JP2012203257A - 液体現像剤、液体現像剤の製造方法、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】絶縁性のキャリア液と、前記キャリア液中に分散され且つ結着樹脂および着色剤を含むトナー粒子と、を含有し、剪断応力を与えずに20分間静置した際(静止状態)の、前記トナー粒子の個数統計による粒経分布曲線における中心粒経(個数メディアン径)D50pが1μm以下、前記トナー粒子の体積統計による粒経分布曲線における中心粒経(体積メディアン径)D50vが2.5μm以上5.5μm以下であり、外部から10[1/s]以上の剪断応力が与えられた際(応力付与状態)の、前記トナー粒子の体積統計による粒経分布曲線における中心粒経(体積メディアン径)D50vが、前記静止状態の体積メディアン径D50vよりも0.2μm以上小さい液体現像剤。
【選択図】なし
Description
例えば、難揮発性のキャリア液中に特定の分子量をもつポリエステル樹脂および特定の融点範囲の離型剤を含有する液体現像剤が開示されている(例えば特許文献1参照)。また、揮発性キャリア液に湿式粉砕によって作製し、特定の分子量をもつポリエステル樹脂、および特定の融点範囲の離型剤を用いた現像剤が開示されている(例えば特許文献2参照)。また、液体現像方式として、保管時は低濃度(5%以上10%以下)であり、現像機内で現像剤を20%以上25%以下に濃縮するスクイズ現像方式が開示されている(例えば特許文献3参照)。
請求項1に係る発明は、
絶縁性のキャリア液と、前記キャリア液中に分散され且つ結着樹脂および着色剤を含むトナー粒子と、を含有し、
剪断応力を与えずに20分間静置した際(静止状態)の、前記トナー粒子の個数統計による粒経分布曲線における中心粒経(個数メディアン径)D50pが1μm以下、前記トナー粒子の体積統計による粒経分布曲線における中心粒経(体積メディアン径)D50vが2.5μm以上5.5μm以下であり、
外部から10[1/s]以上の剪断応力が与えられた際(応力付与状態)の、前記トナー粒子の体積統計による粒経分布曲線における中心粒経(体積メディアン径)D50vが、前記静止状態の体積メディアン径D50vよりも0.2μm以上小さい液体現像剤である。
剪断応力を与えずに20分間静置した際(静止状態)の、前記トナー粒子の個数統計を用いた粒度分布指標(個数粒度分布指標)GSDpが1.3以上1.8以下、体積統計を用いた粒度分布指標(体積粒度分布指標)GSDvが2.3以上である請求項1に記載の液体現像剤である。
前記結着樹脂として少なくともスチレン系熱可塑性エラストマーおよびスチレン系熱可塑性樹脂を含み、
且つ前記キャリア液としてパラフィンオイルを含む請求項1または請求項2に記載の液体現像剤である。
前記スチレン系熱可塑性樹脂は、重量平均分子量が15万以上50万以下であり、
前記パラフィンオイルは、平均分子量が100以上300以下且つ引火点が45℃以上205℃以下である請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の液体現像剤である。
結着樹脂および着色剤を混合し、乾式の混練粉砕法にて混練粉砕してトナー粒子を作製するトナー粒子作製工程と、
前記トナー粒子を絶縁性のキャリア液中に分散させて分散液を調製する分散工程と、
前記分散液中の前記トナー粒子の少なくとも一部が一次粒子に細分化され且つ該一次粒子に細分化されたトナー粒子の少なくとも一部が凝集されて二次粒子となり、剪断応力を与えずに20分間静置した際(静止状態)の、前記トナー粒子の個数統計を用いた粒度分布指標(個数粒度分布指標)GSDpが1.3以上1.8以下、体積統計を用いた粒度分布指標(体積粒度分布指標)GSDvが2.3以上の範囲となるよう、無機材料のメディアを用いて前記分散液中の前記トナー粒子を湿式粉砕する粉砕工程と、
を有する、請求項1に記載の液体現像剤を製造する液体現像剤の製造方法である。
静電潜像保持体と、
前記静電潜像保持体の表面を帯電する帯電装置と、
前記静電潜像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
