JP5741130B2 - ポリエチレン系樹脂組成物および容器 - Google Patents
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Description
かかる状況の下、本発明が解決しようとする課題は、ドローダウン性に優れ、耐ピンホール性や耐衝撃性に優れる容器の原料となるポリエチレン系樹脂組成物および耐ピンホール性や耐衝撃性に優れる容器を提供することにある。
エチレンに基づく単量体単位と炭素数4〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを含み、下記要件(B1)、(B2)、(B3)および(B4)の全てを充足するエチレン−α−オレフィン共重合体(B)45〜10重量%と
を含む(ただし、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)とエチレン−α−オレフィン共重合体(B)の合計量を100重量%とする)ポリエチレン系樹脂組成物にかかるものである。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)
(A1)メルトフローレートが0.1〜1.8g/10分であること。
(A2)密度が900〜918kg/m3であること。
(A3)分子量分布が6〜20であること。
(A4)流動の活性化エネルギーが50〜90kJ/molであること。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)
(B1)メルトフローレートが0.1〜1.8g/10分であること。
(B2)密度が880〜920kg/m3であること。
(B3)分子量分布が3〜9であること。
(B4)流動の活性化エネルギーが25〜45kJ/molであること。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の密度は、エチレン−α−オレフィン共重合体中のエチレンに基づく単量体単位の含有量により変更することができる。
エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレートは、後述する製造方法において、例えば、水素濃度または重合温度により変更することができ、水素濃度または重合温度を高くすると、エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレートが大きくなる。
ln(aT) = m(1/(T+273.16))+n (I)
Ea = |0.008314×m| (II)
aT :シフトファクター
Ea:流動の活性化エネルギー(単位:kJ/mol)
T :温度(単位:℃)
上記計算は、市販の計算ソフトウェアを用いてもよく、該計算ソフトウェアとしては、Rheometrics社製 Rhios V.4.4.4などがあげられる。
なお、シフトファクター(aT)は、夫々の温度(T)における溶融複素粘度−角周波数の両対数曲線を、log(Y)=−log(X)軸方向に移動させて(但し、Y軸を溶融複素粘度、X軸を角周波数とする。)、190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線に重ね合わせた際の移動量であり、該重ね合わせでは、夫々の温度(T)における溶融複素粘度−角周波数の両対数曲線は、各曲線ごとに、角周波数をaT倍に、溶融複素粘度を1/aT倍に移動させる。また、130℃、150℃、170℃および190℃の4点の値から(I)式を最小自乗法で求めるときの相関係数は、通常、0.99以上である。
|2−y−2z|≦1
上記の式におけるyとして、好ましくは0.01〜1.99の数であり、より好ましくは0.10〜1.80の数であり、さらに好ましくは0.20〜1.50の数であり、最も好ましくは0.30〜1.00の数である。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)の密度は、エチレン−α−オレフィン共重合体(B)中のα−オレフィンに基づく単量体単位の含有量を増減することにより調整できる。α−オレフィンに基づく単量体単位の含有量を増加することにより密度は低下させることができる。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)のメルトフローレートは、後述する製造方法において、例えば、水素濃度または重合温度により変更することができ、水素濃度または重合温度を高くすると、エチレン−α−オレフィン共重合体(B)のメルトフローレートが大きくなる。
該流動の活性化エネルギーは、後述する製造方法において、例えば、重合温度を高くすることにより大きくなることがある。
(1)シクロペンタジエン形骨格を有する基を有する遷移金属化合物を含む成分と、アルモキサン化合物とを含む成分からなる触媒
(2)前記遷移金属化合物を含む成分と、トリチルボレート、アニリニウムボレート等のイオン性化合物とを含む成分からなる触媒
(3)前記遷移金属化合物を含む成分と、前記イオン性化合物を含む成分と、有機アルミニウム化合物とを含む成分からなる触媒
(4)前記の各成分をSiO2、Al2O3等の無機粒子状担体や、エチレン、スチレン等のオレフィン重合体等の粒子状ポリマー担体に担持または含浸させて得られる触媒
