以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機(弾球遊技機)1を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、例えば、画像式の遊技機、コイン遊技機、および、スロット機等であってもよい。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、第1の実行条件である第1始動条件の成立(例えば、打球が第1始動入賞口13または14に入賞し、かつ、入賞したときに保留記憶数が所定の上限数(4個)に達していないこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の第1演出図柄(第1識別情報)を可変表示し表示結果を停止表示するとともに、第2の実行条件である第2始動条件の成立(例えば、打球が第2始動入賞口17に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の第2演出図柄(第2識別情報)を可変表示し表示結果を停止表示する演出表示装置9が設置されている。
この実施の形態では、図2に示すように、演出表示装置9は、第1演出図柄を可変表示するための第1演出図柄表示領域9Aと、第2演出図柄を可変表示するための第2演出図柄表示領域9Bとが設けられている。図2に示すように、第1演出図柄表示領域9Aは、演出表示装置9の表示画面の中央に設けられ、第2演出図柄表示領域9Bは、演出表示装置9の表示画面の右下に設けられている。この実施の形態では、第1演出図柄表示領域9Aの面積は第2演出図柄表示領域9Bの面積よりも大きくなるように構成している。従って、第1演出図柄表示領域9Aの方が第2演出図柄表示領域9Bよりも遊技者は視認しやすい。なお、第1演出図柄および第2演出図柄のことを総称して単に演出図柄(識別情報)という場合もある。
この実施の形態では、演出表示装置9は液晶表示装置(LCD)で構成され、第1演出図柄と第2演出図柄を演出表示装置9にて表示するように構成しているが、各々を別々の液晶表示装置で表示するように構成されていてもよい。
演出表示装置9の第1演出図柄表示領域9Aには左・中・右の3つの表示領域が設けられ、左・中・右の表示領域において左・中・右の第1演出図柄が可変表示(変動)される。この実施の形態では、左・中・右の第1演出図柄として、「1」〜「8」の数字の図柄を用いている。第1演出図柄の可変表示(変動)は、原則として、「1」「2」・・・「8」の図柄が順番に表示される。なお、左の表示領域に表示される第1演出図柄を「左図柄」といい、中の表示領域に表示される第1演出図柄を「中図柄」といい、右の表示領域に表示される第1演出図柄を「右図柄」ということがある。
また、演出表示装置9の第2演出図柄表示領域9Bにも左・中・右の3つの表示領域が設けられ、左・中・右の表示領域において左・中・右の第2演出図柄が可変表示(変動)される。この実施の形態では、左・中・右の第2演出図柄として、「1」〜「8」の数字の図柄を用いている。第2演出図柄の可変表示(変動)も、原則として、「1」「2」・・・「8」の図柄が順番に表示される。なお、左の表示領域に表示される第2演出図柄を「左図柄」といい、中の表示領域に表示される第2演出図柄を「中図柄」といい、右の表示領域に表示される第2演出図柄を「右図柄」ということがある。
演出表示装置9における表示領域は、第1演出図柄を可変表示するための第1演出図柄表示領域(画面中央の領域)9Aや第2演出図柄を可変表示するための第2演出図柄表示領域(画面右下の領域)9Bのほかに、第1始動入賞口13,14に入った入賞球数のうち未だ可変表示が行われていない入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)の数を表示するためのメモリ表示領域(画面下側の領域:図1では図示せず)が設けられている。第1始動入賞口13,14に入った入賞球数のうち未だ可変表示が行われていない入賞球数すなわち第1の実行条件の成立数を第1保留記憶数または第1始動入賞記憶数ともいう。第1保留記憶数の上限値は4個である。なお、この実施の形態では、第2始動入賞口17に入った入賞球については保留記憶を行わない。すなわち、第2始動入賞口17に遊技球が入賞したことにもとづいて第2特別図柄(および第2演出図柄)の可変表示が行われているときに第2始動入賞口17に遊技球が入賞しても、当該入賞は無効となる(第2保留記憶数の上限値は0個である)。従って、第2始動入賞口17への入賞が無効となった場合は、当該入賞にもとづく大当り判定等の処理(抽選処理)は行われない。しかし、第2始動入賞口17への入賞が無効となった場合でも、当該入賞にもとづく所定数の賞球の払い出しは行われる。
演出表示装置9のメモリ表示領域には、第1の実行条件が成立する毎、つまり始動入賞口13,14への有効始動入賞がある毎に、所定形状の図形(例えば、円形)が1つ表示される。そして、第1演出図柄の可変表示が開始される毎に、所定形状の図形が1つ消去される。
この実施の形態では、第1演出図柄の保留記憶数を演出表示装置9のメモリ表示領域において表示するように構成しているが、第1演出図柄の保留記憶数を表示する表示器(保留記憶表示器)を演出表示装置9とは別個にそれぞれ設けてもよい。具体的には、例えば、ランプLED等の発光体、可動物等の動作位置等で保留記憶数を表示するようにしてもよいし、保留記憶数分の図形等を表示するのではなく、数字等で保留記憶数を特定可能に表示するようにしてもよいし、それらの組み合わせであってもよい。
なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入り、賞球の払い出しを行うことである。
遊技領域7の右側下部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8aおよび第2特別図柄表示器8bが縦に並べて設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば「0」〜「9」の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。以下、第1特別図柄表示器8aにおいて可変表示される識別情報を第1特別図柄といい、第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される識別情報を第2特別図柄という。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを、特別図柄と総称することがある。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に、第1演出図柄表示領域9Aにて装飾用(演出用)の図柄としての第1演出図柄の可変表示を行う。また、演出表示装置9は、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、第2演出図柄表示領域9Bにて装飾用の図柄としての第2演出図柄の可変表示を行う。すなわち、第1特別図柄と第1演出図柄の可変表示は同期しており(第1特別図柄の可変表示が開始されたときに第1演出図柄の可変表示が開始され、第1特別図柄の可変表示が停止したときに第1演出図柄の可変表示が停止する)、また、第2特別図柄と第2演出図柄の可変表示は同期している(第2特別図柄の可変表示が開始されたときに第2演出図柄の可変表示が開始され、第2特別図柄の可変表示が停止したときに第2演出図柄の可変表示が停止する)。
また、第1特別図柄表示器8aにおける表示結果(第1特別図柄の停止図柄)と演出表示装置9における第1演出図柄の表示結果(第1演出図柄の停止図柄)とは対応している。また、第2特別図柄表示器8bにおける表示結果(第2特別図柄の停止図柄)と演出表示装置9における第2演出図柄の表示結果(第2演出図柄の停止図柄)とは対応している。なお、両図柄の対応関係については後述する。
この実施の形態では、第1特別図柄(および当該第1特別図柄と同期する第1演出図柄)と第2特別図柄(および当該第2特別図柄と同期する第2演出図柄)とが同時に可変表示(変動)が行われ得る。すなわち、第1特別図柄(第1演出図柄)の可変表示中に第2特別図柄(第2演出図柄)の可変表示が実行され、逆に、第2特別図柄(第2演出図柄)の可変表示中に第1特別図柄(第1演出図柄)の可変表示が実行され得る。
第1演出図柄および第2演出図柄の可変表示を行う演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。一方、特別図柄の可変表示を行う第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、遊技制御基板(主基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。
第1特別図柄表示器8aの近傍(右横)には、第1始動入賞口13または14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数(上限値に達していない保留記憶の数)を表示する4つのLEDからなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯するLEDの数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDの数を1減らす。なお、上述したように、この実施の形態では、第2始動入賞口17に入った入賞球については保留記憶を行わないため、第2特別図柄保留記憶表示器は設けられていない。
演出表示装置9の下方には、遊技球が入賞可能な第1始動入賞口13が形成されている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。また、第1始動入賞口13の真下には、第1始動入賞口14が形成されている。第1始動入賞口14には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15が閉状態のときは第1始動入賞口14に遊技球が入賞せず、可変入賞球装置15が開状態のときに第1始動入賞口14に遊技球が入賞可能となる。可変入賞球装置15は、ソレノイド16(図1では図示せず)によって開閉される。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第1始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。第1始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。このように、この実施の形態では、第1始動入賞口として2つの第1始動入賞口13,14が設けられている。
演出表示装置9の右横には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口17が形成されている。第2始動入賞口17に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ17aによって検出される。
以上のように、第1始動入賞口13,14は演出表示装置9の下方に設けられ、第2始動入賞口17は演出表示装置9の右横に設けられており、遊技者は、第1始動入賞口13,14を狙うとき(つまり、第1始動入賞口13,14に遊技球を入賞させようとするとき)は、打球操作ハンドル5を操作して遊技球を遊技領域7の左側の領域に向けて発射し、第2始動入賞口17を狙うとき(つまり、第2始動入賞口17に遊技球を入賞させようとするとき)は、打球操作ハンドル5を操作して遊技球を遊技領域7の右側の領域に向けて発射する。なお、遊技球を遊技領域7の左側の領域に向けて発射することを「左打ち」といい、遊技球を遊技領域7の右側の領域に向けて発射することを「右打ち」という。
演出表示装置9の右端(具体的には、演出表示装置9が配置されている空間部を囲む枠の右端)から可変入賞球装置15の下側に向かって遊技球の進行を遮断する壁部(遮断部材ともいう)29が設けられている。遊技者が第2始動入賞口17を狙って遊技領域7の右側の領域に向けて遊技球を発射した場合(右打ちした場合)は、第2始動入賞口17の下方に流下した遊技球が壁部29によって第1始動入賞口13,14の方向への進行が遮断され、第1始動入賞口13,14に入賞しない。可変入賞球装置15が開状態(開放状態)となっているときであっても同様である。なお、遊技者が第1始動入賞口13,14を狙って遊技領域7の左側の領域に向けて遊技球を発射した場合(左打ちした場合)は、当然、第2始動入賞口17への入賞が発生せず、さらに第1始動入賞口13,14の右方に進行した遊技球が壁部29によって入賞口39の方向への進行が遮断され、入賞口39に入賞しない。
第1始動入賞口14の下方には、大当り遊技状態においてソレノイド21(図1では図示せず)によって開状態とされる特別可変入賞球装置(アタッカーともいう)20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板を備え、大入賞口を形成する。大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の上方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。なお当りとなる確率は、低確率状態(通常状態)で2/11であり、後述する確変状態(確率変動状態)および時短状態(時間短縮状態)で10/11であるとする。つまり、可変入賞球装置15は確変状態および時短状態で開状態になり易い。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ30a,33a,39a(図4参照)によって検出される。各入賞口30,33,39は、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、第1始動入賞口13または14や第2始動入賞口17、大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部などには、前面枠に設けられた天枠ランプ、左枠ランプおよび右枠ランプなどが設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13または14に入り第1始動口スイッチ13aまたは14aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9の第1演出図柄表示領域9Aにおいて第1演出図柄の可変表示が開始される。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1特別図柄保留記憶表示器18aに表示される保留記憶数を1増やす。
また、遊技球が第2始動入賞口17に入り第2始動口スイッチ17aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9の第2演出図柄表示領域9Bにおいて第2演出図柄の可変表示が開始される。なお、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2始動入賞口17への入賞は無効入賞となる。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄および演出表示装置9の第1演出図柄表示領域9Aにおける第1演出図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。第1特別図柄および第1演出図柄の停止時の停止図柄が大当り図柄になると、大当り遊技状態(特定遊技状態)に移行する。すなわち、一定時間(例えば29.5秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置(大入賞口)20が開放される。なお、特別可変入賞球装置20が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。この実施の形態では、停止図柄が大当り図柄になったことにもとづいて大当り遊技状態に移行されたときは、大当り遊技状態が15ラウンド継続される。
また、第1特別図柄および第1演出図柄の停止時の停止図柄が小当り図柄になると、小当り遊技状態に移行する。ここで、小当り遊技状態は、極めて短い一定時間(例えば0.5秒)、特別可変入賞球装置(大入賞口)20が2回開放される。このように、小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置20が開放される時間が短く、2回しか開放されないので、遊技球が特別可変入賞球装置20に入賞する可能性は低い。すなわち、小当り遊技状態は、大当り遊技状態よりも遊技者に付与される遊技価値は低い。
第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄および演出表示装置9の第2演出図柄表示領域9Bにおける第2演出図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。第2特別図柄および第2演出図柄の停止時の停止図柄が大当り図柄になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間(例えば29.5秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置20が開放される。なお、特別可変入賞球装置20が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。この実施の形態では、停止図柄が大当り図柄になったことにもとづいて大当り遊技状態に移行されたときは、大当り遊技状態が15ラウンド継続される。
なお、この実施の形態では、第2特別図柄および第2演出図柄に関しては小当り図柄が設けられていない。すなわち、第2始動入賞口17に遊技球が入賞したことにもとづいて小当り遊技状態に移行されることはない。ただし、第2特別図柄および第2演出図柄についても、第1特別図柄および第1演出図柄と同様に、第2特別図柄および第2演出図柄の停止時の停止図柄が小当り図柄になった場合も、小当り遊技状態に移行するように構成されていてもよい。この場合も、小当り遊技状態は、極めて短い一定時間(例えば0.5秒)、特別可変入賞球装置(大入賞口)20が2回開放される。
次に、遊技状態の種類および遊技状態の遷移について説明する。
第1特別図柄および第1演出図柄の停止時の停止図柄が大当り図柄のうち確変図柄(確率変動を伴う大当り図柄)になると、大当り遊技状態(特定遊技状態)に移行し、大当り遊技状態の終了後に確変状態(確率変動状態)に移行する。確変状態とは、大当り(つまり図柄が大当り図柄)となる確率が低確率状態(通常状態)よりも高い遊技者にとって有利な遊技状態のことをいう。確変状態は、変動回数(可変表示回数)に制限がなく、次の大当りが発生するまで継続する。なお、確変状態において次の大当りが確変図柄による大当り(確変大当り)であるときは、大当り遊技の終了後に確変状態がさらに継続される。確変図柄で大当りとなることを確変大当りという。
