JP2011093474A - 作業装置付きハイブリッド式車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業装置付きハイブリッド式車両の制御装置に関し、簡素な構成でエネルギ変換効率が良く、燃費を改善できるとともに、エンジンと電動発電機との出力の作業装置への動力の利用を工夫するようにする。
【解決手段】
エンジン1及び電動発電機3の動力を、変速機4を介して伝達することで走行するハイブリッド式車両に、バッテリ11と、バッテリ充電量算出手段34と、断接手段2と、作業装置12と、変速機4から動力を取出して作業装置12に伝達する動力取出装置5と、断接手段2を断接制御する断接制御手段33と、作業装置12の要求トルクを算出する要求トルク算出手段36と、要求トルクに応じて、電動発電機3の出力トルクでは要求トルクが不足するときに、エンジン1により該不足分のトルクを出力するように制御する制御手段30とを備えた。
【選択図】図1
【解決手段】
エンジン1及び電動発電機3の動力を、変速機4を介して伝達することで走行するハイブリッド式車両に、バッテリ11と、バッテリ充電量算出手段34と、断接手段2と、作業装置12と、変速機4から動力を取出して作業装置12に伝達する動力取出装置5と、断接手段2を断接制御する断接制御手段33と、作業装置12の要求トルクを算出する要求トルク算出手段36と、要求トルクに応じて、電動発電機3の出力トルクでは要求トルクが不足するときに、エンジン1により該不足分のトルクを出力するように制御する制御手段30とを備えた。
【選択図】図1
Description
本発明は、変速機から動力取出装置(PTO機構)によって取出して伝達された動力で稼動する作業装置を備えたハイブリッド式車両の制御装置に関する。
例えば、高所作業車等の作業車両の車体に架載した作業装置を駆動する方式として、走行用エンジンを作動させ、この動力を取出して作業装置を駆動するいわゆるPTO(Power Take Off)方式や、車体のPTOの架装部にバッテリを設け、この架装部のバッテリにより作動する電動モータで油圧ポンプを駆動し、これにより発生する油圧により作動するアクチュエータによって作業装置を駆動する方式が知られている。
しかしながら、前者の走行用エンジンを用いる方式では、作業装置の駆動時に走行用エンジンの作動音が騒音となるため、作業現場の周辺環境や作業者の労働環境に影響を及ぼし好ましくない。また、後者の架装部のバッテリを用いる方式では、製造コストの上昇を招来する他、車両重量の増加による走行時の燃費悪化を招く課題がある。
このような課題を解決する技術として、特許文献1には、走行用モータを有するハイブリッド式車両に作業装置を架載した作業用車両において、作業装置のアクチュエータに作動油を供給する油圧ポンプを駆動するために作業装置用モータを別個に備え、この作業装置用モータへの電力として、走行用モータに使用するバッテリに充電された電力を用いるよう構成したものが開示されている。
このような課題を解決する技術として、特許文献1には、走行用モータを有するハイブリッド式車両に作業装置を架載した作業用車両において、作業装置のアクチュエータに作動油を供給する油圧ポンプを駆動するために作業装置用モータを別個に備え、この作業装置用モータへの電力として、走行用モータに使用するバッテリに充電された電力を用いるよう構成したものが開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、バッテリの共有化によって、架載部のバッテリは不要になるものの、エンジン出力(運動エネルギ)により発電機として機能する走行用モータを駆動して発電(電気エネルギへ変換)し、この発電した電力をバッテリに蓄電した後に、この電力を用いて作業装置用モータを駆動する(電気エネルギから運動エネルギへ変換)ため、エネルギの変換ロスが多くなり、エネルギ変換効率が悪く、それに伴う燃費の悪化を招くという課題がある。
また、走行用モータとは別個に作業装置用モータを設けるため、車両重量増や製造コスト増を招くといった課題もある。
そこで、走行用エンジンと走行用モータを有するハイブリッド式車両に作業装置を架載した作業用車両において、走行用エンジンと走行用モータとが入力される変速機に、動力取出装置を付設して、動力取出装置により取り出された動力を用いて作業装置のアクチュエータを駆動するよう構成したものが提案されている(特許文献2)。
そこで、走行用エンジンと走行用モータを有するハイブリッド式車両に作業装置を架載した作業用車両において、走行用エンジンと走行用モータとが入力される変速機に、動力取出装置を付設して、動力取出装置により取り出された動力を用いて作業装置のアクチュエータを駆動するよう構成したものが提案されている(特許文献2)。
しかしながら、特許文献2のように、走行用エンジンと走行用モータとを有するハイブリッド式車両に作業装置を架載した作業用車両において、変速機に動力取出装置を付設した場合、走行用エンジンの出力と走行用モータの出力とをどのように利用して作業装置のトルク要求を満たすかが新たな課題となる。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、簡素な構成でエネルギ変換効率が良く、燃費を改善できるとともに、エンジンと走行用モータ(電動発電機)との出力の作業装置への動力の利用を工夫した、作業装置付きハイブリッド式車両の制御装置を提供することを目的とする。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、簡素な構成でエネルギ変換効率が良く、燃費を改善できるとともに、エンジンと走行用モータ(電動発電機)との出力の作業装置への動力の利用を工夫した、作業装置付きハイブリッド式車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の作業装置付きハイブリッド式車両の制御装置は、エンジン及び電動発電機の動力を、変速機を介して駆動軸に伝達して走行するハイブリッド式車両に備えられ、前記電動発電機に電力を供給するバッテリと、前記バッテリの充電量を算出するバッテリ充電量算出手段と、前記エンジンから前記変速機に伝達される駆動力を断接可能にする断接手段と、前記ハイブリッド式車両に架載された作業装置と、前記変速機から動力を取出して前記作業装置に伝達する動力取出装置と、前記バッテリ充電量算出手段によって算出された充電量に応じて、前記断接手段を断接制御する断接制御手段と、前記作業装置の要求トルクを算出する要求トルク算出手段を備え、前記要求トルク算出手段により算出された要求トルクに応じて、前記電動発電機の出力トルクでは前記要求トルクが不足するときに、前記エンジンにより該不足分のトルクを出力するように制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
