JP4998436B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンとモータジェネレータの間に第1クラッチを介装し、モータジェネレータと駆動輪の間に第2クラッチを介装したハイブリッド車両の制御装置に関する。
エンジンのみを走行用駆動源とするエンジン車(以下、「コンベ車」という。)では、減速時に燃料カットリカバリを行う場合、リカバリ時のショックを防止するために、ロックアップ解除後に燃料カットリカバリを行う。但し、エンジンの減速度が大であることを検知したときは、エンジンストールの防止を優先し、ロックアップ解除前に燃料カットリカバリを行う。
しかしながら、エンジンの減速度が大であることを条件とし、ロックアップ解除前に燃料カットリカバリを行うため、燃料カットリカバリを行う頻度が高くなる。その結果として、リカバリショックが発生する頻度も高くなってしまうことになる。
走行用駆動源としてエンジンとモータジェネレータを搭載したハイブリッド車両の場合も、コンベ車と同様に、エンジンの減速度が大であることを検知したときであって、アイドルストップができない条件下では、エンジンストールの防止対策が必要である。
これに対し、従来、ハイブリッド車両において、減速時や制動時に燃料の供給を停止する燃料カット領域を拡大することを目的とする制御技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1には、減速時や制動時が終了して燃料の供給が再開される燃料カットリカバリ時、あるいは、減速時や制動時からアイドル時に切換わり燃料の供給が再開される燃料カットリカバリ時に、電動モータに電力を供給して補助駆動を行うことにより、機関回転数が目標アイドル回転数より低下するエンジンストールを防止する。さらに、少なくとも燃料カットリカバリ時までに内燃機関および電動モータの出力軸と自動変速機の入力軸の直結状態を解除することにより、燃料カットリカバリ時にエンジンストールを防止するために必要な電動モータのトルクを軽減することが記載されている。
特開平10−201012号公報
しかしながら、従来のハイブリッド車両の制御装置にあっては、燃料カットリカバリ時までに、内燃機関および電動モータを自動変速機から切り離し、電動モータの補助駆動によりエンジンストールを防止する制御を行うものであるため、回転数制御により電動モータを補助駆動できない条件のとき、エンジンストールを防止することができない、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、減速時にエンジンの燃料カットリカバリを行う際、モータジェネレータによりエンジン回転数を維持できる条件下でのリカバリショックの発生を防止しつつ、モータジェネレータによりエンジン回転数を維持できない条件下でのエンジンストールを防止することができるハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のハイブリッド車両の制御装置では、エンジンとモータジェネレータの間に第1クラッチを介装し、前記モータジェネレータと駆動輪の間に第2クラッチを介装している。
そして、前記第1クラッチと前記第2クラッチを締結したハイブリッド車走行モードの選択時であり、かつ、前記エンジンを燃料カット状態としてのブレーキ操作時エンジンストール時に前記エンジンを再始動可能な再クランキングと、前記モータジェネレータにより前記エンジンのアイドル回転数制御が可能な回転数制御と、のうちどちらか一方が可能であるときは、前記第1クラッチの締結を維持し、前記第2クラッチを開放した後、前記エンジンの燃料カットをリカバリし、前記再クランキング及び前記回転数制御のどちらも不可能であるときは、前記第1クラッチ及び第2クラッチを開放し、前記エンジンの燃料カットをリカバリする燃料カットリカバリ制御手段を設けた。
よって、本発明のハイブリッド車両の制御装置にあっては、燃料カットリカバリ制御手段において、第1クラッチと第2クラッチを締結したハイブリッド車走行モードの選択時であり、かつ、前記エンジンを燃料カット状態としてのブレーキ操作時再クランキングと回転数制御のうちどちらか一方が可能であるときは、第1クラッチの締結を維持し、第2クラッチを開放した後、エンジンの燃料カットがリカバリされる。したがって、第2クラッチの開放により駆動輪へのトルク伝達を遮断した状態で、エンジンの燃料カットがリカバリされるため、燃料カットリカバリ時に変動トルクが駆動輪へ伝達することによるリカバリショックの発生が防止される。
一方、再クランキング及び回転数制御のどちらも不可能であるときは、第1クラッチ及び第2クラッチを開放し、エンジンの燃料カットがリカバリされる。したがって、第1クラッチの開放によりエンジンを駆動系から切り離し、この状態でエンジンの燃料カットがリカバリされるため、エンジンストールになることが防止される。
この結果、減速時にエンジンの燃料カットリカバリを行う際、モータジェネレータによりエンジン回転数を維持できる条件下でのリカバリショックの発生を防止しつつ、モータジェネレータによりエンジン回転数を維持できない条件下でのエンジンストールを防止することができる。
以下、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1のハイブリッド車両の制御装置が適用された後輪駆動によるFRハイブリッド車両(ハイブリッド車両の一例)を示す全体システム図である。
実施例1におけるFRハイブリッド車両の駆動系は、図1に示すように、エンジンEngと、フライホイールFWと、第1クラッチCL1と、モータジェネレータMGと、第2クラッチCL2と、自動変速機ATと、プロペラシャフトPSと、ディファレンシャルDFと、左ドライブシャフトDSLと、右ドライブシャフトDSRと、左後輪RL(駆動輪)と、右後輪RR(駆動輪)と、を有する。なお、FLは左前輪、FRは右前輪である。
前記エンジンEngは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンであり、エンジンコントローラ1からのエンジン制御指令に基づいて、エンジン始動制御やエンジン停止制御やスロットルバルブのバルブ開度制御が行われる。なお、エンジン出力軸には、フライホイールFWが設けられている。
前記第1クラッチCL1は、前記エンジンEngとモータジェネレータMGの間に介装されたクラッチであり、第1クラッチコントローラ5からの第1クラッチ制御指令に基づいて、第1クラッチ油圧ユニット6により作り出された第1クラッチ制御油圧により、半クラッチ状態を含み締結・開放が制御される。
前記モータジェネレータMGは、ロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルが巻き付けられた同期型モータジェネレータであり、モータコントローラ2からの制御指令に基づいて、インバータ3により作り出された三相交流を印加することにより制御される。このモータジェネレータMGは、バッテリ4からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作することもできるし(以下、この状態を「力行」と呼ぶ)、ロータがエンジンEngや駆動輪から回転エネルギを受ける場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能し、バッテリ4を充電することもできる(以下、この動作状態を「回生」と呼ぶ)。なお、このモータジェネレータMGのロータは、ダンパーを介して自動変速機ATの変速機入力軸に連結されている。
前記第2クラッチCL2は、前記モータジェネレータMGと左右後輪RL,RRの間に介装されたクラッチであり、ATコントローラ7からの第2クラッチ制御指令に基づいて、第2クラッチ油圧ユニット8により作り出された制御油圧により、スリップ締結とスリップ開放を含み締結・開放が制御される。なお、第1クラッチ油圧ユニット6と第2クラッチ油圧ユニット8は、自動変速機ATに付設されるAT油圧コントロールバルブユニットCVUに内蔵している。
前記自動変速機ATは、例えば、前進7速/後退1速等の有段階の変速段を車速やアクセル開度等に応じて自動的に切り換える有段変速機であり、前記第2クラッチCL2は、専用クラッチとして新たに追加したものではなく、自動変速機ATの各変速段にて締結される複数の摩擦締結要素のうち、トルク伝達経路に配置される最適なクラッチやブレーキを選択している。そして、前記自動変速機ATの出力軸は、プロペラシャフトPS、ディファレンシャルDF、左ドライブシャフトDSL、右ドライブシャフトDSRを介して左右後輪RL,RRに連結されている。
