JP2012201727A - ポリアクリロニトリル共重合体、炭素繊維前駆体繊維および炭素繊維の製造方法 - Google Patents

ポリアクリロニトリル共重合体、炭素繊維前駆体繊維および炭素繊維の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生産性を損なうことなく、共有結合によるポリアクリロニトリル高次構造体の発生を抑制するポリアクリロニトリルの製造方法を提供すること。
【解決手段】アクリロニトリルを含む複数種のニトリル系化合物を重合原料とするポリアクリロニトリル共重合体の製造方法であって、アクリロニトリル以外の直鎖不飽和ニトリル系化合物濃度が、アクリロニトリル100質量部に対して0.05質量部以上であることを特徴とするポリアクリロニトリル共重合体の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、高品位な炭素繊維前駆体繊維と炭素繊維の製造に好適なポリアクリロニトリル共重合体の製造方法、およびその方法で得られたポリアクリロニトリル共重合体を用いた炭素繊維前駆体繊維ならびに炭素繊維の製造方法に関するものである。
炭素繊維は、他の繊維に比べて高い比強度および比弾性率を有する。このため、複合材料用補強繊維として、従来からのスポーツ用途や航空・宇宙用途に加え、自動車や土木・建築、圧力容器および風車ブレードなどの一般産業用途にも幅広く展開されつつあり、さらなる品質および品位安定化の要請が高い。
炭素繊維の中で、最も広く利用されているポリアクリロニトリル(以下、PANと略記することがある。)系炭素繊維は、その前駆体となるPAN共重合体を湿式紡糸、乾式紡糸または乾湿式紡糸して炭素繊維前駆体繊維を得た後、それを200〜400℃の温度の酸化性雰囲気下で加熱して耐炎化繊維へ転換し、少なくとも1000℃の温度の不活性雰囲気下で加熱して炭素化することによって工業的に製造されている。
PAN系炭素繊維の品位および品質向上は、炭素繊維前駆体繊維の紡糸、耐炎化あるいは炭素化のいずれの観点からも行われている。中でもポリアクリロニトリル共重合体の品位の向上は、特許文献1のように実施されてきたが、次に示す問題からその実現は非常に困難なものであった。
すなわち、従来技術によるポリアクリロニトリル共重合体の製造は、任意の重合率まで重合反応を実施したのち、紡糸工程へ供給している。この際、重合反応終了時から紡糸工程供給されるまでの間に一部のポリアクリロニトリル共重合体同士が共有結合により、高次構造化し品位低下を引き起こしていた。共有結合による高次構造化を防止するためには、ポリアクリロニトリル共重合体の温度または濃度を低下させることが考えられるが、温度を低下するとポリアクリロニトリル共重合体は凝集し高次構造化するため困難であり、また濃度を低下すると生産量が低下し、生産性を損なうため実施が困難であった。
特開平1−26615号公報
そこで、本発明は、生産性を損なうことなく、共有結合によるポリアクリロニトリル高次構造体の発生を抑制するポリアクリロニトリルの製造方法を提供することを課題とする。
かかる課題を解決するための本発明は、以下の構成を有する。すなわち、アクリロニトリルを含む複数種のニトリル系化合物を重合原料とするポリアクリロニトリル共重合体の製造方法であって、アクリロニトリル以外の直鎖不飽和ニトリル系化合物濃度がアクリロニトリル100質量部に対して0.05質量部以上であることを特徴とするポリアクリロニトリル共重合体の製造方法である。
本発明は、アクリロニトリル以外の直鎖不飽和ニトリル系化合物を、ポリアクリロニトリル共重合体の重合原料として適切量混合させることにより、共有結合によるポリアクリロニトリル高次構造体の発生を抑制でき、高品位な炭素繊維前駆体繊維ならびに炭素繊維を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[重合原料の組成]
本発明のポリアクリロニトリル(以降PANと記すこともある)共重合体の製造方法に用いる重合原料の混合物は、少なくともアクリロニトリルおよびアクリロニトリル以外の直鎖不飽和ニトリル化合物などの単量体を含んでなり、適宜、連鎖移動剤ならびに重合開始剤が混合されてなるものである。
