JP2008126780A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

ハイブリッド車両の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008126780A
JP2008126780A JP2006312340A JP2006312340A JP2008126780A JP 2008126780 A JP2008126780 A JP 2008126780A JP 2006312340 A JP2006312340 A JP 2006312340A JP 2006312340 A JP2006312340 A JP 2006312340A JP 2008126780 A JP2008126780 A JP 2008126780A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine
motor generator
torque
clutch
rotational speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006312340A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4862624B2 (ja
Inventor
Kaori Yajima
香織 谷嶋
Takeshi Yamanaka
剛 山中
Haruhisa Tsuchikawa
晴久 土川
Kazuyuki Kono
和之 河野
Tomoyuki Odawara
友之 小俵
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2006312340A priority Critical patent/JP4862624B2/ja
Publication of JP2008126780A publication Critical patent/JP2008126780A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4862624B2 publication Critical patent/JP4862624B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles

Landscapes

  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Abstract

【課題】 エンジン始動時に、低回転共振帯を素早く通過しつつ、モータジェネレータの回転数低下を回避可能なハイブリッド車両の制御装置を提供すること。
【解決手段】 エンジンと、駆動輪に接続されたモータジェネレータと、前記エンジンと前記モータジェネレータの間に介装された第1締結要素と、目標始動時間内に前記エンジンを停止状態から前記モータジェネレータの回転数と同期する回転数まで引き上げるのに必要なトルクに応じた保持締結容量を設定する保持締結容量設定手段と、前記エンジンを始動するときは、前記第1締結要素の締結容量を所定勾配で前記保持締結容量まで上昇させて保持する締結容量保持手段とを備えた。
【選択図】 図9

