倍に、溶融複素粘度を1/aT倍に移動させる。また、130℃、150℃、170℃および190℃の4点の値から(I)式を最小自乗法で求めるときの相関係数は、通常、0.99以上である。
溶融複素粘度−角周波数曲線の測定は、粘弾性測定装置(例えば、Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800など。)を用い、通常、ジオメトリー:パラレルプレート、プレート直径:25mm、プレート間隔:1.5〜2mm、ストレイン:5%、角周波数:0.1〜100rad/秒の条件で行われる。なお、測定は窒素雰囲気下で行われ、また、測定試料には予め酸化防止剤を適量(例えば1000ppm。)を配合することが好ましい。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)のメルトフローレート比(以下、「MFRR」と記載することがある。)は、押出成形時の押出負荷をより低減するという観点から、好ましくは30以上であり、より好ましくは50以上であり、更に好ましくは70以上である。また、得られる成形体(容器)の耐衝撃性をより向上させるという観点から、好ましくは200以下であり、より好ましくは150以下である。該MFRRは、JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重211.82N、温度190℃の条件で測定されるメルトフローレート(以下、「H−MFR」と記載することがある。)を、JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重21.18Nおよび温度190℃の条件で測定されるメルトフローレート(MFR)で除した値である。また、MFRRは、後述する製造方法において、例えば、水素濃度により変更することができ、水素濃度を高くすると、エチレン−α−オレフィン共重合体のMFRRが小さくなる。
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)は、6〜20である。インフレーション成形時のバブルの安定性を向上させ、中空成形や熱成形時のドローダウン性を向上させるという観点、ならびに成形加工時の押出負荷を低減するという観点から、エチレン−α−オレフィン共重合体のMw/Mnは、より好ましくは7以上であり、さらに好ましくは8以上である。また、より耐衝撃性を向上させ、透明性を向上させるという観点から、エチレン−α−オレフィン共重合体のMw/Mnは、より好ましくは18以下であり、さらに好ましくは15以下である。なお、該分子量分布(Mw/Mn)の値は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ法によって得られる分子量分布曲線から、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)とを求め、MwをMnで除することにより得られる。
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)の製造方法としては、例えば、助触媒である有機亜鉛化合物を粒子状化合物に担持させてなる固体粒子状物を助触媒成分(以下、成分(イ)と記す。)として用い、アルキレン基やシリレン基等の架橋基で2つのシクロペンタジエニル型アニオン骨格が結合した構造を持つ配位子を有する遷移金属化合物(以下、成分(ロ)と記す。)を触媒成分として用いてなる重合触媒の存在下、エチレンとα−オレフィンとを共重合する方法があげられる。
上記成分(イ)としては、メチルアルモキサンを多孔質シリカと混合させた成分、ジエチル亜鉛と水とフッ化フェノールを多孔質シリカと混合させた成分等をあげることができる。
上記成分(イ)のより具体例として、成分(a)ジエチル亜鉛、成分(b)フッ素化フェノール、成分(c)水、成分(d)多孔質シリカおよび成分(e)1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(((CH33Si)2NH)を接触させてなる助触媒成分(以下、成分(イ)−2と記す。)をあげることができ、好ましい。
成分(b)のフッ素化フェノールとしては、ペンタフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール等をあげることができ、好ましい。エチレン−α−オレフィン共重合体の流動の活性化エネルギー(Ea)、分子量分布(Mw/Mn)を大きくするという観点から、フッ素数の異なる2種類のフッ素化フェノールを用いることが好ましく、この場合、フッ素数が多いフェノールとフッ素数が少ないフェノールとのモル比としては、通常、20/80〜80/20であり、フッ素数が少ないフェノールのモル比が高い方が好ましい。
上記成分(a)、成分(b)および成分(c)の使用量としては、各成分の使用量のモル比率を成分(a):成分(b):成分(c)=1:y:zとすると、yおよびzが下記の式を満足することが好ましい。
|2−y−2z|≦1
上記の式におけるyとして、好ましくは0.01〜1.99の数であり、より好ましくは0.10〜1.80の数であり、さらに好ましくは0.20〜1.50の数であり、最も好ましくは0.30〜1.00の数である。
成分(a)に対して使用する成分(d)の量としては、成分(a)と成分(d)との接触により得られる粒子に含まれる亜鉛原子のモル数が、該粒子1gあたり0.1mmol以上となる量であることが好ましく、0.5〜20mmolとなる量であることがより好ましい。成分(d)に対して使用する成分(e)の量としては、成分(d)1gあたり成分(e)0.1mmol以上となる量であることが好ましく、0.5〜20mmolとなる量であることがより好ましい。
上記成分(ロ)としては、エチレン基、ジメチルメチレン基、ジメチルシリレン基などの架橋基で2つのインデニル基が結合したジルコノセン錯体;エチレン基、ジメチルメチレン基、ジメチルシリレン基などの架橋基で2つのメチルインデニル基が結合したジルコノセン錯体(架橋型ビスインデニルジルコニウム錯体);エチレン基、ジメチルメチレン基、ジメチルシリレン基などの架橋基で2つのメチルシクロペンタジエニル基が結合したジルコノセン錯体;エチレン基、ジメチルメチレン基、ジメチルシリレン基などの架橋基で2つのジメチルシクロペンタジエニル基が結合したジルコノセン錯体等をあげることができる。また、成分(ロ)の金属原子としては、ジルコニウムとハフニウムが好ましく、さらに金属原子が有する残りの置換基としては、ジフェノキシ基やジアルコキシ基が好ましい。エチレン−α−オレフィン共重合体の流動活性化エネルギー(Ea)を大きくするという観点から、成分(ロ)として、架橋型ビスインデニルジルコニウム錯体を用いることが好ましく、エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシドを用いることがより好ましい。