本発明は、ポリアクリロニトリル共重合体の製造方法に用いる、重合原料の混合物を構成する単量体として、アクリロニトリル(以降ANと記すこともある)と、アクリロニトリル100質量部につき0.05質量部以上のアクリロニトリル以外の直鎖不飽和ニトリル化合物を含むことが必要である。アクリロニトリル100質量部に対して0.05質量部以上のアクリロニトリル以外の直鎖不飽和ニトリル化合物を含むことで、共有結合によるポリアクリロニトリルの高次構造化を抑制し、炭素繊維前駆体繊維の品位を向上することができる。得られる炭素繊維の強度の観点からは、AN100質量部に対して、アクリロニトリル以外の直鎖不飽和ニトリル化合物が0.05〜0.2質量部、ANおよび該直鎖不飽和ニトリル化合物と共重合可能な他の単量体が0〜3質量部含むものが好ましく用いられる。アクリロニトリル以外の直鎖不飽和ニトリル化合物としてはクロトノニトリルなどが用いられる。
ANおよびアクリロニトリル以外の直鎖不飽和ニトリル化合物と共重合可能な他の単量体としては、プリカーサから炭素繊維を製造する最初の工程である耐炎化工程での処理を促進する観点から、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸およびそれらアルカリ金属塩、アンモニウム塩および低級アルキルエステル類、アクリルアミドおよびその誘導体、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸およびそれらの塩類またはアルキルエステル類などを用いることができる。
本発明のポリアクリロニトリル共重合体の製造方法に用いられる重合原料の混合物に適宜含まれる重合開始剤は、ラジカル発生温度(本発明においては10時間半減期温度をラジカル発生温度と定義する)は安全面からの取り扱い性および工業的に効率よく重合を行うという観点から、30〜100℃の範囲の重合開始剤が好ましい。かかる重合開始剤としては、油溶性アゾ系化合物、水溶性アゾ系化合物および過酸化物などが好ましい。中でも、分解時に重合を阻害する酸素発生の懸念がないアゾ系化合物が好ましく用いられ、溶液重合で重合する場合には、溶解性の観点から油溶性アゾ化合物が好ましく用いられる。油溶性アゾ系化合物の具体例としては、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(ラジカル発生温度30℃)、2,2'−アゾビス(2,4'−ジメチルバレロニトリル)(ラジカル発生温度51℃)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル(ラジカル発生温度65℃)、および1,1’−アゾビス(シクロヘキサン―1―カルボニトリル)(ラジカル発生温度88℃)など、水溶性アゾ系化合物の具体例としては2,2'アゾビス(2,2’イミダゾリニル)プロパン、(ラジカル発生温度61℃)、過酸化物の具体例としてはジベンゾイルジオキシダン(ラジカル発生温度80℃)が挙げられる。また、かかる重合開始剤の含有量としては、重合原料の混合物を構成する単量体(AN、クリロニトリル以外の直鎖不飽和ニトリル化合物、それらと共重合可能な他の単量体など)の合計量100質量部に対し、0.1〜5質量部含まれることが好ましい。0.1質量部に満たない場合は、重合速度が低下し、生産性が低下する場合があり、5質量部を超える場合には重合反応初期に発生する反応熱が増大し、除熱に不具合が発生する場合がある。
本発明のポリアクリロニトリル共重合体の製造方法に用いられる重合原料の混合物に適宜含まれる連鎖移動剤は、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなどの連鎖移動作用を有する既知の化合物を用いることができる。また、かかる連鎖移動剤の含有量としては、前記重合原料の混合物を構成する単量体100質量部に対し、0.001〜0.1質量部含まれることが好ましい。0.1を超える場合には分子量が低下し、炭素繊維弾性率が低下する場合があるためである。
[重合原料の重合方法]
本発明のポリアクリロニトリル共重合体の製造方法において、塊状重合、溶液重合、鹸濁重合などの公知の重合方法から選択することができ、生産性、品質安定性の観点から溶液重合であることが好ましい。溶液重合で行う場合の溶液としては、ジメチルスルホキシド、ジメチルフォルムアムド、ジメチルアセトアミドなどのポリアクリロニトリルが可溶な有機溶媒を用いるのが一般的である。
