JP2007211101A - 光硬化型インクの硬化方法およびインクジェット記録方法 - Google Patents

光硬化型インクの硬化方法およびインクジェット記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007211101A
JP2007211101A JP2006031474A JP2006031474A JP2007211101A JP 2007211101 A JP2007211101 A JP 2007211101A JP 2006031474 A JP2006031474 A JP 2006031474A JP 2006031474 A JP2006031474 A JP 2006031474A JP 2007211101 A JP2007211101 A JP 2007211101A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording medium
ink layer
ink
temperature
heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006031474A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4659633B2 (ja
Inventor
Kazuhiko Otsu
和彦 大津
Ryozo Akiyama
良造 秋山
Hiroshi Kiyomoto
博史 清本
Yukiko Kawakami
由紀子 川上
Chiaki Tanuma
千秋 田沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba TEC Corp
Original Assignee
Toshiba TEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba TEC Corp filed Critical Toshiba TEC Corp
Priority to JP2006031474A priority Critical patent/JP4659633B2/ja
Publication of JP2007211101A publication Critical patent/JP2007211101A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4659633B2 publication Critical patent/JP4659633B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】種々の記録媒体に印刷可能であり、密着性に優れたインク層が得られる光硬化型インクの硬化方法を提供する。
【解決手段】ビニルエーテル基を有する化合物を含む酸重合性溶媒と光酸発生剤と色成分とを含有する光硬化型インクを含むインク層を記録媒体上に形成する工程と、前記光酸発生剤に光を照射して前記光酸発生剤から酸を発生させて前記インク層の一部を硬化させる光照射工程と、光照射後のインク層のインク粘度を低下させ、前記酸が前記インク層中に拡散するのを助長しインク層の硬化を促進させ、他の物質の介在なしにインク層が記録媒体に密着するように、インク層が形成された記録媒体を加熱する加熱工程とを具備する。光照射工程では、50mJ/cm2以上の光量とともに熱が記録媒体に与えられ、インク層の温度は初期温度より高められる。加熱工程では、インク層が形成された記録媒体を、インク層の温度が初期温度に戻る前に50J/cm3以上の熱量で加熱することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、光照射により発生したインク中の酸が、加熱して拡散することにより硬化する光硬化型インクの硬化方法、およびインクジェット記録方法に関する。
光照射によってインクを記録媒体上に硬化定着させるUVインクを用いたインクジェット記録方式の印刷装置は、様々な記録媒体に印刷することが可能であることから、プリント基材への印刷など、産業用インクジェット記録装置として期待されている。(例えば、特許文献1参照)。
ここで使用されるインクは、ラジカル発生剤などの発癌性成分を多く含むうえ、ラジカル重合性モノマーとして使用する揮発性のアクリル酸誘導体は、皮膚刺激や臭気が大きい。すなわち、こうしたインクは、取り扱いに注意を要する。さらに、ラジカル重合は、空気中の酸素の存在によって著しく阻害されるのに加え、インク中に含まれる顔料が露光光を吸収してしまうため、インク層の深部では露光量が不足しがちである。そのため、従来のラジカル重合性のインクは光に対する感度が低く、したがって、この技術で高品質な印刷物を得るためには非常に大掛かりな露光システムが必要である。また、一般的なUVインクは、硬化時の収縮が大きいため印刷できる記録媒体が制限されることが多い。
一方、光カチオン重合性の感光性インクは、比較的臭気が少なく安全性も高く、酸素の影響を受けない。しかも、このタイプのUVインクは、ラジカル重合性型のUVインクに比べて収縮が小さいため、色々な種類の記録媒体に印刷できることが期待されている。
光カチオン重合性の感光性インクを用いた記録装置には、インク層の硬化を促進するために、加熱手段を設けたインクジェット記録装置が提案されている(例えば、特許文献2および特許文献3参照)。ここで用いられるのは、光照射により酸を発生する光酸発生剤と、色成分と、酸の存在下で重合する溶媒とを含有する光硬化性インクジェットUVインクである。加熱により、触媒としての酸がインク層内部まで拡散して、インクの重合硬化が促進される。このような記録装置は、加熱手段を別途設けなくてはならないが、吸収紙面の内部に浸透したインクも硬化させることができるなどの効果を有する。
しかしながら、このような光カチオン硬化型のインクジェットインクは、重合反応の性質上、分子レベルの水分の影響を受けやすいという問題がある。
特に、硬化するときの湿度や温度など硬化時の環境に影響を受けやすく、低温あるいは高湿の環境においては重合反応が悪化して硬化しにくくなる。
そのため、記録ヘッド内部のインク温度や記録媒体の温度を制御する手段を備えた記録装置(例えば、特許文献4参照)や、記録媒体上のインクを加熱する手段を備えた記録装置(例えば、特許文献5参照)や、また、光照射とインク温度を制御する機構を設けたものなどが知られている(例えば、特許文献6参照)。
また、このような光カチオン硬化型のインクジェットインクとしては、ビニルエーテル化合物を含有したものなどが知られている(例えば、特許文献7参照)。
特開2001−310454号公報 特開2002−137375号公報 特開2004−2668号公報 特開2004−34543号公報 特開2004−25480号公報 特開2004−90303号公報 特開2005−154734号公報
上述したように光カチオン硬化型インクは、ラジカル重合性モノマーを用いたラジカルUVインクに比べて収縮が小さいため、樹脂系、金属系、およびガラス系など種々の記録媒体に印刷できる。しかしながら、各々の記録媒体は、記録媒体により少なからず表面の機械的な状態や化学的な状態の違いがある。樹脂系、金属系、およびガラス系といった材質の異なる記録媒体に印刷を行なうためには、それら記録媒体に合わせて性質の異なるインクに調整し使用する必要があった。
UVインクジェット記録方式は、種々の記録媒体に印刷できる可能性を有しているものの、その特徴は十分に活かされていない。また、インクコストの低減や市場の拡大に支障を来たしているのが現状である。
また、特に金属やガラス等のような無機材料からなり、表面が比較的平滑な記録媒体上に、光硬化性インクを用いて密着性に優れたインク層を形成し得るインクジェット記録方法は、未だ得られていない。
そこで本発明は、種々の記録媒体、特に金属やガラスなどからなる記録媒体に印刷可能であり、密着性に優れたインク層が得られる光硬化型インクの硬化方法を提供することを目的とする。
また本発明は、光硬化型インクをインクジェット方式により吐出して、密着性の優れたインク層を含む良好な画像を形成するインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様にかかる光硬化型インクは、ビニルエーテル基を有する少なくとも1種の化合物を含み、酸の存在下で重合する溶媒と、光照射により酸を発生する光酸発生剤と、色成分とを含有する光硬化型インクを、記録媒体上に付着させてインク層を形成する工程と、
前記インク層に前記光酸発生剤に吸収される波長を含む光照射を行ない、前記インク層中の前記光酸発生剤から酸を発生させて前記インク層の一部を硬化させる光照射工程と、
光照射後のインク層のインク粘度を低下させ、前記光照射により発生した酸が前記インク層中に拡散するのを助長し前記インク層の硬化を促進させるとともに、他の物質の介在なしに前記インク層が前記記録媒体に密着するように、前記インク層が形成された前記記録媒体を加熱する加熱工程とを具備し、
前記光照射工程においては、少なくとも50mJ/cm2の光量とともに熱が前記記録媒体に与えられて、前記インク層の温度は初期温度より高められ、
前記加熱工程においては、前記インク層の温度が前記初期温度に戻る前に、前記インク層が形成された前記記録媒体を、少なくとも50J/cm3の熱量で加熱することを特徴とする。
本発明の他の態様にかかる光硬化性インクの硬化方法は、ビニルエーテル基を有する少なくとも1種の化合物を含み、酸の存在下で重合する溶媒と、光照射により酸を発生する光酸発生剤と、色成分とを含有する光硬化型インクを、記録媒体上に付着させてインク層を形成する工程と、
前記インク層に前記光酸発生剤に吸収される波長を含む光照射を行ない、前記インク層中の前記光酸発生剤から酸を発生させて前記インク層の一部を硬化させる光照射工程と、
光照射後のインク層のインク粘度を低下させ、前記光照射により発生した酸が前記インク層中に拡散するのを助長し前記インク層の硬化を促進させるとともに、界面に他の物質なしに前記インク層が前記記録媒体に密着するように、前記インク層が形成された前記記録媒体を加熱する加熱工程とを具備し、
前記光照射工程においては、前記記録媒体上に形成された前記インク層が、タックフリーとなるまで光照射が行なわれ、