請求項1に記載の液体現像剤を収納し、且つ静電潜像保持体の表面に形成された静電潜像を該液体現像剤により現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
を備える画像形成装置である。
請求項1に記載の液体現像剤を収納し、
且つ静電潜像保持体の表面に形成された静電潜像を該液体現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備え、
画像形成装置に脱着されるプロセスカートリッジである。
本実施形態に係る液体現像剤は、絶縁性のキャリア液と、前記キャリア液中に分散され且つ結着樹脂および着色剤を含むトナー粒子と、を含有し、以下の条件を満たす。
(剪断応力を与えずに20分間静置した際(静止状態))
(1)トナー粒子の個数統計による粒経分布曲線における中心粒経(個数メディアン径)D50pが1μm以下
(2)トナー粒子の体積統計による粒経分布曲線における中心粒経(体積メディアン径)D50vが2.5μm以上5.5μm以下
(外部から10[1/s]以上の剪断応力が与えられた際(応力付与状態))
(3)トナー粒子の体積統計による粒経分布曲線における中心粒経(体積メディアン径)D50vが、前記静止状態の体積メディアン径D50vよりも0.2μm以上小さい
また、応力付与状態において、トナー粒子の体積統計による粒経分布曲線における中心粒経(体積メディアン径)D50vが、前記静止状態の体積メディアン径D50vよりも0.2μm以上小さいことは、現像の際の負荷に相当する剪断応力(即ち前記応力付与状態)のもとでは、二次粒子が再分散して一次粒子が増加する方向に平衡が働くことを意味する。
また、現像機内で保管され静置されている際には、一次粒子と二次粒子とが平衡により混在して存在し、保管安定性に優れた現像剤が供給される。
更に、スクイズ現像方式の画像形成装置に用いる場合においては、現像ローラ上で液体現像剤が二次粒子となり濃縮(高濃度化)が容易に行なわれる。
また、スクイズ現像方式でない画像形成装置に用いる場合であっても、濃縮せずとも高濃度のまま現像し得るため、スクイズ現像方式のありなしに関わらず、高い画像濃度が得られ画質が向上して、濃度ムラの抑制された画像が得られる。
作製した液体現像剤を遠心分離し、沈降物を電子顕微鏡(例えば、KEYENCE社製VE7800)で観察し、その画像を画像処理ソフトウェア(旭化成エンジニアリング社製 A像くん)で観察することで、一次粒子と二次粒子を区別して観察し得る。
本実施形態では図3で示すごとく、一次粒子1Aと二次粒子2Aが混在して平衡状態にある。この場合、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置では図5に示す粒径分布形状を示す。尚、この粒径分布を示す現像剤には図4のごとき一次粒子1Bのみで構成される現像剤もあるが、これは上記(3)の条件を満たさない。
トナー粒子の個数メディアン径D50p、体積メディアン径D50v、個数粒度分布指標(GSDp)、体積粒度分布指標(GSDv)は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(例えば、LA920、堀場製作所社製)を用いて測定される。
粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、個数をそれぞれ小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒子径を体積D16v、個数D16p、累積50%となる粒子径を体積D50v、個数D50p、累積84%となる粒子径を体積D84v、個数D84pと定義する。これらを用いて、体積粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、個数粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
また、「剪断応力を与えずに20分間静置した際(静止状態)」とは、上記の剪断応力等を与えずに20分間静置させた際を意味する。
静止状態での上記体積メディアン径D50vは2.5μm以上5.5μm以下であり、更には2.5μm以上5.0μm以下が好ましく、2.5μm以上3.5μm以下が特に好ましい。
