JP2012201090A - 真珠調光沢のインクジェット記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】特に真珠光沢顔料を用いずとも特徴的な真珠調光沢感を有し、且つ塗層強度、特に断裁時の粉落ち等が発生しない非常に優れた強度を有しつつ、インク吸収性および発色性に優れる真珠調の光沢発現層を有する真珠調光沢のインクジェット記録材料を提供する。
【解決手段】透気性の支持体上に少なくとも1層の光沢発現層を塗設したインクジェット記録材料において、光沢発現層が少なくとも無機超微粒子、ポリビニルアルコール、合成樹脂エマルジョンを含有する塗工組成物から形成され、無機超微粒子の平均一次粒子径が15nm以下、平均凝集粒子径が300nm以下であり、合成樹脂エマルジョンの平均粒子径が0.4μm以上1.0μm以下の範囲であることを特徴とする真珠調光沢のインクジェット記録材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録材料に関し、特に真珠顔料を用いずとも真珠調光沢感を有するインクジェット記録材料に関するものである。
現在、インクジェットプリンターやプロッターの目ざましい進歩により、フルカラーでしかも高精細な画像が容易に得られるようになってきている。
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録材料に付着させ、画像・文字等の記録を行うものである。インクジェットプリンターやプロッターはコンピューターにより作成した文字や各種図形等の画像情報のハードコピー作成装置として、種々の用途において近年急速に普及している。特に多色インクジェット記録方式により形成されるカラー画像は製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較しても遜色のない記録を得ることが可能であり、更に作成部数が少ない用途においては、印刷技術や写真技術よりも安価で済むことから広く応用されている。
特にインクジェットプリンター技術の進歩と低価格化、デジタルカメラの普及により、一般家庭で手軽に写真出力がなされるようになってきた。また、それに伴い業務用あるいは個人使用において、様々な用途にインクジェット記録方式で出力した印刷物が使用されるようになってきた。銀塩写真の代替としてはもちろん、ラベルやポスター、ハガキなどにも使用されており、これら用途に応じた記録材料が求められるようになってきている。中でも表面に光沢を付与したインクジェット記録材料に対しては、銀塩写真や印刷用紙に近い光沢感と画像の鮮鋭性を得られるために品質要求が高まっている。
一方で、ラベルやポスター、ハガキといった用途の場合、光沢だけでなく、人目を引くような特徴的な外観が求められており、既に真珠調の光沢感を有するインクジェット記録材料が提案されている。これら記録材料は、真珠調光沢感を付与するために真珠光沢顔料を用いている。具体的には樹脂被覆紙のインク受容層を有する側の樹脂層あるいは下塗り層にシルバーホワイトタイプ真珠光沢顔料を含有させたインクジェット記録材料(例えば、特許文献1参照)、基材上に真珠光沢顔料、金属塩およびバインダー樹脂を含有する真珠光沢層を有するインクジェット記録材料(例えば、特許文献2参照)、インク受容層上にマイカを含有するパール調光沢層を設けたインクジェット記録材料(例えば、特許文献3参照)などが提案されている。
しかしながら、真珠光沢顔料は数μm以上、大きいもので百μm以上の平均粒子径を有する雲母を主体とする顔料であり、真珠光沢顔料を含有した真珠光沢層やインク受容層は塗層強度が弱くなって断裁時の塗層の粉落ちが悪化することがあった。また、真珠光沢顔料を含有したインク受容層や光沢層を設けた場合、印字部の画像濃度が顕著に低下することがあった。従って、このような問題の発生のない、特徴的な真珠調光沢感を有しつつ、良好な塗層強度と印字部の画像濃度を有する真珠調光沢のインクジェット記録材料を得ることが非常に困難であった。
特開2004−276418号公報 特開2003−80836号公報 特開2006−218785号公報
本発明の目的は、特徴的な真珠調光沢感を有しつつ、良好な塗層強度と印字部の画像濃度を有する真珠調光沢のインクジェット記録材料を提供することにある。
本発明者は、真珠調光沢感を発現するために通常用いられる真珠光沢顔料が、その粒子径の大きさまたは平板状の形状によって、断裁時の粉落ちや印字部の画像濃度を悪化させていることを発見した。そして、このような不具合を発生する真珠光沢顔料を含有することなく、特定の無機微粒子と合成樹脂エマルジョンの粒子を組み合わせることによって真珠調光沢感を有する光沢発現層を見出した。
この課題に対し検討を行った結果、本発明のインクジェット記録材料、すなわち透気性の支持体上に少なくとも1層の光沢発現層を塗設したインクジェット記録材料において、光沢発現層が少なくとも無機超微粒子、ポリビニルアルコール、合成樹脂エマルジョンを含有する塗工組成物から形成され、無機超微粒子の平均一次粒子径が15nm以下、平均凝集粒子径が300nm以下であり、合成樹脂エマルジョンの平均粒子径が0.4μm以上1.0μm以下の範囲とする真珠調光沢のインクジェット記録材料を提供することに至った。
特に合成樹脂エマルジョンを、エチレン−酢酸ビニル共重合体とすることで、より良好な真珠調光沢感を得ることが可能となる。