前記加熱工程においては、前記記録媒体とともにインク層を少なくとも50J/cm3の熱量で加熱することを特徴とする。
本発明の一態様にかかるインクジェット記録方法は、光硬化性インクをインクジェット方式により記録媒体に吐出して硬化させ、記録を行なう方法であって、前記感光性インクの硬化は前述のいずれかの方法により行なわれることを特徴とする
本発明の一態様によれば、密着性に優れたインク層が得られる光硬化型インクの硬化方法が提供される。本発明の他の態様によれば、光硬化型インクをインクジェット方式により吐出して、密着性の優れたインク層を含む良好な画像を形成するインクジェット記録方法が提供される。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明の実施形態にかかる光硬化型インクの硬化方法においては、ビニルエーテル基を有する少なくとも1種の化合物を含み、酸の存在下で重合する溶媒と、光照射により酸を発生する光酸発生剤と、色成分とを含有する光硬化型インクが用いられる。こうしたインクの像形成能力は化学増幅機構に依存し、まず、紫外線などの光照射によって光酸発生剤から酸が発生し、この酸が加熱によって拡散して架橋反応の触媒として機能する。
ここで照射される紫外線は、光酸発生剤に吸収される波長を含むものである。酸が拡散することにより、例えば色材などの影響で光が届かず酸が発生しない部分にも酸が行き渡って、広範囲で硬化が促進される。
また、光カチオン硬化型インクは、硬化される過程において、その硬化特性が温度・湿度などの雰囲気環境の影響を受けやすい。そのため、インク近傍の雰囲気環境を最適に制御して硬化特性への影響を少なくすれば、さらに安定に硬化が促進される。
しかしながら、硬化させるときのインク近傍の雰囲気環境を最適に制御するには、工程の複雑化や大型化などの問題もある。
特に本発明の実施形態にかかるインクジェット記録方法においては、インクを安定して吐出させるために、インクは所定の粘度に調整されることが望まれる。常温で所定範囲の流動性を有し、例えば、25℃における粘度は50mPa・s以下であることが好ましく、30mPa・s以下がより好ましい。
本発明の実施形態にかかる方法に用いられる光硬化型インクにおいて、酸の存在下で重合する溶媒(酸重合性溶媒)としては、具体的には、ビニルエーテル基を有する化合物の他に、脂環式骨格および/または脂肪族骨格を含むエポキシ化合物、オキシラン基含有化合物、およびオキセタン環含有化合物からなる群から選択される少なくとも一種を用いることができる。特に、常温常圧で50mPa・s以下の粘度、摂氏100℃以上の沸点を有する脂環式骨格および/または脂肪族骨格を有する酸重合性化合物が、酸重合性溶媒として好ましい。
特に、下記化学式で表わされるいずれかの化合物が酸重合性溶媒として好ましい。かかる化合物は、AMES試験による変異原性が極めて低く安全性が高いとともに、様々な記録媒体特に金属系記録媒体への密着性に優れ、高い硬化硬度を備えている点で優れた特性を発揮することが、本発明者らによって見出された。
Figure 2007211101
光照射により酸を発生する光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩、ジアゾニウム塩、キノンジアジド化合物、有機ハロゲン化物、芳香族スルフォネート化合物、バイスルフォン化合物、スルフォニル化合物、スルフォネート化合物、スルフォニウム化合物、スルファミド化合物、ヨードニウム化合物、スルフォニルジアゾメタン化合物、およびそれらの混合物等を用いることができる。
光酸発生剤は、通常、酸重合性溶媒100重量部に対して、正味で0.5重量部以上10重量部以下程度の割合で用いられる。ポリカーボネート等との1:1混合物の場合では、酸重合性溶媒100重量部に対して1重量部以上20重量部以下程度の割合で用いられる。光酸発生剤の配合量は、酸重合性溶媒100重量部に対して1重量部以上12重量部以下程度であることがより好ましい。
上述した成分に加えて、本発明の実施形態に用いられる光硬化型インクには色成分が含有される。色成分としては顔料を用いることができ、有機および無機のいずれでも構わない。色成分の配合量は、通常、酸重合性溶媒100重量部に対して0重量部以上20重量部以下程度である。色成分のより好ましい配合量は、酸重合性化合物100重量部に対して3重量部以上6重量部以下程度である。特に、250nm付近または365nm付近にピークを有する紫外線が光照射に用いられる場合には、光硬化型インクは、酸の存在下で重合する溶媒100重量部に対して3〜20重量部の顔料分として含有していることが好ましい。
所定の成分を均一に混合し、PTFE製フィルターなどを用いてこれを濾過することによって、本発明の実施形態にかかる方法に用いられる光硬化型インクが得られる。
次に、図面を参照し、インクジェット記録装置を用いた光硬化型インクの硬化方法を例に挙げて、本発明の実施形態にかかる方法を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の概略的に示す図である。インクジェット記録装置1は、記録媒体2を搬送する搬送手段3を備えている。搬送手段3の移動方向に沿って上流側から下流側に向かって、少なくとも、記録媒体温度調整手段7、インクジェット記録ヘッド4、光照射手段5、および加熱手段6が順次配置されている。図示するインクジェット記録装置1においては、記録媒体2を収容する記録媒体予備加熱ストッカー16が、搬送手段3の前段に設けられているが、必ずしもこうした構成に限定されない。場合によっては、図2に示されるように、記録媒体2を予備加熱するための記録媒体温度調整手段7とともに、記録媒体予備加熱ストッカー16を省略することもできる。
記録媒体2は、光硬化型インクで印刷可能な基材(記録媒体)であれば特に限定されない。例えば、紙、木、OHPシート、樹脂フィルム、不織布、多孔質膜、プラスチック板、回路基板、金属基板、金属板、ガラス板、セラミック板、およびタイルなどの陶器類などを、記録媒体2として使用することができる。こうした材料の組み合わせによって、記録媒体2が構成されてもよい。例えば、金属板上に樹脂が積層された構造や、鉄板にガラスコーティングされたホーローなどが挙げられる。
また、記録媒体2は、図示するような平板状のものに限定されず、立体的な形状であっても良い。
搬送手段3は、記録媒体2が、記録媒体温度調整手段7、インクジェット記録ヘッド4、光照射手段5、および加熱手段6の正面を順次通過するように記録媒体2を搬送する。図示するインクジェット記録装置1においては、搬送手段3は、記録媒体2を、図中、右側から左側へ向けて搬送する。搬送手段3は、例えば、記録媒体2を移動させるベルトおよび/またはローラと、それを駆動する駆動機構(図示せず)とによって構成することができる。また、搬送手段3には、記録媒体2の移動を補助するガイド部材などをさらに設けてもよい。あるいは、搬送手段3は、枚葉の記録媒体2を搬送させるようなリニアベースの上をスライド移動するステージ構造とすることもできる。
インクジェット記録ヘッド4は、画像信号に対応して記録媒体2上に光硬化型インクを吐出しインク層を形成する。インクジェット記録ヘッド4としては、例えば、キャリッジに搭載されたシリアル走査型インクジェットヘッドや、記録媒体2の幅以上の幅を有するライン走査型インクジェットヘッドを使用することができる。高速印刷の観点では、通常、後者の方が前者に比べて有利である。また、インクジェット記録ヘッド4は、単色または多色で複数台備えていてもよい。インクジェット記録ヘッド4から光硬化型インクを吐出する方法は、特に制限されない。例えば、発熱体の熱により発生する蒸気の圧力を利用してインク滴を飛翔させるといった手法を採用することができる。あるいは、圧電素子によって発生する機械的な圧力パルスを利用してインク滴を飛翔させてもよい。
インク層は、20μm以下の膜厚で記録媒体2上に形成することが望まれる。インク層の膜厚が20μmを越えると、光照射手段の光による酸の発生と加熱手段による酸の拡散が不十分となり、インク層内部に未硬化部が発生する問題が生じるおそれがある。
光照射手段5は、記録媒体2上のインク層に光を照射して、インク層中に酸を発生させる。こうして発生した酸によって、酸重合性溶媒の重合が開始し、インク層の一部が硬化する。光照射手段5としては、例えば、低、中、高圧水銀ランプのような水銀ランプ、タングステンランプ、キセノンランプ、アーク灯、エキシマランプ、エキシマレーザ、半導体レーザ、YAGレーザ、レーザと非線形光学結晶とを組み合わせたレーザシステム、高周波誘起紫外線発生装置、電子線照射装置、X線照射装置、紫外線LEDランプなどを使用することができる。なかでも、高出力・高効率であり、システムを簡便化できるため、高周波誘起紫外線発生装置、高・低圧水銀ランプや半導体レーザなどを使用することが望ましい。紫外線を用い場合の波長は、100nm〜600nm程度が好ましい。光照射手段5から出力される光は、紫外線に限定されるものではない。光硬化型インクに含有される光酸発生剤の感度波長に応じて、適宜選択することができる。特に、250nm付近または365nm付近にピークを有することがより好ましい。また、光照射手段5に集光用ミラーや走引光学系を設けることもできる。
本発明の実施形態にかかる硬化方法においては、少なくとも50mJ/cm2の光量の光が、インク層が形成された記録媒体に照射される。ここでの光量は、トプコン社製照度計UVR−T1(センサ部:UD−T36)で測定した値である。インク層の硬化に必要な酸の発生が不十分になることから、光量の下限は50mJ/cm2に規定される。露光の光量が大きすぎる場合には、インク層表面近傍で急激に酸が発生してしまい、表面近傍が初期的に完全硬化してしまう。この場合には、引き続いて加熱しても酸の拡散が不十分となり、結果的に硬化不良に陥るおそれがある。これを避けるためには、インク層に照射される光の光量は最大でも300mJ/cm2程度にとどめることが望まれる。
また、インク層が形成された記録媒体には、上述したような光量の光とともに熱も与えられ、それによってインク層とともに記録媒体が加熱される。その結果、インク層の温度は初期温度(光照射直前の温度)よりも高められる。