[炭素繊維前駆体繊維の製造方法]
次に、本発明の製造方法で得られたPAN系重合体を用いた炭素繊維前駆体繊維の製造方法の好ましい一例について説明する。
本発明の製造方法で得られたPAN系共重合体溶液を紡糸し、凝固浴中に導入して凝固させ、凝固糸を形成した後、水洗工程、浴中延伸工程、油剤付与工程および乾燥工程を経て、炭素繊維前駆体繊維が得られる。また、上記の工程に乾熱延伸工程や蒸気延伸工程を加えてもよい。凝固後の糸条は、水洗工程を省略して直接浴中延伸を行っても良いし、溶媒を水洗工程により除去した後に浴中延伸を行っても良い。浴中延伸は、通常、30〜98℃の温度に温調された単一または複数の延伸浴中で行うことが好ましい。そのときの延伸倍率は、1〜5倍であることが好ましく、1〜3倍であることがより好ましい。
浴中延伸工程の後、単繊維同士の接着を防止する目的から、延伸された繊維糸条にシリコーン等からなる油剤を付与することが好ましい。シリコーン油剤は、耐熱性の高いアミノ変性シリコーン等の変性されたシリコーンを含有するものを用いることが好ましい。
乾燥工程としては、例えば、乾燥温度が70〜200℃で乾燥時間が10秒から200秒の乾燥条件が好ましい結果を与える。生産性の向上や結晶配向度の向上として、乾燥工程後に加熱熱媒中で延伸することが好ましい。加熱熱媒としては、例えば、加圧水蒸気あるいは過熱水蒸気が操業安定性やコストの面で好適に用いられ、延伸倍率は通常1.5〜10倍である。
[炭素繊維の製造方法]
次に、本発明の炭素繊維の製造方法の好ましい一例について説明する。
本発明では、前記のようにして得られた炭素繊維前駆体繊維を、200〜300℃の温度の空気中において耐炎化する耐炎化工程と、耐炎化工程で得られた繊維を、300〜800℃の温度の不活性雰囲気中において予備炭化する予備炭化工程と、予備炭化工程で得られた繊維を1,000〜3,000℃の温度の不活性雰囲気中において炭化する炭化工程を順次経て炭素繊維を得ることができる。
本発明により得られる炭素繊維は、プリプレグとしてオートクレーブ成形、織物などのプリフォームとしてレジントランスファーモールディングで成形するなど種々の成形法により、衝撃後圧縮強度など様々な機械特性に優れた炭素繊維強化複合材料を与えることから、航空機用構造材料、自動車用途、船舶用途、スポーツ用途およびその他一般産業用途に衝撃後圧縮強度に優れる炭素繊維強化複合材料として好適に用いることができる。
[未反応アクリロニトリル、およびその他の直鎖不飽和ニトリル化合物の回収方法]
ポリアクリロニトリル共重合体溶液に含まれる直鎖不飽和ニトリル化合物は、前記重合後にポリアクリロニトリル共重合体を減圧脱気することによりポリアクリロニトリル共重合体から分離することができる。さらに分離液を精製し、アクリロニトリル、クロトノニトリル、その他の直鎖不飽和ニトリルに分離することが好ましい。経済的観点から分離後の各単量体成分を重合原料の混合物として再利用することが好ましい。これら各単量体成分を再利用するに際し、新規に導入される各単量体成分と回収された各単量体成分の合計量が、前記した混合割合となる重合原料とすると良い。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。本実施例で用いた測定方法を次に説明する。
<高次構造化評価>
本発明の製造方法で得られたPAN系共重合体溶液を直径50mmの共重合体溶液流路配管への抜き出し操作を行った。その際の共重合体溶液の流速は100mm/秒であった。流路配管に円筒型のガラス製透光部を配管と同径となるように内蔵し、さらに透光部を挟んで、透光部に対して受光機と光源との角度が180°となるように、該受光機、光源を配置した。光源より波長500nmの光を照射し、受光機の撮影時間間隔を0.9(秒/回)として、共重合体溶液が通過してから5分間撮影を行ったし、撮影画像からPAN系共重合体中の高次構造体数を測定した。
<重量平均分子量;GPC法>
測定しようとする重合体をその濃度が0.1質量%となるように、ジメチルホルムアミド(0.01N−臭化リチウム添加)に溶解し、検体溶液を得た。得られた検体溶液について、GPC装置を用いて、次の条件で測定したGPC曲線から分子量の分布曲線を求め、重量平均分子量を算出した。