また、前記作業装置に伝達する動力を、前記電動発電機の動力のみとした第1駆動モードと、前記電動発電機と前記エンジンとの双方の動力とした第2駆動モードと、前記エンジンの動力のみとした第3駆動モードとを有し、前記制御手段は、前記充電量が第1の閾値よりも高い場合は前記第1駆動モードに設定し、前記充電量が前記第1の閾値よりも低いが第2の閾値よりも高い場合は前記第2駆動モードに設定し、前記充電量が前記第2の閾値よりも低い場合は前記第3駆動モードに設定する駆動モード設定手段を備えるとともに、前記断接制御手段が設定された前記各駆動モードに応じて前記断接手段を断接制御するようにしてもよい。
また、前記制御手段は、前記駆動モード設定手段が、駆動モードを前記第2駆動モードに設定した場合に、前記要求トルクに応じて、前記エンジンの動力と前記電動発電機の動力との配分率を設定するトルク配分率設定手段を備えるようにしてもよい。
また、前記要求トルクが、前記電動発電機の最大出力トルクよりも大きい場合において、前記制御手段は、前記充電量が前記第2の閾値よりも高い場合は、駆動モードを第2駆動モードに設定するとともに、前記トルク配分率設定手段が前記電動発電機の動力を前記最大出力トルクに設定し、前記充電量が前記第2の閾値よりも低い場合は、駆動モードを第3駆動モードに設定するようにしてもよい。
また、前記要求トルクが、前記電動発電機の最大出力トルクよりも大きい場合において、前記制御手段は、前記充電量が前記第2の閾値よりも高い場合は、駆動モードを第2駆動モードに設定するとともに、前記トルク配分率設定手段が前記電動発電機の動力を前記最大出力トルクに設定し、前記充電量が前記第2の閾値よりも低い場合は、駆動モードを第3駆動モードに設定するようにしてもよい。
また、前記制御手段は、前記駆動モード設定手段が、駆動モードを前記第1駆動モードに設定した場合に、前記エンジンの作動を停止するようにしてもよい。
また、前記制御手段は、前記駆動モード設定手段が、駆動モードを前記第3駆動モードに設定した場合に、前記電動発電機を発電機として作動させるようにしてもよい。
また、前記制御手段は、前記駆動モード設定手段が、駆動モードを前記第3駆動モードに設定した場合に、前記電動発電機を発電機として作動させるようにしてもよい。
本発明の作業装置付きハイブリッド式車両の制御装置によれば、エンジンの動力(運動エネルギ)を作業装置に直接的に伝達することができるため、走行用モータとは別個に作業装置用モータを備えた従来の構成に比べ、エンジンの動力(運動エネルギ)を電気エネルギに変換する必要が無くなり、エネルギの変換に伴うエネルギ損失を低減できるほか、作業装置の稼動時における燃費も改善することができる。
また、走行用モータとは別個に作業装置用モータを備える必要が無くなるため、車両自体の重量が軽減されることで、走行時の燃費を改善できるほか、車両の製造コストも削減することができる。
また、電動発電機の出力トルクでは前記要求トルクが不足する場合は、その不足分をエンジンで出力するように制御するので、作業装置の動力は電動発電機により賄える限り電動発電機の動力が利用されることになり、エンジンの作動頻度を抑えて、騒音や排気を抑制しながら作業を行なうことができる。
また、電動発電機の出力トルクでは前記要求トルクが不足する場合は、その不足分をエンジンで出力するように制御するので、作業装置の動力は電動発電機により賄える限り電動発電機の動力が利用されることになり、エンジンの作動頻度を抑えて、騒音や排気を抑制しながら作業を行なうことができる。
この場合、バッテリの充電状態(バッテリ充電量SOC)に応じて、適宜、エンジンと走行用モータとの動力の選択を行うことにより、バッテリ充電量SOCが低下した状態でも、エンジンの動力のみを用いることでバッテリ充電量SOCの過剰な低下を抑えながら作業装置の稼動を継続することができる。
以下、図面により、本発明の実施形態について説明する。
図1〜4は本発明の一実施形態を説明するもので、図1はその作業装置を架載したハイブリッド式車両の駆動系と制御装置を示すブロック図、図2はその作業装置に動力を伝達するPTO装置を示すブロック図、図3,4はその制御装置の制御内容を示すフローチャートである。
図1〜4は本発明の一実施形態を説明するもので、図1はその作業装置を架載したハイブリッド式車両の駆動系と制御装置を示すブロック図、図2はその作業装置に動力を伝達するPTO装置を示すブロック図、図3,4はその制御装置の制御内容を示すフローチャートである。
まず、図1,2を用いて、本発明の一実施形態に係るハイブリッド式車両の駆動系から説明する。
[ハイブリッド式車両の駆動系の詳細]
本実施形態にかかるハイブリッド式車両(以下、車両という)の駆動系は、図1に示すように、走行用エンジン(内燃機関)1と、クラッチ装置(断接手段、単にクラッチともいう)2と、走行用モータ(電動発電機)3と、機械式自動変速機(変速機)4と、プロペラシャフト20と、差動装置21と、左右の駆動輪22R,22Lと、インバータ10と、バッテリ11と、PTO装置(動力取出装置)5と、作業装置12とを備えている。
[ハイブリッド式車両の駆動系の詳細]
本実施形態にかかるハイブリッド式車両(以下、車両という)の駆動系は、図1に示すように、走行用エンジン(内燃機関)1と、クラッチ装置(断接手段、単にクラッチともいう)2と、走行用モータ(電動発電機)3と、機械式自動変速機(変速機)4と、プロペラシャフト20と、差動装置21と、左右の駆動輪22R,22Lと、インバータ10と、バッテリ11と、PTO装置(動力取出装置)5と、作業装置12とを備えている。
エンジン1は、詳細を後述する車両制御ECU(制御手段)30のエンジン制御部31によって、車両の運転状態や作業装置12の稼動状態に応じた動力を生ずるように燃焼制御されている。また、エンジン1の出力軸は、クラッチ装置2によって走行用モータ3の回転軸(入力側)と断接可能に構成されている。
クラッチ装置2には、油圧により断接作動する摩擦クラッチが備えられ、図示しないクラッチ装置2用の油圧ポンプによって作動油が供給されることで、エンジン1の出力軸と走行用モータ3の回転軸とを断接制御するよう構成されている。このクラッチ装置2は、車両制御ECU30のクラッチ装置制御部(断接制御手段)33から作動信号が出力されることによって、断接制御が適宜おこなわれるようになっている。
クラッチ装置2には、油圧により断接作動する摩擦クラッチが備えられ、図示しないクラッチ装置2用の油圧ポンプによって作動油が供給されることで、エンジン1の出力軸と走行用モータ3の回転軸とを断接制御するよう構成されている。このクラッチ装置2は、車両制御ECU30のクラッチ装置制御部(断接制御手段)33から作動信号が出力されることによって、断接制御が適宜おこなわれるようになっている。