上記の成分(イ)と成分(ロ)とを用いてなる重合触媒においては、適宜、有機アルミニウム化合物を助触媒成分として併用してもよく、該有機アルミニウム化合物としては、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウム等をあげることができる。
上記成分(ロ)の使用量は、上記成分(イ)1gあたり、好ましくは5×10-6〜5×10-4molである。また有機アルミニウム化合物の使用量として、好ましくは、上記メタロセン錯体の金属原子1モルあたり、有機アルミニウム化合物のアルミニウム原子が1〜2000モルとなる量である。
また、上記の成分(イ)と成分(ロ)とを用いてなる重合触媒においては、適宜、電子供与性化合物を触媒成分として併用してもよく、該電子供与性化合物としては、トリエチルアミン、トリノルマルオクチルアミン等をあげることができる。
上記成分(b)のフッ素化フェノールとしてフッ素数の異なる2種類のフッ素化フェノールを用いる場合は、電子供与性化合物を併用することが好ましい。
電子供与性化合物の使用量としては、上記の助触媒成分として用いられる有機アルミニウム化合物のアルミニウム原子のモル数に対して、通常0.1〜10mol%であり、MFRRならびに分子量分布(Mw/Mn)を大きくするという観点から、該使用量は多い方が好ましい。
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法としては、より具体的には、上記成分(イ)−2、架橋型ビスインデニルジルコニウム錯体および有機アルミニウム化合物を接触させてなる触媒の存在下、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとを共重合する方法があげられる。
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)の重合方法として、好ましくは、エチレン−α−オレフィン共重合体の粒子の形成を伴う連続重合方法であり、例えば、連続気相重合、連続スラリー重合、連続バルク重合であり、好ましくは、連続気相重合である。気相重合反応装置としては、通常、流動層型反応槽を有する装置であり、好ましくは、拡大部を有する流動層型反応槽を有する装置である。反応槽内に攪拌翼が設置されていてもよい。
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)の気相重合やスラリー重合における重合温度としては、通常、エチレン−α−オレフィン共重合体が溶融する温度よりも低く、好ましくは0〜150℃であり、より好ましくは30〜100℃であり、さらに好ましくは50〜90℃である。また、エチレン−α−オレフィン共重合体の分子量分布(Mw/Mn)を大きくするという観点ならびにMFRRを大きくするという観点からは、重合温度は高い方が好ましい。重合反応槽には、不活性ガスを導入してもよく、分子量調節剤として水素を導入してもよい。また、有機アルミニウム化合物、電子供与性化合物を導入してもよい。
バルク重合における重合温度としては、通常、150〜300℃である。
溶液重合における重合温度は通常150〜300℃である。
重合時間としては(連続重合反応である場合は平均滞留時間として)、通常1〜20時間である。エチレン−α−オレフィン共重合体の分子量分布(Mw/Mn)を大きくするという観点からは、重合時間(平均滞留時間)は長い方が好ましい。
また、共重合体の溶融流動性を調節する目的で、重合反応ガスに水素を分子量調節剤として添加してもよく、重合反応ガス中に不活性ガスを共存させてもよい。重合反応ガス中のエチレンのモル濃度に対する重合反応ガス中の水素のモル濃度は、重合反応ガス中のエチレンのモル濃度100モル%として、通常、0.1〜3mol%である。該重合反応ガス中の水素のモル濃度を高くすることにより、得られるエチレン−α−オレフィン共重合体の分子量分布(Mw/Mn)を大きくすることができ、またMFRRを大きくすることができる傾向があるが、水素濃度を過度に高くしすぎると、耐衝撃性が低下する。
重合反応ガス中にα−オレフィン濃度を高くすると、密度の低いエチレン−α−オレフィン共重合体を得ることができ、落下強度を向上させることができる。
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)の製造に用いられる重合触媒の各成分を反応槽に供給する方法としては、通常、窒素やアルゴン等の不活性ガス、水素、エチレン等を用いて、水分のない状態で供給する方法、各成分を溶媒に溶解または稀釈して、溶液またはスラリー状態で供給する方法が用いられる。重合触媒の各成分は個別に供給してもよく、任意の成分を任意の順序にあらかじめ接触させて供給してもよい。
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)の製造方法としては、遷移金属化合物と助触媒成分と、必要に応じて、更に、有機アルミニウム化合物と電子供与性化合物とを用いて、少量のオレフィンを重合(以下、予備重合と称する。)して得られた予備重合固体成分を、重合用触媒成分または重合用触媒として用いて、エチレンとα−オレフィンとを共重合する方法が好ましい。
予備重合で用いられるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、シクロペンテン、シクロヘキセンなどをあげることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。好ましくは、エチレン単独で用いられ、またはエチレンとα−オレフィンとが併用される。更に好ましくは、エチレン単独で用いられ、または1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンとエチレンとが併用される。
予備重合固体成分中の予備重合された重合体の含有量は、助触媒成分1g当たり、好ましくは0.01〜1000gであり、より好ましくは0.05〜500gであり、更に好ましくは0.1〜200gである。
予備重合方法としては、連続重合法でもバッチ重合法でもよく、例えば、バッチ式スラリー重合法、連続式スラリー重合法、連続気相重合法である。予備重合を行う重合反応槽に、遷移金属化合物と助触媒成分と、必要に応じて、有機アルミニウム化合物と電子供与性化合物とを投入する方法としては、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水素、エチレン等を用いて、水分のない状態で投入する方法、各成分を溶媒に溶解または稀釈して、溶液またはスラリー状態で投入する方法が用いられる。