Description

本発明は、モータと駆動輪との間に締結要素を備えたハイブリッド車両の制御装置に関する。
ハイブリッド車両として特許文献1の技術が開示されている。この公報には、エンジンとモータとを断接するエンジンクラッチと、モータと駆動輪とを断接する出力クラッチを備え、エンジン始動時には、出力クラッチをスリップ制御し、エンジンクラッチを締結することでエンジン始動を可能としている。
特開2000−255285号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、下記に列挙する課題が懸念される。
(課題1)エンジンクラッチの締結速度が遅いと、エンジンの低回転共振帯に滞留することになり、フロア振動等の音振が問題となる。
(課題2)一方、エンジンクラッチの締結速度が速いと、エンジンイナーシャが大きいため、モータジェネレータMGに想定以上の負荷が作用する。これにより、例えモータジェネレータMGを回転数制御していたとしても、モータ回転数を低下させてしまい、出力クラッチをスリップ制御できず、出力軸に十分なトルクが出力されず駆動力ショックを発生するおそれがある。
(課題3)エンジンクラッチの締結力が弱いと、エンジン完爆後のエンジントルクがエンジンクラッチの締結容量を上回った場合、エンジンクラッチを完全締結できなくなるおそれがある。
(課題4)エンジンクラッチの締結力が弱い状態が継続すると、エンジンとモータジェネレータとの回転数差が大きい状態が継続する虞があり、発熱等による耐久性の悪化が懸念される。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、エンジン始動時に、低回転共振帯を素早く通過しつつ、モータジェネレータの回転数低下を回避可能なハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、エンジンと、駆動輪に接続されたモータジェネレータと、前記エンジンと前記モータジェネレータの間に介装された第1締結要素と、目標始動時間内に前記エンジンを停止状態から前記モータジェネレータの回転数と同期する回転数まで引き上げるのに必要なトルクに応じた保持締結容量を設定する保持締結容量設定手段と、前記エンジンを始動するときは、前記第1締結要素の締結容量を所定勾配で前記保持締結容量まで上昇させて保持する締結容量保持手段と、を備えたことを特徴とする。
よって、本発明の車両の制御装置にあっては、低回転共振帯を素早く通過させることができると共に、エンジン始動後、車両が加速しているときであっても素早く第1締結要素を完全締結することができる。
以下、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
まず、ハイブリッド車両の駆動系構成を説明する。図1は実施例1の後輪駆動によるハイブリッド車両を示す全体システム図である。実施例1におけるハイブリッド車の駆動系は、図1に示すように、エンジンEと、フライホイールFWと、第1クラッチCL1と、モータジェネレータMGと、第2クラッチCL2と、自動変速機ATと、プロペラシャフトPSと、ディファレンシャルDFと、左ドライブシャフトDSLと、右ドライブシャフトDSRと、左後輪RL(駆動輪)と、右後輪RR(駆動輪)と、を有する。なお、FLは左前輪、FRは右前輪である。
エンジンEは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンであり、後述するエンジンコントローラ1からの制御指令に基づいて、スロットルバルブのバルブ開度等が制御される。なお、エンジン出力軸にはフライホイールFWが設けられている。
第1クラッチCL1は、エンジンEとモータジェネレータMGとの間に介装されたクラッチであり、後述する第1クラッチコントローラ5からの制御指令に基づいて、第1クラッチ油圧ユニット6により作り出された制御油圧により、スリップ締結とスリップ開放を含み締結・開放が制御される。
モータジェネレータMGは、ロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルが巻き付けられた同期型モータジェネレータであり、後述するモータコントローラ2からの制御指令に基づいて、インバータ3により作り出された三相交流を印加することにより制御される。このモータジェネレータMGは、バッテリ4からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作することもできるし(以下、この状態を「力行」と呼ぶ)、ロータが外力により回転している場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能してバッテリ4を充電することもできる(以下、この動作状態を「回生」と呼ぶ)。なお、このモータジェネレータMGのロータは、図外のダンパーを介して自動変速機ATの入力軸に連結されている。
第2クラッチCL2は、モータジェネレータMGと左右後輪RL,RRとの間に介装されたクラッチであり、後述するATコントローラ7からの制御指令に基づいて、第2クラッチ油圧ユニット8により作り出された制御油圧により、スリップ締結とスリップ開放を含み締結・開放が制御される。
自動変速機ATは、前進5速後退1速等の有段階の変速比を車速やアクセル開度等に応じて自動的に切り換える変速機であり、第2クラッチCL2は、専用クラッチとして新たに追加したものではなく、自動変速機ATの各変速段にて締結される複数の摩擦締結要素のうち、いくつかの摩擦締結要素を流用している。尚、詳細については後述する。
そして、自動変速機ATの出力軸は、プロペラシャフトPS、ディファレンシャルDF、左ドライブシャフトDSL、右ドライブシャフトDSRを介して左右後輪RL,RRに連結されている。尚、前記第1クラッチCL1と第2クラッチCL2には、例えば、比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できる湿式多板クラッチを用いている。
このハイブリッド駆動系には、第1クラッチCL1の締結・開放状態に応じて3つの走行モードを有する。第1走行モードは、第1クラッチCL1の開放状態で、モータジェネレータMGの動力のみを動力源として走行するモータ使用走行モードとしての電気自動車走行モード(以下、「EV走行モード」と略称する。)である。第2走行モードは、第1クラッチCL1の締結状態で、エンジンEを動力源に含みながら走行するエンジン使用走行モード(以下、「HEV走行モード」と略称する。)である。
第3走行モードは、第1クラッチCL1は締結状態で第2クラッチCL2をスリップ制御させ、エンジンEを動力源に含みながら走行するエンジン使用スリップ走行モード(以下、「WSC(Wet Start Clutch)走行モード」と略称する。)である。このモードは、特にバッテリSOCが低いときやエンジン水温が低いときに、クリープ走行を達成する。更に、エンジン停止状態からの発進時にエンジン始動しつつ駆動力を出力可能なモードである。
上記「HEV走行モード」には、「エンジン走行モード」と「モータアシスト走行モード」と「走行発電モード」との3つの走行モードを有する。
「エンジン走行モード」は、エンジンEのみを動力源として駆動輪を動かす。「モータアシスト走行モード」は、エンジンEとモータジェネレータMGの2つを動力源として駆動輪を動かす。「走行発電モード」は、エンジンEを動力源として駆動輪RR,RLを動かすと同時に、モータジェネレータMGを発電機として機能させる。
定速運転時や加速運転時には、エンジンEの動力を利用してモータジェネレータMGを発電機として動作させる。また、減速運転時は、制動エネルギーを回生してモータジェネレータMGにより発電し、バッテリ4の充電のために使用する。
また、更なるモードとして、車両停止時には、エンジンEの動力を利用してモータジェネレータMGを発電機として動作させる発電モードを有する。
次に、ハイブリッド車両の制御系を説明する。実施例1におけるハイブリッド車両の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、第1クラッチコントローラ5と、第1クラッチ油圧ユニット6と、ATコントローラ7と、第2クラッチ油圧ユニット8と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10と、を有して構成されている。なお、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、第1クラッチコントローラ5と、ATコントローラ7と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10とは、互いに情報交換が可能なCAN通信線11を介して接続されている。
エンジンコントローラ1は、エンジン水温センサ1aからのエンジン水温や、エンジン回転数センサ12からのエンジン回転数情報を入力し、統合コントローラ10からの目標エンジントルク指令等に応じ、エンジン動作点(Ne,Te)を制御する指令を、例えば、図外のスロットルバルブアクチュエータへ出力する。また、エンジンコントローラ1内には、エンジンEの燃料噴射量やスロットル開度等に基づいてエンジントルクTengを推定するエンジントルク推定部1bが設けられている。エンジン回転数Neや推定されたエンジントルクTengの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給される。
モータコントローラ2は、モータジェネレータMGのロータ回転位置を検出するレゾルバ13からの情報を入力し、統合コントローラ10からの目標モータジェネレータトルク指令等に応じ、モータジェネレータMGのモータ動作点(Nm,Tm)を制御する指令をインバータ3へ出力する。なお、このモータコントローラ2では、バッテリ4の充電状態を表すバッテリSOCを監視していて、バッテリSOC情報は、モータジェネレータMGの制御情報に用いると共に、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給する。
また、モータジェネレータMGに流れる電流値(電流値の正負によって駆動トルクと回生トルクを区別している)に基づいて、モータジェネレータトルクTmgを推定するモータジェネレータトルク推定部2bが設けられている。この推定されたモータジェネレータトルクTmgの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給される。
第1クラッチコントローラ5は、第1クラッチ油圧センサ14と第1クラッチストロークセンサ15からのセンサ情報を入力し、統合コントローラ10からの第1クラッチ制御指令に応じ、第1クラッチCL1の締結・開放を制御する指令を第1クラッチ油圧ユニット6に出力する。なお、第1クラッチストロークC1Sの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給する。
ATコントローラ7は、アクセル開度センサ16と車速センサ17と第2クラッチ油圧センサ18とからのセンサ情報を入力し、統合コントローラ10からの第2クラッチ制御指令に応じ、第2クラッチCL2の締結・開放を制御する指令をAT油圧コントロールバルブ内の第2クラッチ油圧ユニット8に出力する。なお、アクセルペダル開度APOと車速VSPの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給する。
ブレーキコントローラ9は、4輪の各車輪速を検出する車輪速センサ19とブレーキストロークセンサ20からのセンサ情報を入力し、例えば、ブレーキ踏み込み制動時、ブレーキストロークBSから求められる要求制動力に対し回生制動力だけでは不足する場合、その不足分を機械制動力(液圧制動力やモータ制動力)で補うように、統合コントローラ10からの回生協調制御指令に基づいて回生協調ブレーキ制御を行う。
統合コントローラ10は、車両全体の消費エネルギを管理し、最高効率で車両を走らせるための機能を担うもので、モータ回転数Nmを検出するモータ回転数センサ21と、第2クラッチ出力回転数N2outを検出する第2クラッチ出力回転数センサ22と、第2クラッチトルクTCL2を検出する第2クラッチトルクセンサ23と、ブレーキ油圧センサ24と、第1クラッチCL1の温度を検知する温度センサ10aと、第2クラッチCL2の温度を検知する温度センサ10bと、からの情報およびCAN通信線11を介して得られた情報を入力する。
また、統合コントローラ10は、エンジンコントローラ1への制御指令によるエンジンEの動作制御と、モータコントローラ2への制御指令によるモータジェネレータMGの動作制御と、第1クラッチコントローラ5への制御指令による第1クラッチCL1の締結・開放制御と、ATコントローラ7への制御指令による第2クラッチCL2の締結・開放制御と、を行う。
以下に、図2に示すブロック図を用いて、実施例1の統合コントローラ10にて演算される制御を説明する。例えば、この演算は、制御周期10msec毎に統合コントローラ10で演算される。統合コントローラ10は、目標駆動力演算部100と、モード選択部200と、目標充放電演算部300と、動作点指令部400と、変速制御部500と、を有する。
目標駆動力演算部100では、図3に示す目標駆動力マップを用いて、アクセルペダル開度APOと車速VSPとから、目標駆動力tFoOを演算する。
モード選択部200では、図4に示すEV-HEV選択マップを用いて、アクセルペダル開度APOと車速VSPとから、目標モードを演算する。但し、バッテリSOCが所定値以下であれば、強制的に「HEV走行モード」を目標モードとする。また、EV-HEV選択マップには、低車速領域においてアクセルペダル開度APOが大きいときに、大きな駆動力を出力するために、WSCモードが設定されている。HEV→WSC切換線もしくはEV→WSC切換線は、自動変速機ATが1速段のときに、エンジンEのアイドル回転数よりも小さな回転数となる車速VSP1よりも低い領域に設定されている。図4中斜線領域がHEV走行モードからWSC走行モードに切り換えられる領域であり、図4中網掛け領域がWSC走行モードからEV走行モードに切り換えられる領域となる。
目標充放電演算部300では、図5に示す目標充放電量マップを用いて、バッテリSOCから目標充放電電力tPを演算する。
動作点指令部400では、アクセルペダル開度APOと、目標駆動力tFoOと、目標モードと、車速VSPと、目標充放電電力tPとから、これらの動作点到達目標として、過渡的な目標エンジントルクと目標モータジェネレータトルクと目標第2クラッチ締結トルクと目標自動変速シフトと第1クラッチソレノイド電流指令を演算する。また、動作点指令部400には、EV走行モードからHEV走行モードに遷移するときにエンジンEを始動する図外のエンジン始動制御部が設けられている。
