JP4091496B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
例えば、補助遊技として複数の識別情報(図柄)により変動表示ゲームを実行可能な変動表示装置を備え、該変動表示ゲームの結果が特別結果(特別表示態様、特別図柄組合せ態様)となった場合に、変動入賞装置を開状態に変換するようにした遊技機が知られている。
なお、上記遊技機とは、例えば、各種パチンコ遊技機などの弾球遊技機であり、補助遊技に対して、主となる遊技は、例えば、各種入賞口や障害物や誘導部材等の装置が備えられた遊技領域に遊技球を発射し、発射された遊技球が各種入賞口に入賞したことに基づいて賞球(遊技球)の払い出しを受けることを目的とするものである。
上記変動表示ゲームは、始動入賞口への遊技球の入賞を条件に実行されるが、この始動入賞時に乱数を抽出し、該抽出した乱数値が大当り値であった場合に、変動表示ゲームの結果を特別結果にするとともに特別遊技状態を発生するようにしている。そして、この乱数の抽出による抽選は毎回同条件(但し、確率変動中は除く)で行われるようになっていて、大当り値である乱数を引く確率は常に同じであり、全ての遊技者に平等な抽選が行われるようになっている(完全確率方式)。
また、救済措置として何ら制限のない特別遊技状態を発生させるようにした場合、ある程度「ハマリ」となっている遊技機ばかりを狙って遊技を行うような遊技者が増加してしまい(所謂「ハイエナ行為」)、遊技者間の不平等が大きくなってしまう虞がある。
前記特別遊技状態の発生が通常時よりも遊技者にとって有利となる特定遊技状態を発生する特定遊技状態発生手段と、
を備えた遊技機において、
前記補助遊技の実行に応じて増加する遊技データを計数するためのデータ計数手段と、
前記特別遊技状態の発生に関連して前記データ計数手段の計数値をリセットするリセット手段と、
前記データ計数手段の計数値を強制的にリセットする強制リセット手段と、
前記強制リセット手段によるリセット操作を規制する規制手段と、
を備え、
前記強制リセット手段は、
遊技者のリセット操作を検出する検出手段と、
前記遊技機が非遊技状態となっている期間を監視する非遊技状態監視手段と、
を含み、
前記検出手段により、所定期間内において遊技者のリセット操作を複数回検出した場合、前記データ計数手段の計数値を強制的にリセットし、
前記規制手段は、
前記非遊技状態監視手段によって前記遊技機が非遊技状態となっていると判断された期間にあっては前記検出手段による遊技者のリセット操作の検出を無効にするとともに、
前記特別遊技状態の終了後、次回の特別遊技状態の発生までの間において、前記強制リセット手段によるリセット操作を所定回数検出した場合、その後の前記強制リセット手段によるリセット操作の検出を無効にし、
前記特定遊技状態発生手段は、
前記特別遊技状態の終了後、前記特定遊技状態として次回の特別遊技状態の発生まで該特別遊技状態の発生確率を通常時よりも高めた高確率遊技状態と、該特定遊技状態として該特別遊技状態の発生確率は通常時のままで前記始動入賞を通常時よりも容易にした始動入賞容易化状態と、の何れか1つの特定遊技状態を選択的に発生させる通常特定遊技状態発生手段と、
前記遊技データが所定値となった場合の救済として、前記特定遊技状態として前記始動入賞容易化状態を発生させる救済特定遊技状態発生手段と、
を含み、
前記救済特定遊技状態発生手段が発生させた前記始動入賞容易化状態の発生中に前記特別遊技状態が発生した場合には、前記通常特定遊技状態発生手段を不能動化することで、当該特別遊技状態の終了後に前記特定遊技状態の発生を禁止する特定遊技状態発生禁止手段を備え、
前記特定遊技状態発生禁止手段は、当該特別遊技状態の終了後、前記通常特定遊技状態発生手段が前記高確率遊技状態を発生させる場合には、前記特定遊技状態の発生の禁止を保留し、該高確率遊技状態の発生中に発生した特別遊技状態の終了後に発生することとなる始動入賞容易化状態の発生を禁止することを特徴としている。
また、「補助遊技」とは、結果が特別結果となった場合に、遊技者が利益を得やすい特別遊技状態を発生するものであり、具体的には、例えば、以下のものである。
例えば、補助遊技は、第1種(所謂デジパチ)、第3種(所謂権利もの)等の変動表示装置を備えたパチンコ遊技機での変動表示ゲームである。補助遊技が変動表示ゲームの場合の特別結果は、特別表示態様(特別図柄組合せ態様)の成立であり(例えば、変動表示される複数の識別情報(図柄)が特定の図柄組合せとなった状態で停止表示された場合であり)、より具体的には、例えば、同じ図柄が複数揃って停止表示された場合である。
また、補助遊技は、第2種の遊技機(所謂羽根もの)において、始動入賞に基づき変動入賞装置(羽根部材)を1、2回開閉させる始動遊技である。補助遊技が始動遊技である場合の特別結果は、変動入賞装置の特別入賞口への遊技球の入賞である。
また、第3種においては、変動表示装置を備えないものもあり、この場合には、例えば、補助遊技が始動入賞に基づき普電(普通電動役物)を開放させる始動遊技を補助遊技とする。この場合の特別結果とは、普電の特別入賞口への遊技球の入賞である。
すなわち、補助遊技とは、例えば、弾球遊技機において、遊技球が所定の入賞口への入賞した場合や所定のゲートの通過した場合等に開始され、特別の結果となった場合に、遊技者に大量の遊技媒体の獲得の機会を与えるものである。
また、遊技データを計数するためのデータ計数手段の計数値とは、基本的に遊技データであるが、データ計数手段による計数には、例えば、0から所定値までのカウントアップと所定値から0までのカウントダウンとが考えられ、カウントアップの場合の計数値は、遊技データと同様に変動表示ゲームの実行回数(遊技データが変動表示ゲームの実行回数を示すものでも良い)の増加に対応して増加するが、カウントダウンの場合のデータ計数手段の計数値は、変動表示ゲームの実行回数の増加に応じて減少するものとなる。
従って、ここでは、あえて遊技データを計数するためのデータ計数手段の計数結果を遊技データとせずに、計数値としている。
また、「特別遊技状態の発生に関連して」リセットするとは、例えば、特別遊技状態発生時、特別遊技状態の途中、特別遊技状態の終了時等のように、特別遊技状態の発生が決定した時点から特別遊技状態後の通常遊技状態での遊技の開始までの間にリセットすることである。
その上、救済により特定遊技状態が発生した場合であっても、その特定遊技状態に起因して発生した特別遊技状態に対して、当該特別遊技状態の終了後に通常であれば発生する特定遊技状態の発生を禁止する制限が設けられるので、救済により遊技者に対する利益が大きくなり過ぎてしまうことを防止できる。
ここで、特別遊技状態の終了後に通常は発生する特定遊技状態が発生しなくても、救済により先に特定遊技状態が発生している、すなわち、遊技者としては救済により特定遊技状態を前借りしたような状態であると言えるので、特別遊技状態の終了後に特定遊技状態が発生しないことに対する遊技者の不満感を防止することができる。
