JP2006198250A - 容器用フィルムおよび複室容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 樹脂フィルム同士を熱融着により封止して容器を形成させるときに、そのヒートシール強度が任意に調節でき、強シール部は十分なヒートシール強度、弱シール部は外部圧力によって容易に剥離できる程度のヒートシール強度を発現するフィルムおよびこのフィルムを使用した複室容器を提供する。
【解決手段】 少なくとも(A)融解ピーク温度が122℃以上かつ結晶融解潜熱が150J/g以上である直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体と、(B)融解ピーク温度が122℃以下かつ結晶融解潜熱が150J/g以下である直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体とを含み、成分(A)と成分(B)の融解ピーク温度が5℃以上である樹脂組成物から形成された容器用フィルム。

Description

本発明は、樹脂フィルム同士を熱融着により封止させて容器を形成させるときに、そのヒートシール強度が任意に調節できるフィルムおよびこのフィルムからなる複室容器に関する。
従来から、多様な内容物を充填包装するため包装容器の一つとして、フィルムから形成された容器の内側に、弱シールによって2室以上の複数の仕切り部が形成され、この弱シール部が外部圧力により剥離できるように構成された複室容器がある。
このような複室容器は、レトルト食品などの飲食品、輸液バッグなどの医薬品、化粧品、接着剤などの化学品、使い捨てカイロなどの雑貨品などに用いられ、使用する直前に弱シール部を剥離し、二成分あるいは三成分以上を混合して使用できるよう設計されている。
特に医薬品の分野では、複数の薬剤を混合して生体内に投与することが多く、混合操作時に無菌状態で操作性よく行うことができる上記の複室容器が広く用いられている。この複室容器には、容器周縁の強シール部は十分なヒートシール強度が必要であり、一方、仕切り部を形成する弱シール部は製造、輸送、保管時にはシールが剥離せず、混合使用時には、手または器具などの外部圧力によって容易に剥離できる程度、具体的には1.5〜5N/15mmのヒートシール強度が必要である。さらに最終製品にする過程で加熱処理を必要とする場合には、加熱処理前後での弱シール部のヒートシール強度の変化が2倍以内でないと、実生産は不可能である。
現在、複室容器のヒートシール用フィルムの材料としては、プロピレン系樹脂を利用したものも散見されるが、多くは、エチレン系樹脂が主体であり、このときヒートシール強度の調節のために、ポリエチレンにポリプロピレン、ポリブテンあるいは架橋ポリエチレンなどを添加した樹脂組成物が用いられている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3など)。しかし、いずれも適切なヒートシール条件の幅が狭いとともに、容器周縁の強シール部と仕切り部を形成する弱シール部のヒートシール強度に十分な差を付けられないなどの欠陥がある。
ヒートシール部の材料としてポリプロピレン系樹脂組成物を用いたものでは、幅広いヒートシール条件を有するものが提案されているが(特許文献4)、ポリエチレン系の材料ではこの問題は解決されていない。このため、ヒートシール温度がわずかでも変化すると、ヒートシール強度が大きく変化し、強シールするべき周縁部の強度低下や弱シールすべき仕切り部の剥離強度が安定しないという問題がある。
特開平9−56778号公報 特開2000−5274公報 特開平6−286087号公報 特開2003−052791公報
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであり、樹脂フィルム同士を熱融着により封止して容器を形成させるときに、そのヒートシール強度が任意に調節でき、強シール部は十分なヒートシール強度、弱シール部は外部圧力によって容易に剥離できる程度のヒートシール強度を発現するフィルムおよびこのフィルムを使用した複室容器を提供することを目的とする。
また本発明は、ヒートシール時、特に弱シール部形成時の温度範囲が比較的広く、金型の温度むらなどによっても剥離強度の変動が少ないシール部を形成することが可能なフィルムを提供することを目とする。
