JP2012201058A - 印刷方法及び印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐擦性及び耐溶剤性に優れるとともに良好な印刷品質が得られる印刷方法及び印刷装置を提供する。
【解決手段】半導体装置の表面に活性光線で硬化する液体の液滴を吐出するノズルを有する吐出ヘッド49と、吐出ヘッド49のノズルから半導体装置の表面に液滴が吐出される際、半導体基板を加熱する加熱部39Hと、半導体装置に吐出された液滴に活性光線を照射する照射部48と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、印刷方法及び印刷装置に関するものである。
マーキング市場において主流となっているレーザーマーキングでは、近年のIC薄型化に対してダメージ、視認性の悪さ等の問題から代替技術が求められていた。このようなレーザーマーキングの代替技術として、機能液を液滴にして吐出するインクジェット法を用いて記録媒体上に塗布し、塗布された機能液を固化することで該記録媒体上に所定情報を印刷する技術がある。下記特許文献1には、記録媒体としてICチップを用い、該ICチップ上に製造番号や製造会社等の所定情報を印刷する印刷装置が開示されている。
また、このようなマーキング用途として、紫外線照射によって硬化する紫外線硬化型インクを用いてインクジェット法による記録を行うインクジェット装置が注目されている。紫外線硬化型インクは、紫外線を照射するまでは硬化が非常に遅く、紫外線を照射すると急速に硬化するという、印刷インクとして好ましい特性を有する。また、硬化にあたって溶剤を揮発させることがないので、環境負荷が小さいという利点もある。
さらに、紫外線硬化型インクは、ビヒクルの組成により種々の記録媒体に高い付着性を発揮する。また、硬化した後は化学的に安定で、接着性、耐薬剤性、耐候性、耐摩擦性等が高く、屋外環境にも耐える等、優れた特性を有する。このため、紙、樹脂フィルム、金属箔等の薄いシート状の記録媒体の他、記録媒体のレーベル面、テキスタイル製品等、ある程度立体的な表面形状を有するものに対しても画像を形成できる。
ところで、ICチップへのマーキングでは、文字の良好な視認性とともに、耐擦性や耐溶剤性が要求されている。耐擦性や耐溶剤性の向上を図るべく、例えば下記特許文献2ではマーキングするICチップに対し、活性化光を照射することで濡れ性を向上させるようにしている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−80687号公報 特開平11−145314号公報
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
濡れ性を向上させる上述のような活性化光を用いた処理をICチップに行うと、チップ表面と機能液との密着性は向上するものの、濡れ性の向上及びチップ表面の凹凸によってインクに含まれる硬化前のモノマーがICチップに染み出し、マーキングの品質を劣化させるおそれがあった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、耐擦性及び耐溶剤性に優れるとともに良好な印刷品質が得られる印刷方法及び印刷装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の印刷方法は、半導体装置に吐出ヘッドのノズルから活性光線で硬化する液体の液滴を吐出する吐出工程と、前記半導体装置上の前記液滴に前記活性光線を照射する照射工程と、を備え、前記吐出工程においては、加熱した状態の前記半導体装置に対して前記液滴を吐出することを特徴とする。
本発明の印刷方法によれば、加熱された半導体装置上に液滴が吐出されるため、着弾した液滴は粘度が低下することで半導体装置上に良好に濡れ拡がるようになる。このとき、半導体装置が例えば液滴のモノマーの沸点以上に加熱されていれば、半導体装置上に濡れ広がった液滴のモノマーを揮発させることができる。よって、後述する結果に示されるように耐擦性及び耐溶剤性に優れるとともに、滲みの少ない良好な品質の印刷を行うことができる。
また、上記吐出工程においては、前記半導体装置を80℃以上に加熱するのが好ましい。
この構成によれば、半導体装置が80℃以上に加熱されるので、上記液滴により形成した膜と半導体装置との密着性を改善できる。
また、上記印刷方法においては、前記吐出工程においては、前記半導体装置を120℃以上に加熱するのが好ましい。
この構成によれば、半導体装置が120℃以上に加熱されるので、半導体装置上に濡れ広がった液滴のモノマーを確実に揮発させることができる。
また、上記印刷方法においては、吐出工程に先立ち、半導体装置に対して紫外線を照射して表面処理を行う表面処理工程をさらに有することが好ましい。
本発明の印刷装置は、前記半導体装置に活性光線で硬化する液体の液滴を吐出するノズルを有する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドの前記ノズルから前記半導体装置の表面に前記液滴が吐出される際、前記半導体基板を加熱する加熱部と、前記半導体装置に吐出された前記液滴に前記活性光線を照射する照射部と、を備えることを特徴とする。
本発明の印刷装置によれば、加熱部によって加熱された半導体装置に液滴が吐出されるので、着弾した液滴は粘度が低下して半導体装置上に良好に濡れ拡がるようになる。このとき、例えば液滴中のモノマーの沸点以上まで半導体装置を加熱することで半導体装置上に濡れ広がった液滴中のモノマーを揮発させることができる。よって、後述する結果に示されるように耐擦性及び耐溶剤性に優れるとともに、滲みの少ない良好な品質の印刷を行うことができる。
また、上記印刷装置においては、前記加熱部は、前記半導体装置を80℃以上に加熱するのが好ましい。
この構成によれば、半導体装置が80℃以上に加熱されるので、上記液滴により形成した膜と半導体装置との密着性を改善できる。
また、上記印刷装置においては、前記加熱部は、前記半導体装置を120℃以上に加熱するのが好ましい。
この構成によれば、半導体装置が120℃以上に加熱されるので、半導体装置上に濡れ広がった液滴のモノマーを確実に揮発させることができる。
また、上記印刷装置においては、半導体装置に対して紫外線を照射して表面処理を行う表面処理部をさらに備えることが好ましい。
(a)は半導体基板を示す模式平面図、(b)は液滴吐出装置を示す模式平面図。 供給部を示す模式図。 前処理部の構成を示す概略斜視図。 (a)は、塗布部の構成を示す概略斜視図、(b)は、キャリッジを示す模式側面図。 (a)は、ヘッドユニットを示す模式平面図、液滴吐出ヘッドの構造を説明するための要部模式断面図。 収納部を示す模式図。 搬送部の構成を示す概略斜視図。 印刷方法を示すためのフローチャート。 評価結果を示す図である。
以下、本発明の印刷装置の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
なお、以下の実施の実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
本実施形態では、本発明の特徴的な印刷装置と、この印刷装置を用いて液滴を吐出して印刷する印刷方法の例について、図1〜図9に従って説明する。
(半導体基板)
まず、印刷装置を用いて描画(印刷)する対象の一例である半導体基板について説明する。
図1(a)は半導体基板を示す模式平面図である。図1(a)に示すように、基材としての半導体基板1は基板2を備えている。基板2は耐熱性があり半導体装置3を実装可能であれば良く、基板2にはガラスエポキシ基板、紙フェノール基板、紙エポキシ基板等を用いることができる。
基板2上には半導体装置3が実装されている。半導体基板1における基板2上に形成された半導体装置3は、エポキシを含む樹脂からなるモールド層によって覆われている。そして、半導体装置3上には会社名マーク4、機種コード5、製造番号6等のマーク(印刷パターン、所定パターン)が描画されている。これらのマークが印刷装置によって描画される。そのため、これらマークは半導体装置3の表面に形成されたモールド層上に描画されている。
(印刷装置)
図1(b)は印刷装置を示す模式平面図である。
図1(b)に示すように、印刷装置7は主に供給部8、前処理部(表面処理部)9、塗布部(印刷部)10、収納部12、搬送部13及び制御部14から構成されている。印刷装置7は搬送部13を中心にして時計回りに供給部8、前処理部9、塗布部10、収納部12、制御部14の順に配置されている。そして、制御部14の隣には供給部8が配置されている。供給部8、制御部14、収納部12が並ぶ方向をX方向とする。X方向と直交する方向をY方向とし、Y方向には塗布部10、搬送部13、制御部14が並んで配置されている。そして、鉛直方向をZ方向とする。
供給部8は、複数の半導体基板1が収納された収納容器を備えている。そして、供給部8は中継場所8aを備え、収納容器から中継場所8aへ半導体基板1を供給する。
前処理部9は、半導体装置3の表面を加熱しながら改質する機能を有する。前処理部9により半導体装置3は吐出された液滴の広がり具合及び印刷するマークの密着性が調整される。前処理部9は第1中継場所9a及び第2中継場所9bを備え、処理前の半導体基板1を第1中継場所9aまたは第2中継場所9bから取り込んで表面の改質を行う。その後、前処理部9は処理後の半導体基板1を第1中継場所9aまたは第2中継場所9bに移動して、半導体基板1を待機させる。第1中継場所9a及び第2中継場所9bを合わせて中継場所9cとする。そして、前処理部9の内部で前処理が行われるに際し、半導体基板1が位置する場所を処理場所9dとする。
塗布部10は、半導体装置3に液滴を吐出してマークを描画(印刷)するとともに、描画されたマークを固化または硬化する機能を有する。塗布部10は中継場所10aを備え、描画前の半導体基板1を中継場所10aから移動して描画処理及び硬化処理を行う。その後、塗布部10は描画後の半導体基板1を中継場所10aに移動して、半導体基板1を待機させる。