変速制御部500では、予め設定されたシフトスケジュールに沿って、各クラッチ締結トルクと目標変速段を達成するように自動変速機AT内のソレノイドバルブを駆動制御する。尚、このシフトスケジュールは、車速VSPとアクセルペダル開度APOに基づいて予め目標変速段が設定されたものであり、アップシフト線、ダウンシフト線等が設定されている。
更に、動作点指令部400内には、目標駆動力tFoOに基づいて目標締結トルクを演算する目標締結トルク演算部401と、第2クラッチCL2の締結トルクが目標締結トルクとなるように制御する締結トルク制御部402と、第2クラッチCL2の駆動輪側の回転数よりもモータジェネレータMG側の回転数が高くなるようにモータジェネレータMGの回転数を制御するモータ回転数制御部403が設けられている。
更に、目標駆動力tFoOに基づいてモータジェネレータトルクTmgを制御するモータトルク制御部404と、推定されたモータジェネレータトルクTmg,エンジントルクTeng及びモータジェネレータ回転数Nmgに基づいて第2クラッチCL2の締結トルクを推定する締結トルク推定部405と、目標締結トルクと推定された第2クラッチ締結トルクに基づいて、モータ回転数制御部403による制御とモータトルク制御部404による制御を切り換える切換部406が設けられている。
(モータ回転数制御とモータトルク制御を備えた理由)
ここで、モータ回転数制御部403とモータトルク制御部404とを切り換える理由について説明する。
(必要性1):〔第2クラッチCL2のスリップ制御を行うことの必要性〕
ある程度の車速において走行している場合は、第2クラッチCL2を完全締結し、モータジェネレータMGやエンジンEのトルクを制御し、駆動輪のトルクを制御することが最も効率がよい。
一方、車両が発進するときは、駆動輪が停止した状態から徐々にモータジェネレータ回転数が上昇する。このとき、仮にエンジンEが停止し、かつ、第1クラッチCL1が解放されている場合、第2クラッチCL2を完全締結した状態でモータジェネレータMGの駆動力のみによって発進することも可能である。
しかしながら、上記のように発進した場合、極低回転かつ高トルクを出力するため、モータジェネレータMGの効率が低くなり、好ましくない。また、エンジンEの始動要求が成され、エンジンクランキングにトルクを必要とされる場合を考慮し、ある程度モータジェネレータトルクTmgの上限値に余裕を持たせる必要があり、上記のように発進した場合、十分な発進性能を確保できないときがある。また、エンジンEが駆動している場合には、エンジンEのアイドル回転数を確保する必要があり、第2クラッチCL2を完全締結すると、エンジンストールを招く可能性がある。
更に、モータジェネレータMGのみで発進した場合に、発進途中で更に大きな駆動力が要求され、エンジン始動要求が成される場合があり、この要求に応えるべく、第1クラッチCL1を締結してエンジンクランキングを実行することとなる。このとき、モータジェネレータMGに突然大きな負荷が掛かり、モータジェネレータ回転数が一気に低下するおそれがあり、駆動輪速や駆動トルクの変動を招く虞がある。
そこで、発進時には、第2クラッチCL2は、目標駆動力を達成するように締結トルクを制御し、スリップ状態を維持することとした(スリップ制御)。このとき、モータジェネレータMGは目標駆動力を達成しつつエンジン始動等の制御を独立に制御することで、多様な発進シーンに対応可能となる。
(必要性2):〔スリップ制御中にモータ回転数制御を実行する必要性〕
上記のように、第2クラッチCL2のスリップ制御中に、モータジェネレータMGをトルク制御すると、モータジェネレータMGは少なくとも目標駆動力を達成しつつ、更にエンジン始動要求が成された場合には、エンジンクランキングに必要なトルクを上乗せして駆動する必要がある。エンジンクランキングに必要なトルク、第1クラッチCL1を介してエンジンに伝達されるトルクは、エンジン水温等エンジン側の状態、及び要求されるエンジン始動の迅速さ度合い渡欧によって決まる第1クラッチCL1の締結トルクによって大きく異なることから、エンジン始動要求が成された際には、確実にエンジンクランキング可能なトルクをモータジェネレータトルクに上乗せする必要がある。
エンジンクランキングに必要な実トルクが小さい場合、モータジェネレータMGに作用する負荷は非常に小さくなり、モータジェネレータMGの回転数が一気に増大することとなる。このとき、第2クラッチCL2は締結トルクに応じたトルクを駆動輪に出力するのみであるため、駆動輪の回転数が急変することはない。よって、第2クラッチCL2におけるスリップ量が過大となる。このことは、第2クラッチCL2の耐久性の悪化を招き、好ましくない。
そこで、第2クラッチCL2をスリップ制御しているときは、モータジェネレータMGの回転数が、駆動輪の回転数よりも若干高い所定回転数を維持するように制御するモータ回転数制御を行うこととした。モータジェネレータMGが若干高い回転数を維持するには、第2クラッチCL2の締結トルクよりも大きなトルクを必要とするため、回転数制御を行えば必然的にモータジェネレータトルクTmgも目標駆動力tFoOより高めに設定されるはずである。
また、モータジェネレータMGには目標回転数が設定されていることから、この目標回転数を達成するためのトルクとして大きめのトルクがモータジェネレータMGに発生したとしても、この目標回転数を大きく超えることはない。
これにより、モータジェネレータMGが過大に回転することがなく、第2クラッチCL2の耐久性の低下を抑制することができる。
(必要性3):〔完全締結後のトルク制御の必要性〕
次に、所定の条件が成立したときは、第2クラッチCL2の耐久性の観点からも、第2クラッチCL2を完全締結することが望ましい。ただし、モータジェネレータMGをモータ回転数制御している状態で第2クラッチCL2を完全締結すると、以下に示す問題がある。
一般に車両は運転者の意図、すなわちアクセルペダル開度等に基づいて駆動輪のトルクを制御している。言い換えると、運転者はアクセルペダルによって車速を制御するのではなく、トルクを制御している。第2クラッチCL2を完全締結した状態で、上記のように、モータジェネレータMGを回転数制御すると、目標回転数との偏差に応じたトルクを出力してしまい、運転者の意図に沿わないトルクが駆動輪に与えられ、違和感を与えてしまう。
また、耐久性の観点からは第2クラッチCL2を定常的にスリップさせることは困難であり、発進制御処理等が完了した後は、第2クラッチCL2を完全締結させ、エンジンEやモータジェネレータMGによるトルク制御に切り換えることが望ましい。
そこで、実施例1では、上記必要性1,2により、所定の条件が成立したときはスリップ制御から完全締結に移行し、上記必要性3により、モータ回転数制御からモータトルク制御に切り換えるものである。
次に、実施例1のエンジン始動制御処理について説明する。図6はエンジン始動時における第2クラッチCL2の締結制御処理を表すフローチャートである。
ステップS1では、エンジン始動要求があるか否かを判断する。この条件を満たしたときはステップS2へ進み、それ以外のときは本制御フローを終了する。
ステップS2では、目標駆動力tFoOに基づいて第2クラッチCL2の目標締結トルクを演算し、第2クラッチCL2の締結トルクが目標締結トルクとなるように締結トルク制御を実行する。尚、ここで締結トルク制御を実行する際の実締結トルクの検出には、後述するステップS4により推定された実締結トルクTCl2を用いる。
発進時に第2クラッチCL2の締結トルク制御を実行する理由は、上記必要性1において説明したように、第2クラッチCL2の締結トルクを制御しておけば、入力側(エンジンEやモータジェネレータMG)のトルクがどのように変動したとしても、駆動輪側には第2クラッチCL2の締結トルク以上のトルクが出力されることがなく、安定した走行状態を達成できるからである。
ステップS3では、第2クラッチCL2の駆動輪側の回転数よりもモータジェネレータMG側の回転数が高くなるようにモータ回転数制御を実行する。モータ回転数制御を実行する理由は、上記必要性2において説明した通りである。ここで、モータ回転数制御とは、第2クラッチCL2の駆動輪側の回転数を読み込み、この駆動輪側の回転数に所定スリップ量γを加算した値を第2クラッチCL2のモータジェネレータ側の目標回転数Nm*として設定する。そして、この目標回転数Nm*を達成できるように、所定のギヤ比等を加味した目標モータジェネレータ回転数を設定し、この回転数を維持するようにモータジェネレータMGを制御するものである。よって、モータジェネレータMGへの指令値は目標回転数Nm*と実回転数Nmとの偏差に基づく指令値が出力されることとなる。
このとき、モータジェネレータMGにどの程度のトルクが発生するかは最終的な制御対象とはならない。そこで、モータコントローラ2に設けられたモータジェネレータトルク推定部2bにおいて、モータジェネレータMGに流れる電流値に基づくモータジェネレータトルクを推定し、この推定されたモータジェネレータトルクTmgを統合コントローラ10に送信する。
このように、モータジェネレータMGを回転数制御とし、第2クラッチCL2を締結トルク制御とすることで、駆動輪には確実に第2クラッチCL2の締結トルク相当値が出力されることを確保できる。なぜなら、モータジェネレータMGは自身の回転数が第2クラッチCL2の駆動輪側の回転数よりも所定回転数γだけ高い回転数を維持する必要があり、この回転数を維持するトルクは第2クラッチ締結トルクよりも高くなければ絶対に達成できないからである。
ステップS4では、第2クラッチCL2の実締結トルクTCL2を推定する。この推定にあたっては、第1クラッチCL1の締結状態を検出し、解放状態のとき、締結状態のとき、スリップ制御中のときそれぞれに応じた推定がなされる。
第1クラッチCL1の締結状態は、他の制御ロジックに基づいて決定されるものであり、エンジン始動を必要としているとき(HEV走行モードへの遷移要求)はスリップ制御となるし、エンジンEが始動した状態でトルクを出力しているとき(HEV走行モード)は締結状態となるし、エンジンEの駆動力を必要としないとき(EV走行モード)は解放状態となる。
ステップS5では、推定された第2クラッチCL2の締結トルクTCL2が目標駆動力tFoOに誤差aを考慮した所定範囲内にあるか否かを判定し、所定範囲内にあるときは、ステップS6に進み、それ以外のときは第2クラッチ締結トルクTCL2が所定範囲内に収まるまでステップS2からステップS9を繰り返す。
ステップS6では、モータ回転数制御として所定スリップ量γを確保する制御から所定スリップ量が0となるように制御する。すなわち、モータジェネレータMGは所定スリップ量γを確保するために高めのトルクが出力されており、当然回転数も駆動輪側に伝達されている回転数よりも高い状態である。この状態で第2クラッチCL2を完全締結させてしまうと、第2クラッチCL2の入力側のイナーシャトルクが駆動輪側に出力されてしまい、出力トルク変動を招くため、運転者に違和感を与えるおそれがある。
また、モータ回転数制御を行っている状態で、単に第2クラッチCL2の締結トルクTCL2を上昇させると、モータジェネレータMGはスリップ量γを確保すべく大きな駆動トルクを出力してしまう。
そこで、モータ回転数制御によってスリップ量ΔN2が0となるように制御し、モータジェネレータのトルクを徐々に小さくしていくことで第2クラッチCL2のスリップ量ΔN2を徐々に小さくする。
ステップS7では、第2クラッチCL2のスリップ量ΔN2が、完全締結した際のトルク変動が小さいと考えられる許容範囲を表す所定値β未満かどうかを判断し、所定値β未満の時はステップS8に進み、それ以外のときはステップS6に戻りスリップ量ΔN2が小さくなるように制御する。
ステップS8では、モータ回転数制御からモータトルク制御に切り換え、ステップS9では、第2クラッチCL2を完全締結する。
次に、上記制御処理に基づく作用について説明する。尚、実施例1の作用を説明するにあたり、特徴を明確化するため比較例を用いて説明する。図7は比較例における第2クラッチCL2の締結制御を行った場合のタイムチャートである。
尚、説明の為、タイムチャート上の表記について下記のように定義する。入力トルクとは、第2クラッチCL2の入力側であって、エンジントルクTengやモータジェネレータトルクTmgや第1クラッチCL1の締結状態を考慮した値である。クラッチトルクとは、第2クラッチCL2の締結トルクである。スリップ回転数とは第2クラッチCL2のスリップ量である。アウトプットトルクとは、駆動輪に伝達されるトルクである。比較例は、入力トルクを一定として、第2クラッチCL2の締結トルクを制御した場合を表す。
図7に示すように、入力トルクを一定とし、第2クラッチCL2はスリップ制御によって所定スリップ量が発生している。尚、第2クラッチCL2の入力側は出力側よりも高回転である。このとき、スリップ制御から第2クラッチCL2を完全締結させる場合、入力トルクは一定として制御されているため、第2クラッチCL2の締結トルクを上昇させて第2クラッチCL2の入力側回転数を抑制させる(図7中(i)参照)。
このとき、入力側の負荷が大きくなって回転数が低下し始めるが、入力トルク一定制御によって入力トルク自体に変化はない。このとき、入力側の回転数の変化によって入力側のイナーシャトルクが出力側に出力されてしまい、アウトプットトルクが変動する。これにより、運転者に違和感を与えるおそれがあった。
図8は実施例1における第2クラッチCL2の締結制御を行った場合のタイムチャートである。尚、比較例との対比に基づく作用説明では、図8中実線が実施例1の作用を表す。
図8に示すように、入力トルクは一定で示されているが、このトルクは単に第2クラッチCL2のスリップ量を確保するのに必要なトルクが発生しているだけで、特に入力トルク一定制御を行っているわけではない(図8中(ii)参照)。
この状態で、推定された第2クラッチCL2の締結トルクTCL2が目標駆動力tFoOに誤差aを考慮した所定範囲内に収まると、スリップ量が0となるようにモータ回転数制御が実行される(図8中(iii)参照)。このとき、スリップ量が0となる際にイナーシャトルクを出力する。そこで、入力トルクを低下させることでイナーシャトルクを吸収し、アウトプットトルクの変動を抑制する。