第2特別図柄および第2演出図柄の停止時の停止図柄が大当り図柄のうち確変図柄(確率変動を伴う大当り図柄)になったときも、大当り遊技状態(特定遊技状態)に移行し、大当り遊技状態の終了後に確変状態(確率変動状態)に移行する。この場合も、確変状態は、変動回数(可変表示回数)に制限がなく、次の大当りが発生するまで継続する。なお、確変状態において次の大当りが確変図柄による大当り(確変大当り)であるときは、大当り遊技の終了後に確変状態がさらに継続される。
なお、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて大当り遊技状態終了後に確変状態に制御された場合は、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第1始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第2始動入賞にもとづく大当りの判定においても低確率状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。同様に、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて大当り遊技状態終了後に確変状態に制御された場合は、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第2始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第1始動入賞にもとづく大当りの判定においても低確率状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
第1特別図柄および第1演出図柄の停止時の停止図柄が大当り図柄のうち非確変図柄(確率変動を伴わない大当り図柄)になると、大当り遊技状態(特定遊技状態)に移行し、大当り遊技状態の終了後に所定の変動回数(この実施の形態では100回)だけ時短状態(時間短縮状態)に移行する。時短状態とは、大当り(つまり図柄が大当り図柄)となる確率が低確率状態であるが、第1特別図柄および第1演出図柄の変動時間が通常状態よりも短縮される遊技状態のことをいう。非確変図柄(通常大当り図柄)で大当りとなることを通常大当り(または非確変大当り)という。
第2特別図柄および第2演出図柄の停止時の停止図柄が大当り図柄のうち非確変図柄(確率変動を伴わない大当り図柄)になったときも、大当り遊技状態(特定遊技状態)に移行し、大当り遊技状態の終了後に所定の変動回数(この実施の形態では100回)だけ時短状態(時間短縮状態)に移行する。ただし、この場合、第1特別図柄および第1演出図柄の変動時間が通常状態よりも短縮されるが、第2特別図柄および第2演出図柄の変動時間は短縮されない。
この実施の形態では、確変状態および時短状態のときは、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、第1始動入賞口14へ始動入賞しやすくなる。このような状態を高ベース状態という。高ベース状態では、第1始動入賞口14へ入賞しやすいので、遊技者は持ち球をほとんど減らすことなく、遊技を行うことが可能となる。
第1特別図柄および第1演出図柄の停止時の停止図柄が小当り図柄になると、小当り遊技状態に移行するが、小当り遊技状態の終了後は遊技状態が変化しない。すなわち、小当りが発生する前の遊技状態が継続される。例えば、小当りが発生する前の遊技状態が通常状態(確変状態でも時短状態でもない遊技状態)の場合は通常状態が継続され、確変状態の場合は確変状態が継続され、時短状態の場合は時短状態が継続される(時短状態が継続可能な時短回数のうちの残り回数だけ時短状態が継続される)。
この実施の形態では、図3に示すように、大当り種別として、確変大当りと、通常大当り1と、通常大当り2とが設けられ、小当り種別として、小当り1〜3が設けられている。図3に示す「天井回数」とは、第2特別図柄および第2演出図柄の変動時間が短縮されるまでの大当り遊技または小当り遊技が終了した後の変動回数のことをいう。また、大当り遊技または小当り遊技が終了した後の変動回数が天井回数に達してから次の大当りが発生するまでの遊技状態を「天井状態」という。
この実施の形態では、大当り遊技または小当り遊技が終了した後の変動回数が天井回数に達する前は、第2特別図柄および第2演出図柄の変動時間が極めて長い時間(具体的には1時間:図11参照)に設定され、大当り遊技または小当り遊技が終了した後の変動回数が天井回数に達した後は(すなわち、天井状態では)、第2特別図柄および第2演出図柄の変動時間が極めて短い時間(具体的には0.5秒:図11参照)に設定されている。
また、後述するように、この実施の形態では、遊技盤6の釘の配置を調整することによって、確変状態や時短状態でない場合には、第1始動入賞口13,14に向けて(狙って)遊技球を発射する場合(左打ちを行う場合、つまり遊技領域7における演出表示装置9の左側の領域に対して遊技球を発射した場合)よりも第2始動入賞口17に向けて(狙って)遊技球を発射する場合(右打ちする場合、つまり遊技領域7における演出表示装置9の右側の領域に対して遊技球を発射した場合)の方が、遊技球が始動入賞口に入賞しやすくなっている。すなわち、確変状態や時短状態でない場合には、第1始動入賞口13,14(左側の領域)に発射した遊技球数に対して第1始動入賞口13,14に入賞する遊技球数の割合よりも、第2始動入賞口17(右側の領域)に発射した遊技球数に対して第2始動入賞口17に入賞する遊技球数の割合の方が高くなるように設定されている。さらに、確変状態や時短状態でない場合に、左側の領域に発射した遊技球数に対して第1始動入賞口13,14や入賞口33等に入賞して払い出される遊技球数の割合よりも、右側の領域に発射した遊技球数に対して第2始動入賞口17や入賞口39等に入賞して払い出される遊技球数の割合の方が高くなるように設定されている。ここで、遊技領域7における特定の領域に発射した遊技球数に対して払い出される遊技球数の割合をベースという。
このように、大当り遊技または小当り遊技が終了した後の変動回数が天井回数に達した後は(すなわち、天井状態では)、第2始動入賞口17に向けて遊技球を発射した場合(右打ちした場合)の方が第1始動入賞口13,14に向けて遊技球を発射した場合(左打ちした場合)よりもベースが高く、かつ、第2特別図柄および第2演出図柄の変動時間が極めて短いので、可変入賞球装置15が高ベース状態に制御されているときのように、遊技者は第2始動入賞口17に向けて遊技球を発射することにより、持ち球をあまり減らさずに遊技を行うことが可能となる。なお、大当り遊技または小当り遊技が終了した後の変動回数が天井回数に達する前は、第2始動入賞口17に向けて遊技球を発射した場合(右打ちした場合)の方が第1始動入賞口13,14に向けて遊技球を発射した場合(左打ちした場合)よりもベースが高いが、第2特別図柄および第2演出図柄の変動時間が極めて長く、第2始動入賞口17への入賞が無効入賞となるため、第2始動入賞口17に向けて遊技球を発射した場合(右打ちした場合)の方が遊技者にとって不利である。さらに、第2始動入賞口17に向けて遊技球を発射した場合(右打ちした場合)は、壁部29によって遮られて遊技球が第1始動入賞口13,14に入賞しないようになっているので、大当り遊技または小当り遊技が終了した後の変動回数が天井回数に達する前に右打ちすると、遊技者にとって不利である。すなわち、右打ちして第1特別図柄および第1演出図柄を変動させることは不可能であるので、遊技状態が高ベース状態であったとしても天井回数に達する前に右打ちすると遊技者にとって不利である。
図3に示すように、確変大当りが発生したときは、大当り遊技の終了後の天井回数は「なし」となっている。すなわち、確変大当りが発生したときは、大当り遊技の終了後に天井状態に移行されない。確変状態では、可変入賞球装置15が高ベース状態に制御されるので、持ち球をあまり減らすことなく次の大当りが発生するまで遊技を行うことが可能だからである。
通常大当り1が発生したときは、大当り遊技の終了後の天井回数は「600」に設定される。この場合、大当り遊技の終了後の変動回数が100回までは時短状態に制御され、大当り遊技の終了後の変動回数が101回から600回までは通常状態に制御され、大当り遊技の終了後の変動回数が601回以降は天井状態に制御される。通常大当り2が発生したときは、大当り遊技の終了後の天井回数は「100」に設定される。この場合、大当り遊技の終了後の変動回数が100回までは時短状態に制御され、大当り遊技の終了後の変動回数が101回以降は天井状態に制御される。
小当り1が発生したときは、小当り遊技の終了後の天井回数は「600」に設定される。この場合、小当り遊技の終了後の変動回数が600回までは小当り遊技の発生前の遊技状態に制御され、小当り遊技の終了後の変動回数が601回以降は天井状態に制御される。小当り2が発生したときは、小当り遊技の終了後の天井回数は「100」に設定される。この場合、小当り遊技の終了後の変動回数が100回までは小当り遊技の発生前の遊技状態に制御され、小当り遊技の終了後の変動回数が101回以降は天井状態に制御される。小当り3が発生したときは、小当り遊技の終了後の天井回数は「5」に設定される。この場合、小当り遊技の終了後の変動回数が5回までは小当り遊技の発生前の遊技状態に制御され、小当り遊技の終了後の変動回数が6回以降は天井状態に制御される。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した演出図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない演出図柄については可変表示(変動表示)が行われていること(例えば、左・右図柄が同一図柄で停止表示され、中図柄が変動表示されていること)、および全てまたは一部の演出図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。この実施の形態では、リーチが成立した際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と演出表示装置9におけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ画像(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
次に、遊技の行い方(遊技方法)について説明する。
天井状態以外の遊技状態のときは(通常時は)、遊技者は、第1始動入賞口13,14を狙って左打ちを行う。このとき、遊技状態が確変状態や時短状態であれば、遊技者は持ち球をあまり減らさずに遊技を行うことができる。天井状態に移行すると、遊技者は、第2始動入賞口17を狙って右打ちを行う。これにより、遊技者は次の大当りが発生するまで持ち球をあまり減らさずに遊技を行うことができる。天井状態において右打ちを行っている状態で大当りが発生すると、確変状態または時短状態に移行され、遊技者は、再び、第1始動入賞口13,14を狙って左打ちを行う。このような遊技を繰り返す。
このように、大当り遊技または小当り遊技の終了後の変動回数が天井回数に達したことにより天井状態に移行するように構成することによって、遊技の状況が遊技者に不利な状況になったときに遊技球の減少を抑えつつ次の大当りまでの時間を短くすることができる。その結果、大当りが長時間発生していない遊技機の稼働率を向上させることができる。
また、この実施の形態では、第1特別図柄(および第1演出図柄)と第2特別図柄(および第2演出図柄)とが同時に変動可能に構成することによって、天井状態に到達する前に誤って長い変動時間が選択される第2始動入賞口17に入賞させてしまった場合であっても、第1始動入賞口13,14に入賞させることにより第1特別図柄(および第1演出図柄)の変動が順次実行され、天井回数に達することになるため、天井状態への移行が遅くなってしまうことを防止することができる。
図4は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を含む基本回路53で実現されている。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ17a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16および特別可変入賞球装置(大入賞口)20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。また、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。なお、主基板31には、試験信号を遊技機外部に出力するための試験信号出力回路(図示せず)も設けられている。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器(第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b)の表示制御を行うとともに、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御も行う。さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄保留記憶表示器18aの表示状態の制御を行うとともに、普通図柄保留記憶表示器41の表示状態の制御も行う。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
図5は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図5に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
さらに、演出制御用CPU101は、入出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、入出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ、左枠ランプ、右枠ランプなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入出力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU101とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて演出表示装置9の表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。これによって、演出表示装置9の表示画面に画像が表示される。
次に遊技機の動作について説明する。図6は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。なお、割込みモード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(第1特別図柄プロセスフラグ、第2特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、その内容に従って演出制御基板80に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンド(電力供給復旧時の初期化コマンドとしての復旧コマンド)が送信されるように制御する(ステップS94)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。また、後述する変動回数カウンタ(大当り遊技または小当り遊技の終了後の変動回数をカウントするカウンタ)の初期値として0の値を設定する。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り決定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り決定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図7に示すステップS20〜S33の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ17a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第1特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄始動記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
図8は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か判定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:大当りの種別を決定する(大当り種別決定用)
(3)ランダム3:小当りの種別を決定する(小当り種別決定用)
(4)ランダム4: 特別図柄のはずれ図柄を決定する(はずれ図柄決定用)
(5)ランダム5:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)(6)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か判定する(普通図柄当り判定用)
(7)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(8)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
図7に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り種別決定用乱数、(3)の小当り種別決定用乱数、(4)のはずれ図柄決定用乱数、(6)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り種別決定用乱数、(3)の小当り種別決定用乱数、(5)の普通図柄当り判定用乱数が判定用乱数であり、それら以外の乱数((3)のはずれ図柄決定用乱数、(4)の変動パターン決定用乱数、(6)のランダム1初期値決定用乱数、(7)のランダム5初期値決定用乱数)が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(8)の乱数以外の乱数も用いられている。
さらに、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26A)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器8aや特別可変入賞球装置20を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。次いで、CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26B)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器8bや特別可変入賞球装置20を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