応力付与状態での上記体積メディアン径D50vと静止状態での体積メディアン径D50vとの差(ΔD50v)は0.2μm以上小さく、更には0.6μm以上小さいことが好ましく、2.5μm以上小さいことが特に好ましい。
尚、静止状態の、前記トナー粒子の個数統計を用いた粒度分布指標(個数粒度分布指標)GSDpが1.3以上1.8以下、体積統計を用いた粒度分布指標(体積粒度分布指標)GSDvが2.3以上であることが好ましい。
さらにGSDpは1.4以上1.6以下が特に好ましい。
一方、GSDvは3.0以上が好ましく、3.9以上が特に好ましい。尚、上限値としては6以下が好ましい。
上記(1)(2)(3)の条件を満たす液体現像剤となる理由は明確ではないが、本実施形態に係る製造方法で作製することにより、再現性よく作製し得る。
本実施形態の液体現像剤は、後述するトナー粒子とキャリア液とを、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ビーズミル等のメディア式の湿式粉砕機を用いて粉砕し、トナー粒子をキャリア液中でサブミクロンの一次粒子と、その造粒物である二次粒子を精製することにより得られる。このとき、ビーズの直径は粉砕する材料にもよるが、0.2mm以上10mm以下であることが望ましく、0.2mm以上2.5mm以下がより望ましい。また、メディアの材質は、比重が2.0以上10以下の金属または無機材料が望ましい。また、ミルの終端速度はミルの形状にもよるが、1m/s以上25m/s以下が望ましい。
なお、トナー粒子のキャリア液中への分散は上記の湿式粉砕工程と兼ねてもよいが、別工程(プレ分散工程)として、キャリア液とトナー粒子との分散機による混合のみを分けて行う方が望ましい。また、そのプレ分散工程で使用する機械は、一般的な分散機に限られず、ミキサーのごとく、特殊な攪拌羽根を高速で回転させ分散してもよいし、ホモジナイザーとして知られるローター・ステーターの剪断力で分散してもよいし、超音波によって分散してもよい。また、粉砕物の材料によっては、キャリア液中に電荷制御剤や分散剤を加えるが、メディア式の湿式粉砕工程で加える方が望ましく、プレ分散工程で加えるのがより望ましい。
キャリア液中のトナー粒子の濃度は、現像剤の粘度を適性にコントロールし、現像機内の現像液循環を滑らかにするという観点から、0.5質量%以上40質量%以下の範囲とすることが望ましく、12質量%以上30質量%以下の範囲とすることがより望ましい。
その後、得られた分散液を、例えば孔径100μmの膜フィルターを用いて濾過し、ゴミおよび粗大粒子を除去してもよい。
また、循環式ミルには「シールオイル」を本体内に循環させてもよく、シールオイルタンク58、シールオイルポンプ56がミル本体に接続されている。スラリーおよびシールオイルは過熱による異常を防ぐため、タンクに冷却器72および74が取り付けられ、その温度調節を行うチラー70が設置されている。
メディアはミル本体60の中に設置され、スラリーはミル本体を通過するタイミングで粉砕される。
本実施形態の液体現像剤に含まれるトナー粒子は、結着樹脂および着色剤を含む。
尚、結着樹脂としては、特にスチレン系熱可塑性エラストマーおよびスチレン系熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
スチレン系熱可塑性エラストマーは、主にトナー粒子を構成する結着樹脂の柔軟性を上げて耐折り曲げ特性の改善に寄与し、スチレン系熱可塑性樹脂は、主に耐引っ掻き特性改善に寄与する。上記材料を用いた液体現像剤を用いて紙などの記録媒体に画像を形成すれば、耐折曲げ特性、すなわち、記録媒体を折り曲げたときに折り曲げた部分のトナーの脱落が抑制される画像が得られる。
本実施形態のトナー粒子に含まれるスチレン系熱可塑性樹脂としては、スチレン系単量体の重合体、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体とを構成単位として含むビニル系共重合体が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」とはアクリルまたはメタクリルのいずれかまたは両方であることを意味する。