スリップ量が略0となると、モータ回転数制御からモータトルク制御に切り換えられると共に、第2クラッチCL2を完全締結とする。よって、第2クラッチCL2が完全締結された状態では、モータトルク制御が実行されるため、アウトプットトルクは目標駆動力に応じた値が出力される。このように、実施例1に構成にあっては、アウトプットトルクに変動を生じることなく第2クラッチCL2を完全締結することができる。
次に、第1クラッチCL1の締結制御処理について説明する。上述したように、実施例1のエンジン始動時には、第2クラッチCL2をスリップさせて要求駆動力に応じた締結トルクTCL2を発生させ、モータジェネレータMGを回転数制御しつつ第1クラッチCL1を締結してエンジンEを始動する。このとき、下記に列挙する課題が懸念される。
(課題1)第1クラッチCL1の締結速度が遅い、すなわち第1クラッチCL1の締結容量の上昇速度の傾きが緩やかであると、エンジンEの低回転共振帯に滞留することになり、フロア振動等の音振が問題となる。ここで、主に共振する低回転共振帯はエンジン回転数が300〜400回転の領域であることが分かった。
(課題2)一方、第1クラッチCL1の締結速度が速い、すなわち第1クラッチCL1の締結容量の上昇速度の傾きが急またはステップ的であると、エンジンイナーシャが大きいため、モータジェネレータMGに想定以上の負荷が作用する。これにより、例えモータジェネレータMGを回転数制御していたとしても、モータ回転数を低下させてしまい、第2クラッチCL2のスリップ量γを確保できず、出力軸に十分なトルクが出力されず駆動力抜けを発生するおそれがある。
(課題3)第1クラッチCL1の締結力が弱い、すなわち第1クラッチCL1の締結容量が小さいと、エンジン完爆後のエンジントルクが第1クラッチCL1の締結容量を上回った場合、第1クラッチCL1を完全締結できなくなるおそれがある。
(課題4)第1クラッチCLの締結力が弱い状態が継続すると、エンジンEとモータジェネレータMGとの回転数差が大きい状態が継続する虞があり、発熱等による第1クラッチCL1の耐久性の悪化が懸念される。尚、回転数差が特に大きくなるシーンとしては、エンジン始動中に自動変速機ATにおいてダウンシフトが行われ、モータジェネレータ回転数Nmgが上昇するような場合が考えられる。
そこで、実施例1では、第1クラッチCL1の締結容量を上昇させる際、低回転共振帯を素早く通過しつつ、モータジェネレータMGの回転数低下を回避可能な第1クラッチ締結トルクTCL1hを演算し、この締結トルクTCL1hに応じた締結容量まで素早く上昇させ、その後、一旦、この締結トルクTCL1hで保持することとした。
また、第1クラッチCL1の締結容量を素早く上昇させる際、この上昇勾配を適宜補正し、上記列挙した課題の全てを解決しつつ、モータジェネレータMGにおける回転数制御の制御状態をも考慮し、安定した駆動力を出力可能とするものである。
以下、上記思想を実現する具体的な処理について図9のフローチャートに基づいて説明する。図9はエンジン始動時の第1クラッチ締結容量制御処理を表すフローチャートである。
ステップS10では、エンジン始動要求が有るかどうかを判断し、エンジン始動要求有りのときはステップS11へ進み、それ以外のときは本制御フローを終了する。
ステップS11では、プリチャージ処理を実行する。ここで、プリチャージ処理とは、クラッチプレートとピストンとの間の隙間を詰めておく処理である。締結容量は隙間が無くなった時点から発生するため、予めガタ詰めを行っておく。尚、本実施例1の第1クラッチCL1は、乾式の常時締結クラッチを採用しており、第1クラッチCL1の完全解放時には油圧を供給し、完全締結時には油圧を非供給状態とする。よって、プリチャージ処理では、一旦油圧を非供給状態としてガタ詰めを行い、再度油圧を供給してすぐに締結容量が発生できる状態にスタンバイしておく。
ステップS12では、第1クラッチCL1の締結容量を勾配α(初期値)で立ち上げる。尚、勾配αは、第1クラッチCL1の最大応答勾配であり、後述する保持締結容量TCL1hに素早く到達するように設定されている。基本的に勾配αを与えれば低回転共振帯を素早く脱する保持締結容量TCL1hを確保することができるものである。尚、保持締結容量TCl1hについては後述する。
ステップS13では、Pレンジ,Nレンジもしくは目標駆動力tFo0が非常に小さいことを表す所定値tFo1未満かどうかを判断し、いずれかの条件を満たすときはステップS15へ進み、それ以外のときはステップS14へ進む。例えば、PレンジやNレンジでは出力軸に駆動力を出力していないため、例えば第1クラッチCL1の締結容量が過剰のときにモータジェネレータMGの回転数を引き込むような状態となっても、運転者に違和感を与えることがなく、低回転共振帯を素早く通過すれば足りる。一方、目標駆動力tFo0が大きいときは、上述のモータジェネレータMGの回転数引き込みによって出力軸に影響を与えてしまうため、この場合はステップS14に進む。
ステップS14では、勾配補正処理を実行する。この勾配補正処理とは、初期値αをエンジン始動状態に応じて適宜補正するものであり、出力軸への影響を確実に排除するものである。詳細については後述する。
ステップS15では、第1クラッチCL1の締結容量が保持締結容量TCL1hに到達したかどうかを判断し、到達したときはステップS16に進み、それ以外のときはステップS13とステップS14を繰り返し実行する。
ここで、保持締結容量TCl1hは、目標始動時間内にエンジンEを停止状態からモータジェネレータMGの回転数と同期する回転数まで引き上げるのに必要なトルクに応じた締結容量である。具体的には、エンジンEを停止状態から始動可能回転数まで引き上げるのに必要な容量と、車両の加速によってモータジェネレータMGの回転数が目標始動時間内に変化するときの回転数変化分だけ引き上げるのに必要な容量に基づいて設定される値である。
エンジンEを始動可能回転数まで引き上げるのに必要なトルク容量とは、エンジンEのイナーシャと、フリクションと、目標始動時間と、始動可能回転数によって定まる値である。
また、車両の加速によってモータジェネレータMGの回転数が目標始動時間内に変化するときの回転数変化分だけ引き上げるのに必要な容量とは、下記の論理構成で算出されるトルク容量である。まず、目標始動時間内で車両がどの程度加速するかを推定する。この推定には、目標駆動力tFto0と、走行抵抗と、車両のイナーシャとから車両の到達車速を推定すれば足りる。次に、この推定到達車速を自動変速機ATのギヤ比と、デファレンシャル等のファイナルギヤ比を加味して算出されるモータジェネレータ回転数に読み替える。そして、目標始動時間内にモータジェネレータ回転数が到達する到達モータジェネレータ回転数を算出し、エンジンの始動可能回転数と到達モータジェネレータ回転数との偏差を算出する。そして、この偏差を目標始動時間内で上昇させることが可能なトルクをエンジンイナーシャとフリクションを考慮して算出する。このトルクが車両の加速によってモータジェネレータMGの回転数が目標始動時間内に変化するときの回転数変化分だけ引き上げるのに必要な容量となる。
すなわち、エンジン始動時には、低回転共振帯を素早く通過させる必要があると共に、エンジン完爆後は素早く第1クラッチCL1を完全締結させたい。このとき、エンジン完爆後にモータジェネレータMGの回転数とエンジン回転数との間に偏差が残っていると、その偏差が小さくなるまでに時間がかかり、好ましくない。また、偏差が残った状態で完全締結してしまうと、引き込みショック等を発生し、やはり好ましくない。
そこで、予めエンジン始動時間内にエンジン回転数とモータジェネレータ回転数との回転数偏差が小さくなるような保持締結容量TCl1hを設定することとした。これにより、低回転共振帯を素早く通過させることができると共に、エンジン始動後、素早く第1クラッチCL1を完全締結することができる。
ステップS17では、第1クラッチCL1のスリップ量ΔN1が所定値a1未満となったか、又はエンジン回転数Neが所定値b1より大きくなったかどうかを判断し、いずれかの条件を満たしたときはステップS18に進み、それ以外は締結容量の保持を継続する。
ステップS18では、完全締結処理を実行する。ここで、完全締結処理とは、保持締結容量TCL1hから完全締結可能な締結容量まで素早く上昇させるものである。完全締結可能な締結容量とは、少なくともエンジンEが完爆し自立回転を始めたとしても、第1クラッチCL1のスリップ量ΔN1が増大することのない締結容量よりも大きな値である。
次に、ステップS14における勾配補正処理について説明する。図10は実施例1のMG型勾配補正処理を表すフローチャートである。
ステップS101では、モータジェネレータMGの目標回転数Nm*と実回転数Nmとの偏差の絶対値が閾値より大きいか否かを判断し、大きいときはステップS103へ進み、それ以外のときは精度よく制御できているためステップS102へ進み、現在の第1クラッチCL1の勾配αを維持する。
ステップS103では、モータジェネレータMGの実回転数Nmが目標回転数Nm*よりも大きいかどうかを判断し、大きいときはモータジェネレータMGの回転数制御においてオーバーシュート気味に制御されている場合であるため、ステップS104に進む。一方、実回転数Nmが目標回転数Nm*以下のときはモータジェネレータMGの回転数制御において十分なトルクが確保されていない場合であるため、ステップS105に進む。
ステップS104では、第1クラッチCL1の締結容量の勾配αをより急に補正する。第1クラッチCL1の締結容量の上昇勾配が急になると、モータジェネレータMGに作用する負荷が増大し、モータジェネレータMGの回転数を引き下げる方向に作用するため、モータジェネレータMGの回転数制御におけるオーバーシュート気味の制御を安定化させることができる。
ステップS105では、第1クラッチCL1の締結容量の勾配αをより緩やかに補正する。第1クラッチCL1の締結容量の上昇勾配が緩やかになると、モータジェネレータMGに作用する負荷が減少し、モータジェネレータMGの回転数を上昇させる方向に作用するため、モータジェネレータMGの回転数制御において追従性の悪化を防止することができる。
次に、上記フローチャートに基づく作用について説明する。図11は目標駆動力tFto0が非常に小さい走行中にエンジン始動要求が成された場合の第1クラッチCL1の締結容量制御を表すタイムチャートである。
時刻t1において、エンジン始動要求がなされると、プリチャージ処理が実行される。このプリチャージ処理はタイマ等によって管理されており、所定時間経過後にプリチャージ処理が完了したと判断される。
時刻t2において、第1クラッチCL1の締結容量が勾配αによって上昇する。このとき、締結容量はTCL1hまで上昇した後、保持される。これにより、エンジン回転数Neは低回転共振帯を素早く通過する。
時刻t3において、エンジン回転数が上昇し、第1クラッチCL1のスリップ量ΔN1が所定値a1未満もしくはエンジン回転数Neが完爆判定を表す所定回転数b1よりも大きくなると、締結容量保持を終了し、完全締結処理に移行する。時刻t4において完全締結処理が終了し、エンジン始動を完了する。
図12は目標駆動力tFto0が大きい走行中にエンジン始動要求が成された場合の第1クラッチCL1の締結容量制御を表すタイムチャートである。
時刻t1〜時刻t2までは図11に示すタイムチャートと同じであるため、説明を省略する。
時刻t3において、モータジェネレータMGの実回転数Nmが目標回転数Nm*よりも低下すると、勾配αが緩やかになるように補正される。すると、モータジェネレータMGに作用する負荷が小さくなり、モータジェネレータMGの回転数を上昇させる方向に作用するため、モータジェネレータMGの回転数制御において追従性の悪化を防止することができる。
時刻t4において、第1クラッチCL1の締結容量がTCL1hに到達すると、保持される。これにより、エンジン回転数Neは低回転共振帯を素早く通過する。
時刻t5において、エンジン回転数が上昇し、第1クラッチCL1のスリップ量ΔN1が所定値a1未満もしくはエンジン回転数Neが完爆判定を表す所定回転数b1よりも大きくなると、締結容量保持を終了し、完全締結処理に移行する。時刻t6において完全締結処理が終了し、エンジン始動を完了する。
以上説明したように実施例1の構成にあっては、下記に列挙する作用効果を得ることができる。
(1)目標始動時間内にモータジェネレータMGの回転数と同期する回転数までエンジンEを引き上げるのに必要なトルクに応じた保持締結容量TCl1hを設定し、エンジンEを始動するときは、第1クラッチCL1の締結容量を所定勾配で保持締結容量TCl1hまで上昇させて保持することとした。具体的には、保持締結容量TCl1hとして、エンジンEを始動可能回転数まで引き上げるのに必要な容量と、車両の加速によってモータジェネレータMGの回転数が目標始動時間内に変化するときの回転数変化分だけ引き上げるのに必要な容量とから保持締結容量TCl1hを設定した。
これにより、低回転共振帯を素早く通過させることができると共に、車両が加速しているときであっても、エンジン始動後、素早く第1クラッチCL1を完全締結することができる。
(2)所定勾配αを、第1締結要素の最大応答勾配とした。よって、低回転共振帯を素早く通過でき、エンジン始動に要する時間を短縮することができる。
(3)第1クラッチCL1のスリップ量ΔN1が所定値a1以下、または、エンジン回転数Neが始動可能回転数b1以上となるまで保持を継続することとした。よって、エンジン回転数とモータジェネレータ回転数とが同期してから第1クラッチCL1を完全締結することが可能となり、クラッチ締結ショックを抑制することができる。また、クラッチのスリップ量が小さい状態で完全締結移行できるため、発熱や耐久性悪化を抑制することができる。
(4)第1クラッチCL1の締結容量の保持が終了したときは、第1クラッチCL1の完全締結容量まで第1クラッチCL1の最大応答勾配で上昇させることとした。よって、エンジン始動を素早く完了することができる。
(5)モータジェネレータMGと駆動輪との間に介装された第2クラッチCL2を有し、エンジンEを始動するときは、第2クラッチCL2を目標駆動力の締結容量となるようにスリップ制御する。そして、第2クラッチCL1の駆動輪側回転数に所定回転数γを加算した目標回転数Nm*を設定し、モータジェネレータMGが目標回転数Nm*となるように回転数制御する。このとき、モータジェネレータMGの実回転数Nmが目標回転数Nm*より小さいときは所定勾配αを緩やかになるように補正する勾配補正処理を実行することとした。
