JP2000019788A - 電子写真用液体現像剤及びその製造方法 - Google Patents

電子写真用液体現像剤及びその製造方法

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JP2000019788A
JP2000019788A JP10190896A JP19089698A JP2000019788A JP 2000019788 A JP2000019788 A JP 2000019788A JP 10190896 A JP10190896 A JP 10190896A JP 19089698 A JP19089698 A JP 19089698A JP 2000019788 A JP2000019788 A JP 2000019788A
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JP10190896A
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Hidetoshi Miyamoto
英稔 宮本
Toshimitsu Fujiwara
利光 藤原
Kisho Amarigome
希晶 余米
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱安定性に優れるとともに、画像形成装置
内部品に熱的ダメージを与えない温度下で記録材にトナ
ー像を定着させることができる電子写真用液体現像剤及
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 電気的に絶縁性のキャリア液中にトナ
ーを分散させた電子写真用液体現像剤であって、トナー
のガラス転移温度(Tg)と一旦熱溶融させた後のトナ
ーのTgとの差が5℃以内である電子写真用液体現像
剤。 バインダー樹脂を主成分とするトナー材料を混
練して得たトナー混練物を粗粉砕して所定粒径のトナー
粗粒子とし、トナー粗粒子をキャリア液中で微粉砕して
キャリア液中に所定粒径のトナー粒子が分散した電子写
真用液体現像剤を得るようにし、前記微粉砕を、前記ト
ナー材料であるバインダー樹脂のTgより50℃以上低
い温度下で行う電子写真用液体現像剤の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の複
写機、プリンタ等の画像形成装置において、静電潜像を
現像するために用いる電子写真用液体現像剤及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高精細で美しいフルカラー画像を
作成、複写できる方法としてオフセット印刷が行われて
いる。オフセット印刷は、高画質の画像を高速でしかも
低コストで得ることができるため大量に印刷する場合に
は適しているが、装置のメンテナンスや操作が難しい。
【0003】一方、パーソナルコンピューターの普及等
により、簡単な操作でフルカラー画像を作成、複写でき
ること、多種類の画像を少部数ずつ作成できることが要
求されている。この点、電子写真方式の複写機、プリン
タ等は、作成数が多部数であっても少部数であっても一
部当たりの単価は殆ど変わらず、好ましいといえる。ま
た、他のインクジェット方式のプリンタ等と比べても、
印刷速度や再現性、耐久性の点で優れている。
【0004】電子写真方式の画像形成において、現像方
式は乾式現像法と湿式現像法に分けられる。乾式現像法
は、現像剤としてトナー(着色微粒子)又はトナーに磁
性等を有するキャリアを加えたものを用いる。乾式現像
において用いる乾式トナーは、これ等が周囲の大気中に
逃散して空気中に浮遊する恐れもあるため、あまり微細
にすることができず、通常、平均粒径が約10μm程度
までのもので比較的大きいものが用いられている。乾式
トナーはこのようにトナー粒径が比較的大きいことによ
り現像における解像度はそれほど高くない。
【0005】一方、湿式現像法では、現像剤として現在
実用化され主流となっているのは、電気絶縁性のキャリ
ア液中に、着色剤とバインダー樹脂を主要成分とするト
ナー、荷電制御剤及び分散安定剤等を分散させた液体現
像剤である。トナーの帯電は荷電制御剤に由来するイオ
ンの吸着によるものと考えられており、帯電トナーは電
気泳動の原理により現像に供される。湿式現像において
用いるトナーは、大気中に逃散する恐れがないため、微
細にすることができ、平均粒径がサブミクロンの範囲の
ものも実用可能である。そして、これにより、高解像度
で階調性に優れた画像が得られるという利点がある。
【0006】フルカラー画像の画質に対しては年々その
要求が高くなってきており、オフセット印刷と同程度又
はそれ以上の高画質を得るためには、小粒径で荷電性の
高いトナーを用いる湿式現像方式によるのが適当であ
る。ところで、電子写真用現像剤の耐熱性は、これを構
成するトナーのバインダー樹脂のガラス転移温度(以
下、「Tg」と略称する。)により定まり、バインダー
樹脂のTgが高いほど現像剤の耐熱性は向上する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、液体現
像剤では同じTgを有するバインダー樹脂を用いた乾式
現像剤に比べて耐熱安定性が悪く、保存中にトナー粒子
の形状が変化したり、凝集したり、トナー荷電性が低下
したりする。従って、液体現像剤では、乾式現像剤に比
べて高いTgを有する樹脂をトナーのバインダー樹脂と
して用いる必要がある。
【0008】一方、バインダー樹脂のTgが高くなる
と、記録材上に形成されたトナー像を該記録材に熱又は
熱及び圧力を用いて定着させるとき、その分定着温度を
高温にしなければならず、定着装置及びその周辺部品が
熱的ダメージを受けてその寿命が短くなるとともに、ラ
ンニングコストが高くつく。そこで本発明は、電気的に
絶縁性のキャリア液中にトナーを分散させた電子写真用
液体現像剤及びその製造方法であって、耐熱安定性に優
れるとともに、画像形成装置内部品に熱的ダメージを与
えない温度下で記録材にトナー像を定着させることがで
きる電子写真用液体現像剤及びその製造方法を提供する
ことを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明者は研究を重ね、以下の知見を得た。液体現像
剤ではトナーがキャリア液中に分散しているため、有機
溶剤であるキャリア液がトナー中のバインダー樹脂の分
子鎖間に浸入し、バインダー樹脂が膨潤した状態にな
