JP2012140507A - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】低燃費性、破壊エネルギー及び操縦安定性をバランス良く改善できるタイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】天然ゴム、酸化亜鉛及びロジンエステル樹脂を含み、ゴム成分100質量部に対する上記酸化亜鉛の含有量が5質量部以上であるタイヤ用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし
【解決手段】天然ゴム、酸化亜鉛及びロジンエステル樹脂を含み、ゴム成分100質量部に対する上記酸化亜鉛の含有量が5質量部以上であるタイヤ用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし
Description
本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
従来より、タイヤの転がり抵抗を低減させることにより車の低燃費化が行なわれており、タイヤ部材の中でもタイヤにおける占有比率の高いトレッドでの低燃費化技術の開発が主に進められてきた。しかし、近年、車の低燃費化への要求がますます強まり、ブレーカーなどのトレッド以外の部材に対する低燃費化の要求も高まっている。
ゴム組成物の低燃費性を改善する方法として、補強用充填剤を減量する方法が知られている。しかし、この方法を用いると、破壊エネルギーが低下し、BEL(Breaker Edge Looseness)と呼ばれるブレーカー部分での損傷が発生し易くなるおそれがあり、また、BELの発生箇所が大きくなることにより、トレッドとブレーカーとが剥離してタイヤが膨れてしまうTLC(Tread Loose Case)と呼ばれる現象が生じるおそれがある。更に、補強用充填剤を減量すると、硬度が低下して操縦安定性が悪化するおそれもある。一方、補強用充填剤を増量すると、破壊エネルギーは改善するものの、低燃費性が悪化したり、硬度が高くなり過ぎて操縦安定性が悪化する傾向がある。従って、低燃費性、破壊エネルギー及び操縦安定性をバランス良く改善する方法が望まれている。
特許文献1には、軟化点が125℃以上、酸価が20以下であるロジンエステル樹脂をゴム組成物に配合することによりグリップ性能を向上できることが開示されている。しかし、低燃費性、破壊エネルギー及び操縦安定性をバランス良く改善する点については未だ改善の余地がある。
本発明は、前記課題を解決し、低燃費性、破壊エネルギー及び操縦安定性をバランス良く改善できるタイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、天然ゴム、酸化亜鉛及びロジンエステル樹脂を含み、ゴム成分100質量部に対する上記酸化亜鉛の含有量が5質量部以上であるタイヤ用ゴム組成物に関する。
上記ロジンエステル樹脂のヨウ素価は100gI2/100g以上であることが好ましい。
ゴム成分100質量%中の上記天然ゴムの含有量が60質量%以上であり、ゴム成分100質量部に対する上記ロジンエステル樹脂の含有量が1〜20質量部であることが好ましい。
上記ゴム組成物はブレーカートッピング用ゴム組成物として用いられることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、天然ゴムと、所定量の酸化亜鉛と、ロジンエステル樹脂とを含むタイヤ用ゴム組成物であるので、該ゴム組成物をタイヤの各部材(特に、ブレーカーコードのトッピング)に使用することにより、低燃費性、破壊エネルギー及び操縦安定性がバランス良く改善された空気入りタイヤを提供できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、天然ゴム(NR)と、所定量の酸化亜鉛(亜鉛華)と、ロジンエステル樹脂とを含む。これらを併用することにより、低燃費性、破壊エネルギー及び操縦安定性をバランス良く改善することができ、特に破壊エネルギーを大幅に改善することができる。これにより、優れた低燃費性及び操縦安定性を有しつつ、BELやTLC等の発生を抑制できる。
NRとしては特に限定されず、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(HPNR)等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは95質量%以上である。60質量%未満であると、低燃費性、破壊エネルギー及び操縦安定性をバランス良く改善できないおそれがある。NRの含有量の上限は特に限定されず、100質量%であってもよい。
本発明のゴム組成物は、NR以外のゴム成分を使用してもよく、該ゴム成分としては、例えば、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。
本発明において、ロジンエステル樹脂としては、ロジン類のエステル化物を使用することができ、該ロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等の原料ロジン;原料ロジンの不均化物;原料ロジンを水素添加処理した安定化ロジン;重合ロジン等が挙げられる。ロジン類の主成分は、アビエチン酸、パラストリン酸、ネオアビエチン酸、ピマール酸、イソピマール酸、デヒドロアビエチン酸等の樹脂酸である。
ロジンエステル樹脂は、上記ロジン類とポリオール(グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール)のエステル化反応により生成される。エステル化反応は、公知の方法、例えば、不活性ガスの雰囲気下で、ロジン類とポリオールを200〜300℃に加熱し、生成した水を系外に除去することにより行うことができる。
極性が高い(SP値が高い)ロジンエステル樹脂を用いることで、破壊エネルギーの改善効果を高めることができる。ロジンエステル樹脂の極性は樹脂中の2重結合の量に比例しており、2重結合の量はヨウ素価で表される。良好な破壊エネルギーが得られるという点から、ロジンエステル樹脂のヨウ素価(gI2/100g)は、好ましくは100以上、より好ましくは110以上である。また、合成の困難性の点から、ロジンエステル樹脂のヨウ素価は、好ましくは200以下、より好ましくは180以下、更に好ましくは160以下である。