加熱手段6は、記録媒体2上のインク層を加熱して、光照射によりインク層中に発生した酸を触媒とした架橋反応を促進する。例えば、赤外線ランプ、(遠赤外線)ハロゲンヒーター、遠赤外線セラミックヒーター、発熱体を内蔵したローラ(熱ローラ)、IHヒーター、温風または熱風を吹き出すブロワなどを使用することができる。遠赤外線セラミックヒーターとしては、例えば、(株)ノリタケカンパニーリミテッド製の遠赤外線セラミックヒーターPLC−32シリーズなどが挙げられる。特に、印刷速度が数十m/minという高速な印刷装置において、ステンレス、アルミ、銅などの金属製の記録媒体が用いられる場合には、記録媒体の表面温度を瞬的に昇温することが望まれる。非接触タイプの集光型ハロゲンヒーター、例えば、インフリッヂ工業(株)社製ハロゲンラインヒーター 集光型NIL−2などを用いることによって、これを達成することができる。
特に、本発明の実施形態にかかる方法においては、インク層の温度が初期温度に戻る前に、少なくとも50J/cm3の熱量でインク層の加熱が行なわれる。インク層の温度が初期温度に戻った場合には、加熱手段による加熱量を高める必要がある。また、インク層内部で進行する酸の拡散がスムーズに行なわれず、結果として硬化不良が起こるといった点で不利となる。加熱の熱量は、温度や時間、さらには、加熱手段の出力といった条件を変更することによって、50J/cm3以上に設定することができる。
記録媒体の材質に応じて、温度や時間を選択して最適な条件で加熱を行なうことが望まれる。例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、およびアクリルなどの樹脂製の記録媒体の場合には、少なくとも60℃の温度で少なくとも1分間の加熱を行なえばよい。また、ステンレス、アルミニウム、銅、真鍮などの金属製の記録媒体の場合には、少なくとも80℃の温度で少なくとも5分の加熱が好ましい。あるいは、少なくとも120℃の温度で少なくとも1分間の加熱を行なってもよい。さらに、タイル、セラミックス、石材などのガラス・陶磁系の記録媒体の場合には、少なくとも100℃の温度で少なくとも5分間、あるいは、少なくとも120℃の温度で少なくとも1分間の加熱を行なうことができる。
いずれの材料からなる記録媒体の場合も、少なくとも50J/cm3の熱量での加熱が行なわれる。加熱の熱量が50J/cm3未満の場合には、光照射手段の光により発生した酸の拡散が不十分になることは言うまでもなく、記録媒体表面とインク層との界面の密着状態が不十分となる。その結果、硬化後の記録媒体との密着性に影響を及ぼすことが、本発明者らによって見出された。そこで、本発明の実施形態においては、露光後の加熱の熱量を、50J/cm3以上に規定したものである。
例えば2種以上の材料の積層構造の記録媒体の場合には、各材料の厚さや比熱などを考慮して、少なくとも50J/cm3の熱量での加熱が行なわれるように、温度や時間を適宜選択すればよい。
図3には、使用し得るハロゲンヒーターの一例の断面図を示す。図示するように、ハロゲンヒーター22は、反射板23で周囲を覆われてハウジング21内に収容されている。ハロゲンヒーター22の下方の所定の位置には焦点24が存在し、ここで集光する。したがって、記録媒体2が焦点24を通過するように、ハロゲンヒーターを配置する距離を設定することが望まれる。
記録媒体温度調整手段7は、図1に示したように、搬送手段3の下方および上方のいずれかの側、あるいは上下両方の側に配設することができる。また、固定式および移動式のいずれの方式としてもよく、さらに、接触式および非接触式のいずれでもよい。例えば、赤外線ランプ、(遠赤外線)ハロゲンヒーター、遠赤外線セラミックヒーター、発熱体を内蔵したローラ(熱ローラ)、IHヒーター、および温風または熱風を吹き出すブロワなどを、記録媒体温度調整手段7として使用することができる。
記録媒体2を予備加熱するに当たっては、必ずしも記録媒体温度調整手段7をインクジェット記録装置1に設ける必要はない。例えば、図1に示したように、記録媒体予備加熱ストッカー16を、インクジェット記録装置1の搬送手段3の前段に設けることもできる。この記録媒体予備加熱ストッカー16内に収容された記録媒体2は、記録媒体予備加熱ストッカー16内に装備された加熱手段(図示せず)によって、一括して所定の温度の予備加熱(バッチ式予備加熱)された後、搬送手段3によって搬送される。こうした手法は、熱容量が大きく、瞬時には表面温度が低下しにくい記録媒体2に記録する場合には、特に有効である。かかる記録媒体としては、例えば密度または比重が大きい金属や、厚みがあるなど体積が大きい材料等からなるものが挙げられる。
いずれの場合も、記録媒体温度調整手段7は、搬送手段3により搬送される記録媒体2を予備加熱して、インクジェット記録ヘッド4に到達するときまでに、記録媒体2を所定の温度に昇温させておく。さらに、記録媒体2が予備加熱されることによって、加熱手段6による記録媒体2上のインク層の加熱を助長するという効果も得られる。
図1に示したインクジェット記録装置1を用いて記録媒体2に印刷(画像形成)を行なう方法を、以下に詳細に説明する。
まず、搬送手段3により記録媒体2を、図中、右側から左側へ向けて搬送する。記録媒体2の搬送速度は、使用目的等に応じて、適宜選択され、例えば数10m/min程度の範囲内で制御される。搬送される際、記録媒体2は、その材質や厚さなどに応じて搬送手段3の上方または下方に配設された記録媒体温度調整手段7によって、予備加熱される。記録媒体温度調整手段7で予備加熱する範囲は、インクジェット記録ヘッド4により画像を形成される位置付近までとすることができる。あるいは、図1に示したように、光照射手段5により紫外線などの光照射される加熱手段6の手前位置付近まで、記録媒体温度調整手段7で予備加熱が行なってもよい。ただし、記録媒体2の種類または硬化させるための条件によっては、特に予備加熱する必要はない。
記録媒体2を予備加熱する場合、その具体的な範囲は、光硬化型インクの硬化感度や記録媒体2の搬送速度(被印刷面の移動速度)、さらには記録媒体2の種類(材質、厚さなど)などに応じて適宜設定することができる。ただし、インクジェット記録ヘッド4に到達した際の記録媒体2の温度が、インクジェット記録ヘッド4から吐出されるインクの温度よりも高められていることが望まれる。インクジェット記録ヘッド4から吐出されるインクの温度は、通常20〜60℃程度である。インクの温度と同程度、あるいはそれよりも記録媒体2の温度が低い場合には、記録媒体に吐出されたインクの温度が低下する。また、インクの熱が逃げやすくなってしまう。いずれの場合も、インク層を効率よく硬化させることが困難となる。このため、光照射のインク硬化に必要な最適な照射条件は、狭い範囲に限られたものとなってしまう。
搬送される記録媒体2の予備加熱温度は、後述する加熱手段6による加熱の効果の妨げにならない、または画像の劣化を引き起こさない程度の温度とすればよい。この温度は、記録媒体2の変形を引き起こさない限り、高いことが望まれる。光照射手段5から放射された熱が、記録媒体2の搬送手段3などに奪われることなくインクに効率よく与えられることが求められる。露光により発生した酸をインク層深部にまで充分拡散させて、均一な硬化が可能となる温度まで、光照射が照射される前に昇温されていることが好ましい。したがって、光照射後の加熱が必要とならない程度に、記録媒体2の予備加熱が行なわれる。記録媒体2の予備加熱には、硬化に必要な酸をインク層深部にまで充分拡散させて、均一な硬化が可能となるような効果が発揮できるような範囲で行なわれることも求められる。実際には、予め実験を行なってインクの硬化特性を試験し、予備加熱の条件を設定することが望まれる。具体的には、インクの組成やインク温度および記録媒体の材質等にも依存するが、35〜120℃、より好ましくは50〜70℃程度の範囲内とすることができる。
このような構成で、記録媒体2が記録ヘッド4の正面まで搬送されると、インクジェット記録ヘッド4は画像信号に対応して光硬化型インクを吐出する。これによって、記録媒体2上にインク層が形成される。
インク層が形成された記録媒体2は、光照射手段5の正面へ搬送される。記録媒体2が光照射手段5の正面を通過する際、光照射手段5はインク層に向けて光を照射して、インク層中に酸を発生させる。インク層表面の位置における照射光強度は、使用する光源の波長などに応じて異なるが、通常、数mW/cm2〜10W/cm2の範囲である。照射光強度は、好ましくは、数10mW/cm2〜5W/cm2程度の範囲内である。インク層への露光量は、インクの感度や記録媒体2の搬送速度(被印刷面の移動速度)などに応じて適宜設定することができる。
続いて、記録媒体2は、加熱手段6内あるいはその近傍へ搬送される。記録媒体2が加熱手段6内あるいはその近傍を通過する際、加熱手段6は記録媒体2上に形成されたインク層を加熱して、インク層中での架橋反応を促進する。なお、図1に示すインクジェット記録装置1においては、通常、加熱手段6による加熱時間は、0.数秒〜数10秒程度と比較的短い。したがって、加熱手段6によりインク層の硬化をほぼ完全に進行させる場合は、最高到達温度が例えば200℃程度以下、特に、80℃〜200℃程度の比較的高い温度となるように加熱を行なうことが望まれる。あるいは、インクの種類によっては、60℃〜180℃程度の温度範囲としてもよい。
また、印刷速度あるいは記録媒体2の搬送速度が遅い場合には、加熱時間を稼ぐ目的で、加熱手段6は、炉のような加熱トンネル状の構成であってもよい。
上述したように加熱手段6で加熱が行なわれることによって、インク層中においては、光酸発生剤からインクの硬化に必要な十分な酸が発生する。加熱は、こうして発生した酸が、インク層中に効率よく均一に拡散するのを助長し硬化を促進させることができる。さらには、加熱によって、インク層の下部の粘度が低下することにより、他の物質の介在なしにインク層が記録媒体に密着する。すなわち、インク層と記録媒体との間には、空気等の他の物質が存在しないので、これらは完全に密着することとなり、密着性の向上につながる。
その後、記録媒体2は図示しないストッカー(或いは、容器)内へと搬送される。これにより、印刷を完了する。