る。この膨潤状態では、トナーの見かけのTgは本来の
Tgより低下する。従って、液体現像剤中のトナーの耐
熱安定性を向上させるためには、トナー中でのバインダ
ー樹脂の分子鎖間隙を少なくすればよい。また、液体現
像剤は通常バインダー樹脂を主成分とする着色混練物を
粗粉砕して得たトナー粗粒子をキャリア液中で微粉砕し
て作製するが、最終的に所望の粒径にまで微粉砕する際
の温度をバインダー樹脂のTgに比べて非常に低くする
ことによりトナー中でのバインダー樹脂の分子鎖間隙を
少なくすることができる。
【0010】前記知見に基づき本発明は、電気的に絶縁
性のキャリア液中にトナーを分散させた電子写真用液体
現像剤であって、該トナーのガラス転移温度と一旦熱溶
融させた後のトナーのガラス転移温度との差が5℃以内
であることを特徴とする電子写真用液体現像剤を提供す
る。また、前記知見に基づき本発明は、電気的に絶縁性
のキャリア液中にトナーを分散させた電子写真用液体現
像剤の製造方法であって、バインダー樹脂を主成分とす
るトナー材料を混練してトナー混練物を作製する混練工
程と、該トナー混練物を粗粉砕して所定粒径のトナー粗
粒子を作製する粗粉砕工程と、該トナー粗粒子をキャリ
ア液中で微粉砕してキャリア液中に所定粒径のトナー粒
子が分散したトナー分散液を作製する微粉砕工程とを含
み、前記微粉砕工程を、前記バインダー樹脂のガラス転
移温度より50℃以上低い温度下で行うことを特徴とす
る電子写真用液体現像剤の製造方法を提供する。
【0011】本発明方法において、トナー粗粒子は、そ
れには限定されないが例えば体積平均粒径が10μm以
上のものとすることができる。また、該トナー粗粒子は
トナーの体積平均粒径が5μm以下になるまで微粉砕す
ることが好ましい。また同様に、本発明の電子写真用液
体現像剤において、前記トナーは体積平均粒径が5μm
以下であることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態である
電子写真用液体現像剤は、電気的に絶縁性のキャリア液
中にトナーを分散させたものである。また、該トナーの
ガラス転移温度と一旦熱溶融させた後のトナーのガラス
転移温度との差が5℃以内である。ガラス転移温度(T
g)とは、高分子物質を加熱した場合にガラス状の硬い
状態からゴム状に変わるときの温度をいい、例えば示差
走査熱量計を用いて測定できる。
【0013】キャリア液中に分散されたトナーのTgと
一旦熱溶融させた後の該トナーのTgとの差が小さいと
いうことは、熱溶融することで揮発除去されるトナー中
のキャリア液の量が少ないことを表している。さらに詳
しく説明すると、トナー中のバインダー樹脂の分子鎖間
空隙が少ないことによりトナー中に含まれるキャリア液
の量が少ないことを表している。従って、本発明の好ま
しい実施形態である電子写真用液体現像剤によると、同
じバインダー樹脂を用いた従来の液体現像剤に比べて耐
熱安定性に優れ、バインダー樹脂のTgに近い比較的高
い温度下で放置してもトナー粒子の形状変化、凝集、荷
電性の低下等が生じ難い。
【0014】なお、キャリア液中に分散されたトナーの
Tgとキャリア液中に分散させる前の後述するトナー粗
粒子のTgとの差も、トナー中に含まれるキャリア液の
量の多少を表す一つのパラメーターになり得るが、既に
キャリア液中にトナーを分散させた液体現像剤について
評価できる点で、本発明の好ましい実施形態である電子
写真用液体現像剤では、キャリア液中に分散されたトナ
ーのTgと一旦熱溶融させた後の該トナーのTgとの差
を5℃以下としている。
【0015】また、本発明の好ましい実施形態である電
子写真用液体現像剤では、熱(及び圧力)により定着を
行う場合、トナー中に含まれるキャリア液の量が少なく
てもトナーの溶融は妨げられないため、バインダー樹脂
のTgに応じた溶融状態となって、従来の液体現像剤と
同様の定着性が得られる。そして、バインダー樹脂を選
択することにより画像形成装置内各部に熱的ダメージを
与えない温度下でトナー像の定着を行うことができる。
【0016】本発明の好ましい実施形態である電子写真
用液体現像剤は、例えば次の、、の工程を含む方
法により製造できる。 バインダー樹脂を主成分とするトナー材料を混練し
てトナー混練物を作製する混練工程。 該トナー混練物を粗粉砕して所定粒径のトナー粗粒
子を作製する粗粉砕工程。 バインダー樹脂のTgより50℃以上低い温度下に
おいて、該トナー粗粒子をキャリア液中で微粉砕してキ
ャリア液中にトナー粒子が分散したトナー分散液を作製
する微粉砕工程。
【0017】なお、例えば前記、及びの工程を経
て得られた微粉砕トナー分散液を、さらに所定量の荷電
制御剤を含む所定量のキャリア液で希釈し、分散処理を
施すことで液体現像剤を得ることができる。以下、これ
らの工程の具体例を説明する。 混練工程 先ず、バインダー樹脂及び着色剤を例えば3本ロール等
の混練機を用いて混練して、樹脂中に着色剤を分散等さ
せる。その他、必要に応じて可塑剤や荷電付与剤等も共
に混練すればよい。
【0018】なお、ここにいう荷電付与剤とはトナー内
部又は(及び)表面に添加されて、キャリア液中に添加
される後述する荷電制御剤と共に作用してトナーに高荷
電性を与える添加剤である。荷電付与剤はキャリア液中
には実質上溶出しない。着色剤は、それには限定されな
いが、以下の顔料等を用いることができる。ブラック用
顔料としては、カーボンブラックが代表的なものであ
る。ブラック以外のカラー用顔料としては、イエロー顔
料、マゼンタ顔料、シアン顔料を挙げることができる。
カラー画像形成は、これら顔料色を基本とする減法混色
で行われる。イエロー顔料としては、Color In
dex(C.I.) Pigment Yellow1
2、13、14、17、55、81、83、180等に
代表されるジスアゾ系イエロー顔料等を例示できる。マ
ゼンタ顔料としては、C.I.Pigment Red
48、57(カーミン6B)、5、23、60、11
4、146、186等のアゾレーキ系マゼンタ顔料や不
溶性アゾ系マゼンタ顔料、チオインジゴ系マゼンタ顔
料、C.I.Pigment Red122、209等
のキナクリドン系マゼンタ顔料等を例示できる。シアン
顔料としては、例えばC.I.Pigment Blu
e15:1、15:3等の銅フタロシアニンブルー系シ
アン顔料等を例示できる。
【0019】バインダー樹脂に対する着色剤の添加量
は、樹脂100重量部に対して5重量部〜20重量部程
度とすることが好ましい。なお、樹脂そのものが着色し
ているものであってもよい。トナー粒子を構成するバイ