次いで、CPU56は、演出表示装置9の表示制御に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ17a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ17a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄の演出表示を行うための第1特別図柄表示制御データを第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定するとともに、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第2特別図柄の演出表示を行うための第2特別図柄表示制御データを第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図9(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダム1と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、低確率状態(確変状態でない確率状態)において用いられる低確率時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。低確率時大当り判定テーブルには、図9(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図9(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図9(A)に記載されている数値が大当り判定値である。図9(A)に示すように、本実施の形態では、低確率時の大当り判定値は、確変時においても大当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダム1)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または確変大当り)にすることに決定する。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図9(B)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダム1と比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、図9(B)に記載されている各数値(「3」「5」)が設定されている。図9(B)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダム1)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図9(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、第1特別図柄に関して小当りにすることに決定する。また、小当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。なお、上述したように、この実施の形態では、第1特別図柄に関してのみ小当りとするか否かを判定し、第2特別図柄に関しては小当りとするか否かを判定しない。
図9(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。大当り種別判定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて、大当りの種別を「確変大当り」、「通常大当り1」「通常大当り2」のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである。「通常大当り1」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に100回の変動回数に亘って時短状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後から600回の変動が終了した後に天井状態に制御する大当りである。「通常大当り2」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に100回の変動回数に亘って時短状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後から100回の変動が終了した後に天井状態に制御する大当りである。
大当り種別判定テーブルには、ランダム2の値と比較される数値であって、「確変大当り」、「通常大当り1」、「通常大当り2」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム2の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図9(D)は、ROM54に記憶されている小当り種別判定テーブルを示す説明図である。小当り種別判定テーブルは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、小当り種別判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、小当りの種別を「小当り1」、「小当り2」「小当り3」のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。「小当り1」とは、2ラウンドの小当り遊技状態に制御し、その小当り遊技状態の終了後から600回の変動が終了した後に天井状態に制御する小当りである。「小当り2」とは、2ラウンドの小当り遊技状態に制御し、その小当り遊技状態の終了後から100回の変動が終了した後に天井状態に制御する小当りである。「小当り3」とは、2ラウンドの小当り遊技状態に制御し、その小当り遊技状態の終了後から5回の変動が終了した後に天井状態に制御する小当りである。
小当り種別判定テーブルには、ランダム3の値と比較される数値であって、「小当り1」、「小当り2」、「小当り3」のそれぞれに対応した判定値(小当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム3の値が小当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、小当りの種別を、一致した小当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図10は、第1特図変動パターン(第1特別図柄の変動パターン)を示す説明図である。なお、第1特別図柄の変動は第1演出図柄の変動と同期しているので、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)は第1演出図柄の変動パターン(変動時間)も示している。図10において、「時間」は第1特別図柄の変動時間を示し、「変動パターン」は第1特別図柄の変動中の変動態様を示し、「条件」は「はずれ」のときに選択されるものか「大当り」のときに選択されるものか「小当り」のときに選択されるものかを示している。
図10に示すように、第1特図の変動パターンとして、はずれのときに選択されるはずれ変動パターンと、大当りのときに選択される大当り変動パターンと、小当りのときに選択される小当り変動パターンとが設けられている。はずれ変動パターンは、リーチを伴わない通常変動の変動パターンと、リーチを伴わない短縮変動の変動パターンと、ノーマルリーチ(単純なリーチ態様)を伴う変動パターンと、スーパーリーチAを伴う変動パターンと、スーパーリーチBを伴う変動パターンと、スーパーリーチCを伴う変動パターンとが設定されている。また、大当り変動パターンは、ノーマルリーチを伴う変動パターンと、スーパーリーチAを伴う変動パターンと、スーパーリーチBを伴う変動パターンと、スーパーリーチCを伴う変動パターンとが設定されている。また、小当り変動パターンは、小当りに実行される特殊な変動パターンが設定されている。
ここで、「リーチを伴わない通常変動の変動パターン」は、例えば遊技状態が通常状態であり、かつ第1保留記憶数が0,1,2のときに選択される変動パターンである。「リーチを伴わない短縮変動の変動パターン」は、例えば遊技状態が確変状態・時短状態であるとき、または第1保留記憶数が3,4のときに選択される変動パターンである。「ノーマルリーチ」は、リーチ成立前の通常変動と同様にリーチ成立後も中図柄が高速変動する場合や、リーチ成立後に中図柄の変動速度・変動方向が変化する場合や、リーチ成立後にキャラクタが登場する場合や、リーチ成立後に背景が変化する場合などがある。但し、ノーマルリーチの場合は、演出の態様は比較的単純である。これに対し、「スーパーリーチ」は、ノーマルリーチの演出を複数組み合わせたり、ノーマルリーチから別の演出に発展させたり、ストーリー性のある演出を実行したりする。スーパーリーチの場合は、ノーマルリーチよりも大当りの発生を期待させる演出が行われる。一般に、ノーマルリーチよりもスーパーリーチの方が変動時間は長く設定されている。
図11は、第2特図変動パターン(第2特別図柄の変動パターン)を示す説明図である。なお、第2特別図柄の変動は第2演出図柄の変動と同期しているので、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)は第2演出図柄の変動パターン(変動時間)も示している。図11において、「時間」は第2特別図柄の変動時間を示し、「変動パターン」は第2特別図柄の変動中の変動態様を示し、「条件」は「はずれ」のときに選択されるものか「はずれでかつ天井状態」のときに選択されるものか「大当り」のときに選択されるものかを示している。
図11に示すように、第2特図の変動パターンとして、はずれのときに選択されるはずれ変動パターンと、はずれ(天井状態)のときに選択されるはずれ(天井)変動パターンと、大当りのときに選択される大当り変動パターンとが設けられている。はずれ変動パターンは、リーチを伴わない通常変動の変動パターンが設定されている。はずれ(天井)変動パターンは、リーチを伴わない短縮変動の変動パターンが設定されている。ここで、はずれ変動パターンの変動時間として、極めて長い1時間(60分)の変動時間が設定され、はずれ(天井)変動パターンの変動時間として、極めて短い0.5秒の変動時間が設定されている。従って、遊技者は、天井状態に移行する前は第2特別図柄の変動を回避するために左打ち(第1始動入賞口13,14を狙って打つこと)を行うが、天井状態に移行した後は第2特別図柄の変動を積極的に実行させるために右打ち(第2始動入賞口17を狙って打つこと)を行うようになる。
また、大当り変動パターンは、ノーマルリーチを伴う変動パターンと、スーパーリーチDを伴う変動パターンとが設定されている。ここで、大当り変動パターンの変動時間は、比較的に(はずれ変動パターンと比較して)、短い時間に設定されている。
なお、第2特別図柄の変動パターンとして、「条件」が「大当りでかつ天井状態」のとき(すなわち「大当り(天井)」のとき)に選択される変動パターンを設け、当該変動パターンの変動時間を例えば0.5秒というような極めて短い時間としてもよい。つまり、天井状態のときは、はずれのときだけでなく大当りのときも極めて短い変動時間の変動パターンを選択するようにしてもよい。
図12は、特別図柄の停止図柄と、その後に制御される遊技状態との関係の一例を示す説明図である。
(1)第1特別図柄の停止図柄:
図12に示すように、第1特別図柄表示器8aにて可変表示される第1特別図柄は「0」〜「9」である。このうち、「0」が小当り1図柄であり、「1」が小当り2図柄であり、「2」が小当り3図柄である。「3」,「4」,[8],[9]がはずれ図柄であり、「5」が通常大当り1図柄(非確変図柄のうち通常大当り1を発生させる図柄)であり、「6」が通常大当り2図柄(非確変図柄のうち通常大当り2を発生させる図柄)であり、「7」が確変大当り図柄(確変図柄)である。
確変図柄「7」が停止表示されると、15ラウンドの大当り遊技状態に移行され、大当り遊技が終了すると、遊技状態が確変状態に制御される。また、非確変図柄「5」,「6」が停止表示されると、15ラウンドの大当り遊技状態に移行され、大当り遊技が終了すると、遊技状態が時短状態に制御される。
(2)第2特別図柄の停止図柄:
図12に示すように、第2特別図柄表示器8bにて可変表示される第2特別図柄は「0」〜「9」である。このうち、「0」〜「4」,「8」、「9」がはずれ図柄であり、「5」が通常大当り1図柄(非確変図柄のうち通常大当り1を発生させる図柄)であり、「6」が通常大当り2図柄(非確変図柄のうち通常大当り2を発生させる図柄)であり、「7」が確変大当り図柄(確変図柄)である。
確変図柄「7」が停止表示されると、15ラウンドの大当り遊技状態に移行され、大当り遊技が終了すると、遊技状態が確変状態に制御される。また、非確変図柄「5」,「6」が停止表示されると、15ラウンドの大当り遊技状態に移行され、大当り遊技が終了すると、遊技状態が時短状態に制御される。
(3)演出図柄の停止図柄:
演出表示装置9の第1演出図柄表示領域9Aにて可変表示される左中右の第1演出図柄は、それぞれ、「1」「2」「3」「4」「5」「6」「7」「8」の図柄である。
(3−1)第1演出図柄のはずれ図柄は、左中右の演出図柄の組み合わせが同一図柄で揃っていない状態の図柄(例えば、「358」など。)である。なお、左右の演出図柄が同一図柄で揃っているが(リーチとなっているが)、中の演出図柄だけ揃っていない状態もはずれ図柄である。
(3−2)第1演出図柄の大当り図柄は、左中右の演出図柄の組み合わせが同一図柄で揃った状態の図柄である。大当り図柄のうち、左中右の演出図柄の組み合わせが奇数の図柄(「1」「3」「5」「7」)で揃った状態の図柄が確変図柄である。また、大当り図柄のうち、左中右の演出図柄の組み合わせが偶数の図柄(「2」「4」「6」「8」)で揃った状態の図柄が非確変図柄である。なお、通常大当り1を発生させる非確変図柄と通常大当り2を発生させる非確変図柄とを異なる図柄の組み合わせとしてもよい。
(3−3)第1演出図柄の小当り図柄は、左中右の演出図柄の組み合わせが異なる奇数の図柄の特定の組み合わせ(例えば「357」「753」など)である。なお、小当り1〜3の各々を発生させる図柄の組み合わせを異なる図柄の組み合わせとしてもよい。例えば、小当り1の場合は「357」、小当り2の場合は「753」、小当り3の場合は「537」のようにしてもよい。
(3−4)第2演出図柄のはずれ図柄は、左中右の演出図柄の組み合わせが同一図柄で揃っていない状態の図柄(例えば、「358」など。)である。なお、左右の演出図柄が同一図柄で揃っているが(リーチとなっているが)、中の演出図柄だけ揃っていない状態もはずれ図柄である。
(3−5)第2演出図柄の大当り図柄は、左中右の演出図柄の組み合わせが同一図柄で揃った状態の図柄である。大当り図柄のうち、左中右の演出図柄の組み合わせが奇数の図柄(「1」「3」「5」「7」)で揃った状態の図柄が確変図柄である。また、大当り図柄のうち、左中右の演出図柄の組み合わせが偶数の図柄(「2」「4」「6」「8」)で揃った状態の図柄が非確変図柄である。なお、通常大当り1を発生させる非確変図柄と通常大当り2を発生させる非確変図柄とを異なる図柄の組み合わせとしてもよい。
図13および図14は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の例を示す説明図である。図13および図14に示す例において、コマンド80XX(H)は、第1特別図柄の変動パターン(第1演出図柄の変動パターン:図10参照)を指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。「XX」には、図10に示した変動番号「1」〜「11」が対応する。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9の第1演出図柄表示領域9Aにおいて第1演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド81XX(H)は、第2特別図柄の変動パターン(第2演出図柄の変動パターン:図11参照)を指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。「XX」には、図11に示した変動番号「1」〜「4」が対応する。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド81XX(H)を受信すると、演出表示装置9の第2演出図柄表示領域9Bにおいて第2演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8B01(H)〜8B07(H)は、演出表示装置9における第1演出図柄の停止図柄(表示結果)の内容を指定する演出制御コマンドである。なお、この実施の形態では、コマンド8B01(H)〜8B07(H)を図柄情報指定コマンド(第1表示結果指定コマンド)という。コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、演出表示装置9における第2演出図柄の停止図柄(表示結果)の内容を指定する演出制御コマンドである。なお、この実施の形態では、コマンド8C01(H)〜8C03(H)を図柄情報指定コマンド(第2表示結果指定コマンド)という。
コマンド8B01(H)は、第1特別図柄についてはずれに決定されたことを指定する演出制御コマンド(第1特別図柄はずれ指定コマンド)である。コマンド8B02(H)は、第1特別図柄について通常大当り1に決定されたことを指定する演出制御コマンド(第1特別図柄通常大当り1指定コマンド)である。コマンド8B03(H)は、第1特別図柄について通常大当り2に決定されたことを指定する演出制御コマンド(第1特別図柄通常大当り2指定コマンド)である。コマンド8B04(H)は、第1特別図柄について確変大当りに決定されたことを指定する演出制御コマンド(第1特別図柄確変大当り指定コマンド)である。コマンド8B05(H)は、第1特別図柄について小当り1に決定されたことを指定する演出制御コマンド(第1特別図柄小当り1指定コマンド)である。コマンド8B06(H)は、第1特別図柄について小当り2に決定されたことを指定する演出制御コマンド(第1特別図柄小当り2指定コマンド)である。コマンド8B07(H)は、第1特別図柄について小当り3に決定されたことを指定する演出制御コマンド(第1特別図柄小当り3指定コマンド)である。
コマンド8C01(H)は、第2特別図柄についてはずれに決定されたことを指定する演出制御コマンド(第2特別図柄はずれ指定コマンド)である。コマンド8C02(H)は、第2特別図柄について通常大当りに決定されたことを指定する演出制御コマンド(第2特別図柄通常大当り指定コマンド)である。コマンド8C03(H)は、第2特別図柄について確変大当りに決定されたことを指定する演出制御コマンド(第2特別図柄確変大当り指定コマンド)である。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を停止表示することを示す演出制御コマンド(第1図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1図柄確定指定コマンドを受信すると、第1演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を停止表示する。また、コマンド8F02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を停止表示することを示す演出制御コマンド(第2図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2図柄確定指定コマンドを受信すると、第2演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を停止表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。