前記第1クラッチCL1としては、例えば、ピストン14aを有する油圧アクチュエータ14により締結・開放が制御される乾式単板クラッチが用いられる。前記第2クラッチCL2としては、例えば、比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できる湿式多板クラッチや湿式多板ブレーキが用いられる。このハイブリッド駆動系は、第1クラッチCL1の締結・開放状態に応じて、電気自動車走行モード(以下、「EVモード」という。)とハイブリッド車走行モード(以下、「HEVモード」という。)の2つの走行モードを有する。「EVモード」は、第1クラッチCL1を開放状態とし、モータジェネレータMGの動力のみで走行するモードである。「HEVモード」は、第1クラッチCL1を締結状態とし、エンジンEngとモータジェネレータMGの動力で走行するモードである。
次に、ハイブリッド車両の制御系を説明する。
実施例1におけるFRハイブリッド車両の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、第1クラッチコントローラ5と、第1クラッチ油圧ユニット6と、ATコントローラ7と、第2クラッチ油圧ユニット8と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10と、を有して構成されている。なお、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、第1クラッチコントローラ5と、ATコントローラ7と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10とは、情報交換が互いに可能なCAN通信線11を介して接続されている。
前記エンジンコントローラ1は、エンジン回転数センサ12からのエンジン回転数情報と、統合コントローラ10からの目標エンジントルク指令と、他の必要情報を入力する。そして、エンジン動作点(Ne,Te)を制御する指令を、エンジンEngのスロットルバルブアクチュエータ等へ出力する。
前記モータコントローラ2は、モータジェネレータMGのロータ回転位置を検出するレゾルバ13からの情報と、統合コントローラ10からの目標MGトルク指令および目標MG回転数指令と、他の必要情報を入力する。そして、モータジェネレータMGのモータ動作点(Nm,Tm)を制御する指令をインバータ3へ出力する。なお、このモータコントローラ2では、バッテリ4の充電容量をあらわすバッテリSOCを監視していて、このバッテリSOC情報は、モータジェネレータMGの制御情報に用いられると共に、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給される。
前記第1クラッチコントローラ5は、油圧アクチュエータ14のピストン14aのストローク位置を検出する第1クラッチストロークセンサ15からのセンサ情報と、統合コントローラ10からの目標CL1トルク指令と、他の必要情報を入力する。そして、第1クラッチCL1の締結・開放を制御する指令をAT油圧コントロールバルブユニットCVU内の第1クラッチ油圧ユニット6に出力する。
前記ATコントローラ7は、アクセル開度センサ16と、車速センサ17と、他のセンサ類18(変速機入力回転数センサ、インヒビタースイッチ等)からの情報を入力する。そして、Dレンジを選択しての走行時、アクセル開度APOと車速VSPにより決まる運転点がシフトマップ上で存在する位置により最適な変速段を検索し、検索された変速段を得る制御指令をAT油圧コントロールバルブユニットCVUに出力する。なお、シフトマップとは、アクセル開度と車速に応じてアップシフト線とダウンシフト線を書き込んだマップをいう。上記自動変速制御に加えて、統合コントローラ10から目標CL2トルク指令を入力した場合、第2クラッチCL2の締結・開放を制御する指令をAT油圧コントロールバルブユニットCVU内の第2クラッチ油圧ユニット8に出力する第2クラッチ制御を行う。
前記ブレーキコントローラ9は、4輪の各車輪速を検出する車輪速センサ19と、ブレーキストロークセンサ20からのセンサ情報と、統合コントローラ10からの回生協調制御指令と、他の必要情報を入力する。そして、例えば、ブレーキ踏み込み制動時、ブレーキストロークBSから求められる要求制動力に対し回生制動力だけでは不足する場合、その不足分を機械制動力(液圧制動力やモータ制動力)で補うように、回生協調ブレーキ制御を行う。
前記統合コントローラ10は、車両全体の消費エネルギを管理し、最高効率で車両を走らせるための機能を担うもので、モータ回転数Nmを検出するモータ回転数センサ21や他のセンサ・スイッチ類22からの必要情報およびCAN通信線11を介して情報を入力する。そして、エンジンコントローラ1へ目標エンジントルク指令、モータコントローラ2へ目標MGトルク指令および目標MG回転数指令、第1クラッチコントローラ5へ目標CL1トルク指令、ATコントローラ7へ目標CL2トルク指令、ブレーキコントローラ9へ回生協調制御指令を出力する。
図2は、実施例1の制御装置が適用されたFRハイブリッド車両の統合コントローラ10にて実行される演算処理を示す制御ブロック図である。図3は、実施例1の制御装置が適用されたFRハイブリッド車両の統合コントローラ10でのモード選択処理を行う際に用いられるEV-HEV選択マップを示す図である。以下、図2及び図3に基づき、実施例1の統合コントローラ10にて実行される演算処理を説明する。
前記統合コントローラ10は、図2に示すように、目標駆動力演算部100と、モード選択部200と、目標充放電演算部300と、動作点指令部400とを有する。
前記目標駆動力演算部100では、目標駆動力マップを用いて、アクセル開度APOと車速VSPとから、目標駆動力tFoOを演算する。
前記モード選択部200では、図3に示すEV-HEV選択マップを用いて、アクセル開度APOと車速VSPとから、「EVモード」または「HEVモード」を目標走行モードとして選択する。但し、バッテリSOCが所定値以下であれば、強制的に「HEVモード」を目標走行モードとする。
前記目標充放電演算部300では、目標充放電量マップを用いて、バッテリSOCから目標充放電電力tPを演算する。
前記動作点指令部400では、アクセル開度APOと、目標駆動力tFoOと、目標走行モードと、車速VSPと、目標充放電電力tP等の入力情報に基づき、動作点到達目標として、目標エンジントルクと目標MGトルクと目標MG回転数と目標CL1トルクと目標CL2トルクを演算する。そして、目標エンジントルク指令と目標MGトルク指令と目標MG回転数指令と目標CL1トルク指令と目標CL2トルク指令を、CAN通信線11を介して各コントローラ1,2,5,7に出力する。
図4は、実施例1の統合コントローラ10にて実行される燃料カットリカバリ制御処理の流れを示すフローチャートである(燃料カットリカバリ制御手段)。図5は、モータジェネレータMGによるエンジンEngの再クランキング不可領域と回転数制御不可領域を示す出力制限特性図である。図6は、図4に示す燃料カットリカバリ制御処理において1〜12の各条件成立時にエンジンEngとモータジェネレータMGと第1クラッチCL1と第2クラッチCL2に対してそれぞれ出力される動作制御指令の内容を示す条件・動作対応図である。以下、図4のフローチャートの各ステップについて説明する。
ステップS1では、第1クラッチCL1を締結状態とし、エンジンEngとモータジェネレータMGの動力で走行する「HEVモード」の選択時で、かつ、ブレーキ操作時であるか否かを判断し、YES(HEVモードでブレーキ操作の条件成立)の場合はステップS2へ移行し、NO(HEVモードでブレーキ操作の条件不成立)の場合はステップS1の判断を繰り返す。
ステップS2では、ステップS1でのHEVモードでブレーキ操作の条件成立であるとの判断に続き、エンジンEngは燃料カット状態であるか否かを判断し、YES(エンジン燃料カット有り)の場合はステップS3へ移行し、NO(エンジン燃料カット無し)の場合はステップS1へ戻る。
ステップS3では、ステップS2でのエンジン燃料カット有りとの判断に続き、エンジン冷却水温等の条件に基づいて、エンジンストールに至る限界エンジン回転数であるエンスト限界回転数Zを算出し、ステップS4へ移行する(エンスト限界回転数算出部)。
