JP5217396B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動力源にエンジンとモータを備えたハイブリッド車両の制御装置に関する。
ハイブリッド車両の制御装置として特許文献1の技術が開示されている(以下、従来例という)。この従来例は、エンジンとモータとを断接する第1締結要素と、モータと駆動輪とを断接する第2締結要素とを備え、走行モードとして、モータのみを動力源として走行するモータ使用走行モードと、エンジンを動力源に含みながら走行するエンジン使用走行モードとを有し、走行状態に応じて走行モードを切り替えることで、燃費の向上を図っている。
特開平11−82260号公報
この従来例にあっては、車両の要求駆動力が高い場合、エンジンとモータ双方の駆動力を用いた走行が要求される場合がある。ここで、従来例にはトルクコンバータのように回転数を吸収する要素が存在しないため、第1締結要素と第2締結要素をともに完全締結すると、エンジンの回転数に応じて車速が決まってしまう。エンジンには自立回転を維持するためのアイドル回転数による下限値が存在し、このアイドル回転数は、エンジンの暖機運転等によりアイドルアップを行っていると、更に下限値が高くなる。よって、このような状況でも高い要求駆動力に応えるべく、第2締結要素をスリップ制御し、車両発進時や上記下限値を下回るような極低速走行時に、エンジンを用いた走行を可能としている。
しかし、上記スリップ制御による走行を行うと、第2締結要素が過熱し、第2締結要素の耐久性の低下を招くおそれがあった。本発明は、上記問題に着目してなされたもので、エンジンとモータ双方の駆動力を用いた走行を実現しつつ、締結要素の耐久性を向上できるハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のハイブリッド車両の制御装置は、モータと駆動輪とを断接する第2締結要素および/または第3締結要素をスリップ制御させ、エンジンを動力源に含みながら走行または発進するエンジン使用スリップ走行中、スリップ制御される締結要素の熱量が所定の閾値を上回ると過熱状態と判断し、第2締結要素が過熱状態と判断されると、第2締結要素のスリップ量を減少させるとともに第3締結要素のスリップ量を増大させ、その後、第2締結要素の熱量が前記閾値よりも小さい値に設定された第2閾値以下になると、第2締結要素のスリップ量を増大させるとともに第3締結要素のスリップ量を減少させる。
よって、エンジンとモータ双方の駆動力を用いた走行を実現しつつ、締結要素の耐久性を向上できる。
以下、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
参考例]
図1は、参考例の制御装置が適用された後輪駆動によるハイブリッド車両を示す全体システム図である。ハイブリッド車両の駆動系は、エンジンEと、モータMと、自動変速機ATと、プロペラシャフトPSと、ディファレンシャルDFと、左右のドライブシャフトDSL,DSRと、左右の後輪RL,RR(駆動輪)と、を有している。
エンジンEは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関である。エンジン出力軸A1にはフライホイールFWと、エンジン回転数Neを検出するエンジン回転センサ14とが設けられている。
エンジンEとモータMとの間には、これらを断接する締結要素として乾式単板クラッチである第1クラッチCL1が介装されている。第1クラッチCL1のエンジンE側の回転要素はエンジン出力軸A1に接続され、モータM側の回転要素はモータ出力軸A2に接続されている。
モータMは、ロータ(回転子)Rに永久磁石を埋設し、ステータ(固定子)Sにコイルを巻き付けた同期型モータジェネレータである。モータMは、バッテリ4からステータコイルへの電力供給を受けて回転駆動し、電動機(モータ)として動作する。電動機としての動力により車両を駆動し、またエンジンEの始動を行う。一方、ロータRが外力により回転している場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせ、発電機(ジェネレータ)として機能してバッテリ4を充電することもできる(以下、この動作状態を「回生」と呼ぶ)。モータ出力軸A2には、モータ回転数Nmを検出するモータ回転センサ15が設けられている。
モータMと自動変速機ATとの間には、これらを断接する締結要素として第2クラッチCL2が介装されている。第2クラッチCL2は、比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できる湿式多板クラッチである。第2クラッチCL2のモータM側の回転要素はモータ出力軸A2に接続され、自動変速機AT側の回転要素は変速機入力軸A3に接続されている。