コマンドA001(H),A002(H)は、大当り遊技が開始されることを指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド)である。コマンドA001(H)は、演出表示装置9に通常大当り図柄が停止表示されたことにもとづいて15ラウンドの通常大当りが決定されたときの大当りの開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始1指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、演出表示装置9に確変大当り図柄が停止表示されたことにもとづいて15ラウンドの確変大当りが決定されたときの大当りの開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始2指定コマンド)である。コマンドA003(H)は、小当り遊技が開始されることを指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り開始指定コマンドを受信したことにもとづいて、大当り種別に応じたファンファーレ画面を演出表示装置9の表示画面に表示し、小当り開始指定コマンドを受信したことにもとづいて、小当り種別に応じたファンファーレ画面を演出表示装置9の表示画面に表示する。
コマンドA1XX(H)は、15ラウンド大当り遊技におけるラウンド中の表示(開放中画面)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。XXにはラウンド数に対応した値が設定される。コマンドA2XX(H)は、15ラウンド大当り遊技におけるラウンド後の表示(開放後画面)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。XXにはラウンド数に対応した値が設定される。
コマンドA301(H),A302(H)は、大当り遊技が終了することを指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンドあるいはエンディング指定コマンド)である。コマンドA301(H)は、15ラウンドの通常大当りが決定されたときの大当りの終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、15ラウンドの確変大当り遊技の終了(大当り遊技の終了後に確変状態に移行する旨を表示すること)を指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当り遊技が終了することを指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り終了指定コマンドを受信したことにもとづいて、大当り種別に応じたエンディング画面(大当り終了画面)を演出表示装置9の表示画面に表示し、小当り終了指定コマンドを受信したことにもとづいて、小当り種別に応じたエンディング画面(小当り終了画面)を演出表示装置9の表示画面に表示する。
コマンドB000(H)は、確率状態が非確変状態(低確率状態)であることを指定する演出制御コマンド(低確率状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、確率状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(高確率状態指定コマンド)である。
コマンドB100(H)は、演出表示装置9の第1演出図柄表示領域9Aにおける第1演出図柄の可変表示の中断を指定する演出制御コマンド(第1中断指定コマンド)である。コマンドB101(H)は、演出表示装置9の第1演出図柄表示領域9Aにおける第1演出図柄の可変表示の再開を指定する演出制御コマンド(第1再開指定コマンド)である。
コマンドB200(H)は、演出表示装置9の第2演出図柄表示領域9Bにおける第2演出図柄の可変表示の中断を指定する演出制御コマンド(第2中断指定コマンド)である。コマンドB201(H)は、演出表示装置9の第2演出図柄表示領域9Bにおける第2演出図柄の可変表示の再開を指定する演出制御コマンド(第2再開指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC300(H)は、始動入賞時の判定結果がはずれであったことを指定するコマンド(入賞時判定はずれ指定コマンド)である。コマンドC301(H)は、始動入賞時の判定結果が通常大当りであったことを指定するコマンド(入賞時判定通常大当り指定コマンド)である。コマンドC302(H)は、始動入賞時の判定結果が確変大当りであったことを指定するコマンド(入賞時判定確変大当り指定コマンド)である。入賞時判定はずれ指定コマンド、入賞時判定通常大当り指定コマンド、および入賞時判定確変大当り指定コマンドを入賞時判定結果指定コマンドと総称することがある。
コマンドE1XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(保留記憶数指定コマンド)である。コマンドE1XX(H)における「XX」が、保留記憶数を示す。
図15は、第1始動入賞口(左打ち)と第2始動入賞口(右打ち)のベースを示す説明図である。図15に示すように、低ベース状態において、打球操作ハンドル5を操作して第1始動入賞口13,14に向けて遊技球を発射する場合、つまり、遊技領域7における演出表示装置9の左側の領域に対して遊技球を発射する場合(左打ち)は、ベース(発射した遊技球数に対して払い出される遊技球数の割合)は「18」である。具体的には、第1始動入賞口13または14に遊技球が1個入賞すると払い出される賞球の個数が3個であるとすると、100発の遊技球を発射したときに平均して6個の遊技球が第1始動入賞口13または14に入賞し、賞球が18個払い出されるように、遊技盤6の釘などが調整されている。一方、打球操作ハンドル5を操作して第2始動入賞口17に向けて遊技球を発射する場合、つまり、遊技領域7における演出表示装置9の右側の領域に対して遊技球を発射する場合(右打ち)は、ベース(発射した遊技球数に対して払い出される遊技球数の割合)は「84」である。具体的には、第2始動入賞口17に遊技球が1個入賞すると払い出される賞球の個数が3個であるとすると、100発の遊技球を発射したときに平均して28個の遊技球が第2始動入賞口17に入賞し、賞球が84個払い出されるように、遊技盤6の釘などが調整されている。なお、図15に示した第1始動入賞口(左打ち)と第2始動入賞口(右打ち)のベースは一例であって、そのような値に限られない。例えば、実際の遊技機の場合、ベースの計算は、始動入賞口に入賞して払い出される遊技球数だけでなく、入賞口30,33,39に入賞して払い出される遊技球数を考慮して計算されるが、図15に示した例では、入賞口30,33,39に入賞して払い出される遊技球数は考慮していない。ただし、少なくとも、この実施の形態では、第2始動入賞口(右打ち)のベースが、低ベース状態における第1始動入賞口(左打ち)のベースよりも高くなるように設定される。
なお、図15に示していないが、この実施の形態では、高ベース状態における第1始動入賞口13,14(左打ち)のベースは「90」である。すなわち、高ベース状態において、打球操作ハンドル5を操作して第1始動入賞口13,14に向けて遊技球を発射する場合、つまり、遊技領域7における演出表示装置9の左側の領域に対して遊技球を発射する場合(左打ち)は、ベース(発射した遊技球数に対して払い出される遊技球数の割合)は「90」である。具体的には、第1始動入賞口13または14に遊技球が1個入賞すると払い出される賞球の個数が3個であるとすると、100発の遊技球を発射したときに平均して30個の遊技球が第1始動入賞口13または14に入賞し、賞球が90個払い出されるように、遊技盤6の釘などが調整されている。このように、この実施の形態では、高ベース状態における第1始動入賞口(左打ち)のベースが、第2始動入賞口(右打ち)のベースよりも高くなるように設定される。
図16は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS26A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aおよび特別可変入賞球装置20を制御するための処理が実行される。
なお、上述したように、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行される。
CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13または14に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは14aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13または14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311のY)、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313)。第1始動口スイッチ通過処理の内容は後述する。
次に、CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値が、第2大当り図柄停止処理〜第2大当り終了処理のいずれかに応じた値(具体的には、第1特別図柄プロセス処理におけるステップS300〜S309に相当する第2特別図柄プロセス処理における各処理に応じた第2特別図柄プロセスフラグの値が「0」〜「9」であるとすると、第2大入賞口開放前処理〜第2大当り終了処理のいずれかに応じた値は「6」〜「9」)であるかどうかを確認する(ステップS314)。第2特別図柄プロセスフラグの値が、第2大入賞口開放前処理〜第2大当り終了処理のいずれかに応じた値である場合には(ステップS314のY)、ステップS315,S316の処理を実行した後、第1特別図柄プロセス処理を終了する。そうでない場合には(ステップS314のN)、ステップS317,S318の処理を実行した後、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS300〜S312のうちのいずれかの処理を行う。なお、この実施の形態では、第2大入賞口開放前処理〜第2大当り終了処理であるか否かは、第2特別図柄プロセスフラグの値によって判定できる。第2大入賞口開放前処理〜第2大当り終了処理に応じた値は連続する値(例えば、6〜9)である。よって、CPU56のステップS314の判定処理を簡易な処理にすることができる。
ステップS315では、CPU56は、第1演出図柄および第1特別図柄の変動中であって、かつ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第1中断指定コマンドが未送信であるか否か確認する(ステップS315)。なお、第1演出図柄および第1特別図柄の変動中であるか否かは、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS303の処理に応じた値であるか否かによって判定できる。変動中でない場合、または第1中断指定コマンドを送信済みの場合(例えば、第1中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされていた場合)には処理を終了する。未だ第1中断指定コマンドを送信していない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第1中断指定コマンドを送信した後に処理を終了する(ステップS316)。
また、ステップS317では、CPU56は、第1中断指定コマンドを送信済みであるか否か確認する(ステップS317)。第1中断指定コマンドを送信済みである場合(例えば、第1中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされているとき)には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第1再開指定コマンドを送信する(ステップS318)。そして、CPU56は、ステップS300〜S312のうちのいずれかの処理を行う。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1中断指定コマンドを受信すると、第1演出図柄の変動(可変表示)を中断する。また、第1再開指定コマンドを受信すると、第1演出図柄の変動を再開する。
ステップS300〜S312の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(ステップS300):CPU56は、第1特別図柄の可変表示が開始できる状態(第1特別図柄が可変表示中でなく、大当り中でもない状態)になると、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は第1保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。そして、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。
第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):CPU56は、大当りとするか否か(第1特別図柄の停止図柄を大当り図柄とするか否か)を決定する。大当りとする場合には、第1大当りフラグをセットし、大当りの種別(非確変大当り(通常大当り1,2)および確変大当り)を決定する。大当りとしない場合には、小当りとするか否か(第1特別図柄の停止図柄を小当り図柄とするか否か)を決定する。小当りとする場合には、第1小当りフラグをセットし、小当り種別(小当り1〜3)を決定する。小当りとしない場合には、特別図柄のはずれ図柄を決定する。また、大当りとするか否かや大当り種別に応じたフラグをセットする。また、小当りとするか否かや小当り種別に応じたフラグをセットする。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値(この例では2)に更新する。
第1変動パターン設定処理(ステップS302):第1特別図柄の可変表示の変動パターン(図柄変動中の演出態様:なお、変動パターンによって変動時間も特定される。)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。そして、選択された変動パターンおよび変動時間の種類にもとづいて、第1特別図柄の可変表示が開始されてから停止表示されるまでの変動時間を第1変動時間タイマにセットした後、第1変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303(この例では3)に応じた値に更新する。
第1表示結果特定コマンド送信処理(ステップS303):演出制御用マイクロコンピュータ100に、大当りとするか否か、小当りとするか否か、大当りとする場合には大当りの種別、小当りとする場合には小当り種別に応じた表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では4)に更新する。
第1特別図柄変動中処理(ステップS304):第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS302でセットされる第1変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、第1図柄確定指定コマンドを送信し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305(この例では5)に対応した値に更新する。
第1特別図柄停止処理(ステップS305):第1特別図柄表示器8aにおける可変表示を停止して停止図柄を停止表示させる。また、変動回数カウンタの値を減算する処理を行い、変動回数カウンタの値が0になったときに第2変動時間短縮フラグ(天井状態において第2特別図柄および第2演出図柄の変動時間を短縮することを示すフラグ)をセットする。また、時短回数カウンタの値を減算する処理を行い、時短回数カウンタの値が0になtっときに時短状態を終了させるために時短フラグ(時短状態に制御されていることを示すフラグ)をリセットする。そして、第1大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。第1小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10)に更新する。第1大当りフラグおよび第1小当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、CPU56が送信する第1図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第1演出図柄が停止されるように制御する。
第1大入賞口開放前処理(ステップS306):第1大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し(大入賞口の開放時間は、29.5秒)、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第1大入賞口開放中処理(ステップS307):大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置20を閉状態にして大入賞口を閉鎖する。また、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル時間)を大入賞口制御タイマに設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS308(この例では8)に応じた値に更新する。