・カラム :極性有機溶媒系GPC用カラム
・流速 :0.5ml/min
・温度 :70℃
・試料濾過 :メンブレンフィルター(0.45μmカット)
・注入量 :200μl
・検出器 :示差屈折率検出器
分子量は、分子量が異なる分子量既知の単分散ポリスチレンを少なくとも6種類用いて、溶出時間−分子量の検量線を作成し、その検量線上において、該当する溶出時間に対応するポリスチレン換算の分子量を読み取ることにより求めた。
本実施例では、GPC装置として(株)島津製作所製CLASS−LC2010を、カラムとして東ソー(株)製TSK−GEL−α−M(×2)を、ジメチルホルムアミドおよび臭化リチウムとして和光純薬工業(株)製を、メンブレンフィルターとしてミリポアコーポレーション製0.45μ−FHLP FILTERを、示差屈折率検出器として(株)島津製作所製RID−10AVを、検量線作成用の単分散ポリスチレンとして、分子量184000、427000、791000、1300000、1810000および4240000のものを、それぞれ用いた。
<ポリアクリロニトリル共重合体溶液の粘度ηt>
共重合体溶液の粘度ηt(Pa・s)は、B型粘度計により測定した。具体的には、サンプリングを実施した共重合体溶液をビーカーに入れ、測定温度t(K)に温度調節された温水浴に浸して調温した後、B型粘度計として(株)東京計器製B8L型粘度計を用い、ローターNo.4を使用し、共重合体溶液の粘度が0〜100Pa・sの範囲はローター回転数6r.p.m.で測定し、またその共重合体溶液の粘度が100〜1000Pa・sの範囲はローター回転数0.6r.p.m.で測定した。
<前駆体繊維の品位等級の基準>
検査項目は、12000フィラメントの繊維束を1m/分の速度で走行させながら1cm以上の毛玉・毛羽の個数を目視で数え、五段階評価した。評価基準は、下記のとおりである。
・等級1:繊維300m中、1個以内
・等級2:繊維300m中、2〜5個
・等級3:繊維300m中、6〜10個
・等級4:繊維300m中、11〜15個
・等級5:繊維300m中、16個以上。
<炭素繊維束の引張強度および引張弾性率>
引張強度、引張弾性率は次のようにして測定されるものである。すなわち、ERL4221(ダウケミカル日本(株)製)/三フッ化ホウ素モノエチルアミン(BF3・MEA)/アセトン=100/3/4部からなる樹脂を炭素繊維に含浸し、得られた樹脂含浸ストランドを130℃で30分間加熱して硬化させた後、JIS R 7608:2007に規定する樹脂含浸ストランド試験法に従って測定した。
(実施例1〜3)
表1の実施例1〜3に示した組成からなる単量体成分を、ジメチルスルホキシドを溶媒とする溶液重合法により、アゾビスイソブチロニトリルを開始剤としてラジカル重合した。ポリアクリロニトリル共重合体溶液を表1に示すように調製した。得られた共重合体の重量平均分子量、共重合体溶液の粘度は表1に示すとおりとなった。得られたポリアクリロニトリル共重合体溶液に、アンモニアガスをpHが8.5になるまで吹き込むことによりイタコン酸を中和し、紡糸溶液を作製した。上記の紡糸溶液中の高次構造体数は表1に示すとおりであった。この紡糸溶液を用いて紡糸・焼成・評価を行った。
まず、紡糸溶液を、乾湿式紡糸法により紡糸し凝固・水洗・浴延伸した後、アミノ変性シリコーン系シリコーン油剤を付与し、165℃の温度に加熱したローラーを用いて乾燥し、加圧水蒸気延伸を行い、単繊維繊度0.8dtex、フィラメント数12000の炭素繊維前駆体繊維を得た。
得られた炭素繊維前駆体繊維を、240〜260℃の温度の温度分布を有する空気中において延伸比1.0で延伸しながらで90分間耐炎化処理し、耐炎化繊維を得た。続いて、得られた耐炎化繊維を300〜700℃の温度の温度分布を有する窒素雰囲気中において、延伸比1.0で延伸しながら予備炭化処理を行い、さらに最高温度1500℃の窒素雰囲気中において、炭化処理を行い、連続した炭素繊維を得た。焼成工程の工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維の品位は良好であった。得られた炭素繊維束の強度、弾性率を測定したところ、表1に示すとおりであった。
(実施例4)