自動変速機ATは、前進5速・後退1速等の有段階の変速比を車速VSPやアクセル開度APO等に応じて自動的に切り換える変速機である。自動変速機ATの出力軸(変速機出力軸)A4は、プロペラシャフトPS等を介して左右後輪RL,RRに連結されている。自動変速機ATの入力軸(変速機入力軸)A3には、変速機入力回転数Ninを検出する変速機入力回転センサ16が設けられ、変速機出力軸A4には、変速機出力回転数Noutを検出する変速機出力回転センサ17が設けられている。また、自動変速機ATの(冷却用)作動油の温度を検出するAT油温センサ22が設けられており、検出されたAT油温はATコントローラ9に入力される。
自動変速機ATには、変速機入力軸A3と変速機出力軸A4を断接する複数の締結要素(ブレーキおよびクラッチ)が内蔵されている。ブレーキBRは、これらの締結要素の1つである。ブレーキBRは、比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できる湿式多板ブレーキであり、少なくとも第1速で締結される。
このハイブリッド駆動系は、3つの走行モードを有している。第1は、第1クラッチCL1の開放状態で、エンジンEを停止しモータMのみを動力源として走行するモータ使用走行モード(以下、「EV走行モード」という)である。第2は、第1クラッチCL1の締結状態で、エンジンEを動力源に含みながら走行するエンジン使用走行モード(以下、「HEV走行モード」という)である。
第3は、第1クラッチCL1の締結状態で、モータMと駆動輪RL,RRとの間に介装された締結要素(第2クラッチCL2またはブレーキBR)をスリップ制御させ、エンジンEを動力源に含みながら走行または発進するエンジン使用スリップ走行モード(以下、「WSC(Wet Start Clutch)走行モード」という)である。このモードは、特にバッテリSOCが低いときやエンジン水温が低いときに、クリープ走行を達成する。更に、エンジン停止状態からの発進時に、エンジンEを始動しつつ駆動力を出力可能なモードである。尚、クリープ走行とは、(アクセル開度APOが0であっても)トルクコンバータを備えた車両のように駆動輪に所定のトルクを作用させる走行状態を指す。
更に上記「HEV走行モード」は、「エンジン走行モード」と「モータアシスト走行モード」と「走行発電モード」の3つの走行モードを有する。「エンジン走行モード」はエンジンEのみを動力源とし、「モータアシスト走行モード」はエンジンEとモータMの双方を動力源として、駆動輪RR,RLを駆動する。「走行発電モード」は、定速運転時や加速運転時にエンジンEを動力源として駆動輪RR,RLを駆動すると同時に、エンジンEの動力を利用してモータMを発電機として機能させる。減速運転時は、制動エネルギーを回生してモータMにより発電し、バッテリ4の充電のために使用する。
(制御系の構成)
次に、ハイブリッド車両の制御系を説明する。制御系は、図1に示すように、情報交換が可能なCAN通信線13を介して互いに接続されたエンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、第1クラッチコントローラ5と、第2クラッチコントローラ7と、ATコントローラ9と、ブレーキコントローラ11と、統合コントローラ12と、を有している。
エンジンコントローラ1は、エンジン回転センサ14からエンジン回転数Neの入力を受け、統合コントローラ12からの目標エンジントルク指令等に応じ、エンジン動作点(エンジン回転数Ne,エンジントルクTe)を制御する指令を演算してエンジンE(例えばスロットルバルブアクチュエータ)へ出力する。エンジン回転数Neは、CAN通信線13を介して統合コントローラ12へ供給される。
モータコントローラ2は、ロータRの回転位置を検出するレゾルバ18からの情報入力を受け、統合コントローラ12からの目標モータトルク指令等に応じ、モータ動作点(モータ回転数Nm,モータトルクTm)を制御する指令を演算してインバータ3へ出力する。インバータ3により作り出された三相交流がステータコイルに印加されることによりモータMが制御される。モータコントローラ2は、バッテリ4の充電状態を表すバッテリSOCを監視しており、バッテリSOC情報は、モータMの制御情報に用いると共に、CAN通信線13を介して統合コントローラ12へ供給する。
第1クラッチコントローラ5は、統合コントローラ12からの第1クラッチ制御指令に応じ、第1クラッチCL1の締結・開放を制御する油圧指令を演算して、AT油圧コントロールバルブ内の第1クラッチ油圧ユニット6(の比例ソレノイド)に出力する。第1クラッチ油圧ユニット6により作り出された制御油圧により第1クラッチCL1の締結・開放(締結容量)が制御される。
第2クラッチコントローラ7は、統合コントローラ12からの第2クラッチ制御指令(目標締結容量TCL2*)に応じ、第2クラッチCL2の締結・開放を制御する油圧指令を演算して、AT油圧コントロールバルブ内の第2クラッチ油圧ユニット8に出力する。第2クラッチ油圧ユニット8により作り出された制御油圧により、スリップ締結とスリップ開放を含み第2クラッチCL2の締結・開放(締結容量)が制御される。