大入賞口開放後処理(ステップS308):インターバル時間が経過したときに、残りラウンドがあるかどうかを確認する。残りラウンドがある場合には、大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置20を開状態にして大入賞口を開放する。また、カウンタによってラウンド数をカウントする。また、大入賞口制御タイマに大入賞口開放中処理の実行時間(ラウンド時間)を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に応じた値に更新する。一方、全てのラウンドを終えた場合には、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する演出(エンディング演出)を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド)を演出制御基板80に送信し、大入賞口制御タイマに大当り終了処理の実行時間(大当り終了時間)を設定した後、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に応じた値(この例では9)に更新する。
大当り終了処理(ステップS309):大当り遊技状態を終了させるための所定のフラグのセット・リセットの処理等を行う。また、変動回数カウンタに大当り種別に応じた値をセットする処理を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値に更新する。
第1小当り開放前処理(ステップS310):第1特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS311に対応した値(この例では11)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
第1小当り開放中処理(ステップS311):特別図柄プロセスフラグの値が11であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS312に対応した値(この例では12)に更新する。
第1小当り終了処理(ステップS312):特別図柄プロセスフラグの値が12であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、変動回数カウンタに小当り種別に応じた値をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図17は、ステップS313の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(ステップS321)。第1保留記憶数が4になっている場合は(ステップS321のY)、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が4になっていない場合には(ステップS321のN)、CPU56は、第1保留記憶数を示す第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS322)。また、CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として第1保留記憶数カウンタの値に対応する第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS323)。第1保留記憶バッファにおいて、保存領域は、第1保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。なお、ステップS323では、ランダム1〜4(図8参照)の値が抽出され、保存領域に保存される。さらに、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS324)。そして、入賞時大当り判定処理を実行し(ステップS325)、処理を終了する。
図18は、ステップS325の入賞時大当り判定処理を示すフローチャートである。入賞時大当り判定処理において、CPU56は、低確率時大当り判定テーブル(図9(A)左欄のテーブル)を選択する(ステップS251)。入賞時大当り判定処理において、CPU56が、低確率時大当り判定テーブル(図9(A)左欄のテーブル)を選択するのは、低確率時大当り判定テーブル(図9(A)左欄のテーブル)における大当り判定値は、確変時大当り判定テーブル(図9(A)右欄のテーブル)においても大当り判定値であり、入賞時大当り判定処理で大当りとすると判定した後に、遊技状態が確変状態から低確率状態に移行したり、低確率状態から確変状態に移行したりして、大当り判定の処理(ステップS62)で、はずれと判定されることを防ぐためである。
次いで、CPU56は、ステップS323の処理で保存領域に格納された大当り判定用乱数(ランダム1)とステップS251の処理で選択したテーブル(図9(A)左欄のテーブル)に示す大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS252)。それらが一致しない場合に(ステップS253のN)、入賞時判定はずれ指定コマンドを送信し(ステップS254)、入賞時大当り判定処理を終了する。
また、CPU56は、ステップS323の処理で保存領域に格納された大当り判定用乱数(ランダム1)とステップS251で選択したテーブル(図9(A)左欄のテーブル)に示す大当り判定値とを比較し、それらが一致する場合に(ステップS253のY)、ステップS323の処理で保存領域に格納された大当り種別判定用乱数(ランダム2)を読み出し(ステップS255)、読み出した大当り種別判定用乱数(ランダム2)と、図9(B)に示す大当り種別判定値とを比較して、一致する判定値に対応する大当り種別に判定する(ステップS256)。
そして、CPU56は、確変大当りと判定した場合に(ステップS257のY)、入賞時判定確変大当り指定コマンドを送信する処理を行い(ステップS258)、入賞時大当り判定処理を終了する。また、CPU56は、確変大当りでないと判定した場合(つまり、通常大当りと判定した場合)に(ステップS257のN)、入賞時判定通常大当り指定コマンドを送信する処理を行い(ステップS259)、入賞時演出設定処理を終了する。
なお、図9(A)に示すように、本実施の形態では、低確率時の大当り判定値(図9(A)左欄に示す判定値)は、確変時においても大当り判定値(図9(A)右欄に示す判定値)である。よって、入賞時大当り判定処理において、低確率時大当り判定テーブル(図9(A)左欄のテーブル)にもとづいて大当りとすると判定した場合には、後述する大当り判定処理において遊技状態が確変状態であっても、低確率状態であっても大当りと判定される。また、図9(C)に示す大当り種別判定テーブルは、遊技状態が確変状態であっても、低確率状態であっても、通常大当りと確変大当りとにそれぞれ同じ判定値が設定されている。よって、入賞時大当り判定処理において、通常大当りまたは確変大当りとすると判定した場合には、後述するステップS70の処理において確率状態が確変状態であっても、低確率状態であっても、入賞時大当り判定処理における判定結果と同様に、通常大当りまたは確変大当りと判定される。なお、入賞時大当り判定処理において、遊技状態が確変状態の場合は、確変時大当り判定テーブル(図9(A)右欄のテーブル)にもとづいて大当り判定を行うようにしてもよい。
なお、図18に示した入賞時大当り判定処理では、小当り判定については実行していないが、小当り判定を実行し、小当りとすると決定した場合には入賞時判定小当り指定コマンド(図14には示さず)を送信するようにしてもよい。また、大当り種別に応じた入賞時判定指定コマンドや小当り種別に応じた入賞時判定指定コマンドを送信するようにしてもよい。
図19は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理が実行される状態は、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合である。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ、第1大当り遊技(第1特別図柄が大当り図柄になったことにもとづく大当り遊技)中でもない場合である。
第1特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶数が0であるかどうかを確認する(ステップS51)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0であるかどうかを確認する。
第1保留記憶数が0でなければ、RAM55の第1保留記憶バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数格納バッファに格納するとともに(ステップS52)、各保存領域の内容をシフトする(ステップS53)。すなわち、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
その後、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)に応じた値に更新する(ステップS56)。
図20は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。第1特別図柄停止図柄設定処理において、CPU56は、ステップS323の処理で保存領域に格納された大当り判定用乱数を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図9(A)参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS63)、ステップS68に移行する。具体的には、低確率状態(確変フラグがセットされていない状態)では、大当り判定用乱数値と図9における左欄に記載されている数値とを比較し、確変状態(確変フラグがセットされている状態)では、大当り判定用乱数値と図9(A)における右欄に記載されている数値とを比較する。また、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aおよび演出表示装置9において停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当り判定モジュールで大当りとすることに決定した場合には(ステップS63のY)、第1大当りフラグをセットする(ステップS64)。そして、CPU56は、ステップS323の処理で保存領域に格納された大当り種別決定用乱数を読み出し(ステップS65)、大当りの種別(通常大当り、確変大当り)を決定する処理を実行する(ステップS66)。
大当り種別の決定処理は、大当り種別決定テーブル(図9(C))を用いて行う。大当り種別決定テーブルには、大当りの種別ごとに所定数の大当り種別決定用乱数値が予め振り分けられている。CPU56は、ステップS65で読み出した大当り種別決定用乱数値がどの範囲に属するかによって、大当り種別、すなわち、通常大当り1,2または確変大当りのいずれかを決定する。
図20には示していないが、第1特別図柄の大当り図柄は大当り種別に応じて各々一種類しか設けられていないので、大当りの種別が決定されることによって、大当り図柄も自動的に決定される。
次いで、CPU56は、ステップS70にて決定した大当り種別に応じた演出図柄情報を第1演出図柄情報バッファにストア(格納)し(ステップS67)、ステップS66の処理で決定した大当り種別に応じたフラグ(確変大当りであれば第1確変フラグ、通常大当り1であれば第1通常大当り1フラグ、通常大当り2であれば第1通常大当り2フラグ)をセットし(ステップS73)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理(ステップS302)に対応した値に更新し(ステップS79)、第1特別図柄停止図柄設定処理を終了する。
ステップS63において、大当りとしないことに決定した場合は(ステップS63のN)、CPU56は、小当り判定モジュールを実行する(ステップS70)。小当り判定モジュールは、あらかじめ決められている小当り判定値(図9(B)参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。小当りとしないことに決定した場合には(ステップS71のN)、ステップS76に移行する。小当りとするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aおよび演出表示装置9において停止図柄を小当り図柄とするか否か決定するということでもある。
小当り判定モジュールで小当りとすることに決定した場合には(ステップS71のY)、第1小当りフラグをセットする(ステップS72)。そして、CPU56は、ステップS323の処理で保存領域に格納された小当り種別決定用乱数を読み出し(ステップS73)、小当りの種別(小当り1〜3)を決定する処理を実行する(ステップS74)。
小当り種別の決定処理は、小当り種別決定テーブル(図9(D))を用いて行う。小当り種別決定テーブルには、小当りの種別ごとに所定数の小当り種別決定用乱数値が予め振り分けられている。CPU56は、ステップS73で読み出した小当り種別決定用乱数値がどの範囲に属するかによって、小当り種別、すなわち、小当り1,2,3のいずれかを決定する。
図20には示していないが、第1特別図柄の小当り図柄は小当り種別に応じて各々一種類しか設けられていないので、小当りの種別が決定されることによって、小当り図柄も自動的に決定される。
次いで、CPU56は、ステップS74にて決定した小当り種別に応じた演出図柄情報を第1演出図柄情報バッファにストア(格納)し(ステップS75)、ステップS74の処理で決定した小当り種別に応じたフラグ(小当り1〜3であれば第1小当り1〜3フラグ)をセットし(ステップS68)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理(ステップS302)に対応した値に更新し(ステップS79)、第1特別図柄停止図柄設定処理を終了する。
ステップS76では、CPU56は、ステップS323の処理で保存領域に格納されたはずれ図柄決定用乱数(表示用乱数の一つ)を読み出す(ステップS76)。そして、CPU56は、読み出したはずれ図柄決定用乱数の値にもとづいて、第1特別図柄のはずれ図柄を決定する処理を実行する(ステップS77)。これにより、第1特別図柄のはずれ図柄のいずれかの図柄が決定される。
次いで、CPU56は、はずれに応じた演出図柄情報を第1演出図柄情報バッファにストアする(ステップS78)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS79)。
図21は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、第1大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS201)。
第1大当りフラグがセットされているときは(ステップS201のY)、CPU56は、大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS202)。第1大当りフラグがセットされていないときは(ステップS201のN)、CPU56は、第1小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS203)。第1小当りフラグがセットされているときは(ステップS203のY)、CPU56は、小当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS204)。第1小当りフラグがセットされていないときは(ステップS203のN)、CPU56は、はずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS205)。なお、図10に示したように、通常変動時は、変動番号「1」「3」〜「6」が設定されたテーブルを用い、短縮変動時は、変動番号「2」「3」〜「6」が設定されたテーブルを用いることに決定する。
次に、CPU56は、ステップS323で保存領域に格納した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、ステップS202,S204,S205の処理で決定されたテーブルを用いて図柄の変動パターンを決定する(ステップS206)。具体的には、変動パターン決定用乱数値と一致する判定値に対応した変動パターンのEXTデータが次に可変表示される図柄の変動パターンのEXTデータと決定される。
次に、CPU56は、ステップS206において決定した変動パターンのEXTデータに応じた変動パターンコマンドを送信する処理を実行する(ステップS208)。そして、CPU56は、変動パターンコマンドで特定される第1特別図柄の変動時間を第1変動時間タイマにセットする(ステップS209)。次に、CPU56は、第1図柄変動指定コマンドを送信する処理を実行する(ステップS210)。そして、CPU56は、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動を開始し(ステップS211)、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し:ステップS212)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1表示結果特定コマンド送信処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS213)。
図22は、第1表示結果特定コマンド送信処理(ステップS303)を示すフローチャートである。第1表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当りの種類、はずれに応じて、第1表示結果1指定〜第1表示結果3指定のいずれかの演出制御コマンド(図13参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、第1大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされている場合は、大当り種別に応じた第1表示結果2〜4指定コマンドを送信する(ステップS111)。第1大当りフラグがセットされていない場合は、第1小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS112)。第1小当りフラグがセットされている場合は、小当り種別に応じた第1表示結果5〜7指定コマンドを送信する(ステップS113)。第1小当りフラグがセットされていない場合は、第1表示結果1指定コマンドを送信する(ステップS114)。
その後、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動中処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS120)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドにもとづいて、大当りとするか否かについては特定可能である。
