JP2012205550A - コンバインの脱穀装置 - Google Patents

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学 齋藤
Takahito Murase
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Abstract

【課題】作業者の衣服などがフィードチェンと挟扼杆に挟み込まれそうになった場合に、フィードチェンと挟扼杆による挟扼作用を緊急解除する。
【解決手段】脱穀穀稈供給用のフィードチェン(8)と該フィードチェン(8)側に付勢された挟扼杆(9)を有する脱穀装置において、挟扼杆(9)の搬送始端側の一部または全部をフィードチェン(8)に対して離間可能な構成とし、挟扼杆(9)の搬送始端近傍に設けた挟扼解除手段(22)の解除操作に連動して、挟扼杆(9)の搬送始端側の一部または全部がフィードチェン(8)から離間する構成とする。即ち、挟扼杆(9)をフィードチェン(8)との挟扼作用位置に保持する屈折リンク(20)を設け、挟扼解除手段(22)を解除操作することで屈折リンク(20)が屈折して挟扼杆(9)がフィードチェン(8)から離間する構成とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、コンバインの脱穀装置に関する。
コンバインは、機体の前側下方に設ける刈取装置で圃場に植立した穀稈の株元を刈り取って搬送供給装置で脱穀装置の供給口に供給し、脱穀装置の側部に設けるフィードチェンと挟扼杆で穀稈の株元側を挟持搬送しながら穂先側を脱穀装置に挿入して脱穀装置内の扱胴で脱穀し選別部で選別して収穫する。そして、機体の走行を停止して、手刈りした穀稈を作業者がフィードチェンの先端部に直接供給して手扱ぎ作業を行うが、この手扱ぎ作業中に作業者の衣服などが穀稈と共にフィードチェンと挟扼杆の間に挟み込まれることが起こりうる。
これに対し、特許文献1には、このような手扱ぎ作業中におけるフィードチェンへの挟み込み時に、緊急停止スイッチを押してエンジンの駆動を停止する技術が記載されている。また、特許文献2には、異常挟扼負荷検出手段を設け、異常な挟扼負荷を検出した場合に、フィードチェンの駆動を停止すると共に挟扼杆の挟扼作用を解除する技術が記載されている。
特開2000−4652号公報 特開2009−195169号公報
上記特許文献1のように、緊急時にエンジン駆動を停止する技術では、エンジンを停止してもフィードチェンが慣性力で動いてしまう。また、上記特許文献2のように、異常挟持負荷検出手段を設け、異常な挟扼負荷を検出した場合にフィードチェンの駆動を停止する技術では、穀稈が正常に供給されている状態と作業者の衣服などが挟み込まれている状態とが判定し難く、フィードチェンの駆動停止が遅れる場合が有る。
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
請求項1記載の発明は、脱穀穀稈供給用のフィードチェン(8)と該フィードチェン(8)側に付勢された挟扼杆(9)を有する脱穀装置において、前記挟扼杆(9)の搬送始端側の一部または全部をフィードチェン(8)に対して離間可能な構成とし、挟扼杆(9)の搬送始端近傍に設けた挟扼解除手段(22)の解除操作に連動して、該挟扼杆(9)の搬送始端側の一部または全部がフィードチェン(8)から離間する構成としたことを特徴とするコンバインの脱穀装置とする。
請求項2記載の発明は、前記挟扼杆(9)をフィードチェン(8)との挟扼作用位置に保持する屈折リンク(20)を設け、前記挟扼解除手段(22)を解除操作することで屈折リンク(20)が屈折して挟扼杆(9)がフィードチェン(8)から離間する構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバインの脱穀装置とする。
請求項3記載の発明は、前記屈折リンク(20)を支点越えさせて伸長状態に維持することで、挟扼杆(9)をフィードチェン(8)との挟扼作用位置に保持し、前記挟扼解除手段(22)を解除操作することで屈折リンク(20)の支点越えが解除されて該屈折リンク(20)が屈折し、挟扼杆(9)がフィードチェン(8)との挟扼作用位置から引き上げられる構成としたことを特徴とする請求項2記載のコンバインの脱穀装置とする。
請求項4記載の発明は、前記屈折リンク(20)を屈折させる方向へ付勢する引張バネ(14)を設けたことを特徴とする請求項3記載のコンバインの脱穀装置とする。
請求項5記載の発明は、前記挟扼解除手段(22)の解除操作に連動してフィードチェン(8)の駆動を停止する構成としたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項記載のコンバインの脱穀装置とする。
