JP2012200291A - ガイドワイヤ - Google Patents
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Abstract
本発明は、ハネを防止することができるガイドワイヤを提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明のガイドワイヤは、後端部から先端部に向かって縮径したコアシャフトと、上記先端部の外周に巻回されたコイル体とからなるガイドワイヤであって、上記先端部は、最先端に位置している最先端部と、上記最先端部に結合している中間部とを含んで形成されており、上記最先端部の断面形状は、矩形であり、上記中間部の断面形状は、上記最先端部側から上記後端部側に向かって矩形から円形に徐々に変化しており、上記最先端部の長さは、上記中間部の長さよりも短いことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
なお、ガイドワイヤにおいては、コアシャフトの先端部側がガイドワイヤの遠位部であり、コアシャフトの後端部側がガイドワイヤの近位部となる。ガイドワイヤの遠位部は体内に挿入され、ガイドワイヤの近位部は医師等の手技者によって操作される。
しかしながら、そのまま近位部の回転を続けると、それまでほとんど回転していなかった遠位部が急激に回転し、ガイドワイヤがハネることがある。
このことについて、図面を用いて以下に説明する。
図5(c)は、図5(a)及び図5(b)に示すコアシャフトの最先端部のD−D線断面図であり、図5(d)は、図5(a)及び図5(b)に示すコアシャフトの中間部のE−E線断面図である。
しかしその反面、コアシャフト100の長手軸を回転軸として後端部110を左右に回転させた場合には、発生したねじれ力により柔軟な最先端部130がねじれやすい。
なお、図5(d)に示すように、中間部140の形状は円柱状に近いので、曲がりやすさの方向性が小さい。そのため、中間部140の柔軟性は最先端部130よりも低く、ねじれにくい。
図2(a)は、図1(a)に示すガイドワイヤの先端部を拡大して示す先端部拡大図であり、図2(b)は、図1(b)に示すガイドワイヤの先端部を拡大して示す先端部拡大図である。
図3(a)は、図2(a)及び図2(b)に示すガイドワイヤの最先端部のA−A線断面図であり、図3(b)は、図2(a)及び図2(b)に示すガイドワイヤの中間部のB−B線断面図であり、図3(c)は、図2(a)及び図2(b)に示すガイドワイヤの円柱部のC−C線断面図である。
なお、以下の説明では、ガイドワイヤの遠位部とコアシャフトの先端部とをともに同じ符号で示し、ガイドワイヤの近位部とコアシャフトの後端部とをともに同じ符号で示すこととする。また、コイル体の一部又は全部を破線で示すことにより、コイル体の一部又は全部の図示を省略することがある。
そのため、最先端部13は、図3(a)の上下方向L1から外力が加わると曲がりやすく、左右方向L2から外力が加わると曲がりにくい。即ち、最先端部13は、外力が加わった場合における曲がりやすさの方向性が大きく、柔軟性が高い。
なお、本明細書において、「断面形状」とは、コアシャフトの長手方向に対して垂直な方向に沿ってコアシャフトを切断した場合の断面形状をいうものとする。
そのため、中間部14は、図3(b)及び図3(c)の上下方向L1から外力が加わっても左右方向L2から外力が加わっても、最先端部13に比べて略均一に曲がりやすく、中間部14は曲がりやすさの方向性が小さい。
よって、最先端部13の柔軟性をある程度確保することができるのはもちろんのこと、コアシャフト10の長手軸を回転軸として後端部11を左右に回転させた場合であっても最先端部13がねじれにくい。
なお、本明細書において、後述する先端ロウ付け部がガイドワイヤの最先端に形成されており、先端ロウ付け部の内部に最先端部の一部が埋め込まれている場合、先端ロウ付け部の内部に埋め込まれた最先端部の一部の長さは、「最先端部の長さ」に含めないこととする。
そのため、本発明のガイドワイヤ1は、血管内壁を傷つけにくく、穿孔が生じにくい。
以下、本発明のガイドワイヤの一実施形態である第一実施形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態のガイドワイヤは、上述した本発明のガイドワイヤと同様の構成を有しているため、以下の説明では、図1〜図3を参照しながら説明する。
なお、本発明のガイドワイヤに係る説明と重複する事項については、説明を省略することもある。