予備重合をスラリー重合法で行う場合、溶媒としては、通常、飽和脂肪族炭化水素化合物が用いられ、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等があげられる。これらは単独あるいは2種以上組み合わせて用いられる。飽和脂肪族炭化水素化合物としては、常圧における沸点が100℃以下のものが好ましく、常圧における沸点が90℃以下のものがより好ましく、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサンが更に好ましい。
また、予備重合をスラリー重合法で行う場合、スラリー濃度としては、溶媒1リットル当たりの助触媒成分の量が、通常0.1〜600gであり、好ましくは0.5〜300gである。予備重合温度は、通常−20〜100℃であり、好ましくは0〜80℃である。予備重合中、重合温度は適宜変更してもよい。また、予備重合中の気相部でのオレフィン類の分圧は、通常0.001〜2MPaであり、好ましくは0.01〜1MPaである。予備重合時間は、通常2分間〜15時間である。
予備重合された予備重合固体触媒成分を重合反応槽に供給する方法としては、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水素、エチレン等を用いて供給する方法、各成分を溶媒に溶解または稀釈して、溶液またはスラリー状態で供給する方法が用いられる。
重合に用いるα−オレフィンとしては、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセンなどの炭素数6〜20のα−オレフィンがあげられる。これらは単独で用いられていてもよく、2種以上を併用されていてもよい。好ましくは1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンである。エチレンとα−オレフィンとの組み合せとしては、エチレンと1−ヘキセン、エチレンと4−メチル−1−ペンテン、エチレンと1−オクテン、エチレンと1−ヘキセンと1−オクテン等があげられ、好ましくはエチレンと1−ヘキセン、エチレンと4−メチル−1−ペンテン、エチレンと1−ヘキセンと1−オクテンである。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(B)として、エチレンに基づく単量体単位と炭素数4〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを含む共重合体であり、好ましくは、エチレンに基づく単量体単位と炭素数5〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを含む共重合体であり、より好ましくは、エチレンに基づく単量体単位と炭素数6〜8のα−オレフィンに基づく単量体単位とを含む共重合体である。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(B)としては、例えば、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−1−オクテン共重合体等があげられ、好ましくはエチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−1−オクテン共重合体である。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(B)の密度(以下、「d」と記載することがある。)は、好ましくは880〜920kg/mである。得られる容器の耐ピンホール性と透明性を向上させるという観点から、より好ましくは915kg/m以下であり、さらに好ましくは910kg/m以下である。容器に収納された液体が、容器へ浸透することを少なくするという観点から、より好ましくは890kg/m3以上であり、さらに好ましくは900kg/m3以上である。該密度は、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定される。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)の密度は、エチレン−α−オレフィン共重合体(B)中のα−オレフィンに基づく単量体単位の含有量を増減することにより調整できる。α−オレフィンに基づく単量体単位の含有量を増加することにより密度は低下させることができる。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(B)のメルトフローレート(以下、「MFR」と記載することがある。)は、0.1〜1.8(g/10分)である。該メルトフローレートは、成形加工時の押出負荷を低減するという観点から、好ましくは0.5g/10分以上であり、より好ましくは0.7g/10分以上である。該メルトフローレートは、ドローダウン性を向上させ、耐ピンホール性を向上させるという観点から、好ましくは1.6g/10分以下であり、より好ましくは1.2g/10分以下である。該メルトフローレートは、JIS K7210−1995に規定された方法において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で、A法により測定される値である。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)のメルトフローレートは、後述する製造方法において、例えば、水素濃度または重合温度により変更することができ、水素濃度または重合温度を高くすると、エチレン−α−オレフィン共重合体(B)のメルトフローレートが大きくなる。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(B)のメルトフローレート比(以下、「MFRR」と記載することがある。)は、内容器成形時の押出負荷をより低減するという観点から、好ましくは10以上であり、より好ましくは14以上であり、更に好ましくは18以上である。また耐衝撃性を向上させるという観点から、好ましくは45以下であり、より好ましくは40以下であり、さらに好ましくは30以下である。該MFRRは、JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重211.82N、温度190℃の条件で測定されるメルトフローレート(以下、「H−MFR」と記載することがある。)