JP2012201702A - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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JP2012201702A JP2011064578A JP2011064578A JP2012201702A JP 2012201702 A JP2012201702 A JP 2012201702A JP 2011064578 A JP2011064578 A JP 2011064578A JP 2011064578 A JP2011064578 A JP 2011064578A JP 2012201702 A JP2012201702 A JP 2012201702A
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Yumi Suzuki
祐美 鈴木
Koji Fujisawa
浩二 藤澤
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Abstract

【課題】グリップ性能と耐摩耗性能を両立できるとともに、初期グリップ性能の悪化も抑制できるタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】酸及び窒素化合物、並びに/又は、有機カルボン酸金属塩、チオカルボン酸塩及びリン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、クマロンインデン樹脂と、ロジン系樹脂とを含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
レース用タイヤをはじめとした競技用タイヤのトレッドゴムには、一般にグリップ性能及び耐摩耗性能が共に優れたゴム組成物が要求される。
従来からグリップ性能を向上させる手法として、プロセスオイルに代えて高軟化点の樹脂を配合する方法が知られているが、配合量の増加に伴って破壊強度が低下し、耐摩耗性能が悪化してしまう。また、温度依存性も大きくなるので、低温時のグリップ性能、すなわち走行初期のグリップ性能が低下するという問題もある。
特許文献1〜2には、窒素化合物と酸を配合して水素結合を形成させることやイオン結合を有する化合物を配合することでグリップ性能を向上したゴム組成物が開示されている。しかし、グリップ性能の温度依存性について未だ改善の余地があるとともに、耐摩耗性の改善も望まれている。
特開2005−112921号公報 特開2006−124423号公報
本発明は、前記課題を解決し、グリップ性能と耐摩耗性能を両立できるとともに、初期グリップ性能の悪化も抑制できるタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、酸及び窒素化合物、並びに/又は、有機カルボン酸金属塩、チオカルボン酸塩及びリン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、クマロンインデン樹脂と、ロジン系樹脂とを含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
上記ロジン系樹脂の軟化点が−20〜20℃であることが好ましい。上記ロジン系樹脂の酸価が10〜200mgKOH/g、水酸基価が50〜150mgKOH/gであることが好ましい。また、上記ロジン系樹脂が、ロジンエステル樹脂であることが好ましい。
上記窒素化合物がピペリジン誘導体、イミダゾール類及びカプロラクタム類からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
ゴム成分100質量部に対して、上記クマロンインデン樹脂の含有量が2〜50質量部であり、上記ロジン系樹脂の含有量が2〜50質量部であることが好ましい。
上記ゴム組成物は、トレッド用ゴム組成物として用いられることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。ここで、上記空気入りタイヤは、競技用タイヤであることが好ましい。
本発明によれば、酸及び窒素化合物、並びに/又は、有機カルボン酸金属塩、チオカルボン酸塩及びリン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、クマロンインデン樹脂と、ロジン系樹脂とを含むタイヤ用ゴム組成物であるので、グリップ性能及び耐摩耗性能を両立できる。また、初期グリップ性能の悪化も抑制できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、(i)酸及び窒素化合物、並びに/又は、有機カルボン酸金属塩、チオカルボン酸塩及びリン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、(ii)クマロンインデン樹脂と、(iii)ロジン系樹脂とを含む。
グリップ性能の向上のためにオイルに代えてクマロンインデン樹脂を多量に配合すると、破壊強度が低下し、耐摩耗性能が悪化する傾向がある。これに対し、本発明では、上記成分(i)に加えて、更にクマロンインデン樹脂及びロジン系樹脂の両成分を配合しているため、破壊強度が改善され、グリップ性能及び耐摩耗性能を両立できる。
また、クマロンインデン樹脂を配合すると初期グリップ性能が低下するが、本発明では更にロジン系樹脂を配合していることで、低温時のグリップ性能の悪化が抑制されるため、初期グリップ性能を維持しながら、優れた後半グリップ性能が得られる。
本発明で使用できるゴム成分としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム(SIBR)などのジエン系ゴムなどが挙げられる。なかでも、高いtanδが得られるという理由から、SBRが好ましい。
SBRとしては、特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)などを使用できる。なかでも、ブローアウトが起こりにくいという理由から、S−SBRが好ましい。
SBRのスチレン含有量は、好ましくは25質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。25質量%未満であると、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。また、上記スチレン含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下である。50質量%を超えると、発熱しやすくなり、ブローアウトが起こりやすい傾向がある。