収納部12は、半導体基板1を複数収納可能な収納容器を備えている。そして、収納部12は中継場所12aを備え、中継場所12aから収納容器へ半導体基板1を収納する。操作者は半導体基板1が収納された収納容器を印刷装置7から搬出する。
印刷装置7の中央の場所には、搬送部13が配置されている。搬送部13は2つの腕部を備えたスカラー型ロボットが用いられている。そして、腕部の先端には半導体基板1を把持する把持部13aが設置されている。中継場所8a,9c,10a,12aは把持部13aの移動範囲13b内に位置している。従って、把持部13aは中継場所8a,9c,10a,12a間で半導体基板1を移動することができる。制御部14は印刷装置7の全体の動作を制御する装置であり、印刷装置7の各部の動作状況を管理する。そして、搬送部13に半導体基板1を移動する指示信号を出力する。これにより、半導体基板1は各部を順次通過して描画されるようになっている。
以下、各部の詳細について説明する。
(供給部)
図2(a)は供給部を示す模式正面図であり、図2(b)及び図2(c)は供給部を示す模式側面図である。図2(a)及び図2(b)に示すように、供給部8は基台15を備えている。基台15の内部には昇降装置16が設置されている。昇降装置16はZ方向に動作する直動機構を備えている。この直動機構はボールネジと回転モーターとの組合せや油圧シリンダーとオイルポンプの組合せ等の機構を用いることができる。本実施形態では、例えば、ボールネジとステップモーターとによる機構を採用している。基台15の上側には昇降板17が昇降装置16と接続して設置されている。そして、昇降板17は昇降装置16により所定の移動量だけ昇降可能になっている。
昇降板17の上には直方体状の収納容器18が設置され、収納容器18の中には複数の半導体基板1が収納されている。収納容器18はY方向の両面に開口部18aが形成され、開口部18aから半導体基板1が出し入れ可能となっている。収納容器18のX方向の両側に位置する側面18bの内側には凸状のレール18cが形成され、レール18cはY方向に延在して配置されている。レール18cはZ方向に複数等間隔に配列されている。このレール18cに沿って半導体基板1をY方向からまたは−Y方向から挿入することにより、半導体基板1がZ方向に配列して収納される。
基台15のY方向側には支持部材21を介して、基板引出部22と中継台23とが設置されている。収納容器18のY方向側の場所において基板引出部22の上に中継台23が重ねて配置されている。基板引出部22はY方向に伸縮する腕部22aと腕部22aを駆動する直動機構とを備えている。この直動機構は直線状に移動する機構であれば特に限定されない、本実施形態では、例えば、圧縮空気にて作動するエアーシリンダーを採用している。腕部22aの一端には略矩形に折り曲げられた爪部22bが設置され、この爪部22bの先端は腕部22aと平行に形成されている。
基板引出部22が腕部22aを伸ばすことにより、腕部22aが収納容器18内を貫通する。そして、爪部22bが収納容器18の−Y方向側に移動する。次に昇降装置16が半導体基板1を下降した後、基板引出部22が腕部22aを収縮させる。このとき、爪部22bが半導体基板1の一端を押しながら移動する。
その結果、図2(c)に示すように、半導体基板1が収納容器18から中継台23上に移動させられる。中継台23は半導体基板1のX方向の幅と略同じ幅の凹部が形成され、半導体基板1はこの凹部に沿って移動する。そして、この凹部により半導体基板1のX方向の位置が決められる。爪部22bによって押されて半導体基板1が停止する場所により、半導体基板1のY方向の位置が決められる。中継台23上は中継場所8aであり、半導体基板1は中継場所8aの所定の場所にて待機する。供給部8の中継場所8aに半導体基板1が待機しているとき、搬送部13は把持部13aを半導体基板1と対向する場所に移動して半導体基板1を把持して移動する。
この半導体基板1が搬送部13により中継台23上から移動した後、基板引出部22が腕部22aを伸長させる。次に、昇降装置16が収納容器18を降下させて、基板引出部22が半導体基板1を収納容器18内から中継台23上に移動させる。このようにして供給部8は順次半導体基板1を収納容器18から中継台23上に移動する。収納容器18内の半導体基板1を総て中継台23上に移動した後、操作者は空になった収納容器18と半導体基板1が収納されている収納容器18とを置き換える。これにより、供給部8に半導体基板1を供給することができる。
(前処理部)
図3は前処理部の構成を示す概略斜視図である。図3(a)に示すように、前処理部9は基台24を備え、基台24上にはX方向に延在するそれぞれ一対の第1案内レール25及び第2案内レール26が並んで設置されている。第1案内レール25上には第1案内レール25に沿ってX方向に往復移動する載置台としての第1ステージ27が設置され、第2案内レール26上には第2案内レール26に沿ってX方向に往復移動する載置台としての第2ステージ28が設置されている。第1ステージ27及び第2ステージ28は直動機構を備え、往復移動することができる。この直動機構は、例えば、昇降装置16が備える直動機構と同様の機構を用いることができる。
第1ステージ27の上面には載置面27aが設置され、載置面27aには吸引式のチャック機構が形成されている。搬送部13が半導体基板1を載置面27aに載置した後、チャック機構を作動させることにより前処理部9は半導体基板1を載置面27aに固定することができる。同様に、第2ステージ28の上面にも載置面28aが設置され、載置面28aには吸引式のチャック機構が形成されている。搬送部13が半導体基板1を載置面28aに載置した後、チャック機構を作動させることにより前処理部9は半導体基板1を載置面28aに固定することができる。
第1ステージ27には、加熱装置27Hが内蔵されており、載置面27aに載置された半導体基板1を、制御部14の制御下で所定温度に加熱する。同様に、第2ステージ28には、加熱装置28Hが内蔵されており、載置面28aに載置された半導体基板1を、制御部14の制御下で所定温度に加熱する。
第1ステージ27がX方向側に位置するときの載置面27aの場所が第1中継場所9aとなっており、第2ステージ28がX方向に位置するときの載置面28aの場所が第2中継場所9bとなっている。第1中継場所9a及び第2中継場所9bである中継場所9cは把持部13aの動作範囲内に位置しており、中継場所9cにおいて載置面27a及び載置面28aは露出する。従って、搬送部13は容易に半導体基板1を載置面27a及び載置面28aに載置することができる。半導体基板1に前処理が行われた後、半導体基板1は第1中継場所9aに位置する載置面27aまたは第2中継場所9bに位置する載置面28a上にて待機する。従って、搬送部13の把持部13aは容易に半導体基板1を把持して移動することができる。
基台24の−X方向には平板状の支持部29が立設されている。支持部29のX方向側の面において上側にはY方向に延在する案内レール30が設置されている。そして、案内レール30と対向する場所には案内レール30に沿って移動するキャリッジ31が設置されている。キャリッジ31は直動機構を備え、往復移動することができる。この直動機構は、例えば、昇降装置16が備える直動機構と同様の機構を用いることができる。
キャリッジ31の基台24側には処理部32が設置されている。処理部32としては、例えば、活性光線を発光する低圧水銀ランプ、水素バーナー、エキシマレーザー、プラズマ放電部、コロナ放電部等を例示できる。水銀ランプを用いる場合、半導体基板1に紫外線を照射することにより、半導体基板1の表面の撥液性を改質することができる。水素バーナーを用いる場合、半導体基板1の酸化した表面を一部還元することで表面を粗面化することができ、エキシマレーザーを用いる場合、半導体基板1の表面を一部溶融固化することで粗面化することができ、プラズマ放電或いはコロナ放電を用いる場合、半導体基板1の表面を機械的に削ることで粗面化することができる。本実施形態では、例えば、水銀ランプを採用している。
また、前処理部9は、加熱装置27H、28Hにより半導体基板1を加熱した状態で、低圧水銀ランプ32から紫外線を照射しながらキャリッジ31を往復運動させる。これにより、前処理部9は、処理場所9dの広い範囲に紫外線を照射することが可能になっている。
なお、上記加熱装置27H,28Hが半導体基板1を加熱する温度としては、半導体基板1の表面を効果的に改質することができ、且つ半導体基板1の耐熱温度以下であることが好ましく、本実施形態では、半導体基板1を例えば120℃に設定している。
前処理部9は、外装部33により全体が覆われている。外装部33の内部には上下に移動可能な戸部34が設置されている。そして、図3(b)に示すように、第1ステージ27または第2ステージ28がキャリッジ31と対向する場所に移動したあと、戸部34が下降する。これにより、低圧水銀ランプ32が照射する紫外線が前処理部9の外に漏れないようになっている。
載置面27aもしくは載置面28aが中継場所9cに位置するとき、搬送部13は載置面27a及び載置面28aに半導体基板1を給材する。そして、前処理部9は半導体基板1が載置された第1ステージ27もしくは第2ステージ28を処理場所9dに移動して前処理を行う。前処理が終了した後、前処理部9は第1ステージ27もしくは第2ステージ28を中継場所9cに移動する。続いて、搬送部13は載置面27aもしくは載置面28aから半導体基板1を除材し、後述する塗布部10へと搬送する。
(塗布部)
次に、半導体基板1に液滴を吐出してマークを形成する塗布部10について図4及び図5に従って説明する。液滴を吐出する装置に関しては様々な種類の装置があるが、インクジェット法を用いた装置が好ましい。インクジェット法は微小な液滴の吐出が可能であるため、微細加工に適している。
