JPH1036536A - 光ディスクの製造方法、表面処理装置及び光アッシング装置 - Google Patents

光ディスクの製造方法、表面処理装置及び光アッシング装置

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JPH1036536A
JPH1036536A JP25241096A JP25241096A JPH1036536A JP H1036536 A JPH1036536 A JP H1036536A JP 25241096 A JP25241096 A JP 25241096A JP 25241096 A JP25241096 A JP 25241096A JP H1036536 A JPH1036536 A JP H1036536A
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JP
Japan
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lamp
oxygen
ultraviolet
holding table
processing gas
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JP25241096A
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Minoru Kawasaki
実 川崎
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Victor Company of Japan Ltd
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Victor Company of Japan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄機能や表面改質機能の高いラジカル酸素
の発生効率を向上させた表面処理装置を提供する。 【解決手段】 処理チャンバ8と、この処理チャンバ内
に収容される被処理体12を保持する保持台11と、こ
の保持台に対向させて設けられて酸素を含む処理ガスを
導入する処理ガス導入部13と、ラジカル酸素を発生さ
せるために前記処理ガス導入部と前記保持台との間に複
数段に亘って設けられた紫外線ランプ17と、前記保持
台に対して前記処理ガス導入部とは反対側に設けられた
ガス排気部18とを備えるように構成する。これによ
り、処理ガスがランプ群内を流れる経路を長くして、ラ
ジカル酸素を多量に発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクの製
造、ラジカル酸素により表面酸化処理を行なう表面処理
装置及びラジカル酸素によりレジスト等を灰化する光ア
ッシング装置に関する。
【0002】
【従来の技術分野】一般に、CD(コンパクトディス
ク)、LD(レーザディスク)、CD−ROM、MD
(ミニディスク)、DVD(デジタルビデオディスク)
並びに貼り合わせディスク等の各種の光ディスクは、デ
ィスク基板表面に情報列となるピットや溝を押し出し成
型法やPP(フォトポリマー)法等により形成し、これ
に反射層、保護層や半透明反射層等をディスクの種類に
応じて積層したり、或いは基板同士を貼り合わせたりし
て形成される。
【0003】この場合、接合面に僅かな有機物や無機物
などの汚れが存在すると、この汚れに起因して接合面の
接着力が劣化するなどして剥離が生じ、耐候性が劣って
しまう。この汚れは、指紋、グリス、機械油等の有機物
が主体であり、一般的には、この汚れを除去するために
接合に先立って接合すべき層の表面を酸素や空気の存在
下で紫外線に晒し、この時に発生するオゾンにより層の
表面に付着している有機物を酸化して除去したり、或い
はオゾンにより層表面を改質して接合力を強めることが
行なわれている(特開平3−63946号公報や特開平
4−195747号公報)。このような表面酸化処理装
置としては、例えば特開平5−143981号公報、特
開平6−44613号公報、特開平6−111386号
公報等に開示されている。
【0004】ここで従来の表面処理装置の一例を説明す
る。図16は一般的な従来の表面処理装置を示す概略構
成図である。矩形状のケーシング1内には保持台2が設
けられ、この上に例えばディスク基板等の被処理体3を
載置する。そして、この保持台2に対向する位置に水平
方向に一段で水銀ランプ4を複数本配列し、このランプ
4から被処理体3の表面に紫外線を照射する。この水銀
ランプ4の形式としては、直管形の他に、2つに折り曲
げたU字形、複数回蛇行するように折り曲げたN形、W
形、グリッド形のもの等が知られている。この紫外線の
照射と同時に、ケーシング1の側壁に設けた処理ガス導
入口5から酸素や空気などを導入し、これをケーシング
1の天井部に設けたガス排気口6から排出させる。これ
により、ランプ4からの紫外線のエネルギーによりオゾ
ンが発生し、このオゾンの酸化力により、基板表面に付
着している有機物の汚れを酸化分解したり、或いは被処
理体の表面を酸化して改質処理を行なうようになってい
る。
【0005】酸素に対する紫外線の影響は以下のようで
ある。例えば波長185nm近傍の紫外線は、下記式に
示すような式でオゾンを発生する。 O2 →O+O, O+O2 →O3 (オゾン) また、波長254nm近傍の紫外線は、下記式に示すよ
うにオゾンに吸収されてこれを分解し、活性の強い励起
酸素原子、すなわちラジカル酸素を発生し、このラジカ
ル酸素が特に酸化反応を示して有機物を分解したり表面
改質を行なう。 O3 →O2 +O* (ラジカル酸素)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した各
従来装置にあっては、測定の結果、オゾンよりも強く洗
浄機能や表面改質機能を発揮するラジカル酸素の発生効
率が良好ではなく、処理効率が十分ではないということ
が判明した。この点を改善するために水銀ランプのワッ
トや照度を上げたり、処理時間を長くすることも考えら
れるが、ランプと被処理体との間は紫外線の距離減衰を
避けるためにこれらの間は、例えば40mm以上大きく
設定できないことから能力のアップしたランプ熱により
被処理体の表面が熱ダメージを受けてしまうことにな
り、過度にランプ能力を上げることはできないし、ま
た、処理時間を上げるとスループットが低下し、好まし
くない。
【0007】更には、図示例における装置では、処理ガ
スはケーシング1の側壁から導入されて上方に抜ける構
造のために、処理ガスと被処理体の表面との接触効率が
高くなく、この点も処理効率を十分に向上させることが
できない原因となっていた。また、表面処理装置を応用
した装置として、半導体デバイスや薄膜センサの製造
時、或いはCDやDVDなどのスタンパ(原盤)等の製
造時に利用するフォトリソグラフィー工程のレジストを
除去する光アッシング装置が知られている。この光アッ
シング装置としては、ホットプレート上に載置した被処
理体に紫外線を照射しつつオゾンを供給し、発生したラ
ジカル酸素によりレジストを灰化するようにしたものが
一般的に知られている。また、この紫外線照射に加え
て、より灰化効率を高めるために赤外線を照射して被処
理体を加熱するようにした方法(特開平7−16000
7号公報)も知られている。