ATコントローラ9は、アクセル開度センサ19により検出されたアクセル開度APOの入力を受け、変速機出力回転センサ17からの情報に基づき車速VSPを算出する。そして、予め設定されたシフトスケジュールに沿って目標変速段を設定し、統合コントローラ12から送られた自動変速機AT内の各締結要素の目標締結容量を達成するように、自動変速機AT内のソレノイドバルブを駆動制御する。尚、このシフトスケジュールは、車速VSPとアクセルペダル開度APOに基づいて予め目標変速段が定められたものであり、アップシフト線、ダウンシフト線等が設定されている。アクセル開度APと車速VSPとAT油温は、CAN通信線13を介して統合コントローラ12へ供給する。
また、ATコントローラ9は、統合コントローラ12からのブレーキ制御指令(目標締結容量TBR2*)に応じ、ブレーキBRの締結・開放を制御する油圧指令を演算して、AT油圧コントロールバルブ内のブレーキ油圧ユニット10に出力する。ブレーキ油圧ユニット10により作り出された制御油圧により、スリップ締結とスリップ開放を含みブレーキBRの締結・開放(締結容量)が制御される。
ブレーキコントローラ11は、4輪の各車輪速を検出する車輪速センサ20とブレーキストロークセンサ21からの情報入力を受け、例えば、ブレーキ踏み込み制動時、ブレーキストロークBSから算出される要求制動力に対し回生制動力だけでは不足する場合、その不足分を機械制動力(液圧制動力やモータ制動力)で補うように、統合コントローラ12からの回生協調制御指令に基づいて回生協調ブレーキ制御を行う。
統合コントローラ12は、車両全体の消費エネルギーを管理し、最高効率で車両を走らせる機能を担う。モータ回転数Nm、変速機入力回転数Nin、変速機出力回転数Nout、およびCAN通信線13を介して得られた情報の入力を受け、エンジンEおよびモータMの動作制御と、第1、第2クラッチCL1,CL2およびブレーキBRの締結・開放制御と、を行う。
(制御の内容)
以下、統合コントローラ12にて演算される制御を説明する。
目標駆動力演算では、所定の目標駆動力マップを用いて、アクセルペダル開度APOと車速VSPとから、要求駆動力としての目標駆動力tFoOを演算する。
走行モード選択では、図2に示すマップを用いて、走行状態(アクセルペダル開度APOおよび車速VSP)から、目標走行モードを演算する。但し、バッテリSOCが所定値以下であれば、強制的に「HEV走行モード」を目標走行モードとする。
上記マップには、低車速領域でアクセルペダル開度APOが大きいときに、大きな駆動力を出力するため、WSC走行モードが設定されている。図2中、斜線部分がWSC走行モードの領域である。網掛け部分に示すように、EV→WSC切換線とWSC→EV切換線を異ならせている。HEV→WSC切換線もしくはEV→WSC切換線は、HEV走行モード時に自動変速機ATが第1速のとき、エンジン回転数Neがアイドル回転数よりも小さくなるような車速VSP1に設定されている。
目標充放電量演算では、所定の目標充放電量マップを用いて、バッテリSOCに基づき目標充放電電力tPを演算する。
動作点指令では、アクセルペダル開度APOと、目標駆動力tFoOと、目標走行モードと、車速VSPと、目標充放電電力tPとから、過渡的な動作点到達目標として、目標エンジン回転数Ne*および目標エンジントルクTe*と、目標モータ回転数Nm*および目標モータトルクTm*と、目標自動変速シフトと、を演算する。
変速制御では、目標駆動力tFoOを実現するように、変速中の自動変速機AT内における各締結要素の締結容量の目標値(以下、目標締結容量という)を算出し、ATコントローラ9へ出力する。
また、目標走行モードがWSC走行モードであるとき、駆動輪RL,RRに伝達されるトルク(出力トルク)は、第2クラッチCL2の締結容量TCL2とブレーキBRの締結容量TBRとのうち小さいほうの値により決定されるため、WSC走行モード中は、上記出力トルクが目標駆動力tFoOを実現する値(要求駆動力相当)となるように、目標締結容量TCL2*および目標締結容量TBR*を演算する(変速制御のロジックと同様)。
(過熱防止制御)
以下、WSC走行モード時に、第2クラッチCL2またはブレーキBRをスリップ制御しつつその過熱を防止する制御の内容を説明する。図3は、統合コントローラにおいてWSC走行モード時に実行される第2クラッチCL2およびブレーキBRの締結・開放制御の流れを示す。WSC走行モード時、自動変速機ATの変速段は第1速に固定される。また、本制御フローが実行される間、目標走行モードがWSC走行モードから他の走行モードに移行したときは、本制御フローを終了する。
ステップS1では、ブレーキBRを完全締結させるとともに、第2クラッチCL2をスリップ制御させる。
S2では、スリップ制御中の第2クラッチCL2の熱量Q1と、完全締結されているブレーキBRの熱量Q2を算出する。各締結要素の熱量Qは、(単位時間当たりの)熱量変化ΔQを時間積分して求められる。具体的には、S2を実行するごとにΔQを算出するとともに、ΔQの前回値と今回値とを加算してQを算出する。ΔQは、(単位時間あたりの)発熱量ΔQin(正値)と放熱量ΔQout(負値)とを加算して得られる。
発熱量ΔQinは、その締結要素における回転要素間の差回転(以下、スリップ量という)および締結容量の積に比例した値であり、スリップ制御中のスリップ量および目標締結容量が大きいほど大きな値に算出される。第2クラッチCL2のスリップ量は、モータ回転数Nmと変速機入力回転数Ninに基づき求められる。ブレーキBRのスリップ量は、変速機出力回転数Noutまたは変速機入力回転数Ninと自動変速機ATのギヤ比とに基づき求められる。