上記スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−ter−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、等が挙げられる。
上記スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体以外に、その他のビニル系単量体として、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸等のアクリル酸およびそのα−またはβ−アルキル誘導体;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、等の不飽和ジカルボン酸およびそのモノエステル誘導体またはジエステル誘導体;コハク酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、(メタ)アクリロニトリル、アクリルアミド等を使用してもよい。単量体として、必要に応じて2個以上の二重結合を有する架橋性モノマーを使用してもよい。架橋性モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート等のジアクリレート化合物およびそれらのメタクリレート化合物、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート等の多官能架橋性モノマーおよびそれらのメタクリレート化合物等が挙げられる。
また、上記スチレン系熱可塑性樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は2以上20以下が望ましい。
なお、上記スチレン系熱可塑性樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定される分子量分布において、複数のピークや肩部をもっていてもよい。
本実施形態のトナー粒子に含まれるスチレン系熱可塑性エラストマーとしては、ポリスチレンとポリオレフィンとのブロック共重合体、ランダム共重合体等が挙げられ、常温ではゴムの特色を持つが、高温では熱可塑性プラスチックと同様、軟化する材料である。
例えば、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン、ポリスチレン−ポリブタジエン/ブチレン−ポリスチレン、ポリスチレン−ポリエチレン/ブチレン−ポリスチレン、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン、ポリスチレン−水添ポリブタジエン−ポリスチレン、ポリスチレン−水添ポリイソプレン−ポリスチレン、ポリスチレン−水添ポリ(イソプレン/ブタジエン)−ポリスチレン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体には、1−4体、1−2体の結合の形で二重結合が残るが、これを水素添加したものを使用してもよい。さらに、ポリスチレンに挟まれたソフトセグメント部に極性基を導入したブロック共重合体を使用してもよい。なお、上記共重合体の例示において、「−」で区切った前後はブロックポリマーを意味し、「/」で区切った前後はランダムでも良いし、ブロックでも良いことを意味する。
市販品としては、旭化成社製のタフテックM1911、タフテックM1943、タフテックMP10、アサプレンT439、タフプレンA、クラレ社製のDYNARON8630Pなどが挙げられる。特に、ポリスチレンに挟まれたソフトセグメント部が、極性基導入と水素添加された旭化成社製のSOE−L611、SOE−L611X、SOE−L605(以上、商品名)などが好適に使用される。
なお、保存安定性の観点から、スチレン系熱可塑性エラストマーの25℃でのキャリア液の吸液率は、0%以上150%以下がより望ましく、5%以上100%以下が特に望ましい。
吸液率(%)=(重量増加/はじめの乾燥ペレットの重量)×100
トナー粒子に用いられる結着樹脂としては、上記のスチレン系熱可塑性エラストマーおよびスチレン系熱可塑性樹脂以外に、公知の結着樹脂が挙げられる。例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、等が挙げられる。
