JP6294211B2 - ガイドワイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、治療や検査を目的として体腔内に挿入される医療器具として用いられるガイドワイヤに関する。
従来、治療や検査のために、血管、消化管、尿管等の管状器官や体内組織に挿入して使用される医療器具として、様々なものが提案されている。
例えば特許文献1には、コアワイヤと、コアワイヤの先端部に巻回されているコイル体とを備えるガイドワイヤが開示されている。そして、コイル体は、基端から先端方向にかけて直線状態をなす直線部と、直線部の先端側に設けられている湾曲部とを有している。
特表2007−501648号公報
慢性完全閉塞(CTO:chronic total occlusion)と呼ばれる狭窄部に代表される血管の狭窄が比較的重篤な場合には、狭窄部に存在する僅かな隙間にガイドワイヤを通過させるべく、上述した特許文献1に記載のガイドワイヤのように先端から極めて短い範囲内で、シェイピングを行っておくことが好ましい。
しかしながら、このようなシェイピングにより湾曲部分を有するガイドワイヤにおいては、湾曲部分に位置する素線間の隙間に、例えば狭窄部等の石灰化した病変部の破片等が侵入して干渉し、ガイドワイヤの先端が捕捉されて動きにくくなる、所謂、スタック(stuck)する状況になる場合がある。このような状況は、ガイドワイヤが狭窄部を通過する際の通過性を低下させることになる。
上述した特許文献1に記載のガイドワイヤにおいても、湾曲部と病変部との干渉に起因して狭窄部を通過する際の通過性を充分に確保することができない可能性が有り、この点において改良の余地があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、先端部分が狭窄部に捕捉されてスタックする状況を回避でき、狭窄部における充分な通過性を確保することのできるガイドワイヤを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るガイドワイヤは、以下のような特徴を有する。
本発明の態様1に係るガイドワイヤは、コアシャフトと、コアシャフトの先端部巻回されたコイル体とを有するガイドワイヤであって、コイル体は、複数の素線を撚り合わせた撚線を螺旋状に複数本巻回してなり、かつ、端から先端方向にかけて直線状態をなす直線部と、直線部の先端側に設けられ湾曲部とを有し、隣接する撚線は、直線部の軸線方向に対して湾曲部が湾曲している方向の反対方向側において互いに接しており、コイル体の直径は、直線部と湾曲部との境界部分において最も細くなっていることを特徴とする。
本発明の態様2は、態様1に記載のガイドワイヤであって、隣接する撚線は、直線部の軸線方向に対して湾曲部が湾曲している方向の反対方向側において互いに圧接されていることを特徴とする。
態様1のガイドワイヤに用いられるコイル体は、複数の素線を撚り合わせた撚線を螺旋状に複数本巻回してなり、かつ、端から先端方向にかけて直線状態をなす直線部と、直線部の先端側に設けられ湾曲部とを有し、隣接する撚線は、直線部の軸線方向に対して湾曲部が湾曲している方向の反対方向側において互いに接しており、コイル体の直径は、直線部と湾曲部との境界部分において最も細くなっている。仮に、湾曲部の外側の素線同士が離間して間隔が設けられている場合には、例えば狭窄部等の石灰化した病変部の破片等が素線間に入り込んで干渉し、ガイドワイヤの先端部が捕捉され、狭窄部を通過する際の通過性を低下させる可能性がある。しかしながら、本態様においては、湾曲部の外側の撚線同士が互いに接しているため、病変部の破片等が湾曲部における撚線間に入り込むことが防止される。その結果、ガイドワイヤの先端部が捕捉されることがほとんどなく、狭窄部を通過する際の通過性を充分に確保することができる。態様1のガイドワイヤにおいては、コイル体は、複数の素線を撚り合わせた撚線を螺旋状に複数本巻回してなり、撚線同士が強固に密接しているため、湾曲部を形成するに際しても撚線同士が離間することなく隙間が発生し難い。そのため、湾曲部における病変部の破片等の侵入を確実に防止することが可能となる。
また、ガイドワイヤの先端部分(湾曲部)に応力が生じた際には、撚線間に加えてその撚線を形成する素線間においても相対的に微小な移動が可能であるため、自由度があり、柔軟性が高いうえ、塑性変形し難く、良好な復元性が確保される。その結果、3次元に複雑に屈曲する血管においても高い追従性及び選択性が得られる。さらに、ガイドワイヤの先端部分が硬度の高い病変部に衝突したとしても、その際の応力負荷によって折れ曲がってしまうことがなく、継続的な使用が可能となる。