実回転数Nmが目標回転数Nm*より小さいときは、モータジェネレータMGの回転数制御においてモータジェネレータMGにトルクが十分確保されていないときである。このときは、所定勾配αを緩やかになるように補正することで、第1クラッチCL1の締結容量が過剰とならないようにし、モータジェネレータMGの実回転数Nmが上昇するよに作用させることで、安定したエンジン始動制御を達成することができる。
尚、基本的に所定勾配αは最大応答速度に対応しているが、上記のように所定勾配αを緩やかになるように補正した後、モータジェネレータMGの実回転数Nmが目標回転数Nm*よりも大きくなる場合が想定されうる。このときは、所定勾配αを急になるように補正することで、第1クラッチCL1の締結容量不足を解消し、モータジェネレータMGの実回転数Nmを上昇させることができる。
尚、実施例1では、モータジェネレータMGの目標回転数Nm*と実回転数Nmとの偏差に応じて勾配補正処理を実行したが、この偏差とは、第2クラッチCL2のスリップ量ΔN2と同様の値である。すなわち、モータジェネレータMGの回転数制御を前提とした場合、モータジェネレータMGの目標回転数Nm*は第2クラッチCL2の出力側の回転数に所定回転数γを加算した値であり、第2クラッチCL2のスリップ量は、そもそもγとなるように制御されている。第2クラッチCL2のスリップ量ΔN2がγより小さいときとは、モータジェネレータMGの実回転数Nmが目標回転数Nm*より小さいときと同じであり、スリップ量ΔN2がγより大きいときは、モータジェネレータMGの実回転数Nmが目標回転数Nm*より大きいときと同じであるからである。
よって、モータジェネレータMGの回転数に基づく勾配補正処理は、第2クラッチCL2のスリップ量ΔN2に基づく勾配補正処理としても同様の作用効果を得ることができる。
次に実施例2について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。
実施例1では、図9に示すステップS14において、勾配補正処理として図10に示すようにモータジェネレータMGの目標回転数Nm*と実回転数Nmとの関係(もしくは、第2クラッチCL2のスリップ量ΔN2)に基づいて補正した。これに対し、実施例2では、第1クラッチCL1のスリップ量ΔN1に基づいて補正する点が異なる。
図13は実施例2の勾配補正処理を表すフローチャートである。尚、この勾配補正処理が実行される際、モータジェネレータMGの回転数制御は精度よく実施されているものとする。
ステップS201では、第1クラッチCL1の目標スリップ量ΔN1*と実スリップ量ΔN1との偏差の絶対値が閾値より大きいか否かを判断し、大きいときはステップS203へ進み、それ以外のときは精度よく制御できているためステップS202へ進み、現在の第1クラッチCL1の勾配αを維持する。
尚、目標スリップ量ΔN1*とは、目標始動時間内にスリップ量が徐々に小さくなって締結ショック等を回避可能なように設定されており、予めマップ等で設定されている。よって、制御周期毎にマップから適正な目標スリップ量ΔN1*を読み込み、逐次目標値を更新するものである。
ステップS203では、第1クラッチCL1の実スリップ量ΔN1が目標スリップ量ΔN1*よりも小さいかどうかを判断し、小さいときは第1クラッチCL1が想定している締結トルクよりも大きく、モータジェネレータMGに過度の負荷が作用するおそれがあるため、このときは、ステップS205に進む。一方、実スリップ量ΔN1が目標スリップ量ΔN1*以下のときは、第1クラッチCL1が想定している締結トルクよりも小さく、スリップ量が大きくなっているため、このときは、ステップS204に進む。
ステップS204では、第1クラッチCL1の締結容量の勾配αをより急に補正する。第1クラッチCL1の締結容量の上昇勾配が急になると、エンジン回転数Neを引き上げる作用が強くなり、スリップ量ΔN1を小さくすることで、締結ショック等を回避することができる。
ステップS205では、第1クラッチCL1の締結容量の勾配αをより緩やかに補正する。第1クラッチCL1の締結容量の上昇勾配が緩やかになると、エンジン回転数Neの上昇速度が小さくなり、スリップ量ΔN1を大きくすることで、締結ショック等を回避することができる。
次に、上記フローチャートに基づく作用について説明する。図14は目標駆動力tFto0が大きい走行中にエンジン始動要求が成された場合の第1クラッチCL1の締結容量制御を表すタイムチャートである。
時刻t1において、エンジン始動要求がなされると、プリチャージ処理が実行される。このプリチャージ処理はタイマ等によって管理されており、所定時間経過後にプリチャージ処理が完了したと判断される。
時刻t2において、第1クラッチCL1の締結容量が勾配αによって上昇する。
時刻t3において、第1クラッチCL1の実スリップ量ΔN1が目標スリップ量ΔN1*よりも低下すると、勾配αが緩やかになるように補正される。すると、エンジン回転数Neを引き上げるトルクが小さくなり、スリップ量ΔN1が増大することで、目標スリップ量ΔN1*に近づき、締結ショック等を抑制することができる。
時刻t4において、第1クラッチCL1の締結容量がTCL1hに到達すると、保持される。これにより、エンジン回転数Neは低回転共振帯を素早く通過する。
時刻t5において、エンジン回転数が上昇し、第1クラッチCL1のスリップ量ΔN1が所定値a1未満もしくはエンジン回転数Neが完爆判定を表す所定回転数b1よりも大きくなると、締結容量保持を終了し、完全締結処理に移行する。時刻t6において完全締結処理が終了し、エンジン始動を完了する。
以上説明したように実施例2の構成にあっては、実施例1の(1)〜(4)に加えて下記に列挙する作用効果を得ることができる。
(6)モータジェネレータMGと駆動輪との間に介装された第2クラッチCL2を有し、エンジンEを始動するときは、第2クラッチCL2を目標駆動力の締結容量となるようにスリップ制御する。そして、第2クラッチCL1の駆動輪側回転数に所定回転数γを加算した目標回転数Nm*を設定し、モータジェネレータMGが目標回転数Nm*となるように回転数制御する。このとき、第1クラッチCL1のスリップ量ΔN1が目標スリップ量ΔN1*より小さいときは所定勾配αを緩やかになるように補正する勾配補正処理を実行することとした。
実スリップ量ΔN1が目標スリップ量ΔN1*より小さいときは、第1クラッチCL1が想定している締結トルクよりも大きく、モータジェネレータMGに過度の負荷が作用するおそれがある。このときは、第1クラッチCL1の締結容量の勾配αをより緩やかに補正することで、エンジン回転数Neの上昇速度が小さくなり、スリップ量ΔN1を大きくすることで、締結ショック等を回避することができる。
一方、実スリップ量ΔN1が目標スリップ量ΔN1*以下のときは、第1クラッチCL1が想定している締結トルクよりも小さく、スリップ量が大きくなっている。このときは、第1クラッチCL1の締結容量の勾配αをより急に補正することで、エンジン回転数Neを引き上げる作用が強くなり、スリップ量ΔN1を小さくすることで、締結ショック等を回避することができる。
次に実施例3について説明する。実施例1,2では、エンジン始動時において、モータジェネレータMGを回転数制御に切り替える構成を前提としていた。これに対し、実施例3では、モータジェネレータMGは常にトルク制御が行われることを前提とする。
図15は実施例3の統合コントローラ10における制御構成を表すブロック図である。図2に示す制御構成と比較したとき、図2のモータ回転数制御部403に代えてエンジン始動時モータトルク制御部4031が設けられている点が異なる。
エンジン始動時モータトルク制御部4031では、エンジン始動要求が成されると、通常の目標駆動力に加えて、エンジン始動に必要なトルクを上乗せしたトルクをエンジン始動時目標トルクTmg*に設定し、このトルクを達成するようにフィードバック制御がなされる。
図16はエンジン始動時における第2クラッチCL2の締結制御処理を表すフローチャートである。
ステップS1では、エンジン始動要求があるか否かを判断する。この条件を満たしたときはステップS2へ進み、それ以外のときは本制御フローを終了する。
ステップS2では、目標駆動力tFoOに基づいて第2クラッチCL2の目標締結トルクを演算し、第2クラッチCL2の締結トルクが目標締結トルクとなるように締結トルク制御を実行する。尚、ここで締結トルク制御を実行する際の実締結トルクの検出には、後述するステップS4により推定された実締結トルクTCL2を用いる。
発進時に第2クラッチCL2の締結トルク制御を実行する理由は、上記必要性1において説明したように、第2クラッチCL2の締結トルクを制御しておけば、入力側(エンジンEやモータジェネレータMG)のトルクがどのように変動したとしても、駆動輪側には第2クラッチCL2の締結トルク以上のトルクが出力されることがなく、安定した走行状態を達成できるからである。
ステップS3'では、通常の目標駆動力を達成する駆動力に加えて、エンジン始動に必要なトルクを上乗せしたトルクを目標トルクTmg*に設定し、このトルクを達成するようにフィードバック制御がなされる。よって、モータジェネレータMGへの指令値は目標トルクTmg*と実トルクTmgとの偏差に基づく指令値が出力されることとなる。
尚、モータジェネレータMGをトルク制御とし、第2クラッチCL2を締結トルク制御とした場合、モータジェネレータMGには目標駆動力よりも高いトルクが付与されるため、駆動輪には確実に第2クラッチCL2の締結トルク相当値が出力されることを確保できる。このとき、第2クラッチCL2はスリップ状態となることで、駆動輪にトルク変動等が伝達されることはない。
ステップS4では、第2クラッチCL2の実締結トルクTCL2を推定する。この推定にあたっては、第1クラッチCL1の締結状態を検出し、解放状態のとき、締結状態のとき、スリップ制御中のときそれぞれに応じた推定がなされる。
第1クラッチCL1の締結状態は、他の制御ロジックに基づいて決定されるものであり、エンジン始動を必要としているとき(HEV走行モードへの遷移要求)はスリップ制御となるし、エンジンEが始動した状態でトルクを出力しているとき(HEV走行モード)は締結状態となるし、エンジンEの駆動力を必要としないとき(EV走行モード)は解放状態となる。
ステップS5では、推定された第2クラッチCL2の締結トルクTCL2が目標駆動力tFoOに誤差aを考慮した所定範囲内にあるか否かを判定し、所定範囲内にあるときは、ステップS7'に進み、それ以外のときは第2クラッチ締結トルクTCL2が所定範囲内に収まるまでステップS2からステップS4を繰り返す。
ステップS7'では、エンジンEが完爆したかどうかを判定し、完爆したときはステップS8に進み、それ以外のときはステップS2〜ステップS5を繰り返す。
ステップS8では、エンジン始動時モータトルク制御からモータトルク制御に切り換え、ステップS9では、第2クラッチCL2を完全締結する。
次に、第1クラッチCL1の締結制御処理について説明する。基本的な制御フローは実施例1,2と同様であるため、異なる点についてのみ説明する。実施例3では、図9に示すフローチャートのうち、ステップS14における勾配補正処理が異なる。以下、実施例3における勾配補正処理について説明する。
図17は実施例3における勾配補正処理を表すフローチャートである。
ステップS301では、モータジェネレータMGの目標トルクTmg*と実トルクTmgとの偏差の絶対値が閾値より大きいか否かを判断し、大きいときはステップS303へ進み、それ以外のときは精度よく制御できているためステップS302へ進み、現在の第1クラッチCL1の勾配αを維持する。
ステップS303では、モータジェネレータMGの実トルクTmgが目標トルクTmg*よりも大きいかどうかを判断し、大きいときはモータジェネレータMGに作用している負荷が過剰であると判断してステップS305に進む。一方、実トルクTmgが目標トルクTmg*以下のときはモータジェネレータMGの負荷が不足しており十分なトルクが確保されていないと場合であるため、ステップS304に進む。
ステップS304では、第1クラッチCL1の締結容量の勾配αをより急に補正する。第1クラッチCL1の締結容量の上昇勾配が急になると、モータジェネレータMGに作用する負荷が増大し、モータジェネレータMGのトルクが増大するため、過剰なスリップを招くことがなく、安定した締結制御が実行できる。
ステップS305では、第1クラッチCL1の締結容量の勾配αをより緩やかに補正する。第1クラッチCL1の締結容量の上昇勾配が緩やかになると、モータジェネレータMGに作用する負荷が減少し、モータジェネレータMGのトルクが減少するため、第1クラッチCL1及び第2クラッチCL2共に適正なスリップ量を確保でき、安定した締結制御が実行できる。
次に、上記フローチャートに基づく作用について説明する。図18は目標駆動力tFto0が大きい走行中にエンジン始動要求が成された場合の第1クラッチCL1の締結容量制御を表すタイムチャートである。
時刻t1において、エンジン始動要求がなされると、プリチャージ処理が実行される。このプリチャージ処理はタイマ等によって管理されており、所定時間経過後にプリチャージ処理が完了したと判断される。
時刻t2において、第1クラッチCL1の締結容量が勾配αによって上昇する。
時刻t3において、モータジェネレータMGの実トルクTmgが目標トルクTmg*よりも増大すると、勾配αが緩やかになるように補正される。すると、モータジェネレータMGに作用する負荷が小さくなり、モータジェネレータMGのトルクが小さくなるため、モータジェネレータMGのエンジン始動時モータトルク制御において追従性の悪化を防止することができる。
時刻t4において、第1クラッチCL1の締結容量がTCL1hに到達すると、保持される。これにより、エンジン回転数Neは低回転共振帯を素早く通過する。
時刻t5において、エンジン回転数が上昇し、第1クラッチCL1のスリップ量ΔN1が所定値a1未満もしくはエンジン回転数Neが完爆判定を表す所定回転数b1よりも大きくなると、締結容量保持を終了し、完全締結処理に移行する。時刻t6において完全締結処理が終了し、エンジン始動を完了する。
以上説明したように実施例3の構成にあっては、実施例1の(1)〜(4)に加えて下記に列挙する作用効果を得ることができる。
(7)エンジンEを始動するときは、エンジン始動可能なモータジェネレータの目標トルクTmg*を設定し、モータジェネレータMGが目標トルクTmg*となるようにトルク制御する。このとき、モータジェネレータMGの実トルクTmgが目標トルクTmg*より大きいときは所定勾配αを緩やかになるように補正することとした。
よって、モータジェネレータMGの実トルクTmgが目標トルクTmg*に追従するように第1クラッチCL1の締結容量の勾配を制御することで、安定した締結制御を実行することができる。