図4(a)は、塗布部の構成を示す概略斜視図である。塗布部10により半導体基板1に液滴が吐出される。図4(a)に示すように、塗布部10には、直方体形状に形成された基台37を備えている。液滴を吐出するときに液滴吐出ヘッドと被吐出物とが相対移動する方向を主走査方向とする。そして、主走査方向と直交する方向を副走査方向とする。副走査方向は改行するときに液滴吐出ヘッドと被吐出物とを相対移動する方向である。本実施形態ではX方向を主走査方向とし、Y方向を副走査方向とする。
基台37の上面37aには、Y方向に延在する一対の案内レール38がY方向全幅にわたり凸設されている。その基台37の上側には、一対の案内レール38に対応する図示しない直動機構を備えたステージ39が取付けられている。そのステージ39の直動機構は、リニアモーターやネジ式直動機構等を用いることができる。本実施形態では、例えば、リニアモーターを採用している。そして、Y方向に沿って所定の速度で往動または復動するようになっている。往動と復動を繰り返すことを走査移動と称す。さらに、基台37の上面37aには、案内レール38と平行に副走査位置検出装置40が配置され、副走査位置検出装置40によりステージ39の位置が検出される。
そのステージ39の上面には載置面41が形成され、その載置面41には図示しない吸引式の基板チャック機構が設けられている。載置面41上に半導体基板1が載置された後、半導体基板1は基板チャック機構により載置面41に固定される。
ステージ39が−Y方向に位置するときの載置面41の場所が中継場所10aとなっている。この載置面41は把持部13aの動作範囲内に露出するように設置されている。従って、搬送部13は容易に半導体基板1を載置面41に載置することができる。半導体基板1に塗布が行われた後、半導体基板1は中継場所10aである載置面41上にて待機する。従って、搬送部13の把持部13aは容易に半導体基板1を把持して移動することができる。
ステージ39には、加熱装置39Hが内蔵されており、載置面41に載置された半導体基板1を、制御部14の制御下で所定温度に加熱する。また、上記加熱装置39Hが半導体基板1を加熱する温度としては、半導体基板1の耐熱温度以下であることが好ましく、80℃から300℃の範囲、100℃から300℃の範囲に設定するのがより望ましい。本実施形態では、半導体基板1を前処理部9の加熱装置27H,28Hと同じ温度である120℃に設定している。なお、加熱装置39Hは、搬送部13により載置面41に半導体基板1が載置されるのに先立ち、載置面41を120℃で加熱するようになっている。
このように本実施形態では、加熱装置39Hがステージ39の載置面41を前処理部9における加熱温度と同じ120℃で加熱することで半導体基板1の温度を保持したまま、載置面41上にて塗布工程を行うことが可能となっている。ここで、半導体基板1を加熱しておくと後述のように液滴吐出ヘッド49のノズルから吐出される機能液の粘度が低下するため、吐出した機能液を半導体基板1(半導体装置3)の表面に良好に濡れ拡がらせることが可能となっている。また、本実施形態ではインクが着弾する半導体基板1が後述するインクに含まれるモノマーの沸点よりも高い温度である120℃で加熱されているため、モノマーを揮発させることで半導体装置3に対するモノマーの染み出しを防止することができ、後述の結果に示すように半導体装置3に良好な印刷品質のマークを描画できる。
基台37のX方向両側には一対の支持台42が立設され、その一対の支持台42にはX方向に延びる案内部材43が架設されている。案内部材43の下側にはX方向に延びる案内レール44がX方向全幅にわたり凸設されている。案内レール44に沿って移動可能に取り付けられるキャリッジ(移動手段)45は略直方体形状に形成されている。そのキャリッジ45は直動機構を備え、その直動機構は、例えば、ステージ39が備える直動機構と同様の機構を用いることができる。そして、キャリッジ45がX方向に沿って走査移動する。案内部材43とキャリッジ45との間には主走査位置検出装置46が配置され、キャリッジ45の位置が計測される。具体的に本実施形態では、主走査位置検出装置46としてリニアエンコーダを用いている。主走査位置検出装置46は制御部14に電気的に接続されており、測定結果を制御部14に送信するようになっている。キャリッジ45の下側にはヘッドユニット47が設置され、ヘッドユニット47のステージ39側の面には図示しない液滴吐出ヘッドが凸設されている。
図4(b)は、キャリッジを示す模式側面図である。図4(b)に示すようにキャリッジ45の半導体基板1側にはヘッドユニット47と一対の照射部としての硬化ユニット(照射部)48が配置されている。ヘッドユニット47の半導体基板1側には液滴を吐出する液滴吐出ヘッド(吐出ヘッド)49が凸設されている。
硬化ユニット48の内部には吐出された液滴を硬化させる紫外線を照射する照射装置が配置されている。硬化ユニット48は主走査方向(相対移動方向)においてヘッドユニット47を挟んだ両側の位置に配置されている。照射装置は発光ユニットと放熱板等から構成されている。発光ユニットには多数のLED(Light Emitting Diode)素子が配列して設置されている。このLED素子は、電力の供給を受けて紫外線の光である紫外光を発光する素子である。
キャリッジ45の図中上側には収容タンク50が配置され、収容タンク50にはインク(機能液)が収容されている。液滴吐出ヘッド49と収容タンク50とは図示しないチューブにより接続され、収容タンク50内のインクがチューブを介して液滴吐出ヘッド49に供給される。なお、液滴吐出ヘッド49から吐出されるインクの温度は、常温から40℃以下であることが好ましい。
ここで液滴吐出ヘッド49から吐出するインクについて説明する。
本実施形態では、放射線硬化型インクジェット用インク組成物に係る。
当該インク組成物は、下記一般式(I):
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類(以下、「モノマーA」という。)と、N−ビニルカプロラクタムと、をそれぞれ所定の含有量で含む。
以下、本実施形態のインク組成物に含まれるか、又は含まれ得る添加剤(成分)を説明する。
(重合性化合物)
本実施形態のインク組成物に含まれる重合性化合物は、後述する光重合開始剤の作用により光照射時に重合されて、印刷されたインクを硬化させることができる。
(モノマーA)
本実施形態において必須の重合性化合物であるモノマーAは、分子中にビニル基及び(メタ)アクリル基を共に有する化合物であり、上記一般式(I)で示される。
インク組成物がモノマーAを含有することにより、インクの硬化性などを良好なものとすることができる。
上記の一般式(I)において、R2で表される2価の有機残基としては、炭素数2〜20の直鎖状、分枝状又は環状のアルキレン基、構造中にエーテル結合及びエステル結合の少なくとも一方による酸素原子を有する炭素数2〜20のアルキレン基、炭素数6〜11の置換されていてもよい2価の芳香族基が好適である。これらの中でも、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、及びブチレン基などの炭素数2〜6のアルキレン基、オキシエチレン基、オキシn−プロピレン基、オキシイソプロピレン基、及びオキシブチレン基などの構造中にエーテル結合による酸素原子を有する炭素数2〜9のアルキレン基が好適に用いられる。
上記の一般式(I)において、R3で表される炭素数1〜11の1価の有機残基としては、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基、炭素数6〜11の置換されていてもよい芳香族基が好適である。これらの中でも、メチル基又はエチル基である炭素数1〜2のアルキル基、フェニル基及びベンジル基などの炭素数6〜8の芳香族基が好適に用いられる。
上記の有機残基が置換されていてもよい基である場合、その置換基は、炭素原子を含む基及び炭素原子を含まない基に分けられる。まず、上記置換基が炭素原子を含む基である場合、当該炭素原子は有機残基の炭素数にカウントされる。炭素原子を含む基として、以下に限定されないが、例えばカルボキシル基、アルコキシ基が挙げられる。次に、炭素原子を含まない基として、以下に限定されないが、例えば水酸基、ハロ基が挙げられる。
上記の一般式(I)で表されるモノマーAの具体例としては、以下に限定されないが、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−ビニロキシメチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1,1−ジメチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸m−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸o−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、及び(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールモノビニルエーテルが挙げられる。
上記したものの中でも、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸5−ビニロキシペンチル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチルが好ましい。
これらの中でも、低粘度で、引火点が高く、かつ、硬化性に優れるため、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルが好ましく、さらに、臭気が低く、皮膚への刺激を抑えることができ、かつ、反応性及び密着性に優れるため、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルがより好ましい。