【0008】ところで、ホットプレートを用いた場合に
は、被処理体全体が加熱されてしまってこれがダメージ
を受けるばかりか、内部雰囲気が上昇する結果、紫外線
ランプが加熱されてこの発光効率が低下するという問題
があった。また、赤外線ランプを用いた場合には、同様
にこのランプ熱で紫外線ランプが加熱されてしまって発
光効率が低下してしまう。また、オゾンを発生させるた
めにオゾン発生器を設けなければならず、コスト高を余
儀なくされるばかりか、このオゾンの効果を高めるため
に、内部雰囲気を減圧する減圧装置も設けなければなら
なかった。
【0009】本発明は、以上のような問題点に着目し、
これを有効に解決すべく創案されたものであり、その目
的は洗浄機能や表面改質機能の高いラジカル酸素の発生
効率を向上させた表面処理装置及び光ディスクの製造方
法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、
被処理体にダメージを与えることなく効率的にアッシン
グを行なうことができる光アッシング装置を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に規定する本発
明は、処理チャンバと、この処理チャンバ内に収容され
る被処理体を保持する保持台と、この保持台に対向させ
て設けられて酸素を含む処理ガスを導入する処理ガス導
入部と、ラジカル酸素を発生させるために前記処理ガス
導入部と前記保持台との間に複数段に亘って設けられた
紫外線ランプと、前記保持台に対して前記処理ガス導入
部とは反対側に設けられたガス排気部とを備えるように
構成したものである。請求項5に規定する本発明は、溝
またはピットの形成されたディスク基板上に複数の層を
形成してなる光ディスクの製造方法において、前記各層
を形成するに際して、請求項1乃至4に規定される表面
処理装置を用いて、前記ディスク基板及び前記層の表面
にラジカル酸素で表面酸化処理を施すように構成したも
のである。請求項8に規定する本発明は、被処理体の表
面のレジスト等の薄膜をラジカル酸素により灰化させる
光アッシング装置において、処理チャンバと、この処理
チャンバ内に収容される被処理体を保持する保持台と、
この保持台に対向させて設けられて酸素を含む処理ガス
を導入する処理ガス導入部と、ラジカル酸素を発生させ
るために前記処理ガス導入部と前記保持台との間に複数
段に亘って設けられた紫外線ランプと、前記保持台に対
して前記処理ガス導入部とは反対側に設けられたガス排
気部と前記保持台と前記紫外線ランプとの間に設けられ
て前記被処理体の表面を加熱する近赤外線を放出する近
赤外線ランプとを備えるように構成したものである。
【0011】請求項1に規定する発明によれば、処理ガ
ス導入部から導入された酸素や空気などの処理ガスは複
数段に設けた紫外線ランプ群を通過して保持台上に載置
した被処理体と直交するように当接し、この裏面側に設
けたガス排気部から排出される。ここで、紫外線ランプ
を処理ガスの流れ方向に沿って多段に配置していること
からこのガスが紫外線からエネルギーを受けている時間
が十分に長くなり、その結果、オゾンからラジカル酸素
への変換効率が高くなって洗浄機能や表面改質機能の高
いラジカル酸素の発生効率を高くすることができる。従
って、ラジカル酸素の量を増やすことができるので、洗
浄効率や表面改質効率を大幅に向上させることが可能と
なる。更に、処理ガス導入部とガス排出部は、載置台を
挟んで対称となるように配置していることから、処理ガ
スと被処理体の表面との接触効率が高くなるので、上記
洗浄効率や表面改質効率を一層向上させることができ
る。
【0012】このような紫外線ランプとしては、オゾン
を発生し易い波長185nm近傍の紫外線と、オゾンか
らラジカル酸素を発生し易い波長254nm近傍の紫外
線とを主として出力する低圧水銀ランプ、特に発生熱量
の少ない冷陰水銀ランプを用いるのが好ましい。また、
処理ガス導入部としては、空気導入部と酸素導入部とを
設け、必要に応じて酸素を供給したり、或いはこの供給
量を調節することによりラジカル酸素の発生量を容易に
コントロールすることが可能となる。
【0013】請求項5に規定する発明によれば、ディス
ク基板の表面を含め光ディスクを形成する各層の表面を
ラジカル酸素で表面酸化処理、すなわち洗浄と表面改質
を行なうようにしたので、表面の汚れを確実に除去で
き、しかも、表面改質により接着力及び耐候性を向上さ
せることが可能となる。また、この表面酸化処理は、デ
ィスク基板を製造するスタンパの製造時にも行なうこと
が好ましい。また、このような表面酸化処理を行なうに
際しては、本発明装置に係る表面処理装置を用いる。
【0014】請求項8に規定する発明は、請求項1に規
定する構造に対して近赤外線ランプを加えたものであ
り、ラジカル酸素の発生メカニズムは請求項1の場合と
同様である。更に、ここでは、近赤外線ランプより放射
する、例えば波長が850〜1300nm程度の近赤外
線により被処理体を加熱するので、レジスト等の薄膜が
ラジカル酸素により効果的に改質されて灰化することに
なる。この場合、近赤外線は被処理体の内部に浸透し難
く、表面のみを加熱する傾向にあるので、被処理体全体
の温度はそれほど上昇せず、これがダメージを受けるこ
とを防止することができる。
【0015】また、この近赤外線ランプに遮蔽板或いは
反射板を設けて紫外線ランプに向かう近赤外線を遮断或
いは反射させることにより、紫外線ランプが加熱される
ことを防止でき、そのためこの発光効率を高く維持する
ことができる。また、被処理体の内部温度を上昇させな
いために、紫外線と近赤外線の照射を交互に繰り返すよ
うにして被処理体の表面温度をある程度の温度範囲に維
持させるようにするのがよい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る光ディスク
の製造方法、表面処理装置及び光アッシング装置の一実
施例を添付図面に基づいて詳述する。図1は本発明に係
る表面処理装置の一実施例を示す正面断面図、図2は図
1に示す装置の側断面図である。
【0017】先ず、本発明の表面処理装置について説明
する。図示するようにこの表面処理装置7は、オゾンに
対して耐蝕性の高い例えばステンレス製の矩形状の処理
チャンバ8を有しており、このチャンバ8の蓋部8A
は、ヒンジ9により開閉可能になされている。この処理
チャンバ8の下部には、中を上下に仕切る仕切板10が
設けられており、この中央部に保持台11が起立させて
支持される。そして、この保持台11の表面に被処理体
12を載置保持するようになっている。
【0018】上記蓋部8Aには、この処理チャンバ8内
に処理ガス、例えば酸素や空気或いはこの両者を導入す
るための処理ガス導入部13が設けられる。この処理ガ
ス導入部13としては、空気を導入するためにその中央
部に開口して形成された空気導入部13Aと、必要に応
じて高濃度酸素を導入するために側部に2本形成された
酸素導入部13Bとにより形成される。各酸素導入部1
3Bは、処理チャンバ8の幅方向に延びる拡散ノズル1
4を有しており、このノズル14に設けた多数のノズル
孔14Aからチャンバ内に略均等に高純度濃度の酸素を
供給するようになっている。また、この酸素導入部13
Bに接続される配管15には、流量制御を行なう流量制
御弁16が介設される。
【0019】また、この処理ガス導入部13と上記保持