また、コイル体の直径は、直線部と湾曲部との境界部分において最も細くなっている。これによれば、直線部を形成する第2撚線の撚り角が湾曲部側に向かうにつれて小さくなり、湾曲部を形成する第1撚線を圧接するようになる。すなわち、湾曲部と直線部との境界部分において撚線同士が強固に圧接し合うこととなる。その結果、湾曲部と直線部との境界部分に位置する撚線間における隙間の発生をより確実に防止することができる。
また、湾曲部の根元箇所の径が最も細くなり、これに伴って湾曲部の柔軟性が高められる。従って、3次元に複雑に曲折する血管内においても、ガイドワイヤの先端部の血管追従性や血管選択性を充分に確保することができる。
加えて、本態様におけるガイドワイヤの直線部においては、先端側から基端側へと径が太くなるため、押込み操作を伴う場合には血管壁等に対する摺動抵抗が基端側へ向かうにつれて大きくなる。このため、仮にガイドワイヤの先端部分(湾曲部)が血管壁を貫通して血管外へと突き出され、その後も操作を継続している場合には、血管壁(貫通穴の壁)に対する直線部の摺動抵抗が次第に大きくなることでそうした触感が操作者の手元に伝達され得る。
その結果、ガイドワイヤの押込み操作を一旦中断し、正規の血管内へと同ガイドワイヤの先端部分を再度導入することが容易となる。すなわち、本態様のガイドワイヤによれば、安全且つ正確に目的部位への挿入が可能になる。
図1は、本発明のガイドワイヤの第1実施形態を示す部分断面拡大図である。 図2は、本発明のガイドワイヤの第2実施形態を示す部分断面拡大図である。 図3は、図2におけるコイル体のA−A断面図である。 図4は、本発明のガイドワイヤの第3実施形態を示す部分断面拡大図である。 図5は、図4におけるコイル体の湾曲部及びその近傍を示す部分拡大図である。 図6は、本発明のガイドワイヤの第4実施形態を示す部分断面拡大図である。 図7は、図6におけるコイル体の湾曲部及びその近傍を示す部分拡大図である。
まず、本発明のコアシャフトを図面に示す好適実施形態に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明のガイドワイヤの第1実施形態を示す部分断面拡大図である。図1において、左側が体内に挿入される先端側であり、右側が医師等の手技者によって操作される基端側である。なお、本図は、ガイドワイヤを模式的に図示したものであり、実際の寸法比とは異なる。
図1に示すガイドワイヤ10は、例えば、心血管内へのカテーテルの配置を容易にするために使用されるものである。ガイドワイヤ10は、コアシャフト20と、コアシャフト20の先端部外周を覆うコイル体30とを備えている。
まず、コアシャフト20について説明する。コアシャフト20は、先端から基端側に向かって順に、細径部22a、テーパ部22b及び太径部22cを有している。細径部22aは、コアシャフト20の最も先端側の部分であり、コアシャフト20の中で最も柔軟な部分である。この細径部22aは、プレス加工により平板状に形成されている。テーパ部22bは、断面が円形のテーパ形状をなしており、先端側に向けて縮径している。太径部22cは、細径部22aよりも大きな径を有している。
コアシャフト20を形成する材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、ステンレス鋼(SUS304)、Ni−Ti合金等の超弾性合金、ピアノ線、コバルト系合金等を使用することができる。
次に、コイル体30について説明する。本実施形態におけるコイル体30は、素線が螺旋状に巻回されてなる単条コイルである。
図1に示すように、コイル体30の先端は、先端側接合部11によってコアシャフト20の先端に固着されている。コイル体30の基端は、基端側接合部13によってコアシャフト20に固着されている。先端側接合部11及び基端側接合部13を形成する材料としては特に限定されないが、例えば、Sn−Pb合金、Pb−Ag合金、Sn−Ag合金、Au−Sn合金等の金属ロウが挙げられる。
コイル体30は、基端から先端方向にかけて直線状態をなす直線部32と、その直線部32の先端側に設けられている湾曲部34とを有している。湾曲部34は、直線部32の軸線方向Nに対して所定角度湾曲した状態で設けられている。