また、救済による特定遊技状態の発生中に発生した特別遊技状態の終了後に発生を禁止する特定遊技状態を、高確率遊技状態ではなく始動入賞容易化状態とすることにより、遊技者の利益を抑え過ぎないようにすることができ、遊技者が不満となることを防止できる。すなわち、救済により始動入賞容易化状態を発生させ、救済による始動入賞容易化状態の発生中に発生した特別遊技状態の終了後に、先に救済により付与した分の始動入賞容易化状態の発生を禁止することになるので、遊技者の不満を防止することができる。
また、強制リセット手段は、検出手段が所定期間内において複数回のリセット操作を検出した場合にデータ計数手段の計数値をリセットするようにしているため、1回のリセット操作で遊技データがリセットされることがないので、遊技者の誤操作や検出手段の誤作動による遊技データのリセットを防止できる。また、遊技データを強制的にリセットでき、次の遊技者が自分の遊技で増加した遊技データに基づき所定の遊技価値を得るといったことを防止でき、遊技者が不満となることを防止でき、安心して遊技を行える。すなわち、「ハイエナ行為」を防止し、他の遊技者に「ハイエナ」されることによる遊技者の不満の発生を防止できる。また、「ハイエナ」されるのを恐れて遊技者が予定した金額以上の金額を遊技に投資してしまうのを防止でき、遊技者が辞めたいときに遊技を安心して辞めることができる。
また、非遊技状態中にあってはリセット操作を無効にするので、遊技者が遊技機を離れている間に、他の遊技者が悪意にリセット操作を行う可能性もあるが、非遊技状態中にはその操作信号を無効にすれば、そのような悪戯(嫌がらせ)を防止できる。
また、強制リセット手段(リセット操作を検出する検出手段を含む)によるリセット操作(操作回数)を規制する規制手段を備えているので、例えば、特別遊技状態終了後に強制リセット手段を1回操作した場合(1回リセットした場合)には、その後強制リセット手段を操作しても、その操作は無効とし、遊技データはリセットしないものとする。すなわち、1回の特別遊技状態に対するリセット操作回数(強制リセット回数)を限定する。このようにすれば、第三者がリセットを繰り返すことにより遊技者が救済されない状態となる悪戯等を防止できる。
前記救済特定遊技状態発生手段は、前記高確率遊技状態の発生中に特別遊技状態が発生した後に始動入賞容易化状態を発生させる場合には、該通常時の確率で特別遊技状態が発生した場合よりも該始動入賞容易化状態を発生させることとなる遊技データの計数値を多くすることを特徴としている。
本実施形態は、本発明に係る遊技機の適例としてのパチンコ遊技機、特に、所謂「第1種」に属するタイプのパチンコ遊技機について説明を行うものである。
さらに、前記変動表示装置4aは、識別情報が表示されているとき及び識別情報が表示されていないときに、文字や画像(背景画像やキャラクタ画像を含む)等を表示することが可能となっている。
また、表示装置4の下部には、普通変動入賞装置9に遊技球が入賞して特図変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数(始動記憶数)を点灯表示する特図記憶表示器4b,…が設けられている。
普通図柄表示器7は、例えば、7セグメント型のLEDなどによって構成され、普通図柄(例えば、図柄としての数字、記号などの識別情報)の変動表示が行われるようになっている。また、普図始動ゲート6,6に遊技球が入賞(普図の始動入賞)して普図変動表示が未処理となっている未処理回数(始動記憶数)を表示する普図記憶表示器6a(図2に図示)が配設されている。
この普通変動入賞装置9は、特図の始動口も兼ね、その内部(入賞領域)に特図始動センサ9b(図2に図示)を備えている。また、普図始動ゲート6,6内には、該普図始動ゲート6,6を通過した遊技球を検出するための普図始動センサ6b(図2に図示)が設けられている。
この大入賞口5bの内部(入賞領域)には、該大入賞口5bに入った遊技球のうち一般入賞口(図示省略)に流入した遊技球を検出するための一般入賞口センサ5c(図2に図示)と、大入賞口5bに入った遊技球のうち特別入賞口(図示省略、V入賞領域,継続入賞領域とも言う)に流入した遊技球を検出するための特別入賞口センサ5d(図2に図示)等が配設され、さらに、特別変動入賞装置5には、特別入賞口に遊技球が流入した後は遊技球を前記特別入賞口に流入させないようにして特別入賞口への遊技球の入賞率を調整する入賞率調整用ソレノイド5f(図2に図示)、特別変動入賞装置5の開閉扉5aの駆動手段としての可動部材用ソレノイド5e(図2に図示)等が配設されている。
開閉扉5aはその上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっていて、特図の変動表示ゲームの結果が特別結果態様(例えば、「7、7、7」等、同じ図柄の組合せの何れか)となって大当り等が発生した場合に、大入賞口5bが開放されるようになっている。
また、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、普図始動ゲート6,6内を通過すると、普通図柄表示器7において普図変動表示ゲームが行われる。
この普図変動表示ゲームは、普通図柄表示器7の表示状態(点灯状態)を所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようになっている。
この普図変動表示ゲームの結果、普通図柄表示器7における停止表示が特別の結果態様となれば、普図変動表示ゲームが当りとなって、普通変動入賞装置9が所定時間(例えば、0.5秒間)開放される。それにより、普通変動入賞装置9に遊技球が入賞しやすくなり、特図の変動表示ゲームの始動が容易となる。
この特図の変動表示ゲームの結果として、表示画面4gの表示態様が特別表示態様(例えば、「1,1,1」等、同じ図柄の組合せの何れか)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態S3(図3に図示、所謂、大当り状態)となる。
この大当り状態中は、特別変動入賞装置5の大入賞口5bを閉じた状態から開放状態に変換するサイクル遊技が、所定回数を限度に行われ、これにより遊技者は遊技球を大量獲得する機会を得る。すなわち、パチンコ遊技機100は、補助遊技としての特図の変動表示ゲームの結果が特別結果(特別表示態様)となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態S3が発生するように構成された遊技機である。