台11との間である蓋部8A内には、本発明の特徴とす
る紫外線ランプ17が多段に設けられる。この紫外線ラ
ンプ17は図示例においては、ガスの流れ方向に沿って
3段に亘って設けられており、しかも上下に隣設するラ
ンプ同士はそのピッチ間に位置するように位置ずれさせ
て配置され、いわば3次元網目構造に配列されている。
このようにランプを多段に設けることによりこのランプ
群内を流れるガスの流れ経路を大きくして効率的にラジ
カル酸素を発生し得るようにしている。図示例では直管
式の紫外線ランプ17を用いているが、これに限定され
ず、例えばU字形、複数回蛇行するように折り曲げたN
形、W形、グリット形のものを用いることができる。し
かも、ランプの段数も3段に限定されないのは勿論であ
る。また、紫外線ランプ17としては、オゾンを発生さ
せる波長185nm近傍の紫外線及びオゾンからラジカ
ル酸素を発生させる波長254nm近傍の紫外線を出力
するものがよく、例えば低圧水銀ランプ、特に、発生熱
量の少ない冷陰極水銀ランプを用いるのが好ましい。
【0020】また、上記保持台11に対して処理ガス導
入部とは反対側、すなわち上記仕切板10の中央部側に
は、例えば網目状になされたガス排気孔18よりなるガ
ス排気部が形成されており、更に、チャンバ8の底板に
はガス出口19が形成されている。従って、処理ガス導
入部13より導入された処理ガスは、3次元網目構造に
配置された紫外線ランプ17群をジグザグ、或いは蛇行
状に通過した後、被処理体12の表面に直接的にぶつか
り、その後、この表面を舐めるようにして流れて裏面側
に設けたガス排気孔18へ吸い込まれて、ガス出口19
からチャンバ外へ排出されるようになっている。そし
て、紫外線ランプ17の最下端と保持台11との間の距
離Dは、紫外線の距離減衰を避けるために、好ましくは
40mm以内に設定する。
【0021】次に、以上のように構成された表面処理装
置を用いて行なわれる表面酸化処理について説明する。
ここで表面酸化処理には、洗浄機能と表面改質機能が含
まれており、洗浄機能とは紫外線の波長エネルギーによ
って有機物質の分子を励起させて分子鎖切断を生ぜしめ
て活性化し、このラジカル酸素で酸化分解して汚れ等を
除去することをいい、表面改質機能とは、有機物質表面
を紫外線で活性化することにより分子結合を切断し、水
素原子をラジカル酸素で引き抜いたり、酸化反応を起こ
してカルボニル基を生成して素材表面を改質することを
いう。また、金属無機では原子から電子が放出されて空
孔化が起こり、表面に酸化膜が形成されることをいう。
さて、上述のように構成された装置において、被処理体
12を処理チャンバ8内の保持台11上に載置保持し、
蓋部8Aを閉じる。被処理体12としては、例えばディ
スク基板やスタンパ基板等が用いられている。
【0022】そして、処理ガス導入部13の空気導入部
13Aから空気を、また、必要に応じて酸素導入部13
Bから高濃度酸素を、それぞれ流量制御しつつ処理チャ
ンバ8内に導入し、これと同時にチャンバ内雰囲気を保
持台11の裏面側に設けたガス排気孔18から吸引して
ガス出口19からチャンバ外へ排出する。処理チャンバ
8内へ導入された空気及び酸素は、3次元網目構造に配
列された紫外線ランプ17群内を、図2に示すようにジ
グザグ状、或いは蛇行状に流れて流下し、被処理体12
の表面に直接接触してこの表面を舐めるようにして横に
広がり、この裏面側に流れて下方へ吸引されて行く。こ
こで処理チャンバ8内に導入された酸素から、前述のよ
うに波長185nm近傍の紫外線エネルギーによりオゾ
ンが生成され、更に、波長254nm近傍の紫外線エネ
ルギーによりオゾンは分解されて活性の強い励起酸素原
子、すなわちラジカル酸素20を発生する。
【0023】この場合、前述のように紫外線ランプ17
をガスの流れ方向に沿って多段、例えば3段に設けてガ
スの流れる経路を長くしてその分、このガスが紫外線に
照射される時間を多くしているので、上記したようなオ
ゾンからラジカル酸素への分解反応が促進されることに
なる。従って、ラジカル酸素が効率的に生成されるの
で、この量が多くなって、洗浄機能や表面改質機能を大
幅に向上させることができる。そのため、被処理体12
の表面に付着する有機物質は、その分子鎖切断が容易に
起こって簡単に除去されるこになり、また、被処理体1
2の表面材料の有機物は、分子結合が容易に切断されて
酸化反応を起こし、その表面を効率的に改質することが
できる。紫外線ランプ17としては、オゾンを分解して
ラジカル酸素を発生する波長254nm近傍の紫外線を
多く出力するランプが好ましく、一般的には1本9ワッ
ト程度の冷陰極水銀ランプを多数本、例えば42本程度
用いることができ、その時の被処理体のサイズは、例え
ば200mm×200mm程度の大きさのものを処理す
ることができる。
【0024】図示例では装置の一例を示しているに過ぎ
ず、例えば保持台11を固定構造としたが、これを横方
向へスライド可能な構造として被処理体の交換作業を行
い易くする等、種々変形を加えるようにしてもよい。ま
た、図示例では上方から下方に向けて処理ガスを流すよ
うにしたが、これに限定されず、装置全体を180度回
転させて反転させたような状態とし、下方より上方に向
けて処理ガスを流すようにしてもよい。ここで実際にデ
ィスク基板の表面を改質及び洗浄した時の結果を説明す
る。
【0025】図3はアクリル樹脂製基板及びポリカーボ
ネート樹脂製基板に表面改質処理を行なった時の結果を
示すグラフである。グラフ中、−●−、−▲−は本発明
装置により処理した結果を示し、…○…、−○−、…△
…、−△−は従来装置により処理した結果を示す。処理
条件は以下の通りである。 1.−●−→アクリル樹脂基板、3次元網目構造配列、
20mW/cm2 (254nm)、9Wランプ(42
本)、D=40mm,下向き排気。 2.−▲−→ポリカーボネート樹脂基板、3次元網目構
造配列、20mW/cm2 (254nm)、9Wランプ
(42本)、D=40mm、下向き排気。 3.…○…→アクリル樹脂基板、単層ランプ、20mW
/cm2 (254nm)、9Wランプ(15本)、D=
40mm、上向き排気。 4.−○−→アクリル樹脂基板、単層ランプ、20mW
/cm2 (254nm)、9Wランプ(15本)、D=
40mm、下向き排気。 5.…△…→ポリカーボネート樹脂基板、単層ランプ、
20mW/cm2 (254nm)、9Wランプ(15
本)、D=40mm、上向き排気。 6.−△−→ポリカーボネート樹脂基板、単層ランプ、
20mW/cm2 (254nm)、9Wランプ(15
本)、D=40mm、下向き排気。
【0026】グラフから明らかなように、従来装置によ
り処理した場合と比較して、本発明装置により処理した
場合には、処理開始から1〜2分程度で急激に接触角が
低下して濡れ性が向上していることが判明し、良好な表
面改質結果を与えている。また、図4は本発明装置にお
いて、02(酸素)ガスの導入量を変化させた時の接触
角の変化を示すグラフであり、空気だけでなく02ガス
を加えることにより短時間で表面改質処理が進んで処理
効率が上昇していることが判明する。ここでは、アクリ
ル樹脂基板が用いられ、この時の処理条件は以下の通り
である。3次元網目構造配列、20mW/cm2 (25
4nm)、9Wランプ(42本)、D=40mm、下向
き排気、表面処理時間は1分間。
【0027】更に、ラジカル酸素による洗浄効果を確認
するために、ステンレス基板上に、指紋、グリス、機械