(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルとしては、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル及び(メタ)アクリル酸2−(1−ビニロキシエトキシ)エチルが挙げられ、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルとしては、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル及びアクリル酸2−(1−ビニロキシエトキシ)エチルが挙げられる。
モノマーAは、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、20〜50質量%含まれ、好ましくは22〜40質量%含まれる。含有量が上記範囲内であると、インクの密着性、耐擦性、及びアルコール耐性を良好なものとすることができる。
上記一般式(I)で表されるモノマーAの製造方法としては、以下に限定されないが、(メタ)アクリル酸と水酸基含有ビニルエーテル類とをエステル化する方法(製法B)、(メタ)アクリル酸ハロゲン化物と水酸基含有ビニルエーテル類とをエステル化する方法(製法C)、(メタ)アクリル酸無水物と水酸基含有ビニルエーテル類とをエステル化する方法(製法D)、(メタ)アクリル酸エステル類と水酸基含有ビニルエーテル類とをエステル交換する方法(製法E)、(メタ)アクリル酸とハロゲン含有ビニルエーテル類とをエステル化する方法(製法F)、(メタ)アクリル酸アルカリ(土類)金属塩とハロゲン含有ビニルエーテル類とをエステル化する方法(製法G)、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類とカルボン酸ビニルとをビニル交換する方法(製法H)、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類とアルキルビニルエーテル類とをエーテル交換する方法(製法I)が挙げられる。
これらの中でも、本実施形態に所望の効果を一層発揮することができるため、製法Eが好ましい。
(N−ビニルカプロラクタム)
本実施形態において、N−ビニルカプロラクタムは必須の重合性化合物である。インク組成物が重合性化合物として上記モノマーAに加えてN−ビニルカプロラクタムを含有することにより、インクの密着性、耐擦性、及びアルコール耐性を良好なものとすることができる。
N−ビニルカプロラクタムは、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、5〜15質量%含まれ、好ましくは6〜10質量%含まれる。モノマーAの含有量が上述の範囲内であることに加えて、N−ビニルカプロラクタムの含有量が上記範囲内であると、インクの密着性、耐擦性、及びアルコール耐性に優れたものとなる。
(上記以外の重合性化合物)
上記以外の重合性化合物(以下、「その他の重合性化合物」という。)としては、従来公知の、単官能、2官能、及び3官能以上の多官能といった種々のモノマー及びオリゴマーが使用可能である。上記モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸及びマレイン酸等の不飽和カルボン酸やそれらの塩又はエステル、ウレタン、アミド及びその無水物、アクリロニトリル、スチレン、種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、並びに不飽和ウレタンが挙げられる。また、上記オリゴマーとしては、例えば、直鎖アクリルオリゴマー等の上記のモノマーから形成されるオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレート及びポリエステル(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、他の単官能モノマーや多官能モノマーとして、N−ビニルカプロラクタム以外のN−ビニル化合物を含んでいてもよい。そのようなN−ビニル化合物として、例えば、N−ビニルフォルムアミド、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、及びアクリロイルモルホリン、並びにそれらの誘導体が挙げられる。
その他の重合性化合物のうち、(メタ)アクリル酸のエステル、即ち(メタ)アクリレートが好ましく、2官能以上である多官能の(メタ)アクリレートがより好ましく、多官能のアクリレートがさらに好ましい。特に、本実施形態のインク組成物が、重合性化合物として、上記所定量のモノマーA及びN−ビニルカプロラクタムに加えて多官能アクリレートをも含むことで、インクの密着性、耐擦性、及びアルコール耐性に優れたものとなる。
上記(メタ)アクリレートのうち、単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ラクトン変性可とう性(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記(メタ)アクリレートのうち、多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、及びポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート、並びに、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、カウプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、及びペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート等のペンタエリスリトール骨格を有する(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及びカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のジペンタエリスリトール骨格を有する(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、及びトリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート等のトリペンタエリスリトール骨格を有する(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、及びテトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート等のテトラペンタエリスリトール骨格を有する(メタ)アクリレート、ペンタペンタエリスリトールウンデカ(メタ)アクリレート及びペンタペンタエリスリトールドデカ(メタ)アクリレート等のペンタペンタエリスリトール骨格を有する(メタ)アクリレート、並びにこれらのエチレンオキサイド(EO)付加物及びプロピレンオキサイド(PO)付加物のうち少なくともいずれか等、3官能以上の(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの中でも、その他の重合性化合物は、上記のとおり、多官能(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。多官能(メタ)アクリレートの中でも、上記のペンタエリスリトール骨格を有する多官能(メタ)アクリレートが好ましく、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのうち少なくともいずれかがより好ましく、ペンタエリスリトールトリアクリレート及びペンタエリスリトールテトラアクリレートのうち少なくともいずれかがさらに好ましい。上記の場合、インクの粘度が低下し、かつ、インクにおける架橋密度が増大する。
なお、単官能(メタ)アクリレートの中では、粘度及び臭気を低減させるため、フェノキシエチル(メタ)アクリレート及びイソボルニル(メタ)アクリレートのうち少なくとも一方が好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレートがより好ましく、フェノキシエチルアクリレートがさらに好ましい。
上記その他の重合性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記その他の重合性化合物は、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、5〜50質量%含まれるとよい。中でも多官能アクリレートは、インクの密着性、耐擦性、及びアルコール耐性に極めて優れるため、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、5〜20質量%含まれることが好ましく、8〜15質量%含まれることがより好ましい。
(重合禁止剤)