ンダー樹脂は、熱可塑性を有し、実質的にキャリア液に
溶解しない樹脂であればよい。例えば、熱可塑性飽和ポ
リエステル樹脂、スチレンーアクリル共重合体樹脂、ス
チレン−アクリル変性ポリエステル樹脂、ポリオレフィ
ン共重合体樹脂(特にエチレン系共重合体)、エポキシ
樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン
酸樹脂等を挙げることができ、これらを単独で又は混合
して用いることができる。また、必要に応じて、パラフ
ィンワックス、ポリオレフィン等の樹脂を離型剤として
20重量%以下の範囲でブレンドして用いても構わな
い。特に、熱可塑性飽和ポリエステル樹脂、エチレン系
共重合体を用いることが好ましい。
【0020】熱可塑性飽和ポリエステル樹脂は広範囲に
熱特性等の物性を変化させることができるだけではな
く、カラー画像を得る際に透光性が優れるために美しい
色彩が得られ、また延展性や粘弾性に優れるために定着
後の樹脂膜が強靱で、紙等の記録材との接着性が良い。
具体的には、熱可塑性飽和ポリエステル樹脂は多価アル
コールと多価カルボン酸の重縮合により生成する。
【0021】多価アルコールとしては、これに限るもの
ではないが、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリ
コール等のプロピレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール等のブタンジオール、ネ
オペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール等の
ヘキサンジオール等のアルキレングリコール(脂肪族グ
リコール)及びこれらのアルキレンオキサイド付加物、
ビスフェノールA、水素添加ビスフェノール等のビスフ
ェノール類及びこれらのアルキレンオキサイド付加物の
フェノール系グリコール類、単環或いは多環ジオール等
の脂環式及び芳香族ジオール、グリセリン、トリメチロ
ールプロパン等のトリオール等が挙げられる。これらを
単独で又は2種以上混合して用いることができる。
【0022】特に、ネオペンチルグリコール、ビスフェ
ノールAのアルキレンオキサイド2〜3モル付加物が、
生成物であるポリエステル樹脂の溶解性、安定性の点で
液体現像剤のトナー用バインダー樹脂に適し、また低コ
ストであることからも好ましい。アルキレンオキサイド
としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド
等が挙げられる。
【0023】多価カルボン酸としては、これに限るもの
ではないが、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン
酸、フタル酸及びその変性酸(例えば、ヘキサヒドロ無
水フタル酸)、イソフタル酸、テレフタル酸等の飽和又
は不飽和の2価塩基酸、トリメリット酸、ピロメリット
酸、メチルナディック酸等の3官能以上の飽和多価塩基
酸、及びこれらの酸無水物、低級アルキルエステル等が
挙げられる。これらを単独で又は2種以上混合して用い
ることができる。
【0024】特に、イソフタル酸、テレフタル酸が、生
成物であるポリエステル樹脂の溶解性、安定性の点で液
体現像剤のトナー用バインダー樹脂に適し、また低コス
トであることからも好ましい。重縮合の方法としては、
通常公知の重縮合の方法を用いることができる。原料モ
ノマーの種類によっても異なるが、一般的には150℃
〜300℃程度の温度下で行う。また、雰囲気ガスとし
て不活性ガスを用いたり、各種の溶媒を使用したり、反
応容器内圧力を常圧又は減圧にする等、任意の条件で行
うことができる。また、反応促進のためにエステル化触
媒を用いてもよい。エステル化触媒としては、テトラブ
チルジルコネート、ジルコニウムナフテネート、テトラ
ブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、3/1
しゅう酸第1スズ/酢酸ナトリウムのような金属有機化
合物等を使用できるが、生成物であるエステルを着色し
ないものが好ましい。また、アルキルホスフェイト、ア
リルホスフェイト等を触媒又は色相調整剤として使用し
てもよい。
【0025】重合温度、反応系圧を制御することにより
得られるポリエステル樹脂の分子量を調整できる。ま
た、多価アルコールと多価カルボン酸の混合比率、重合
体の分子量を制御することにより得られるポリエステル
樹脂の酸価を調整できる。また、エチレン系共重合体と
しては、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メ
タクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共
重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エ
チレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸又は
メタクリル酸−アクリル酸エステル又はメタクリル酸エ
ステル3元共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合
体、エチレン−アクリル酸又はメタクリル酸−無水マレ
イン酸3元共重合体、エチレン−アクリル酸又はメタク
リル酸共重合体の部分金属イオン架橋ポリマー(アイオ
ノマーレジン)等が挙げられる。 粗粉砕工程 次いで、このようにして得られたバインダー樹脂、着色
剤及び必要に応じて添加された荷電付与剤等からなる着
色樹脂混練物をカッターミル、ジェットミル等を用いて
粗粉砕する。粗粉砕は、トナーの体積平均粒径がそれに
は限定されないが例えば最小10μm程度になるまで行
う。 微粉砕工程 次いで、この粗粉砕トナーに、さらに荷電制御剤が溶解
している少量のキャリア液中にて微粉砕処理を施して濃
厚液体現像剤を得る。このとき、粗粉砕トナーを分散さ
せたキャリア液の温度を、トナー材料であるバインダー
樹脂のTgより50℃以上低い温度に保つ。なお、この
微粉砕時の温度はキャリア液が凝固しない範囲とすれば
よい。微粉砕は、体積平均トナー粒径が、それには限定
されないが、例えば5μm以下になるまで時間をかけて
行うことが好ましい。5μm以下とする理由は解像度が
よくなるからである。また時間をかけるのは、微粉砕時
のシェアリングストレスをできるだけ低くするために、
微粉砕機回転数を低めに設定する必要があり、そのため