放熱量ΔQoutは、自動変速機ATの(冷却用)作動油の温度TATFおよび流量に基づき算出される。具体的には、その締結要素の温度TCLと作動油温TATFとの差に、その締結要素の仕様および作動油の流量に応じた定数を乗じて、ニュートンの冷却法則に従い算出される。締結要素の温度TCL,TBRは、その締結要素の熱量Qに基づき、作動油温TATF未満とならない範囲で、算出される。最初にS2を実行するときは、第2クラッチCL2の温度TCL2として所定の初期値を用いる。
S2では、第2クラッチCL2はスリップ状態であるため発熱量ΔQinは大きく、第2クラッチCL2の熱量変化ΔQ1(=ΔQin+ΔQout)も大きい(正値)。時間の経過とともに(S2を実行するごとに)熱量Q1は大きくなる。一方、ブレーキBRは完全締結されスリップ量はゼロであるため発熱量ΔQinは小さく、ブレーキBRの熱量変化ΔQ2(=ΔQin+ΔQout)も小さい(負値)。ブレーキBRの温度TBRは作動油温TATFに向けて降下し、時間の経過とともに(S2を実行するごとに)熱量Q2は小さくなる。
S3では、第2クラッチCL2の熱量Q1が所定の閾値Quを上回ったか否かを判断する。Quを上回ればS4へ移行し、Qu以下であればS2に戻る。Quは、ΔQが正であるときの熱量Qの上限閾値であり、熱量Qがこの値Quをある程度の量だけ(かつ、ある程度の時間だけ)上回っても締結要素の焼きつき等が生じず耐熱保護が可能な値に、第2クラッチCL2およびブレーキBRの仕様に基づき、設定されている。上記ある程度の量とは、締結要素がスリップ状態から完全締結状態へ移行するまでの熱量上昇分に略相当している。
S4では、ブレーキBRの熱量Q2がQd以下であるか否かを判断する。Qd以下であればS5へ移行し、Qdを上回っていればS11へ移行する。Qd(<Qu)は、ΔQが負であるときの熱量Qの上限閾値であり、締結要素の耐熱保護が可能な値に、第2クラッチCL2およびブレーキBRの仕様に基づき設定されている。このように、熱量Qの変化方向に応じて切り替えの閾値Qd,Quが別々に設けられていることで、切り替えが必要以上に頻繁に行われる制御ハンチングを防止できる。
なお、本参考例では、制御ロジックを簡単にするため、Qu,Qdともに、第2クラッチCL2とブレーキBRとで共通の値に設定されている。
S5では、スリップ制御の対象を第2クラッチCL2からブレーキBRへ切り替える。すなわち、第2クラッチCL2をスリップ状態から締結状態へ切り替えるとともに、ブレーキBRを締結状態からスリップ状態へ切り替える。この切り替えの間、駆動輪RL,RRに伝達されるトルクが目標駆動力tFoOを実現する値となるように各締結容量TCL2,TBRを制御する。その後、S6へ移行し、第2クラッチCL2を完全締結するとともに、ブレーキBRをスリップ制御する。
S7では、完全締結された第2クラッチCL2の熱量Q1と、スリップ制御中のブレーキBRの熱量Q2を算出する。第2クラッチCL2の発熱量ΔQinは小さく、熱量変化ΔQ1も小さい(負値)。第2クラッチCL2の温度TCL2は作動油温TATFに向けて降下し、時間の経過とともに(S7を実行するごとに)熱量Q1は小さくなる。一方、ブレーキBRの発熱量ΔQinは大きく、熱量変化ΔQ2(=ΔQin+ΔQout)も大きい(正値)。時間の経過とともに(S7を実行するごとに)熱量Q2は大きくなる。
S8では、ブレーキBRの熱量Q2がQuを上回ったか否かを判断する。Quを上回ればS9へ移行し、Qu以下であればS7に戻る。
S9では、第2クラッチCL2の熱量Q1がQd以下であるか否かを判断する。Qd以下であればS10へ移行し、Qdを上回っていればS11へ移行する。
S10では、スリップ制御の対象をブレーキBRから第2クラッチCL2へ切り替える。すなわち、ブレーキBRをスリップ状態から締結状態へ切り替えるとともに、第2クラッチCL2を締結状態からスリップ状態へ切り替える。この切り替えの間、上記のように目標駆動力tFoOを実現する値となるように、各締結容量TCL2,TBRを制御する。その後、S1へ戻って本制御フローを繰り返す。
S11では、第2クラッチCL2とブレーキBRを完全締結してエンジンEを停止し、WSC走行モードからEV走行モードへ移行する。尚、バッテリSOCが不足している場合はHEV走行モードへ移行する。その後、本制御フローを終了する。
(タイムチャート)
図4は、WSC走行モード時に第2クラッチCL2とブレーキBRの締結・開放制御が実行されたときの熱量Q1,Q2の時間変化を示す。
時刻t1で、第2クラッチCL2のスリップ制御が開始される(ステップS1)。その後、熱量Q1が所定の勾配(ΔQ1)で大きくなる(S2)。ブレーキBRは完全締結されているため、熱量Q2は作動油温TATFに応じた初期値Q0に維持される。