油を付着させて本発明装置で洗浄したところ、指紋及び
グリスは略5分間で、また、機械油は略1分間で略完全
に除去でき、良好な洗浄効果を発揮することが判明し
た。尚、この時の処理条件は、0.3kg/cm3 の圧
力でO2 ガスを導入し、紫外線強度(254nm)は2
0.0〜21.0mW/cm2 、D=40mm、温度は
40〜45℃である。
【0028】次に、上述した表面処理装置を用いて行な
われる光ディスクの製造方法について説明する。ここで
は、表面酸化処理は、光ディスクの製造過程におけるデ
ィスク基板の表面、これに積層される各層の表面に対し
て施されるのみならず、スタンパの製造時の基板表面或
いはスタンパ表面に対しても施す。例えば、スタンパに
関しては、スタンパ基板に用いるガラス原盤の洗浄、N
i電鋳後のレジスト除去、スタンパ表面の汚染物質除去
等に用いる。
【0029】また、光ディスクに関しては、ディスク基
板の表面及びこれに積層される、金属薄膜反射膜または
情報記録層及び保護コート層などの各層の表面の洗浄、
改質処理等に用い、各層の付着力及び耐候性等を向上さ
せる。この光ディスクの製造方法について図5に示す図
を参照して更に詳しく説明する。図5(A)中におい
て、符号21は、例えばガラス基板よりなるスタンパ基
板であり、このスタンパ基盤21の表面を精度良く研磨
加工した後、これにラジカル酸素により表面酸化処理を
施して濡れ性を改善する。これにより、後工程で塗布さ
れるレジスト膜との密着性を改善する。尚、この表面酸
化処理及びこれ以降述べる表面酸化処理は、先に説明し
た本発明の表面処理装置を用いて行なうのは勿論であ
る。
【0030】このスタンパ基板21の表面にレジスト膜
22を塗布して、これを記録信号で変調されたレーザビ
ームで露光し、現像後に表面にニッケル薄膜23を形成
する(図5(B))。次に、このニッケル薄膜23上に
ニッケル電鋳を施してニッケル層24を積層し(図5
(C))、これを剥離して下面に記録面が形成されたニ
ッケル製のスタンパ25を製造する(図5(D))。こ
の際、スタンパ25の表面のラジカル酸素による表面酸
化処理を施し、これに付着しているレジストを除去する
ためのアッシングを行なう。これにより、有機物よりな
るレジストはラジカル酸素により容易に且つ迅速にアッ
シングされて除去されることになる。
【0031】次に、このスタンパ25を用いてディスク
基板を作成するのであるが、ここでは一例としてモール
ドによる射出成型について説明する。まず、射出成型の
直前にスタンパ25の記録面側にラジカル酸素による表
面酸化処理を施して、この部分に付着している有機物な
どの汚染物を精度良く洗浄して除去する。次に、このス
タンパ25の表面に樹脂を押し出してモールド成型する
ことによりこの記録面を樹脂側に転写させ、ディスク基
板26を形成する(図5(E))。次に、このディスク
基板26の情報列であるピットや溝の形成された記録面
側にラジカル酸素による表面酸化処理を施すことによっ
てこの面の洗浄と改質処理を行なって濡れ性を改善し、
この上にAlなどの金属薄膜反射層27をスパッタリン
グ等により形成する(図5(F))。これにより、ディ
スク基板26とこの表面に形成される金属薄膜反射層2
7との密着性を大幅に向上させることができる。尚、こ
の金属薄膜反射層27に代えて、情報記録層を形成する
ようにしてもよい。
【0032】次に、この金属薄膜反射層27の表面にラ
ジカル酸素による表面酸化処理を施してこの表面の濡れ
性を改善し、これに例えば紫外線硬化樹脂等よりなる保
護コート層28を形成する(図5(G))。ここでも保
護コート層28と反射層27との密着性を大幅に改善す
ることができる。更に、この保護コート層28の表面
に、ラジカル酸素による表面酸化処理を施してこの表面
の濡れ性を改善すると共に、表面改質によってこの保護
コート層28の表面の耐候性を向上させる。そして、こ
の保護コート層28の表面に紫外線インクなどのラベル
29を印刷するが(図5(H))、この場合にも保護コ
ート層28とインクラベル29との密着性が向上し、こ
れを非常に剥がれ難くすることが可能となる。
【0033】このようにして、ディスク基板表面や上記
各層の表面に表面酸化処理を施すことにより、層間の密
着性を大幅に改善して、その耐候性を大幅に向上させる
ことができる。ここで説明した一連の流れは、光ディス
クとして、例えばCD、CD−ROM、CD−R、M
D、MO等を製造する場合に適用することができる。上
記図5(E)においては、ディスク基板26をモールド
成型により製造したが、これに代えて、図6に示すよう
にPP法(フォトポリマー法)により製造するようにし
てもよい。すなわち、図5(D)に示す表面酸化処理が
終了した後に、図6(A)に示すようにスタンパ25と
平坦な基板30との間に紫外線硬化樹脂31を介在さ
せ、これを両方から押圧してスタンパの記録面を転写し
つつ紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂31を硬化させ
る。そして、スタンパ25を離すことによりディスク基
板26を形成する(図6(B))。次の処理は、図5
(F)へ移行し、この記録面の転写された紫外線硬化樹
脂31の表面に表面酸化処理が施されることになる。更
には、図5(G)に示す保護コート層28に代えて、金
属薄膜反射層27の表面に接着剤を介在させてダミー基
板を接着させるようにしてもよい。
【0034】また、ここでは記録面が1つの単層構造の
光ディスクについて説明したが、記録面が2つの多層構
造の光ディスクについても適用し得るのは勿論である。
図7は多層構造の光ディスクの製造過程を示しており、
図5(F)に示す金属薄膜反射層27に代えて、ディス
ク基板26上には、例えばSiO2 、TbFeCo、A
u等よりなる半透明反射層32をスパッタリング等によ
り形成する(図7(A))。そして、この表面にラジカ
ル酸素による表面酸化処理を施した後に、図7(B)に
示すように紫外線硬化樹脂33を介在させてこの上から
新たなスタンパ34で押圧してこの記録面を紫外線硬化
樹脂33に転写しつつ紫外線UVを照射する。そして、
スタンパ34を引き離すことにより記録面の転写を完了
する(図7(C))。この製造方法を前述したPP法と
称す。
【0035】次に、この情報が転写された樹脂33の表
面に、ラジカル酸素による表面酸化処理を施してこの濡
れ性を改善し、更に、この上より例えばAlよりなる金
属薄膜反射層35をスパッタリング等により形成する。
これにより、樹脂33と反射層35の密着性を大幅に向
上させて、耐候性を向上させることができる。これ以降
の処理は、図5(G)に移行し、保護コート層28等を
形成することになる。尚、ここでは記録面が2つある2
層構造の光ディスクを形成する場合に、PP法を用いた
場合を例にとって説明したが、これに限定されず、図8
に示すような貼り合わせ法を用いて2層構造の光ディス
クを形成するようにしてもよい。
【0036】図8(A)に示すようにここでは、図5
(F)にて作成した金属薄膜反射層27の形成されたデ
ィスク基板26と、図7(A)にて作成した半透明反射
層32の形成されたディスク基板26とを接着剤36を
介在させて両基板を貼り合わせる。これにより図8
(B)に示すような貼り合わせ型の光ディスクを形成す
る。以後は、図5(H)に示す工程へ移行して表面酸化
処理後に金属薄膜反射層27側のディスク基板26の表