本実施形態のトナー粒子は、スチレン系熱可塑性エラストマーおよびスチレン系熱可塑性樹脂のほか、必要に応じて、他の結着樹脂、着色剤、ワックス、電荷制御剤、シリカ粉末、金属酸化物など他の添加剤を含有していてもよい。これら添加剤は、スチレン系熱可塑性エラストマーおよびスチレン系熱可塑性樹脂を含む結着樹脂に混練するなどして内添してもよいし、粒子としてトナーを得たのち混合処理を施すなどして外添してもよい。なお、通常、着色剤を含むが、透明のトナーとする場合は、着色剤を含まなくてもよい。
マゼンタの顔料としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。
シアンの顔料としては、銅フタロシアニン化合物およびその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用される。
黒の顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、鉄黒等が用いられる。
本実施形態で用いるトナー粒子を製造する方法は特に限定されず、例えば、粉砕トナー、液中乳化乾燥トナー、もしくは重合トナーの製造方法で製造したトナーをキャリア液中で微粉砕して得られる。
例えば、スチレン系熱可塑性エラストマーおよびスチレン系熱可塑性樹脂等の結着樹脂、着色剤、他の添加剤をヘンシェルミキサー等の混合装置に投入して混合し、この混合物を二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミル、ニーダー等で溶融混練した後、ドラムフレーカー等で冷却し、ハンマーミル等の粉砕機で粗粉砕し、さらにジェットミル等の粉砕機で微粉砕した後、風力分級機等を用いて分級することにより、粉砕トナーが得られる。
また、スチレン系熱可塑性エラストマーおよびスチレン系熱可塑性樹脂等の結着樹脂、着色剤、他の添加剤を酢酸エチル等の溶剤に溶解し、炭酸カルシウムのごとき分散安定剤が添加された水中に乳化/懸濁し、溶剤を除去した後、分散安定剤を除去して得られた粒子を濾過・乾燥することによって液中乳化乾燥トナーが得られる。
また、結着樹脂を形成する重合性単量体、着色剤、重合開始剤(例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、イソプロピルパーオキシカーボネート、クメンハイドロパーオキサイド、2,4−ジクロリルベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等)および他の添加剤などを含有する組成物を水相中に撹拌下で加えて造粒し、重合反応後、粒子を濾過・乾燥することによって重合トナーが得られる。
キャリア液は、トナー粒子を分散させるための絶縁性の液体であり、特に制限はないが、例えば、パラフィンオイル等の脂肪族系炭化水素溶媒(市販品では、松村石油社製モレスコホワイトMT−30P、モレスコホワイトP40、モレスコホワイトP70、エクソン化学社製アイソパーL、アイソパーMなど)、ナフテン系オイル等の炭化水素系溶媒(市販品では、エクソン化学社製 エクソールD80、エクソールD110、エクソールD130、日本石油化学社製 ナフテゾールL、ナフテゾールM、ナフテゾールH、Newナフテゾール160、Newナフテゾール200、Newナフテゾール220、NewナフテゾールMS−20Pなど)が挙げられ、それらの中に、トルエン等の芳香族化合物を含有させてもよい。
尚、「絶縁性」とは、導電率が10−10S/m以下であることを示している。
本実施形態で用いるキャリア液は、パラフィンオイルを含むことが望ましく、パラフィンオイルを主成分とすることが望ましい。ここで「主成分」とは、キャリア液を構成する成分のうち、最も多く含まれる成分であり、望ましくは50容量%以上である。
尚、パラフィンオイルの平均分子量は、「蒸気圧法」を用いた分子量測定装置全般(例えば、日本ルフト社製:オズモマット070など)で測定される。
尚、パラフィンオイルの引火点は、「クリーブランド開放式自動引火点試験器」(例えば、田中化学機器製:ACO−7型など)を用いて測定される。