走行用モータ3は、その回転軸の出力側が、機械式自動変速機4の入力軸41と接続されており、バッテリ11に蓄えられた直流電力が、インバータ10によって交流電力に変換されて供給されることにより駆動源(走行用モータ3)として作動する。
機械式自動変速機4は、図2に示すように、走行用モータ3の回転軸(出力側)に接続された入力軸41と、カウンタ軸43と、プロペラシャフト20に接続された出力軸42とを備えている。また、入力軸41とカウンタ軸43との間には、エンジン1及び走行用モータ3から出力された動力を伝達する入力ギヤ44a,44bが設けられている。また、カウンタ軸43と出力軸42との間には、所定の変速段毎に噛合う複数の変速ギヤ対45の組み合わせが設けられている。また、カウンタ軸43には、詳細を後述するPTO装置5に動力を出力する出力ギヤ43aが設けられている。
機械式自動変速機4は、図2に示すように、走行用モータ3の回転軸(出力側)に接続された入力軸41と、カウンタ軸43と、プロペラシャフト20に接続された出力軸42とを備えている。また、入力軸41とカウンタ軸43との間には、エンジン1及び走行用モータ3から出力された動力を伝達する入力ギヤ44a,44bが設けられている。また、カウンタ軸43と出力軸42との間には、所定の変速段毎に噛合う複数の変速ギヤ対45の組み合わせが設けられている。また、カウンタ軸43には、詳細を後述するPTO装置5に動力を出力する出力ギヤ43aが設けられている。
プロペラシャフト20は、機械式自動変速機4の出力軸42と接続されおり、エンジン1及び走行用モータ3の動力が、このプロペラシャフト20から差動装置21を介して左右の駆動輪22L,22Rに伝達されるように構成されている。
従って、クラッチ装置2が車両制御ECU30のクラッチ装置制御部32によって接続制御されるときは、エンジン1の出力軸と走行用モータ3の回転軸とが接続されることにより、エンジン1及び走行用モータ3の動力が、機械式自動変速機4で適切な回転速度に変速調整された後に、プロペラシャフト20から差動装置21を介して左右の駆動輪22L,22Rへと伝達されるようになっている。
従って、クラッチ装置2が車両制御ECU30のクラッチ装置制御部32によって接続制御されるときは、エンジン1の出力軸と走行用モータ3の回転軸とが接続されることにより、エンジン1及び走行用モータ3の動力が、機械式自動変速機4で適切な回転速度に変速調整された後に、プロペラシャフト20から差動装置21を介して左右の駆動輪22L,22Rへと伝達されるようになっている。
一方、クラッチ装置2が切断制御されているときには、エンジン1の出力軸と走行用モータ3の回転軸とが切断され、走行用モータ2の動力のみが機械式自動変速機4で適切な回転速度に変速調整された後に、プロペラシャフト20から差動装置21を介して左右の駆動輪22L,22Rへと伝達されるようになっている。
また、走行用モータ3は、車両が減速する際は、発電機として作動する。すなわち、減速時に生じる駆動輪22L,22Rの運動エネルギは、差動装置21,プロペラシャフト20,機械式自動変速機4を介し走行用モータ3に伝達され、交流電力へと変換される。
また、走行用モータ3は、車両が減速する際は、発電機として作動する。すなわち、減速時に生じる駆動輪22L,22Rの運動エネルギは、差動装置21,プロペラシャフト20,機械式自動変速機4を介し走行用モータ3に伝達され、交流電力へと変換される。
そして、この交流電力はインバータ10で直流電力に変換された後、バッテリ11に蓄電されることにより、駆動輪22L,22Rの運動エネルギは電気エネルギとして回生されるようになっている。
また、走行用モータ3は、バッテリ11の充電状態(以下、バッテリ充電量SOCという)が、詳細を後述する車両制御ECU30のバッテリ制御部34によって所定値(第2の下限値)以下と算出された場合も、発電機として作動する。この場合、クラッチ装置2は接続制御され、エンジン1の駆動力の一部を用いて走行用モータ3を駆動することにより発電が行われる。その後、この発電された交流電力はインバータ10によって直流電力に変換した後に、バッテリ11に蓄電されるようになっている。
また、走行用モータ3は、バッテリ11の充電状態(以下、バッテリ充電量SOCという)が、詳細を後述する車両制御ECU30のバッテリ制御部34によって所定値(第2の下限値)以下と算出された場合も、発電機として作動する。この場合、クラッチ装置2は接続制御され、エンジン1の駆動力の一部を用いて走行用モータ3を駆動することにより発電が行われる。その後、この発電された交流電力はインバータ10によって直流電力に変換した後に、バッテリ11に蓄電されるようになっている。
PTO装置(動力取出装置)5は、図2に示すように、機械式自動変速機4の側面に突出して設けられ、エンジン1及び走行用モータ3から機械式自動変速機4に伝達された動力を取出すもので、PTOギヤ51と、PTO入力軸52と、PTOクラッチ装置(第2断接手段、単にPTOクラッチともいう)53と、PTO出力軸54とを備えている。
PTOギヤ51は、PTO入力軸52の一端に設けられ、機械式自動変速機4内のカウンタ軸43に設けられた出力ギヤ43aと常時噛み合うことで、エンジン1及び走行用モータ3から伝達される動力を取出して、PTO入力軸52に伝達するように構成されている。
PTOギヤ51は、PTO入力軸52の一端に設けられ、機械式自動変速機4内のカウンタ軸43に設けられた出力ギヤ43aと常時噛み合うことで、エンジン1及び走行用モータ3から伝達される動力を取出して、PTO入力軸52に伝達するように構成されている。
PTOクラッチ装置53は、摩擦多板式の油圧クラッチであり、PTO入力軸52とPTO出力軸54との間に介装されている。また、PTOクラッチ装置53は、図示しないPTOクラッチ装置53用の油圧ポンプから作動油が供給されることにより、PTO入力軸52とPTO出力軸54とを接続状態にして、PTO出力軸54に伝達されたエンジン1及び走行用モータ3からの動力をPTO出力軸54へと伝達するように構成されている。
また、PTOクラッチ装置53は、車両制御ECU30のPTOクラッチ制御部35から制御信号が出力されることにより、その断接制御が実行されるように構成されている。
PTO出力軸54は、詳細を後述する作業装置12内の作動油ポンプ12pと接続されており、PTOクラッチ装置53が接続状態のときに、この作業装置用の作動油ポンプ12pに動力を伝達するように構成されている。
PTO出力軸54は、詳細を後述する作業装置12内の作動油ポンプ12pと接続されており、PTOクラッチ装置53が接続状態のときに、この作業装置用の作動油ポンプ12pに動力を伝達するように構成されている。
作業装置12は、例えば作動油を供給する作動油ポンプ12pを備えた図示しない高所作業装置等が架載されており、機械式自動変速機4からPTO装置5によって取出された動力が、この作動油ポンプ12pに伝達され、アクチュエータ12dに作動油が供給されるようにすることで、作業装置12が稼動するように構成されている。なお、作業装置12は必ずしも作動油ポンプ12p等の流体圧力で稼動するものに限られず、例えばコンプレッサ等のエア圧力で稼動するものでもよい。