従って、本実施形態のパチンコ遊技機100は、複数の識別情報による変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置4aと、該変動表示ゲームを大当りとするか否かを抽選する抽選手段(遊技制御装置70)と、を備え、該抽選手段の抽選結果が大当りとなった場合に、補助遊技としての前記変動表示ゲームの結果を特別結果にするとともに遊技者が利益を得やすい特別遊技状態を発生する特別遊技状態発生手段を備えた遊技機である。
このうち、CPU71aは、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特図や普図の変動表示ゲームに関連する各種乱数値なども生成している。各種乱数値には、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数値、特図変動表示ゲームの停止図柄の決定に用いられる図柄決定用乱数値(大当り時の図柄を決定する乱数値、外れ時の各図柄を決定する乱数値)、外れリーチの発生の決定に用いられる外れリーチ決定用乱数値、特図変動表示ゲームにおける基本変動パターン(変動表示ゲームの実行時間等を含む)の種類の決定に用いられる基本変動パターン決定用乱数値などが含まれる。
RAM71bは、普通変動入賞装置9内に設けられた特図始動センサ9bのオン信号の記憶、すなわち特図始動記憶(始動記憶、変動表示ゲームの実行権利)の記憶領域、普図始動ゲート6,6に設けられた普図始動センサ6bのオン信号の記憶(普図始動記憶)の記憶領域、CPU71aで生成される各種乱数値の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域、後述する変動表示ゲームの実行回数をカウントする後述のゲーム数監視カウンタの記憶領域、変動表示ゲームが大当りとなった場合にセットされる後述の大当りフラグの記憶領域、後述する救済機能が発生した場合にセットされる後述の救済フラグの記憶領域、後述の確率変動フラグの記憶領域、後述の普図時短カウンタの記憶領域、後述する赤外線センサ20が遊技者のリセット操作を検出した場合にセットされる後述の予備フラグの記憶領域、予備フラグがセットされた際に時間の計測を開始する後述の予備フラグ監視タイマの記憶領域並びにCPU71aの作業領域等を備えている。
ROM71cには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、特図変動表示ゲームの大当り発生を判定するための特図変動表示ゲームの大当り判定値を有する乱数判定テーブル、普図変動表示ゲームの当り発生を判定するための普図の当り判定値を有する普図判定テーブルなどが書き込まれている。
さらに、入出力I/F73には、CPU71aから出力される各種の制御信号が入力され、これら制御信号は、該入出力I/F73により中継されて、図示しない出力ポート及びドライバーを介して、普通変動入賞装置9の開閉部材9a,9aの駆動手段としての普電用ソレノイド6c、普通図柄表示器7、普図記憶表示器6a、特図記憶表示器4b、遊技制御装置70からパチンコ遊技機100の外部に対し出力される外部情報を中継する外部出力端子85、演出制御装置80、可動部材用ソレノイド5e、入賞率調整用ソレノイド5fなどに出力されている。
この比較により、遊技制御装置70のCPU71aは、特別遊技状態S3を発生するか否か(大当りに当選か否か)、等を決定する。
また、遊技制御装置70のCPU71aは、特図始動センサ9bから始動信号が入力し、各種乱数値の抽出を行った場合に、RAM71b(始動記憶手段)に、記憶されるカウンタ値としての始動記憶数を1つ加算するとともに、抽出された特図変動表示ゲーム用の乱数値を始動記憶に対応付けて記憶する。なお、直ちに次の変動表示ゲームを開始することができない状態(例えば、変動表示ゲームの実行中、或いは、特別遊技状態S3中等)であれば、始動記憶数が保持され、変動表示ゲームが開始される際には、始動記憶数を1つ減算する。
なお、例えば、始動記憶に空きがない場合、すなわち、始動記憶数が予め設定された上限となっている場合には、各種乱数値の抽出を行わない。
さらに、遊技制御装置70のCPU71aは、入賞口センサ8a,…、特図始動センサ9b、一般入賞口センサ5cから入賞球の検出信号が入力された場合に、それら検出信号に基づいて、排出制御装置90に賞球データを送って所要数の賞球を排出させる制御も行う。
以上のように、遊技制御装置70は、補助遊技(変動表示ゲーム)の結果が特別結果となった場合に、遊技者が利益を得やすい特別遊技状態を発生する特別遊技状態発生手段として機能する。
また、遊技制御装置70は、変動表示ゲーム(補助遊技)が特別結果となって特別遊技状態が発生した場合に、特別遊技状態S3の発生に関連して、前記データ計数手段の計数値をリセットするリセット手段として機能する。
また、前記高確率遊技状態S6は特別遊技状態S3が発生した場合に終了するようになっている。すなわち、次の特別遊技状態が発生するまで高確率遊技状態S6が継続するようになっている。これに対し、前記通常の普図時短状態S8は特別遊技状態S3が発生するか変動表示ゲームの実行回数が所定数(例えば100回)となった際に終了するようになっている。
なお、本実施の形態では、確変図柄の特別遊技状態S3の終了後に高確率遊技状態S6が発生する際には、普図時短状態も行われるようになっており、このときの普図時短状態は、高確率遊技状態S6が終了するまで、すなわち次の特別遊技状態が発生するまで継続される。
この特定遊技状態発生禁止手段は、前記救済特定遊技状態発生手段が発生させた救済の特定遊技状態(救済の普図時短状態S9)に起因して特別遊技状態S3が発生した場合に、前記通常特定遊技状態発生手段を不能動化することで、当該特別遊技状態S3の終了後に特定遊技状態が発生することを禁止するものである。ここでは、前記特定遊技状態発生禁止手段は、通常図柄の特別遊技状態S3の終了後における補助遊技容易化状態(普図時短状態)の発生を禁止するようになっており、確変図柄の特別遊技状態S3の終了後における高確率遊技状態S6の発生は禁止しないようになっている。
また、強制リセット手段は、遊技制御装置70と、検出手段となる後述する赤外線センサ20とを含むものとされ、赤外線センサ20が後述するように遊技者のリセット操作を検出した場合に、ゲーム数監視カウンタの計数値をリセットする機能を有する。
赤外線センサ20は、例えば、赤外線を照射する周知の発光部と、閾値以上の強度の赤外線を受光した場合に信号を出力する周知の受光部とを隣り合わせて配置したものである。そして、赤外線センサ20は、例えば、パチンコ遊技機100の図示しないガラス板の内側の遊技領域1a内に配置されるもので、この例では、特別変動入賞装置5の向かって左側に設けられている。なお、図1において、赤外線センサ20は、赤より波長の短い可視光を通さず、赤外線を主に透過するカバー21に覆われた状態で図示されている。なお、カバー21により、前記発光部及び受光部が隠された状態となっている。