表1の実施例4−1に示した組成からなる共重合成分を、実施例1と同様の方法にて重合した。得られた重合体溶液を80℃まで加熱し、圧力を1.0kPaとなるまで減圧脱気し、未反応アクリロニトリルとアクリロニトリル以外の直鎖不飽和ニトリル化合物を共重合体溶液から分離、回収した。分離後の共重合体を実施例1と同様の方法にて紡糸・焼成した。焼成工程の工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維の品位は良好であった。得られた炭素繊維束の強度、弾性率を測定したところ、表1の実施例4−1に示すとおりであった。
回収したアクリロニトリル/直鎖不飽和ニトリル溶液は蒸留により各成分に精製した。精製した各単量体成分を表1の実施例4−2に示した組成へ調整し、実施例1と同様の方法にて重合した。得られた共重合体の重量平均分子量、共重合体溶液の粘度は表1に示すとおりとなった。得られたポリアクリロニトリル共重合体溶液に、アンモニアガスをpHが8.5になるまで吹き込むことによりイタコン酸を中和し、紡糸溶液を作製した。上記の紡糸溶液中の高次構造体数は表1に示すとおりであった。続いて実施例1と同様の方法にて紡糸・焼成を行った。焼成工程の工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維の品位は良好であった。得られた炭素繊維束のストランド物性を測定したところ、表1の実施例4−2に示すとおりであった。
(実施例5)
表1の実施例5に示した組成からなる共重合成分を、実施例1と同様の方法にて重合した。得られた共重合体の重量平均分子量、共重合体溶液の粘度は表1の実施例5に示すとおりとなった。得られたポリアクリロニトリル共重合体溶液に、アンモニアガスをpHが8.5になるまで吹き込むことによりイタコン酸を中和し、紡糸溶液を作製した。上記の紡糸溶液中の高次構造体数は表1に示すとおりであった。続いて実施例1と同様の方法にて紡糸・焼成を行った。得られた炭素繊維束の強度、弾性率を測定したところ、表1に示すとおりであった。
(比較例1)
表1の比較例1に示した組成からなる共重合成分を、実施例1と同様の方法にて重合した。得られた共重合体の重量平均分子量、共重合体溶液の粘度は表1の比較例1に示すとおりとなった。得られたポリアクリロニトリル共重合体溶液に、アンモニアガスをpHが8.5になるまで吹き込むことによりイタコン酸を中和し、紡糸溶液を作製した。上記の紡糸溶液中の高次構造体数は表1に示すとおりであった。続いて実施例1と同様の方法にて紡糸・焼成を行った。得られた炭素繊維束の強度、弾性率を測定したところ、表1に示すとおりであった。
Figure 2012201727
実施例1〜5の結果から明らかなように、本発明のポリアクリロニトリル共重合体の製造方法は共重合体中の高次構造体数が少ないため、得られたポリアクリロニトリルの品質が安定化し、紡糸工程での糸切れ回数が減少した。比較例1の製造方法に比べて、品位の面においても優れていた。

Claims (5)

  1. アクリロニトリルを含む複数種のニトリル系化合物を重合原料とするポリアクリロニトリル共重合体の製造方法であって、アクリロニトリル以外の直鎖不飽和ニトリル系化合物が、アクリロニトリル100質量部に対して0.05質量部以上含まれていることを特徴とするポリアクリロニトリル共重合体の製造方法。
  2. アクリロニトリル以外の直鎖不飽和ニトリル系化合物が、アクリロニトリル100質量部に対して0.2質量部以下含まれている、請求項1のポリアクリロニトリル共重合体の製造方法。
  3. アクリロニトリルおよびアクリロニトリル以外の直鎖不飽和ニトリル系化合物を精製し、前記重合原料として再利用する、請求項1または2記載のアクリロニトリル共重合体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリアクリロニトリル共重合体を紡糸する工程を有する、炭素繊維前駆体繊維の製造方法。
  5. 請求項4に記載の方法により得られた炭素繊維前駆体繊維を、1,000〜3,000℃の温度の不活性雰囲気中において炭化処理する工程を有する炭素繊維の製造方法。
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