また、作業装置12の操作部12aには、操作レバー12bが備えられており、作業者による操作レバー12bの操作量に応じて、エンジン1や走行用モータ3の動力がPTO装置5を介して作業装置12の作動油ポンプ12pに伝達されるように構成されている。この操作レバー12bの操作量は、車両制御ECU30の要求トルク算出部36に出力されるようになっている。
また、操作部12aには、作業装置稼動ボタン12cが備えられており、作業者がこの作業装置稼動ボタン12cをOn操作することにより、車両制御ECU30内のPTOクラッチ装置制御部36に信号が出力され、PTOクラッチ装置53が接続制御されるように構成されている。また、Off操作がなされた場合は、PTOクラッチ装置53は切断制御がされるように構成されている。
また、作業装置12には、図示しない操作量検出センサが設けられており、作業者による操作レバー12bの操作量を検出して、この操作量を車両制御ECU30の要求トルク算出部36に出力するように構成されている。なお、ここでいう操作量とは、作業者が操作レバー12bを所定の方向に操作(例えば、操作レバー12bが作業者に対して、左右方向に操作可能な場合は、左右いずれか一方へ操作レバー12bを操作)した場合の、操作レバー12bの移動量をいう。
[ハイブリッド式車両の制御装置の詳細]
以下、図1を用いて、本発明の一実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置について説明する。
本実施形態に係る車両制御ECU30は、公知のCPUやROMから構成されており、エンジン制御部(エンジン制御手段)31と、インバータ制御部(電動発電機制御手段)32と、クラッチ装置制御部(断接制御手段)33と、バッテリ制御部(充電状態算出手段)34と、PTOクラッチ装置制御部35と、要求トルク算出部(要求トルク算出手段)36と、駆動モード設定部(駆動モード設定手段)37と、トルク配分率設定部(トルク配分率設定手段)38とを機能要素として備えている。なお、これら各機能要素は、本実施形態では一体のハードウェアに設けたものとして説明するが、それぞれ又は一部を別体のハードウェアに設けることもできる。
以下、図1を用いて、本発明の一実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置について説明する。
本実施形態に係る車両制御ECU30は、公知のCPUやROMから構成されており、エンジン制御部(エンジン制御手段)31と、インバータ制御部(電動発電機制御手段)32と、クラッチ装置制御部(断接制御手段)33と、バッテリ制御部(充電状態算出手段)34と、PTOクラッチ装置制御部35と、要求トルク算出部(要求トルク算出手段)36と、駆動モード設定部(駆動モード設定手段)37と、トルク配分率設定部(トルク配分率設定手段)38とを機能要素として備えている。なお、これら各機能要素は、本実施形態では一体のハードウェアに設けたものとして説明するが、それぞれ又は一部を別体のハードウェアに設けることもできる。
エンジン制御部31は、エンジン1の始動・停止制御を行うほか、図示しないアクセルペダルの踏込み量に応じた車両の走行に必要なエンジン1の出力トルクや、詳細を後述する要求トルク算出部36によって算出された要求トルク量をエンジン1が出力するように、エンジン1の燃料噴射量や噴射時期などのエンジン1自体の各種制御を行うものである。
インバータ制御部32は、走行用モータ3が要求トルク算出部36によって算出された要求トルク量を出力するようにインバータ10を制御することで、走行用モータ3を駆動源(モータ)として作動させるとともに、後述するバッテリ制御部34によって、バッテリ充電量SOCが所定値(第2の下限値)以下と算出された場合は、走行用モータ3を発電機として作動させる切替え制御を行うものである。
バッテリ制御部34は、バッテリ11に設けられた図示しない各種電圧センサや温度センサの検出結果に基づいて、バッテリ11のバッテリ充電量SOCを算出し、この算出結果を後述する駆動モード設定部37に出力する。
PTOクラッチ装置制御部35は、作業者による作業装置稼動ボタン12cのOn/Off操作に応じてPTOクラッチ装置53を断接制御するものである。作業装置稼動ボタン12cがOn操作された場合は、PTOクラッチ装置53に接続信号を出力することで、PTO入力軸52とPTO出力軸54とを接続状態に制御する。一方で、作業装置稼動ボタン12cがOff操作された場合は、PTOクラッチ装置53に切断信号を出力することで、PTO入力軸52とPTO出力軸54とを切断状態に制御する。
PTOクラッチ装置制御部35は、作業者による作業装置稼動ボタン12cのOn/Off操作に応じてPTOクラッチ装置53を断接制御するものである。作業装置稼動ボタン12cがOn操作された場合は、PTOクラッチ装置53に接続信号を出力することで、PTO入力軸52とPTO出力軸54とを接続状態に制御する。一方で、作業装置稼動ボタン12cがOff操作された場合は、PTOクラッチ装置53に切断信号を出力することで、PTO入力軸52とPTO出力軸54とを切断状態に制御する。
要求トルク演算部36は、作業装置12から出力される操作レバー12bの操作量に基づいて、作業装置12を稼動させるのに必要な要求トルク量(Rt)を演算するものである。なお、必要な要求トルク量(Rt)とは、操作レバー12bの操作量に応じて、作業装置12の作動油ポンプ12pにPTO装置5を介して伝達されるべき動力であって、エンジン1の出力トルク(Et),走行用モータ3の出力トルク(Mt)若しくは、これら双方の出力トルクを加算した出力トルク(Et+Mt)をいう。また、この算出された要求トルク量(Rt)は、後述する駆動モード設定部37に出力される。
駆動モード設定部37には、駆動モードとして、走行用モータ3の動力のみを作業装置12に伝達する「第1の駆動モード」と、エンジン1と走行用モータ3の双方の動力を作業装置12に伝達する「第2の駆動モード」と、エンジン1の動力のみを作業装置12に伝達する「第3の駆動モード」とが予め記憶されている。また、バッテリ充電量SOCについて予め定めた所定の値として、第1の下限値(第1の閾値)と、この第1の下限値よりも低い第2の下限値(第2の閾値)とが記憶されている。そして、この第1の下限値と第2の下限値とを、前述のバッテリ制御部34から出力されたバッテリ充電量SOCと比較することで、適宜、バッテリ充電量SOCの状態に応じた最適な駆動モードの設定を行うものである。なお、ここで最適な駆動モードの設定とは、バッテリ充電量SOCが第1の下限値(第1の閾値)以上の場合は、第1の駆動モードに設定することをいう。また、バッテリ充電量SOCが第1の下限値(第1の閾値)よりも小さいが、第2の下限値(第2の閾値)以上の場合は、第2の駆動モードに設定することをいう。また、バッテリ充電量SOCが第2の下限値(第2の閾値)よりも小さい場合は、第3の駆動モードに設定することをいう。また、本実施形態における第1の下限値とは、バッテリ充電量SOCが55%の値をいい、第2の下限値とは、バッテリ充電量SOCが45%の値をいう。