インク層を加熱するための加熱手段6は、図1および図2に示したように光照射手段5の下流に配置された加熱手段6に限定されるものではない。図1および図2に示すインクジェット記録装置1では、記録媒体2の搬送経路の途中に加熱手段6を配置しているため、個々の記録媒体2を長時間加熱することは難しい。記録媒体2を長時間加熱するには、露光後の記録媒体を収容して一括して加熱を行なえばよい。この場合には、例えば、図4に示すようなヒーター(図示せず)を備えたストッカー15を用いることができる。図4に示す装置1では、ストッカー15がヒーターを内蔵しているため、露光後の記録媒体2を収容して、一括してバッチ式加熱を行なうことができる。しかも、複数の記録媒体2をストッカー15内でまとめて加熱可能であるため、消費電力の観点でも有利である。さらに、個々の記録媒体2を長時間加熱可能である場合、以下の点でも有利である。
すなわち、使用する記録媒体2とインクジェットインクとの組み合わせによっては、高温で短時間加熱する方法では再流動化が進んで画質が低下することがある。このような画質の低下は、高温下での再流動化に起因しているので、インク層の加熱を比較的低い温度で長時間行なうことによって防止することができる。例えば、露光後の記録媒体2をストッカー15内で50℃〜80℃程度に数分以上保持しておくことにより、画質の低下を生ずることなくインク層をほぼ完全に硬化させることができる。
ストッカー15には、所定の時間にわたり加熱状態に保持した記録媒体2を順次排出する排出機構を設けることが望ましい。なお、加熱保持時間は、使用する光硬化型インクや加熱温度などに応じて設定することができ、例えば、加熱温度を80℃〜180℃程度とする場合には、0.5分〜20分程度保持すればよい。インクの種類や記録媒体2の種類によっては、同等の保持時間でも、加熱温度を60℃〜160℃程度とすることがきる。ストッカー15内に収容された記録媒体を数時間程度保持する場合には、ヒーターによる加熱を省略することも可能である。
あるいは、インク層への露光の際、被印刷面を損なわない程度に光照射手段5を記録媒体2に近づけることによって、光照射手段5を熱源として利用してもよい。コールドミラーのような除熱機構を光源に設けないことによって、光源を熱源として利用してもよい。数百ワットの高出力バルブ(ランプ)の場合には、冷却機構を同時に有しているので、その排熱機構の一部を変更して意図的にその熱を記録媒体2に還元する機構を設ける(図示せず)。これによって、光照射手段5から発生する熱によりインク層を加熱することができる。
より具体的には、光照射手段5を冷却した気流を記録媒体2や搬送/保持機構内に再導入して、加熱に用いる機構を有する百ワット以上の出力の光照射手段5がそれに該当する。光照射手段5の熱の還元による記録媒体2の到達温度は、上述した加熱手段6による加熱と同程度の効果が得られる温度とすればよい。好ましい温度は、加熱される時間に依存して変化するが、通常少なくとも60℃以上、より好ましくは80℃〜150℃である。また、露光速度が数m/秒と高速な場合には、瞬間的に加熱されるために180℃程度と高温としてもよい。
上述したように、露光後の記録媒体を複数枚ストッカー15内に収容して、一括してバッチ式加熱が行なわれる場合には、インク層が形成された記録媒体が積層されることから、インク層は、その上の記録媒体の裏面に接触することになる。この際にインクが、記録媒体の裏面に裏移り(転写)しないことが望まれる。このため、光照射工程において、インク層がタックフリーな状態となるまで光を照射して、仮硬化させておく。
光照射手段5として、例えば可視光に加えて赤外光を発生し得るものを使用した場合には、光照射と同時に加熱を行なうことができる。この場合には、硬化を促進させることができるので好ましい。
本発明の一実施形態にかかる光硬化性インクの硬化方法においては、ビニルエーテル基を有する少なくとも1種の化合物を含み、酸の存在下で重合する溶媒と、光照射により酸を発生する光酸発生剤と、色成分とを含有する光硬化型インクを、記録媒体上に付着させてインク層が形成される。こうして形成されたインク層に光酸発生剤に吸収される波長を含む光照射を行なって、このインク層中の光酸発生剤から酸を発生させてインク層の一部を硬化させる。光照射後には、インク層のインク粘度を低下させ、光照射により発生した酸がインク層中に拡散するのを助長しインク層の硬化を促進させるとともに、他の物質の介在なしにインク層が記録媒体に密着するように、インク層が形成された記録媒体が加熱される。
光照射工程において、少なくとも50mJ/cm2の光量とともに熱が記録媒体に与えられることによって、記録媒体ともにインク層も加熱されてインク層の温度は初期温度よりも高められる。こうして高められたインク層の温度が初期温度に戻る前に、加熱工程においては、インク層が形成された記録媒体が、少なくとも50J/cm3の熱量で加熱される。光照射工程においては、記録媒体上に形成されたインク層が、タックフリーとなるまで光照射が行なわれた場合もまた、加熱工程においては、記録媒体とともにインク層が少なくとも50J/cm3の熱量で加熱される。
所定の条件を満足する光照射を行なった後、少なくとも50J/cm3の熱量で、記録媒体とともにインク層が加熱されるので、本発明の実施形態にかかる方法によって、表面の機械的な状態や化学的な状態の異なる様々な記録媒体に対して、硬化性や密着性に優れる硬化物からなる印刷画像を形成することが可能となった。
また、材質の異なる種々の記録媒体に高品質な印刷を行なうことができるので、本発明の実施形態にかかる硬化方法によれば、単一インクを色々な用途に使用することができる。さらに、使用量を増加することができることから、コストの低減や市場の拡大も期待できるといった効果も有する。
上述したように、本発明の実施形態にかかる方法は、色々な印刷装置、特にオンデマンドやバリアブル印刷装置など、今後に期待されるインクジェット記録に応用することができ、高品質の印刷画像を形成することを提供できる。
以下に、具体例を示して本発明の実施形態をより詳細に説明する。
光硬化型インクを調製し、その硬化特性を調べた。インクの調製にあたっては、以下に示すようなエポキシ化合物、オキセタン化合物、およびビニルエーテル化合物を下記表1に記載した配合比(重量比)で混合して、酸重合性組成物a〜mを得た。
Figure 2007211101
用いたエポキシ化合物(C3000、SR−NPG)を、下記化学式に示す。
Figure 2007211101
セロキサイド3000は(ダイセル化学社製)であり、SR−NPGは(阪本薬品社製)である。
用いたオキセタン化合物(OXT−221、OXT−211)を下記化学式に示す。
Figure 2007211101
OXT−221およびOXT−211は、いずれも(東亞合成社製)である。
用いたビニルエーテル化合物(DVE3、ISB−DVE、ONB−DVE)を下記化学式に示す。
Figure 2007211101
DVE-3は(ISP社製)であり、ISB−DVEおよびONB−DVEは(ダイセル化学社製)である。
色成分としてのカーボンブラック色素(黒顔料)は、5重量%相当の量でアクリル樹脂と混練してミルベースとしておいた。このミルベースとともに、200ppmのノニオン系界面活性剤(住友3M社製)および市販の分散剤(味の素ファインテクノ製、製品名アジスパー)を、前述の酸重合性組成物aに添加した。
さらに、光酸発生剤としてのUVACURE1591(ダイセルUCB社製)を8重量%添加した。この光酸発生剤は、50重量%の濃度のスルフォニウム塩を含有する炭酸プロピレン溶液であり、下記化学式で表わされる2種類の化合物(PAG1およびPAG2)を、等量の炭酸プロピレンに溶解させてなる溶液である。
Figure 2007211101
次いで、光酸発生剤の光感度を増大させる目的で、光酸発生剤100重量%に対して35重量%の割合で増感剤を添加した。増感剤としては、川崎化成工業(株)製 ANTHRACURE UVS−1331を用いた。その構造を、下記化学式に示す。
Figure 2007211101
その後、これら混合物をペイントシェーカで一昼夜分散処理して、分散処理後の混合物を、5μmのPTFEフィルターで濾過することによって、光硬化型インクNo.1を得た。さらに、酸重合性組成物b〜mのそれぞれを用いる以外は上述と同様にして、光硬化性インクNo.2〜13を得た。
図4に示したインクジェット記録装置1を用いて、光硬化型インクNo.1〜13を印刷し、その硬化特性(インク硬化膜の鉛筆硬度、クロスカットによる記録媒体への密着性、エタノールによる耐溶剤性)を調べた。
インクジェット記録装置1の各部材は、次のように準備した。搬送手段3としては、耐熱性が高く、熱容量が低い金属製のエンドレスベルトを用い、駆動ローラと従動ローラとによりテンションをかけた状態で配設した。記録ヘッド4としては、東芝テック(株)製のCB1インクジェット記録ヘッドを用い、光照射手段5としては、フュージョンUVシステムズ・ジャパン(株)製のUV照射システムLH−6(Dバルブ:ピーク波長350nm〜390nm)を用いた。加熱手段6としては、(株)ノリタケカンパニーリミテド製の遠赤外線セラミックヒーターPLC−32シリーズを用いた。
また、次のような構成で、ストッカー15にヒーターを備えたバッチ式の加熱手段6を作製した。内部には、ホットプレート EC−1200(アズワン社製)を設けた。箱状の加熱ストッカーの壁は、発泡ウレタンを内側に貼付した樹脂製の壁で覆った。発泡ウレタンのように断熱性の高い材料を用いることによって、熱が周囲に放出するのを極力低減することができる。ヒーターの温度の設定は、ホットプレートに内蔵されたコントローラにより行なった。温度の測定には、安立計器(株)社製DIGITAL SURFACE THERMOMETER HL−20を用いた。記録媒体温度調整手段7は、オーエムヒーター(株)製シリコンラバーヒーターを熱伝導率の低い耐熱樹脂製板状部材、例えばPOM板に貼り付けて、給紙位置から光照射手段5位置にわたり搬送手段3の下方に近接配置した。
いずれのサンプルについても、印刷条件は以下の通りとした。
インクジェット記録ヘッド4の解像度は、300dpiであり、1ノズルあたりのインク吐出体積は42plとした。このときの記録媒体2上のインク層膜厚は、およそ5μmとなる。インク膜厚は、インクジェット記録ヘッド4の個数により変化させた。例えば、インクジェット記録ヘッド4が2個の場合は、インク膜厚は約10μmとなり、3個の場合は約15μm、4個の場合は約20μmとなる。