時刻t2で、Q1がQuを上回る。このときQ2(=Q0)はQd以下であるため、スリップ制御の対象を切り替える(S3〜S5)。すなわち、時刻t2以後の所定時間内に、締結容量TBRが低減され、ブレーキBRのスリップ制御が開始されるとともに、締結容量TCL2が増大され、第2クラッチCL2がスリップ状態から完全締結状態へ移行する(S5)。これにより、Q1が一旦最大値に達した後に減少に転じ、所定の勾配(ΔQ1)で小さくなる。また、Q2が所定の勾配(ΔQ2)で大きくなる(S7)。
時刻t3で、Q2がQuを上回る。このときQ1はQd以下まで下降しているため、スリップ制御の対象を再度切り替える(S8〜S10)。すなわち、時刻t3以後の所定時間内に、締結容量TCL2が低減され、第2クラッチCL2のスリップ制御が開始されるとともに、締結容量TBRが増大され、ブレーキBRがスリップ状態から完全締結状態へ移行する(S10)。これにより、Q1が増大に転じ、所定の勾配(ΔQ1)で大きくなる。また、Q2が一旦最大値に達した後、所定の勾配(ΔQ2)で小さくなる(S2)。
時刻t4以後も、上記t1〜t3と同様に、第2クラッチCL2とブレーキBRの締結・スリップが切り替えられることで、熱量Q1,Q2が周期的に変動する。これにより、Q1,Q2がQuの近傍を長時間上回ることはなく、Q1,Q2の変動領域はQu近傍以下に限定される。
(比較例との対比における作用効果)
以下、下記比較例との対比において、本参考例の作用効果を説明する。比較例は、本参考例と同様、トルクコンバータを有せず、エンジンEとモータMとを断接する第1締結要素と、モータMと駆動輪とを断接する第2締結要素と、を備え、第1締結要素を完全締結させるとともに第2締結要素をスリップ制御させてWSC走行を実現可能なハイブリッド車両に適用される制御手段とする。
第2締結要素をスリップ制御中、運転者が意図する駆動力を保障しつつ第2締結要素の過熱を防止する手段として、第1に、発熱が検出されると、WSC走行モードを禁止してEV走行モードへ移行することが考えられる。すなわち、エンジンEを停止させるとともに第1締結要素を開放する。その一方で、第2締結要素を完全締結する。第2に、発熱が検出されると、第1締結要素をスリップ制御することで、エンジンEを使用した走行モードを継続することが考えられる。すなわち、エンジンEを引き続き作動させるとともに第1締結要素をスリップ制御する。その一方で、第2締結要素を完全締結する。
しかし、上記第1の場合、バッテリ容量SOCが不十分であると走行モードの切り替えが制限され、EV走行モードへの移行ができない。よって、十分に所期の目的を達成できない。また、EV走行モードではモータMのみが全駆動力を担当するため、大きなモータトルクを発生させるためにモータMの駆動素子に大電流を流す必要があり、このためモータ駆動素子(スイッチング素子)の耐久性が悪化するおそれがある。これに対し、本参考例の制御装置は、WSC走行モードを継続するため、上記不都合が生じない。
上記第2の場合、第1締結要素として例えば乾式クラッチが用いられた場合、第1締結要素を正確にスリップ制御することが難しい。また、第1締結要素をスリップさせるとエンジンEから駆動輪へ伝達されるトルクが低減され、その結果、モータMが担当する駆動力が大きくなる。よって、上記第1の場合と同様、モータ駆動素子に大電流が流れて耐久性が悪化するおそれがある。これに対し、本参考例の制御装置は、第1クラッチCL1を完全締結させたままであるため、上記不都合が生じない。
参考例の効果]
参考例のハイブリッド車両の制御装置は、下記に列挙する作用効果を得ることができる。
(1)動力源としてのエンジンEおよびモータMと、エンジンEとモータMとを断接する第1締結要素(第1クラッチCL1)と、モータMと駆動輪RL,RRとを断接する第2締結要素(第2クラッチCL2)および第3締結要素(ブレーキBR)と、第1〜第3締結要素の締結状態を制御する締結制御手段(第1、第2クラッチ油圧ユニット、ブレーキ油圧ユニット、第1、第2クラッチコントローラ、ATコントローラ)と、第1締結要素を完全締結させ、第2締結要素および/または第3締結要素をスリップ制御させ、エンジンEを動力源に含みながら走行または発進するエンジン使用スリップ走行手段(WSC走行モード、統合コントローラ12)と、を設けた。
よって、エンジン使用スリップ走行モード(WSC走行モード)により、特にバッテリSOCが低いときやエンジン水温が低いときに、クリープ走行を達成できる。また、エンジン停止状態からの発進時に、エンジンEを始動しつつ駆動力を出力可能である、という効果を有する。
しかし、この走行モードでは締結要素(例えば第2クラッチCL2)をスリップ制御する。例えば登り坂等の低速高負荷走行時には連続的にWSC走行モードとなるため、スリップ制御される締結要素が発熱し、耐久性が低下するおそれがある。ここで、締結要素を保護するための手段として、発熱した締結要素を単にスリップ状態から完全開放状態または完全締結状態に移行させるだけでは、駆動輪RL,RRに伝達されるトルクが運転者の意図に反して変動し、運転者が意図する駆動力を保障できない。例えば急な開放または締結により、駆動力抜けや飛び出しといった事態も想定されうる。
