JP2012197330A - 2液混合型オルガノポリシロキサン組成物及び該組成物の硬化方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】分子内に少なくとも1個の2級アミンを有するシランカップリング剤を配合する特定の第1組成物と、シラノール基を含有する特定の第2組成物とを混合することにより硬化することを特徴とする2液混合型オルガノポリシロキサン組成物。
【選択図】なし
Description
しかしながら、これら特開2002−012767号公報、特開2005−281404号公報、特開2008−150491号公報では、充填剤が含有する水分量の管理が難しく、得られる組成物の速硬化性が安定しない問題があった。
〔請求項1〕
下記に示す第1組成物と第2組成物とからなり、第1組成物と第2組成物とを混合することにより硬化することを特徴とする2液混合型オルガノポリシロキサン組成物。
第1組成物:
(A)下記一般式(1)で示されるオルガノポリシロキサン: 50〜190質量部、
HO(SiR1 2O)nH (1)
(式中、R1は炭素原子数1〜10の非置換又は置換1価炭化水素基であり、R1は互いに同一であっても異種の基であってもよい。nは10以上の整数である。)
(B)下記一般式(2)で示されるケテンシリルアセタール型化合物、下記一般式(3)で示される2−メチルジアルコキシシリルプロピオン酸エステル及びそれらの部分加水分解物から選ばれる少なくとも1種の化合物: 0.1〜20質量部、
(R2O)2Si(R3)OC(OR3)CHCH3 (2)
(R2O)2Si(CH3)CH(CH3)COOR3 (3)
(式中、R2は独立に炭素原子数1〜4のアルキル基、R3は独立に炭素原子数1〜12の非置換又は置換のアルキル基であり、R2とR3は同一であっても異種の基であってもよい。)
(C)分子内に少なくとも1個のグアニジン骨格を有する有機化合物及び/又はシラン化合物: 0.01〜20質量部、
(D)分子内に少なくとも1個の2級アミンを有するシランカップリング剤: 0.01〜20質量部、
(E)下記一般式(4)で示されるアルコキシ基を1分子中に2個以上有するシラン化合物又はその部分加水分解縮合物: 0.1〜30質量部
R5 mSi(OR4)4-m (4)
(式中、R4は独立に炭素原子数1〜4の非置換又はアルコキシ置換の1価炭化水素基、R5は独立に炭素原子数1〜10の非置換又は置換1価炭化水素基であり、R4とR5は同一であっても異種の基であってもよい。mは0,1又は2である。)
を含有する組成物、
第2組成物:
(F)下記一般式(5)で示されるオルガノポリシロキサン: 150〜10質量部、
HO(SiR1 2O)nH (5)
(式中、R1、nは上記と同じである。)
(G)有機スズ触媒: 0.01〜10質量部、
(H)水: 0.1〜10質量部
を含有する組成物、
但し、(A),(F)成分の合計が200質量部であり、第1組成物に含有する(B)〜(E)成分及び第2組成物に含有する(G)〜(H)成分の配合量は、それぞれ(A),(F)成分の合計200質量部に対する配合量を示す。
〔請求項2〕
(D)成分の2級アミンを有するシランカップリング剤が、下記一般式(6)及び/又は(7)で示されるシランカップリング剤であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
(式中、R6は独立に炭素原子数1〜4のアルキル基、R7は独立に炭素原子数1〜10の非置換又は置換1価炭化水素基であり、R6とR7は同一であっても異種の基であってもよい。R8は独立に炭素原子数1〜6の2価炭化水素基であり、kは0,1又は2である。)
〔請求項3〕
更に、第1組成物と第2組成物の少なくとも一方に、(A)成分と(B)成分の合計200質量部に対して合計で2〜500質量部の(I)充填剤を含有する請求項1又は2記載の組成物。
〔請求項4〕
自動車部品又は電気電子部品用シール剤である請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
〔請求項5〕
第1組成物と第2組成物を混合することにより2液混合型オルガノポリシロキサン組成物を硬化させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の2液混合型オルガノポリシロキサン組成物の硬化方法。
本発明の2液混合型オルガノポリシロキサン組成物は、後述する(A)〜(E)成分を含有する第1組成物と、後述する(F)〜(H)成分を含有する第2組成物とからなり、第1組成物と第2組成物とを混合することにより硬化するものである。
HO(SiR1 2O)nH (1)
(R2O)2Si(R3)OC(OR3)CHCH3 (2)
(R2O)2Si(CH3)CH(CH3)COOR3 (3)
(式中、R2は独立に炭素原子数1〜4のアルキル基、R3は独立に炭素原子数1〜12の非置換又は置換のアルキル基であり、R2とR3は同一であっても異種の基であってもよい。)
また、R3の炭素原子数1〜12のアルキル基としては、直鎖状、環状、分岐状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖状のアルキル基、シクロヘキシル基等の環状のアルキル基及びtert−ブチル基、2−エチルヘキシル基等の分岐状のアルキル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部を塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子で置換したクロロメチル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換1価炭化水素基等で置換された基等を挙げることができる。これらの基は同一であっても異なっていてもよい。
本発明において、R2は、メチル基、エチル基が好ましく、その中でもよりメチル基が好ましい。またR3は、メチル基、エチル基、n−ブチル基、2−エチルヘキシル基が好ましく、その中でもより2−エチルヘキシル基が好ましい。
(B)成分は1種を単独で又は2種以上を併用して使用することができる。
(式中、R6は独立に炭素原子数1〜4のアルキル基、R7は独立に炭素原子数1〜10の非置換又は置換1価炭化水素基であり、R6とR7は同一であっても異種の基であってもよい。R8は独立に炭素原子数1〜6の2価炭化水素基であり、kは0,1又は2である。)
kは0,1又は2であり、好ましくは0,1であり、特に好ましくは0である。
(D)成分は1種を単独で又は2種以上を併用して使用することができる。
R5 mSi(OR4)4-m (4)
(式中、R4は独立に炭素原子数1〜4の非置換又はアルコキシ置換の1価炭化水素基、R5は独立に炭素原子数1〜10の非置換又は置換1価炭化水素基であり、R4とR5は同一であっても異種の基であってもよい。mは0,1又は2である。)
HO(SiR1 2O)nH (5)
(F)成分は、(A)成分と置換基や重合度が異なったものでもよいが、(A)成分と同じものが好ましい。
また、(F)成分の配合量については上述した通りである。
(G)成分の有機スズ触媒の具体例としては、ジメチルジメトキシスズ、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジベンジルマレート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジバーサテート等の有機スズ化合物が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(H)成分の配合量は、(A)成分と(F)成分の合計200質量部に対して0.1〜10質量部であり、特に0.5〜4質量部配合することが好ましい。0.01質量部未満では本組成物の硬化が遅くなり、速硬化性が低下してしまい、10質量部を超える量では、水が多すぎて混合組成物が硬化不良となってしまう場合がある。
この充填剤としては、無機質充填剤が好ましく、シラン、シラザン、シロキサン等の有機ケイ素化合物で処理された又は無処理の煙霧状シリカ、湿式シリカ等のシリカ、カーボン粉、タルク、ベントナイト、表面が脂肪酸や樹脂酸等で処理された又は無処理の重質炭酸カルシウム、コロイド質炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、表面処理又は無処理の酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等が例示され、これらの中でも充填剤の表面が処理され、かつ水分量の少ない充填剤が好ましい。特に、表面処理された煙霧状シリカ、表面処理された炭酸カルシウムが好ましい。
なお、上記充填剤の水分量は、3質量%以下、特に1質量%以下であることが好ましい。
なお、本発明の2液混合型オルガノポリシロキサン組成物は、上記第1組成物と第2組成物を体積比で略1:1にて混合することが好ましく、上記第1組成物と第2組成物を体積比で略1:1で混合したときに、その組成物が上記記載の割合で(A)〜(H)成分を含有するように調製されていることが好ましい。