また、駆動モード設定部37は、駆動モードを第1の駆動モードに設定した場合は、要求トルク量(Rt)を走行用モータ3の出力トルク(Mt)としてインバータ制御部32に出力し、第2の駆動モードに設定された場合は、要求トルク(Rt)を後述するトルク配分率設定部38に出力し、第3の駆動モードに設定した場合は、要求トルク量(Rt)をエンジン1の出力トルク(Et)としてエンジン制御部31に出力する。
トルク配分率設定部38は、前述の駆動モード設定部37によって、駆動モードが第2の駆動モードに設定された場合に、エンジン1が出力すべきトルク量(Et)と、走行用モータ3が出力すべきトルク量(Mt)との配分率を設定するものである。このトルク配分率の設定は、要求トルク量(Rt)に応じて予め定められたエンジン1と走行用モータ3とのトルク配分率(Er,Mr)のマップ(図示しない)から、エンジン1のトルク配分率(Er)と走行用モータ2のトルク配分率(Mr)を読取ることで実行される。また、設定されたトルク配分率(Er,Mr)に要求トルク量(Rt)を乗じて得られた、エンジン1の出力トルク量(Rt×Er)と、走行用モータ3の出力トルク量(Rt×Mr)は、それぞれエンジン制御部31とインバータ制御部32とに出力される。
クラッチ装置制御部33は、駆動モード設定部37による各駆動モードの設定に応じて、クラッチ装置2を断接制御するものである。すなわち、駆動モード設定部37によって、駆動モードが第1の駆動モードに設定された場合は、クラッチ装置2に切断信号を出力することで、エンジン1の出力軸と走行用モータ3の回転軸とを切断状態に制御する。一方、駆動モードが第2の駆動モード若しくは、第3の駆動モードに設定された場合は、クラッチ装置2に接続信号を出力することで、エンジン1の出力軸と走行用モータ3の回転軸とを接続状態に制御する。
本発明の一実施形態にかかる作業装置付きハイブリッド式車両の制御装置は、上述のように構成されているので、例えば図3,4に示すフローに従って制御が実施される。
まず、ステップA10では、作業装置稼動ボタン12cのOn/Off操作信号が、車両制御ECU30のPTO装置制御部35に取り込まれる。ここで、On操作信号が受信された場合は、ステップA15へと進み、Off操作信号が受信された場合はステップC10へと進む。
まず、ステップA10では、作業装置稼動ボタン12cのOn/Off操作信号が、車両制御ECU30のPTO装置制御部35に取り込まれる。ここで、On操作信号が受信された場合は、ステップA15へと進み、Off操作信号が受信された場合はステップC10へと進む。
ステップA15では、作業装置12が稼動中であるか又は、停止中であるかの稼動判定が実施される。ここで、稼動判定フラグFは、作業装置12の図示しないセンサからの信号に基づいて、作業装置12が稼働中と判定されたときには値1に設定され、作業装置12が停止中と判定されたときには値0に設定される。作業装置12が稼働中(F=1)と判定された場合はステップA25へと進み、停止中(F=0)と判定された場合はステップA20へと進む。
ステップA20では、PTOクラッチ装置制御部35がOn操作信号を受信したことを受けて、PTOクラッチ装置53の接続制御を実施する。具体的には、PTOクラッチ装置53に接続信号を出力し、このPTOクラッチ装置53用の図示しない作動油ポンプからPTOクラッチ装置53に作動油が供給されることで、PTO入力軸52とPTO出力軸54とが接続状態に制御される。
ステップA25では、作業者による操作レバー12bの操作を受けて、要求トルク算出部36に操作量検出センサによって検出された操作量が取り込まれ、この操作量に基づいて作業装置12の稼動に必要な要求トルク量(Rt)が算出される。
ステップA30では、要求トルク量(Rt)の算出値と、走行用モータ3の最大トルク量(Mt)との比較が行われる。要求トルク量(Rt)が走行用モータ3の最大トルク量(Mt)以下である場合(Rt≦Mt)はステップA40へと進む。一方、要求トルク量(Rt)が走行用モータ3の最大トルク量(Mt)よりも大きい場合(Rt>Mt)は、図4に示すステップB10へと進む。
ステップA30では、要求トルク量(Rt)の算出値と、走行用モータ3の最大トルク量(Mt)との比較が行われる。要求トルク量(Rt)が走行用モータ3の最大トルク量(Mt)以下である場合(Rt≦Mt)はステップA40へと進む。一方、要求トルク量(Rt)が走行用モータ3の最大トルク量(Mt)よりも大きい場合(Rt>Mt)は、図4に示すステップB10へと進む。
ステップA40では、駆動モード設定部37にバッテリ制御部34によって算出された現在のバッテリ充電量SOCが出力され、この出力されたバッテリ充電量SOCと駆動モード設定部37に予め記憶されたバッテリ充電量SOCの第1の下限値(第1の閾値)との比較がおこなわれる。なお、本実施形態においては、この第1の下限値(第1の閾値)は55%に設定されている。
ここで、バッテリ制御部34によるバッテリ充電量SOCの演算結果が、55%(第1の閾値)以上の場合はステップA60へと進む。一方、バッテリ充電量SOCが55%(第1の閾値)未満であれば、ステップA50へと進む。
ステップA50では、駆動モード設定部37によって、さらに、この出力されたバッテリ充電量SOCの算出結果と駆動モード設定部37に予め記憶されたバッテリ充電量SOCの第2の下限値(第2の閾値)との比較がおこなわれる。なお、本実施形態においては、この第2の下限値(第2の閾値)は45%に設定されている。
ステップA50では、駆動モード設定部37によって、さらに、この出力されたバッテリ充電量SOCの算出結果と駆動モード設定部37に予め記憶されたバッテリ充電量SOCの第2の下限値(第2の閾値)との比較がおこなわれる。なお、本実施形態においては、この第2の下限値(第2の閾値)は45%に設定されている。
ここで、バッテリ制御部34によるバッテリ充電量SOCの算出結果が、55%(第1の閾値)よりも小さいが、45%(第2の閾値)以上であれば(45%≦SOC<55%)、ステップA70へと進む。一方で、バッテリ制御部34によるバッテリ充電量SOCの算出結果が、45%(第2の閾値)よりも小さい場合(SOC<45%)は、ステップA90へと進む。