本実施形態のインク組成物は、重合禁止剤を含んでもよい。重合禁止剤として、以下に限定されないが、例えば、p−メトキシフェノール、クレゾール、t−ブチルカテコール、ジ−t−ブチルパラクレゾール、ヒドロキノンモノメチルエーテル、α−ナフトール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ブチルフェノール)、及び4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール化合物、p−ベンゾキノン、アントラキノン、ナフトキノン、フェナンスラキノン、p−キシロキノン、p−トルキノン、2,6−ジクロロキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジアセトキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジカプロキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジアシロキシ−p−ベンゾキノン、ヒドロキノン、2,5−ジーブチルヒドロキノン、モノ−t−ブチルヒドロキノン、モノメチルヒドロキノン、及び2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン等のキノン化合物、フェニル−β−ナフチルアミン、p−ベンジルアミノフェノール、ジ−β−ナフチルパラフェニレンジアミン、ジベンジルヒドロキシルアミン、フェニルヒドロキシルアミン、及びジエチルヒドロキシルアミン等のアミン化合物、ジニトロベンゼン、トリニトロトルエン、及びピクリン酸などのニトロ化合物、キノンジオキシム及びシクロヘキサノンオキシム等のオキシム化合物、フェノチアジン等の硫黄化合物が挙げられる。
(光重合開始剤)
本実施形態のインク組成物は、光重合開始剤を含むことが好ましい。上述の重合性化合物として光重合性の化合物を用いることにより、光重合開始剤の添加を省略することが可能である。しかし、光重合開始剤を用いた方が、重合の開始を容易に調整することができ、好適である。
上記の光重合開始剤は、上述の活性化光線の照射による光重合によって、被記録媒体の表面に存在するインクを硬化させて画像を形成するために用いられる。ここで、前記活性化光線としては、γ線、β線、電子線、紫外線(UV)、可視光線及び赤外線が挙げられる。中でも、安全性に優れ、且つ光源にかかるコストを抑えることができるため、本実施形態では上述のように紫外線を採用している。光重合開始剤としては、光のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、上記重合性化合物の重合を開始させるものであれば、制限はないが、光ラジカル重合開始剤や光カチオン重合開始剤を使用することができ、中でも光ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
上記の光ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルホスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物が挙げられる。
これらの中でも、特にインクの硬化性を良好にすることができるため、アシルホスフィンオキサイド化合物及びチオキサントン化合物のうち少なくともいずれかが好ましく、アシルホスフィンオキサイド化合物及びチオキサントン化合物がより好ましい。
光ラジカル重合開始剤の具体例としては、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、べンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、及びビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシドが挙げられる。
光ラジカル重合開始剤の市販品としては、例えば、IRGACURE 651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、IRGACURE 184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)、DAROCUR 1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン)、IRGACURE 2959(1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン)、IRGACURE 127(2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン}、IRGACURE 907(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)、IRGACURE 369(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)、IRGACURE 379(2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン)、DAROCUR TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)、IRGACURE 819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド)、IRGACURE 784(ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム)、IRGACURE OXE 01(1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)])、IRGACURE OXE 02(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム))、IRGACURE 754(オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物)(以上、BASF社製)、Speedcure TPO(Lambson製)、KAYACURE DETX−S(2,4−ジエチルチオキサントン)(日本化薬社(Nippon Kayaku Co., Ltd.)製)、Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BASF社製)、及びユベクリルP36(UCB社製)などが挙げられる。
上記光重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
光重合開始剤は、放射線硬化速度を十分に発揮させ、且つ、光重合開始剤の溶け残りや光重合開始剤に由来する着色を避けるため、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、5〜20質量%含まれることが好ましい。
特に、上記のとおり、インク組成物に含まれる光重合開始剤がアシルホスフィンオキサイド化合物及びチオキサントン化合物である場合、前記アシルホスフィンオキサイド化合物が、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、好ましくは7.0質量%以上含まれ、より好ましくは7.0〜15.0質量%含まれる。加えて、前記チオキサントン化合物が、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、好ましくは0.3質量%以上含まれ、より好ましくは0.5〜4.0質量%含まれる。この場合、インクの硬化性を極めて良好にすることができる。
(色材)
本実施形態のインク組成物は、色材をさらに含むことが好ましい。色材は、顔料及び染料のうち少なくとも一方を用いることができる。
(顔料)
本実施形態において、色材として顔料を用いることにより、インク組成物の耐光性を良好なものとすることができる。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
無機顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンを使用することができる。
有機顔料としては、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料が挙げられる。
更に詳しくは、ブラックインクとして使用されるカーボンブラックとして、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製)、Raven 5750、Raven 5250、Raven
5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン(Carbon Columbia)社製)、Rega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch
1400等(キャボット社(CABOT JAPAN K.K.)製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex
140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4(以上、デグッサ(Degussa)社製)が挙げられる。
ホワイトインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントホワイト 6、18、21が挙げられる。
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180が挙げられる。
マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、又はC.I.ピグメントヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50が挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バット ブルー 4、60が挙げられる。
また、マゼンタ、シアン、及びイエロー以外の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン 7,10、C.I.ピグメントブラウン 3,5,25,26、C.I.ピグメントオレンジ 1,2,5,7,13,14,15,16,24,34,36,38,40,43,63が挙げられる。