これに対し、本参考例の制御装置は、モータMと駆動輪RL,RRとの間に第2締結要素(第2クラッチCL2)および第3締結要素(ブレーキBR)を備え、WSC走行モード中、スリップ制御される締結要素の熱量Q1,Q2を検出し、検出された熱量が所定の閾値Quを上回ると過熱状態と判断する過熱判断手段(ステップS2,S3,S7,S8)と、第2締結要素および第3締結要素のうち、過熱状態と判断された締結要素のスリップ量を減少させるとともに他方の締結要素のスリップ量を増大させる締結要素切り替え手段(S3,S5,S8,S10)と、を設けた。これにより、どちらか一方の締結要素のみが過負荷となって過熱状態となることを回避でき、締結要素の耐久性を向上して寿命を延ばすことができると同時に、WSC走行モードを可及的に継続できる、という効果を有する。
また、締結制御手段は、WSC走行モード時、第2、第3締結要素の上記切り替え中にも、駆動輪RL,RRに伝達されるトルクが要求駆動力tFoO相当となるように第2締結要素および第3締結要素の締結容量TCL2,TBRを制御することとした。よって、運転者が意図する駆動力tFoOを保障でき、上記駆動力抜けや飛び出しを確実に回避できる。すなわち、正常なクリープ走行制御を実現でき、良好な運転性を確保できる、という効果を有する。
さらに、WSC走行モード中、第1締結要素(第1クラッチCL1)を完全締結状態に保つ。このため、エンジンEから伝達されるトルクが大きくなり、モータMが担当する駆動トルクは抑制される。よって、モータMに駆動電流を供給する回路に加わる負荷を抑制でき、駆動回路(スイッチング素子)の耐久性を向上できる。また、自動車に搭載される電源(バッテリ4)の電圧低下を防止できる、という効果を有する。
(2)WSC走行モード中、第3締結要素(ブレーキBR)を完全締結させるとともに第2締結要素(第2クラッチCL2)をスリップ制御させ、第2締結要素の熱量Q1が閾値Quを上回ると、第2締結要素を完全締結させるとともに第3締結要素をスリップ制御させることとした(S3,S5)。よって、WSC走行モード中に第2および第3締結要素の両方をスリップ制御させる場合よりも制御ロジックを簡素化でき、(特に後述のように第2および第3締結要素を並列に設ける場合よりも)締結要素の構成をより簡素化できる。
(3)上記締結要素切り替え手段は、スリップ量を増大させる対象を第3締結要素(ブレーキBR)へ切り替えた後(ステップS5)、第3締結要素の熱量Q2が閾値Quを上回ると、スリップ量を増大させる対象を第3締結要素から第2締結要素(第2クラッチCL2)へ再度切り替えることとした(S8,S10)。
よって、スリップ量を増大させる対象となる締結要素(第2クラッチCL2、ブレーキBR)のどちらについても、その熱量Q1,Q2が閾値Quを大きく上回る事態を確実に防止できる。なお、第3締結要素の閾値Quは、第2締結要素の閾値Quと異なってもよい。すなわち、本参考例では、Qu,Qdを第2クラッチCL2とブレーキBRとの間で共通の値に設定したが、Qu,Qdを第2クラッチCL2とブレーキBRの間で異ならせ、各締結要素ごとに最適な値に設定することとしてもよい。このように閾値Qu(および/またはQd)を締結要素ごとに設定することで、制御が正確になるとともに、締結要素の切り替え頻度を調整することが可能となり、発熱による劣化から各締結要素を最適に保護できる。
(4)過熱判断手段は、各締結要素(第2クラッチCL2、ブレーキBR)のスリップ量および目標締結容量TCL2*,TBR*に基づき熱量Qを算出することとした(ステップS2,S7)。よって、締結要素のスリップ量は既存のセンサ(エンジン回転センサ等)を用いて検出でき、目標締結容量TCL2*,TBR*の検出にはセンサが不要であるため、熱量Q1,Q2を検出するためにセンサ等の特別の検出手段が不要となり、装置を簡略化・コストダウンできる。
(5)変速比を自動的に制御する自動変速機ATをモータMと駆動輪RL,RRとの間に介装し、第2締結要素(第2クラッチCL2)をモータMと自動変速機ATとの間に介装し、自動変速機ATに内蔵した複数の締結要素のうちの1つを第3締結要素(ブレーキBR)とした。
このように、自動変速機ATの外部にスリップ制御用の第2クラッチCL2を新たに追加した。よって、自動変速機ATに内蔵されたブレーキBRのみをスリップ制御する場合と異なり、耐久性を確保するためにブレーキBRを強化・改造する必要がなく、自動変速機ATを改変する必要がない。よって、コストアップを回避できるとともに、例えばATユニット全体の長さが増大することを抑制して車両搭載性を向上できる。
具体的には、第3締結要素として、自動変速機ATにおいて第1速で通常締結されるブレーキBRを用いることとした。
すなわち、WSC走行モード時に自動変速機ATに内蔵された締結要素をスリップ制御させる場合、第1速で通常締結される締結要素を用いることが、車両発進時や極低速走行時における高い要求駆動力に応えるために合理的である。このとき、ワンウェイクラッチを使用するとともに所定のブレーキを締結することで第1速を実現する自動変速機ATを用いた場合、上記ブレーキをスリップ制御させることとなる。しかし、一般にブレーキはクラッチと異なり、油が抜けにくく熱が引けにくいため、発熱対策を講じる必要性がより高い。