本発明者らは、ポリエチレンを基本とする樹脂組成物であって、強シール強度と弱シール強度との差が大きい樹脂組成について鋭意研究した結果、融解ピーク温度差がある2種類の直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体を組み合わせることによって上記目的が達成することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の容器用フィルムは、フィルム同士を熱融着する際の温度によって強シール部または弱シール部が形成可能な容器用フィルムであって、前記フィルムは、少なくとも(A)融解ピーク温度が120℃以上かつ結晶融解潜熱が150J/g以上である直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体と、(B)融解ピーク温度が120℃以下かつ結晶融解潜熱が150J/g以下である直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体とを含み、成分(A)と成分(B)の融解ピーク温度が5℃以上である樹脂組成物から形成されたことを特徴とする。
なお本発明において融解ピーク温度とは、JIS K7121-1987の「プラスチックの転移温度測定」に基づく示差走査熱量測定(DSC)(昇温速度:5℃/min)で測定したDSC曲線のピーク融点の温度を意味する。また融解潜熱とは、JIS K7121-1987の「プラスチックの転移温度測定」に基づく示差走査熱量測定(DSC)(昇温速度:5℃/min)で測定した融解熱を意味する。
本発明の容器用フィルムにおいて、好適には樹脂組成物は、成分(A)及び成分(B)をそれぞれ20重量%を超え、80重量%未満含む。
本発明の容器用フィルムは、樹脂組成物は、樹脂成分として、成分(A)と成分(B)のほかに、10重量%以下の低密度ポリエチレンを含んでいてもよい。
また本発明の複室容器は、上述した容器用フィルム或いはそれを内層として含むフィルムを用いて形成されたものであり、具体的には、単層又は多層フィルムから形成され、外周に強シール部を有し、内部に前記強シール部によって形成された収納部を2以上の複室に仕切る弱シール部を有する複室容器であって、前記フィルムの内層が請求項1または2に記載のフィルムから形成されていることを特徴とする。
本発明において強シール部とは、ヒートシール強度(JIS K6854「接着剤の剥離強度試験法」による180°剥離強度、以下同じ)が40N/15mm幅以上であるシール部を意味し、また弱シール部とは、いわゆるイージーピール性のあるシール部であり、具体的にはヒートシール強度が1.5〜5.0N/15mm幅の範囲であるシール部を意味する。さらに弱シール部は、スチーム滅菌、高温スプレー滅菌等の加熱処理前後の変化が、好ましくは2倍以下である。また強シール部と弱シール部のヒートシール強度の差は、好ましくは20N/15mm幅以上である。
本発明の容器用フィルムは、それを構成する樹脂組成物として融解ピーク温度が異なる直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体を用いたことにより、ヒートシール強度の調節が容易で、強シール部として十分なヒートシール強度を、弱シール部として外部圧力によって容易に剥離できる程度のヒートシール強度、いわゆるイージーピール性を発現させることができる。このフィルムから作成された複室容器は、柔軟性、透明性、強度に優れ、また内部の仕切りを構成する弱シール部は外部圧力によって容易に剥離することができる。
以下、本発明の容器用フィルムを詳細に説明する。
本発明の容器用フィルムを構成する樹脂組成物は、少なくとも、融解ピーク温度が異なる2種の直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体を含む。直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体は、シングルサイト触媒の存在下にエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとを共重合させたものであり、本発明においては、密度が好ましくは0.880〜0.97g/cm3、より好ましくは0.900〜0.94g/cm3であり、MFR(メルトフローレイト:190℃、21.6N)が好ましくは0.1〜100g/10分、より好ましくは0.2〜20g/10分である共重合体を用いる。また示差走査熱量測定(JIS K7121-1987)により計測したDSCピーク融点が100〜135℃の範囲にあり、かつ融解潜熱110J/g以上であるものを使用する。