該添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、抗ブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、無滴剤、顔料、フィラー、酸素吸収剤、離型剤があげられる。
本発明のポリエチレン系樹脂組成物を容器に成形する方法としては、中空成形法あるいはフィルムまたはシートを熱成形し、熱成形体同士をシールして容器とする方法が好ましく、中空成形法がより好ましい。
実施例および比較例での物性は、次の方法に従って測定した。
JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定した。なお、試料には、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った。
JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重21.18N、温度190℃の条件で、A法により測定した。
JIS K7210−1995に規定された方法において、試験荷重211.82N、測定温度190℃の条件で測定されるメルトフローレート(H−MFR)と、JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重21.18Nおよび温度190℃の条件で測定されるメルトフローレート(MFR)とを測定し、H−MFRをMFRで除した値を求めた。
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法を用いて、下記の条件(1)〜(8)により、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、Mw/Mnを求めた。クロマトグラム上のベースラインは、試料溶出ピークが出現するよりも十分に保持時間が短い安定した水平な領域の点と、溶媒溶出ピークが観測されたよりも十分に保持時間が長い安定した水平な領域の点とを結んでできる直線とした。
(1)装置:Waters製Waters150C
(2)分離カラム:TOSOH TSKgelGMH6−HT
(3)測定温度:140℃
(4)キャリア:オルトジクロロベンゼン
(5)流量:1.0mL/分
(6)注入量:500μL
(7)検出器:示差屈折
(8)分子量標準物質:標準ポリスチレン
粘弾性測定装置(Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800)を用いて、下記測定条件で130℃、150℃、170℃および190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線を測定し、次に、得られた溶融複素粘度−角周波数曲線から、Rheometrics社製計算ソフトウェア Rhios V.4.4.4を用いて、190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線のマスターカーブを作成し、活性化エネルギー(Ea)を求めた。
<測定条件>
ジオメトリー:パラレルプレート
プレート直径:25mm
プレート間隔:1.5〜2mm
ストレイン :5%
角周波数 :0.1〜100rad/秒
測定雰囲気 :窒素
東洋精機製作所製メルトテンションテスターを用い、190℃の温度および0.32g/分の押出速度で、直径2.095mm、長さ8mmのオリフィスから樹脂組成物ペレットを溶融押出し、該溶融押出されたものを引取ロールにより6.3(m/分)/分の引取上昇速度でフィラメント状に引取り、引取る際の張力を測定した。引取開始からフィラメント状のエチレン−α−オレフィン共重合体が切断するまでの間の最大張力を190℃溶融張力とした。
この値が高いほど、熱成形や中空成形時のドローダウン性が良好であることを示す。
テスター産業社製ゲルボフレックステスターを用いて、フィルム試料(282.6mm×220mm)を直径88.9mmφの固定ヘッドと間隔177.8mmの稼動ヘッドに取り付け、稼動ヘッドのストローク152.4mmで、82.6mm進みながら400°捩じりを加えた後62.5mm直進させ、速度40回/分の速度で、23℃に調整した雰囲気下で、10000回往復運動を加えた。
上質紙上に置いた試料の上に10体積%のエチルアルコール水溶液に0.4%のメチレンブルーを溶かした溶液をローラーで塗布し、上質紙上に発生した青色斑点を数えピンホール数を求めた。測定は2回行い、平均値をピンホール数とした。ピンホール数が少ないほど耐ピンホール性に優れることを示す。
組成物ペレットを150℃の熱プレスを用いて、0.5mm厚のプレスシートを作製した。同様にして、高密度ポリエチレン(京葉ポリエチレン製 KEIYOポリエチ M6900;MFR 17g/10min、密度956kg/m3)のペレットから、0.5mm厚のプレスシートを作製した。
組成物のプレスシートを上にして、高密度ポリエチレンのプレスシートに3cmだけ重なるように重ね合わせた後、該2枚重ねのプレスシートを15μmのナイロンフィルム2枚で挟み、ナイロンフィルムごと、組成物と高密度ポリエチレンの重なった部分を、ヒートシーラー(テスター産業社製)を用いて、シール温度:120℃、シール時間:15秒、シール圧力:0.98MPa、シール巾:10mmの条件で、ヒートシールを行った。得られたサンプルを23℃で24時間以上状態調整した後、シール巾方向から直角方向に巾10mmの試験片を切り出し、次に、該試験片のシール部を引張試験機により、200mm/分の速度で引っ張り、荷重(単位:N)を測定した。荷重が最大となる強度を最大の荷重をヒートシール強度(単位:N)とした。