ステップS4では、ステップS3でのエンスト限界回転数Zの算出に続き、車両減速度と自動変速機ATでのギア比によりエンジン回転数の低下勾配を推定し、その時点のエンジン回転数と推定低下勾配から、第2クラッチCL2の開放時間(CL2 off時間)とリカバー時間のトータル時間で到達すると予測される予測エンジン回転数Aを算出し、ステップS5へ移行する(第1予測エンジン回転数算出部)。
ここで、「車両減速度」は、ブレーキ力・駆動系フリクション・車両走行抵抗・変速段毎のイナーシャ等に基づき算出する。「自動変速機ATのギア比」は、選択されている変速段により取得する。
ステップS5では、ステップS4でのCL2 off時間とリカバー時間のトータル時間で到達すると予測される予測エンジン回転数Aの算出に続き、車両減速度と自動変速機ATでのギア比によりエンジン回転数の低下勾配を推定し、その時点のエンジン回転数と推定低下勾配から、第2クラッチCL2の開放時間(CL2 off時間)で到達すると予測される予測エンジン回転数Bを算出し、ステップS6へ移行する(第2予測エンジン回転数算出部)。
ここで、「車両減速度」は、ステップS4と同様に、ブレーキ力・駆動系フリクション・車両走行抵抗・変速段毎のイナーシャ等に基づき算出する。「自動変速機ATのギア比」は、ステップS4と同様に、選択されている変速段により取得する。
ステップS6では、ステップS5でのCL2 off時間で到達すると予測される予測エンジン回転数Bの算出に続き、エンスト限界回転数Zが予測エンジン回転数A以下であるか否かを判断し、YES(Z≦A)の場合はステップS7へ移行し、NO(A<Z)の場合はステップS14へ移行する。
ステップS7では、ステップS6でのZ≦Aであるとの判断に続き、モータジェネレータMGによりエンジンEngの再クランキングが可能であるか否かを判断し、YES(再クランキング可)の場合はステップS8へ移行し、NO(再クランキング不可)の場合はステップS11へ移行する(再クランキング可否判断部)。
ここで、MG再クランキングが不可能であるとの判断は、図5の出力制限特性に示すように、バッテリ温度が低温域・モータジェネレータ温度が過熱域・インバータ温度が過熱域のうち、少なくとも1つの温度条件が成立し、かつ、MGクランキング限界線(1)以下にMG出力が制限されているとき、あるいは、強電系フェール時(3)になされる。これらの条件が不成立時には、MG再クランキングが可能であると判断される。
ステップS8では、ステップS7でのMG再クランキング可能との判断に続き、モータジェネレータMGを回転数制御することが可能であるか否かを判断し、YES(MG回転数制御可能)の場合はステップS9へ移行し、NO(MG回転数制御不可能)の場合はステップS10へ移行する(回転数制御可否判断部)。
ここで、MG回転数制御が不可能であるとの判断は、図5の出力制限特性に示すように、バッテリ温度が低温域・モータジェネレータ温度が過熱域・インバータ温度が過熱域のうち、少なくとも1つの温度条件が成立し、かつ、MG回転数制御限界線(2)による範囲内にMG出力が制限されているとき、あるいは、強電系フェール時(3)になされる。これらの条件が不成立時には、MG回転数制御が可能であると判断される。すなわち、MG回転数制御不可能判断は、MG再クランキング不可能判断より出力制限の厳しいところで発生する。
ステップS9では、ステップS8でのMG回転数制御可能であるとの判断に続き、エンジンEngとモータジェネレータMGと第1クラッチCL1と第2クラッチCL2に対してそれぞれ図6の動作1に示す動作制御指令を出力し、ステップS29へ移行する。
ここで、Z≦A、MG再クランキング可、MG回転数制御可という条件が成立すると、次の動作1が実行される。エンジンEngに対しては、第2クラッチCL2の開放後、燃料カットリカバリ制御を行い、負荷運転状態とする。モータジェネレータMGに対しては、アイドル回転数制御を行う。第1クラッチCL1に対しては締結を維持する。第2クラッチCL2に対しては締結状態からの開放制御を行う。
ステップS10では、ステップS8でのMG回転数制御不可能であるとの判断に続き、エンジンEngとモータジェネレータMGと第1クラッチCL1と第2クラッチCL2に対してそれぞれ図6の動作2に示す動作制御指令を出力し、ステップS29へ移行する。
ここで、Z≦A、MG再クランキング可、MG回転数制御不可という条件が成立すると、次の動作2が実行される。エンジンEngに対しては、第2クラッチCL2の開放後、燃料カットリカバリ制御を行い、負荷運転状態とする。モータジェネレータMGに対しては、少なくとも最低回転数を維持する下支えのみを行なう。第1クラッチCL1に対しては締結を維持する。第2クラッチCL2に対しては締結状態からの開放制御を行う。
ステップS11では、ステップS7でのMG再クランキング不可能との判断に続き、モータジェネレータMGを回転数制御することが可能であるか否かを判断し、YES(MG回転数制御可能)の場合はステップS12へ移行し、NO(MG回転数制御不可能)の場合はステップS13へ移行する(回転数制御可否判断部)。なお、MG回転数制御が可能か不可能かの判断条件は、ステップS8と同様である。
ステップS12では、ステップS11でのMG回転数制御可能であるとの判断に続き、エンジンEngとモータジェネレータMGと第1クラッチCL1と第2クラッチCL2に対してそれぞれ図6の動作3に示す動作制御指令を出力し、ステップS29へ移行する。
ここで、Z≦A、MG再クランキング不可、MG回転数制御可という条件が成立すると、次の動作3が実行される。エンジンEngに対しては、第2クラッチCL2の開放後、燃料カットリカバリ制御を行い、負荷運転状態とする。モータジェネレータMGに対しては、アイドル回転数制御を行なう。第1クラッチCL1に対しては締結を維持する。第2クラッチCL2に対しては締結状態からの開放制御を行う。
ステップS13では、ステップS11でのMG回転数制御不可能であるとの判断に続き、エンジンEngとモータジェネレータMGと第1クラッチCL1と第2クラッチCL2に対してそれぞれ図6の動作4に示す動作制御指令を出力し、ステップS29へ移行する。
ここで、Z≦A、MG再クランキング不可、MG回転数制御不可という条件が成立すると、次の動作4が実行される。エンジンEngに対しては、第2クラッチCL2の開放後、燃料カットリカバリ制御を行い、アイドル回転数制御を行う。モータジェネレータMGに対しては、フリーとする。第1クラッチCL1に対しては締結状態からの開放制御を行う。第2クラッチCL2に対しては締結状態からの開放制御を行う。
なお、ステップS6〜ステップS13は、第1の条件成立時動作部に相当する。
ステップS14では、ステップS6でのエンスト限界回転数Zが予測エンジン回転数Aを超えているとの判断に続き、エンスト限界回転数Zが、A<Z≦Bの範囲であるか否かを判断し、YES(A<Z≦B)の場合はステップS15へ移行し、NO(B<Z)の場合はステップS22へ移行する。
ステップS15では、ステップS14でのA<Z≦Bであるとの判断に続き、モータジェネレータMGによりエンジンEngの再クランキングが可能であるか否かを判断し、YES(再クランキング可)の場合はステップS16へ移行し、NO(再クランキング不可)の場合はステップS19へ移行する(再クランキング可否判断部)。なお、MG再クランキングが可能か不可能かの判断条件は、ステップS7と同様である。
ステップS16では、ステップS15でのMG再クランキング可能との判断に続き、モータジェネレータMGを回転数制御することが可能であるか否かを判断し、YES(MG回転数制御可能)の場合はステップS17へ移行し、NO(MG回転数制御不可能)の場合はステップS18へ移行する(回転数制御可否判断部)。なお、MG回転数制御が可能か不可能かの判断条件は、ステップS8と同様である。
ステップS17では、ステップS16でのMG回転数制御可能であるとの判断に続き、エンジンEngとモータジェネレータMGと第1クラッチCL1と第2クラッチCL2に対してそれぞれ図6の動作5に示す動作制御指令を出力し、ステップS29へ移行する。
ここで、A<Z≦B、MG再クランキング可、MG回転数制御可という条件が成立すると、次の動作5が実行される。エンジンEngに対しては、第2クラッチCL2の開放後、燃料カットリカバリ制御を行い、負荷運転状態とする。モータジェネレータMGに対しては、アイドル回転数制御を行う。第1クラッチCL1に対しては締結を維持する。第2クラッチCL2に対しては締結状態からの開放制御を行う。
ステップS18では、ステップS16でのMG回転数制御不可能であるとの判断に続き、エンジンEngとモータジェネレータMGと第1クラッチCL1と第2クラッチCL2に対してそれぞれ図6の動作6に示す動作制御指令を出力し、ステップS29へ移行する。