更に無機超微粒子として、気相法シリカ、湿式法シリカ、アルミナ水和物から選ばれる少なくとも1種を含有していることで、より良好な真珠調光沢感と印字部の画像濃度を得ることが可能となる。
本発明により、真珠光沢顔料を含有することなく、従来得られなかった特徴的な真珠調光沢感を有しつつ、良好な塗層強度と印字部の画像濃度を有する真珠調光沢のインクジェット記録材料が得られる。
以下、本発明の真珠調光沢のインクジェット記録材料を詳細に説明する。
真珠光沢顔料とは、光の反射・干渉現象を利用して真珠のような輝き感またはキラキラ感を付与できる顔料をいい、雲母等の薄片状基質表面に屈折率の高い透明性または半透明性の金属酸化物を被覆することによって、その表面および被覆界面双方からの多重層反射や反射光の相互干渉作用により、輝き感またはキラキラ感を発現させることを原理としている顔料である。本発明において、真珠調光沢感とは、真珠光沢顔料を含有する光沢発現層が発現する輝き感またはキラキラ感と同様の光沢感である。
本発明において、透気性の支持体は、主に紙基材等の基材自身が吸水性を有する支持体を指すが、それに加えて、透気性を有すれば各種不織布や合成紙を支持体として用いることもできる。本発明で使用される紙基材としては、LBKP、NBKPなどの化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGPなどの機械パルプ、DIPなどの古紙パルプなどの木材パルプと従来公知の填料を主成分として、バインダーおよびサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤などの各種添加剤を必要に応じて1種以上用いて混合して紙料を調成し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの各種装置で製造された原紙、更に原紙に、澱粉、ポリビニルアルコールなどでのサイズプレスやアンカーコート層を設けた原紙や、それらの上にコート層を設けたアート紙、コート紙、キャストコート紙、バライタ紙などの塗工紙も含まれる。このような原紙および塗工紙に、そのまま本発明に係る塗層を設けても良いし、平坦化をコントロールする目的で、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダーなどのカレンダー装置を使用しても良い。
また、支持体を挟んだ光沢発現層を設けた側の反対面には、カール適性、糊付け時の紙伸びや糊の支持体への浸透防止する適性を付与するために、顔料とバインダーを有するバックコート層を塗設することも可能である。その際の顔料としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、ケイ酸アルミニウム、ケイソウ土、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、水酸化マグネシウムなどの無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン微粒子、マイクロカプセル、尿素樹脂微粒子、メラミン樹脂微粒子などの有機顔料などが挙げられるが、特に糊付け時の適性の点で平板状顔料や加水ハロイサイトが好ましい。
バックコート層のバインダーとしては、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコールまたはその誘導体、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体または共重合体などのアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックス、或はこれら各種重合体の中にカルボキシ基などの官能基含有単量体を導入した官能基変性重合体ラテックス、メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化性合成樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂などの合成樹脂系接着剤などを挙げることができる。
バックコート層にはまた、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、増粘剤、蛍光増白剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの各種添加剤を添加することもできる。
本発明において、光沢発現層は、平均一次粒子径が15nm以下且つ平均凝集粒子径が300nm以下の無機超微粒子および平均一次粒子径が0.4μm以上1.0μm以下の範囲である合成樹脂エマルジョンを含有する。
本発明において、光沢発現層は、無機超微粒子およびポリビニルアルコール、合成樹脂エマルジョンを含有する塗工組成物を透気性の支持体上に塗設して形成される。光沢発現層は透気性の支持体上に直接塗設してもよく、支持体と光沢発現層の間に下塗り層やインク受理層等の他の塗工層を設けてもよい。