演出制御装置80は、より具体的には、CPU(Central Processing Unit)81a、ROM(Read Only Memory)81c、RAM(Random Access Memory)81bや、図示しないDMAC(Direct Memory Access Controller)、クロック(発振器)、VDC(Video Digital Controller)、フォントROM、VDCの電気信号(入力信号)を光信号(出力信号)に変換させる際のγ補正を行うγ補正回路、インターフェイスなどを備えている。
ROM81cには、変動表示装置4aの表示制御を行うための表示制御プログラムや表示制御データ等が書き込まれている。また、ROM81cには、上述の各抽選用の判定値が記憶されている。
RAM81bは、CPU81aで生成される各種乱数値の記憶領域や各種データを一時的に記憶する記憶領域やCPUの作業領域などを備えている。
DMACは、遊技用マイクロコンピュータ71からの演出コマンドに対し、CPU81aとのアクセスなしで直接各メモリーやVDC等の間でデータのやり取りを行っている。
フォントROMには、変動表示ゲーム用の識別情報、予告表示画像、背景画像等の各表示データなどが書き込まれている。
即ち、VDCは、CPU81aからの指令信号を受けて、フォントROMから識別情報、予告表示画像等の表示データを取り出して編集する。そして、その指令信号に含まれる配色データに基づいて、その編集した画像データに対し配色の指定をパレットRAM(図示省略)で行い、次いでスプライトRAM(図示省略)にて識別情報、予告表示画像等の画像編集を行う。さらに、この編集された画像データ信号はγ補正回路で補正された後、V_SYNCやH_SYNCと同期させて変動表示装置4aに送信され、この変動表示装置4aにおいて表示される。
なお、サブ制御装置としての演出制御装置80は、遊技制御装置70の制御下で表示装置4の変動表示装置4aの表示制御を行う表示制御装置と、遊技制御装置70の制御下にある表示制御装置の制御下で、パチンコ遊技機100に備えられるランプやLEDなどの装飾用ランプ15の点灯・点滅状態を制御する装飾制御装置と、遊技制御装置70の制御下にある表示制御装置の制御下でスピーカの出力を制御する音制御装置とに別れていても良い。
さらに、パチンコ遊技機100は、電源供給装置95を備え、この電源供給装置95から、遊技制御装置70及び演出制御装置80等に対し、それぞれ所定の電力が供給されるようになっている。
また、図2に示すように、電源供給装置95は、バックアップ電源96を備えていて、例えば、停電時など、外部からパチンコ遊技機100への電源供給が遮断されても、該バックアップ電源96から遊技制御装置70のRAM71b及び演出制御装置80のRAM81bへは電源供給されるため、RAM71b,RAM81bの記憶内容がバックアップ電源96の電力が続く限りは保持されるようになっている。
図3(A)に示すように、パチンコ遊技機において、遊技が行われていない状態もしくは遊技が行われているが、上述の普通変動入賞装置9への遊技球の入賞がなく、特図変動表示ゲームの上述の始動記憶数が0の場合には、通常遊技状態S1となっている。この場合には、変動表示装置4aにおいて変動表示ゲームの表示が行われていないので、変動表示装置4aの表示画面は、デモ画面等の客寄せ用の呼び込み画像を表示する。そして、普通変動入賞装置9に遊技球が入賞し、特図始動センサ9bから遊技球を検知したことを示す信号が入力され、遊技制御装置70において始動記憶数が0から1となると変動表示遊技状態S2となる。すなわち、変動表示ゲームが開始される。この際には、遊技制御装置70から演出制御装置80に、変動表示ゲームの開始を指示する。
前記複数の識別情報には、それぞれ、例えば、数字の「1」〜「12」の12種類の図柄があり、これら12種類の図柄のうちで所定時間循環するようにして変動表示された後、12種類の図柄のいずれかとなって停止表示されるようになっている。
この実施例では、12種類の図柄うち、例えば、奇数の「1」、「3」、「5」、「7」、「9」、「11」を模した図柄が確率変動図柄(確変図柄)となっており、偶数の「2」、「4」、「6」、「8」、「10」、「12」を模した図柄が非確変図柄(通常図柄)となっている。
そして、変動表示領域の各々における停止表示の結果、複数の識別情報が、例えば、「8」などのぞろ目といった特別の停止態様(特別表示態様)となることに関連して、大当りとなると、特別遊技状態S3(大当り状態)に遷移して所定の遊技価値(賞球の大量獲得の機会など)を付与可能となる。すなわち、上述のように、特別変動入賞装置5の大入賞口5bを閉じた状態から開放状態に変換するサイクル遊技が、所定回数を限度に行われる。
また、特別遊技状態S3終了後にも通常遊技状態となり、この際に特図始動記憶があるとき(始動記憶数が1以上のとき)には、直ぐに変動表示遊技状態S2となり、特図始動記憶がないとき(始動記憶数が0のとき)には、始動記憶数が1となるまで通常遊技状態S1となる。
また、始動記憶数は、遊技制御装置70により、変動表示遊技状態S2となった場合、すなわち、変動表示ゲームが行われた場合に、1つ減少させられる。
この普図時短状態によって、普図の変動表示ゲームの単位時間当たりの実行可能回数が増えて、その分、普図の当り発生頻度も高くなることになる。
さらに、この普図時短状態中には、普図変動表示ゲームの当りによる普通変動入賞装置9の開放パターンを変更する制御が併せて行われ、その開放パターンの変更制御としては、例えば、開閉部材9a,9aの0.5秒の開放を1回から、3秒の開放を2回、或いは、5秒の開放を1回にするなどの変更制御がある。
また、この普図時短状態中には、普図の変動表示ゲームの当り発生確率を通常確率(例えば、確率は1/10)から高確率(例えば、確率は5/10)に変換される普図確変状態となるようにしても良い。このように、普図時短状態において、普図変動表示時間の短縮、普通変動入賞装置9の開放パターンの変化による開放時間の増加、普図変動表示ゲームの当りの高確率化が行われると、普通変動入賞装置9への遊技球の入賞数が増加し、入賞に伴って払い出される賞球数が増加し、遊技者の持球数(遊技球数)の減少が抑制される。また、高確率状態S6においては、上述のように普通変動入賞装置9への入賞が容易となる(始動入賞容易化状態となる)ことにより始動記憶数が多くなることなどに基づいて、特図の変動表示時間が短縮され、単位時間当りの変動表示ゲームの実行回数が増加することにより、変動表示ゲームが大当りとなる確率が高確率化されたことと合わせて、短時間で変動表示ゲームで特別表示態様が成立して特別遊技状態S3となる可能性が高められる。
すなわち、変動表示ゲームが普通図柄で特別表示態様となったことに基づいて特別遊技状態S3となった後に特別遊技状態S3が終了すると、普図変動時間通常状態S7から普図時短状態S8となる。この際には、上述のように普図の変動表示ゲームの変動表示時間が短縮される。この際には、上述のように、普図の変動表示ゲームが当りとなった際の普通変動入賞装置9の開放パターンが変更される。加えて、普図の変動表示ゲームの当りとなる確率の高確率化が行われ、普通変動入賞装置9への入賞がさらに容易化されるようにしても良い。