参考例では、スリップ制御用の第2クラッチCL2を自動変速機ATの外部に新たに設け、これを用いてWSC走行を行う。第2クラッチCL2は、スリップ制御に最適な仕様とすることができる。よって、自動変速機AT内のブレーキBRを必要以上にスリップさせることがなく、耐久性確保という上記作用効果をより効果的に得ることができる。
(6)第2、第3締結要素(第2クラッチCL2,ブレーキBR)は湿式であり、第1締結要素(第1クラッチCL1)は乾式であることとした。
すなわち一般に乾式クラッチは、摩擦板が潤滑されないため、締結・開放の動作による摩耗の度合いが激しい。このため、摩擦板が潤滑される湿式クラッチに比べ、ピストンストローク位置やトルク−ストローク特性の経時変化が大きく、制御が難しい。よって、湿式の第2、第3締結要素をスリップ制御させることで、第1締結要素をスリップ制御させる場合よりも、スリップ制御における制御性を向上できる。
[実施例1]
実施例のハイブリッド車両の制御装置は、過熱防止制御においてスリップ制御対象を切り替える際に用いる閾値が参考例と異なる。その他のハイブリッド車両の駆動系および制御系の構成は、参考例と同様である。
図5は、実施例の統合コントローラにおいてWSC走行モード時に実行される第2クラッチCL2およびブレーキBRの締結・開放制御の流れを示す。ブレーキBRについては、切り替え判断の閾値が1つ(Q*)のみ設けられている点で、2つの閾値(Qu,Qd)が設けられている参考例とは異なる。
ステップS4aでは、Q2がQ*以下であるか否かを判断し、Q*以下であるときはS5へ移行し、Q*を上回っているときはS11へ移行する。
S8aでは、Q1がQdを下回ったか否かを判断し、Qdを下回ったときはS9aへ移行し、Qd以上であるときはS7へ戻る。
S9aでは、S4aと同様、Q2がQ*以下であるか否かを判断し、Q*以下であるときはS10へ移行し、Q*を上回っているときはS11へ移行する。
その他の制御フローは参考例と同様であるため、説明を省略する。
図6は、本実施例でWSC走行モード時にCL2,BRの締結・開放制御が実行されたときの熱量Q1,Q2の時間変化を示す。
時刻t11で、第2クラッチCL2のスリップ制御が開始され、Q1が上昇を開始する。ブレーキBRは完全締結されているため、Q2は初期値Q0である(S1,S2)。
時刻t12で、Q1がQuを上回る。このときQ2(=Q0)はQ*以下であるため、スリップ制御の対象を切り替え、ブレーキBRのスリップ制御を開始するとともに、第2クラッチCL2を完全締結する(S3〜S6)。
時刻t13で、Q1がQdを下回る。このときQ2はQ*以下であるため、スリップ制御の対象を再度切り替える。すなわち、第2クラッチCL2のスリップ制御を開始するとともに、ブレーキBRを完全締結する(S8a〜S10)。
時刻t14で、Q1がQuを上回る。このときQ2はQ*以下であるため、スリップ制御の対象を切り替え、ブレーキBRのスリップ制御を開始するとともに、第2クラッチCL2を完全締結する(S1〜S5)。
時刻t15以後も、上記t13〜t14と同様に、第2クラッチCLおよびブレーキBRの完全締結・スリップが切り替えられることで、熱量Q1,Q2が周期的に変動する。これにより、Q1がQu近傍を長時間上回ることはないとともにQd近傍を長時間下回ることもなく、Q1の変動領域はQu近傍以下かつQd近傍以上に限定される。また、Q2はQu近傍を長時間上回ることはなく、Q2の変動領域はQu近傍以下に限定される。
[実施例の効果]
(7)実施例の締結要素切り替え手段は、スリップ量を増大させる対象を第3締結要素(ブレーキBR)へ切り替えた後、第2締結要素(第2クラッチCL2)の熱量Q1が、閾値Quとは異なる値に設定された第2閾値Qd以下になると、スリップ量を増大させる対象を第3締結要素から第2締結要素へ再度切り替えることとした(S8a)。
すなわち、締結要素の切り替え後、スリップ量を減少させた(完全締結した)第2締結要素の熱量Q1が閾値Qdを下回ると、この第2締結要素のスリップ量を再度増大させる(S8a,S10)。これにより、第2クラッチCL2の熱量Q1は、上限となる閾値Qu近傍から下限となる閾値Qd近傍までの範囲内に制限される。よって、参考例よりも切り替え頻度が高くなる代わりに、第2クラッチCL2の熱量Q1の変動幅が小さくなる。
以上、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、実施例では、WSC走行モード中、第3締結要素(ブレーキBR)を完全締結させるとともに第2締結要素(第2クラッチCL2)をスリップ制御させ、第2締結要素の熱量Q1が閾値Quを上回ると、第2締結要素を完全締結させるとともに第3締結要素をスリップ制御させることとした(S3,S5)。しかし、この構成に限られず、WSC走行モード中、第3締結要素のスリップ量を小さく制御し、第2締結要素のスリップ量を大きく制御する構成として第2締結要素および第3締結要素をともにスリップ制御させ、第2締結要素の熱量Q1が閾値Quを上回ると、第2締結要素のスリップ量を小さく制御し、第締結要素のスリップ量を大きく制御するように切り替えてもよい。例えば、実施例では第2、第3締結要素を直列に設けたが、これらを並列に設け、その上で両者を上記のようにスリップ制御させてそれぞれのスリップ量の大小を発熱に応じて切り替えることとしてもよい。この場合、両者の締結容量TCL2,TBRの合計が目標駆動力tFoOを実現する値となるように各締結要素を制御する。この並列の第2、第3締結要素の組は、自動変速機ATの内外いずれに設けてもよい。以上のような構成としても、実施例と同様の作用効果が得られる。
