以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機(弾球遊技機)1を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、例えば、画像式の遊技機、コイン遊技機、および、スロット機等であってもよい。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、第1の実行条件である第1始動条件の成立(例えば、打球が第1始動入賞口13に入賞し、かつ、入賞したときに保留記憶数が所定の上限数(4個)に達していないこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の第1演出図柄(第1識別情報)を可変表示し表示結果を停止表示するとともに、第2の実行条件である第2始動条件の成立(例えば、打球が第2始動入賞口14に入賞し、かつ、入賞したときに保留記憶数が所定の上限数(4個)に達していないこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の第2演出図柄(第2識別情報)を可変表示し表示結果を停止表示する演出表示装置9が設置されている。
この実施の形態では、図2に示すように、演出表示装置9は、第1演出図柄を可変表示するための第1演出図柄表示領域9Aと、第2演出図柄を可変表示するための第2演出図柄表示領域9Bとが設けられている。図2に示すように、第1演出図柄表示領域9Aは、演出表示装置9の表示画面の中央に設けられ、第2演出図柄表示領域9Bは、演出表示装置9の表示画面の右下に設けられている。この実施の形態では、第1演出図柄表示領域9Aの面積は第2演出図柄表示領域9Bの面積よりも大きくなるように構成している。従って、第1演出図柄表示領域9Aの方が第2演出図柄表示領域9Bよりも遊技者は視認しやすい。なお、第1演出図柄および第2演出図柄のことを総称して単に演出図柄(識別情報)という場合もある。
この実施の形態では、演出表示装置9は液晶表示装置(LCD)で構成され、第1演出図柄と第2演出図柄を演出表示装置9にて表示するように構成しているが、各々を別々の液晶表示装置で表示するように構成されていてもよい。
演出表示装置9の第1演出図柄表示領域9Aには左・中・右の3つの表示領域が設けられ、左・中・右の表示領域において左・中・右の第1演出図柄が可変表示(変動)される。この実施の形態では、左・中・右の第1演出図柄として、「1」〜「8」の数字の図柄を用いている。第1演出図柄の可変表示(変動)は、原則として、「1」「2」・・・「8」の図柄が順番に表示される。なお、左の表示領域に表示される第1演出図柄を「左図柄」といい、中の表示領域に表示される第1演出図柄を「中図柄」といい、右の表示領域に表示される第1演出図柄を「右図柄」ということがある。
また、演出表示装置9の第2演出図柄表示領域9Bにも左・中・右の3つの表示領域が設けられ、左・中・右の表示領域において左・中・右の第2演出図柄が可変表示(変動)される。この実施の形態では、左・中・右の第2演出図柄として、「1」〜「8」の数字の図柄を用いている。第2演出図柄の可変表示(変動)も、原則として、「1」「2」・・・「8」の図柄が順番に表示される。なお、左の表示領域に表示される第2演出図柄を「左図柄」といい、中の表示領域に表示される第2演出図柄を「中図柄」といい、右の表示領域に表示される第2演出図柄を「右図柄」ということがある。
演出表示装置9における表示領域は、第1演出図柄を可変表示するための第1演出図柄表示領域(画面中央の領域)9Aや第2演出図柄を可変表示するための第2演出図柄表示領域(画面右下の領域)9Bのほかに、第1始動入賞口13に入った入賞球数のうち未だ可変表示が行われていない入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)の数や第2始動入賞口14に入った入賞球数のうち未だ可変表示が行われていない入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)の数を表示するためのメモリ表示領域(画面下側の領域:図1では図示せず)が設けられている。第1始動入賞口13に入った入賞球数のうち未だ可変表示が行われていない入賞球数すなわち第1の実行条件の成立数を第1保留記憶数または第1始動入賞記憶数ともいう。第1保留記憶数の上限値は4個である。また、第2始動入賞口14に入った入賞球数のうち未だ可変表示が行われていない入賞球数すなわち第2の実行条件の成立数を第2保留記憶数または第2始動入賞記憶数ともいう。第2保留記憶数の上限値は4個である。さらに、第1保留記憶数と第2保留記憶数を足し合わせた保留記憶数を合算保留記憶数という。合算保留記憶数の上限値は8個である。
演出表示装置9のメモリ表示領域には、第1の実行条件が成立する毎、つまり始動入賞口13への有効始動入賞がある毎に、所定形状の図形(例えば、円形)が1つ表示される。そして、第1演出図柄の可変表示が開始される毎に、所定形状の図形が1つ消去される。
この実施の形態では、第1演出図柄の保留記憶数を演出表示装置9のメモリ表示領域において表示するように構成しているが、第1演出図柄の保留記憶数を表示する表示器(保留記憶表示器)を演出表示装置9とは別個にそれぞれ設けてもよい。具体的には、例えば、ランプLED等の発光体、可動物等の動作位置等で保留記憶数を表示するようにしてもよいし、保留記憶数分の図形等を表示するのではなく、数字等で保留記憶数を特定可能に表示するようにしてもよいし、それらの組み合わせであってもよい。
なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入り、賞球の払い出しを行うことである。
遊技領域7の右側下部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8aおよび第2特別図柄表示器8bが縦に並べて設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば「0」〜「9」の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。以下、第1特別図柄表示器8aにおいて可変表示される識別情報を第1特別図柄といい、第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される識別情報を第2特別図柄という。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを、特別図柄と総称することがある。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に、第1演出図柄表示領域9Aにて装飾用(演出用)の図柄としての第1演出図柄の可変表示を行う。また、演出表示装置9は、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、第2演出図柄表示領域9Bにて装飾用の図柄としての第2演出図柄の可変表示を行う。すなわち、第1特別図柄と第1演出図柄の可変表示は同期しており(第1特別図柄の可変表示が開始されたときに第1演出図柄の可変表示が開始され、第1特別図柄の可変表示が停止したときに第1演出図柄の可変表示が停止する)、また、第2特別図柄と第2演出図柄の可変表示は同期している(第2特別図柄の可変表示が開始されたときに第2演出図柄の可変表示が開始され、第2特別図柄の可変表示が停止したときに第2演出図柄の可変表示が停止する)。
また、第1特別図柄表示器8aにおける表示結果(第1特別図柄の停止図柄)と演出表示装置9における第1演出図柄の表示結果(第1演出図柄の停止図柄)とは対応している。また、第2特別図柄表示器8bにおける表示結果(第2特別図柄の停止図柄)と演出表示装置9における第2演出図柄の表示結果(第2演出図柄の停止図柄)とは対応している。なお、両図柄の対応関係については後述する。
この実施の形態では、第1特別図柄(および当該第1特別図柄と同期する第1演出図柄)と第2特別図柄(および当該第2特別図柄と同期する第2演出図柄)とが同時に可変表示(変動)が行われ得る。すなわち、第1特別図柄(第1演出図柄)の可変表示中に第2特別図柄(第2演出図柄)の可変表示が実行され、逆に、第2特別図柄(第2演出図柄)の可変表示中に第1特別図柄(第1演出図柄)の可変表示が実行され得る。
第1演出図柄および第2演出図柄の可変表示を行う演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。一方、特別図柄の可変表示を行う第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、遊技制御基板(主基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。
第1特別図柄表示器8aの近傍(右横)には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数(上限値に達していない保留記憶の数)を表示する4つのLEDからなる第1特別図柄保留記憶表示器18aと、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数(上限値に達していない保留記憶の数)を表示する4つのLEDからなる第2特別図柄保留記憶表示器18bとが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯するLEDの数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDの数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯するLEDの数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDの数を1減らす。
演出表示装置9の下方には、遊技球が入賞可能な第1始動入賞口13が形成されている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。また、第1始動入賞口13の真下には、第2始動入賞口14が形成されている。第2始動入賞口14には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15が閉状態のときは第2始動入賞口14に遊技球が入賞せず、可変入賞球装置15が開状態のときに第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能となる。可変入賞球装置15は、ソレノイド16(図1では図示せず)によって開閉される。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。
以上のように、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14は演出表示装置9の下方に近接して設けられており、遊技者は、第1始動入賞口13を狙うとき(つまり、第1始動入賞口13に向けて遊技球を発射して第1始動入賞口13に入賞させようとするとき)でも第2始動入賞口14に所定の割合で入賞し、逆に、第2始動入賞口14を狙うとき(つまり、第2始動入賞口14に向けて遊技球を発射して第2始動入賞口14に入賞させようとするとき)でも第1始動入賞口13に所定の割合で入賞してしまう。すなわち、いずれか一方の始動入賞口に対してのみ狙って入賞させることは不可能(困難)である(第1始動入賞口13と第2始動入賞口14の打ち分けが不可能(困難)である)。このような第1始動入賞口13と第2始動入賞口14を配置したことにより、発射装置の操作によって、獲得出球の多い大当り(後述する第2始動入賞口14の始動入賞にもとづく大当り:図12参照)を狙い打ちを防止することができる。
第2始動入賞口13の下方には、大当り遊技状態においてソレノイド21(図1では図示せず)によって開状態とされる特別可変入賞球装置(アタッカーともいう)20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板を備え、大入賞口を形成する。大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の上方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。なお当りとなる確率は、低確率状態(通常状態)で2/11であり、後述する確変状態(確率変動状態)および時短状態(時間短縮状態)で10/11であるとする。つまり、可変入賞球装置15は確変状態および時短状態で開状態になり易い。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ30a,33a,39a(図3参照)によって検出される。各入賞口30,33,39は、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、第1始動入賞口13や第2始動入賞口14、大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部などには、前面枠に設けられた天枠ランプ、左枠ランプおよび右枠ランプなどが設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9の第1演出図柄表示領域9Aにおいて第1演出図柄の可変表示が開始される。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1特別図柄保留記憶表示器18aに表示される保留記憶数を1増やす。なお、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなく、保留記憶数が上限値であれば、第1始動入賞口13への入賞は無効入賞となる。
また、遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9の第2演出図柄表示領域9Bにおいて第2演出図柄の可変表示が開始される。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2特別図柄保留記憶表示器18bに表示される保留記憶数を1増やす。なお、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなく、保留記憶数が上限値であれば、第2始動入賞口14への入賞は無効入賞となる。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄および演出表示装置9の第1演出図柄表示領域9Aにおける第1演出図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。第1特別図柄および第1演出図柄の停止時の停止図柄が大当り図柄になると、大当り遊技状態(特定遊技状態)に移行する。すなわち、一定時間(例えば29.5秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置(大入賞口)20が開放される。なお、特別可変入賞球装置20が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。この実施の形態では、第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄になったことにもとづいて大当り遊技状態に移行されたときは、大当り遊技状態が8ラウンド継続される(図12参照)。
第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄および演出表示装置9の第2演出図柄表示領域9Bにおける第2演出図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。第2特別図柄および第2演出図柄の停止時の停止図柄が大当り図柄になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間(例えば29.5秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置20が開放される。なお、特別可変入賞球装置20が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。この実施の形態では、第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄になったことにもとづいて大当り遊技状態に移行されたときは、大当り遊技状態が15ラウンド継続される(図12参照)。
次に、遊技状態の種類および遊技状態の遷移について説明する。
第1特別図柄および第1演出図柄の停止時の停止図柄が大当り図柄のうち確変図柄(確率変動を伴う大当り図柄)になると、大当り遊技状態(特定遊技状態)に移行し、大当り遊技状態の終了後に確変状態(確率変動状態)に移行する。確変状態とは、大当り(つまり図柄が大当り図柄)となる確率が低確率状態(通常状態)よりも高い遊技者にとって有利な遊技状態のことをいう。確変状態は、変動回数(可変表示回数)に制限がなく、次の大当りが発生するまで継続する。なお、確変状態において次の大当りが確変図柄による大当り(確変大当り)であるときは、大当り遊技の終了後に確変状態がさらに継続される。確変図柄で大当りとなることを確変大当りという。
第2特別図柄および第2演出図柄の停止時の停止図柄が大当り図柄のうち確変図柄(確率変動を伴う大当り図柄)になったときも、大当り遊技状態(特定遊技状態)に移行し、大当り遊技状態の終了後に確変状態(確率変動状態)に移行する。この場合も、確変状態は、変動回数(可変表示回数)に制限がなく、次の大当りが発生するまで継続する。なお、確変状態において次の大当りが確変図柄による大当り(確変大当り)であるときは、大当り遊技の終了後に確変状態がさらに継続される。
なお、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて大当り遊技状態終了後に確変状態に制御された場合は、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第1始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第2始動入賞にもとづく大当りの判定においても低確率状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。同様に、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて大当り遊技状態終了後に確変状態に制御された場合は、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第2始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第1始動入賞にもとづく大当りの判定においても低確率状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
第1特別図柄および第1演出図柄の停止時の停止図柄が大当り図柄のうち非確変図柄(確率変動を伴わない大当り図柄)になると、大当り遊技状態(特定遊技状態)に移行し、大当り遊技状態の終了後に所定の変動回数(この実施の形態では100回)だけ時短状態(時間短縮状態)に移行する。時短状態とは、大当り(つまり図柄が大当り図柄)となる確率が低確率状態であるが、第1特別図柄および第1演出図柄の変動時間が通常状態よりも短縮される遊技状態のことをいう。非確変図柄(通常大当り図柄)で大当りとなることを通常大当り(または非確変大当り)という。
第2特別図柄および第2演出図柄の停止時の停止図柄が大当り図柄のうち非確変図柄(確率変動を伴わない大当り図柄)になったときも、大当り遊技状態(特定遊技状態)に移行し、大当り遊技状態の終了後に所定の変動回数(この実施の形態では100回)だけ時短状態(時間短縮状態)に移行する。時短状態とは、大当り(つまり図柄が大当り図柄)となる確率が低確率状態であるが、第2特別図柄および第2演出図柄の変動時間が通常状態よりも短縮される遊技状態のことをいう。
この実施の形態では、確変状態および時短状態のときは、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、第2始動入賞口14へ始動入賞しやすくなる。このような状態を高ベース状態という。高ベース状態では、第2始動入賞口14へ入賞しやすいので、遊技者は持ち球をほとんど減らすことなく、遊技を行うことが可能となる。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した演出図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない演出図柄については可変表示(変動表示)が行われていること(例えば、左・右図柄が同一図柄で停止表示され、中図柄が変動表示されていること)、および全てまたは一部の演出図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。この実施の形態では、リーチが成立した際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と演出表示装置9におけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ画像(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を含む基本回路53で実現されている。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16および特別可変入賞球装置(大入賞口)20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。また、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。なお、主基板31には、試験信号を遊技機外部に出力するための試験信号出力回路(図示せず)も設けられている。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器(第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b)の表示制御を行うとともに、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御も行う。さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄保留記憶表示器18aの表示状態の制御を行うとともに、普通図柄保留記憶表示器41の表示状態の制御も行う。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
図4は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
さらに、演出制御用CPU101は、入出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、入出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ、左枠ランプ、右枠ランプなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入出力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU101とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて演出表示装置9の表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。これによって、演出表示装置9の表示画面に画像が表示される。
次に遊技機の動作について説明する。図5は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。なお、割込みモード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(第1特別図柄プロセスフラグ、第2特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、その内容に従って演出制御基板80に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンド(電力供給復旧時の初期化コマンドとしての復旧コマンド)が送信されるように制御する(ステップS94)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り決定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り決定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すステップS20〜S33の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第1特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄始動記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か判定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:大当りの種別を決定する(大当り種別決定用)
