(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図2参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図2参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「-」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ9の点等/消灯、可動体32の動作等により行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32又は当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図3は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図3に示す遊技制御メイン処理では、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS3)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(ステップS3;Yes)、初期化処理(ステップS8)を実行する。初期化処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
また、CPU103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS9)。演出制御用CPU120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS3;No)、RAM102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS4)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときには、CPU103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS4では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS4;No)、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS4;Yes)、CPU103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM102のデータが正常であると判定する。
RAM102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS5;No)、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102のデータが正常であると判定された場合(ステップS5;Yes)、CPU103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS6)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
そして、CPU103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS7)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、電断からの復旧がなされたこと又は電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU120は、演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板12に演出制御コマンドを送信した後には、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS10)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS11)、割込みを許可する(ステップS12)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図4のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図4に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図5は、特別図柄プロセス処理として、図4に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図4に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110~S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110~S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図6のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図6に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図7は、演出制御プロセス処理として、図6のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170~S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「-」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「-」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
(特徴部025IWに関する説明)
次に、この実施の形態の特徴部025IWについて説明する。本特徴部025IWでは、遊技状態として、通常状態(非時短状態)または時短状態のいずれかに制御される。本例では、時短状態では、通常状態と比較して平均的な特図変動時間が短縮されるとともに、通常状態と比較して平均的な普図変動時間が短縮され、通常状態と比較して普図ゲームで「普図当り」となる確率が高くなる。例えば、通常状態では普図当り確率が10%であるのに対して、時短状態では普図当り確率が90%に高められ、可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)に遊技球が入賞しやすくなる。なお、そのような態様にかぎらず、例えば、時短状態では、通常状態と比較して、可変入賞球装置6Bの開放時間を長くすることによって、可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)に遊技球が入賞しやすくなるように構成してもよい。
本例では、遊技機への電源投入後(例えば、RAMクリア処理が実行された場合)や、大当り発生後に、所定回数(本例では、678回)の変動表示を終了しても次の大当りが発生しなかったときにも、時短状態(救済時短)に制御される場合がある。この時短状態(救済時短)は、長期間に亘り遊技を行ったにもかかわらず大当りが発生しなかった遊技者を救済するため(例えば、遊技への投資金を抑制するため)に設けられているものであり、「遊タイム」とも呼ばれる遊技状態である。なお、本例では、救済時短発生後には、次の大当りが発生することなく所定回数(本例では、678回)の変動表示を終了しても、再び救済時短に制御されないように構成されているが、このような構成に限らず、救済時短発生後にも次の大当りが発生することなく所定回数(本例では、678回)の変動表示を終了した場合には、再び救済時短に制御される場合があるように構成してもよい。
なお、本例の構成に加えて、変動表示結果が大当りとなって大当り遊技終了後に時短状態に制御される場合に加えて、変動表示結果がはずれとなる場合であっても時短はずれ図柄が導出表示されたことにもとづいて時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。また、大当り発生後に、所定回数(本例では、678回)の変動表示を終了しても次の大当りが発生しなかったときに、時短状態(救済時短)に制御される場合があるという構成に代えて、例えば、大当りまたは時短はずれ発生後に、所定回数(本例では、678回)の変動表示を終了しても次の大当りまたは時短はずれが発生しなかったときに、時短状態(救済時短)に制御される場合があるという構成としてもよい。
以下、時短状態のうち、大当り遊技終了後に制御される時短状態を大当り経由の時短状態Aともいい、所定回数(本例では678回)の変動表示を終了しても次の大当りが発生しなかったことにもとづいて制御される時短状態を救済時短経由の時短状態Bや救済時短ともいい、時短はずれ図柄が導出表示されたことにもとづいて制御される時短状態を時短はずれ経由の時短状態Cともいう。
時短状態では、(1)普図当り確率を高める制御と、(2)普通図柄の変動時間を短縮する制御と、(3)可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)の開放時間を長くする制御と、(4)特別図柄の変動時間を短縮する制御とが行われ得るのであるが、それら(1)~(4)の全ての制御を行ってもよいし、(1)~(4)のうちの一部の制御を行わなくてもよい。例えば、大当り経由の時短状態と、時短はずれ経由の時短状態と、救済時短経由の時短状態とで、(1)~(4)のうちのいずれの制御を行うかが異なっていてもよいし、同じであってもよい。
救済時短に制御されるまでの変動回数nおよび救済時短での時短回数Nは、以下のように規定することが好ましい。
2.5P≦n≦3.0P
0.4P≦N≦3.8P
(P=大当り確率MLの分母、n=作動回数、N=時短回数)
具体的には、例えば、大当り確率が1/230である場合には、変動回数nは575~690となり、時短回数Nは92~874となる。
なお、設定値s毎に大当り確率が異なる構成とする場合には、変動回数nとして、大当り確率が最も低い設定値が設定されている場合に該当し得る値が設定され、時短回数Nとして、大当り確率が最も低い設定値が設定されている場合に該当し得る値が設定されるようにすればよい。
本例では、時短状態では第2特別図柄の変動表示が実行されやすいのであるが、後述するように第2特別図柄の変動表示が実行される場合には小当り確率が高くなるように構成されているので、時短状態は小当り遊技状態に制御されやすい状態である。
(盤面構成)
図8-1は、特徴部025IWにおけるパチンコ遊技機の正面図である。特徴部025IWにおけるパチンコ遊技機1では、遊技領域においては、遊技球が流下する流下経路のうちの第1経路が、正面から見て画像表示装置5よりも左側の領域に主に設けられ、遊技球が流下する流下経路のうち第1経路とは異なる第2経路が、正面から見て画像表示装置5よりも右側の領域に主に設けられている。
第1経路に遊技球を流下させるために画像表示装置5の左側領域(左側遊技領域)に遊技球を打込むことが左打ちと呼ばれる。第2経路に遊技球を流下させるために画像表示装置5の右側領域(右側遊技領域)に遊技球を打込むことが右打ちと呼ばれる。第1経路は、遊技領域の左側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、左打ち経路と呼ばれてもよい。また、第2経路は、遊技領域の右側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、右打ち経路と呼ばれてもよい。
なお、第1経路と第2経路とは、別の経路により構成されてもよく、一部が共有化された経路であってもよい。左遊技領域と右遊技領域とは、たとえば、遊技領域内における画像表示装置5の端面や遊技釘の配列等により区分けされていればよい。
打球操作ハンドル30の操作に応じて打球発射装置から発射されて遊技領域に打込まれた遊技球は、左遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、右遊技領域へは誘導不可能または誘導困難となる。また、遊技球は、右遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、左遊技領域へは誘導不可能または誘導困難となる。
遊技領域のうちの左遊技領域に打分けられた遊技球が進入可能な構造物として、第1始動入賞口を構成する入賞球装置6Aが設けられている。
遊技領域のうちの右遊技領域に打分けられた遊技球が進入可能な構造物として、通過ゲート41、第2始動入賞口を構成する可変入賞球装置6B、特殊入賞口を構成する特殊可変入賞球装置025IW17、および大入賞口を構成する特別可変入賞球装置7が設けられている。
左遊技領域では、入賞口構造物のうち入賞球装置6Aに遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、入賞球装置6Aに遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を左打ちすればよい。また、右遊技領域では、入賞口構造物のうち可変入賞球装置6B、通過ゲート41、特殊可変入賞球装置025IW17、および特別可変入賞球装置7に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、可変入賞球装置6B、通過ゲート41、特殊可変入賞球装置025IW17、および特別可変入賞球装置7に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。ただし、図8-1に示すように、可変入賞球装置6Bによって形成される第2始動入賞口の直上には遊技釘が植設されているため、可変入賞球装置6Bが閉鎖状態であるときに遊技球は第2始動入賞口に進入することができず、可変入賞球装置6Bが開放状態であるときに遊技球は第2始動入賞口に進入することができる。
なお、右遊技領域に打分けられた遊技球が入賞球装置6Aに進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は左遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。逆に、左遊技領域に打分けられた遊技球が通過ゲート41、および、可変入賞球装置6Bに進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は右遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。
特殊可変入賞球装置025IW17は、小当りが発生したときに大当りを発生させるための条件となる遊技球のV入賞を判定するための装置である。
また、特徴部025IWにおけるパチンコ遊技機1では、図1に示したパチンコ遊技機1の盤面構成に加えて、図8-1に示すように、普図保留表示器25Cの下方に右打ちLED025IW10が設けられている。また、図8-1に示すように、画像表示装置5の右方に右打ち報知LED025IW20が設けられている。
(特殊可変入賞球装置)
図8-2は、本特徴部025IWにおける特殊可変入賞球装置025IW17の構成例を示す説明図である。図8-2に示すように、特殊可変入賞球装置025IW17には、遊技球が流下する流路の底面として形成される板状の底面部材025IW17aが設けられ、小当り遊技状態において、底面部材025IW17aを前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材025IW17aを後方に向けて後退移動させることにより、入賞領域となる特殊入賞口が開状態とされる。特殊入賞口内に入賞した遊技球は、特殊入賞口スイッチ025IW24によって検出される。
なお、本例では、特別可変入賞球装置7(大入賞口)に遊技球が入賞してカウントスイッチ23で検出された場合には15個の賞球が得られるのに対して、特殊可変入賞球装置025IW17(特殊入賞口)に遊技球が入賞して特殊入賞口スイッチ025IW24で検出された場合には3個の賞球が得られるものとする。
また、底面部材025IW17aは、遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)によって、ソレノイド025IW83が駆動されることによって閉状態から開状態に制御される。
本特徴部025IWでは、図8-2に示すように、特殊可変入賞球装置025IW17(特殊入賞口)内に入賞した遊技球は、さらに特殊可変入賞球装置025IW17の右方に設けられた誘導経路025IW01に導かれる。誘導経路025IW01は、さらに2つの経路025IW02,03に分岐しており、誘導経路025IW01に導かれた遊技球は、左側経路025IW02または右側経路025IW03に導かれる。左側経路025IW02はV入賞口となっており、V入賞口に入賞した遊技球は、V入賞口スイッチ025IW20aによって検出される。
図8-2に示すように、左側経路025IW02(V入賞口)の入口付近には、V入賞口開閉板025IW20が設けられており、V入賞口開閉板025IW20が開状態であるときに、誘導経路025IW01に導かれた遊技球が左側経路025IW02(V入賞口)に進入し、V入賞口可能である。また、V入賞口開閉板025IW20が閉状態であるときには、誘導経路025IW01に導かれた遊技球が右側経路025IW03に進入し、遊技領域の裏側に排出される。
なお、V入賞口開閉板025IW20は、遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)によって、ソレノイド025IW84が駆動されることによって閉状態から開状態に制御される。
また、本特徴部025IWでは、小当り遊技状態に制御されると、その小当り遊技状態中に遊技球がV入賞口025IW02に進入し、V入賞口スイッチ025IW20Aによって検出されたことを条件として、その小当り遊技の終了後に大当り遊技状態に制御される。
また、本例では、特殊可変入賞球装置025IW17には、底面部材025IW17a上を流下する遊技球の流下速度を低下させる複数の規制片が形成されている。本例では、特殊可変入賞球装置025IW17において規制片が設けられていることによって、右上から左下方向に向けて流下する遊技球を前後方向成分の動きをもって蛇行するように、遊技球の流下方向を変更させて、その流下にかかる時間を、規制片がない場合よりも遅延させる。
なお、本例では、図8-2に示すように、特殊可変入賞球装置025IW17(特殊入賞口)内において、上流側に特殊入賞口スイッチ025IW24が設けられ、下流側でV入賞口と排出口とに分岐してV入賞口側にV入賞口スイッチ025IW20Aが設けられている場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、特殊可変入賞球装置025IW17(特殊入賞口)内の上流側でV入賞口側と一般入賞口側とに分岐し、V入賞口側にV入賞口スイッチ025IW20Aが設けられているとともに、一般入賞口側に特殊入賞口スイッチ025IW24が設けられているように構成してもよい。
(基板構成)
図8-3は、特徴部025IWにおける各種の制御基板などを示す構成図である。図8-3に示すように、本特徴部025IWでは、スイッチ回路110は、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23、特殊入賞口スイッチ025IW24、およびV入賞口スイッチ025IW20aからの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81や、ソレノイド82、ソレノイド025IW83、ソレノイド025IW84をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉(特別可変入賞球装置7)用のソレノイド82、特殊可変入賞球装置025IW17用のソレノイド025IW83、V入賞口開閉板025IW20用のソレノイド025IW84に伝送する。
(大当り判定テーブルおよび小当り判定テーブル)
図8-4は、大当り判定テーブルおよび小当り判定テーブルの例を示す説明図である。このうち、図8-4(A)は、大当り判定テーブルの例を示している。本例では、図8-4に示すように、第1特別図柄の変動表示を実行する場合と第2特別図柄の変動表示を実行する場合とのいずれであっても、約1/230の確率で大当りとすることに決定される。
図8-4(B)は、第1特別図柄の変動表示を実行する場合の小当り判定テーブルの例を示している。また、図8-4(C)は、第2特別図柄の変動表示を実行する場合の小当り判定テーブルの例を示している。図8-4(B)に示すように、本例では、第1特別図柄の変動表示を実行する場合、小当りとすることに決定されない。また、図8-4(C)に示すように、本例では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合、約1/8の確率で小当りとすることに決定される。
本例では、図8-4(B),(C)に示すように、第1特別図柄の変動表示では小当りとすることに決定されず、第2特別図柄の変動表示では約1/8の確率で小当りとすることに決定されるように構成されている。このような点で、第2特別図柄の変動表示の方が第1特別図柄の変動表示よりも有利度が高いため、第2特別図柄の変動表示が実行されることに注目させて、興趣を向上させることができる。
(大当り種別判定テーブル、小当り種別判定テーブル)
最初に、大当り種別について説明する。図8-5(A)は、ROM101に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図8-5(A)に示すように、大当り種別判定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、種別判定用の乱数にもとづいて、大当りの種別を「3R時短大当りA」、「3R時短大当りB」、「6R時短大当り」、「7R時短大当り」、「10R時短大当りA」および「10R時短大当りB」のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
「3R時短大当りA」とは、3ラウンドの大当り遊技状態に制御され、その大当り遊技状態の終了後に時短回数1回の時短状態に制御される大当りである。「3R時短大当りB」とは、3ラウンドの大当り遊技状態に制御され、その大当り遊技状態の終了後に時短回数7回の時短状態に制御される大当りである。「6R時短大当り」とは、6ラウンドの大当り遊技状態に制御され、その大当り遊技状態の終了後に時短回数7回の時短状態に制御される大当りである。「7R時短大当り」とは、7ラウンドの大当り遊技状態に制御され、その大当り遊技状態の終了後に時短回数7回の時短状態に制御される大当りである。「10R時短大当りA」とは、10ラウンドの大当り遊技状態に制御され、その大当り遊技状態の終了後に時短回数7回の時短状態に制御される大当りである。「10R時短大当りB」とは、10ラウンドの大当り遊技状態に制御され、その大当り遊技状態の終了後に時短回数99回の時短状態に制御される大当りである。
本例では、「時短回数1回の時短状態」とは、第2特別図柄の変動表示を1回終了するか、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを合計5回終了するか、次の大当りが発生するか、次の小当りとなるまで維持される時短状態である。また、「時短回数7回の時短状態」とは、第2特別図柄の変動表示を7回終了するか、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを合計11回終了するか、次の大当りが発生するか、次の小当りとなるまで維持される時短状態である。また、「時短回数99回の時短状態」とは、第2特別図柄の変動表示を99回終了するか、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを合計99回終了するか、次の大当りが発生するか、次の小当りとなるまで維持される時短状態である。
図8-5(A)に示すように、本例では、第1特別図柄の変動表示が実行されて大当りとなる場合には、99%の確率で「3R時短大当りA」と決定され、1%の確率で「10R時短大当りB」と決定される。また、図8-5(A)に示すように、本例では、第2特別図柄の変動表示が実行されて大当りとなる場合には、45%の確率で「3R時短大当りB」と決定され、4%の確率で「6R時短大当り」と決定され、1%の確率で「7R時短大当り」と決定され、40%の確率で「10R時短大当りA」と決定され、10%の確率で「10R時短大当りB」と決定される。
図8-5(A)に示すように、本例では、第2特別図柄で大当りとなったときには、第1特別図柄で大当りとなったときよりも、複数の大当り種別のうちの、大当り遊技中のラウンド数および大当り遊技後の時短回数という点で有利度が高い大当り種別に決定される割合が高くなるように構成されている。このような点でも、第2特別図柄の変動表示の方が第1特別図柄の変動表示よりも有利度が高いため、第2特別図柄の変動表示が実行されることに注目させて、興趣を向上させることができる。また救済時短が成立した後に制御される時短状態Bが、第1特別図柄よりも第2特別図柄を契機として大当りとなりやすい状態であるため、遊技者に有利な状態であることの認識度合いを高めて興趣を向上させることができる。
なお、大当り種別は、本例で示した態様にかぎられない。例えば、時短回数が異なる(例えば、3回や5回)さらに複数種類の時短大当りを設けたり、ラウンド数が異なる(例えば、2ラウンドや4ラウンド)さらに複数種類の時短大当りを設けたりしてもよい。また、本例では、大当り遊技終了後に時短状態に移行する時短大当りのみが設けられている場合を示しているが、大当り遊技終了後に時短状態に移行しない非時短大当り(通常大当り)を設けるように構成してもよい。
また、大当り遊技後に制御される時短状態(大当り経由の時短状態A)は、本例で示した態様にかぎられない。例えば、変動回数に関わらず、次の大当りが発生するか、次の小当りが発生するまで維持される時短状態(大当り経由の時短状態A)を設けるようにしてもよい。この場合、例えば、時短状態(高ベース状態)において10R時短大当りBが発生した場合に、大当り遊技後に制御される時短状態(大当り経由の時短状態A)が、変動回数に関わらず、次の大当りが発生するか、次の小当りが発生するまで維持されるようにしてもよい。
次いで、小当り種別について説明する。図8-5(B)は、ROM101に記憶されている小当り種別判定テーブルを示す説明図である。
図8-5(B)に示すように、小当り種別判定テーブルは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、種別判定用の乱数にもとづいて、小当りの種別を「小当りA」、「小当りB」、「小当りC」、「小当りD」および「小当りE」のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
「小当りA」とは、小当り遊技中(第1ラウンド目)にV入賞したことを条件として、第2ラウンド~第3ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に時短回数7回の時短状態に移行させる小当りである。「小当りB」とは、小当り遊技中(第1ラウンド目)にV入賞したことを条件として、第2ラウンド~第6ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に時短回数7回の時短状態に移行させる小当りである。「小当りC」とは、小当り遊技中(第1ラウンド目)にV入賞したことを条件として、第2ラウンド~第7ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に時短回数7回の時短状態に移行させる小当りである。「小当りD」とは、小当り遊技中(第1ラウンド目)にV入賞したことを条件として、第2ラウンド~第10ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に時短回数7回の時短状態に移行させる小当りである。「小当りE」とは、小当り遊技中(第1ラウンド目)にV入賞したことを条件として、第2ラウンド~第10ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に時短回数99回の時短状態に移行させる小当りである。
なお、小当り種別は、本例で示した態様にかぎられない。例えば、時短回数が異なる(例えば、3回や10回)さらに複数種類の小当り種別を設けてもよいし、変動回数に関わらず、次の大当りが発生するか、次の小当りが発生するまで時短状態(大当り経由の時短状態A)が維持される小当り種別を設けてもよい。また、本例では、遊技者が意図的に発射操作を行わないようにすることがなければ、小当り遊技中にV入賞可能であるように構成されているのであるが、小当り遊技中に実質的にV入賞が不可能であり、小当り遊技後に大当り遊技に移行することのないV入賞なし小当りを設けるように構成してもよい。
また、大当り遊技後の時短状態は、本例で示した態様にかぎられない。例えば、時短状態に制御されているときに第1特別図柄で大当りとなるときの有利度は、通常状態に制御されているときに第1特別図柄で大当りとなるときよりも高くなるようにしてもよい。具体的には、通常状態において第1特別図柄で大当りとなったときには99%の割合で大当り後の時短回数が1回となり、時短状態において第1特別図柄で大当りとなったときには100%の割合で大当り後の時短回数が7回以上となるようにしてもよい。そのような構成によれば、救済時短の成立後の時短状態において第1特別図柄の可変表示を契機として大当りとなるときの残念感(せっかく時短状態に移行したのに大当りに制御される契機が第1特別図柄であるため有利度が低くなる)を軽減することができ、興趣の低下を抑えることができる。
(各遊技状態の概要)
次に、各遊技状態の概要について説明する。図8-6は、各遊技状態の概要を説明するための説明図である。
図8-6に示すように、本例では、大当り遊技状態や小当り遊技状態の他に、遊技状態として、通常状態(低ベース状態)と、大当り経由の時短状態A(高ベース状態)と、救済時短経由の時短状態B(高ベース状態)とに制御される。
また、図8-6に示すように、大当り経由の時短状態Aおよび救済時短経由の時短状態B(すなわち高ベース状態)では、普図当り時に5000ms×1回の開放が行われる。そのため、時短状態Aおよび時短状態Bでは、可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)に遊技球を入賞させることが容易となるため、可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)に遊技球を入賞させる右打ちを促す報知が行われ、主として第2特別図柄の変動表示が実行される。
本例では、図8-6に示すように、大当り経由の時短状態Aと救済時短経由の時短状態Bとで、共通の有利度の制御パターンにより可変入賞球装置6Bが制御されるように構成されている。具体的には、大当り経由の時短状態A(高ベース状態)と、救済時短経由の時短状態B(高ベース状態)とでは、共通の制御パターン(5000ms×1回の開放)により可変入賞球装置6Bの制御が行われる。このような構成により、救済時短による時短状態Bでの遊技者の救済度合いを高めて興趣を向上させることができる。なお、図8-6に示す構成に限らず、救済時短経由の時短状態Bと大当り経由の時短状態Aとで、異なる有利度の制御パターンにより可変入賞球装置6Bが制御されるように構成されていてもよい。
また本例では、図8-6に示すように、救済時短が成立し、時短状態(救済時短経由の時短状態B)に移行すると、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを合計99回終了するか、次の大当りが発生するか、次の小当りが発生するまで時短状態(救済時短経由の時短状態B)を維持する。すなわち、救済時短経由の時短状態Bは、大当り経由の時短状態Aよりも時短回数が多く有利度が高いか、時短回数が同じで有利度が同じである。このような構成により、救済時短による救済度合いを高めることができ、救済時短での遊技意欲を遊技者に持たせることができる。
本例では、大当り経由の時短状態A(高ベース状態)は、第1特別図柄の変動表示よりも有利度が高い第2特別図柄の変動表示を主として実行させることができるという利点がある。しかし、大当り経由の時短状態A(高ベース状態)の終了条件が、例えば、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれの変動表示であるかに関わらず1回実行されることと定められていると、利点を活かせないまま大当り経由の時短状態A(高ベース状態)が終了してしまうおそれがある。例えば、大当り経由の時短状態A(高ベース状態)に制御された時点で、第2特別図柄の変動表示に対応する第2保留記憶が記憶されておらず、第1特別図柄の変動表示に対応する第1保留記憶のみが記憶されている場合には、第1保留記憶にもとづいて第1特別図柄の変動表示が実行され、大当り経由の時短状態A(高ベース状態)が終了してしまうことになる。
そこで、本例では、大当り経由の時短状態Aは、第2特別図柄の変動表示に関する終了条件が成立したときに終了するように構成されている。具体的には、「時短回数1回の時短状態」では、第2特別図柄の変動表示を1回終了することが大当り経由の時短状態A(高ベース状態)の終了条件となっている。
なお、本例では、第1特別図柄の変動表示のみが実行されて大当り経由の時短状態A(高ベース状態)が延々と継続するという事態が生じないように、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを合計5回終了することも、大当り経由の時短状態A(高ベース状態)の終了条件となっている。ただし、この終了条件も、大当り経由の時短状態Aに制御された時点で第1保留記憶が上限数(本例では「4」)まで記憶されており、それら全ての第1保留記憶にもとづいて第1特別図柄の変動表示が4回終了したとしても、成立しないように構成されている。
このような構成により、本例では、大当り経由の時短状態A(高ベース状態)に制御される前に記憶された第1保留記憶にもとづいて第1特別図柄の変動表示が実行されて大当り経由の時短状態A(高ベース状態)が終了すること、すなわち遊技者が大当り経由の時短状態A(高ベース状態)の利点を活かせず不利益が発生することを回避することができる。
なお本例では、時短状態として、大当り経由の時短状態Aおよび救済時短経由の時短状態Bが設けられているが、時短はずれ経由の時短状態Cも設けられている場合には、大当り経由の時短状態Aおよび救済時短経由の時短状態Bと、時短はずれ経由の時短状態Cとで、可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)の制御パターンが異なり、可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)への入賞しやすさが異なるように構成されていてもよい。具体的には、大当り経由の時短状態Aおよび救済時短経由の時短状態Bでは、普図当り時に5000ms×1回の開放が行われるのに対して、時短はずれ経由の時短状態Cでは、16ms×2回の開放が行われるようにしてもよい。このような時短はずれ経由の時短状態Cを設ける構成とする場合には、大当り経由の時短状態Aおよび救済時短経由の時短状態Bを高ベース状態ともいうのに対して、時短はずれ経由の時短状態Cを中ベース状態ともいう。