5μm以下のレベルにまで粉砕されるのに時間をかける
のである。
【0026】このようにして得られた濃厚液体現像剤
を、必要に応じて、荷電制御剤を含むキャリア液で適当
なトナー濃度になるまで希釈・分散処理すればよい。こ
のように、バインダー樹脂のTgに比して十分に低い温
度下でトナー粗粒子を微粉砕することにより、空隙の少
ないトナー粒子が得られる。微粉砕は、代表的には、D
YNO−MILL(WAB社製)、アイガーモーターミ
ル(アイガージャパン社製)、ウルトラビスコミル(ア
イメックス社製)、DCP−MILL(Draiswe
rke社製)等のビーズミル等を用いて行うことができ
る。
【0027】キャリア液は、静電潜像を乱さない程度の
抵抗値(1011〜1016Ω・cm程度)のものを使用す
る。現像時、分散される樹脂の軟化点以上の温度に昇温
したときに液体状であればよく、常温での状態は問わな
い。また、沸点は定着後乾燥し易い程度であることが好
ましい。さらに、臭気、毒性が無く、比較的引火点が高
い溶媒が好ましい。
【0028】例えば、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水
素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ポリシロキ
サン等を用いることができる。特に、臭気、無害性、コ
ストの点から、ノルマルパラフィン系溶媒、イソパラフ
ィン系溶媒を用いることが好ましい。このような溶媒の
具体例として、0号ソルベントL、0号ソルベントM、
0号ソルベントH(いずれも日本石油化学社製)、アイ
ソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパー
H、アイソパーL、アイソパーM、アイソパーK、アイ
ソパーV(いずれもエクソン化学社製)、シェルゾール
71(シェル石油化学社製)、IPソルベント101
6、IPソルベント1620、IPソルベント202
8、IPソルベント2835(いずれも出光石油化学社
製)、日石アイソゾール200、日石アイソゾール30
0、日石アイソゾール400(いずれも日本石油社製)
等が挙げられる。これらを単独で又は2種類以上混合し
て用いることができる。
【0029】前記荷電制御剤は、実質的にキャリア液に
溶媒和または溶解されるものであり、トナー粒子の帯電
量に影響を与える目的でキャリア液中に添加される。ま
た、必要に応じてトナー粒子中にも添加されていてもよ
い。代表的には、炭素数20以上のアルキル基を有する
油溶性イオン性界面活性剤、含窒素基を有するモノマー
と長鎖アクリレート若しくは長鎖メタクリレートとの共
重合体を用いることができる。
【0030】炭素数20以上のアルキル基を有する油性
イオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数20以上
のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩
(カルシウム塩、バリウム塩等)、石油スルホン酸塩
(バリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等)、塩
基性石油スルホン酸塩(バリウム塩、カルシウム塩、マ
グネシウム塩等)等を例示できる。特に、石油スルホン
酸塩(バリウム塩、カルシウム塩)、塩基性石油スルホ
ン酸塩(バリウム塩、カルシウム塩)が好ましい。
【0031】このような荷電制御剤としては、スルホー
ルCa−45N、スルホールCa−45、スルホール1
040、モレスコアンバーSC−45N、モレスコアン
バーSC−45、スルホールBa−30N、モレスコア
ンバーSB−50N(以上いずれも(株)松村石油研究
所製)、ベイシックバリウムペトロネイト(Basic
Barium Petronate)、ニュートラル
バリウムペトロネイト(Neutral Barium
Petronate)、ベイシックカルシウムペトロ
ネイト(Basic Calcium Petrona
te)、ニュートラルカルシウムペトロネイト(Neu
tral Calcium Petronate)、ベ
イシックマグネシウムペトロネイト(Basic Ma
gnecium Petronate)(いずれもWi
tco Chemical Co.製)等が具体的な商
品例として挙げられる。
【0032】また、含窒素基を有するモノマーと長鎖ア
クリレート又は長鎖メタクリレートとの共重合体として
は、脂肪族アミノ基を有する(メタ)アクリレート類、
含窒素複素環ビニル単量体類、N−ビニル置換環状アミ
ド単量体類、(メタ)アクリルアミド類、含窒素基を有
する芳香族置換エチレン系単量体類、含窒素ビニルエー
テル単量体類等の単量体と、ヘキシル(メタ)アクリレ
ート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)ア
クリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メ
タ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラ
ウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アク
リレート、ビニルラウレート、ビニルステアレート、ベ
ンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリ
レート等の単量体との共重合体を例示できる。
【0033】この他、トナーの荷電制御剤として一般に
用いられているナフテン酸、オクテン酸、オレイン酸、
ステアリン酸等の脂肪酸の金属塩、ジアルキルスルフォ
コハク酸金属塩、炭素数19以下のアルキル基を有する
アルキルベンゼンスルホン酸の金属塩、アルキルリン酸
エステルの金属塩、アビエチン酸又は水素添加アビエチ
ン酸の金属塩のようなイオン性界面活性剤、レシチンの
ような両性界面活性剤、アマニ油等の天然油脂類等も用
いることができる。
【0034】前記例示した荷電制御剤を単独で又は2種
類以上混合して用いることができる。前記荷電制御剤
は、所望の荷電性により適値が異なるが、概ねトナーの
0.01重量%〜100重量%程度の範囲で添加すれば
よい。液体現像剤中のトナー粒子の分散を安定させるた
めに、キャリア液中に分散剤(分散安定剤)を添加して
も構わない。この分散剤(分散安定剤)としては、トナ
ー粒子に吸着し、且つ、キャリア液に親和性のある溶解