次に実施例4について説明する。基本的な構成は実施例3と同じであるため異なる点についてのみ説明する。実施例3では、勾配補正処理として、目標トルクTmg*と実トルクTmgに基づく制御を行っていた。これに対し、実施例4では、第2クラッチCL2のスリップ量ΔN2に基づいて勾配補正処理を行う点が異なる。
図19は実施例4の勾配補正処理を表すフローチャートである。
ステップS401では、第2クラッチCL2の目標スリップ量ΔN2*と実スリップ量ΔN2との偏差の絶対値が閾値より大きいか否かを判断し、大きいときはステップS403へ進み、それ以外のときは精度よく制御できているためステップS402へ進み、現在の第1クラッチCL1の勾配αを維持する。
ステップS403では、第2クラッチCL2の実スリップ量ΔN2が目標スリップ量ΔN2*よりも小さいかどうかを判断し、小さいときはモータジェネレータMGに作用している負荷が過剰であると判断してステップS405に進む。一方、実スリップ量ΔN2が目標スリップ量ΔN2g*以上のときはモータジェネレータMGの負荷が不足しており十分なトルクが確保されていないと場合であるため、ステップS404に進む。
ステップS404では、第1クラッチCL1の締結容量の勾配αをより急に補正する。第1クラッチCL1の締結容量の上昇勾配が急になると、モータジェネレータMGに作用する負荷が増大し、モータジェネレータMGの回転数を抑制するため、過剰なスリップを招くことがなく、安定した締結制御が実行できる。
ステップS405では、第1クラッチCL1の締結容量の勾配αをより緩やかに補正する。第1クラッチCL1の締結容量の上昇勾配が緩やかになると、モータジェネレータMGに作用する負荷が減少し、モータジェネレータMGの回転数を上昇させるため、第2クラッチCL2は適正なスリップ量を確保でき、安定した締結制御が実行できる。
次に、上記フローチャートに基づく作用について説明する。図20は目標駆動力tFto0が大きい走行中にエンジン始動要求が成された場合の第1クラッチCL1の締結容量制御を表すタイムチャートである。
時刻t1において、エンジン始動要求がなされると、プリチャージ処理が実行される。このプリチャージ処理はタイマ等によって管理されており、所定時間経過後にプリチャージ処理が完了したと判断される。
時刻t2において、第1クラッチCL1の締結容量が勾配αによって上昇する。
時刻t3において、第2クラッチCL2の実スリップ量ΔN2が目標スリップ量ΔN2*よりも小さくなると、勾配αが緩やかになるように補正される。すると、モータジェネレータMGに作用する負荷が小さくなり、モータジェネレータMGの回転数を上昇させるため、第2クラッチCL2は適正なスリップ量を確保でき、安定した締結制御が実行できる。
時刻t4において、第1クラッチCL1の締結容量がTCL1hに到達すると、保持される。これにより、エンジン回転数Neは低回転共振帯を素早く通過する。
時刻t5において、エンジン回転数が上昇し、第1クラッチCL1のスリップ量ΔN1が所定値a1未満もしくはエンジン回転数Neが完爆判定を表す所定回転数b1よりも大きくなると、締結容量保持を終了し、完全締結処理に移行する。時刻t6において完全締結処理が終了し、エンジン始動を完了する。
以上説明したように実施例4の構成にあっては、実施例1の(1)〜(4)に加えて下記に列挙する作用効果を得ることができる。
(8)エンジンEを始動するときは、エンジン始動可能なモータジェネレータMGの目標トルクTmg*を設定し、モータジェネレータMGが目標トルクTmg*となるようにトルク制御する。このとき、第2クラッチCL2の実スリップ量ΔN2が目標スリップ量ΔN2*より小さいときは前記所定勾配を緩やかになるように補正することとした。
すなわち、実スリップ量ΔN2が目標スリップ量ΔN2*より小さいときはモータジェネレータMGに作用している負荷が過剰であると判断できる。このときは、第1クラッチCL1の締結容量の勾配αをより緩やかに補正することで、モータジェネレータMGに作用する負荷が減少し、モータジェネレータMGの回転数を上昇させるため、第2クラッチCL2は適正なスリップ量を確保でき、安定した締結制御が実行できる。
一方、実スリップ量ΔN2が目標スリップ量ΔN2g*以上のときはモータジェネレータMGの負荷が不足しており十分なトルクが確保されていないと判断できる。このときは、第1クラッチCL1の締結容量の勾配αをより急に補正することで、モータジェネレータMGに作用する負荷が増大し、モータジェネレータMGの回転数を抑制するため、過剰なスリップを招くことがなく、安定した締結制御が実行できる。
次に実施例5について説明する。基本的な構成は実施例3と同じであるため異なる点についてのみ説明する。実施例3では、勾配補正処理として、目標トルクTmg*と実トルクTmgに基づく制御を行っていた。これに対し、実施例5では、第1クラッチCL1のスリップ量ΔN1に基づいて勾配補正処理を行う点が異なる。
図21は実施例5の勾配補正処理を表すフローチャートである。
ステップS501では、第1クラッチCL1の目標スリップ量ΔN1*と実スリップ量ΔN1との偏差の絶対値が閾値より大きいか否かを判断し、大きいときはステップS503へ進み、それ以外のときは精度よく制御できているためステップS502へ進み、現在の第1クラッチCL1の勾配αを維持する。
ステップS503では、第1クラッチCL1の実スリップ量ΔN1が目標スリップ量ΔN1*よりも小さいかどうかを判断し、小さいときは第1クラッチCL1の締結容量が大きすぎると判断してステップS505に進む。一方、実スリップ量ΔN1が目標スリップ量ΔN1g*以上のときは第1クラッチCL1の締結容量が小さすぎると判断してステップS504に進む。
ステップS504では、第1クラッチCL1の締結容量の勾配αをより急に補正する。第1クラッチCL1の締結容量の上昇勾配が急になると、モータジェネレータMGに作用する負荷が増大し、モータジェネレータMGの回転数を抑制すると共に、エンジン回転数を上昇させるため、過剰なスリップを招くことがなく、安定した締結制御が実行できる。
ステップS505では、第1クラッチCL1の締結容量の勾配αをより緩やかに補正する。第1クラッチCL1の締結容量の上昇勾配が緩やかになると、モータジェネレータMGに作用する負荷が減少し、モータジェネレータMGの回転数を上昇させると共に、エンジン回転数の上昇を抑制するため、第1クラッチCL1は適正なスリップ量を確保でき、安定した締結制御が実行できる。
次に、上記フローチャートに基づく作用について説明する。図22は目標駆動力tFto0が大きい走行中にエンジン始動要求が成された場合の第1クラッチCL1の締結容量制御を表すタイムチャートである。
時刻t1において、エンジン始動要求がなされると、プリチャージ処理が実行される。このプリチャージ処理はタイマ等によって管理されており、所定時間経過後にプリチャージ処理が完了したと判断される。
時刻t2において、第1クラッチCL1の締結容量が勾配αによって上昇する。
時刻t3において、第1クラッチCL1の実スリップ量ΔN1が目標スリップ量ΔN1*よりも減少すると、勾配αが緩やかになるように補正される。すると、モータジェネレータMGに作用する負荷が小さくなり、モータジェネレータMGの回転数を上昇させると共に、エンジン回転数の上昇を抑制するため、第1クラッチCL1は適正なスリップ量を確保でき、安定した締結制御が実行できる。
時刻t4において、第1クラッチCL1の締結容量がTCL1hに到達すると、保持される。これにより、エンジン回転数Neは低回転共振帯を素早く通過する。
時刻t5において、エンジン回転数が上昇し、第1クラッチCL1のスリップ量ΔN1が所定値a1未満もしくはエンジン回転数Neが完爆判定を表す所定回転数b1よりも大きくなると、締結容量保持を終了し、完全締結処理に移行する。時刻t6において完全締結処理が終了し、エンジン始動を完了する。
以上説明したように実施例5の構成にあっては、実施例1の(1)〜(4)に加えて下記に列挙する作用効果を得ることができる。
(9)エンジンEを始動するときは、エンジン始動可能なモータジェネレータMGの目標トルクTmg*を設定し、モータジェネレータMGが目標トルクTmg*となるようにトルク制御する。このとき、第1クラッチCL1の実スリップ量ΔN1が目標スリップ量ΔN1*より小さいときは前記所定勾配を緩やかになるように補正することとした。
すなわち、実スリップ量ΔN1が目標スリップ量ΔN1*より小さいときはモータジェネレータMGに作用している負荷が過剰であると判断できる。このときは、第1クラッチCL1の締結容量の勾配αをより緩やかに補正することで、モータジェネレータMGに作用する負荷が減少し、モータジェネレータMGの回転数を上昇させると共に、エンジン回転数の上昇を抑制するため、第1クラッチCL1は適正なスリップ量を確保でき、安定した締結制御が実行できる。
一方、実スリップ量ΔN1が目標スリップ量ΔN1*以上のときはモータジェネレータMGの負荷が不足しており十分なトルクが確保されていないと判断できる。このときは、第1クラッチCL1の締結容量の勾配αをより急に補正することで、モータジェネレータMGに作用する負荷が増大し、モータジェネレータMGの回転数を抑制すると共に、エンジン回転数を上昇させるため、過剰なスリップを招くことがなく、安定した締結制御が実行できる。
以上、各実施例1〜5について説明したが、上記各実施例に限らず、各実施例の構成を適宜組み合わせて実施してもよい。例えば、実施例1と実施例2は前提構成として、エンジン始動時にモータ回転数制御を実行している点で共通していることから、実施例1と実施例2の勾配補正処理の両方を実行し、両方から算出された勾配補正量を適当なゲイン設定により加算して補正するように構成してもよい。
また、実施例3〜5は前提構成として、エンジン始動時にモータトルク制御を実行している点で共通していることから、実施例3〜実施例5の勾配補正処理をそれぞれ実行し、算出された3つの勾配補正量を適当なゲイン設定により加算して補正するように構成してもよい。
ここで、本発明は、前提構成として、エンジンと、モータジェネレータと、前記エンジンと前記モータジェネレータの間に介装された第1締結要素と、前記モータジェネレータと駆動輪との間に介装された第2締結要素と、前記エンジンを始動可能回転数まで引き上げるのに必要なトルク容量と、車両の加速に必要なトルク容量に基づいて前記第1締結要素の保持締結容量を設定する保持締結容量設定手段と、前記エンジンを始動するときは、前記第2締結要素をスリップ制御する第2締結要素制御手段と、前記エンジンを始動するときは、前記第1締結要素の締結容量を所定勾配で前記保持締結容量まで上昇させた状態で保持するエンジン始動時保持手段と、を備えた場合、最終的に達成するのは、前記第2締結要素のモータジェネレータ側の回転数が前記第2締結要素の駆動輪側の回転数よりも高くなるように前記勾配を補正する勾配補正手段を備えていればよい。
走行中のエンジン始動時は、第1クラッチCL1及び第2クラッチCL2共にスリップ制御させる。このとき、各クラッチのスリップ量とモータジェネレータMGの作動状態とは密接な関係にある。
ここで、スムーズなエンジン始動を達成するために必要な条件は、第2クラッチCL2のスリップ状態は、駆動輪側よりモータジェネレータ側の回転数が高いことであり、この条件は、エンジン始動時にモータ回転数制御をしていようがモータトルク制御をしていようが変わるところがない。
この状態を達成するには、モータジェネレータMGの作動状態が適正でなければならないため、モータジェネレータMG自身の駆動力を適宜調整するか、モータジェネレータMGに作用する負荷を適宜調整するしかない。そこで、各実施例では、モータジェネレータMG自身の駆動状態を制御するものや、モータジェネレータMGに作用する負荷状態を制御するものを提案したものである。
実施例1の後輪駆動のハイブリッド車両を示す全体システム図である。 実施例1の統合コントローラにおける演算処理プログラムを示す制御ブロック図である。 図2の目標駆動力演算部にて目標駆動力演算に用いられる目標駆動力マップの一例を示す図である。 図2のモード選択部にて目標モードの選択に用いられるEV-HEV選択マップを示す図である。 図2の目標充放電演算部にて目標充放電電力の演算に用いられる目標充放電量マップの一例を示す図である。 実施例1のエンジン始動時における第2クラッチの締結制御処理を表すフローチャートである。 比較例における第2クラッチの締結制御を行った場合のタイムチャートである。 実施例1における第2クラッチの締結制御を行った場合のタイムチャートである。 実施例1における第1クラッチの締結制御処理を表すフローチャートである。 実施例1における勾配補正処理を表すフローチャートである。 実施例1における目標駆動力が小さいときの第1クラッチ締結制御処理を表すタイムチャートである。 実施例1における目標駆動力が大きいときの第1クラッチ締結制御処理を表すタイムチャートである。 実施例2における勾配補正処理を表すフローチャートである。 実施例2における目標駆動力が大きいときの第1クラッチ締結制御処理を表すタイムチャートである。 実施例3の統合コントローラにおける演算処理プログラムを示す制御ブロック図である。 実施例3のエンジン始動時における第2クラッチの締結制御処理を表すフローチャートである。 実施例3における勾配補正処理を表すフローチャートである。 実施例3における目標駆動力が大きいときの第1クラッチ締結制御処理を表すタイムチャートである。 実施例4における勾配補正処理を表すフローチャートである。 実施例4における目標駆動力が大きいときの第1クラッチ締結制御処理を表すタイムチャートである。 実施例5における勾配補正処理を表すフローチャートである。 実施例5における目標駆動力が大きいときの第1クラッチ締結制御処理を表すタイムチャートである。
符号の説明
E エンジン
FW フライホイール
CL1 第1クラッチ
MG モータジェネレータ
CL2 第2クラッチ
AT 自動変速機
PS プロペラシャフト
DF ディファレンシャル
DSL 左ドライブシャフト
DSR 右ドライブシャフト
RL 左後輪(駆動輪)
RR 右後輪(駆動輪)
FL 左前輪
FR 右前輪
1 エンジンコントローラ
2 モータコントローラ
3 インバータ
4 バッテリ
5 第1クラッチコントローラ
6 第1クラッチ油圧ユニット
7 ATコントローラ
8 第2クラッチ油圧ユニット
9 ブレーキコントローラ
10 統合コントローラ
24 ブレーキ油圧センサ
100 目標駆動力演算部
200 モード選択部
300 目標充放電演算部
400 動作点指令部
500 変速制御部