ここで、A<Z≦B、MG再クランキング可、MG回転数制御不可という条件が成立すると、次の動作6が実行される。エンジンEngに対しては、第2クラッチCL2の開放後、燃料カットリカバリ制御を行い、負荷運転状態とする。モータジェネレータMGに対しては、少なくとも最低回転数を維持する下支えのみを行なう。第1クラッチCL1に対しては締結を維持する。第2クラッチCL2に対しては締結状態からの開放制御を行う。
ステップS19では、ステップS15でのMG再クランキング不可能との判断に続き、モータジェネレータMGを回転数制御することが可能であるか否かを判断し、YES(MG回転数制御可能)の場合はステップS12へ移行し、NO(MG回転数制御不可能)の場合はステップS13へ移行する(回転数制御可否判断部)。なお、MG回転数制御が可能か不可能かの判断条件は、ステップS8と同様である。
ステップS20では、ステップS19でのMG回転数制御可能であるとの判断に続き、エンジンEngとモータジェネレータMGと第1クラッチCL1と第2クラッチCL2に対してそれぞれ図6の動作7に示す動作制御指令を出力し、ステップS29へ移行する。
ここで、A<Z≦B、MG再クランキング不可、MG回転数制御可という条件が成立すると、次の動作7が実行される。エンジンEngに対しては、直ちに燃料カットリカバリ制御を行い、負荷運転状態とする。モータジェネレータMGに対しては、アイドル回転数制御を行なう。第1クラッチCL1に対しては締結を維持する。第2クラッチCL2に対しては締結状態からの開放制御を行う。
ステップS21では、ステップS19でのMG回転数制御不可能であるとの判断に続き、エンジンEngとモータジェネレータMGと第1クラッチCL1と第2クラッチCL2に対してそれぞれ図6の動作8に示す動作制御指令を出力し、ステップS29へ移行する。
ここで、A<Z≦B、MG再クランキング不可、MG回転数制御不可という条件が成立すると、次の動作8が実行される。エンジンEngに対しては、直ちに燃料カットリカバリ制御を行い、アイドル回転数制御を行う。モータジェネレータMGに対しては、フリーとする。第1クラッチCL1に対しては締結状態からの開放制御を行う。第2クラッチCL2に対しては締結状態からの開放制御を行う。
なお、ステップS14〜ステップS21は、第2の条件成立時動作部に相当する。
ステップS22では、ステップS14でのエンスト限界回転数ZがB<Zであるとの判断に続き、モータジェネレータMGによりエンジンEngの再クランキングが可能であるか否かを判断し、YES(再クランキング可)の場合はステップS23へ移行し、NO(再クランキング不可)の場合はステップS26へ移行する(再クランキング可否判断部)。なお、MG再クランキングが可能か不可能かの判断条件は、ステップS7と同様である。
ステップS23では、ステップS22でのMG再クランキング可能との判断に続き、モータジェネレータMGを回転数制御することが可能であるか否かを判断し、YES(MG回転数制御可能)の場合はステップS24へ移行し、NO(MG回転数制御不可能)の場合はステップS25へ移行する(回転数制御可否判断部)。なお、MG回転数制御が可能か不可能かの判断条件は、ステップS8と同様である。
ステップS24では、ステップS23でのMG回転数制御可能であるとの判断に続き、エンジンEngとモータジェネレータMGと第1クラッチCL1と第2クラッチCL2に対してそれぞれ図6の動作9に示す動作制御指令を出力し、ステップS29へ移行する。
ここで、B<Z、MG再クランキング可、MG回転数制御可という条件が成立すると、次の動作9が実行される。エンジンEngに対しては、燃料カットリカバリ制御を行わず、エンジンストール後に再始動する。モータジェネレータMGに対しては、エンジンストール後にクランキングを行う。第1クラッチCL1に対しては締結を維持する。第2クラッチCL2に対しては締結状態からの開放制御を行う。
ステップS25では、ステップS23でのMG回転数制御不可能であるとの判断に続き、エンジンEngとモータジェネレータMGと第1クラッチCL1と第2クラッチCL2に対してそれぞれ図6の動作10に示す動作制御指令を出力し、ステップS29へ移行する。
ここで、B<Z、MG再クランキング可、MG回転数制御不可という条件が成立すると、次の動作10が実行される。エンジンEngに対しては、燃料カットリカバリ制御を行わず、エンジンストール後に再始動する。モータジェネレータMGに対しては、エンジンストール後にクランキングする。第1クラッチCL1に対しては締結を維持する。第2クラッチCL2に対しては締結状態からの開放制御を行う。
ステップS26では、ステップS22でのMG再クランキング不可能との判断に続き、モータジェネレータMGを回転数制御することが可能であるか否かを判断し、YES(MG回転数制御可能)の場合はステップS27へ移行し、NO(MG回転数制御不可能)の場合はステップS28へ移行する(回転数制御可否判断部)。なお、MG回転数制御が可能か不可能かの判断条件は、ステップS8と同様である。
ステップS27では、ステップS26でのMG回転数制御可能であるとの判断に続き、エンジンEngとモータジェネレータMGと第1クラッチCL1と第2クラッチCL2に対してそれぞれ図6の動作11に示す動作制御指令を出力し、ステップS29へ移行する。
ここで、B<Z、MG再クランキング不可、MG回転数制御可という条件が成立すると、次の動作11が実行される。エンジンEngに対しては、直ちに燃料カットリカバリ制御を行い、負荷運転状態とする。モータジェネレータMGに対しては、アイドル回転数制御を行なう。第1クラッチCL1に対しては締結を維持する。第2クラッチCL2に対しては締結状態からの開放制御を行う。
ステップS28では、ステップS26でのMG回転数制御不可能であるとの判断に続き、エンジンEngとモータジェネレータMGと第1クラッチCL1と第2クラッチCL2に対してそれぞれ図6の動作12に示す動作制御指令を出力し、ステップS29へ移行する。
ここで、B<Z、MG再クランキング不可、MG回転数制御不可という条件が成立すると、次の動作12が実行される。エンジンEngに対しては、直ちに燃料カットリカバリ制御を行い、アイドル回転数制御を行う。モータジェネレータMGに対しては、フリーとする。第1クラッチCL1に対しては締結状態からの開放制御を行う。第2クラッチCL2に対しては締結状態からの開放制御を行う。
なお、ステップS22〜ステップS28は、第3の条件成立時動作部に相当する。
ステップS29では、ステップS9,S10,S12,S13,S17,S18,S20,S21,S24,S25,S27,S28の何れかの出力動作に続き、燃料カットリカバリ制御によるエンジンブレーキの減少を補うブレーキ協調制御(図7(a)のフローチャート)を実行し、エンドへ移行する。
図7は、実施例1の統合コントローラ10により燃料カットリカバリ制御が行われる時にブレーキコントローラ9にて実行されるブレーキ協調制御(ステップS29)を示す図であり、(a)はブレーキ協調制御処理の流れをあらわすフローチャートであり、(b)はCL2差回転数に対するCL2伝達トルク特性図である(ブレーキ協調制御手段)。以下、図7(a)のフローチャートの各ステップについて説明する。
ステップS291では、ブレーキストロークセンサ20により検出されるブレーキストロークBSの情報を読み込み、ステップS292へ移行する。なお、ブレーキストローク情報に代え、ドライバーの要求ブレーキ力に対応する情報であれば、マスタシリンダ圧情報等を読み込んでも良い。
ステップS292では、ステップS291でのブレーキストロークBSの検出に続き、検出したブレーキストロークBSに基づいて、ドライバーの要求ブレーキ力(=要求制動力)を算出し、ステップS293へ移行する。
ステップS293では、ステップS292での要求ブレーキ力の算出に続き、要求ブレーキ力に基づいて、ドライバーが要求する目標減速度Gtを算出し、ステップS294へ移行する。
ステップS294では、ステップS293での目標減速度Gtの算出に続き、目標減速度Gtから駆動系や車両系の抵抗・変速段毎のイナーシャ等によるエンブレ減速度分を減じて、ブレーキ減速度目標値を求め、このブレーキ減速度目標値を得るブレーキ力をブレーキ力指令ベース値Gtcomoとして算出し、ステップS295へ移行する。なお、算出されたブレーキ力指令ベース値Gtcomoは、要求ブレーキ力からエンブレ分のブレーキ力を削除した値に相当する。