面にラベル29等を印刷すればよい。尚、上記実施例に
おいては、各層すべての表面に表面酸化処理を施すよう
にしているが、これに限定されず、特に接着性が劣化す
る傾向にある層表面のみに選択的に表面酸化処理を施す
ようにして生産性を向上させるようにしてもよい。
【0037】次に、本発明装置を用いて光ディスクの製
造時に実際に表面酸化処理を行なった時の効果について
評価を行なったので、グラフを参照して説明する。図9
はスタンパ製造時のスタンパ基板21(図5(A)参
照)として青板ガラス板を用いた時の洗浄効果を示すグ
ラフである。グラフ中、−●−は本発明のラジカル酸素
による洗浄結果を示し、−○−は従来方法の紫外線とオ
ゾン(O3 )を主体とした洗浄結果を示す。グラフから
明らかなように、従来方法と比較して本発明方法の場合
には、短時間で接触角が低下して濡れ性が向上してお
り、良好な結果を示していることが判明する。この時の
処理条件は、紫外線の照度が20〜21mW/cm2
(254nm)で、照射距離D(図1参照)は40mm
である。
【0038】図10はスタンパ製造時のニッケル電鋳後
のレジスト除去(図5(C)、図5(D)参照)におけ
る洗浄(除去)効果を示すグラフである。グラフ中、−
●−は本発明のラジカル酸素による洗浄結果を示し、−
○−は従来方法の紫外線とオゾンを主体とした洗浄結果
を示す。グラフから明らかなように、従来方法と比較し
て本発明方法の場合には、レジストを迅速に分解するこ
とができ、高い除去率を示していることが判明する。こ
の時の処理条件は、ノボラックレジストを用い、処理時
間は10分、紫外線照度は20〜21mW/cm2 (2
54nm)、照射距離Dは40mmである。
【0039】図11は基板としてのアクリル基板とフォ
トポリマー(PP樹脂)の洗浄結果と付着力を示すグラ
フである。グラフ中、−●−、−▲−は本発明のラジカ
ル酸素による処理結果を示し、−○−、−△−は従来方
法の紫外線とオゾンを主体とした処理結果を示す。グラ
フから明らかなように、接触角及びクロスカット塗膜残
存率(接着性)がともに、従来方法と比較して本発明方
法の場合には、良好な値を示していることが判明する。
この時の処理条件は、紫外線照度は20〜21mW/c
2 (254nm)、照射距離Dは40mmである。
【0040】図12はポリカーボネート基板とアルミ薄
膜よりなる反射層の洗浄結果と付着性を示すグラフであ
る。グラフ中、−●−、−▲−は本発明のラジカル酸素
による処理結果を示し、−○−、−△−は従来方法の紫
外線とオゾンを主体とした処理結果を示す。グラフから
明らかなように、接触角及びクロスカット塗膜残存率
(接着性)ともに、従来方法と比較して本発明方法の場
合には、良好な値を示していることが判明する。この時
の処理条件は、紫外線照度は20〜21mW/cm2
(254nm)、照射距離Dは40mmである。
【0041】図13はアルミ薄膜よりなる金属薄膜反射
層とこの上に形成される紫外線硬化樹脂の洗浄結果と付
着力を示すグラフである。グラフ中、−●−、−▲−は
本発明のラジカル酸素による処理結果を示し、−○−、
−△−は従来方法の紫外線とオゾンを主体とした処理結
果を示す。グラフから明らかなように、接触角及びクロ
スカット塗膜残存率(接着性)がともに、従来方法と比
較して本発明方法の場合には、良好な値を示しているこ
とが判明する。この時の処理条件は、紫外線照度は20
〜21mW/cm2 (254nm)、照射距離Dは40
mmである。
【0042】図14はSiOx膜(半透明反射膜)とこ
の上に形成される紫外線硬化樹脂の洗浄結果と接着性を
示すグラフである。グラフ中、−●−、−▲−は本発明
のラジカル酸素による処理結果を示し、−○−、−△−
は従来方法の紫外線とオゾンを主体とした処理結果を示
す。グラフから明らかなように、接触角及びクロスカッ
ト塗膜残存率(接着性)がともに、従来方法と比較して
本発明方法の場合には、良好な値を示していることが判
明する。この時の処理条件は、紫外線照度は20〜21
mW/cm2 (254nm)、照射距離Dは40mmで
ある。
【0043】図15は保護コート層の濡れ性と光磁気デ
ィスクの耐候性を示すグラフである。グラフ中、−●
−、−▲−は本発明のラジカル酸素による処理結果を示
し、−○−、−△−は従来方法の紫外線とオゾンを主体
とした処理結果を示す。−□−はB・E・Rの測定初期
値である。また、−▲−、−△−は、80℃、85%R
H、1000時間後のB・E・R測定値である。
【0040】グラフから明らかなように、従来方法と比
較して本発明方法の場合には、接触角及びバイトエラー
レートともに低い値を示しており、良好な結果を示して
いることが判明する。 この時の処理条件は、紫外線照
度は20〜21mW/cm2(254nm)、照射距離
Dは40mmである。
【0044】また、光磁気ディスクの構成は、SiN:
1000Å/TbFeCo:250Å/SiN:500
Å/Al:500Åであり、保護コート層としてはウレ
タンアクリルプレポリマーを主成分とする紫外線硬化樹
脂を用い、膜厚を5〜6μmに設定した。また、基板は
ポリカーボネート樹脂により、1.2mmの厚さに設定
した。尚、上記実施例では、表面処理として主に被処理
体の表面改質処理を行なった場合を例にとって説明した
が、次に、半導体ウエハやアルミニウム板等の表面に形
成されたレジストを灰化させる光アッシング装置を例に
とって説明する。
【0045】図17は光アッシング装置40を示す側断
面図であり、近赤外線ランプ41及び遮蔽板42を設け
た点を除き、図1及び図2に示す構成と全く同様に構成
されているので、同一符号を付して説明する。すなわ
ち、この光アッシング装置40の処理チャンバ8の下部
には、中を上下に仕切る仕切板10が設けられており、
この中央部に保持台11が起立させて支持される。そし
て、この保持台11の表面に被処理体12を載置保持す
るようになっている。ここでは、被処理体として例えば
表面にパターニングされたレジストが塗布された半導体
ウエハ等を用いる。
【0046】チャンバ8の蓋部8Aには、この処理チャ
ンバ8内に処理ガス、例えば酸素や空気或いはこの両者
を導入するための処理ガス導入部13が設けられる。こ
の処理ガス導入部13としては、空気を導入するために
その中央部に開口して形成された空気導入部13Aと、
必要に応じて高濃度酸素を導入するために側部に2本形
成された酸素導入部13Bとにより形成される。各酸素
導入部13Bは、処理チャンバ8の幅方向に延びる拡散
ノズル14を有しており、このノズル14に設けた多数
のノズル孔14Aからチャンバ内に略均等に高純度濃度
の酸素を供給するようになっている(図1参照)。ま
た、この酸素導入部13Bに接続される配管15には、
流量制御を行なう流量制御弁16が介設される。
【0047】また、この処理ガス導入部13と上記保持
台11との間である蓋部8A内には、本発明の特徴とす
る紫外線ランプ17が多段に設けられる。この紫外線ラ
ンプ17は図示例においては、ガスの流れ方向に沿って
4段に亘って設けられており、しかも上下に隣設するラ
ンプ同士はそのピッチ間に位置するように位置ずれさせ
て配置され、いわば3次元網目構造に配列されている。
このようにランプを多段に設けることによりこのランプ
群内を流れるガスの流れ経路を大きくして効率的にラジ
カル酸素を発生し得るようにしている。図示例では直管
式の紫外線ランプ17を用いているが、これに限定され