先端部12は、最先端に位置している最先端部13と、最先端部13に結合している中間部14とを含んで形成されている。
最先端部13の断面形状は矩形であり、中間部14の断面形状は最先端部13側から後端部11側に向かって矩形から円形に徐々に変化している。
そして、最先端部13の長さは、中間部14の長さよりも短い。
以下、本実施形態のガイドワイヤ1の構成について詳述する。
図1(a)及び図1(b)に示すように、後端部11は略均一の直径を有する円柱状である。また、後端部11の最後端には、延長用のガイドワイヤ等を取り付ける連結部11aが形成されている。
より具体的にいうと、最先端部13の形状は平板状であり、最先端部13をその長手方向に沿った中間地点で切断した場合の断面形状は、図3(a)に示すように、対向する2つの長辺と対向する2つの短辺とにより囲まれた細長の矩形状である。
それゆえ、最先端部13は、曲がりやすさの方向性が大きく、先端部12のなかでは最も柔軟である。
最先端部13の長さX1は、1mm以上3mm未満であることが望ましい。
即ち、最先端部13により近い側での中間部14の断面形状は略矩形であり、円柱部15により近い側での中間部14の断面形状は略円形である。また、中間部14をその長手方向に沿った中間地点で切断した場合の断面形状は、図3(b)に示すように、対向する2つの辺と対向する2つの円弧とにより囲まれた変形矩形状である。
それゆえ、中間部14は、曲がりやすさの方向性が小さく、最先端部13よりも柔軟性が低い。
中間部14の長さX2は、3mm以上4mm未満であることが望ましい。
それゆえ、円柱部15は、曲がりやすさの方向性がかなり小さく、最先端部13及び中間部14に比べて柔軟性がより低い。
また、円柱部15の長さX3は、40mm以上60mm未満であることが望ましい。
図1(a)及び図1(b)に示すように、コイル体20は、単一又は複数の素線21をらせん状に巻回することにより形成されており、内部に貫通孔を有する管状体である。
また、コイル体20の後端23とコアシャフト10の円柱部15の後端とは、後端ロウ付け部31により互いに固着している。
なお、先端ロウ付け部30と後端ロウ付け部31との間に、一個又は複数個の中間ロウ付け部が形成されていてもよい。
本実施形態のガイドワイヤは、例えば、上述した所定形状となるように素線に対してテーパー加工やプレス加工等を施すことによりコアシャフトを作製し、作製したコアシャフトの先端部をコイル体に挿入した後、コアシャフトとコイル体とを所定の位置でロウ付けすることにより製造することができる。
(1)本実施形態のガイドワイヤに係るコアシャフトにおいて、柔軟性が高く、ねじれやすい最先端部の長さは、柔軟性が低く、ねじれにくい中間部の長さよりも短い。
それゆえ、コアシャフトの先端部はある程度の柔軟性を有するものの、ねじれにくい。
このようなコアシャフトを有する本実施形態のガイドワイヤは、近位部を回転させ続けても遠位部が追従して回転しやすく、遠位部がねじれにくい。
従って、本実施形態のガイドワイヤは、ハネを防止することが可能であり、血管内壁を傷つけにくく、穿孔が生じにくい。
一方、最先端部の長さが1mm未満であると、最先端部の長さが短すぎて柔軟性が低下することがあり、最先端部の長さが3mmを超えると、最先端部の長さが長すぎてねじれやすくなり、場合によってはハネが発生しやすくなることがある。
また、中間部の長さが3mm未満であると、中間部の長さが短すぎて最先端部から円柱部へとコアシャフトの形状が急激に変化するため、曲げ力やねじり力により中間部近傍が破損しやすくなることがある。それとは反対に、中間部の長さが4mmを超えると、中間部の長さが長すぎて、ガイドワイヤの近位部を回転させた場合に生じるトルクを遠位部の最先端まで効率よく伝えにくくなることがある。
従って、当該領域はねじれ力が加わってもねじれにくく、ガイドワイヤの近位部を回転させた場合に生じるトルクを遠位部の最先端まで効率よく伝えることができる。
以下、本発明のガイドワイヤの一実施形態である第二実施形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態のガイドワイヤは、コイル体の内部に配設された撚線円筒体をさらに有しており、撚線円筒体の内部をコアシャフトが貫通しており、撚線円筒体とコアシャフトとが第1固定部で固定されており、コイル体とコアシャフトとが第1固定部から離間した第2固定部で固定されていること以外は、上述した第一実施形態のガイドワイヤと同様の構成を有している。
よって、第一実施形態のガイドワイヤと重複する事項については説明を省略する。
それゆえ、撚線円筒体40は、可とう性を有していて柔軟であるし、塑性変形しにくい。
