JP2012204580A - 凸版及びそれを用いた薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】反転オフセット印刷のパターンの縁が急峻であるという問題を解決するために、当該印刷に使用する凸版の凸部縁部分の形状を規定した。この凸版に好適なパターン形成方法及び高品質の薄膜トランジスタを提供する。
【解決手段】インク剥離性を有するブランケットにインク液膜を形成する工程と、ブランケット上のインク液膜に凸版を接触させて凸部形状にインク液膜を除去する工程と、残ったインク液膜に基材を接触させてインク液膜パターンを基材に転写させる工程と、を有するパターン形成方法に使用する凸版3であって、該凸版の凸パターンは、凸パターン6の縁の外側に複数の微小凸パターン7を備えることを特徴とする凸版である。
【選択図】図1

Description

本発明は、パターン端部の厚さが中央よりも薄いパターンを形成するためのパターン形成方法及びこれを用いて製造する薄膜トランジスタに関する。
印刷は、紙に文字や画像を書く出版の分野から、配線や抵抗体などを形成するエレクトロニクス分野へと応用が広がり、微細化、高品質化が求められている。特に、微細なパターニングを実現する方法として、反転オフセット印刷法が開発されている(特許文献1)。
反転オフセット印刷法は、インク剥離性を有するブランケット1上へインク塗布装置2Uを用いてインク液膜2を形成する工程と、該インク液膜2に凸版3を接触させてブランケット1上のインク液膜2のうち該凸版3の凸部形状部分を除去する工程と、前記ブランケット1上に残ったインク液膜パターンを基材4に接触することにより基材4上にインク液膜パターンを転写する工程とを有する印刷パターン形成方法である(図10を参照、以下、印刷パターンを単にパターンとも記すこともある。)。通常、ブランケット1にはシリコーン樹脂を表面に有する円筒(転写胴)が用いられ、凸版3にはガラスなどに所望の印刷パターンのネガ形状の凸部を形成したものが用いられる。
また、フラットパネルディスプレイの製造上必要とされる様々なパターンは、従来はフォトリソグラフィを用いて作製されてきたが、印刷法によって安価に製造することへの期待が高まっている。印刷によるパターン形成に適した半導体として、有機半導体、塗布型酸化物半導体、塗布型シリコン等が挙げられる。
特公昭60−29358号公報
反転オフセット印刷は、高解像度のパターンを形成できるパターン形成方法であるが、パターンの縁がテーパー状でなく急峻になり易く、単純に反転オフセット印刷を適用してゲート電極を形成した場合、ゲート絶縁膜を介してソース・ドレイン電極との間にリークが発生し易いという問題があった。また、ソース・ドレイン電極の形成に適用した場合には、電極縁において半導体の状態の乱れが生じ、薄膜トランジスタの特性が悪いという問題があった。
さらに、ゲート絶縁膜に用いた場合には、上層の電極と下層の電極を接続する部分での接続がうまくいかず断線になりやすいという問題があった。
本発明は、このような印刷パターンの縁の形状に由来する問題を解決するためになされたものであり、パターン縁の形状変化をテーパー状にする、即ちパターン縁の厚さをパターン中央よりも薄くするためのパターン形成方法及び電流リークと断線のない薄膜トランジスタを提供する。
上記の課題を達成するための請求項1の発明は、インク剥離性を有するブランケットに
インク液膜を形成する工程と、ブランケット上のインク液膜に凸版を接触させて前記ブランケット上のインク液膜のうち該凸版の凸部形状部分を除去して前記ブランケット上にインク液膜パターンを形成する工程と、該ブランケット上のインク液膜パターンに基材を接触させて該インク液膜パターンを基材に転写する工程と、をこの順に行うパターン形成方法に使用する凸版であって、該凸版はインク液膜と接触して凸部形状にインク液膜を除去する凸パターンを有し、該凸パターンの最外縁部の外側に複数の微小凸パターンを備えることを特徴とする凸版としたものである。
請求項2に記載の発明は、インク剥離性を有するブランケットにインク液膜を形成する工程と、ブランケット上のインク液膜に凸版を接触させて前記ブランケット上のインク液膜のうち該凸版の凸部形状部分を除去して前記ブランケット上にインク液膜パターンを形成する工程と、該ブランケット上のインク液膜パターンに基材を接触させて該インク液膜パターンを基材に転写する工程と、をこの順に行うパターン形成方法に使用する凸版であって、該凸版はインク液膜と接触して凸部形状にインク液膜を除去する凸パターンを有し、該凸パターンの最外縁部の内側に複数の微小凹パターンを備えることを特徴とする凸版としたものである。
請求項3に記載の発明は、インク剥離性を有するブランケットにインク液膜を形成する工程と、ブランケット上のインク液膜に凸版を接触させて前記ブランケット上のインク液膜のうち該凸版の凸部形状部分を除去して前記ブランケット上にインク液膜パターンを形成する工程と、該ブランケット上のインク液膜パターンに基材を接触させて該インク液膜パターンを基材に転写する工程と、をこの順に行うパターン形成方法に使用する凸版であって、該凸版はインク液膜と接触して凸部形状にインク液膜を除去する凸パターンを有し、該凸パターンは、凸パターンの縁が上から見て鋸刃状であることを特徴とする凸版としたものである。