印刷速度(記録媒体搬送手段3であるベルトの搬送速度)は、25m/minとした。
光照射手段5の出力の変更は、フュージョンUVシステムズ・ジャパン(株)社製のUV照射システムLH−6に付属の出力調整ツマミ(ボリューム)によって調整した。照射光量は、おおよそ5mJ/cm2〜250mJ/cm2の範囲で調整した。
なお、照射出力(紫外線照度)は、トプコン社製の紫外線強度計(工業用UVチェッカーUVR−T1:(センサ部:UD−T36))を用いて測定した。以下においても、光量の測定には同様の紫外線強度計を用いる。
記録媒体予備温度調整手段7を用いて記録媒体2を予備加熱する場合には、加熱温度は60℃とした。予備加熱を行なわない場合も実施した。また、加熱手段5による加熱温度(記録媒体温度)は、60℃〜160℃の範囲で調整した。
上述した条件で、光硬化型インクを種々の記録媒体に印刷して硬化させ、硬化物からなる印刷画像を形成した。印刷画像は、2cm×10cmの面積を有するベタ画像とした。得られた硬化物について、硬化性(硬度)、密着性、および耐溶剤性などを調べて、硬化特性を評価した。
記録媒体2としては、厚さ100μm(=0.01cm)のPET、PP、PE、アクリル、ステンレス板、アルミ板、銅板、およびガラス板を用意した。
また、厚さ3mmのタイル、セラミック板、および石材も用意した。
印刷画像の硬化性(硬度)は、日本工業規格JIS K5600−5−4 引っかき硬度(鉛筆法)(MITSU−BISHI製鉛筆2B〜3Hを用いた。)に準拠して測定し、以下のようにA,B,C,D,Eの5段階で判定した。
A:2H以上
B:HおよびF
C:HB
D:B
E:2B以下
硬化性は、B以上であれば合格範囲である。
印刷画像の密着性は、日本工業規格JIS K5600−5−6 付着性(クロスカット法)に準拠して測定し、硬化膜の機械的性質である付着性試験を参考に評価を行なった。具体的には、記録媒体2上に形成された硬化物に対して、この硬化物のみに傷がつくよう、カッターナイフを用いて約1mm間隔で碁盤目状にスクラッチを入れる。このとき、スクラッチが記録媒体2まで達しないように留意する。そして、粘着テープを対象物に密着するように貼り付け、その後、貼り付けた粘着テープを対象物面に対して約45°の方向に引っ張りながら剥離し、粘着テープ側及び記録媒体2側の双方の状態を評価した。この際、粘着テープとしては、3M製ScotchクリアテープCP−18を用いた。
試験の結果は、JIS K5600−5−6に準拠して、分類0〜5の6段階で判定した。
クロスカットテープ剥離試験は、硬化膜の剥がれた面積の割合で密着性を調べ、以下の基準で評価した。
A:極めて良好(分類0〜1;剥がれた面積が全体の5%未満)
B:良好(分類2;剥がれた面積が全体の15%未満)
C:やや不良(分類3;剥がれた面積が全体の35%未満)
D:不良(分類4〜5)
密着性は、B以上であれば合格範囲である。
印刷画像の耐溶剤性に関しては、記録媒体2上に硬化されたインク層表面を、エタノールを十分染み込ませた綿棒で100回擦って、摺擦後のインク硬化膜表面の変化の状態で評価し、次の5段階で判定した。
A:極めて良好(変化がない)
B:良好(やや変化した)
C:やや不良(やや剥がれが見られた)
D:かなり不良(かなり剥がれた)
E:不良(全部剥がれた)
耐溶剤性は、B以上であれば合格範囲である。
ここで、タックフリー性に関して説明する。タックフリーとは、光照射直後に別の記録媒体を上に重ねても、重ねた記録媒体の裏に光硬化型インクが転写しない(裏移りしない)状態をさす。
タックフリー性の程度は、以下の基準で判定した。
A:タックフリー…キムワイプで軽く5回擦ってもインク層に変化なし。
B:ややタックフリー…キムワイプで軽く5回擦るとインク層が薄くなる
C:タックフリーではない…キムワイプで1回擦ると、インク層が剥がれてしまう(硬化不良)。
タックフリー性は、Aであることが要求される。
まず、光硬化型インクNo.1〜13を用いて、以下に示すような標準的な条件で硬化させることにより硬化物を形成した。記録媒体2としては、厚さ100μm(=0.01cm)のPETフィルムを用い、この上に形成されるインク層の膜厚は、約5μm(300dpi、42pl/1ノズルあたり:相当)とした。インク層に光照射手段4から照射される光の光量は、約140mJ/cm2とした。
光照射後のインク層は、以下の加熱標準条件で、加熱手段を備えたストッカー15により加熱を行なった。
加熱温度(記録媒体温度):100℃
加熱時間:1分
実施例においては、光照射後、加熱手段を備えたストッカー15により、すぐに加熱を行なった。なお、“すぐ加熱”とは、光照射と同時に光照射手段4から与えられる熱により、記録媒体温度が周囲温度に比べて上昇し、その後、その記録媒体温度が光照射前の温度(周囲温度同等)に戻る前に、加熱手段を備えたストッカー15により加熱するということを意味する。
比較例においては、光照射後の記録媒体を常温放置した。記録媒体の温度が周囲温度に十分に戻った後に、加熱手段5により加熱を行なった。
得られた硬化物の硬化性(鉛筆硬度)を上述した手法により調べ、その結果を下記表2にまとめる。
Figure 2007211101
上記表2に示されるように、実施例の方法で形成された硬化物は、比較例のものよりも鉛筆硬度が高い傾向にある。この結果から、インク層の温度を低下させることなく光照射後のインク層をすぐに加熱することによって、得られる硬化物の硬度が向上することが確認された。
次に、光硬化型インクNo.2,7および10を用い、光照射手段4から照射される光の光量を変更して硬化物を形成した。照射光量は、5mJ/cm2〜250mJ/cm2の範囲で変化させた。得られた硬化物について、光照射後の硬化性、光照射後のタックフリー性、光照射後加熱後の硬化性および密着性を調べた。光硬化型インクNo.2,7,および10についての結果を、表3,4,および5にそれぞれまとめる。
Figure 2007211101
Figure 2007211101
Figure 2007211101
上記表に示されるように、いずれのインクを用いた場合も、光照射後に加熱を行なうことによって、硬化性が高められる。また、光照射後のインク層に所望のタックフリー性を付与するためには、照射される光の光量には適切な範囲があることがわかる。加熱後に得られる硬化物の密着性を合格範囲とするためにも、照射される光の光量には適切な範囲が存在する。また、インクの種類、すなわち、インクを構成する酸の存在下で重合する溶媒の種類によっても硬化特性に差があることが確認された。
これは、次のように説明される。記録媒体に形成されたインク層に所定の光量で光を照射することによって、光に加えて熱がインク層に与えられる。この場合には、インク層の温度が上昇して初期温度より高められる。インク層の温度が初期温度に戻る前にインク層を加熱することによって、次のような効果が得られる。まず、インク層中においては、光酸発生剤からインクの硬化に必要な十分な酸が発生する。加熱は、こうして発生した酸が、インク層中に効率よく均一に拡散するのを助長し硬化を促進させることができる。さらには、加熱によって、インク層の下部の粘度が低下することにより、他の物質の介在なしにインク層が記録媒体に密着する。その結果、本発明の実施形態にかかる方法を採用することによって、表面の機械的な状態や化学的な状態の異なる種々の記録媒体に対して、硬化性や密着性に優れる硬化物からなる印刷画像を形成することが可能となった。
次に、光硬化型インクNo,2,5,7,10,および13を用いて、以下に示す条件で硬化させることにより硬化物を形成した。記録媒体2としては、厚さ100μm(=0.01cm)のPETフィルムを用いた。ここで用いたPETフィルムは、樹脂製であるので、比熱および密度の関係から、同じ温度にするために必要な熱量が少なくて済む。この上に形成されるインク層の膜厚は、約5μm(300dpi、42pl/1ノズルあたり:相当)とした。インク層に光照射手段4から照射される光の光量は、約140mJ/cm2とした。
光照射後のインク層は、加熱手段5により加熱を行なった。加熱手段5としては、(株)ノリタケカンパニーリミテド製の遠赤外線セラミックヒーターPLC−32シリーズを用いた。加熱量は、約8〜211J/cm3(記録媒体、単位体積あたり)の範囲内で変化させた。この熱量は、樹脂系記録媒体(例えば、比熱:1.3J/g・℃、密度:1.3g/cm3程度の物性をもつ記録媒体)を、25℃(常温)から30℃、45℃、60℃、90℃、120℃、あるいは150℃まで昇温させるために必要な単位体積あたりの熱量である。
加熱手段5による加熱は、光照射後すぐに行なった。なお、“すぐ加熱”とは、光照射と同時に光照射手段4から与えられる熱により、記録媒体温度が周囲温度に比べて上昇し、その後、その記録媒体温度が光照射前の温度(周囲温度同等)に戻る前に、加熱手段5により加熱するということを意味する。
得られた硬化物の硬化性(鉛筆硬度)を上述した手法により調べた。その結果を、加熱工程において記録媒体へ与える熱量とともに、下記表6にまとめる。熱量は、記録媒体の温度から求めたものである。具体的には、記録媒体2が、加熱手段6を通過したときの記録媒体2温度を予め測定しておき、これを熱量に換算した。
Figure 2007211101
上記表6に示されるように、所望の硬度を有する硬化物を形成するためには、加熱工程において記録媒体に与える熱量に下限が存在することがわかる。
次に、記録媒体を60℃で予備加熱する以外は上述と同様の条件でインクを硬化させて、硬化物を形成した。用いるインクおよび記録媒体は、いずれも前述と同様とした。すなわち、光硬化型インクNo.2,5,7,10および13を用いて、厚さ100μmのPETフィルム上に硬化物を形成した。
得られた硬化物の硬化性(鉛筆硬度)を上述した手法により調べた。その結果を、加熱工程において記録媒体へ与える熱量とともに、下記表7にまとめる。
Figure 2007211101