ず、例えばU字形、複数回蛇行するように折り曲げたN
形、W形、グリット形のものを用いることができる。し
かも、ランプの段数も4段に限定されないのは勿論であ
る。また、紫外線ランプ17としては、オゾンを発生さ
せる波長185nm近傍の紫外線及びオゾンからラジカ
ル酸素を発生させる波長254nm近傍の紫外線を出力
するものがよく、例えば低圧水銀ランプ、特に、発生熱
量の少ない冷陰極水銀ランプを用いるのが好ましい。
【0048】また、上記保持台11に対して処理ガス導
入部とは反対側、すなわち上記仕切板10の中央部側に
は、例えば網目状になされたガス排気孔18よりなるガ
ス排気部が形成されており、更に、チャンバ8の底板に
はガス出口19が形成されている。従って、図示しない
送風器により送られ、処理ガス導入部13より導入され
た処理ガスは、3次元網目構造に配置された紫外線ラン
プ17群をジグザグ、或いは蛇行状に通過した後、被処
理体12の表面に直接的にぶつかり、その後、この表面
を舐めるようにして流れて裏面側に設けたガス排気孔1
8へ吸い込まれて、ガス出口19からチャンバ外へ排出
されるようになっている。そして、紫外線ランプ17の
最下端と保持台11との間の距離Dは、紫外線の距離減
衰を避けるために、好ましくは50mm以内に設定す
る。
【0049】そして、アッシング用に被処理体12の表
面を加熱するために、紫外線ランプ17と保持台11と
の間に本発明の特徴とする近赤外線ランプ41が設けら
れている。具体的には、この近赤外線ランプ41は、紫
外線ランプ17の下部の側方に位置されて設けらてれお
り、被処理体12の表面に当たる紫外線やガス流の妨げ
にならないようになっている。この近赤外線ランプ41
は、直管状のランプを用いて処理チャンバ8の長さ方向
に沿って設けてもよいし、被処理体が円形ならばリング
状のランプを用いて円形の被処理体12の周縁部上方に
リング状に配置するようにしてもよく、いずれにしても
その形状は問わない。この近赤外線ランプ41から放射
される近赤外線は、例えば850nm〜1300nm程
度の範囲内の波長がよく、被処理体12の表面のみを加
熱し、なるべく熱線を内部まで浸透させないようにす
る。
【0050】そして、ランプの点灯制御に関しては、ア
ッシングに最も適した温度、例えば150〜200℃程
度の範囲内に表面のレジストの温度を維持するために、
消灯と点灯を一定の時間間隔で、或いは表面温度の検出
下で繰り返すように制御する。そして、この近赤外線ラ
ンプ41の上面及び外側面を覆うようにして断面略半円
状の遮蔽板42が設けられており、この遮蔽板42によ
り上方に放射される近赤外線をカットして紫外線ランプ
17を加熱しないようにしている。これにより、紫外線
ランプ17の温度を発光効率が低下する40〜60℃以
上に上昇させないようになっている。特に、ここでは上
記遮蔽板42として、例えば近赤外線を反射する反射板
を用いており、ここでの反射近赤外線を保持台11の上
面に向けるようにしてレジスト表面を効率的に加熱し得
るようになっている。尚、紫外線ランプ17が過度に加
熱されるのを防止するために、ここでは後述するように
紫外線ランプ17も所定の間隔で点灯と消灯が繰り返さ
れるように制御されることになる。
【0051】次に、以上のように構成された光アッシン
グ装置の動作について説明する。さて、上述のように構
成された装置において、被処理体12を処理チャンバ8
内の保持台11上に載置保持し、蓋部8Aを閉じる。被
処理体12としては、例えば表面にレジストが塗布され
た半導体ウエハ等が用いられている。そして、処理ガス
導入部13の空気導入部13Aから空気を、また、必要
に応じて酸素導入部13Bから高濃度酸素を、それぞれ
流量制御しつつ処理チャンバ8内に導入し、これと同時
にチャンバ内雰囲気を保持台11の裏面側に設けたガス
排気孔18から吸引してガス出口19からチャンバ外へ
排出する。処理チャンバ8内へ導入された空気及び酸素
は、3次元網目構造に配列された紫外線ランプ17群内
を、ジグザグ状、或いは蛇行状に流れて流下し、被処理
体12の表面に直接接触してこの表面を舐めるようにし
て横に広がり、この裏面側に流れて下方へ吸引されて行
く。ここで処理チャンバ8内に導入された酸素から、前
述のように波長185nm近傍の紫外線エネルギーによ
りオゾンが生成され、更に、波長254nm近傍の紫外
線エネルギーによりオゾンは分解されて活性の強い励起
酸素原子、すなわちラジカル酸素20を発生する。
【0052】また、近赤外線ランプ41から照射された
近赤外線は、被処理体12に照射されて、その波長の性
質上、内部まで浸透し難く、主にウエハ表面のレジスト
を加熱することになり、この状態で上記ラジカル酸素2
0によりアッシングされる。すなわち、有機物であるレ
ジスト表面に紫外線を照射すると、紫外線の光エネルギ
ーが高分子化合物の分子結合を切断して水素原子の引き
抜きが起きる。そして、ここに励起酸素原子が結合して
極性の高いカルボニル基や水酸基などを生成し、更に、
加熱とラジカル酸素によって酸化が促進されて灰化が起
きることになる。
【0053】ここで、光アッシング装置に要求される条
件としては以下の事項がある。 レジストの表面温度を150〜250℃の範囲内に設
定する。 紫外線の強度を減衰させないために紫外線ランプ及び
雰囲気の温度を40〜60℃の範囲内に設定する。 紫外線の照射強度をできるだけ強くし、照射距離によ
る減衰がほとんど生じないようにする。 できるだけ多量のラジカル酸素を発生させる。
【0054】この場合、前述のように紫外線ランプ17
をガスの流れ方向に沿って多段、例えば3段に設けてガ
スの流れる経路を長くしてその分、このガスが紫外線に
照射される時間を多くしているので、上記したようなオ
ゾンからラジカル酸素への分解反応が促進され、多量の
ラジカル酸素が発生することになる。従って、ラジカル
酸素が効率的に生成されるので、この量が多くなって、
アッシング(灰化)効率を大幅に向上させることができ
る。そのため、被処理体12の表面に付着する有機物質
は、その分子鎖切断が容易に起こって簡単に除去される
こになり、また、被処理体12の表面材料のレジスト
は、分子結合が容易に切断されて酸化反応を起こし、効
率的にアッシングすることができる。
【0055】紫外線ランプ17としては、オゾンを分解
してラジカル酸素を発生する波長254nm近傍の紫外
線を多く出力するランプが好ましく、一般的には1本9
ワット程度の冷陰極水銀ランプを多数本、例えば42本
程度用いることができ、その時の被処理体のサイズは、
例えば200mm×200mm程度の大きさのものを処
理することができる。また、紫外線ランプ17及び近赤
外線ランプ41は常時点灯されているのではなく、例え
ばこれらを所定の時間間隔で交互に点灯と消灯を繰り返
し行なうように制御する。これにより、例えばウエハの
レジスト表面温度が150〜200℃程度になった時に
近赤外線ランプ41を消灯し、次に、紫外線ランプ17
を点灯して、酸素や空気を内部に導入してアッシングを
行なう。そして、レジストの表面温度が低下したら紫外
線ランプ17を消灯して再度、近赤外線ランプ41を点
灯してレジストの表面温度を前述した温度範囲内まで上
昇させるようにする。このような操作を繰り返し行なっ
てアッシングを行なうようにすればよい。
【0056】従って、ウエハの内部は、近赤外線の性質
によってそれ程加熱されずにレジスト表面のみが主に加