請求項4に記載の発明は、基材と、その上のゲート電極と、その上のゲート絶縁膜と、その上のソース・ドレイン電極と、ソース・ドレイン間の半導体層と、を少なくとも有する薄膜トランジスタの製造方法であって、該ゲート電極を形成する方法が、インク剥離性を有するブランケット上に金属を含有するインク液膜を形成する工程と、ブランケット上のインク液膜に請求項1から3のいずれか1項に記載の凸版を接触させて前記ブランケット上のインク液膜のうち該凸版の凸部形状部分を除去して前記ブランケット上にインク液膜パターンを形成する工程と、該ブランケット上のインク液膜パターンに基材を接触させて該インク液膜パターンを基材に転写する工程と、をこの順に行い、前記インク液膜を焼成して流動させることで、前記ゲート電極を形成するインクパターン縁の厚さを中央よりも薄くすることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法としたものである。
請求項5に記載の発明は、基材と、その上のゲート電極と、その上のゲート絶縁膜と、その上のソース・ドレイン電極と、ソース・ドレイン間の半導体層と、を少なくとも有する薄膜トランジスタの製造方法であって、該ソース・ドレイン電極を形成する方法が、インク剥離性を有するブランケット上に金属を含有するインク液膜を形成する工程と、ブランケット上のインク液膜に請求項1から3のいずれか1項に記載の凸版を接触させて前記ブランケット上のインク液膜のうち該凸版の凸部形状部分を除去して前記ブランケット上にインク液膜パターンを形成する工程と、該ブランケット上のインク液膜パターンに基材を接触させて該インク液膜パターンを基材上のゲート絶縁膜上に転写する工程と、をこの順に行い、前記インク液膜を焼成して流動させることで、前記ソース・ドレイン電極を形成するインクパターン縁の厚さを中央よりも薄くすることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法としたものである。
請求項6に記載の発明は、基材と、その上のゲート電極と、その上のゲート絶縁膜と、
その上のソース・ドレイン電極と、ソース・ドレイン間の半導体層と、を少なくとも有する薄膜トランジスタの製造方法であって、該ゲート絶縁膜を形成する方法が、インク剥離性を有するブランケット上に絶縁材料を含有するインク液膜を形成する工程と、ブランケット上のインク液膜に請求項1から3のいずれか1項に記載の凸版を接触させて前記ブランケット上のインク液膜のうち該凸版の凸部形状部分を除去して前記ブランケット上にインク液膜パターンを形成する工程と、該ブランケット上のインク液膜パターンに基材を接触させて該インク液膜パターンを基材上に転写する工程と、をこの順に行い、前記インク液膜を焼成して流動させることで、前記ゲート絶縁膜を形成するインクパターン縁の厚さを中央よりも薄くすることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法としたものである。
請求項7に記載の発明は、前記焼成が、第一の焼成温度でインク液膜を流動させ、第一の温度より高温の第二の焼成温度でインク液膜を固化させるものであることを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法としたものである。
本発明になる凸版を使用するパターン形成方法を用いれば、パターン縁の断面をテーパーにすることが容易である。また、この方法で作製した金属パターンをゲート電極として用いることにより、ゲート電極と、ソース電極またはドレイン電極との間の絶縁破壊を防止でき、信頼性の高い薄膜トランジスタとすることができる。また、この方法で作製した金属パターンをソース・ドレイン電極として用いることにより、半導体の状態(配向、粒径、結晶状態など)の不連続性を低減でき、特性の良い薄膜トランジスタとすることができる。さらに、この方法で作製した絶縁膜パターンをゲート絶縁膜として用いることにより、上層の電極と下層の電極の接続を良好に行うことができる。
本発明の凸版の一例を示す斜視図である。 本発明の凸版の別の一例を示す斜視図である。 本発明の凸版のさらに別の一例を示す斜視図である。 本発明のパターン形成方法の一例を示す説明図である。 本発明のパターン形成方法の別の一例を示す説明図である。 本発明のパターン形成方法のさらに別の一例を示す説明図である。 本発明の薄膜トランジスタの工程を示す上面図(右)およびA−A’断面図(左)である。 本発明の薄膜トランジスタの工程を示す上面図(右)およびB−B’断面図(左)である。 本発明の薄膜トランジスタの工程を示す上面図(右)およびC−C’断面図(左)である。 従来の反転オフセット印刷を示す説明図である。 従来の薄膜トランジスタを示す断面図である。 従来の薄膜トランジスタを示す断面図である。 従来の薄膜トランジスタを示す断面図である。
(第1の実施形態)
本発明になるパターン形成方法の一例を図4に示す。まず、ブランケット1上にインク液膜2を形成する(図示せず)。次に、凸パターン6の最外縁部の外側の近傍に複数の微小凸パターン7を有する凸版3(図4(a))の凸部をブランケット1に接触させ、凸部に対応するインクを除去してインクパターン2Pとする(図4(b))。そして、基材4をブランケット1に接触させ、インクパターン2Pを基材4に転写する(図4(c))。この状態で、インクパターン2Pは凸版3のネガ形状をほぼ保っている。
こうして印刷した基材4を焼成することにより、インクパターン2Pが加熱されて流動し、焼成後のインクパターン2PPは縁の厚さがインクパターンの中央よりも薄くなり、断面がテーパー形状となる(図4(d))。焼成は1段階で行ってもよいが、2段階で行ってもよい。即ち、第一の温度でインクを流動させ、第二の温度でインクを固化させることが可能である。ただし、第一の温度<第二の温度とする。あるいは、温度を徐々に上げていってもよい。