記録媒体の予備加熱を行なうことによって、得られる硬化物の硬化性が向上することが、上記表7と表6との比較からわかる。すなわち、記録媒体の表面温度を、少なくとも記録媒体上に付着される光硬化型インクの温度に予備加熱しておくことによって、インク層中の光酸発生剤から効率よく酸を発生できる。これと同時に、加熱による酸の拡散は効率よく促進される。その結果、硬化性や密着性がよりいっそう優れた高品質の硬化物からなる印刷画像を形成するとが可能となった。
ここで用いた光硬化型インクは、酸重合性溶媒100重量に対して3乃至20重量部の範囲の濃度で、色成分としての顔料(カーボンブラック)を含有している。こうした組成の光硬化型インクが用いられる場合には、形成されるインク層の膜厚が約20μm以下であれば、同等の結果が得られる。
光硬化型インクにおける顔料の含有量が、酸重合性溶媒100重量に対して3乃至10重量部の範囲の場合、あるいは、インク層の膜厚が約20μm以下の場合には、よりいっそう効果が高められる。
以上の結果から、13種の光硬化型インクのうち、No.13が最も硬化特性、すなわち硬度、密着性、および耐溶剤性に優れていることがわかる。そこで、No.13の光硬化型インクを用いて、種々の記録媒体に硬化物を形成した。記録媒体2としては、PETフィルム、PEフィルム、PPシート、アクリル板、ステンレス板、アルミ板、ガラス板、およびセラミック板を用意した。各記録媒体の厚さは、いずれも100μm(=0.01cm)である。この上に形成されるインク層の膜厚は、約5μm(300dpi、42pl/1ノズルあたり:相当)とした。光照射手段4からインク層に照射される光の光量は、約5〜250mJ/cm2の間で変化させた。
光照射後のインク層は、ヒーターを備えたバッチ式のストッカー15により、すぐに加熱を行なった。なお、“すぐ加熱”とは、光照射と同時に光照射手段4から与えられる熱により、記録媒体温度が周囲温度に比べて上昇し、その後、その記録媒体温度が光照射前の温度(周囲温度同等)に戻る前に加熱するということを意味する。加熱温度は、45℃、60℃、80℃、90℃、100℃、120℃、140℃、(160℃)のいずれかとし、加熱時間は、1分、5分、10分、15分、(20分)のいずれかとした。
照射される光の光量、加熱温度、および加熱時間といった条件を組み合わせて種々の記録媒体上に硬化物を形成し、その硬化性、密着性および耐溶剤性を調べた。
下記表8乃至10には、PETフィルムについての結果を示す。。
Figure 2007211101
Figure 2007211101
Figure 2007211101
これらの表に示されるように、インク層に照射される光の光量が50mJ/cm2未満の場合には、所望の硬化特性を備えた硬化物を得ることができない。50mJ/cm2以上の光量で光が照射された場合であっても、加熱温度が60℃未満では、硬化性、密着性および耐溶剤性を満足する硬化物は得られない。
記録媒体としてPETフィルムが用いられる場合には、少なくとも50mJ/cm2の光量で光が照射されると、同時に熱が与えられてインク層の温度が上昇する。このインク層の温度が初期温度(光照射直前の温度)に戻る前に、インク層とともに記録媒体を少なくとも60℃の温度で、少なくとも1分加熱することによって、硬化性、密着性、および耐溶剤性に優れた硬化物からなる印刷画像を形成することが可能である。
次に、記録媒体をPEフィルム、PPシート、およびアクリル板に変更した以外は上述と同様の条件で、インク硬化物を形成した。得られた硬化物について、硬化性、密着性、および耐溶剤性を調べ、その結果から以下のように考察した。
記録媒体としてPEフィルムが用いられる場合には、少なくとも50mJ/cm2の光量で光照射されると、同時に熱が与えられてインク層の温度が上昇する。このインク層の温度がインク層の温度が初期温度(光照射直前の温度)に戻る前に、インク層とともに記録媒体を少なくとも60℃の温度で、少なくとも十数秒加熱することによって、硬化性、密着性、および耐溶剤性に優れた硬化物からなる印刷画像を形成することが可能である。
記録媒体としてPPフィルムが用いられる場合には、少なくとも50mJ/cm2の光量で光が照射されると、同時に熱が与えられてインク層の温度が上昇する。このインク層の温度が初期温度(光照射直前の温度)に戻る前に、インク層とともに記録媒体を少なくとも60℃の温度で、少なくとも数秒加熱することによって、硬化性、密着性、および耐溶剤性に優れた硬化物からなる印刷画像を形成することが可能である。
記録媒体としてアクリル板が用いられる場合には、少なくとも50mJ/cm2の光量で光照射されると、同時に熱が与えられてインク層の温度が上昇する。このインク層の温度が初期温度(光照射直前の温度)に戻る前に、インク層とともに記録媒体を少なくとも60℃の温度で、少なくとも数十秒加熱することによって、硬化性、密着性、および耐溶剤性に優れた硬化物からなる印刷画像を形成することが可能である。
下記表11乃至13には、ステンレス板についての結果を示す。
Figure 2007211101
Figure 2007211101
Figure 2007211101
これらの表に示されるように、インク層に照射される光の光量が50mJ/cm2未満の場合には、所望の硬化特性を備えた硬化物を得ることができない。50mJ/cm2以上の光量で光が照射された場合であっても、加熱温度が80℃未満では、硬化性、密着性および耐溶剤性を満足する硬化物は得られない。
記録媒体としてステンレス板が用いられる場合には、少なくとも50mJ/cm2の光量で光が照射されると、同時に熱が与えられてインク層の温度が上昇する。このインク層の温度が初期温度(光照射直前の温度)に戻る前に、インク層とともに記録媒体を少なくとも80℃の温度で、少なくとも5分加熱することによって、硬化性、密着性および耐溶剤性に優れた硬化物からなる印刷画像を形成することが可能である。なお、加熱温度が高ければ、より短い加熱時間で同等の硬化特性を有する硬化物を形成することができる。加熱は、少なくとも100℃または120℃の温度で、少なくとも1分行なってもよい。
次に、記録媒体をアルミ板、および銅板に変更した以外は上述と同様の条件で、インク硬化物を形成した。得られた硬化物について、硬化性、密着性、および耐溶剤性を調べ、その結果から以下のように考察した。
記録媒体としてアルミ板が用いられる場合には、少なくとも50mJ/cm2の光量で光が照射されると、同時に熱が与えられてインク層の温度が上昇する。このインク層の温度が初期温度(光照射直前の温度)に戻る前に、インク層とともに記録媒体を少なくとも90℃の温度で、少なくとも5分加熱することによって、硬化性、密着性および耐溶剤性に優れた硬化物からなる印刷画像を形成することが可能である。少なくとも100℃または120℃の温度で、少なくとも10分の加熱を行なった場合も、同様に硬化性、密着性および耐溶剤性に優れた硬化物からなる印刷画像が得られる。
記録媒体として銅板が用いられる場合には、少なくとも50mJ/cm2の光量で光が照射されると、同時に熱が与えられてインク層の温度が上昇する。このインク層の温度が初期温度(光照射直前の温度)に戻る前に、インク層とともに記録媒体を少なくとも90℃の温度で、少なくとも5分加熱することによって、硬化性、密着性および耐溶剤性に優れた硬化物からなる印刷画像を形成することが可能である。少なくとも100℃または120℃の温度で、少なくとも10分間の加熱を行なった場合も、同様に硬化性、密着性および耐溶剤性に優れた硬化物からなる印刷画像が得られる。
下記表14乃至16には、ガラス板についての結果を示す。
Figure 2007211101
Figure 2007211101
Figure 2007211101
これらの表に示されるように、インク層に照射される光の光量が50mJ/cm2未満の場合には、所望の硬化特性を備えた硬化物を得ることができない。50mJ/cm2以上の光量で光が照射された場合であっても、加熱温度が120℃未満では、硬化性、密着性および耐溶剤性を満足する硬化物は、必ずしも得られない。
記録媒体としてガラス板が用いられる場合には、少なくとも50mJ/cm2の光量で光が照射されると、同時に熱が与えられてインク層の温度が上昇する。このインク層の温度が初期温度(光照射直前の温度)に戻る前に、インク層とともに記録媒体を少なくとも100℃の温度で、少なくとも5分加熱加熱することによって、硬化性、密着性および耐溶剤性に優れた硬化物からなる印刷画像を形成することが可能である。なお、加熱温度が高ければ、より短い加熱時間で同等の硬化特性を有する硬化物を形成することができる。加熱は、少なくとも120℃の温度で、少なくとも1分行なってもよい。
次に、記録媒体をタイル、セラミック、および石材に変更した以外は上述と同様の条件で、インク硬化物を形成した。得られた硬化物について、硬化性、密着性、および耐溶剤性を調べ、その結果から以下のように考察した。
記録媒体としてタイルが用いられる場合には、少なくとも50mJ/cm2の光量で光が照射されると、同時に熱が与えられてインク層の温度が上昇する。このインク層の温度が初期温度(光照射直前の温度)に戻る前に、インク層とともに記録媒体を少なくとも100℃の温度で、少なくとも5分加熱することによって、硬化性、密着性および耐溶剤性に優れた硬化物からなる印刷画像を形成することが可能である。少なくとも120℃の温度で、少なくとも1分の加熱を行なった場合も、同様に硬化性、密着性および耐溶剤性に優れた硬化物からなる印刷画像が得られる。
記録媒体としてセラミックが用いられる場合には、少なくとも50mJ/cm2の光量で光照射されると、同時に熱が同時に与えられてインク層の温度が上昇する。このインク層の温度が初期温度(光照射直前の温度)に戻る前に、インク層とともに記録媒体を少なくとも100℃の温度で、少なくとも5分加熱することによって、硬化性、密着性および耐溶剤性に優れた硬化物からなる印刷画像を形成することが可能である。少なくとも120℃の温度で、少なくとも1分の加熱を行なった場合も、同様に硬化性、密着性および耐溶剤性に優れた硬化物からなる印刷画像が得られる。
記録媒体として石材が用いられる場合には、少なくとも50mJ/cm2の光量で光が照射されると、同時に熱が与えられてインク層の温度が上昇する。このインク層の温度が初期温度(光照射直前の温度)に戻る前に、インク層とともに記録媒体を少なくとも100℃の温度で、少なくとも5分加熱することによって、硬化性、密着性および耐溶剤性に優れた硬化物からなる印刷画像を形成することが可能である。少なくとも120℃の温度で、少なくとも1分の加熱を行なった場合も、同様に硬化性、密着性および耐溶剤性に優れた硬化物からなる印刷画像が得られる。