上記顔料は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記の顔料を使用する場合、その平均粒子径は300nm以下が好ましく、50〜250nmがより好ましい。平均粒子径が上記の範囲内にあると、インク組成物における吐出安定性や分散安定性などの信頼性に一層優れるとともに、優れた画質の画像を形成することができる。ここで、本明細書における平均粒子径は、動的光散乱法により測定される。
(染料)
本実施形態において、色材として染料を用いることができる。染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能である。前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック
19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
上記染料は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
色材の含有量は、優れた隠蔽性及び色再現性が得られるため、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、1〜20質量%が好ましい。
(分散剤)
本実施形態のインク組成物が顔料を含む場合、顔料分散性をより良好なものとするため、分散剤をさらに含んでもよい。分散剤として、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。その具体例として、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマー及びコポリマー、アクリル系ポリマー及びコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、及びエポキシ樹脂のうち一種以上を主成分とするものが挙げられる。高分子分散剤の市販品として、味の素ファインテクノ社製のアジスパーシリーズ、アベシア社(Avecia Co.)から入手可能なソルスパーズシリーズ(Solsperse 36000等)、BYK社製のディスパービックシリーズ、楠本化成社製のディスパロンシリーズが挙げられる。
(スリップ剤)
本実施形態のインク組成物は、優れた耐擦性が得られるため、スリップ剤(界面活性剤)をさらに含んでもよい。スリップ剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系界面活性剤として、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーンを用いることができ、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを用いることが特に好ましい。具体例としては、BYK−347、BYK−348、BYK−UV3500、3510、3530、3570(以上、BYK社製)を挙げることができる。
(その他の添加剤)
本実施形態のインク組成物は、上記に挙げた添加剤以外の添加剤(成分)を含んでもよい。このような成分としては、特に制限されないが、例えば従来公知の、重合促進剤、浸透促進剤、及び湿潤剤(保湿剤)、並びにその他の添加剤があり得る。上記のその他の添加剤として、例えば従来公知の、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、放射線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤が挙げられる。
このようなインクを用いることで液滴吐出ヘッド49は安定した吐出動作が行えるようになっている。
図5(a)は、ヘッドユニットを示す模式平面図である。図5(a)に示すように、ヘッドユニット47には第1、第2の吐出ヘッドを構成する2つの液滴吐出ヘッド49が副走査方向に間隔をあけて配置され、各液滴吐出ヘッド49の表面にはノズルプレート51がそれぞれ配置されている。各ノズルプレート51には複数のノズル52が配列して形成されている。本実施形態においては、各ノズルプレート51に、15個のノズル52が副走査方向に沿って配置されたノズル列60が一列設けられている。また、2つのノズル列60は、Y方向に沿った直線状に、且つX方向については両側の硬化ユニット48と等間隔となる位置に配置されている。
各液滴吐出ヘッド49においては、ノズル列60の両端に位置するノズル52については液滴の吐出特性が不安定になる傾向があるため、液滴吐出処理には用いない。すなわち、本実施形態では、両端のノズル52を除く13個のノズル52によって、実際に半導体基板1に対して液滴を吐出する実ノズル列60Aが形成される。
ここで、各実ノズル列60Aの副走査方向の長さをLNとし、隣り合う液滴吐出ヘッド49同士の実ノズル列60A間の副走査方向の距離をLHとすると、隣り合う液滴吐出ヘッド49は、以下の式を満足する位置関係で配置される。
LH=n×LN(nは正の整数) …(1)
本実施形態では、n=1、すなわち、LH=LNとなる位置関係で二つの液滴吐出ヘッド49がY方向に沿って配置されている。
硬化ユニット48の下面には、照射口48aが形成されている。照射口48aは、Y方向における吐出ヘッド49、49の長さ、これら吐出ヘッド49、49間の距離の和以上の長さの照射範囲を有して設けられている。そして、照射装置が発光する紫外光が照射口48aから半導体基板1に向けて照射される。
図5(b)は、液滴吐出ヘッドの構造を説明するための要部模式断面図である。図5(b)に示すように、液滴吐出ヘッド49はノズルプレート51を備え、ノズルプレート51にはノズル52が形成されている。ノズルプレート51の上側であってノズル52と相対する位置にはノズル52と連通するキャビティ53が形成されている。そして、液滴吐出ヘッド49のキャビティ53にはインク(液体)54が供給される。
キャビティ53の上側には上下方向に振動してキャビティ53内の容積を拡大縮小する振動板55が設置されている。振動板55の上側でキャビティ53と対向する場所には上下方向に伸縮して振動板55を振動させる圧電素子56が配設されている。圧電素子56が上下方向に伸縮して振動板55を加圧して振動し、振動板55がキャビティ53内の容積を拡大縮小してキャビティ53を加圧する。それにより、キャビティ53内の圧力が変動し、キャビティ53内に供給されたインク54はノズル52を通って吐出される。
液滴吐出ヘッド49が圧電素子56を制御駆動するためのノズル駆動信号を受けると、圧電素子56が伸張して、振動板55がキャビティ53内の容積を縮小する。その結果、液滴吐出ヘッド49のノズル52から縮小した容積分のインク54が液滴57となって吐出される。インク54が塗布された半導体基板1に対しては、照射口48aから紫外光が照射され、硬化剤を含んだインク54を固化または硬化させるようになっている。
(収納部)
図6(a)は収納部を示す模式正面図であり、図6(b)及び図6(c)は収納部を示す模式側面図である。図6(a)及び図6(b)に示すように、収納部12は基台74を備えている。基台74の内部には昇降装置75が設置されている。昇降装置75は供給部8に設置された昇降装置16と同様の装置を用いることができる。基台74の上側には昇降板76が昇降装置75と接続して設置されている。そして、昇降板76は昇降装置75により昇降させられる。昇降板76の上には直方体状の収納容器18が設置され、収納容器18の中には半導体基板1が収納されている。収納容器18は供給部8に設置された収納容器18と同じ容器が用いられている。
基台74のY方向側には支持部材77を介して、基板押出部78と中継台79とが設置されている。収納容器18のY方向側の場所において基板押出部78の上に中継台79が重ねて配置されている。基板押出部78はY方向に移動する腕部78aと腕部78aを駆動する直動機構とを備えている。この直動機構は直線状に移動する機構であれば特に限定されない、本実施形態では、例えば、圧縮空気にて作動するエアーシリンダーを採用している。中継台79上には半導体基板1が載置され、この半導体基板1のY方向側の一端の中央に腕部78aが接触可能となっている。
基板押出部78が腕部78aを−Y方向に移動させることにより、腕部78aが半導体基板1を−Y方向に移動させる。中継台79は半導体基板1のX方向の幅と略同じ幅の凹部が形成され、半導体基板1はこの凹部に沿って移動する。そして、この凹部により半導体基板1のX方向の位置が決められる。その結果、図6(c)に示すように、半導体基板1が収納容器18の中に移動させられる。収納容器18にはレール18cが形成されており、レール18cは中継台79に形成された凹部の延長線上に位置するようになっている。そして、基板押出部78によって半導体基板1はレール18cに沿って移動させられる。これにより、半導体基板1は収納容器18に品質良く収納される。
搬送部13が中継台79上に半導体基板1を移動した後、昇降装置75が収納容器18を上昇させる。そして、基板押出部78が腕部78aを駆動して半導体基板1を収納容器18内に移動させる。このようにして収納部12は半導体基板1を収納容器18内に収納する。収納容器18内に所定の枚数の半導体基板1が収納された後、操作者は半導体基板1が収納された収納容器18と空の収納容器18とを置き換える。これにより、操作者は複数の半導体基板1をまとめて次の工程に持ち運ぶことができる。
収納部12は収納する半導体基板1を載置する中継場所12aを有している。搬送部13は半導体基板1を中継場所12aに載置するだけで、収納部12と連携して半導体基板1を収納容器18に収納することができる。
(搬送部)