(4)ランダム4: 特別図柄のはずれ図柄を決定する(はずれ図柄決定用)
(5)ランダム5:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)(6)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か判定する(普通図柄当り判定用)
(7)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(8)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
図6に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り種別決定用乱数、(4)のはずれ図柄決定用乱数、(6)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り種別決定用乱数、(5)の普通図柄当り判定用乱数が判定用乱数であり、それら以外の乱数((3)のはずれ図柄決定用乱数、(4)の変動パターン決定用乱数、(6)のランダム1初期値決定用乱数、(7)のランダム5初期値決定用乱数)が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(8)の乱数以外の乱数も用いられている。
さらに、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26A)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器8aや特別可変入賞球装置20を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。次いで、CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26B)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器8bや特別可変入賞球装置20を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
次いで、CPU56は、演出表示装置9の表示制御に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄の演出表示を行うための第1特別図柄表示制御データを第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定するとともに、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第2特別図柄の演出表示を行うための第2特別図柄表示制御データを第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダム1と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、低確率状態(確変状態でない確率状態)において用いられる低確率時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。低確率時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図8(A)に記載されている数値が大当り判定値である。図8(A)に示すように、本実施の形態では、低確率時の大当り判定値は、確変時においても大当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダム1)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または確変大当り)にすることに決定する。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図8(B)は、ROM54に記憶されている第1特図用大当り種別判定テーブルを示す説明図である。第1特図用大当り種別判定テーブルは、第1特別図柄の可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り1」「通常大当り2」「確変大当り1」「確変大当り2」のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
ここで、「通常大当り1」とは、大当り遊技状態(第1特別図柄の場合は出球獲得数は500個程度の実質8ラウンドの大当り遊技状態:図12参照)に制御し、その大当り遊技状態の終了後に100回の変動回数に亘って時短状態に移行させるとともに、第2特別図柄の非リーチはずれの変動時間として第1特別図柄の非リーチはずれの変動時間よりも短い変動時間が所定の割合で選択される第1選択状態に移行させる大当りである。「通常大当り2」とは、大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に100回の変動回数に亘って時短状態に移行させるとともに、第2特別図柄の非リーチはずれの変動時間として第1特別図柄の非リーチはずれの変動時間よりも短い変動時間が第1選択状態よりも高い割合で選択される第2選択状態に移行させる大当りである。「確変大当り1」とは、大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させるとともに、第2特別図柄の非リーチはずれの変動時間として第1特別図柄の非リーチはずれの変動時間よりも短い変動時間が所定の割合で選択される第1選択状態に移行させる大当りである。「確変大当り2」とは、大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させるとともに、第2特別図柄の非リーチはずれの変動時間として第1特別図柄の非リーチはずれの変動時間よりも短い変動時間が第1選択状態よりも高い割合で選択される第2選択状態に移行させる大当りである。
図8(C)は、ROM54に記憶されている第2特図用大当り種別判定テーブルを示す説明図である。第2特図用大当り種別判定テーブルは、第2特別図柄の可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り3」「通常大当り4」「確変大当り3」「確変大当り4」のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
ここで、「通常大当り3」とは、大当り遊技状態(第2特別図柄の場合は出球獲得数は2000個程度の15ラウンドの大当り遊技状態:図12参照)に制御し、その大当り遊技状態の終了後に100回の変動回数に亘って時短状態に移行させるとともに、第2特別図柄の非リーチはずれの変動時間として第1特別図柄の非リーチはずれの変動時間よりも短い変動時間が所定の割合で選択される第1選択状態に移行させる大当りである。「通常大当り4」とは、大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に100回の変動回数に亘って時短状態に移行させるとともに、第2特別図柄の非リーチはずれの変動時間として第1特別図柄の非リーチはずれの変動時間よりも短い変動時間が第1選択状態よりも高い割合で選択される第2選択状態に移行させる大当りである。「確変大当り3」とは、大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させるとともに、第2特別図柄の非リーチはずれの変動時間として第1特別図柄の非リーチはずれの変動時間よりも短い変動時間が所定の割合で選択される第1選択状態に移行させる大当りである。「確変大当り4」とは、大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させるとともに、第2特別図柄の非リーチはずれの変動時間として第1特別図柄の非リーチはずれの変動時間よりも短い変動時間が第1選択状態よりも高い割合で選択される第2選択状態に移行させる大当りである。
第1特図用大当り種別判定テーブルおよび第2特図用大当り種別判定テーブルには、ランダム2の値と比較される数値であって、「確変大当り1」、「確変大当り2」、「確変大当り3」、「確変大当り4」、「通常大当り1」、「通常大当り2」、「通常大当り3」、「通常大当り4」、のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム2の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
なお、上記の図8(B)(C)では、通常大当り1,2、確変大当り1,2に割り振った判定値の数と、通常大当り3,4、確変大当り3,4に割り振った判定値の数とが同じ数としていたので、第1特別図柄と第2特別図柄において同じ種別(種類)の大当り(通常大当り1と通常大当り3、通常大当り2と通常大当り4、確変大当り1と確変大当り3、確変大当り2と確変大当り4)が同じ割合で決定されるように構成していた。しかし、第1特別図柄と第2特別図柄において同じ種別(種類)の大当りが異なる割合で決定されるように構成してもよい。例えば、図8(C)において、通常大当り4や確変大当り4に対する判定値の数を増やすことにより、第2特別図柄においては第2時短状態(第2選択状態)になりやすくなるように構成してもよい。このような構成の場合、出球獲得数の多い大当りが連続して発生(連荘)する割合が高くなり、遊技者は一気に数多くの出球を獲得できる可能性が増え、遊技者の期待を高めることができる。
図9は、第1特図変動パターンテーブル(第1特別図柄の変動パターンテーブル)を示す説明図である。なお、第1特別図柄の変動は第1演出図柄の変動と同期しているので、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)は第1演出図柄の変動パターン(変動時間)も示している。図9において、「番号」は第1特別図柄の変動パターンを識別するために各々に付される番号を示し、「時間」は第1特別図柄の変動時間を示し、「変動パターン」は第1特別図柄の変動中の変動態様を示し、「条件」は「はずれ」のときに選択されるものか「大当り」のときに選択されるものかを示している。
図9(A)に示す通常時(通常状態のとき)のはずれ用第1特図変動パターンテーブルには、リーチを伴わない通常変動の変動パターン(非リーチの通常変動の変動パターン)と、ノーマルリーチ(単純なリーチ態様)を伴う変動パターンと、スーパーリーチAを伴う変動パターンと、スーパーリーチBを伴う変動パターンと、スーパーリーチCを伴う変動パターンとが設定されている。また、図9(B)に示す短縮時のはずれ用第1特図変動パターンテーブルには、リーチを伴わない短縮変動の変動パターン(非リーチの短縮変動の変動パターン)と、ノーマルリーチ(単純なリーチ態様)を伴う変動パターンと、スーパーリーチAを伴う変動パターンと、スーパーリーチBを伴う変動パターンと、スーパーリーチCを伴う変動パターンとが設定されている。また、図9(C)に示す大当り用第1特図変動パターンテーブルには、ノーマルリーチを伴う変動パターンと、スーパーリーチAを伴う変動パターンと、スーパーリーチBを伴う変動パターンと、スーパーリーチCを伴う変動パターンとが設定されている。
ここで、「リーチを伴わない通常変動の変動パターン」は、例えば遊技状態が通常状態であり、かつ第1保留記憶数が0,1,2のときに選択される変動パターンである。「リーチを伴わない短縮変動の変動パターン」は、例えば遊技状態が確変状態・時短状態であるとき、または第1保留記憶数が3,4のときに選択される変動パターンである。「ノーマルリーチ」は、リーチ成立前の通常変動と同様にリーチ成立後も中図柄が高速変動する場合や、リーチ成立後に中図柄の変動速度・変動方向が変化する場合や、リーチ成立後にキャラクタが登場する場合や、リーチ成立後に背景が変化する場合などがある。但し、ノーマルリーチの場合は、演出の態様は比較的単純である。これに対し、「スーパーリーチ」は、ノーマルリーチの演出を複数組み合わせたり、ノーマルリーチから別の演出に発展させたり、ストーリー性のある演出を実行したりする。スーパーリーチの場合は、ノーマルリーチよりも大当りの発生を期待させる演出が行われる。一般に、ノーマルリーチよりもスーパーリーチの方が変動時間は長く設定されている。
図10は、第2特図変動パターン(第2特別図柄の変動パターン)を示す説明図である。なお、第2特別図柄の変動は第2演出図柄の変動と同期しているので、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)は第2演出図柄の変動パターン(変動時間)も示している。図10において、「番号」は第1特別図柄の変動パターンを識別するために各々に付される番号を示し、「時間」は第2特別図柄の変動時間を示し、「変動パターン」は第2特別図柄の変動中の変動態様を示し、「条件」は「はずれ」のときに選択されるものか「大当り」のときに選択されるものかを示している。
図10(A)に示す通常時(通常状態のとき)のはずれ用第2特図変動パターンテーブルには、リーチを伴わない通常変動の変動パターン(非リーチの通常変動の変動パターン)のみ設定されている。また、図10(B)に示す第1時短時(通常大当り1または確変大当り1が終了した後の第2特別図柄の変動時間が短縮されている第1選択状態)のはずれ用第2特図変動パターンテーブルには、リーチを伴わない通常変動の変動パターン(非リーチの通常変動の変動パターン)と、リーチを伴わない高速変動の変動パターン(非リーチの高速変動の変動パターン)とが設定されている。また、図10(C)に示す第2時短時(通常大当り2または確変大当り2が終了した後の第2特別図柄の変動時間が短縮されている第2選択状態)のはずれ用第2特図変動パターンテーブルには、リーチを伴わない通常変動の変動パターン(非リーチの通常変動の変動パターン)と、リーチを伴わない超高速変動の変動パターン(非リーチの超高速変動の変動パターン)とが設定されている。また、図10(D)に示す大当り用第2特図変動パターンテーブルには、ノーマルリーチを伴う変動パターンと、スーパーリーチDを伴う変動パターンとが設定されている。
ここで、図10(B)に示す第1時短時のはずれ用第2特図変動パターンテーブルでは、変動時間が7秒の非リーチの通常変動の変動パターンが10%の割合で選択されるように判定値が割り振られ、変動時間が1秒の非リーチの高速変動の変動パターンが90%の割合で選択されるように判定値が割り振られている。また、図10(C)に示す第2時短時のはずれ用第2特図変動パターンテーブルでは、変動時間が7秒の非リーチの通常変動の変動パターンが5%の割合で選択されるように判定値が割り振られ、変動時間が0.5秒の非リーチの超高速変動の変動パターンが95%の割合で選択されるように判定値が割り振られている。このように、通常大当り1または確変大当り1が終了した後の第1選択状態(第1時短状態)では、第2特別図柄の非リーチはずれの変動パターンの変動時間として第1特別図柄の非リーチはずれの変動時間(図9(A)(B)に示す7秒や3秒)よりも短い変動時間(1秒)が所定の割合(90%)で選択され、通常大当り2または確変大当り2が終了した後の第2選択状態(第2時短状態)では、第2特別図柄の非リーチはずれの変動パターンの変動時間として第1特別図柄の非リーチはずれの変動時間(図9(A)(B)に示す7秒や3秒)よりも短い変動時間(0.5秒)が第1選択状態よりも高い割合(95%)で選択される。
従って、第1選択状態のときは、第2特別図柄の変動パターンとして第1特別図柄の変動パターンの変動時間よりも短い変動時間の変動パターンが選択されやすいことから、第1特別図柄の変動よりも第2特別図柄の変動が早く消化され、有効な第2始動入賞が有効な第1始動入賞よりも生じやすくなる(第2特別図柄の稼働率が第1特別図柄の稼働率よりも高くなる)。例えば、遊技盤6の釘の配置等を調整することによって、発射装置から100発の遊技球を発射したうちに有効な第1始動入賞が6回生じるのに対し、第1選択状態(第1時短状態)のときに有効な第2始動入賞が10回生じるように構成することができる。また、第1選択状態よりも第2選択状態の方が、高い割合で第2特別図柄の変動パターンとして変動時間の短い変動パターンが選択されやすいことから、第1選択状態よりも第2選択状態の方が、第2特別図柄の変動が早く消化され、有効な第2始動入賞が生じやすくなる(第1選択状態よりも第2選択状態の方が稼働率が高くなる)。例えば、遊技盤6の釘の配置等を調整することによって、発射装置から100発の遊技球を発射したうちに第1選択状態(第1時短状態)のときに有効な第2始動入賞が10回生じるのに対し、第2選択状態(第2時短状態)のときに有効な第2始動入賞が20回生じるように構成することができる。
以上のことから、この実施の形態では、通常大当り1または確変大当り1の遊技が終了した後は、第1特別図柄で大当りが発生するよりも第2特別図柄で大当りが発生する割合が高く、また、通常大当り1または確変大当り1の遊技が終了した後(第1選択状態のとき)よりも、通常大当り2または確変大当り2の遊技が終了した後(第2選択状態のとき)の方が、第1特別図柄で大当りが発生するよりも第2特別図柄で大当りが発生する割合がより一層高くなる。
ところで、第1特別図柄で大当りとなったときよりも第2特別図柄で大当りとなったときの方が遊技者に付与される遊技価値が高くなるように構成している(遊技者が獲得可能な出球数が多くなるように構成している:図12参照)ので、遊技者は第1特別図柄で大当りが発生することよりも第2特別図柄で大当りが発生することを期待する。そして、上述したように、第1選択状態のときは第1特別図柄よりも第2特別図柄で大当りが発生しやすく、また、第1選択状態よりも第2選択状態のときの方が、第1特別図柄よりも第2特別図柄で大当りが発生しやすく、さらに、通常大当りよりも確変大当りの方が大当りが発生しやすいので、遊技者は、確変大当りの発生を期待するが、確変大当りのなかでも確変大当り2の発生を最も期待し、確変大当りでない場合は通常大当り2を期待する。このように、この実施の形態における遊技機では、確変大当りを発生させて大当りの連荘を楽しませるとともに、出球獲得数2000個の大当り(第2特別図柄の大当り)をいかに連荘させるかについても楽しませるように構成したものである。
なお、図10(B)に示す第1時短時のはずれ用第2特図変動パターンテーブルでは、変動時間が7秒の通常変動の変動パターンが10%の割合で選択されるように判定値が割り振られ、変動時間が1秒の高速変動の変動パターンが90%の割合で選択されるように判定値が割り振られ、また、図10(C)に示す第2時短時のはずれ用第2特図変動パターンテーブルでは、変動時間が7秒の通常変動の変動パターンが5%の割合で選択されるように判定値が割り振られ、変動時間が0.5秒の超高速変動の変動パターンが95%の割合で選択されるように判定値が割り振られていたが、そのような構成に限られず、第1選択状態(第1時短状態)では第2特別図柄の変動パターンの変動時間として第1特別図柄の変動時間(図9(A)(B)に示す7秒や3秒)よりも短い変動時間が所定の割合で選択され、第2選択状態(第2時短状態)では第2特別図柄の変動パターンの変動時間として第1特別図柄の変動時間(図9(A)(B)に示す7秒や3秒)よりも短い変動時間が第1選択状態よりも高い割合で選択されるように構成されていればよい。
例えば、図10(B)に示す第1時短時のはずれ用第2特図変動パターンテーブルでは、変動時間が7秒の通常変動の変動パターンが15%の割合で選択されるように判定値が割り振られ、変動時間が1秒の高速変動の変動パターンが80%の割合で選択されるように判定値が割り振られ、変動時間が0.5秒の超高速変動の変動パターンが5%の割合で選択されるように判定値が割り振られ、また、図10(C)に示す第2時短時のはずれ用第2特図変動パターンテーブルでは、変動時間が7秒の通常変動の変動パターンが10%の割合で選択されるように判定値が割り振られ、変動時間が1秒の高速変動の変動パターンが10%の割合で選択されるように判定値が割り振られ、変動時間が0.5秒の超高速変動の変動パターンが80%の割合で選択されるように判定値が割り振られていてもよい。
また、第1選択状態(第1時短状態)では第2特別図柄の変動パターンの変動時間として第1特別図柄の変動時間(図9(A)(B)に示す7秒や3秒)よりも短い変動時間が所定の割合で選択され、第2選択状態(第2時短状態)では第2特別図柄の変動パターンの変動時間として第1選択状態のときの第2特別図柄の変動時間(1秒)よりも短い変動時間が第1選択状態と同じ割合で選択されるように構成されていてもよい。例えば、図10(B)に示す第1時短時のはずれ用第2特図変動パターンテーブルでは、変動時間が7秒の通常変動の変動パターンが10%の割合で選択されるように判定値が割り振られ、変動時間が1秒の高速変動の変動パターンが90%の割合で選択されるように判定値が割り振られ、また、図10(C)に示す第2時短時のはずれ用第2特図変動パターンテーブルでは、変動時間が7秒の通常変動の変動パターンが10%の割合で選択されるように判定値が割り振られ、変動時間が0.5秒の超高速変動の変動パターンが90%の割合で選択されるように判定値が割り振られていてもよい。
また、図10(A)に示す通常時のはずれ用第2特図変動パターンテーブルでは、リーチを伴わない通常変動の変動パターン(非リーチの通常変動の変動パターン)のみ設定されていたが、図9(A)(B)に示すテーブルのように、ノーマルリーチの変動パターンやスーパーリーチの変動パターンが設定されていてもよい。
また、図10(B)に示す第1時短時のはずれ用第2特図変動パターンテーブルには、リーチを伴わない通常変動の変動パターン(非リーチの通常変動の変動パターン)と、リーチを伴わない高速変動の変動パターン(非リーチの高速変動の変動パターン)とが設定されていたが、非リーチの高速変動の変動パターン(変動時間1秒)のみ設定されていてもよい。また、図10(C)に示す第2時短時のはずれ用第2特図変動パターンテーブルには、リーチを伴わない通常変動の変動パターン(非リーチの通常変動の変動パターン)と、リーチを伴わない超高速変動の変動パターン(非リーチの超高速変動の変動パターン)とが設定されていたが、非リーチの超高速変動の変動パターンのみ設定されていてもよい。
図11は、特別図柄の停止図柄と、その後に制御される遊技状態との関係の一例を示す説明図である。
(1)第1特別図柄の停止図柄:
図11に示すように、第1特別図柄表示器8aにて可変表示される第1特別図柄は「0」〜「9」である。このうち、「0」〜[4],[9]がはずれ図柄であり、「5」が通常大当り1図柄(非確変図柄のうち通常大当り1を発生させる図柄)であり、「6」が通常大当り2図柄(非確変図柄のうち通常大当り2を発生させる図柄)であり、「7」が確変大当り1図柄(確変図柄のうち確変大当り1を発生させる図柄)であり、「8」が確変大当り2図柄(確変図柄のうち確変大当り2を発生させる図柄)である。
確変図柄「7」,「8」が停止表示されると、実質8ラウンドの大当り遊技状態に移行され、大当り遊技が終了すると、遊技状態が確変状態に制御される。また、非確変図柄「5」,「6」が停止表示されると、実質8ラウンドの大当り遊技状態に移行され、大当り遊技が終了すると、遊技状態が時短状態に制御される。
(2)第2特別図柄の停止図柄:
図11に示すように、第2特別図柄表示器8bにて可変表示される第2特別図柄は「0」〜「9」である。このうち、「0」〜「4」,「9」がはずれ図柄であり、「5」が通常大当り3図柄(非確変図柄のうち通常大当り3を発生させる図柄)であり、「6」が通常大当り4図柄(非確変図柄のうち通常大当り4を発生させる図柄)であり、「7」が確変大当り3図柄(確変図柄のうち確変大当り3を発生させる図柄)であり、「8」が確変大当り4図柄(確変図柄のうち確変大当り4を発生させる図柄)である。
確変図柄「7」,「8」が停止表示されると、15ラウンドの大当り遊技状態に移行され、大当り遊技が終了すると、遊技状態が確変状態に制御される。また、非確変図柄「5」,「6」が停止表示されると、15ラウンドの大当り遊技状態に移行され、大当り遊技が終了すると、遊技状態が時短状態に制御される。
(3)演出図柄の停止図柄:
演出表示装置9の第1演出図柄表示領域9Aにて可変表示される左中右の第1演出図柄および演出表示装置9の第2演出図柄表示領域9Bにて可変表示される左中右の第2演出図柄は、それぞれ、「1」「2」「3」「4」「5」「6」「7」「8」の図柄である。
(3−1)第1演出図柄のはずれ図柄は、左中右の演出図柄の組み合わせが同一図柄で揃っていない状態の図柄(例えば、「358」など。)である。なお、左右の演出図柄が同一図柄で揃っているが(リーチとなっているが)、中の演出図柄だけ揃っていない状態もはずれ図柄である。
(3−2)第1演出図柄の大当り図柄は、左中右の演出図柄の組み合わせが同一図柄で揃った状態の図柄である。大当り図柄のうち、左中右の演出図柄の組み合わせが奇数の図柄(「1」「3」「5」「7」)で揃った状態の図柄が確変図柄である。また、大当り図柄のうち、左中右の演出図柄の組み合わせが偶数の図柄(「2」「4」「6」「8」)で揃った状態の図柄が非確変図柄である。なお、通常大当り1を発生させる非確変図柄と通常大当り2を発生させる非確変図柄とを異なる図柄の組み合わせとしてもよい。また、確変大当り1を発生させる確変図柄と確変大当り2を発生させる確変図柄とを異なる図柄の組み合わせとしてもよい。
(3−3)第2演出図柄のはずれ図柄は、左中右の演出図柄の組み合わせが同一図柄で揃っていない状態の図柄(例えば、「358」など。)である。なお、左右の演出図柄が同一図柄で揃っているが(リーチとなっているが)、中の演出図柄だけ揃っていない状態もはずれ図柄である。
(3−4)第2演出図柄の大当り図柄は、左中右の演出図柄の組み合わせが同一図柄で揃った状態の図柄である。大当り図柄のうち、左中右の演出図柄の組み合わせが奇数の図柄(「1」「3」「5」「7」)で揃った状態の図柄が確変図柄である。また、大当り図柄のうち、左中右の演出図柄の組み合わせが偶数の図柄(「2」「4」「6」「8」)で揃った状態の図柄が非確変図柄である。なお、通常大当り1を発生させる非確変図柄と通常大当り2を発生させる非確変図柄とを異なる図柄の組み合わせとしてもよい。また、確変大当り1を発生させる確変図柄と確変大当り2を発生させる確変図柄とを異なる図柄の組み合わせとしてもよい。
次に、第1特別図柄の大当りと第2特別図柄の大当りにおける大入賞口の開放パターンを説明する。図12は、大入賞口の開放パターンを示す説明図である。この実施の形態では、大当り遊技状態に制御される場合、大当り種別や第1特別図柄の大当りか第2特別図柄の大当りかにかかわらず、大当り遊技中の内部制御上のラウンド数は15ラウンド一定である。しかし、この実施の形態では、15ラウンド大当りであるか、8ラウンド大当り(大当り中に15ラウンド(15回)の開放制御を実行するが遊技球が入賞可能なラウンドは実質8ラウンドである大当り)であるかによって、各ラウンドの大入賞口の開放時間や開放回数が異なっており、ラウンドによっては大入賞口が極めて短い時間(本例では1秒間)しか開放されない制御(以下、高速開放制御ともいう)が行われることによって、見た目上のラウンド数が大当りによって異なって見える。
まず、図12(1)を用いて、8ラウンド大当りにおける大入賞口の開放パターンを説明する。この実施の形態では、8ラウンド大当りにもとづく大当り遊技状態に制御される場合、1ラウンドあたり大入賞口を30秒間開放状態に制御した後、大入賞口を1秒間閉鎖状態に制御する動作が8回(8ラウンド)連続して繰り返される(ただし、大入賞口が閉鎖状態とされる1秒間はインターバル期間である)。その後、1ラウンドあたり大入賞口を1秒間開放状態に制御した後、大入賞口を1秒間閉鎖状態に制御する動作が7回(7ラウンド)連続して繰り返される(ただし、大入賞口が閉鎖状態とされる1秒間はインターバル期間である)。このように、長い開放時間のラウンドが8回繰り返し、その後、短い開放時間のラウンドを7回繰り返すことによって、見た目上のラウンド数は8ラウンドとなる。
次に、図12(2)を用いて、15ラウンド大当りにおける大入賞口の開放パターンを説明する。この実施の形態では、15ラウンド大当りにもとづく大当り遊技状態に制御される場合、1ラウンドあたり大入賞口を30秒間開放状態に制御した後、大入賞口が1秒間閉鎖状態に制御される(ただし、大入賞口が閉鎖状態とされる1秒間はインターバル期間である)。そして、そのような開放態様のラウンドが15回繰り返されることによって、図12(2)に示すように、大入賞口を30秒間開放状態に制御した後に1秒間閉鎖状態に制御するという動作が15回連続して繰り返される。そのため、この実施の形態では、15ラウンド大当りとなった場合には、大入賞口の開放時間が30秒と長く遊技球の入賞が十分に期待できる開放動作が15回連続して実行され、見た目上のラウンド数は内部制御上のラウンド数15回と一致している。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の停止図柄として大当り図柄が停止表示されたことにもとづいて大当り遊技状態に制御された場合は、大当り種別を問わず8ラウンド大当りであり、第2特別図柄の停止図柄として大当り図柄が停止表示されたことにもとづいて大当り遊技状態に制御された場合は、大当り種別を問わず15ラウンド大当りである。
また、8R大当りや15R大当りとなった場合には、大当り遊技中の各ラウンドにおいて、例えば、ラウンド数表示を行ったり、ラウンドごとに大入賞口への遊技球の入賞数を表示したりするなどの通常用のラウンド中演出が実行される。
図13および図14は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の例を示す説明図である。図13および図14に示す例において、コマンド80XX(H)は、第1特別図柄の変動パターン(第1演出図柄の変動パターン:図9参照)を指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。「XX」には、図9に示した変動番号「1」〜「11」が対応する。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9の第1演出図柄表示領域9Aにおいて第1演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド81XX(H)は、第2特別図柄の変動パターン(第2演出図柄の変動パターン:図10参照)を指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。「XX」には、図10に示した変動番号「1」〜「4」が対応する。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド81XX(H)を受信すると、演出表示装置9の第2演出図柄表示領域9Bにおいて第2演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8B01(H)〜8B05(H)は、演出表示装置9における第1演出図柄の停止図柄(表示結果)の内容を指定する演出制御コマンドである。なお、この実施の形態では、コマンド8B01(H)〜8B05(H)を図柄情報指定コマンド(第1表示結果指定コマンド)という。コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、演出表示装置9における第2演出図柄の停止図柄(表示結果)の内容を指定する演出制御コマンドである。なお、この実施の形態では、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を図柄情報指定コマンド(第2表示結果指定コマンド)という。
コマンド8B01(H)は、第1特別図柄についてはずれに決定されたことを指定する演出制御コマンド(第1特別図柄はずれ指定コマンド)である。コマンド8B02(H)は、第1特別図柄について通常大当り1に決定されたことを指定する演出制御コマンド(第1特別図柄通常大当り1指定コマンド)である。コマンド8B03(H)は、第1特別図柄について通常大当り2に決定されたことを指定する演出制御コマンド(第1特別図柄通常大当り2指定コマンド)である。コマンド8B04(H)は、第1特別図柄について確変大当り1に決定されたことを指定する演出制御コマンド(第1特別図柄確変大当り1指定コマンド)である。コマンド8B05(H)は、第1特別図柄について確変大当り2に決定されたことを指定する演出制御コマンド(第1特別図柄確変大当り2指定コマンド)である。
コマンド8C01(H)は、第2特別図柄についてはずれに決定されたことを指定する演出制御コマンド(第2特別図柄はずれ指定コマンド)である。コマンド8C02(H)は、第2特別図柄について通常大当り3に決定されたことを指定する演出制御コマンド(第2特別図柄通常大当り3指定コマンド)である。コマンド8C03(H)は、第2特別図柄について通常大当り4に決定されたことを指定する演出制御コマンド(第2特別図柄通常大当り4指定コマンド)である。コマンド8C04(H)は、第2特別図柄について確変大当り3に決定されたことを指定する演出制御コマンド(第2特別図柄確変大当り3指定コマンド)である。コマンド8C05(H)は、第2特別図柄について確変大当り4に決定されたことを指定する演出制御コマンド(第2特別図柄確変大当り4指定コマンド)である。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を停止表示することを示す演出制御コマンド(第1図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1図柄確定指定コマンドを受信すると、第1演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を停止表示する。また、コマンド8F02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を停止表示することを示す演出制御コマンド(第2図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2図柄確定指定コマンドを受信すると、第2演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を停止表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。
コマンドA001(H),A002(H)は、大当り遊技が開始されることを指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド)である。コマンドA001(H)は、演出表示装置9に通常大当り図柄が停止表示されたことにもとづいて15ラウンドの通常大当りが決定されたときの大当りの開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始1指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、演出表示装置9に確変大当り図柄が停止表示されたことにもとづいて15ラウンドの確変大当りが決定されたときの大当りの開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始2指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り開始指定コマンドを受信したことにもとづいて、大当り種別に応じたファンファーレ画面を演出表示装置9の表示画面に表示する。
コマンドA1XX(H)は、15ラウンド大当り遊技におけるラウンド中の表示(開放中画面)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。XXにはラウンド数に対応した値が設定される。コマンドA2XX(H)は、15ラウンド大当り遊技におけるラウンド後の表示(開放後画面)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。XXにはラウンド数に対応した値が設定される。
コマンドA301(H),A302(H)は、大当り遊技が終了することを指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンドあるいはエンディング指定コマンド)である。コマンドA301(H)は、15ラウンドの通常大当りが決定されたときの大当りの終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、15ラウンドの確変大当り遊技の終了(大当り遊技の終了後に確変状態に移行する旨を表示すること)を指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り終了指定コマンドを受信したことにもとづいて、大当り種別に応じたエンディング画面(大当り終了画面)を演出表示装置9の表示画面に表示する。
コマンドB000(H)は、確率状態が非確変状態(低確率状態)であることを指定する演出制御コマンド(低確率状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、確率状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(高確率状態指定コマンド)である。
コマンドB100(H)は、演出表示装置9の第1演出図柄表示領域9Aにおける第1演出図柄の可変表示の中断を指定する演出制御コマンド(第1中断指定コマンド)である。コマンドB101(H)は、演出表示装置9の第1演出図柄表示領域9Aにおける第1演出図柄の可変表示の再開を指定する演出制御コマンド(第1再開指定コマンド)である。
コマンドB200(H)は、演出表示装置9の第2演出図柄表示領域9Bにおける第2演出図柄の可変表示の中断を指定する演出制御コマンド(第2中断指定コマンド)である。コマンドB201(H)は、演出表示装置9の第2演出図柄表示領域9Bにおける第2演出図柄の可変表示の再開を指定する演出制御コマンド(第2再開指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドE1XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(保留記憶数指定コマンド)である。コマンドE1XX(H)における「XX」が、保留記憶数を示す。
図15は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS26A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aおよび特別可変入賞球装置20を制御するための処理が実行される。
なお、上述したように、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行される。
CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311のY)、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313)。第1始動口スイッチ通過処理の内容は後述する。
次に、CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値が、第2大当り図柄停止処理〜第2大当り終了処理のいずれかに応じた値(具体的には、第1特別図柄プロセス処理におけるステップS300〜S309に相当する第2特別図柄プロセス処理における各処理に応じた第2特別図柄プロセスフラグの値が「0」〜「9」であるとすると、第2大入賞口開放前処理〜第2大当り終了処理のいずれかに応じた値は「6」〜「9」)であるかどうかを確認する(ステップS314)。第2特別図柄プロセスフラグの値が、第2大入賞口開放前処理〜第2大当り終了処理のいずれかに応じた値である場合には(ステップS314のY)、ステップS315,S316の処理を実行した後、第1特別図柄プロセス処理を終了する。そうでない場合には(ステップS314のN)、ステップS317,S318の処理を実行した後、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS300〜S309のうちのいずれかの処理を行う。なお、この実施の形態では、第2大入賞口開放前処理〜第2大当り終了処理であるか否かは、第2特別図柄プロセスフラグの値によって判定できる。第2大入賞口開放前処理〜第2大当り終了処理に応じた値は連続する値(例えば、6〜9)である。よって、CPU56のステップS314の判定処理を簡易な処理にすることができる。
ステップS315では、CPU56は、第1演出図柄および第1特別図柄の変動中であって、かつ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第1中断指定コマンドが未送信であるか否か確認する(ステップS315)。なお、第1演出図柄および第1特別図柄の変動中であるか否かは、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS303の処理に応じた値であるか否かによって判定できる。変動中でない場合、または第1中断指定コマンドを送信済みの場合(例えば、第1中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされていた場合)には処理を終了する。未だ第1中断指定コマンドを送信していない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第1中断指定コマンドを送信した後に処理を終了する(ステップS316)。
また、ステップS317では、CPU56は、第1中断指定コマンドを送信済みであるか否か確認する(ステップS317)。第1中断指定コマンドを送信済みである場合(例えば、第1中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされているとき)には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第1再開指定コマンドを送信する(ステップS318)。そして、CPU56は、ステップS300〜S312のうちのいずれかの処理を行う。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1中断指定コマンドを受信すると、第1演出図柄の変動(可変表示)を中断する。また、第1再開指定コマンドを受信すると、第1演出図柄の変動を再開する。
ステップS300〜S312の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(ステップS300):CPU56は、第1特別図柄の可変表示が開始できる状態(第1特別図柄が可変表示中でなく、大当り中でもない状態)になると、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は第1保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。そして、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。
第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):CPU56は、大当りとするか否か(第1特別図柄の停止図柄を大当り図柄とするか否か)を決定する。大当りとする場合には、第1大当りフラグをセットし、大当りの種別(非確変大当り(通常大当り1,2)および確変大当り)を決定する。大当りとしない場合には、特別図柄のはずれ図柄を決定する。また、大当りとするか否かや大当り種別に応じたフラグをセットする。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値(この例では2)に更新する。
第1変動パターン設定処理(ステップS302):第1特別図柄の可変表示の変動パターン(図柄変動中の演出態様:なお、変動パターンによって変動時間も特定される。)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。そして、選択された変動パターンおよび変動時間の種類にもとづいて、第1特別図柄の可変表示が開始されてから停止表示されるまでの変動時間を第1変動時間タイマにセットした後、第1変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303(この例では3)に応じた値に更新する。
第1表示結果特定コマンド送信処理(ステップS303):演出制御用マイクロコンピュータ100に、大当りとするか否か、大当りとする場合には大当りの種別に応じた表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では4)に更新する。
第1特別図柄変動中処理(ステップS304):第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS302でセットされる第1変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、第1図柄確定指定コマンドを送信し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305(この例では5)に対応した値に更新する。
第1特別図柄停止処理(ステップS305):第1特別図柄表示器8aにおける可変表示を停止して停止図柄を停止表示させる。また、時短回数カウンタの値を減算する処理を行い、時短回数カウンタの値が0になっときに時短状態を終了させるために時短フラグ(時短状態に制御されていることを示すフラグ)をリセットする。そして、第1大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。第1大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、CPU56が送信する第1図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第1演出図柄が停止されるように制御する。
第1大入賞口開放前処理(ステップS306):第1大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し(大入賞口の開放時間は、29.5秒)、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第1大入賞口開放中処理(ステップS307):大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置20を閉状態にして大入賞口を閉鎖する。また、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル時間)を大入賞口制御タイマに設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS308(この例では8)に応じた値に更新する。
大入賞口開放後処理(ステップS308):インターバル時間が経過したときに、残りラウンドがあるかどうかを確認する。残りラウンドがある場合には、大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置20を開状態にして大入賞口を開放する。また、カウンタによってラウンド数をカウントする。また、大入賞口制御タイマに大入賞口開放中処理の実行時間(ラウンド時間)を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に応じた値に更新する。一方、全てのラウンドを終えた場合には、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する演出(エンディング演出)を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド)を演出制御基板80に送信し、大入賞口制御タイマに大当り終了処理の実行時間(大当り終了時間)を設定した後、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に応じた値(この例では9)に更新する。
大当り終了処理(ステップS309):大当り遊技状態を終了させるための所定のフラグのセット・リセットの処理等を行う。また、変動回数カウンタに大当り種別に応じた値をセットする処理を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値に更新する。
図16は、ステップS313の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(ステップS321)。第1保留記憶数が4になっている場合は(ステップS321のY)、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が4になっていない場合には(ステップS321のN)、CPU56は、第1保留記憶数を示す第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS322)。また、CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として第1保留記憶数カウンタの値に対応する第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS323)。第1保留記憶バッファにおいて、保存領域は、第1保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。なお、ステップS323では、ランダム1〜4(図7参照)の値が抽出され、保存領域に保存される。さらに、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS324)。そして、処理を終了する。
図17は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理が実行される状態は、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合である。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ、第1大当り遊技(第1特別図柄が大当り図柄になったことにもとづく大当り遊技)中でもない場合である。
第1特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶数が0であるかどうかを確認する(ステップS51)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0であるかどうかを確認する。
第1保留記憶数が0でなければ、RAM55の第1保留記憶バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数格納バッファに格納するとともに(ステップS52)、各保存領域の内容をシフトする(ステップS53)。すなわち、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
その後、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)に応じた値に更新する(ステップS54)。
図18は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。第1特別図柄停止図柄設定処理において、CPU56は、ステップS323の処理で保存領域に格納された大当り判定用乱数を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図8(A)参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS63)、ステップS64に移行する。具体的には、低確率状態(確変フラグがセットされていない状態)では、大当り判定用乱数値と図8における左欄に記載されている数値とを比較し、確変状態(確変フラグがセットされている状態)では、大当り判定用乱数値と図8(A)における右欄に記載されている数値とを比較する。また、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aおよび演出表示装置9において停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当り判定モジュールで大当りとすることに決定した場合には(ステップS63のY)、第1大当りフラグをセットする(ステップS64)。そして、CPU56は、ステップS323の処理で保存領域に格納された大当り種別決定用乱数を読み出し(ステップS65)、大当りの種別(通常大当り、確変大当り)を決定する処理を実行する(ステップS66)。
大当り種別の決定処理は、第1特図用大当り種別決定テーブル(図8(B))を用いて行う。大当り種別決定テーブルには、大当りの種別ごとに所定数の大当り種別決定用乱数値が予め振り分けられている。CPU56は、ステップS65で読み出した大当り種別決定用乱数値がどの範囲に属するかによって、大当り種別、すなわち、通常大当り1,2または確変大当り1,2のいずれかを決定する。
図12には示したように、第1特別図柄の大当り図柄は大当り種別に応じて各々一種類しか設けられていないので、大当りの種別が決定されることによって、大当り図柄も自動的に決定される。
次いで、CPU56は、ステップS66にて決定した大当り種別に応じた演出図柄情報を第1演出図柄情報バッファにストア(格納)し(ステップS67)、ステップS66の処理で決定した大当り種別に応じたフラグ(確変大当り1であれば第1確変大当り1フラグ、確変大当り2であれば第1確変大当り2フラグ、通常大当り1であれば第1通常大当り1フラグ、通常大当り2であれば第1通常大当り2フラグ)をセットし(ステップS68)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理(ステップS302)に対応した値に更新し(ステップS79)、第1特別図柄停止図柄設定処理を終了する。
ステップS63において、大当りとしないことに決定した場合は(ステップS63のN)、CPU56は、ステップS323の処理で保存領域に格納されたはずれ図柄決定用乱数(表示用乱数の一つ)を読み出す(ステップS76)。そして、CPU56は、読み出したはずれ図柄決定用乱数の値にもとづいて、第1特別図柄のはずれ図柄を決定する処理を実行する(ステップS77)。これにより、第1特別図柄のはずれ図柄のいずれかの図柄が決定される。
次いで、CPU56は、はずれに応じた演出図柄情報を第1演出図柄情報バッファにストアする(ステップS78)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS79)。
図19は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、第1大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS201)。
第1大当りフラグがセットされているときは(ステップS201のY)、CPU56は、図9(C)に示した大当り用変動パターンテーブルを用いることに決定する(ステップS202)。第1大当りフラグがセットされていないときは(ステップS201のN)、CPU56は、第1保留記憶数が所定数(具体的には3)以上であるか否かを確認する(ステップS203)。第1保留記憶数が所定数以上であるときは(ステップS203のY)、CPU56は、図9(A)に示した通常時のはずれ用第1特図変動パターンテーブルを用いることに決定する(ステップS204)。第1保留記憶数が所定数以上でないときは(ステップS203のN)、CPU56は、図9(B)に示した短縮時のはずれ用変動パターンテーブルを用いることに決定する(ステップS205)。
次に、CPU56は、ステップS323で保存領域に格納した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、ステップS202,S204,S205の処理で決定されたテーブルを用いて図柄の変動パターンを決定する(ステップS206)。具体的には、変動パターン決定用乱数値と一致する判定値に対応した変動パターンのEXTデータが次に可変表示される図柄の変動パターンのEXTデータと決定される。
次に、CPU56は、ステップS206において決定した変動パターンのEXTデータに応じた変動パターンコマンドを送信する処理を実行する(ステップS208)。そして、CPU56は、変動パターンコマンドで特定される第1特別図柄の変動時間を第1変動時間タイマにセットする(ステップS209)。次に、CPU56は、第1図柄変動指定コマンドを送信する処理を実行する(ステップS210)。そして、CPU56は、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動を開始し(ステップS211)、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し:ステップS212)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1表示結果特定コマンド送信処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS213)。
図20は、第1表示結果特定コマンド送信処理(ステップS303)を示すフローチャートである。第1表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、はずれに応じて、第1表示結果1指定〜第1表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図13参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、第1大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされている場合は、大当り種別に応じた第1表示結果2〜5指定コマンドを送信する(ステップS111)。第1大当りフラグがセットされていない場合は、第1表示結果1指定コマンドを送信する(ステップS112)。
その後、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動中処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS113)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドにもとづいて、大当りとするか否かについては特定可能である。
図21は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(ステップS304)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、第1図柄確定指定コマンドを送信するとともに(ステップS127)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図22は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止処理(ステップS305)を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、CPU56は、第1特別図柄の停止図柄を導出表示する(ステップS130)。
次に、CPU56は、第1大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS135)。第1大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグおよび時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(ステップS136)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンド(大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンド)を送信する制御を行う(ステップS137)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS138)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、通常大当りまたは確変大当りの場合には15回。)をセットする(ステップS139)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(ステップS306)に対応した値に更新する(ステップS140)。
また、ステップS135で第1大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS141)。時短フラグがセットされている場合には(すなわち、時短状態に制御されている場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS142)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS143)、時短フラグをリセットする(ステップS144)。そして、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS150)。
図23は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(ステップS309)を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、第1大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、通常大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、大当りの種別が確変大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。確変大当りでなければ(すなわち、通常大当りであれば)、CPU56は、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(100回)をセットする(ステップS168)。そして、CPU56は、大当り種別が通常大当り1の場合は、大当り遊技の終了後に第1時短状態(第1選択状態)に制御されることを示す第1時短フラグをセットし(ステップS170)、大当り種別が通常大当り2の場合は、大当り遊技の終了後に第2時短状態(第2選択状態)に制御されることを示す第2時短フラグをセットする(ステップS171)。そして、ステップS172に移行する。なお、第2大当り終了処理(ステップS339)では、大当り種別が通常大当り3の場合は、大当り遊技の終了後に第1時短状態(第1選択状態)に制御されることを示す第1時短フラグをセットし、大当り種別が通常大当り4の場合は、大当り遊技の終了後に第2時短状態(第2選択状態)に制御されることを示す第2時短フラグをセットすることになる。
確変大当りであれば(ステップS166のY)、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS169)。そして、CPU56は、大当り種別が確変大当り1の場合は、大当り遊技の終了後に第1時短状態(第1選択状態)に制御されることを示す第1時短フラグをセットし(ステップS170)、大当り種別が確変大当り2の場合は、大当り遊技の終了後に第2時短状態(第2選択状態)に制御されることを示す第2時短フラグをセットする(ステップS171)。そして、ステップS172に移行する。なお、第2大当り終了処理(ステップS339)では、大当り種別が確変大当り3の場合は、大当り遊技の終了後に第1時短状態(第1選択状態)に制御されることを示す第1時短フラグをセットし、大当り種別が確変大当り4の場合は、大当り遊技の終了後に第2時短状態(第2選択状態)に制御されることを示す第2時短フラグをセットすることになる。
そして、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS172)。
図24は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第2特別図柄プロセス処理(ステップS26B)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第2特別図柄プロセス処理では第2特別図柄表示器8bおよび特別可変入賞球装置20を制御するための処理が実行される。
CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が第2始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS341のY)、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS343)。第2始動口スイッチ通過処理の内容は図16に示した第1始動口スイッチ通過処理において「第1」を「第2」と置き換えただけであるため、説明を省略する。
次に、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値が、第1大当り図柄停止処理〜第1大当り終了処理のいずれかに応じた値(具体的には、第1大入賞口開放前処理〜第1大当り終了処理のいずれかに応じた値は「6」〜「9」)であるかどうかを確認する(ステップS344)。第1特別図柄プロセスフラグの値が、第1大入賞口開放前処理〜第1大当り終了処理のいずれかに応じた値である場合には(ステップS344のY)、ステップS345,S346の処理を実行した後、第2特別図柄プロセス処理を終了する。そうでない場合には(ステップS344のN)、ステップS347,S348の処理を実行した後、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS330〜S339のうちのいずれかの処理を行う。なお、この実施の形態では、第1大入賞口開放前処理〜第1大当り終了処理であるか否かは、第1特別図柄プロセスフラグの値によって判定できる。第1大入賞口開放前処理〜第1大当り終了処理に応じた値は連続する値(例えば、6〜9)である。よって、CPU56のステップS344の判定処理を簡易な処理にすることができる。
ステップS345では、CPU56は、第2演出図柄および第2特別図柄の変動中であって、かつ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第2中断指定コマンドが未送信であるか否か確認する(ステップS345)。なお、第2演出図柄および第2特別図柄の変動中であるか否かは、第2特別図柄プロセスフラグの値がステップS333の処理に応じた値であるか否かによって判定できる。変動中でない場合、または第2中断指定コマンドを送信済みの場合(例えば、第2中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされていた場合)には処理を終了する。未だ第2中断指定コマンドを送信していない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第2中断指定コマンドを送信した後に処理を終了する(ステップS346)。
また、ステップS324では、CPU56は、第2中断指定コマンドを送信済みであるか否か確認する(ステップS347)。第2中断指定コマンドを送信済みである場合(例えば、第2中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされているとき)には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第2再開指定コマンドを送信する(ステップS348)。そして、CPU56は、ステップS330〜S339のうちのいずれかの処理を行う。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2中断指定コマンドを受信すると、第2演出図柄の変動(可変表示)を中断する。また、第2再開指定コマンドを受信すると、第2演出図柄の変動を再開する。
なお、第2特別図柄通常処理(ステップS330)〜第2大当り終了処理(ステップS339)の処理の内容については第1特別図柄プロセス処理で説明した内容と略同じであるため、説明を省略する。
次に、第2特別図柄プロセス処理において、第1特別図柄プロセス処理と異なる処理について説明する。
図25は、第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄通常処理(ステップS330)を示すフローチャートである。なお、第2特別図柄通常処理は、図17に示した第1特別図柄通常処理において「第1」を「第2」に置き換えることによって実現可能であるため、説明を省略する。
図26は、第2特別図柄プロセス処理における第2変動パターン設定処理(ステップS332)を示すフローチャートである。第2変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、第2大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。
第2大当りフラグがセットされているときは(ステップS221のY)、CPU56は、図10(D)に示す大当り用第2特図変動パターンテーブルを用いることに決定する(ステップS222)。第2大当りフラグがセットされていないときは(ステップS221のN)、CPU56は、第1時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS223A)。第1時短フラグがセットされているときは(ステップS223AのY)、CPU56は、図10(B)に示す第1時短時のはずれ用第2特図変動パターンテーブルを用いることに決定する(ステップS223B)。第1時短フラグがセットされていないときは(ステップS223AのY)、CPU56は、第2時短フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS224A)、第2時短フラグがセットされているときは(ステップS224AのY)、図10(C)に示す第2時短時のはずれ用第2特図変動パターンテーブルを用いることに決定する(ステップS224B)。第2時短フラグがセットされていないときは(ステップS224AのN)、図10(A)に示す通常時のはずれ用第2特図変動パターンテーブルを用いることに決定する(ステップS225)。
次に、CPU56は、保存領域に格納した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、ステップS222,S223B,S224B,S225の処理で決定されたテーブルを用いて図柄の変動パターンを決定する(ステップS226)。具体的には、変動パターン決定用乱数値と一致する判定値に対応した変動パターンのEXTデータが次に可変表示される図柄の変動パターンのEXTデータと決定される。
次に、CPU56は、ステップS226において決定した変動パターンのEXTデータに応じた変動パターンコマンドを送信する処理を実行する(ステップS228)。そして、CPU56は、変動パターンコマンドで特定される第2特別図柄の変動時間を第2変動時間タイマにセットする(ステップS229)。次に、CPU56は、第2図柄変動指定コマンドを送信する処理を実行する(ステップS230)。そして、CPU56は、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動を開始し(ステップS231)、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2表示結果特定コマンド送信処理(ステップS333)に対応した値に更新する(ステップS233)。
その他の第2特別図柄プロセス処理においては、「第1」とあるのを「第2」と読み替え、「第2」とあるのを「第1」と読み替えることにより、実現することが可能である。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図27は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1演出制御プロセス処理を行う(ステップS705A)。第1演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第1演出図柄表示領域9Aの表示制御等を実行する。また、第2演出制御プロセス処理を行う(ステップS705B)。第2演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第2演出図柄表示領域9Bの表示制御等を実行する。また、演出表示装置9のメモリ表示領域の表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS706)。そして、図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。なお、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のように、第1演出図柄表示制御処理と第2演出図柄表示制御処理とを共通化して、すなわち一つのプログラムモジュールで実現するようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するプログラム容量を減らすようにしてもよい。
図28〜図30は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。なお、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、図27に示すメイン処理とは別の受信割り込み処理で主基板31から送信された演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドを受信コマンドバッファに格納する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが第1表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その第1表示結果指定コマンド(第1表示結果1指定コマンド〜第1表示結果3指定コマンドのいずれか)を、RAMに形成されている第1表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが第2表示結果指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、その第2表示結果指定コマンド(第2表示結果1指定コマンド〜第2表示結果3指定コマンドのいずれか)を、RAMに形成されている第2表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄確定指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、第1図柄確定指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが第2図柄確定指定コマンドであれば(ステップS627)、演出制御用CPU101は、第2図柄確定指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(ステップS629A)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS629B)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドまたは大当り終了2指定コマンドであれば(ステップS630A)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS630B)。
受信した演出制御コマンドが低確率状態指定コマンドであれば(ステップS633)、演出制御用CPU101は、確率状態が低確率状態であることを示す特別状態フラグをリセットする(ステップS634)。また、受信した演出制御コマンドが確変状態指定コマンドであれば(ステップS635)、演出制御用CPU101は、特別状態フラグをセットする(ステップS636)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS639)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS640)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
受信した演出制御コマンドが保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS644)、演出制御用CPU101は、その保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を保留記憶数保存領域に格納する(ステップS645)。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(ステップS648)、演出制御用CPU101は、第1始動入賞フラグをセットする(ステップS649)。受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(ステップS650)、演出制御用CPU101は、第2始動入賞フラグをセットする(ステップS651)。
受信した演出制御コマンドが第1中断指定コマンドであれば(ステップS652)、演出制御用CPU101は、第1中断指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS653)。受信した演出制御コマンドが第2中断指定コマンドであれば(ステップS654)、演出制御用CPU101は、第2中断指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS655)。
受信した演出制御コマンドが第1再開指定コマンドであれば(ステップS656)、演出制御用CPU101は、第1再開指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS657)。受信した演出制御コマンドが第2再開指定コマンドであれば(ステップS658)、演出制御用CPU101は、第2再開指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS659)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS660)。そして、ステップS611の処理に移行する。
図31は、図27に示されたメイン処理における第1演出制御プロセス処理(ステップS705A)を示すフローチャートである。第1演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、遊技状態(通常状態、第1時短状態(第1選択状態)、第2時短状態(第2選択状態))に応じた演出モードを実行する(ステップS800A)。遊技状態がいずれであるかは、第1時短演出フラグ・第2時短演出フラグ(図37のステップS887参照)がセットされているか否かによって判断することができる。すなわち、第1時短演出フラグ・第2時短演出フラグのいずれもセットされていないときは遊技状態が通常状態であり、第1時短演出フラグがセットされているときは遊技状態が第1時短状態であり、第2時短演出フラグがセットされているときは遊技状態が第2時短状態であると判断する。
演出モードの例としては、図32に示すように、遊技状態が通常状態であることを示す「通常モード」は、昼の時間帯であって背景画像が山の画像の演出モードであり、遊技状態が第1時短状態であることを示す「チャンスモード」は、夜の時間帯であって背景画像が山の画像の演出モードであり、遊技状態が第2時短状態であることを示す「スーパーチャンスモード」は、背景画像が海の画像の演出モードである。
なお、図32に示した演出モードは一例であって、その他の演出モードの表示態様であってもよい。例えば、図2に示したように、「通常モード」では、第1演出図柄表示領域9Aの範囲が大きく第2演出図柄表示領域9Bの範囲が小さいが、「チャンスモード」では、第1演出図柄表示領域9Aの範囲と第2演出図柄表示領域9Bの範囲が同じ大きさとなり、「スーパーチャンスモード」では、第1演出図柄表示領域9Aの範囲が小さく第2演出図柄表示領域9Bの範囲が大きくなるようにしてもよい。その他、演出モードによって、図柄の形、色などが変化するようにしてもよく、効果音が変化するようにしてもよく、発光体(ランプ・LED)の点灯パターンを変化させるようにしてもよく、それらの2つ以上を組み合わせてもよい。
演出制御用CPU101は、第1演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、第2演出制御プロセス処理(ステップS705B)も、制御対象が演出表示装置9の第2演出図柄表示領域9Bであるという違いはあるが、第1演出制御プロセス処理と同様に構成される。すなわち、以下の説明において、「第1」を「第2」と読み替え、「第2」を「第1」と読み替えれば、第2演出制御プロセス処理が説明されることになる。
第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か、および第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するコマンド解析処理で変動パターンコマンドを受信したことが確認された場合にセットされる。第1図柄変動指定コマンド受信フラグは、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するコマンド解析処理で第1図柄変動指定コマンドを受信したことが確認された場合にセットされる。変動パターンコマンドおよび第1図柄変動指定コマンドを受信した場合には、第1演出図柄の変動パターン(変動期間中の演出図柄の変動速度や、背景,キャラクタの種類、キャラクタの表示開始時期などの変動態様)を、それぞれの変動パターンに応じてあらかじめ決められている複数種類のうちから選択する。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する。
第1演出図柄変動開始処理(ステップS801):左中右の第1演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
第1演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンに応じて決められている変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行う。変動時間が終了したら、第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
第1演出図柄変動停止処理(ステップS803):第1演出図柄の変動を最終停止し停止図柄を表示する制御を行う。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)または第1大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に更新する。
第1大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、大当り表示の制御を行う。例えば、大当りの開始を指定する大当り開始指定コマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1ラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
第1ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1ラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
第1ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後コマンドを受信したら、インターバル表示等を行う。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1ラウンド中処理(ステップS805)または第1大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
第1大当り終了演出処理(ステップS807):大当り遊技の終了後の大当り終了表示の制御を行う。例えば、大当りの終了を指定する大当り終了指定コマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図33は、第1演出制御プロセス処理における第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。第1変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS811)。セットされていたら、第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS812)。第1図柄変動指定コマンド受信フラグもセットされていたら、変動パターン受信フラグをリセットする(ステップS813)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS814)。
図34は、第1演出制御プロセス処理における第1演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。第1演出図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、変動パターンコマンドで指定された内容(変動時間)にもとづいて、第1演出図柄の変動パターンを決定し、決定内容に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS815)。そして、選択したプロセステーブルにおけるプロセスデータ1のプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS816)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS817)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に制御信号(表示制御実行データ)を出力する。また、各種ランプの点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。そして、変動時間に応じた値を変動時間タイマに設定して変動時間タイマをスタートさせ(ステップS818)、第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動中処理(ステップS802)に応じた値に更新する(ステップS819)。
図35は、第1演出制御プロセス処理における第1演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。第1演出図柄変動中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動中断フラグがセットされているか否か確認し(ステップS821)、変動中断フラグがセットされていなければ第1中断指定コマンドを受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS822)。第1中断指定コマンド受信フラグがセットされていれば変動中断フラグをセットし(ステップS823)、第1中断指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS824)。
また、ステップS821で変動中断フラグがセットされていることを確認したら、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1再開指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS835)。第1再開指定コマンド受信フラグがセットされていれば、変動中断フラグおよび第1再開指定コマンド受信フラグをリセットするとともに(ステップS836)、演出表示装置9において第1演出図柄の変動を再開させる(ステップS837)。第1再開指定コマンド受信フラグがセットされていなければ第1演出図柄変動中処理を終了する。
ステップS822で第1中断指定コマンド受信フラグがセットされていないことを確認したら、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマを1減算するとともに(ステップS827)、変動時間タイマを1減算する(ステップS828)。プロセスタイマがタイムアップしたら、プロセスデータの切替を行う(ステップS829,S830)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定するとともに、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータの内容(表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データ)に従って演出装置(演出表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS830A)。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS831のY)、第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS832)。
以上のように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出表示装置9の第2演出図柄表示領域9Bに大当り図柄が停止表示されて大当り遊技状態となったときには、第1中断指定コマンドを受信したことにもとづいて変動中断フラグをセットするとともに変動中断処理を行う。そして、第1再開指定コマンドを受信するまでステップS827〜S831の処理を実行しないように制御する。すなわち、第1演出図柄の変動を行わない制御がなされる。
図36は、第1演出制御プロセス処理における第1演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。第1演出図柄変動停止処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1演出図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(第1図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづく第1図柄確定指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS841)。第1図柄確定指定コマンド受信フラグがセットされていれば、コマンド解析処理において格納された第1演出図柄の停止図柄(最後に停止する中図柄)を停止表示させる制御を行い(ステップS842A)、第1図柄確定指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS842B)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、CPU56からの第1演出図柄停止指定コマンドの受信に応じて第1演出図柄を停止表示する制御を行うが、このような構成に限られず、変動時間タイマがタイムアップしたことにもとづいて第1演出図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。
ステップS842Aで停止表示された第1演出図柄の停止図柄が大当り図柄(非確変図柄、確変図柄)である場合は(ステップS843のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り開始1又は2指定コマンド受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS844)。大当り開始1又は2指定コマンド受信フラグがセットされたときは(ステップS844のY)、セットされている大当り開始1又は2指定コマンド受信フラグをリセットし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り開始1又は2指定コマンドの内容にもとづいて、通常大当りに応じたファンファーレ演出、または確変大当りに応じたファンファーレ演出のいずれかを選択する(ステップS845)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択したファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS846)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS847)、第1演出制御プロセスフラグの値を第1大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に設定する(ステップS848)。
ステップS842Aで停止表示された第1演出図柄の停止図柄が大当り図柄(非確変図柄、確変図柄)でない場合、すなわち、はずれ図柄である場合(ステップS843のN)は、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のフラグをリセットする(ステップS849)。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する(ステップS850)。
図37は、第1演出制御プロセス処理における第1大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。第1大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出の実行時間を計測するための大当り終了演出タイマが動作中であるか否かを判定し(ステップS880)、動作中でなければ、大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS881)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていなければ、そのまま処理を終了する。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS882)、大当り終了演出タイマを設定する(ステップS883)。そして、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面において大当り終了画面を表示して(ステップS884)、処理を終了する。
ステップS880で大当り終了演出タイマが動作中であると判定されたときは、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値を−1する(ステップS885)。そして、大当り終了演出タイマがタイムアウトしたら(ステップS886のY)、つまり、大当り終了演出時間が経過したら、大当り種別に応じた第1時短演出フラグまたは第2時短演出フラグをセットする(ステップS887)。具体的には、大当り種別が通常大当り1または確変大当り1であった場合は、第1時短演出フラグをセットし、大当り種別が通常大当り2または確変大当り2であった場合は、第2時短演出フラグをセットする。なお、大当り種別については、ステップS618,S620において表示結果指定コマンド格納領域に格納した表示結果指定コマンド(第1表示結果指定コマンド、第2表示結果指定コマンド)の内容にもとづいて判定する。
そして、演出制御用CPU101は、第1演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS888)。
以上に説明したように、この実施の形態では、第2特図変動パターンを選択する場合に、第1選択状態のときは第1特図変動パターンの変動時間よりも短い変動時間の変動パターンが所定の割合で選択可能な第2特図変動パターンテーブルを選択し、第2選択状態のときは第1特図変動パターンの変動時間よりも短い変動時間の変動パターンが第1選択状態よりも高い割合で選択可能な第2特図変動パターンテーブルを選択するように構成することにより、第2特別図柄の大当りの発生割合を段階的に高めるように構成したので、特別遊技状態(確変状態・時短状態)に制御されているときに有利度の異なる第1特定遊技状態(第1特別図柄の大当り)と第2特定遊技状態(第2特別図柄の大当り)の発生頻度を変化させることができ、特別遊技状態においていずれの特定遊技状態の発生頻度が高くなっているかについて興味を持たせることができる。
また、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14は、いずれか一方の始動入賞口に対してのみ狙って入賞させることは不可能(困難)の位置に設けられているので、発射装置の操作によって、獲得出球の多い大当りの狙い打ちを防止することができる。また、遊技者の発射装置の操作態様によって、獲得出球の期待度が変化してしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態では、第1選択状態のときに演出モードとしてチャンスモードを実行し、第2選択状態のときに演出モードとしてチャンスモードとは異なる態様のスーパーチャンスモードを実行するように構成したので、第2特別図柄の大当り(特定遊技状態)の発生頻度に応じて異なる演出態様(演出モード)で演出装置(演出表示装置9等)を制御することにより、遊技者の焦燥感を煽ることができる。
なお、上記の実施の形態1において、確変状態および時短状態のときに第1選択状態または第2選択状態に制御するように構成していたが、確変状態のときのみ第1選択状態または第2選択状態に制御するようにしてもよく、時短状態のときのみ第1選択状態または第2選択状態に制御するようにしてもよい。すなわち、確変大当り1の終了後にのみ第1選択状態に制御し、確変大当り2の終了後にのみ第2選択状態に制御するようにしてもよく、通常大当り1の終了後にのみ第1選択状態に制御し、通常大当り2の終了後にのみ第2選択状態に制御するようにしてもよい。
また、図8(A)に示すように、第1特別図柄と第2特別図柄の大当り判定の確率は同じとしていたが、確率が異なるようにしてもよい。
実施の形態2.
上記の実施の形態1では、第2特図変動パターンを選択する場合に、第1選択状態のときは第1特図変動パターンの変動時間よりも短い変動時間の変動パターンが所定の割合で選択可能な第2特図変動パターンテーブルを選択し、第2選択状態のときは第1特図変動パターンの変動時間よりも短い変動時間の変動パターンが第1選択状態よりも高い割合で選択可能な第2特図変動パターンテーブルを選択するように構成することにより、第2特別図柄の大当りの発生割合を段階的に高めるように構成していた。しかし、そのような構成に限られず、この実施の形態2では、大当り遊技の終了後にいて大当り種別に応じた所定のタイミングまで短い変動時間の第1変動パターンを選択肢、所定のタイミングの経過後に長い変動時間の第1変動パターンを選択するように構成することにより、第2特別図柄の大当りの発生割合を大当り種別に応じて段階的に高めるように構成したものである。
図38は、実施の形態2における第1特図変動パターンテーブルを示す説明図である。図38において、「変動回数」は大当り遊技の終了後からの第1特別図柄(第1演出図柄)の変動回数を示し、「時間」は第1特別図柄の変動時間を示し、「変動パターン」は第1特別図柄の変動中の変動態様を示し、「条件」は「はずれ」のときに選択されるものか「大当り」のときに選択されるものかを示している。
図38(A)に示すはずれ用第1特図変動パターンテーブルは、通常大当り1(および通常大当り5)または確変大当り1(および確変大当り5)の遊技の終了後から4回の変動までの期間において、第1特別図柄の表示結果がはずれであると判定されたときに選択される変動パターンテーブルである。当該はずれ用第1特図変動パターンテーブルには、大当り遊技の終了後の1回目の変動において選択される第1特別図柄の変動パターンとして、非リーチの通常変動の変動パターン(変動時間5秒)が設定され、大当り遊技の終了後の2回目の変動において選択される第1特別図柄の変動パターンとして、非リーチの通常変動の変動パターン(変動時間5秒)が設定され、大当り遊技の終了後の3回目の変動において選択される第1特別図柄の変動パターンとして、非リーチの通常変動の変動パターン(変動時間5秒)が設定され、大当り遊技の終了後の4回目の変動において選択される第1特別図柄の変動パターンとして、非リーチの超ロングの変動パターン(変動時間30分)が設定されている。
図38(B)に示すはずれ用第1特図変動パターンテーブルは、通常大当り2(および通常大当り6)または確変大当り2(および確変大当り6)の遊技の終了後から3回の変動までの期間において、第1特別図柄の表示結果がはずれであると判定されたときに選択される変動パターンテーブルである。当該はずれ用第1特図変動パターンテーブルには、大当り遊技の終了後の1回目の変動において選択される第1特別図柄の変動パターンとして、非リーチの通常変動の変動パターン(変動時間5秒)が設定され、大当り遊技の終了後の2回目の変動において選択される第1特別図柄の変動パターンとして、非リーチの通常変動の変動パターン(変動時間5秒)が設定され、大当り遊技の終了後の3回目の変動において選択される第1特別図柄の変動パターンとして、非リーチの超ロングの変動パターン(変動時間30分)が設定されている。
図38(C)に示すはずれ用第1特図変動パターンテーブルは、通常大当り3(および通常大当り7)または確変大当り3(および確変大当り7)の遊技の終了後から2回の変動までの期間において、第1特別図柄の表示結果がはずれであると判定されたときに選択される変動パターンテーブルである。当該はずれ用第1特図変動パターンテーブルには、大当り遊技の終了後の1回目の変動において選択される第1特別図柄の変動パターンとして、非リーチの通常変動の変動パターン(変動時間5秒)が設定され、大当り遊技の終了後の2回目の変動において選択される第1特別図柄の変動パターンとして、非リーチの超ロングの変動パターン(変動時間30分)が設定されている。
図38(D)に示すはずれ用第1特図変動パターンテーブルは、通常大当り4(および通常大当り8)または確変大当り4(および確変大当り8)の遊技の終了後からの1回目の変動において、第1特別図柄の表示結果がはずれであると判定されたときに選択される変動パターンテーブルである。当該はずれ用第1特図変動パターンテーブルには、大当り遊技の終了後の1回目の変動において選択される第1特別図柄の変動パターンとして、非リーチの超ロングの変動パターン(変動時間30分)が設定されている。
図38(E)に示すはずれ用第1特図変動パターンテーブルは、遊技状態が通常状態であり(図38(A)〜(D)のテーブルが選択される期間以外の期間であり)、第1特別図柄の表示結果がはずれであると判定されたときに選択される変動パターンテーブルである。当該はずれ用第1特図変動パターンテーブルには、リーチを伴わない通常変動の変動パターン(非リーチの通常変動の変動パターン)と、ノーマルリーチを伴う変動パターン(ノーマルリーチの変動パターン)と、スーパーリーチAを伴う変動パターン(スーパーリーチAの変動パターン)と、スーパーリーチBを伴う変動パターン(スーパーリーチBの変動パターン)とが設定されている。
図38(F)に示すはずれ用第1特図変動パターンテーブルは、第1特別図柄の表示結果が大当りであると判定されたときに選択される変動パターンテーブルである。当該大当り用第1特図変動パターンテーブルには、ノーマルリーチを伴う変動パターン(ノーマルリーチの変動パターン)と、スーパーリーチAを伴う変動パターン(スーパーリーチAの変動パターン)と、スーパーリーチBを伴う変動パターン(スーパーリーチBの変動パターン)と、スーパーリーチCを伴う変動パターン(スーパーリーチBの変動パターン)とが設定されている。
なお、図38では、大当り種別毎にテーブル(図38(A)〜(D))を設けていたが、そのような大当り種別毎のテーブルを設けずに、大当り種別に応じた所定の変動回数(3回、2回、1回)まで非リーチの通常変動の変動パターン(変動時間5秒)を決定し、所定の変動回数以降は非リーチの超ロング変動の変動パターン(変動時間30分)を決定し、非リーチの超ロング変動の変動パターンの実行後は図38(E)のテーブルを用いて変動パターンを決定するようにすれば、テーブルの数を減らすことができる。
また、非リーチの超ロング変動の変動パターンを実行した後は、図38(E)のテーブルを用いて変動パターンを決定するように構成していたが、非リーチの超ロング変動の変動パターンを実行した後、その以降も非リーチの超ロング変動の変動パターン(大当りの場合は除く)を決定するように構成してもよい。すなわち、図38(A)(B)(C)(D)における「4回」「3回」「2回」「1回」をそれぞれ「4回以降」「3回以降」「2回以降」「1回以降」とし、図38(E)のテーブルを設けないようにしてもよい。
図39は、実施の形態2における第2特図変動パターンテーブルを示す説明図である。なお、図39において、「番号」は第2特別図柄の変動パターンを識別するために各々に付される番号を示し、「時間」は第2特別図柄の変動時間を示し、「変動パターン」は第2特別図柄の変動中の変動態様を示し、「条件」は「はずれ」のときに選択されるものか「大当り」のときに選択されるものかを示している。
図39(A)に示す通常時(通常状態のとき)のはずれ用第2特図変動パターンテーブルには、リーチを伴わない通常変動の変動パターン(非リーチの通常変動の変動パターン:変動時間5秒)のみ設定されている。また、図39(B)に示す大当り用第2特図変動パターンテーブルには、ノーマルリーチを伴う変動パターンと、スーパーリーチDを伴う変動パターンとが設定されている。
なお、図39(A)に示すはずれ用第2特図変動パターンテーブルでは、リーチを伴わない通常変動の変動パターン(非リーチの通常変動の変動パターン:変動時間5秒)のみ設定されていたが、図38(E)に示すテーブルのように、ノーマルリーチの変動パターンやスーパーリーチの変動パターンが設定されていてもよい。
図40は、実施の形態2における、第1特別図柄の停止図柄および第2特別図柄の停止図柄と、その後に制御される遊技状態との関係の一例を示す説明図である。
(1)第1特別図柄の停止図柄:
図40に示すように、第1特別図柄表示器8aにて可変表示される第1特別図柄は「0」〜「9」である。このうち、「0」,[9]がはずれ図柄であり、「1」が通常大当り1図柄(非確変図柄のうち通常大当り1を発生させる図柄)であり、「2」が通常大当り2図柄(非確変図柄のうち通常大当り2を発生させる図柄)であり、「3」が通常大当り3図柄(非確変図柄のうち通常大当り3を発生させる図柄)であり、「4」が通常大当り4図柄(非確変図柄のうち通常大当り4を発生させる図柄)であり、「5」が確変大当り1図柄(確変図柄のうち確変大当り1を発生させる図柄)であり、「6」が確変大当り2図柄(確変図柄のうち確変大当り2を発生させる図柄)であり、「7」が確変大当り3図柄(確変図柄のうち確変大当り3を発生させる図柄)であり、「8」が確変大当り4図柄(確変図柄のうち確変大当り4を発生させる図柄)である。
確変図柄「5」〜「8」が停止表示されると、実質8ラウンドの大当り遊技状態に移行され、大当り遊技が終了すると、遊技状態が確変状態に制御される。また、非確変図柄「1」〜「4」が停止表示されると、実質8ラウンドの大当り遊技状態に移行され、大当り遊技が終了すると、遊技状態が時短状態に制御される。
(2)第2特別図柄の停止図柄:
図40に示すように、第2特別図柄表示器8bにて可変表示される第2特別図柄は「0」〜「9」である。このうち、「0」,[9]がはずれ図柄であり、「1」が通常大当り5図柄(非確変図柄のうち通常大当り5を発生させる図柄)であり、「2」が通常大当り6図柄(非確変図柄のうち通常大当り6を発生させる図柄)であり、「3」が通常大当り7図柄(非確変図柄のうち通常大当り7を発生させる図柄)であり、「4」が通常大当り8図柄(非確変図柄のうち通常大当り8を発生させる図柄)であり、「5」が確変大当り5図柄(確変図柄のうち確変大当り5を発生させる図柄)であり、「6」が確変大当り6図柄(確変図柄のうち確変大当り6を発生させる図柄)であり、「7」が確変大当り7図柄(確変図柄のうち確変大当り7を発生させる図柄)であり、「8」が確変大当り8図柄(確変図柄のうち確変大当り8を発生させる図柄)である。
確変図柄「5」〜「8」が停止表示されると、15ラウンドの大当り遊技状態に移行され、大当り遊技が終了すると、遊技状態が確変状態に制御される。また、非確変図柄「1」〜「4」が停止表示されると、15ラウンドの大当り遊技状態に移行され、大当り遊技が終了すると、遊技状態が時短状態に制御される。
なお、演出図柄(第1演出図柄、第2演出図柄)の停止図柄については、上記の実施の形態1で説明したものと同様である。
図41は、実施の形態2における大当り種別と大当り終了後の変動パターンとの関係を示す説明図である。図41に示すように、大当り種別が通常大当り1または確変大当り1や通常大当り5または確変大当り5である場合、その大当り遊技が終了してから1回目〜3回目の第1特別図柄の変動において、大当り判定の判定結果がはずれのときは非リーチはずれの通常変動(変動時間5秒)を実行し、4回目の第1特別図柄の変動において、大当り判定の判定結果がはずれのときは非リーチはずれの超ロング変動(変動時間30分)を実行する。また、大当り種別にかかわらず、大当り遊技が終了してからの第2特別図柄の変動において、大当り判定の判定結果がはずれのときは非リーチはずれの通常変動(変動時間5秒)を実行し、大当り判定の判定結果が大当りのときはノーマルリーチまたはスーパーリーチDの変動を実行する。この場合、大当り遊技の終了から4回目の超ロング変動が実行されるまでに、第2特別図柄で大当りが発生せずに、第1特別図柄における出球の少ない大当りが発生し、遊技者にとって不利になる可能性が相対的に高い。
また、図41に示すように、大当り種別が通常大当り2または確変大当り2や通常大当り6または確変大当り6である場合、その大当り遊技が終了してから1回目〜2回目の第1特別図柄の変動において、大当り判定の判定結果がはずれのときは非リーチはずれの通常変動(変動時間5秒)を実行し、3回目の第1特別図柄の変動において、大当り判定の判定結果がはずれのときは非リーチはずれの超ロング変動(変動時間30分)を実行する。また、大当り種別にかかわらず、大当り遊技が終了してからの第2特別図柄の変動において、大当り判定の判定結果がはずれのときは非リーチはずれの通常変動(変動時間5秒)を実行し、大当り判定の判定結果が大当りのときはノーマルリーチまたはスーパーリーチDの変動を実行する。この場合、大当り遊技の終了から3回目の超ロング変動が実行されるまでに、第2特別図柄で大当りが発生せずに、第1特別図柄において出球の少ない大当りが発生する可能性があるため、遊技者にとって不利になる可能性がある。
また、図41に示すように、大当り種別が通常大当り3または確変大当り3や通常大当り7または確変大当り7である場合、その大当り遊技が終了してから1回目の第1特別図柄の変動において、大当り判定の判定結果がはずれのときは非リーチはずれの通常変動(変動時間5秒)を実行し、2回目の第1特別図柄の変動において、大当り判定の判定結果がはずれのときは非リーチはずれの超ロング変動(変動時間30分)を実行する。また、大当り種別にかかわらず、大当り遊技が終了してからの第2特別図柄の変動において、大当り判定の判定結果がはずれのときは非リーチはずれの通常変動(変動時間5秒)を実行し、大当り判定の判定結果が大当りのときはノーマルリーチまたはスーパーリーチDの変動を実行する。この場合、大当り遊技の終了から2回目の超ロング変動が実行されるまでに(すなわち、1回目の第1特別図柄の変動で)、第1特別図柄において出球の少ない大当りが発生する可能性が低いため、遊技者にとって不利になる可能性は低い。
また、図41に示すように、大当り種別が通常大当り4または確変大当り4や通常大当り8または確変大当り8である場合、その大当り遊技が終了してから1回目の第1特別図柄の変動において、大当り判定の判定結果がはずれのときは非リーチはずれの超ロング変動(変動時間30分)を実行する。また、大当り種別にかかわらず、大当り遊技が終了してからの第2特別図柄の変動において、大当り判定の判定結果がはずれのときは非リーチはずれの通常変動(変動時間5秒)を実行し、大当り判定の判定結果が大当りのときはノーマルリーチまたはスーパーリーチDの変動を実行する。この場合、大当り遊技の終了の1回目の変動で超ロング変動が実行されている間に、第2特別図柄において出球の多い大当りが発生する可能性が高く、第1特別図柄において出球の少ない大当りが発生する可能性が極めて低いため、遊技者にとって不利になる可能性が極めて低い。
このように、通常大当り4または確変大当り4や通常大当り8または確変大当り8が発生したときに、第2特別図柄で大当りが発生する可能性が高く、遊技者にとって最も有利であり、一方、通常大当り1または確変大当り1や通常大当り5または確変大当り5が発生したときに、第1特別図柄で大当りが発生する可能性が相対的に高く、遊技者にとって最も不利である。従って、遊技者は、確変大当りの発生を期待するが、確変大当りのなかでも確変大当り4や確変大当り8の発生を最も期待し、確変大当りでない場合は通常大当りのなかの通常大当り4や通常大当り8の発生を期待することになる。
図42は、実施の形態2における第1変動パターン設定処理を示すフローチャートである。実施の形態2における第1変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、第1大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS201A)。
第1大当りフラグがセットされているときは(ステップS201AのY)、CPU56は、図38(F)に示した大当り用第1特図変動パターンテーブルを用いることに決定する(ステップS202A)。第1大当りフラグがセットされていないときは(ステップS201AのN)、CPU56は、確変フラグまたは時短フラグがセットされているか否かを確認して、遊技状態が確変状態中または時短状態中であるか否か(つまり、確変大当り1〜8の遊技が終了した後の遊技状態または通常大当り1〜8の遊技が終了してから100回の変動が終了していない遊技状態であるか否か)を判定する(ステップS203A)。遊技状態が確変状態中または時短状態中でない場合は(ステップS203AのN)、CPU56は、図38(E)に示した通常時のはずれ用第1特図変動パターンテーブルを用いることに決定する(ステップS204A)。
遊技状態が確変状態中または時短状態中である場合は(ステップS203AのY)、CPU56は、大当り種別と大当り終了後からの変動回数に応じたはずれ用第1特図変動パターンに決定する(ステップS205A)。具体的には、大当り終了演出処理において、変動回数カウンタに「3」の値をセットする。また、大当り終了演出処理(ステップS887の処理)において、大当り種別に応じたフラグ(通常大当り1が終了したことを示す第1通常終了フラグ、通常大当り2が終了したことを示す第2通常終了フラグ、通常大当り3が終了したことを示す第3通常終了フラグ、通常大当り4が終了したことを示す第4通常終了フラグ、確変大当り1が終了したことを示す第1確変終了フラグ、確変大当り2が終了したことを示す第2確変終了フラグ、確変大当り3が終了したことを示す第3確変終了フラグ、確変大当り4が終了したことを示す第4確変終了フラグ、通常大当り5が終了したことを示す第5通常終了フラグ、通常大当り6が終了したことを示す第6通常終了フラグ、通常大当り7が終了したことを示す第7通常終了フラグ、通常大当り8が終了したことを示す第8通常終了フラグ、確変大当り5が終了したことを示す第5確変終了フラグ、確変大当り6が終了したことを示す第6確変終了フラグ、確変大当り7が終了したことを示す第7確変終了フラグ、確変大当り8が終了したことを示す第8確変終了フラグ)をセットする。そして、第1演出図柄停止処理において、変動回数カウンタの値を1減算する。ステップS205Aでは、大当り種別に応じたフラグを確認して大当り種別を判定するとともに、変動回数カウンタの値を確認して大当り終了後の変動回数を確認する。そして、大当り種別と大当り終了後からの変動回数に応じたはずれ用第1特図変動パターンテーブルを選択する。例えば、大当り種別が通常大当り1で、変動回数カウンタの値が2(変動回数が2回目)であると判定したときは、図38(A)のはずれ用変動パターンテーブルにおける変動回数2回の非リーチの通常変動の変動パターン(変動時間5秒)を決定する。
次に、CPU56は、ステップS323で保存領域に格納した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、ステップS202A,S204Aの処理で決定されたテーブルを用いて図柄の変動パターンを決定する(ステップS206)。具体的には、変動パターン決定用乱数値と一致する判定値に対応した変動パターンのEXTデータが次に可変表示される図柄の変動パターンのEXTデータと決定される。なお、ステップS205Aで変動パターンを決定している場合には、ステップS206の処理を実行しない。
その後の処理は、図19に示したステップS206〜S213と同様であるため、説明を省略する。
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、大当り遊技の終了後にいて大当り種別に応じた所定のタイミングまで短い変動時間の第1変動パターンを選択肢、所定のタイミングの経過後に長い変動時間の第1変動パターンを選択するように構成することにより、第2特別図柄の大当りの発生割合を大当り種別に応じて段階的に高めるように構成したので、特別遊技状態(確変状態・時短状態)に制御されているときに有利度の異なる第1特定遊技状態(第1特別図柄の大当り)と第2特定遊技状態(第2特別図柄の大当り)の発生頻度を変化させることができ、特別遊技状態においていずれの特定遊技状態の発生頻度が高くなっているかについて興味を持たせることができる。
なお、上記の実施の形態2によれば、第1特別図柄において超ロング変動が実行されるタイミングまで第1特別図柄の大当りが発生しなかった場合は、その後(超ロング変動が実行された後)は第2特別図柄において大当りが発生する可能性が高くなる。従って、大当り後に第1特別図柄で超ロング変動が実行されるタイミング(変動回数)まで第1特別図柄の大当りが発生しなければ、遊技者に有利な第2特別図柄の大当りが発生する可能性が高い旨、遊技者に報知するようにしてもよい。例えば、大当り遊技の終了時(エンディング演出中)や大当り遊技の終了後の変動開始時などにおいて、超ロング変動が4回目に実行される場合は「第1特別図柄の4回転以内の大当り発生に耐えろ!」というミッションを提示し、超ロング変動の実行が開始された後は、15R大当りの可能性が高いことを遊技者に報知するような構成が考えられる。また、超ロング変動の実行が開始されるまでの時間は、超ロング変動までの前の変動の変動時間から認識することができるので、超ロング変動の実行の開始までの時間を遊技者に報知するようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態2では、超ロング変動のタイミングは、第1特別図柄の変動回数のみにもとづいて判断するように構成していたが、第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数にもとづいて判断するようにしてもよい。すなわち、ステップS205Aにおける変動回数は第1および第2特別図柄の変動回数としてもよい。
実施の形態3.
上記の実施の形態2では、大当り遊技の終了後にいて大当り種別に応じた所定のタイミングまで短い変動時間の第1変動パターンを選択肢、所定のタイミングの経過後に長い変動時間の第1変動パターンを選択するように構成していた。しかし、そのような構成に限られず、この実施の形態3では、上記の実施の形態2の場合とは反対に、大当り遊技の終了後において大当り種別に応じた所定のタイミングまで長い変動時間の第1変動パターンを選択し、所定のタイミングの経過後に短い変動時間の第1変動パターンを選択するように構成したものである。
図43は、実施の形態3における第1特図変動パターンテーブルを示す説明図である。図43において、「変動回数」は大当り遊技の終了後からの第1特別図柄(第1演出図柄)の変動回数を示し、「時間」は第1特別図柄の変動時間を示し、「変動パターン」は第1特別図柄の変動中の変動態様を示し、「条件」は「はずれ」のときに選択されるものか「大当り」のときに選択されるものかを示している。
図43(A)に示すはずれ用第1特図変動パターンテーブルは、通常大当り1または確変大当り1や通常大当り5または確変大当り5の遊技の終了後から4回の変動までの期間において、第1特別図柄の表示結果がはずれであると判定されたときに選択される変動パターンテーブルである。当該はずれ用第1特図変動パターンテーブルには、大当り遊技の終了後の1回目の変動において選択される第1特別図柄の変動パターンとして、非リーチのロングの変動パターン(変動時間3分)が設定され、大当り遊技の終了後の2回目の変動において選択される第1特別図柄の変動パターンとして、非リーチのロングの変動パターン(変動時間3分)が設定され、大当り遊技の終了後の3回目の変動において選択される第1特別図柄の変動パターンとして、非リーチのロングの変動パターン(変動時間3分)が設定され、大当り遊技の終了後の4回目の変動において選択される第1特別図柄の変動パターンとして、非リーチの通常変動の変動パターン(変動時間5秒)が設定されている。
図43(B)に示すはずれ用第1特図変動パターンテーブルは、通常大当り2または確変大当り2や通常大当り6または確変大当り6の遊技の終了後から3回の変動までの期間において、第1特別図柄の表示結果がはずれであると判定されたときに選択される変動パターンテーブルである。当該はずれ用第1特図変動パターンテーブルには、大当り遊技の終了後の1回目の変動において選択される第1特別図柄の変動パターンとして、非リーチのロングの変動パターン(変動時間3分)が設定され、大当り遊技の終了後の2回目の変動において選択される第1特別図柄の変動パターンとして、非リーチのロングの変動パターン(変動時間3分)が設定され、大当り遊技の終了後の3回目の変動において選択される第1特別図柄の変動パターンとして、非リーチの通常変動の変動パターン(変動時間5秒)が設定されている。
図43(C)に示すはずれ用第1特図変動パターンテーブルは、通常大当り3または確変大当り3や通常大当り7または確変大当り7の遊技の終了後から2回の変動までの期間において、第1特別図柄の表示結果がはずれであると判定されたときに選択される変動パターンテーブルである。当該はずれ用第1特図変動パターンテーブルには、大当り遊技の終了後の1回目の変動において選択される第1特別図柄の変動パターンとして、非リーチのロングの変動パターン(変動時間3分)が設定され、大当り遊技の終了後の2回目の変動において選択される第1特別図柄の変動パターンとして、非リーチの通常変動の変動パターン(変動時間5秒)が設定されている。
図43(D)に示すはずれ用第1特図変動パターンテーブルは、通常大当り4または確変大当り4や通常大当り8または確変大当り8の遊技の終了後からの1回目の変動において、第1特別図柄の表示結果がはずれであると判定されたときに選択される変動パターンテーブルである。当該はずれ用第1特図変動パターンテーブルには、大当り遊技の終了後の1回目の変動において選択される第1特別図柄の変動パターンとして、非リーチの通常変動の変動パターン(変動時間5秒)が設定されている。
図43(E)に示すはずれ用第1特図変動パターンテーブルは、遊技状態が通常状態であり(図43(A)〜(D)のテーブルが選択される期間以外の期間であり)、第1特別図柄の表示結果がはずれであると判定されたときに選択される変動パターンテーブルである。当該はずれ用第1特図変動パターンテーブルには、リーチを伴わない通常変動の変動パターン(非リーチの通常変動の変動パターン)と、ノーマルリーチを伴う変動パターン(ノーマルリーチの変動パターン)と、スーパーリーチAを伴う変動パターン(スーパーリーチAの変動パターン)と、スーパーリーチBを伴う変動パターン(スーパーリーチBの変動パターン)とが設定されている。
図43(F)に示すはずれ用第1特図変動パターンテーブルは、第1特別図柄の表示結果が大当りであると判定されたときに選択される変動パターンテーブルである。当該大当り用第1特図変動パターンテーブルには、ノーマルリーチを伴う変動パターン(ノーマルリーチの変動パターン)と、スーパーリーチAを伴う変動パターン(スーパーリーチAの変動パターン)と、スーパーリーチBを伴う変動パターン(スーパーリーチBの変動パターン)と、スーパーリーチCを伴う変動パターン(スーパーリーチBの変動パターン)とが設定されている。
なお、この実施の形態3における第2特図変動パターンテーブルは、図39に示した実施の形態2における第2特図変動パターンテーブルと同様であるため、説明を省略する。また、この実施の形態3における第1特別図柄の停止図柄および第2特別図柄の停止図柄と、その後に制御される遊技状態との関係については、図40に示した実施の形態2における第1特別図柄の停止図柄および第2特別図柄の停止図柄と、その後に制御される遊技状態との関係と同様であるため、説明を省略する。
なお、図43では、大当り種別毎にテーブル(図43(A)〜(D))を設けていたが、そのような大当り種別毎のテーブルを設けずに、大当り種別に応じた所定の変動回数(3回、2回、1回)まで非リーチのロング変動の変動パターン(変動時間3分)を決定し、所定の変動回数以降は非リーチの通常変動の変動パターン(変動時間5秒)を決定し、非リーチの通常変動の変動パターンの実行後は図43(E)のテーブルを用いて変動パターンを決定するようにすれば、テーブルの数を減らすことができる。
また、非リーチのロング変動の変動パターンを実行した後に非リーチの通常変動の変動パターンを実行し、その後に図43(E)のテーブルを用いて変動パターンを決定するように構成していたが、非リーチのロング変動の変動パターンを実行した以降は、大当りと判定されない限り、非リーチの通常変動の変動パターンを決定するように構成してもよい。すなわち、図43(A)(B)(C)(D)における「4回」「3回」「2回」「1回」をそれぞれ「4回以降」「3回以降」「2回以降」「1回以降」とし、図43(E)のテーブルを設けないようにしてもよい。
図44は、実施の形態3における大当り種別と大当り終了後の変動パターンとの関係を示す説明図である。図44に示すように、大当り種別が通常大当り1または確変大当り1や通常大当り5または確変大当り5である場合、その大当り遊技が終了してから1回目〜3回目の第1特別図柄の変動において、大当り判定の判定結果がはずれのときは非リーチはずれのロング変動(変動時間3分)を実行し、4回目の第1特別図柄の変動において、大当り判定の判定結果がはずれのときは非リーチはずれの通常変動(変動時間5秒)を実行する。また、大当り種別にかかわらず、大当り遊技が終了してからの第2特別図柄の変動において、大当り判定の判定結果がはずれのときは非リーチはずれの通常変動(変動時間5秒)を実行し、大当り判定の判定結果が大当りのときはノーマルリーチまたはスーパーリーチDの変動を実行する。この場合、大当り遊技の終了から1回目〜3回目のロング変動が実行されている間に、第2特別図柄で出球の多い大当りが発生する可能性があるので、遊技者にとって有利になる可能性が相対的に高い。
また、図44に示すように、大当り種別が通常大当り2または確変大当り2や通常大当り6または確変大当り6である場合、その大当り遊技が終了してから1回目〜2回目の第1特別図柄の変動において、大当り判定の判定結果がはずれのときは非リーチはずれのロング変動(変動時間3分)を実行し、3回目の第1特別図柄の変動において、大当り判定の判定結果がはずれのときは非リーチはずれの通常変動(変動時5秒)を実行する。また、大当り種別にかかわらず、大当り遊技が終了してからの第2特別図柄の変動において、大当り判定の判定結果がはずれのときは非リーチはずれの通常変動(変動時間5秒)を実行し、大当り判定の判定結果が大当りのときはノーマルリーチまたはスーパーリーチDの変動を実行する。この場合、大当り遊技の終了から1回目〜2回目のロング変動が実行されている間に、第2特別図柄で大当りが発生する可能性があるので、遊技者にとって有利になる可能性がある。
また、図44に示すように、大当り種別が通常大当り3または確変大当り3や通常大当り7または確変大当り7である場合、その大当り遊技が終了してから1回目の第1特別図柄の変動において、大当り判定の判定結果がはずれのときは非リーチはずれのロング変動(変動時間3分)を実行し、2回目の第1特別図柄の変動において、大当り判定の判定結果がはずれのときは非リーチはずれの通常変動(変動時間5秒)を実行する。また、大当り種別にかかわらず、大当り遊技が終了してからの第2特別図柄の変動において、大当り判定の判定結果がはずれのときは非リーチはずれの通常変動(変動時間5秒)を実行し、大当り判定の判定結果が大当りのときはノーマルリーチまたはスーパーリーチDの変動を実行する。この場合、大当り遊技の終了から2回目の通常変動が実行されるまでに(すなわち、1回目の第1特別図柄の変動で)、第2特別図柄で大当りが発生する可能性が低いので、遊技者にとって有利になる可能性は低い。
また、図44に示すように、大当り種別が通常大当り4または確変大当り4や通常大当り8または確変大当り8である場合、その大当り遊技が終了してから1回目の第1特別図柄の変動において、大当り判定の判定結果がはずれのときは非リーチはずれの通常変動(変動時間5秒)を実行する。また、大当り種別にかかわらず、大当り遊技が終了してからの第2特別図柄の変動において、大当り判定の判定結果がはずれのときは非リーチはずれの通常変動(変動時間5秒)を実行し、大当り判定の判定結果が大当りのときはノーマルリーチまたはスーパーリーチDの変動を実行する。この場合、大当り遊技の終了の1回目の変動で通常変動が実行されるため、第1特別図柄において出球の少ない大当りが発生する可能性が高くなり、遊技者にとって不利になる可能性が相対的に高くなる。
このように、通常大当り1または確変大当り1や通常大当り5または確変大当り5が発生したときに、第2特別図柄で大当りが発生する可能性が高く、遊技者にとって最も有利であり、一方、通常大当り4または確変大当り4や通常大当り8または確変大当り8が発生したときに、第1特別図柄で大当りが発生する可能性が相対的に高く、遊技者にとって最も不利である。従って、遊技者は、確変大当りの発生を期待するが、確変大当りのなかでも確変大当り1や確変大当り5の発生を最も期待し、確変大当りでない場合は通常大当りのなかの通常大当り1や通常大当り5の発生を期待することになる。
なお、第1変動パターン設定処理については、図42に示した実施の形態2における第1変動パターン設定処理の内容と同様であるため、説明を省略する。
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、大当り遊技の終了後において大当り種別に応じた所定のタイミングまで長い変動時間の第1変動パターンを選択し、所定のタイミングの経過後に短い変動時間の第1変動パターンを選択するように構成したので、特別遊技状態(確変状態・時短状態)に制御されているときに有利度の異なる第1特定遊技状態(第1特別図柄の大当り)と第2特定遊技状態(第2特別図柄の大当り)の発生頻度を変化させることができ、特別遊技状態においていずれの特定遊技状態の発生頻度が高くなっているかについて興味を持たせることができる。
なお、上記の実施の形態3によれば、第1特別図柄において通常変動が実行されるタイミングまで第2特別図柄の大当りが発生しなかった場合は、その後(通常変動が実行された後)は第2特別図柄において大当りが発生する可能性が低くなる。従って、大当り後に第1特別図柄で通常変動が実行されるタイミング(変動回数)まで第2特別図柄の大当りが発生しなければ、遊技者に有利な第2特別図柄の大当りが発生する可能性が低くなる旨、遊技者に報知するようにしてもよい。例えば、大当り遊技の終了時(エンディング演出中)や大当り遊技の終了後の変動開始時などにおいて、通常変動が4回目に実行される場合は「第1特別図柄の4回転以内の第2特別図柄で大当をり発生させろ!」というミッションを提示し、通常変動の実行が開始された後は、15R大当りの可能性が低くなったことを遊技者に報知するような構成が考えられる。また、通常変動の実行が開始されるまでの時間は、通常変動までの変動の変動時間から認識することができるので、通常変動の実行の開始までの時間を遊技者に報知するようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態3では、通常変動のタイミングは、第1特別図柄の変動回数のみにもとづいて判断するように構成していたが、第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数にもとづいて判断するようにしてもよい。すなわち、ステップS205Aにおける変動回数は第1および第2特別図柄の変動回数としてもよい。
実施の形態4.
上記の実施の形態1では、第2変動パターンを選択するときの選択状態として、大当り種別に応じて第1選択状態(第1時短状態)または第2選択状態(第2時短状態)にいずれかに制御し、その制御されている選択状態にもとづいて変動パターンテーブルを選択し、選択した変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定するように構成していた(図10、図26参照)。しかし、そのような構成においては、選択状態として第1選択状態に制御されると、その後に第2選択状態に制御されないため遊技者は期待感を持てず、また、選択状態として第2選択状態に制御されると、その後に第1選択状態に制御されないため遊技者に緊張感を持たせることができなかった。そこで、この実施の形態4では、一旦、所定の選択状態に制御した後に、所定のタイミングで選択状態を切り替えるように構成したものである。
図45は、実施の形態4における第2変動パターン設定処理を示すフローチャートである。実施の形態4における第2変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、現在の遊技状態が確変状態中または時短状態中であるかを確認し(ステップS381)、現在の遊技状態が確変状態中または時短状態中であれば、変動回数カウンタの値を1加算する(ステップS382)。次に、CPU56は、第2大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS383)。
第2大当りフラグがセットされているときは(ステップS383のY)、CPU56は、図10(D)に示す大当り用第2特図変動パターンテーブルを用いることに決定する(ステップS384)。第2大当りフラグがセットされていないときは(ステップS383のN)、CPU56は、ステップS382で更新している変動回数カウンタの値が50以上であるか否かを判定し(ステップS385)、50以上であれば、第1時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS389)。第1時短フラグがセットされているときは(ステップS389のY)、CPU56は、図10(C)に示す第2時短時のはずれ用第2特図変動パターンテーブルを用いることに決定する(ステップS390)。第1時短フラグがセットされていないときは(ステップS389のY)、CPU56は、第2時短フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS391)、第2時短フラグがセットされているときは(ステップS391のY)、図10(B)に示す第1時短時のはずれ用第2特図変動パターンテーブルを用いることに決定する(ステップS392)。第2時短フラグがセットされていないときは(ステップS392のN)、図10(A)に示す通常時のはずれ用第2特図変動パターンテーブルを用いることに決定する(ステップS393)。
ステップS385において、変動回数カウンタの値が50以上でないと判定した場合は、CPU56は、第2時短フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS386)、第2時短フラグがセットされていないときは(ステップS386のN)、図10(B)に示す第1時短時のはずれ用第2特図変動パターンテーブルを用いることに決定する(ステップS387)。第2時短フラグがセットされているときは(ステップS386のY)、図10(C)に示す第2時短時のはずれ用第2特図変動パターンテーブルを用いることに決定する(ステップS388)。
その後の処理は、図26のステップS226〜S233と同様であるため、説明を省略する。
以上のように、この実施の形態4によれば、所定の選択状態に制御した後に、所定のタイミング(大当り終了後の変動回数50回)で選択状態を切り替えるように構成したので、有利度の高い特定遊技状態(第2特別図柄の大当り)の発生頻度が低くなった場合でも、遊技者が遊技意欲をなくしてしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態4では、上記の実施の形態1の構成の一部を変更して実現していたが、上記の実施の形態2,3の構成の一部を同様に変更することによっても実現することが可能である。すなわち、上記の実施の形態2,3の構成にも適用可能である。
また、選択状態を切り替えるタイミングは、大当り終了後の変動回数50回としていたが、そのような構成に限られず、50回未満や50回以上であってもよい。また、選択状態を切り替えるタイミングを大当り終了後の変動回数50回、100回、150回など、複数設けるように構成してもよい。
また、実施の形態2において、選択状態を切り替えるタイミングを、超ロング変動のタイミングに応じて変更するようにしてもよい。例えば、実施の形態2において、通常変動(変動時間5秒)3回の場合(4回目に超ロング変動を行う場合)は大当り終了後の変動回数20回以降の変動において再び通常変動(変動時間5秒)とし、通常変動(変動時間5秒)2回の場合は大当り終了後の変動回数10回以降の変動において再び通常変動(変動時間5秒)とし、通常変動(変動時間5秒)1回の場合は大当り終了後の変動回数5回以降の変動において再び通常変動(変動時間5秒)とするようにしてもよい。
また、実施の形態3において、選択状態を切り替えるタイミングを、通常変動のタイミングに応じて変更するようにしてもよい。例えば、実施の形態3において、ロング変動(変動時間3分)3回の場合(4回目に通常変動を行う場合)は大当り終了後の変動回数50回以降の変動において再びロング変動(変動時間3分)とし、ロング変動(変動時間3分)2回の場合は大当り終了後の変動回数40回以降の変動において再びロング変動(変動時間3分)とし、ロング変動(変動時間3分)1回の場合は大当り終了後の変動回数30回以降の変動において再びロング変動(変動時間3分)とするようにしてもよい。
また、1回だけ選択状態を切り替える構成ではなく、選択状態を複数回切り替えるように構成してもよい。すなわち、遊技者にとって有利な選択状態から不利な選択状態に所定のタイミングで切り替え、その後、遊技者にとって不利な選択状態から有利な選択状態に切り替え、その後、再び遊技者にとって有利な選択状態から不利な選択状態に所定のタイミングで切り替えるような構成を繰り返すようにしてもよい。
実施の形態5.
上記の実施の形態1では、第2特別図柄に大当り図柄が停止表示されたことにもとづく大当りが第1特別図柄に大当り図柄が停止表示されたことにもとづく大当りよりも、数多くの出球獲得数を期待できるため遊技者にとって有利である。また、上記の実施の形態1では、一方の特別図柄で大当りとなった場合は他方の特別図柄の変動を中断するように構成していた(ステップS314〜S318、ステップS344〜S348参照)。ここで、第2特別図柄で変動時間の長いリーチ変動(図9、図10ではリーチ変動は長いものでも30秒程度としていたが、変動時間が3分のように変動時間の長いリーチ変動を設けることが一般的である)の実行中に第1特別図柄で大当りとなったとき、仮に第2特別図柄の変動が中断されてしまうと、大当り遊技後に第2特別図柄の変動が再開されて変動時間の長いリーチ変動が行われ、その長いリーチ変動が行われている間に第1特別図柄で大当りとなってしまうおそれがある。この場合、この実施の形態1(および実施の形態2〜4)のメリット(第2特別図柄の変動時間または第1特別図柄の変動時間を調整することにより遊技者にとって有利な第2特別図柄の大当りの発生率を変化させるという特徴)を活かせなくなってしまう。そこで、この実施の形態5では、第2特別図柄の変動の実行中に第1特別図柄で大当りとなったとき、第2特別図柄の変動を中断させずに強制的に終了させるとともに、第1特別図柄の大当り遊技の実行中に新たな第2特別図柄の変動を開始させないように構成したものである。
図46は、実施の形態5における第2特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。第2特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が第2始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS351のY)、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS353)。第2始動口スイッチ通過処理の内容は図16に示した第1始動口スイッチ通過処理において「第1」を「第2」と置き換えただけであるため、説明を省略する。
次に、CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値が、第1大当り図柄停止処理〜第1大当り終了処理のいずれかに応じた値(具体的には、第1大入賞口開放前処理〜第1大当り終了処理のいずれかに応じた値は「6」〜「9」)であるかどうかを確認する(ステップS354)。第1特別図柄プロセスフラグの値が、第1大入賞口開放前処理〜第1大当り終了処理のいずれかに応じた値である場合には(ステップS354のY)、第2特別図柄(第2演出図柄)が変動中であって、かつ、演出制御用CPU101において第2演出図柄の変動を強制的に終了させる強制終了指定コマンドを未だ送信していないか否かを判定する(ステップS355)。強制終了指定コマンドを送信したか否かは、強制終了指定コマンドを送信したときに強制終了指定コマンド送信フラグをセットし、そのフラグがセットされているか否かによって判定する。
第2特別図柄(第2演出図柄)が変動中であって、かつ、強制終了指定コマンドを未送信であると判定した場合は(ステップS355のY)、CPU56は、強制終了指定コマンドを演出制御用CPU101に送信するとともに(ステップS356)、第2特別図柄の変動を強制的にはずれ図柄で停止表示させる処理(具体的には、変動時間タイマの値をクリアする処理)を実行する(ステップS357)。なお、演出制御用CPU101は、CPU56からの強制終了指定コマンドを受信すると、第2演出図柄の変動を強制的にはずれ図柄で停止表示させる処理(具体的には、変動時間タイマの値をクリアする処理)を実行し、第2演出制御プロセスフラグの値を第2変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示し値(「0」)に更新する。さらに、CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2特別図柄通常処理(ステップS330)を示す値(具体的には「0」)に更新する処理を実行する(ステップS358)。なお、ステップS355において、CPU56が第2特別図柄(第2演出図柄)が変動中でないと判定した場合、または、強制終了指定コマンドを送信済みであると判定した場合は(ステップS355のN)、処理を終了する。
ステップS355〜S358の処理によって、第2特別図柄および第2演出図柄の変動を強制的に終了させることができるとともに、第1特別図柄および第1演出図柄の大当り遊技が終了するまで新たな第2特別図柄および第2演出図柄の変動が開始されることを禁止(制限)することができる。
なお、ステップS330〜S339の処理については、図24に示した処理と同様であるため、説明を省略する。
以上のように、この実施の形態5によれば、第2特別図柄の変動の実行中に第1特別図柄で大当りとなったとき、第2特別図柄の変動を中断させずに強制的に終了させるとともに、第1特別図柄の大当り遊技の実行中に新たな第2特別図柄の変動を開始させないように構成したので、第2特別図柄で大当りが発生する可能性が低減してしまうことを防止することができる。
なお、上記の各実施の形態では、片方の特別図柄の変動時間を調整することによって、有利な大当りの発生確率を調整するようにしていたが、両方の特別図柄の変動時間を調整することによって、有利な大当りの発生確率を調整するようにしてもよい。
なお、上記の各実施の形態では、先読み予告(始動入賞時にランダム1,2,4,5などを抽出し、それらの乱数値にもとづいて大当り判定や大当り種別判定、変動パターンの決定などを行い、それらの決定結果にもとづいて、当該始動入賞にもとづく変動が開始される前の変動において大当りやリーチ等の予告を行うもの)を実行するように構成されていてもよい。
なお、上記の各実施の形態では、図2に示したように、演出表示装置9の画面上における第1演出図柄表示領域9Aに第1演出図柄を表示し、第2演出図柄表示領域9Bに第2演出図柄を表示するように構成していたが、第1演出図柄または第2演出図柄のいずれか一方のみを演出表示装置9の画面上に表示するように構成されていてもよい。
また、上記の実施の形態では、通常時、第1時短時、第2時短時の3段階の変動パターンテーブルを設けていたが、通常時と時短時の2段階の変動パターンテーブルだけとし、大当り後は、通常状態か時短状態(確変状態を含む)のいずれかに制御するようにしてもよい。
また、各実施の形態の構成および変形例の構成は、適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入して入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記録装置にプリインストールしておくことで配布される形態をとっても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態をとっても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。