また、撚線円筒体40の一端を回転させた場合には、撚線円筒体40の他端が追従して回転しやすく、コイル体に比べてトルク伝達性に優れる。
コイル体20の後端23とコアシャフト10の円柱部15の後端とは、後端ロウ付け部31により互いに固着している。
また、撚線円筒体40の後端43とコアシャフトの円柱部15とが第1固定部32で固定されている。
そして、コイル体20の中間部とコアシャフトの円柱部15とが第1固定部32から後端部側に所定の距離離間した第2固定部33で固定されている。
第1固定部32又は第2固定部33が形成された領域では、先端部12及びコイル体20がやや均一に曲がりにくい。
なお、第1固定部32と第2固定部33とは、先端ロウ付け部30及び後端ロウ付け部31と同様にロウ付け部により形成されていてもよい。
本実施形態のガイドワイヤは、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、第一実施形態のガイドワイヤの製造方法と同様にして作製したコアシャフトを準備し、コアシャフトの先端部を撚線円筒体に挿入した後、先端部と撚線円筒体とを所定の位置でロウ付けする。
その後、撚線円筒体がコイル体により覆われるように先端部をコイル体に挿入した後、コアシャフトとコイル体とを所定の位置でロウ付けする。
本実施形態のガイドワイヤでも、上述した第一実施形態での作用効果(1)〜(4)を発揮することができる。
また、以下の作用効果(5)及び(6)についても発揮することができる。
本発明のガイドワイヤにおいて、最先端部の断面形状は矩形状であるが、最先端部のコアシャフトの断面形状は図3(a)に示した細長の矩形状に限定されず、曲がりやすさに方向性を有する形状であればよい。例えば、対向する2つの長辺と対向する2つの短円弧とにより囲まれた細長の変形矩形状等の断面形状であってもよい。
上記ステンレスとしては、マルテンサイト系ステンレス、フェライト系ステンレス、オーステナイト系ステンレス、オーステナイト、フェライト二相ステンレス及び析出硬化ステンレス等のステンレスが挙げられる。
これらのなかでは、オーステナイト系ステンレスであることが望ましく、特にSUS304、SUS316又はSUS316Lであることがより望ましい。
上記ステンレスとしては、マルテンサイト系ステンレス、フェライト系ステンレス、オーステナイト系ステンレス、オーステナイト、フェライト二相ステンレス及び析出硬化ステンレス等のステンレスが挙げられる。
これらのなかでは、オーステナイト系ステンレスであることが望ましく、特にSUS304、SUS316又はSUS316Lであることがより望ましい。
係るコイル形状を有するガイドワイヤは、慢性完全閉塞病変部等の硬い病変部への食い込みに優れるので望ましい。
これらの中では、金、Sn−Au合金、Sn−Ag合金が特に好ましい。ロウ付け部の強度がより高くなるからである。
ガイディングカテーテル内、管状器官内又は体内組織内におけるガイドワイヤの摺動抵抗を低減させ、ガイドワイヤをスムーズに移動させることができるからである。
これらの中では、ヒアルロン酸塩がより望ましい。
10 コアシャフト
11 後端部
12 先端部
13 最先端部
14 中間部
20 コイル体
X1 最先端部の長さ
X2 中間部の長さ
Claims (5)
- 後端部から先端部に向かって縮径したコアシャフトと、
前記先端部の外周に巻回されたコイル体とからなるガイドワイヤであって、
前記先端部は、最先端に位置している最先端部と、
前記最先端部に結合している中間部とを含んで形成されており、
前記最先端部の断面形状は、矩形であり、
前記中間部の断面形状は、前記最先端部側から前記後端部側に向かって矩形から円形に徐々に変化しており、
前記最先端部の長さは、前記中間部の長さよりも短いことを特徴とする。 - 前記最先端部の長さが1mm以上3mm未満であり、前記中間部の長さが3mm以上4mm未満である請求項1に記載のガイドワイヤ。
- 前記コイル体のうちで、前記最先端部及び前記中間部の外周に巻回された領域を形成する素線のピッチが一定である請求項1又は2に記載のガイドワイヤ。
- 前記コイル体の内部に配設された撚線円筒体をさらに有しており、前記撚線円筒体の内部を前記コアシャフトが貫通している請求項1〜3のいずれかに記載のガイドワイヤ。
- 前記撚線円筒体と前記コアシャフトとが第1固定部で固定されており、前記コイル体と前記コアシャフトとが前記第1固定部から離間した第2固定部で固定されている請求項4に記載のガイドワイヤ。
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