本発明の一実施形態にかかる光硬化性インクの硬化方法においては、ビニルエーテル基を有する少なくとも1種の化合物を含み、酸の存在下で重合する溶媒と、光照射により酸を発生する光酸発生剤と、色成分とを含有する光硬化型インクを、記録媒体上に付着させてインク層が形成される。こうして形成されたインク層に光酸発生剤に吸収される波長を含む光照射を行なって、このインク層中の光酸発生剤から酸を発生させてインク層の一部を硬化させる。光照射後には、インク層のインク粘度を低下させ、光照射により発生した酸がインク層中に拡散するのを助長しインク層の硬化を促進させるとともに、他の物質の介在なしにインク層が記録媒体に密着するように、インク層が形成された記録媒体が加熱される。
光照射工程において、少なくとも50mJ/cm2の光量とともに熱が記録媒体に与えられることによって、記録媒体ともにインク層も加熱されてインク層の温度は初期温度よりも高められる。こうして高められたインク層の温度が初期温度に戻る前に、加熱工程においては、インク層が形成された記録媒体が、少なくとも50J/cm3の熱量で加熱される。光照射工程においては、記録媒体上に形成されたインク層が、タックフリーとなるまで光照射が行なわれた場合もまた、加熱工程においては、記録媒体とともにインク層が少なくとも50J/cm3の熱量で加熱される。
所定の条件を満足する光照射を行なった後、少なくとも50J/cm3の熱量で、記録媒体とともにインク層が加熱されるので、本発明の実施形態にかかる方法によって、表面の機械的な状態や化学的な状態の異なる様々な記録媒体に対して、硬化性や密着性に優れる硬化物からなる印刷画像を形成することが可能となった。
また、材質の異なる種々の記録媒体に高品質な印刷を行なうことができるので、本発明の実施形態にかかる硬化方法によれば、単一インクを色々な用途に使用することができる。さらに、使用量を増加することができることから、コストの低減や市場の拡大も期待できるといった効果も有する。
本発明の一実施形態にかかるインクジェット記録装置の概略図。 本発明の他の実施形態にかかるインクジェット記録装置の概略図。 加熱手段として使用し得るハロゲンヒーターの一例の断面図。 本発明の他の実施形態にかかるインクジェット記録装置の概略図。
符号の説明
1…インクジェット記録装置; 2…記録媒体,3…搬送手段; 4…記録ヘッド
5…光照射手段; 6…加熱手段; 7…記録媒体温度調整手段
15…加熱手段を備えたストッカー; 16…記録媒体予備加熱ストッカー
21…ハウジング; 22…ハロゲンヒーター; 23…反射板; 24…焦点。

Claims (12)

  1. ビニルエーテル基を有する少なくとも1種の化合物を含み、酸の存在下で重合する溶媒と、光照射により酸を発生する光酸発生剤と、色成分とを含有する光硬化型インクを、記録媒体上に付着させてインク層を形成する工程と、
    前記インク層に前記光酸発生剤に吸収される波長を含む光照射を行ない、前記インク層中の前記光酸発生剤から酸を発生させて前記インク層の一部を硬化させる光照射工程と、
    光照射後のインク層のインク粘度を低下させ、前記光照射により発生した酸が前記インク層中に拡散するのを助長し前記インク層の硬化を促進させるとともに、他の物質の介在なしに前記インク層が前記記録媒体に密着するように、前記インク層が形成された前記記録媒体を加熱する加熱工程とを具備し、
    前記光照射工程においては、少なくとも50mJ/cm2の光量とともに熱が前記記録媒体に与えられて、前記インク層の温度は初期温度より高められ、
    前記加熱工程においては、前記インク層の温度が前記初期温度に戻る前に、前記インク層が形成された前記記録媒体を、少なくとも50J/cm3の熱量で加熱することを特徴とする光硬化型インクの硬化方法。
  2. ビニルエーテル基を有する少なくとも1種の化合物を含み、酸の存在下で重合する溶媒と、光照射により酸を発生する光酸発生剤と、色成分とを含有する光硬化型インクを、記録媒体上に付着させてインク層を形成する工程と、
    前記インク層に前記光酸発生剤に吸収される波長を含む光照射を行ない、前記インク層中の前記光酸発生剤から酸を発生させて前記インク層の一部を硬化させる光照射工程と、
    光照射後のインク層のインク粘度を低下させ、前記光照射により発生した酸が前記インク層中に拡散するのを助長し前記インク層の硬化を促進させるとともに、界面に他の物質なしに前記インク層が前記記録媒体に密着するように、前記インク層が形成された前記記録媒体を加熱する加熱工程とを具備し、
    前記光照射工程においては、前記記録媒体上に形成された前記インク層が、タックフリーとなるまで光照射が行なわれ、
    前記加熱工程においては、前記記録媒体とともにインク層を少なくとも50J/cm3の熱量で加熱することを特徴とする光硬化型インクの硬化方法。
  3. 前記記録媒体は少なくとも表面が樹脂製であって、前記インク層が形成された前記記録媒体の前記加熱工程における前記加熱は、少なくとも60℃の温度で少なくとも1分間行なわれることを特徴とする請求項1または2に記載の光硬化型インクの硬化方法。
  4. 前記記録媒体は少なくとも表面が金属製であって、前記インク層が形成された前記記録媒体の前記加熱工程における前記加熱は、少なくとも80℃の温度で少なくとも5分間、あるいは少なくとも120℃の温度で少なくとも1分間のいずれかで行なわれることを特徴とする請求項1または2に記載の光硬化型インクの硬化方法。
  5. 前記記録媒体は少なくとも表面がガラス製または陶器製であって、前記インク層が形成された前記記録媒体の前記加熱工程における前記加熱は、少なくとも100℃の温度で少なくとも5分間、あるいは少なくとも120℃の温度で少なくとも1分間のいずれかで行なわれることを特徴とする請求項1または2に記載の光硬化型インクの硬化方法。
  6. 前記光硬化型インクは、前記酸の存在下で重合する溶媒100重量に対して3〜20重量部の顔料を前記色材として含有し、前記光照射工程において照射される光は紫外線であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光硬化型インクの硬化方法。
  7. 前記インク層は、20μm以下の膜厚で前記記録媒体上に形成されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光硬化型インクの硬化方法。
  8. 前記記録媒体上に前記インク層を形成する前に前記記録媒体を予備加熱して、少なくとも前記記録媒体上に付着される前記光硬化型インクの温度まで、前記記録媒体の表面温度を高める工程をさらに具備することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光硬化型インクの硬化方法。
  9. 前記加熱工程においては、前記記録媒体が複数同時に加熱されることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の光硬化型インクの硬化方法。
  10. 前記光硬化性インクは、常温常圧で50mPa・s以下の粘度、摂氏100℃以上の沸点を有する脂環式骨格および/または脂肪族骨格を有する酸重合性化合物を、前記酸の存在下で重合する溶媒として含有することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の光硬化型インクの硬化方法。
  11. 前記酸の存在下で重合する溶媒は、下記化学式で表わされるいずれかの化合物であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の光硬化型インクの硬化方法。
    Figure 2007211101
  12. 光硬化性インクをインクジェット方式により記録媒体に吐出して硬化させ、記録を行なう方法であって、前記感光性インクの硬化は請求項1ないし11のいずれか1項に記載の方法により行なわれることを特徴とするインクジェット記録方法。
JP2006031474A 2006-02-08 2006-02-08 光硬化型インクの硬化方法およびインクジェット記録方法 Expired - Fee Related JP4659633B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006031474A JP4659633B2 (ja) 2006-02-08 2006-02-08 光硬化型インクの硬化方法およびインクジェット記録方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006031474A JP4659633B2 (ja) 2006-02-08 2006-02-08 光硬化型インクの硬化方法およびインクジェット記録方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007211101A true JP2007211101A (ja) 2007-08-23
JP4659633B2 JP4659633B2 (ja) 2011-03-30

Family

ID=38489823

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006031474A Expired - Fee Related JP4659633B2 (ja) 2006-02-08 2006-02-08 光硬化型インクの硬化方法およびインクジェット記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4659633B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009022464A1 (ja) 2007-08-13 2009-02-19 Panasonic Corporation 無線送信装置及び無線送信方法
JP2012111123A (ja) * 2010-11-24 2012-06-14 Mitsubishi Heavy Industries Printing & Packaging Machinery Ltd 印刷装置及び印刷方法並びに輪転印刷機、印刷機