性、半溶解性の又はキャリア液に膨潤性のあるポリマー
等を使用できる。
【0035】溶解性、半溶解性又はキャリア液に膨潤性
のあるポリマーとしては、それには限らないが、ポリオ
レフィン系石油樹脂、アマニ油、ポリアルキルメタクリ
レート等が挙げられ、またトナー粒子との親和性を高め
るために、メタクリル酸、アクリル酸、アルキルアミノ
エチルメタクリレート等の極性基を有するモノマーを共
重合したものも用いることができる。この場合、共重合
する極性基の量によりキャリア液への溶解性、トナー粒
子との親和性、吸着性をコントロールでき、極性基量が
増えるほどキャリア液への溶解性は低下し、トナー粒子
との親和性、吸着性は増大する。
【0036】分散剤は、分散性の向上及びその添加によ
るキャリア液の粘度上昇防止の観点から、その添加量を
キャリア液に対して0.01重量%〜20重量%程度と
することが好ましい。さらに好ましくは0.1重量%〜
10重量%程度である。液体現像剤の総重量に対するト
ナー、荷電制御剤、分散剤等の固形成分の総重量の割合
(固形分比)は1重量%〜90重量%程度とすることが
好ましい。現像に用いる液体現像剤の総量を減らし、取
扱い性を容易にするため、固形分比はより好ましくは2
重量%〜50重量%程度とする。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明
するが、本発明はそれらの実施例に限られるものではな
い。なお、以下の実施例中「部」とあるのは特に断らな
いかぎり「重量部」を表し、「Mn」とあるのは数平均
分子量を表し、「Mw」とあるのは重量平均分子量を表
す。
【0038】以下の実施例において、ガラス転移温度
(Tg)は、示差走査熱量計 DSC−20(セイコー
電子工業(株)社製)を用い、試料量10mg、昇温速
度10℃/minの条件で測定した。標準物質としてα
−アルミナの粉末を用いた。なお、first RUN
での値を測定した。また、数平均分子量(Mn)及び重
量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(GPC)の結果から求めた。GPCは高
速液体クロマトグラフポンプ TRI ROTAR−V
型(日本分光社製)、紫外分光検出器 UVIDEC−
100−V型(日本分光社製)、50cm長さのカラム
Shodex GPC A−803(昭和電工社製)
を用いて行った。重量平均分子量(Mw)は、そのクロ
マトグラフィーの結果から、被検試料の分子量をポリス
チレンを標準物質として算出することにより、ポリスチ
レン換算重量平均分子量(Mw)として求めた。また、
数平均分子量(Mn)もそのクロマトグラフィーの結果
から同様に求めた。なお、被検試料はバインダー樹脂
0.05gを20mlのテトラヒドロフラン(THF)
に溶解させたものを用いた。
【0039】酸価は、JIS K5400法の条件で測
定し、体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装
置 SALD−1100(島津製作所(株)製)を用い
て測定した。 バインダー樹脂の製造 熱可塑性飽和ポリエステル樹脂1 還流冷却器、水・アルコール分離装置、窒素ガス導入
管、温度計及び攪拌装置を備えた丸底フラスコに、ビス
フェノールAのプロピレンオキサイド付加物を1750
部とイソフタル酸790部とを入れ、攪拌しながら窒素
ガスを導入し、200℃〜240℃の温度下で脱水重縮
合を行った。生成したポリエステル樹脂の酸価又は反応
溶液の粘度が所定の値になったところで反応系の温度を
100℃以下に下げ、重縮合を停止させた。このように
して熱可塑性飽和ポリエステル樹脂1を得た。ポリエス
テル樹脂1はMw=8800、Mn=3850、Tg=
68.1℃、酸価=5.5mgKOH/gであった。 熱可塑性飽和ポリエステル樹脂2 還流冷却器、水・アルコール分離装置、窒素ガス導入
管、温度計及び攪拌装置を備えた丸底フラスコに、ビス
フェノールAのプロピレンオキサイド付加物を1750
部とイソフタル酸790部とを入れ、攪拌しながら窒素
ガスを導入し、200℃〜240℃の温度下で脱水重縮
合を行った。生成したポリエステル樹脂の酸価又は反応
溶液の粘度が所定の値になったところで反応系の温度を
100℃以下に下げ、重縮合を停止させた。このように
して熱可塑性飽和ポリエステル樹脂2を得た。ポリエス
テル樹脂2はMw=6500、Mn=3050、Tg=
52.3℃、酸価=11.0mgKOH/gであった。 熱可塑性飽和ポリエステル樹脂3 還流冷却器、水・アルコール分離装置、窒素ガス導入
管、温度計及び攪拌装置を備えた丸底フラスコに、ビス
フェノールAのプロピレンオキサイド付加物を1700
部とイソフタル酸890部とを入れ、攪拌しながら窒素
ガスを導入し、200℃〜240℃の温度下で脱水重縮
合を行った。生成したポリエステル樹脂の酸価又は反応
溶液の粘度が所定の値になったところで反応系の温度を
100℃以下に下げ、重縮合を停止させた。このように
して熱可塑性飽和ポリエステル樹脂3を得た。ポリエス
テル樹脂3はMw=5010、Mn=2250、Tg=
45.9℃、酸価=45.2mgKOH/gであった。 熱可塑性飽和ポリエステル樹脂4 還流冷却器、水・アルコール分離装置、窒素ガス導入
管、温度計及び攪拌装置を備えた丸底フラスコに、ビス
フェノールAのエチレンオキサイド付加物を1250部
とイソフタル酸1090部とを入れ、攪拌しながら窒素
ガスを導入し、200℃〜240℃の温度下で脱水重縮
合を行った。生成したポリエステル樹脂の酸価又は反応
溶液の粘度が所定の値になったところで反応系の温度を
100℃以下に下げ、重縮合を停止させた。このように
して熱可塑性飽和ポリエステル樹脂4を得た。ポリエス
テル樹脂4はMw=5900、Mn=2350、Tg=
60.1℃、酸価=55.0mgKOH/gであった。 液体現像剤製造の実施例 実施例1 前記ポリエステル樹脂1を60部と、着色剤としてカー
ボンブラック モーガルL(キャボット社製)を40部
との混合物を、3本ロール付混練器を用いて180℃で
4時間混練して高濃度着色剤混練物を得た。この高濃度
着色剤混練物をニーダーを用いて前記ポリエステル樹脂
1で希釈し、最終的にカーボンブラック濃度15重量%
の着色樹脂混練物を得た。この着色樹脂混練物を十分冷
却した後、カッターミルを用いて粗粉砕し、さらにジェ
ットミル(日本ニューマチック工業(株)製)を用いて
微粉砕して平均粒径10μm程度の着色トナー粗粒子を
得た。
【0040】この着色トナー粗粒子を900gと、0.
