JP2010159901A - 冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の構成を用いても、まだ農薬の分解量が十分ではないという課題を有していた。
【解決手段】貯蔵室と、貯蔵室にオゾンを供給するオゾン発生装置210と、貯蔵室に貯蔵される食品に対し、波長が315nm〜380nmの光と波長が780nm〜1mmの光を照射することが可能な光源を備えた冷蔵庫とすることで、本発明の冷蔵庫は、野菜に残留した農薬を効果的に分解することができ、したがって安心な食品を消費者へ提供することができる。
【選択図】図1

Description

本願発明は、冷蔵庫を含む食品貯蔵庫に関し、特に、野菜、果物に残留している農薬を分解することのできる食品貯蔵庫に関する。
従来、高い酸化作用を備えるオゾンは、冷蔵庫などの除菌や防かびなどに用いられている。例えば、特許文献1には、除菌や防かびを行うためにオゾンを用い、当該オゾンのために冷蔵庫の内面を構成する樹脂が腐食するのを防止するために、耐オゾン性材料で形成される冷蔵庫に関する発明が記載されている。さらに、特許文献1には、当該冷蔵庫内に配置された光触媒に紫外線を照射し、触媒により臭気成分を分解し脱臭を行う旨の記載がある。
特許第3920064号公報
しかしながら、上記従来の構成を用いても、低濃度のオゾンを用いた場合には、野菜に残留した農薬の分解量が十分ではないという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、オゾンによる農薬の分解反応を促進させ、農薬を効果的に分解することができるので、より安心な食品を消費者へ提供することができる。
従来の課題を解決するために、本発明の冷蔵庫は貯蔵室と、前記貯蔵室にオゾンを供給するオゾン発生装置と、前記貯貯蔵室に貯蔵される食品に対し、波長が315nm〜380nmの光と波長が780nm〜1mmの光を照射することが可能な光源を備えるものである。これによって、オゾンによる野菜の残留農薬の低減を効率的に行うことができる。
本発明の冷蔵庫は、野菜に残留した農薬を効果的に分解することができ、したがって安心な食品を消費者へ提供することができる。
第1の発明は、貯蔵室と、前記貯蔵室にオゾンを供給するオゾン発生装置と、前記貯貯蔵室に貯蔵される食品に対し波長が315nm〜380nmの光と波長が780nm〜1mmの光を照射することが可能な光源を備えた冷蔵庫とするもので、安価な方式で安全に野菜の残留農薬を分解することができる。
第2の発明は、波長が315nm〜380nmの光と波長が780nm〜1mmの光を交互に照射する制御を行うことを特徴とするもので、効果的に野菜の残留農薬を分解することができる。
第3の発明は、オゾン濃度および酸素濃度検知手段を設けるもので、安全な冷蔵庫を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における冷蔵庫の側断面図である。
図1において、冷蔵庫本体100は仕切り板101によって、上から冷蔵室102、野菜室103、冷凍室104に仕切られている。
また、貯蔵室を冷却するため、冷凍サイクルが圧縮機、凝縮器、膨張弁やキャピラリチューブなどの減圧装置(図示せず)、冷却器105、それら構成部品を連結する配管、冷媒などで構成され、この冷凍サイクルによって生成された冷気によって冷蔵庫の貯蔵室が冷却される。
また、冷蔵庫本体100には、冷却器105で冷却された冷気を各貯蔵室空間に搬送するためのファン106があり、ファン106により送風された冷気は各貯蔵室空間へ搬送する冷却風路107があり、冷却風路107は各貯蔵室と仕切り板101で断熱されている。
また、冷却風路107には、冷却器105と冷蔵室102の間に冷蔵室ダンパ108が設けられており、冷却器105と野菜室の間に野菜室ダンパ109、冷却器105と冷蔵室の間に冷凍室ダンパ110が設けられている。
冷蔵庫の各貯蔵室の冷蔵室102は設定温度が3度、野菜室103は5度、冷凍室104は−18度に保つように構成されている。ここで、冷蔵室ダンパ108と野菜室ダンパ109と冷凍室ダンパ110は各部屋の設定温度を保つために、冷却器で冷却された冷気をファンで各部屋へ送り込む際に開閉するように制御されている。
また、野菜室103は下面に接しているー18度に保たれた冷凍室104からの冷却により、野菜室103が0度以下になる場合もある。このため、野菜室103の下面には野菜室103を5度に保つ手段として野菜室ヒーター111を設け、野菜室103の下面を温めている。
また、冷却器105の下には、貯蔵室に保存した食品より発生した水分により冷却器105に霜が付着するが、その霜を溶かすためのデフロストヒーター112が設けられている。デフロストヒーター112動作時は、デフロストヒーター112で暖められた空気が冷蔵室102と野菜室103と冷凍室104に流入して各貯蔵室の温度が上昇するのを防ぐために、冷蔵室ダンパ108と野菜室ダンパ109と冷凍室ダンパ110は閉じた状態に制御され、温度上昇を防いでいる。
また、野菜室103には、野菜室103に収納された野菜や果物の表面に付着している農薬等の有害物質を酸化分解により分解除去するためのオゾンを発生するオゾン発生装置210と、222の光源Aと223の光源Bが設けられている。またオゾンの濃度を検知するオゾン濃度検知装置224を野菜室103に備えている。光源A222は波長が315nm〜380nmの光、つまり紫外線を照射可能で、光源B223は波長が780nm〜1mmの光、つまり赤外線を照射可能である。