を、JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重21.18Nおよび温度190℃の条件で測定されるメルトフローレート(MFR)で除した値である。また、MFRRは、後述する製造方法において、例えば、水素濃度により変更することができ、水素濃度を高くすると、エチレン−α−オレフィン共重合体のMFRRが小さくなる。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(B)の分子量分布(Mw/Mn)は、3〜9である。押出成形性を向上させるという観点から、エチレン−α−オレフィン共重合体(B)のMw/Mnは、好ましくは4以上であり、より好ましくは5以上である。また、耐衝撃性を向上させ、透明性を向上させるという観点から、エチレン−α−オレフィン共重合体(B)のMw/Mnは、より好ましくは8以下であり、さらに好ましくは7以下である。なお、該分子量分布(Mw/Mn)の値は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ法によって得られる分子量分布曲線から、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)とを求め、MwをMnで除することにより得られる。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(B)は、長鎖分岐を有しないことからエチレン−α−オレフィン共重合体の流動の活性化エネルギー(以下、「Ea」と記載することがある。)は、25〜45kJ/molである。耐ピンホール性を向上させるという観点から40kJ/mol以下が好ましい。押出負荷を軽減するという観点から30kJ/mol以上が好ましい。
該流動の活性化エネルギーは、後述する製造方法において、例えば、重合温度を高くすることにより大きくなることがある。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)の製造方法としては、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系触媒等のオレフィン重合触媒を用いて、溶液重合法、スラリー重合法、気相重合法、高圧重合法等の重合方法によって製造する方法があげられる。また、該重合法は、回分重合法、連続重合法のいずれでもよく、2段階以上の多段重合法でもよい。
上記のチーグラー・ナッタ系触媒としては、例えば、チタン原子、マグネシウム原子及びハロゲン原子を含有するオレフィン重合用固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒があげられ、より具体的には、特開平11−322833号公報に記載された触媒があげられる。
メタロセン系触媒としては、例えば、次の(1)〜(4)の触媒等があげられる。
(1)シクロペンタジエン形骨格を有する基を有する遷移金属化合物を含む成分と、アルモキサン化合物とを含む成分からなる触媒
(2)前記遷移金属化合物を含む成分と、トリチルボレート、アニリニウムボレート等のイオン性化合物とを含む成分からなる触媒
(3)前記遷移金属化合物を含む成分と、前記イオン性化合物を含む成分と、有機アルミニウム化合物とを含む成分からなる触媒
(4)前記の各成分をSiO2、Al23等の無機粒子状担体や、エチレン、スチレン等のオレフィン重合体等の粒子状ポリマー担体に担持または含浸させて得られる触媒
上記の有機金属化合物としては、例えば、ブチルリチウム、トリエチルアルミニウム、などがあげられる。
本発明で用いるポリエチレン系樹脂組成物中の各成分の含有量としては、該樹脂組成物に含まれるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)とエチレン−α−オレフィン共重合体(B)の合計量を100重量%として、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の含有量が55〜90重量%、エチレン−α−オレフィン共重合体(B)の含有量が45〜10重量%である。樹脂組成物の溶融張力を向上させるという観点から、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の含有量は好ましくは58重量%以上であり、さらに好ましくは60重量%以上である。容器の耐ピンホール性を向上させるという観点から、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の含有量は80重量%以下であり、さらに好ましくは70重量%以下である。
本発明では、エチレン−α−オレフィン共重合体(B)のメルトフローレート(MFR(B))をエチレン−α−オレフィン共重合体(A)のMFR(MFR(A))で除した値(MFR(B)/MFR(A))は、好ましくは1〜4.5である。(MFR(B)/MFR(A))は押出成形性を向上させるという観点から1.5以上がより好ましく、2以上がさらに好ましい。耐ピンホール性とヒートシール性を向上させるという観点から(MFR(B)/MFR(A))は4以下がより好ましく、3以下がさらに好ましい。
本発明では、エチレン−α−オレフィン共重合体(B)の密度(d(B))をエチレン−α−オレフィン共重合体(A)の密度(d(A))で除した値(d(B)/d(A))は、好ましくは0.95〜1.00である。(d(B)/d(A))は耐ピンホール性とヒートシール性を向上させるという観点から0.995以下がより好ましく、0.992以下がさらに好ましい。容器の剛性や自立性を向上させるという観点から(d(B)/d(A))は0.970以上がより好ましく、0.985以上がさらに好ましい。
本発明で用いるポリエチレン系樹脂組成物の、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)とエチレン−α−オレフィン共重合体(B)とをブレンドする方法としては、例えば、ヘンシェルミキサー、タンブラーミキサーなど回転式のブレンダーによるドライブレンド;単軸押出機、二軸押出機、バンバリ−ミキサー、熱ロールなどによるメルトブレンドなどがあげられる。
本発明では、必要に応じて前記した樹脂組成物と添加剤を共に用いることができる。
該添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、抗ブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、無滴剤、顔料、フィラー、酸素吸収剤、離型剤があげられる。