従って、特別遊技状態S3が終了した場合に、特別遊技状態S3への遷移が確変図柄に基づく場合に高確率状態S6となり、通常図柄に基づく場合に普図時短状態S8となる。 普図時短状態S8も、高確率状態S6と同様に、特別遊技状態S3が発生すると終了し、普図変動時間通常状態S7となる。また、普図時短状態S8には、変動表示ゲームの実行回数に制限があり、普図時短状態S8で、規定回数のゲームが終了すると、特別遊技状態S3とならなくても普図時短状態S8が終了し、普図変動時間通常状態S7に遷移する。
そして、通常図柄での特別遊技状態S3が終了すると、通常遊技状態S1と変動表示遊技状態S2とを繰り返す状態となるとともに、普図変動時間通常状態S7から普図時短状態S8(ここでは救済処理による救済の普図時短状態(救済特定遊技状態)S9と区別するために通常の普図時短状態(通常特定遊技状態)S8とする)となる。
なお、通常の普図時短状態S8には、上述のように規定回数が決められており、例えば、変動表示ゲームの実行回数が特別遊技状態S3とならずに100回となると、普図時短状態S8が終了し、普図変動時間通常状態S7となる。
またさらに、前記2回目の救済処理が発動後、変動表示ゲームの実行回数が、普図時短状態S9の規定回数(例えば、100回)を越えても、特別遊技状態S3とならず、さらに、多くの変動表示ゲームを実行しても特別遊技状態S3とならず、「ハマリ」の状態が継続している場合に3回目の救済処理が発動することになる。たとえば、2回目の救済処理が発動後、変動表示ゲームの実行回数が特別遊技状態S3とならずに200回となった場合に、普図変動時間通常状態S7から3回目の救済処理として救済の普図時短状態S9とする。
以後、救済処理としての救済の普図時短状態S9が規定回数(例えば、100回)を越え、さらに救済処理が発動後、変動表示ゲームの実行回数が特別遊技状態S3とならずに200回となる毎に、救済処理として救済の普図時短状態S9を発動する。
なお、特別遊技状態S3が確変図柄での特別表示態様の成立に基づく場合には、変動表示ゲームの実行回数の計数は行われずに計数値はリセットされたままの状態とされ、計数値がリセットされた以降に、通常図柄の特別表示態様の成立に基づく特別遊技状態S3が発生してさらに当該特別遊技状態S3が終了した後に実行回数の計数が開始される。
上述のように特別遊技状態S3の終了後には、通常、その特別遊技状態S3が確変図柄での特別表示態様の成立に基づくものか通常図柄での特別表示態様の成立に基づくものかによって、特定遊技状態として高確率遊技状態S6又は普図時短状態S8を発生させるようになっている。さらに、前記普図時短状態S8の発生に際しては、当該特別遊技状態S3が救済機能の発動中に発生したものである場合には、その発生を禁止するようになっている。
ステップS14において、救済フラグがセットされている場合には、救済フラグをクリアし(ステップS16)、ゲーム数監視カウンタを1000回にセットする(ステップS17)。すなわち、救済フラグがセットされている場合には、通常図柄の特別遊技状態S3の終了後の普図時短状態S8aが禁止されることとなる。また、救済フラグがセットされているときに確変図柄の特別遊技状態S3が発生した場合には、その特別遊技状態S3の終了後の高確率遊技状態S6は禁止されずに行われるとともに救済フラグのセット状態は保持され、その後通常図柄の特別遊技状態S3が発生した場合に、当該通常図柄の特別遊技状態S3の終了後に保持されていた救済フラグのセット状態に基づき普図時短状態S8aが禁止される。
ここでは、特別遊技状態S3の終了時又は救済措置の発動時からの変動表示ゲームの実行回数を計数するゲーム数監視カウンタのカウンタ値が0となったときに、100回の救済の普図時短状態S9を発生させるとともに、ゲーム数監視カウンタを所定値(500回、200回等)にセットし、再び変動表示ゲームの実行回数を計数するようになっている。
そして、救済処理においては、まず、ゲーム数監視カウンタのカウント値、すなわち、通常図柄に基づく特別遊技状態S3の終了時又は救済措置の発動時からカウントされる変動表示ゲームの実行回数のカウント値が0か否かが判定される(ステップS21)。なお、本実施の形態では、特別遊技状態S3の終了時にはゲーム数監視カウンタに1000回、1回目の救済の際には500回、2回目以降の救済の際には200回がそれぞれセットされ、変動表示ゲームが実行される度にゲーム数監視カウンタのカウント値が1減少させられるようになっている。
ここで、ゲーム数監視カウンタのカウント値が0である場合には、救済措置として普図時短状態S9を発生させて計数する普図時短カウンタを100回にセットし(ステップS22)、救済フラグをセットする(ステップS23)。
一方、前記救済措置が1回目でない、すなわち2回目以降である場合には、ゲーム数監視カウンタに200回がセットされ、1回目の救済措置の際にセットされた500回よりさらに少ないゲーム数で次の救済措置が発動するようにされる(ステップS26)。
遊技制御装置70における変動表示ゲーム計数処理では、通常図柄に基づく特別遊技状態S3の終了後に変動表示ゲームの実行回数を計数するので、高確率状態S6ではなく通常確率状態S5において計数が行われる。従って、確率変動中、すなわち、高確率状態S6か否かが判定される(ステップS31)。確率変動中の場合には、ステップS35に進む。そして、確率変動中ではなく通常確率状態S5の場合には、ゲーム数監視カウンタのカウント値、すなわち、通常図柄に基づく特別遊技状態S3が終了時又は救済措置の発動時からカウントされる変動表示ゲームの実行回数のカウント値が0か否かが判定される(ステップS32)。カウント値が0の場合には、ステップS35に進む。そして、カウント値がS0でない場合には、変動表示ゲームが終了したか否かを判定する(ステップS33)。すなわち、変動表示ゲームの実行を監視し、変動表示ゲームが終了した時点(変動表示時間が経過した時点)で、変動表示ゲームが1回実行されたものと判定する。そして、変動表示ゲームが1回実行された場合には、変動表示ゲームの実行回数を計数するゲーム数監視カウンタのカウント値を1減算する(ステップS34)。すなわち、カウントダウンする。
このような遊技データ計数処理は、所定タイミング毎に短い間隔で繰り返し行われる。
なお、変動表示ゲームの実行回数(遊技データ)をカウントダウンするのではなく、カウントアップするものとしても良く、この場合には、ゲーム数監視カウンタのカウント値がセット(リセット)された場合には、カウント値がクリアされて0となり、カウント値が所定値である1000回(救済措置の後は、500回又は200回)になると、カウントが停止されて上述のように救済の普図時短状態S9となる。