ヒートシール強度が高いほど、液体容器の口金等に使用される高密度ポリエチレンとの熱融着性(ヒートシール性)に優れることを示す。
実施例のフィルム試料の透明性をASTM D1003に従って測定した。この値が小さいほど透明であることを示す。
ASTM D1709に規定された方法(A法)に従って、ダートインパクト強度を測定した。規定された方法でフィルムが破壊されない場合は非破壊(N.B.:200kJ/m以上)とした。
この値が高いほど耐衝撃性に優れることを示す。
(1−1)触媒用固体成分(a)の調製
窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;50%体積平均粒子径=55μm;細孔容量=1.67ml/g;比表面積=325m2/g)2.8kgとトルエン24kgとを入れて、撹拌した。その後、5℃に冷却した後、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン0.9kgとトルエン1.4kgとの混合溶液を反応器の温度を5℃に保ちながら30分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間撹拌し、次に95℃に昇温し、95℃で3時間撹拌し、ろ過した。得られた固体生成物をトルエン20.8kgで6回、洗浄を行った。その後、トルエン7.1kgを加えスラリーとし、一晩静置した。
予め窒素置換した内容積210リットルの撹拌機付きオートクレーブに、上記に記載の触媒用固体成分(a)0.7kgと、ブタン80リットル、常温常圧の水素として0.1リットルを仕込んだ後、オートクレーブを30℃まで上昇した。さらにエチレンをオートクレーブ内のガス相圧力で0.03MPa分だけ仕込み、系内が安定した後、トリイソブチルアルミニウム140mmol、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシド88mmolを投入して重合を開始した。50℃へ昇温するとともに、エチレンと水素を連続で供給しながら、50℃で合計6時間の予備重合を実施した。重合終了後、エチレン、ブタン、水素ガスなどをパージして残った固体を室温にて真空乾燥し、上記固体成分(a)1g当り19gのエチレン重合体が予備重合された予備重合触媒成分を得た。
上記の予備重合触媒成分を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ヘキセンの共重合を実施した。重合条件は、温度82℃、全圧2MPa、ガス線速度0.3m/s、エチレンに対する水素モル比は1.3%、エチレンに対する1−ヘキセンモル比は2.0%で、重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、ヘキセン−1、水素を連続的に供給した。さらに、流動床の総パウダー重量を80kgに維持し、平均重合時間が3時間となるように、上記予備重合触媒成分と、トリイソブチルアルミニウムとを一定の割合で連続的に供給した。重合により、21kg/hrの生産効率でエチレン−1−ヘキセン共重合体(以下、A−1と称する。)のパウダーを得た。
上記で得たA−1のパウダーを、神戸製鋼所社製LCM50押出機を用いて、フィード速度50kg/hr、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度4.2mm、サクション圧力0.2MPa、樹脂温度200〜230℃条件で造粒することにより、A−1のペレットを得た。A−1のペレットの物性測定結果を表1に示す。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)として上記重合例1に記載のエチレン−1−ヘキセン共重合体(A−1)のペレットを用い、エチレン−α−オレフィン共重合体(B)としてメタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン スミカセンE FV103(住友化学製;エチレン−1−ヘキセン共重合体;以下B−1と略す;物性を表2に示す)を用い、表3に記載の含有量で、ペレット同士を回転式混合機を用いて混合し樹脂組成物Aを得た。
得られた樹脂組成物Aをスクリュー径30mmφの押出機を用いて、210℃で押出を行い樹脂組成物造粒品(組成物ペレット)を得て物性を表4に示した。
得られた樹脂組成物Aをスクリュー径50mmφの押出機、ダイ径125mmφ、リップ開度2.0mmのインフレーションフィルム成形機(プラコー社製)により、加工温度170℃、押出量20kg/hr、ブロー比1.8の条件で厚み80μmのフィルムを成形した。フィルムの物性評価結果を表5に示した。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)としてチーグラーナッタ系触媒直鎖状低密度ポリエチレン スミカセンHiα CW2007(住友化学製;エチレン−1−ヘキセン共重合体;以下B−2と略す;物性を表2に示す)を用い、実施例1と同様にして表3に示す樹脂組成物Bを得た。実施例1と同様に得られた樹脂組成物造粒品の物性を表4に示し、実施例1と同様にフィルム成形を行い得られたフィルムの物性を表5に示した。