本発明において、ヨウ素価とは、樹脂100gにハロゲンを反応させたとき、結合するハロゲンの量をヨウ素のグラム数に換算したものであり、電位差滴定法(JIS K 0070:1992)により測定した値である。
本発明において、ヨウ素価とは、樹脂100gにハロゲンを反応させたとき、結合するハロゲンの量をヨウ素のグラム数に換算したものであり、電位差滴定法(JIS K 0070:1992)により測定した値である。
ロジンエステル樹脂の酸価(mgKOH/g)は、好ましくは10以上、より好ましくは30以上であり、好ましくは100以下、より好ましくは50以下である。酸価が上記範囲内であると、低燃費性をより向上できる。
本発明において、酸価とは、樹脂1g中に含まれる酸を中和するのに要する水酸化カリウムの量をミリグラム数で表したものであり、電位差滴定法(JIS K 0070:1992)により測定した値である。
本発明において、酸価とは、樹脂1g中に含まれる酸を中和するのに要する水酸化カリウムの量をミリグラム数で表したものであり、電位差滴定法(JIS K 0070:1992)により測定した値である。
ロジンエステル樹脂の水酸基価(mgKOH/g)は、好ましくは50以上、より好ましくは80以上であり、好ましくは150以下、より好ましくは100以下である。水酸基価が上記範囲内であると、低燃費性をより向上できる。
本発明において、水酸基価とは、樹脂1gをアセチル化するとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムの量をミリグラム数で表したものであり、電位差滴定法(JIS K 0070:1992)により測定した値である。
本発明において、水酸基価とは、樹脂1gをアセチル化するとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムの量をミリグラム数で表したものであり、電位差滴定法(JIS K 0070:1992)により測定した値である。
ロジンエステル樹脂の軟化点は、好ましくは−20℃以上、より好ましくは0℃以上である。−20℃未満であると、ゴム組成物中でのロジンエステル樹脂の分散性が低下し、破壊エネルギーが低下する傾向がある。ロジンエステル樹脂の軟化点は、好ましくは20℃以下、より好ましくは17℃以下である。20℃を越えると、低燃費性を充分に改善できないおそれがある。
なお、ロジンエステル樹脂の軟化点とは、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
なお、ロジンエステル樹脂の軟化点とは、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
ロジンエステル樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは13質量部以上である。1質量部未満では、破壊エネルギーを充分に改善できないおそれがある。ロジンエステル樹脂の含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは17質量部以下、更に好ましくは15質量部以下である。20質量部を超えると、硬度が低くなり過ぎて、操縦安定性が悪化する傾向がある。
酸化亜鉛としては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用でき、例えば、三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛1号、2号等が挙げられる。酸化亜鉛は、加硫促進助剤として作用する。
酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、5質量部以上、好ましくは5.5質量部以上である。5質量部未満では、ブレーカーコードとの接着性を充分に確保できないおそれがある。酸化亜鉛の含有量は、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは8質量部以下である。15質量部を超えると、酸化亜鉛が分散しにくくなり、破壊エネルギーが低下するおそれがある。
本発明では、カーボンブラックを使用することが好ましい。これにより、良好な補強性が得られ、破壊エネルギー及び操縦安定性をより改善できる。カーボンブラックとしては、例えば、GPF、HAF、ISAF、SAFなど、タイヤ工業において一般的なものを用いることができる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、好ましくは30m2/g以上、より好ましくは70m2/g以上、更に好ましくは100m2/g以上である。30m2/g未満では、補強性が低く、破壊エネルギーや操縦安定性を充分に改善できないおそれがある。また、カーボンブラックのN2SAは、好ましくは250m2/g以下、より好ましくは150m2/g以下である。250m2/gを超えると、未加硫ゴム組成物の粘度が高くなって混練加工性が悪化したり、低燃費性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのN2SAは、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
なお、カーボンブラックのN2SAは、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは50質量部以上である。5質量部未満では、カーボンブラックを配合した効果が充分に得られないおそれがある。また、カーボンブラックの含有量は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは70質量部以下である。100質量部を超えると、低燃費性が悪化する傾向がある。