ステップS295では、ステップS294でのブレーキ力指令ベース値Gtcomoの算出に続き、車輪速センサ19により検出された車輪速情報に基づき、実減速度Grを算出し、ステップS296へ移行する。なお、自動変速機ATの出力回転数から実減速度Grを算出するようにしてもよい。ここで、「実減速度Gr」は、エンジン始動時のトルクも含まれ、入力される車輪速やAT出力回転数を時間微分処理することにより算出される。
ステップS296では、ステップS295での実減速度Grの算出に続き、ドライバーが要求する目標減速度Gtと実減速度Grの差分ΔGを算出し、差分ΔGに応じた第1補正ブレーキ力TbaddΔGを算出し、ステップS297へ移行する。
ステップS297では、ステップS296での第1補正ブレーキ力TbaddΔGの算出に続き、第2クラッチCL2の差回転数を検出し、このCL2差回転数と図7(b)に示すCL2伝達トルク特性を用いてCL2伝達トルクを求める。そして、CL2伝達トルクから駆動系フリクション等を減じた値に応じた第2補正ブレーキ力Tbaddcl2を算出し、ステップS298へ移行する。
ここで、「CL2伝達トルク特性」は、図7(b)に示すように、CL2差回転数が高くなるにしたがってCL2伝達トルクが上昇し、CL2差回転数が所定回転数を超えるとCL2伝達トルクは一定トルクを維持する特性を示す。つまり、CL2伝達トルクは、第2クラッチCL2が開放されるとき(=CL2差回転数が高くなるとき)、駆動系にて発生するエンジンブレーキの減少に伴い、補正により増加するべきブレーキ力をあらわしている。
ステップS298では、ステップS297での第2補正ブレーキ力Tbaddcl2の算出に続き、第1補正ブレーキ力TbaddΔGと第2補正ブレーキ力Tbaddcl2のうち、セレクトハイ等により補正ブレーキ力Tbaddを調停し、ステップS299へ移行する。
ステップS299では、ステップS298での補正ブレーキ力Tbaddの調停に続き、ステップS294にて算出されたブレーキ力指令ベース値Gtcomoに、ステップS298の補正ブレーキ力Tbaddを加え、実ブレーキ指令値Gtcomを算出すると共に、各輪のブレーキユニットに実ブレーキ指令値Gtcomを出力し、エンドへ移行する。
次に、作用を説明する。
実施例1のハイブリッド車両の制御装置は、減速時にエンジンEngの燃料カットリカバリを行う際、モータジェネレータMGと第1クラッチCL1と第2クラッチCL2を持つシステムの特長を生かし、できるだけブレーキ力を妨げず、また運転性や燃費を犠牲にしないエンジンストール対策を行うものである。以下、実施例1のハイブリッド車両の制御装置における作用を、「燃料カットリカバリ対応動作の場合分け作用」、「第1の動作モードでの燃料カットリカバリ制御作用」、「第2の動作モードでの燃料カットリカバリ制御作用」、「第3の動作モードでの燃料カットリカバリ制御作用」、「第4の動作モードでの燃料カットリカバリ制御作用」、「エンジンブレーキの減少を補うブレーキ協調制御作用」に分けて説明する。
[燃料カットリカバリ対応動作の場合分け作用]
実施例1における減速時の燃料カットリカバリ制御では、制御開始条件(「HEVモード」での走行条件、ブレーキ操作条件、エンジン燃料カット条件)が成立すると、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5へと進む。そして、ステップS3では、エンスト限界回転数Zが算出され、ステップS4では、第2クラッチCL2の開放時間とエンジンEngの燃料カットリカバー時間で到達すると予測される予測エンジン回転数A(第1予測エンジン回転数)が算出され、ステップS5では、第2クラッチCL2の開放時間で到達すると予測される予測エンジン回転数B(第2予測エンジン回転数)が算出される。
そして、エンジンEngとモータジェネレータMGと第1クラッチCL1と第2クラッチCL2に対する燃料カットリカバリ制御動作が、Z≦Aが成立するときの第1の条件成立時動作部(ステップS6〜ステップS13)と、A<Z≦Bが成立するときの第2の条件成立時動作部(ステップS14〜ステップS21)と、B<Zが成立するときの第3の条件成立時動作部(ステップS22〜ステップS28)に分けて実行される。
したがって、エンスト限界回転数Zに対する予測エンジン回転数Aと予測エンジン回転数Bの大小関係から、エンジンストールするリスクを明確に推定し、対応動作をエンストリスクレベルに応じて場合分けすることで、エンストリスクが小さいときは、リカバリショック対策を重視する制御を行い、エンストリスクが大きいときは、可能な限りエンジンストールを防止するエンスト対策を重視する制御を行うことができる。
すなわち、Z≦Aが成立するときは、第2クラッチCL2の開放時間とエンジンEngの燃料カットリカバー時間に到達しても、そのときの予測エンジン回転数Aがエンスト限界回転数Z以上であり、エンジンストールのリスク無し〜リスク小である。A<Z≦Bが成立するときは、第2クラッチCL2の開放時間に到達しても、そのときの予測エンジン回転数Bがエンスト限界回転数Z以上であり、エンジンストールのリスク中である。B<Zが成立するときは、第2クラッチCL2の開放時間に到達したときの予測エンジン回転数Bがエンスト限界回転数Z未満であり、エンジンストールのリスク大である。
さらに、第1の条件成立時動作部(ステップS6〜ステップS13)と第2の条件成立時動作部(ステップS14〜ステップS21)と第3の条件成立時動作部(ステップS22〜ステップS28)のそれぞれは、再クランキング可否判断(ステップS7,S15,S22)と回転数制御可否判断(ステップS8,S11,S16,S19,S23,S26)を加え、4つの動作パターンに分けて燃料カットリカバリ制御を実行するようにしている。すなわち、再クランキング可否判断によりエンジンストール時にエンジンEngを再始動可能かどうかが明確にされる。そして、回転数制御可否判断によりモータジェネレータMGによりエンジンEngのアイドル回転数制御可能かどうかが明確にされる。
したがって、再クランキング可否判断と回転数制御可否判断を加え、4つの動作パターンに分けたため、モータジェネレータMGの出力制限状況に応じ、きめ細かで適切な燃料カットリカバリ制御を実行することができる。例えば、再クランキング可のときは積極的にエンジンストールさせる制御を行うことも可能であるため、これを念頭に置いて多くの選択肢の中から適切な動作パターンを決めることができる。また、回転数制御可のときはエンジンストールが確実に防止されるため、これを念頭に置いて多くの選択肢の中から適切な動作パターンを決めることができる。
[第1の動作モードでの燃料カットリカバリ制御作用]
図8は、燃料カットエンジンにより第1の動作モードでの走行中にブレーキ操作を行うことで実行される燃料カットリカバリ制御によるブレーキ操作・エンジン回転数・CL2差回転・エンジントルク・MGトルク・CL1差回転・ブレーキ力の各特性を示すタイムチャートである。
実施例1の燃料カットリカバリ制御では、Z≦Aの条件成立時であって、再クランキングと回転数制御が共に不可ではないとの判断時には、図4のフローチャートにおいて、ステップS6からステップS7→ステップS8→ステップS9へと進む。あるいは、ステップS6からステップS7→ステップS8→ステップS10へと進む。あるいは、ステップS6からステップS7→ステップS11→ステップS12へと進む。
また、A<Z≦Bの条件成立時であって、再クランキングが可との判断時には、図4のフローチャートにおいて、ステップS14からステップS15→ステップS16→ステップS17へと進む。あるいは、ステップS14からステップS15→ステップS16→ステップS18へと進む。
上記出力ステップであるステップS9、ステップS10、ステップS12、ステップS17、ステップS18では、図8に示すように、第1クラッチCL1の締結を維持したままで、ブレーキ操作開始の時刻t1から時刻t2までの間で第2クラッチCL2を開放した後、時刻t2から時刻t3までの間でエンジンEngの燃料カットをリカバリする第1動作モードが実行される。
したがって、ブレーキ操作により減速度大の状態でも、モータジェネレータMGにてエンジンEngの再クランキングが可能なときやエンジンEngの回転数を維持することが可能なときには、第2クラッチCL2を開放した後にエンジンEngの燃料カットリカバリを行うことで、リカバリショックを確実に防止することができる。すなわち、第2クラッチCL2の開放により、リカバリショックの原因となる変動トルクが駆動輪へ伝達されることがない。
[第2の動作モードでの燃料カットリカバリ制御作用]