本実施形態においては、湾曲部34の外側に位置する素線34a同士が互いに接している。すなわち、湾曲部34の外側部分に位置する素線34aのうち、隣接する素線の間には隙間が生じていない。
なお、湾曲部34の外側とは、軸線方向Nに対して湾曲している方向の反対方向側であり、後述する実施形態においても同様である。
ここで、仮に、湾曲部34の外側の素線34a同士が離間して間隔が設けられている場合には、例えば狭窄部等の石灰化した病変部の破片等が素線34a間に入り込んで干渉し、ガイドワイヤ10の先端部が捕捉され、狭窄部を通過する際の通過性を低下させる可能性がある。しかしながら、本実施形態においては、湾曲部34の外側の素線34a同士が互いに接しているため、病変部の一部が湾曲部34における素線34a間に入り込むことが防止される。その結果、ガイドワイヤ10の先端部が捕捉されることがほとんどなく、狭窄部を通過する際の通過性を充分に確保することができる。
なお、コイル体30を形成する材料は、特に限定されるものでは無いが、放射線不透過性の素線、又は放射線透過性の素線を用いることができる。放射線不透過性の素線の材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、金、白金、タングステン、又はこれらの元素を含む合金(例えば、白金−ニッケル合金)等を使用することができる。また、放射線透過性の素線の材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、ステンレス鋼(SUS304やSUS316等)、Ni−Ti合金等の超弾性合金、ピアノ線等を使用することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明のガイドワイヤの第2実施形態について、図2を用いて説明する。図2において、左側が体内に挿入される先端側であり、右側が医師等の手技者によって操作される基端側である。なお、本図は、ガイドワイヤを模式的に図示したものであり、撚線の断面形状を含め、実際の寸法比とは異なるものとする。
上述した第1実施形態においては、コイル体として、素線が螺旋状に巻回されてなる単条コイルを採用した。これに対し、第2実施形態のガイドワイヤ100は、湾曲部134を形成する第1コイル部140と直線部132を形成する第2コイル部150とを備えるコイル体130を有しており、湾曲部134を形成する第1コイル部140は、複数の素線142a,142bを撚り合わせた撚線142を螺旋状に複数本巻回することで形成されている。
より詳しくは、図2及び図3に示すように、湾曲部134を形成する第1コイル部140は、芯線142aと芯線142aの外周を覆うように巻回されてなる6本の側線142bとからなる撚線142が、螺旋状に複数本(本実施形態においては8本)巻回されてなる。
なお、芯線142a及び側線142bを形成する材料としては、特に限定されるものではなく、例えばマルテンサイト系ステンレス、フェライト系ステンレス、オーステナイト系ステンレス、オーステナイト、フェライト二相ステンレス又は析出硬化ステンレス等のステンレス、Ni−Ti合金等の超弾性合金、X線などの放射線不透過性金属である白金、金、タングステン、タンタル、イリジウム又はこれらの合金等が挙げられる。
上述したように、本実施形態のガイドワイヤ100においては、湾曲部134を形成する第1コイル部140が、複数の素線142a,142bを撚り合わせた撚線142を螺旋状に複数本巻回して形成されている。このような構成を有する湾曲部134においては、撚線142同士が強固に密接しているため、湾曲部134を形成するに際しても撚線142同士が離間することがなく隙間が発生し難い。
これにより、湾曲部134における病変部の破片等の侵入が確実に防止される。その結果、ガイドワイヤ100の先端部が病変に捕捉されることがほとんどなく、狭窄部を通過する際の通過性を充分に確保することができる。
また、ガイドワイヤ100の先端部分(湾曲部134)に応力が生じた際には、撚線142間に加えてその撚線142を形成する素線142a,142b間においても相対的に微小な移動が可能であるため、自由度があり、柔軟性が高いうえ、塑性変形し難く、良好な復元性が確保される。その結果、3次元に複雑に屈曲する血管においても高い追従性及び選択性が得られる。さらに、ガイドワイヤ100の先端部分が硬度の高い病変部に衝突したとしても、その際の応力負荷によって折れ曲がってしまうことがなく、継続的な使用が可能となる。