本発明において、光沢発現層に用いられる合成樹脂エマルジョンは、実質的に非水溶性の熱可塑性樹脂の液状分散物であり、例えば熱可塑性樹脂が水中に分散した液状物から、一旦乾燥した後は熱水にも実質的に溶解しない点で水溶性樹脂と区別される。その例としては、酢酸ビニル重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステルの重合体、メタクリル酸エステルの重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、イソプレン共重合体、クロロプレン共重合体、ウレタン系重合体、およびこれらの重合体を構成する単量体の2種以上をランダム的、グラフト的、ブロック的に組み合わせた共重合体などの合成樹脂のエマルジョンである。これらは、その1種を単独で用いても良く、またそれらの2種以上を組み合わせて用いても良い。
特に上記合成樹脂エマルジョンの中でも、エチレン−酢酸ビニル共重合体は、特定の無機超微粒子と組み合わせることで他の合成樹脂エマルジョンと比較して良好な真珠調光沢感を発現することができ、好ましい。
本発明において、合成樹脂エマルジョンの平均粒子径は、0.4μm以上1.0μm以下の範囲であり、0.5μm以上0.8μm以下の範囲が更に好ましい。ここで、合成樹脂エマルジョンの平均粒子径が0.4μm未満の場合、真珠調光沢感が得られなくなる。平均粒子径が1.0μmを超えると、真珠調光沢感が得られなくなるばかりか、光沢発現層の透明性が低くなり、印字部の画像濃度が低下してくる。
本発明において、光沢発現層における無機超微粒子に対する合成樹脂エマルジョンの含有比率は、その比率が低すぎると真珠調光沢感が低くなり、比率が高すぎると塗層の透明性やインク吸収性の低下が起こることから、無機超微粒子100質量部に対して5質量部以上40質量部以下の範囲が好ましく、10質量部以上25質量部以下の範囲が更に好ましい。
本発明において、無機超微粒子は、平均一次粒子径が15nm以下且つ平均凝集粒子径が300nm以下である。好ましくは、平均一次粒子径が3nm以上15nm以下且つ平均凝集粒子径が50nm以上300nm以下である。平均一次粒子径および平均凝集粒子径が上記範囲から外れると、特定の平均粒子径の合成樹脂エマルジョンと組み合わせて得ることができる真珠調光沢感が得られない。平均一次粒子径および平均凝集粒子径が上記範囲を超えると、真珠調光沢感が得られなくなるばかりか印字部の画像濃度が低下する。
本発明でいう無機超微粒子の平均一次粒子径とは、微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子それぞれの投影面積に等しい円の直径を粒子の粒子径として計算し平均一次粒子径を求めたものである。
合成樹脂エマルジョンの平均粒子径および無機超微粒子の平均凝集粒子径の測定法としては、レーザー回折法、細孔電気抵抗法、動的光散乱法、遠心沈降法などが知られている。通常、コロイダルシリカなどサブミクロン以下の微粒子の測定には動的光散乱法が用いられ、ミクロンオーダーの微粒子に関してはレーザー回折法や細孔電気抵抗法が用いられることが多い。本発明において、合成樹脂エマルジョンの平均粒子径および無機超微粒子の平均凝集粒子径の測定は動的光散乱法を用いる。
本発明において、無機超微粒子としては光の透過性を有するものがよく、例えば、気相法シリカ、湿式法シリカ、カオリン、酸化亜鉛、二酸化チタン、珪酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、アルミナ水和物、ゼオライトなどである。これらの中から1種を選択する、または複数種を組み合わせて用いることができる。
光沢発現層の無機超微粒子として好ましくは、湿式法シリカ、気相法シリカ、アルミナ水和物から選ばれる少なくとも1種である。無機超微粒子が湿式法シリカ、気相法シリカ、アルミナ水和物から選ばれる少なくとも1種であることで、光沢発現層の透明性がより高くなり、良好な真珠調光沢を発現しやすくなる。
本発明の効果が得られる理由は不明であるが、真珠調光沢感は、真珠光沢顔料に見られるように多重反射光や反射光の干渉現象によって発現することから、特定の粒子径を有する且つ光の透過性を有する無機超微粒子と特定の粒子径を有する合成樹脂エマルジョンとを共存することにより類似の現象が発生するものと考えられる。
本発明に用いられる気相法シリカは、湿式法に対して乾式法と呼ばれ、一般的に火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化珪素を水素および酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化珪素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化珪素と混合した状態で使用する方法も知られている。このような気相法シリカは、日本アエロジル(株)からアエロジルとして、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されている。