すなわち、このパチンコ遊技機100において、遊技制御装置70は、変動表示ゲーム(補助遊技)の実行に応じて増加する遊技データ(変動表示ゲームの実行回数)を計数するためのデータ計数手段して機能するとともに、特別遊技状態S3の発生及び救済措置の発動に関連して前記データ計数手段の計数値をリセットするリセット手段として機能する。
なお、変動表示ゲーム計数処理では、リセット時にゲーム数監視カウンタに例えば所定値として1000回,500回,200回がセットされ、変動表示ゲームが実行される度にゲーム数監視カウンタのカウント値が1減少させられて、カウント値が0となった場合に、救済の普図時短状態S9となり、救済措置が発動後、変動表示ゲームの実行回数が100回となるか、救済に基づき発生した特別遊技状態S3が終了することによりリセット(もしくは強制リセット)されるまで、普図時短状態S9が維持される。
そして、その後、通常図柄の特別遊技状態S3が発生した際に、図9(C)に示すように、「お助け機能使用」の表示とともに「普図時短状態は発生しません」という特別遊技状態の終了後の普図時短状態の発生が禁止されていることを示す表示を行う。
なお、このカウンタリセット処理は、遊技制御装置70に所定時間内に赤外線センサ20から二度の入力信号があった場合、すなわち、所定時間内に二度の遊技者によるリセット操作が検知された場合に、変動表示ゲームの実行回数をカウントするゲーム数監視カウンタのカウント値をリセットするものであり、一度目の遊技者のリセット操作があった場合に、予備フラグをセットするようになっている。
従って、まず、予備フラグがONとなっている(予備フラグがセットされている)か否かが判定される(ステップS41)。そして、予備フラグがONとなっている場合は、予備フラグがONとなった際にスタート(更新開始)した予備フラグ監視タイマを更新させる(ステップS42)。すなわち、予備フラグ監視タイマによる時間の計測を続行する。予備フラグがONとなっていない場合には、予備フラグ監視タイマはスタートしておらず、更新されない。
そして、赤外線センサがONでない場合には、予備フラグ監視タイマが所定値となっているか否か、すなわち、1回目の赤外線センサ20からの入力信号があってから所定時間(例えば、5秒)が経過しているか否かが判定される(ステップS44)。なお、未だ、1回目の赤外線センサ20からの入力信号がなく予備フラグがONとなっていない場合には、予備フラグ監視タイマが作動しておらず、予備フラグ監視タイマが所定値となることがない。
そして、予備フラグ監視タイマが所定値となった場合には、予備フラグがONとなっているので、予備フラグをクリアする(ステップS45)。
既に予備フラグがセットされている場合には、予備フラグがクリアされることなく2度目の赤外線センサ20からの入力信号があったことになり、所定時間内に遊技者のリセット操作が二度検知されたことになる。この場合には、ゲーム数監視カウンタのカウント値が特別遊技状態の発生に関係なく強制的にリセットされる。ここでは、ゲーム数監視カウンタのカウント値が所定値である1000にセットされる(ステップS49)。そして、予備フラグがクリアされ(ステップS50)、カウンタリセット処理を終了する。
以上のことはパチンコ遊技機100の遊技制御装置70は、遊技者のリセット操作を検出する検出手段としての赤外線センサ20とあわせて、遊技制御装置70がデータ計数手段として計数した計数値を強制的にリセットする強制リセット手段として機能し、遊技者によるリセット操作により前記データ計数手段の計数値をリセット可能に構成されている。さらに、強制リセット手段としての遊技制御装置70は、検出手段としての赤外線センサ20が所定期間内において複数回のリセット操作を検出した場合に、遊技制御装置70がデータ計数手段として計数した計数値をリセットする。
その上、救済により特定遊技状態(救済の普図時短状態S9)が発生した場合であっても、その特定遊技状態S9に起因して発生した特別遊技状態(大当り状態)S3に対して、当該特別遊技状態S3の終了後に通常であれば発生する特定遊技状態(通常の普図時短状態S8a)の発生を禁止する制限が設けられるので、救済により遊技者に対する利益が大きくなり過ぎてしまうことを防止できる。
ここで、特別遊技状態(大当り状態)S3の終了後に通常は発生する特定遊技状態(通常の普図時短状態S8a)が発生しなくても、救済により先に特定遊技状態(救済の普図時短状態S9)が発生している、すなわち、遊技者としては救済により特定遊技状態を前借りしたような状態であると言えるので、特別遊技状態S3の終了後に特定遊技状態S8aが発生しないことに対する遊技者の不満感を防止することができる。
従って、発生した特定遊技状態(高確率遊技状態S6、普図時短状態S8,S9)が、変動表示ゲームの実行回数が所定数となるか、若しくは特別遊技状態(大当り状態)S3が発生した場合に終了するように制限されるので、特定遊技状態の発生により得られる遊技者の利益を制限することができ、遊技者の利益が大きくなりすぎてしまうことを防止することができる。
従って、救済による特定遊技状態として補助遊技容易化状態(救済の普図時短状態S9)を発生させるので、特定遊技状態として特別遊技状態(大当り状態)S3の発生確率を直接的に高める高確率遊技状態S6を発生させる場合と比べて特別遊技状態S3の発生に対する救済度合いを抑えることができ、遊技者の利益が大きくなりすぎることを防止できる。
また、救済による特定遊技状態(救済の普図時短状態S9)に起因して発生した特別遊技状態(大当り状態)S3の終了後に発生を禁止する特定遊技状態を、高確率遊技状態S6ではなく補助遊技容易化状態(通常の普図時短状態S8a)とすることにより、遊技者の利益を抑え過ぎないようにすることができ、遊技者が不満となることを防止できる。すなわち、救済により補助遊技容易化状態S9を発生させ、救済による補助遊技容易化状態S9に起因して発生した特別遊技状態S3の終了後に、先に救済により付与した分の補助遊技容易化状態S8aの発生を禁止することになるので、遊技者の不満を防止することができる。
従って、救済により発生させた特定遊技状態(救済の普図時短状態S9)に起因して発生した特別遊技状態(大当り状態)S3の終了後に高確率遊技状態S6が発生した場合であっても、特定遊技状態の発生の禁止を保留して当該高確率遊技状態S6に起因して発生した特別遊技状態S3の終了後に発生することとなる補助遊技容易化状態(通常の普図時短状態S8a)の発生を禁止するので、先に救済により付与した分の補助遊技容易化状態の発生を確実に禁止することができる。
また、上述の救済機能が強制的にリセットされることなく、常時機能した場合に、所定の確率で発生する特別遊技状態(大当り状態)S3以外に、遊技者に特定の遊技価値を付与することにより、遊技者、特に「ハイエナ行為」を行う遊技者に有利となり、遊技店側が不利となるのを防止できる。