カーボンブラック及びシリカの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは40質量部以上、より好ましくは50質量部以上であり、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。上記範囲内であれば、良好な破壊エネルギー及び操縦安定性が得られる。また、本発明のゴム組成物は、NRと、所定量の酸化亜鉛と、ロジンエステル樹脂とを併用しているため、フィラー(補強用充填剤)を減量しなくても、良好な低燃費性が得られる。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、クレー等の補強用充填剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、アロマオイル等のオイル、ワックス、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤、有機酸コバルト等を適宜配合することができる。
上記ロジンエステル樹脂は、ゴム組成物を軟化する作用を有している。従って、上記ロジンエステル樹脂を用いることで、ゴム組成物中のオイルの含有量を少なくして、破壊エネルギーをより改善できる。
オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは16質量部以下、より好ましくは6質量部以下である。
本発明のゴム組成物は、有機酸コバルトを含有することが好ましい。これにより、ブレーカーコードとの良好な接着性が得られる。有機酸コバルトの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、コバルトに換算して好ましくは0.5質量部以上、0.8質量部以上であり、好ましくは1.8質量部以下、1.2質量部以下である。
本発明では、加硫剤として硫黄を好適に使用できる。硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄等を用いることができる。
硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは4質量部以上、より好ましくは5質量部以上である。また、該含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。上記範囲外であると、低燃費性、破壊エネルギー及び操縦安定性の改善効果が充分に得られないおそれがある。
加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、キサンテート系加硫促進剤等が挙げられる。なかでも、本発明の効果が良好に得られるという点から、スルフェンアミド系加硫促進剤が好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DZ)等が挙げられる。なかでも、本発明の効果が良好に得られるという点から、DZが好ましい。
本発明のゴム組成物は、タイヤに使用される各部材に使用することができ、ブレーカーコードを被覆するゴム組成物(ブレーカートッピング用ゴム組成物)に使用することが好ましい。ブレーカーコードとしては、繊維コード、スチールコード等が挙げられ、本発明のゴム組成物はスチールコード被覆用として好適である。
本発明のゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を採用することができ、例えば、前記各成分をバンバリーミキサー、オープンロール等のゴム混練装置を用いて混練する方法が挙げられる。
本発明のゴム組成物を用い、通常の方法で本発明の空気入りタイヤを製造することができる。すなわち、前記ゴム組成物でカーカスコードを被覆してブレーカーの形状に成形した後、他の部材とともに貼り合わせ、タイヤ成型機上にて加熱加圧することにより製造できる。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、競技用タイヤ等として好適に用いられ、特に乗用車用タイヤとして好適に用いられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:RSS#3
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックI(N220、N2SA:114m2/g)
アロマオイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140(ヨウ素価:100〜110gI2/100g)
ロジンエステル樹脂1:荒川化学工業(株)製のKE364C(ヨウ素価:120gI2/100g、酸価:34.5mgKOH/g、水酸基価:97.8mgKOH/g、軟化点:5〜15℃)
ロジンエステル樹脂2:荒川化学工業(株)製のTSF47(ヨウ素価:150gI2/100g、酸価:32.6mgKOH/g、水酸基価:86mgKOH/g、軟化点:5〜30℃)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
有機酸コバルト:(株)ジャパンエナジー製のCOST−S
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤DZ:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDZ
NR:RSS#3
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックI(N220、N2SA:114m2/g)
アロマオイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140(ヨウ素価:100〜110gI2/100g)
ロジンエステル樹脂1:荒川化学工業(株)製のKE364C(ヨウ素価:120gI2/100g、酸価:34.5mgKOH/g、水酸基価:97.8mgKOH/g、軟化点:5〜15℃)
ロジンエステル樹脂2:荒川化学工業(株)製のTSF47(ヨウ素価:150gI2/100g、酸価:32.6mgKOH/g、水酸基価:86mgKOH/g、軟化点:5〜30℃)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
有機酸コバルト:(株)ジャパンエナジー製のCOST−S
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤DZ:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDZ
実施例及び比較例