凸版3としては、凸パターンの最外縁部の外側の近傍に複数の微小凸パターンを有する凸版であればよく、図1(a)〜(c)に示す様々な形状や、他の形状も使用できる。微小凸パターン7によって抜けた形状がほぼ潰れる程度にインクが流動するのが望ましい。インクの流動量は、インクの性質にもよるが、ウェット膜厚の0.1〜10倍程度なので、微小凸パターンの存在領域Aは、凸パターンの縁からウェット膜厚の20倍以内が望ましく、微小凸パターンの幅は、上から見て最も狭い部分の幅Wがウェット膜厚の10倍以内が望ましい。ウェット膜厚は、焼成後膜厚×インク体積/主剤体積でほぼ推定できる。凸版3の材質は、ガラスが一般に用いられるがそれに限定されるものではなく、金属や、ガラス上に金属パターンまたは樹脂パターンを付けたものや、金属に樹脂パターンを付けたものなどが使用可能である。また、凹部には撥インク処理を施してもよい。凸版3は板状に限定されるものではなく、例えば円筒形のシリンダーの表面が凸版3であってもよい。
ブランケット1としてはシリコーン樹脂が好適であるがそれに限定されるものではなく、フッ素化樹脂、ナイロン樹脂等も使用できる。ブランケット1は、円筒形の金属シリンダー上に樹脂板を貼ったものや、樹脂を塗工したものを用いることができる。ただし、凸版3が円筒形、基材4がフィルムであれば、ブランケット1は板状であってもよい。
インクは一般に、主剤(印刷したい物質またはその前駆体)と、溶媒(水、有機溶剤等)と、添加剤(混合性、印刷性、保存性等改善のため)からなる。溶媒として水を多く使っているインクは水系、有機溶剤を多く使っているインクは溶剤系と呼ばれる。どちらのインクも使用可能である。インク液膜2を形成する方法としては、ダイコート、キャップコート、ロールコート等が使用できる。
基材4としては、様々な物が使用できるが、例えばガラスのような無機物でもよいし、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ナイロン、アラミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロース等のフィルムやシートを用いることもできる。ただし、ブランケット1のインク剥離性が、凸版3や基材4よりも大きい(剥離し易い)必要がある。また、インクの主剤、溶媒、添加剤の種類、粘度、印刷条件等を適宜選択する必要がある。
(第2の実施形態)
本発明のパターン形成方法の例を、図5に示す。まず、ブランケット1上にインク液膜2を形成する(図示せず)。次に、凸パターン6の最外縁部の内側の近傍に複数の微小凹パターン8を有する凸版3(図5(a))の凸部をブランケット1に接触させ、凸部に対応するインクを除去してインクパターン2Pとする(図5(b))。そして、基材4をブランケット1に接触させ、インクパターン2Pを基材4に転写する(図5(c))。この状態で、インクパターン2Pは凸版3のネガ形状をほぼ保っている。
こうして印刷した基材4を焼成することにより、インクパターン2Pが流動し、焼成後のインクパターン2PPは縁の厚さがインクパターンの中央よりも薄くなり、断面がテーパ
ー形状となる(図5(d))。焼成は1段階で行ってもよいが、2段階で行ってもよい。即ち、第一の温度でインクを流動させ、第二の温度でインクを固化させることが可能である。ただし、第一の温度<第二の温度とする。あるいは、温度を徐々に上げていってもよい。
凸版3としては、凸パターンの最外縁部の内側の近傍に複数の微小凹パターンを有する凸版であればよく、図2(a)〜(c)に示す様々な形状や、他の形状も使用できる。微小凹パターンによって残った形状が巻き込まれる程度にインクが流動するのが望ましい。インクの流動量は、インクの性質にもよるが、ウェット膜厚の0.1〜10倍程度なので、微小凹パターンの存在領域Aは、凸パターンの縁からウェット膜厚の20倍以内が望ましく、微小凸パターンの幅は、上から見て最も狭い部分の幅Wがウェット膜厚の10倍以内が望ましい。ウェット膜厚は、焼成後膜厚×インク体積/主剤体積でほぼ推定できる。凸版3の材質は、ガラスが一般に用いられるがそれに限定されるものではなく、金属や、ガラス上に金属パターンまたは樹脂パターンを付けたものや、金属に樹脂パターンを付けたものなどが使用可能である。また、凹部には撥インク処理を施してもよい。凸版3は板状に限定されるものではなく、例えば円筒形のシリンダーの表面が凸版3であってもよい。
ブランケット1としてはシリコーン樹脂が好適であるがそれに限定されるものではなく、フッ素化樹脂、ナイロン樹脂等も使用できる。ブランケット1は、円筒形の金属シリンダー上に樹脂板を貼ったものや、樹脂を塗工したものを用いることができる。ただし、凸版3が円筒形、基材4がフィルムであれば、ブランケット1は板状であってもよい。
インクは一般に、主剤(印刷したい物質またはその前駆体)と、溶媒(水、有機溶剤等)と、添加剤(混合性、印刷性、保存性等改善のため)からなる。溶媒として水を多く使っているインクは水系、有機溶剤を多く使っているインクは溶剤系と呼ばれる。どちらのインクも使用可能である。インク液膜2を形成する方法としては、ダイコート、キャップコート、ロールコート等が使用できる。
基材4としては、様々な物が使用できるが、例えばガラスのような無機物でもよいし、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ナイロン、アラミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロース等のフィルムやシートを用いることもできる。ただし、ブランケット1のインク剥離性が、凸版3や基材4よりも大きい(剥離し易い)必要がある。また、インクの主剤、溶媒、添加剤の種類、粘度、印刷条件等を適宜選択する必要がある。
(第3の実施形態)
本発明のパターン形成方法の例を、図6に示す。まず、ブランケット1上にインク液膜2を形成する(図示せず)。次に、凸パターン6の縁が上から見て鋸刃状である凸版3(図6(a))の凸部をブランケット1に接触させ、凸部に対応するインクを除去してインクパターン2Pとする(図6(b))。そして、基材4をブランケット1に接触させ、インクパターン2Pを基材4に転写する(図6(c))。この状態で、インクパターン2Pは凸版3のネガ形状をほぼ保っている。