本実施形態の画像形成装置は、静電潜像保持体(以下「感光体」という場合がある)と、前記静電潜像保持体の表面を帯電する帯電装置と、前記静電潜像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、上記本実施形態に係る液体現像剤を収納すると共に、静電潜像保持体の表面に形成された静電潜像を該液体現像剤により現像してトナー像を形成する現像装置と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、を備える。
以下、本実施形態における、液体現像剤を用いた画像形成装置を、図面を参照しつつ説明する。
以下、この画像形成装置100の動作について簡単に説明する。
現像装置14は、現像ローラ14aと現像剤収納容器14bとを含んで構成される。現像ローラ14aは、現像剤収納容器14bに収納される液体現像剤24に一部が浸るようにして設けられる。
転写定着ローラ28は、中間転写体16とともに用紙30を挟み、中間転写体16上のトナー像を用紙30に密着させる。これによって用紙30にトナー像を転写し、用紙上にトナー像が定着され、定着画像29となる。トナー像の定着は、転写定着ローラ28に発熱体を設けて加圧および加熱により行うことが望ましい。定着温度は、通常、120℃以上200℃以下である。
画像形成装置100は、さらに、転写後かつ次の帯電までに感光体10の表面を除電する除電装置(図示せず)を備えていてもよい。
画像形成装置100に備えられる帯電装置20、露光装置12、現像装置14、中間転写体16、転写定着ローラ28、および、クリーナ18は、すべて感光体10の回転速度と同期をとって動作されている。
このような構成の画像形成装置100を用いて紙などの記録媒体30に画像を形成する。
なお、この図6では均しローラ32上で濃縮を実施しているが、アニロックスローラ31上や現像ローラ33上でも、トナー帯電器とスクイズブレードがローラ上に設置されれば、濃縮し得る。
スチレンアクリル樹脂(藤倉化成(株)製FSR−051、重量平均分子量38万)60部にシアン顔料C.I.ピグメントブルー15:3(クラリアント(株)製)40部を加え、バンバリーミキサーで5分間混練した。この混練物を粗粉砕して、シアン顔料マスターバッチを作製した。
・上記シアン顔料マスターバッチ :25部
・スチレンアクリル樹脂(藤倉化成(株)製FSR−053、
重量平均分子量32万、酸価10) :55部
・スチレン系熱可塑性エラストマー(旭化成社製品、「SOE−L611X」
、スチレン・ブタジエンブロック共重合体の水素添加品):20部
混練物をジェットミルで粉砕し平均粒径10μmのシアン粒子を得た。
実施例1のシアン粒子の形成において、スチレンアクリル樹脂(藤倉化成(株)製FSR−053、重量平均分子量32万、酸価10)およびスチレン系熱可塑性エラストマー(旭化成社製品、「SOE−L611X」、スチレン・ブタジエンブロック共重合体の水素添加品)を、ポリエステル樹脂(花王社製、「FS−2」、重量平均分子量3万、酸化9)に置き換えた以外は、実施例1に記載の方法により平均粒径10μmのシアン粒子を得た。
このシアン粒子35部に、難揮発性のパラフィンオイル(松村石油(株)製、モレスコホワイトP40)103部、ソルスパース1.5部の混合物を市販のビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、商品名:ダイノーミルKDL−A型)を用い、Φ0.8mmステンレス球で3300rpmの条件で180分間粉砕を行い、液体現像剤を得た。
外添剤添加前のEA−ECOトナー(富士ゼロックス社製、[市販同等品]、ポリエステルトナー、DocuCentre Color 500用、D50v=5.8μm)を市販のホモジナイザー(PRIMIX社製、TKロボミクスホモミクサ)を用い、トナー35部に、難揮発性のパラフィンオイル(松村石油(株)製、モレスコホワイトP40)103部、ソルスパース1.5部の混合物を加え、分散させた。この分散物120gを、650mlのボールミル(アズワン製、AV−1)で毎分60回転に設定し、48h粉砕し、液体現像剤を得た。なお、メディアはガラスビーズ(Φ1mm)を用い、かさにしてボールミル容器の75%となるようメディアを敷き詰めた。