ステップA60では、駆動モード設定部37が、ステップA40でバッテリ充電量SOCが55%(第1の閾値)以上であることを受けて、駆動モードを走行用モータ3の動力のみ作業装置12に伝達する「第1の駆動モード」に設定する。ここで、第1の駆動モードが設定されると、駆動モード設定部37からクラッチ装置制御部33にクラッチ切断信号が出力されることで、クラッチ装置2が切断状態に制御されるとともに、インバータ制御部32には、要求トルク算出部36で算出された要求トルクが出力され、走行用モータ3がこの要求トルクに応じた動力を出力するように制御される。
ステップA70では、駆動モード設定部37が、ステップA50でバッテリ充電量SOCが55%(第1の閾値)未満で、かつ45%(第2の閾値)以上であることを受けて、駆動モードをエンジン1の動力と走行用モータ3の動力との双方を作業装置12に伝達する「第2の駆動モード」に設定する。
ここで、第2の駆動モードが設定されると、駆動モード設定部37からクラッチ装置制御部33にクラッチ接続信号が出力されることで、エンジン1の出力軸と走行用モータ3の回転軸とが接続状態に制御される。
ここで、第2の駆動モードが設定されると、駆動モード設定部37からクラッチ装置制御部33にクラッチ接続信号が出力されることで、エンジン1の出力軸と走行用モータ3の回転軸とが接続状態に制御される。
ステップA80では、要求トルク算出部36で算出された要求トルク量が、トルク配分率設定部38に出力され、エンジン1が出力すべき動力であるエンジン1のトルク量(Et)と、走行用モータ3が出力すべき動力である走行用モータ3のトルク量(Mt)とが算出され、それぞれエンジン制御部31とインバータ制御部32とに出力される。
ステップA90では、駆動モード設定部が、ステップA50でバッテリ充電量SOCが45%(第2の閾値)未満であることを受けて、駆動モードをエンジン1の動力のみを作業装置12に伝達する「第3の駆動モード」に設定する。ここで、第3の駆動モードが設定されると、駆動モード設定部37からクラッチ装置制御部33にクラッチ接続信号が出力されることで、エンジン1の出力軸と走行用モータ3の回転軸とが接続状態に制御される。また、エンジン制御部31には、要求トルク算出部36で算出された要求トルク量をエンジン1が出力するように制御信号が出力されるとともに、インバータ制御部32には、発電機として作用するように制御信号が出力される。
ステップA90では、駆動モード設定部が、ステップA50でバッテリ充電量SOCが45%(第2の閾値)未満であることを受けて、駆動モードをエンジン1の動力のみを作業装置12に伝達する「第3の駆動モード」に設定する。ここで、第3の駆動モードが設定されると、駆動モード設定部37からクラッチ装置制御部33にクラッチ接続信号が出力されることで、エンジン1の出力軸と走行用モータ3の回転軸とが接続状態に制御される。また、エンジン制御部31には、要求トルク算出部36で算出された要求トルク量をエンジン1が出力するように制御信号が出力されるとともに、インバータ制御部32には、発電機として作用するように制御信号が出力される。
すなわち、エンジン1の動力のみを用いる第3の駆動モードでは、このエンジン1の動力が走行用モータ3の回転軸に伝達され、走行用モータ3を発電機として作用させることで、バッテリ11を充電してバッテリ充電量SOCを回復させつつ、作業装置12を稼動させるようになっている。
その後、ステップA100では、設定された各駆動モードに応じて、操作レバー12bの操作量に応じた作業装置12の稼動が実行され、稼動が終了すると制御はリターンされる。
その後、ステップA100では、設定された各駆動モードに応じて、操作レバー12bの操作量に応じた作業装置12の稼動が実行され、稼動が終了すると制御はリターンされる。
また、ステップA10で、作業装置稼動ボタン12cのOff操作信号が受信された場合はステップC10へと進む。
ステップC10では、作業装置12が停止中であるか否かが判定され、停止中(F=0)であれば、作業装置用制御はリターンされる。一方、停止中でない、すなわち稼働中であると判定された場合(F=1)は、ステップC20へと進む。
ステップC10では、作業装置12が停止中であるか否かが判定され、停止中(F=0)であれば、作業装置用制御はリターンされる。一方、停止中でない、すなわち稼働中であると判定された場合(F=1)は、ステップC20へと進む。
ステップC20では、PTOクラッチ装置53に切断信号が出力され、PTO入力軸52とPTO出力軸54とが切断状態に制御されるとともに、ステップC30において、作業装置12が停止中(F=0)であることを確認し、制御はリターンされる。
一方、ステップA30で、要求トルク算出部36による作業装置12の要求トルク量(Rt)の算出値が、走行用モータの最大トルク量(Mt)よりも大きい場合(Rt>Mt)は図4に示すステップB10へと進む。
一方、ステップA30で、要求トルク算出部36による作業装置12の要求トルク量(Rt)の算出値が、走行用モータの最大トルク量(Mt)よりも大きい場合(Rt>Mt)は図4に示すステップB10へと進む。
ステップB10では、バッテリ制御部34によって算出された現在のバッテリ充電量SOCが駆動モード設定部37に出力され、この出力されたバッテリ充電量SOCの算出結果と予め記憶されたバッテリ充電量SOCの第1の下限値(第1の閾値)であるバッテリ充電量SOC55%との比較がおこなわれる。ここで、バッテリ制御部によるバッテリ充電量SOCの算出結果が、55%(第1の閾値)以上の場合はステップB20へと進む。一方、55%(第1の閾値)未満であれば、ステップB40へと進む。
ステップB20では、ステップB10でバッテリ充電量SOCが55%以上であることを受けて、駆動モード設定部37が、駆動モードをエンジン1の動力と走行用モータ3の動力との双方を作業装置12に伝達する「第2の駆動モード」に設定する。
ここで、第2の駆動モードに設定されると、駆動モード設定部37からクラッチ装置制御部33に接続信号が出力されることで、エンジンの出力軸と走行用モータの回転軸とが接続状態に制御される。
ここで、第2の駆動モードに設定されると、駆動モード設定部37からクラッチ装置制御部33に接続信号が出力されることで、エンジンの出力軸と走行用モータの回転軸とが接続状態に制御される。
ステップB30では、トルク配分率設定部38が、走行用モータ3の出力を走行用モータ3の最大出力トルクに設定するとともに、エンジン1の出力を要求トルク量から走行用モータ3の最大出力トルクを差し引いたトルクに設定し、それぞれの設定値をインバータ制御部32とエンジン制御部31とに出力する。
ステップB40では、駆動モード設定部37が、ステップB10でバッテリ充電量SOCが55%未満であることを受けて、駆動モードをエンジンの動力のみを作業装置12に伝達する「第3の駆動モード」に設定する。ここで、第3の駆動モードが設定されると、駆動モード設定部37からクラッチ装置制御部33に接続信号が出力されることで、エンジンの出力軸と走行用モータの回転軸とが接続状態に制御される。