次に、半導体基板1を搬送する搬送部13について図7に従って説明する。図7は、搬送部の構成を示す概略斜視図である。図7に示すように、搬送部13は平板状に形成された基台82を備えている。基台82上には支持台83が配置されている。支持台83の内部には空洞が形成され、この空洞にはモーター、角度検出器、減速機等から構成される回転機構83aが設置されている。そして、モーターの出力軸は減速機と接続され、減速機の出力軸は支持台83の上側に配置された第1腕部84と接続されている。また、モーターの出力軸と連結して角度検出器が設置され、角度検出器がモーターの出力軸の回転角度を検出する。これにより、回転機構83aは第1腕部84の回転角度を検出して、所望の角度まで回転させることができる。
第1腕部84上において支持台83と反対側の端には回転機構85が設置されている。回転機構85はモーター、角度検出器、減速機等により構成され、支持台83の内部に設置された回転機構と同様の機能を備えている。そして、回転機構85の出力軸は第2腕部86と接続されている。これにより、回転機構85は第2腕部86の回転角度を検出して、所望の角度まで回転させることができる。
第2腕部86上において回転機構85と反対側の端には昇降装置87が配置されている。昇降装置87は直動機構を備え、直動機構を駆動することにより伸縮することができる。この直動機構は、例えば、供給部8の昇降装置16と同様の機構を用いることができる。昇降装置87の下側には回転装置88が配置されている。
回転装置88は回転角度を制御可能であれば良く、各種モーターと回転角度センサーとを組み合わせて構成することができる。他にも、回転角度を所定の角度にて回転できるステップモーターを用いることができる。本実施形態では、例えば、ステップモーターを採用している。さらに減速装置を配置しても良い。さらに細かな角度で回転させることができる。
回転装置88の図中下側には把持部13aが配置されている。そして、把持部13aは回転装置88の回転軸と接続されている。従って、搬送部13は回転装置88を駆動することにより把持部13aを回転させることができる。さらに、搬送部13は昇降装置87を駆動することにより把持部13aを昇降させることができる。
把持部13aは4本の直線状の指部13cを有し、指部13cの先端には半導体基板1を吸引して吸着させる吸着機構が形成されている。そして、把持部13aはこの吸着機構を作動させて、半導体基板1を把持することができる。
基台82の−Y方向側には制御装置89が設置されている。制御装置89には中央演算装置、記憶部、インターフェース、アクチュエーター駆動回路、入力装置、表示装置等を備えている。アクチュエーター駆動回路は回転機構83a、回転機構85、昇降装置87、回転装置88、把持部13aの吸着機構を駆動する回路である。そして、これらの装置及び回路はインターフェースを介して中央演算装置と接続されている。他にも角度検出器がインターフェースを介して中央演算装置と接続されている。記憶部には搬送部13を制御する動作手順を示したプログラムソフトや制御に用いるデータが記憶されている。中央演算装置はプログラムソフトに従って搬送部13を制御する装置である。制御装置89は搬送部13に配置された検出器の出力を入力して把持部13aの位置と姿勢とを検出する。そして、制御装置89は回転機構83a及び回転機構85を駆動して把持部13aを所定の位置に移動させる制御を行う。
(印刷方法)
次に上述した印刷装置7を用いた印刷方法について図8にて説明する。図8は、印刷方法を示すためのフローチャートである。
図8のフローチャートに示されるように、印刷方法は、半導体基板1を収納容器18から搬入する搬入工程S1、搬入された半導体基板1の表面に対して前処理を施す前処理工程S2、前処理工程S2で温度上昇した半導体基板1に対して各種マークを描画印刷する印刷工程S3、各種マークが印刷された半導体基板1に対して後処理を施す後処理工程S4、後処理が施された半導体基板1を収納容器18に収納する収納工程S5を主体に構成される。
上記の工程の中、前処理工程S2から後処理工程S4に至る工程が本発明の特徴部分であるため、以下の説明においては、この特徴部分について説明する。なお、本発明においては、前処理工程S2を行わない場合についても適用可能である。
前処理工程S2においては、前処理部9では第1ステージ27と第2ステージ28とのうち一方のステージが中継場所9cに位置している。搬送部13は中継場所9cに位置するステージと対向する場所に把持部13aを移動させる。続いて、搬送部13は把持部13aを下降させた後、半導体基板1の吸着を解除することにより、半導体基板1を中継場所9cに位置する第1ステージ27もしくは第2ステージ28上に載置する。その結果、中継場所9cに位置する第1ステージ27上に半導体基板1が載置される(図3(b)参照)。もしくは、中継場所9cに位置する第2ステージ28上に半導体基板1が載置される(図3(a)参照)。
第1ステージ27及び第2ステージ28は、加熱装置27H、28Hにより予め加熱されており、第1ステージ27または第2ステージ28に載置された半導体基板1は直ちに所定温度(120℃)に加熱される。
また、搬送部13が第1ステージ27上に半導体基板1を移動するとき、前処理部9の内部にある処理場所9dでは第2ステージ28上の半導体基板1の前処理が行われている。そして、第2ステージ28上の半導体基板1の前処理が終了した後、第2ステージ28が第2中継場所9bに半導体基板1を移動させる。次に、前処理部9は第1ステージ27を駆動することにより、第1中継場所9aに載置された半導体基板1をキャリッジ31と対向する処理場所9dに移動させる。これにより、第2ステージ28上の半導体基板1の前処理が終了した後、すぐに、第1ステージ27上の半導体基板1の前処理を開始することができる。
続いて、前処理部9では、半導体基板1に実装された半導体装置3に紫外線を照射する。これにより、半導体装置3の表面層における有機系被照射物の化学結合を切断するとともに、紫外線で発生したオゾンから分離した活性酸素がその切断された表面層の分子に結合し、親水性の高い官能基(例えば−OH、−CHO、−COOH)に変換され、基板1の表面を改質するとともに、表面の有機物除去が行われる。ここで、半導体装置3(半導体基板1)は、上述したように、予め120℃に加熱された状態で紫外線が照射されるため、半導体基板1に損傷が及ぶことなく、表面層の分子の衝突速度を大きくして、効果的に表面を改質できるとともに、表面の有機物を効率的に除去できる。前処理を行った後に前処理部9は第1ステージ27を駆動することにより、半導体基板1を第1中継場所9aに移動させる。
同様に、搬送部13が第2ステージ28上に半導体基板1を移動するときには、前処理部9の内部にある処理場所9dでは第1ステージ27上の半導体基板1の前処理が行われている。そして、第1ステージ27上の半導体基板1の前処理が終了した後、第1ステージ27が第1中継場所9aに半導体基板1を移動させる。次に、前処理部9は第2ステージ28を駆動することにより、第2中継場所9bに載置された半導体基板1をキャリッジ31と対向する処理場所9dに移動させる。これにより、第1ステージ27上の半導体基板1の前処理が終了した後、直に、第2ステージ28上の半導体基板1の前処理を開始することができる。続いて、前処理部9は半導体基板1に実装された半導体装置3に紫外線を照射することにより、上記第1ステージ27上の半導体基板1と同様に、半導体基板1に損傷が及ぶことなく、効果的に表面を改質できるとともに、表面の有機物を効率的に除去できる。前処理を行った後に前処理部9は第2ステージ28を駆動することにより、半導体基板1を第2中継場所9bに移動させる。
前処理工程S2で半導体基板1の前処理が完了した後、搬送部13は中継場所9cにある半導体基板1を中継場所10aに設けられた塗布部10のステージ39上に搬送する。印刷工程S4において、塗布部10はチャック機構を作動させてステージ39上に載置された半導体基板1をステージ39に保持する。
このとき、塗布部10では、制御部14が加熱装置39Hを駆動することにより、載置面41が120℃に加熱されている。すなわち、半導体基板1は前処理部9で加熱された温度を保持した状態でステージ39の載置面41に載置されることとなる。従って、本実施形態では半導体基板1の温度を保持したまま、載置面41上で塗布工程を行うことができる。
具体的に、塗布部10は、ステージ39に対してキャリッジ45を、例えば+X方向に走査移動(相対移動)しながら、各液滴吐出ヘッド49に形成されたノズル52から液滴57を吐出する。
120℃に加熱された半導体基板1上に着弾したインクは、加熱されることで粘度が低下し、半導体基板1の表面に良好に濡れ拡がる。また、本実施形態では、半導体基板1を上述したインクに含まれるモノマーの沸点よりも高い温度である120℃で加熱するため、半導体基板1に着弾したインク滴のモノマーを揮発させることができる。加熱温度は、80℃以上が好ましく、120℃以上であることがさらに好ましい。そして、加熱温度としては、80℃から300℃の範囲が好ましく、80℃から300℃の範囲がさらに好ましい。加熱温度の上限値は、半導体基板の耐熱性により制限されるが、例えば、300℃以下であることが好ましく、より好ましくは200℃以下が好ましい。
ここで、インクの組成物としては、N−ビニルカプロラクタムを所定の含有量で含むことが好ましい。特に、N−ビニルカプロラクタムは、加熱することで、密着性、耐擦性、及びアルコール耐性のうち少なくともいずれかの効果をさらに発揮するため、これを含むことが好ましい。N−ビニルカプロラクタムは、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、5〜15質量%含まれ、好ましくは6〜10質量%含まれる。また、上記のモノマーAをさらに含有することが好ましい。モノマーAは、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、20〜50質量%含まれ、好ましくは22〜40質量%含まれる。含有量が上記範囲内であると、インクの密着性、耐擦性、及びアルコール耐性を良好なものとすることができる。さらに、モノマーAの含有量が上述の範囲内であることに加えて、N−ビニルカプロラクタムの含有量が上記範囲内であると、インクの密着性、耐擦性、及びアルコール耐性に優れたものとなる。