JP2012201058A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Seiko Epson Corp 印刷方法及び印刷装置
JP2012200872A (ja) * 2011-03-23 2012-10-22 Seiko Epson Corp 印刷装置、および印刷方法
JP2012232470A (ja) * 2011-04-28 2012-11-29 Seiko Epson Corp 液体噴出装置及び液体噴出方法
JP2013151130A (ja) * 2012-01-26 2013-08-08 Kyocera Corp 光照射装置および印刷装置
JP2014069367A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 乾燥装置、乾燥装置を備えた印刷装置、および乾燥方法
WO2015098540A1 (ja) * 2013-12-25 2015-07-02 株式会社ダイセル 含酸素飽和ヘテロ環を有する重合体及びその製造方法
JP2016128262A (ja) * 2016-02-10 2016-07-14 セイコーエプソン株式会社 液体噴出装置及び液体噴出方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002137375A (ja) * 2000-10-31 2002-05-14 Riso Kagaku Corp インクジェットプリンタ及び該プリンタのインク硬化方法
JP2002332434A (ja) * 2001-05-10 2002-11-22 Canon Inc インクセット、被記録媒体に着色部を形成する方法及びインクジェット記録装置
JP2004002668A (ja) * 2002-04-24 2004-01-08 Toshiba Corp 液体インクおよび記録装置
JP2004025480A (ja) * 2002-06-21 2004-01-29 Konica Minolta Holdings Inc 画像形成方法及びそれに用いるインクジェット記録装置
JP2005154734A (ja) * 2003-10-28 2005-06-16 Toshiba Tec Corp インクジェットインク

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002137375A (ja) * 2000-10-31 2002-05-14 Riso Kagaku Corp インクジェットプリンタ及び該プリンタのインク硬化方法
JP2002332434A (ja) * 2001-05-10 2002-11-22 Canon Inc インクセット、被記録媒体に着色部を形成する方法及びインクジェット記録装置
JP2004002668A (ja) * 2002-04-24 2004-01-08 Toshiba Corp 液体インクおよび記録装置
JP2004025480A (ja) * 2002-06-21 2004-01-29 Konica Minolta Holdings Inc 画像形成方法及びそれに用いるインクジェット記録装置
JP2005154734A (ja) * 2003-10-28 2005-06-16 Toshiba Tec Corp インクジェットインク

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3496305A1 (en) 2007-08-13 2019-06-12 Godo Kaisha IP Bridge 1 Radio transmission device and radio transmission method
WO2009022464A1 (ja) 2007-08-13 2009-02-19 Panasonic Corporation 無線送信装置及び無線送信方法
EP3739776A1 (en) 2007-08-13 2020-11-18 Godo Kaisha IP Bridge 1 Radio transmission device and radio transmission method
EP3598670A1 (en) 2007-08-13 2020-01-22 Godo Kaisha IP Bridge 1 Radio transmission device and radio transmission method
JP2012111123A (ja) * 2010-11-24 2012-06-14 Mitsubishi Heavy Industries Printing & Packaging Machinery Ltd 印刷装置及び印刷方法並びに輪転印刷機、印刷機
JP2012200872A (ja) * 2011-03-23 2012-10-22 Seiko Epson Corp 印刷装置、および印刷方法
JP2012201058A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Seiko Epson Corp 印刷方法及び印刷装置
JP2012232470A (ja) * 2011-04-28 2012-11-29 Seiko Epson Corp 液体噴出装置及び液体噴出方法
JP2013151130A (ja) * 2012-01-26 2013-08-08 Kyocera Corp 光照射装置および印刷装置
JP2014069367A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 乾燥装置、乾燥装置を備えた印刷装置、および乾燥方法
JP2015124235A (ja) * 2013-12-25 2015-07-06 株式会社ダイセル 含酸素飽和ヘテロ環を有する重合体及びその製造方法
WO2015098540A1 (ja) * 2013-12-25 2015-07-02 株式会社ダイセル 含酸素飽和ヘテロ環を有する重合体及びその製造方法
JP2016128262A (ja) * 2016-02-10 2016-07-14 セイコーエプソン株式会社 液体噴出装置及び液体噴出方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4659633B2 (ja) 2011-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4659633B2 (ja) 光硬化型インクの硬化方法およびインクジェット記録方法
JP2007210167A (ja) 光硬化型インクの硬化方法およびインクジェット記録装置
US8272729B2 (en) Ink jet printer and a process of ink jet printing
JP4051928B2 (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
JP2010280828A (ja) インクおよびインクジェットプリンタ並びにプリント方法
CN100354381C (zh) 固化型液体合成物固化方法以及喷墨记录设备
JPWO2006129530A1 (ja) 紫外線硬化型インクジェットインク、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP2008073916A (ja) インクジェット記録装置
JP2007210169A (ja) 印字方法
JP4321050B2 (ja) 画像記録装置及び画像記録方法
JP2003261799A (ja) 活性光線硬化型インク及びそれを用いたインクジェット記録方法
JP2004130705A (ja) インクジェットプリンタ
JP2003237217A (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP2009083208A (ja) インクジェット記録装置
JP4281288B2 (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP2006062346A (ja) 硬化型液体組成物の硬化方法、インクジェット記録方法、およびインクジェット記録装置
JP2004034543A (ja) インクジェットプリンタ
JP2008105268A (ja) 光硬化型インクのインクジェット画像形成装置、及びインクジェット画像形成方法
JP4105422B2 (ja) 記録装置
JP2005144790A (ja) 画像形成方法と印刷校正用出力物の作製方法
US20060114305A1 (en) Exposure-curing method of photo-cure type ink and inkjet recording apparatus
JP4540718B2 (ja) 記録装置
JP2004090303A (ja) インクジェット記録装置及びそれを用いた画像形成方法
EP1690694A1 (en) Exposure-curing method of photo-cure type ink and inkjet recording apparatus
JP2010241145A (ja) 光硬化型インクのインクジェット画像形成装置、及びインクジェット画像形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100202

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100405

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101221

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101227

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140107

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees