JP2012197005A - ハイブリッド車両 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内燃機関3からの駆動力を駆動車軸7に伝達する変速機8と、その駆動力で発電した電力をバッテリ12に供給する第1電動回転機6と、バッテリからの電力でアシスト駆動力を発生して駆動車軸に伝達する第2電動回転機11と、第1電動回転機と第2電動回転機の間に配置されるクラッチ9と、クラッチの遮断操作時に第2電動回転機に目標アシスト駆動力を発生させる制御手段220とを備え、制御手段は、第1電動回転機が発電した電力を第2電動回転機11へ供給して目標アシスト駆動力を発生させる。
【選択図】図1
Description
このハイブリッド車は、例えば、図11に示すように、バッテリ300の容量である充電レベル(SOC)が所定値を上回る間はエンジン310側のクラッチ320を遮断(オフ)し、その間は電動回転機(電動機)330のみを駆動源としたシリーズ式ハイブリッド車として走行する。一方、バッテリ300の充電レベル(SOC)が所定値を下回るとクラッチ320を接合(オン)してエンジン310の機械出力の一部で電動回転機(電動機)330を発電駆動し、他の一部の機械出力で変速機340、ディファレンシャル360を介して駆動輪350を駆動してパラレル式ハイブリッド車として走行する。
なお、ここでの電動回転機330に接続されているバッテリ300は、制御ユニット370にインバータ380を介し制御される電動回転機330が発電する電力や、車両の制動時の回生電力や、外部電源からの電力によって充電される。特に、走行時にバッテリ300の容量である充電レベル(SOC)が所定値を下回ると制御ユニット370がインバータ380を介し電動回転機330を充電モードに切換えるので、バッテリ300の充電レベル(SOC)の過度の低下が抑制されている。
このシフト時のトルク抜けに対処するため、例えば、特許文献1には、変速時のクラッチ切断による変速機への駆動力の急な減少に応じて、モータがステップ関数状のアシスト駆動力を変速機の出力軸に発生して、トルク抜けによる変速ショックを緩和する有段変速機式の自動変速装置が開示される。
特許文献3には、登坂路面で車両減速が引き起こされた場合に、クラッチを切って駆動系を開放する。この間にローギアへのギアシフトが始動され、クラッチを徐々に接合し、同時に電気機械が発生するトルクがトランスミッション入力部の回転速度を増加させるようにした車両の駆動伝達系及びその制御方法が開示される。
このような特許文献1〜3に開示される電動回転機(電動機)は、変速時のクラッチ切れ(オフ)の間に、バッテリより予め充電されている電力供給を受けて駆動し、アシスト駆動力を出力軸に伝えている。ここでは、電動回転機(電動機)に電力供給を行う電源がバッテリであり、そのバッテリの充電量が十分確保されていることが前提となる。
なお、ハイブリッド車ではバッテリの残容量である充電レベル(SOC)を検出し、その値がバッテリを回復充電するため予め設定されている回復充電閾値を下回ると電動回転機を発電駆動し、充電レベル(SOC)を回復している。
図1は、本発明のハイブリッド車両の動力伝達制御装置の全体構成図である。
図1に示すように、ハイブリッド車両(以後単に車両と記す)1はそのエンジンルーム2内に、第1の駆動源となる内燃機関であるエンジン3と、第2、3の駆動源となる第1、第2モータジェネレータ6、11とを有した動力伝達系100を備える。
ECU200は内部にCPU、ROM、RAM等を有するマイクロコンピュータであり、ROMに記録されたプログラムに従いCPUがエンジン3の燃料噴射料、その他の制御を実行する。これらの制御を可能とするためにECU200にはエンジン3の運転情報を出力する複数のセンサ類(不図示)が接続されている。
ECU200は動力伝達系の動力制御ユニット220からエンジン3の運転状態に関する種々の指令値を受けてエンジン回転数、スロットル開度、車速、ギヤ段、アクセル開度、第1、第2モータジェネレータ6、11の回転数、バッテリの充電量である充電レベル(SOC)等の情報を基に、相互に制御信号を交信して、車両1の走行状態、エネルギ消費率を最適に統合制御する。
第1、第2モータジェネレータ6、11はロータ601、111に備えられた永久磁石による磁界とステータ602,112の三相コイルによって形成される磁界との相互作用により回転駆動する電動機として動作し、場合によってはこれらの相互作用により三相コイルの両端に起電力を生じさせる発電機としても動作する。なお、第1、第2モータジェネレータ6、11は高応答、高トルクを特徴とする非正弦波着磁モータが採用されている。なお、ロータ601、111とステータ602,112との間の磁束密度が円周方向に正弦分布する正弦波着磁モータを適用することも可能である。
動力制御ユニット220がインバータ603、113のトランジスタのオン・オフの時間をPWM制御するとバッテリ12を電源とする三相交流がステータ602,112の三相コイルに流れ、回転磁界が形成される。
なお、クラッチ9に代えて、切断状態より半クラッチ状態、直結状態へと段階的に接合の状態を切り換えでき、電磁ソレノイドの働きで前後軸の各回転板相互の相対間隔を接離操作することで、接合力を調整する接合力調整手段付の湿式多板クラッチを用いてもよい。
クラッチ9の下流側の変速機8はギヤ噛み合い式変速域であり、動力制御ユニット220の変速制御手段220Bからの信号に基づいてギヤ段のシフトを行うシフトアクチュエータ802が備えられ、これにより、車両の状態に基づいて、変速機8のギヤ段が自動的に切換え、保持される。
変速制御手段220Bはエンジン回転数Ne、駆動軸7の回転数Nd(車速)に応じた目標変速段を所定の変速段マップ(不図示)より求め、同目標変速段への切換え、保持制御をシフトアクチュエータ802を介して行なう。