熱されるので、ウエハの内部がダメージを受けることを
防止することができる。また、反射板42により近赤外
線を反射し、また、近赤外線ランプ41及び紫外線ラン
プ17の点灯及び消灯を繰り返し行なうことにより、紫
外線ランプ17及びその雰囲気温度の加熱を阻止してこ
れを40〜60℃程度に維持することができるので、紫
外線の発光効率を高く維持でき、また、紫外線強度の減
衰を生ずることもほとんどない。また、ウエハと紫外線
ランプ17との間の距離を50mm以内となるようにし
ているので、ウエハ表面において照射距離による紫外線
の減衰もほとんど生ずることがない。
【0057】次に、実際にウエハ表面のレジストをアッ
シングした時の結果について説明する。図18は紫外線
ランプの雰囲気温度と放射線強度を示すグラフである。
このグラフより、ランプの雰囲気温度が高くなると波長
254nmの紫外線強度が急激に減衰しており、従っ
て、雰囲気温度を40〜60℃以下に設定することによ
り、紫外線強度を高く維持できることが判明する。尚、
この時の測定ポイントは、ランプから40mm離れてい
る。図19は紫外線の照射距離と放射線強度との関係を
示すグラフであり、グラフ中、−○−は本発明の光アッ
シング装置を示し、ここでは1本7Wの冷陰極ランプを
45本使用(15本ずつ3段配置)している。−△−は
従来の装置であり、ここでは1本20Wの低圧水銀ラン
プを6本平行に一段に配置している。グラフから明らか
なように、従来装置においては、ランプから離れるに従
って、紫外線の強度は、大幅に減衰しているが、本発明
の場合には、距離が50mm程度までは紫外線強度は略
一定値であり、それ以上離れると強度が次第に低下して
いる。従って、ランプと被処理体との間の距離は50m
m以内に設定するのが好ましいことが判明する。
【0058】図20はレジストの表面温度と雰囲気温度
との関係を示すグラフである。図中、−○−は本発明を
示し、−△−は従来の光アッシングを示す。これによれ
ば、本発明の方が、レジスト表面温度が上昇しても雰囲
気温度が上昇しないことが判明し、雰囲気温度は、上昇
してもレジスト温度200℃に対してせいぜい60℃程
度である。図21は被処理体に紫外線を照射せずに処理
を行なった時の被処理体平面の接触角を示すグラフであ
る。図中、−○−は本発明を示し、1本7Wの冷陰極管
ランプを45本立体構造(15本ずつ3段配置)に配列
しており、−△−は従来装置を示し、1本20Wの低圧
水銀ランプを6本平行に1段に配列している。尚、共に
青板ガラスに紫外線が通らないようにマスクをして処理
を行なった。これによれば、従来装置と比較して本発明
の場合には、処理時間の経過と共に接触角は大幅に低下
している。これは、紫外線が被処理体の表面に当たって
いないのにもかかわらず、表面の接触角が変化するの
は、ラジカル酸素によって表面改質が生じていることを
意味し、本発明の方が、多量のラジカル酸素が発生して
いることが判明する。
【0059】図22はノボラック樹脂レジストの除去量
をレジスト表面温度との関係を示すグラフである。図
中、−●−は本発明装置の場合を示し、1本7Wの冷陰
極管ランプを45本、1本200Wの近赤外線ランプを
4本使用し、20mW/cm2(254nm)の紫外線
強度としている。この時の紫外線ランプと試料との距離
は40mm、処理時間は10分である。−○−は本発明
装置の倍を示し、上記と条件は同じであり、20mW/
cm2(254nm)の紫外線強度とし、紫外線ランプ
と試料との距離は40mmに設定している。また、O2
ガスは0.3kgf/cm2の圧力を供給し、処理時間
は10分である。−△−は従来の光アッシング装置の場
合を示す。
【0060】これによれば、従来装置と比較して本発明
の方が効率的にレジストを除去でき、しかも温度が高い
程、その効率を向上できることが判明する。図23はア
ッシングの処理時間と表面粗さRaとの関係を示すグラ
フである。グラフ中、−○−は本発明の場合を示し、従
来の光アッシングの場合を示し、−△−はプラズマアッ
シングの場合を示す。尚、処理条件はグラフ中に比較さ
れている。試料鏡面としてはニッケル板を使用し、表面
粗さRaは、走査型白色干渉顕微鏡での算術平均で求め
た。グラフより明らかなように、2つの従来装置と比較
して、本発明の場合には、試料の表面を荒らすことなく
アッシングを行なうことができることが判明する。
【0061】図24は本発明の光アッシングと従来のプ
ラズマアッシングのノボラック樹脂のエッチング量とエ
ッチング後の表面粗さRaを示すグラフである。図中、
−○−、−●−、−△−、−▲−は従来プラズマ法の場
合である。グラフから明らかなように、従来方法に比較
して、本発明の場合には、エッチング量が増加しても、
表面粗さRaがほとんど変わらないことを示しており、
良好な結果を示していることが判明する。この時の処理
条件は、プラズマ法では20Pa、100W、プラズマ
距離が40mm、光アッシングでは紫外線の照度が20
〜21mW/cm2(254nm)で、温度200℃、
照射距離は40mmである。尚、ここでは半導体ウエハ
や薄膜センサ、或いはCDやDVDなどのスタンパ等の
製造時に用いるリソグラフィー技術におけるレジスト除
去を第1の主眼として説明したが、これに限定されず、
カーボンの灰化など広く加熱酸化処理を行なうものにも
応用でき、特に限定されるものではない。尚、本実施例
では、主に被処理体の表面酸化処理には、アッシング処
理、酸化膜生成処理、ドライアルマイト処理等も含まれ
るのは勿論である。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光ディス
クの製造方法、表面処理装置及び光アッシング装置によ
れば、次のように優れた作用効果を発揮することができ
る。本発明の表面処理装置によれば、紫外線ランプを多
段に設けるようにしたので、ラジカル酸素の発生効率を
大幅に向上させることができ、従って、表面酸化処理、
例えば表面改質や洗浄を効率的に行なうことができる。
また、処理ガスと被処理体の表面を直接ぶつけるように
ガスの流れを形成しているので、反応効率を高めて表面
改質と洗浄の効率を一層高めることができる。更には、
従来装置に大幅な設計変更を加えることなく容易に採用
することができるので安価に提供することができる。
【0063】本発明の光ディスクの製造方法によれば、
上述したように表面改質や洗浄(表面酸化処理)を効率
的に行なうことができる結果、光ディスクの各層間の接
着力を向上させることができるのみならず、腐食劣化を
防いで耐候性も大幅に向上させることができる。また、
効率的な表面酸化処理ができる結果、スループットを向
上できるのみならず、製品歩留まりも向上させることが
できる。また、本発明の光アッシング装置によれば、多
段に設けた紫外線ランプと近赤外線ランプを用いるよう
にしたので、多量のラジカル酸素を発生してアッシング
効率を向上させることができる。
【0064】また、遮蔽板(反射板)により一部の近赤
外線を遮断して紫外線ランプの加熱を防止したので、
効率良く紫外線を放出することができる。更には、紫外
線ランプと近赤外線ランプの点灯と消灯を交互に繰り返
して間欠照射させるダメージを防ぐことができると同時
に内部雰囲気及び紫外線ランプの加熱を防止してこの発
光効率を更に高く維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表面処理装置の一実施例を示す正