実施例2のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)とエチレン−α−オレフィン共重合体(B)の組成比率を変更して表3に示す樹脂組成物Cを得た。実施例1と同様に得られた樹脂組成物造粒品の物性を表4に示し、実施例1と同様にフィルム成形を行い得られたフィルムの物性を表5に示した。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)としてチーグラーナッタ系触媒直鎖状低密度ポリエチレン スミカセンHi CS1009(住友化学製;エチレン−1−ヘキセン共重合体;以下B−3と略す;物性を表2に示す)を用い、実施例1と同様にして表3に示す樹脂組成物Dを得た。実施例1と同様に得た樹脂組成物造粒品の物性を表4に示し、実施例1と同様にフィルム成形を行い得られたフィルムの物性を表5に示した。
実施例4のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)とエチレン−α−オレフィン共重合体(B)の組成比率を変更して表3に示す樹脂組成物Eを得た。実施例1と同様に得られた樹脂組成物造粒品の物性を表4に示し、実施例1と同様にフィルム成形を行い得られたフィルムの物性を表5に示した。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)としてメタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン スミカセンE FV203(住友化学製;エチレン−1−ヘキセン共重合体;以下B−4と略す;物性を表2に示す)を用い、実施例1と同様にして表6に示す樹脂組成物Fを得た。実施例1と同様に得られた樹脂組成物造粒品の物性を表7に示し、実施例1と同様にフィルム成形を行い得られたフィルムの物性を表8に示した。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)としてメタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン スミカセンE FV205(住友化学製;エチレン−1−ヘキセン共重合体;以下B−5と略す;物性を表2に示す)を用い、実施例1と同様にして表6に示す樹脂組成物Gを得た。実施例1と同様に得られた樹脂組成物造粒品の物性を表7に示し、実施例1と同様にフィルム成形を行い得られたフィルムの物性を表8に示した。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)としてメタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン AFFINITY PF1140(ダウケミカル製;エチレン−1−オクテン共重合体;以下B−6と略す;物性を表2に示す)を用い、実施例1と同様にして表6に示す樹脂組成物Hを得た。実施例1と同様に得られた樹脂組成物造粒品の物性を表7に示し、実施例1と同様にフィルム成形を行い得られたフィルムの物性を表8に示した。
(2−1)予備重合
予め窒素置換した内容積210リットルの撹拌機付きオートクレーブに、上記重合例1の(1)に記載の触媒用固体成分(a)0.7kgと、ブタン80リットル、常温常圧の水素として0.1リットルを仕込んだ後、オートクレーブを35℃まで上昇した。さらにエチレンをオーツクレーブ内のガス相圧力で0.03MPa分だけ仕込み、系内が安定した後、トリイソブチルアルミニウム263mmol、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシド88mmolを投入して重合を開始した。50℃へ昇温するとともに、エチレンと水素を連続で供給しながら、50℃で合計6時間の予備重合を実施した。重合終了後、エチレン、ブタン、水素ガスなどをパージして残った固体を室温にて真空乾燥し、上記固体成分(a)1g当り23gのエチレン重合体が予備重合された予備重合触媒成分を得た。
上記の予備重合触媒成分を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ヘキセンの共重合を実施した。重合条件は、温度80℃、全圧2MPa、ガス線速度0.3m/s、エチレンに対する水素モル比は1.6%、エチレンに対する1−ヘキセンモル比は0.9%で、重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、ヘキセン−1、水素を連続的に供給した。さらに、流動床の総パウダー重量を80kgに維持し、平均重合時間が4時間となるように、上記予備重合触媒成分と、トリイソブチルアルミニウムとを一定の割合で連続的に供給した。重合により、19kg/hrの生産効率でエチレン−1−ヘキセン共重合体(以下、A−2と称する。)のパウダーを得た。
上記で得たA−2のパウダーを、神戸製鋼所社製LCM50押出機を用いて、フィード速度50kg/hr、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度4.2mm、サクション圧力0.2MPa、樹脂温度200〜230℃条件で造粒することにより、A−2のペレットを得た。A−2のペレットの物性測定結果を表1に示す。