実施例では第1クラッチCL1として乾式単板クラッチを用いたが、湿式または多板のクラッチを用いてもよい。また、実施例では第2クラッチCL2として湿式の多板クラッチを用いたが、乾式または単板のクラッチを用いてもよい。
実施例では、モータMと自動変速機ATとの間に第2クラッチCL2を追加して介装した例を示したが、自動変速機ATと駆動輪RR,RLとの間に第2クラッチCL2を追加して介装してもよい。
実施例では、締結要素のスリップ量および目標締結容量に基づき熱量Qを算出することとしたが、各締結要素における作動油の温度を検出する温度センサを設け、その検出値に基づき各締結要素の発熱状態を判断することとしてもよい。また実施例では、熱量Qに基づき締結要素の過熱を判断することとしたが、締結要素の温度に基づき過熱を判断することとしてもよい。
実施例では、ブレーキBRを締結することで第1速を実現する自動変速機ATを用いることとしたが、クラッチを締結することで第1速を実現する自動変速機ATを用い、スリップ制御させる第3締結要素として上記クラッチを用いることとしてもよい。
参考例の制御装置が適用されたハイブリッド車両を示す全体システム図である。 走行モード選択用マップである。 参考例の締結要素の保護制御の流れを示す。 参考例の締結要素の保護制御時における各熱量の時間変化を示す。 実施例の締結要素の保護制御の流れを示す。 実施例の締結要素の保護制御時における各熱量の時間変化を示す。
5 第1クラッチコントローラ
7 第2クラッチコントローラ
9 ATコントローラ
12 統合コントローラ
E エンジン
M モータ
AT 自動変速機
RL,RR 駆動輪
CL1 第1クラッチ(第1締結要素)
CL2 第2クラッチ(第2締結要素)
BR ブレーキ(第3締結要素)

Claims (5)

  1. 動力源としてのエンジンおよびモータと、
    前記エンジンと前記モータとを断接する第1締結要素と、
    前記モータと駆動輪とを断接する第2締結要素および第3締結要素と、
    前記第1〜第3締結要素の締結状態を制御する締結制御手段と、
    前記第1締結要素を完全締結させ、前記第2締結要素および/または第3締結要素をスリップ制御させ、前記エンジンを動力源に含みながら走行または発進するエンジン使用スリップ走行手段と、
    前記エンジン使用スリップ走行中、前記スリップ制御される締結要素の熱量を検出し、検出された熱量が所定の閾値を上回ると過熱状態と判断する過熱判断手段と、
    前記第2締結要素が過熱状態と判断されると、前記第2締結要素のスリップ量を減少させるとともに前記第3締結要素のスリップ量を増大させ、その後、前記第2締結要素の熱量が前記閾値よりも小さい値に設定された第2閾値以下になると、前記第2締結要素のスリップ量を増大させるとともに前記第3締結要素のスリップ量を減少させる締結要素切り替え手段と、を設け、
    前記締結制御手段は、前記エンジン使用スリップ走行中、前記駆動輪に伝達されるトルクが要求駆動力相当となるように前記第2締結要素および第3締結要素の締結容量を制御する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 前記エンジン使用スリップ走行手段は、前記第2締結要素および第3締結要素の一方を完全締結させるとともに他方をスリップ制御させ、
    前記締結要素切り替え手段は、前記第2締結要素または第3締結要素のスリップ量を減少させる際には、該締結要素を完全締結させ
    ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  3. 前記過熱判断手段は、前記第2締結要素または第3締結要素のそれぞれのスリップ量および目標締結容量に基づき前記熱量を算出することを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  4. 変速比を自動的に制御する自動変速機を前記モータと前記駆動輪との間に介装し、前記第2締結要素を前記モータと前記自動変速機との間に介装し、前記自動変速機に内蔵した複数の締結要素のうちの1つを前記第3締結要素としたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のハイブリッド車両の制御装置。
  5. 前記第2、第3締結要素は湿式であり、前記第1締結要素は乾式であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のハイブリッド車両の制御装置。
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