こうして印刷した基材4を焼成することにより、インクパターン2Pが流動し、焼成後のインクパターン2PPは縁の厚さがインクパターンの中央よりも薄くなり、断面がテーパー形状となる(図6(d))。焼成は1段階で行ってもよいが、2段階で行ってもよい。即ち、第一の温度でインクを流動させ、第二の温度でインクを固化させることが可能である。ただし、第一の温度<第二の温度とする。あるいは、温度を徐々に上げていってもよい。
凸版3としては、凸パターンの縁が上から見て鋸刃状の凸版であればよく、図3(a)〜(c)に示す様々な形状や、他の形状も使用できる。ここで、鋸刃状のパターンとは、のこぎりの歯の様に三角形状が連続した、いわゆるギザギザ形状のことを言う。鋸刃状の縁形状がほぼ滑らかになる程度にインクが流動するのが望ましいインクの流動量は、インクの性質にもよるが、ウェット膜厚の0.1〜10倍程度なので、鋸刃状パターンの長さAは、ウェット膜厚の20倍以内が望ましく、鋸刃状パターンのピッチWは、ウェット膜厚の10倍以内が望ましい。ウェット膜厚は、焼成後膜厚×インク体積/主剤体積でほぼ推定できる。凸版3の材質は、ガラスが一般に用いられるがそれに限定されるものではなく、金属や、ガラス上に金属パターンまたは樹脂パターンを付けたものや、金属に樹脂パターンを付けたものなどが使用可能である。また、凹部には撥インク処理を施してもよい。凸版3は板状に限定されるものではなく、例えば円筒形のシリンダーの表面が凸版3であってもよい。
ブランケット1としてはシリコーン樹脂が好適であるがそれに限定されるものではなく、フッ素化樹脂、ナイロン樹脂等も使用できる。ブランケット1は、円筒形の金属シリンダー上に樹脂板を貼ったものや、樹脂を塗工したものを用いることができる。ただし、凸版3が円筒形、基材4がフィルムであれば、ブランケット1は板状であってもよい。
インクは一般に、主剤(印刷したい物質またはその前駆体)と、溶媒(水、有機溶剤等)と、添加剤(混合性、印刷性、保存性等改善のため)からなる。溶媒として水を多く使っているインクは水系、有機溶剤を多く使っているインクは溶剤系と呼ばれる。どちらのインクも使用可能である。インク液膜2を形成する方法としては、ダイコート、キャップコート、ロールコート等が使用できる。
基材4としては、様々な物が使用できるが、例えばガラスのような無機物でもよいし、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ナイロン、アラミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロース等のフィルムやシートを用いることもできる。ただし、ブランケット1のインク剥離性が、凸版3や基材4よりも大きい(剥離し易い)必要がある。また、インクの主剤、溶媒、添加剤の種類、粘度、印刷条件等を適宜選択する必要がある。
(第4の実施形態)
主剤に金属を含むインクを用い、第1〜3の実施形態のパターン形成方法を用いることにより、パターンの縁の厚さがパターンの中央の厚さよりも薄い、金属パターンを形成することができる。金属としては、Ag、Ni、Cu、Au、Pt等が可能である。金属は、ナノ粒子であってもよいし、錯体や、有機金属化合物であってもよい。可能物溶媒は、水が主成分でもよいし、アルコール等の有機溶剤が主成分でもよい。
こうして作製される金属パターンを、薄膜トランジスタ(TFT)に用いることができる。ゲート電極として用いた場合を、図7(a)〜(g)に示す。基材4として基板11を用い、本発明になる前記のパターン形成方法を用いてゲート電極12を形成する。ゲート電極12と同時にキャパシタ電極20を形成してもよい(図7(a))。次にゲート絶縁膜13を形成し(図7(b))、さらにソース電極14およびそれに接続されたソース配線14’、ドレイン電極15およびそれに接続された画素電極18を形成する(図7(c))。そして、ソース電極およびドレイン電極にまたがって半導体16を形成する(図7(d))。
さらに、半導体の劣化を抑えるための封止層17、画素電極18上に開口を有する層間絶縁膜19、該開口を経由して画素電極18に接続された上部画素電極22を形成してもよい。
基板11としては、ガラスのような無機物を用いてもよいし、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ナイロン、アラミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロース等のフィルムやシートを用いてもよい。
ゲート絶縁膜13としては、ポリビニルフェノール、エポキシ、アクリル等の樹脂を塗布・焼成する有機絶縁膜が好適であるが、SiO、SiN、SiON等の無機絶縁膜を用いてもよい。
ソース電極14、ソース配線14’、ドレイン電極15、画素電極18としては、Ag、Ni、Cu、Au、Pt等を反転オフセット印刷によって形成してもよいし、他のパターン形成方法で形成してもよい。あるいは、真空プロセス等で金属を全面に成膜してから、フォトリソ・エッチングで形成してもよい。
半導体層16としては、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ポリアリルアミン誘導体、ポリアセチレン誘導体、アセン誘導体、オリゴチオフェン誘導体等の有機半導体、In、Ga、ZnO、SnO、InGaZnO、あるいはそれらの混合物を含む酸化物半導体、あるいは塗布型シリコン等を用いることができる。これらを、印刷・焼成して形成することが望ましい。