図23は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(ステップS304)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、第1図柄確定指定コマンドを送信するとともに(ステップS127)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図24は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止処理(ステップS305)を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、CPU56は、第1特別図柄の停止図柄を導出表示する(ステップS130)。そして、CPU56は、変動回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS131)。変動回数カウンタの値が0であれば、ステップS132〜S134の処理を実行せずにステップS135の処理に移行する。ステップS131にて変動回数カウンタの値が0であるか否か確認するのは、遊技機の電源投入時(電力供給の開始時)は変動回数カウンタの値が0となっているため、変動回数カウンタの値が0であると判定したことによって天井状態に移行させると(ステップS133,S134参照)、電源投入時にいきなり天井状態に移行されてしまうことになり、そのような事態が生じることを防止するためである。なお、電源投入時の初期化処理(ステップS11,S12)において、変動回数カウンタの初期値として例えば600の値を設定するようにすれば、電源投入時に天井状態に移行されてしまうことがなくなるため、ステップS131の処理を省略することが可能となる。
ステップS131において、変動回数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、変動回数カウンタの値を−1し(ステップS132)、変動回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS133)。変動回数カウンタの値が0であれば、大当り遊技や小当り遊技の終了後の変動回数が天井回数に達したと判断して、第2変動時間短縮フラグをセットする(ステップS134)。なお、第2変動時間短縮フラグがセットされているときは、遊技状態が天井状態であり、第2特別図柄および第2演出図柄の変動時間が短い時間に短縮される(図11、図29参照)。
次に、CPU56は、第1大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS135)。第1大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグおよび時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(ステップS136)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンド(大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンド)を送信する制御を行う(ステップS137)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS138)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、通常大当りまたは確変大当りの場合には15回。)をセットする(ステップS139)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(ステップS306)に対応した値に更新する(ステップS140)。
また、ステップS135で第1大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS141)。時短フラグがセットされている場合には(すなわち、時短状態に制御されている場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS142)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS143)、時短フラグをリセットする(ステップS144)。
次いで、CPU56は、第1小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS145)。第1小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り開始指定コマンドを送信する(ステップS146)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS147)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS148)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1小当り開始前処理(ステップS310)に対応した値に更新する(ステップS149)。
第1小当りフラグもセットされていなければ(ステップS145のN)、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS150)。
図25は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(ステップS309)を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、第1大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、通常大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、大当りの種別が確変大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。確変大当りでなければ(すなわち、通常大当りであれば)、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS167)。また、CPU56は、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(100回)をセットする(ステップS168)。そして、CPU56は、大当り種別に応じた天井回数(具体的には600回または100回)を変動回数カウンタにセットする(ステップS171)。そして、ステップS172に移行する。
確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS169)。また、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS170)。そして、CPU56は、大当り種別に応じた天井回数(具体的には「なし」)を変動回数カウンタにセットする(ステップS171)。なお、変動回数カウンタに0をセットすると大当り終了後直ちに天井状態に移行してしまうことになるため、変動回数カウンタに値がセットされていないことを示す値(例えば00)をセットするようにするのが好ましい。そして、ステップS172に移行する。
そして、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS172)。
図26は、第1特別図柄プロセス処理における第1小当り終了処理(ステップS312)を示すフローチャートである。第1小当り終了処理において、CPU56は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS180)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS184に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、第1小当りフラグをリセットし(ステップS181)、小当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS182)。そして、小当り終了表示タイマに、画像表示装置9において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS183)、処理を終了する。
ステップS184では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS185)。経過していなければ処理を終了する。
小当り終了表示時間を経過していれば(ステップS185のY)、CPU56は、小当り種別に応じた天井回数(具体的には600回、100回または5回)を変動回数カウンタにセットする(ステップS191)。そして、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS192)。
図27は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第2特別図柄プロセス処理(ステップS26B)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第2特別図柄プロセス処理では第2特別図柄表示器8bおよび特別可変入賞球装置20を制御するための処理が実行される。
なお、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理と異なり、第1始動口スイッチ通過処理(ステップS313)に相当する処理を実行しない。第1始動口スイッチ通過処理に相当する処理は、第2特別図柄通常処理(図28)にて実行する。
CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値が、第1大当り図柄停止処理〜第1小当り終了処理のいずれかに応じた値(具体的には、第1大入賞口開放前処理〜第1小当り終了処理のいずれかに応じた値は「6」〜「12」)であるかどうかを確認する(ステップS324)。第1特別図柄プロセスフラグの値が、第1大入賞口開放前処理〜第1小当り終了処理のいずれかに応じた値である場合には(ステップS324のY)、ステップS325,S326の処理を実行した後、第2特別図柄プロセス処理を終了する。そうでない場合には(ステップS324のN)、ステップS327,S328の処理を実行した後、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS330〜S339のうちのいずれかの処理を行う。なお、この実施の形態では、第1大入賞口開放前処理〜第1小当り終了処理であるか否かは、第1特別図柄プロセスフラグの値によって判定できる。第1大入賞口開放前処理〜第1小当り終了処理に応じた値は連続する値(例えば、6〜12)である。よって、CPU56のステップS324の判定処理を簡易な処理にすることができる。
ステップS325では、CPU56は、第2演出図柄および第2特別図柄の変動中であって、かつ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第2中断指定コマンドが未送信であるか否か確認する(ステップS325)。なお、第2演出図柄および第2特別図柄の変動中であるか否かは、第2特別図柄プロセスフラグの値がステップS333の処理に応じた値であるか否かによって判定できる。変動中でない場合、または第2中断指定コマンドを送信済みの場合(例えば、第2中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされていた場合)には処理を終了する。未だ第2中断指定コマンドを送信していない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第2中断指定コマンドを送信した後に処理を終了する(ステップS326)。
また、ステップS327では、CPU56は、第2中断指定コマンドを送信済みであるか否か確認する(ステップS317)。第2中断指定コマンドを送信済みである場合(例えば、第2中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされているとき)には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第2再開指定コマンドを送信する(ステップS328)。そして、CPU56は、ステップS330〜S339のうちのいずれかの処理を行う。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2中断指定コマンドを受信すると、第2演出図柄の変動(可変表示)を中断する。また、第2再開指定コマンドを受信すると、第2演出図柄の変動を再開する。
なお、第2特別図柄通常処理(ステップS330)〜第2大当り終了処理(ステップS339)の処理の内容については第1特別図柄プロセス処理で説明した内容と略同じであるため、説明を省略する。上述したように、第2特別図柄については小当りが設けられていないので、第2特別図柄プロセス処理では、第2小当り開放前処理〜第2小当り終了処理は設けられていない。
次に、第2特別図柄プロセス処理において、第1特別図柄プロセス処理と異なる処理について説明する。
図28は、第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄通常処理(ステップS330)を示すフローチャートである。第2特別図柄通常処理において、CPU56は、第2始動入賞口17に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ17aがオンしていたら、すなわち遊技球が第2始動入賞口17に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS55のY)、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)を抽出し、それらをRAM55における保存領域に格納(保存)する(ステップS56)。そして、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS57)。そして、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2特別図柄停止図柄設定処理(ステップS331)に対応した値に更新する(ステップS58)。
第2特別図柄停止図柄設定処理では、小当り判定処理等(ステップS70〜S75)に相当する処理は実行しない。
図29は、第2特別図柄プロセス処理における第2変動パターン設定処理(ステップS332)を示すフローチャートである。第2変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、第2大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。
第2大当りフラグがセットされているときは(ステップS221のY)、CPU56は、大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS222)。第2大当りフラグがセットされていないときは(ステップS221のN)、CPU56は、第2変動時間短縮フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS223)。第2変動時間短縮フラグがセットされていないときは(ステップS223のY)、CPU56は、通常時のはずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS224)。第2変動時間短縮フラグがセットされているときは(ステップS223のN)、CPU56は、短縮時のはずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS225)。なお、図11に示したように、通常時は、変動番号「1」が設定されたテーブルを用い、短縮時は、変動番号「2」が設定されたテーブルを用いることに決定する。
次に、CPU56は、保存領域に格納した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、ステップS222,S224,S225の処理で決定されたテーブルを用いて図柄の変動パターンを決定する(ステップS226)。具体的には、変動パターン決定用乱数値と一致する判定値に対応した変動パターンのEXTデータが次に可変表示される図柄の変動パターンのEXTデータと決定される。
次に、CPU56は、ステップS226において決定した変動パターンのEXTデータに応じた変動パターンコマンドを送信する処理を実行する(ステップS228)。そして、CPU56は、変動パターンコマンドで特定される第2特別図柄の変動時間を第2変動時間タイマにセットする(ステップS229)。次に、CPU56は、第2図柄変動指定コマンドを送信する処理を実行する(ステップS230)。そして、CPU56は、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動を開始し(ステップS231)、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2表示結果特定コマンド送信処理(ステップS333)に対応した値に更新する(ステップS233)。
その他の第2特別図柄プロセス処理においては、小当りが設けられていないこと等を除いて、「第1」とあるのを「第2」と読み替え、「第2」とあるのを「第1」と読み替えることにより、実現することが可能である。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図30は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1演出制御プロセス処理を行う(ステップS705A)。第1演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第1演出図柄表示領域9Aの表示制御等を実行する。また、第2演出制御プロセス処理を行う(ステップS705B)。第2演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第2演出図柄表示領域9Bの表示制御等を実行する。また、演出表示装置9のメモリ表示領域の表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS706)。そして、図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。なお、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のように、第1演出図柄表示制御処理と第2演出図柄表示制御処理とを共通化して、すなわち一つのプログラムモジュールで実現するようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するプログラム容量を減らすようにしてもよい。