本発明に用いられる湿式法シリカは、製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカは、珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕、分級の工程を経て製造される。この方法で製造されたシリカの一次粒子は緩やかな凝集粒子を形成し、比較的粉砕しやすい粒子が得られる。沈降法シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシール、ファインシールとして市販されている。ゲル法シリカは、珪酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子同士を結合するように再析出し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、東ソー・シリカ(株)からニップジェルとして、水澤化学工業(株)よりミズカシルとして、グレースジャパン(株)よりサイロイド、サイロジェットとして市販されている。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、珪酸ソーダの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ、例えば日産化学工業(株)からスノーテックスとして、グレースジャパン(株)からルドックスとして市販されている。
本発明において、光沢発現層に用いる気相法シリカおよび沈降法シリカ、ゲル法シリカは、カチオン性ポリマーの存在下で平均凝集粒子径300nm以下に分散したものを使用することができる。該シリカの分散は、ボールミル、ビーズミル等のメディアミル、高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、および薄膜旋回型分散機等を使用して行うことが好ましい。
上記気相法シリカおよび沈降法シリカ、ゲル法シリカの分散に使用するカチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号公報、特開昭59−33176号公報、特開昭59−33177号公報、特開昭59−155088号公報、特開昭60−109894号公報、特開昭62−198493号公報、特開昭63−49478号公報、特開昭63−115780号公報、特開昭63−280681号公報、特開平1−40371号公報、特開平6−234268号公報、特開平7−125411号公報、特開平10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマー等が好ましく用いられる。分散性および分散液粘度の面で、これらカチオン性ポリマーの重量平均分子量は2,000以上10万以下の範囲が好ましく、特に2,000以上3万以下の範囲が好ましい。また、カチオン性ポリマーの使用量はシリカに対して1質量%以上10質量%以下の範囲が好ましい。
本発明に用いられるアルミナ水和物は、一般式Al2O3・nH2Oにより表すことができる。アルミナ水和物は組成や結晶形態の違いにより、ジプサイト、バイアライト、ノルストランダイト、ベーマイト、ベーマイトゲル(擬ベーマイト)、ジアスポア、無定形非晶質等に分類される。中でも、上記の式中、nの値が1である場合はベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1を超え3未満である場合は擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが3以上では非晶質構造のアルミナ水和物を表す。特に、本発明に好ましいアルミナ水和物は、少なくともnが1を超え3未満の擬ベーマイト構造のアルミナ水和物である。
また、本発明において、アルミナ水和物の分散液を安定化させるために、通常は種々の酸類が分散液に添加することができる。このような酸類としては、硝酸、塩酸、臭化水素酸、酢酸、蟻酸、塩化第二鉄、塩化アルミニウム等を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明に用いられるアルミナ水和物は、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等公知の方法によって製造することができる。また、アルミナ水和物の粒子径、細孔径、細孔容積、比表面積等の物性は、析出温度、熟成温度、熟成時間、液のpH、液の濃度、共存化合物等の条件によって制御することができる。
アルコキシドからアルミナ水和物を製造する方法としては、特開昭57−88074号公報、同62−56321号公報、特開平4−275917号公報、同6−64918号公報、同7−10535号公報、同7−267633号公報、米国特許第2,656,321号明細書等にアルミニウムアルコキシドを加水分解する方法として開示されている。これらのアルミニウムアルコキシドとしてはイソプロポキシド、2−ブトキシド等が挙げられる。
本発明において、光沢発現層に用いるポリビニルアルコールとしては、70mol%から100mol%までの種々のけん化度のポリビニルアルコールが使用でき、特にけん化度95mol%以下のものを用いると光沢が発現しやすくなることから好ましい。またシリル基、カルボキシル基、アミノ基、アセトアセチル基等種々の官能基を導入した変性ポリビニルアルコール、エチレン等他の単量体をランダム的、グラフト的、またはブロック的に導入した変性ポリビニルアルコールも使用することができる。本発明におけるポリビニルアルコールの含有量は、少なすぎると乾燥時に亀裂が生じたり、形成されるインクジェット記録材料の表面強度が不足したりすることがあるので好ましくなく、一方でポリビニルアルコールの含有量が多すぎるとインク吸収性が低下することがあるので好ましくない。具体的には、ポリビニルアルコールの含有量は無機超微粒子の2質量%以上40質量%以下の範囲であることが好ましく、5質量%以上25質量%以下の範囲であることがより好ましい。