実施例1において、スチレンアクリル樹脂(藤倉化成(株)製FSR−053、重量平均分子量32万、酸価10)およびスチレン系熱可塑性エラストマー(旭化成社製品、「SOE−L611X」、スチレン・ブタジエンブロック共重合体の水素添加品)を、スチレンアクリル樹脂(藤倉化成(株)製FSR−053)のみに置き換え、且つ湿式粉砕機による粉砕の時間を25分間に短縮した以外は、実施例1に記載の方法により液体現像剤を得た。
実施例1において、スチレンアクリル樹脂(藤倉化成(株)製FSR−053、重量平均分子量32万、酸価10)およびスチレン系熱可塑性エラストマー(旭化成社製品、「SOE−L611X」、スチレン・ブタジエンブロック共重合体の水素添加品)を、ポリエステル樹脂(花王社製、「FS−2」、重量平均分子量3万、酸化9)に置き換え、且つ湿式粉砕機による粉砕の時間を120分間に短縮した以外は、実施例1に記載の方法により液体現像剤を得た。
実施例1において、湿式粉砕に用いたΦ1.0mmジルコニアビーズを、Φ0.8mmテフロン(登録商標)に変更した以外は、実施例1に記載の方法により液体現像剤を得た。
実施例1において、湿式粉砕機による粉砕の時間を240分間に変更した以外は、実施例1に記載の方法により液体現像剤を得た。
実施例1と同じ材料を用い、同じジェットミルで粉砕する工程まで同条件で行って、平均粒径10μmのシアン粒子を得た。
実施例および比較例で得た液体現像剤サンプルを、レーザー回折粒度測定装置(LA920、堀場製作所)を用いて、体積メディアン径D50v、個数メディアン径D50p、体積粒度分布指標GSDv、個数粒度分布指標GSDpの4項目を評価した。
また、電子顕微鏡(KEYENCE VE7800)を用いて、液体現像剤中のトナー粒子における二次粒子の有無を確認した。
−画質(画像濃度の経時変化および画像濃度の面内ムラ)−
図1に示す構造の非スクイズ方式の液体現像装置を用い、実施例および比較例で得た液体現像剤サンプルにて、ISO事務機械国内委員会の指定するカラーテストチャート(No.2)を20000枚形成するランニングテストを行った。最初と最後とで画像濃度に変化がないかを目視グレード3段階(○:変化なし、△:変化があるものの装置内のパラメータ調整で対応し得る、×:装置で調整し得ないレベルでの濃度変化発生)で評価した。
また、ベタ画像を印刷した際の欠陥(濃度ムラ)の有無(○:濃度ムラなし、×:濃度ムラあり)で面内ムラを評価した。
液体現像剤をボトルに充填して密閉し、常温常圧(25℃50%RH)で1週間放置し、粒径および粘度が変化していないかを確認することで保管性を評価した。粒径および粘度のいずれの変化も±10%以内かつ再分散が困難な沈殿祖粉のないものを「○」とし、粒径および粘度のいずれの変化も±10%以内であるが再分散が困難な沈殿祖粉が微量発生するものを「△」とし、10%を超えるものまたは再分散が困難な沈殿祖粉が現像剤として機能しないほど発生するものを「×」とした。
図6に示す構造のスクイズ方式の液体現像装置を用い、実施例および比較例で得た液体現像剤サンプルにて、20000枚のランニングテストを行った。ランニングテストの最中に液体現像装置を止め、感光体ドラム上の液体現像剤を採集して、この感光体ドラム上での液体現像剤のトナー粒子濃度が、製造直後の液体現像剤の濃度よりも高くなっているか(即ち濃縮されているか)を確認し、以下の評価基準で評価した。
○:現像剤の濃度が元に比べて20%以上向上している
×:現像剤の濃度の向上が元に比べて20%未満
耐折り曲げ特性は、前記「画質」の評価の際に図1に示す構造の非スクイズ方式の液体現像装置を用いて形成した画像について、画像が形成された部分を内側にして用紙を折り曲げ、折り曲げた部分を軽く拭きとった後の画像の破壊具合から、以下の評価基準により評価した。
◎:画像の剥がれがほとんど観察されない
○:軽微で不連続な画像の剥がれがある
△:不連続な破損がある。
×:連続した破損がある。
実施例と比較例の液体現像剤サンプルについて、図1に示す構造の非スクイズ方式の液体現像装置中で現像機を24時間からまわしし、現像剤に対して外部から10[1/s]以上の剪断応力が与えられた状態(応力付与状態)として、感光体ドラム状に残った現像剤を電子顕微鏡で観察し、液体現像剤中のトナー粒子の体積メディアン径D50vを測定し、製造直後の液体現像剤の体積メディアン径D50vとの変化量(ΔD50v)を算出した。