Claims (11)

  1. エンジンと、
    駆動輪に接続されたモータジェネレータと、
    前記エンジンと前記モータジェネレータの間に介装された第1締結要素と、
    目標始動時間内に前記エンジンを停止状態から前記モータジェネレータの回転数と同期する回転数まで引き上げるのに必要なトルクに応じた保持締結容量を設定する保持締結容量設定手段と、
    前記エンジンを始動するときは、前記第1締結要素の締結容量を所定勾配で前記保持締結容量まで上昇させて保持する締結容量保持手段と、
    を備えたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記保持締結容量は、前記エンジンを始動可能回転数まで引き上げるのに必要な容量と、車両の加速によって前記モータジェネレータの回転数が前記目標始動時間内に変化するときの回転数変化分だけ引き上げるのに必要な容量とから設定されることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  3. 請求項1または2に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記所定勾配を、前記第1締結要素の最大応答勾配としたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  4. 請求項1ないし3いずれか1つに記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記締結容量保持手段は、前記第1締結要素のスリップ量が所定値以下、または、前記エンジンの回転数が始動可能回転数以上となるまで前記保持を継続することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  5. 請求項4に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記エンジン始動時保持手段による保持が終了したときは、前記第1締結要素の完全締結容量まで前記第1締結要素の最大応答勾配で上昇させる完全締結手段を設けたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  6. 請求項1ないし5いずれか1つに記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記モータジェネレータと駆動輪との間に介装された第2締結要素と、
    前記エンジンを始動するときは、前記第2締結要素をスリップ制御する第2締結要素制御手段と、
    前記エンジンを始動するときは、前記第2締結要素の駆動輪側回転数に所定回転数を加算した目標回転数を設定し、前記モータジェネレータが前記目標回転数となるように回転数制御するエンジン始動時回転数制御手段と、
    前記モータジェネレータの実回転数が前記目標回転数より小さいときは前記所定勾配を緩やかになるように補正する勾配補正手段と、
    を設けたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  7. 請求項1ないし5いずれか1つに記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記モータジェネレータと駆動輪との間に介装された第2締結要素と、
    前記エンジンを始動するときは、前記第2締結要素をスリップ制御する第2締結要素制御手段と、
    前記エンジンを始動するときは、前記第2締結要素の駆動輪側回転数に所定回転数を加算した目標回転数を設定し、前記モータジェネレータが前記目標回転数となるように回転数制御するエンジン始動時回転数制御手段と、
    前記第1締結要素のスリップ量が所定値より小さいときは前記所定勾配を緩やかになるように補正する勾配補正手段と、
    を設けたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  8. 請求項1ないし5いずれか1つに記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記エンジンを始動するときは、エンジン始動可能な前記モータジェネレータの目標トルクを設定し、前記モータジェネレータが前記目標トルクとなるようにトルク制御するエンジン始動時トルク制御手段と、
    前記モータジェネレータの実トルクが前記目標トルクより大きいときは前記所定勾配を緩やかになるように補正する勾配補正手段と、
    を設けたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  9. 請求項1ないし5いずれか1つに記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記モータジェネレータと駆動輪との間に介装された第2締結要素と、
    前記エンジンを始動するときは、前記第2締結要素をスリップ制御する第2締結要素制御手段と、
    前記エンジンを始動するときは、エンジン始動可能な前記モータジェネレータの目標トルクを設定し、前記モータジェネレータが前記目標トルクとなるようにトルク制御するエンジン始動時トルク制御手段と、
    前記第2締結要素のスリップ量が所定値より小さいときは前記所定勾配を緩やかになるように補正する勾配補正手段と、
    を設けたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  10. 請求項1ないし5いずれか1つに記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記エンジンを始動するときは、エンジン始動可能な前記モータジェネレータの目標トルクを設定し、前記モータジェネレータが前記目標トルクとなるようにトルク制御するエンジン始動時トルク制御手段と、
    前記第1締結要素のスリップ量が所定値より小さいときは前記所定勾配を緩やかになるように補正する勾配補正手段と、
    を設けたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  11. エンジンと、
    モータジェネレータと、
    前記エンジンと前記モータジェネレータの間に介装された第1締結要素と、
    前記モータジェネレータと駆動輪との間に介装された第2締結要素と、
    前記エンジンを始動可能回転数まで引き上げるのに必要なトルク容量と、車両の加速に必要なトルク容量に基づいて前記第1締結要素の保持締結容量を設定する保持締結容量設定手段と、
    前記エンジンを始動するときは、前記第2締結要素をスリップ制御する第2締結要素制御手段と、
    前記エンジンを始動するときは、前記第1締結要素の締結容量を所定勾配で前記保持締結容量まで上昇させた状態で保持するエンジン始動時保持手段と、
    前記第2締結要素のモータジェネレータ側の回転数が前記第2締結要素の駆動輪側の回転数よりも高くなるように前記勾配を補正する勾配補正手段と、
    を備えたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
JP2006312340A 2006-11-20 2006-11-20 ハイブリッド車両の制御装置 Active JP4862624B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006312340A JP4862624B2 (ja) 2006-11-20 2006-11-20 ハイブリッド車両の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006312340A JP4862624B2 (ja) 2006-11-20 2006-11-20 ハイブリッド車両の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008126780A true JP2008126780A (ja) 2008-06-05
JP4862624B2 JP4862624B2 (ja) 2012-01-25