一方、直線部132を形成する第2コイル部150は、素線が螺旋状に巻回されてなる単条コイルにより形成されている。第2コイル部150を形成する材料は、特に限定されるものでは無いが、放射線不透過性の素線、又は放射線透過性の素線を用いることができる。放射線不透過性の素線の材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、金、白金、タングステン、又はこれらの元素を含む合金(例えば、白金−ニッケル合金)等を使用することができる。また、放射線透過性の素線の材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、ステンレス鋼(SUS304やSUS316等)、Ni−Ti合金等の超弾性合金、ピアノ線等を使用することができる。
そして、第1コイル部140の基端と、第2コイル部150の先端とは中間接合部160を介して接合されている。なお、この中間接合部160を形成する材料としては特に限定されないが、例えば、Sn−Pb合金、Pb−Ag合金、Sn−Ag合金、Au−Sn合金等の金属ロウが挙げられる。
[第3実施形態]
次に、本発明のガイドワイヤの第3実施形態について、図4を用いて説明する。図4において、左側が体内に挿入される先端側であり、右側が医師等の手技者によって操作される基端側である。なお、本図は、ガイドワイヤを模式的に図示したものであり、撚線の断面形状を含め、実際の寸法比とは異なるものとする。
上述した第2実施形態においては、コイル体の湾曲部のみを、複数の素線を撚り合わせた撚線を螺旋状に複数本巻回してなる構成とした。これに対し、第3実施形態のガイドワイヤ200においては、湾曲部234のみではなく直線部232においても、複数の素線を撚り合わせた撚線242を螺旋状に複数本巻回してなる構成とした。すなわち、本実施形態においては、コイル体230は、その全体に亘り、複数の素線242aを撚り合わせた撚線242を螺旋状に複数本巻回してなる構成を有する。なお、コイル体230の構成は、上述した第2実施形態の第1コイル部と同様である。
これによれば、第2実施形態と同様、撚線242同士が密接しているため、湾曲部234を形成する際に隙間が発生し難い。特に、本実施形態のコイル体230は、その全体に亘り、複数の素線242aを撚り合わせた撚線242を螺旋状に複数本巻回してなる構成を有しているため、直線部232と湾曲部234との境界箇所Kに位置する撚線同士が強固に圧接し合うこととなる。
すなわち、湾曲部234を形成する際に隙間が生じやすい箇所(直線部232と湾曲部234との境界箇所K)においても、そうした隙間の発生を効果的に防止することができ、病変部の破片等の侵入を確実に防止することができる。その結果、ガイドワイヤ200の先端部が病変に捕捉されることがほとんどなく、狭窄部を通過する際の通過性を充分に確保することができる。
さらに、コイル体230の基端部分(直線部232)においては、回転力が加えられた際には素線242a同士が締め付けられると同時に撚線242同士も互いに締め付けられて接触圧が増加し、密着性が高められる。その結果、トルク伝達性が向上し、ガイドワイヤ200の良好な通過性が確保される。
ここで、図5を用いて本実施形態の湾曲部234及びその近傍箇所の構成について詳細に説明する。
図5に示すように、湾曲部234を形成する第1撚線252の撚り角θ1は、直線部232を形成する第2撚線262の撚り角θ2よりも大きい。これによれば、ガイドワイヤ200の先端部を湾曲させたとき、湾曲部234を形成する第1撚線252が鉛直方向に沿って立ち上がり、直線部232を形成する第2撚線262を軸線方向Nにおいて圧接することとなる。
なお、第1撚線252の撚り角θ1とは、直線部232の軸線方向Nと、第1撚線252の巻回方向とがなす、鋭角側の角度であり、第2撚線262の撚り角θ2とは、直線部232の軸線方向Nと、第2撚線262の巻回方向とがなす、鋭角側の角度である。後述する実施形態においても同様である。
すなわち、ガイドワイヤ200の先端部を湾曲させたときに隙間が形成されやすい箇所(直線部232と湾曲部234との境界箇所K)においても、撚線252,262同士の接触を確保することが可能となる。
そして、湾曲部234を形成する第1撚線252同士は略平行に配置されてなる部分Xを有している。すなわち、湾曲部234を形成する第1撚線252が隣り合う第1撚線252に対して相対的にずれて離間することが防止されており、湾曲部234を形成する撚線252間に隙間が形成されていない。