本発明のポリエチレン系樹脂組成物を容器に成形する方法としては、例えば、フィルムまたはシートを成形しシールすることにより容器とする方法や、フィルムまたはシートを熱成形し、熱成形体同士、または熱成形体とフィルムまたはシートをシールすることにより容器とする方法が挙げられる。熱成形法としては、真空成形法や圧空成形法が挙げられる。また、中空成形法や射出成形法により容器を直接成形してもよい。
本発明のポリエチレン系樹脂組成物を容器に成形する方法としては、中空成形法あるいはフィルムまたはシートを熱成形し、熱成形体同士をシールして容器とする方法が好ましく、中空成形法がより好ましい。
フィルムまたはシートの成形方法としては、インフレーション法やTダイキャスト法などの押出成形法、カレンダー成形法などをあげることができる。
中空成形の方法としては、押出式、アキュムレーター式、ホットパリソン式、コールドパリソン式、射出式等があげられる。例えば、本発明の容器は、押出機から押し出して溶融パリソンを得、該パリソンを中空成形機の所望の容器形状を有する金型内にセットした後、これに圧縮ガスを吹き込んで金型内面壁まで膨らませ、しかる後、冷却させることにより得られる。また、連続成形機構としては、シャトル型、ロータリー型、サテライト型などの形式があげられ、型締め方法としては、油圧式、電動式、トグル式などがあげられ、成形時に延伸を行ってもよい。
本発明のポリエチレン系樹脂組成物は、単一層で用いてもよく、多層の一層に用いてもよい。多層に用いられる場合は、本発明のポリエチレン系樹脂組成物からなる層以外の層としては、滑り性を付与した層や、酸素などの気体や水蒸気のバリア層、遮光層、酸素吸収層、接着層、着色層、導電性層、再生樹脂含有層などが挙げられる。
多層容器である場合、本発明のポリエチレン系樹脂組成物を用いた層以外の層を構成する樹脂としては、例えば、結晶性樹脂、ゴム、接着性樹脂、バリア性樹脂などが挙げられ、具体的には、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、極低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、エチレン−スチレン共重合体、エチレン−ビニルシクロヘキサン共重合体、エチレン−ノルボルネン共重合体、ポリオレフィンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、イソプレンゴム、スチレン−イソプレンゴム、イソブチレンゴム等が挙げられる。また、これら樹脂の酸変性体や水添物等も挙げられる。
本発明のポリエチレン系樹脂組成物を用いた容器は、耐ピンホール性と耐衝撃性に優れるため、食品容器、工業製品用容器、医薬品容器、日用品容器等の用途に好適である。
本発明のポリエチレン系樹脂組成物を用いた容器は、耐ピンホール性と耐衝撃性に優れるため、内袋やバッグインボックス等の液体用内容器に用いることが好適である。
本発明のポリエチレン系樹脂組成物を用いた容器に充填される液体は、例えば、水、食品類、工業用途液体などが挙げられる。水としては、蒸留水、イオン交換水、鉱水などが挙げられる。食品類としては、ジュース、酒、食用油、液体調味料などが挙げられる。工業用途液体としては、試薬、殺菌剤、現像液、機械油などが挙げられる。本発明のポリエチレン系樹脂組成物の耐ピンホール性に優れる特徴を生かすために、液体の粘度は30Pa・sec以下が好ましく、1Pa・sec以下がより好ましい。
以下、実施例および比較例により本発明を説明する。
実施例および比較例での物性は、次の方法に従って測定した。
(1)密度(d、単位:kg/m3
JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定した。なお、試料には、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った。
(2)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重21.18N、温度190℃の条件で、A法により測定した。
(3)メルトフローレート比(MFRR)
JIS K7210−1995に規定された方法において、試験荷重211.82N、測定温度190℃の条件で測定されるメルトフローレート(H−MFR)と、JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重21.18Nおよび温度190℃の条件で測定されるメルトフローレート(MFR)とを測定し、H−MFRをMFRで除した値を求めた。
(4)分子量分布(Mw/Mn)
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法を用いて、下記の条件(1)〜(8)により、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、Mw/Mnを求めた。クロマトグラム上のベースラインは、試料溶出ピークが出現するよりも十分に保持時間が短い安定した水平な領域の点と、溶媒溶出ピークが観測されたよりも十分に保持時間が長い安定した水平な領域の点とを結んでできる直線とした。
(1)装置:Waters製Waters150C
(2)分離カラム:TOSOH TSKgelGMH6−HT
(3)測定温度:140℃
(4)キャリア:オルトジクロロベンゼン
(5)流量:1.0mL/分
(6)注入量:500μL
(7)検出器:示差屈折
(8)分子量標準物質:標準ポリスチレン
(5)流動の活性化エネルギー(Ea、単位:kJ/mol)
粘弾性測定装置(Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800)を用いて、下記測定条件で130℃、150℃、170℃および190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線を測定し、次に、得られた溶融複素粘度−角周波数曲線から、Rheometrics社製計算ソフトウェア Rhios V.4.4.4を用いて、190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線のマスターカーブを作成し、活性化エネルギー(Ea)を求めた。
<測定条件>
ジオメトリー:パラレルプレート
プレート直径:25mm
プレート間隔:1.5〜2mm
ストレイン :5%
角周波数 :0.1〜100rad/秒
測定雰囲気 :窒素
(6)190℃溶融張力(MT、単位:cN)
東洋精機製作所製メルトテンションテスターを用い、190℃の温度および0.32g/分の押出速度で、直径2.095mm、長さ8mmのオリフィスから樹脂組成物ペレットを溶融押出し、該溶融押出されたものを引取ロールにより6.3(m/分)/分の引取上昇速度でフィラメント状に引取り、引取る際の張力を測定した。引取開始からフィラメント状のエチレン−α−オレフィン共重合体が切断するまでの間の最大張力を190℃溶融張力とした。