本発明において、光沢発現層は、真珠調光沢とインク吸収性の点で膜厚が10μm以上30μm以下の範囲が好ましく、20μm以上30μm以下の範囲が更に好ましい。これら膜厚を塗設量に換算すると、塗工層の配合によって変化するが、概ね10g/m以上30g/m以下の範囲となる。光沢発現層の膜厚が10μmを下回ると、真珠調光沢感やインク吸収性が低下する場合があり、30μmを超えると表面の亀裂発生や塗層の粉落ちが発生してくる場合がある。
本発明において、光沢発現層には、本発明の効果を損なわない程度にインク定着剤、界面活性剤、架橋剤、消泡剤、増粘剤、色味調整剤、蛍光増白剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤など各種の添加剤を含有することもできる。
特に本発明の好ましい態様として、光沢発現層に亀裂が存在すると真珠調光沢感が発現しにくくなることから、光沢発現層の亀裂を抑えるために光沢発現層のバインダー成分を架橋させる架橋剤を含む層を予め光沢層の下塗り層として設ける、あるいは光沢発現層が架橋剤を含有することが好ましい。
本発明において、光沢発現層以外の塗工層には、本発明の効果を損なわない程度に通常用いられる材料を用いることができる。顔料としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、水酸化マグネシウム、湿式法シリカ、気相法シリカ、アルミナ水和物などの無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン微粒子、マイクロカプセル、尿素樹脂微粒子、メラミン樹脂微粒子などの有機顔料などを添加できる。またバインダーとしては、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコールまたはその誘導体、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体または共重合体などのアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックス、或はこれら各種重合体のカルボキシ基などの官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス、メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂などの合成樹脂系接着剤などを挙げることができる。また必要に応じて、インク定着剤、界面活性剤、消泡剤、増粘剤、色味調整剤、蛍光増白剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤など各種の添加剤を含有することもできる。
本発明において、本発明の効果を阻害しない範囲内で光沢発現層上に他の塗工層を設けてもよい。
本発明において、光沢発現層および他の塗工層の塗工組成物を設ける方法は特に制限がなく、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、リバースロールコーター、ロールナイフコーター、ゲートロールコーター、フィルムトランスファーコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーター等各種の塗工方式を用いることができる。
本発明において、光沢発現層以外の他の塗工層を支持体上に塗設する量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限はないが、通常固形分として1g/m以上30g/m以下の範囲が好ましく、4g/m以上25g/m以下の範囲が更に好ましい。
また本発明において、光沢発現層に更に光沢を付与する方法としては、ソフトカレンダー、スーパーカレンダー等のカレンダー装置による処理、キャストコーターによるキャスト処理等が挙げられる。
本発明において、キャスト処理とは、湿潤状態にある塗工層を加熱された鏡面に圧着し、鏡面形状を塗工層の表面に転写すると共に塗工層から水分を乾燥除去し記録材料に光沢を付与する処理をいう。キャスト処理に使用する装置(キャスト装置)は通常、表面がクロムメッキされたシリンダーの表面に、弾性ロールを用いて連続的に塗工紙を圧着する構造の装置であるが、本発明には同様の作用を有する他の構造の装置を用いても良い。本発明のインクジェット記録材料を製造するにあたり、用いることができるキャスト処理の方式としては、塗工組成物を塗工後一旦乾燥させてから再度水分を付与し、その後キャスト装置の鏡面に圧着するいわゆるリウエット法、塗工組成物を塗工後、乾燥させずそのままキャスト装置の鏡面に圧着するいわゆる直接法などの方式を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
以下本発明の実施例を示す。なお、本実施例中で、特に明示しない限り「部」は質量部、「%」は質量%を示すものとする。
[実施例1]
[下塗り層の塗工組成物の調製]