エチレンと共重合する炭素数3〜10のα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1などが挙げられ、特にヘキセン−1が好ましい。これらは1種または2種以上を用いることができる。
直鎖状エチレン・αオレフィン共重合体中のα−オレフィンから誘導される繰り返し単位は、通常好ましくは10モル%以下、好ましくは0.1〜5モル%の範囲である。
共重合体の製造に用いるシングルサイト触媒としては、チタン、ジルコニウム、ハフニウムあるいはバナジウムなどの遷移金属類のメタロセン化合物と有機アルミニウム化合物および/またはイオン性化合物の組み合わせで公知のものを使用できる。シングルサイト触媒によるエチレンとα−オレフィンとの共重合方法としては、公知の各種の方法、即ち、気相重合、スラリー重合あるいはバルク重合を採用できる。
本発明の樹脂組成物は、上記エチレン・α−オレフィン共重合体のうち、融解ピーク温度が異なる少なくとも2種を含むものであり、一つの成分(A)として融解ピーク温度が122℃以上、好ましくは125℃以上のものを用い、もう一方の成分(B)として融解ピーク温度が100℃以上であって122℃以下のものを用いる。また両成分の融解ピーク温度の差は、好ましくは5℃以上、より好ましくは8℃以上、さらに好ましくは10℃以上とする。
上述した融解ピーク温度は、5℃/分の速度で室温から昇温したときの結晶融解潜熱と相関があり、結晶融解潜熱で表した場合、成分(A)では150J/g以上であることが好ましく、成分(B)では110〜150J/gの範囲にあるものが好ましい。
成分(A)の融解ピーク温度が122℃未満では、弱シール後に例えば高温スプレー滅菌等の高温処理をした場合に、弱シール性が損なわれる可能性がある。成分(B)の融解ピーク温度が100℃以下も、高温処理時に弱シール性が損なわれる可能性がある。また成分(B)のピーク温度が122℃以上では、成分(A)との十分な温度差を取ることができないため、弱シール性を発現させることが困難となる。また両成分の融解ピーク温度の差が5℃未満では、弱シール強度と強シール強度との差が不十分であり、良好な弱シール性を得ることができないか、弱シール性を発現させるための温度範囲が狭くなる。
一般にポリエチレンには、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、非晶質ポリエチレンなど種々のものがあり、低密度ポリエチレンにも高圧法による低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどがあるが、本発明の樹脂組成物では2つの成分として、直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体を用いたことにより、柔軟性、透明性、強度に優れたフィルムが得られるとともに、2成分が均等に交じり合いヒール特性にむらがなく、強シールと弱シールのそれぞれのシール条件において良好なシール特性を発現するフィルムを得ることができる。
樹脂組成物中における成分(A)と成分(B)の含有量は、いずれも20重量%を超え、80重量%未満であることが好ましい。成分(A)と成分(B)との混合割合は、重量比で20:80〜80:20、好ましくは25:75〜75:25の範囲とする。両成分の合計に対する成分(A)の含有量が80重量%以上では、弱シール性が発現しにくくなる。また成分(B)の含有量が80重量%以上では、弱シール性が発現しにくくなるとともにシール後の高温処理時に融着しやすくなる。
本発明の容器用フィルムを構成する樹脂組成物は、上述した成分(A)、(B)のほかに、これらの特性を阻害しない範囲で、他の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、融解ピーク温度、MFR、密度等の異なる他のポリエチレンなどを配合することができる。ポリエチレン以外の樹脂としては、具体的には、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ4−メチルペンテン−1、エチレン系エラストマー、水添スチレン系エラストマーなどを配合することができる。ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどの公知のポリエチレンを用いることができる。特に、融解ピーク温度の異なる低密度ポリエチレンを含有せしめることにより、弱シール部或いは強シール部のシール特性を改善することが可能である。これらは1種又は2種以上を用いることもできる。