封止層17としては、フッ素化樹脂や、SiO、SiN、SiON等の無機絶縁膜を用いることができる。層間絶縁膜としては、エポキシ、アクリル等の樹脂や、レジスト等を用いることができる。上部画素電極としては、Agインクや、カーボンインク等を用いることができる。
ゲート電極12やキャパシタ電極20の縁の厚さが中央の厚さより薄い(断面がテーパー状)にすることにより、ゲート(ゲート電極12またはゲート配線12’)・ソース(ソース電極14またはソース配線14’)間、ゲート・ドレイン電極15間、キャパシタ(キャパシタ電極20またはキャパシタ配線20’)・ドレイン(ドレイン電極15または画素電極18)間、キャパシタ配線20’・ソース配線14’間の絶縁破壊を防止することができる。従来、図10のようにゲート電極32やキャパシタ電極40等の断面が急峻であると、ゲート電極32・ソース電極34間、ゲート電極32・ドレイン電極35間、キャパシタ電極40・画素電極38間などに絶縁破壊50が起きやすかった。
(第5の実施形態)
あるいは、本発明のパターン形成方法をソース・ドレイン電極作製に用いた場合を、図8(a)〜(g)に示す。まず、基板11上にゲート電極12を形成する。同時にキャパシタ電極20を形成してもよい(図8(a))。次にゲート絶縁膜13を形成する(図8(b))。この試料を基材4として用い、本発明のパターン形成方法を用いてソース電極14およびそれに接続されたソース配線14’、ドレイン電極15およびそれに接続された画素電極18を形成する(図8(c))。そして、ソース電極およびドレイン電極にまたがって半導体16を形成する(図8(d))。
さらに、半導体の劣化を抑えるための封止層17、画素電極18上に開口を有する層間絶縁膜19、該開口を経由して画素電極18に接続された上部画素電極22を形成してもよい。
基板11としては、ガラスのような無機物を用いてもよいし、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ナイロン、アラミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロース等のフィルムやシートを用いてもよい。
ゲート電極12、ゲート配線12’、キャパシタ電極20、キャパシタ配線20’としては、本発明の金属パターンを用いてもよいし、真空プロセス等で金属を全面に成膜してから、フォトリソ・エッチングで形成してもよい。ただし、エッチングにおいて、縁の断面がテーパー状になる条件を用いることが望ましい。
ゲート絶縁膜13としては、ポリビニルフェノール、エポキシ、アクリル等の樹脂を塗布・焼成する有機絶縁膜が好適であるが、SiO、SiN等の無機絶縁膜を用いてもよい。
半導体層16としては、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ポリアリルアミン誘導体、ポリアセチレン誘導体、アセン誘導体、オリゴチオフェン誘導体等の有機半導体、In、Ga、ZnO、SnO、InGaZnO、あるいはそれらの混合物を含む酸化物半導体、あるいは塗布型シリコン等を用いることができる。これらを、印刷・焼成して形成することが望ましい。
封止層17としては、フッ素化樹脂や、SiO、SiN、SiON等の無機絶縁膜を用いることができる。層間絶縁膜としては、エポキシ、アクリル等の樹脂や、レジスト等を用いることができる。上部画素電極としては、Agインクや、カーボンインク等を用いることができる。
ソース電極14やドレイン電極15の縁の厚さが中央の厚さより薄い(断面がテーパー状)にすることにより、半導体16の特性がソース電極14の縁やドレイン電極15の縁で悪化し、薄膜トランジスタの特性が悪くなる現象を防止することができる。従来、図11のようにソース電極34やドレイン電極35の断面が急峻であると、半導体層16の、ソース電極34縁やドレイン電極35縁に近い部分に、物性(配向、結晶性、粒径など)が不連続な領域51が生じ、抵抗成分が大きくなって薄膜トランジスタの特性が悪くなる現象があった。
なお、ソース電極14やドレイン電極15の縁の断面がテーパー状であれば、ソース配線14’や画素電極18の縁は必ずしもテーパー状でなくてもよいし、テーパー状であってもよい。また、ここまではゲート電極12が下層、その上にゲート絶縁膜13があり、ソース電極14・ドレイン電極15が上層にある、ボトムゲート構造で説明してきた。しかし本実施形態は、ソース電極14・ドレイン電極15が下層、その上にゲート絶縁膜13があり、ゲート電極12が上層にある、トップゲート構造にも適用できる。ただし、トップゲートの場合、下層にある画素電極18を最上層の上部画素電極22に接続するために、ゲート絶縁膜13に、層間絶縁膜19と同様に、開口が必要である。ゲート絶縁膜13に開口を設けるには、第6の実施形態のパターン形成方法が使用できる。
(第6の実施形態)
絶縁材料を分散・溶解させた絶縁インクを用い、第1〜3の実施形態のパターン形成方法を用いることにより、パターンの縁の厚さがパターンの中央の厚さよりも薄い、絶縁層パターンを形成することができる。絶縁層としては、ポリビニルフェノール、エポキシ、・・・等が可能である。溶媒は、水が主成分でもよいし、アルコール、ケトン、・・・等の有機溶剤が主成分でもよい。
こうして作製される絶縁膜パターンを、薄膜トランジスタ(TFT)に用いることができる。ゲート絶縁膜として用いた場合を、図9(a)〜(c)に示す。まず、基板11上にゲート電極12およびゲート配線12’、ゲート給電部12C、ソース給電部14Cを形成する。同時にキャパシタ電極20およびキャパシタ配線20’、キャパシタ給電部を形成してもよい(図9(a)には、ゲート配線12’、ゲート給電部12C、ソース給電部14Cのみ記載)。この試料を基材4として用い、本発明のパターン形成方法を用いて、ゲート絶縁膜13を形成する(図9(b))。その上に、ソース電極14およびそれに接続されたソース配線14’、ドレイン電極15およびそれに接続された画素電極18を形成する(図9(c))。この時、ソース配線14’はゲート絶縁膜13の縁を越えて、ソース給電部14Cに接続される。その後、ソース電極およびドレイン電極にまたがって半導体16を形成する(図示せず)。