12 露光装置(静電潜像形成装置)
14 現像装置
16 中間転写体
18 クリーナ
20 帯電装置
24 液体現像剤
26 トナー像
28 転写定着ローラ
29 定着画像
30 用紙(記録媒体)
31 アニロックスローラ
32 均しローラ
33 現像ローラ
34A、34B トナー帯電器
35 クリーニングローラ
36、37 クリーニングブレード
38 再分散装置
39 スクイズブレード
40 現像装置
50 攪拌モータ
52 タンク
54 循環ポンプ
55 攪拌翼
56 シールオイルポンプ
58 シールオイルタンク
60 ミル本体
70 チラー
72、74 冷却器
100 画像形成装置
Claims (7)
- 絶縁性のキャリア液と、前記キャリア液中に分散され且つ結着樹脂および着色剤を含むトナー粒子と、を含有し、
剪断応力を与えずに20分間静置した際(静止状態)の、前記トナー粒子の個数統計による粒経分布曲線における中心粒経(個数メディアン径)D50pが1μm以下、前記トナー粒子の体積統計による粒経分布曲線における中心粒経(体積メディアン径)D50vが2.5μm以上5.5μm以下であり、
外部から10[1/s]以上の剪断応力が与えられた際(応力付与状態)の、前記トナー粒子の体積統計による粒経分布曲線における中心粒経(体積メディアン径)D50vが、前記静止状態の体積メディアン径D50vよりも0.2μm以上小さい液体現像剤。 - 剪断応力を与えずに20分間静置した際(静止状態)の、前記トナー粒子の個数統計を用いた粒度分布指標(個数粒度分布指標)GSDpが1.3以上1.8以下、体積統計を用いた粒度分布指標(体積粒度分布指標)GSDvが2.3以上である請求項1に記載の液体現像剤。
- 前記結着樹脂として少なくともスチレン系熱可塑性エラストマーおよびスチレン系熱可塑性樹脂を含み、
且つ前記キャリア液としてパラフィンオイルを含む請求項1または請求項2に記載の液体現像剤。 - 前記スチレン系熱可塑性樹脂は、重量平均分子量が15万以上50万以下であり、
前記パラフィンオイルは、平均分子量が100以上300以下且つ引火点が45℃以上205℃以下である請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の液体現像剤。 - 結着樹脂および着色剤を混合し、乾式の混練粉砕法にて混練粉砕してトナー粒子を作製するトナー粒子作製工程と、
前記トナー粒子を絶縁性のキャリア液中に分散させて分散液を調製する分散工程と、
前記分散液中の前記トナー粒子の少なくとも一部が一次粒子に細分化され且つ該一次粒子に細分化されたトナー粒子の少なくとも一部が凝集されて二次粒子となり、剪断応力を与えずに20分間静置した際(静止状態)の、前記トナー粒子の個数統計を用いた粒度分布指標(個数粒度分布指標)GSDpが1.3以上1.8以下、体積統計を用いた粒度分布指標(体積粒度分布指標)GSDvが2.3以上の範囲となるよう、無機材料のメディアを用いて前記分散液中の前記トナー粒子を湿式粉砕する粉砕工程と、
を有する、請求項1に記載の液体現像剤を製造する液体現像剤の製造方法。 - 静電潜像保持体と、
前記静電潜像保持体の表面を帯電する帯電装置と、
前記静電潜像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
請求項1に記載の液体現像剤を収納し、且つ静電潜像保持体の表面に形成された静電潜像を該液体現像剤により現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
を備える画像形成装置。 - 請求項1に記載の液体現像剤を収納し、
且つ静電潜像保持体の表面に形成された静電潜像を該液体現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備え、
画像形成装置に脱着されるプロセスカートリッジ。
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