ステップB40では、駆動モード設定部37が、ステップB10でバッテリ充電量SOCが55%未満であることを受けて、駆動モードをエンジンの動力のみを作業装置12に伝達する「第3の駆動モード」に設定する。ここで、第3の駆動モードが設定されると、駆動モード設定部37からクラッチ装置制御部33に接続信号が出力されることで、エンジンの出力軸と走行用モータの回転軸とが接続状態に制御される。
また、エンジン制御部31には、要求トルク算出部36で算出されたトルク量をエンジン1が出力するように制御信号が出力されるとともに、インバータ制御部32には、発電機として作用するように制御信号が出力される。
すなわち、エンジン1の動力のみを用いる第3の駆動モードでは、このエンジン1の動力が走行用モータの回転軸に伝達され、走行用モータ3を発電機として作用させることで、バッテリ11の充電を行いながらバッテリ充電量SOCを回復させつつ、作業装置12を稼動させるようになっている。
すなわち、エンジン1の動力のみを用いる第3の駆動モードでは、このエンジン1の動力が走行用モータの回転軸に伝達され、走行用モータ3を発電機として作用させることで、バッテリ11の充電を行いながらバッテリ充電量SOCを回復させつつ、作業装置12を稼動させるようになっている。
その後、ステップA100に戻り、設定された各駆動モードに応じて、操作レバー12bの操作量に応じた作業装置12の稼動が実行され、稼動が終了すると制御はリターンされる。
なお、上述のステップA60において、駆動モードを第1の駆動モードに設定した場合は、エンジン制御部31にエンジン停止信号を出力し、次に他の駆動モードが設定されるまでの間は、エンジン1を停止させるようにしてもよい。
なお、上述のステップA60において、駆動モードを第1の駆動モードに設定した場合は、エンジン制御部31にエンジン停止信号を出力し、次に他の駆動モードが設定されるまでの間は、エンジン1を停止させるようにしてもよい。
また、スタートの時点でエンジン1を停止させておき、駆動モードが第2の駆動モード若しくは、第3の駆動モードに設定された場合にのみ、エンジン1を始動させるようにしてもよい。
[作用・効果]
以上のような制御内容により、本発明の一実施形態における作業装置付きハイブリット式車両の制御装置によれば以下のような作用・効果を奏する。
すなわち、クラッチ装置2が接続制御された場合、エンジン1の動力は、PTO装置5を介して作業装置12用の作動油ポンプ12pに伝達される。
以上のような制御内容により、本発明の一実施形態における作業装置付きハイブリット式車両の制御装置によれば以下のような作用・効果を奏する。
すなわち、クラッチ装置2が接続制御された場合、エンジン1の動力は、PTO装置5を介して作業装置12用の作動油ポンプ12pに伝達される。
したがって、エンジン1の動力(運動エネルギ)を作業装置12に直接的に伝達することができるため、走行用モータ3とは別個に作業装置12用モータを備える従来の構成に比べ、エンジン1の動力(運動エネルギ)を電気エネルギに変換する必要が無くなり、エネルギの変換に伴うエネルギ損失を低減できるほか、作業装置12の稼動時の燃費も改善することができる。
また、走行用モータ3とは別個に作業装置12用モータを備える必要が無くなり、車両自体の重量が軽減されることで、車両走行時の燃費を改善できるほか、車両の製造コストも削減することができる。
また、バッテリ制御部34によってバッテリ充電量SOCを検出し、この検出されたバッテリ充電量SOCが十分ある場合(第1の閾値以上ある)は、走行用モータ3のみ駆動させる第1駆動モードとし、バッテリ充電量SOCが中程度ある場合(第1の閾値より小さいが、第2の閾値以上ある)は、エンジン1と走行用モータ3の双方を駆動させる第2駆動モードとし、バッテリ充電量SOCが不十分である場合(第2の閾値以下)は、エンジン1のみを駆動させる第3駆動モードとすることで、適宜、バッテリ充電量SOCに応じた最適な駆動モードが設定されるように構成されている。
また、バッテリ制御部34によってバッテリ充電量SOCを検出し、この検出されたバッテリ充電量SOCが十分ある場合(第1の閾値以上ある)は、走行用モータ3のみ駆動させる第1駆動モードとし、バッテリ充電量SOCが中程度ある場合(第1の閾値より小さいが、第2の閾値以上ある)は、エンジン1と走行用モータ3の双方を駆動させる第2駆動モードとし、バッテリ充電量SOCが不十分である場合(第2の閾値以下)は、エンジン1のみを駆動させる第3駆動モードとすることで、適宜、バッテリ充電量SOCに応じた最適な駆動モードが設定されるように構成されている。
したがって、バッテリ充電量SOCが低下した状態でも、エンジン1の動力のみを用いることで作業装置12の稼動を継続することができる。
また、走行用モータ3の出力トルクでは作業装置12の要求トルクが不足する場合に、その不足分をエンジン1で出力するように制御するので、作業装置12の動力は走行用モータ3により賄える限り、この走行用モータ3の動力が利用されることになる。
また、走行用モータ3の出力トルクでは作業装置12の要求トルクが不足する場合に、その不足分をエンジン1で出力するように制御するので、作業装置12の動力は走行用モータ3により賄える限り、この走行用モータ3の動力が利用されることになる。
したがって、エンジン1の作動頻度を抑えて、騒音や排気を抑えつつ作業を行なうことができる。
また、第3駆動モードに設定された場合は、走行用モータ3を発電機として作動させることで、バッテリ11への充電が行われる。
したがって、バッテリ充電量SOCが低下した場合でも、作業装置12の稼動を継続しつつ、その間にバッテリ充電量SOCの回復を図ることができる。
また、第3駆動モードに設定された場合は、走行用モータ3を発電機として作動させることで、バッテリ11への充電が行われる。
したがって、バッテリ充電量SOCが低下した場合でも、作業装置12の稼動を継続しつつ、その間にバッテリ充電量SOCの回復を図ることができる。
また、第1駆動モードに設定された場合は、走行用モータ3のみを駆動させて、エンジン1は停止される。
したがって、作業装置12の稼動時におけるエンジン1の消費燃料を削減できるほか、排気ガスの排出も削減され、エンジン1の作動音による騒音も低減することができる。
また、作業装置12の要求トルク量が、走行用モータ3の最大出力トルクよりも大きい場合において、バッテリ充電量SOCが十分ある場合(第1の閾値以上ある)は、走行用モータ3の動力を走行用モータの最大出力トルクに設定するとともに、エンジン1の動力を要求トルク量と走行用モータ3の最大出力トルクとの差に設定して作業装置12を稼動させる。また、バッテリ充電量SOCが中程度か不十分である場合(第1の閾値未満)は、エンジン1のみを駆動させる第3駆動モードに設定して作業装置12を稼動させる。また、第3の駆動モードに設定された場合は、走行用モータ3は発電機として作動する。