水1000部に四ホウ酸ナトリウム十水和物60部とホウ酸40部を溶解し、ここにゲル法シリカ(東ソー・シリカ社製ニップジェルAZ−6A0)100部を添加した後ノコギリ型ブレードを有する分散機を用いて十分に分散した。次いで固形分48%のスチレン−ブタジエン(SBR)ラテックス(旭化成ケミカルズ株式会社製E−1585)208.3部(固形分として100部)を添加、増粘剤(サンノプコ株式会社製ビストゥール300)を1.5部添加し、最終固形分濃度が20%となるように水を添加・混合して下塗り層の塗工組成物を得た。
[気相法シリカ分散液1の調製]
水396部にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(重量平均分子量9000)4部と気相法シリカ(平均一次粒子径7nm)100部を添加し予備分散液を調製した後、高圧ホモジナイザーを用いて処理し、固形分濃度20%の気相法シリカ分散液1を調製した。該気相法シリカの平均凝集粒子径は130nmであった。
[アルミナ水和物分散液1の調製]
水299部に酢酸1部を混合し、擬ベーマイト構造を有するアルミナ水和物(サソール社製Disperal HP14:平均一次粒子径14nm)100部を添加し、そのまま2時間攪拌して解膠し、固形分濃度25%のアルミナ水和物分散液1を調製した。該アルミナ水和物分散液の平均凝集粒子径は170nmであった
[光沢発現層の塗工組成物1の調製]
無機超微粒子として気相法シリカ分散液1を500部(固形分として100部)、界面活性剤(日信化学工業株式会社製オルフィンE1010)1部、10%のポリビニルアルコール溶液(クラレ株式会社製PVA235)200部(固形分として20部)、合成樹脂エマルジョンとして固形分濃度55%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(住化ケムテックス製スミカフレックス401HQ:平均粒子径0.8μm)27.27部(固形分として15部)を添加し、最終固形分濃度が15%となるように水を添加、混合して光沢発現層の塗工組成物1を得た。
[インクジェット記録材料の作製]
坪量157g/mの原紙(三菱製紙社製ダイヤフォーム)上に、下塗り層の塗工組成物を、乾燥後の塗設量が4g/mとなるようにエアナイフコーターを用いて塗工、熱風型乾燥機を用いて乾燥させた後、該下塗り層の上に光沢発現層の塗工組成物1を乾燥後の塗設量で15g/m塗工・乾燥し、得られた塗工紙をソフトカレンダーにて処理することで実施例1のインクジェット記録材料を作製した。
[実施例2]
実施例1において、光沢発現層の塗工組成物1における合成樹脂エマルジョンとして固形分濃度55%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(住化ケムテックス製スミカフレックス401HQ:平均粒子径0.8μm)27.27部(固形分として15部)を、固形分濃度30%のアクリル系エマルジョン(日信化学工業株式会社製ビニブラン2682:平均粒子径0.6μm)50部(固形分として15部)に変更した以外は実施例1と同様にして実施例2のインクジェット記録材料を得た。
[実施例3]
実施例1において、光沢発現層の塗工組成物1における合成樹脂エマルジョンとして固形分濃度55%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(住化ケムテックス製スミカフレックス401HQ:平均粒子径0.8μm)27.27部(固形分として15部)を、固形分濃度55%の酢酸ビニル−アクリル共重合体(住化ケムテックス製スミカフレックス951HQ:平均粒子径0.4μm)27.27部(固形分として15部)に変更した以外は実施例1と同様にして実施例3のインクジェット記録材料を得た。
[実施例4]
実施例1において、光沢発現層の塗工組成物1における合成樹脂エマルジョンとして固形分濃度55%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(住化ケムテックス製スミカフレックス401HQ:平均粒子径0.8μm)27.27部(固形分として15部)を、固形分濃度55%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(電気化学工業製デンカEVAテックス100:平均粒子径0.4μm)27.27部(固形分として15部)に変更した以外は実施例1と同様にして実施例4のインクジェット記録材料を得た。
[実施例5]
実施例1において、光沢発現層の塗工組成物1における合成樹脂エマルジョンとして固形分濃度55%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(住化ケムテックス製スミカフレックス401HQ:平均粒子径0.8μm)27.27部(固形分として15部)を、固形分濃度55%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(住化ケムテックス製スミカフレックス410HQ:平均粒子径0.9μm)27.27部(固形分として15部)に変更した以外は実施例1と同様にして実施例5のインクジェット記録材料を得た。
[実施例6]
実施例1において、光沢発現層の塗工組成物1を、下記の光沢発現層の塗工組成物2に変更した以外は実施例1と同様にして実施例6のインクジェット記録材料を得た。
[光沢発現層の塗工組成物2の調製]