Family

ID=39553065

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006312340A Active JP4862624B2 (ja) 2006-11-20 2006-11-20 ハイブリッド車両の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4862624B2 (ja)

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010030428A (ja) * 2008-07-29 2010-02-12 Nissan Motor Co Ltd ハイブリッド車両のクラッチ制御装置
JP2010070138A (ja) * 2008-09-22 2010-04-02 Nissan Motor Co Ltd ハイブリッド車両の制御装置
JP2010083417A (ja) * 2008-10-02 2010-04-15 Nissan Motor Co Ltd 車両の制御装置
JP2010143296A (ja) * 2008-12-17 2010-07-01 Nissan Motor Co Ltd ハイブリッド車両の制御装置
JP2010188785A (ja) * 2009-02-16 2010-09-02 Nissan Motor Co Ltd ハイブリッド車両のクラッチ制御装置およびクラッチ制御方法
JP2010202123A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Nissan Motor Co Ltd 電動車両の制御装置
JP2010215097A (ja) * 2009-03-17 2010-09-30 Nissan Motor Co Ltd ハイブリッド車両のクラッチ制御装置
JP2011178285A (ja) * 2010-03-01 2011-09-15 Toyota Motor Corp 動力伝達制御装置
JP2012091543A (ja) * 2010-10-25 2012-05-17 Nissan Motor Co Ltd 車両の制御装置
JP2012106710A (ja) * 2010-10-26 2012-06-07 Nissan Motor Co Ltd ハイブリッド車両の制御装置
KR101154402B1 (ko) * 2009-12-02 2012-06-15 기아자동차주식회사 하이브리드 차량의 토크 제어방법
JP2013221478A (ja) * 2012-04-19 2013-10-28 Nissan Motor Co Ltd 車両の制御装置
JP2014004942A (ja) * 2012-06-25 2014-01-16 Honda Motor Co Ltd ハイブリッド車両の制御装置及び制御方法
JP2015051727A (ja) * 2013-09-09 2015-03-19 日産自動車株式会社 ハイブリッド車両の制御装置
JP2015063258A (ja) * 2013-09-26 2015-04-09 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置
JP2016222156A (ja) * 2015-06-01 2016-12-28 株式会社デンソー 制御装置
JP2017065384A (ja) * 2015-09-29 2017-04-06 日野自動車株式会社 ハイブリッド車両の制御装置
JP2018083509A (ja) * 2016-11-22 2018-05-31 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置
JP2022150545A (ja) * 2021-03-26 2022-10-07 マツダ株式会社 ハイブリッド車両の制御方法及び制御システム

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1182261A (ja) * 1997-08-29 1999-03-26 Aisin Aw Co Ltd 車両用ハイブリッド駆動装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1182261A (ja) * 1997-08-29 1999-03-26 Aisin Aw Co Ltd 車両用ハイブリッド駆動装置

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010030428A (ja) * 2008-07-29 2010-02-12 Nissan Motor Co Ltd ハイブリッド車両のクラッチ制御装置
JP2010070138A (ja) * 2008-09-22 2010-04-02 Nissan Motor Co Ltd ハイブリッド車両の制御装置
JP2010083417A (ja) * 2008-10-02 2010-04-15 Nissan Motor Co Ltd 車両の制御装置
JP2010143296A (ja) * 2008-12-17 2010-07-01 Nissan Motor Co Ltd ハイブリッド車両の制御装置
JP2010188785A (ja) * 2009-02-16 2010-09-02 Nissan Motor Co Ltd ハイブリッド車両のクラッチ制御装置およびクラッチ制御方法
JP2010202123A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Nissan Motor Co Ltd 電動車両の制御装置
JP2010215097A (ja) * 2009-03-17 2010-09-30 Nissan Motor Co Ltd ハイブリッド車両のクラッチ制御装置
KR101154402B1 (ko) * 2009-12-02 2012-06-15 기아자동차주식회사 하이브리드 차량의 토크 제어방법
JP2011178285A (ja) * 2010-03-01 2011-09-15 Toyota Motor Corp 動力伝達制御装置
JP2012091543A (ja) * 2010-10-25 2012-05-17 Nissan Motor Co Ltd 車両の制御装置
JP2012106710A (ja) * 2010-10-26 2012-06-07 Nissan Motor Co Ltd ハイブリッド車両の制御装置
JP2013221478A (ja) * 2012-04-19 2013-10-28 Nissan Motor Co Ltd 車両の制御装置
JP2014004942A (ja) * 2012-06-25 2014-01-16 Honda Motor Co Ltd ハイブリッド車両の制御装置及び制御方法
JP2015051727A (ja) * 2013-09-09 2015-03-19 日産自動車株式会社 ハイブリッド車両の制御装置
JP2015063258A (ja) * 2013-09-26 2015-04-09 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置
JP2016222156A (ja) * 2015-06-01 2016-12-28 株式会社デンソー 制御装置
JP2017065384A (ja) * 2015-09-29 2017-04-06 日野自動車株式会社 ハイブリッド車両の制御装置
JP2018083509A (ja) * 2016-11-22 2018-05-31 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置
JP2022150545A (ja) * 2021-03-26 2022-10-07 マツダ株式会社 ハイブリッド車両の制御方法及び制御システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP4862624B2 (ja) 2012-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4862624B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP5371200B2 (ja) ハイブリッド車両のエンジン始動制御装置及びハイブリッド車両のエンジン始動制御方法。
JP5103992B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置及びハイブリッド車両の制御方法。
JP4798154B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP5141305B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP5176421B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP5228677B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP4935268B2 (ja) 車両の制御装置
JP5545018B2 (ja) 車両用駆動制御装置
JP5212199B2 (ja) ハイブリッド車両のクラッチ制御装置
JP2011020542A (ja) 電動車両の制御装置
JP5024278B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置。
JP2011235818A5 (ja)
JP4935797B2 (ja) 電動車の制御装置
JP2017050923A (ja) 電動車両の電力制御方法および電力制御装置
JP5278403B2 (ja) 車両の制御装置
JP2012131497A (ja) ハイブリッド車両のエンジン始動制御装置及びハイブリッド車両のエンジン始動制御方法
JP2010149714A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP6492908B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP5141369B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP5338473B2 (ja) エンジン始動制御装置
JP5338958B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP2012086722A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP5598256B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP5251958B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091027

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110719

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110920

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111011

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111024

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141118

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4862624

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150