なお、スチレン含有量は、H−NMR測定によって算出される。
ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、グリップ性能に優れるという理由から、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは100質量%である。
本発明のゴム組成物はカーボンブラックを含むことが好ましい。これにより、良好な補強性が得られ、優れたグリップ性能、耐摩耗性能、破壊強度が発揮される。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は80m/g以上が好ましく、120m/g以上がより好ましい。80m/g未満では、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。該NSAは200m/g以下が好ましく、160m/g以下がより好ましい。200m/gを超えると、カーボンブラックの分散性が悪化し、充分な耐摩耗性能が得られないおそれがある。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは50質量部以上、より好ましくは60質量部以上である。50質量部未満では、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは190質量部以下である。200質量部を超えると、分散性が低く、耐摩耗性能が低下するおそれがある。
本発明では、(i−1)酸及び窒素化合物、並びに/又は、(i−2)有機カルボン酸金属塩、チオカルボン酸塩及びリン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物が使用される。
酸としては、特に限定されず、例えば、カルボン酸、フェノール誘導体、スルホン酸などが挙げられる。なかでも、加硫特性に悪影響を与えにくいという理由から、カルボン酸、フェノール誘導体が好ましい。
カルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、オレイン酸などの脂肪族モノカルボン酸、コハク酸、マレイン酸などの脂肪族ジカルボン酸、安息香酸、安息香酸誘導体、ケイ皮酸、ナフトエ酸などの芳香族モノカルボン酸、フタル酸、無水フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの芳香族ポリカルボン酸などが挙げられる。安息香酸誘導体としては、例えば、安息香酸に炭化水素基(アルキル基、アルコキシ基など)、水酸基などの官能基が導入されたものが挙げられ、具体的には、p−メチル安息香酸、p−メトキシ安息香酸、p−クロロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、サリチル酸などが挙げられる。
フェノール誘導体としては、例えば、2−tert−ブチルフェノール;2−エチル−6−メチルフェノール;2,6−ジ−tert−ブチルフェノール;3−メチル−2,6−ビス(1−メチルエチル)フェノール;4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール;3−メチル−2,6−ビス(1−メチルプロピル)フェノール;2−ブチル−6−エチルフェノール;4−ブチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール;4−tert−ブチル−2,6−ジメチルフェノール;6−tert−ブチル−2,3−ジメチルフェノール;2−tert−ブチル−4−メチルフェノール;2−シクロヘキシル−6−tert−ブチルフェノール;2−シクロヘキシル−6−tert−ブチル−4−メチルフェノール;2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール;4,4'−ジヒドロキシビフェニル;4,4'−チオビスフェノール;ヒドロキノン;1,5−ヒドロキシナフタレン;4,4'−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール);4,4'−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール);4,4'−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール);4,4'−エチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール);4,4'−プロピリデンビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール);4,4'−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール);4,4'−ビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール);2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール);2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール);4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール);4,4'−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール);2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール);2,2'−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール);2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)などを挙げることができる。なかでも、窒素化合物と水素結合を形成しやすいという理由から、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)が好ましい。
上記酸は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは2質量部以上である。0.5質量部未満であると、窒素化合物と水素結合を充分に形成できず、グリップ性能の向上効果が充分に得られないおそれがある。酸の含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。20質量部を超えると、架橋阻害により耐摩耗性能が悪化するおそれがある。