図31〜図33は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。なお、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、図30に示すメイン処理とは別の受信割り込み処理で主基板31から送信された演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドを受信コマンドバッファに格納する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが第1表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その第1表示結果指定コマンド(第1表示結果1指定コマンド〜第1表示結果3指定コマンドのいずれか)を、RAMに形成されている第1表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが第2表示結果指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、その第2表示結果指定コマンド(第2表示結果1指定コマンド〜第2表示結果3指定コマンドのいずれか)を、RAMに形成されている第2表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄確定指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、第1図柄確定指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが第2図柄確定指定コマンドであれば(ステップS627)、演出制御用CPU101は、第2図柄確定指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(ステップS629A)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS629B)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドまたは大当り終了2指定コマンドであれば(ステップS630A)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS630B)。
受信した演出制御コマンドが小当り開始指定コマンドであれば(ステップS631A)、演出制御用CPU101は、小当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS631B)。
受信した演出制御コマンドが小当り終了指定コマンドであれば(ステップS632A)、演出制御用CPU101は、小当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS632B)。
受信した演出制御コマンドが低確率状態指定コマンドであれば(ステップS633)、演出制御用CPU101は、確率状態が低確率状態であることを示す特別状態フラグをリセットする(ステップS634)。また、受信した演出制御コマンドが確変状態指定コマンドであれば(ステップS635)、演出制御用CPU101は、特別状態フラグをセットする(ステップS636)。
受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果指定コマンドであれば(ステップS637)、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドに応じた入賞時判定結果指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS638)。具体的には、演出制御用CPU101は、入賞時判定はずれ指定コマンドを受信した場合に入賞時判定はずれ指定コマンド受信フラグをセットし、入賞時判定通常大当り指定コマンドを受信した場合に入賞時判定通常大当り指定コマンド受信フラグをセットし、入賞時判定確変大当り指定コマンドを受信した場合に入賞時判定確変大当り指定コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS639)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS640)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
受信した演出制御コマンドが保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS644)、演出制御用CPU101は、その保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を保留記憶数保存領域に格納する(ステップS645)。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(ステップS648)、演出制御用CPU101は、第1始動入賞フラグをセットする(ステップS649)。受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(ステップS650)、演出制御用CPU101は、第2始動入賞フラグをセットする(ステップS651)。
受信した演出制御コマンドが第1中断指定コマンドであれば(ステップS652)、演出制御用CPU101は、第1中断指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS653)。受信した演出制御コマンドが第2中断指定コマンドであれば(ステップS654)、演出制御用CPU101は、第2中断指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS655)。
受信した演出制御コマンドが第1再開指定コマンドであれば(ステップS656)、演出制御用CPU101は、第1再開指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS657)。受信した演出制御コマンドが第2再開指定コマンドであれば(ステップS658)、演出制御用CPU101は、第2再開指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS659)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS660)。そして、ステップS611の処理に移行する。
図34は、図30に示されたメイン処理における第1演出制御プロセス処理(ステップS705A)を示すフローチャートである。第1演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、まず、大当り遊技または小当り遊技の終了後からの変動回数をカウントする天井カウンタの値が5であるか否かを判定する(ステップS800A)。なお、天井カウンタの値は、第1大当り終了処理(ステップS807)または第2大当り終了処理にて、大当り種別や小当り種別に応じた値(600回、100回、5回)がセットされる。天井カウンタの値が5である場合は、天井状態までの変動回数を報知する(ステップS800B)。なお、報知の態様は後述する(図40参照)。
演出制御用CPU101は、第1演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、第2演出制御プロセス処理(ステップS705B)も、制御対象が演出表示装置9の第2演出図柄表示領域9Bであるという違いはあるが、第1演出制御プロセス処理と同様に構成される。すなわち、以下の説明において、「第1」を「第2」と読み替え、「第2」を「第1」と読み替えれば、第2演出制御プロセス処理が説明されることになる。
第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か、および第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するコマンド解析処理で変動パターンコマンドを受信したことが確認された場合にセットされる。第1図柄変動指定コマンド受信フラグは、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するコマンド解析処理で第1図柄変動指定コマンドを受信したことが確認された場合にセットされる。変動パターンコマンドおよび第1図柄変動指定コマンドを受信した場合には、第1演出図柄の変動パターン(変動期間中の演出図柄の変動速度や、背景,キャラクタの種類、キャラクタの表示開始時期などの変動態様)を、それぞれの変動パターンに応じてあらかじめ決められている複数種類のうちから選択する。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する。
第1演出図柄変動開始処理(ステップS801):左中右の第1演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
第1演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンに応じて決められている変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行う。変動時間が終了したら、第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
第1演出図柄変動停止処理(ステップS803):第1演出図柄の変動を最終停止し停止図柄を表示する制御を行う。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)または第1大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に更新する。
第1大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、大当り表示の制御を行う。例えば、大当りの開始を指定する大当り開始指定コマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1ラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
第1ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1ラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
第1ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後コマンドを受信したら、インターバル表示等を行う。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1ラウンド中処理(ステップS805)または第1大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
第1大当り終了演出処理(ステップS807):大当り遊技の終了後の大当り終了表示の制御を行う。例えば、大当りの終了を指定する大当り終了指定コマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図35は、第1演出制御プロセス処理における第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。第1変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS811)。セットされていたら、第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS812)。第1図柄変動指定コマンド受信フラグもセットされていたら、変動パターン受信フラグをリセットする(ステップS813)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS814)。
図36は、第1演出制御プロセス処理における第1演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。第1演出図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、変動パターンコマンドで指定された内容(変動時間)にもとづいて、第1演出図柄の変動パターンを決定し、決定内容に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS815)。そして、選択したプロセステーブルにおけるプロセスデータ1のプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS816)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS817)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に制御信号(表示制御実行データ)を出力する。また、各種ランプの点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。そして、変動時間に応じた値を変動時間タイマに設定して変動時間タイマをスタートさせ(ステップS818)、第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動中処理(ステップS802)に応じた値に更新する(ステップS819)。
図37は、第1演出制御プロセス処理における第1演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。第1演出図柄変動中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動中断フラグがセットされているか否か確認し(ステップS821)、変動中断フラグがセットされていなければ第1中断指定コマンドを受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS822)。第1中断指定コマンド受信フラグがセットされていれば変動中断フラグをセットし(ステップS823)、第1中断指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS824)。
また、ステップS821で変動中断フラグがセットされていることを確認したら、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1再開指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS835)。第1再開指定コマンド受信フラグがセットされていれば、変動中断フラグおよび第1再開指定コマンド受信フラグをリセットするとともに(ステップS836)、演出表示装置9において第1演出図柄の変動を再開させる(ステップS837)。第1再開指定コマンド受信フラグがセットされていなければ第1演出図柄変動中処理を終了する。
ステップS822で第1中断指定コマンド受信フラグがセットされていないことを確認したら、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマを1減算するとともに(ステップS827)、変動時間タイマを1減算する(ステップS828)。プロセスタイマがタイムアップしたら、プロセスデータの切替を行う(ステップS829,S830)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定するとともに、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータの内容(表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データ)に従って演出装置(演出表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS830A)。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS831のY)、第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS832)。
以上のように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出表示装置9の第2演出図柄表示領域9Bに大当り図柄が停止表示されて大当り遊技状態となったときには、第1中断指定コマンドを受信したことにもとづいて変動中断フラグをセットするとともに変動中断処理を行う。そして、第1再開指定コマンドを受信するまでステップS827〜S831の処理を実行しないように制御する。すなわち、第1演出図柄の変動を行わない制御がなされる。
図38は、第1演出制御プロセス処理における第1演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。第1演出図柄変動停止処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、天井カウンタの値を−1する(ステップS840)。そして、演出制御用CPU101は、第1演出図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(第1図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづく第1図柄確定指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS841)。第1図柄確定指定コマンド受信フラグがセットされていれば、コマンド解析処理において格納された第1演出図柄の停止図柄(最後に停止する中図柄)を停止表示させる制御を行い(ステップS842A)、第1図柄確定指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS842B)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、CPU56からの第1演出図柄停止指定コマンドの受信に応じて第1演出図柄を停止表示する制御を行うが、このような構成に限られず、変動時間タイマがタイムアップしたことにもとづいて第1演出図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。
ステップS842Aで停止表示された第1演出図柄の停止図柄が大当り図柄(非確変図柄、確変図柄)である場合は(ステップS843のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り開始1又は2指定コマンド受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS844)。大当り開始1又は2指定コマンド受信フラグ、あるいは小当り開始指定コマンド受信フラグがセットされたときは(ステップS844のY)、セットされている大当り開始1又は2指定コマンド受信フラグ、あるいは小当り開始指定コマンド受信フラグをリセットし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り開始1又は2指定コマンドの内容や小当り開始指定コマンドの内容にもとづいて、通常大当りに応じたファンファーレ演出、確変大当りに応じたファンファーレ演出、または小当りに応じたファンファーレ演出のいずれかを選択する(ステップS845)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択したファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS846)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS847)、第1演出制御プロセスフラグの値を第1大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に設定する(ステップS848)。