この値が高いほど、熱成形や中空成形時のドローダウン性が良好であることを示す。
(7)耐ピンホール性(単位:個)
テスター産業社製ゲルボフレックステスターを用いて、フィルム試料(282.6mm×220mm)を直径88.9mmφの固定ヘッドと間隔177.8mmの稼動ヘッドに取り付け、稼動ヘッドのストローク152.4mmで、82.6mm進みながら400°捩じりを加えた後62.5mm直進させ、速度40回/分の速度で、23℃に調整した雰囲気下で、10000回往復運動を加えた。
上質紙上に置いた試料の上に10体積%のエチルアルコール水溶液に0.4%のメチレンブルーを溶かした溶液をローラーで塗布し、上質紙上に発生した青色斑点を数えピンホール数を求めた。測定は2回行い、平均値をピンホール数とした。ピンホール数が少ないほど耐ピンホール性に優れることを示す。
(8)ヒートシール強度(HS強度:N)
組成物ペレットを150℃の熱プレスを用いて、0.5mm厚のプレスシートを作製した。同様にして、高密度ポリエチレン(京葉ポリエチレン製 KEIYOポリエチ M6900;MFR 17g/10min、密度956kg/m)のペレットから、0.5mm厚のプレスシートを作製した。
組成物のプレスシートを上にして、高密度ポリエチレンのプレスシートに3cmだけ重なるように重ね合わせた後、該2枚重ねのプレスシートを15μmのナイロンフィルム2枚で挟み、ナイロンフィルムごと、組成物と高密度ポリエチレンの重なった部分を、ヒートシーラー(テスター産業社製)を用いて、シール温度:120℃、シール時間:15秒、シール圧力:0.98MPa、シール巾:10mmの条件で、ヒートシールを行った。得られたサンプルを23℃で24時間以上状態調整した後、シール巾方向から直角方向に巾10mmの試験片を切り出し、次に、該試験片のシール部を引張試験機により、200mm/分の速度で引っ張り、荷重(単位:N)を測定した。荷重が最大となる強度を最大の荷重をヒートシール強度(単位:N)とした。
ヒートシール強度が高いほど、液体容器の口金等に使用される高密度ポリエチレンとの熱融着性(ヒートシール性)に優れることを示す。
(9)透明性(Haze、単位:%)
実施例のフィルム試料の透明性をASTM D1003に従って測定した。この値が小さいほど透明であることを示す。
(10)ダートインパクト強度(単位:kJ/m)
ASTM D1709に規定された方法(A法)に従って、ダートインパクト強度を測定した。規定された方法でフィルムが破壊されない場合は非破壊(N.B.:200kJ/m以上)とした。
この値が高いほど耐衝撃性に優れることを示す。
重合例1
(1−1)触媒用固体成分(a)の調製
窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;50%体積平均粒子径=55μm;細孔容量=1.67ml/g;比表面積=325m2/g)2.8kgとトルエン24kgとを入れて、撹拌した。その後、5℃に冷却した後、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン0.9kgとトルエン1.4kgとの混合溶液を反応器の温度を5℃に保ちながら30分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間撹拌し、次に95℃に昇温し、95℃で3時間撹拌し、ろ過した。得られた固体生成物をトルエン20.8kgで6回、洗浄を行った。その後、トルエン7.1kgを加えスラリーとし、一晩静置した。
上記で得られたスラリーに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(ジエチル亜鉛濃度:50重量%)1.73kgとヘキサン1.02kgとを投入し、撹拌した。その後、5℃に冷却した後、3,4,5−トリフルオロフェノール0.78kgとトルエン1.44kgとの混合溶液を、反応器の温度を5℃に保ちながら60分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間撹拌し、次に40℃に昇温し、40℃で1時間撹拌した。その後、22℃に冷却し、H2O0.11kgを反応器の温度を22℃に保ちながら1.5時間で滴下した。滴下終了後、22℃で1.5時間撹拌し、次に40℃に昇温し、40℃で2時間撹拌し、更に80℃に昇温し、80℃で2時間撹拌した。撹拌後、室温にて、残量16Lまで上澄み液を抜き出し、トルエン11.6kgを投入し、次に、95℃に昇温し、4時間撹拌した。撹拌後、室温にて、上澄み液を抜き出し、固体生成物を得た。得られた固体生成物をトルエン20.8kgで4回、ヘキサン24リットルで3回、洗浄を行った。その後、乾燥することにより、触媒用固体成分(a)を得た。
(1−2)予備重合
予め窒素置換した内容積210リットルの撹拌機付きオートクレーブに、上記に記載の触媒用固体成分(a)0.7kgと、ブタン80リットル、常温常圧の水素として0.1リットルを仕込んだ後、オートクレーブを30℃まで上昇した。さらにエチレンをオートクレーブ内のガス相圧力で0.03MPa分だけ仕込み、系内が安定した後、トリイソブチルアルミニウム140mmol、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシド88mmolを投入して重合を開始した。50℃へ昇温するとともに、エチレンと水素を連続で供給しながら、50℃で合計6時間の予備重合を実施した。重合終了後、エチレン、ブタン、水素ガスなどをパージして残った固体を室温にて真空乾燥し、上記固体成分(a)1g当り19gのエチレン・1−ブテン共重合体が予備重合された予備重合触媒成分を得た。
(1−3)連続気相重合
上記の予備重合触媒成分を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ヘキセンの共重合を実施した。重合条件は、温度82℃、全圧2MPa、ガス線速度0.3m/s、エチレンに対する水素モル比は1.3%、エチレンに対する1−ヘキセンモル比は2.0%で、重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、ヘキセン−1、水素を連続的に供給した。さらに、流動床の総パウダー重量を80kgに維持し、平均重合時間が3時間となるように、上記予備重合触媒成分と、トリイソブチルアルミニウムとを一定の割合で連続的に供給した。重合により、21kg/hrの生産効率でエチレン−1−ヘキセン共重合体(以下、A−1と称する。)のパウダーを得た。