さらに、半導体の劣化を抑えるための封止層17、画素電極18上に開口を有する層間絶縁膜19、該開口を経由して画素電極18に接続された上部画素電極22を形成してもよい。
基板11としては、ガラスのような無機物を用いてもよいし、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ナイロン、アラミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロース等のフィルムやシートを用いてもよい。
ゲート電極12、ゲート配線12’、キャパシタ電極20、キャパシタ配線20’としては、本発明第4の実施形態の金属パターンを用いてもよいし、真空プロセス等で金属を全面に成膜してから、フォトリソ・エッチングで形成してもよい。ただし、エッチングにおいて、縁の断面がテーパー状になる条件を用いることが望ましい。
ゲート絶縁膜13としては、ポリビニルフェノール、エポキシ、アクリル等のインクを用いる。インクには、SiO等の無機フィラーを含むことが好適である。
ソース電極14、ソース配線14’、ドレイン電極15、画素電極18としては、Ag、Ni、Cu、Au、Pt等を本発明第4の実施形態の金属パターンを用いてもよいし、従来の反転オフセット印刷によって形成してもよいし、他のパターン形成方法で形成してもよい。あるいは、真空プロセス等で金属を全面に成膜してから、フォトリソ・エッチングで形成してもよい。
半導体層16としては、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ポリアリルアミン誘導体、ポリアセチレン誘導体、アセン誘導体、オリゴチオフェン誘導体等の有機半導体、In、Ga、ZnO、SnO、InGaZnO、あるいはそれらの混合物を含む酸化物半導体、あるいは塗布型シリコン等を用いることができる。これらを、印刷・焼成して形成することが望ましい。
封止層17としては、フッ素化樹脂や、SiO、SiN、SiON等の無機絶縁膜を用いることができる。層間絶縁膜としては、エポキシ、アクリル等の樹脂や、レジスト等を用いることができる。上部画素電極としては、Agインクや、カーボンインク等を用いることができる。
ゲート絶縁膜13の縁の厚さが中央の厚さより薄い(断面がテーパー状)にすることにより、縁の上に形成する電極を良好な形状に形成することができ、上層の電極と下層の電極を接続する部分の信頼性を高めることができる。従来、図13のようにゲート絶縁膜3
3の断面が急峻であると、上層の電極がゲート絶縁膜33の縁の上を通る部分で不連続部分52ができやすく、接続できなかったり、抵抗が高くなったりする。上層の電極と下層の電極を接続する部分としては、上層のソース配線34を下層のソース配線給電部34Cに接続する場合や、静電破壊を防止するためのESDリングを形成するために薄膜トランジスタのゲート電極とソース(またはドレイン)電極を接続する場合や、駆動回路(シフトレジスタ等)をパネルに内蔵するために論理回路を組む場合や、トップゲートにするために下層の画素電極を最上層の上部画素電極に接続する場合などが挙げられる。ただし、ソース配線給電部34Cをゲート絶縁膜33の上に設け、ESDリング、駆動回路(シフトレジスタ)、トップゲートを用いない場合には、ゲート絶縁膜33の縁は急峻であってもよい。
(凸版の作製1)
図1の凸版3の作製を行った。まず、ガラス基板上にCrを0.1μmスパッタ成膜し、その上に電子線リソでレジストパターンを形成した。レジストパターンは、主パターンの縁から外側1μmの領域に、直径0.6μmのパターンを有する。次に、塩素系ドライエッチングによってCrをエッチングした。続いて凹部に撥インク性を付与するため、フッ素系シランカップリング剤を塗布・焼成した後、レジストを除去した。完成した凸版3は、主パターンの縁から外側1μmの領域に、直径0.5μmの開口を有し、深さは0.1μmであった。
(薄膜トランジスタの作製1)
PEN基板11を基材4とし、上記凸版3と、Agナノ粒子を含有するインク2を用いて反転オフセット印刷を行い、2段階焼成を経て、ゲート電極12、ゲート配線12’、キャパシタ電極20およびキャパシタ配線20’を作製した(図7(a))。パターンの厚さは0.1μm、ほぼ1μmの領域がテーパー状になり、断面の側面と底面のなす角度は先端部でほぼ10°であった。
次に、ゲート絶縁膜13としてポリビニルフェノールをダイコート・焼成して1μm厚にした(図7(b))。さらに、従来の凸版と、Agナノ粒子を含有するインク2を用いて反転オフセット印刷を行い、焼成して、ソース電極14、ソース配線14’、ドレイン電極15、画素電極18を形成した(図7(c))。そして、インクジェット印刷によって有機半導体であるポリチオフェンを塗布、焼成して半導体16とした(図7(d))。
さらに封止層17としてフッ素系樹脂をスクリーン印刷・焼成し(図7(e))、層間絶縁膜19としてエポキシ樹脂をスクリーン印刷・焼成し(図7(f))、上部画素電極22としてAgインクをスクリーン印刷・焼成した(図7(g))。
こうして作製した薄膜トランジスタを用いて電子ペーパーの表示を行ったところ、ゲート・ソース間やキャパシタ・ソース間のリークのない良好な駆動ができた。
(凸版の作製2)