時短はずれ経由の時短状態C(中ベース状態)を設ける構成とする場合には、大当り経由の時短状態Aおよび救済時短経由の時短状態B(すなわち高ベース状態)においては、可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)に遊技球を入賞させることが容易となるのに対して、時短はずれ経由の時短状態C(中ベース状態)においては、通常状態(低ベース状態)よりも普図当り時の可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)の制御が有利に行われるものの、可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)に遊技球を入賞させることは困難なままである。よって、時短はずれ経由の時短状態C(中ベース状態)においては、通常状態(低ベース状態)と同様に、可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)に遊技球を入賞させる右打ちを促す報知ではなく、入賞球装置6A(第1始動入賞口)に遊技球を入賞させる左打ちを促す報知が行われ、主として第1特別図柄の変動表示が実行される。
また、時短はずれ経由の時短状態C(中ベース状態)を設ける構成とする場合には、時短はずれ経由の時短状態C(中ベース状態)は、通常状態(低ベース状態)よりも、大当りとなったときに有利度が高い時短状態(すなわち大当り経由の時短状態A)に制御される割合が高い点で有利となるように構成されている一方で、時短状態Aおよび時短状態B(すなわち高ベース状態)よりも、遊技球が第2始動入賞口に入賞しにくい制御パターンにより可変入賞球装置6Bが制御され、第1特別図柄の変動表示よりも有利度が高い第2特別図柄の変動表示が主として実行されないように構成されているようにしてもよい。このような構成の組み合わせにより、時短はずれ経由の時短状態C(中ベース状態)の有利度を過度に高めず、射幸性の上昇を抑えて健全な遊技性を実現することができる。
また、時短はずれ経由の時短状態C(中ベース状態)を設ける構成とする場合には、例えば、画像表示装置5の左側領域(左側遊技領域)にも通過ゲート41を設け、時短はずれ経由の時短状態C(すなわち中ベース状態)においても、普図当り時に所定割合で5000ms×1回の開放が行われるようにしてもよい。また、普図当りが発生して5000ms×1回の開放が行われる場合には、普通図柄の変動時間や、可変入賞球装置6Bが開放前のファンファーレ期間を長くして、右打ち報知を行うようにしてもよい(可変入賞球装置6Bの開放終了後、第2特別図柄の変動表示で大当りや小当り、時短はずれとならなければ、右打ち報知を終了して左打ち報知を行う)。このような構成により、時短はずれ経由の時短状態Cに制御されているときの多様な遊技性を実現することができ、興趣を向上させることができる。ただし、有利度を過度に高めず、射幸性の上昇を抑えて健全な遊技性を実現するという点から、時短はずれ経由の時短状態C(すなわち中ベース状態)では、大当り経由の時短状態Aおよび救済時短経由の時短状態B(すなわち高ベース状態)よりも、遊技球が第2始動入賞口に入賞しにくい制御パターンにより可変入賞球装置6Bが制御される割合が高いことが望ましい。なお、例えば、時短はずれ経由の時短状態C(すなわち中ベース状態)において、普図当りが発生して5000ms×1回の開放が行われる場合には、16ms×2回の開放が行われる場合や、普図はずれとなる場合に比べて、普通図柄の変動時間が長くなるようにする(例えば1分以上として、5000ms×1回の開放が頻発しないようにする)ことで、有利度を過度に高めず、射幸性の上昇を抑えて健全な遊技性を実現するようにしてもよい。また、例えば、そもそも時短はずれ経由の時短状態C(すなわち中ベース状態)においては、5000ms×1回の開放が行われる場合に関わらず、大当り経由の時短状態Aや救済時短経由の時短状態B(すなわち高ベース状態)に比べて、普通図柄の変動時間が長くなるようにしてもよい。
また、時短はずれ経由の時短状態C(中ベース状態)を設ける構成とする場合には、時短はずれ経由の時短状態C(中ベース状態)は、第1特別図柄の変動表示が主として実行されるため、第1特別図柄の変動表示に関する終了条件が成立したときに終了するように構成されるようにしてもよい。具体的には、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを合計32回または100回終了することが、時短はずれ経由の時短状態C(中ベース状態)の終了条件となるようにしてもよい。このように、大当り経由の時短状態A(高ベース状態)と、時短はずれ経由の時短状態C(中ベース状態)とで終了条件が異なる構成とすることで、時短状態に制御される前に記憶された保留記憶にもとづいて変動表示が実行されて時短状態が終了すること、すなわち遊技者が時短状態の利点を活かせず不利益が発生することを回避することができる。
(小当り遊技の開放パターン)
次に、小当り遊技の開放パターンについて説明する。本例では、小当り遊技を開始した後、8秒間が経過すると、V入賞口開閉板025IW20が開状態に制御され、その後、8秒間が経過するまでV入賞口開閉板025IW20の開状態が継続される。
小当りとなる場合には、小当り遊技を開始してから特殊可変入賞球装置025IW17を開状態に制御するまでの特殊入賞口開放前時間(ファンファーレ時間)として8秒間が設定され、V入賞口開閉板025IW20が開状態に制御されると同時に特殊可変入賞球装置025IW17(特殊入賞口)が開状態に制御される。また、V入賞口開閉板025IW20が開状態に制御されている期間に、0.016秒の特殊入賞口の開放が4回行われる。従って、小当りでは、V入賞可能な期間に0.016秒の特殊入賞口の開放が4回行われることになる。
なお、本例では、小当りにおける特殊入賞口の各開放時間が0.016秒と極めて短いのであるが、既に説明したように、特殊可変入賞球装置025IW17には複数の規制片が形成されており、特殊可変入賞球装置025IW17の底面部材025IW17a上では2~3球程度の遊技球が蛇行しながら流下しているので、開放時間が短くても底面部材025IW17aが開状態に制御されれば、底面部材025IW17a上の遊技球が特殊可変入賞球装置025IW17内に落下して入賞可能である。
特殊入賞口内に遊技球が入賞しV入賞すれば、特殊入賞口の最後の開放を終了した後、所定期間の閉鎖時間(インターバル時間)と小当り終了時間(エンディング時間)を経過した後、大当り遊技状態に移行し、第2ラウンドから第3ラウンド、第6ラウンド、第7ラウンドまたは第10ラウンドまで特別可変入賞球装置7の開状態への制御が行われる。
なお、本例では、小当り遊技において特殊入賞口の最後の開放を終了すると、閉鎖時間(インターバル時間)と小当り終了時間(エンディング時間)とを経過したことにもとづいて小当り遊技を終了する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、特殊可変入賞球装置025IW17(特殊入賞口)内に遊技球を検出可能な検出スイッチを上流側と下流側との2箇所に設け、最後の閉鎖時間(インターバル時間)を経過した後、上流側の検出スイッチと下流側の検出スイッチとの検出数が一致する(特殊入賞口内に入賞した遊技球が全て排出される)まで待ってから小当り終了時間(エンディング時間)に移行し、小当り終了時間(エンディング時間)を経過すると小当り遊技を終了するように構成してもよい。
また、本例では、いずれの小当り種別の場合も小当り遊技中にV入賞可能に構成する場合を示しているが、小当り遊技中にV入賞が困難または不可能な小当り種別も設けるように構成してもよい。
(変動パターンテーブル)
図8-7は、ROM101に記憶されている変動パターンテーブルの具体例を示す説明図である。このうち、図8-7(A),(B),(C)は、第1特別図柄用の変動パターンテーブルの具体例を示している。また、図8-7(D),(E)は、第2特別図柄用の変動パターンテーブルの具体例を示している。
まず、図8-7(A),(B)を用いて、第1特別図柄の変動パターンについて説明する。図8-7(A)に示すように、本例では、第1特別図柄の変動表示を実行する場合、通常状態中にはずれとなる場合には、変動パターンとして、変動パターンPT1-1(通常変動)、変動パターンPT1-2(短縮変動)、変動パターンPT1-3(ノーマルリーチ)、変動パターンPT1-4(スーパーリーチA)、変動パターンPT1-5(スーパーリーチB)のいずれかに決定される。また、第1特別図柄の変動表示を実行する場合、通常状態中に大当りとなる場合には、変動パターンとして、変動パターンPT1-6(ノーマルリーチ)、変動パターンPT1-7(スーパーリーチA)、変動パターンPT1-8(スーパーリーチB)のいずれかに決定される。また、第1特別図柄の変動表示を実行する場合、通常状態中に小当りとなる場合には、変動パターンとして、変動パターンPT1-9(ノーマルリーチ)、変動パターンPT1-10(スーパーリーチA)、変動パターンPT1-11(スーパーリーチB)のいずれかに決定される。
図8-7(B)に示すように、本例では、第1特別図柄の変動表示を実行する場合、時短状態A,B(大当り経由または救済時短経由の時短状態)中にはずれとなる場合には、変動パターンとして、変動パターンPT2-1(高速はずれ変動)に決定される。また、第1特別図柄の変動表示を実行する場合、時短状態A,C(大当り経由または救済時短経由の時短状態)中に大当りとなる場合には、変動パターンとして、変動パターンPT2-2(高速大当り変動)に決定される。また、第1特別図柄の変動表示を実行する場合、時短状態A,C(大当り経由または救済時短経由の時短状態)中に小当りとなる場合には、変動パターンとして、変動パターンPT2-3(高速小当り変動)に決定される。
本例では、図8-7(A),(B)に示すように、時短状態における第1特別図柄の変動パターンは、非時短状態(通常状態)における第1特別図柄の変動パターンよりも変動時間が短い。そのような構成により、救済時短に移行したときに第1特別図柄の可変表示を早急に消化して第2特別図柄の可変表示に注目させることができる。
なお、時短はずれ経由の時短状態C(中ベース状態)を設ける構成とする場合には、第1特別図柄の変動表示を実行する場合、時短状態C(時短はずれ経由の時短状態)中にはずれとなる場合には、変動パターンとして、変動パターンPT1-2(短縮変動)、変動パターンPT1-3(ノーマルリーチ)、変動パターンPT1-4(スーパーリーチA)、変動パターンPT1-5(スーパーリーチB)のいずれかに決定され、第1特別図柄の変動表示を実行する場合、時短状態C(時短はずれ経由の時短状態)中に大当りとなる場合には、変動パターンとして、変動パターンPT1-6(ノーマルリーチ)、変動パターンPT1-7(スーパーリーチA)、変動パターンPT1-8(スーパーリーチB)のいずれかに決定され、第1特別図柄の変動表示を実行する場合、時短状態C(時短はずれ経由の時短状態)中に小当りとなる場合には、変動パターンとして、変動パターンPT1-9(ノーマルリーチ)、変動パターンPT1-10(スーパーリーチA)、変動パターンPT1-11(スーパーリーチB)のいずれかに決定されるようにしてもよい。
次に、図8-7(C),(D),(E)を用いて、第2特別図柄の変動パターンについて説明する。図8-7(C)に示すように、本例では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合、通常状態中にはずれとなる場合には、変動パターンとして、変動パターンPT4-1(通常変動)、変動パターンPT4-2(短縮変動)、変動パターンPT4-3(ノーマルリーチ)、変動パターンPT4-4(スーパーリーチA)、変動パターンPT4-5(スーパーリーチB)のいずれかに決定される。また、第2特別図柄の変動表示を実行する場合、通常状態中に大当りとなる場合には、変動パターンとして、変動パターンPT4-6(ノーマルリーチ)、変動パターンPT4-7(スーパーリーチA)、変動パターンPT4-8(スーパーリーチB)のいずれかに決定される。また、第2特別図柄の変動表示を実行する場合、通常状態中に小当りとなる場合には、変動パターンとして、変動パターンPT4-9(ノーマルリーチ)、変動パターンPT4-10(スーパーリーチA)、変動パターンPT4-11(スーパーリーチB)のいずれかに決定される。
図8-7(D)に示すように、本例では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合、時短状態中(大当り経由の時短状態Aの最終変動を除く)にはずれとなる場合には、変動パターンとして、変動パターンPT5-1(短縮変動)、変動パターンPT5-2(超短縮変動)、変動パターンPT5-3(ノーマルリーチ)、変動パターンPT5-4(スーパーリーチA)、変動パターンPT5-5(スーパーリーチB)のいずれかに決定される。また、第2特別図柄の変動表示を実行する場合、時短状態中(大当り経由の時短状態Aの最終変動を除く)に大当りとなる場合には、変動パターンとして、変動パターンPT5-6(ノーマルリーチ)、変動パターンPT5-7(スーパーリーチA)、変動パターンPT5-8(スーパーリーチB)のいずれかに決定される。また、第2特別図柄の変動表示を実行する場合、時短状態中(大当り経由の時短状態Aの最終変動を除く)に小当りとなる場合には、変動パターンとして、変動パターンPT5-9(ノーマルリーチ)、変動パターンPT5-10(スーパーリーチA)、変動パターンPT5-11(スーパーリーチB)のいずれかに決定される。
本例では、大当り経由の時短状態Aや救済時短経由の時短状態Bにおいて、図8-7(E)に示す第2特別図柄の第2変動パターンテーブルが用いられるが、大当り経由の時短状態Aと救済時短経由の時短状態Bとで、変動パターンが選択される割合が異なるようにしてもよい。例えば、救済時短経由の時短状態Bでは、大当り経由の時短状態Aよりも、変動パターンPT5-2(超短縮変動)に決定される割合が高く、変動パターンPT5-4(スーパーリーチA)、PT5-5(スーパーリーチB)に決定される割合が低くなるようにしてもよい。このような構成により、長期間に亘って大当りが発生していない救済時短経由の時短状態Bでは、効率的に変動表示が実行されるようにすることができるとともに、スーパーリーチが実行されたものの大当りとならないときの興趣の低下を抑えることができる。
図8-7(F)に示すように、本例では、大当り経由の時短状態Aの最終変動として第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、変動パターンPT6-1(時短最終変動演出)に決定される。
なお、時短はずれ経由の時短状態C(中ベース状態)を設ける構成とする場合には、時短はずれとなるときには、はずれ(時短なし)と同様の変動パターンに決定される。
本例では、普通図柄プロセス処理(ステップS26)において、CPU103は、普通図柄の変動表示結果を当り(普図当り)とするか否かを決定し、その決定結果にもとづいて普通図柄の変動表示を実行する制御を行うのであるが、本例では、通常状態である場合には、10%の確率で普図当りとすることに決定し、時短状態である場合には、90%の確率で普図当りとすることに決定する。また、CPU103は、普通図柄プロセス処理(ステップS26)において、普図当りと決定したことにもとづいて可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)を開状態に制御する。
(演出制御コマンド)
図8-8および図8-9は、演出制御用CPU120に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図8-8および図8-9に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用CPU120は、コマンド80XX(H)のいずれかを受信すると、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド9001(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を非時短はずれとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果1指定コマンド)(はずれ指定コマンド)である。コマンド9002(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を3R時短大当りAとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果2指定コマンド)(3R時短大当りA指定コマンド)である。コマンド9003(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を3R時短大当りBとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果3指定コマンド)(3R時短大当りB指定コマンド)である。
コマンド9004(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を6R時短大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果4指定コマンド(6R時短大当り指定コマンド))である。コマンド9005(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を7R時短大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果5指定コマンド(7R時短大当り指定コマンド))である。コマンド9006(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を10R時短大当りAとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果6指定コマンド(10R時短大当りA指定コマンド))である。コマンド9007(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を10R時短大当りBとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果7指定コマンド(10R時短大当りB指定コマンド))である。
コマンド9008(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りAとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果8指定コマンド(小当りA指定コマンド))である。コマンド9009(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りBとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果9指定コマンド(小当りB指定コマンド))である。コマンド9010(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りCとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果10指定コマンド(小当りC指定コマンド))である。コマンド9011(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りDとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果11指定コマンド(小当りD指定コマンド))である。コマンド9012(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りEとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果12指定コマンド(小当りE指定コマンド))である。
コマンド910X(H)~914X(H)は、電源復旧時の救済時短となるまでの残りの変動回数を指定する演出制御コマンドである。このうち、コマンド910X(H)は、救済時短となるまでの残りの変動回数の1桁目を指定する演出制御コマンド(救済時短回数1指定コマンド)であり、残りの変動回数の1桁目が「X」に設定されて送信される。また、コマンド911X(H)は、救済時短となるまでの残りの変動回数の2桁目を指定する演出制御コマンド(救済時短回数2指定コマンド)であり、残りの変動回数の2桁目が「X」に設定されて送信される。また、コマンド912X(H)は、救済時短となるまでの残りの変動回数の3桁目を指定する演出制御コマンド(救済時短回数3指定コマンド)であり、残りの変動回数の3桁目が「X」に設定されて送信される。また、コマンド914X(H)は、救済時短となるまでの残りの変動回数の4桁目を指定する演出制御コマンド(救済時短回数4指定コマンド)であり、残りの変動回数の4桁目が「X」に設定されて送信される。
なお、本例では、大当りや時短はずれとなることなく678回の変動表示が実行された場合に救済時短となることから、救済時短となるまでの残りの変動回数は16進数で3桁により表現することができる。従って、電断復旧時には残りの変動回数を指定するコマンドとして1桁目から3桁目を指定する3つのコマンドのみを送信するように構成してもよい。また、救済時短となるまでの変動回数が4096回以上である場合には、16進数の4桁により表現する必要があることから、このような場合に、1桁目~4桁目を指定する4つのコマンドを送信するように構成してもよい。
コマンド94XX(H)は、救済時短となるまでの残りの変動回数(126回以下の回数)を指定する演出制御コマンド(救済時短回数指定コマンド)である。本例では、救済時短回数指定コマンドのEXTデータに救済時短となるまでの残りの変動回数(126回以下の回数)に応じた値がセットされる。例えば、救済時短となるまでの残りの変動回数が1回である場合には、救済時短回数指定コマンドとしてコマンド9401(H)が送信され、残りの変動回数が126回である場合には、救済時短回数指定コマンドとしてコマンド947E(H)が送信される。なお、本例では、救済時短となるまでの残りの変動回数が127回以上の回数である場合には、EXTデータに最大値の7F(H)がセットされ、救済時短回数指定コマンドとして一律にコマンド947F(H)が送信される。なお、本例では、救済時短回数指定コマンドは、変動表示を開始するときに送信される。
コマンドA000(H)は、第1特別図柄の可変表示の停止を特定可能であるとともに図柄確定期間が81.4秒であることを特定可能な演出制御コマンド(第1図柄確定A指定コマンド)である。コマンドA001(H)は、第1特別図柄の可変表示の停止を特定可能であるとともに図柄確定期間が6秒であることを特定可能な演出制御コマンド(第1図柄確定B指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、第1特別図柄の可変表示の停止を特定可能であるとともに図柄確定期間が0.5秒であることを特定可能な演出制御コマンド(第1図柄確定C指定コマンド)である。
コマンドA100(H)は、第2特別図柄の可変表示の停止を特定可能であるとともに図柄確定期間が81.4秒であることを特定可能な演出制御コマンド(第2図柄確定A指定コマンド)である。コマンドA101(H)は、第2特別図柄の可変表示の停止を特定可能であるとともに図柄確定期間が6秒であることを特定可能な演出制御コマンド(第2図柄確定B指定コマンド)である。コマンドA102(H)は、第2特別図柄の可変表示の停止を特定可能であるとともに図柄確定期間が0.5秒であることを特定可能な演出制御コマンド(第2図柄確定C指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、大当り遊技中のラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中表示コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。コマンドB2XX(H)は、大当り遊技中のラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後表示コマンド)である。
コマンドB300(H)は、小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。コマンドB301(H)は、小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド)である。
コマンドB400(H)は、大入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(大入賞口入賞指定コマンド)である。コマンドB401(H)は、特殊入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(特殊入賞口入賞指定コマンド)である。コマンドB402(H)は、特殊入賞口内のV入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(V入賞口入賞指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC001(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC101(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
コマンドE000(H)は、遊技状態が通常状態に制御されることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドE001(H)は、大当り遊技終了時に遊技状態が時短状態に制御されることを指定する演出制御コマンド(時短状態A指定コマンド)である。コマンドE002(H)は、救済時短時に遊技状態が時短状態に制御されることを指定する演出制御コマンド(時短状態B指定コマンド)である。以下、通常状態指定コマンド、時短状態A指定コマンドおよび時短状態B指定コマンドを総称して状態指定コマンドや背景指定コマンドともいう。
コマンドE100(H)は、右打ち報知を開始することを指定する演出制御コマンド(右打ち報知開始指定コマンド)である。コマンドE101(H)は、右打ち報知を終了することを指定する演出制御コマンド(右打ち報知終了指定コマンド)である。
コマンドF000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120(具体的には、演出制御用CPU120)は、主基板11に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ100から上述した演出制御コマンドを受信すると図8-8および図8-9に示された内容に応じて画像表示装置5の表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声制御基板13に対して音番号データを出力する。なお、図8-8および図8-9に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板11から演出制御基板12に送信される。例えば、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドや遊技状態を示す演出制御コマンド(例えば、初期化コマンドを示す演出制御コマンド)も主基板11から演出制御基板12に送信される。
(遊技制御メイン処理)
図8-10は、特徴部025IWにおける遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。本例において、ステップS1~S7の処理、ステップS8~S9の処理、およびステップS10~S12の処理は、図3で示したそれらの処理と同様である。
本例では、ステップS7において電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを送信すると、CPU103は、救済時短となるまでの残りの変動回数をカウントするための救済時短回数カウンタの値を確認し、現在の救済時短回数カウンタの値に応じた値をセットして所定の順序で救済時短回数1指定コマンド~救済時短回数4指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ025IWS11)。本例では、まず救済時短回数カウンタの値の1桁目の値をセットして救済時短回数1指定コマンドを送信し、次いで救済時短回数カウンタの値の2桁目の値をセットして救済時短回数2指定コマンドを送信し、次いで0をセットして救済時短回数3指定コマンドを送信し、最後に0をセットして救済時短回数4指定コマンドを送信する。従って、本例では、遊技機への電源投入時にRAMクリア処理が実行されず復旧処理が実行された場合には、所定の順序で救済時短回数1指定コマンド~救済時短回数4指定コマンドが送信されて、現在の救済時短までの残りの変動回数が通知される。
また、ステップS9において初期化を指示する演出制御コマンドを送信すると、CPU103は、救済時短回数カウンタに「678」をセットする(ステップ025IWS12)。従って、本例では、遊技機への電源投入時にRAMクリア処理が実行された場合には、救済時短回数カウンタに「678」がセットされる。すなわち、本例では、遊技機への電源投入時にRAMクリア処理が実行された後、678回の変動表示を実行しても大当りも時短はずれも発生しなかった場合には、救済時短となり時短状態に制御されることになる。また本例では、ステップS9において送信する初期化を指示する演出制御コマンドにもとづいて、救済時短回数カウンタにセットする初期値を特定可能である。
なお本例では、遊技機への電源投入時にRAMクリア処理が実行されたときに救済時短回数カウンタに「678」をセットして初期設定する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、RAMクリア処理が実行されたときに救済時短回数カウンタの初期設定を行わないように構成してもよい。そのように構成すれば、前日の救済時短回数カウンタの値の続きの状態から遊技を開始できるので、救済時短となるまでの投資額を減らすことができ、遊技者にとって不利にならないように構成することができる。
また、上記のように構成する場合、クリアスイッチのオンを検出(ステップS3のY)してRAMクリア処理が実行されたときにのみ救済時短回数カウンタの初期設定を行わないように構成し、RAM異常を検出(ステップS4,S5のN)してRAMクリア処理が実行されたときには、救済時短回数カウンタの初期設定を行うように構成してもよい。
(遊技制御用タイマ割込み処理)
図8-11は、特徴部025IWにおける遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。特徴部025IWにおける遊技制御用タイマ割込み処理では、ステップS27の後、CPU103は、遊技機の制御状態を遊技機外部の試験装置(遊技機の実射試験をするために用いられる装置)で確認できるようにするために試験信号を出力する試験端子処理を行う(ステップ113IWS28)。試験装置において遊技機の内部状態を特定可能とすることにより、円滑に遊技機の実射実試験を行うことができる。なお、主基板11には、試験信号を出力するための試験信号端子を搭載するためのスペースと、試験信号端子をはんだ付けする際に必要なランドと、ランドとCPU103とを電気的に接続する配線パターンとが設けられている。試験信号端子は、必要に応じて取り付けおよび取り外しが行われる。例えば、実射試験に用いるための遊技機(試験機)には試験信号端子を取り付けるが、遊技店に設置される遊技機(量産機)には試験信号端子を取り付けないようなものであってもよい。なお、試験信号端子が取り付けられているか否かにかかわらず、CPU103は試験端子処理(ステップ113IWS28)を行うものである。また、ステップS23において、CPU103は、図8-12に示す信号をホール管理用コンピュータ、遊技機毎の遊技履歴情報を表示する情報表示装置、遊技店員を呼び出すための呼び出しランプなどの外部装置へ出力する処理を行う。
(外部出力信号)
図8-12は、パチンコ遊技機1から外部出力される外部出力信号の一例を示す説明図である。図8-12に示すように、本例では、端子番号1~12の外部出力信号端子が取り付けられている。
端子番号1の外部出力信号端子には、賞球信号が割り当てられている。賞球信号とは、賞球を所定個数(本例では、10個)払い出すごとに0.1秒間にわたって外部出力され、その後0.1秒間にわたって外部出力が停止される信号である。
端子番号2の外部出力信号端子には、扉・枠開放信号が割り当てられている。扉・枠開放信号は、遊技機用枠3またはガラス扉枠3aが開放状態となっている期間中にわたって連続して外部出力される信号(すなわち、遊技機用枠3またはガラス扉枠3aが開放状態であることを示す信号)である。
端子番号3の外部出力信号端子には、全図柄確定回数信号が割り当てられている。全図柄確定回数信号は、第1特別図柄および第2特別図柄の停止毎に0.1秒間にわたって外部出力される信号(すなわち、特別図柄の変動表示が実行され、停止表示されたことを示す信号)である。
端子番号4の外部出力信号端子には、全始動口信号が割り当てられている。全始動口信号は、第1始動入賞口および第2始動入賞口への入賞毎に0.1秒間にわたって外部出力され、その後0.1秒間にわたって外部出力が停止される信号である。
端子番号5の外部出力信号端子には、大当り1信号が割り当てられている。大当り1信号は、全ての大当り遊技の期間中にわたって連続して外部出力される信号(すなわち、大当り遊技中であることを示す信号)である。なお、大当り1信号は、後述する大当り2信号とは異なり、高ベース状態中は外部出力されない。
端子番号6の外部出力信号端子には、大当り2信号が割り当てられている。大当り2信号は、全ての大当り遊技の期間中および高ベース状態中にわたって連続して外部出力される信号(すなわち、連荘中であることを示す信号)である。
端子番号7の外部出力信号端子には、高ベース1信号が割り当てられている。高ベース1信号は、救済時短が成立したことにもとづいて制御される時短状態(すなわち時短状態B)中にわたって連続して外部出力される信号(すなわち、時短状態Bであることを示す信号)である。
端子番号8の外部出力信号端子には、高ベース2信号が割り当てられている。高ベース2信号は、大当り遊技の終了後に制御される時短状態(すなわち時短状態A)中にわたって連続して外部出力される信号(すなわち、時短状態Aであることを示す信号)である。
端子番号9の外部出力信号端子には、高確率信号が割り当てられている。高確率信号は、高確率状態中にわたって連続して外部出力される信号(すなわち、高確率状態(確変状態)であることを示す信号)である。なお、特徴部025IWでは、高確率状態に制御する構成とはされていないため高確率信号は用いられない。
端子番号10の外部出力信号端子には、アウト信号が割り当てられている。アウト信号とは、パチンコ遊技機1内から遊技球を所定個数(本例では、10個)排出するごとに0.1秒間にわたって外部出力され、その後0.1秒間にわたって外部出力が停止される信号(すなわち、発射された遊技球の数を示す信号)である。
端子番号11の外部出力信号端子には、入賞信号が割り当てられている。入賞信号とは、全ての入賞口への入賞発生時に、賞球を所定個数(本例では、10個)払い出すごとに0.1秒間にわたって外部出力され、その後0.1秒間にわたって外部出力が停止される信号である。
端子番号12の外部出力信号端子には、セキュリティ信号が割り当てられている。セキュリティ信号とは、電源投入時に初期化処理が実行されると、30秒間にわたって外部出力される信号である。また、セキュリティ信号は、不正行為(例えば、異常入賞やスイッチ異常の検出など)が検出されたときに、4分間にわたって外部出力される。また、セキュリティ信号は、遊技停止の対象となるエラー(例えば、磁気検出)が検出されたときに、電源オフまでおよび電源再投入後(すなわちエラー解除後)4分間にわたって外部出力される。また、セキュリティ信号は、設定変更モードおよび設定確認モードのときに、外部出力される。
ホール管理用コンピュータ、遊技機毎の遊技履歴情報を表示する情報表示装置、遊技店員を呼び出すための呼び出しランプなどの外部装置では、大当り1信号により大当り回数を計測可能であり、大当り1信号および大当り2信号により連荘回数を計測可能であり、高ベース1信号により救済時短制御回数を計測可能である。
また、本例では、時短状態として、大当り経由の時短状態Aと、時短はずれ経由の時短状態Cと、があるが、救済時短経由の時短状態Bに対応する高ベース1信号と、大当り経由の時短状態Aに対応する高ベース2信号と、をそれぞれ異なる端子から遊技機の外部に出力可能に構成されている。このような構成により、外部装置において、高ベース1信号がオン状態であるときに、救済時短経由の時短状態Bであることが特定可能となり、高ベース2信号がオン状態であるときに、大当り経由の時短状態Aであることが特定可能となる。また、時短はずれ経由の時短状態Cに制御可能な構成とする場合には、大当り2信号がオン状態であり、大当り1信号、高ベース1信号および高ベース2信号がいずれもオフ状態であるときに、時短はずれ経由の時短状態Cであることが特定可能となる。つまり、外部装置において、大当り経由の時短状態Aと、救済時短経由の時短状態Bと、時短はずれ経由の時短状態Cと、に制御された回数を計測可能となる。
なお、時短はずれ経由の時短状態Cに制御可能な構成とする場合には、図8-12に示す例に限らず、時短はずれ図柄が停止されることにもとづいて制御される時短状態Cについては、対応する信号を出力可能な端子を別途設けるようにしてもよいし、高ベース1信号を対応付けて外部出力する(すなわち、時短状態Cと時短状態Bとで兼用する)ようにしてもよい。
ホール管理用コンピュータ等の外部装置では、遊技機から出力される外部出力信号を受信することにより、各遊技機の大当り回数や連荘回数、各時短状態の制御回数などを計測可能である他、スタート値やベース値などの遊技に関する様々なデータを算出可能である。
スタート値とは、発射された遊技球100発に対して特図ゲームが何回実行されたかを示す値であり、全図柄確定回数信号およびアウト信号の受信状況にもとづいて算出可能である。例えば、アウト信号を10回受信する間に全図柄確定回数信号を5回受信すれば、スタート値は5となる。
本例の遊技機では、遊技球が遊技領域の右方(右側領域)および左方(左側領域)のいずれを通過するかと、低ベース状態および高ベース状態のいずれに制御されているかと、に応じて、特図ゲームの実行されやすさが異なるように構成されている。そこで、本例の遊技機では、通常状態(低ベース状態)と高ベース状態とのいずれに制御されているかを特定可能な外部出力を行うことにより、スタート値のうち、例えば、通常状態(低ベース状態)において発射された遊技球100発に対して特図ゲームが何回実行されたかを示す値を第1スタート値とし、高ベース状態において発射された遊技球100発に対して特図ゲームが何回実行されたかを示す値を第2スタート値として区別して外部装置で算出できるようにしている。具体的には、大当り2信号、高ベース1信号および高ベース2信号がいずれもオフ状態であれば、通常状態(低ベース状態)であると特定することができ、大当り1信号がオフ状態かつ大当り2信号がオン状態、または高ベース1信号および高ベース2信号のいずれかがオン状態であれば、高ベース状態であると特定することができる。
第1スタート値は、遊技しやすさの目安となる。例えば、同じ回数の特図ゲームを実行するとしても、第1スタート値が大きい遊技機であれば遊技者の投資額が少なくなり、第1スタート値が小さい遊技機であれば遊技者の投資額が多くなる。また、第2スタート値は、高ベース状態における変動効率の目安となる。例えば、高ベース状態における大当り確率が同じであっても、第2スタート値が大きい遊技機であるほど、次の大当りが発生するまでの期間が短くなる(つまり短期間で連荘が発生する)。そのため、第1スタート値および第2スタート値のいずれも、ホール側にとって遊技機の状態を特定するための重要な値の1つである。
また例えば、時短状態であっても、大当り経由の時短状態Aと、救済時短経由の時短状態Bと、時短はずれ経由の時短状態Cとで、変動パターンの選択割合が異なるように構成されていれば、それぞれスタート値が異なることが想定される。加えて、大当り経由の時短状態Aと、救済時短経由の時短状態Bと、時短はずれ経由の時短状態Cとで、可変入賞球装置6Bの開放パターン(すなわち第2始動入賞口への入賞しやすさ)を異ならせるように構成するとすれば、さらにスタート値が異なることが想定される。そこで、上述したように、いずれの時短状態に制御されているかを特定可能な外部出力を行うことにより、時短状態A、時短状態Bおよび時短状態Cに対応する第2スタート値A、第2スタート値Bおよび第2スタート値Cを区別して外部装置で算出できるようにしている。
ベース値とは、発射された遊技球100発に対して払い出された(大当り遊技中を除く)遊技球の割合を示すものであり、大当り遊技中以外での出玉率を示す値である。ベース値は、賞球信号およびアウト信号の受信状況にもとづいて算出可能である。例えば、アウト信号を10回受信する間に賞球信号を2回受信すれば、ベース値は20となる。ベース値が大きいほど、持ち球で遊技できる期間が長くなるため、遊技者にとっては遊びやすい遊技機であるといえる。
本例の遊技機では、遊技球が遊技領域の右方(右側領域)および左方(左側領域)のいずれを通過するかと、低ベース状態および高ベース状態のいずれに制御されているかと、に応じて、賞球の得やすさが異なるように構成されている。そこで、本例の遊技機では、通常状態(低ベース状態)と高ベース状態とのいずれに制御されているかを特定可能な外部出力を行うことにより、ベース値のうち、例えば、通常状態(低ベース状態)において発射された遊技球100発に対して払い出された遊技球の割合を示す値を第1ベース値とし、高ベース状態において発射された遊技球100発に対して払い出された遊技球の割合を示す値を第2ベース値として区別して算出できるようにしている。
また例えば、時短状態であっても、大当り経由の時短状態Aと、救済時短経由の時短状態Bと、時短はずれ経由の時短状態Cとで、変動パターンの選択割合が異なるように構成されていれば、それぞれベース値が異なることが想定される。加えて、大当り経由の時短状態Aと、時短はずれ経由の時短状態Cと、救済時短経由の時短状態Bとで、可変入賞球装置6Bの開放パターン(すなわち第2始動入賞口への入賞しやすさ)を異ならせるように構成するとすれば、さらにベース値が異なることが想定される。そこで、上述したように、いずれの時短状態に制御されているかを特定可能な外部出力を行うことにより、時短状態A、時短状態Bおよび時短状態Cに対応する第2ベース値A、第2ベース値Bおよび第2ベース値Cを区別して外部装置で算出できるようしている。
なお、本例の遊技機が出力する外部出力信号によってホール管理用コンピュータ等の外部装置で算出可能なデータは、スタート値やベース値に限られない。例えば、発射された遊技球を示すアウト数や、発射された遊技球の数と払い出された遊技球の数との差を示す差数、特賞(低ベース状態で大当りが発生した時点から再び低ベースに移行するまでの期間)1回あたりの平均アウト数、特賞(低ベース状態で大当りが発生した時点から再び低ベースに移行するまでの期間)1回あたりの平均差数、高ベース状態に制御された回数、高ベース状態中の平均アウト数、高ベース状態中の大当り確率、大当り回数(高ベース状態中の大当りを含む)、大当り1回あたりの平均アウト数、大当り1回あたりの平均差数、大当りが発生するまでに要する平均スタート数、初当り確率(初回大当りまでの平均スタート数)などについても、算出可能である。また、本例の遊技機では、時短状態に制御されているか否か、さらにいずれの時短状態に制御されているかを特定可能な外部出力を行うため、これらの値についても、通常状態と時短状態とで区別して算出可能とし、さらに大当り経由の時短状態Aと、救済時短経由の時短状態Bと、時短はずれ経由の時短状態Cとで、区別して算出可能とすることができる。
このような構成により、本例では、通常状態と時短状態とを区別して、遊技に関する様々な値(例えば、スタート値やベース値など)を外部で正確に算出することができる。さらに、本例では、時短状態のうち、大当り経由の時短状態Aと、救済時短経由の時短状態Bと、時短はずれ経由の時短状態Cとを区別して、遊技に関する様々な値(例えば、スタート値やベース値など)を外部で正確に算出することができる。
また、ホール管理用コンピュータなどの外部装置において、高ベース状態に制御された契機やタイミング、回数を特定可能となるため、例えば、カードユニットに投入されたカードのID情報や、顔認証機能(例えば、カードユニットに搭載されたカメラを用いたユーザ分析機能)の認証結果と組み合わせて、実際の運用上の救済時短到達率や救済回数に到達した際の遊技者がどのような客層なのか等の遊技店における遊技機の運用上の分析が可能となる。
(試験信号)
図8-13および図8-14は、パチンコ遊技機1から外部出力される試験信号の例を示す説明図である。主基板11には、図8-13(A)に示す遊技機試験信号端子1A、図8-13(B)に示す遊技機試験信号端子1B、図8-13(C)に示す遊技機試験信号端子2A、および図8-14(D)に示す図柄データ信号端子1Aが取り付けられる。
図8-13(A)に示す遊技機試験信号端子1Aにおいては、発射位置指定信号1~発射位置指定信号3が出力される(ピン番号6~8参照)。例えば、発射位置指定信号1は、遊技者が左打ち(遊技領域の左側の領域を狙って遊技球を発射する遊技方法)を行うと想定される遊技状態において出力される(オン状態になる)信号である。発射位置指定信号2は、遊技者が中打ち(遊技領域の中央領域を狙って遊技球を発射する遊技方法)を行うと想定される遊技状態において出力される(オン状態になる)信号である。発射位置指定信号3は、遊技者が右打ちを行うと想定される遊技状態において出力される(オン状態になる)信号である。このように、発射位置指定信号1,2,3は、遊技領域におけるいずれの領域に向けて打球発射装置から遊技球が発射されるのかを示す発射状態を示す信号である。
図8-13(B)に示す遊技機試験信号端子1Bにおいては、特別図柄1当り信号、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄1変動時間短縮状態信号、特別図柄1時短はずれ信号、および特別図柄1救済回数到達信号が出力される(ピン番号20~24参照)。例えば、特別図柄1当り信号は、第1特別図柄が大当り図柄で停止表示されるとき(確定期間中)において出力される(オン状態になる)信号である。特別図柄1高確率状態信号は、第1特別図柄の変動にもとづいて制御されている確変状態において出力される(オン状態になる)信号である。特別図柄1変動時間短縮状態信号は、第1特別図柄の変動にもとづいて制御されている時短状態において出力される(オン状態になる)信号である。特別図柄1時短はずれ信号は、第1特別図柄が時短はずれ図柄で停止表示されるとき(確定期間中)において出力される(オン状態になる)信号である。特別図柄1救済回数到達信号は、第1特別図柄の変動にもとづいて救済時短の変動に到達したときにおいて出力される(オン状態になる)信号である。なお、特徴部025IWでは、高確率状態に制御する構成や時短はずれにより時短状態とする構成とされていないため、特別図柄1高確率状態信号や特別図柄1時短はずれ信号は用いられない。
図8-13(C)に示す遊技機試験信号端子2Aにおいては、特別図柄2当り信号、特別図柄2高確率状態信号、特別図柄2変動時間短縮状態信号、特別図柄2時短はずれ信号、および特別図柄2救済回数到達信号が出力される(ピン番号12~16参照)。例えば、特別図柄2当り信号は、第2特別図柄が大当り図柄で停止表示されるとき(確定期間中)において出力される(オン状態になる)信号である。特別図柄2高確率状態信号は、第2特別図柄の変動にもとづいて制御されている確変状態において出力される(オン状態になる)信号である。特別図柄2変動時間短縮状態信号は、第2特別図柄の変動にもとづいて制御されている時短状態において出力される(オン状態になる)信号である。特別図柄2時短はずれ信号は、第2特別図柄が時短はずれ図柄で停止表示されるとき(確定期間中)において出力される(オン状態になる)信号である。特別図柄2救済回数到達信号は、第2特別図柄の変動にもとづいて救済時短の変動に到達したときにおいて出力される(オン状態になる)信号である。なお、特徴部025IWでは、高確率状態に制御する構成や時短はずれにより時短状態とする構成とされていないため、特別図柄2高確率状態信号や特別図柄2時短はずれ信号は用いられない。
また、図8-13(C)に示す遊技機試験信号端子2Aにおいては、入賞容易状態指定信号1、入賞容易状態指定信号2、および入賞容易状態指定信号3が出力される(ピン番号25~27参照)。例えば、入賞容易状態指定信号1は、大当り経由の時短状態(時短状態A)に制御されているとき(時短フラグAがセットされているとき)において出力される(オン状態になる)信号である。入賞容易状態指定信号2は、時短はずれ経由の時短状態(時短状態C)に制御されているときにおいて出力される(オン状態になる)信号である。入賞容易状態指定信号3は、救済時短経由の時短状態(時短状態B)に制御されているとき(時短フラグBがセットされているとき)において出力される(オン状態になる)信号である。なお、特徴部025IWでは、時短はずれにより時短状態とする構成とされていないため、入賞容易状態指定信号2は用いられない。
図8-14(D)に示す図柄データ信号端子1Aにおいては、図柄1データbit0~図柄1データbit7、および図柄2データbit0~図柄2データbit7が出力され得る(ピン番号1~16参照)。例えば、図柄1データbit0は、第1特別図柄が時短無しはずれ図柄で変動停止するときにおいて出力される(オン状態になる)信号である。図柄1データbit1は、第1特別図柄が時短はずれ図柄で変動停止するときにおいて出力される(オン状態になる)信号である。図柄1データbit2は、第1特別図柄が大当り図柄で変動停止するときにおいて出力される(オン状態になる)信号である。本例では図柄1データbit3~図柄1データbit7については出力されない構成であるが、例えば、第1特別図柄が小当り図柄で変動停止することや、大当り種別や小当り種別などを特定可能に出力することができるようになっている。なお、特徴部025IWでは、時短はずれにより時短状態とする構成とされていないため、図柄1データbit1は用いられない。
例えば、図柄2データbit0は、第2特別図柄が時短無しはずれ図柄で変動停止するときにおいて出力される(オン状態になる)信号である。図柄2データbit1は、第2特別図柄が時短はずれ図柄で変動停止するときにおいて出力される(オン状態になる)信号である。図柄2データbit2は、第2特別図柄が大当り図柄で変動停止するときにおいて出力される(オン状態になる)信号である。本例では図柄2データbit3~図柄2データbit7については出力されない構成であるが、例えば、第2特別図柄が小当り図柄で変動停止することや、大当り種別や小当り種別などを特定可能に出力することができるようになっている。なお、特徴部025IWでは、時短はずれにより時短状態とする構成とされていないため、図柄2データbit1は用いられない。
なお、図8-13(A)に示す遊技機試験信号端子1A、図8-13(B)に示す遊技機試験信号端子1B、図8-13(C)に示す遊技機試験信号端子2A、および図8-14(D)に示す図柄データ信号端子1Aからは、上述した試験信号の他、様々な信号を出力可能に構成されている。
(試験端子処理)
図8-15および図8-16は、試験端子処理における各試験信号の出力に関わる処理例を示すフローチャートである。なお、図8-15および図8-16では、図8-13および図8-14に示した信号以外の外部出力信号を出力する処理は省略されている。また、図8-15および図8-16に示す例では、時短はずれによる時短状態Cに制御可能な構成にも対応できるフローとなっているが、時短はずれによる時短状態Cに制御可能な構成としない場合には、ステップ113IWS37D~S37F,S38D~S38F,S42E~S42Fの処理を省略するようにしてもよい。また、図8-15および図8-16に示す例では、高確率状態に制御可能な構成にも対応できるフローとなっているが、高確率状態に制御可能な構成としない場合には、ステップ113IWS40C~S40Dの処理を省略するようにしてもよい。
試験端子処理において、CPU103は、まず、出力ポートバッファのうちの試験信号出力バッファにおける各信号のビットをクリアする(ステップ113IWS31)。そして、大当り図柄確定期間中である場合(ステップ113IWS32のY)、ファンファーレ期間およびエンディング期間を含む大当り期間中である場合(ステップ113IWS33のY)、またはいずれかの時短フラグがセットされている場合(ステップ113IWS34のY)、試験信号出力バッファにおける発射位置指定信号3のビットをセットする(ステップ113IWS35)。なお、時短フラグとしては、時短状態Aであることを示す時短フラグAと、時短状態Bであることを示す時短フラグBと、が含まれる。なお、時短はずれにより時短状態Cに制御する構成とする場合には、時短フラグとして、時短状態Cであることを示す時短フラグCも含まれる。
大当り図柄確定期間中ではなく、ファンファーレ期間およびエンディング期間を含む大当り期間中ではなく、いずれの時短フラグもセットされていない場合(ステップ113IWS34のN)、試験信号出力バッファにおける発射位置指定信号1のビットをセットする(ステップ113IWS36)。
なお、通常状態において大当り図柄が停止表示される場合には、図柄停止期間が開始された際に発射位置指定信号3が出力される一方(ステップ113IWS32のY)、通常状態において時短はずれ図柄が停止表示される場合には、時短はずれ図柄の図柄停止期間が終了する際に時短フラグCがセットされるため、図柄停止期間の終了とともに発射位置指定信号3が出力されるものである(ステップ113IWS34のY)。すなわち、時短状態に移行制御する契機によって発射位置指定信号の切り替えタイミングが異なるよう構成されている。
また、ここでは、発射位置指定信号1,3の出力を切り替えることにより、遊技者がいずれの打ち方を行うと想定される遊技状態であるかを示す情報を外部装置(試験装置)へ報知可能な構成であるが、単一の発射位置指定信号のセット/リセット制御により、遊技者がいずれの打ち方を行うと想定される遊技状態であるかを示す情報を外部装置(試験装置)へ報知可能な構成としてもよい。例えば、ステップ113IWS34のNである場合にステップ113IWS36の処理を行わずにステップ113IWS37へ移行する構成とすることにより、または、ステップ113IWS31の処理を行わないとともに、ステップ113IWS36の処理に代えて発射位置指定信号3のビットをクリアする処理を行うことにより、発射位置指定信号3のビットがセットされているか否かによって遊技者がいずれの打ち方を行うと想定される遊技状態であるかを示す情報を外部装置(試験装置)へ報知可能な構成としてもよい。
また、CPU103は、第1特別図柄における大当り図柄確定期間中である場合(ステップ113IWS37AのY)、特別図柄1当り信号のビットをセットし(ステップ113IWS37B)、図柄1データbit2のビットをセットする(ステップ113IWS37C)。
また、CPU103は、第1特別図柄における時短はずれ図柄確定期間中である場合(ステップ113IWS37DのY)、特別図柄1時短はずれ信号のビットをセットし(ステップ113IWS37E)、図柄1データbit1のビットをセットする(ステップ113IWS37F)。なお、ステップ113IWS37E,S37Fの処理は、救済時短回数カウンタが0になった変動であっても出力され得るものである。例えば、救済時短成立変動において時短はずれ図柄が停止表示される場合、時短はずれ経由の時短状態よりも救済時短経由の時短状態に優先的に制御されるが、その場合にも時短はずれ図柄が停止表示されたことを示す信号を適切に外部出力するようになっている。
また、CPU103は、第1特別図柄における時短無し図柄確定期間中である場合(ステップ113IWS37GのY)、図柄1データbit0のビットをセットする(ステップ113IWS37H)。
また、CPU103は、第2特別図柄における大当り図柄確定期間中である場合(ステップ113IWS38AのY)、特別図柄2当り信号のビットをセットし(ステップ113IWS38B)、図柄2データbit2のビットをセットする(ステップ113IWS38C)。
また、CPU103は、第2特別図柄における時短はずれ図柄確定期間中である場合(ステップ113IWS38DのY)、特別図柄2時短はずれ信号のビットをセットし(ステップ113IWS38E)、図柄2データbit1のビットをセットする(ステップ113IWS38F)。なお、ステップ113IWS38E,S38Fの処理は、救済時短回数カウンタが0になった変動であっても出力され得るものである。救済時短突入変動において時短はずれ図柄が停止表示される場合、時短はずれ経由の時短状態よりも救済時短経由の時短状態に優先的に制御される構成であれば、その場合にも時短はずれ図柄が停止表示されたことを示す信号を適切に外部出力するようになっている。
また、CPU103は、第2特別図柄における時短無し図柄確定期間中である場合(ステップ113IWS38GのY)、図柄2データbit0のビットをセットする(ステップ113IWS38H)。
また、CPU103は、第1特別図柄の変動にもとづいて救済時短回数に到達した場合(ステップ113IWS39AのY)、特別図柄1救済回数到達信号のビットをセットする(ステップ113IWS39B)。また、CPU103は、第2特別図柄の変動にもとづいて救済時短回数に到達した場合(ステップ113IWS39CのY)、特別図柄2救済回数到達信号のビットをセットする(ステップ113IWS39D)。具体的に、時短フラグBをセットした際に特別図柄ポインタに「第1」および「第2」のいずれのデータが設定されているかに応じてフラグをセットし、該フラグにもとづいていずれの特別図柄の変動にもとづいて救済時短回数に到達したかを特定することができる。なお、本例では第1特別図柄の変動にもとづいて救済時短回数に到達したときに瞬間的に特別図柄1救済回数到達信号を出力するものとするが、第1特別図柄の変動にもとづいて救済時短経由の時短状態に制御されている期間中は継続して特別図柄1救済回数到達信号を出力するものであってもよい。同様に、本例では第2特別図柄の変動にもとづいて救済時短回数に到達したときに瞬間的に特別図柄1救済回数到達信号を出力するものとするが、第2特別図柄の変動にもとづいて救済時短経由の時短状態に制御されている期間中は継続して特別図柄2救済回数到達信号を出力するものであってもよい。
また、CPU103は、第1特別図柄の変動にもとづいて確変状態の制御中である場合(ステップ113IWS40AのY)、特別図柄1高確率状態信号のビットをセットする(ステップ113IWS40B)。また、CPU103は、第2特別図柄の変動にもとづいて確変状態の制御中である場合(ステップ113IWS40CのY)、特別図柄2高確率状態信号のビットをセットする(ステップ113IWS40D)。具体的に、確変フラグをセットした際に特別図柄ポインタに「第1」および「第2」のいずれのデータが設定されているかに応じてフラグをセットし、該フラグにもとづいていずれの特別図柄の変動にもとづいて確変状態に制御したかを特定することができる。
また、CPU103は、第1特別図柄の変動にもとづいて時短状態の制御中である場合(ステップ113IWS41AのY)、特別図柄1変動時間短縮状態信号のビットをセットする(ステップ113IWS41B)。また、CPU103は、第2特別図柄の変動にもとづいて時短状態の制御中である場合(ステップ113IWS41CのY)、特別図柄2変動時間短縮状態信号のビットをセットする(ステップ113IWS41D)。具体的に、時短フラグをセットした際に特別図柄ポインタに「第1」および「第2」のいずれのデータが設定されているかに応じてフラグをセットし、該フラグにもとづいていずれの特別図柄の変動にもとづいて確変状態に制御したかを特定することができる。
また、CPU103は、時短フラグAがセットされている場合(ステップ113IWS42AのY)、入賞容易状態指定信号1のビットをセットする(ステップ113IWS42B)。また、CPU103は、時短フラグCがセットされている場合(ステップ113IWS42CのY)、入賞容易状態指定信号2のビットをセットする(ステップ113IWS42D)。また、CPU103は、時短フラグBがセットされている場合(ステップ113IWS42EのY)、入賞容易状態指定信号3のビットをセットする(ステップ113IWS42F)。なお、後述するように、時短状態において大当りが発生する場合には、大当り変動の停止タイミングにおいて各時短フラグがリセットされ、大当り終了時に時短フラグAがセットされ得る構成であるため、時短状態Aにおいて10R大当りAが発生する場合には、大当り変動の停止タイミングから大当り終了タイミングまでの期間は一時的に入賞容易状態指定信号1がオフにされるものである。
そして、CPU103は、試験信号出力バッファの内容を出力ポートに出力することによって(ステップ113IWS43)、試験信号としての各信号を試験信号端子に伝達する。このように試験信号が出力されることにより、試験装置側で遊技機の内部状態を特定可能となっている。
(特別図柄プロセス処理)
図8-17は、特徴部025IWにおける特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。本例において、始動入賞判定処理(ステップ025IWS101)は、図5に示す始動入賞判定処理(ステップS101)と概ね同様である。また、特別図柄通常処理(ステップ025IWS110)~特別図柄停止処理(ステップ025IWS113)は、図5に示す特別図柄通常処理(ステップS110)~特別図柄停止処理(ステップS113)と概ね同様である。ただし、本例では、小当り図柄を導出表示した場合には、小当り開放前処理(ステップ025IWS114)に移行する。また、大当り図柄を導出表示した場合(いわゆる直当りとなった場合)には、大当り開放前処理(ステップ025IWS117)に移行する。
小当り開放前処理(ステップ025IWS114):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、特殊可変入賞球装置025IW17を開放状態に制御する処理を実行して、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、小当り開放中処理(ステップ025IWS115)に応じた値(この例では5)に更新する。
小当り開放中処理(ステップ025IWS115):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。特殊可変入賞球装置025IW17の開放中に開放時間が経過した場合には、特殊可変入賞球装置025IW17を閉状態に制御し、特殊可変入賞球装置025IW17の閉鎖中に閉鎖時間が経過し、まだ開放回数が残っている場合には、特殊可変入賞球装置025IW17を開状態に制御する。また、V入賞口開閉板025IW20の開放タイミングとなった場合にはV入賞口開閉板025IW20を開状態に制御し、V入賞口開閉板025IW20の閉鎖タイミングとなった場合にはV入賞口開閉板025IW20を閉状態に制御する。また、V入賞口スイッチ025IW20aがオンしたか否か確認し、V入賞口スイッチ025IW20aがオンした場合には、V入賞フラグをセットする。特殊可変入賞球装置025IW17の全ての開放を終了し、閉鎖時間(インターバル時間)も経過した場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を小当り閉鎖後処理(ステップ025IWS116)に対応した値(この例では6)に更新する。
小当り閉鎖後処理(ステップ025IWS116):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。V入賞フラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を大当り開放前処理(ステップ025IWS117)に対応した値(この例では7)に更新する。V入賞フラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄通常処理(ステップ025IWS110)に対応した値(この例では0)に更新する。
大当り開放前処理(ステップ025IWS117)~大当り終了処理(ステップ025IWS120)は、図5に示す大当り開放前処理(ステップS114)~大当り終了処理(ステップS117)と概ね同様である。
なお、本例では、大当りと決定されて大当り/小当り図柄が導出表示された後、または小当り遊技中にV入賞が発生して小当り遊技を終了した後に、直ちに大当り遊技に移行する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、直ちに大当り遊技に移行するのではなく、さらに遊技領域に設けられた作動ゲート(通過ゲート41と兼用でもよい)を遊技球が通過したことを条件として大当り遊技に移行するように構成してもよい。
(特別図柄通常処理)
図8-18および図8-19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップ025IWS110)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU103は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップ025IWS51)。具体的には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数をカウントするための合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
ステップ025IWS51において合算保留記憶数が0であると判定した場合には、CPU103は、前回の変動表示の停止後、所定期間(例えば、60秒間)が経過したか否かを判定する(ステップ025IWS51a)。
前回の変動表示の停止後、所定期間(例えば、60秒間)が経過したと判定した場合には(ステップ025IWS51aのY)、CPU103は、救済時短回数カウンタの値が127以上であるか否かを確認する(ステップ025IWS51b)。救済時短回数カウンタの値が127以上でなければ(ステップ025IWS51bのN)、すなわち126以下であれば、CPU103は、救済時短回数カウンタの値に応じた値をEXTデータにセットして、救済時短回数指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ025IWS51c)。例えば、救済時短回数カウンタの値が1である場合には、CPU103は、救済時短回数指定コマンドとしてコマンド9401(H)を送信する制御を行う。また、救済時短回数カウンタの値が126である場合には、CPU103は、救済時短回数指定コマンドとしてコマンド947E(H)を送信する制御を行う。
一方、救済時短回数カウンタの値が127以上であれば(ステップ025IWS51bのY)、CPU103は、EXTデータとして一律に7F(H)をセットして、救済時短回数指定コマンドとしてコマンド947F(H)を演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ025IWS51d)。
ステップ025IWS51cまたはステップ025IWS51dにおいて、救済時短回数指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行うと、CPU103は、遊技状態に応じて状態指定コマンド(背景指定コマンド)を演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ025IWS51e)。具体的には、時短フラグAがセットされている場合には、コマンドE001(時短状態A指定コマンド)を送信する制御を行い、時短フラグBがセットされている場合には、コマンドE002(時短状態B指定コマンド)を送信する制御を行い、それらのいずれもセットされていない場合には、コマンドE000(通常状態指定コマンド)を送信する制御を行う。
次いで、CPU103は、客待ちデモ指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ025IWS51f)。その後、処理を終了する。
この特徴部025IWでは、ステップ025IWS51a~S51fの処理が実行されることにより、前回の変動表示の停止後、所定期間(例えば、60秒間)が経過すると、救済時短回数指定コマンド、状態指定コマンド(背景指定コマンド)および客待ちデモ指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御が行われる。そのため、変動表示が開始されるときだけではなく、変動表示が開始されることなく所定期間経過したとき(すなわち客待ちデモンストレーションが開始されるとき)にも、演出制御基板12側で救済時短となるまでの残り回数を特定することや、救済時短が成立したことを特定することができる。
ステップ025IWS51において合算保留記憶数が0でなければ、CPU103は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップ025IWS52)。具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU103は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップ025IWS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップ025IWS54)。
この特徴部025IWでは、ステップ025IWS52~S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
なお、本例で示した態様にかぎらず、例えば、第1始動入賞口および第2始動入賞口に遊技球が入賞した順に第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動表示を実行するように構成してもよい。
次いで、CPU103は、RAM102において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する(ステップ025IWS55)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU103は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップ025IWS56)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM102の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n-1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM102の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n-1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU103は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップ025IWS57)。なお、CPU103は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM102の所定の領域に保存する。
次いで、CPU103は、遊技状態に応じて状態指定コマンド(背景指定コマンド)を送信する制御を行う(ステップ025IWS58)。
次いで、CPU103は、乱数バッファ領域から当り判定用乱数を読み出し(ステップ025IWS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップ025IWS62)。なお、この場合、CPU103は、始動入賞判定処理(ステップ025IWS101)で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値と当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。CPU103は、当り判定用乱数の値がいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップ025IWS63のY)、ステップ025IWS64に移行する。一方、大当りとしないことに決定した場合には(ステップ025IWS63のN)、ステップ025IWS66に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
ステップ025IWS64では、CPU103は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。また、CPU103は、特別図柄ポインタが示す大当り種別判定テーブルを選択し、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された種別判定用乱数の値と一致する値に対応した大当りの種別に決定する(ステップ025IWS65)。この場合、特別図柄ポインタの値が「第1」を示している場合には、図8-5(A)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを選択し、特別図柄ポインタの値が「第2」を示している場合には、図8-5(A)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを選択する。なお、この場合、CPU103は、始動入賞判定処理(ステップ025IWS101)で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、CPU103は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM102における大当り種別バッファに設定する。そして、ステップ025IWS92に移行する。
一方、ステップ025IWS66では、CPU103は、特別図柄ポインタが示す小当り判定テーブルを選択する。この場合、特別図柄ポインタの値が「第1」を示している場合には、図8-4(B)に示す第1特別図柄用の小当り判定テーブルを選択し、特別図柄ポインタの値が「第2」を示している場合には、図8-4(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルを選択する。そして、CPU103は、選択した小当り判定テーブルを用いて、当り判定用乱数にもとづく抽選処理を行い、小当りとするか否かを決定する(ステップ025IWS67)。なお、本例では、図8-4(B),(C)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には小当りと決定されることはなく、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には約1/8の確率で小当りと決定される。
小当りとすることに決定した場合でなければ(ステップ025IWS68のN)、ステップ025IWS71に移行し、小当りとすることに決定した場合には(ステップ025IWS68のY)、CPU103は、小当りであることを示す小当りフラグをセットする(ステップ025IWS69)。そして、CPU103は、特別図柄ポインタが示す小当り種別判定テーブルを選択し、選択した小当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された種別判定用乱数の値と一致する値に対応した小当り種別に決定する(ステップ025IWS70)。この場合、特別図柄ポインタの値が「第1」を示している場合には、図8-5(B)に示す第1特別図柄用の小当り種別判定テーブルを選択し、特別図柄ポインタの値が「第2」を示している場合には、図8-5(B)に示す第2特別図柄用の小当り種別判定テーブルを選択する。またこの場合、CPU103は、始動入賞判定処理(ステップ025IWS101)で抽出し第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した種別判定用乱数を読み出し、小当り種別の決定を行う。また、CPU103は、決定した小当りの種別を示すデータをRAM102における小当り種別バッファに設定する。その後、ステップ025IWS71に移行する。
ステップ025IWS71では、CPU103は、時短状態中に小当りに制御された回数をカウントするための小当り回数カウンタが0であるか否かを確認する(ステップ025IWS71)。小当り回数カウンタの値が0の場合はステップ025IWS76に移行する。
小当り回数カウンタの値が0でない場合は、CPU103は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップ025IWS72)。小当りフラグがセットされていない場合はステップ025IWS76に移行する。
小当りフラグがセットされている場合は、CPU103は、小当り回数カウンタの値を1減算する(ステップ025IWS73)。
次いで、CPU103は、減算後の小当り回数カウンタが0であるか否かを確認する(ステップ025IWS74)。小当り回数カウンタの値が0でない場合はステップ025IWS76に移行する。
減算後の小当り回数カウンタの値が0である場合は、CPU103は、変動終了時に時短状態を終了することを示す時短終了フラグをセットする(ステップ025IWS75)。そして、ステップ025IWS76に移行する。
ステップ025IWS76では、CPU103は、いずれかの時短フラグがセットされているかを確認する(ステップ025IWS76)。いずれの時短フラグもセットされていない場合はステップ025IWS83に移行する。いずれかの時短フラグがセットされている場合は、CPU103は、合算時短回数カウンタを1減算する(ステップ025IWS77)。
そして、CPU103は、減算後の合算時短回数カウンタのカウント値が0であるか否かを確認し(ステップ025IWS74)、0である場合にはステップ025IWS82に移行する。CPU103は、減算後の合算時短回数カウンタのカウント値が0でない場合には、第2特別図柄の変動表示を開始する場合であるか否かを確認する(ステップ025IWS79)。なお、第2特別図柄の変動表示を開始する場合であるか否かは、例えば、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されているか否かを確認することにより判定できる。第2特別図柄の変動表示を開始する場合でなければ、ステップ025IWS83に移行する。
第2特別図柄の変動表示を開始する場合には、CPU103は、第2時短回数カウンタを1減算し(ステップ025IWS80)、減算後の第2時短回数カウンタのカウント値が0であるか否かを確認する(ステップ025IWS81)。CPU103は、減算後の第2時短回数カウンタのカウント値が0でない場合はステップ025IWS83に移行する一方で、減算後の第2時短回数カウンタのカウント値が0である場合はステップ025IWS82に移行する。
ステップ025IWS82では、CPU103は、変動終了時に時短状態を終了することを示す時短終了フラグをセットする(ステップ025IWS82)。
次いで、CPU103は、救済時短回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップ025IWS83)。救済時短回数カウンタの値が0であれば、ステップ025IWS92に移行する。救済時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU103は、救済時短回数カウンタの値を1減算する(ステップ025IWS84)。なお、本例では、ステップ025IWS84の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態または時短状態のいずれであるかに関係なく、一律に救済時短回数カウンタの値が更新される。また、本例では、ステップ025IWS84の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示が実行される場合であるか第2特別図柄の変動表示が実行される場合であるかに関係なく、一律に救済時短回数カウンタの値が更新される。
次いで、CPU103は、減算後の救済時短回数カウンタの値が127以上であるか否かを確認する(ステップ025IWS85)。減算後の救済時短回数カウンタの値が127以上でなければ、すなわち126以下であれば(ステップ025IWS81のN)、CPU103は、救済時短回数カウンタの値に応じた値をEXTデータにセットして、救済時短回数指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ025IWS86)。
次いで、CPU103は、減算後の救済時短回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップ025IWS87)。減算後の救済時短回数カウンタの値が0となっていなければ、ステップ025IWS92に移行する。減算後の救済時短回数カウンタの値が0となっていれば、CPU103は、救済時短が発生したことにもとづき変動終了時に時短状態に制御することを示す救済時短決定フラグをセットする(ステップ025IWS88)。そして、ステップ025IWS92に移行する。
一方、減算後の救済時短回数カウンタの値が127以上であれば(ステップ025IWS85のY)、CPU103は、EXTデータとして一律に7F(H)をセットして、救済時短回数指定コマンドとしてコマンド947F(H)を演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ025IWS89)。そして、ステップ025IWS92に移行する。
なお本例では、ステップ025IWS83以降の救済時短までの変動回数のカウント処理の前にステップ025IWS76~S82を実行して時短回数カウンタの減算処理を行う場合を示しているが、そのような処理態様に限られない。例えば、ステップ025IWS83以降の救済時短までの変動回数のカウント処理を実行した後に時短回数カウンタの減算処理を実行するように構成してもよい。この場合、例えば、救済時短となる変動表示である場合には、時短回数カウンタに「99」をセット(ステップ025IWS149参照)した後に減算処理を実行してしまうと時短回数カウンタの値が1余分に減算されてしまうことから、救済時短となる変動表示では減算処理の後に再び時短回数カウンタの値を1加算するように構成してもよい。また、あらかじめ時短回数カウンタに1多い「100」をセットするように構成してもよい。
なお、本例では、はずれ変動の場合だけでなく小当り変動の場合であってもステップ025IWS83~S88の処理が実行されるので、救済時短回数カウンタの値が0となって救済時短が発生する変動表示が小当り変動である場合もある。一方、本例では、大当り変動となる場合には、ステップ025IWS83~S88の処理は実行されないので、救済時短が発生する筈の変動表示が大当り変動である場合には救済時短の制御は行われず、通常の大当りの制御が行われる。
ステップ025IWS92では、CPU103は、可変表示結果、大当り種別および小当り種別の決定結果に応じた特別図柄の停止図柄を決定する(ステップ025IWS92)。また、CPU103は、決定した特別図柄の停止図柄をRAM102に設けられた停止図柄記憶領域に記憶させる(ステップ025IWS93)。
ステップ025IWS92では、例えば、3R時短大当りAとすることに決定した場合には特別図柄の停止図柄を「1」と決定し、3R時短大当りBとすることに決定した場合には特別図柄の停止図柄を「3」と決定し、6R時短大当りとすることに決定した場合には特別図柄の停止図柄を「5」と決定し、7R時短大当りとすることに決定した場合には特別図柄の停止図柄を「7」と決定し、10R時短大当りAとすることに決定した場合には特別図柄の停止図柄を「9」と決定し、10R時短大当りBとすることに決定した場合には特別図柄の停止図柄を「B」と決定し、小当りAとすることに決定した場合には特別図柄の停止図柄を「2」と決定し、小当りBとすることに決定した場合には特別図柄の停止図柄を「4」と決定し、小当りCとすることに決定した場合には特別図柄の停止図柄を「6」と決定し、小当りDとすることに決定した場合には特別図柄の停止図柄を「8」と決定し、小当りEとすることに決定した場合には特別図柄の停止図柄を「A」と決定し、はずれとすることに決定した場合には特別図柄の停止図柄を「-」と決定する。
そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS111)に対応した値に更新する(ステップ025IWS94)。
(変動パターン設定処理)
図8-20は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップ025IWS111)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)は、特別図柄、遊技状態および表示結果に応じた変動パターンテーブル(図8-7(A)~(E)参照)を選択する(ステップ025IWS1701)。
次いで、CPU103は、ステップ025IWS1701にて使用することに決定した変動パターンテーブルと、特別図柄ポインタが示す保留記憶バッファに格納されている変動パターン決定用乱数とにもとづいて、図8-7に示した変動パターンのいずれとするのかを決定する(ステップ025IWS1702)。本例では、変動パターンを決定することによって、第1特別図柄や第2特別図柄の変動時間が決定される。なお、変動時間を決定したあと、決定した変動時間が設定されている変動パターンを複数の変動パターンの中から選択するようにしてもよい。
変動パターンを決定すると、CPU103は、決定した変動パターンを示す変動パターンコマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ025IWS1703)。
また、ステップ025IWS1702にて第1特別図柄や第2特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定すると、CPU103は、決定した変動時間を示す変動時間データを変動時間タイマに設定して変動時間の計測を開始するとともに(ステップ025IWS1704)、第1特別図柄表示装置4Aでの第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄表示装置4Bでの第2特別図柄の変動表示を開始する(ステップ025IWS1705)。そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値に更新する(ステップ025IWS1706)。
(特別図柄変動処理)
図8-21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動処理(ステップ025IWS112)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)は、まず、まだ送信していなければ、大当りとするか否かの決定結果、小当りとするか否かの決定結果、時短はずれとするか否かの決定結果、大当り種別の決定結果、小当り種別の決定結果および時短はずれ種別の決定結果にもとづいて、いずれかの表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド~表示結果12指定コマンド)を演出制御用CPU120に対して送信する制御を行う(ステップ025IWS1121)。
次いで、CPU103は、変動時間タイマを1減算し(ステップ025IWS1122)、変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には(ステップ025IWS1123のN)、そのまま処理を終了し、変動時間タイマがタイムアウトしている場合には(ステップ025IWS1123のY)、第1特別図柄や第2特別図柄の停止図柄の確定表示期間を計測するための図柄確定期間タイマに「0.5秒」に応じた値をセットする(ステップ025IWS1124)。また、CPU103は、図柄確定指定コマンドの送信設定として、図柄確定期間が0.5秒であることを特定可能な第1図柄確定C指定コマンドまたは第C図柄確定A指定コマンドの送信設定を行う(ステップ025IWS1125)。この場合、特別図柄ポインタの値が「第1」を示す値である場合には第1図柄確定C指定コマンドを送信する制御を行い、特別図柄ポインタの値が「第2」を示す値である場合には第2図柄確定C指定コマンドを送信する制御を行う。
次いで、CPU103は、救済時短決定フラグ(ステップ025IWS88参照)がセットされているか否かを確認する(ステップ025IWS1126)。救済時短決定フラグがセットされている場合であれば、CPU103は、図柄確定期間タイマに「81.4秒」に応じた値を再セットする(ステップ025IWS1128)。また、CPU103は、図柄確定指定コマンドの送信設定を、図柄確定期間が81.4秒であることを特定可能な第1図柄確定A指定コマンドまたは第2図柄確定A指定コマンドの送信設定に変更する制御を行う(ステップ025IWS1129)。そして、ステップ025IWS1132に移行する。
救済時短決定フラグがセットされていない場合は、CPU103は、時短終了フラグおよび時短フラグAがセットされているか否かを確認する(ステップ025IWS1127)。そして、時短終了フラグおよび時短フラグAがセットされていない場合(ステップ025IWS1127のN)、すなわち大当り経由の時短状態Aの最終変動ではない場合には、ステップ025IWS1132に移行する。
時短終了フラグおよび時短フラグAがセットされている場合(ステップ025IWS1127のY)、すなわち大当り経由の時短状態Aの最終変動である場合には、CPU103は、図柄確定期間タイマに「6秒」に応じた値を再セットする(ステップ025IWS1130)。また、CPU103は、図柄確定指定コマンドの送信設定を、図柄確定期間が6秒であることを特定可能な第1図柄確定B指定コマンドまたは第2図柄確定B指定コマンドの送信設定に変更する制御を行う(ステップ025IWS1131)。そして、ステップ025IWS1132に移行する。
そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS113)に対応した値に更新する(ステップ025IWS1132)。
本例では、ステップ025IWS1124,S1125の処理を実行することにより、原則的に図柄確定期間を0.5秒にセットし、ステップ025IWS1126,S1128の処理を実行することにより、救済時短となるときに例外的に図柄確定期間を81.4秒に再セットする。また、ステップ025IWS1127,S1130の処理を実行することにより、大当り経由の時短状態Aの最終変動であるときにも例外的に図柄確定期間を6秒に再セットする。このような構成により、図柄確定期間の設定に関する一部の処理を共通化することができ、プログラム容量の削減を図ることができる。
また本例では、ステップ025IWS1127,S1130の処理を実行することにより、大当り経由の時短状態Aの最終変動(時短無しのはずれ)である場合には、通常状態である場合よりも図柄確定期間が長くなるように構成されている。具体的には、この場合の図柄確定期間は6秒間であり、時短状態Aにおける可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)の開放期間である5秒間よりも長い(図8-29(B)参照)。このような構成により、可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)への遊技球の入賞が過剰に発生することを抑制することができる。
(特別図柄停止処理)
図8-22~図8-23は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS113)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、図柄確定期間タイマの値を1減算し(ステップ025IWS131)、減算後の図柄確定期間タイマの値が0となっているか否かを確認する(ステップ025IWS132)。
減算後の図柄確定期間タイマの値が0となっていなければ(すなわち、まだ第1特別図柄や第2特別図柄の停止図柄の確定表示期間を終了していなければ)、特別図柄停止処理を終了する。減算後の図柄確定期間タイマの値が0となっていれば(すなわち、第1特別図柄や第2特別図柄の停止図柄の確定表示期間を終了していれば)、CPU103は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップ025IWS133)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU103は、セットされていれば、時短フラグ(時短フラグA、時短フラグB)、時短状態中の変動表示の実行回数をカウントするための時短回数カウンタ、時短状態中の小当り回数をカウントするための小当り回数カウンタをリセットする(ステップ025IWS134)。
なお、本例では、時短フラグとして、大当り経由の時短状態Aに対応する時短フラグAと、救済時短経由の時短状態Bに対応する時短フラグBとが設けられているが、単に「時短フラグ」としたときは、大当り経由の時短状態Aに対応する時短フラグAと、救済時短経由の時短状態Bに対応する時短フラグBとを指し示すものである。また、時短回数カウンタとしては、第2特別図柄の変動回数に対応する特2時短回数カウンタと、第1特別図柄および第2特別図柄の両方の変動回数に対応する合算時短回数カウンタとが設けられている。単に「時短回数カウンタ」としたときは、特2時短回数カウンタと合算時短回数カウンタとの両方を指し示すものである。
次いで、CPU103は、救済時短回数カウンタに「678」をセットする(ステップ025IWS135)。従って、本例では、大当りを契機として救済時短回数カウンタに「678」がセットされ、大当り遊技終了後に678回の変動表示を実行しても次の大当りも時短はずれも発生しなかった場合には、救済時短となり時短状態に制御されることになる。また本例では、第1特別図柄の変動表示を契機として大当りとなるときと、第2特別図柄の変動表示を契機として大当りとなるときとで、共通して救済時短回数カウンタに「678」をセットする。そのような構成により、第1特別図柄の変動表示が実行されるときと第2特別図柄の変動表示が実行されるときとで、異なる遊技性を発揮することにより興趣を高めつつも、救済時短が成立するための変動回数は共通として射幸性が過度に高まることを抑え、適切な救済度合いとすることができる。また、救済時短回数カウンタの値は、RAMクリア処理が実行されたときや、大当りが発生したときにセットされるため、一旦救済時短に制御されると、RAMクリア処理や大当り発生を経なければ、再び救済時短に制御されない。そのような構成により、遊技者の救済を図りつつも、射幸性を過度に高めない健全な遊技性を実現することができる。
なお、本例では、ステップ025IWS135の処理を実行することによって、大当りとなった場合に、その大当りのファンファーレ期間の開始時に救済時短回数カウンタに「678」をセットして初期設定する場合を示しているが、そのような態様に限られない。例えば、大当り遊技のラウンド中に救済時短回数カウンタに「678」をセットしてもよく、大当り遊技のエンディング期間の開始時や終了時に救済時短回数カウンタに「678」をセットして初期設定するように構成してもよい。
次いで、CPU103は、右打ちLED025IW10の点灯を開始する制御を行う(ステップ025IWS136)。また、CPU103は、右打ち報知開始指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ025IWS137)。
次いで、CPU103は、大当り開始指定コマンドを演出制御用CPU120に対して送信する制御を行う(ステップ025IWS138)。次いで、CPU103は、特別可変入賞球装置7を開状態に制御するまでの大入賞口開放前時間(ファンファーレ時間)を計測するための大入賞口開放前時間タイマをセットする(ステップ025IWS139)。そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(ステップS144)に対応した値に更新する(ステップ025IWS140)。
大当りフラグがセットされていなければ(ステップ025IWS133のN)、CPU103は、時短終了フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ025IWS141)。時短終了フラグがセットされていなければ、ステップ025IWS148に移行する。時短終了フラグがセットされていれば、CPU103は、時短終了フラグをリセットする(ステップ025IWS142)。次いで、CPU103は、セットされている時短フラグ(時短フラグA、時短フラグB)、時短状態中の変動表示の実行回数をカウントするための時短回数カウンタ、時短状態中の小当り回数をカウントするための小当り回数カウンタをリセットし、時短状態を終了する(ステップ025IWS143)。
次いで、CPU103は、右打ちLED025IW10の点灯を終了する制御を行う(ステップ025IWS145)。また、CPU103は、右打ち報知終了指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ025IWS146)。また、CPU103は、通常状態指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ025IWS147)。そして、ステップ025IWS148に移行する。
なお本例では、ステップ025IWS141~S143の処理が実行されることによって、時短最終変動の図柄確定期間の終了時に通常状態に移行するように構成されているが、このような構成に限らず、時短最終変動の図柄確定期間の開始時に通常状態に移行するように構成してもよい。
また本例では、ステップ025IWS141~S147の処理が実行されることによって、時短最終変動において図柄確定期間の終了時に通常状態に移行するとともに右打ち報知を終了する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、時短最終変動において変動開始時や図柄確定期間の開始時に通常状態に移行して右打ち報知を終了するように構成してもよい。
次いで、CPU103は、救済時短決定フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ025IWS148)。救済時短決定フラグがセットされている場合は、CPU103は、特2時短回数カウンタに「99」を、合算時短回数カウンタに「99」を、小当り回数カウンタに「1」をそれぞれセットする(ステップ025IWS149)。また、CPU103は、時短フラグBをセットし、救済時短経由の時短状態Bに制御する(ステップ025IWS150)。また、CPU103は、時短状態B指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ025IWS151)。本例では、第1特別図柄の変動表示が実行されて救済時短が成立するときと、第2特別図柄の変動表示が実行されて救済時短が成立するときとで、救済時短経由の時短状態Cでの時短回数は99回で共通である。そのような構成により、第1特別図柄の変動表示が実行されるときと第2特別図柄の変動表示が実行されるときとで、異なる遊技性を発揮することにより興趣を高めつつも、救済時短が成立したことにもとづいて制御される時短状態の有利度は共通として射幸性が過度に高まることを抑え、適度な救済度合いとすることができる。
なお本例では、ステップ025IWS150において、時短フラグAがセットされていればリセットする。このような処理により、本例では、大当り経由の時短状態Aにおいて救済時短が発生すると、救済時短経由の時短状態Bに移行する。すなわち、高ベース状態に制御されるとともに、時短回数が99回に再設定される。
なお本例では、小当り変動であっても、図柄確定期間終了のタイミング(ステップ025IWS148)で救済時短決定フラグがセットされていれば、ステップ025IWS150を実行し、その後の小当り遊技状態では時短状態Bに制御される。
救済時短フラグがセットされていない場合は、CPU103は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップ025IWS164)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU103は、右打ちLED025IW10の点灯を開始する制御を行う(ステップ025IWS165)。また、CPU103は、右打ち報知開始指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ025IWS166)。
次いで、CPU103は、小当り開始指定コマンドを演出制御用CPU120に対して送信する制御を行う(ステップ025IWS167)。次いで、CPU103は、特殊入賞口開放前時間タイマをセットする(ステップ025IWS168)。そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS118)に対応した値に更新する(ステップ025IWS169)。
小当りフラグがセットされていない場合には、CPU103は、セットされていれば、救済時短決定フラグをリセットする(ステップ025IWS170)。
ステップ025IWS171では、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS110)に対応した値に更新する(ステップ025IWS171)。
(小当り開放前処理)
図8-24は、特別図柄プロセス処理における小当り開放前処理(ステップ025IWS114)を示すフローチャートである。小当り開放前処理において、CPU103は、まず、特殊入賞口開放前時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップ025IWS401)。特殊入賞口開放前時間タイマがタイムアウトいていなければ(すなわち、ファンファーレ時間を経過していなければ)、そのまま処理を終了する。
特殊入賞口開放前時間タイマがタイムアウトしていれば(すなわち、ファンファーレ時間を経過していれば)、CPU103は、ソレノイド025IW83の駆動を開始して、特殊可変入賞球装置025IW17を開放状態に制御する(ステップ025IWS402)。また、CPU10103は、特殊入賞口の1回目の開放時間(本例では、0.016秒)に相当する値を開放時間タイマにセットする(ステップ025IWS403)。
そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放中処理(ステップ025IWS115)に対応した値に更新する(ステップ025IWS404)。
(小当り開放中処理)
図8-25は、特別図柄プロセス処理における小当り開放中処理(ステップ025IWS115)を示すフローチャートである。小当り開放中処理において、CPU103は、まず、特殊入賞口スイッチ025IW24がオン状態となったか否かを確認する(ステップ025IWS421)。特殊入賞口スイッチ025IW24がオン状態となっていれば(すなわち、特殊入賞口への遊技球の入賞を検出していれば)、CPU103は、特殊入賞口入賞指定コマンドを演出制御用CPU120に対して送信する制御を行う(ステップ025IWS422)。
次いで、CPU103は、V入賞口スイッチ025IW20aがオン状態となったか否かを確認する(ステップ025IWS423)。V入賞口スイッチ025IW20aがオン状態となっていれば(すなわち、V入賞口への遊技球の入賞を検出していれば)、CPU103は、V入賞口入賞指定コマンドを演出制御用CPU120に対して送信する制御を行う(ステップ025IWS424)。また、CPU103は、V入賞したことを示すV入賞フラグをセットする(ステップ025IWS425)。
次いで、CPU103は、V入賞口開閉板025IW20の開放タイミングとなったか否かを確認する(ステップ025IWS426)。なお、V入賞口開閉板025IW20の開放タイミングとなったか否かは、例えば、小当り遊技を開始するときにタイマをセットし、小当り遊技を開始してからの時間が所定時間(本例では、8秒)となったか否かを確認することにより判定できる。V入賞口開閉板025IW20の開放タイミングとなっていれば、CPU103は、ソレノイド025IW84の駆動を開始し、V入賞口開閉板025IW20を開放状態に制御する(ステップ025IWS427)。
次いで、CPU103は、V入賞口開閉板025IW20の閉鎖タイミングとなったか否かを確認する(ステップ025IWS428)。なお、V入賞口開閉板025IW20の閉鎖タイミングとなったか否かは、例えば、V入賞口開閉板025IW20の開放を開始したときにタイマをセットし、V入賞口開閉板025IW20の開放を開始してからの時間が所定時間(本例では、8秒)となったか否かを確認することにより判定できる。V入賞口開閉板025IW20の閉鎖タイミングとなっていれば、CPU103は、ソレノイド025IW84の駆動を停止し、V入賞口開閉板025IW20を閉鎖状態に制御する(ステップ025IWS429)。
次いで、CPU103は、特殊入賞口の開放時間を計測するための開放時間タイマの値が0となっているか否かを確認する(ステップ025IWS430)。開放時間タイマの値が0でなければ(すなわち、特殊入賞口の開放中であれば)、CPU103は、開放時間タイマの値を1減算し(ステップ025IWS431)、減算後の開放時間タイマの値が0となっているか否かを確認する(ステップ025IWS432)。開放時間タイマの値が0となっていれば、CPU103は、ソレノイド025IW83の駆動を停止して、特殊可変入賞球装置025IW17を閉鎖状態に制御する(ステップ025IWS433)。また、CPU103は、特殊入賞口の開放後の閉鎖時間を計測するための閉鎖時間タイマに、所定の閉鎖時間(インターバル時間に相当する値をセットする(ステップ025IWS434)。そして、処理を終了する。
ステップ025IWS430で開放時間タイマが0であれば(すなわち、特殊入賞口の閉鎖中であれば)、CPU103は、閉鎖時間タイマの値を1減算し(ステップ025IWS435)、減算後の閉鎖時間タイマの値が0となっているか否かを確認する(ステップ025IWS436)。閉鎖時間タイマの値が0となっていれば、CPU103は、既に特殊入賞口の全ての開放を終了したか否かを確認する(ステップ025IWS437)。本例では、既に特殊入賞口を4回開放していれば、ステップ025IWS437においてYと判定し、ステップ025IWS440に移行する。
特殊入賞口の全ての開放を終了していなければ(すなわち、2~4回目の開放が残っていれば)、CPU103は、ソレノイド025IW83の駆動を開始して、特殊可変入賞球装置025IW17を開放状態に制御する(ステップ025IWS438)。また、CPU103は、閉鎖時間タイマに開放時間(本例では、0.016秒)に相当する値をセットする(ステップ025IWS439)。そして、処理を終了する。
特殊入賞口の全ての開放を終了していれば(ステップ025IWS437のY)、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り閉鎖後処理(ステップ025IWS116)に応じた値に更新する(ステップ025IWS440)。
(小当り閉鎖後処理)
図8-26は、特別図柄プロセス処理における小当り閉鎖後処理(ステップ025IWS116)を示すフローチャートである。小当り閉鎖後処理において、CPU103は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップ025IWS451)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップ025IWS453に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、CPU103は、小当り終了表示タイマに、画像表示装置5において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップ025IWS452)、処理を終了する。
ステップ025IWS453では、CPU103は、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU103は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップ025IWS454)。経過していなければ処理を終了する。
小当り終了表示時間が経過していれば、CPU103は、V入賞フラグがセットされているか否か確認する(ステップ025IWS455)。V入賞フラグがセットされている場合には、CPU103は、セットされていれば、時短フラグや、時短回数カウンタ、小当り回数カウンタをリセットする(ステップ025IWS456)。また、CPU103は、V入賞フラグをリセットする(ステップ025IWS457)。また、CPU103は、救済時短回数カウンタに「678」をセットする(ステップ025IWS457a)。また、CPU103は、大当り開始指定コマンドを演出制御用CPU120に対して送信する制御を行う(ステップ025IWS458)。また、CPU103は、大入賞口開放前時間タイマをセットする(ステップ025IWS459)。
そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開始前処理(ステップ025IWS117)に対応した値に更新する(ステップ025IWS460)。
ステップ025IWS456の処理でV入賞フラグがセットされていないことを確認した場合には、CPU103は、小当りフラグをリセットする(ステップ025IWS461)。また、CPU103は、小当り終了指定コマンドを演出制御用CPU120に対して送信する制御を行う(ステップ025IWS462)。そして、CPU103は、セットされていれば、救済時短決定フラグをリセットし(ステップ025IWS463)、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップ025IWS110)に応じた値に更新する(ステップ025IWS464)。
(大当り終了処理)
図8-27は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップ025IWS121)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップ025IWS531)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップ025IWS535に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、CPU103は、大当りフラグまたは小当りフラグをリセットし(ステップ025IWS532)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップ025IWS533)。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマに、画像表示装置5において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップ025IWS534)、処理を終了する。
ステップ025IWS535では、CPU103は、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップ025IWS536)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間が経過していれば(ステップ025IWS536のY)、CPU103は、時短フラグAをセットし(ステップ025IWS537)、救済時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ025IWS538)。救済時短フラグがセットされている場合は、CPU103は、救済時短フラグをリセットし(ステップ025IWS539)、ステップ025IWS542に移行する。救済時短フラグがセットされていない場合は、そのままステップ025IWS542に移行する。
ステップ025IWS542では、CPU103は、発生した大当りの大当り種別が3R時短大当りAであるか否かを確認する(ステップ025IWS542)。なお、大当り種別が3R時短大当りAであるか、または小当りA経由の大当りであるか否かは、例えば、ステップ025IWS92,S93において記憶した特別図柄の停止図柄を確認することにより判定できる。
発生した大当りの大当り種別が3R時短大当りAである場合(ステップ025IWS542のY)には、CPU103は、特2時短回数カウンタに「1」をセットし、合算時短回数カウンタに「5」をセットし、小当り回数カウンタに「1」をセットする(ステップ025IWS543)。その後、ステップ025IWS547に移行する。
また、発生した大当りの大当り種別が10R時短大当りB、または小当りE経由の大当りではない場合(ステップ025IWS544のN)、すなわち発生した大当りの大当り種別が3R時短大当りB、6R時短大当り、7R時短大当りおよび10R時短大当りAのいずれか、または小当りA~Dのいずれかである場合には、CPU103は、特2時短回数カウンタに「7」をセットし、合算時短回数カウンタに「11」をセットし、小当り回数カウンタに「1」をセットする(ステップ025IWS545)。その後、ステップ025IWS547に移行する。
発生した大当りの大当り種別が10R時短大当りB、または小当りE経由の大当りである場合(ステップ025IWS544のY)には、CPU103は、特2時短回数カウンタに「99」をセットし、合算時短回数カウンタに「99」をセットし、小当り回数カウンタに「1」をセットする(ステップ025IWS546)。
その後、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップ025IWS110)に応じた値に更新する(ステップ025IWS547)。
(状態遷移)
次に、本特徴部025IWにおける状態遷移について説明する。図8-28は、本特徴部025IWにおける状態遷移を説明するための状態遷移図である。図8-28に示すように、通常状態において大当りとなった場合には、大当り遊技状態に制御され、規定回数のラウンド(本例では3ラウンド、6ラウンド、7ラウンドおよび10ラウンドのいずれか)が終了すると時短状態A(大当り経由の時短状態)に制御される(ステップ025IWS537参照)。
また、通常状態において救済時短となった場合(RAMクリア処理後や大当り後から、次の大当りが発生することなく変動回数が678回に到達した場合)には、時短状態B(救済時短経由の時短状態)に制御される(ステップ025IWS150参照)。
また、図8-28に示すように、時短状態Aにおいて大当りとなった場合には、大当り遊技状態に制御され、規定回数のラウンドが終了すると再び時短状態A(大当り経由の時短状態)に制御される(ステップ025IWS537参照)。
また、時短状態Aおいて小当りとなった場合には、小当り遊技状態に制御される。そして、小当り遊技状態でV入賞した場合には大当り遊技状態に制御され、規定回数のラウンドが終了すると時短状態A(大当り経由の時短状態)に制御される(ステップ025IWS537参照)。なお、小当り遊技状態でV入賞しなかった場合には通常状態に制御される(ステップ025IWS73~75参照)。
また、時短状態Aにおいて大当りが発生することなく1回、7回または99回の第2特別図柄の変動表示を終了した場合には、通常状態に制御される(ステップ025IWS82,S143参照)。
また、図8-28に示すように、時短状態Bにおいて大当りとなった場合には、大当り遊技状態に制御され、規定回数のラウンドが終了すると時短状態A(大当り経由の時短状態)に制御される(ステップ025IWS537参照)。
また、時短状態Bにおいて、小当りとなった場合には小当り遊技状態に制御される。そして、小当り遊技状態でV入賞した場合には大当り遊技状態に制御され、規定回数のラウンドが終了すると時短状態A(大当り経由の時短状態)に制御される(ステップ025IWS537参照)。なお、小当り遊技状態でV入賞しなかった場合には通常状態に制御される(ステップ025IWS73~75参照)。
また、時短状態Bにおいて大当りが発生することなく変動回数が99回になった場合には、通常状態に制御される(ステップ025IWS82,S143参照)。
(図柄確定期間)
次に、図柄確定期間の違いについて説明する。図8-29は、図柄確定期間を説明するための説明図である。
本例では、図8-29(A)に示すように、通常状態(低ベース状態)において、はずれ図柄が導出表示される場合には、図柄確定期間は0.5秒間となる(例えば、ステップ025IWS1124の処理に相当)。
また本例では、大当り経由の時短状態Aの最終変動(時短無しのはずれ)である場合には、通常状態である場合よりも図柄確定期間が長くなるように構成されている。具体的には、図8-29(B)に示すように、この場合の図柄確定期間は6秒間であり、時短状態Aにおける可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)の開放期間である5秒間よりも長い(図8-29(B)参照)。このような構成により、可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)への遊技球の入賞が過剰に発生することを抑制することができる。
なお、時短はずれ経由の時短状態C(中ベース状態)に制御可能な構成とする場合には、時短状態C(中ベース状態)では主として第1始動入賞口に遊技球が入賞するため、最終変動の図柄確定期間を長くすることは、遊技の進行上あまり意味がなく、遊技が間延びするおそれがある。そこで、時短はずれ経由の時短状態Cの最終変動(時短無しのはずれ)である場合には、通常状態である場合と同じ図柄確定期間となるように構成する。このような構成により、遊技の間延びを抑えて興趣の低下を抑えることができる。
(コマンド解析処理)
次に、コマンド解析処理について説明する。図8-30~図8-32は、コマンド解析処理(ステップS75)の具体例を示すフローチャートである。主基板11から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップ025IWS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップ025IWS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップ025IWS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップ025IWS614)、演出制御用CPU120は、受信した変動パターンコマンドを、RAM122に形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップ025IWS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップ025IWS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップ025IWS617)、演出制御用CPU120は、受信した表示結果指定コマンドを、RAM122に形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップ025IWS618)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄確定指定コマンド(第1図柄確定A指定コマンド、第1図柄確定B指定コマンド、第1図柄確定C指定コマンド、第2図柄確定A指定コマンド、第2図柄確定B指定コマンド、第2図柄確定C指定コマンド)であれば(ステップ025IWS619)、演出制御用CPU120は、受信した図柄確定指定コマンドに応じた確定コマンド受信フラグをセットする(ステップ025IWS620)。例えば、第1図柄確定A指定コマンドを受信した場合には、第1確定Aコマンド受信フラグをセットする。また、例えば、第1図柄確定B指定コマンドを受信した場合には、第1確定Bコマンド受信フラグをセットする。また、例えば、第1図柄確定C指定コマンドを受信した場合には、第1確定Cコマンド受信フラグをセットする。また、例えば、第2図柄確定A指定コマンドを受信した場合には、第2確定Aコマンド受信フラグをセットする。また、例えば、第2図柄確定B指定コマンドを受信した場合には、第2確定Bコマンド受信フラグをセットする。また、例えば、第2図柄確定C指定コマンドを受信した場合には、第2確定Cコマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンドであれば(ステップ025IWS621)、演出制御用CPU120は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップ025IWS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップ025IWS623)、演出制御用CPU120は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップ025IWS624)。また、演出制御用CPU120は、演出制御用救済時短回数カウンタに「678」をセットする(ステップ025IWS624a)。
ステップ025IWS624aの処理が実行されることにより、大当り遊技状態が終了したときに演出制御用救済時短回数カウンタに初期値(本例では「678」)が設定されるため、演出制御基板12側で救済時短となるまでの残りの変動回数を正確に管理することができる。
受信した演出制御コマンドが通常状態指定コマンドであれば(ステップ025IWS625)、演出制御用CPU120は、画像表示装置5において、通常状態に応じた背景画像(例えば、海モードに応じた青色の背景画像)に切り替える制御を行う(ステップ025IWS626)。また、演出制御用CPU120は、時短状態であることを示す時短状態フラグをリセットする(ステップ025IWS627)。また、演出制御用CPU120は、通常状態に移行してからの変動回数をカウントするための変動回数カウンタに「4」をセットする(ステップ025IWS628)。
次いで、演出制御用CPU120は、保留記憶があるか否かを確認する(ステップ025IWS629)。なお、保留記憶があるか否かは、第1保留記憶加算指定コマンドや、第2保留記憶加算指定コマンド、第1保留記憶減算指定コマンド、第2保留記憶減算指定コマンドを受信したことにもとづいて把握される第1保留記憶数や第2保留記憶数が0であるか否かを確認し、第1保留記憶数または第2保留記憶数のいずれかが0でなければ保留記憶があると判定し、第1保留記憶数および第2保留記憶数のいずれも0であれば保留記憶がないと判定できる。保留記憶がなければ、演出制御用CPU120は、画像表示装置5において、左打ち操作を促進するための左打ち画像を表示する制御を行う(ステップ025IWS630)。一方、保留記憶があれば、そのままステップ025IWS611の処理に戻る。
受信した演出制御コマンドが時短状態A指定コマンドであれば(ステップ025IWS631)、演出制御用CPU120は、画像表示装置5において、時短状態A(大当り経由の時短状態)に応じた背景画像(例えば、夕日モードに応じた黄色の背景画像)に切り替える制御を行う(ステップ025IWS632)。また、演出制御用CPU120は、時短状態フラグをセットする(ステップ025IWS634)。
受信した演出制御コマンドが時短状態B指定コマンドであれば(ステップ025IWS639)、演出制御用CPU120は、画像表示装置5において、時短状態B(救済時短経由の時短状態)に応じた背景画像(例えば、みかん畑モードに応じた橙色の背景画像)に切り替える制御を行う(ステップ025IWS640)。また、演出制御用CPU120は、時短状態フラグをセットする(ステップ025IWS641)。また、演出制御用CPU120は、画像表示装置5において、右打ち画像を表示する制御を行う(ステップ025IWS642)。
本例では、ステップ025IWS631~S642の処理が実行されることによって、同じ時短状態であっても、大当り経由の時短状態Aと、救済時短経由の時短状態Bとのいずれであるかに応じて異なる背景画像を表示する。
なお、本例で示した態様に限らず、大当り経由の時短状態Aと救済時短経由の時短状態Bとのいずれであるかに関係なく、共通の背景画像を表示するように構成してもよい。例えば、ステップ025IWS632とステップ025IWS640とで共通の背景画像を表示して、大当り経由の時短状態Aと救済時短経由の時短状態Bとで共通の背景画像を表示するように構成してもよい。
受信した演出制御コマンドが救済時短回数1指定コマンド~救済時短回数4指定コマンドのいずれかであれば(ステップ025IWS652)、演出制御用CPU120は、受信した救済時短回数1指定コマンド~救済時短回数4指定コマンドを、RAM122に形成されている救済時短回数1~4指定コマンド格納領域に格納する(ステップ025IWS653)。なお、本例では、救済時短回数1~4指定コマンド格納領域には、4つの格納領域が設けられている。次いで、演出制御用CPU120は、救済時短回数1指定コマンド~救済時短回数4指定コマンドの4つのコマンドを全て受信したか否かを確認する(ステップ025IWS654)。
救済時短回数1指定コマンド~救済時短回数4指定コマンドを全て受信していれば、演出制御用CPU120は、これらのコマンドを正規の順序(救済時短回数1指定コマンド、救済時短回数2指定コマンド、救済時短回数3指定コマンド、救済時短回数4指定コマンドの順)で受信したか否かを確認する(ステップ025IWS655)。正規の順序で受信していれば、演出制御用CPU120は、救済時短回数1指定コマンド~救済時短回数4指定コマンドの4つのコマンドによって特定される救済時短となるまでの残りの変動回数に対応する値を演出制御用救済時短回数カウンタにセットする(ステップ025IWS655a)。
本特徴部025IWでは、ステップ025IWS655aの処理が実行されることにより、電力供給開始時に復旧処理が実行されたときに、演出制御基板12側で救済時短となるまでの残りの変動回数を正確に設定することができる。
なお、上述したように、本特徴部025IWでは、演出制御用救済時短回数カウンタのデータは、RAM122にバックアップデータとして保持されるように構成されている。そのため、電力供給開始時に救済時短回数1指定コマンド~救済時短回数4指定コマンドを正常に受信できなかった場合にも、RAM122のバックアップデータにもとづいて演出制御用救済時短回数カウンタを設定することができ、演出制御用救済時短回数カウンタの値にもとづいて後述する煽り演出やカウントダウン演出を実行することができる。
次いで、演出制御用CPU120は、通常状態であるか否かを確認する(ステップ025IWS656)。具体的には、時短状態フラグがセットされていなければ、通常状態であると判定することができる。
通常状態であれば、演出制御用CPU120は、受信した救済時短回数1指定コマンド~救済時短回数4指定コマンドにもとづいて、画像表示装置5において、救済時短となるまでの残りの変動回数に応じた特殊初期出目を表示する制御を行う(ステップ025IWS656a)。例えば、受信した救済時短回数1指定コマンド~救済時短回数4指定コマンドによって特定される救済時短となるまでの残り変動回数が100回以下である場合、特殊初期出目として「112」と表示し、救済時短となるまでの残り変動回数が100回以下であることを示唆する。また、例えば、救済時短となるまでの残り変動回数が101回以上かつ200回以下である場合、特殊初期出目として「223」と表示し、救済時短となるまでの残り変動回数が101回以上かつ200回以下であることを示唆する。
なお、電源供給開始時にステップ025IWS656aの処理が実行されず、特殊初期出目を表示する制御が行われなかった場合には、特殊初期出目とは異なる初期出目を表示する制御が行われる。
上述したように、本特徴部025IWでは、電源供給開始時に復旧処理が実行された場合、すなわち初期化処理が実行されて救済時短となるまでの残り変動回数が初期化されなかった場合に、救済時短回数1指定コマンド~救済時短回数4指定コマンドが送信される。そのため、受信した救済時短回数1指定コマンド~救済時短回数4指定コマンドにもとづいて特殊初期出目が表示されると、救済時短となるまでの残り変動回数が示唆されるとともに、電源供給開始時に救済時短となるまでの残り変動回数が初期化されなかったことが示唆されることになる。このような構成により、特殊初期出目の表示の有無により救済時短となるまでの残り変動回数が初期化されたか否かを示唆することができ、特殊初期出目の表示態様により救済時短となるまでの残り変動回数を示唆することができ、興趣を向上させることができる。
なお、本特徴部025IWでは、救済時短回数1指定コマンド~救済時短回数4指定コマンドを正常に受信したときには、常に特殊初期出目を表示する制御を行うように構成されているが、このような構成に限らず、救済時短回数1指定コマンド~救済時短回数4指定コマンドを正常に受信したときに抽選を行い、当選した場合にのみ特殊初期出目を表示する制御を行うように構成としてもよい。また、救済時短回数1指定コマンド~救済時短回数4指定コマンドを正常に受信しなかったとき(すなわち初期化処理が実行されたとき)にも、特殊初期出目を表示する制御が行われる場合があるようにしてもよい。ただし、電力供給が開始されるときに初期化処理が実行されなかった場合(すなわち復旧処理が実行された場合)の方が、初期化処理が実行された場合よりも、高い割合で特殊初期出目を表示する制御が行われることが望ましい。
次いで、演出制御用CPU120は、受信した救済時短回数1指定コマンド~救済時短回数4指定コマンドにもとづいて、救済時短までの残りの変動回数が10回以下となっているか否かを確認する(ステップ025IWS657)。救済時短までの残りの変動回数が10回以下となっていれば、演出制御用CPU120は、画像表示装置5において、残りの変動回数に応じたカウントダウン表示を表示する制御を行う(ステップ025IWS658)。この場合、例えば、残りの変動回数が「10」となっていれば、画像表示装置5においてカウントダウン表示として「10」の文字表示を表示する制御を行う。また、例えば、残りの変動回数が「1」となっていれば、画像表示装置5においてカウントダウン表示として「1」の文字表示を表示する制御を行う。
なお、本例では、ステップ025IWS655の判定処理を行うことによって正規の順序で救済時短回数1指定コマンド~救済時短回数4指定コマンドを受信したと判定したことにもとづいてカウントダウン表示を表示可能に構成されているので、正規の順序で救済時短回数1指定コマンド~救済時短回数4指定コマンドを受信するまではカウントダウン表示は表示されない。
受信した演出制御コマンドが救済時短回数指定コマンドであれば(ステップ025IWS659)、演出制御用CPU120は、受信した救済時短回数指定コマンドを、RAM122に形成されている救済時短回数指定コマンド格納領域に格納する(ステップ025IWS660)。
次いで、演出制御用CPU120は、受信した救済時短回数指定コマンドが示す残り回数が1回以上126回以下であるか否かを判定し(ステップ025IWS661)、残り回数が1回以上126回以下である場合には、救済時短回数指定コマンドが示す残り回数に対応する値を演出制御用救済時短回数カウンタにセットする(ステップ025IWS662)。そして、ステップ025IWS611に移行する。
本特徴部025IWでは、ステップ025IWS661~S662の処理を実行することにより、受信した救済時短回数指定コマンドが示す残り回数が所定回数(本例では126回)よりも大きいときに、受信した救済時短回数指定コマンドにもとづいて演出制御用救済時短回数カウンタの値を再設定せず、受信した救済時短回数指定コマンドが示す残り回数が所定回数以下であるときに、受信した救済時短回数指定コマンドにもとづいて演出制御用救済時短回数カウンタの値を再設定する。このような構成により、救済時短となるまでの残り回数が所定回数以下であるとき(すなわち救済時短が近いとき)には演出制御用救済時短回数カウンタの値を正確に管理し、所定回数よりも大きいとき(すなわち救済時短が近くないとき)には処理を簡略化することができる。なお、本特徴部025IWの構成に限らず、救済時短回数指定コマンドを受信したときには、常に受信した救済時短回数指定コマンドにもとづいて演出制御用救済時短回数カウンタの値を再設定するようにしてもよい。
なお、本例では、残り回数が1回以上126回以下ではない場合には、そのままステップ025IWS611に移行するが、受信した救済時短回数指定コマンドが示す残り回数が異常な値である場合、例えば、残り回数が127回以上ではなく、かつ0回でもない場合には、演出制御用CPU120は、演出制御用救済時短回数カウンタの値を不定(例えば、-1)とするようにしてもよい。すなわち、受信した救済時短回数指定コマンドが示す残り回数が異常な値であるとき(例えば正常に救済時短回数指定コマンドを受信できなかったとき)には、演出制御用救済時短回数カウンタの値が不定に設定されるようにしてもよい。そして、演出制御用救済時短回数カウンタの値が不定に設定されているときには、演出制御用救済時短回数カウンタの値にもとづく煽り演出やカウントダウン演出の実行が制限されたり、演出制御用救済時短回数カウンタの更新が制限されたりするようにしてもよい。このような構成により、異常な値にもとづいて煽り演出やカウントダウン演出が実行されることを防止することができる。なお、演出制御用救済時短回数カウンタの値が不定に設定された場合には、次回以降に受信した救済時短回数指定コマンドが示す残り回数が正常な値であれば、当該正常な値で再設定される。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(ステップ025IWS666)、演出制御用CPU120は、画像表示装置5において客待ちデモンストレーション表示を行う制御を実行する(ステップ025IWS667)。そして、ステップ025IWS611に移行する。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドを記憶したり、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットしたりする処理を実行する(ステップ025IWS661)。そして、ステップ025IWS611に移行する。
(先読予告設定処理)
図8-34は、図7に示された演出制御プロセス処理における先読予告設定処理(ステップS161)を示すフローチャートである。
本例では、特別図柄プロセス処理における始動入賞判定処理(ステップS101)では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行される。そして、保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図4に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
先読予告設定処理(ステップS161)では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。
例えば、図8-34に示すように、演出制御用CPU120は、始動入賞時の演出制御コマンド(例えば、始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンド)を受信しているか否かを確認する(ステップ025IWS681)。
始動入賞時の演出制御コマンドを受信している場合には、演出制御用CPU120は、新たに始動入賞時の演出制御コマンドを受信した保留記憶を含む保留記憶数が救済時短までの残り回数よりも多いか否かを判定する(ステップ025IWS682)。すなわち、始動入賞の発生によって新たに記憶された保留記憶に対応する変動表示が救済時短となった後に実行されるものであるか否かを判定する。そして、保留記憶数が救済時短までの残り回数よりも多くない場合、すなわち始動入賞の発生によって新たに記憶された保留記憶に対応する変動表示が救済時短となった後に実行されるものである場合には、先読予告設定処理を終了する。
本例では、ステップ025IWS682の処理を実行することにより、救済時短となる前に記憶された保留記憶に対応する変動表示のうち、救済時短となるときの変動表示を予告対象とする先読み予告演出を実行可能である一方、救済時短となるときの変動表示より後の変動表示を予告対象とする先読み予告演出の実行を制限する。すなわち、遊技状態が変化する救済時短を跨いで先読み予告演出を実行することを制限するように構成されている。このような構成により、制御処理の煩雑化を回避することができるとともに、演出内容に矛盾が生じることを回避することができる。また、救済時短の成立後に実行される第1特別図柄の可変表示を対象とする先読み予告演出の実行を制限することで(救済時短の成立に期待する遊技者に余計な情報を与えないことで)、救済時短の成立に対する注目度を高めることができる。
保留記憶数が救済時短までの残り回数よりも多い場合、すなわち始動入賞の発生によって新たに記憶された保留記憶に対応する変動表示が救済時短となる前に実行されるものである場合には、演出制御用CPU120は、
なお本例では、大当り経由の時短状態Aや救済時短経由の時短状態B(すなわち高ベース状態)においては、大当り経由の時短状態Aや救済時短経由の時短状態B(すなわち高ベース状態)の終了後に実行される変動表示を予告対象とする先読み予告演出の実行は制限されない。大当り経由の時短状態Aや救済時短経由の時短状態B(すなわち高ベース状態)においては、主として第2特別図柄の変動表示に対応する第2保留記憶が記憶されるが、第2特別図柄の変動表示が実行されることによる利点(例えば、大当り発生時に有利な大当り種別となる割合が高い。図8-5(A)参照)は、通常状態に移行した後であっても、活かすことができるからである。
保留記憶数が救済時短までの残り回数よりも多い場合(ステップ025IWS682のY)、すなわち始動入賞の発生によって新たに記憶された保留記憶に対応する変動表示が救済時短となった後に実行されるものではない場合には、演出制御用CPU120は、先読み予告演出の実行の有無、実行する場合の演出種別および演出態様を決定する(ステップ025IWS703)。
ステップ025IWS703では、演出制御用CPU120は、例えば、先読予告演出実行決定テーブルを用いて、先読み予告演出の実行の有無を決定する。先読予告演出実行決定テーブルは、表示結果が大当りまたは小当りとなる場合と、はずれとなる場合とのいずれの場合にも、先読み予告演出を実行可能であり、大当りまたは小当りとなる場合の方が、はずれとなる場合よりも、先読み予告演出を実行する割合が高くなるように構成されている。よって、先読み予告演出が実行されることにより、大当りまたは小当りとなる期待度が高いことが示唆されることになる。
なお、本例で示す構成に限らず、例えば、遊技状態が救済時短経由の時短状態Bである場合と、時短状態B以外の遊技状態である場合とで、先読み予告演出が実行される割合を異ならせてもよい。具体的には、時短状態Bの方が、時短状態B以外の遊技状態のときよりも、表示結果がはずれとなる場合に、先読み予告演出を実行する割合が低くなるようにしてもよい。また、例えば、時短状態Bであっても、大当りや時短はずれとなる変動表示が実行される場合には、先読み予告演出の実行を制限しないようにしてもよい。このような構成により、時短状態Bの場合(すなわち長期間大当りが発生していない場合)には、先読み予告演出が実行されたものの大当りとならないときの興趣の低下を抑えることができる。
またステップ025IWS703では、演出制御用CPU120は、例えば、先読予告演出種別決定テーブルを用いて、実行する先読み予告演出の演出種別および演出態様を決定する。具体的には、演出種別として、チャンス目演出と保留変化演出とのいずれかに決定、演出態様として、青色態様と赤色態様とのいずれかに決定する。また例えば、受信した先読み判定結果指定コマンドにもとづいて、保留記憶の中に大当りとなるものが1つあると特定した場合には、いわゆる保留連演出として、図8-45(27)や図8-45(32)と同様の態様の「V STOCK×1」という文字表示025IW401を表示する。また例えば、受信した先読み判定結果指定コマンドにもとづいて、保留記憶の中に大当りとなるものが2つあると特定した場合には、「V STOCK×2」という文字表示を表示することにより保留連演出を実行する。
チャンス目演出は、先読み予告演出の対象となる変動表示の前に実行される変動表示の表示結果がチャンス目(本例では「778」)となることによって、先読み予告演出の対象となる変動表示が大当りとなることを示唆する演出である。チャンス目演出では、例えば、表示結果がチャンス目(本例では「778」)となるか否かを煽る演出が実行される。また、例えば、赤色の演出態様によりチャンス目演出が実行される場合には、赤色のチャンス目(本例では「778」)が停止表示され、青色の演出態様によりチャンス目演出が実行される場合には、青色のチャンス目(本例では「778」)が停止表示される。
保留変化演出は、先読み予告演出の対象となる変動表示に対応する保留表示が通常態様とは異なる表示態様により表示されることにより、先読み予告演出の対象となる変動表示が大当りとなることを示唆する演出である。また、例えば、赤色の演出態様により保留変化演出が実行される場合には、赤色の保留表示が表示され、青色の演出態様により保留変化演出が実行される場合には、青色の保留表示が表示される。
ステップ025IWS703の処理が終了すると、演出制御用CPU120は、決定した内容にもとづいて先読み予告演出の実行設定を行う(ステップ025IWS704)。例えば、チャンス目演出を実行すると決定した場合には、ステップ025IWS704において、チャンス目演出の実行設定として、チャンス目フラグをセットする。そして、後述する可変表示開始設定処理において、チャンス目フラグがセットされている場合に、チャンス目演出を含むプロセステーブルを選択することにより、チャンス目演出を実行する。なおチャンス目フラグは、先読み対象となる変動表示の直前の変動表示が実行されるとリセットされる。
また例えば、保留変化演出を実行すると決定した場合には、ステップ025IWS704において、始動入賞時のコマンドに対応する保留表示の表示態様を変化させることにより、保留変化演出を実行する。
なお、本例で示す構成に限らず、例えば、救済時短経由の時短状態Bのときには、赤色の演出態様でのみ先読み予告演出を実行するように構成してもよい。このような構成により、救済時短経由の時短状態Bの場合(すなわち長期間大当りが発生していない場合)には、大当り期待度が低い青色の演出態様により先読み予告演出が実行されるときの興趣の低下を抑えることができる。この場合には、救済時短経由の時短状態Bにおいては、赤色の演出態様でのみ先読み予告演出を実行するが、はずれ時に先読み予告演出を実行する割合を低くして(例えば、実行する割合を1%とする)、赤色の演出態様で先読み予告演出が実行されたものの表示結果がはずれと場合が頻発しないようにすることが望ましい。
また例えば、救済時短となるまでの残りの変動回数が10回以下となると、予告演出の実行を制限する(期待度が高い予告演出のみを実行しないようにしてもよい)ように構成するとともに、先読み予告演出の実行を制限する(例えば、実行割合を低下させる(または実行しない)ようにしてもよい。この場合、はずれの場合の先読み予告演出の実行割合を低下させる(または実行しない)ように構成してもよいし、期待度が高い種別の先読み予告演出の実行割合を低下させる(または実行しない)ようにしてもよい。またこの場合、救済時短となるまでの残りの変動回数が10回以下であっても、大当りや時短はずれとなる変動表示が実行される場合には、先読み予告演出の実行を制限しないようにしてもよい。
(可変表示開始待ち処理)
図8-35は、図7に示された演出制御プロセス処理における可変表示開始待ち処理(ステップS170)を示すフローチャートである。可変表示開始待ち処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否かを判定し(ステップ025IWS701)、セットされていなければ、処理を終了する。
変動パターンコマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップ025IWS702)。次いで、演出制御用CPU120は、演出用救済時短回数カウンタの値が不定(例えば、-1)であるか否かを判定し(ステップ025IWS702)、不定であればステップ025IWS706に移行する。
演出用救済時短回数カウンタの値が不定でなければ、演出制御用CPU120は、演出用救済時短回数カウンタの値を1減算する(ステップ025IWS705)。その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を可変表示開始設定処理(ステップS171)に対応した値にする(ステップ025IWS706)。
本特徴部025IWでは、ステップ025IWS705の処理が実行されることにより、救済時短回数指定コマンドを正常に受信できている場合と救済時短回数指定コマンドを正常に受信できていない場合とのいずれに場合にも、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて、演出用救済時短回数カウンタの値を更新可能である。そして、演出用救済時短回数カウンタの値にもとづいて後述する煽り演出やカウントダウン演出を実行することができる。このような構成により、救済時短回数指定コマンドを一時的に受信できない場合でも、演出用救済時短回数カウンタの値を更新することができるとともに、演出用救済時短回数カウンタの値にもとづいて煽り演出やカウントダウン演出を実行することができる。さらに、後で受信した救済時短回数指定コマンドにより特定される残り回数にもとづいて演出用救済時短回数カウンタの値を再設定する(ステップ025IWS662の処理に相当)ことで、主基板11側で管理する救済時短回数カウンタの値と、演出制御基板12側で管理する演出用救済時短回数カウンタの値とを一致させることができる。よって、コマンドを正常に受信できない場合に不適切な制御が行われることを回避することができる。
なお本例では、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて、ステップ025IWS705の処理が実行されることにより、演出用救済時短回数カウンタの値を更新しているが、このような構成に限らず、変動表示が実行を特定可能なコマンド(例えば、表示結果指定コマンドや図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出用救済時短回数カウンタの値を更新するようにしてもよい。
また本例では、演出用救済時短回数カウンタを設定する際に「678」をセットし、変動表示を実行するごとに演出用救済時短回数カウンタの値を1ずつ減算する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、演出用救済時短回数カウンタを設定する際に「0」をセットし、変動表示を実行するごとに演出用救済時短回数カウンタの値を1ずつ加算して演出用救済時短回数カウンタの値が「678」となったことにもとづいて救済時短が発生することを特定するように構成してもよい。
また本例では、高確率状態に制御可能な構成とされていないが、高確率状態に制御可能とし、高確率状態では主基板11側で救済時短回数カウンタの値を更新しない構成とする場合には、ステップ025IWS705の前に高確率状態であるか否かを判定し、高確率状態であるときには演出用救済時短回数カウンタの値を更新しないように構成する。このような構成により、主基板11側で救済時短回数カウンタの値を更新しない高確率状態においても、救済時短回数カウンタの値と、演出制御基板12側で管理する演出用救済時短回数カウンタの値とを一致させることができる。
(可変表示開始設定処理)
図8-36は、図7に示された演出制御プロセス処理における可変表示開始設定処理(ステップS171)を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップ025IWS801)。次いで、演出制御用CPU120は、ステップ025IWS801で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップ025IWS802)。すなわち、演出制御用CPU120によってステップ025IWS802の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(飾り図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU120は、ステップ025IWS802において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU120は、決定した飾り図柄の停止図柄を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップ025IWS802において、演出制御用CPU120は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
ステップ025IWS802では、演出制御用CPU120は、受信した表示結果指定コマンドが「大当り」を示している場合には、演出制御用CPU120は、停止図柄として3図柄が同じ図柄で揃った飾り図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。そして、「はずれ」の場合には、上記以外の飾り図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。
演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、飾り図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、飾り図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する飾り図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
次いで、演出制御用CPU120は、演出用救済時短回数カウンタの値を参照し、救済時短までの残りの変動回数が50回または100回となっているか否かを確認する(ステップ025IWS805)。残りの変動回数が50回または100回となっていれば、演出制御用CPU120は、残り回数に応じた煽り演出を含むプロセステーブルを選択する(ステップ025IWS806)。そして、ステップ025IWS811に移行する。従って本例では、救済時短までの残り回数が50回の変動表示では、ステップ025IWS806で選択したプロセステーブルに従ってステップ025IWS812,S845が実行されることによって、変動表示の実行中に残り回数50回に応じた煽り演出が実行される。また、救済時短までの残り回数が100回の変動表示では、ステップ025IWS806で選択したプロセステーブルに従ってステップ025IWS812,S845が実行されることによって、変動表示の実行中に残り回数100回に応じた煽り演出が実行される。
救済時短までの残りの変動回数が50回および100回のいずれでもなければ、演出制御用CPU120は、通常状態であるか否かを確認する(ステップ025IWS807)。具体的には、時短状態フラグがセットされていなければ、通常状態であると判定することができる。通常状態であれば、演出制御用CPU120は、演出用救済時短回数カウンタの値を参照し、救済時短までの残りの変動回数が10回以下となっているか否かを確認する(ステップ025IWS808)。残りの変動回数が10回以下となっていれば、演出制御用CPU120は、残り回数に応じたカウントダウン演出を含むプロセステーブルを選択する(ステップ025IWS809)。そして、ステップ025IWS811に移行する。
従って本例では、救済時短までの残り回数が10回以下の変動表示では、ステップ025IWS809で選択したプロセステーブルに従ってステップ025IWS812,S845が実行されることによって、変動表示の実行中に残り回数に応じたカウントダウン演出が実行される。例えば、残り回数が10回の変動表示では、変動表示の実行中にカウント表示が「10」から「9」に変化する演出が実行される。また、例えば、残り回数が2回の変動表示では、変動表示の実行中にカウント表示が「2」から「1」に変化する演出が実行される。
通常状態でなかった場合(ステップ025IWS807のN)や、救済時短までの残り回数が10回以下でなかった場合(ステップ025IWS808のN)には、演出制御用CPU120は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップ025IWS810)。そして、ステップ025IWS811に移行する。
本特徴部025IWでは、ステップ025IWS805~S809の処理が実行されることにより、演出用救済時短回数カウンタの値にもとづいて、救済時短となることを示唆する煽り演出やカウントダウン演出が実行される。また、既に説明したように、演出用救済時短回数カウンタの値は、救済時短回数指定コマンドを正常に受信できている場合と正常に受信できていない場合とのいずれに場合にも、変動表示パターンコマンドを受信したことにもとづいて更新可能に構成されている。このような構成により、救済時短回数指定コマンドを一時的に受信できない場合でも、演出用救済時短回数カウンタの値を更新することができるとともに、演出用救済時短回数カウンタの値にもとづいて煽り演出やカウントダウン演出を実行することができる。
また、本特徴部025IWでは、既に説明したように、演出用救済時短回数カウンタの値はRAM122にバックアップデータとして保持される。そのため、電力供給開始時に救済時短回数1~4指定コマンドを正常に受信できた場合と受信できなかった場合とのいずれに場合にも、RAM122が保持する演出用救済時短回数カウンタの値にもとづいて煽り演出やカウントダウン演出を実行することができる。
次いで、演出制御用CPU120は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップ025IWS811)。
プロセステーブルとは、演出制御用CPU120が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU120は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って画像表示装置5等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、画像表示装置5の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU120は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で飾り図柄を表示させる制御を行う。また、プロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置5、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ8L,8R)の制御を実行する(ステップ025IWS812)。例えば、画像表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプ制御基板14に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この特徴部025IWでは、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU120は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップ025IWS813)。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を可変表示中演出処理(ステップS172)に対応した値にする(ステップ025IWS819)。
(可変表示中演出処理)
図8-37および図8-38は、図7に示された演出制御プロセス処理における可変表示中演出処理(ステップS172)を示すフローチャートである。可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップ025IWS841)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップ025IWS842)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップ025IWS843)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップ025IWS844)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップ025IWS845)。
次いで、演出制御用CPU120は、第1図柄確定A指定コマンドまたは第2図柄確定A指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップ025IWS846)。具体的には、コマンド解析処理において第1確定Aコマンド受信フラグまたは第2確定Aコマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する。第1図柄確定A指定コマンドまたは第2図柄確定A指定コマンドを受信していれば、演出制御用CPU120は、救済時短用のモード移行演出(時短状態Bに移行することを報知する演出)に応じたプロセステーブルを選択する(ステップ025IWS848)。
次いで、演出制御用CPU120は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップ025IWS850)。また、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置5、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ8L,8R)の制御を実行する(ステップ025IWS851)。また、演出制御用CPU120は、演出制御手段側で図柄確定期間を計測するための確定演出期間タイマに81.4秒に応じた値をセットする(ステップ025IWS852)。そして、ステップ025IWS864に移行する。
本特徴部025IWでは、ステップ025IWS848,S851の処理が実行されることにより、81.4秒間の図柄確定期間を指定する図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて救済時短に制御されることを示すモード移行演出が実行される。このような構成により、救済時短に制御されることを遊技者に認識させることができる。
第1図柄確定A指定コマンドおよび第2図柄確定A指定コマンドのいずれも受信していなければ、演出制御用CPU120は、第1図柄確定B指定コマンドまたは第2図柄確定B指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップ025IWS853)。具体的には、コマンド解析処理において第1確定Bコマンド受信フラグまたは第2確定Bコマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する。第1図柄確定B指定コマンドまたは第2図柄確定B指定コマンドを受信していれば、演出制御用CPU120は、時短終了演出(時短状態が終了することを報知する演出)に応じたプロセステーブルを選択する(ステップ025IWS854)。次いで、演出制御用CPU120は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップ025IWS855)。また、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置5、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ8L,8R)の制御を実行する(ステップ025IWS856)。また、演出制御用CPU120は、演出制御手段側で図柄確定期間を計測するための確定演出期間タイマに6秒に応じた値をセットする(ステップ025IWS857)。そして、ステップ025IWS864に移行する。
第1図柄確定B指定コマンドおよび第2図柄確定B指定コマンドのいずれも受信していなければ、演出制御用CPU120は、第1図柄確定C指定コマンドまたは第2図柄確定C指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップ025IWS858)。具体的には、コマンド解析処理において第1確定Cコマンド受信フラグまたは第2確定Cコマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する。第1図柄確定C指定コマンドまたは第2図柄確定C指定コマンドを受信していれば、ステップ025IWS860に移行する。
第1図柄確定C指定コマンドおよび第2図柄確定C指定コマンドのいずれも受信していなければ、演出制御用CPU120は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否かを確認する(ステップ025IWS859)。変動時間タイマがタイムアウトしていなければ、処理を終了する。
変動時間タイマがタイムアウトしている場合(ステップ025IWS859のY)、演出制御用CPU120は、図柄確定指定コマンド未受信時の図柄表示に応じたプロセステーブルを選択する(ステップ025IWS859a)。そして、ステップ025IWS861に移行する。
本例では、図柄確定指定コマンドを受信することなく、変動時間タイマがタイムアウトした場合に(ステップ025IWS859のY)、ステップ025IWS859aの処理を経て、ステップ025IWS861以降の処理に移行して図柄確定期間に移行するのであるが、図柄確定指定コマンドを正常に受信していれば、ステップ025IWS859でYと判定されてステップ025IWS859aの処理に移行する場合はない。すなわち、図柄確定指定コマンドを正常に受信できなかった場合にのみ、ステップ025IWS859aの処理が実行される。
第1図柄確定C指定コマンドまたは第2図柄確定C指定コマンドを受信した場合(ステップ025IWS858のY)、演出制御用CPU120は、通常の図柄確定表示に応じたプロセステーブルを選択する(ステップ025IWS860)。次いで、演出制御用CPU120は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップ025IWS861)。また、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置5、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ8L,8R)の制御を実行する(ステップ025IWS862)。また、演出制御用CPU120は、演出制御手段側で図柄確定期間を計測するための確定演出期間タイマに0.5秒に応じた値をセットする(ステップ025IWS863)。そして、ステップ025IWS864に移行する。
なお、本例の構成に限らず、図柄確定指定コマンドを正常に受信することができず、変動時間タイマがタイムアウトした場合にも、通常の図柄確定表示に応じたプロセステーブルを選択するよう構成してもよい。
そして、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を特図当り待ち処理(ステップS173)に応じた値に更新する(ステップ025IWS864)。
(特図当り待ち処理)
図8-39は、図7に示された演出制御プロセス処理における特図当り待ち処理(ステップS173)を示すフローチャートである。特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、まず、確定演出期間タイマの値を1減算し(ステップ025IWS871)、減算後の確定演出期間タイマの値がタイムアウトしているか否かを確認する(ステップ025IWS872)。減算後の確定演出期間タイマの値がタイムアウトしていなければ、プロセスタイマの値を1減算し(ステップ025IWS873)、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn、ランプ制御実行データn、音番号データn)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置5、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ8L,8R)の制御を実行する(ステップ025IWS874)。
また、演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップ025IWS875)、プロセスデータの切替を行う(ステップ025IWS876)。また、演出制御用CPU120は、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定し、プロセスタイマをスタートさせる(ステップ087IWS877)。
次いで、演出制御用CPU120は、飾り図柄の停止図柄の確定表示中であるか否かを確認する(ステップ025IWS878)。飾り図柄の停止図柄の確定表示中であれば、そのまま処理を終了する。飾り図柄の停止図柄の確定表示中でない場合には、図柄確定指定コマンドを受信していれば(ステップ025IWS878aのY)、演出制御用CPU120は、決定されている飾り図柄および小図柄の停止図柄を停止表示させる制御を行う(ステップ025IWS879)。
本例では、ステップ025IWS879の処理が実行されることにより、飾り図柄および小図柄の停止図柄が完全に停止した状態となる確定表示がなされる(図8-46(2)参照)。一方で、変動時間タイマがタイムアウトしたが図柄確定指定コマンドを正常に受信せず、ステップ025IWS879の処理が実行されない場合には、飾り図柄は停止図柄が揺動した状態で表示され、小図柄は変動表示が継続され、いずれも確定表示はなされない(図8-46(2’)参照)。
ステップ025IWS879の処理で大当り図柄を停止表示した場合には(ステップ025IWS880のY)、演出制御用CPU120は、大当り図柄を確定表示したことを示す大当り停止フラグをセットする(ステップ025IWS881)。そして、処理を終了する。
減算後の確定演出期間タイマの値がタイムアウトしていれば(すなわち、図柄確定期間を経過していれば)、演出制御用CPU120は、大当り停止フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ025IWS882)。大当り停止フラグがセットされていれば、演出制御用CPU120は、大当り開始指定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップ025IWS883)。なお、大当り開始指定コマンドを受信したか否かは、例えば、大当り開始指定コマンド受信フラグ(ステップ025IWS622参照)がセットされているか否かを確認することにより判定できる。大当り開始指定コマンドを受信していなければ、そのまま処理を終了する。
大当り開始指定コマンドを受信していれば、演出制御用CPU120は、大当り停止フラグをリセットする(ステップ025IWS884)。次いで、演出制御用CPU120は、右打ち報知を含む大当り中演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップ025IWS885)。そして、演出制御用CPU120は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップ025IWS886)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置5、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップ025IWS887)。
そして、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を大当り中演出処理に応じた値に更新する(ステップ025IWS888)。
大当り停止フラグがセットされていなければ(すなわち、はずれ図柄を停止表示した場合であれば)、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を可変表示開始待ち処理(ステップS170)に応じた値に更新する(ステップ025IWS889)。
(演出実行タイミング)
次に、救済時短となる場合の演出の実行タイミングおよびコマンドを正常に受信できなかった場合の制御について説明する。図8-40は、救済時短となる場合の演出の実行タイミングおよび図柄確定指定コマンドを正常に受信できなかった場合の制御を説明するためのタイミングチャートである。このうち、図8-40(A)は、救済時短が成立する変動表示の図柄確定指定コマンドを正常に受信した場合の例を示している。
図8-40(A)に示すように、救済時短が成立する変動表示が実行され、81.4秒間の図柄確定期間を指定する図柄確定A指定コマンドが正常に受信されると、図柄確定期間中にモード移行演出が実行される(ステップ025IWS846,S848、図8-41(B)参照)。その後、図柄確定期間が経過し、次の変動表示の変動パターンコマンドを受信すると、次の変動表示が開始される。このとき時短状態B指定コマンドも受信すると、時短状態Bに応じた背景画像(橙)に切り替えられるとともに、右打ち画像が表示される(ステップ025IWS640,S642、図8-45(32)参照)。
図8-40(B)は、救済時短が成立する変動表示の図柄確定指定コマンドを正常に受信できなかった場合に、図柄確定期間の経過後、次の変動表示が開始される例を示している。図8-40(B)に示すように、救済時短が成立する変動表示が実行され、図柄確定A指定コマンドが正常に受信できなかった場合には、図柄確定期間中にモード移行演出が実行されない(ステップ025IWS859,S859a、図8-46(2’)参照)。その後、図柄確定期間が経過し、次の変動表示の変動パターンコマンドを受信すると、次の変動表示が開始される。このとき時短状態B指定コマンドも受信すると、時短状態Bに応じた背景画像(橙)に切り替えられるとともに、右打ち画像が表示される(ステップ025IWS640,S642、図8-46(32’)参照)。ただし、モード移行演出中に表示される「V STOCK×1」という文字表示025IW401は表示されない。
図8-40(C)は、救済時短が成立する変動表示の図柄確定指定コマンドを正常に受できなかった場合に、図柄確定期間の経過後、客待ちデモンストレーションが開始される例を示している。図8-40(C)に示すように、救済時短が成立する変動表示が実行され、図柄確定A指定コマンドが正常に受信できなかった場合には、図柄確定期間中にモード移行演出が実行されない(ステップ025IWS859,S859a、図8-46(2’)参照)。その後、図柄確定期間が経過し、次の変動表示が開始されることなく客待ちデモ指定コマンドを受信すると、客待ちデモンストレーション表示が開始される(ステップ025IWS667参照)。このとき時短状態B指定コマンドも受信すると、時短状態Bに応じた背景画像(橙)に切り替えられるとともに、右打ち画像が表示される(ステップ025IWS640,S642参照)。
図8-40(B),(C)に示すように、本特徴部025IWでは、救済時短が成立するときに図柄確定A指定コマンドを正常に受信できなかった場合には、モード移行演出を実行せず、救済時短の成立により時短状態Bに制御された後に送信されるコマンド(例えば、状態指定コマンドや変動パターンコマンド、客待ちデモ指定コマンドなど)を受信したことにもとづいて時短状態Bに関連する演出(例えば、時短状態Bに応じた背景画像(橙)の切り替えや、右打ち画像の表示)を実行するように構成されている。このような構成により、図柄確定A指定コマンドを正常に受信することができずモード移行演出を実行できなかった場合にも、後に送信されるコマンドを受信したことにもとづいて時短状態Bに関連する演出を実行することができる。よって、コマンドを正常に受信できない場合に不適切な制御が行われることを回避することができる。
次に、救済時短となる場合の図柄確定期間における制御のタイミグについて説明する。図8-41は、救済時短となる場合の図柄確定期間における制御を示すタイミングチャートである。図8-41のうち、図8-41(A)には、図柄確定期間が0.5秒間であることを指定する図柄確定C指定コマンドを受信した場合の例が示されており、図8-41(B)には、図柄確定期間が81.4秒間であることを指定する図柄確定A指定コマンドを受信した場合の例が示されている。
本例では、図8-41(A)に示すように、図柄確定期間が0.5秒間であることを指定する図柄確定C指定コマンドを受信した場合には、当該0.5秒間の全期間にわたって飾り図柄の停止図柄と小図柄の停止図柄とを確定表示する。
また本例では、図8-41(B)に示すように、図柄確定期間が81.4秒間であることを指定する図柄確定A指定コマンドを受信した場合、すなわち救済時短が成立する変動表示の図柄確定期間では、当該81.4秒間のうちの最初の0.5秒間(つまり図柄確定C指定コマンドが示す図柄確定期間と共通の期間)において飾り図柄の停止図柄を確定表示し、当該81.4秒間の全期間にわたって小図柄の停止図柄を確定表示する。そして最初の0.5秒間が経過すると、飾り図柄の停止図柄を非表示とし、モード移行演出を実行する。このような構成により、救済時短が成立したときの演出効果を高めることができるとともに、81.4秒の図柄確定期間における全期間において停止図柄を確認することができる。
また本例では、図8-41(B)に示すように、救済時短が成立したときの図柄確定期間において実行されるモード移行演出は、画像表示装置5の表示画面に表示している各種画像を視認困難とするブラックアウト演出、前セリフを表示する前段演出、各キャラクタA~Cに対応するキャラクタ画像)を切り替えて表示する切替演出、前セリフとは異なる後セリフを表示する後段演出、プッシュボタン31Bを操作させるボタン演出、救済時短が成立したことを報知する(救済時短において大当りとなる可能性があることを示唆する)V STOCK演出、救済時短での演出モードを選択するモード選択演出、および救済時短が開始されることを報知する救済時短突入表示を含む。
(演出例)
次に、大当り遊技状態を終了した後に次の大当りや時短はずれが発生することなく救済時短となる場合の演出態様の具体例について説明する。図8-42~図8-45は、救済時短となる場合の演出態様の具体例を説明するための説明図である。なお、図8-42~図8-45において、(1)(2)(3)の順に演出画面が遷移する。
救済時短が成立する変動表示が開始されると、図8-42(1)に示すように、画像表示装置5の「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が変動表示され、表示画面右上で小図柄501が変動表示される。また、小図柄501の下方で第1保留記憶数と第2保留記憶数とをそれぞれ数値で示す保留数表示502が表示される。図8-42(1)に示す例では、保留数表示502として「10」と表示されており、第1保留記憶数が1、第2保留記憶数が0であることが示されている。
またこのとき、画像表示装置5の表示画面のレイアウトは、第1保留記憶を示す第1保留表示025IW101と、実行中の変動表示に対応するアクティブ表示025IW102と、通常状態において滞在可能な複数の演出ステージのうちの現在の演出ステージを示す演出ステージ表示025IW103とが表示され、海モードに応じた青色の背景画像が表示された、通常状態レイアウトとなっている。
またこのとき、スピーカ8L,8Rから出力される演出音の音量は通常音量であり、遊技領域、可動体32、ガラス扉枠や遊技機用枠3に設けられている各種発光手段(例えば、LEDなど)の演出光の光量は、通常光量である。本例では、少なくとも通常音量と、通常音量よりも音量が小さい小音量と、通常音量よりも音量が大きい大音量とで演出音を出力可能である。また本例では、少なくとも通常光量(通常輝度)と通常光量よりも光量が少ない小光量(低輝度)と通常光量よりも光量が多い大光量(高輝度)とに、演出光の光量を設定可能である。
次いで、図柄確定期間が81.4秒間であることを指定する図柄確定A指定コマンドを受信すると、図8-41(2)に示すように、当該81.4秒間のうちの最初の0.5秒間(すなわち図柄確定C指定コマンドが示す図柄確定期間と共通の期間)において飾り図柄および小図柄501の停止図柄を確定表示する。
次いで、図柄確定期間81.4秒間のうちの最初の0.5秒間(すなわち図柄確定C指定コマンドが示す図柄確定期間と共通の期間)が経過すると、図8-43(3)に示すように、画像表示装置5の表示画面全域を黒表示状態とする暗転画像が表示され、背景表示や飾り図柄の確定表示、第1保留表示025IW101、アクティブ表示025IW102、演出ステージ表示025IW103などの視認を困難とするブラックアウト演出が開始される。
そして、ブラックアウト演出が開始されると、図8-42(4)に示すように、画像表示装置5の表示画面に表示されている飾り図柄などの視認を困難とし、かつ表示画面を暗くするとともに、スピーカ8L,8Rから出力していた演出音の音量を低下させて消音状態とし、さらに、遊技領域、可動体32、ガラス扉枠や遊技機用枠3に設けられている各種発光手段(例えば、LEDなど)の演出光の光量を、ブラックアウト演出前の光量よりも低下させる。すなわち通常輝度よりも輝度が低い低輝度とする。
画像表示装置5の表示画面を暗くする方法は、画像表示装置5が液晶表示装置であれば、バックライトから前方に向けて出射される光を液晶層にて遮断する遮断率を高めたり、バックライトやフロントライトの光量を低下させたりすればよい。また、画像表示装置5が有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)を用いたELパネルであれば、駆動電圧を低下させればよい。つまり、画像表示装置5の表示画面から出力される光量を低下させる低発光状態とすることにより、表示画面を暗くする(黒画面表示とする)ことができるため、画像表示装置5の表示画面の明るさ(出力レベル)を低下させるとは、表示画面から出力される光量を低下させることである。
本例では、ブラックアウト演出の開始に伴い消音状態とするが、例えば、画像表示装置5の画面の明るさ、音量、光量の出力量(出力レベル)を低下させるが、出力量を「0」(例えば、黒画面表示、消音、消灯など)としない形態としてもよいし、画像表示装置5の画面の明るさ、音量、光量のうち少なくとも一の出力量を「0」(例えば、黒画面表示、消音、消灯など)としてもよい。
次いで、図8-42(5)~(8)に示すように、画像表示装置5において前段演出が実行される。図8-42(5)~(8)に示す前段演出は、キャラクタ画像025IW003が表示された後、該キャラクタが喋るセリフ内容「1人じゃない…みんなの力を見せてやる!」を、文字画像025IW007として画像表示装置5の表示画面に表示するとともに、スピーカ8L,8Rから音声情報として出力する演出である。このとき音量は通常音量よりも小さい小音量に設定されている。
図8-42(5)~(8)に示す前段演出では、画像表示装置5の背景画面及びキャラクタ画像025IW003が暗い態様で表示されるとともに、複数文字(例えば、「1人じゃない…」)からなる文字画像025IW007は、漸次大きく、かつ、明るくなる態様(フェードイン)にて表示され(図8-42(5)(6))、次いで、複数文字(例えば、「みんなの力を見せてやる!」)からなる文字画像025IW007は、漸次大きく、かつ、明るくなる態様(フェードイン)にて表示される(図8-42(6)(7))。また、図8-42(7)に示すように文字画像025IW007(例えば、「1人じゃない…みんなの力を見せてやる!」)が最も大きく、かつ、明るく表示された後は、漸次小さく、かつ、暗くなる態様(フェードアウト)にて表示され、最終的には消えていく(図8-42(8))。なお、文字画像025IW007はフェードインまたはフェードアウトしながら移動するようにしてもよい。
次いで、図8-43(9)~図8-44(20)に示すように、前段演出に続いて切替演出が実行される。切替演出は、複数種類のキャラクタA~Cに対応するキャラクタ画像025001~025IW003を切り替えて表示する演出である。
切替演出においては、最初にキャラクタAに対応するキャラクタ画像025IW001を表示した後(図8-43(9)~(12))、該キャラクタ画像025IW001をキャラクタBに対応するキャラクタ画像025IW002に切り替えて表示し(図8-43(13)~(16))、さらにキャラクタCに対応するキャラクタ画像175SG003に切り替えて表示する(図8-44(17)~(20))。
また、各キャラクタA~Cの表示開始時には、キャラクタ画像025IW001~025IW003とは異なるブランク画像025IW010(図8-43(9),(13)、図8-44(17)参照)が表示される。その後、各キャラクタA~Cが表示画面の奥側から手前側に向けて漸次拡大する表示態様となるように、各キャラクタ画像025IW001~025IW003が小画像、中画像、大画像の順に複数段階で切り替え表示されていく。
また、各キャラクタ画像025IW001~025IW003の小画像と中画像については、金色の線画像を表示する一方で、ブランク画像025IW010と各キャラクタ画像025IW001~025IW003の大画像については、青色の画像を表示する。このように、複数段階のうち開始段階で表示するブランク画像025IW010及び終了段階で表示する各キャラクタ画像025IW001~025IW003の大画像と、開始段階と終了段階の中間段階で表示するときの各キャラクタ画像025IW001~175SG003の小画像及び中画像との表示態様を異ならせることで、キャラクタ画像が変化していることや、キャラクタの種別が切替るタイミングを遊技者が分かりやすくなる。
本例では、図8-43(9)に示すように、前段演出から切替演出に移行すると演出音が小音量から大音量に設定される。このような構成により、救済時短に移行するときの遊技者の高揚感を高め、興趣を向上させることができる。
また本例では、前段演出から切替演出に移行すると、遊技領域、可動体32、ガラス扉枠や遊技機用枠3に設けられている各種発光手段(例えば、LEDなど)の演出光の光量を、前段演出時の光量よりも増加させる。すなわち低輝度から通常輝度または高輝度に変更する。このような構成により、救済時短に移行するときの遊技者の高揚感を高め、興趣を向上させることができる。
なお、切替演出においては、ブランク画像025IW010及び各キャラクタ画像025IW001~025IW003の小画像、中画像、大画像の視認性を低下させた状態(例えば、各画像にマスクがかけられた状態)で、特定画像(例えば、擬似導光板画像)を前記各画像よりも前面側(例えば、通常演出画像を表示する通常表示層よりも表示優先度の高いレイヤーである擬似導光板演出用表示層)に重畳して表示する特定画像演出(例えば、擬似導光板演出)を実行可能としてもよい。このようにすることで、例えば、画像表示装置5の前面側に配置した導光板装置による導光板演出と上記擬似導光板演出とを比較すると、擬似導光板演出では、導光板演出とは異なり画像の視認性を低下させることなく、導光板演出と類似した表示を行うことが可能である。さらに、擬似導光板演出においては導光板を備える必要がないため、遊技機の製造コストの増加を防止することができる。
次いで、図8-44(21)~図8-44(24)に示すように、切替演出に続いて後段演出が実行される。後段演出は、前段演出に続けて、キャラクタが喋るセリフ内容を、文字画像025IW008として画像表示装置5の表示画面に表示するとともに、スピーカ8L,8Rから音声情報として出力する演出である。
後段演出では、画像表示装置5の背景画面が前段演出よりも明るい態様で表示されるとともに、1文字からなる複数の文字画像025IW008(例えば、「ミ」「ラ」「ク」「ル」)は、表示画面の右辺から順次中央に向けて自転しながら移動していくように(フレームイン)表示(動的表示)され(図8-44(21))、1文字からなる複数の文字画像025IW008(例えば、「ア」「タ」「ッ」「ク」「!」)は、表示画面の下辺から中央に向けて自転しながら移動していくように(フレームイン)表示(動的表示)される(図8-44(22))。また、図8-44(23)に示すように文字画像025IW008(例えば、「ミラクルアタック!」)が最も大きく、かつ、明るく表示された後は、周囲に向けて放射状に広がるように移動した後、最終的には表示画面外へ消えていく態様(フレームアウト)にて表示される(図8-44(24))。
本例では、前段演出の文字画像025IW007は、小さく、平面状(2次元)で、動き(フェードインによる表示態様の変化速度)は遅く、低い明度で表示される(図8-42(5)~(8)参照)。一方、後段演出の文字画像025IW008は、前段演出の文字画像025IW007よりも、大きく、立体状(3次元)で、動き(フレームインによる表示態様の変化速度(移動速度))は速く、高い明度で表示される(図8-44(21)~(24)参照)。
なお、前段演出における文字画像025IW007の最大の大きさと明度よりも、後段演出における文字画像025IW008の最大の大きさと明度の方が大きく、明るくなっていれば、フェードインやフレームインの際の文字画像の一部の大きさや明度が逆の関係になっていてもよい。
次いで、図8-45(25)に示すように、後段演出に続いてボタン演出が実行される。ボタン演出では、プッシュボタン31Bを操作(押下)することを示唆する操作示唆画像025IW302が表示される。例えば、操作示唆画像025IW106では、プッシュボタン31Bの押下を促す画像とともに「押せ」という文字表示025IW301が表示される。
次いで、操作示唆画像025IW106が表示されたときにプッシュボタン31Bが操作されるか、または、操作示唆画像025IW106の表示から所定時間が経過すると、V STOCK演出が実行される。V STOCK演出では、図8-45(26)に示すように「V STOCK×1」という文字表示025IW401の「V」の部分が拡大表示された後に、図8-45(27)に示すように「V STOCK×1」という文字表示025IW401の全体が表示され、救済時短が成立したことが報知される(また同時に、時短回数99回の救済時短経由の時短状態Bでは大当りとなる可能性が高いことから、擬似的な保留連演出と同様の態様により大当りとなることが示唆される)。
次いで、V STOCK演出に続いて、救済時短(時短状態B)での演出モードを選択するモード選択演出が実行される。モード選択演出では、図8-45(28)に示すように、救済時短での演出モード(演出モードに対応するキャラクタ)を選択するモード選択画面が表示される。例えば、画像表示装置5の表示画面下部にキャラクタA~Cの選択肢画像025IW203が表示され、スティックコントローラ31Aの操作によりカーソルを移動させることにより演出モード(キャラクタ)の選択が行われる。また、図8-45(28)に示すように、カーソルによりキャラクタAが選択されているときには、キャラクタAに対応するキャラクタ画像025IW001と、キャラクタ名を示すキャラクタ名画像025IW201と、演出モード(キャラクタ)の特徴を示す特徴画像025IW202とが表示される。
そして、いずれかの演出モード(キャラクタ)を選択した状態でプッシュボタン31Bの操作が行われると、図8-45(29)に示すように、選択している演出モード(キャラクタ)に対応するキャラクタ画像025IW001と、キャラクタ名画像025IW201と、特徴画像025IW202とが拡大して表示され、選択中の演出モード(キャラクタ)に確定される。なお、演出モードを選択せずに所定時間が経過したときはカーソルが一致している演出モードに自動的に確定する。
次いで、演出モードの選択が終了すると、救済時短が開始されることを報知する救済時短突入表示025IW501が表示される。本例では、まず救済時短突入表示025IW501「救済時短突入」のうちの「救済時短」の文字表示が表示され(図8-45(30))、続いて「救済時短突入」のうちの「突入」の文字表示が表示される(図8-45(31))。
そして、モード移行演出が終了すると時短状態Bに移行し、図8-45(32)に示すように、画像表示装置5において確定表示された飾り図柄が再び表示される。このとき、画像表示装置5の表示画面のレイアウトは、第2保留記憶を示す第2保留表示025IW101bと、選択中の演出モードを示す演出モード表示025IW104とが表示され、みかん畑モードに応じた橙色の背景画像に切り替えられた(ステップ025IWS640参照)、第2時短状態レイアウトとなっている。そして、次の変動表示に関するコマンドを受信すると次の変動表示が開始される。
なお、時短状態Aに移行したときには、画像表示装置5の表示画面のレイアウトは、第2保留記憶を示す第2保留表示025IW101bと、選択中の演出モードを示す演出モード表示025IW104とが表示され、夕日モードに応じた黄色の背景画像が表示される、第1時短状態レイアウトとなる。
また、モード移行演出が終了すると、図8-45(32)に示すように、モード移行演出において表示された「V STOCK×1」という文字表示025IW401が表示される。
また、モード移行演出が終了して時短状態Bに移行すると、図8-45(32)に示すように、画像表示装置5において右打ち画像025IW204が表示される(ステップ025IWS639~S642参照)。
本例では、図8-41(B)、図8-42(2)に示すように、図柄確定期間が81.4秒の場合、すなわち救済時短となる変動表示の図柄確定期間においては、当該81.4秒間のうちの最初の0.5秒間において飾り図柄の変動表示結果が確定表示される。そして最初の0.5秒間が経過すると、図8-43(3)(4)に示すように飾り図柄が表示されていた表示領域においてブラックアウト演出に係る暗転画像(および図8-42~図8-45に示す前段演出、切替演出、後段演出、ボタン演出、V STOCK演出、モード選択演出、救済突入表示に係る画像など)を表示するとともに飾り図柄の変動表示結果を非表示とし、救済時短が成立したことに関するモード移行演出を実行する。このような構成により、飾り図柄の変動表示結果の視認性を担保しつつ、飾り図柄の表示領域に暗転画像をはじめとするモード移行演出に含まれる各演出に係る画像を表示することで救済時短が成立したときの演出効果を高めることができる。
また本例では、図8-41(B)や、図8-42(3)に示すように、救済時短が成立するときには図柄確定期間の開始から0.5秒経過すると飾り図柄の変動表示結果や第1保留表示025IW101、アクティブ表示025IW102、演出ステージ表示025IW103などを非表示とし、それらが表示されていた表示領域でモード移行演出を実行するように構成されている。このような構成により、飾り図柄の変動表示結果や、時短状態に移行すると重要度が低下する第1保留情報に対応する第1保留表示などを非表示として余計な情報を表示しないことで、モード移行演出の演出効果を高めることができる。
また本例では、図8-42~図8-44に示すように、救済時短が成立するときには図柄確定期間の開始から0.5秒経過すると第1保留表示025IW101を非表示とする一方で、第1保留記憶数と第2保留記憶数とをそれぞれ数値で示す保留数表示502を継続する。そのような構成により、第1保留表示を非表示としてモード移行演出の演出効果を高めつつ、保留記憶数を確認可能とすることができる。
また本例では、画像表示装置5の表示レイアウトとして、図8-42(1)に示すような第1保留表示025IW101やアクティブ表示025IW102、演出ステージ表示025IW103の表示を含む、通常状態に対応する通常状態レイアウトと、図8-45(32)に示すような第2保留表示025IW101bや演出モード表示025IW104の表示を含む、時短状態Bに対応する第2時短状態レイアウトとを適用可能であり、救済時短が成立するときには、図8-42(2)に示すように図柄確定期間の開始から0.5秒経過するまでの期間において通常状態レイアウトを維持し、図8-45(32)に示すようにモード移行演出の終了後に第2時短状態レイアウトに変更する。そのような構成により、モード移行演出を経て画像表示装置5の表示レイアウトを変化させることで、違和感なく表示レイアウトを切り替えることができる。
なお本例では、時短状態Aに移行したときには、画像表示装置5の表示画面のレイアウトは、第2保留記憶を示す第2保留表示025IW101bと、選択中の演出モードを示す演出モード表示025IW104とが表示され、夕日モードに応じた黄色の背景画像が表示される、第1時短状態レイアウトとなり、時短状態Bに移行したときには、画像表示装置5の表示画面のレイアウトは、第2保留記憶を示す第2保留表示025IW101bと、選択中の演出モードを示す演出モード表示025IW104とが表示され、みかん畑モードに応じた橙色の背景画像が表示される、第2時短状態レイアウトとなるが、このような構成には限られない。例えば、大当り経由の時短状態Aのうち時短回数1回または時短回数7回のときと、時短回数99回のときとで表示レイアウトを異ならせ、救済時短経由の時短状態Bでは時短回数99回のときと同じ表示レイアウトが適用されるようにしてもよい。そのような構成によれば、救済時短経由の時短状態Bが有利な時短状態Aと共通の状態であることを遊技者に印象付けることができ、興趣を向上させることができる。
次に、救済時短となるときにコマンドを正常に受信できなかった場合の演出態様について説明する。図8-46は、救済時短となるときに図柄確定A指定コマンドを正常に受信できなかった場合の演出態様の具体例を説明するための説明図である。なお、図8-46(1),(2),(3)は、図8-43(1),(2),(3)に、図8-46(32)は、図8-45(32)に対応する。
図8-46(1)に示すように救済時短が成立する変動表示が開始された後、図柄確定A指定コマンドを正常に受信できれば、図8-46(1)~(3)に示すようにモード移行演出が実行されるが、図柄確定A指定コマンドを正常に受信できず、変動時間タイマがタイムアウトすれば、図8-46(2’)に示すように、モード移行演出が実行されず、飾り図柄が揺動表示され、小図柄501が継続して変動表示される表示制御が行われる(ステップ025IWS859,S859a参照)。なお、モード移行演出が実行されず、救済時短(時短状態B)での演出モードを選択するモード選択演出が表示されない場合には、予め定められた演出モード(本例ではキャラクタAに対応するモードA)に設定される。このような構成により、図柄確定A指定コマンドを正常に受信できなかった場合に不適切な制御が行われることを回避することができる。
その後、図柄確定期間が経過し、次の変動表示の変動パターンコマンドを受信すると、図8-46(32’)に示すように、確定表示された飾り図柄が再び表示された後に、次の変動表示が開始される。このとき時短状態B指定コマンドも受信すると、画像表示装置5の表示画面のレイアウトは、第2保留表示025IW101bと、演出モード表示025IW104とを含み、みかん畑モードに応じた橙色の背景画像に切り替えられた(ステップ025IWS640参照)、第2時短状態レイアウトとなっている。
ただし、図8-46(32’)に示すように、モード移行演出が実行されていない場合には、モード移行演出において表示される「V STOCK×1」という文字表示025IW401は表示されない。つまり、図柄確定A指定コマンドを正常に受信しない場合には、モード移行演出において表示される「V STOCK×1」という文字表示025IW401は表示されない。このような構成により、モード移行演出において「V STOCK×1」という文字表示025IW401を表示することにより興趣を高めることができる一方で、図柄確定A指定コマンドを受信せずモード移行演出を実行できないときに演出の整合性がとれなくなることを回避することができる。
本例では、図8-46に示すように、救済時短が成立するときに図柄確定A指定コマンドを正常に受信できなかった場合には、モード移行演出を実行せず、救済時短の成立により時短状態Bに制御された後に送信されるコマンド(例えば、状態指定コマンドや変動パターンコマンド、客待ちデモ指定コマンドなど)を受信したことにもとづいて時短状態Bに関連する演出(例えば、時短状態Bに応じた背景画像(橙)の切り替えや、右打ち画像の表示)を実行するように構成されている。このような構成により、図柄確定A指定コマンドを正常に受信することができずモード移行演出を実行できなかった場合にも、後に送信されるコマンドを受信したことにもとづいて時短状態Bに関連する演出を実行することができる。
また本例では、図8-46(2’)に示すように、救済時短が成立するときに図柄確定A指定コマンドを正常に受信できなかった場合に、図柄確定期間において飾り図柄の揺動表示、小図柄501の変動表示を実行可能である(ステップ025IWS859a参照)。このような構成により、図柄確定A指定コマンドを正常に受信できなかった場合に不適切な制御が行われることを回避することができるとともに、演出の違和感を抑えることができる。
また本例では、図8-46(32’)に示すように、モード移行演出が実行されず、救済時短での演出モードを選択するモード選択画面025IW109等が表示されない場合には、予め定められた演出モード(本例ではモードA)に設定される。このような構成により、図柄確定A指定コマンドを正常に受信できなかった場合に不適切な制御が行われることを回避することができる。
次に、スーパーリーチ演出の構成について説明する。図8-47は、スーパーリーチ演出の構成例を示す説明図である。図8-48は、スーパーリーチ演出の演出態様の具体例を示す説明図である。
図8-47に示すように、スーパーリーチ演出では、キャラクタA~Cと敵キャラクタとがバトルを行うバトル前半演出と、該バトル前半演出において画像表示装置5の表示画面に表示している各種画像を視認困難とするブラックアウト演出と、前セリフを表示する前段演出と、各キャラクタA~Cに対応するキャラクタ画像を切り替えて表示する切替演出と、前セリフとは異なる後セリフを表示する後段演出と、可動体32が画像表示装置5の上方の原点位置から画像表示装置5の表示領域の前面側略中央位置に重複する演出位置まで落下(動作)する可動体演出と、スーパーリーチ種別を報知するリーチタイトル演出、最終的にキャラクタA~Cが敵キャラクタに勝利するか否かを報知するバトル後半演出と、が実行される。
図8-48に示すように、変動表示が開始された後(図8-48(1))、リーチ態様となり「リーチ!」なる文字表示025IW004が表示されると、味方キャラクタA~Cに対応するキャラクタ画像025IW001と敵キャラクタのキャラクタ画像025IW005とが出現してバトルを開始するバトル前半演出が実行される(図8-48(2))。
次いで、図8-48(3)に示すように、バトルの決着がつかないままブラックアウト演出が開始される。また、ブラックアウト演出に続いて前段演出(図8-48(4))、切替演出(図8-48(5))および後段演出(図8-48(6))が実行されるが、いずれも救済時短が成立したときのモード移行演出と共通の態様で実行される。
その後、図8-48(7)に示すように、可動体32が画像表示装置5の上方の原点位置から画像表示装置5の表示領域の前面側略中央位置に重複する演出位置まで落下(動作)する可動体演出が実行され、図8-48(8)に示すように、スーパーリーチ種別がスーパーリーチBであることを報知するリーチタイトル演出が実行される。そして、バトル後半演出(図示略)が実行される。
本例では、図8-47に示すようにスーパーリーチ演出においてもブラックアウト演出、前段演出、切替演出および後段演出を実行可能であり、図8-41(B)、図8-42~図8-44に示すモード移行演出と、図8-47、図8-48に示すスーパーリーチ演出とで、ブラックアウト演出、前段演出、切替演出および後段演出に係る共通の画像を表示するように構成されている。このような構成により、期待度が高いスーパーリーチ演出の一部と共通の画像を表示することで救済時短が成立したときの演出効果を高めることができるとともに、遊技者に高揚感を与えて興趣を向上させることができる。
なお本例では、救済時短が成立したときの81.4秒の図柄確定期間は、リーチ変動パターン(変動時間20秒)や、SPリーチA変動パターン(変動時間60秒)の変動時間よりも長く、81.4秒の図柄確定期間のうちの最初の0.5秒間だけ飾り図柄が確定表示され、0.5秒間を経過した後にスーパーリーチ演出と共通の画像が表示されるように構成されているため、確定表示された飾り図柄を遊技者が見落としている場合に、変動表示が継続していると遊技者に誤認されることも考えられるが、81.4秒の図柄確定期間の全期間にわたって小図柄501が確定表示されるようにも構成されているため(図8-41(B)、図8-42~図8-46参照)、そのように誤認されることを回避することができる。
(時短制御の制御タイミング例)
次に、時短制御の制御タイミングについて説明する。図8-49~図8-52は、時短制御の制御タイミング例を示すタイミングチャートである。図8-49~図8-52には、特徴部025IWに示す構成による時短制御の制御タイミングに加えて、特徴部025IWの変形例となる構成による時短制御の制御タイミングが示されており、特徴部025IWに示す構成に代えて、それらの変形例となる構成を遊技機に適用するようにしてもよい。
図8-49(A)には、特徴部025IWに示す構成において、救済時短が成立する変動表示がはずれとなるときの制御タイミングが示されている。図8-49(A)に示すように、T11タイミングで救済時短が成立する変動表示が開始され、T12タイミングで当該変動表示が停止表示され、T13タイミングで当該変動表示の図柄確定期間が経過すると、このT13のタイミングで時短制御が開始される(ステップ025IWS150の処理に相当)。
図8-49(B)には、特徴部025IWの変形例となる構成において、救済時短が成立する変動表示が小当りとなり、小当り遊技状態でV入賞が発生しないときの制御タイミングが示されている。図8-49(B)に示す例では、T21タイミングで救済時短が成立する変動表示が開始され、T22タイミングで当該変動表示が小当り図柄で停止表示され、T23タイミングで当該変動表示の図柄確定期間が経過すると、このT23タイミングで特殊可変入賞球装置025IW17が開放状態に制御される。そして、V入賞が発生することなくT24タイミングで特殊可変入賞球装置025IW17が閉鎖状態に制御されると(すなわち大当り遊技状態に移行しないと)、このT24のタイミングで時短制御が開始される。なお本特徴部025IWの構成では、V入賞が発生することなくT24タイミングで特殊可変入賞球装置025IW17が閉鎖状態に制御されると(すなわち大当り遊技状態に移行しないと)、時短制御は行われない(ステップ025IWS463の処理に相当)。
図8-50(A)には、特徴部025IWの変形例となる時短はずれ経由の時短状態Cに制御可能な構成において、時短はずれにより時短状態Cに制御されるときの制御タイミングが示されている。図8-49(A)に示す例では、T11タイミングで変動表示が開始され、T12タイミングで時短はずれ図柄が停止表示されると、このT12タイミングで時短制御が開始される。
図8-50(B)には、特徴部025IWの変形例となる時短はずれ経由の時短状態Cに制御可能な構成において、救済時短が成立する変動表示の表示結果として時短はずれが導出表示されるときの時短制御タイミングが示されている。図8-50(B)に示す例では、T21タイミングで救済時短が成立する変動表示が開始され、T22タイミングで時短はずれ図柄が停止表示されると、このT22タイミングで時短はずれ経由の時短状態Cの時短制御が開始される。そして、T23タイミングで当該変動表示の図柄確定期間が経過すると、このT23のタイミングで救済時短経由の時短状態Bの時短制御が開始される。すなわち、図8-50(B)に示す例では、時短はずれ経由の時短状態Cの時短制御が開始された後に、救済時短経由の時短状態Bの時短制御に切り替える(例えば、時短回数を示すカウンタや時短フラグの種類を変更する)。なお、時短状態Bと時短状態Cとで同じ時短状態の制御が行われる場合には、遊技機の内部的には更新処理が実行されるが、遊技者目線では変化はない。
図8-51(A)には、特徴部025IWの変形例となる構成において、時短最終変動が実行されるときの制御タイミングが示されている。図8-51(A)に示す例では、T11タイミングで時短最終変動が開始され、T12タイミングで時短最終変動が停止表示されると、このT12タイミングで時短制御が終了する。なお本特徴部025IWの構成では、時短最終変動が停止表示され、図柄確定期間が経過したときに時短制御が終了する(ステップ025IWS143の処理に相当)。
図8-51(B)には、特徴部025IWに示す構成において、時短最終変動が小当りとなるときの制御タイミングが示されている。図8-51(B)に示す例では、T21タイミングで時短最終変動が開始され、T22タイミングで当該変動表示が小当り図柄で停止表示されると、当該変動表示の図柄確定期間が経過したT23タイミングで時短制御が終了し(ステップ025IWS71~S75,S143の処理に相当)、特殊可変入賞球装置025IW17が開放状態に制御される。
図8-52(A)には、特徴部025IWの変形例となる構成において、小当りとなる変動表示(小当り発生により時短状態が終了する)が、救済時短が成立する変動表示でもあるときの制御タイミングが示されている。図8-52(A)に示す例では、T11タイミングで変動表示が開始され、T12タイミングで当該変動表示が小当り図柄で停止表示され、当該変動表示の図柄確定期間が経過したT13タイミングで特殊可変入賞球装置025IW17が開放状態に制御され、特殊可変入賞球装置025IW17の作動を契機として時短制御が終了する。そして、V入賞が発生することなくT14タイミングで特殊可変入賞球装置025IW17が閉鎖状態に制御されると(すなわち大当り遊技状態に移行しないと)、このT24のタイミングで救済時短経由の時短状態Bの時短制御が開始される。なお本特徴部025IWの構成では、T13タイミングで特殊可変入賞球装置025IW17の作動を契機として時短制御が終了し(ステップ025IWS71~S75,S143の処理に相当)、V入賞が発生することなくT24タイミングで特殊可変入賞球装置025IW17が閉鎖状態に制御されると(すなわち大当り遊技状態に移行しないと)、時短制御は行われない(ステップ025IWS463の処理に相当)。
図8-52(B)には、特徴部025IWの変形例となる時短はずれ経由の時短状態Cに制御可能な構成において、時短最終変動が時短はずれとなるときの制御タイミングが示されている。図8-52(B)に示す例では、変動終了時の処理の実行順が、時短はずれにより時短制御を開始する処理を実行した後に、時短最終変動により時短制御を終了する処理を実行するように構成されている。このような構成では、図8-52(B)に示すようにT21タイミングで時短最終変動が開始され、T22タイミングで時短はずれ図柄が停止表示されても、このT22タイミングで時短制御が終了する。
以上に説明したように、本特徴部025IWおよび各変形例には、以下に示す(手段025)、(手段025-1)~(手段025-29)に示す発明の構成が示されている。