この処理が開始されると、車両の運転状態に関与する種々のパラメータを読み込む(ステップs1)。ここでのパラメータとしては、車輪速wr1、2、wf1、2、要求駆動力検出手段により検出された駆動力Nm、アクセルペダルポジションθp,ブレーキ踏み量bp、シフトポジションSH、バッテリECU230から取込むバッテリ12の残容量である充電レベル(SOC)socn、バッテリ電圧sbv、ECU200から取り込むエンジン運転情報、などがある。
更に、シフトポジションSHはシフトレバー(不図示)のシフト位置センサ18によりリバースR,走行D,パーキングPkの各情報を受ける。更に、エンジン運転状態情報は車両のECU200との通信により検出することができる。
走行駆動制御ルーチンのステップs2に達すると、ここでは、現シフト位置がリバースRか否か判断され、リバースRでは、ステップs3でモータ4の回転を逆転すべくインバータ603をインバータ制御ユニット210を介して切換え、アクセル開度θa相当の駆動力Nmを発生するよう第2モータジェネレータ11を制御し、この回の制御をリターンする。
一方、エンジン回転数Neがアクセル開度θaに応じて増加し、車速Vcが増加し、現変速段と目標変速段とが相違すると時点t2(図2参照)で判断すると、ステップa3に進み、目標変速段への変速処理に入る。
次いで、ステップa4では、動力制御ユニット220がSOCセンサ15から入力した充電レベルsocnと、バッテリ12を回復充電するための定常の回復充電閾値bv1に所定量αvを加えた修正閾値bvm(=bv1+αv)とを比較し、socn>bvm、か否か判断する。
ステップa5ではバッテリ12の充電レベルsocnが比較的高い場合であり、図2に示すように、クラッチ9の断操作の時点t2の直後に、バッテリ12からの電力のみで第2モータジェネレータ(M/G2)11をモータ駆動して、エンジンの駆動力の減少を補うようにアシスト駆動力Paを発生するようにインバータ113をインバータ制御ユニット210を介して制御し、この回の制御をリターンさせる。
しかも、ここでの駆動力伝達系100では伝達効率の高い機械式のクラッチ9を用いており、伝達効率の低い流体クラッチ(AT)や、無端ベルト駆動のCVTを用いることがないので、燃費を向上できる。
次いで、ステップa7では、バッテリ12の供給可能電流(Ibatt)をバッテリ状態(SOC,バッテリ温度Tbt))から推定する。
次いで、ステップa8では、第1モータジェネレータ(M/G1)6を発電駆動させるにあたり、発電要求電流In(=Ireq− Ibatt)を、供給電流(Ireq)からバッテリ12の供給可能電流(Ibatt)を減じて求める。
次いで、ステップs10に進み、第1モータジェネレータ6に要求トルクToを出力するようインバータ603をインバータ制御ユニット210を介し制御する。これにより、第1モータジェネレータ6のアシスト作動により発電した発電要求電流Inとバッテリ12の供給可能電流(Ibatt)を合わせた供給電流(Ireq)を第2モータジェネレータ(M/G2)11に加えてモータ駆動して、図3中に実線gで示すアシストトルクTaを発生させ、この回の制御をリターンさせる。
3 エンジン(内燃機関)
4 出力軸
5 ディファレンシャル
6 第1モータジェネレータ(第1電動回転機)
7 左右の駆動軸(駆動車軸)
8 変速機
801 出力軸
802 シフトアクチュエータ
9 クラッチ
11 第2モータジェネレータ(第2電動回転機)
12 バッテリ
15 SOCセンサ
100 動力伝達系
200 ECU
220 動力制御ユニット(制御手段)
220A クラッチ制御手段
220B 変速制御手段
220C 目標アシスト駆動力算出手段
220D アシスト駆動力制御手段
bv1 回復充電閾値
αv 所定量
bvm 修正閾値(=bv1+αv)
EV EVモード域
Mp パラレルモード域
Ms シリーズモード域
Pa 目標アシスト駆動力
SOC 充電レベル
Vc 車速
Claims (5)
- 車両に搭載された内燃機関から伝達される駆動力を変速して前記車両の駆動車軸に伝達する変速機と、
前記内燃機関の駆動力で発電した電力をバッテリに供給する第1電動回転機と、
前記バッテリから供給された電力で前記駆動車軸を駆動する第2電動回転機と、
前記内燃機関から前記駆動車軸への駆動力伝達を遮断可能とするクラッチと、
前記クラッチの駆動力伝達遮断の際に、前記第1電動回転機が発電した電力で前記第2電動回転機を駆動させる制御手段と、を具備したことを特徴とするハイブリッド車両。 - 請求項1記載のハイブリッド車両において、
前記制御手段は、
前記第2電動回転機の目標駆動力を算出し、前記クラッチの駆動力伝達遮断の際に前記第1電動回転機が発電した電力により前記目標駆動力を満足させるように前記第2電動回転機を駆動させることを特徴とするハイブリッド車両。 - 請求項1又は2記載のハイブリッド車両において、
前記バッテリの残容量を検出する残容量検出手段を更に備え、
前記制御手段は、前記残容量が所定の閾値未満となった際に、前記第1電動回転機が発電した電力で前記第2電動回転機を駆動させることを特徴とするハイブリッド車両。 - 請求項3記載のハイブリッド車両において、
前記所定の閾値は、前記目標駆動力を満足させて前記第2電動回転機を駆動させることができる電力量として設定されたことを特徴とするハイブリッド車両。 - 請求項3又は4に記載のハイブリッド車両において、
前記所定の閾値は、前記目標駆動力を満足させて前記第2電動回転機を駆動させるのに必要な最低の電力量に設定されたことを特徴とするハイブリッド車両。
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