無機超微粒子としてアルミナ水和物分散液1を400部(固形分として100部)、界面活性剤(日信化学工業株式会社製オルフィンE1010)1部、10%のポリビニルアルコール溶液(クラレ株式会社製PVA235)60部(固形分として6部)、合成樹脂エマルジョンとして固形分濃度55%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(住化ケムテックス製スミカフレックス401HQ:平均粒子径0.8μm)27.27部(固形分として15部)を添加し、最終固形分濃度が20%となるように水を添加、混合して光沢発現層の塗工組成物2を得た。
[実施例7]
実施例1において、気相シリカ分散液1を下記の気相法シリカ分散液2に代えた光沢発現層の塗工組成物に変更した以外は実施例1と同様にして実施例7のインクジェット記録材料を得た。
[気相法シリカ分散液2の調製]
水396部にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(重量平均分子量9000)4部と気相法シリカ(平均一次粒子径12nm)100部を添加し予備分散液を調製した後、高圧ホモジナイザーを用いて処理し、固形分濃度20%の気相法シリカ分散液2を調製した。該気相法シリカの平均凝集粒子径は280nmであった。
[実施例8]
実施例1で得られたインクジェット記録材料の塗工面に下記の再湿潤液を湿潤状態の塗設量で30g/m付与した後5秒間湿潤させ、温度105℃に加熱したキャスト装置の鏡面クロムメッキシリンダーに、線圧20kN/m、速度25m/minで圧着し、乾燥後にシリンダーより剥離することでキャスト処理して実施例8のインクジェット記録材料を得た。
[再湿潤液の調製]
水94.68部に固形分20%のコロイダルシリカ(スノーテックス20;平均一次粒子径20nm、アニオン性、日産化学工業株式会社製)5部(固形分として1部)を添加し、次に固形分70%の界面活性剤(ペレックスOT−P;花王株式会社製)0.07部(固形分として0.049部)および固形分40%の離型剤(ノプコートPEM−17;サンノプコ株式会社製)0.25部(固形分として0.1部)を添加し、混合して再湿潤液を得た。
[実施例9]
実施例8において、実施例1で得られたインクジェット記録材料に代えて実施例6で得られたインクジェット記録材料を用いる以外は実施例8と同様にして実施例9のインクジェット記録材料を得た。
[実施例10]
実施例1において、光沢発現層の塗工組成物1の塗設量を15g/mから10g/mに変更する以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録材料を得た。該インクジェット記録材料を実施例1で得られたインクジェット記録材料に代えて用いる以外は実施例8と同様にして実施例10のインクジェット記録材料を得た。
[実施例11]
実施例1において、光沢発現層の塗工組成物1の塗設量を15g/mから32g/mに変更する以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録材料を得た。該インクジェット記録材料を実施例1で得られたインクジェット記録材料に代えて用いる以外は実施例8と同様にして実施例11のインクジェット記録材料を得た。
[実施例12]
実施例1で得られたインクジェット記録材料上に、下記の上塗り層の塗工組成物を、乾燥後の塗設量で10g/m塗工、乾燥して上塗り層を有するインクジェット記録材料を得た。該上塗り層を有するインクジェット記録材料を実施例1で得られたインクジェット記録材料に代えて用いる以外は実施例8と同様にして実施例12のインクジェット記録材料を得た。
[上塗り層の塗工組成物の調製]
無機超微粒子として気相法シリカ分散液1を500部(固形分として100部)、界面活性剤(日信化学工業株式会社製オルフィンE1010)1部、10%のポリビニルアルコール溶液(クラレ株式会社製PVA235)200部(固形分として20部)を添加し、最終固形分濃度が15%となるように水を添加、混合して上塗り層の塗工組成物を得た。
[比較例1]
実施例1において、光沢発現層の塗工組成物1における合成樹脂エマルジョンとして固形分濃度55%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(住化ケムテックス製スミカフレックス401HQ:平均粒子径0.8μm)27.27部(固形分として15部)を、固形分濃度40%のアクリル系エマルジョン(DIC株式会社製ボンコートSFC54:平均粒子径0.34μm)37.5部(固形分として15部)に変更した以外は実施例1と同様にして比較例1のインクジェット記録材料を得た。
[比較例2]
実施例1において、光沢発現層の塗工組成物1における合成樹脂エマルジョンとして固形分濃度55%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(住化ケムテックス製スミカフレックス401HQ:平均粒子径0.8μm)27.27部(固形分として15部)を、固形分濃度50%の酢酸ビニルエマルジョン(大同化成工業株式会社製ビニゾール2501:平均粒子径1.2μm)30部(固形分として15部)に変更した以外は実施例1と同様にして比較例2のインクジェット記録材料を得た。
[比較例3]
実施例1において、気相シリカ分散液1を下記の気相法シリカ分散液3に代えた光沢発現層の塗工組成物に変更した以外は実施例1と同様にして比較例3のインクジェット記録材料を得た。