25重量%の石油スルホン酸バリウム塩 スルホールB
a−30N((株)松村石油研究所製)のIPソルベン
ト1620溶液を2100gとを混合し、分散処理器
T.K.オートホモミクサーM型(特殊機化工業(株)
製)を用いて8000rpmで5分間分散処理した。処
理中、液体窒素を用いてトナー分散液を容器ごと15℃
程度に冷却した。
【0041】次いで、ビーズミル DYNO−MILL
Type KDL−A(コンテナ容量0.6リット
ル)(WAB社製)によりメディアとして直径1mmの
ガラスビーズGB−502M(東芝バロティーニ社製)
(500ml)を用いて、冷却水温度2℃、ポンプ流量
2リットル/min、ディスク回転数2500rpmで
5時間処理することにより湿式グラインディングした。
このとき、トナー分散液を容器ごとドライアイス、メタ
ノール等からなる冷媒で冷却して、トナー分散液の温度
をバインダー樹脂のTg(68.1℃)より50℃以上
低い温度(18.1℃又はそれ以下)に維持した。この
ようにして、体積平均トナー粒子径2.5μmの濃厚液
体現像剤を得た。
【0042】さらに、この濃厚液体現像剤100部に、
0.25重量%のスルホールBa−30NのIPソルベ
ント1620溶液を900部加えて希釈し、分散処理器
T.K.オートホモミクサーM型を用いて8000r
pmで5分間分散処理することにより液体現像剤1を製
作した。 実施例2 前記実施例1において、ポリエステル樹脂1に代えてポ
リエステル樹脂2を用いた他は実施例1と同様にして、
体積平均トナー粒子径2.5μmの液体現像剤2を製作
した。なお、湿式グラインディング時、トナー分散液の
温度はバインダー樹脂のTg(52.3℃)より50℃
以上低い温度(2.3℃又はそれ以下)に維持した。 実施例3 前記実施例1において、ポリエステル樹脂1に代えてポ
リエステル樹脂3を用いた他は実施例1と同様にして、
体積平均トナー粒子径2.5μmの液体現像剤3を製作
した。なお、湿式グラインディング時、トナー分散液の
温度はバインダー樹脂のTg(45.9℃)より50℃
以上低い温度(−4.1℃又はそれ以下)に維持した。 実施例4 前記実施例1において、ポリエステル樹脂1に代えてポ
リエステル樹脂4を用いた他は実施例1と同様にして、
体積平均トナー粒子径2.5μmの液体現像剤4を製作
した。なお、湿式グラインディング時、トナー分散液の
温度はバインダー樹脂のTg(60.1℃)より50℃
以上低い温度(10.1℃又はそれ以下)に維持した。 比較例1 前記実施例1と同様にして、ポリエステル樹脂1を用い
て平均粒径10μm程度の着色トナー粗粒子を得た。
【0043】この着色トナー粗粒子を30gと、0.2
5重量%の石油スルホン酸バリウム塩 スルホールBa
−30NのIPソルベント1620溶液を70gとを混
合し、サンドグラインダー(IGARASHI KIK
AI SEIZO CO.,Ltd社製)により、メデ
ィアとして直径1mmのガラスビーズGB−502Mを
150ml用いて、ウォータージャケット付き1/8ガ
ロンベッセルにて、冷却水温度20℃、ディスク回転数
2000rpmで10時間処理することにより湿式グラ
インディングした。このようにして、体積平均トナー粒
子径2.5μmの濃厚液体現像剤を得た。湿式グライン
ディング時の温度である20℃は、バインダー樹脂のT
g(68.1℃)より48.1℃低い温度である。
【0044】さらに、この濃厚液体現像剤100部に、
0.25重量%のスルホールBa−30NのIPソルベ
ント1620溶液を900部加えて希釈し、分散処理器
T.K.オートホモミクサーM型(特殊機化工業
(株)製)を用いて8000rpmで5分間分散処理す
ることにより比較液体現像剤1を製作した。 比較例2 前記比較例1において、ポリエステル樹脂1に代えてポ
リエステル樹脂2を用いた他は比較例1と同様にして、
体積平均トナー粒子径2.5μmの比較液体現像剤2を
製作した。なお、湿式グラインディング時の温度である
20℃は、バインダー樹脂のTg(52.3℃)より3
2.3℃低い温度である。 比較例3 前記比較例1において、ポリエステル樹脂1に代えてポ
リエステル樹脂3を用いた他は実施例1と同様にして、
体積平均トナー粒子径2.5μmの比較液体現像剤3を
製作した。なお、湿式グラインディング時の温度である
20℃は、バインダー樹脂のTg(45.9℃)より2
5.9℃低い温度である。 比較例4 前記比較例1において、ポリエステル樹脂1に代えてポ
リエステル樹脂4を用いた他は比較例1と同様にして、
体積平均トナー粒子径2.5μmの比較液体現像剤4を
製作した。なお、湿式グラインディング時の温度である
20℃は、バインダー樹脂のTg(60.1℃)より4
0.1℃低い温度である。
【0045】次に、前記液体現像剤1〜4及び比較液体
現像剤1〜4についての、耐熱安定性及び定着性の評価
について説明する。また、各液体現像剤中のトナーのT
gと該トナーを一旦熱溶融した後のTgとの差の測定に
ついても説明する。耐熱安定性は、各液体現像剤をトナ
ー濃度が3重量%になるようにIPソルベント1620
で希釈した希釈液体現像剤を所定温度下で1時間放置し
た後、その500mlをふるい目の開きが20μmのメ
ッシュに通し、該メッシュ上に残るトナー成分が0.1
mg以上ある場合をトナーブロッキング有りとして、ト
ナーブロッキングが生じる最低温度を測定することで評
価した。
【0046】定着性の評価は、図1に概略構成を示す画
像形成実験装置に各液体現像剤をセットして実写試験を
することにより行った。図1の画像形成実験装置は液体
現像装置を内蔵した電子写真方式のものであり、感光体