請求項1記載の発明によれば、手刈りした穀稈を、作業者が直接、脱穀装置のフィードチェン(8)の搬送始端部に供給する手扱ぎ作業を行っている際に、作業者の衣服などがフィードチェン(8)と挟扼杆(9)との間に挟み込まれようとした場合、挟扼解除手段(22)を解除操作することで、挟扼杆(9)の搬送始端側の一部または全部をフィードチェン(8)から離間させることができる。
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果を奏するうえで、屈折リンク(20)によって、挟扼杆(9)を挟扼作用位置と離間位置とに円滑に切り換えることができる。
請求項3記載の発明によれば、上記請求項2記載の発明の効果を奏するうえに、挟扼解除手段(22)の解除操作によって、挟扼杆(9)が挟扼作用位置から引き上げられるので、挟扼杆(9)の搬送始端側の一部または全部をフィードチェン(8)から素早く離間させることができる。
請求項4記載の発明によれば、上記請求項3記載の発明の効果を奏するうえに、引張バネ(14)の付勢力によって挟扼杆(9)を引き上げることで、挟扼杆(9)の搬送始端側の一部または全部をフィードチェン(8)から素早く離間させることができる。
請求項5記載の発明によれば、上記請求項1から請求項4のいずれか一項記載の発明の効果を奏するうえに、挟扼解除手段(22)の解除操作に連動してフィードチェン(8)の駆動を停止することで、フィードチェン(8)と挟扼杆(9)との間への挟み込み防止効果が高まる。
コンバイン全体の右側面図である。 コンバイン全体の正面図である。 要部の正断面図である。 要部の正断面図である。 別実施例のコンバイン全体の右側面図である。 別実施例の部分正断面図である。 別実施例のコンバイン全体の部分右側断面図である。 別実施例のコンバインの部分右側面図である。 別実施例のコンバイン全体の部分右側断面図である。 フィードチェン駆動スプロケットの側断面図である。
以下、本発明の実施形態を、図面に示す実施例を参照しながら説明する。なお、左右とは、機体から前方に向かってに偽側と左側をいう。
このコンバインは、走行車体1に左右一対の走行クローラ2,2を備え、走行車体1上の左側に脱穀装置3を搭載し、走行車体1上の右側に運転席5や操向レバー6等の運転操作部を設け、運転操作部の後部に収穫した穀粒を一時的に貯留するグレンタンク7を走行車体1に搭載し、脱穀装置3と運転操作部の前方に刈取搬送装置4を設けている。
前記刈取搬送装置4で圃場に植生する穀稈の株元を刈り取って、脱穀装置3側へ搬送し、脱穀装置3のフィードチェン8と挟把杆9で穀稈の株元を挟扼して穂先を脱穀装置3内に挿入して後方へ送りながら脱穀する。
フィードチェン8は、脱穀装置3の左側部でその上側が前から後へ駆動され、このフィードチェン8の上側に沿って挟扼杆9を設けている。
挟扼杆9は、挟扼支持台10から下方に向かって三か所の圧縮バネ11でフィードチェン8に押し付けられ、挟扼支持台10の後端が扱胴カバー17から下方へ設ける支持アームー15の下端に横軸16で支持され、前端が屈折リンク20で支持されている。
屈折リンク20は、扱胴カバー17に枢支した上リンク12と挟扼支持台10に枢支した下リンク13をピン21連結した構成で、引張バネ14で不安定切換機構にしていて、挟扼杆9を押し下げるように上リンク12と下リンク13を伸ばした状態ではストッパ18,19で保持され、挟扼支持台10が上方へ逃げないようにしている。
扱胴カバー17の側部で前記屈折リンク20のピン21の横位置に挟扼解除ボタン(挟扼解除手段)22を出没するよう設け、挟扼杆9を挟扼位置に保持する状態で、上リンク12か下リンク13が挟扼解除ボタン22に当たって該挟扼解除ボタン22を扱胴カバー17から側方へ突出させる構成としている。
そして、作業者の袖などがフィードチェン8に引っ掛かって引き込まれそうになった場合に、この作業車が挟扼解除ボタン22を押し込む。すると、挟扼解除ボタン22がピン21の横位置を内側に押して屈折リンク20が支点越えをして挟扼杆9が上方へ跳ね上がり、フィードチェン8との間隔を広げてフィードチェン8の挟扼による送り作用が働かなくなり、袖をフィードチェン8から引き離すことができる。
危険を回避して、再び脱穀作業を開始する場合には、内側に折れ曲がった屈折リンク20を伸ばすようにすることで簡単に元の挟扼作用位置にすることが出来る。
なお、挟扼解除ボタン22を押すことで、コンバインのエンジンを停止したり、フィードチェン8の駆動経路に設けるクラッチを切りにしたりして、フィードチェン8の駆動を停止するようにすれば、上記のような危険時により安全に危険回避を行えるようになる。
また、エンジン停止ボタン24を前記挟扼解除ボタン22とは別に設ける構成にする場合は、図5乃至図7に示す如く、フィードチェン8の側部を覆うチェンカバー23の前端近くで脱穀装置3の扱胴26の最前扱ぎ刃26aより前に設ける絞り加工の孔23aに挿入してカバー面から突出しないように設ける。このエンジン停止ボタン24は、チェンカバー23のオープン用取付軸25の近くでチェーンレール支持フレームに取り付けると、孔23aを大きくしなくてもチェンカバー23を側方へ開ける。