窒素化合物は、酸と水素結合を形成できるものが好ましく、このような窒素化合物をゴム組成物中に配合することで、中温条件(30〜50℃)下でのグリップ性能を向上させることができる。
窒素化合物は、窒素を含む環状構造を1つ以上有することが好ましい。窒素を含む環状構造を1つも含まないと、高温条件(100℃前後)下でのグリップ性能を改善できない傾向がある。
このような窒素化合物としては、ピペリジン誘導体、イミダゾール類、及びカプロラクタム類からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。なかでも、ピペリジン誘導体がより好ましい。
ピペリジン誘導体としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]デカン−2,4−ジオン、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、1,2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−メタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−メタクリレートなどの2,2,6,6−テトラメチルピペリジン及びその誘導体などが挙げられる。なかでも、2,2,6,6−テトラメチルピペリジンまたはその誘導体が好ましく、2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの誘導体がより好ましく、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートが更に好ましい。
イミダゾール類としては、例えば、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、N−アセチルイミダゾール、2−メルカプト−1−メチルイミダゾール、ベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾールなどが挙げられる。
カプロラクタム類としては、例えば、ε−カプロラクタムなどが挙げられる。
窒素化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、2種以上を組み合わせても効果が小さく、さらにゴム強度が低下するという理由から、1種のみで用いることが好ましい。
窒素化合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。0.5質量部未満であると、酸と充分な水素結合が形成されず、グリップ性能の向上効果が充分に得られないおそれがある。窒素化合物の含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。20質量部を超えると、架橋が不充分となり、耐摩耗性能が低下するおそれがある。
本発明では、(i−1)の酸と窒素化合物の混合物に代えて、又は、該混合物と共に(i−2)有機カルボン酸金属塩、チオカルボン酸塩及びリン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物が使用される。(i−2)の化合物は、イオン結合を含み、ゴム組成物中に配合することで、グリップ性能(特に、高温条件(100℃前後)下でのグリップ性能)を向上させることができる。
有機カルボン酸金属塩としては、脂肪酸金属塩などが挙げられ、塩を形成する金属としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、亜鉛、ニッケルなどの遷移金属などが挙げられる。具体的には、酢酸マグネシウム、プロピオン酸カルシウム、酢酸カルシウム、プロピオン酸マグネシウムなどがあり、一般的に市販され、入手しやすいことから、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、プロピオン酸カルシウムが好ましい。
チオカルボン酸塩としては、例えば、チオ酢酸塩、チオプロピオン酸塩などが挙げられる。リン酸塩としては、例えば、メタリン酸塩などが挙げられる。チオカルボン酸塩、リン酸塩において、チオカルボン酸又はリン酸と塩を形成する物質としては、例えば、脂肪酸金属塩と同様の金属、アミノ酸などの正電荷を有する有機物などが挙げられる。
有機カルボン酸金属塩、チオカルボン酸塩及びリン酸塩としては、上記化合物を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、2種以上を組み合わせることによる効果が得られにくく、さらに、ゴム強度が低下し、好ましくないため、単独で用いることが好ましい。
有機カルボン酸金属塩、チオカルボン酸塩及びリン酸塩の合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。0.5質量部未満では、グリップ性能の向上効果が充分に得られないおそれがある。また、上記合計含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。20質量部を超えると、架橋が不充分となり、耐摩耗性能が低下するおそれがある。
上記クマロンインデン樹脂は、樹脂の骨格(主鎖)を構成するモノマー成分として、クマロン及びインデンを含む樹脂であり、クマロン、インデン以外に骨格に含まれるモノマー成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルインデン、ビニルトルエンなどが挙げられる。
上記クマロンインデン樹脂の軟化点は、好ましくは70℃以上、より好ましくは90℃以上である。70℃未満であると、高温グリップ性能が低下するおそれがある。また、該軟化点は、好ましくは170℃以下、より好ましくは160℃以下である。170℃を超えると、初期グリップ性能が悪化する傾向がある。
なお、クマロンインデン樹脂の軟化点は、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
クマロンインデン樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは5質量部以上である。2質量部未満では、充分な高温グリップ性能が得られないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは45質量部以下である。50質量部を超えると、耐摩耗性能、初期グリップ性能が悪化する傾向がある。