25℃における粘度が20,000mPa・sの末端がシラノール基で封鎖されたポリジメチルシロキサン100質量部に、アクリル酸2−エチルヘキシルとジメトキシメチルシランとの反応物(商品名;OCMS−2、信越化学工業(株)製)3質量部、1,1,3,3−テトラメチル−2−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]グアニジン0.6質量部を加え、混合機で混合して反応させ、更にこれに、重質炭酸カルシウム(商品名;MCコートS−20、脂肪酸表面処理品、水分量0.3質量%、丸尾カルシウム(株)製(以下、同じ))80質量部、煙霧状シリカ(商品名;MU−215、ジメチルジクロロシラン表面処理品、水分量0.5質量%、信越化学工業(株)製(以下、同じ))5質量部を加え、均一に分散混合した後、メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物(商品名;KC−89E、信越化学工業(株)製)10質量部、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランとクロロプロピルトリメトキシシランの反応物(商品名;X−12−5263HP、信越化学工業(株)製)5質量部を加えて、減圧下で完全に混合し、第1組成物を得た。
また、25℃における粘度が20,000mPa・sの末端がシラノール基で封鎖されたポリジメチルシロキサン100質量部に、重質炭酸カルシウム(商品名;MCコートP−20、パラフィン系表面処理品、水分量0.3質量%、丸尾カルシウム(株)製(以下、同じ))80質量部、煙霧状シリカ(商品名;MU−215、信越化学工業(株)製)5質量部を加え、均一に分散混合した後、水1質量部、ジオクチルスズジバーサテート0.2質量部を添加し、混合機で混合させて第2組成物を得た。
上記第1組成物と第2組成物を体積比で約1:1の割合で混合し、サンプル1を得た。
25℃における粘度が20,000mPa・sの末端がシラノール基で封鎖されたポリジメチルシロキサン100質量部に、アクリル酸2−エチルヘキシルとジメトキシメチルシランとの反応物(商品名;OCMS−2、信越化学工業(株)製)3質量部、1,1,3,3−テトラメチル−2−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]グアニジン0.6質量部を加え、混合機で混合して反応させ、更にこれに、重質炭酸カルシウム(商品名;MCコートS−20、丸尾カルシウム(株)製)80質量部、煙霧状シリカ(商品名;MU−215、信越化学工業(株)製)5質量部を加え、均一に分散混合した後、メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物(商品名;KC−89E、信越化学工業(株)製)10質量部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランとN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランとの反応物(商品名;KBM−425、信越化学工業(株)製)5質量部を加えて、減圧下で完全に混合し、第1組成物を得た。
また、25℃における粘度が20,000mPa・sの末端がシラノール基で封鎖されたポリジメチルシロキサン100質量部に、重質炭酸カルシウム(商品名;MCコートP−20、丸尾カルシウム(株)製)80質量部、煙霧状シリカ(商品名;MU−215、信越化学工業(株)製)5質量部を加え、均一に分散混合した後、水1質量部、ジオクチルスズジバーサテート0.2質量部を添加し、混合機で混合させて第2組成物を得た。
上記第1組成物と第2組成物を体積比で約1:1の割合で混合し、サンプル2を得た。
実施例1において、第1組成物中のN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランとクロロプロピルトリメトキシシランの反応物を除いた他は同様の条件にて調製し、サンプル3を得た。
実施例2において、第1組成物中の3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランとN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランとの反応物を除いた他は同様の条件にて調製し、サンプル4を得た。