すなわち、補助遊技の実行を通常時よりも容易にした状態として、以下の複数の状態のいずれか、もしくは、複数の状態の一部もしくは全部の組合せが考えられる。
例えば、補助遊技容易化状態としては、上述の普通図柄表示器7での普図変動表示ゲームで特定結果(「7」等の当り結果)が導出される確率を、通常確率から高確率に変動する普図確率変動(高確率)状態、普通変動表示ゲームで特定結果が導出された場合に、上述の普通変動入賞装置9(特図始動口)の開放パターン(開放時間、開放回数)を、通常の開放パターン(例えば、0.5秒の1回)よりも始動入賞しやすい開放パターン(例えば、2秒の3回)に変更した状態、上述の普図の変動表示ゲームの変動表示時間を短縮した普図時短状態等が挙げられる。
なお、補助遊技容易化状態は、第1種、第3種等の始動入賞に基づき補助遊技として変動表示ゲームを行うような遊技機の場合、始動入賞容易化状態となる。
この場合には、救済の普図時短状態S9を発生させるためのゲーム数監視カウンタの計数値(所定値)を例えば900回等にしても良い。
すなわち、上述の変動表示ゲームの実行回数(ゲーム回数)の他に、変動表示ゲームの特定の外れ結果(特定の外れ表示態様、外れ図柄組合せ態様)の回数(例えば、変動表示装置4aの右表示領域に特定図柄(例えば、3)が導出された回数)、変動表示ゲームがリーチとなった回数(ノーマルリーチ、該ノーマルリーチよりも特別結果が導出される確率の高いスペシャルリーチ等を含む全ての外れリーチ回数)、変動表示ゲームが特定のリーチ(例えば、スペシャルリーチ)となった回数等が挙げられる。
また、これらの回数のうちの1つを計数する以外に、これらのうちの複数のデータ(回数)を各々計数して、その合計値を遊技データとしてもよい。
例えば、データ計数手段は、第1の遊技状態を計数した第1の遊技データ(例えば、変動表示ゲームの実行回数)と、第2の遊技状態を計数した第2の遊技データ(例えば、リーチとなった回数)と、に基づき(合計して)遊技データを算出するものとしても良い。
すなわち、特別遊技状態の発生毎に、どの遊技状態に基づく遊技データを計数するかをランダム的に選択する選択手段(遊技制御装置70)を備え、該選択手段が選択した遊技状態に基づいて遊技データを計数する。
例えば、今回は変動表示ゲームの実行回数が所定値になった場合に救済措置(救済機能)を働かせるようにして、その後特別遊技状態S3が発生した場合には、次は変動表示ゲームがリーチとなった回数が所定値になった場合に救済措置を働かせるようにする。
このようにすれば、救済機能が働くタイミングをより不明瞭にできるので、「ハイエナ行為」をより確実に防止できる。
例えば、遊技データを変動表示ゲームの実行回数(あるいはリーチとなった回数など)として、変動表示ゲームの実行回数を、500回、600回、700回等予め複数記憶手段(RAM)に記憶しておき、特別遊技状態S3の発生に基づき、複数の変動表示ゲームの予め設定された実行回数のうちの何れか1つをランダム的に決定する基準遊技データ決定手段(遊技制御装置70)を備えるものとしても良い。
このようにすれば、救済機能が働くタイミングを不明瞭にできるので「ハイエナ行為」をより確実に防止できる。なお、上記計数値(所定値)をランダムに決定する以外にも、複数の予め設定された変動表示ゲームの実行回数を特別遊技状態の発生毎に順番に決定したりしてもよい。
また、上記複数の予め設定された変動表示ゲームの実行回数(遊技データ)のうちの何れかを遊技店側が外部操作により設定する設定装置を備えるようにしても良い。
例えば、前回の通常図柄での特別遊技状態S3が高確率遊技状態S6中に発生したものであった場合(すなわち、前々回の特別遊技状態S3が確変図柄での特別遊技状態S3であった場合)には、救済機能を働かせないで、前回の通常図柄での特別遊技状態S3が通常確率状態S5中に発生したものであった場合のみ、救済機能を働かせる。すなわち、救済特定遊技状態発生手段は、前回の特別遊技状態が所定の条件下(高確率遊技状態中以外の状態)で発生したことを条件に救済機能を働かせる。
このようにすれば、本当に救済すべき遊技者にのみ救済機能を働かせることができる。すなわち、確変図柄で大当りとなることにより、短期間に複数回特別遊技状態S3となることにより、出球(賞球)で多くの変動表示ゲームを実行した場合には、遊技者の損失は少ないが、そうでない遊技者は損失が大きく、救済を必要とするからである。
例えば、変動表示ゲームの実行回数が1000回となった場合に普図時短状態S9を100回発生させ、実行回数が1500回となった場合に普図時短状態S9を150回発生させ、実行回数が1800回となった場合に普図時短状態S9を250回発生させ、実行回数が2000回となった場合には普図時短状態S9を次回特別遊技状態S3発生まで無制限に発生させる、というようにしても良い。
その場合には、特定遊技状態発生禁止手段(遊技制御装置70)は、救済機能としての高確率遊技状態に起因して発生した特別遊技状態S3が高確率遊技状態を発生する条件を満たしていた場合(すなわち、確率変動図柄での特別表示態様の成立)でも、当該特別遊技状態S3の終了後に、前記高確率遊技状態の発生を禁止する。
例えば、変動表示ゲームの実行回数が1000〜1049の場合に大当り確率を5/630とし、実行回数が1050〜1099の場合に大当り確率を6/630とし、実行回数が1100〜1149の場合に大当り確率を7/630とするようにしても良い。また、さらに特別遊技状態S3とならずに変動表示ゲームの実行回数が増加した場合には、さらに大当り確率を高めても良い。
すなわち、救済特定遊技状態手段(遊技制御装置70)は、遊技データの増加に応じて、変動表示ゲームが特定結果となる確率(特別遊技状態S3が発生する確率)を高めるようにする。
例えば、特別遊技状態終了後に強制リセット手段を1回操作した場合(1回リセットした場合)には、その後強制リセット手段を操作しても、その操作は無効とし、遊技データはリセットしないものとする。すなわち、1回の特別遊技状態に対するリセット操作回数(強制リセット回数)を限定する。このようにすれば、第三者がリセットを繰り返すことにより遊技者が救済されない状態となる悪戯等を防止できる。
この場合、遊技者の操作を可能とするスイッチ等を設けなくても、遊技データのリセットが行えるので、コストの低減を図ることができるとともに、強制リセット手段を容易に導入できる。
また、例えば、遊技終了時にその場にとどまり非遊技状態が所定期間となるまで待てば、遊技機を離れることなく、遊技データをリセットできるので、この場合も所定期間遊技機を離れなければ確実に「ハイエナ行為」を防止できる。
また、非遊技状態監視手段の監視結果により、非遊技状態が所定期間となれば、自動的にリセットが行われるので、リセットのし忘れ等を防止できる。