これにより、湾曲部234を形成する第1撚線252間に病変部の破片等が入り込むことが防止されるため、ガイドワイヤ200の先端部が捕捉されることがほとんどなく、狭窄部を通過する際の良好な通過性が確保される。
さらに、湾曲部234においては、隣接する第1撚線252同士が圧接されている。これによれば、ガイドワイヤ20の湾曲部234を形成する第1撚線252間における隙間の発生が確実に防止される。
[第4実施形態]
次に、本発明のガイドワイヤの第4実施形態について、図6を用いて説明する。図6において、左側が体内に挿入される先端側であり、右側が医師等の手技者によって操作される基端側である。なお、本図は、ガイドワイヤを模式的に図示したものであり、撚線の断面形状を含め、実際の寸法比とは異なるものとする。
第4実施形態のガイドワイヤ300においては、コイル体330の直線部332の径が湾曲部334側(先端側)に向かうに従って細くなる。すなわち、直線部332において、湾曲部334側(先端側)に位置する箇所の外径α1は、手元側(基端側)に位置する箇所の外径α2よりも小さい。
これによれば、図7に示されるように、直線部332を形成する第2撚線362の撚り角θ2が湾曲部334側(先端側)に向かうにつれて徐々に小さくなり、湾曲部334を形成する第1撚線352を基端側から圧接するようになる。
すなわち、図6及び図7に示されるように、湾曲部334と直線部332との境界部分Lにおいて撚線352,362同士が強固に圧接し合うこととなる。その結果、ガイドワイヤ300の先端部を湾曲させたときに隙間が形成されやすい箇所(直線部332と湾曲部334との境界箇所L)においても、撚線342(352,362)間における隙間の発生をより確実に防止することができる。
また、本実施形態においては、湾曲部334の根元箇所の径が最も細くなり、これに伴って湾曲部334の柔軟性が高められる。従って、3次元に複雑に曲折する血管内においても、ガイドワイヤ300の先端部の血管追従性や血管選択性を充分に確保することができる。
加えて、本実施形態におけるガイドワイヤ300の直線部332においては、先端側から基端側へと径が太くなるため、押込み操作を伴う場合には血管壁等に対する摺動抵抗が基端側へ向かうにつれて大きくなる。このため、仮にガイドワイヤ300の先端部分(湾曲部334)が血管壁を貫通して血管外へと突き出され、その後も操作を継続している場合には、血管壁(貫通穴の壁)に対する直線部332の摺動抵抗が次第に大きくなることでそうした触感が操作者の手元に伝達され得る。
その結果、ガイドワイヤ300の押込み操作を一旦中断し、正規の血管内へと同ガイドワイヤ300の先端部分を再度導入することが容易となる。すなわち、本実施形態のガイドワイヤ300によれば、安全且つ正確に目的部位への挿入が可能になる。さらに、この場合、先端側に向かうに従って外径が小さくなるコイル体を用いることで、押込み操作に際しての血管壁等に対する摺動抵抗が基端側へ向かうにつれて一層大きくなり、ガイドワイヤの押込み操作に伴う触感が操作者の手元に容易に伝達されるようになる。
10,100,200,300・・・ガイドワイヤ
20・・・コアシャフト
30,130,230,330・・・コイル体
32,132,232,332・・・直線部
34,134,234,334・・・湾曲部
142a,142b・・・素線
142,242,342・・・撚線
252,352・・・第1撚線
θ1・・・第1撚線の撚り角
262,362・・・第2撚線
θ2・・・第2撚線の撚り角

Claims (2)

  1. コアシャフトと、前記コアシャフトの先端部巻回されたコイル体とを有するガイドワイヤであって、
    前記コイル体は、複数の素線を撚り合わせた撚線を螺旋状に複数本巻回してなり、かつ、端から先端方向にかけて直線状態をなす直線部と、前記直線部の先端側に設けられ湾曲部とを有し、
    隣接する前記撚線は、前記直線部の軸線方向に対して前記湾曲部が湾曲している方向の反対方向側において互いに接しており、
    前記コイル体の直径は、前記直線部と前記湾曲部との境界部分において最も細くなっていることを特徴とするガイドワイヤ。
  2. 隣接する前記撚線は、前記直線部の軸線方向に対して前記湾曲部が湾曲している方向の反対方向側において互いに圧接されていることを特徴とする請求項1に記載のガイドワイヤ。
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