ドラム1を有し、感光体ドラム1の周囲に帯電チャージ
ャー2、図示しないホストコンピュータ等から送られる
画像データに基づいてレーザービームを発生する画像露
光装置3、液体現像装置4、スクイズローラ装置51、
スクイズチャージャ52、転写ローラ6、クリーナー
7、イレーサーランプ8が順次配設されている。また、
転写ローラ6近傍には、給紙装置9、用紙上に形成され
たトナー像の定着を行うための熱定着ローラ対を含む定
着装置10、装置内部から排出される用紙を載置する排
紙トレイ11が配設されている。排紙トレイ11には排
紙ローラ111が付設されている。給紙装置9は、内部
に記録用紙を収納した用紙収納カセット91と、カセッ
ト91内の用紙を送りだす給紙ローラ92とを備えてお
り、給紙装置9と転写ローラ6との間にはタイミングロ
ーラ対93を備えている。
【0047】液体現像装置4は、感光体ドラム1に微小
な間隔をあけて対向しその下部が液体現像剤に浸漬され
た現像ローラ41と、現像ローラ41の周囲に液体現像
剤を保持する現像剤保持槽42と、現像剤保持槽42に
供給する液体現像剤を貯留する現像剤貯留槽43と、現
像剤貯留槽43内の現像剤を現像剤保持槽42に汲み上
げる現像液供給装置44と、現像剤保持槽42内の余剰
の現像液を現像剤貯留槽43に戻す現像液回収装置45
とを備えている。現像剤貯留槽43内の現像剤は、図示
しない濃縮トナー補給装置により適時に濃縮トナー補給
液が補給されてほぼ一定のトナー濃度に保たれる。ま
た、現像ローラ41と感光体ドラム1との間の現像ギャ
ップは0mm〜2mmの範囲で任意に設定できるように
なっている。
【0048】画像形成を行うにあたっては、感光体ドラ
ム1は図中矢印a方向に20cm/secの速度で回転
され、その表面が帯電チャージャ2で約−500Vの表
面電位になるように一様に帯電される。そして、画像露
光装置3から感光体ドラム1に向けて画像情報に基づい
てレーザービームが照射され感光体ドラム1表面に静電
潜像が形成される。これにより、感光体ドラム1の露光
部の表面電位は約−30Vに減衰する。
【0049】感光体ドラム1に形成された静電潜像は、
液体現像装置4により液体現像剤を用いて顕像化され
る。なお、現像ローラ41は、感光体ドラム1の回転方
向とは逆向きの図中矢印b方向に感光体ドラム1の回転
速度の2倍の速度で回転され、感光体ドラム1と現像ロ
ーラ41との間の現像ギャップは100μmとされる。
また、現像ローラ41には、露光部への現像剤の付着を
促進し、未露光部への現像剤の付着を抑制するために約
−400Vのバイアス電位が印加される。
【0050】この後、感光体ドラム1に過剰に付着した
液体現像剤が感光体ドラム1と同方向に回転されるスク
イズローラ装置51及びスクイズチャージャ52により
しぼりとられ、感光体ドラム1表面にわずかに液体を含
む状態のトナー像が形成される。そして、トナー像はそ
のまま転写ローラ6と対向する転写位置まで回転され、
ここで給紙装置9から搬送されてきた紙と接触し、静電
転写により紙に転写される。なお、転写ローラ6には、
+1000Vの転写電圧が印加される。
【0051】転写紙は感光体ドラム1から分離された
後、所定温度に加熱された熱定着ローラ対を備えた定着
装置10まで搬送され、ここで熱と圧力によって定着が
行われ1枚の画像形成が完成し、排紙ローラ111によ
り排紙トレイ11に排出される。この後、感光体ドラム
1表面に残留した液体現像剤はクリーナー7により取り
除かれ、感光体ドラム1上の残存電荷はイレーサーラン
プ8により消去されて、次回の画像形成に備えられる。
【0052】図1の装置を用いた定着性の評価は次のよ
うにして行った。感光体ドラム1上にその長手方向の長
さ(回転中心線方向の長さ)が3cm、その周方向の長
さが3cmのソリッドの静電潜像を形成し、この静電潜
像を顕像化して3cm×3cmのソリッド画像を形成し
た。このとき、定着温度を変化させて定着不良が発生し
ない最低温度を測定した。(このとき、定着温度を変化
させて低温オフセット現象が発生しない最低温度を測定
した。なお、低温オフセット現象とは、トナーを構成す
るバインダー樹脂が十分に溶融しない温度下で定着を行
った場合に記録材に転写されたトナー画像の一部が定着
ローラに付着して最終画像において画像欠損を生じるも
のである。)また、各液体現像剤中のトナーのTgと該
トナーを一旦熱溶融した後のTgとの差の測定について
は次のようにして行った。液体現像剤中のトナーのTg
は、各液体現像剤を遠心分離器を用いて10000rp
mで10分間処理してトナー沈殿物を回収し、該沈殿物
の余剰液を十分除去した後、10mgをポリエチレン製
密封容器に入れて、示差走査熱量計 DSC−20を用
いて測定した。また、該トナーを一旦熱溶融した後のT
gは、前記トナー沈殿物をホットプレートにて160
℃、5分間加熱処理した後、急冷して得たトナー塊を乳
鉢にて粉砕し、10mgをアルミニウム製オープンパン
に入れて、示差走査熱量計 DSC−20を用いて測定
した。示差走査熱量計 DSC−20を用いたTgの具
体的測定方法は記述の通りである。
【0053】結果を次表1に示す。以下の表中、Tg1
は液体現像剤中のトナーのTgを表し、Tg2は熱溶融
後のトナーのTgを表し、ΔTgは(Tg1−Tg2)
を表す。 Tg1 Tg2 ΔTg ブロッキング 定着下限温度 開始温度 (℃) (℃) (℃) (℃) (℃) 液体現像剤1 67 68 1 60 137 液体現像剤2 50 52 2 45 125 液体現像剤3 42 46 4 40 120 液体現像剤4 59 60 1 55 128 比較液体現像剤1 42 68 26 38 137 比較液体現像剤2 35 52 17 32 125 比較液体現像剤3 32 46 14 30 120 比較液体現像剤4 43 60 17 40 128 このように、トナー粗粒子を微粉砕する際の温度をバイ