図9は、燃料カットエンジンにより第2の動作モードでの走行中にブレーキ操作を行うことで実行される燃料カットリカバリ制御によるブレーキ操作・エンジン回転数・CL2差回転・エンジントルク・MGトルク・CL1差回転・ブレーキ力の各特性を示すタイムチャートである。
実施例1の燃料カットリカバリ制御では、Z≦Aの条件成立時であって、再クランキングと回転数制御が共に不可であるとの判断時には、図4のフローチャートにおいて、ステップS6からステップS7→ステップS11→ステップS13へと進む。また、A<Z≦Bの条件成立時であって、再クランキングと回転数制御が共に不可であるとの判断時には、図4のフローチャートにおいて、ステップS14からステップS15→ステップS19→ステップS21へと進む。また、B<Zの条件成立時であって、再クランキングと回転数制御が共に不可であるとの判断時には、図4のフローチャートにおいて、ステップS14からステップS22→ステップS26→ステップS28へと進む。
上記出力ステップであるステップS13では、図9の実線特性に示すように、ブレーキ操作開始の時刻t1から時刻t2までの間で第1クラッチCL1を開放すると共に、時刻t1から時刻t3までの間で第2クラッチCL2を開放する。そして、第2クラッチCL2を開放した後の時刻t3から時刻t4までの間でエンジンEngの燃料カットをリカバリし、時刻t4以降はアイドル回転数制御する第2動作モードが実行される。
上記出力ステップであるステップS21、ステップS28では、図9の点線特性に示すように、ブレーキ操作開始の時刻t1から時刻t2までの間で第1クラッチCL1を開放すると共に、時刻t1から直ちにエンジンEngの燃料カットをリカバリする。そして、エンジンEngは、時刻t2以降においてアイドル回転数制御する第2動作モードが実行される。なお、第2クラッチCL2は、ブレーキ操作開始の時刻t1から時刻t3までの間で開放される。
したがって、モータジェネレータMGが回転数制御できない場合でも、エンジンEngを単独状態に切り離し、エンジンEngの燃料カットをリカバリしてアイドル回転数制御を行うことで、可能な限りのエンジンストールを防止することができる。
なお、Z<Aの条件成立時には、第2クラッチCL2が開放されるまでの間にエンジンストールとなるリスクが無いため、第2クラッチCL2が開放後に燃料カットリカバリすることで、リカバリショックを抑えることができる。
また、A<Z≦Bの条件成立時やB<Zの条件成立時には、第2クラッチCL2が開放されるまでの間にエンジンストールとなるリスクが残っているため、第1クラッチCL1の開放が開始され、エンジンEngが切り離されるのと同時に燃料カットリカバリすることで、エンジンストールを確実に防止することができる。
[第3の動作モードでの燃料カットリカバリ制御作用]
図10は、燃料カットエンジンにより第3の動作モードでの走行中にブレーキ操作を行うことで実行される燃料カットリカバリ制御によるブレーキ操作・エンジン回転数・CL2差回転・エンジントルク・MGトルク・CL1差回転・ブレーキ力の各特性を示すタイムチャートである。
実施例1の燃料カットリカバリ制御では、A<Z≦Bの条件成立時であって、再クランキングは不可であるが回転数制御が可であるとの判断時、図4のフローチャートにおいて、ステップS14からステップS15→ステップS19→ステップS20へと進む。また、B<Zの条件成立時であって、再クランキングは不可であるが回転数制御が可であるとの判断時、図4のフローチャートにおいて、ステップS14からステップS22→ステップS26→ステップS27へと進む。
上記出力ステップであるステップS20、ステップS27では、図10に示すように、ブレーキ操作開始の時刻t1から時刻t2までの間で第1クラッチCL1の締結を維持したままで、第2クラッチCL2を開放と同時にエンジンEngの燃料カットのリカバリを開始する第3動作モードが実行される。なお、エンジンEngの燃料カットのリカバリは、時刻t2にて終了し、第2クラッチCL2の開放は、時刻t3にて終了する。
したがって、第2クラッチCL2が未開放時の燃料カットリカバリを、モータジェネレータMGによる再クランキング不可能時のシーンに限定することで、リカバリトルクによるブレーキ力の低下頻度とリカバリショックの発生頻度を減少させることができる。
[第4の動作モードでの燃料カットリカバリ制御作用]
図11は、燃料カットエンジンにより第4の動作モードでの走行中にブレーキ操作を行うことで実行される燃料カットリカバリ制御によるブレーキ操作・エンジン回転数・CL2差回転・エンジントルク・MGトルク・CL1差回転・ブレーキ力の各特性を示すタイムチャートである。
実施例1の燃料カットリカバリ制御では、B<Zの条件成立時であって、再クランキングは可であるとの判断時であって回転数制御可との判断時、図4のフローチャートにおいて、ステップS14からステップS22→ステップS23→ステップS24へと進む。また、B<Zの条件成立時であって、再クランキングは可であるとの判断時であって回転数制御不可との判断時、図4のフローチャートにおいて、ステップS14からステップS22→ステップS23→ステップS25へと進む。
上記出力ステップであるステップS24、ステップS25では、図11に示すように、第1クラッチCL1の締結を維持したままで、ブレーキ操作開始の時刻t1から時刻t2までの間に第2クラッチCL2を開放し、エンジンEngの燃料カットをリカバリせずに、エンジンストールを待つ。そして、エンジンストール後の時刻t3から時刻t4までの間にてモータジェネレータMGによるクランキングによりエンジンEngを再始動する第4動作モードが実行される。
例えば、エンジンストールにより第2クラッチCL2を開放できない状況下では、モータジェネレータMGでの回転数制御を維持する動作モードを選択することも可能である。しかし、この動作モードを選択した場合、回転数制御のための電力消費が大になるし、共振帯域での滞留時間が長くなることにより振動が発生しやすくなる。
これに対し、モータジェネレータMGを力行せず、燃料カットリカバリも行わず、エンジンストールを待ち、エンジンストール後に、再クランキングしてエンジンEngを再始動するため、モータジェネレータMGの回転数制御のための電力消費が大になることを防止することができるし、共振帯域での滞留時間が長くなることによる振動発生を防止することができる。
[エンジンブレーキの減少を補うブレーキ協調制御作用]
実施例1の燃料カットリカバリ制御では、図4のフローチャートのステップS9,S10,S12,S13,S17,S18,S20,S21,S24,S25,S27,S28の何れかの出力動作に続き、ステップS29において、燃料カットリカバリ制御によるエンジンブレーキの減少を補うブレーキ協調制御が実行される。
ブレーキ協調制御は、図7(a)のフローチャートに示すように、ステップS291→ステップS292→ステップS293へと進み、ステップS293では、要求ブレーキ力に基づいて、ドライバーが要求する目標減速度Gtが算出される。そして、ステップS294へ進み、ブレーキ減速度目標値を得るブレーキ力をブレーキ力指令ベース値Gtcomoが算出される。そして、ステップS295→ステップS296へ進み、ステップS296では、ドライバーが要求する目標減速度Gtと実減速度Grの差分ΔGに応じた第1補正ブレーキ力TbaddΔGが算出される。そして、次のステップS297では、駆動系フリクション等からCL2伝達トルクを減じた値に応じた第2補正ブレーキ力Tbaddcl2が算出され、次のステップS298では、第1補正ブレーキ力TbaddΔGと第2補正ブレーキ力Tbaddcl2のうち、セレクトハイ等により補正ブレーキ力Tbaddが調停される。そして、ステップS299では、ブレーキ力指令ベース値Gtcomoに補正ブレーキ力Tbaddを加えて実ブレーキ指令値Gtcomが算出されると共に、各輪のブレーキユニットに実ブレーキ指令値Gtcomが出力される。
したがって、上記第1の動作〜第4の動作を行う際、第2クラッチCL2の開放によるエンジンブレーキ・回生トルクの減少は、第2補正ブレーキ力Tbaddcl2として算出され、図8〜図11のブレーキ力のCL2開放による上乗せ分に示すように、第2補正ブレーキ力Tbaddcl2にて調整されることになる。また、第2クラッチCL2を開放する前に燃料カットリカバリすることで生じるエンジントルクの増加は、第1補正ブレーキ力TbaddΔGとして算出され、図10のブレーキ力のエンジントルクによる上乗せ分に示すように、第1補正ブレーキ力TbaddΔGにて調整されることになる。このように、エンジンブレーキ力の減少がブレーキ力の増加により補われるため、ドライバーに違和感を与えることを低減できるし、ブレーキ力低下によりドライバーが意図する距離よりも制動距離が長くなるのを防止することができる。