これら付加的に加えられる樹脂の含有量は、本発明のフィルムの特性を阻害しない範囲であれば特に限定されないが、成分(A)と成分(B)との合計に対し、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下とする。
樹脂組成物を構成する樹脂(成分)は、予めドライブレンドしてもよいし、従来のポリオレフィン組成物の製法で慣用されている方法、例えば、ニーダー、バンバリーミキサーなどの混練機または単軸あるいは二軸押出機を用いて加熱溶融混練してもよい。
本発明のフィルムは上記の樹脂組成物を用いてインフレーションあるいはキャストなどの押出法で作製でき、任意の厚みのフィルムとすることができる。具体的には、10〜500μm、好ましくは30〜300μm程度とする。また、このフィルムを最内層とし、その外側に1層以上の層を構成した多層フィルムも同様な方法で作製できる。特に以下に説明する本発明の複室容器においては、内層に上述した樹脂組成物を用いた多層フィルムとすることが好ましい。この場合も厚さは特に限定されないが、例えば総厚さは30〜300μm程度とする。多層フィルムとする場合、その外側層に設置される1層以上の各層には、従来から広範に使用されているポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル系樹脂(PET、PBT)、ポリアミド(PA)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、接着性樹脂などを採用することができ、これらを用途に応じて適切に選択することにより最適な層構成かつ膜厚とすることができる。
本発明の複室容器は、以上説明した本発明の容器用フィルムを用いたものであり、外周に強シール部を有し、内部に強シール部によって形成された収納部を2以上の複室に仕切る弱シール部を有する。
このような複室容器は、円筒状または平面状に成形した、上述の単層フィルムまたは2層以上の多層フィルムに、公知の製袋化方法により所定の加工を施すことにより、周囲がヒートシールされ内部に収納部を有する、所定の形状・形態の容器が得られる。さらに、この容器の内側に弱シールによって2室以上の仕切り部を形成させることにより複室容器が得られる。
ヒートシール時の温度条件は、フィルムの厚みによっても、また単層フィルムか多層フィルムであるかによっても異なるが、一例として、外層(PE厚さ:40μm)/中間層(PE厚さ:120μm)/内層(PE厚さ:40μm)からなる多層フィルム(総厚さ:200μm)の場合、強シール部のシール温度は150〜180℃程度、弱シール部のシール温度は130〜150℃程度である。
これにより容器周縁の強シール部は、十分なヒートシール強度、具体的には180°剥離強度が40N/15mm幅以上が得られ、一方、仕切り部を形成する弱シール部には製造、輸送、保管時にはシールが剥離せず、混合使用時には手または器具などの外部圧力によって容易に剥離できる程度のヒートシール強度、具体的には180°剥離強度が1.5〜5.0N/15mm幅が得られる。またヒートシール強度の差を20N/15mm幅以上にすることができる。また、このようなヒートシール強度の差はヒートシール時のシール条件(上下シールバー温度、シール時間、シール圧力など)によって任意に調整できる。
このような本発明の複室容器は、例えば容器内に形成された複数の収納部の一方に液状薬剤、他方に粉末剤を充填し、使用時に仕切り部の弱シールを剥離して使用する医療用の複室容器として好適に利用できるほか、化粧品用、食品用等種々の用途に利用することが可能である。
以下、実施例を用いて、さらに具体的に本発明を説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
1.フィルムの作成
下記の材料からなる外層、中間層及び内層の各樹脂組成物をダイス温度180℃、引取速度10m/分の設定条件のもとで、折径が200mm、外層、中間層及び内層の厚さがそれぞれ40μm、120μm、40μm(全体の厚さ200μm)の3層インフレフィルムを作成した。
内層:表1に示す直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体の成分(A)(A1=ユメリット4040F:宇部丸善ポリエチレン社、A2=ユメリット3540F:宇部丸善ポリエチレン社)、成分(B)(B1=ユメリット2525F:宇部丸善ポリエチレン社、B2=カーネルKF283:日本ポリエチレン社、B3=ユメリット0540F:宇部丸善ポリエチレン社)及び第3成分(C=Z463:宇部丸善ポリエチレン社)の原料樹脂を表2に示す配合割合で用い、温度180℃で溶融混練後、ペレット加工した樹脂組成物