ロジン系樹脂としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジンなどの原料ロジン;原料ロジンの不均化物;原料ロジンを水素添加処理した安定化ロジン;重合ロジンなどのロジン類や、ロジン類のエステル化物(ロジンエステル樹脂)、フェノール変性ロジン類、不飽和酸(マレイン酸など)変性ロジン類、ロジン類を還元処理したホルミル化ロジン類などの各種公知のものを使用できる。なかでも、良好な耐摩耗性能、破壊強度が得られるという点から、ロジンエステル樹脂が好ましい。なお、ロジンエステル樹脂は、上記ロジン類とポリオール(グリセリン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコール)のエステル化反応により生成される。また、エステル化反応は、公知の方法、例えば、不活性ガスの雰囲気下で、ロジン類とポリオールを200〜300℃に加熱し、生成した水を系外に除去することにより行うことができる。
ロジン系樹脂の軟化点は、好ましくは−20℃以上、より好ましくは0℃以上である。−20℃未満であると、ロジン系樹脂の粘度が低くなり過ぎて、ゴム成分との混練性が悪化し、破壊強度が悪化する傾向がある。該軟化点は、好ましくは20℃以下、より好ましくは17℃以下である。20℃を越えると、ゴムが固くなり、低温特性(初期グリップ性能)が悪化する傾向がある。
なお、ロジン系樹脂の軟化点は、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
ロジン系樹脂の酸価(mgKOH/g)は、好ましくは10以上、より好ましくは30以上であり、好ましくは200以下、より好ましくは100以下、更に好ましくは50以下である。酸価が上記範囲内であると、良好なグリップ性能が得られる。
本発明において、酸価とは、樹脂1g中に含まれる酸を中和するのに要する水酸化カリウムの量をミリグラム数で表したものであり、電位差滴定法(JIS K 0070:1992)により測定した値である。
ロジン系樹脂の水酸基価(mgKOH/g)は、好ましくは50以上、より好ましくは80以上であり、好ましくは150以下、より好ましくは100以下である。水酸基価が上記範囲内であると、良好な破壊特性、耐摩耗性が得られる。
本発明において、水酸基価とは、樹脂1gをアセチル化するとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムの量をミリグラム数で表したものであり、電位差滴定法(JIS K 0070:1992)により測定した値である。
ロジン系樹脂のヨウ素価(gI/100g)は、好ましくは100以上、より好ましくは110以上であり、好ましくは180以下、より好ましくは140以下である。ヨウ素価が上記範囲内であると、破壊強度をより改善できる。
本発明において、ヨウ素価とは、樹脂100gにハロゲンを反応させたとき、結合するハロゲンの量をヨウ素のグラム数に換算したものであり、電位差滴定法(JIS K 0070:1992)により測定した値である。
ロジン系樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは8質量部以上である。2質量部未満では、グリップ性能を充分に改善できないおそれがある。該含有量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは35質量部以下である。50質量部を超えると、高温グリップ性能が悪化するおそれがある。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、各種老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、オイル、加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合できる。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物を用いることができる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油などが挙げられる。なかでも、アロマ系プロセスオイルが好適に用いられる。
上記ゴム組成物がオイルを含有する場合、オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上である。10質量部未満では、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。また、オイルの含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは130質量部以下である。150質量部を超えると、耐摩耗性能が悪化するおそれがある。
上記ゴム組成物において、上記クマロンインデン樹脂、ロジン系樹脂及びオイルの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは15質量部以上、より好ましくは20質量部以上である。15質量部未満では、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。該含有量は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは180質量部以下である。200質量部を超えると、充分な耐摩耗性能が得られないおそれがある。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法などにより製造できる。
本発明のゴム組成物は、タイヤの各部材(特に、トレッド)に好適に使用できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどの形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
本発明の空気入りタイヤは、競技用タイヤ(カート用タイヤなど)などとして好適に用いられ、特に競技用タイヤとして好適に用いられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR:旭化成(株)製のタフデン4850(S−SBR、スチレン含有量:39質量%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分50質量部含有)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックA(N110、NSA:142m/g)
老化防止剤6C:フレキシス社製サントフレックス13
老化防止剤224:フレキシス社製ノクラック224
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