以上のように構成された冷蔵庫のオゾン分解促進手段について、以下その動作、作用を説明する。
まず、酸素富化装置211を駆動しない場合の動作を説明する。野菜室103に設置したオゾン発生装置210からオゾンを発生させ、野菜や果物が保存されている野菜室103に充満させる。充満したオゾンが、野菜や果物の表面に付着している農薬等の有害物質と接触し、これらの有害物質がオゾンと酸化分解の化学反応を生じ、害のない安全な物質へと分解される。
ここで、オゾン発生装置210から発生したオゾンによる分解除去は、酸化分解のためオゾンはできるだけ高濃度の方が酸化分解は早く進み、その結果、これらの有害物質を効率よく分解することができるが、オゾンは高濃度であると人体への悪影響があり、またその臭いが気になるといった問題が懸念されるため、できるだけ低濃度の方がよい。このため、人体への悪影響がなく、かつオゾンの臭いも気にならないオゾン濃度である0.03ppm以下のオゾン濃度に野菜室103を保つために、オゾン発生装置210は1分運転、4分停止を繰り返し、オゾン濃度が上昇しないよう制御している。
また、野菜室103を冷却する際は、冷却された冷気をファン106により冷却風路107を通過して野菜室103へ送風、流出している。このため、野菜室103に充満したオゾンは冷却の際の送風、流出の冷気にのり、野菜室103から拡散されやすい環境にある。そのため、野菜室103を冷却中は、オゾン発生装置210は停止している。その後、野菜室103への冷却が停止した際には、オゾン発生装置210は、1分運転、4分停止の運転停止を繰り返し、野菜室103へ再度オゾンを供給する。
このように、野菜室103へ冷気が流入している場合には運転を停止し、冷気が流入していない場合にオゾン発生装置210を動作させることで、野菜室103外へのオゾンの流出が少ないため、貯蔵室の内部に収納された野菜表面に付着した残留農薬等の有害物質の分解を目的に少量のオゾンでより確実に貯蔵室内にオゾンを充満させることができる。
さらに光源Aおよび光源Bを動作させることにより、光源Aは波長が315nm〜380nmの光を、光源Bは波長が780nm〜1mmの光を保存食品に対して照射可能となっている。
(実験例1)
野菜室に既知の濃度を塗布した青梗菜を24時間保存して、初期からの農薬濃度の変化を比較する実験を実施した。
冷蔵庫の運転状態は実施の形態1のとおりであるが、オゾン発生の有無、光源AおよびBの駆動状態は表1のとおりである。光源Aと光源Bの点灯時間は10分ずつとした。野菜室に保存した青梗菜は葉の部分を4cm角に切断、マラチオンを重量比率で10ppm塗布した。試験片は各試験において10枚とした。24時間経過後に青梗菜を取り出し、破砕、溶媒抽出した後に、ガスクロマトグラフを用いて定量した。なお野菜からの農薬抽出や分析手法はJISに規定された方式に準じた。
Figure 2010159901
Figure 2010159901
結果を表2に示す、試験1では自然分解により31%の減少となり、オゾンの存在する試験2ではオゾンの分解効果により、試験1よりは多く減少していた。試験3と試験4は試験2に比べ、青梗菜中の農薬量は減少し、さらに試験4の方がより減少する結果となった。つまり光源Aと光源Bは同時に照射するよりも、交互に照射する方が効果的である結果となった。そのほかにクロロピリホス、メタミドホスにおいても実験を行い、同様の順列の傾向がみられた。
オゾンは赤外領域の波長を吸収して、活性化する。また紫外線はそのものが高いエネルギーを有して農薬の分解する能力を有するものを思われる。しかし、照射が過度になった場合、野菜自身がもつ農薬分解能力を阻害することとなるもと思われる。同時に紫外線および赤外線を照射することは野菜、果物に対する阻害性が高く好ましくない。
本発明による冷蔵庫は、冷蔵庫内に保存した野菜や果物の表面に付着している農薬等の有害物質を低濃度のオゾンと波長が315nm〜380nmの光と波長が780nm〜1mmの光で分解することができ、消費者により安心した野菜や果物を提供することができる。
本発明の実施の形態1における冷蔵庫の側断面図
100 冷蔵庫本体
101 仕切り板
102 冷蔵室
103 野菜室
104 冷凍室
105 冷却器
106 ファン
107 冷却風路
108 冷蔵室ダンパ
109 野菜室ダンパ
110 冷凍室ダンパ
111 野菜室ヒーター
112 デフロストヒーター
210 オゾン発生装置
222 光源A
223 光源B
224 オゾン濃度検知装置

Claims (3)

  1. 貯蔵室と、前記貯蔵室にオゾンを供給するオゾン発生装置と、前記貯蔵室に貯蔵される食品に対して光を照射する光源を備え、前記光源によって照射される光は波長が315nm〜380nmの光と波長が780nm〜1mmの光を照射する冷蔵庫。
  2. 光源は、波長が315nm〜380nmの光と波長が780nm〜1mmの光を交互に照射する請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. オゾン濃度検知手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
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