ステップS842Aで停止表示された第1演出図柄の停止図柄が大当り図柄(非確変図柄、確変図柄)でない場合、すなわち、はずれ図柄である場合(ステップS843のN)は、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のフラグをリセットする(ステップS849)。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する(ステップS850)。
図39は、第1演出制御プロセス処理における第1大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。第1大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出の実行時間を計測するための大当り終了演出タイマが動作中であるか否かを判定し(ステップS880)、動作中でなければ、大当り終了指定コマンド受信フラグまたは小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS881)。大当り終了指定コマンド受信フラグまたは小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていなければ、そのまま処理を終了する。大当り終了指定コマンド受信フラグまたは小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグまたは小当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS882)、大当り終了演出タイマを設定する(ステップS883)。そして、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面において大当り終了画面を表示して(ステップS884)、処理を終了する。
ステップS880で大当り終了演出タイマが動作中であると判定されたときは、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値を−1する(ステップS885)。そして、大当り終了演出タイマがタイムアウトしたら(ステップS886のY)、つまり、大当り終了演出時間が経過したら、大当り種別または小当り種別に応じた天井回数(600回、100回、5回)を天井カウンタにセットする(ステップS887)。なお、大当り種別または小当り種別については、ステップS618,S620において表示結果指定コマンド格納領域に格納した表示結果指定コマンド(第1表示結果指定コマンド、第2表示結果指定コマンド)の内容にもとづいて判定する。
そして、演出制御用CPU101は、第1演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS888)。
図40は、天井状態までの回数を報知する報知例を示す説明図である。図40に示すように、演出制御用CPU101は、ステップS800Bの処理として、演出表示装置9の画面上に、例えば「残り5回で天井状態に移行」という文字を表示することによって、遊技者に後何回で天井回数に達するか(天井状態に移行するか)を確実に認識させる。なお、図40に示すような報知態様に限られず、例えば、第1演出図柄の保留記憶がある場合には、天井回数までの残り回数から保留記憶の数を引いた回数を、天井状態までの回数として報知するようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態では、大当り遊技または小当り遊技の終了後の変動回数が天井回数に達する前は、第2特別図柄および第2演出図柄の変動時間が長い時間(1時間)に設定し、大当り遊技または小当り遊技の終了後の変動回数が天井回数に達した後は、第2特別図柄および第2演出図柄の変動時間が短い時間(0.5秒)に設定するとともに、第1始動入賞口13,14に対するベースよりも第2始動入賞口17に対するベースが高くなるように設定することにより、大当り遊技または小当り遊技の終了後の変動回数が天井回数に達した後は、遊技の状況が遊技者に不利な状況になったときに遊技球の減少を抑えつつ次の大当りまでの時間を短くすることができる。その結果、大当りが長時間発生していない遊技機の稼働率を向上させることができる。
また、この実施の形態では、第1特別図柄(および第1演出図柄)と第2特別図柄(および第2演出図柄)とが同時に変動可能に構成することによって、天井状態に到達する前に誤って長い変動時間が選択される第2始動入賞口17に入賞させてしまった場合であっても、第1始動入賞口13,14に入賞させることにより第1特別図柄(および第1演出図柄)の変動が順次実行され、天井回数に達することになるため、天井状態への移行が遅くなってしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態では、大当り遊技状態が終了したとき、または大当り遊技状態よりも遊技者に付与する遊技価値が低い小当り遊技状態が終了したときに天井回数が設定され、天井回数は、大当り遊技状態が終了したときより(600回、100回)も小当り遊技状態が終了したとき(600回、100回、5回)の方が少ない回数を設定可能であるので、遊技者に付与される遊技価値の低い小当り遊技状態であっても、小当り遊技状態の終了後の少ない回数で第2演出図柄の変動回数が天井回数に達するため、遊技者を落胆させないようにすることができる。
また、この実施の形態では、小当りとして複数種類の小当り1〜3を備え、天井回数は、小当りの種類によって異なる回数(600回、100回、5回)であるので、小当りの種類に注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、大当り遊技または小当り遊技の終了後の変動回数が天井回数に達する前に、天井回数に達する旨を報知する(ステップS800B)ように構成したので、演出図柄の変動回数が天井回数に達したにもかかわらず、第1始動入賞口13,14の保留記憶による第1演出図柄の変動によって再び大当りや小当りが発生してしまい、短縮された第2演出図柄の変動が実行されずに演出図柄の変動回数が天井回数に達した後の天井状態が終了してしまうことを防止することができる。また、遊技者に確実に天井状態に移行するタイミングを報知することができ、遊技者の打球操作ハンドル5の操作を右打ちに誘導することができる。
また、この実施の形態では、大当り遊技状態において入賞可能な特別可変入賞球装置20は、第2始動入賞口17に向けて遊技球を発射したときよりも第1始動入賞口13,14に向けて遊技球を発射したときに入賞し易い位置に設けられているので、大当り遊技状態の実行中の出球が多くなりすぎることによって射幸性が高まりすぎることを防止することができる。つまり、特別可変入賞球装置20と第2始動入賞口17が近い位置に設置されていると、大当り遊技状態のときに、特別可変入賞球装置20のみならず、ベースが高い第2始動入賞口17にも数多くの遊技球が入賞してしまい、大当り遊技状態における遊技者が獲得可能な出球の数が多くなりすぎてしまうおそれがある。しかし、上記のような構成によれば、そのようなことを防止することができる。
図41は、大入賞口(アタッカー)の位置の変形例を示す盤面図である。図1に示した例では、大入賞口は第1始動入賞口13,14の下方に設けられていたが、そのような位置に限られず、第2始動入賞口17の真上または第2始動入賞口17の真下に設けてもよい。第2始動入賞口17の真上に大入賞口を設けた場合は、大入賞口によって第2始動入賞口17への入賞が阻害され、大当り中の獲得出球が多くなりすぎるのを防止することができる。また、第2始動入賞口17の真下に大入賞口を設けた場合には、大当りのときの獲得出球を大量にして遊技者の大当りに対する期待感を高めることができるようになる。
なお、上記の実施の形態では、第1始動入賞口14に可変入賞球装置15を設けていたが、第1始動入賞口14に可変入賞球装置15を設けずに(つまり、第1始動入賞口および第2始動入賞口のいずれにも可変入賞球装置15を設けずに)、時短状態に制御されているときは、遊技者に右打ちさせて変動時間が短くなっている第2特別図柄で遊技を行わせるようにしてもよい。
また、第1始動入賞口14だけでなく、第2始動入賞口17に対しても可変入賞球装置を設けるようにしてもよい。
なお、第2特別図柄および第2演出図柄については保留記憶を行わないように構成していたが、保留記憶を行うようにしてもよい。しかし、第2特別図柄および第2演出図柄については保留記憶を行うように構成すると、変動時間が長い第2特別図柄および第2演出図柄の保留が複数記憶されることにより長時間、第2特別図柄および第2演出図柄の変動が継続され(例えば保留記憶が4個の場合は4時間経過後まで第2特別図柄および第2演出図柄の変動が継続され)、天井状態に移行したにもかかわらず、第2特別図柄および第2演出図柄の短縮変動が実行されず、遊技者に不利益を及ぼしてしまうおそれがある。上記の実施の形態の構成のように、第2特別図柄および第2演出図柄については保留記憶を行わないように構成すると、そのような不利益を及ぼしてしまう可能性を減らすことができる。
なお、上記の実施の形態では、時短状態中に天井状態に移行することもあり得るが、この場合、遊技者は時短状態(高ベース状態)である第1始動入賞口13,14に対して遊技球を発射する。上記の実施の形態では、時短状態(高ベース状態)のときの第1始動入賞口13,14に対するベースの方が第2始動入賞口17に対するベースよりも高くなるように設定されているからである。ただし、時短状態中に天井状態に移行した場合、遊技者は、第1始動入賞口13,14に対して遊技球を発射してもよいし(左打ちしてもよいし)、第2始動入賞口17に対して遊技球を発射してもよい(右打ちしてもよい)。また、時短状態(高ベース状態)のときの第1始動入賞口13,14に対するベースよりも第2始動入賞口17に対するベースの方が高くなるように設定されていてもよい。
上記の実施の形態では、天井状態に制御されているときに、演出表示装置9の表示画面を天井状態以外の遊技状態(通常状態や時短状態、確変状態)のときの画面とは異なる画面(例えば、画面の背景色を変化させたり、特殊なキャラクタを登場させたりする)とすることによって、天井状態に制御されていることを遊技者に報知するようにしてもよい。また、天井状態に移行したとき(天井回数に達したとき)に効果音を鳴らしたり、キャラクタを登場させたり、LED・ランプを点滅させたり等することによって、天井状態に制御されたことを遊技者に報知するようにしてもよい。
また、天井状態における第2特別図柄の変動時間が短縮されているときの変動時間が0.5秒と短いため、第2始動入賞口17の入賞頻度(第2始動入賞口17に向けて発射した遊技球数に対する第2始動入賞口17に入賞する遊技球数の割合:入賞確率ともいう)が高くても、実質的に無効入賞(第2特別図柄の変動中の入賞)が発生する可能性が低い。
上記の実施の形態では、第1特別図柄における大当りと第2特別図柄における大当りが同時に発生することを防止するため、いずれか一方において大当り(小当りを含む)が発生すると他方の図柄の変動を中断するように構成していたが、そのような構成に限らず、いずれか一方において大当り(小当りを含む)が発生すると、他方の図柄の大当り判定において強制的にはずれと判定するように構成するようにしてもよい。このような構成において、仮に、天井状態でないときの第2特別図柄の大当り変動パターンの変動時間が長い変動時間であったならば、大当りとなる第2特別図柄の変動が長時間(例えば1時間)行われているときに、第1特別図柄の大当り判定にて強制的にはずれと判定されてしまい、遊技者に著しく不利益を及ぼしてしまう。しかし、上記の実施の形態では、天井状態でないときの第2特別図柄の大当り変動パターンの変動時間を短い変動時間としているので(図11参照)、強制はずれによって大当りの同時発生を防止する構成であっても、遊技者に著しく不利益を及ぼしてしまうことはない。
また、小当りが発生したときに、いずれの種別の小当りが発生したかを直ちに遊技者に報知しないように構成してもよい。この場合、いずれの種別の小当りが発生したかについての期待感を持続させることができる。
また、上記の実施の形態では、天井状態に制御されているときは、第2特別図柄および第2演出図柄の変動時間は第1特別図柄および第1演出図柄の変動時間よりも短くなるように設定されていたが(図10、図11参照)、天井状態に制御されているときに、第2特別図柄および第2演出図柄の変動時間は第1特別図柄および第1演出図柄の変動時間と同じ時間もしくは若干長い時間であってもよい。このような構成であっても、第2始動入賞口17に対するベース(右側の領域のベース)が第1始動入賞口13,14に対するベース(左側の領域のベース)よりも高くなっているので、第2始動入賞口17に対して遊技球を発射する(右打ちする)方が遊技者にとって有利である。
なお、上記の実施の形態において、遊技状態が天井状態に制御されているときに、演出表示装置9の背景画面や演出図柄、登場するキャラクタなどを変更して、演出モードを天井状態を示すモードに変更するようにするのが好ましい。遊技者に天井状態に移行されたことを確実に報知するためである。また、天井状態に移行するときに、遊技者に右打ちを指示し、天井状態が終了したときに、遊技者に左打ちを指示するようにしてもよい。例えば、演出表示装置9の表示画面上において右打ちを指示する表示を行ったり、音声にて「右打ちしろ!」などを報知するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、第1始動入賞口13,14と第2始動入賞口17のいずれも賞球の払出個数は同じ3個であるが、第2始動入賞口17の方が入賞しやすい構成とすることで右打ち(右側の領域)のベースを高めていたが、そのような構成に限られず、第1始動入賞口13,14と第2始動入賞口17の入賞のしやすさを同じとし、第2始動入賞口17の賞球の払出個数の方が第1始動入賞口13,14の賞球の払出個数よりも多くすることによって、右打ちのベースを高めるようにしてもよい。例えば、第1始動入賞口13,14の賞球の払出個数を3個とし、第2始動入賞口17の賞球の払出個数を10個とするような場合である。
また、上記の実施の形態では、所定の条件が成立する場合として、大当り遊技・小当り遊技の終了としていたが、その他に、確変状態が大当り遊技の終了後の所定の変動回数だけ継続する場合は確変状態が終了したことであってもよく、また、高ベース状態(時短状態)が終了したこと、スーパーリーチはずれの後などであってもよい。
また、上記の実施の形態では、演出表示装置9における第1演出図柄表示領域9Aにおいて第1演出図柄の変動を実行し、演出表示装置9における第2演出図柄表示領域9Bにおいて第2演出図柄の変動を実行するように構成していたが、遊技状態が天井状態に移行した場合は、演出表示装置9における第1演出図柄表示領域9Aにおいて第2演出図柄の変動を実行し、演出表示装置9における第2演出図柄表示領域9Bにおいて第1演出図柄の変動を実行するように構成してもよい。すなわち、遊技状態が天井状態に移行しているときに、第1演出図柄の変動を行う表示領域と第2演出図柄の変動を行う表示領域を入れ替えるようにしてもよい。このような構成によれば、遊技を行っている方の演出図柄の変動を大きな表示領域において行うことが可能となる。
さらに、上記の実施の形態では、遊技者が第2始動入賞口17を狙って遊技領域7の右側の領域に向けて遊技球を発射した場合(右打ちした場合)は、第2始動入賞口17の下方に流下した遊技球が壁部29に遮られて第1始動入賞口13,14の方向へ進行せず、第1始動入賞口13,14に入賞しないように構成されていた。しかし、このような構成に限らず、遊技者が第2始動入賞口17を狙って遊技領域7の右側の領域に向けて発射した遊技球が第1始動入賞口13,14に入賞しないような構成であればよい。例えば、演出表示装置9の右端(具体的には、演出表示装置9が配置されている空間部を囲む枠の右端)から可変入賞球装置15の下側に向かって遊技球の進行を遮断するように釘が配置されるような構成であってもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技者が第2始動入賞口17を狙って遊技領域7の右側の領域に向けて遊技球を発射した場合(右打ちした場合)は、第2始動入賞口17の下方に流下した遊技球が壁部29に遮られて第1始動入賞口13,14に入賞しないように構成されていた。しかし、遊技者が第1始動入賞口13,14を狙って遊技領域7の左側の領域に向けて遊技球を発射した場合(左打ちした場合)に比べて、遊技者が第2始動入賞口17を狙って遊技領域7の右側の領域に向けて遊技球を発射した場合(右打ちした場合)の方が、第1始動入賞口13,14に入賞しにくいように構成されていてもよい。例えば、遊技者が第2始動入賞口17を狙って遊技領域7の右側の領域に向けて発射した遊技球のほとんどが第1始動入賞口13,14の下側を通過するが、一部の遊技球が第1始動入賞口13,14に入賞するように壁部29または釘を配置するようにしてもよい。ただし、そのような構成であっても、左打ちした場合よりも右打ちした場合の方がベースが高くなるように設定される。
また、上記の実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄の合計の変動回数が天井回数に到達したことにもとづいて天井状態に移行するように構成していたが、第1特別図柄の変動回数のみが天井回数に到達したことにもとづいて天井状態に移行させるように構成してもよい。
また、上記の実施の形態では、演出表示装置9において第1演出図柄表示領域9Aと第2演出図柄表示領域9Bとを設けていたが、第2演出図柄表示領域9Bを設けないようにしてもよい。すなわち、天井状態に移行する前は、第2演出図柄が変動しているときでも第2演出図柄の変動表示を行わないようにしてもよい。ただし、天井状態に移行した後は、第2演出図柄が変動表示を演出表示装置9において行うようにする。このとき、第1演出図柄が変動表示は演出表示装置9において行わなくてもよい。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図4に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入して入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記録装置にプリインストールしておくことで配布される形態をとっても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態をとっても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。