また、例えば、遊技を継続する意志が有るにも拘わらず、遊技を中断する遊技者がいるが、このような行為は稼働率の低下に繋がることから、遊技店においては不利な行為である。しかし、上記機能を備えることにより、遊技を中断(あるいは長い時間中断)した場合に、遊技データがリセットされてしまうので、遊技者による故意の遊技中断を防止でき、稼働率の低下を防止できる。
例えば、遊技機に不具合が発生した場合に、係員により修理が行われる場合があるが、このような場合に、非遊技状態が所定期間発生することとなり、この間に遊技データがリセットされてしまうと、遊技者は非常に不満となるので、遊技機で不具合が生じた場合に、非遊技状態の監視を一旦不能動化し、非遊技状態監視手段が所定期間の非遊技状態を検知しないようにするのである。このように、不具合が発生した場合に、非遊技状態の監視を一旦不能動化することにより、遊技データがリセットされることがなく、遊技者の上記不満を防止できる。
すなわち、非遊技状態監視手段により所定期間の非遊技状態が検知されたことを条件に、検出手段(赤外線センサ20)からの検出信号を有効にして遊技データをリセットする。このようにすれば、遊技者が遊技を辞めて変動表示ゲームが終了したままとなった非遊技状態が検知されなければ、赤外線センサ20からの入力信号があっても遊技制御装置70は、ゲーム数監視カウンタを強制リセットしないので、遊技者による赤外線センサ20等の検出手段の誤操作や、検出手段の誤作動により、遊技者の意図に反して強制リセットされるのを確実に防止できる。
例えば、遊技者が遊技機を離れている間に、他の遊技者が悪意にリセット操作を行う可能性もあるが、非遊技状態中にはその操作信号を無効にすれば、そのような悪戯(嫌がらせ)を防止できる。
また、パチンコ遊技機に一般的に備えられ、アウト穴13に入ってアウト球となる遊技球を検出するアウト球検出手段(アウト球検出センサ)からの検出信号の遊技制御装置70への入力から非遊技状態となっている期間の計測を開始してもよく、この場合には、上述の所定期間前に再びアウト検出手段からの検出信号が入力した場合に計測された期間をリセットするとともに、再び、非遊技状態となっている期間の計測を開始する。すなわち、アウト穴13に入る遊技球が無い間は、遊技領域1aに遊技球が発射されていないことになり遊技が行われていない非遊技状態となる。なお、アウト球検出手段の他に、遊技球を遊技領域に発射した際の入球信号を出力するために発射された遊技球を検出する入球検出手段からの入力信号や、賞球が排出される際の出球信号を出力するために排出された賞球を検出する賞球検出手段(上記所定のセンサ部)からの入力信号に基づいて非遊技状態となった期間の計測を開始するものとしても良い。
例えば、遊技者が使用した金額情報を入力する金額情報入力手段を遊技機(遊技制御装置70)に備え、上記消費量算出手段は上記金額情報に基づき遊技者の消費量を算出する。
あるいは、前記アウト球検出センサからの信号を入力する信号入力手段を備え、該信号の入力により遊技媒体の使用量(アウト球数−賞球数)を算出する遊技媒体使用量算出手段(遊技制御装置70)を備え、該遊技媒体の使用量が所定値になった場合に救済特定遊技状態発生手段が特定遊技状態を発生するようにしても良い。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
20 赤外線センサ(検出手段)
70 遊技制御装置(特別遊技状態発生手段、特定遊技状態発生手段、通常特定遊技状態発生手段、救済特定遊技状態発生手段、データ計数手段、リセット手段、特定遊技状態発生禁止手段、強制リセット手段)
100 パチンコ遊技機(遊技機)
S3 特別遊技状態
S6 高確率遊技状態(特定遊技状態)
S8,S8a 通常の普図時短状態(補助遊技容易化状態、特定遊技状態)
S9 救済の普図時短状態(補助遊技容易化状態、特定遊技状態)
Claims (2)
- 始動入賞に基づき実行される補助遊技の結果が特別結果となった場合に、遊技者が利益を得やすい特別遊技状態を発生する特別遊技状態発生手段と、
前記特別遊技状態の発生が通常時よりも遊技者にとって有利となる特定遊技状態を発生する特定遊技状態発生手段と、
を備えた遊技機において、
前記補助遊技の実行に応じて増加する遊技データを計数するためのデータ計数手段と、
前記特別遊技状態の発生に関連して前記データ計数手段の計数値をリセットするリセット手段と、
前記データ計数手段の計数値を強制的にリセットする強制リセット手段と、
前記強制リセット手段によるリセット操作を規制する規制手段と、
を備え、
前記強制リセット手段は、
遊技者のリセット操作を検出する検出手段と、
前記遊技機が非遊技状態となっている期間を監視する非遊技状態監視手段と、
を含み、
前記検出手段により、所定期間内において遊技者のリセット操作を複数回検出した場合、前記データ計数手段の計数値を強制的にリセットし、
前記規制手段は、
前記非遊技状態監視手段によって前記遊技機が非遊技状態となっていると判断された期間にあっては前記検出手段による遊技者のリセット操作の検出を無効にするとともに、
前記特別遊技状態の終了後、次回の特別遊技状態の発生までの間において、前記強制リセット手段によるリセット操作を所定回数検出した場合、その後の前記強制リセット手段によるリセット操作の検出を無効にし、
前記特定遊技状態発生手段は、
前記特別遊技状態の終了後、前記特定遊技状態として次回の特別遊技状態の発生まで該特別遊技状態の発生確率を通常時よりも高めた高確率遊技状態と、該特定遊技状態として該特別遊技状態の発生確率は通常時のままで前記始動入賞を通常時よりも容易にした始動入賞容易化状態と、の何れか1つの特定遊技状態を選択的に発生させる通常特定遊技状態発生手段と、
前記遊技データが所定値となった場合の救済として、前記特定遊技状態として前記始動入賞容易化状態を発生させる救済特定遊技状態発生手段と、
を含み、
前記救済特定遊技状態発生手段が発生させた前記始動入賞容易化状態の発生中に前記特別遊技状態が発生した場合には、前記通常特定遊技状態発生手段を不能動化することで、当該特別遊技状態の終了後に前記特定遊技状態の発生を禁止する特定遊技状態発生禁止手段を備え、
前記特定遊技状態発生禁止手段は、当該特別遊技状態の終了後、前記通常特定遊技状態発生手段が前記高確率遊技状態を発生させる場合には、前記特定遊技状態の発生の禁止を保留し、該高確率遊技状態の発生中に発生した特別遊技状態の終了後に発生することとなる始動入賞容易化状態の発生を禁止することを特徴とする遊技機。 - 前記救済特定遊技状態発生手段は、前記高確率遊技状態の発生中に特別遊技状態が発生した後に始動入賞容易化状態を発生させる場合には、該通常時の確率で特別遊技状態が発生した場合よりも該始動入賞容易化状態を発生させることとなる遊技データの計数値を多くすることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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