中間層:直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体(ユメリット1520F:宇部丸善ポリエチレン社、融解ピーク温度:114℃、結晶融解潜熱:130J/g、密度:0.913g/cm、MFR:2.0g/10分)
外層:直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体(ユメリット4540F:宇部丸善ポリエチレン社、融解ピーク温度:126℃、結晶融解潜熱:185J/g、密度:0.944g/cm、MFR:4.0g/10分)
Figure 2006198250
2. 複室容器の作成
上記1で作成した3層インフレフィルムを300mm長さにカットし、ヒートシール機により下記の条件で中央部を横方向に弱シールして2室を形成した後、両方の仕切り部に水を充填して両端末の開口部を完全シールした。
<ヒートシール条件>
弱シール条件:上シールバー温度145℃、下シールバー温度70℃、圧力1.5kg/cm、時間1.5秒
強シール条件:上シールバー温度170℃、下シールバー温度70℃、圧力1.5kg/cm、時間1.5秒
3.複室容器の評価
上記2で得られた複室容器の弱シール部及び完全シール部を15mm幅で切り出したサンプルについて、引張試験機(インストロン社製)にて300mm/分の剥離速度でT型剥離試験を実施した。また同じ複室容器を110℃×30分の高温スプレー滅菌処理を施した後に、同様にT型剥離試験を実施した。その結果を表2に示す。併せて、成分(A)と成分の(B)融解ピーク温度の差と密度の差を掲げる。
Figure 2006198250
表に示す結果からもわかるように、実施例1〜実施例3の複室容器では、高温スプレー滅菌処理後にも処理前と変わらない弱シール性を維持することができた。これに対し、成分(A)が多すぎる比較例1では、実施例と同じヒートシール条件では弱シール部を発現させることができなかった。また成分(B)が多すぎる比較例2及び成分(B)として結晶融解潜熱の低い樹脂を用いた比較例3では、弱シール性は発現したが、高温スプレー滅菌処理後にフィルム同士が融着し、弱シール性が損なわれた。
本発明によれば、ヒートシール強度が任意に調節でき、剥離強度差の大きい強シール部と弱シール部とを形成することができ、高温処理によっても弱シール性が維持される容器用フィルムを提供することことができる。このような容器用フィルムは高温スプレー滅菌等の高温処理を要する食品用や医療用の複室容器として好適である。

Claims (5)

  1. フィルム同士を熱融着する際の温度によって強シール部または弱シール部が形成可能な容器用フィルムであって、前記フィルムは、少なくとも(A)融解ピーク温度が122℃以上かつ結晶融解潜熱が150J/g以上である直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体と、(B)融解ピーク温度が122℃以下かつ結晶融解潜熱が150J/g以下である直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体とを含み、成分(A)と成分(B)の融解ピーク温度が5℃以上である樹脂組成物から形成されたことを特徴とする容器用フィルム。
  2. 前記樹脂組成物は、成分(A)が20重量%を超え、80重量%未満、成分(B)が20重量%を超え、80重量%未満含まれることを特徴とする請求項1記載の容器用フィルム。
  3. 前記樹脂組成物は、前記成分(A)と成分(B)のほかに、10重量%以下の低密度ポリエチレンを含むことを特徴とする容器用フィルム。
  4. 単層又は多層フィルムから形成され、外周に強シール部を有し、内部に前記強シール部によって形成された収納部を2以上の複室に仕切る弱シール部を有する複室容器であって、前記フィルムの内層が請求項1または2に記載のフィルムから形成されていることを特徴とする複室容器。
  5. 前記強シール部と弱シール部のヒートシール強度(JIS K6854による180度剥離強度)の差が20N/15mm幅以上であること特徴とする請求項4記載の複室容器。
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