図2の凸版3の作製を行った。まず、ガラス基板上にCrを0.1μmスパッタ成膜し、その上に電子線リソでレジストパターンを形成した。レジストパターンは、主パターンの縁から内側1μmの領域に、直径0.4μmの開口を有する。次に、塩素系ドライエッチングによってCrをエッチングした。続いて凹部に撥インク性を付与するため、フッ素系シランカップリング剤を塗布・焼成した後、レジストを除去した。完成した凸版3は、主パターンの縁から内側1μmの領域に、直径0.5μmの開口を有し、深さは0.1μmであった。
(薄膜トランジスタの作製2)
PEN基板11上に、実施例1と同様にして、ゲート電極12、ゲート配線12’、キャパシタ電極20およびキャパシタ配線20’を作製した(図8(a))。次に、ゲート絶縁膜13としてポリビニルフェノールをダイコート・焼成して1μm厚にした(図8(b))。
この試料を基材4とし、上記凸版3と、Agナノ粒子を含有するインク2を用いて反転オフセット印刷を行い、焼成温度を徐々に上げていく方法を経て、ソース電極14、ソース配線14’、ドレイン電極15および画素電極18を作製した(図8(c))。パターンの厚さは0.1μm、ほぼ1μmの領域がテーパー状になり、断面の側面と底面のなす角度は先端部でほぼ10°であった。
そして、インクジェット印刷によって有機半導体であるポリチオフェンを塗布、焼成して半導体16とした(図8(d))。
さらに封止層17としてフッ素系樹脂をスクリーン印刷・焼成し(図8(e))、層間絶縁膜19としてエポキシ樹脂をスクリーン印刷・焼成し(図8(f))、上部画素電極22としてAgインクをスクリーン印刷・焼成した(図8(g))。
こうして作製した薄膜トランジスタの移動度は、実施例1の場合よりも約1桁大きかった。
(凸版の作製3)
図3の凸版3の作製を行った。まず、ガラス基板上にCrを0.1μmスパッタ成膜し、その上に電子線リソでレジストパターンを形成した。レジストパターンの縁は、長さ10μm、ピッチ5μmを有する形状とした。次に、塩素系ドライエッチングによってCrをエッチングし、さらにフッ素系ドライエッチングによってガラスをエッチングした。その際、レジストは消失した。続いて凹部に撥インク性を付与するため、フッ素系シランカップリング剤を塗布・焼成した後、Crをウェットエッチング除去した。完成した凸版3のパターンは、縁に長さ10μm、ピッチ5μmの鋸刃形状を有し、深さは1μmであった。
(薄膜トランジスタの作製3)
PEN基板11上に、実施例1と同様にして、ゲート電極12、ゲート配線12’、ゲート給電部12C、キャパシタ電極20、キャパシタ配線20’、キャパシタ給電部、およびソース給電部14Cを作製した(図9(a):ただし、ゲート配線12’、ゲート給電部12C、ソース給電部14Cのみを記載)。
この試料を基材4とし、上記凸版3と、ポリビニルフェノールを含有するインク2を用いて反転オフセット印刷を行い、2段階焼成を経て、ゲート絶縁膜13を作製した(図9(b))。パターンの厚さは1μm、ほぼ10μmの領域がテーパー状になり、断面の側面と底面のなす角度はほぼ5°であった。
さらに、実施例2と同様にして、ソース電極14、ソース配線14’、ドレイン電極15および画素電極18を作製した(図9(c):ただし、ソース配線14’のみを記載)。
さらに、インクジェット印刷によって有機半導体であるポリチオフェンを塗布、焼成し
て半導体16とし、封止層17としてフッ素系樹脂をスクリーン印刷・焼成し、層間絶縁膜19としてエポキシ樹脂をスクリーン印刷・焼成し、上部画素電極22としてAgインクをスクリーン印刷・焼成した。
こうして作製した薄膜トランジスタでは、ソース配線14’がゲート絶縁膜13の縁近傍で断線することなく、ソース給電部14Cと良好な接続ができた。
<比較例>
比較例について説明する。PEN基板31上に、Agインクを従来の凸版で反転オフセット印刷・焼成してゲート電極32、ゲート配線32’、ゲート給電部32C、キャパシタ電極40、キャパシタ配線40’およびソース給電部34Cを作製した。パターンの厚さは0.1μm、断面の側面と底面のなす角度はほぼ70°であった。
次に、ゲート絶縁膜13としてポリビニルフェノールをダイコート・焼成して1μm厚にした。さらに、従来の凸版と、Agインクを用いて反転オフセット印刷・焼成して、ソース電極14、ソース配線14’、ドレイン電極15、画素電極18を形成した。そして、インクジェット印刷によって有機半導体であるポリチオフェンを塗布、焼成して半導体16とした。
さらに封止層37としてフッ素系樹脂をスクリーン印刷・焼成し、層間絶縁膜39としてエポキシ樹脂をスクリーン印刷・焼成し、上部画素電極42としてAgインクをスクリーン印刷・焼成した。
こうして作製した薄膜トランジスタを用いて電子ペーパーの表示を行ったところ、ゲート・ソース間やキャパシタ・ソース間のリークが多かった。顕微鏡で見ると、図11の絶縁破壊50の部分に破壊が見られた。また、移動度が実施例2より1桁小さかった。顕微鏡で見ると、図12の半導体の物性の不連続部分51の前後で結晶状態が異なっていた。さらに、ソース配線34’の断線が多かった。図13の上電極の不連続部分52で断線が見られた。
1・・・・ブランケット
2U・・・インク塗布ユニット
2・・・・インク液膜
2P・・・インクパターン
2PP・・焼成後のインクパターン
3・・・・凸版
4・・・・基材
5・・・・ステージ
6・・・・凸パターン
7・・・・微小凸パターン
8・・・・微小凹パターン
9・・・・微小鋸刃状パターン
11・・・基板
12・・・ゲート電極
12’・・・ゲート配線
12C・・・ゲート給電部
13・・・ゲート絶縁層
14・・・ソース電極
14’・・・ソース配線
14C・・・ソース給電部
15・・・ドレイン電極
16・・・半導体層
17・・・封止層
18・・・画素電極
19・・・層間絶縁膜
20・・・キャパシタ電極
20’・・・キャパシタ配線
22・・・上部画素電極
31・・・基板
32・・・ゲート電極
32’・・・ゲート配線
32C・・・ゲート給電部