(1−4)エチレン−1−ヘキセン共重合体パウダーの造粒
上記で得たA−1のパウダーを、神戸製鋼所社製LCM50押出機を用いて、フィード速度50kg/hr、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度4.2mm、サクション圧力0.2MPa、樹脂温度200〜230℃条件で造粒することにより、A−1のペレットを得た。A−1のペレットの物性測定結果を表1に示す。
実施例1
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)として上記重合例1に記載のエチレン−1−ヘキセン共重合体(A−1)のペレットを用い、エチレン−α−オレフィン共重合体(B)としてメタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン スミカセンE FV103(住友化学製;エチレン−1−ヘキセン共重合体;以下B−1と略す;物性を表2に示す)を用い、表3に記載の含有量で、ペレット同士を回転式混合機を用いて混合し樹脂組成物Aを得た。
得られた樹脂組成物Aをスクリュー径30mmφの押出機を用いて、210℃で押出を行い樹脂組成物造粒品(組成物ペレット)を得て物性を表4に示した。
得られた樹脂組成物Aをスクリュー径50mmφの押出機、ダイ径125mmφ、リップ開度2.0mmのインフレーションフィルム成形機(プラコー社製)により、加工温度170℃、押出量20kg/hr、ブロー比1.8の条件で厚み80μmのフィルムを成形した。フィルムの物性評価結果を表5に示した。
実施例2
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)としてチーグラーナッタ系触媒直鎖状低密度ポリエチレン スミカセンHiα CW2007(住友化学製;エチレン−1−ヘキセン共重合体;以下B−2と略す;物性を表2に示す)を用い、実施例1と同様にして表3に示す樹脂組成物Bを得た。実施例1と同様に得られた樹脂組成物造粒品の物性を表4に示し、実施例1と同様にフィルム成形を行い得られたフィルムの物性を表5に示した。
実施例3
実施例2のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)とエチレン−α−オレフィン共重合体(B)の組成比率を変更して表3に示す樹脂組成物Cを得た。実施例1と同様に得られた樹脂組成物造粒品の物性を表4に示し、実施例1と同様にフィルム成形を行い得られたフィルムの物性を表5に示した。
実施例4
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)としてチーグラーナッタ系触媒直鎖状低密度ポリエチレン スミカセンHi CS1009(住友化学製;エチレン−1−ヘキセン共重合体;以下B−3と略す;物性を表2に示す)を用い、実施例1と同様にして表3に示す樹脂組成物Dを得た。実施例1と同様に得た樹脂組成物造粒品の物性を表4に示し、実施例1と同様にフィルム成形を行い得られたフィルムの物性を表5に示した。
実施例5
実施例4のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)とエチレン−α−オレフィン共重合体(B)の組成比率を変更して表3に示す樹脂組成物Eを得た。実施例1と同様に得られた樹脂組成物造粒品の物性を表4に示し、実施例1と同様にフィルム成形を行い得られたフィルムの物性を表5に示した。
比較例1
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)としてメタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン スミカセンE FV203(住友化学製;エチレン−1−ヘキセン共重合体;以下B−4と略す;物性を表2に示す)を用い、実施例1と同様にして表6に示す樹脂組成物Fを得た。実施例1と同様に得られた樹脂組成物造粒品の物性を表7に示し、実施例1と同様にフィルム成形を行い得られたフィルムの物性を表8に示した。
比較例2
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)としてメタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン スミカセンE FV205(住友化学製;エチレン−1−ヘキセン共重合体;以下B−5と略す;物性を表2に示す)を用い、実施例1と同様にして表6に示す樹脂組成物Gを得た。実施例1と同様に得られた樹脂組成物造粒品の物性を表7に示し、実施例1と同様にフィルム成形を行い得られたフィルムの物性を表8に示した。
比較例3
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)としてメタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン AFFINITY PF1140(ダウケミカル製;エチレン−1−オクテン共重合体;以下B−6と略す;物性を表2に示す)を用い、実施例1と同様にして表6に示す樹脂組成物Hを得た。実施例1と同様に得られた樹脂組成物造粒品の物性を表7に示し、実施例1と同様にフィルム成形を行い得られたフィルムの物性を表8に示した。
重合例2
(2−1)予備重合
予め窒素置換した内容積210リットルの撹拌機付きオートクレーブに、上記重合例1の(1)に記載の触媒用固体成分(a)0.7kgと、ブタン80リットル、常温常圧の水素として0.1リットルを仕込んだ後、オートクレーブを35℃まで上昇した。さらにエチレンをオーツクレーブ内のガス相圧力で0.03MPa分だけ仕込み、系内が安定した後、トリイソブチルアルミニウム263mmol、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシド88mmolを投入して重合を開始した。50℃へ昇温するとともに、エチレンと水素を連続で供給しながら、50℃で合計6時間の予備重合を実施した。重合終了後、エチレン、ブタン、水素ガスなどをパージして残った固体を室温にて真空乾燥し、上記固体成分(a)1g当り23gのエチレン重合体が予備重合された予備重合触媒成分を得た。
(2−2)連続気相重合