酸化亜鉛:ハクスイテック(株)製の酸化亜鉛3種(平均一次粒子径1.0μm)
クマロンインデン樹脂(1):ルトガーケミカル社製のNOVARES C100(クマロンインデン樹脂、軟化点:100℃)
クマロンインデン樹脂(2):ルトガーケミカル社製のNOVARES C150(クマロンインデン樹脂、軟化点:150℃)
ロジン系樹脂(1):荒川化学工業(株)製のKE−364c(ロジンエステル樹脂、酸価:35mgKOH/g、水酸基価:97mgKOH/g、ヨウ素価:120gI/100g、軟化点:5〜15℃)
ロジン系樹脂(2):荒川化学工業(株)製のKR−85(カルボキシル基を有するロジン系樹脂、酸価:170mgKOH/g、軟化点:80〜87℃)
アロマオイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−260
窒素化合物:三共(株)製のサノールLS−765(ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(下記式で表される化合物))
Figure 2012201702
酸(フェノール誘導体):川口化学(株)製のアンテージW300(4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール))
酢酸マグネシウム(有機カルボン酸金属塩):キシダ化学(株)製
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)
<実施例及び比較例>
表1に示す配合内容に従い、BP型バンバリーミキサーを用いて、配合材料のうち、硫黄、加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄、加硫促進剤を添加し、2軸オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を150℃で30分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
また、得られた未加硫ゴム組成物をトレッド形状に成形し、他のタイヤ部材と貼り合わせてタイヤに成形し、170℃で15分間プレス加硫することで試験用カートタイヤ(タイヤサイズ:11×7.10−5)を製造した。
得られた加硫ゴム組成物、試験用カートタイヤを使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表1に示す。
(架橋度(SWELL))
得られた加硫ゴム組成物をトルエンで抽出し、抽出前後の体積変化率(SWELL)を測定した。なお、SWELLが小さいほど、架橋のばらつきを抑制でき、好ましいことを示す。
(粘弾性試験)
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータを用いて、初期歪10%、動歪2%、振動周波数10Hzの条件下で、40℃又は100℃における加硫ゴム組成物の粘弾性(複素弾性率E’及び損失正接tanδ)を測定した。
なお、40℃のtanδが高いほど、初期グリップ性能(低温条件下でのグリップ性能)に優れる。また、100℃のtanδが高いほど、後半グリップ性能(高温条件下でのグリップ性能)に優れる。
(引張試験)
得られた加硫物を用いて、3号ダンベル型ゴム試験片を作製し、JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて引張試験を行い、破断強度(TB)及び破断時伸び(EB)を測定し、その積(TB×EB)を算出した。そして、下記計算式により、各配合(加硫物)の破壊特性(TB×EB)を指数表示した。指数が大きいほど破壊特性に優れることを示す。
(破壊特性指数)=(各配合のTB×EB)/(比較例1のTB×EB)×100
(実車評価)
試験用カートに試験用カートタイヤを装着させ、1周2kmのテストコース(DRY路面)を8周走行し、比較例1のタイヤの初期グリップ性能、後半グリップ性能を3.0点とし、5点満点でテストドライバーが官能評価した。なお、初期グリップ性能は1〜4周目の(低温条件下での)グリップ性能、後半グリップ性能は5〜8周目の(高温条件下での)グリップ性能を示す。
また、上記テストコースを18周走行した後、タイヤの摩耗外観を観察した。比較例1のタイヤの摩耗外観を3.0点とし、5点満点で評価した。数値が大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。
Figure 2012201702
実施例では、初期グリップ性能を維持しながら良好な後半グリップ性能が得られるとともに、耐摩耗性能にも優れていた。例えば、アロマオイルをクマロンインデン樹脂に置換した比較例2に比べて、クマロンインデン樹脂及びロジン系樹脂に置換した実施例1では、初期グリップ性能を維持しながら耐摩耗性能の改善効果がみられた。

Claims (9)

  1. 酸及び窒素化合物、並びに/又は、有機カルボン酸金属塩、チオカルボン酸塩及びリン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と、
    クマロンインデン樹脂と、
    ロジン系樹脂と
    を含むタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記ロジン系樹脂の軟化点が−20〜20℃である請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記ロジン系樹脂の酸価が10〜200mgKOH/g、水酸基価が50〜150mgKOH/gである請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記ロジン系樹脂が、ロジンエステル樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 前記窒素化合物がピペリジン誘導体、イミダゾール類及びカプロラクタム類からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. ゴム成分100質量部に対して、前記クマロンインデン樹脂の含有量が2〜50質量部であり、前記ロジン系樹脂の含有量が2〜50質量部である請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. トレッド用ゴム組成物として用いられる請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
  9. 競技用タイヤである請求項8に記載の空気入りタイヤ。
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