面断面図である。
【図2】図1に示す装置の側断面図である。
【図3】本発明装置による処理結果を示すグラフであ
る。
【図4】本発明装置による処理結果を示すグラフであ
る。
【図5】本発明に係る光ディスクの製造方法の工程を示
す工程図である。
【図6】本発明に係る光ディスクの製造方法の一部の工
程を示す工程図である。
【図7】本発明に係る光ディスクの製造方法の一部の工
程を示す工程図である。
【図8】本発明に係る光ディスクの製造方法の一部の工
程を示す工程図である。
【図9】光ディスクの製造方法に本発明装置を用いた時
の評価結果を示すグラフである。
【図10】光ディスクの製造方法に本発明装置を用いた
時の評価結果を示すグラフである。
【図11】光ディスクの製造方法に本発明装置を用いた
時の評価結果を示すグラフである。
【図12】光ディスクの製造方法に本発明装置を用いた
時の評価結果を示すグラフである。
【図13】光ディスクの製造方法に本発明装置を用いた
時の評価結果を示すグラフである。
【図14】光ディスクの製造方法に本発明装置を用いた
時の評価結果を示すグラフである。
【図15】光ディスクの製造方法に本発明装置を用いた
時の評価結果を示すグラフである。
【図16】従来の表面処理装置の一例を示す概略構成図
である。
【図17】光アッシング装置を示す側断面図である。
【図18】紫外線ランプの雰囲気温度と放射線強度を示
すグラフである。
【図19】紫外線の照射距離と放射線強度との関係を示
すグラフである。
【図20】レジストの表面温度と雰囲気温度との関係を
示すグラフである。
【図21】被処理体に紫外線を照射せずに処理を行なっ
た時の被処理体平面の接触角を示すグラフである。
【図22】ノボラック樹脂レジストの除去量をレジスト
表面温度との関係を示すグラフである。
【図23】アッシングの処理時間とょ売表面粗さRaと
の関係を示すグラフである。
【図24】本発明の光アッシングと従来のプラズマアッ
シングのノボラック樹脂のエッチング量とエッチング後
の表面粗さRaを示すグラフである。
【符号の説明】
7…表面処理装置、8…処理チャンバ、8A…蓋部、1
1…保持台、12…被処理体、13…処理ガス導入部、
13A…空気導入部、13B…酸素導入部、14…拡散
ノズル、17…紫外線ランプ、18…ガス排気孔(ガス
排気部)、20…ラジカル酸素、25…スタンパ、26
…ディスク基板、27…金属薄膜反射層、28…保護コ
ート層、32…半透明反射層、40…光アッシング装
置、41…近赤外線ランプ、42…遮蔽板(反射板)。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理チャンバと、この処理チャンバ内に
    収容される被処理体を保持する保持台と、この保持台に
    対向させて設けられて酸素を含む処理ガスを導入する処
    理ガス導入部と、ラジカル酸素を発生させるために前記
    処理ガス導入部と前記保持台との間に複数段に亘って設
    けられた紫外線ランプと、前記保持台に対して前記処理
    ガス導入部とは反対側に設けられたガス排気部とを備え
    たことを特徴とする表面処理装置。
  2. 【請求項2】 前記紫外線ランプは、少なくとも波長1
    85nm近傍の紫外線と、波長254nm近傍の紫外線
    とを出力する低圧水銀ランプであることを特徴とする請
    求項1記載の表面処理装置。
  3. 【請求項3】 前記低圧水銀ランプは、冷陰極水銀ラン
    プであることを特徴とする請求項2記載の表面処理装
    置。
  4. 【請求項4】 前記処理ガス導入部は、空気を導入する
    空気導入部と、酸素を必要に応じて導入する酸素導入部
    とよりなることを特徴とする請求項1乃至3記載の表面
    処理装置。
  5. 【請求項5】 溝またはピットの形成されたディスク基
    板上に複数の層を形成してなる光ディスクの製造方法に
    おいて、前記各層を形成するに際して、処理チャンバ
    と、この処理チャンバ内に収容される被処理体を保持す
    る保持台と、この保持台に対向させて設けられて酸素を
    含む処理ガスを導入する処理ガス導入部と、ラジカル酸
    素を発生させるために前記処理ガス導入部と前記保持台
    との間に複数段に亘って設けられた紫外線ランプと、前
    記保持台に対して前記処理ガス導入部とは反対側に設け
    られたガス排気部とを備えてなる表面処理装置を用い
    て、前記ディスク基板及び前記層の表面にラジカル酸素
    で表面酸化処理を施すように構成したことを特徴とする
    光ディスクの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記層は、金属薄膜反射層または情報記
    録層及び保護コート層を含むことを特徴とする請求項5
    記載の光ディスクの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記溝またはピットの形成されたスタン
    パの形成時に、このスタンパ及びスタンパ基板に前記表
    面酸素処理を施すように構成したことを特徴とする請求
    項5または6記載の光ディスクの製造方法。
  8. 【請求項8】 被処理体の表面のレジスト等の薄膜をラ
    ジカル酸素により灰化させる光アッシング装置におい
    て、処理チャンバと、この処理チャンバ内に収容される
    被処理体を保持する保持台と、この保持台に対向させて
    設けられて酸素を含む処理ガスを導入する処理ガス導入
    部と、ラジカル酸素を発生させるために前記処理ガス導
    入部と前記保持台との間に複数段に亘って設けられた紫
    外線ランプと、前記保持台に対して前記処理ガス導入部
    とは反対側に設けられたガス排気部と前記保持台と前記
    紫外線ランプとの間に設けられて前記被処理体の表面を
    加熱する近赤外線を放出する近赤外線ランプとを備えた
    ことを特徴とする光アッシング装置。
  9. 【請求項9】 前記紫外線ランプは、少なくとも波長1
    85nm近傍の紫外線と、波長254nm近傍の紫外線
    とを出力する低圧水銀ランプであることを特徴とする請
    求項8記載の光アッシング装置。
  10. 【請求項10】 前記低圧水銀ランプは、冷陰極水銀ラ
    ンプであることを特徴とする請求項9記載の光アッシン
    グ装置。
  11. 【請求項11】 前記処理ガス導入部は、空気を導入す
    る空気導入部と、酸素を必要に応じて導入する酸素導入
    部とよりなることを特徴とする請求項8乃至10記載の
    光アッシング装置。
  12. 【請求項12】 前記近赤外線ランプの近傍には、これ
    より前記紫外線ランプへ向かう近赤外線を遮断する遮蔽
    板が設けられていることを特徴とする請求項8乃至11
    記載の光アッシング装置。
  13. 【請求項13】 前記遮蔽板は、前記近赤外線を反射す
    る反射板であることを特徴とする請求項12記載の光ア
    ッシング装置。
  14. 【請求項14】 前記紫外線と前記近赤外線は、交互に
    照射されることを特徴とする請求項8乃至13記載の光
    アッシング装置。
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