[気相法シリカ分散液3の調製]
水396部にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(重量平均分子量9000)4部と気相法シリカ(平均一次粒子径20nm)100部を添加し予備分散液を調製した後、高圧ホモジナイザーを用いて処理し、固形分濃度20%の気相法シリカ分散液3を調製した。該気相法シリカの平均凝集粒子径は160nmであった。
[比較例4]
実施例6において、アルミナ水和物分散液1を下記のアルミナ水和物分散液2に代えた光沢発現層の塗工組成物に変更した以外は実施例6と同様にして比較例4のインクジェット記録材料を得た。
[アルミナ水和物分散液2の調製]
水299部に酢酸1部を混合し、擬ベーマイト構造を有するアルミナ水和物(サソール社製Disperal HP30:平均一次粒子径30nm)100部を添加し、そのまま2時間攪拌して解膠し、固形分濃度25%のアルミナ水和物分散液を調製した。該アルミナ水和物分散液の平均凝集粒子径は320nmであった
[比較例5]
実施例1において、光沢発現層の塗工組成物1を下記の光沢発現層の塗工組成物3に変更した以外は実施例1と同様にして比較例5のインクジェット記録材料を得た。
[光沢発現層の塗工組成物3の調製]
無機超微粒子として気相法シリカ分散液1を500部(固形分として100部)に、界面活性剤(日信化学工業株式会社製オルフィンE1010)1部、10%のポリビニルアルコール溶液(クラレ株式会社製PVA235)200部(固形分として20部)、真珠光沢顔料(日本光研工業株式会社製MB−100RF)15部を添加し、最終固形分濃度が15%となるように水を添加、混合して光沢発現層の塗工組成物3を得た。
[印字部の画像濃度の評価]
キヤノン株式会社製インクジェットプリンター(PIXUS Pro9000)により、所定の評価画像を各インクジェット記録材料に印字し、C、M、Y、K各ベタ部の画像濃度をX−rite社製SpectroEyeにて測定し、次の4段階に分類した。ここで、AまたはBであれば印字部の画像濃度に優れるレベルである。
A:CMYK4色の画像濃度の総和が7以上。
B:CMYK4色の画像濃度の総和が6以上、7未満。
C:CMYK4色の画像濃度の総和が5以上、6未満。
D:CMYK4色の画像濃度の総和が5未満。
[塗層強度の評価]
各インクジェット記録材料に、カッターナイフで長さ10cmの切り目を10本入れ、断裁面より脱落した塗層片を回収し、その量を目視判定し、塗層の粉落ち量から各インクジェット記録材料の塗層強度を次の4段階に分類した。ここで、A、B、Cであれば実用上問題ないレベルである。
A:塗層の脱落は全くない。
B:塗層が若干脱落しているが、ほとんど目立たない。
C:塗層が幾分脱落している。
D:塗層の脱落が顕著で、塗層片が非常に多い。
[真珠調光沢感の評価]
真珠調光沢感に関して、各インクジェット記録材料の表面に斜光を当てて光沢感を目視判定し、次の4段階に分類した。ここで、A、B、Cであれば真珠調光沢感を有するレベルである。
A:強い真珠調の光沢感がある。
B:真珠調光沢感があり、良好。
C:真珠調の光沢感はあるものの、やや弱い。
D:真珠調の光沢感がほとんどない。
各実施例、各比較例で得られたインクジェット記録材料の印字部の画像濃度、塗層強度、真珠調光沢感を表1に示す。
Figure 2012201090
表1より、本発明にかかる実施例1〜12は、真珠光沢顔料を含有しないにもかかわらず真珠調光沢感を呈する。また平均粒子径の大きな真珠光沢顔料を含有しないために、インクジェット記録材料は良好な印字部の画像濃度および塗層強度を有することが分かる。実施例1〜3から、真珠調光沢感においてエチレン−酢酸ビニル共重合体がよいことが分かる。
合成樹脂エマルジョンの平均粒子径が本発明の範囲外である比較例1および2、並びに無機超微粒子の平均一次粒子径や凝集粒子径が本発明の範囲外である比較例3および4は真珠調光沢感が不十分であり、特に無機超微粒子の平均一次粒子径または凝集粒子径の大きい比較例3および4については印字部の画像濃度の低下も顕著である。真珠光沢顔料を用いた比較例5は、真珠調光沢感は高いものの、印字部の画像濃度や塗層強度が悪化することが分かる。

Claims (3)

  1. 透気性の支持体上に少なくとも1層の光沢発現層を塗設したインクジェット記録材料において、光沢発現層が少なくとも無機超微粒子、ポリビニルアルコール、合成樹脂エマルジョンを含有する塗工組成物から形成され、無機超微粒子の平均一次粒子径が15nm以下、平均凝集粒子径が300nm以下であり、合成樹脂エマルジョンの平均粒子径が0.4μm以上1.0μm以下の範囲であることを特徴とする真珠調光沢のインクジェット記録材料。
  2. 合成樹脂エマルジョンがエチレン−酢酸ビニル共重合体である請求項1記載の真珠調光沢のインクジェット記録材料。
  3. 無機超微粒子が気相法シリカ、湿式法シリカ、アルミナ水和物から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2記載の真珠調光沢のインクジェット記録材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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