実施例1において、第1組成物中のN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランとクロロプロピルトリメトキシシランの反応物を、3−アミノプロピルトリメトキシシランに変更した他は同様の条件にて調製し、サンプル5を得た。
実施例1において、第2組成物中の水を除いた他は同様の条件にて調製し、サンプル6を得た。
実施例1において、第2組成物中のジオクチルスズジバーサテートを除いた他は同様の条件にて調製し、サンプル7を得た。
試験方法
上記実施例、比較例の2液混合型オルガノポリシロキサン組成物は、第1組成物及び第2組成物を体積比で約1:1になるよう、密封容器に充填し、混合させ、目的のサンプルを得た。上記の方法で混合させた組成物(各サンプル)を2mmの型枠に流し込み、23℃、50%RHで3日間養生して2mm厚のゴムシートを得た。また、混合後にゴムになる時間をゴム化時間とした。その測定方法は上記の方法にて混合させた組成物が密封条件下でゴムとなる時間を測定することで確認した。JIS A5758に規定する方法に準じてタックフリータイム(指触乾燥時間)を測定し、JIS K6249に準じて2mm厚シートよりゴム物性を測定した。
また、得られた実施例、比較例の各第1組成物及び第2組成物を常温にて6ヶ月間保存した後、上記と同様にして各種試験を行った。
実施例1,2及び比較例1〜5の結果を下記表1に示す。
Claims (5)
- 下記に示す第1組成物と第2組成物とからなり、第1組成物と第2組成物とを混合することにより硬化することを特徴とする2液混合型オルガノポリシロキサン組成物。
第1組成物:
(A)下記一般式(1)で示されるオルガノポリシロキサン: 50〜190質量部、
HO(SiR1 2O)nH (1)
(式中、R1は炭素原子数1〜10の非置換又は置換1価炭化水素基であり、R1は互いに同一であっても異種の基であってもよい。nは10以上の整数である。)
(B)下記一般式(2)で示されるケテンシリルアセタール型化合物、下記一般式(3)で示される2−メチルジアルコキシシリルプロピオン酸エステル及びそれらの部分加水分解物から選ばれる少なくとも1種の化合物: 0.1〜20質量部、
(R2O)2Si(R3)OC(OR3)CHCH3 (2)
(R2O)2Si(CH3)CH(CH3)COOR3 (3)
(式中、R2は独立に炭素原子数1〜4のアルキル基、R3は独立に炭素原子数1〜12の非置換又は置換のアルキル基であり、R2とR3は同一であっても異種の基であってもよい。)
(C)分子内に少なくとも1個のグアニジン骨格を有する有機化合物及び/又はシラン化合物: 0.01〜20質量部、
(D)分子内に少なくとも1個の2級アミンを有するシランカップリング剤: 0.01〜20質量部、
(E)下記一般式(4)で示されるアルコキシ基を1分子中に2個以上有するシラン化合物又はその部分加水分解縮合物: 0.1〜30質量部
R5 mSi(OR4)4-m (4)
(式中、R4は独立に炭素原子数1〜4の非置換又はアルコキシ置換の1価炭化水素基、R5は独立に炭素原子数1〜10の非置換又は置換1価炭化水素基であり、R4とR5は同一であっても異種の基であってもよい。mは0,1又は2である。)
を含有する組成物、
第2組成物:
(F)下記一般式(5)で示されるオルガノポリシロキサン: 150〜10質量部、
HO(SiR1 2O)nH (5)
(式中、R1、nは上記と同じである。)
(G)有機スズ触媒: 0.01〜10質量部、
(H)水: 0.1〜10質量部
を含有する組成物、
但し、(A),(F)成分の合計が200質量部であり、第1組成物に含有する(B)〜(E)成分及び第2組成物に含有する(G)〜(H)成分の配合量は、それぞれ(A),(F)成分の合計200質量部に対する配合量を示す。 - 更に、第1組成物と第2組成物の少なくとも一方に、(A)成分と(B)成分の合計200質量部に対して合計で2〜500質量部の(I)充填剤を含有する請求項1又は2記載の組成物。
- 自動車部品又は電気電子部品用シール剤である請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
- 第1組成物と第2組成物を混合することにより2液混合型オルガノポリシロキサン組成物を硬化させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の2液混合型オルガノポリシロキサン組成物の硬化方法。
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