ここで、載置面41の加熱温度の違いによる半導体基板1(半導体装置3)に描画されたマークに関する評価結果について説明する。図9は評価結果を示すものである。本評価では、マークの視認性、耐擦性、耐溶剤性(アルコール耐性)を評価した。なお、本評価では液滴吐出ヘッドから吐出するインクの温度を40℃とした。
視認性における評価は、目視観察により行った。評価基準は以下の通りである。◎及び○が実用上許容できる評価基準である。
◎:塗膜に滲みがない。
○:塗膜の一部に滲みがあるが、実用上問題が無い。
△:塗膜の一部に滲みがあり、実用上問題がある。
×:塗膜の全部に滲みがあり、マークの識別が不可である。
耐擦性における評価は、荷重変動型摩擦磨耗試験システム(トライボギアTYPE−HHS2000〔商品名〕、新東科学社製)を用いて塗膜の剥がれ度合いを確認した。条件は、荷重を一定としつつΦ0.2mmのサファイア針でベタ印刷により形成された画像を引掻き、塗膜の剥がれた程度を確認した。
耐溶剤性(アルコール耐性)における評価は、得られた印刷物を、イソプロピルアルコール溶液に1分間浸漬させた。その後、溶液から取り出し、上記耐擦性評価と同様の条件で、塗膜の剥がれた程度を確認した。
上記耐擦性及び耐溶剤性における評価基準は以下の通りである。◎及び○が実用上許容できる評価基準である。
◎:塗膜にキズ、剥離がない。
○:塗膜の一部にキズがあるが、剥離は見られない。
△:塗膜の一部にキズがつき、塗膜が剥離する。
×:塗膜の全部にキズがつき、塗膜が剥離する。
図10に示されるように、載置面41を加熱する加熱装置39Hの温度を120℃に設定した場合、視認性、耐擦性、及び耐溶剤性のいずれにおいても良好な結果が得られることが確認できる。また、載置面41を加熱する加熱装置39Hの温度を80℃に設定した場合、耐擦性・耐溶剤性を改善できることが確認できる。一方、載置面41を加熱しない場合、良好な視認性を得ることができるものの、耐擦性及び耐溶剤性では良好な結果が得られない。これにより、上述のように半導体基板1を加熱する温度が重要であることを示している。すなわち、半導体基板1をインク滴のモノマーを揮発させることができる温度、すなわちモノマーの沸点以上に設定する必要があることを示している。
以上のようにして、半導体装置3の表面には会社名マーク4、機種コード5、製造番号6等のマークが描画される。そして、走査移動方向における後方側であるキャリッジ45の−X側に設置された硬化ユニット48からマークに紫外線が照射される。これにより、マークを形成するインク54には紫外線により重合が開始する光重合開始剤が含まれているため、マークの表面が直ちに固化または硬化される。
このとき、二つの液滴吐出ヘッド49は、副走査方向であるY方向に沿って配置され、ノズル列60についてもY方向に直線状に配置されているため、液滴57が半導体装置3に吐出されてから紫外線に照射されて硬化するまでのピニング時間は、二つの液滴吐出ヘッド49間で差が生じずに同一となる。
キャリッジ45の+X方向への走査移動が完了すると、ステージ39を例えば+Y方向に距離LN(=LH)フィードする。そして、ステージ39に対してキャリッジ45を、−X方向に走査移動(相対移動)しながら、各液滴吐出ヘッド49に形成されたノズル52から液滴57を吐出しつつ、走査移動方向における後方側であるキャリッジ45の+X側に設置された硬化ユニット48からマークに紫外線が照射される。
これにより、一回目の走査移動で液滴が吐出されなかった二つの液滴吐出ヘッド49間のエリアに対しても液滴が吐出される。また、二回目の走査移動による液滴吐出においても、液滴57が半導体装置3に吐出されてから紫外線に照射されて硬化するまでのピニング時間は、二つの液滴吐出ヘッド49間で差が生じずに同一となる。さらに、ノズル列60(実ノズル列60A)と両側の硬化ユニット48とのX方向の距離が同一であるため、一回目の走査移動による液滴吐出と二回目の走査移動による液滴吐出とでピニング時間が同一となる。このようにして印刷工程S3が行われる。
上述の印刷工程S3が終了した後、後処理工程S4が行われる。具体的には、制御部14は加熱装置39Hを180℃で加熱し、載置面41上の半導体基板1に描画されたマークを本硬化させる。これにより、半導体基板1に対するマークの耐摩耗性等を向上させることができる。
半導体基板1に対する印刷を行った後に塗布部10は半導体基板1が載置されたステージ39を中継場所10aに移動させる。これにより、搬送部13が半導体基板1を把持し易くすることができる。そして、塗布部10はチャック機構の動作を停止して半導体基板1の保持を解除する。
この後、半導体基板1は、収納工程S5において、搬送部13により収納部12に搬送され、収納容器18に収納される。
以上説明したように、本実施形態によれば、加熱した半導体装置3上にインクが吐出されるため、着弾したインク滴は粘度が低下することで半導体装置3上に良好に濡れ拡がるようになる。また、本実施形態では、半導体装置3を120℃以上に加熱しているため、半導体装置3上に濡れ広がったインク滴のモノマーを揮発させることができる。よって、上述の評価結果に示したように耐擦性及び耐溶剤性に優れるとともに、滲みが少なく良好な視認性を備えた高品質の印刷を行うことができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、UVインクとして紫外線硬化型インクを用いたが、本発明はこれに限定されず、可視光線、赤外線を硬化光として使用することができる種々の活性光線硬化型インクを用いることができる。
また、光源も同様に、可視光等の活性光を射出する種々の活性光光源を用いること、つまり活性光線照射部を用いることができる。
ここで、本発明において「活性光線」とは、その照射によりインク中において開始種を発生させうるエネルギーを付与することができるものであれば、特に制限はなく、広く、α線、γ線、X線、紫外線、可視光線、電子線などを包含するものである。中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点からは、紫外線及び電子線が好ましく、特に紫外線が好ましい。従って、活性光線硬化型インクとしては、本実施形態のように、紫外線を照射することにより硬化可能な紫外線硬化型インクを用いることが好ましい。
上記実施形態では、塗布部10と前処理部9は別で設けたが、塗布部10において前処理を施してもよい。この場合、塗布部10内におけるキャリッジ45などと干渉しない位置に低圧水銀ランプ32を設けてもよい。そして、前処理部9の第1ステージ27または第2ステージ28を、塗布部10のステージ39と兼用されることになる。したがって、加熱装置を減らすことができる。上記実施形態では、前処理部9で半導体基板1を加熱して処理を行った後、塗布部10に半導体装置を搬送して半導体基板1を加熱していたが、これを共通化することができる。これにより処理時間を短縮できる。例えば、所定温度になるまでの待機時間を2回に行っていたが、待機時間を減らすことができる。また、前処理と塗布の間で搬送しないため、前処理と塗布の間の温度低下を抑制できる。この場合、前処理時の温度と塗布時の温度は、同等の温度であることが好ましい。同等の温度とは、たとえば、温度差が30℃以下である。
1…半導体基板(基材)、 3…半導体装置、 7…印刷装置、 9…前処理部(前処理部)、 10…塗布部(印刷部)、 39H…加熱装置(加熱部)、 49…液滴吐出ヘッド(吐出ヘッド)、48…硬化ユニット(照射部)、 52…ノズル、 54…インク(液体)、 57…液滴

Claims (8)

  1. 半導体装置に吐出ヘッドのノズルから活性光線で硬化する液体の液滴を吐出する吐出工程と、
    前記半導体装置上の前記液滴に前記活性光線を照射する照射工程と、を備え、
    前記吐出工程においては、加熱した状態の前記半導体装置に対して前記液滴を吐出することを特徴とする印刷方法。
  2. 前記吐出工程においては、前記半導体装置を80℃以上に加熱することを特徴とする請求項1に記載の印刷方法。
  3. 前記吐出工程においては、前記半導体装置を120℃以上に加熱することを特徴とする請求項1に記載の印刷方法。
  4. 前記吐出工程に先立ち、前記半導体装置に対して紫外線を照射して表面処理を行う表面処理工程をさらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の印刷方法。
  5. 半導体装置に活性光線で硬化する液体の液滴を吐出するノズルを有する吐出ヘッドと、
    前記吐出ヘッドの前記ノズルから前記半導体装置の表面に前記液滴が吐出される際、前記半導体基板を加熱する加熱部と、
    前記半導体装置に吐出された前記液滴に前記活性光線を照射する照射部と、を備えることを特徴とする印刷装置。
  6. 前記加熱部は、前記半導体装置を80℃以上に加熱することを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
  7. 前記加熱部は、前記半導体装置を120℃以上に加熱することを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
  8. 半導体装置に対して紫外線を照射して表面処理を行う表面処理部をさらに備える請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の印刷装置。
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