上記の予備重合触媒成分を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ヘキセンの共重合を実施した。重合条件は、温度80℃、全圧2MPa、ガス線速度0.3m/s、エチレンに対する水素モル比は1.6%、エチレンに対する1−ヘキセンモル比は0.9%で、重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、ヘキセン−1、水素を連続的に供給した。さらに、流動床の総パウダー重量を80kgに維持し、平均重合時間が4時間となるように、上記予備重合触媒成分と、トリイソブチルアルミニウムとを一定の割合で連続的に供給した。重合により、19kg/hrの生産効率でエチレン−1−ヘキセン共重合体(以下、A−2と称する。)のパウダーを得た。
(2−3)エチレン−1−ヘキセン共重合体パウダーの造粒
上記で得たA−2のパウダーを、神戸製鋼所社製LCM50押出機を用いて、フィード速度50kg/hr、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度4.2mm、サクション圧力0.2MPa、樹脂温度200〜230℃条件で造粒することにより、A−2のペレットを得た。A−2のペレットの物性測定結果を表1に示す。
比較例4
実施例1において、エチレン−α−オレフィン重合体(A)A−1の代わりに上記重合例2で得られたエチレン−1−ヘキセン共重合体A−2を用い、実施例1と同様にして表6に示す樹脂組成物Iを得た。実施例1と同様に得た樹脂組成物造粒品の物性を表7に示し、実施例1と同様にフィルム成形を行い得られたフィルムの物性を表8に示した。
重合例3
(3−1)予備重合
予め窒素置換した内容積210リットルの撹拌機付きオートクレーブに、上記重合例1の(1)に記載の触媒用固体成分(a)0.7kgと、ブタン80リットル、常温常圧の水素として0.1リットルを仕込んだ後、オートクレーブを35℃まで上昇した。さらにエチレンをオーツクレーブ内のガス相圧力で0.03MPa分だけ仕込み、系内が安定した後、トリイソブチルアルミニウム263mmol、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシド88mmolを投入して重合を開始した。50℃へ昇温するとともに、エチレンと水素を連続で供給しながら、50℃で合計6.5時間の予備重合を実施した。重合終了後、エチレン、ブタン、水素ガスなどをパージして残った固体を室温にて真空乾燥し、上記固体成分(a)1g当り28gのエチレン重合体が予備重合された予備重合触媒成分を得た。
(3−2)連続気相重合
上記の予備重合触媒成分を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ブテンと1−ヘキセンの3元共重合を実施した。重合条件は、温度87℃、全圧2MPa、ガス線速度0.3m/s、エチレンに対する水素モル比は1.2%、エチレンに対する1−ブテンモル比は2.2%で、エチレンに対する1−ヘキセンモル比は0.8%で、重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、水素を連続的に供給した。さらに、流動床の総パウダー重量を80kgに維持し、平均重合時間が4時間となるように、上記予備重合触媒成分と、トリイソブチルアルミニウムとを一定の割合で連続的に供給した。重合により、22kg/hrの生産効率でエチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体(以下、A−3と称する。)のパウダーを得た。
(3−3)エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体パウダーの造粒
上記で得たA−3のパウダーを、神戸製鋼所社製LCM50押出機を用いて、フィード速度50kg/hr、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度4.2mm、サクション圧力0.2MPa、樹脂温度200〜230℃条件で造粒することにより、A−3のペレットを得た。A−3のペレットの物性測定結果を表1に示す。
比較例5
実施例1において、エチレン−α−オレフィン重合体(A)A−1の代わりに上記重合例3で得られたエチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体A−3を用い、実施例1と同様にして表6に示す樹脂組成物Jを得た。実施例1と同様に得た樹脂組成物造粒品の物性を表7に示し、実施例1と同様にフィルム成形を行い得られたフィルムの物性を表8に示した。
比較例6
実施例1において、エチレン−α−オレフィン重合体(A)A−1の代わりに上記の直鎖状低密度ポリエチレンB−4を用い、実施例1と同様にして表6に示す樹脂組成物Lを得た。実施例1と同様に得た樹脂組成物造粒品の物性を表7に示し、実施例1と同様にフィルム成形を行い得られたフィルムの物性を表8に示した。
Figure 2012207150
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Claims (2)

  1. エチレンに基づく単量体単位と炭素数6〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを含み、下記要件(A1)、(A2)、(A3)および(A4)の全てを充足するエチレン−α−オレフィン共重合体(A)55〜90重量%と、
    エチレンに基づく単量体単位と炭素数4〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを含み、下記要件(B1)、(B2)、(B3)および(B4)の全てを充足するエチレン−α−オレフィン共重合体(B)45〜10重量%と
    を含む(ただし、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)とエチレン−α−オレフィン共重合体(B)の合計量を100重量%とする)ポリエチレン系樹脂組成物。
    エチレン−α−オレフィン共重合体(A)
    (A1)メルトフローレートが0.1〜1.8g/10分であること。
    (A2)密度が900〜918kg/mであること。
    (A3)分子量分布が6〜20であること。
    (A4)流動の活性化エネルギーが50〜90kJ/molであること。
    エチレン−α−オレフィン共重合体(B)
    (B1)メルトフローレートが0.1〜1.8g/10分であること。
    (B2)密度が880〜920kg/mであること。
    (B3)分子量分布が3〜9であること。
    (B4)流動の活性化エネルギーが25〜45kJ/molであること。
  2. 請求項1に記載のポリエチレン系樹脂組成物を成形してなる容器。
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