さらに、ブレーキ力の調整は、第2クラッチCL2の実容量に対応したブレーキ力(第2補正ブレーキ力Tbaddcl2)とエンジントルク推定値に対応したブレーキ力(第1補正ブレーキ力TbaddΔG)により行われる。このため、エンジンブレーキ力の減少に追従するブレーキ力の増加により、エンジンブレーキ力の減少が滑らかに補われることになり、ドライバーに違和感を与えることを防止できる。
次に、効果を説明する。
実施例1のハイブリッド車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) エンジンEngとモータジェネレータMGの間に第1クラッチCL1を介装し、前記モータジェネレータMGと駆動輪(左後輪RL、右後輪RR)の間に第2クラッチCL2を介装したハイブリッド車両の制御装置において、前記第1クラッチCL1と前記第2クラッチCL2を締結し、前記エンジンEngを燃料カット状態としての走行中、エンジンストールに至るようなエンジン減速度を検知した場合、前記モータジェネレータMGによりエンジン回転数を維持できるときは、前記第2クラッチCL2を開放した後、前記エンジンEngの燃料カットをリカバリし、前記モータジェネレータMGによりエンジン回転数を維持できないときは、前記第1クラッチCL1を開放し、前記エンジンEngの燃料カットをリカバリする燃料カットリカバリ制御手段(図4)を設けた。このため、減速時にエンジンEngの燃料カットリカバリを行う際、モータジェネレータMGによりエンジン回転数を維持できる条件下でのリカバリショックの発生を防止しつつ、モータジェネレータMGによりエンジン回転数を維持できない条件下でのエンジンストールを防止することができる。
(2) 前記燃料カットリカバリ制御手段(図4)は、エンスト限界回転数Zを算出するエンスト限界回転数算出部(ステップS3)と、前記第2クラッチCL2の開放時間と前記エンジンEngの燃料カットリカバー時間で到達すると予測される第1予測エンジン回転数(予測エンジン回転数A)を算出する第1予測エンジン回転数算出部(ステップS4)と、前記第2クラッチCL2の開放時間で到達すると予測される第2予測エンジン回転数(予測エンジン回転数B)を算出する第2予測エンジン回転数算出部(ステップS5)と、を備え、前記エンジンEngと前記モータジェネレータMGと前記第1クラッチCL1と前記第2クラッチCL2に対する燃料カットリカバリ制御動作を、前記エンスト限界回転数Zが前記第1予測エンジン回転数(予測エンジン回転数A)以下の第1の条件成立時動作部(ステップS6〜ステップS13)と、前記エンスト限界回転数Zが前記第1予測エンジン回転数(予測エンジン回転数A)を超えて第2予測エンジン回転数(予測エンジン回転数B)以下の範囲にある第2の条件成立時動作部(ステップS14〜ステップS21)と、前記エンスト限界回転数Zが前記第2予測エンジン回転数(予測エンジン回転数B)を超えている第3の条件成立時動作部(ステップS22〜ステップS28)に分けて実行する。このため、エンスト限界回転数Zに対する予測エンジン回転数Aと予測エンジン回転数Bの大小関係から、エンジンストールするリスクを明確に推定し、対応動作をエンストリスクレベルに応じて場合分けすることで、エンストリスクの大小に応じた適切な燃料カットリカバリ制御を行うことができる。
(3) 前記燃料カットリカバリ制御手段(図4)は、前記モータジェネレータMGにより前記エンジンEngの再クランキングが可能か否かを判断する再クランキング可否判断部(ステップS7,S15,S22)と、前記モータジェネレータMGにより回転数制御が可能か否かを判断する回転数制御可否判断部(ステップS8,S11,S16,S19,S23,S26)と、を備え、前記第1の条件成立時動作部(ステップS6〜ステップS13)と前記第2の条件成立時動作部(ステップS14〜ステップS21)と前記第3の条件成立時動作部(ステップS22〜ステップS28)のそれぞれは、再クランキング可否判断と回転数制御可否判断を加えることで、4つの動作パターンに分けて実行する。このため、モータジェネレータMGの出力制限状況に応じ、きめ細かで適切な燃料カットリカバリ制御を実行することができる。
(4) 前記燃料カットリカバリ制御手段(図4)は、前記第1の条件成立時であって(ステップS6でYES)、再クランキングと回転数制御が共に不可ではないとの判断時(ステップS9,S10,S12へ進む流れ)、あるいは、前記第2の条件成立時であって(ステップS14でYES)、再クランキングが可との判断時(ステップS17,S18へ進む流れ)、前記第1クラッチCL1の締結を維持したままで、前記第2クラッチCL2を開放した後、前記エンジンEngの燃料カットをリカバリする第1動作モードを実行する。このため、ブレーキ操作により減速度大の状態でも、モータジェネレータMGにてエンジンEngの再クランキングが可能なときやエンジンEngの回転数を維持することが可能なときにリカバリショックを確実に防止することができる。
(5) 前記燃料カットリカバリ制御手段(図4)は、前記第1〜第3の何れかの条件成立時であって(ステップS6でYES、ステップS14でYESまたはNO)、再クランキングと回転数制御が共に不可であるとの判断時(ステップS13、ステップS21、ステップS28へ進む流れ)、前記第1クラッチCL1を開放し、前記エンジンEngの燃料カットをリカバリしてアイドル回転数制御を行う第2動作モードを実行する。このため、モータジェネレータMGが回転数制御できない場合でも、エンジンEngを単独状態に切り離すことで、可能な限りのエンジンストールを防止することができる。
(6) 前記燃料カットリカバリ制御手段(図4)は、前記第2の条件成立時(ステップS14でYES)、あるいは、前記第3の条件成立時であって(ステップS14でNO)、再クランキングは不可であるが回転数制御が可であるとの判断時(ステップS20、ステップS27へ進む流れ)、前記第1クラッチCL1の締結を維持したままで、前記第2クラッチの開放と同時に前記エンジンの燃料カットをリカバリする第3動作モードを実行する。このため、第2クラッチCL2が未開放時の燃料カットリカバリが、モータジェネレータMGによる再クランキング不可能時のシーンに限定されることで、リカバリトルクによるブレーキ力の低下頻度とリカバリショックの発生頻度を減少させることができる。
(7) 前記燃料カットリカバリ制御手段(図4)は、前記第3の条件成立時であって(ステップS14でNO)、再クランキングは可であるとの判断時(ステップS24,S25へ進む流れ)、前記第1クラッチCL1の締結を維持したままで、前記第2クラッチCL2を開放し、前記エンジンEngの燃料カットをリカバリせずに、エンジンストール後に前記モータジェネレータMGによるクランキングにより再始動する第4動作モードを実行する。このため、モータジェネレータMGにより回転数制御を維持するために電力消費が大になることを防止することができるし、共振帯域での滞留時間が長くなることによる振動発生を防止することができる。
(8) 前記燃料カットリカバリ制御手段(図4)による燃料カットリカバリ制御動作によるエンジンブレーキ力の減少を、機械的なブレーキ力の増加で補うブレーキ協調制御手段(図7(a))を設けた。このため、ドライバーに違和感を与えることを低減することができるし、ブレーキ力低下によりドライバーが意図する距離よりも制動距離が長くなるのを防止することができる。
(9) 前記ブレーキ協調制御手段(図7(a))は、前記第2クラッチCL2の実容量とエンジントルク推定値に合わせて、ブレーキ力の増加補正を行う。このため、エンジンブレーキ力の減少を、これに追従するブレーキ力の増加により滑らかに補う作用を示し、ドライバーに違和感を与えることを防止することができる。
以上、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、予測エンジン回転数条件とMG再クランキング条件とMG回転数制御条件により12の動作パターンに分けて減速時の燃料カットリカバリ制御を行う例を示した。しかし、少なくともモータジェネレータMGによりエンジン回転数を維持できるか維持できないかの2つの動作パターンを含み燃料カットリカバリ制御を行う例であれば、具体的な例は実施例1に限定されることはない。