(手段025)第1識別情報(例えば、第1特別図柄)と第2識別情報(例えば、第2特別図柄)とを含む識別情報の可変表示を行い、可変表示結果として特定表示結果(例えば、大当り図柄)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、非特別状態(例えば、低ベース状態)よりも可変表示が実行されやすい特別状態(例えば、高ベース状態)に制御可能な状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップ025IWS150,S537の処理を実行する部分)と、可変表示が実行されることにもとづいて数値情報(例えば、救済時短回数カウンタ)を更新可能な更新手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップ025IWS84の処理を実行する部分)と、演出を制御する演出制御手段(例えば、演出制御基板12)と、を備え、状態制御手段は、更新手段が更新した数値情報が特別回数(例えば、678回)に対応する特定値となること(例えば、減算した救済時短回数カウンタの値が0となること)によって特別条件が成立したときに特別状態に制御可能であり(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップ025IWS83~S88,S148~S151の処理を実行する部分)、更新手段は、第1識別情報の可変表示が実行される場合と第2識別情報の可変表示が実行される場合とで数値情報を更新可能であり(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップ025IWS84の処理を実行する部分)、導出表示された識別情報の可変表示結果が表示される期間として、第1表示期間(例えば、0.5秒間)と該第1表示期間よりも長い第2表示期間(例えば、81.4秒間)とがあり、第1表示期間は、特別条件が成立しないときに用いられ(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップ025IWS1124の処理を実行する部分)、第2表示期間は、特別条件が成立するときに用いられ(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップ025IWS1128の処理を実行する部分)、演出制御手段は、識別情報の可変表示に対応する演出識別情報(例えば、飾り図柄)の可変表示を実行可能であり(例えば、演出制御用CPU120がステップ025IWS812の処理を実行する部分)、第1表示期間が用いられるときに該第1表示期間において演出識別情報の可変表示結果を導出表示し(例えば、図8-41(A)に示すように図柄確定期間が0.5秒の場合には、当該0.5秒間において飾り図柄の変動表示結果が確定表示される)、第2表示期間が用いられるときに該第2表示期間のうちの第1表示期間と共通の所定期間において演出識別情報の可変表示結果を導出表示し(例えば、図8-41(B)に示すように図柄確定期間が81.4秒の場合には、当該81.4秒間のうちの最初の0.5秒間において飾り図柄の変動表示結果が確定表示される)、所定期間後に、表示手段(例えば、画像表示装置5)の表示領域のうちの少なくとも演出識別情報の表示領域に特別画像を表示するとともに演出識別情報を非表示とし(例えば、図8-43(3)(4)に示すブラックアウト演出に係る暗転画像や、前段演出、切替演出、後段演出、ボタン演出、V STOCK演出、モード選択演出、救済突入表示に係る画像を表示するとともに飾り図柄「614」を非表示とする)、特別条件が成立したことに関する特別演出(例えば、図8-41(B)、図8-42~図8-45に示すモード移行演出)を実行する。そのような構成によれば、演出識別情報の可変表示結果の視認性を担保しつつ、演出識別情報の表示領域に特別画像を表示することで特別条件が成立したときの演出効果を高めることができる。
(手段025-1)手段025において、演出制御手段は、可変表示中において有利状態に制御されることを示唆する特定画像を表示可能であり(例えば、図8-47に示すようにスーパーリーチ演出においてブラックアウト演出、前段演出、切替演出および後段演出に係る画像を表示可能である)、特別画像と特定画像とは、共通の画像である(例えば、図8-41(B)、図8-42~図8-44に示すモード移行演出と、図8-47、図8-48に示すスーパーリーチ演出とで、ブラックアウト演出、前段演出、切替演出および後段演出に係る共通の画像を表示する)。そのような構成によれば、演出識別情報の表示領域に特別画像を表示することで特別条件が成立したときの演出効果を高めることができるとともに、遊技者に高揚感を与えて興趣を向上させることができる。
(手段025-2)手段025または手段025-1において、演出制御手段は、演出音を出力可能であり(例えば、スピーカ8L、8Rから音声や効果音、BGMなどの演出音を出力可能である)、少なくとも通常音量(例えば、通常音量)と該通常音量よりも大きい特定音量(例えば、大音量)とで演出音を出力可能であり、特別画像の表示が開始されるときに演出音を出力せず(例えば、図8-42(4)に示すようにブラックアウト演出時に演出音を出力せず)、その後の演出が実行されるときに特定音量で演出音を出力する(例えば、図8-43(9)に示すように切替演出時に大音量で演出音を出力する)。そのような構成によれば、特別状態に移行するときの遊技者の高揚感を高め、興趣を向上させることができる。
(手段025-3)手段025から手段025-2のいずれかにおいて、演出制御手段は、発光体を発光可能であり(例えば、遊技領域、可動体32、ガラス扉枠や遊技機用枠3に設けられている各種発光手段(例えば、LEDなど)を発光可能である。また例えば、画像表示装置5のフロントライトやバックライトを発光可能である)、少なくとも通常輝度(例えば、通常輝度)と該通常輝度よりも輝度が高い特定輝度(例えば、高輝度)とで発光体を発光可能であり、特別画像の表示が開始されるときに発光体を発光させず(例えば、図8-42(4)に示すブラックアウト演出時に遊技領域、可動体32、ガラス扉枠や遊技機用枠3に設けられている各種発光手段(例えば、LEDなど)、画像表示装置5のフロントライトやバックライトなどを発光させず)、その後の演出が実行されるときに特定輝度で発光体を発光させる(例えば、図8-43(9)に示す切替演出時に遊技領域、可動体32、ガラス扉枠や遊技機用枠3に設けられている各種発光手段(例えば、LEDなど)、画像表示装置5のフロントライトやバックライトなどを高輝度で発光させる)。そのような構成によれば、特別状態に移行するときの遊技者の高揚感を高め、興趣を向上させることができる。
(手段025-4)手段025から手段025-3のいずれかにおいて、演出制御手段は、演出識別情報とは異なる特殊識別情報(例えば、小図柄)の可変表示を実行可能であり、第1表示期間の全期間にわたって演出識別情報の可変表示結果と特殊識別情報の可変表示結果とを表示し(例えば、図8-41(A)に示すように図柄確定期間が0.5秒の場合には、当該0.5秒間の全期間にわたって飾り図柄の変動表示結果と小図柄の変動表示結果とを確定表示する)、第2表示期間のうちの第1表示期間と共通の所定期間において演出識別情報の可変表示結果を表示し、第2表示期間の全期間にわたって特殊識別情報の可変表示結果を表示し(例えば、図8-41(B)に示すように図柄確定期間が81.4秒の場合には、当該81.4秒間のうちの最初の0.5秒間において飾り図柄の変動表示結果を確定表示し、当該81.4秒間の全期間にわたって小図柄の変動表示結果を確定表示する)、所定期間後に、演出識別情報を非表示とし、特別条件が成立したことに関する特別演出を実行する(例えば、図8-41(B)に示すように図柄確定期間が81.4秒の場合には、当該81.4秒間のうちの最初の0.5秒間が経過すると飾り図柄の変動表示結果を非表示とし、モード移行演出を実行する)。そのような構成によれば、特別条件が成立したときの演出効果を高めることができるとともに、第2確定期間における全期間において可変表示結果を確認することができる。
(手段025-5)手段025-4において、第2表示期間は、複数の可変表示パターンのうちの少なくともいずれかのリーチ可変表示パターンの可変表示期間よりも長く(例えば、81.4秒の図柄確定期間は、リーチ変動パターン(変動時間20秒)や、SPリーチA変動パターン(変動時間60秒)の変動時間よりも長い)、第2表示期間が用いられるときに第2表示期間の全期間にわたって特殊識別情報の表示結果が表示される(例えば、図8-41(B)に示すように図柄確定期間が81.4秒の場合には、当該81.4秒間の全期間にわたって小図柄の変動表示結果を確定表示する)。第2表示期間がいずれかのリーチ可変表示パターンの可変表示期間よりも長く、第2表示期間のうちの所定期間だけ演出識別情報の可変表示結果が表示される構成では、演出識別情報の可変表示結果を遊技者が見落としている場合に、可変表示が継続していると遊技者に誤認されるおそれがあるが、第2表示期間の全期間にわたって特殊識別情報の表示結果が表示されるため、そのように誤認されることを回避することができる。また、第2表示期間において、可変表示中に表示される特定画像と共通の特定画像が表示されると、可変表示が継続されており有利状態に制御されることが示唆されていると遊技者に誤認されるおそれがあるが、第2表示期間の全期間にわたって特殊識別情報の表示結果が表示されるため、そのように誤認されることを回避することができる。
(手段025-6)手段025から手段025-5のいずれかにおいて、特別状態は、非特別状態よりも第2識別情報の可変表示が実行されやすく(例えば、高ベース状態では、可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)に遊技球が入賞しやすくなる)、第1識別情報の可変表示に関する情報を第1保留情報として記憶可能であり、第2識別情報の可変表示に関する情報を第2保留情報として記憶可能な保留記憶手段(例えば、第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)を備え、演出制御手段は、第1保留情報に対応する第1保留表示と第2保留情報に対応する第2保留表示とを表示可能であり、非特別状態であるときに、可変表示期間および第1表示期間において第1保留表示を表示可能であり(例えば、図8-42(1)に示す可変表示期間と、図8-42(2)に示す図柄確定期間の開始から0.5秒経過するまでの期間とにおいて、第1保留記憶に対応する第1保留表示025IW101を表示可能である)、第2表示期間のうちの第1表示期間と共通の所定期間において演出識別情報の可変表示結果を表示し(例えば、図8-41(B)や、図8-42(2)に示すように図柄確定期間の開始から0.5秒経過するまでの期間において、飾り図柄の変動表示結果を表示可能である)、所定期間後に、演出識別情報および第1保留表示を非表示とし、特別条件が成立したことに関する特別演出を実行する(例えば、図8-41(B)や、図8-42(3)に示すように図柄確定期間の開始から0.5秒経過すると飾り図柄の変動表示結果および第1保留表示025IW101を非表示とし、モード移行演出を実行する)。そのような構成によれば、演出識別情報および第1保留表示を非表示とすることで、特別条件が成立した時の演出効果を高めることができる。
(手段025-7)手段025-6において、演出制御手段は、表示手段の表示領域のうちの演出識別情報および第1保留表示が表示される表示領域において特別演出を実行する(例えば、図8-42(2),(3)~(8)、図8-43、図8-44に示すように、飾り図柄や第1保留表示025IW101が表示される表示領域においてモード移行演出を実行する)。そのような構成によれば、特別状態に移行すると重要度が低下する第1保留情報に対応する第1保留表示を非表示として余計な情報を表示しないことで、特別演出の演出効果を高めることができる。
(手段025-8)手段025-6、手段025-7において、演出制御手段は、保留記憶手段が記憶する保留情報数を示す保留数表示(例えば、第1保留記憶数と第2保留記憶数とをそれぞれ数値で示す保留数表示502)を表示可能であり、第2表示期間のうちの所定期間が経過した後に第1保留表示を非表示とする一方で、第2確定期間の全期間にわたって保留数表示の表示を継続する(例えば、図8-42~図8-44に示すように、図柄確定期間の開始から0.5秒経過すると第1保留表示025IW101を非表示とする一方で、保留数表示502の表示を継続する)。そのような構成によれば、第1保留表示を非表示として特別演出の演出効果を高めつつ、保留情報数を確認可能とすることができる。
(手段025-9)手段025から手段025-8のいずれかにおいて、演出制御手段は、表示手段の表示レイアウトとして、非特別状態に対応する第1表示レイアウト(例えば、図8-42(1)に示すような第1保留表示025IW101やアクティブ表示025IW102、演出ステージ表示025IW103の表示を含む、通常状態に対応する通常状態レイアウト)と、特別状態に対応する第2表示レイアウト(例えば、図8-45(32)に示すような第2保留表示025IW101bや演出モード表示025IW104の表示を含む、第2時短状態レイアウト)とを適用可能であり、第2表示期間のうちの第1表示期間と共通の所定期間において第1表示レイアウトを維持し、特別演出の終了後に第2表示レイアウトに変更する(例えば、図8-42(2)に示すように図柄確定期間の開始から0.5秒経過するまでの期間において通常状態レイアウトを維持し、図8-45(32)に示すようにモード移行演出の終了後に第2時短状態レイアウトに変更する)。そのような構成によれば、特別演出を経て表示手段の表示レイアウトを変化させることで、違和感なく表示レイアウトを切り替えることができる。
(手段025-10)手段025-9において、有利状態の終了後に制御される特別状態として、第1特別状態(例えば、時短回数1回)と該第1特別状態よりも有利な第2特別状態(例えば、時短回数99回)とがあり、演出制御手段は、第1特別状態と第2特別状態とで異なる表示レイアウトを適用可能であり、第2特別状態では第2表示レイアウトを適用する(例えば、時短回数1回のときには第1時短状態レイアウトが適用され、時短回数99回のときには第2時短状態レイアウトが適用される)。そのような構成によれば、特別条件が成立したときに制御される特別状態が有利な第2特別状態と共通の状態であることを遊技者に印象付けることができ、興趣を向上させることができる。
(手段025-11)手段025-10において、特別状態は、非特別状態よりも第2識別情報の可変表示が実行されやすく、第1識別情報の可変表示を契機として有利状態に制御された後に該有利状態の終了後に制御される第1特別状態において、第2識別情報の可変表示を契機として有利状態に制御されるときに、第2特別状態に制御されやすい(例えば、図8-5に示すように、第2特別図柄で大当りとなるときの方が、第1特別図柄で大当りとなるときよりもラウンド数、時短回数が多い10R時短大当りBとなる割合が高い)。そのような構成によれば、特別条件が成立した後に制御される特別状態が、第1識別情報の可変表示を契機として有利状態に制御されにくい特別状態であるため、遊技者に有利な特別状態であることの認識度合いを高めて興趣を向上させることができる。
(手段025-12)手段025から手段025-11のいずれかにおいて、第2識別情報の可変表示の方が第1識別情報の可変表示よりも有利度が高く(例えば、図8-5に示すように、第2特別図柄の方が、第1特別図柄よりもラウンド数、時短回数が多い10R時短大当りBとなる割合が高く、小当り確率も高い)、特別状態に制御されているときの第1識別情報の可変表示期間は、特別状態に制御される前の非特別状態に制御されているときの第1識別情報の可変表示期間よりも短い(例えば、図8-7(A),(B)に示すように、時短状態における第1特別図柄の変動パターンは、非時短状態(通常状態)における第1特別図柄の変動パターンよりも変動時間が短い)。そのような構成によれば、特別状態に移行したときに第1識別情報の可変表示を早急に消化して第2識別情報の可変表示に注目させることができる。
(手段025-13)手段025から手段025-12のいずれかにおいて、第2識別情報の可変表示の方が第1識別情報の可変表示よりも有利度が高く(例えば、図8-5に示すように、第2特別図柄の方が、第1特別図柄よりもラウンド数、時短回数が多い10R時短大当りBとなる割合が高く、小当り確率も高い)、特別状態に制御されているときに第1識別情報の可変表示を契機として有利状態に制御されるときの有利度は、特別状態に制御される前の非特別状態に制御されているときに第1識別情報の可変表示を契機として有利状態に制御されるときよりも高い(例えば、通常状態において第1特別図柄で大当りとなったときには99%の割合で大当り後の時短回数が1回となり、時短状態において第1特別図柄で大当りとなったときには100%の割合で大当り後の時短回数が7回以上となる)。そのような構成によれば、演出識別情報の可変表示結果の視認性を担保しつつ、特別条件の成立後の特別状態において第1特別図柄の可変表示を契機として有利状態に制御されるときの残念感(せっかく特別状態に移行したのに有利状態に制御される契機が第1特別図柄であるため有利度が低い第1特別状態に制御される)を軽減することができ、興趣の低下を抑えることができる。
(手段025-14)手段025から手段025-13のいずれかにおいて、有利状態に制御するか否かを決定する決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップ025IWS62の処理を実行する部分)と、決定手段の決定前に有利状態に制御されるか否かを判定する判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップ025IWS101の処理を実行する部分)と、を備え、演出制御手段は、判定手段の判定結果にもとづいて先読み演出(例えば、先読予告演出)を実行可能であり、特別条件の成立前において、特別条件の成立後に実行される可変表示を対象とする先読み演出の実行を制限する(例えば、演出制御用CPU120がステップ025IWS702の処理を実行する部分)。そのような構成によれば、特別条件の成立後に実行される第1特別図柄の可変表示を対象とする先読み演出の実行を制限することで(特別条件の成立に期待する遊技者に余計な情報を与えないことで)、特別条件の成立に対する注目度を高めることができる。
(手段025-15)手段025から手段025-14のいずれかにおいて、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主基板11)と、遊技制御手段から送信された情報(例えば、演出制御コマンド)にもとづいて演出を制御する演出制御手段(例えば、演出制御基板12)と、を備え、遊技制御手段は、第1表示期間を特定可能な第1表示期間情報(例えば、図柄確定期間C指定コマンド)と、第2表示期間を特定可能な第2表示期間情報(例えば、図柄確定期間A指定コマンド)と、を演出制御手段に送信可能であり、演出制御手段は、第2表示期間情報を受信したことにもとづいて、第2表示期間のうちの第1表示期間と共通の所定期間において演出識別情報の可変表示結果を表示し、特別条件が成立したことに関する特別演出を実行し(例えば、演出制御用CPU120がステップ025IWS846,S848の処理を実行する部分)、特別条件が成立する場合に第2表示期間情報を受信しないときに、演出識別情報の可変表示結果を導出表示せずに特別演出を実行せず、特別条件の成立により特別状態に制御された後に送信される情報(例えば、状態指定コマンドや変動パターンコマンド、客待ちデモ指定コマンドなど)を受信したことにもとづいて該特別状態に関連する特定演出(例えば、時短状態Cに応じた背景画像(橙)に切り替え)を実行する。そのような構成によれば、第2表示期間情報を正常に受信することができず特別演出を実行できなかった場合にも、後に送信される情報を受信したことにもとづいて特別状態に関連する特定演出を実行することができる。よって、情報を正常に受信できない場合に不適切な制御が行われることを回避することができる。
(手段025-16)手段025から手段025-15のいずれかにおいて、演出制御手段は、特別演出中に特別条件の成立により制御される特別状態での演出モードを選択可能な演出モード選択演出を実行可能であり(例えば、演出制御用CPU120がステップ025IWS848の処理を実行する部分。図8-45(28),(29)参照)、特別条件が成立するときに第2表示期間情報を受信しないときに、演出識別情報の可変表示結果を導出表示せずに特別演出を実行せず、演出モードとして予め定められた特定演出モード(例えば、キャラクタAに対応するモードA)を選択する(例えば、図8-46(32’)参照)。そのような構成によれば、演出識別情報の可変表示結果の視認性を担保しつつ、第2表示期間情報を正常に受信できなかった場合に不適切な制御が行われることを回避することができる。
(手段025-17)手段025から手段025-16のいずれかにおいて、演出制御手段は、特別演出において有利状態に制御されることを示唆する示唆画像の表示を開始し(例えば、図8-45(27)に示すように「V STOCK×1」という文字表示025IW401を表示する)、該特別演出の終了後に制御される特別状態においても該示唆画像を表示することが可能であり(例えば、図8-45(32)、図8-46(32)に示すようにモード移行演出後の時短状態において「V STOCK×1」という文字表示025IW401を表示する)、特別条件が成立するときに第2表示期間情報を受信しないときに、演出識別情報の可変表示結果を導出表示せずに特別演出を実行せず、示唆画像を表示しない(例えば、図柄確定A指定コマンドを正常に受信しない場合には、図8-46(32’)に示すように「V STOCK×1」という文字表示025IW401を表示しない)。そのような構成によれば、特別演出において示唆画像を表示することにより興趣を高めることができる一方で、第2表示期間情報を受信せず特別演出を実行できないときに演出の整合性がとれなくなることを回避することができる。
(手段025-18)手段025から手段025-17のいずれかにおいて、特別条件が成立したことにもとづいて制御される特別状態において可変表示の実行回数が所定回数(例えば、99回)となったことにもとづいて該特別状態が終了し、該特別状態の終了後に特別条件が成立しない(例えば、救済時短回数カウンタの値は、RAMクリア処理が実行されたときや、大当りが発生したときにセットされる。そのため、一旦救済時短に制御されると、RAMクリア処理や大当り発生を経なければ、再び救済時短に制御されない)。そのような構成によれば、遊技者の救済を図りつつも、射幸性を過度に高めない健全な遊技性を実現することができる。
(手段025-19)手段025から手段025-18のいずれかにおいて、有利状態は、有利状態の終了後に制御される特別状態の有利度が異なる複数種類の有利状態(例えば、時短回数が1回の3R時短大当りAや、時短回数が7回の3R時短大当りB、時短回数が99回の10R時短大当りBなど)を含み、複数種類のうちの特定の有利状態の終了後に制御される特別状態よりも、特別条件が成立したことにもとづいて制御される特別状態の方が、有利度が高い(例えば、時短回数が1回である3R時短大当りA経由の時短状態Aや、時短回数が7回の3R時短大当りB経由の時短状態Aよりも、時短回数が99回である救済時短経由の時短状態Cの方が、有利度が高い)。そのような構成によれば、特定の有利状態の終了後に制御される特別状態よりも、特別条件が成立したことにもとづいて制御される特別状態の方が、有利度が高い点で、特別条件が成立したことにもとづいて制御される特別状態での遊技意欲を遊技者に持たせることができる。また、可変表示に対応する可変表示信号(例えば、図8-12に示す全図柄確定回数信号)と、有利状態の制御に対応する所定信号(例えば、図8-12に示す大当り1信号や大当り2信号)と、特定状態の制御に対応する特定信号(例えば、図8-12に示す高確率信号)と、特別状態の制御に対応する特別信号(例えば、図8-12に示す高ベース1信号や高ベース2信号)と、をそれぞれ異なる端子から遊技機の外部に出力可能な外部出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップS23を実行する部分)を備える構成においては、そのような特別条件が成立するまでの可変表示の実行回数を遊技機の外部の装置で特定可能となるため、稼働率を向上させたり、過度な救済を抑制したりする様々な仕組み(例えば、遊技者に対してデータランプ(遊技機上部に設置された呼び出し装置)において救済時短までの残り回数を示唆する仕組みや、ホール管理者に対してホール管理用コンピュータにおいて各遊技機の救済時短までの残り回数を表示する仕組み(例えばRAMクリア処理を実行する(すなわち救済時短回数カウンタのリセットを行う)遊技機の選定に活用される)など)を実現することができる。
(手段025-20)手段025から手段025-19のいずれかにおいて、第2識別情報の可変表示の方が第1識別情報の可変表示よりも有利度が高く(例えば、第1特別図柄の変動表示を契機として大当りとなるときよりも、第2特別図柄の変動表示を契機として大当りとなるときの方が、有利度が高い10R時短大当りBに決定される割合が高い)、特別状態は、非特別状態よりも第2始動条件が成立しやすい(例えば、高ベース状態では、低ベース状態よりも第2始動入賞口への入賞が発生しやすい)。そのような構成によれば、特別状態では有利度が高い第2識別情報の可変表示が実行されやすい点で、特別条件が成立したことにもとづいて制御される特別状態での遊技意欲を遊技者に持たせることができる。また、可変表示に対応する可変表示信号(例えば、図8-12に示す全図柄確定回数信号)と、有利状態の制御に対応する所定信号(例えば、図8-12に示す大当り1信号や大当り2信号)と、特定状態の制御に対応する特定信号(例えば、図8-12に示す高確率信号)と、特別状態の制御に対応する特別信号(例えば、図8-12に示す高ベース1信号や高ベース2信号)と、をそれぞれ異なる端子から遊技機の外部に出力可能な外部出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップS23を実行する部分)を備える構成においては、そのような特別条件が成立するまでの可変表示の実行回数を遊技機の外部の装置で特定可能となるため、稼働率を向上させたり、過度な救済を抑制したりする様々な仕組み(例えば、遊技者に対してデータランプ(遊技機上部に設置された呼び出し装置)において救済時短までの残り回数を示唆する仕組みや、ホール管理者に対してホール管理用コンピュータにおいて各遊技機の救済時短までの残り回数を表示する仕組み(例えばRAMクリア処理を実行する(すなわち救済時短回数カウンタのリセットを行う)遊技機の選定に活用される)など)を実現することができる。
(手段025-21)手段025から手段025-20のいずれかにおいて、演出制御手段は、特別条件が成立する前の非特定状態において、特別条件が成立するまでの可変表示の実行回数を示唆する示唆演出(例えば、煽り演出やカウントダウン演出)を実行可能である(例えば、演出制御用CPU120がステップ025IWS806,S809,S812の処理を実行する部分)。そのような構成によれば、特別条件が成立するまでの可変表示の実行回数が状況によって異なる構成において、特別条件が成立するまでの可変表示の実行回数を遊技者に示唆することで、遊技意欲を向上させて、遊技機の稼働率を向上させることができる。
(手段025-22)手段025から手段025-21のいずれかにおいて、第1識別情報の可変表示を契機として有利状態に制御されるときと、第2識別情報の可変表示を契機として有利状態に制御されるときと、で有利状態の終了後に制御される特別状態の有利度が特別有利度となる割合が異なり(例えば、第1特別図柄の変動表示を契機として大当りとなるときよりも、第2特別図柄の変動表示を契機として大当りとなるときの方が、10R大当りBとなる割合が高いため、大当り遊技後の時短回数が99回となる割合が高い)、第1識別情報の可変表示を契機として有利状態に制御されるときと、第2識別情報の可変表示を契機として有利状態に制御されるときと、で特別条件が成立するための特別回数は共通である(例えば、第1特別図柄の変動表示を契機として大当りとなるときと、第2特別図柄の変動表示を契機として大当りとなるときとで、共通して救済時短回数カウンタに「678」をセットする)。そのような構成によれば、第1識別情報の可変表示が実行されるときと第2識別情報の可変表示が実行されるときとで、異なる遊技性を発揮することにより興趣を高めつつも、特別条件が成立するための特別回数は共通として射幸性が過度に高まることを抑え、適切な救済度合いとすることができる。
(手段025-23)手段025から手段025-22のいずれかにおいて、第1識別情報の可変表示を契機として有利状態に制御されるときと、第2識別情報の可変表示を契機として有利状態に制御されるときと、で複数種類のうちのいずれの有利状態に制御されるかの選択割合が異なり(例えば、第1特別図柄の変動表示を契機として大当りとなるときと、第2特別図柄の変動表示を契機として大当りとなるときとで、大当り種別の決定割合が異なる。図8-5参照)、第1識別情報の可変表示を契機として特別条件が成立するときと、第2識別情報の可変表示を契機として特別条件が成立するときと、で特別条件が成立したことにもとづいて制御される特別状態の有利度は共通である(例えば、第1特別図柄の変動表示が実行されて救済時短が成立するときと、第2特別図柄の変動表示が実行されて救済時短が成立するときとで、救済時短経由の時短状態Cでの時短回数は99回で共通である。図8-6参照)。そのような構成によれば、第1識別情報の可変表示が実行されるときと第2識別情報の可変表示が実行されるときとで、異なる遊技性を発揮することにより興趣を高めつつも、特別条件が成立したことにもとづいて制御される特別状態の有利度は共通として射幸性が過度に高まることを抑え、適度な救済度合いとすることができる。
(手段025-24)手段025から手段025-23のいずれかにおいて、遊技制御手段は、電力供給が開始されたときに、特別回数に到達するまでの残回数を特定可能な電力供給開始時情報(例えば、救済時短回数1~4指定コマンド)を演出制御手段に送信可能であり(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップ025IWS11の処理を実行する部分)、演出制御手段は、残回数情報を受信した場合と残回数情報を受信しない場合とのいずれの場合にも特定情報を受信したことにもとづいて演出制御用数値情報を更新可能であり(例えば、演出制御用CPU120がステップ025IWS705の処理を実行する部分)、演出制御用数値情報にもとづいて特別条件が成立することを示唆する示唆演出(例えば、煽り演出やカウントダウン演出)を実行可能であり(例えば、演出制御用CPU120がステップ025IWS806,S809,S812の処理を実行する部分)、遊技機に対する電力供給が停止しても記憶内容を保持可能な記憶手段(例えば、RAM122)を含み、電力供給開始時情報を受信した場合と電力供給開始時情報を受信しない場合とのいずれの場合にも記憶手段が保持する演出制御用数値情報にもとづいて示唆演出を実行可能である(例えば、演出制御用CPU120がステップ025IWS806,S809,S812の処理を実行する部分)。そのような構成によれば、電力供給開始時情報を正常に受信できなかった場合にも示唆演出を実行することができる。
(手段025-25)手段025から手段025-24のいずれかにおいて、遊技制御手段は、数値情報を含む制御に関する情報を記憶する遊技制御用記憶手段(例えば、RAM102)と、所定条件が成立したときに遊技制御用記憶手段の記憶内容を初期化する初期化手段と、を含み(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップS8の処理を実行する部分)、演出制御手段は、電力供給が開始されるときに初期化手段により数値情報が初期化されなかったことを示唆する特殊示唆演出(例えば、特殊初期出目の表示)を実行可能な特殊示唆演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120がステップ025IWS656aの処理を実行する部分)を含み、特殊示唆演出は、電力供給が開始されるときに初期化手段により数値情報が初期化されなかった場合の方が初期化された場合よりも高い割合で実行される。そのような構成によれば、特殊示唆演出の実行の有無により数値情報が初期化されたか否かを示唆することができ、興趣を向上させることができる。
(手段025-26)手段025から手段025-25のいずれかにおいて、演出制御用数値情報は、電力供給が開始されたときに、残回数情報とは異なる電力供給開始時情報により特定される残回数にもとづいて設定される(例えば、演出制御用CPU120がステップ025IWS655aの処理を実行する部分)。そのような構成によれば、電力供給開始時に残回数を正確に設定することができる。
(手段025-27)手段025から手段025-26のいずれかにおいて、遊技制御手段は、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップS114~S117の処理を実行する部分)を含み、有利状態が終了することを特定可能な有利状態終了情報(例えば、大当り終了指定コマンド)を演出制御手段に送信可能であり(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップ025IWS533の処理を実行する部分)、演出制御手段は、有利状態終了情報を受信したことにもとづいて演出制御用数値情報を初期値に設定する(例えば、演出制御用CPU120がステップ025IWS624aの処理を実行する部分)。そのような構成によれば、演出制御用数値情報を正確に管理することができる。
(手段025-28)手段025から手段025-27のいずれかにおいて、遊技制御手段は、非特定状態(例えば、低確率状態)よりも有利状態に制御されやすい特定状態(例えば、高確率状態)に制御可能な特定状態制御手段を含み、表示手段における背景表示を特定可能な背景表示情報(例えば、状態指定コマンド)を演出制御手段に送信可能であり(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップ025IWS51e,S58の処理を実行する部分)、更新手段は、特定状態に制御されているときに数値情報を更新せず(例えば、高確率状態に制御されているときには救済時短回数カウンタの値を更新しない)、背景表示情報は、特定状態に対応する特定背景表示を特定可能な特定背景表示情報(例えば、確変状態指定コマンド)を含み、演出制御手段は、受信した背景表示情報にもとづいて特定状態であるか否かを判定可能である(例えば、演出制御用CPU120がステップ025IWS643,S646の処理を実行する部分)を含み、特定状態であると判定したときに演出制御用数値情報を更新しない(例えば、演出制御用CPU120がステップ025IWS704の処理を実行する部分)。そのような構成によれば、数値情報を更新しない特定状態においても、数値情報と演出制御用数値情報とを一致させることができる。
(手段025-29)手段025から手段025-28のいずれかにおいて、遊技制御手段は、可変表示が開始されるときと、可変表示が開始されることなく所定期間経過したときとのいずれのときにも残回数情報を演出制御手段に送信可能である(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップ025IWS51e,S58の処理を実行する部分)。そのような構成によれば、可変表示が開始されるときだけではなく、可変表示が開始されることなく所定期間経過したときにも、演出制御手段において残回数を特定することができる。