また、エンジン停止ボタン23を前後方向に長いスイッチとして、作業者の体勢が崩れていても押せるようにすると良い。
さらに、エンジン停止ボタン23を扱胴カバー17の前面側に設けることも良い。
図8に示す実施例は、挟扼杆9を短い分割挟扼杆9a,9b,9c,…をピンで連結し、最先端の分割挟扼杆9aを油圧シリンダ28でフィードチェン8側に押し付け、他の分割挟扼杆9b,9c,…をロッド27aと圧縮バネ27bでフィードチェン8側に押し付けた構成で、扱胴カバー17に設ける挟扼解除ボタン22を押すと、油圧シリンダ28が作動して最先端の分割挟扼杆9aを引き上げてフィードチェン8との間隔を広げて入り込んだ衣服等を引き出せるようにしている。なお、油圧シリンダ28に代えて電動モータで分割挟扼杆9aを昇降する構成でも良い。この構成は、穀稈の多少によって分割挟扼杆9aの挟扼圧力を調整して穀稈の引継を良く出来る効果もある。
図9に示す実施例は、フィードチェン8を受けてガイドする一部チェーンレール29aを前枢支軸29bと圧縮バネ29cで支持し、挟扼解除ボタン22を押すと、電動モータ30でワイヤ32を引いて一部チェーンレール29aを下方へ引き下げると共に、フィードチェン8のテンションスプロケット31をリンク33で切り方向へ移動して、フィードチェン8の駆動を停止し、フィードチェン8を緩めて挟扼杆9との間隔を広げて挟扼出来ないようにする。
図10に示す実施例は、フィードチェン8を駆動する駆動スプロケット34にブレーキディスク35を一体的に設け、このブレーキディスク35をフィードチェン8と対称位置でブレーキパッド37a,37bによって挟み込むことで、挟扼解除ボタン22を押した際にフィードチェン8の移動を直ちに停止するようにしている。
以上のフィードチェン8の巻き込み危機回避方法以外に、次の構成にすることも考えられる。
扱胴カバー17を前後方向の枢支軸で左右に分割して、油圧シリンダで左サイド扱胴カバー17aを上方へ回動可能に構成し、前記のエンジン停止ボタン24を押すと左サイド扱胴カバー17aが挟扼杆9と共に上方へ跳ね上がってフィードチェン8の上方を広く開放するようにしても良い。
また、挟扼杆9を扱胴カバー17の上面或いは前面から油圧シリンダで支持し、前記のエンジン停止ボタン24を押すと挟扼杆9が上方引き上げられてフィードチェン8の上方を開放するようにしても良い。
また、扱胴カバー17と扱胴26の前端で扱ぎ刃の無い部分にエアーバッグを設け、前記のエンジン停止ボタン24を押すとこのエアーバッグが作動して扱胴26の回転を瞬間的に停止させるようにすることも出来る。
3 脱穀装置
8 フィードチェン
9 挟扼杆
20 屈折リンク
22 挟扼解除ボタン(挟扼解除手段)

Claims (5)

  1. 脱穀穀稈供給用のフィードチェン(8)と該フィードチェン(8)側に付勢された挟扼杆(9)を有する脱穀装置において、前記挟扼杆(9)の搬送始端側の一部または全部をフィードチェン(8)に対して離間可能な構成とし、挟扼杆(9)の搬送始端近傍に設けた挟扼解除手段(22)の解除操作に連動して、該挟扼杆(9)の搬送始端側の一部または全部がフィードチェン(8)から離間する構成としたことを特徴とするコンバインの脱穀装置。
  2. 前記挟扼杆(9)をフィードチェン(8)との挟扼作用位置に保持する屈折リンク(20)を設け、前記挟扼解除手段(22)を解除操作することで屈折リンク(20)が屈折して挟扼杆(9)がフィードチェン(8)から離間する構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバインの脱穀装置。
  3. 前記屈折リンク(20)を支点越えさせて伸長状態に維持することで、挟扼杆(9)をフィードチェン(8)との挟扼作用位置に保持し、前記挟扼解除手段(22)を解除操作することで屈折リンク(20)の支点越えが解除されて該屈折リンク(20)が屈折し、挟扼杆(9)がフィードチェン(8)との挟扼作用位置から引き上げられる構成としたことを特徴とする請求項2記載のコンバインの脱穀装置。
  4. 前記屈折リンク(20)を屈折させる方向へ付勢する引張バネ(14)を設けたことを特徴とする請求項3記載のコンバインの脱穀装置。
  5. 前記挟扼解除手段(22)の解除操作に連動してフィードチェン(8)の駆動を停止する構成としたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項記載のコンバインの脱穀装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021101679A (ja) * 2019-12-25 2021-07-15 株式会社クボタ コンバイン
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