表1に示す配合処方に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、配合材料のうち、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、2軸オープンロールを用いて、80℃の条件下で3分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を150℃で30分間加硫することにより、加硫ゴム組成物を得た。
表1に示す配合処方に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、配合材料のうち、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、2軸オープンロールを用いて、80℃の条件下で3分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を150℃で30分間加硫することにより、加硫ゴム組成物を得た。
得られた加硫ゴム組成物、剥離試験用サンプルを用いて以下の評価を行った。その結果を表1に示す。
(転がり抵抗指数)
上記加硫ゴム組成物からなるゴムスラブシート(2mm×130mm×130mm)から測定用試験片を切り出し、粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度50℃、初期歪10%、動歪2%、周波数10Hzの条件下で、測定用試験片のtanδを測定し、比較例3の転がり抵抗指数を100として、下記計算式により、各配合の測定結果を指数表示した。転がり抵抗指数が大きいほど、転がり抵抗が低く、低燃費性に優れることを示す。
(転がり抵抗指数)=(比較例3のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
上記加硫ゴム組成物からなるゴムスラブシート(2mm×130mm×130mm)から測定用試験片を切り出し、粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度50℃、初期歪10%、動歪2%、周波数10Hzの条件下で、測定用試験片のtanδを測定し、比較例3の転がり抵抗指数を100として、下記計算式により、各配合の測定結果を指数表示した。転がり抵抗指数が大きいほど、転がり抵抗が低く、低燃費性に優れることを示す。
(転がり抵抗指数)=(比較例3のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
(破壊エネルギー指数)
JIS K6251の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」にしたがって、上記加硫ゴム組成物からなるゴムスラブシート(2mm×130mm×130mm)の引張強度及び破断伸びを測定した。そして、得られた測定結果を用いて、引張強度X破断伸び/2により破壊エネルギーを計算し、比較例3の破壊エネルギー指数を100として、下記計算式により、各配合の測定結果を指数表示した。破壊エネルギー指数が大きいほど、力学強度に優れることを示す。
(破壊エネルギー指数)=(各配合の破壊エネルギー)/(比較例3の破壊エネルギー)×100
JIS K6251の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」にしたがって、上記加硫ゴム組成物からなるゴムスラブシート(2mm×130mm×130mm)の引張強度及び破断伸びを測定した。そして、得られた測定結果を用いて、引張強度X破断伸び/2により破壊エネルギーを計算し、比較例3の破壊エネルギー指数を100として、下記計算式により、各配合の測定結果を指数表示した。破壊エネルギー指数が大きいほど、力学強度に優れることを示す。
(破壊エネルギー指数)=(各配合の破壊エネルギー)/(比較例3の破壊エネルギー)×100
(硬度指数)
JIS K6253の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」にしたがって、タイプAデュロメーターにより、上記加硫ゴム組成物の硬度を測定した。そして、比較例3の硬度指数を100として、下記計算式により、各配合の測定結果を指数表示した。硬度指数が±2の範囲では、操縦安定性への影響は問題ないレベルである。
(硬度指数)=(各配合の硬度)/(比較例3の硬度)×100
JIS K6253の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」にしたがって、タイプAデュロメーターにより、上記加硫ゴム組成物の硬度を測定した。そして、比較例3の硬度指数を100として、下記計算式により、各配合の測定結果を指数表示した。硬度指数が±2の範囲では、操縦安定性への影響は問題ないレベルである。
(硬度指数)=(各配合の硬度)/(比較例3の硬度)×100
比較例1に対してフィラーを増量した比較例2は、破壊エネルギーは改善したが、低燃費性が低下するとともに、ゴムが硬くなり過ぎて操縦安定性が悪化した。
一方、NRと、所定量の酸化亜鉛と、ロジンエステル樹脂1又は2とを併用した実施例は、比較例に比べて、低燃費性、破壊エネルギー及び操縦安定性がバランス良く改善された。また、実施例2と比較例1、3、4との比較から、上記併用により、良好な低燃費性及び操縦安定性を維持しながら、破壊エネルギーが相乗的に改善されることが分かった。
Claims (5)
- 天然ゴム、酸化亜鉛及びロジンエステル樹脂を含み、
ゴム成分100質量部に対する前記酸化亜鉛の含有量が5質量部以上であるタイヤ用ゴム組成物。 - 前記ロジンエステル樹脂のヨウ素価が100gI2/100g以上である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
- ゴム成分100質量%中の前記天然ゴムの含有量が60質量%以上であり、
ゴム成分100質量部に対する前記ロジンエステル樹脂の含有量が1〜20質量部である請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。 - ブレーカートッピング用ゴム組成物として用いられる請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
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