ンダー樹脂のTgより50℃以上低い温度に保たなかっ
た比較例1〜4の比較液体現像剤1〜4では、液体現像
剤中のトナーのTg1と一旦熱溶融した後のトナーのT
g2との差(ΔTg)が5℃を超えて比較的大きかっ
た。また、40℃以下の温度でトナーブロッキングが生
じ、比較的高温での保存では支障を来す程度に耐熱安定
性が悪いことが分かる。
【0054】一方、トナー粗粒子を微粉砕する際の温度
をバインダー樹脂のTgより50℃以上低い温度に保っ
た本発明実施例1〜4の液体現像剤1〜4では、液体現
像剤中のトナーのTg1と一旦熱溶融した後のトナーの
Tg2との差(ΔTg)が5℃以内であった。また、ブ
ロッキング開始温度は40℃以上であり、耐熱安定性は
良好であることが分かる。
【0055】また、液体現像剤1〜4と比較液体現像剤
1〜4とでは定着下限温度は略同等であり、ΔTgの大
きさは定着性には影響を及ぼさないことが分かる。な
お、システム速度20cm/secにおける定着下限温
度が120℃〜137℃程度である場合、装置内各部は
実用上問題となるような熱的ダメージを受けない。
【0056】
【発明の効果】本発明によると、電気的に絶縁性のキャ
リア液中にトナーを分散させた電子写真用液体現像剤及
びその製造方法であって、耐熱安定性に優れるととも
に、画像形成装置内部品に熱的ダメージを与えない温度
下で記録材にトナー像を定着させることができる電子写
真用液体現像剤及びその製造方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成実験装置の1例の概略構成を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 2 帯電チャージャ 3 レーザービームによる画像露光装置 4 液体現像装置 41 現像ローラ 42 現像剤保持槽 43 現像剤貯留槽 44 現像剤供給装置 45 現像剤回収装置 51 スクイズローラ 52 スクイズチャージャ 6 転写ローラ 7 クリーナー 8 イレーサーランプ 9 給紙装置 91 用紙収納カセット 92 給紙ローラ 93 タイミングローラ対 10 定着装置 11 排紙トレイ 111 排紙ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 余米 希晶 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪 国際ビル ミノルタ株式会社内 Fターム(参考) 2H069 AA01 DA02 DA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気的に絶縁性のキャリア液中にトナー
    を分散させた電子写真用液体現像剤であって、該トナー
    のガラス転移温度と一旦熱溶融させた後の該トナーのガ
    ラス転移温度との差が5℃以内であることを特徴とする
    電子写真用液体現像剤。
  2. 【請求項2】 前記トナーの体積平均粒径が5μm以下
    である請求項1記載の電子写真用液体現像剤。
  3. 【請求項3】 電気的に絶縁性のキャリア液中にトナー
    を分散させた電子写真用液体現像剤の製造方法であっ
    て、 バインダー樹脂を主成分とするトナー材料を混練してト
    ナー混練物を作製する混練工程と、該トナー混練物を粗
    粉砕して所定粒径のトナー粗粒子を作製する粗粉砕工程
    と、該トナー粗粒子をキャリア液中で微粉砕してキャリ
    ア液中に所定粒径のトナー粒子が分散したトナー分散液
    を作製する微粉砕工程とを含み、 前記微粉砕工程を、前記バインダー樹脂のガラス転移温
    度より50℃以上低い温度下で行うことを特徴とする電
    子写真用液体現像剤の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記粗粉砕工程では体積平均粒径が10
    μm以上のトナー粗粒子を作製し、前記微粉砕工程では
    該トナー粗粒子を体積平均粒径が5μm以下になるまで
    微粉砕する請求項3記載の電子写真用液体現像剤の製造
    方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005196192A (ja) * 2003-12-30 2005-07-21 Samsung Electronics Co Ltd 湿式電子写真用トナー組成物とその製造方法,その製造方法により製造された湿式電子写真用トナー組成物及び電子写真画像を形成する方法
JP2010534738A (ja) * 2007-07-26 2010-11-11 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. インク組成物およびインク組成物を作製する方法
JP2012203257A (ja) * 2011-03-25 2012-10-22 Fuji Xerox Co Ltd 液体現像剤、液体現像剤の製造方法、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ
JP2014089319A (ja) * 2012-10-30 2014-05-15 Kao Corp 液体現像剤の製造方法

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