実施例1において、エチレン−α−オレフィン重合体(A)A−1の代わりに上記重合例2で得られたエチレン−1−ヘキセン共重合体A−2を用い、実施例1と同様にして表6に示す樹脂組成物Iを得た。実施例1と同様に得た樹脂組成物造粒品の物性を表7に示し、実施例1と同様にフィルム成形を行い得られたフィルムの物性を表8に示した。
(3−1)予備重合
予め窒素置換した内容積210リットルの撹拌機付きオートクレーブに、上記重合例1の(1)に記載の触媒用固体成分(a)0.7kgと、ブタン80リットル、常温常圧の水素として0.1リットルを仕込んだ後、オートクレーブを35℃まで上昇した。さらにエチレンをオーツクレーブ内のガス相圧力で0.03MPa分だけ仕込み、系内が安定した後、トリイソブチルアルミニウム263mmol、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシド88mmolを投入して重合を開始した。50℃へ昇温するとともに、エチレンと水素を連続で供給しながら、50℃で合計6.5時間の予備重合を実施した。重合終了後、エチレン、ブタン、水素ガスなどをパージして残った固体を室温にて真空乾燥し、上記固体成分(a)1g当り28gのエチレン重合体が予備重合された予備重合触媒成分を得た。
上記の予備重合触媒成分を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ブテンと1−ヘキセンの3元共重合を実施した。重合条件は、温度87℃、全圧2MPa、ガス線速度0.3m/s、エチレンに対する水素モル比は1.2%、エチレンに対する1−ブテンモル比は2.2%で、エチレンに対する1−ヘキセンモル比は0.8%で、重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、水素を連続的に供給した。さらに、流動床の総パウダー重量を80kgに維持し、平均重合時間が4時間となるように、上記予備重合触媒成分と、トリイソブチルアルミニウムとを一定の割合で連続的に供給した。重合により、22kg/hrの生産効率でエチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体(以下、A−3と称する。)のパウダーを得た。
上記で得たA−3のパウダーを、神戸製鋼所社製LCM50押出機を用いて、フィード速度50kg/hr、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度4.2mm、サクション圧力0.2MPa、樹脂温度200〜230℃条件で造粒することにより、A−3のペレットを得た。A−3のペレットの物性測定結果を表1に示す。
実施例1において、エチレン−α−オレフィン重合体(A)A−1の代わりに上記重合例3で得られたエチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体A−3を用い、実施例1と同様にして表6に示す樹脂組成物Jを得た。実施例1と同様に得た樹脂組成物造粒品の物性を表7に示し、実施例1と同様にフィルム成形を行い得られたフィルムの物性を表8に示した。
実施例1において、エチレン−α−オレフィン重合体(A)A−1の代わりに上記の直鎖状低密度ポリエチレンB−4を用い、実施例1と同様にして表6に示す樹脂組成物Lを得た。実施例1と同様に得た樹脂組成物造粒品の物性を表7に示し、実施例1と同様にフィルム成形を行い得られたフィルムの物性を表8に示した。
Claims (2)
- エチレンに基づく単量体単位と炭素数6〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを含み、下記要件(A1)、(A2)、(A3)および(A4)の全てを充足するエチレン−α−オレフィン共重合体(A)55〜90重量%と、
エチレンに基づく単量体単位と炭素数4〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを含み、下記要件(B1)、(B2)、(B3)および(B4)の全てを充足するエチレン−α−オレフィン共重合体(B)45〜10重量%と
を含む(ただし、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)とエチレン−α−オレフィン共重合体(B)の合計量を100重量%とする)ポリエチレン系樹脂組成物。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)
(A1)メルトフローレートが0.1〜1.8g/10分であること。
(A2)密度が900〜918kg/m3であること。
(A3)分子量分布が6〜20であること。
(A4)流動の活性化エネルギーが50〜90kJ/molであること。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)
(B1)メルトフローレートが0.1〜1.8g/10分であること。
(B2)密度が880〜920kg/m3であること。
(B3)分子量分布が3〜9であること。
(B4)流動の活性化エネルギーが25〜45kJ/molであること。 - 請求項1に記載のポリエチレン系樹脂組成物を成形してなる容器。
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