したがって、作業装置12の稼動時におけるエンジン1の消費燃料を削減できるほか、排気ガスの排出も削減され、エンジン1の作動音による騒音も低減することができる。
また、作業装置12の要求トルク量が、走行用モータ3の最大出力トルクよりも大きい場合において、バッテリ充電量SOCが十分ある場合(第1の閾値以上ある)は、走行用モータ3の動力を走行用モータの最大出力トルクに設定するとともに、エンジン1の動力を要求トルク量と走行用モータ3の最大出力トルクとの差に設定して作業装置12を稼動させる。また、バッテリ充電量SOCが中程度か不十分である場合(第1の閾値未満)は、エンジン1のみを駆動させる第3駆動モードに設定して作業装置12を稼動させる。また、第3の駆動モードに設定された場合は、走行用モータ3は発電機として作動する。
したがって、作業装置12の要求トルク量が走行用モータ3の最大出力トルク量よりも大きい場合においても、バッテリ充電量SOCに応じて適宜、最適な駆動モードが設定され、バッテリ充電量SOCが低下した状態でも、作業装置12の稼動を継続でき、その間にバッテリ充電量SOCの回復も図ることができる。
[その他]
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
例えば、上述の実施形態においては、バッテリ充電量SOCについて予め定めた第1の下限値(第1の閾値)を55%に、第2の下限値(第2の閾値)を45%に設定して説明したが、この下限値の設定を、バッテリ11の温度や、架載される作業装置の種類に応じて変更するようにしてもよい。この場合も、上述の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
例えば、上述の実施形態においては、バッテリ充電量SOCについて予め定めた第1の下限値(第1の閾値)を55%に、第2の下限値(第2の閾値)を45%に設定して説明したが、この下限値の設定を、バッテリ11の温度や、架載される作業装置の種類に応じて変更するようにしてもよい。この場合も、上述の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、作業装置12として作動油ポンプを備えるものを用いて説明したが、作業装置12は必ずしも作動油ポンプによって稼動するものに限られず、例えば、コンプレッサによって稼動するものであってもよい。この場合も、上述の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
1 エンジン
2 クラッチ装置(断接手段)
3 走行用モータ(電動発電機)
4 機械式自動変速機(変速機)
5 PTO装置(動力取出装置)
10 バッテリ
11 インバータ
12 作業装置
20 プロペラシャフト
21 差動装置
30 車両制御ECU(制御手段)
31 エンジン制御部(制御手段)
33 クラッチ制御部(断接制御手段)
34 バッテリ制御部(バッテリ充電量算出手段)
36 要求トルク算出部(要求トルク算出手段)
37 駆動モード設定部(駆動モード設定手段)
38 トルク配分率設定部(トルク配分率設定手段)
2 クラッチ装置(断接手段)
3 走行用モータ(電動発電機)
4 機械式自動変速機(変速機)
5 PTO装置(動力取出装置)
10 バッテリ
11 インバータ
12 作業装置
20 プロペラシャフト
21 差動装置
30 車両制御ECU(制御手段)
31 エンジン制御部(制御手段)
33 クラッチ制御部(断接制御手段)
34 バッテリ制御部(バッテリ充電量算出手段)
36 要求トルク算出部(要求トルク算出手段)
37 駆動モード設定部(駆動モード設定手段)
38 トルク配分率設定部(トルク配分率設定手段)
Claims (6)
- エンジン及び電動発電機の動力を、変速機を介して駆動軸に伝達して走行するハイブリッド式車両に備えられ、
前記電動発電機に電力を供給するバッテリと、
前記バッテリの充電量を算出するバッテリ充電量算出手段と、
前記エンジンから前記変速機に伝達される駆動力を断接可能にする断接手段と、
前記ハイブリッド式車両に架載された作業装置と、
前記変速機から動力を取出して前記作業装置に伝達する動力取出装置と、
前記バッテリ充電量算出手段によって算出された充電量に応じて、前記断接手段を断接制御する断接制御手段と、
前記作業装置の要求トルクを算出する要求トルク算出手段を備え、前記要求トルク算出手段により算出された要求トルクに応じて、前記電動発電機の出力トルクでは前記要求トルクが不足するときに、前記エンジンにより該不足分のトルクを出力するように制御する制御手段と、を備えた
ことを特徴とする、作業装置付きハイブリッド式車両の制御装置。 - 前記作業装置に伝達する動力を、前記電動発電機の動力のみとした第1駆動モードと、前記電動発電機と前記エンジンとの双方の動力とした第2駆動モードと、前記エンジンの動力のみとした第3駆動モードとを有し、
前記制御手段は、前記充電量が第1の閾値よりも高い場合は前記第1駆動モードに設定し、前記充電量が前記第1の閾値よりも低いが第2の閾値よりも高い場合は前記第2駆動モードに設定し、前記充電量が前記第2の閾値よりも低い場合は前記第3駆動モードに設定する駆動モード設定手段を備えるとともに、
前記断接制御手段が設定された前記各駆動モードに応じて前記断接手段を断接制御する
ことを特徴とする請求項1記載の作業装置付きハイブリッド式車両の制御装置。 - 前記制御手段は、前記駆動モード設定手段が、駆動モードを前記第2駆動モードに設定した場合に、前記要求トルクに応じて、前記エンジンの動力と前記電動発電機の動力との配分率を設定するトルク配分率設定手段を備える
ことを特徴とする請求項2記載の作業装置付きハイブリッド式車両の制御装置。 - 前記要求トルクが、前記電動発電機の最大出力トルクよりも大きい場合において、
前記制御手段は、
前記充電量が前記第2の閾値よりも高い場合は、駆動モードを第2駆動モードに設定するとともに、前記トルク配分率設定手段が前記電動発電機の動力を前記最大出力トルクに設定し、
前記充電量が前記第2の閾値よりも低い場合は、駆動モードを第3駆動モードに設定する
ことを特徴とする請求項3記載の作業装置付きハイブリッド式車両の制御装置。 - 前記制御手段は、前記駆動モード設定手段が、駆動モードを前記第1駆動モードに設定した場合に、前記エンジンの作動を停止する
ことを特徴とする請求項2又は3記載の作業装置付きハイブリッド式車両の制御装置。 - 前記制御手段は、前記駆動モード設定手段が、駆動モードを前記第3駆動モードに設定した場合に、前記電動発電機を発電機として作動させる
ことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の作業装置付きハイブリッド式車両の制御装置。
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