33・・・ゲート絶縁層
34・・・ソース電極
34’・・・ソース配線
34C・・・ソース給電部
35・・・ドレイン電極
36・・・半導体層
37・・・封止層
38・・・画素電極
39・・・層間絶縁膜
40・・・キャパシタ電極
50・・・絶縁破壊
51・・・半導体層の物性の不連続部分
52・・・上電極の不連続部分

Claims (7)

  1. インク剥離性を有するブランケットにインク液膜を形成する工程と、
    ブランケット上のインク液膜に凸版を接触させて前記ブランケット上のインク液膜のうち該凸版の凸部形状部分を除去して前記ブランケット上にインク液膜パターンを形成する工程と、
    該ブランケット上のインク液膜パターンに基材を接触させて該インク液膜パターンを基材に転写する工程と、
    をこの順に行うパターン形成方法に使用する凸版であって、該凸版はインク液膜と接触して凸部形状にインク液膜を除去する凸パターンを有し、該凸パターンの最外縁部の外側に複数の微小凸パターンを備えることを特徴とする凸版。
  2. インク剥離性を有するブランケットにインク液膜を形成する工程と、
    ブランケット上のインク液膜に凸版を接触させて前記ブランケット上のインク液膜のうち該凸版の凸部形状部分を除去して前記ブランケット上にインク液膜パターンを形成する工程と、
    該ブランケット上のインク液膜パターンに基材を接触させて該インク液膜パターンを基材に転写する工程と、
    をこの順に行うパターン形成方法に使用する凸版であって、該凸版はインク液膜と接触して凸部形状にインク液膜を除去する凸パターンを有し、該凸パターンの最外縁部の内側に複数の微小凹パターンを備えることを特徴とする凸版。
  3. インク剥離性を有するブランケットにインク液膜を形成する工程と、
    ブランケット上のインク液膜に凸版を接触させて前記ブランケット上のインク液膜のうち該凸版の凸部形状部分を除去して前記ブランケット上にインク液膜パターンを形成する工程と、
    該ブランケット上のインク液膜パターンに基材を接触させて該インク液膜パターンを基材に転写する工程と、
    をこの順に行うパターン形成方法に使用する凸版であって、該凸版はインク液膜と接触して凸部形状にインク液膜を除去する凸パターンを有し、該凸パターンは、凸パターンの縁が上から見て鋸刃状であることを特徴とする凸版。
  4. 基材と、その上のゲート電極と、その上のゲート絶縁膜と、その上のソース・ドレイン電極と、ソース・ドレイン間の半導体層と、を少なくとも有する薄膜トランジスタの製造方法であって、該ゲート電極を形成する方法が、
    インク剥離性を有するブランケット上に金属を含有するインク液膜を形成する工程と、
    ブランケット上のインク液膜に請求項1から3のいずれか1項に記載の凸版を接触させて前記ブランケット上のインク液膜のうち該凸版の凸部形状部分を除去して前記ブランケット上にインク液膜パターンを形成する工程と、
    該ブランケット上のインク液膜パターンに基材を接触させて該インク液膜パターンを基材に転写する工程と、
    をこの順に行い、前記インク液膜を焼成して流動させることで、前記ゲート電極を形成するインクパターン縁の厚さを中央よりも薄くすることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 基材と、その上のゲート電極と、その上のゲート絶縁膜と、その上のソース・ドレイン電極と、ソース・ドレイン間の半導体層と、を少なくとも有する薄膜トランジスタの製造方法であって、該ソース・ドレイン電極を形成する方法が、
    インク剥離性を有するブランケット上に金属を含有するインク液膜を形成する工程と、
    ブランケット上のインク液膜に請求項1から3のいずれか1項に記載の凸版を接触させて
    前記ブランケット上のインク液膜のうち該凸版の凸部形状部分を除去して前記ブランケット上にインク液膜パターンを形成する工程と、
    該ブランケット上のインク液膜パターンに基材を接触させて該インク液膜パターンを基材上のゲート絶縁膜上に転写する工程と、
    をこの順に行い、前記インク液膜を焼成して流動させることで、前記ソース・ドレイン電極を形成するインクパターン縁の厚さを中央よりも薄くすることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  6. 基材と、その上のゲート電極と、その上のゲート絶縁膜と、その上のソース・ドレイン電極と、ソース・ドレイン間の半導体層と、を少なくとも有する薄膜トランジスタの製造方法であって、該ゲート絶縁膜を形成する方法が、
    インク剥離性を有するブランケット上に絶縁材料を含有するインク液膜を形成する工程と、
    ブランケット上のインク液膜に請求項1から3のいずれか1項に記載の凸版を接触させて前記ブランケット上のインク液膜のうち該凸版の凸部形状部分を除去して前記ブランケット上にインク液膜パターンを形成する工程と、
    該ブランケット上のインク液膜パターンに基材を接触させて該インク液膜パターンを基材上に転写する工程と、
    をこの順に行い、前記インク液膜を焼成して流動させることで、前記ゲート絶縁膜を形成するインクパターン縁の厚さを中央よりも薄くすることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  7. 前記焼成が、第一の焼成温度でインク液膜を流動させ、第一の温度より高温の第二の焼成温度でインク液膜を固化させるものであることを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
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