実施例1では、減速度大の燃料カットリカバリ制御時に第2クラッチCL2を開放する例を示した。しかし、燃料カットリカバリ制御時にリカバリショックを抑えることができる範囲で第2クラッチCL2をスリップ開放する例としても良い。
実施例1では、第2クラッチCL2として、自動変速機ATに内蔵されている変速用の摩擦締結要素を用いる例を示した。しかし、第2クラッチCL2を自動変速機ATの上流位置や下流位置に独立に設定するような例としても良い。
実施例1では、左右後輪を駆動輪とするFRハイブリッド車両への適用例を示したが、FFハイブリッド車両の制御装置に対しても適用することができる。要するに、エンジンとモータジェネレータの間に第1クラッチを介装し、モータジェネレータと駆動輪の間に第2クラッチを介装したハイブリッド車両の制御装置であれば適用できる。
実施例1のハイブリッド車両の制御装置が適用された後輪駆動によるFRハイブリッド車両(ハイブリッド車両の一例)を示す全体システム図である。 実施例1の制御装置が適用されたFRハイブリッド車両の統合コントローラ10にて実行される演算処理を示す制御ブロック図である。 実施例1の制御装置が適用されたFRハイブリッド車両の統合コントローラ10でのモード選択処理を行う際に用いられるEV-HEV選択マップを示す図である。 実施例1の統合コントローラ10にて実行される燃料カットリカバリ制御処理の流れを示すフローチャートである。 モータジェネレータMGによるエンジンEngの再クランキング不可領域と回転数制御不可領域を示す出力制限特性図である。 図4に示す燃料カットリカバリ制御処理において1〜12の各条件成立時にエンジンEngとモータジェネレータMGと第1クラッチCL1と第2クラッチCL2に対してそれぞれ出力される動作制御指令の内容を示す条件・動作対応図である。 実施例1の統合コントローラ10により燃料カットリカバリ制御が行われる時にブレーキコントローラ9にて実行されるブレーキ協調制御(ステップS29)を示す図であり、(a)はブレーキ協調制御処理の流れをあらわすフローチャートであり、(b)はCL2差回転数に対するCL2伝達トルク特性図である。 燃料カットエンジンにより第1の動作モードでの走行中にブレーキ操作を行うことで実行される燃料カットリカバリ制御によるブレーキ操作・エンジン回転数・CL2差回転・エンジントルク・MGトルク・CL1差回転・ブレーキ力の各特性を示すタイムチャートである。 燃料カットエンジンにより第2の動作モードでの走行中にブレーキ操作を行うことで実行される燃料カットリカバリ制御によるブレーキ操作・エンジン回転数・CL2差回転・エンジントルク・MGトルク・CL1差回転・ブレーキ力の各特性を示すタイムチャートである。 燃料カットエンジンにより第3の動作モードでの走行中にブレーキ操作を行うことで実行される燃料カットリカバリ制御によるブレーキ操作・エンジン回転数・CL2差回転・エンジントルク・MGトルク・CL1差回転・ブレーキ力の各特性を示すタイムチャートである。 燃料カットエンジンにより第4の動作モードでの走行中にブレーキ操作を行うことで実行される燃料カットリカバリ制御によるブレーキ操作・エンジン回転数・CL2差回転・エンジントルク・MGトルク・CL1差回転・ブレーキ力の各特性を示すタイムチャートである。
符号の説明
Eng エンジン
MG モータジェネレータ
CL1 第1クラッチ
CL2 第2クラッチ
RL 左後輪(駆動輪)
RR 右後輪(駆動輪)
1 エンジンコントローラ
2 モータコントローラ
3 インバータ
4 バッテリ
5 第1クラッチコントローラ
6 第1クラッチ油圧ユニット
7 ATコントローラ
8 第2クラッチ油圧ユニット
9 ブレーキコントローラ
10 統合コントローラ

Claims (6)

  1. エンジンとモータジェネレータの間に第1クラッチを介装し、前記モータジェネレータと駆動輪の間に第2クラッチを介装したハイブリッド車両の制御装置において、
    前記第1クラッチと前記第2クラッチを締結したハイブリッド車走行モードの選択時であり、かつ、前記エンジンを燃料カット状態としてのブレーキ操作時エンジンストール時に前記エンジンを再始動可能な再クランキングと、前記モータジェネレータにより前記エンジンのアイドル回転数制御が可能な回転数制御と、のうちどちらか一方が可能であるときは、前記第1クラッチの締結を維持し、前記第2クラッチを開放した後、前記エンジンの燃料カットをリカバリし、前記再クランキング及び前記回転数制御のどちらも不可能であるときは、前記第1クラッチ及び第2クラッチを開放し、前記エンジンの燃料カットをリカバリする燃料カットリカバリ制御手段を設けた
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記燃料カットリカバリ制御手段は、
    エンスト限界回転数を算出するエンスト限界回転数算出部と、
    前記ブレーキ操作時から前記第2クラッチの開放時間と前記エンジンの燃料カットリカバー時間で到達すると予測される第1予測エンジン回転数を算出する第1予測エンジン回転数算出部と、
    前記ブレーキ操作時から前記第2クラッチの開放時間で到達すると予測される第2予測エンジン回転数を算出する第2予測エンジン回転数算出部と、
    前記モータジェネレータにより前記エンジンの再クランキングが可能か否かを判断する再クランキング可否判断部と、
    前記モータジェネレータにより回転数制御が可能か否かを判断する回転数制御可否判断部と、を備え、
    前記エンジンと前記モータジェネレータと前記第1クラッチと前記第2クラッチに対する燃料カットリカバリ制御動作を、前記エンスト限界回転数が前記第1予測エンジン回転数以下の第1の条件成立時動作部と、前記エンスト限界回転数が前記第1予測エンジン回転数を超えて第2予測エンジン回転数以下の範囲にある第2の条件成立時動作部と、前記エンスト限界回転数が前記第2予測エンジン回転数を超えている第3の条件成立時動作部に分けて実行し、かつ、前記第1の条件成立時動作部と前記第2の条件成立時動作部と前記第3の条件成立時動作部のそれぞれは、再クランキング可否判断と回転数制御可否判断を加えることで、4つの動作パターンに分けて実行する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  3. 請求項2に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記燃料カットリカバリ制御手段は、前記第1の条件成立時であって、再クランキングと回転数制御が共に不可ではないとの判断時、あるいは、前記第2の条件成立時であって、再クランキングが可との判断時、前記第1クラッチの締結を維持したままで、前記第2クラッチを開放した後、前記エンジンの燃料カットをリカバリする第1動作モードを実行する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記燃料カットリカバリ制御手段は、前記第1〜第3の何れかの条件成立時であって、再クランキングと回転数制御が共に不可であるとの判断時、前記第1クラッチを開放し、前記エンジンの燃料カットをリカバリしてアイドル回転数制御を行う第2動作モードを実行する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  5. 請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記燃料カットリカバリ制御手段は、前記第2の条件成立時、あるいは、前記第3の条件成立時であって、再クランキングは不可であるが回転数制御が可であるとの判断時、前記第1クラッチの締結を維持したままで、直ちに前記第2クラッチの開放と前記エンジンの燃料カットをリカバリする第3動作モードを実行する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  6. 請求項2乃至請求項5の何れか1項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記燃料カットリカバリ制御手段は、前記第3の条件成立時であって、再クランキングは可であるとの判断時、前記第1クラッチの締結を維持したままで、前記第2クラッチを開放し、前記エンジンの燃料カットをリカバリせずに、エンジンストール後に前記モータジェネレータによるクランキングにより再始動する第4動作モードを実行する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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